あさお慶一郎(衆議院議員 神奈川4区)

国会活動

衆議院 予算委員会 26号 平成24年07月09日

2012年07月09日 (月)

180-衆-予算委員会-26号 平成24年07月09日

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○浅尾委員 最後の質問ですから、ぜひおつき合いいただければと思います。

きょう一日の質疑を聞いておりまして、一つ私の印象に残ったことがございます。

それは、これは質問通告をしておりませんが、民主党代表の野田総理に伺いますが、どうも消費税の増税法案の採決以降、あるいはその前からかもしれませんが、自民党あるいは公明党と民主党との間の差が大分なくなってきているんじゃないかなというふうに思いますが、民主党代表としての野田総理は、いずれ解散・総選挙も行うというふうに言っておられましたから、ここだけは自公と違うというのはどういうところだというふうに思われますか。

○野田内閣総理大臣 大分似てきた、近寄ってきたというお話でございますが、こういうねじれた国会の中で、国益のためにお互いに譲り合って、そして合意形成を図るということは、これは私は大きな前進だと思います。

ただし、よって立つ基盤、これまでの議論の蓄積からすると、固有の政策をお互いに持っております。固有の政策は、私どもは、これまでの二〇〇九年のマニフェストあるいは参議院選挙のマニフェスト、そこに自分たちの理念や具体的な考え方を書いてございます。そういうものはしっかりこれからも実現をしていきたいと思っておりますので、その点については、各党とそれぞれマニフェストが違いますので、よって立つ基盤はやはり違うところはあるというふうに御理解いただきたいと思います。

○浅尾委員 もう一点、通告がないことで恐縮でございますが、今、服部さんからもお話がありました。このオスプレーの配備は、万が一事故があったときには、これは沖縄の米軍基地というのがそのまま継続できるかどうかわからないということでありますが、そのことを決めると。例えば、例えがいいかどうかわかりませんが、福島第一原発の事故というものも想定外の事故でありました。

ですから、事故というのはいろいろなタイミングであり得るということだと思いますが、あってはいけないというふうに思いますけれども、しかし、これだけ反対がある中、しかも普天間の問題等々でねじれている中でオスプレーというのを配備した場合のその危険性、要するに、事故があるかもしれない、そのあったときの日本の安全保障に与える危険性を承知の上でそれを認めるということで、野田政権としての考え方でよろしいかどうかだけ確認させていただきたいと思います。

○森本国務大臣 先生のお尋ねは仮定の議論なので、しかし、この世の中に、科学技術というのは一番最初から一〇〇%完璧で始まるなどというものはあり得ないわけで、いかなる可能性もあるんだろうと思います。  ただ、米国は、この新しい技術を開発し、本当に今まで苦労に苦労を重ねて、困難を克服して、私はその運用に成功するということに確信を持っております。日米安保体制はその確信に基づいて運用されなければならない、かように考えております。

○浅尾委員 これは、総理、大変重要な安全保障上の問題であります。原子力発電所も、事故が起きないということでありましたけれども、起きました。しかも、今回は、事故が起きるかもしれないという中で、さまざまな声がある。そこで配備をするということは、そうした場合には基地が危なくなる可能性もある、置けなくなるという可能性もあることを承知の上で、政治家として野田総理が決断されるという理解でよろしいかどうか、端的にお答えいただきたいと思います。

○野田内閣総理大臣 同盟関係を維持し、そして抑止力を維持するという観点の中で、そういう大局的な観点を持つということは基本でありますけれども、一方で、モロッコにおける事故、そしてフロリダにおける事故、その調査結果というものをしっかり情報提供を早急にしてもらう、そしてそのことをしっかり地元の皆様にお伝えをし、政府としての安全性をきっちり確認をするというプロセスはしっかりとっていきたいというふうに考えております。

○浅尾委員 それでは、きょう累次の質問が出ております国会事故調査委員会の報告書について質問させていただきたいと思います。

私は、今回の報告書の中で一番根本的で、そして本質的なところは、この事故調査委員会が指摘をしております、規制のとりこというんですかね、ここの部分にあるのではないかなというふうに思います。

私も予算委員会等々でも累次質問をさせていただいたときに感じたのは、保安院という組織は実は専門家がいない、専門家はその下部組織である例えば原子力安全基盤機構から情報をもらっている。ですから、専門家でない人がその下部組織からもらった情報で判断しているということで、結果として規制される側が、決して原子力発電事業者が誘導したということではないと思いますけれども、そこに何となく自信がないから頼らざるを得なくなってしまったというところがあるんじゃないかというふうに思いますが、この報告書を受けて、そして新しい法律が、今度、まあ衆議院は通りましたけれども、どういうふうに変えていくことができるのか、変えていくつもりなのかということをまず伺いたいと思います。

○細野国務大臣 私も報告書を読みまして一番気になったのが、そのとりこという言葉でありました。

この昨年の事故を受けまして、私自身も、保安院の関係者、そしてJNESの関係者、さらには東京電力の技術者とも随分、さまざまな議論をする機会を得ました。その中で感じておりますことは、やはりどうしても現場に近い人間の方が技術に詳しくなって、規制する側がそれに若干劣るというこの状況を何としても変えなければならないと思います。

どこの国も苦労しておりますが、特に米国のNRCの例などを見ておりますと、自前でしっかりと教育をする機関を持っておりまして、そこで育てていく、それに加えてOJTの機会でしっかりと原発の中にみずから入り込んでそれを実際にやっていくという、その二段構えの体制になっております。

日本の場合はいずれも欠けていたと思いますので、まずはしっかりと自前の人材を育てることができるような、国際原子力安全研修院、これは構想段階でありますが予算をつけておりますので、これを準備をさせていただきたい、そして国際機関への派遣も含めて幅広い知見を得る。もう一つは、単に書面で審査をするというのにとどまるのではなくて、実際中に入って検査をしてOJTで能力を高めていく。この二つの面での抜本的な強化が必要ではないかと考えております。

○浅尾委員 一つだけ、参考になるかどうかわかりませんが、申し上げておきたいことがあります。

かつて、金融機関の検査というのはプロパーの職員が、プロパーというのは最初から当時の大蔵省内に入った人が検査をしておりました。しかし最近は、金融庁が実際にさまざまな高度な金融取引をしていた人を中途で採用する、その人が検査をするようになっている。

ですから、今後は、もし原子力発電所を政府として継続していくということであれば、実際に原子力発電所で働いていた人を中途で採用するというのが、その検査をできる人が育つまでの期間としては私は必要なんじゃないかと思いますが、そういう考えはあるかどうか、伺いたいと思います。

○細野国務大臣 実は、今も原子力安全・保安院の中には、電力会社やメーカーで勤めていた、中途採用した職員はかなりおるんですね。ですから、そのやり方自体はこれまでも採用してきたわけですが、それをさらに具体的な能力を向上させるという意味で、進めていく必要性はあるというふうに思っています。

ただ、そのときに大事なのは、今まで動かしていた人間がすぐ検査に回ると、これはそれこそ関係を疑われることにもなりかねませんので、そこにしっかり線を引いて、違う会社のものについて関与するとか、かなりそこは厳格な運用が求められるということも考えております。

○浅尾委員 では、次の質問に移らせていただきます。

今回、社会保障の改革については、国民会議の議論に先送りされました。

私、社会保障の改革の中で一番必要なのは、これは前にもこの委員会でも指摘をさせていただきましたけれども、今の年金というのは、例えば、ことし生まれたお子さんは、払った保険料の四分の三ぐらいしか国民年金の場合はもらえない。だから、例えば七十歳以上の方でいうと、二・一七倍もらえるというのが合っている、それが財政的にもつということなんだろうと思います。

本来、本当の意味での年金の改革というのは、では、お孫さんは四分の三しかもらえない、自分は払った保険料よりも多くもらえるという今の制度を、そのままやっていくという手もあります。しかし、これはやはり変えるんだということも考える可能性もあるだろう。その場合に、ではどういうふうにやっていったらいいかというのが多分改革の本来の道筋だろうというふうに思いますが、そのときに一つ大切なことは、年金というのは将来支給されるキャッシュフローというか現金の流れがあるわけでありますが、この将来支給されるキャッシュフローの計算式が、実は厚生労働省の年金局にはあるんですが、これをなかなか表に出してもらえていません。

もっと言うと、今政府が言っているのは、将来支給される年金を現在価値に直すと一千百五十兆円ぐらいですというふうに言っていますが、これは将来のお金ですから、一定の利率で割り戻さなければいけない。これが四・一%、細かいことは除きますが、四・一%という非常に高い利率になっています。今の金利だけとってみるとゼロ金利というような状況でありますから、その割り戻す利回りが小さい数字になれば、一千百五十兆円というのがもっと大きな数字になるということなので、ぜひ、まず小宮山さんには、すぐできることでありますので、このキャッシュフローの数字というものを国会の場に提供していただいて、そして、社会保障の改革というのは現実の数字に基づいてやれるような体制を組んでいただきたいと思いますが、その点について御所見を伺いたいと思います。

