あさお慶一郎ミニ対談:坂野正崇氏
今回は日本の建築家、音楽家、宮大工とユニークなキャリアを持つ 坂野正崇氏に『建築に込めた寛容な精神』と題して講演頂きます。
先生は日本の建築家(1973年札幌市生まれ)、音楽家(サクソフォーン奏者)、宮大工としての経歴も持つ若手のホープであります。
栄光学園高等学校を自主退学、大学入学資格検定に合格後、ボストン・バークリー音楽院大学に入学。同大学卒業後、ニューヨークを拠点に音楽家として活動。その後、音楽から日本の伝統建築の世界へ活動領域を広げるため帰国。
伝統木造建築を専門とする工務店で宮大工の修行を行い、6年後棟梁として独立。茶室、古民家、文化財等の新築、改修経験を積み、その後、建築家として独立。
2006年より、建築プロジェクトの企画・立案・設計・施工を一貫して行う「i-ado(interactive-art development organization)」を主宰し、現在に至っています。
「i-ado」の一つの特徴は、独立した少人数の専門家集団(建築家・エンジニア・デザイナー・職人・弁護士・ファンドマネージャー等)によるNetwork型のチーム編成であります。
従来より、建築プロジェクトはその特性上、Network型のチーム編成は困難とされますが、実績と経験にもとづく柔軟なネットワークと積極的なテクノロジーの活用により、従来とは異なる形の建築プロジェクトを実現しています。
建築分野では、古民家・茶室・酒蔵・寺社仏閣等の文化財修復、商空間のデザイン、図書館・美術館等の文化施設の設計、宿泊施設の設計、個人住宅の設計・施工を行う一方、海外とのコラボレーションの経験が豊富で、アメリカ、中国の他スペイン、デンマーク、バングラデシュ等とのプロジェクトを手掛けています。
そして、音楽家、宮大工、建築家として生きてきた中で、通底する姿勢。 Jazz=即興演奏の魅力。 日本の伝統建築技術から学ぶ知恵。 建築という表現の可能性。 日米中での仕事を通して学ぶ、日本の得意不得意。 テクノロジーと人間の関係性。二つの異なる理性が生み出す矛盾。 現代という時代の風景と、今私に出来る事。などについてお話しいただきました。
【主な作品・プロジェクト】
・2007_野外奉納能舞台「一石仙人」/東寺(世界遺産) 京都
・2008_聖心女子学院校舎・正門(歴史的指定建造物 )/白金 東京
・2013_伝統的古民家の移築/小岩 千葉
・2013_ファッションギャラリー&オフィス/代官山 東京
・2013_広告制作会社 CATCH/外苑前 東京
・2016_レストラン・ワイナリー JOSE LUIS/マドリード スペイン(unbuilt)
・2017_studio W/表参道 東京
・2018_デンマーク 3shape 日本支社オフィス/西麻布 東京
・2018_Villa K/Venice beach CA USA
・2019_住居 Y/伊香保 群馬
等多数。