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ブログ

あさお慶一郎が、この時代の出来事に思う事や具体的な政策を語ります。

再び人が資源とされる時代へ。

  • 再び人が資源とされる時代へ

人は石垣――。と語ったのは武田信玄ですが、近代以降も日本では「人材以外に資源なし」という言葉が当たり前に使われてきました。
これが死語になったのはバブル崩壊後、三つの過剰と言われた時代です。
三つの過剰の「三つ」とは、1999年版『経済白書』で指摘された雇用、設備、債務のことです。
これ以来、雇用が景気の足を引っ張っているとの認識が企業に定着し、その認識は2005年版『経済白書』で「三つの過剰がほぼ解消された」と指摘されても変わることなくはありませんでした。

しかし、時代はめぐります。有効求人倍率が全国で1を大きく超え、正社員の有効求人倍率も1.08となると人材は再び「資源」と認識される時代を迎えたようです。
つまり、人を大切にしなくては成り立たない状況が生まれたということです。

先月号の活動レポートでは、最低賃金の大幅な引き上げを行い、それを生産性向上に結び付けるべきだとの提言を行いました。
それに対し、賛否のご意見を多数頂きました。
反論で最も多かったのは、「そんなことをしたら企業が破綻してしまう」というものでした。
私の説明不足でした。もっとはっきり言いましょう。
それで破たんする企業は破綻すべきだということです。
事業の統廃合を促進し、過当競争体質から脱却できれば、適正な価格でモノやサービスが販売される環境が生まれます。
これが、生産性向上につながるのです。
雇用調整で延命を試みるのか、一気に再生を促進する新陳代謝を選択するのか、長期的に見てどちらの未来が明るいでしょうか。
日本だけの問題であればいざ知らず、もはやIT技術では日本を凌駕する勢いの中国は、「ゾンビ企業退治」の名の下、激しい新陳代謝を繰り返し急進してきました。
ただ企業破綻が失業率向上に直結する時代であれば、新陳代謝も簡単ではありません。
しかし、これだけ雇用が逼迫する環境であれば問題ありません。好機到来です。

労働市場は必ずしも完全な競争市場ではありません。
人手不足だからといって、日本人は簡単に給与の高い企業に転職はしません。
だからこそ最低賃金を引き上げ、社会が人を大切にする姿勢を打ち出す必要があるのです。
労働力に対する認識を変化させることで企業に新陳代謝を促し生産性を引き上げること。それこそ日本の未来です。