○小宮山国務大臣 キャッシュフローの数字というのは公表しております。

それで、今、最初に出していただいた表ですけれども、これは事業主負担分も入れた上でやっていますよね。ですから、今の厚労省が申し上げている、若い人たちでも自分が払った以上もらえますよというのは、自分が払った分で言っている。ただ、こういう考え方も民主党の中ではとって、新しい年金で対応しようということも考えている。これから払われる分の賃金がそこに当たっているということもあるので、それも含めて、この最初の表につきましては、国民会議の中で御議論いただければいいと思っています。

○浅尾委員 キャッシュフローの数字というのは、今申し上げましたように、現在価値の数字しか出ていなくて、将来どういう形になるかというのは出ておりません。これはまた事務方ともやらせていただきますので、ぜひ御検討いただきたいと思います。

最後の質問に移らせていただきたいと思いますが、先ほども取り上げられておりました国民生活基礎調査の概況ということで、平成二十二年度の世帯収入は十一万六千円減少ということでありますが、世帯収入が少ない世帯ほど、収入に占める消費の割合というのは、一般論で言えば高くなります。消費性向が高くなるということでありますが、今度、消費税を増税すると、可処分所得というか、その分、消費できる真水の量は減るということになります。

本来であれば、政府の方で、では、世帯収入の、せっかくこうした立派な調査をされておられますし、五百三十八万というのは平均値でありまして、中央値は四百二十七万ということなので、より多くの方はもっと少ない世帯で暮らされているということでありますが、そういうマクロモデルを使いながら、実際に増税をしたときに、消費性向、一定の割合を置いた場合に、どれぐらい日本のGDPが減るのか、そして、その結果、どれぐらい税収が、消費税以外の税収というふうに申し上げた方がいいかもしれません。例えば、消費税が上がった結果、売り上げが一〇%落ちると、利益率が五%ぐらい下がるというのが、小売の中のレストラン事業なんかはそういう計算だというような数字がありますが、そうしたマクロ経済のモデルをつくった上で、実際の増税のときに判断をするということも必要なんじゃないかと思いますが、その点についてどういうふうに考えておられるか伺えればというふうに思います。

○中井委員長 古川担当大臣。時間が経過していますから、短くやってください。

○古川国務大臣 経済に与える影響は丁寧に勘案していきたいと思っております。

○中井委員長 これにて浅尾君の質疑は終了いたしました。     ―――――――――――――

衆議院 内閣委員会 9号 平成24年06月14日

2012年06月14日 (木)

180-衆-内閣委員会-9号 平成24年06月14日

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○浅尾委員 みんなの党の浅尾慶一郎です。
私の方からは、この法案の改正のもとになる考え方あるいは背景といったようなことを含めて、質問をさせていただきたいと思います。
もとになる考え方としては、今まで、さまざまな省において宇宙開発というもの、あるいはそれに関連する予算といったようなものが取り扱われてまいりました。具体的には、御出席いただいておりますけれども、文部科学省、経済産業省、防衛省そして国土交通省ということで、それぞれの省において政策を行って、また、その遂行のための予算というものがつけられてまいりましたけれども、今次の改正によってこれが一元化する方向に進むのかどうか、こういう観点から伺わせていただきたいと思います。
本来であれば、国を挙げて一つのところがまとめてやっていくというのが一番の理想だろうというふうに思いますけれども、まずは古川担当大臣に伺いたいと思いますが、今後、宇宙関係の予算は、より内閣府の中において一元的に管理する方向に進むのかどうか、その点について伺いたいと思います。
○古川国務大臣 きょうの先ほど来からの議論の中でもこの点は何度も御質問に出ておりますけれども、例えば気象衛星と気象行政の関係に見られますように、宇宙政策というものは各利用省庁の行政事務と密接な関係にある、そうした側面も有しております。今回の法改正におきましては、こうした点も考慮して、予算の一元化という判断には至らなかったものであります。
一方で、今回の法改正では、宇宙政策を一体的かつ戦略的に推進するため、宇宙関係予算につきまして司令塔機能を担う内閣府が、宇宙政策委員会の調査審議を踏まえて、宇宙開発利用に関する経費の見積もりの方針を決定し、これに基づいて各省が予算要求を行うことといたしました。この見積もりの方針をどれくらい具体化できるかというところが一つのポイントになってくるんではないかというふうに思っております。
また同時に、内閣府と財政当局との密接な連携も、この予算、最初から最後の閣議決定のところまで含めて連携を図ることによって、予算自体は一元化までいきませんけれども、予算編成を含めて宇宙政策が戦略的に推進できるように努力をしてまいりたいというふうに考えております。
○浅尾委員 今回の法案では一元化しないというのはよくわかっているんです。将来的な方向性として、古川大臣は一元化する方がよりよいと思うのか、そうでないと思うのかということを伺っているんですが、その点についてはどのように思われますか。
○古川国務大臣 先ほどもちょっと申し上げましたけれども、気象衛星と気象行政のように、宇宙政策というのは、それぞれの省庁で、いわば縦に、執行のところにある部分と、そしてもっと大きな、宇宙政策の戦略的な、そういう全体を見てというところがあります。
ですから、そういう大きな戦略のところは司令塔できちんとやりますけれども、しかし、個別の非常に具体的な事業とか何かになってくると、そこのところを見ると、これはやはりちょっと別の側面もありますので、そういった意味では、全体として、宇宙戦略のところから、どういう戦略で予算をつけているかというのがきちんと見えていくようにしていきたいと思っていますが、全てのそういう事業の執行のところも全部一元化したらいいかというと、ちょっとそこは、少し距離があるんじゃないかというふうに思っておりますので、宇宙政策としては、司令塔機能をつくることによって、政策の部分としては一元的に予算が編成できるように努力をしてまいりたいというふうに考えています。
○浅尾委員 それでは、きょう、文部科学副大臣、経済産業副大臣、国土交通副大臣そして防衛政務官にお越しいただいておりますが、まだ来年度の概算要求はもちろん始まっておりませんけれども、宇宙政策の一元化に伴って、それぞれの省の予算の中で少し内閣府に予算を移管する部分がありそうかどうか、伺ってまいりたいと思います。
では、まずは文部科学副大臣からお願いしたいと思います。
○奥村副大臣 お答えいたします。
ただいま古川大臣の方からお話がありましたように、内閣府を中心に、見積もり等をしっかり我々も見聞させていただいて、それによって、本来文部科学省がやっていくべき技術開発、技術の基盤強化をしながら、人材育成を進めてまいりたいというように思っているところでございます。
○浅尾委員 時間もありますので、牧野経済産業副大臣に伺いたいと思いますけれども、変化がありそうか、なさそうかぐらいちょっとお答えいただけるとありがたいと思います。
○牧野副大臣 昨年の予算編成のときに、浅尾委員の言われたような論点の議論があったことは事実であります。しかしながら、今、古川大臣の指導のもとに、そういう予算編成に向かっておりますので、御理解のほど、よろしくお願いします。
○浅尾委員 多分、同じような答弁になると思いますが、せっかくお越しいただいておりますので、国土交通副大臣そして防衛政務官、お答えいただければと思います。
○吉田(お)副大臣 宇宙開発の利用におきましては、政府の方針に従っていくということでございますが、予算の関係に関しましては、それぞれ目的がございますので、しっかり私どもは私どもで確保していくということでございます。
○神風大臣政務官 防衛省の宇宙関連事業といたしましては、平成二十四年度予算では、イージス艦のBMD能力の付加を含むBMD関連、また、Xバンド衛星通信中継機能等の整備運営事業を含む衛星通信の利用及び商用画像衛星の利用等といった事業を計画しているところでございます。
これらの事業につきましては、防衛省が政策の立案から予算の執行まで主体的に実施していくことが適当でありまして、内閣府へこれらの事業を移管することは困難ではないかと考えているところであります。
○浅尾委員 予算については今お答えいただいたとおりなんですけれども、先ほど大臣が、全体の戦略は一元化するんだというふうにお答えいただいていました。
この全体の戦略を一元化する中で、それぞれ各省の副大臣、政務官、お越しいただいておりますが、この部分は内閣府に移管したら適当だろうというふうに思われる戦略部分はどの部分に当たるか、文部科学副大臣からお答えいただきたいと思います。
○奥村副大臣 ことしの予算もそういう思いをしながら進めてきたわけでございますが、戦略的には、先ほど申し上げたように、やはり文部科学省としては、人材の育成、そして技術開発、その基盤強化をしっかりしていきたいというように思って、先ほどお答えしたことと同じでございますが、そういう方向でしっかり進めていきたいというように思っております。
○浅尾委員 というよりか、私の質問の趣旨は、全体の戦略を内閣府で一元化するということであるとすれば、現在、文部科学省が担っている戦略のうちで、この部分は切り出して内閣府に渡すものがあるのかどうかということを伺っているんです。
○奥村副大臣 ちょっと、具体的にはないわけでございますが。
○浅尾委員 古川大臣、全体の戦略は内閣府でやるということになっていますけれども、文部科学省からは、具体的にここの戦略を切り離すというのはないという答弁でありました。
要するに、文部科学省はそのまま従来どおりやっていて、内閣府でも全体の戦略を立てるということになると、何か屋上屋的な部分もあるんじゃないかと思いますが、では、古川大臣の方から、それぞれの省で今現在担っている企画立案機能のうち、ここの部分は内閣府に移管するというようなものがあれば、それを具体的に例示していただきたいと思います。
○古川国務大臣 今回の法案でも、宇宙開発委員会、文科省のはもう廃止をすることにしていますが、浅尾委員も若干、わかっていて聞いていらっしゃるのかもしれませんけれども、企画立案とかそれぞれの所管のところを別にとってくるとかということじゃないんです。
宇宙政策委員会において調査審議をして、それに基づいて、宇宙戦略本部で宇宙政策についての総合的な戦略を立てます。そこで予算についての見積もりの案というものもつくります。それに基づいて、各省がその枠の中で、自分たちの担当になっている部分についての予算の要求からしていくという形であって、そういう意味では、別に、何か設置法に基づく所掌事務をこちらに持ってきてとかいうところとはちょっと違って、宇宙政策についての総合的な戦略は内閣府の司令塔のところでまとめていく、それに従って各省庁が予算要求をしてもらう、そういうことであります。
○浅尾委員 いや、ですから、総合的な司令塔を内閣府が担うようになるということでございます。そこは従来と違うというふうに理解をしております。ですから、従来なかった機能というのができるというふうに判断をしております。そういう意味で、従来、各省がやっていた部分のうちどの部分が移るのかということを具体的に例示していただきたいという質問です。
○古川国務大臣 移るのかというのではなくて、今までは、各省それぞれ自分たちの思いで、全体として宇宙政策、そういう発想とは少し、ある種そこが頭の中に抜けている部分もあったりしてやっていた部分はあると思うんです。
それを、今回、ちゃんと司令塔のもとで全体の戦略を決めて、そして、見積もり方針というものを出して、その枠の中で各省が予算要求をしてもらうということでありますので、そういった意味では、今までと、予算の宇宙にかかわる部分、まさに各省庁に横割りで見ていって、宇宙にかかわる部分はこの見積もり方針のもとでやっていただく形になっていくということでございましして、何かが移るとかそういう話じゃなくて、やり方が変わるというふうに理解をいただきたいと思います。
○浅尾委員 全体を統括する戦略を立てるようになるということだと思います。従来なかったものを行うということだろうと思いますけれども、それぞれ従来あった部分の機能の重複があると二重になってしまうので、そこはぜひそうならないようにしていただきたいと思います。
次に、もう一つ従来との関係で申し上げますと、研究開発と実用化との間に距離があったということだと思いますが、今後、研究開発をいかに実用化につなげていくのか、そのための方策について伺いたいと思います。
○古川国務大臣 御指摘のように、研究開発、実用化、すなわち開発と利用を有効に結びつける、これが宇宙政策の重要な課題でありまして、今回の体制整備の大きな目的の一つでもあります。
今回の体制整備におきましては、具体的には、まず、内閣府が中心となって我が国全体のユーザーのニーズを総合的に取りまとめて研究開発に反映させることにするとか、これまでは実用化の担い手のなかった省庁横断的なシステムについて内閣府自身が実用化を行うことができることとする、準天頂衛星システムなんかはまさにその典型でありますけれども、またさらに、JAXAの業務に、宇宙の実用化の担い手となる民間事業者に対する支援業務を追加する、こうした措置を講じたところでございます。
こうした措置を講じることによりまして、研究開発に利用ニーズが反映をされて研究開発の成果が実用化につながるよう、まさにこれを戦略的にこの宇宙開発の司令塔において推進してまいりたいというふうに考えております。
○浅尾委員 時間になりましたので終えたいと思いますけれども、具体的に、今の、その研究開発と実用化との関連性がこの法案によってどの程度高まりそうかということをお答えいただいて、質問を終えたいと思います。
○古川国務大臣 繰り返しになりますけれども、研究開発と利用を有効に結びつける、これが今回の法改正の目的の一つでありますから、しっかりそれは実現していきたいというふうに思っております。
○浅尾委員 終わります。

