あさお慶一郎(衆議院議員 神奈川4区)

国会活動

予算委員会 平成25年03月18日

2013年03月18日 (月)

183-衆-予算委員会-15号 平成25年03月18日


○浅尾委員 みんなの党の浅尾慶一郎です。
きょうの、経済成長戦略あるいは経済対策、そして経済連携の本題の質問に入る前に、一点、本年度の予算について伺わせていただきたいと思います。あるいは、予算編成前の我が国の長期債務残高について伺ってまいりたいと思います。
まず、現在、今年度末の我が国の長期債務残高は、国において、普通国債で七百五十兆円、その他の国債を入れて七百七十七兆円、地方において二百兆円ということで、ほぼ九百七十七兆円という理解でよろしいかどうか、財務大臣に伺いたいと思っております。

○麻生国務大臣 長期債務残高の定義をきっちりしておかないかぬとは思いますけれども、基本的に、言われております長期債務残高としては九百七十七兆ということになります。

○浅尾委員 その定義というのは、一年以内に返済しない負債という理解でよろしいでしょうか。

○麻生国務大臣 そのとおりです。

○浅尾委員 それでは伺いますが、負債としては、確かに借りかえ借りかえで行われておりますけれども、外国為替資金証券残高というものがございます。これが、直近の数字が二〇一一年度までということでありますけれども、二〇〇七年度から読み上げてみますと、百二兆九千億円、二〇〇八年で百六兆八千億円、二〇〇九年で百四兆五千億円、二〇一〇年が百九兆三千億円、二〇一一年が百十五兆ということで、この外国為替資金証券残高、我が国の借金であることには変わりませんが、これは長期債務残高に入っていないという理解でよろしいでしょうか。

○麻生国務大臣 今の数字は正確なところです。
先ほど一年以内と申し上げましたけれども、基本的には、償還をするもとが税によっているか税によっていないか。税によっていない、短期で回している分については、税で返還する予定にしておりませんので、これは入っていないというのが正確です。

○浅尾委員 税で返還していないということでありますけれども、我が国全体の長期債務が一千兆円弱という中で、百兆円ほかに借金があるということは、考え方としてどうなんだろうかというふうに思います。
この外国為替資金証券というのはもともと何かというと、円高になったときに為替介入をしたと。為替介入をすると、ドルを買いますよね。円を売ってドルを買う。その円の原資が、為券と言われている、三カ月以内に返すはずのものでありますが、残念ながら、為替介入をしたけれどもうまくいかずに今含み損を抱えているので、売って返すというわけにいかない、そういう性格のものだろうと思いますが、そういう理解で正しいかどうか伺いたいと思います。

○麻生国務大臣 この為替につきましては、これはいろいろな目的があろうとは存じますけれども、基本的には、今言われたように、為替の差益、差損、いろいろなことに対応するところなんだと思いますが、そのために常に準備しておかないかぬところだと思っております。
ただ、うかつにこれは売れないのは、今の場合は、政府による為替介入というのは基本的にはできないことになっております、基本的には。意味はおわかりだと思いますが、表向きではこれはやれないことになっておりますので、その意味ではいわゆる大きな影響を与えますので、今これを売りますと、とたんに円高にぼんと振れることにもなりかねぬということでありますので、極めて慎重に取り扱わねばならぬものだと思っております。

○浅尾委員 私がこの外為の借金を問題にするのは、借金を買う側、要するに日本国債に投資する側からすると、外為債券であれ長期国債であれ、国債であることには変わりないということなので、それが長期国債の外数で約十分の一あるということは、国債を消化できる能力に影響を与えるのではないか。要するに、市場で消化できる量が限られているということでいえば、あるいは、これだけ借金があって大変だ、そういうことを、今後ろで大臣にレクをされている財務省の方は言っておられるわけでありますから、そういうことだとすると、これも含めて考えた方がいいんじゃないかということであります。
確かに今は、多分、平均の損益分岐点が百十円か百二十円ぐらいだと思いますので、今これをアンワインドするというわけにいかないんだろうと思いますが、将来的に、円安がさらに進んだ場合には、これを徐々に縮小していくというのが本来あるべき姿なんじゃないかというふうに思いますが、その点についてのお考えをお伺いいたします。

