日々変化する中東情勢と我国の対応策
【予断を許さないイラン情勢】
パキスタンの仲介で14日間の停戦の合意がなされた直後のイスラエルのレバノンへの攻撃で、緊張感が高まり、パキスタンでの交渉もまとまりませんでした。我国が輸入する原油の94%はホルムズ海峡経由、天然ガスはおよそ6%がホルムズ海峡を経由して日本に来ます。
【経済力の弱い国ほど困る状況】
日本と同様、東南アジアの国々もホルムズ海峡経由の原油に大きく依存しています。「油は高いところを流れる」との格言があります。価格さえ出せば買えると言うことです。逆に言えば、経済力の弱い国ほど、困ることになります。部品等様々なサプライチェインの中で、日本企業も東南アジア等海外の企業に依存しており、どこに供給のボトルネックがあるか分かりません。それぞれの企業がサプライチェインの再点検をしなくてはならない状況になっています。
【求められる調達先多角化と値決め方式の変更】
同時に、日本の原油の調達先の多角化が求められています。一方、天然ガスの中東依存度は低いですが、価格の決め方を変える必要性があります。原油調達先の多角化の検討をする上での課題はどういうルートで日本に原油が来るのかということです。南北アメリカ大陸の原油の積出し地として有力なのは、米国メキシコ湾岸あるいはベネズエラですが、大きなタンカーはパナマ運河が通れないのでアフリカ喜望峰経由となり、時間がかかります。カザフスタン、アゼルバイジャンの原油もトルコ経由になるとスエズ運河が通れなければやはり希望峰経由となります。アラスカの原油は既にパイプラインが引かれている分での購入であれば比較的に日本に近いです。増産する場合は北極圏に積出港を作る必要があります。
【天然ガス価格はヘンリーハブ連動にすべき】
天然ガスの価格は現在、原油価格連動で決まっておりますが諸外国の価格は必ずしも原油価格連動ではありません。北米では、ヘンリーハブというガス価格の指標があり、これが使われます。今回の様に、原油価格が急騰するとガスは調達出来るのに価格が上がることになります。この状況を改善する為に、ガス価格の値決めの仕方を変えることが必要です。米国本土は全てパイプラインで繋がっているので、太平洋側に天然ガスの液化施設を作り、日本やアジアへ輸出する基地を作ることの後押しをして参ります。 Tweet