 

 

衆議院 社会保障と税の一体改革に関する特別委員会 12号 平成24年05月31日

2012年05月31日 (木)

180-衆-社会保障と税の一体改革…-12号 平成24年05月31日


○浅尾委員 みんなの党の浅尾慶一郎です。
今回の消費税の増税の話は、基本的には、財政再建のためではなくて社会保障の充実のためという説明がされておりますが、同時に、マスコミにおいては、財政再建待ったなしだというような報道もされているわけです。
では、日本の国を会社に例えた場合に、経営の再建というのを値上げという形で考えれば消費税増税ということになるのかもしれませんが、値上げの一本足打法というのはなかなか経営再建にはつながらないだろうというふうに思っております。
普通、経営が厳しくなったときにまず最初に行うのは売り上げをふやすということでしょうし、その次に行うのは、同時にということかもしれませんが、不要不急の資産があればそれを売っていく、そして、社長の給料が多かったら給料を減らしたり、実体がない役員がいればその人に役員をやめてもらったり、さらに、役員の数も減らして、従業員の給与も減らしていくというようなことをやった上で値上げというのが通常の順番なんじゃないかなというふうに思います。
国においても同じことだろうというふうに思っておりまして、そんな観点から、まず、我が国の現在の税収というものがどういうものなのかということで質問をさせていただきたいと思います。
日本の国の今の税収は四十兆円ぐらいということでありますが、今配付をさせていただいた資料、一般会計税収の推移というのがありますけれども、これを見ますと、平成二年が六十兆一千億円で一番多くて、確定しておりますのが、平成二十二年度が四十一兆五千億。これは決算が出た数字ということでありますが、四十兆内外で推移していますということで、平成二年と比べて三分の二に税収が落ちてしまったということであります。
私が非常に不思議に思ったのは、経済の実力を示すのは実質のGDPということで、お手元に実質のGDPの推移の資料もお配りをさせていただきましたけれども、平成二年、一九九〇年ですが、このときの実質のGDPは四百五十三兆六千億円、平成二十二年、二〇一〇年は五百十一兆ということで、実質の経済は今の方が大きくなっている。そうすると、実質の経済が今大きくなっているにもかかわらず、何で税収が三分の二になってしまっているんだろうという疑問を持ったわけでございます。
しかし、よくよく考えてみますと、我々が日ごろお店に行って物を買うのは実質ではなくて名目、これはちょっとわかりにくいかもしれませんが、お金を払うのは実際に表示されている価格だということでありまして、表示されている価格で計算しているのが名目のGDPだということになるわけでありますが、名目のGDPで見ますと少し差が縮まります。一九九〇年のときが四百五十一兆円で、二〇一〇年が四百七十九兆ということなので、なるほど、実質よりは差が縮まるなと。しかし、名目のGDPは、一九九〇年と比べると、まだ今の方が大きいなということがわかるわけであります。
今の方が経済の規模が実質、名目ともに大きいということについて、ちょっと、名目というのも本当に税収から見た場合に全てのものを入れているのかなというふうに思って、これは古川さんのところにまずは確認の御答弁をいただきたいと思います。
経済を調べるに当たっては、名目の経済値を調べた後でGDPデフレーターというもので修正する、このGDPデフレーターには土地の値段や株価の資産価格の変動は含まないというふうに理解していますが、そういう理解で正しいですね。
○古川国務大臣 そのとおりでございます。
○浅尾委員 そうなんです。土地の値段や株の値段は含まれていないんです。
そうすると、では、土地の値段、株の値段を、一九九〇年の年末と二〇一〇年の年末、つまり、今の一・五倍税収があったときと比較をするとどうなるのかというのがもう一つの資料であります。
年度末ですから、日付でいうと一九九一年の三月二十九日、株価は二万六千二百九十二円でありました。二〇一〇年度末、二〇一一年の三月三十一日は九千七百五十五円ということになるわけであります。土地の方も、これは公示価格で見ると、住宅地が八十八万八千六百円が三十三万七千百円に、商業地はもっと落ちていまして、七百七十五万円が百七十一万七千円と相当落ちているということなんです。
この資産性のものと税収との連用性というか関連性というのがどの程度あるというふうに財務大臣は考えておられるか、まず伺いたいと思います。
○安住国務大臣 連用性はわかりませんけれども、統計だけ見ると、分離課税分だけ見ても、土地譲渡だけでも三・七兆だったのが〇・四ですから、それだけ見れば約十分の一ぐらいになっていますし、利子も調べると五・三兆から〇・五になっている。
ですから、そういう点では、浅尾さんおっしゃるように、デフレの正体は何ぞやというのはいろいろな議論があると思いますが、資産の中で占める土地、不動産価格というのはやはり反射しているということは税収からわかります。
ただ、九〇年のこの時点をどう見るかというのは、これはあると思いますよ。バブルのはしりぐらいですから、このもともとの足が、丈が大きいというか、八十八万とか七百七十五万が、大変言い方は申しわけありませんが、標準の中で考えて真っ当な数字なのかどうかというのはちょっとわかりません。
○浅尾委員 私が申し上げたいのは、冒頭申し上げましたように、実質の経済の規模は九〇年と比べても今の方が大きい。これは、結果として、土地とか株等を除いた物価も落ちたので、例えば、九〇年当時は町で一杯コーヒーを飲めば三百円だったのが、今は安いところに行けば百円とか百二十円で飲めるようになったとか、そういうものも含めて、お金の価値がその分だけ上がったから実質の経済は大きくなったということなんだと思いますが、しかし、名目で比べてもちょっと今の方が大きい。ただし、この名目というものの中には資産性価格というのが入っていないということをまず指摘させていただきたかったんです。
きょうは、日銀の総裁にもお越しいただいておりまして、まず、総裁に伺いたいんです。
もちろん、日銀の金融政策の目的は物価の安定ということになるかと思いますが、しかし、物価といったときに、経済に与える影響は、資産性のものの価格が少なくとも安定している、あるいは落ち過ぎちゃったら少し戻ってもらうということもかなり、法律を読めば日銀の本来業務ではないかもしれませんが、日銀が通貨の番人としてはやっていかなければいけないことなのではないかなというふうに思います。
その観点から、日銀が金融緩和をしたときに一番金融緩和に対する反応度が高いのは、多分、最初が為替で、その次が株価であったり地価、土地の値段で、その後にいわゆる消費者物価が来るのではないかというふうに思いますが、総裁としてどういうふうに判断されておられるか、伺いたいと思います。
○白川参考人 お答えいたします。
資産価格、特に株価あるいは為替相場は、これは市場で常に新しい情報を織り込んで相場が形成されますために、金融政策の変更にもすぐ反応があるということは、これは御指摘のとおりであります。これとの比較でいいますと、消費者物価とかあるいは実体経済の方の反応がおくれるというのは、そのとおりでございます。
これは、金融政策が物価あるいは実体経済に影響を与える経路を考えますと、まず、中央銀行による流動性の供給なりあるいは金利の変化が金融機関あるいは金融市場に影響を与え、それがまた時間を経て最終的な経済に影響を与えていくということで、したがって、時間的な差があるということでございます。
ただ、資産価格は、そういう意味で金融政策の方に反応しやすいということはそのとおりでございますけれども、しかし、実際の、これは為替にしても株価にしてもそうでございますけれども、昨今の欧州の問題が示しますように、これはいろいろなニュースに反応いたします。最近でいきますと、スペインの問題を背景にして、投資家が先々リスクをとれる、あるいはとれない、そういう判断が非常に相場を動かしていますので、そういう意味で、確かに金融政策に反応する部分はございますけれども、やはり相場の変動それ自体を見た場合は、実はさまざまな要因で動いているという感じがいたします。
いずれにせよ、先生の問題意識として、日本銀行は、資産価格の変動、そうしたことも意識してちゃんと金融政策を行っているのかというお尋ねだと思います。
日本銀行としては、資産価格それ自体をターゲットに政策を行うことは行っておりませんけれども、しかし、資産価格の変動が実体経済にもあるいは物価にも最終的には影響を与えていくということも十分に勘案しながら政策を運営しているということでございます。
○浅尾委員 現行の日銀法では物価ということになりますので今のお答えのとおりだと思いますが、政府として、税収というものと名目プラス資産価格を入れた何らかの経済全体の大きさというものを考えた場合に、現状の、先ほど古川大臣にお答えいただきました、デフレーターには資産性価格の変動というのは入っておりません。