○麻生国務大臣 これは、全体の像を示すということが、正確ではないんじゃないか、九百七十七兆以外いろいろあるじゃないかという御指摘なんだと思いますが、例えば国の資金調達活動というものの全体像を示すという点からいきますと、国債及び借入金現在高というものを別に表で示しておりますので、その中では政府の短期証券も含んでおります。
そういったものは別にそういった指標があるということで、別にこれは隠しているとかいうものではないということだけははっきりしておいた上で、今、もう少し減らした方がいいんじゃないか、これはもっと少なくてもいいんじゃないかという御意見に関しましては、これは、将来、いろいろなことを考えておかにゃいかぬと思いますけれども、一つ、その時期、場合によって、何も百は要らないのではないかという御意見は、その時代にあってはそういう意見も出てきても全くおかしくないと存じます。

○浅尾委員 申し上げたいのは、今できないのは、介入をしたけれども結果としてそれ以上に円高になってしまって、今解消すると、国が、百兆のうちの、多分一割円高になっていれば十兆円ぐらい損が発生するからということなので、アベノミクスの一本目の矢で量的緩和を進めていけば、理論的にいえば、今既に円安になっていますが、その均衡点、今申し上げた一〇%さらに円安になることによって超えていけば、その後には徐々にこれを解消していくというのがごくごく当たり前に考えられる話なんじゃないかと思いますが、その点について御意見があれば伺いたいと思います。

○麻生国務大臣 日々ちょっと振れておりますし、この為替の話は私どもの立場としてちょっとできぬことになっておりますので、幾らがどうたらということはなかなか申し上げにくいところなんですけれども、これは、損するとかもうかるということよりも、基本的には、大きな影響を与えることが予想されますので、うかつにはこの話はできないというのが一番基本的な考え方です。

○浅尾委員 本来のあり方としてはちょっと異常な額だ、要するに、国の長期債務が一千兆になるとして、その十分の一が外数であるというのは異常だということを申し上げて、次の話に移りたいと思います。
きょう、我が国の農業生産額の推移というパネルを、お手元には資料で用意させていただいておりますけれども、この傾向値を見ると明らかなように、ずっと農業生産額は減ってきております。
そして、記憶に新しいところでは、一番直近に、我が国の農業生産あるいは農家の農業所得を何とかしようということで、お金を貿易の自由化に伴って使ったことで記憶に残っているのはガット・ウルグアイ・ラウンド対策ということでありましたけれども、このガット・ウルグアイ・ラウンド対策費は、まず、林農水大臣、総額で幾らでしたでしょうか。

○林国務大臣 総事業費が六兆一千億ぐらいで、真水が、そのうち二兆七千億程度だったと思います。

○浅尾委員 多分、総事業費は六兆百億だと思います。それは別に、今ぱっと出していただいた数字でありますが、ちなみに、これは私の理解では、総事業費六兆百億円は平成七年から平成十四年にかけて配られたということでありますけれども、そういう理解で正しいでしょうか。

○林国務大臣 失礼しました。事業費六兆百億円、それから国費が二兆六千七百億円で、事業実施が平成七年から十四年度ということでございます。

○浅尾委員 よく、予算の話をすると、事業費を大きく言う場合と国費が幾らと小さく言う場合で、今わざわざ小さい方の数字も言われたのは、これから私がする質問に対する対策なのかな、ウルグアイ・ラウンド対策ではなくて、という気もいたしますが。
その配り始めの平成七年、あるいは配る前の年からでもいいですけれども、平成六年から一応資料は要求しておりますが、平成六年から配り終わった年の平成十四年までの農業産出額、これは全部読み上げていただくと時間もかかりますから、平成七年と平成十四年の産出額の数字、そして生産農業所得の平成七年と平成十四年の数字を読んでいただければありがたいと思います。

○林国務大臣 済みません、平成六年の数字ということで調べてまいりましたので、ちょっと一年さかのぼりますが、総産出額は、平成六年が十一兆三千億で、平成十四年には八兆九千億、それから生産農業所得は、平成六年の五兆一千億から、平成十四年には三兆五千億で、そのパネルのとおりだと思います。

○浅尾委員 今読み上げていただいて、これは、我が国の政府として、少なくとも農家を強くするという名目でガット・ウルグアイ・ラウンドに六兆百億円、総事業費で使ったわけでありますが、農業の総産出額、平成六年が十一兆三千百三億円だったのが、平成十四年で八兆九千二百九十七億円になっている。同じように、生産農業所得は、五兆一千八十四億円から三兆五千二百三十二億円に減っちゃっているんですね。
ですから、これはお金の使い方としては間違った使い方だったんじゃないか。少なくとも、目的が農家を強くする、あるいは、農家を強くするということの定義が農家の所得をふやすという観点からいえば、使い方に間違いがあったのではないかと思いますが、その点について、林大臣、どういうふうに思われますか。

