あさお慶一郎(前衆議院議員 神奈川4区)

国会活動

尖閣諸島沖の日本領海内で起きた中国漁船と海上保安庁巡視船の衝突事件を巡る政府の対応に関する再質問主意書

2010年11月18日 (木)

平成二十二年十一月十八日提出

質問第一七八号

尖閣諸島沖の日本領海内で起きた中国漁船と海上保安庁巡視船の衝突事件を巡る政府の対応に関する再質問主意書

提出者  浅尾慶一郎


尖閣諸島沖の日本領海内で起きた中国漁船と海上保安庁巡視船の衝突事件を巡る政府の対応に関する再質問主意書

日本国の領土、領海、領空が今日あるのは、日本国民の先達等の努力の賜物であり、日本国民一人一人の不断の努力による結果であることは言うまでもない。

今まさにこの時も、海上保安官、陸海空の自衛官は自らの危険を顧みず、日々、日本の国土、国境を守っている。

また、警察官はもとより労働基準監督官、麻薬取締官等の特別司法警察職員は、日本国民の生命及び財産を守るために、被疑者が外国人であるか否かに関わらず、国内の犯罪の取り締まりにあたっている。

これらの公務員の職務行為が妨害された場合、被疑者の国籍に関わらず、刑法第九五条に規定する公務執行妨害が問われるのは言うまでもない。

先般の尖閣諸島沖の日本領海内で起きた中国漁船と海上保安庁巡視船の衝突事件の映像(以下「衝突事件の映像」という。)がインターネット上で公開され、各報道機関も連日放送しているが、この映像から判断すると、中国漁船の船長を、何等法的責任を問わずに釈放したことが、法と証拠に基づいた厳正公平・不偏不党を旨とした刑事処分として妥当であったのか甚だ疑問であり、平成二十二年十一月二日付け回答(以下「質問に対する回答」という。)が極めて不自然な回答であると判断せざるを得ない。

また衝突事件の映像がインターネット上で公開されたことについて、公開した者が国家公務員であるなら、守秘義務違反として刑事責任を問われる場合もあろうが、そもそも、今回の映像は、民主党政権が進める情報公開の精神に則り、率先して広く国民に公開すべき映像であったとの疑念を抱かざるを得ないものであるし、中国国内において英雄視されている中国人船長に対する公務執行妨害罪を不問に付して、その一方でそれに関する情報を公開した者が厳正に刑罰に付されることは、厳正公平・不偏不党を旨とする刑事事件の処分において果たして妥当なものかどうか強い疑念を抱かざるを得ない。

この問題意識に立って、以下質問する。

一 尖閣諸島沖の日本領海内で起きた中国漁船と海上保安庁巡視船の衝突事件において、この中国漁船の船長を逮捕・送検し、那覇地検が勾留請求し、さらに十日間の勾留期間の延長請求をしたことについて、法と証拠に基づき、厳正公平・不偏不党を旨とする刑事処分において、何等問題の無いものであったと考えて良いか。

二 一について、これが何等問題の無いものであったなら、さらに衝突事件の映像から判断して、中国漁船の船長を起訴することなく釈放したのは、法と証拠に基づき、厳正公平・不偏不党を旨とする刑事処分において妥当なものであったと言えるのか明確に回答されたい。

三 質問に対する回答では、「検察当局は、常に法と証拠に基づき、厳正公平・不偏不党を旨として、刑事事件の処分をしており、被疑者の国籍等を理由として不当な起訴又は不起訴の判断をすることはない」とあるが、如何なる場合に「外交問題を考慮して」起訴又は不起訴の判断をするのか、一例でも想定されるものがあれば明確に回答されたい。

四 今回の尖閣諸島沖の日本領海内で起きた中国漁船と海上保安庁巡視船の衝突事件のように、刑事処分を行うことによって、諸外国との間で摩擦が起き、罪の重さと外交関係の重要性をはかり、起訴するかしないかの判断を行う必要が生じる事案について、今後も独任官たる検察官にその判断を委ねるということで間違いないか明確に回答されたい。

五 平成二十二年九月二十四日、那覇地検の次席検事は「我が国の国民への影響や日中関係を考慮すると、これ以上身柄を拘束して捜査を継続することは相当でないと判断」した旨述べ、仙谷官房長官は『地検「独自の判断」を了として、捜査指揮権を行使した事実はない』旨述べたが、これが民主党政権が掲げる政治主導であるのか、この事件において民主党政権はどのような政治主導を行ったのか明確に回答されたい。

六 今後、尖閣諸島沖の日本領海内で起きた中国漁船と海上保安庁巡視船の衝突事件に対して、刑事告発がなされた場合、もしくは刑事告発が受理されていた場合、引き続き那覇地検の責任と判断において、起訴・不起訴の判断がなされ、法務大臣の指揮権発動は行われないものと理解して良いか回答されたい。

右質問する。

PDFファイルはこちら

平成二十二年十一月二十六日受領

答弁第一七八号

内閣衆質一七六第一七八号

平成二十二年十一月二十六日

内閣総理大臣 菅 直人


衆議院議長 横路孝弘 殿

衆議院議員浅尾慶一郎君提出尖閣諸島沖の日本領海内で起きた中国漁船と海上保安庁巡視船の衝突事件を巡る政府の対応に関する再質問に対し、別紙答弁書を送付する。


衆議院議員浅尾慶一郎君提出尖閣諸島沖の日本領海内で起きた中国漁船と海上保安庁巡視船の衝突事件を巡る政府の対応に関する再質問に対する答弁書

一及び二について

お尋ねの事件における被疑者の逮捕、検察官送致、勾留請求、勾留期間延長請求及び釈放については、いずれも、捜査当局において、法と証拠に基づいて適切に判断したものと承知している。

三について

お尋ねの「外交問題を考慮」が具体的に何を指すのか必ずしも明らかでないが、検察当局が、被疑者の起訴又は不起訴の判断に当たって、どのような事情を考慮するかについては、個別具体の事案に即して、法と証拠に基づいて判断すべき事柄であり、一概にお答えすることはできない。

四について

お尋ねの「刑事処分を行うことによって、諸外国との間で摩擦が起き、罪の重さと外交関係の重要性をはかり、起訴するかしないかの判断を行う必要が生じる事案」が具体的に何を指すのか必ずしも明らかでないが、今後も、検察当局においては、個別具体の事案に即して、引き続き、法と証拠に基づいて適切に判断していくものと承知している。

五について

菅内閣においては、「基本方針」(平成二十二年九月十七日閣議決定)等に基づき政治主導の国政運営に取り組んでいる。なお、被疑者を釈放するとの方針は、検察当局が、法と証拠に基づいて適切に判断し、決定した上、発表したものと承知している。

六について

被疑者の処分については、検察当局において、法と証拠に基づき、適切に判断されるものと承知しているが、法務大臣は、検察庁法(昭和二十二年法律第六十一号)第十四条ただし書の規定により、個々の事件の処分等について、検事総長のみを指揮することができるとされているところ、法務大臣が個々の事件の処分について検事総長を指揮するか否かは、個別具体の事情に即して判断されるべき事柄であり、一概にお答えすることはできない。

PDFファイルはこちら

国会活動

バックナンバー


国会会議録検索システム

衆議院TV

youtube

あさお慶一郎 公式SNSサイト

このページのトップへ