前にも安住財務大臣に検討していただくということでこの委員会にお願いをさせていただきましたけれども、税収全体に対して、やはり経済全体で、その経済というのは、繰り返しになりますが、資産性のものが入った指標というのがあった方が、それに対して税収がどう動くかということが少なくともわかるということは、将来の税収について見通しもとれると思いますし、そういうものがあった方が国民の負担というものもわかりやすいのではないかというふうに思いますので、安住大臣になるのか、あるいは古川大臣なのかわかりませんが、今申し上げた問題意識の検討状況についてお答えいただきたいと思います。
○安住国務大臣 先般、ここで、そういう統計も政府で調べたらどうだということでございました。
私がここで申し上げたのは、過去のデータは全く、そういう統計をとっていないので、比較対照するものがないので、統計で大事なのは、そういう意味では、同じデータでとり続けるからこそ統計でありますので、そういう点でも、しかし、資産の中で不動産なんかがどういうふうな影響をGDP全体に与えるかというのは一つの研究例としてあってもいいということで、調べさせますということを申し上げましたので、その姿勢は変わりません。
○浅尾委員 地価がGDP全体に与える影響というよりは、土地の値段や株の値段が税収に与える影響の方が大きいということだと思いますので、そのことをぜひ踏まえて検討していただければと思います。
日銀の総裁、お時間があると思いますから、最後に一点だけ。
先ほど、株価や土地の値段も踏まえながら金融政策を行っているというような趣旨の答弁をいただいたと思いますが、具体的に、日銀としてその際見る指標というのは、どういう指標をごらんになっているかということをお答えいただいて、あとは総裁に対する御質問はございませんので、よろしくお願いしたいと思います。
○白川参考人 お答えいたします。
実際に金融政策を行っていきます場合には、もちろんさまざまなデータを使いますので、ある一つの数字だけではございませんけれども、資産価格という意味でいきますと、やはり何といっても、企業の経営者のマインドに大きな影響を与えるのは、為替相場であり、あるいは株価であるというふうに思います。
これも釈迦に説法でございますけれども、例えば急激な円高になった場合に、企業収益あるいはマインドに影響を与える、それが実体経済に悪影響を与えるということは、これは一つの影響が出てくるルートでございます。この点は十分注意して見ております。
それから、あと、資産価格と物価の関係でございますけれども、確かに、資産価格そのものは物価指数には入ってございませんけれども、しかし、重要な資産である例えば住宅、住宅を借りる際の賃料、あるいは、自分が住宅を持っている場合、その場合の仮想的な賃料というものを想定しまして、こうしたものは実は物価指数にも入っております。
そうしたものも含めて、私どもは、不動産も含めて資産関連の価格あるいは取引の情報をかなり集めておりますので、そうしたことも見て、政策運営に生かしております。
○浅尾委員 最後の質問と言ったんですけれども、今為替のことをおっしゃったので、もう一点だけ。
多分、多分というか、間違いなく、日本銀行が金融緩和をしてバランスシートを大きくした場合には、その分だけ相対的に、例えばFRBのバランスシートの伸びと日本銀行のバランスシートの伸びによって為替価格が決定される要素の方が、介入によって決定される要素よりも大きいというふうに思いますが、そのことについてどういうふうに判断しておられるかということを伺って、本当に最後の質問にいたしたいと思います。
○白川参考人 お答えいたします。
ただいま先生から御質問のありました問題意識というのは、これはよくエコノミストの方からも頂戴する意見でございます。
もちろん、為替レートの決まり方についてはいろいろな理論がありますので、私どもいろいろな理論はもちろん注目しておりますけれども、事実だけを見てみますと、実は、そうした関係が現実には当てはまっていないということでございます。
例を申し上げますと、日本銀行は、二〇〇一年に量的緩和を始めまして、二〇〇六年の三月にこれを解除いたしました。この量的緩和を行っておるときは、日本銀行のバランスシートは、FRB対比、これは拡張したわけでございますけれども、しかし、この時期は、どちらかというと、むしろこれは円高でございました。日本銀行が量的緩和を解除した二〇〇六年の三月、それからゼロ金利を解除した七月以降の為替を見ますと、むしろ為替相場は円安方向になりました。二〇〇七年の円安は、これは数字を見ていればわかりますけれども、非常に円安水準でございました。これは、日本銀行のバランスシートが縮小しているもとで実は起きたわけでございます。
もちろん、これは全く関係がないと言っているわけではございませんけれども、やはり、為替レートの動きを規定する大きな要因は、先ほど申し上げましたような、グローバルな投資家がどの程度今自分がリスクをとれるかということに関する評価でございます。
今の時点でいきますと、欧州債務問題について、これが少し改善の方向に向かっていっているのか、あるいは悪化の方向に向かっていっているのか、こうしたことがやはり大きな決定要因になっているように感じております。
○中野委員長 総裁、どうもありがとうございました。
○浅尾委員 次に、国の保有する資産について、では、どの程度これが資産、負債両建てで落としていくことができるのか。日本の国が一千兆円を超える借金を抱えているということでありますけれども、同時に、かなりの資産も持っているということであります。
例えば、日本の国が両建てで持っている資産、負債の中で、恐らく一番大きいのは外国為替資金特別会計ではないかなというふうに思います。一千兆円のうちで、この平成二十三年度末の予定額でいいますと、百五十五兆円が外国為替資金特会の、全部が借金ではありませんが、貸方ということになるんじゃないかというふうに思いますが、そういう理解でよろしいですか。
○安住国務大臣 ちょっと丁寧にお話ししますか。それだけでいいですか、まず。(浅尾委員「とりあえず」と呼ぶ)では、それで。
○浅尾委員 丁寧にというのは、私の質問は、もし丁寧におっしゃっていただくのであればそれはそれで、要するに、借金が百三十兆ぐらいですか、それから積立金が二十兆ぐらいというので百五十五兆というような数字だと思いますが、そういう理解でよろしいですか。
○安住国務大臣 いや、私が申し上げたのは、政府資産全体ということだったのでという話なんです。(浅尾委員「はい」と呼ぶ)では、それはそれでいいです。
○浅尾委員 私の質問は、政府資産の中で両建てで持っているもの、資産と負債両建てで持っている特別会計で一番大きいのは外国為替資金特別会計ではありませんかと。一千兆円を超える我が国の負債に対して、一番大きな負債というのが外国為替資金特会のこの数字ではないですかという質問です。
○安住国務大臣 ですから、短期証券は、貸している方で百二十兆で、積み立てが二十・五ですから、大体そういうところでございます。
○浅尾委員 一千兆円の借金のうち百二十兆ぐらいが外国為替特会の借金。これは、例えてというか、事実でいうと、日本の政府が国民から短期のお金を借りて、これを借りかえ借りかえして百二十兆になっていますが、その借りかえて得た円を使ってドルやユーロを買って、そのドルやユーロはドル債で運用されたりユーロ債で運用されているということでありますから、例えて言うと、日本の政府が国民からお金を借りてアメリカの政府にお金を貸し付けているというような形になっているということであります、形状的には。
これは、果たして本当に健全なのかなと。では、今、全部その米国債を売ったら、四十兆ですか、五十兆ですか、含み損があるということなので売れないということですけれども、多分、想定レート百二十円ぐらいに戻ると含み損がなくなるんじゃないかというふうに思いますが、百二十円になると資産、負債がちょうどバランスする、百二十円を超える円安になると含み益が出るという理解だと思いますが、まず、そういう理解でよろしいですか。
○安住国務大臣 その分岐点を、何円なのかということは、私の方から今申し上げることはできませんけれども、一定の水準になれば、計算上は、今浅尾さんが言うようにプラスになっていくことは事実です。
○浅尾委員 ですから、私が申し上げているのは、形の上で、日本の国民からお金を借りてアメリカの政府に貸し付けている、この形というのが、それは円高対策とかなんとかということの政策効果は別にして、ちょっとおかしいんじゃないか。
もし、円高対策という政策効果ということでいうと、では、何で含み損が介入しているにもかかわらず出るんだという話にもなるわけでありまして、別の対策をとって、できるだけ、為替が反転したときには外国為替特会というのを小さくしていく努力というのを、国全体の借金を減らすというのであれば、やられたらいかがですか、そういう提言であります。