○林国務大臣 お答えいたします。
ここの委員会でも何度かやりとりがあったところでございますが、当時は、今の仕組みである行政評価というのがまだないころでございましたので、今のこのトータルのマクロの数字ということでは、そういうことになるということであります。
それから、これは大きな金額でございましたので、中間評価というのを一応、行政評価の仕組みができる前ですが、やっておりまして、担い手の稲作労働時間が六割短縮になったとか、そういう効果があった面もあった一方で、やはり事業効果が、トータルで見ても今御指摘のあったとおりですが、十分に上がらないものがあるということで、これは反省すべき点があっただろうというふうに考えております。

○浅尾委員 実は、農業産出額の減っている割合よりも、生産農業所得が減っている割合の方が大きいんですね。ということは、そこの要因分析をすると、いろいろなことがさらにわかるんじゃないかなというふうに思います。
ちょっと、私の方で計算した数字が、平成六年を分母にすればよかったんですが、平成七年を分母にして平成十四年を分子にした場合の計算をしてあるんですが、平成七年を分母にし平成十四年を分子にした場合の農業総産出額は八五%、要するに一五%減りました。一方で、所得、要するに、いろいろな飼料代、種等々の費用を減じた所得は六一%に減っちゃっている。つまり、所得の減の方が産出額の減よりも大きいんです。
ですから、いずれにしても、この表を見ていただければ、今度TPPに参加しようとしまいと、日本の農業産出額は減っている、あるいは我が国の生産農業所得は減っているわけであります。
今の、我が国が減っているという例でいうと、先ほど七六%に所得が減ったということを申し上げましたが、直近でいうと、所得は、平成七年と比較すると六〇%、四割減っちゃっているんです、六割しかないんです。産出額は七九%なので、八割弱あるということなので、生産額というグロスの数字以上にネットの所得の減っている割合が大きいということは、十分、そのことだけとっても、TPPに参加しようとしまいと、これは対策が必要だというふうに思います。
まず、参加しようとしまいと対策が必要だということは、多分、安倍総理も御納得いただけると思いますし、それから、今私が申し上げた、生産額が減った以上に所得が減っているというのは、これはそこにヒントがあるだろうというふうに思いますが、その大枠のお話について安倍総理に伺った上で、また林大臣にも伺いたいと思います。

○安倍内閣総理大臣 先般、記者会見でTPP交渉参加について御説明したときにもお話をさせていただいたのでございますが、農業においては、今このTPPに参加をしていない現状においても、既に農業人口も減少しているわけでございます。また、今、浅尾委員が指摘をされたように、収入そのものが減っている。この問題、課題を解決しない限り、いわば麗しい田園風景を守ろうと思っても守れないというお話をさせていただいたわけでございますが、農家の所得をふやすためにどうすればいいかということについて、具体的な政策づくりを行っていきたいと思っております。

○浅尾委員 農家の所得をふやしていくということは、いろいろなことを、多分、つくっている作物別にやっていく必要性もあるんだろうなというふうに思います。
まず、今申し上げたような観点から農水大臣に伺いたいのは、総農家数の推移ですね。これを、主業農家別、昔の言葉で言うと専業農家ということなんですけれども、何か今は言葉が主業農家というふうに定義が変わったと聞いております。第一種兼業、第二種兼業というふうに私自身は覚えておったんですが、これが、準主業農家、副業的農家というふうに名前が変わったようでありますが、平成七年から十四年までの、主業農家、準主業農家、副業的農家の戸数の推移を、もし数字があれば、あるところで読んでいただければと思います。

○林国務大臣 お答えいたします。
主業農家、今は農業所得が五〇%以上の農家ということでございますが、平成七年が六十八万戸、ここから二十二万戸減少して、平成十四年が四十六万戸でございます。経営状況が、四・二ヘクタールから、これは平成十四年に四・六ヘクタールまでは一応拡大をしておりますが、先ほどから御指摘があるように、農業所得は、平成六年の五百二十九万円から、五十九万円減少して、平成十四年には四百七十万円、こういうことになっております。

○浅尾委員 準主業農家、副業的農家の数字もいただけますか。

○林国務大臣 失礼いたしました。
準主業農家、これは、平成七年が六十九万四千から、平成十四年が五十五万四千、それから副業的農家が、百二十七万九千から百二十三万一千、こういう数字の推移でございます。

