生産性の向上が一番の解決策
我が国には課題が山積しています。このレポートでも多様な視点から多様な提案をしてきました。少子化、社会保険料、低金利などの問題はメディアでも頻繁に取り上げられます。
これらは、相互に関連する問題です。そして、そのすべてを解決する切り札こそ、生産性の向上なのです。
雇用者全体の所得を増やす
少子化の背景には様々な要因があります。一方、人口減少社会で経済成長をすることは簡単なことではありません。
ただ、一人あたりの生産性を向上させることは出来るはずです。
そして、一人あたりの生産性の向上は所得の上昇につながります。
所得の上昇により、出生数の上昇も期待出来るかもしれません。
現行の社会保険制度には種々な矛盾点も指摘されます。
このままであれば現役世代の保険料率を引き上げざるを得なくなるのも時間の問題です。
医療費の財源が確保できなくなるからです。
しかし、雇用者全体の収入が増えれば、社会保険料率を引き上げなくても医療や介護の財源は確保出来るでしょう。
潜在成長率を引き上げる!
ただ残念なことに40年国債の金利は1.4%という低位にあります。
これは、我が国の長期の潜在成長率が0%に近いことを示しています。
長期金利が上がることこそ、生産性の向上を市場が織り込んだシグナルとなるのです。
問題は、どうしたら生産性を向上させられるか、です。
答えは、まだ世の中にないものを生み出すイノベーションです。
世界の人が求めているもの、便利だと思うものを生み出せるか否かです。
今では当たり前の様に世界中で使われているスマホも2007年のiPhoneの発売前は世の中に存在しませんでした。
スマホ及びその画面上で動くアプリの生み出す付加価値は大変なものです。
同じように、私がかねて主張している人工光合成の実現は、環境問題の解決にもつながり、世の中を大きく変えます。
過小評価されていたものを見直す
我が国において短期的には、価格競争ではなく価値の競争に経済活動が変更する後押しの政策が必要です。
その際には、今まで過小評価されていたものの価値を再発見することも一案です。
農業や漁業と観光やレジャーを組み合わせることも新たな価値を生み出すことでしょう。
これら政策を総動員することで、日本の課題を一つ一つ解決してゆくことが大切だと考えています。 Tweet