○安住国務大臣 適正な保有額がどれぐらいかということは議論のあるところです、率直に申し上げて。
ただ、現時点での為替の水準を考えれば、やはり大きな赤字になることは事実でございますから、保有をし続けるということになると思いますが、浅尾さんの提案というのは、もう少し規模というものを考えるべきではないかということであれば、私も、それは幾らが適正なのかということは十分議論しなきゃいけないと思っております。
○浅尾委員 次に、我が国が持っております特別会計の資産、負債で、私が規模が大きいなと思いつつ着目をしておりますのが、いわゆる地方公共団体向けの貸付金でありまして、これは平成二十四年度の末の予定額でいうと五十三兆円ぐらいになるということだと思います。
これは、何を私が注目しているかというと、この制度は、日本の政府が国債を発行すると、金利は地方自治体が発行する何とか市債とか何々県債よりは多分安い。安い金利をそのまま、これは政策目的もありますけれども、貸し付けているというのは、資産、負債両建てでそうすると、日本国が借金をしたものを日本の自治体に貸し付けるということなので膨れ上がるということなんですが、国が安くお金を調達して地方自治体に貸し付けるというのは、ある種、言葉を恐れずに言えば、中央集権的な形になるんじゃないか。
むしろ、地方分権ということであれば、地域の自主性に任せて、それは、その地域の自治体がそれほど財政的な信用力がなければ借りる金利が高くなるけれども、そういうことも含めて地方分権なんだという発想になれば、この五十五兆円というのも減らしていける方向にあるんじゃないでしょうか。
○安住国務大臣 意見の分かれるところだと思います。
地方自治体の現実を考えますと、そういうやり方をすれば、それは国としては少し楽になることはあるかもしれませんが、現実にマーケットが、それぞれの自治体が発行する債券、地方がどういう形で債券を発行するか、そういう御提案はいろいろあるのかもしれませんけれども、現実に、やはり消化していかないといけないわけですね。
それが国が肩がわりしているのは問題だという御指摘はあるかもしれませんけれども、整備をしっかりやらないと、極端なことを言えば、やはり自治体ごとによって差も開くでしょうし、地方が一緒になって、例えば地方自治体の、地方公共団体金融機構というのを今やっています。これは二・二兆ぐらいやっているというお話を聞いておりますけれども、地方債の発行総額というのは二十四年度でも十四兆ですから、そういうところから見れば、私は、今財務大臣として言わせていただければ、やはり現実対応をせざるを得ないというふうに思っております。
○浅尾委員 地方共同債というような考え方、地方自治体が共同で発行して行うという考え方もあると思います。
申し上げたいのは、むしろ、具体的な施策としてはそういうことができると思いますが、哲学として、国が安い金利で調達をして、財政力がそれほど、国ほどない地方自治体にそのままの金利で貸し付けるという制度が、ある種、国から借りるためにはいろいろな言うことを聞かなきゃいかぬということもあるでしょうし、そういう考え方でいくのか。それとも、各自治体が、地方分権の流れの中で、これは税源の移譲もしなきゃいけないでしょうけれども、自前の財政の中でやっていくのがいいのか。どっちを今の政権としては考えるんですかという質問です。
○安住国務大臣 ですから、結論で言うと、浅尾さん、やはり現実的対応をしないと。
べき論はもちろんあると思います。ただ、私どもとしては、今やはり、そういう意味では、マーケットできちっとそうした債券を消化して、そして地方にお金をきちっと届ける責任というのはやはりあるわけです。
ただ、俯瞰して見れば、地方の自主性を重んじて、ある意味で強弱やそういうものもきちっとついて、そして、いわば経営者的感覚でいえば、できれば、いい自治体もだめな自治体もはっきりした方がいいんだ、そういうことがしっかり市場で評価された方がいいんだという考えに立てば、浅尾さんの御主張は一つの一貫性はあるとは思いますが、今、日本の地方の四十七都道府県の、それぞれ個別の自治体のことは川端総務大臣の方にお聞きいただければと思いますが、そうしたことをして今のような資金調達が本当にできるかというところに関しては、やはり難しい面もあるのではないかなと。
ただ、それをもって、国が地方に対して例えば箸の上げ下げまで何か命令をしているということは、私は事実とは反すると思います。
○浅尾委員 そういう主張はされるだろうなと思いつつ、一方で、地方の方が国と比べてプライマリーバランスの度合いがいいんだということも言っておられるのは、若干矛盾しておられるんじゃないかなと。これは指摘だけにさせていただきたいと思いますが、そのことは指摘をさせていただきたいと思います。
その上で、もう一個、国の資産ということでお願いしておりまして、少し出していただきましたが、国が持っているいわゆる行政財産の中に、道路とかそういうのを除いて、例えば国家公務員の宿舎とか庁舎とか、莫大な土地があります。
恐らく、恐らくというか、間違いなく、日本国の土地を一番多く持っているのは日本国政府自身ということになるんですが、この土地を、では時価で評価したらどれぐらいになるかというのは、そういう計算は多分されておられないんだと思います。
時々で土地の評価がえはされているというふうに聞いていますけれども、実際に時価で評価したら、一千兆の借金に対して今ある資産が七百兆ですが、時価で評価したら、土地の値段は大分下がっていますけれども、それがもっと上がるかもしれないしということで、まず、この国家公務員宿舎一覧というのは出していただきましたが、私の事務所の方で時価評価をするとなかなか大変なところもあるものですから、政府の方で、特に住所地が、セキュリティー上の理由で国家公務員宿舎の所在地を公表できないというのが結構入っているものですから、では、それを公表しないのであれば、そちらの方で、これは時価になるとこれぐらいになりますという数字ぐらいは出していただけるとありがたいんですが、いかがでしょうか。
○安住国務大臣 なかなか難しいリクエストだと思います。
逆に言えば、台帳で出しているんですけれども、バランスシートの話でおっしゃっているのかもしれませんが、それが仮にあったとしても、例えば国の借金が減るわけでもありませんし、国有財産全体が、極端なことを言えば、売却可能な資産かどうかというのは、例えば道路とか橋とかさまざまありまして、そういうことを、台帳としては出していますけれども、我々の今の考え方としては、これを今の資産の評価で出すという考え方はございません。
○浅尾委員 いや、別に道路、橋を売れと言っているつもりは全くありません。宿舎とか庁舎の中で、例えば地方の出先機関をなくしていくということであれば、その庁舎の土地は要らなくなるでしょうし、宿舎だって、これは減らしていくという方向であれば、その部分がどれぐらいになるかというのはやはり出されたらいいのではないかと。
例えば、少し前に話題になりました朝霞の国家公務員宿舎、これは、建設中止は決まりましたが、土地の売却というのはまだ決まっていないと思いますが、つくらないのであれば、これを売却して少しでも借金の返済に回したらいいのではないかというふうに思います。
そういうこともあるので、売却可能なものが少ないというふうに言われるかもしれませんが、まずはそのもとデータとして、これぐらいあるんだという数字を出していただけるとありがたいということで、答えは、難しいという答えになるか、もし考え方を変えて出すということであれば、お答えいただきたいと思います。多分、考え方は変えないのであろうかと思いますが、もし少しでも出せるものがあるのであれば、ちょっと出していただきたいと思うんですが、いかがですか。
○安住国務大臣 つまり、国会に報告するときは、台帳の国有資産現在額で出していますということなんです、答えで言うと。
○浅尾委員 台帳の国有資産価格と実際の取引ベースとは大分違うので、そういうのも計算をしていただければと思いますが、それができないということであれば、私の方で少し時間をかけながら計算をしてみたいというふうに思います。
次に、歳出削減の方に移らせていただきたいと思いますが、国の制度、特に公務員の人件費、これはなかなか、二割削減というような目標を掲げておられますけれども、実現していないということです。
お手持ちに、政府の出されたSNAに基づく一人当たりの雇用者報酬の最新の数字が資料として配られているのではないかというふうに思いますが、これを見ますと、平成二十二年の全国平均が四百四十四万でありますが、それに対して公務は九百十四万ということで、全産業の中で一番高いということになります。
九百十四万ということは、全国平均の倍以上ということで、累次にわたって予算委員会でもこのことは指摘をいたしてまいりました。高くなる理由はいろいろありますが、基本的には、大きな理由としては、昇給の制度のあり方と、そして福利厚生のところだというふうに私は思います。