○浅尾委員 先ほど、生産額の減よりも所得の減の幅の方が大きいということを申し上げました。その要因分析をぜひしてくださいということを申し上げましたが、実は、ここに少しヒントがあるんじゃないかなというふうに思います。
どういうことかというと、主業農家、昔の言葉という言い方がいいのかどうか、専業農家と言った方が個人的にはわかりやすいものですから、専業農家は、平成七年から平成十四年で六八%になっているんですね。ところが、副業的農家というのは九六%なんです。ですから、本業でやっている人が大幅に減って、副業でやっておられる方は余り減っていない。
そこに一つ、所得が減っている要因があるんじゃないかというふうに思いますが、その点について御意見をいただければと思います。

○林国務大臣 午前中の西川先生、それから先ほどの重徳先生のときにも議論になりましたけれども、マクロで減っている要因、私、先ほど三つほど挙げさせていただきました。
一つは、食生活がかなり変化して米の消費が半分ぐらいになったけれども、生産の転換ができなかったということです。二番目が、まさに今お話のあった、経営規模の拡大に必要な担い手への農地集積がおくれた。それから三番目が、経営規模の拡大や農作物の高付加価値化が実現できず、農家の所得が向上しなかったというのがその理由としてあるだろうというふうに申し上げております。
今先生が御指摘になったところは、特に、国民の食生活の嗜好の変化は直接は今あれかもしれませんが、二番目と三番目はまさに御指摘のところと相関性が高いというふうに考えます。

○浅尾委員 では、農業関連で質問いたしますが、質問の順番を若干変えさせていただいて、次のパネルにかえたいと思います。
今、経営規模の拡大ということをおっしゃいました。私も経営規模を拡大すべきだろうというふうに思っていますが、拡大するに当たって拡大のやり方があるというのが次にお示しする図でありまして、これは、東京大学農学部の本間正義教授の出していただいた資料でありますけれども、規模別の平成二十一年産米の生産コストを示したものでありますが、この表を見ると、実は一つのことがわかります。
それは何かというと、平成二十一年産米と書いてある方の図は現在の生産コストなんですね。フロンティア費用というのは後で説明しますが、この平成二十一年産米というのは、現在の費用でいうと、五ヘクタール以上になると余り変わらない。
なぜ変わらないかということの説明は、実は、分散圃場という言葉を私もそのとき初めて習ったんですが、要するに、田んぼがいろいろなところに分散をしていると、一定規模以上になるとそこに移動コストがかかるので、生産コストが下がらないということであります。
その生産コストを本当に下げるためには、このフロンティア費用と言われている、分散圃場を集約化していく。特に米の場合、そういう方向で農地を集約化していったらいいんじゃないかというふうに思いますが、まず、その点について、これは提案として、農水大臣、どういうふうに受けとめられるか。

○林国務大臣 これは本間先生が出されたフロンティア費用というもので、まさに委員が御指摘になった、一カ所のところにまとまっているというものもその要因の一つとしてあるのかなと。まあ、それ以外の要因もあるのかもしれませんが。
したがって、圃場整備、農業のNNの事業をやったりしてやっていくとか、いろいろなことが必要になっていくかと思いますが、そういうことをやるために、先ほど申し上げたように、課題の一つとして位置づけて集積というのは進めていかなければならない、こういうふうに思っております。

○浅尾委員 そうなってくると、これは税の面でもいろいろな形でのめり張りをつけていただくということが私は必要なんじゃないかなと。
つまり、分散圃場を集約化してまとまった農地になった場合の、まずそれを耕す側のインセンティブをさらにつけるとしたら、固定資産税で多少、これはちょっと、固定資産税は減免されている部分があるので、そこだけではプラスにならないかもしれませんが、メリットを与える。
そして、譲渡する、あるいは貸し出しでもいいんでしょうけれども、譲渡する側に対するメリットということでいえば、譲渡した場合に、これは前に予算委員会で、補正予算の審議のときにも麻生大臣に提案をさせていただきましたけれども、特に分散を解消する形での譲渡の場合は、単純な譲渡所得に対する課税に加えて、その元本分の相続税額については、これを非課税にするといった思い切った対策があってもいいんじゃないか。年間の農地全体の相続税の納税額が一千億ぐらいですから、先ほどのガット・ウルグアイ・ラウンドの六兆百億円ということを考えたら、一世代分ぐらい元本を非課税にするということも大したあれにはならない。
今申し上げたように、生産コストが大幅に下がるということになりますので、そうした思い切った対策もぜひ考えていただきたいと思いますが、その点について御意見をいただきたいと思います。

