税源の偏在とナショナルミニマム
税制調査会副会長に就任
環境大臣を退任後、自由民主党の党紀委員長と税制調査会の副会長を拝命しました。税制調査会ではあるべき税制について議論します。我が国の税には大きく分けて国税と地方税の二種類が存在します。国税は国庫に入り、地方税は都道府県や市町村に入ります。地方税についてはかねてよりその税財源の偏在という課題が指摘されてきました。つまり、東京を中心に三大都市圏に税財源が偏在しているとの指摘です。こうした偏りはどうしても起きてしまうものです。そこで全国一律で最低限必要な住民サービスの提供をするため、地方交付税という制度が設けられました。自前の税収だけでは必要な住民サービスで提供できないという自治体に向けた制度です。
不交付団体
財政力に恵まれた自治体は不交付団体と呼ばれ、地方交付税の対象とはなりません。都道府県では東京都が不交付団体であり、具体的には東京23区に加え立川市、武蔵野市、三鷹市、府中市、調布市、小金井市、国分寺市、国立市、多摩市、瑞穂町が不交付団体に指摘されています。神奈川県内では、川崎市、平塚市、鎌倉市、藤沢市、厚木市、海老名市、寒川町、箱根町、愛川町が同じように不交付団体です。
全国均等に提供すべきサービスは何か
問題は何をナショナルミニマムとして全国均等なサービスと考えるべきか、ということです。私は公教育、とりわけ義務教育は全国で差が生じてはならないサービスだと思いますが、この感覚は国によって異なるようです。かつて米国に視察で訪れたとき、現地の公立学校がその地域の固定資産税で賄われており、州政府が貧しい地域の学校に助成金を入れる際には、豊かな地域の生徒一人当たりに投入される税金の半分までしか助成が出来ないと聞き、驚いたことがありました。それ以上、投入すると財産権の侵害で州が訴えられるという理由です。本当に国によって考え方も異なるものだと心から思い知らされました。
納税者の権利についての配慮も大切
我が国では、高校無償化に加えて給食無償化も実施される方向で進んでいますが、それをどの財源で賄うのか、今後の大きな論点になるでしょう。地方自治体が主となって実施する事業であれば、基準財政需要額に加えられることになりますが、結果として財政需要を満たす財源が不足し交付団体に変わる自治体も出てくるものと思われます。いずれにせよ全国一律で提供すべき住民サービスは何かということについて納税者の権利と併せてしっかり議論すべきだと考えています。
※ ナショナルミニマム: 国がすべての国民に対して保障すべき最低限度の生活水準のこと Tweet