きょうは、新しい人事院の総裁にもお越しいただいております。この昇給制度、三年前からですか、二年前からですか、正確な期日は忘れましたが、五段階の人事評価というものを入れられるようになった。単純に言えば、A、B、C、D、Eの五段階の人事評価。Aの人は従来の二倍昇給します、Bの人は従来の一・五倍昇給します、Cの人は従来どおり、Dの人は従来の半分、Eの人は昇給しないという五段階。
これは、半歩というか一歩前進かなと思ったんですが、問題は、Aには全体の五%を強制的に割り振ります、昇給する方ですね。B、従来の一・五倍昇給する方には全体の二〇%を強制的に割り振る。しかしながら、C以下は割り振りをしない結果、Cに割り振られている人は、五足す二〇で二五、残り七五ですが、従来どおり昇給している人は七二%だというふうに聞いています。
ということは、今までより昇給する人が全体の四分の一いる中で、従来どおり昇給している人が残りほとんどということは、総人件費がふえちゃうんじゃないですかということを前の江利川人事院総裁に指摘をさせていただきました。
新しい人事院総裁になりまして、この評価制度を正規分布にされるように変える御予定はありますか。
○原政府特別補佐人 お答えを申し上げます。
制度につきましては、今先生がおっしゃられたとおりでございますので、重複は省略させていただきたいと思います。
正規分布にするかしないかということ。人事評価の仕方というのは、やはり組織、業種、業態、それぞれだと思います。したがいまして、民間を含めて、いろいろな人事考課の方法があろうかと思います。
おっしゃるように、マイナス評価といいますか、下の方の評価になった者に一定の枠をはめて、そこに言ってみれば相対評価で一定の比率を当てるといったようなやり方をしている組織もあろうかと思います。また、必ずしもそうでない組織もあろうかと思います。その辺は、その組織としてどのような人事管理をするか、それがまた、その組織にふさわしいかという判断があろうかと思います。
公務のような組織におきまして、五段階評価いたしますと、一般的には、どの組織においても真ん中の評価というのは数が非常に多くなる。そこで、必ずマイナスの評価に一定の枠をはめるということになりますと、いわば標準レベルのある意味のグループになるくくりのうちのある部分を一定の割合で下位評価をするという形になる。
人事評価というのは、必ずしも評価そのものが目的ではございませんので、組織をいかにトータルとして管理するか、組織管理、人事管理をするか、あるいは、その人事評価をすることをまた人材育成の観点からもどのように活用するかという観点でございまして、公務といったような組織で一定の割合をマイナスにするというのがふさわしいかどうかという点につきましては、私どもとしては、必ずしも、適切であるかどうかについては、そのように考えていないということ。
ただ、現実に評価をしまして、悪い評価が出た人間をするのは当然でございますし、また、この人事評価制度が、今先生からも御指摘がありましたように、まだシステムをつくりまして間もない、かつ、評価をした上で、その評価を昇給なりあるいは勤勉手当にいかに評価するかという実績はその後の課題でございますので、まだ実績の積み重ねというのは少のうございます。
そういった意味で、できた制度をどのように各省庁において運用していくかというのが極めて大事なことでございますので、そういった点につきまして、これからも私どもとしても注視をしてまいりたい、かように考えている次第でございます。
○浅尾委員 いろいろと御説明いただきまして、下の方の評価に強制的に割り振るのは公務に適切でないということをいろいろおっしゃっているんだと思います。
では、率直に伺いますが、なぜ、普通の人よりも倍上がる人は強制的に割り振るんですか。なぜ、普通の人の一・五倍上がる人は二〇%割り振るんですか。
○原政府特別補佐人 お答えをいたします。
こういった制度を導入する前、年功序列、一律的な昇給システム、あるいはボーナスの支給といったものが一律的になったという時代がかなり長かったと思います。そういった中で、時代の変化を受け、また組織を活性化するために、きちんとした評価をし、そしてその評価を反映させなければいけないという形になってきたと思います。
そういった意味で、私も国鉄とJRで両方の経験をいたしましたが、一律にするというのは、やはり組織の緊張感をなくすことでございまして、やはり、どのぐらいするかということよりも、評価をする、一生懸命仕事をした人間にはそれなりに評価を与えるということが大事なんでありまして、そういった意味では、こういった制度を導入したことは意味があることだと。
もちろん、予算的な問題がありますから、プラスをどんどんつけるということには当然なりません。総枠的には一定の範囲内でやっていることでございますので、プラスも出すし、マイナスも出す。ただ、マイナスを強制的に割りつけるというのは、どう考えましても、真ん中の評価というのは数が多いわけでございますから、その数の多い部分のある部分を強制的にマイナス評価をするということが、組織全体のパフォーマンスにどういう形で出るか、あるいは人事育成上どうかという点については、いろいろ意見のあろうことかと思います。
○浅尾委員 何か余り説明になっていないんですが。
ちなみに伺いますが、従来はなかった制度で、従来よりも昇給額が倍になる人が五%、従来の一・五倍になる人が二〇%、全勤務者の中でいるわけですね。その予算の原資はどうやって出しているんですか。どんどんどんどん人件費がふえちゃうじゃないですか。
○原政府特別補佐人 公務員の賃金水準については御承知のとおりでございまして、そういった形の中で総枠をはじいてまいります。そういった総枠の中で、昇給につきましても、あるいは勤勉手当についても配分をするということでございます。
決して、一方的にふえるだけの措置をしているわけではございません。財政当局との予算の配分もございますし、水準そのものにつきましては、御承知のとおりで、民間準拠という形で決めさせていただく。水準そのものについては、いろいろ議論のあるところだと思いますけれども、そういった枠内で運用しているわけでございます。
○浅尾委員 私の質問は、従来なかった制度を入れられましたと。その中で、従来よりも昇給額が倍になる人が五%いますね、一・五倍になる人が二〇%いますね、その昇給の原資はどこから出てきたんですかという質問です。
○原政府特別補佐人 従来の仕組みにおいても、昇給なり特別昇給の枠というのがございました、中身は先生御承知のとおりでございますが。そういった従来からの全体の人件費の枠がございます。そういった中で、こういった席で申し上げるのが適切かどうか、かなり特別昇給等が順番に適用されたりとかいった慣行が一部にあったことはどうも事実のようでございます。そういったものは基本的に改めて、きちんとした評価をして、それを反映させるという形にしたわけでございます。
少なくとも、人事評価で給与に反映する基本は、私の経験としても、一生懸命仕事をした人間にはそれなりに応えるというのが基本だと思います。マイナスだけつけるというのは、私はトータルとしては得策ではないと思います。もちろん、マイナスの部分はマイナスにしなければいけません。信賞必罰というのはしなければいけませんけれども、何割の人間は必ず下げろというのは、トータルのパフォーマンスを上げることに私はつながらないと思います。
○浅尾委員 今のお答えだと、要するに、何ゆえ上がる方だけ強制的に割り振っているのかということについて、別に私はマイナスだけつけろと言っているわけではないですよ、上がる方も絶対評価の中で強制的に割り振っているのはおかしいんじゃないですかということを伺っているんですけれども、その点についてどういうふうに思いますかということです。
○原政府特別補佐人 新たな制度が動き出すに際しまして、一定の基準を示したことは事実でございますが、それを強制的とおっしゃられれば、まさにそういうことだと思います。
実際には、先ほども申し上げましたように、こういった人事考課をどのように行い、それをどのように給与に反映していくかというのは、まさにこれから試されるわけでございまして、そういった中で、常にこれが絶対であるということではないかと思います。もちろん、正すべきものがあれば正していくということだと思います。
ただ、基本的に、今までそういったプラスの評価もしないで一律にやってきたという形のものを改めるということで、改めるに際して、現在の形としては一定の数字をお示しさせていただいた。それを強制と言われれば、強制ということだと思います。
○浅尾委員 時間が参りましたので終えたいと思いますけれども、特別昇給をやめて五%なり二〇%の割り振りをしているというところを、それが順番になっているのであれば同じことだということを指摘させていただいて、質問を終えたいと思います。