○林国務大臣 ありがとうございます。
固定資産税は、まず、委員もちょっとおっしゃりかけたように、農地についてのみ資産価値として無関係な課税というのはなかなかちょっと難しいところもあるのではないかなとは思いますが、譲渡益については、まさに委員がおっしゃっていただいたように、農地保有の合理化等のために農地を譲渡した場合については、譲渡益から八百万円を控除して、控除した残りの額に課税する特別控除というのが認められているところでございますので、これをさらに拡大していきたいという要望も今までも出してきたところでございます。
相続税の方は、実際の現場の話を聞いたりいたしますと、譲渡があってから相続税までかなり時間がありますと、将来の相続時までずっと保存をしておかなきゃいけないわけですね、それだけの金額を。それで相続財産から控除するということで、まずは特別控除の方を上げていくという方が直接効くのかなというふうに思っております。

○麻生国務大臣 集約化、これはもう絶対です。
理由は簡単で、コンバインを移す時間の問題ですから。コンバインがその場でやれるとなれば、一町田という一つの田んぼ、一反とか三反田から一町田とか、ああいうのでばあっと動かせるようになれば、それはもうはるかに効率がよくなりますので、先ほど言われたような本間先生の数字は全く正しい、私もそう思います。
その上で、今、農地を相続、売却ということになりますと、これは農地として継続するかしないかというところが分かれ目になりますので、そこのところを考えないと、ちょっと不公平を招きます。なぜなら安いから。
その意味で、今譲渡しておりますものの平均は、全国平均で大体三百万から五百万なんです、譲渡益。それで、今の税は譲渡益で切ってありますので、さらにそれより低くなりますので、その意味からいきますと、全体額としては、今それほど大きな額はこれによって与えられるとは思いませんけれども、そういったものも必要なものの一つかとは存じます。

○浅尾委員 私が申し上げているのはあくまでも農地として使う場合ということで、アパートをつくったり何かすれば、それは全然別の話だということを申し上げておきたいと思います。
今、我が国の米の消費量というのは大体八百万トンだというふうに思いますが、先般出されました政府の農業に対する影響を読むと、もし関税をなくした場合に、米の輸入がかなりふえる。これは、「既に国産米と遜色のない米国及び豪州産米の輸入により、国内生産量の約三割が置き換わると想定。」と書いてあります。
ちなみに、農水省は、今国内と同じ品質であるというふうに思います、林大臣も昔アメリカにいらっしゃったからよく御存じだと思いますが、カリフォルニア米の中でジャポニカ米の生産量はどれぐらいだというふうに認識していますか。

○林国務大臣 これは二〇〇四年産で、ちょっと古くて恐縮ですが、カリフォルニアのジャポニカ米は、これはピークということですね、最大生産量で百八十三万トン。それから、南部、アーカンソーとかああいうあたりが、二〇〇九年産のときですが、七十一万トンということでございます。

○浅尾委員 カリフォルニア米全部じゃないですか、今の百八十万トンというのは。カリフォルニア米の中のいわゆるジャポニカは、私の資料では三十万トンというふうになっていますけれども。

○林国務大臣 今、カリフォルニア州で百八十三万トン、二〇〇四年産ですが、一応ジャポニカ米ということです。(浅尾委員「長いものはいかがですか」と呼ぶ)これはジャポニカ米ですから、長粒種は入っていないのではないかというふうに思います。ちょっと待ってください。
今、元帳を確認してまいりましたが、中短粒種で、ジャポニカ米が百八十三万トン、これは二〇〇四年産のカリフォルニアでございます。

