天皇制と皇室典範改正
国会における投票行動は国民の総意に沿ったもの
本改正案は、衆議院では、党として反対したのは4 人の議員を抱える共産党のみ。会派に属しない議員や中道の一部反対の議員を加味しても9 割以上が賛成して可決しています。参議院では、賛成184、反対57、棄権2 、総投票数に対して76.34%の賛成で可決しました。憲法上、天皇制は国民の総意に基づくと定められており、国会の投票行動はこの規定に沿ったものでした。
三島由紀夫の「なぜ、天皇は、必然なのか」
今回の皇室典範改正に際して、私自身も再度天皇制とは何かと考えました。興味深かったのは、三島由紀夫氏の「なぜ、天皇は、必然なのか?」というyoutubeの動画でした。歴史上、天皇は権力を持たず、権威だけの存在でした。現行憲法下で「天皇は、日本国の象徴であり日本国民の統合の象徴であって、この地位は、主権の存する日本国民の総意に基く。」と定められており、権力を持たず権威のみを有する天皇制を憲法上も規定しています。しかし、憲法が規定するはるか前から権力を有しない存在であったからこそ、天皇制は続いてきたと三島は述べています。
より強いものに斃される権力
権力を有する多くの王朝がより強い力を持つ他の勢力によって斃されてきたことは世界中で起きてきました。日本においても、幕府はより強い勢力により斃されてきました。しかし、日本の歴史上天皇が権力を持ち、行使した例は極めて稀です。(※「斃される」= 倒される、滅ぼされる)
文化の時間軸の原点としての天皇
三島は、天皇は「三十一文字の歌を詠む、そして五穀豊穣を祈る」と言っていました。そこに、何も奪うものがないからこそ続いてきたと述べています。天皇制は日本の文化の原点であり、流転する時間軸の原点だと述べています。我が国の文化には形がありません。1300年続く伊勢神宮の式年遷宮は、20年に一度社を建て替えますが、日本人は1300年前の社の魂が、現在の社に宿っていると信じていると三島は説きます。その時間軸の原点になるのが無私の天皇制だと彼は述べます。我が国の天皇制がいかなるものか考えるうえで大変参考になります。 Tweet