 

 

衆議院 社会保障と税の一体改革に関する特別委員会 6号 平成24年05月23日

2012年05月23日 (水)

180-衆-社会保障と税の一体改革…-6号 平成24年05月23日

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○浅尾委員 みんなの党の浅尾慶一郎です。
質問通告をいたしておりませんが、午前中の茂木委員と安住財務大臣の質疑、特にインフレターゲットに関して聞いておりまして、一点、思ったこと、そして提案もさせていただきたいので、聞いていただきたいと思います。
日本の税収が過去最高だったのは一九九〇年のときで、これは六十兆円ございました。今は大体四十兆円。ただ、現在の実質経済は、一九九〇年のときよりも大分大きいんですね、実質の経済は。そして、名目の経済で比較をするとその差は大分縮まりますけれども、現在の方が少し大きい。ただし、名目の経済というのは物価というものが入っておりますけれども、この物価の指数の中には、資産、土地とか株の値段は入っておりません。
一方で、日銀が金融緩和したときに反応度が高いのは為替であったり土地であったり株の値段ということなので、そういうものも入れた指標をつくって、一%物価上昇というのに加えてもう一つの、これは日銀がというよりは政府として横で見るための数字として、資産性のものも入れた指数を入れて考えていったらどうかという提案をまずさせていただきたいと思います。
これは財務大臣の所管になるかどうかわかりませんが、議論されていたのは財務大臣なので、お願いしたいと思います。
○安住国務大臣 浅尾さんとはいつもそういう不動産の資産等について、資産デフレというものの解消が必要だという議論は先般もさせていただきましたので。
今まで統計は、やはり過去の歴史から見れば、同一なものを同一に測定するからこそ統計でございますので、そうしたものが入ったときにどういうふうになるか、ちょっと政府部内で検討させていただきたいと思います。
○浅尾委員 それでは、通告した質問に移らせていただきたいと思います。
まず総理に、社会保障の財源であります社会保険というものの性格について伺いたいと思います。きょうはテレビが入っておりますので、わかりやすくお答えいただきたいと思います。
例えば自動車保険というと、自賠責保険という強制加入の保険と、そしてその上に付加する任意の保険があります。この社会保険というのは、もちろん、厚生年金の保険料であったり、あるいは健康保険の保険料というのは強制加入ですから、位置づけとしては自賠責保険により近いんじゃないかなと思いますが、その位置づけを総理なりの考え方でお答えいただければと思います。
○野田内閣総理大臣 自賠責、全く性質が異なる、あるいは一緒かというとそうではないと思いますが、一定の要件を満たしていたら全員入らなければいけないという義務がある強制保険であるという点においては一緒だと思います。
○浅尾委員 なぜそういうことを伺ったかといいますと、実は自賠責保険というのは、事故を起こそうと起こすまいと価格は一緒なんです。要は値段は一緒。任意保険は、事故を起こすと値段が高くなる、使ったらその分上がるということなんですが、実は社会保険、厚生年金にしても健康保険にしても、これは必ずしもそうなっていない。つまり、加入する制度の違いによって保険の料率が違ったり、いろいろと制度が複雑になっているということをまず申し上げておきたいと思います。
その上で、累次岡田副総理とは議論をさせていただきましたけれども、まずその考え方。現行の社会保険料の未収とか未加入というのがいろいろとあるわけでありますが、この考え方の中で、実は、厚生労働省が出している表によると、払った世代ごとの給付と負担の関係という表があるんですが、それを見ると、何となく、払った額より多くもらえるのかなというふうに思うかもしれませんが、まず、実は、基礎年金の方の図をお出ししたいと思いますけれども、基礎年金、いわゆる国民年金で見ればいいんだと思いますが、国民年金、これは厚生労働省が出している表ですと、ことし生まれた人、要するに、今、累次保険料が上がっておりますけれども、今後の人は払った保険料の一・五倍もらえるという数字を出しておられます。
ところが、実は基礎年金というのは半分は国庫負担なので、払った保険料の一・五倍ということは、実際は、国庫負担というのは国民全員で負担しているということから考えると、払った保険料プラス全員で負担している分の一部は自分だというふうになりますと、零歳の方も四十歳の方も、国庫負担の分を加えると、払った保険料ほどはもらえないという制度なんですね。これが今お示ししている制度であります。
したがって、実は、加入すると国の負担がふえるという制度ではありません。払った保険料ほどもらえないということでいうと、そういう形にはなっていない。
それから、報酬比例の方も図をきょうはお渡ししておりますけれども、報酬比例の方は、これも厚生労働省が出した数字をもとに私どもの事務所で計算をいたしましたけれども、報酬比例の方も、実は払った保険料の分ほどはもらえない計算なんです。これは国庫負担の分を単純に引いた、厚生労働省が出しているのは、夫婦で、専業主婦のケースでありますけれども、そこから二人分の国庫負担の分を引くと、四十歳だと〇・九二、零歳だと〇・八五ということなんです。
これは、よくよく考えてみると、変な話ですけども、ある種当たり前でありまして、要は、過去払った保険料より多くもらっている人がいるということは、どこかで調整しなければいけないからこういうことになるということでありまして、そう考えると、払ったほどもらえない制度であれば、未加入や未収があるということは、むしろ、先ほど冒頭申し上げましたように強制加入の保険という考え方からすると、これは社会的公正性に欠けるというふうに私は思いますが、その点について、総理あるいは小宮山労働大臣、いかがでしょうか。
○小宮山国務大臣 世代間の仕送りという形の年金ですから、高齢者が多くなるにつれてもらえる率が下がるということは確かです。
ただ、今議員がお示しになったもので、例えば国民年金の場合でいうと、年金の給付額から国庫負担分を除いて言っていらっしゃいますけれども、これは確かにみんなで税金で負担するわけですが、年金保険料としては、例えば本人が一出したら事業主が一出して、それで一・五をもらえるということは、家計の上からいくと出したよりももらえるということだと思いますし、厚生年金の保険料負担分に事業主負担分を含めていらっしゃるということ、それから厚生年金の年金給付額から国民年金の年金給付額を除いておいでであるということから、ここにあらわされている数字は必ずしも家計の面からいって正しくないというふうに思います。
○浅尾委員 それは全く違う話だと思いますよ。
まず、国民年金というのは、今の単純な話で、保険料プラス税金は、お一人お一人がどれぐらい払っているかわかりませんけれども、単純にみんなで払っているということでいえば、払った保険料プラス税金も同じだけ払っているというふうに考えれば、それだけもらえない制度なんです。
それから、厚生年金の報酬比例の部分というのは、基礎年金を除きますから、これには税金は入っていません、御存じのように税金は入っていない。その中で、では事業主負担分を加えてやるのはけしからぬ、多分そういう御意見なんだと思いますが、では事業主が、選択肢があって、別に御本人にその分お給料を渡してもいいということであれば、本人だって別に、払ったほどもらえないんだったら、その分直接もらった方が得だという計算になります。
ですから、私が申し上げたいのはそういう話ではなくて、そういう制度であると。そういう制度にせざるを得ないのはよくわかるんです。かつて最初に制度をつくったときは、ほとんど保険料を払っていない人に給付しているんですから、その借金がどこかに行く。それをこういう形で調整しているわけですから、そのことは素直に認めた上で、だとしたら、払ったほどもらえないんだったら、それはいわば税金に近いような強制加入の自賠責の保険と一緒ですから、ちゃんと徴収した方がいいんじゃないですかということを申し上げているわけであります。
そのことについて、総理、一般的な考え方です。ですから、先ほど、自賠責保険は必ず加入しなければいけない、したがって、事故を起こそうと起こすまいと保険料は変わりませんという制度であります。だから、逆に、これは車検のときに必ず払わないと車検が通らないような形になって、そこで徴収漏れがないように担保されているわけでありますけれども、健康保険あるいは年金の保険料の徴収漏れがあると、逆に、特に年金の話を今いたしておりますけれども、これは社会的公正性に欠けるんじゃないか。ですから、先ほど吉泉委員が配られた、民主党の中にも、政府のまとめたものですか、保険料の未収、未納をなくすというのは、社会的公正性の観点からも、そういうことに意義があると。