○浅尾委員 中短粒種で、アーカンソーでもそんなにつくっているというふうにはとても、そもそも、アメリカでつくっているジャポニカ米、要するに、国宝ローズとか田牧米というものがそれだけの量があるというのは、アーカンソーではつくっていないというふうに私は確認していますので、もし後で訂正されるならそれは訂正していただいても結構でありますけれども、そんなに生産量はないはずだろうと思います。
ここで私は、ちょっと農水省としてどういう認識を持っておられるかということを伺いたいなと思って、これは質問通告をしておりますが、アメリカ、特にカリフォルニアは、水の利用権、何というか、水がそもそも、雨が降りません。麻生大臣も昔、二年弱カリフォルニアに留学、総理もいらっしゃったと思いますが、多分、いらっしゃっている間に雨が降った記憶というのはほとんどないんじゃないかなと思います。
雨が降らないカリフォルニアにおいては、水の利用権、これが非常に、判例上も、それからカリフォルニア州の水を利用する州の規則の上においても、非常に厳しい規則がありまして、そもそも水というのが、利用するに当たっては、リパリアン・アンド・アプロプリエーティブ、要するに、川の水利の上に乗っかっている権利と、後からゴールドラッシュのときに水を引っ張ってきた権利と、法的には二つの複雑な権利があって、新規に水を利用しようとしても、そもそもそんなに使えない。
カリフォルニア州の最高裁で累次の判決も出ていますが、どの程度、水の利用について認識をされておられるのか、伺いたいと思います。

○林国務大臣 先ほどの米の数量につきましてはもう一度きちっと説明させますが、私が確認したところでは、カリフォルニア州のピークがああいう数字だったということでございます。
水利権に関するカリフォルニア州の最高裁判決ということでございますが、ロサンゼルス市の水資源利用に関して、公共財産である水資源の保護のため取水量が制限されるとして、環境保護団体が勝訴した一九八三年の判決というのがございます。それから、水資源の平等な配分を否定し、農民の既得水利権が優先するとした二〇〇〇年判決。
こういう二つの判決があるということを承知しておりますが、いずれも委員から今お話があったように、市民が勝訴したとか、いろいろな判決が出ているので、ジャポニカ米というか、米がつくれなくなるという制約がかかるような判決ということではないというふうに考えております。

○浅尾委員 実は、ここにカリフォルニア州の水利用の規則というのがありまして、この中に、要は、水不足になった場合には、一番最近に水を使った人が一番権利がないというのが規則に書いてあるんです。
したがって、そこから読み取ると、仮にTPPに入ってカリフォルニア産を増産しようと思っても、万が一、時々カリフォルニアの場合は水不足になりますけれども、水不足になったら、一番最近に利用するようになった人は使えないということなので、そういうことも含めて、ぜひ、別にそれは我が国の手持ちの資料として持っておけばいいというふうに思いますが、そういう調査をされるかどうか、伺いたいと思います。

○林国務大臣 ありがとうございます。
この間お出しした試算は、前回、昨年の、いつだったでしょうか、民主党政権で農水省が出していたものを少し見直しまして、米の置きかわりの幅を少し下げております。
したがって、前提は変えておりますが、いずれにしても試算でございますので、先ほど申し上げた、カリフォルニア、南部諸州のピークのところから国内の消費量を引いた額が来るだろうという前提にしておりますので、その前提について、今後、いろいろな情報をさらにとって精緻なものにしていくという過程の中で、今御指摘のあったカリフォルニアの水についてもしっかりと情報収集してまいりたいと思っております。

○浅尾委員 次の質問に移らせていただきたいと思いますが、次は、我が国の成長戦略の方向性について伺っていきたいと思います。
まず第一に、大きな方向性として、この分野が伸びるといういわゆるターゲティングポリシーなのか、自由に任せるレッセフェール型なのか、安倍政権はどちらを考えておられるのでしょうか。

○甘利国務大臣 これは経済再生大臣としてお答えします。
よく言われるのでありますけれども、戦後のターゲティングポリシー、「官僚たちの夏」というようなことの再現かと言われるのでありますが、少なくとも今回とろうとしている成長戦略は、今、日本が抱えて、何年かかっても解決をしていかなきゃならない課題を分析して、それが解決された将来像を描いて、そこと今を結んで、その線上にどういう解決すべき問題があるか。そこには、国でしかできない規制緩和とかあるいは基礎研究、あるいは企業がやるべき実用化研究、それを言ってみれば時系列で並べていく、その絵図を描き出そうとしているわけであります。
それができますと、例えば少子高齢化が、このまま放っておけば産業活力も社会の活力もそいでしまう。しかしながら、少子高齢化であっても活力がある経済社会というのは何かといえば、高齢者が健康で、長寿で、そして元気なうちに産業活動に就業できる、社会活動に従事することができる。そのためにはどういう課題があるかというようなことをロードマップ化していくというやり方であります。
でありますから、昔のターゲティングポリシー、産業分野を最初から特定してやるということでもなければ、個別の事業ごとに特定していくやり方ともちょっと違う、新しいやり方だというふうに思っております。

