あさお慶一郎(前衆議院議員 神奈川4区)

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2016年04月01日 (金)

あさお慶一郎ミニ対談:片岡 寛光氏


「日本のヴィジョンを考える会」講演前の対談(2016年3月31日)

今回は、日本オンブズマン学会名誉理事長 早稲田大学名誉教授 片岡寛光(かたおかひろみつ)氏をお招きして『グローバリゼーションとナショナル・リーダーの役割』と題してして開催致しました。

1.グローバリゼーションとは
・人・物・金・情報の国境を越えた猛スピードの移動が量から質に転換したグローバリゼーションの進展にもかかわらず「国家」は健在でその役割は増大する、というパラドクスが生じている。
・各国がその国力、大小の違いにも拘わらず、同じ主権を持つのは不平等だ、との嘆きも聞こえる。国際社会は、無政府状態なのだろうか?ホッブズの「万人に対する万人の闘争」の意味ではそれは間違いだ。国際社会は各国が水平的にサブシステムを構成する「国家システム」だ、との概念がある。「国家システム」は全体を制御する指令装置に当たる世界国家ないし世界連邦を持たず、そこには政治的大リーダーが存在しない。

2.ナショナル・リーダーの役割とは
・リーダーは「地位とか権限、役割とは無関係に存在する」のか、「権限、権威を持たなければ効果なし」なのか? リーダーは様々なレベルや分野において存在し、資質やリーダーシップの在り方には共通するものがあるが、それが行使されるのは特定のコンテクストにおいてで、役割や権威と結びついて初めてリーダーシップを発揮するものだ。
・国際的に第一原因となりうるリーダーは、覇権国のリーダーであり、現代ではアメリカのオバマ大統領がそれにあたる。国際的リーダーといっても自国の「体制価値」、国益重視である。

3.現代の覇権国家 アメリカ、中国、イスラムについては
・覇権国家には「なくてはならないが、歓迎はされない存在」という「覇権国のディレンマ」がある。
・第二次大戦後に覇権を確立したアメリカだが、足元では「貧富の格差の拡大」、「成長率の鈍化」、「決められない政治の現実」、「アメリカの独善主義」など国内要因、「BRICSの台頭」、「盟友国の独自路線」、「テロリズムの横行」など対外要因の両方から、その覇権に陰りが見える。
・また、「世界の警察官の役割を果たしたいがコストがかかりすぎるし、有効なのか?」というアメリカ国内の疑問や、「本当に核の傘が機能し懸案を解決してくれるのか?」という友好国からの疑問など、「覇権の失敗」ではないかとの声もある。
・アメリカの取るべき選択肢をJoseph NyeやIan Bremmerがいくつかあげているが、そのうちでは「スマートパワーの道(ソフトパワーとハードパワーの使い分け)」、「頼りにされるアメリカ」が◎(二重丸)だ。Joseph Stiglitzは「上位1%の、1%による、1%のためのアメリカ」に生じている亀裂が統一とアイデンティティを阻害し有効な政策を妨げている事実を深刻に受け止めている。
・現在、大統領選挙の準備が進むアメリカだが、アメリカには、政権が交替しても主張される価値、「体制価値」(コア価値)として、「一国単独主義」「例外主義」「国家理性・目的は手段を正当化する」「先制攻撃主義(ブッシュ ドクトリン)」「自分の身は自分で守る(銃規制の問題)」などがある。
・中国の覇権国家としての登場は、「貞観の時代(唐の太宗)」の再来であり、「一帯一路」のスローガンでシルクロードを復活させようとしている。中国の国家資本主義は今後も変わらない(党と国との二重支配の問題は見逃し)が、経済成長は見込めない、との見方がある。
・イスラム諸国の不安定をイスラム教、アラビア語の「遠心力」にあるとし、ナショナリズムの喚起で「求心力」を働かせよう、との提案があるが?

【講師のご紹介】
1934年 北海道 札幌市出身
日本オンブズマン学会名誉理事長、早稲田大学名誉教授、中国国家行政学院名誉教授、政治学博士(早稲田大学)
【経歴】
早稲田大学政治経済学部長、同大学院政治学研究科委員長、同公共経営研究科委員長、同現代政治経済研究所所長、日本行政学会理事長、日本オンブズマン学会理事長、国際行政学会理事 等
【著書】
『行政国家』(1976)、『内閣の機能と補佐機構』(1982)、『官僚のエリート学』(1996)、『責任の思想』(2000)、『公共の哲学』(2002)、『国民リーダー大隈重信』(2009)、『大リーダーの世界』(2013)など 多数

 

 

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