循環型社会の本質
3R(発生抑制、再使用、再生利用)
循環型といっても中身は色々です。例えば特に、経済活動での廃棄物の発生抑制、再使用、再生利用、即ち3R(reduce, reuse, recycle)です。具体的なリサイクルの対象には自動車で使われるプラスチック部品があります。6年後の2031年以降に新型車両で必要なプラスチック量の15%を、また2036年以降には20%の再生材を供給するという目標を産官学の会議体でまとめています。何の対策も採らないまま2040年代を迎えると我が国の使用済み太陽光パネルは、全産業廃棄物の最終処分量の5%を占めることになるとの試算もあり、リサイクルは喫緊の課題です。太陽光パネルのリサイクルに関連する法案を出来るだけ早く国会に提出したいと考えています。
伸ばしていくべきリユース市場
再使用、リユースについても同じように対策が急がれます。現在の国内のリユースの市場規模は3兆円ですが、これが2030年には4兆円にまで膨らむと予測されます。4兆円と言うのは、中古のマンションの市場規模と同じ程度です。リユースは一般に、リサイクルよりもエネルギー使用の消費が少なく、地球環境に優しいとされます。市場規模を拡大してゆくことで環境面を良くする効果が期待できます。中古マンションや中古住宅の市場はリユースの市場規模には含まれておりませんが、中古住宅の市場を整備して、家を長く使い続けていくことも環境という視点から推奨されるべき政策課題です。
地球自体が循環型で発展
また、携帯等の電子製品のリサイクルについては、我が国をハブとして国際循環を進めることは、環境だけでなく経済安全保障上の観点からも重要となります。実は、地球自体が、あるいは、自然そのものが、循環のもとで成り立っています。つまり、地球に降り注ぐ太陽エネルギーを植物が二酸化炭素と水を原料に他のものに変えて、作られた食料を動植物が利用することでここまで地球が発展してきました。
人工光合成の社会実装検討会
このことは私がかねて主張してきた人工光合成につながります。環境省では現在、人工光合成の社会実装を促進するための検討会の設置について議論しています。自然が何億年とかけて築いてきた資源の循環システムを、人類が更に活用するきっかけにつなげていければと考えております。 Tweet