○浅尾委員 私は、まず国が最低限やるべきことは、企業ができないこと。企業ができないのは何かというと、基礎科学の技術の振興。つまり、いつ花が咲くかわからない基礎科学については、これは国がやっていく必要性があるんだろうなというふうに思います。
きょう、文部科学大臣に基礎科学の技術の振興費の推移についての数字をいただこうというふうに思っていまして、たまたまなんですが、数字が一致しておりますが、民主党政権になって、本予算を組む前の補正とその次の補正で科学技術振興費が減っている。それから、民主党政権で三回組んだ本予算の中においても累積で科学技術振興費が減っておりますが、累積というのは、だんだんふえてきていますけれども、もともとは大分減らされているということで、これはいろいろな理由があるのかもしれません。一つは、文科省の予算の中で高校無償化というものが入った結果だというふうな説明もされたことがあると思います。
まず、数字を伺いたいと思います。

○下村国務大臣 お答えいたします。
科学技術関係経費の一般会計分について、平成二十一年度第一次補正予算の執行停止を含む第二次補正予算において、政府全体で合計約二千三百六十三億円が削減されました。そのうち、文部科学省予算では一千八百二十七億円が削減をされました。
また、今度の予算でございますけれども、科学技術関係予算について、安倍政権において、二十五年度政府予算及び平成二十四年度補正予算の合計が四兆五千九百四十三億円、うち文部科学省予算は三兆六百二億円でございまして、平成二十四年度当初予算に比べ、政府全体で九千二百五十三億円、文部科学省予算では五千九百四十五億円ふやしたところでございまして、科学技術の積極的な振興を図ってまいりたいと思います。
高校無償化については、これは四千億かかっておりまして、ストレートに科学技術予算を削減して民主党政権で高校無償化に回したとは言っておりませんが、減らされたことは事実でございます。

○浅尾委員 両方できればもちろんいいんです。両方できればいいんですが、先ほど申し上げました、国の長期的な基礎的な体力はやはり基礎科学ということになろうかと思いますし、これは必ずしも、いつ芽が出るかわからないということなので、ぜひ基礎科学についてはしっかりと予算をつけていただきたいということを要請させていただきたいと思います。
次に、では基礎科学にお金をつければそれだけで成長するかというと、今申し上げたように、いつ芽を吹くかわからない。いつ芽を吹くかどうかわからないことだけに頼っていてもいけないので、では、どういうところを、今あるかないか、今ないものだけれども何かやったら生まれてくる可能性がある分野というのが私は成長余地が大きいんじゃないかなというふうに思います。
例えば、今から二十五年前の数字、そして十五年前の数字をいただいておりますけれども、東京から大阪に電話をした場合に、一九八八年、一九九五年、そして二〇一三年で、それぞれの数字を、総務大臣、読み上げていただきたいと思います。

○新藤国務大臣 二十五年前、一九八八年の東京―大阪間の通話料金は三分三百六十円です。そして十八年前、一九九五年の東京―大阪の料金は三分百八十円。そして現在、二〇一三年の東京―大阪間の通話料金は三分八十円でございます。

○浅尾委員 これが今おっしゃっていただいたように安くなった理由というのは、NTTの通信回線をそれ以外の事業者に開放した結果、安くなったわけであります。
一方で、通信業の国内総生産、そして、実は通信料金が、後で数字を読んでいただければと思いますが、その解釈も含めて総務大臣にいただければと思いますけれども、通信料金が安くなった結果、通信事業だけを営むということでいうと、総生産も雇用者も減っています。総生産でいうと多分二千億円ぐらい、雇用者でいうと三万五千人ぐらい減っていますが、その通信インフラの上に、ゲームとかいろいろなソフトウエアとか、そういうものを見ると、恐らく七兆円ぐらいGDPはふえて、雇用も二十万人ぐらいふえていると思いますが、今申し上げたような数字でいいかどうかということと、総務大臣のその点についての解釈を伺いたいと思います。

○新藤国務大臣 御案内のように、電気通信業だけでいうと売り上げの方はさほど伸びておりませんが、電気通信業に加えて、情報サービス業、それから放送業、こういった情報通信産業全体で申し上げますと、これは今、平成二十二年でありますけれども、名目国内生産額は約八十五・四兆円、これは全産業の九%、一割弱を占める、こういうことであります。
それから雇用者数も、これは通信業だけではそんなに変わらないんですけれども、しかし、情報通信産業全体でいいますと、これが全産業の六・八%を占めるということで、平成七年に比べて二十万人の増加。売り上げでいうと二十六年間で約三倍、それから、事業者数でいうと二社から一万六千社にふえた、こういうことでございます。

