日本の未来を見据えて
減少した防大受験生
去年より任官拒否をする学生の数が減ったことは喜ばしいことです。但し、気になったこともあります。それは、今年の防衛大学校入試の受験生の数が10,000人となり、去年より1,000名、1割近くも減ってしまったことです。ロシアによるウクライナ侵攻で世界の安全保障の環境は激変しました。おそらく極東における安全保障環境が変わるという予測が受験生の数に影響したのだと思われます。
安全保障環境の変化
安全保障の環境が変化することにより、我国の防衛費もGDP比2%と現在の倍額になることも決まりました。もっとも、防衛費の半分弱は糧食費など人件費です。しかし自衛隊の定員を大幅に増やす訳ではありません。装備の近代化と不足する弾薬と部品の調達費に増額分は充てられます。新たな装備を運用する上でも、定員を増やし、新たな部隊を新設することも最終的には必要となるでしょうが、「民間の景気が良いと任官しない学生が増える」のが通説ならば、そこは悩ましい現実が待っているのかもしれません。
官民の人材確保競争で、所得を増やそう!
今から20年後には1学年の人口が110万人から80万人に激減します。そんな時代でも防衛省・自衛隊で必要な人員を確保できるように、今から処遇の面で対応をしてゆく必要がありそうです。自衛隊員の給与やその他の処遇を改善することで、結果として広い意味での人材確保の競争が広がり、民間における賃金の上昇にもつながると信じています。官民で人材確保競争が起きれば経済は強くなります。今回の防衛費増額をそうした観点でとらえ、拡充につなげて行くべきでしょう。 Tweet