○浅尾委員 そういう観点でいうと、今、一番大きな、残っている大玉の規制改革は電力の送配電網なんですね。通信網は、先ほど申し上げました一九八八年から開放し始めて、ようやく、二十五年たって今はそれだけの産業になった。そうしたら、電力の送配電網、これも公共インフラですから、これを開放していくという方向性があって正しいと思いますが、担当大臣、いかが思われますか。

○茂木国務大臣 基本的には、私、正しい方向だと思います。
ただ、八〇年代の情報通信の、いわゆるネットワークの中立化、そして独立性の確保と、若干、電力は違いがありまして、今、例えば情報処理とネットワークが一体化をしております。ところが、当時においては、まだ、電力では発電に当たる部分、そういうのは非常に少なかったと思うんですね。これからやはり、電力システムにおいては、まずは調達というか発電の部分、この自由化をきちんと進める。そして、おっしゃるような形の送配電、これがネットワークに当たるわけでありますけれども、これの中立化をどう確保していくか。
さらには、最終的な需要の部分、消費の部分でありますけれども、今までのエネルギー政策というのは、どちらかといいますと、この消費、需要の方を所与としてどれだけの供給を積み上げるか、こういう発想でありましたけれども、こちらの部分についても、多様な使用形態であったりとか多様な料金メニュー、こういったことを提供することによって、賢く、需要家の方がいろいろなものを選べることによって、需要そのものも落としていく、こういう全体の改革をしっかり進めていきたいと思っております。

○浅尾委員 私が申し上げたいのは、二十五年前、通信網を開放したとき、あるいは今から十三年前の段階でも、何が出てくるか、要するに、ITがこれだけ発達するというのはわからなかったわけですよ。ですけれども、例えば今度は電力の市場を自由化していくというと、今は想像できないようなサービスが出てくるでしょう。そのことが経済の成長につながる。それは冒頭申し上げました、できるだけ民間にできる、レッセフェール的な考え方というのはそういうことだということを指摘させていただきたいと思います。
時間の関係で最後の質問になろうかと思いますが、実は、我が国の企業の、お配りしている資料の中にもありますけれども、きょうは、財務大臣も元企業の経営者でありますし、経産大臣も元コンサルタントですから、よく御案内のことだと思いますけれども、世界各国のROEを比較すると、残念なことに、我が国は一番このROEが低いということでありまして、これの分析というのが、先ほどの農業の分析と同じように、何でそういうふうになるのか、ここをちゃんとしないと成長戦略につながらないんじゃないかという観点から伺わせていただきたいと思います。
これはどなたにお答えいただくのかわかりませんが、ちょっと時間で、数字を私の方から申し上げた方がいいかもしれません。先に申し上げた上で、それに対する対策も含めてお答えいただいた方がいいかもしれません。
日本と米国と欧州とで比較すると、ROEを構成する、決めるのは、実は、どれぐらい借金があるか。借金の割合が多ければ、借金の利率が低ければ、資本に対するリターンは高くなります。それから、資産がどれぐらい回転するか。それも、回転数が高くなればリターンが大きくなるんですが、実は、借金の割合と回転率はほぼ一緒なんです。
一番残念なのは、日本の企業、これは製造業、非製造業ともに利益率が低い。利益率が四・二%というのが日本で、米国は一〇・七%、欧州は一一・七%。
利益率が低いのはなぜなのか。それは多分、先ほど申し上げましたターゲティングポリシーで、この分野を国がやりなさいよと言ったら、みんな同じことをやっちゃうから、結局、差別化は図れない。だから、利益率が高くなるように、できるだけ自由にさせた方がいいというふうに私自身は思いますけれども、その点について伺って、私の質問を終えたいと思います。

○茂木国務大臣 企業のタイプ、産業のタイプによって違うと思いますが、大きく三つぐらいあると思います。
一つは、委員御指摘のように、日本の場合、ある特定の産業に企業、事業者の数が多過ぎる、こういう問題。そして二つ目には、やはり会社の中でも事業を新しくしていかなくちゃならない、その新陳代謝がなかなかうまく進んでいない。三番目には、グローバルに展開している企業、こういった企業の方が収益性は高いという点で、もっと日本のグローバル企業、特にヨーロッパ型の、素材であったりとかそういうところで、分野は狭いんですけれども、どこも世界が必要とするような会社、こういったことをつくっていくことが必要だと思っております。

 

 

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