これは簡単な質問ですから、単純に意義があるというふうにおっしゃっていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○岡田国務大臣 委員の御指摘もよくわかります。確かに、若い世代から見たら、払った保険料の何倍も年金を受け取っている方々がいる一方で、自分たちは、払った保険料、それは税金分も含めればもちろんそれ以上にもらえるわけですけれども、何となく不公平という感じがあるということは事実です。
だからこそ、委員も御指摘のように、やはり保険料をきちんと納めてもらうという努力がなければならない。基本的に国民年金というのは、入っても入らなくてもいい制度ではなくて、入らなければいけない制度、厚生年金も同じであります。ですから、その努力は極めて重要だというふうに思います。
ただ、一言言わせていただくと、今の高齢者、七十代の方あるいはそれ以上の方々は、戦後、いろいろな意味で御苦労をいただいてきた世代でありますので、高度成長期をつくって今の豊かな日本をつくっていただいた世代ですので、やはりそういったことも考えて全体の設計をしていかなくてはいけない。
我々、今回、年金の、多い方からは税金の部分だけは少し差し引かせていただくような提案もさせていただいておりますが、それがその二つの考え方を調和する一つの道かなというふうに思っております。
○浅尾委員 岡田副総理がおっしゃっている、高齢者、今年金を受給されている方が今の日本の繁栄の基礎をつくったということは、私もそのとおりだと思う。ですから、若い世代の方が払った保険料、これは本人が払ったものというふうに言えばそれ以上もらえますけれども、労使折半の使用主が払っているものも加えればそこまでもらえないということも、ある種、制度を維持するという意味ではそれは仕方がないことなのかなというふうに思います。しかし、だからこそ、そこにただ乗りする人がいたのでは社会的公正性に欠けるということを申し上げておきたいと思います。
きょうは、財源がどれぐらいになるかということについては、みんなの党としては、岡田副総理にも御説明させていただきましたけれども、徴収漏れが十兆円になるということを申し上げておりますけれども、そのことで時間を費やしてもいけませんので、ぜひ政府の方でも試算をしていただきたいということを申し上げて、次の質問に移りたいと思います。
次に、社会保険料、先ほど、自賠責は全て同じ価格だということを申し上げましたけれども、社会保険料は、実はかなり不均衡がございます。
例えば、健康保険の料率、ことしの四月から上がりました。一番多くの国民が加入しております協会けんぽ、これはことしの四月から一〇%になりました。収入の一〇%、健康保険の保険料がかかる。今回、行政改革だといろいろ言っておられますけれども、国家公務員共済は七・七%ですか、ということでございまして、そうすると、一〇と七・七で、二・七%の差がある。これはかなり大きな差なんですね。
二・七%と口で言うと、そんなに大きくないというふうに思われるかもしれませんが、ちょっと計算の関係で申し上げますと、例えば三十万円の月収の方、二・七%差があると八千数百円多く引かれる。これは労使折半ですから、四千数百円、協会けんぽの方、いわゆる一番多く加入されている健康保険の方の方が国家公務員の方よりも本人が引かれる額が多いというのが今の実態ですが、このことについて、まず考え方として、これが公平なのかどうかということを総理に伺いたいと思います。
○岡田国務大臣 これは、社会保険というものをどう考えるべきかという考え方によると思うんですね。ですから、基本的に社会保険というのは、それぞれ母集団があって、その中で自律的にやるというのが基本的な考え方、今は拠出金とかいろいろなことがあって話がわかりにくくなっておりますが、基本的には、その母集団の中で自律的にやっていく。そういう中で、いろいろな効率化のための努力もなされるということですね。
そうすると、その母集団の所得とか年齢構成もありますから、当然、必要な保険料というのも変わってくる。例えば、衰退産業というか、昔元気だったけれども今元気のない産業だと高齢化していますから、それだけやりくりが厳しくなって保険料が高い。新興産業だとその逆になっているというような問題もあるわけです。
公務員とそれから民間の違いも、恐らく、所得の違いとか年齢構成とか、そういうことに由来するところもあると思います。それを全部調整すべきだという議論はあるかもしれませんが、現在はそういうものは調整せずに、自律的にそれぞれの保険集団でやっていくということになっていると思います。
○浅尾委員 現在は別々になっています。
ですから、私が申し上げたいのは、冒頭申し上げましたように、強制加入の保険なんですよ。任意加入じゃないんです。ですから、収入の多い人たちだけで保険をつくって料率を安くする、これが果たして公平なのかどうかという哲学の話を申し上げているわけでありまして、これを同じ料率にするとどれぐらいの財源が出るかというと、二兆円を超える財源が単年度で出てくるわけでありまして、公平にすることの哲学はどうかということでありまして、そのことを指摘させていただきました。
もう一点、この保険の制度の中で、ちょっとどうかなと思うことがあります。
今回、政府は、週三十時間を超えるパートの方が現在社会保険が適用になっておりますけれども、これを二十時間に下げるというようなことを検討されているというふうに伺っております。しかし、私は、二十時間に下げることに絶対反対と言うつもりはありませんが、週二十時間しか働いていないということは収入が少ないわけですね。では、収入の多い人はどうなんだろうと思って、調べてみました。
健康保険にしても厚生年金にしても、実は毎月毎月の標準報酬月額というのがあって、それに上限があります。健康保険でいうと百二十一万円。百二十一万円よりも月収が多い人というのはそんなにいないかもしれませんが、逆に百二十一万円よりも月収があるからこそ払える。それで料率が上がったらそれは累進制ですけれども、同じ割合だったら、私は、払う能力はむしろ収入が少ない人よりも高いんじゃないかなというふうに思います。あるいは、ボーナスでいうと、健康保険は、一回当たり百八十万円を超える者については百八十万円で頭打ちということになっています。
年金の方は、これがかなり低くなっておりまして、月収六十二万円を超える者については年金の保険料はかかりません。ボーナスでいうと、百五十万円を超える者についてはかからないということになっています。
では、これも哲学の話になりますけれども、こういうものをそのままにしておいて、収入の少ない方に負担を求めていく、二十時間に下げていくというのは、私自身はこれはいかがなものかなと。やるのであれば、全部撤廃して一定料率でやっていくべきだ。全部撤廃して一定料率でやると、これも二兆三千億円のお金が毎年毎年出てくる。消費税一%分のお金がそこで出てくるわけですから、それに目をつぶるのか、それとも、今申し上げた哲学の話について、なかなか総理にお答えいただけませんけれども、先ほど来申し上げておりますように、社会保険というのは強制加入ですから、強制加入であればやはり公平性が必要だというふうに思いますけれども、どういうふうに考えるか伺いたい。
○岡田国務大臣 ここも考え方の問題ですよね。
ですから、先ほど委員が例示で挙げた自賠責、これは別に所得によって差があるわけじゃないと思うんです。たしか定額だったんじゃないかと思うんですね。ただ、どう制度設計するかの問題で、おっしゃるように、所得がある一定以上高い人に頭打ち、上限を設けていることがいいかどうか。これは、受ける便益との関係で余りにもかけ離れた保険料を負担させるのが適当かどうか、そういう判断の上で頭打ちを設けているものですが、ここは考え方の問題で、両論あり得るところだというふうに思います。
○浅尾委員 自賠責の例を挙げたのは、受ける便益と関係なく、要するに事故を起こさない人は自賠責を使わないわけですよ。事故を起こさないけれども払わなきゃいけないという意味で定額になっているということなので、では、特に健康保険、年金もありますけれども、健康保険は健康な人は使わないんですよ。使わないけれども、これを払っていただかないと社会全体として回らない。回らないんだったら、これは同じ料率にしないと不公平なんじゃないかと。
特に、例えば働く場所の違いによって三%近い差があるというのは、これは大きいですよ。一〇%と七・七%、これが小さいということは決して言えないと思うのです。給料から引かれるのはその半分ですけれども、しかし、その差があるということを是認しているのがいいのかどうかということは、ぜひ真剣に考えていただきたいと思います。
特に、今回、税と社会保障改革ということでありますが、消費税の増収の提案というのは政府の側からなされておりますが、社会保険の保険料の方の増収の提案というのは出てきていないわけですから、今申し上げたようなことをぜひ御検討いただきたいと思いますけれども、いかがでしょうか。
○岡田国務大臣 ここは考え方としては、確かに、例えば健保組合ではなくて都道府県単位でくくるとか、あるいは全国一つにするとか、いろいろな考え方があると思います。全国一つにすれば、これは社会保険というよりは、もう税と余り差がなくなってくるのかなというふうには思いますが、いろいろな考え方はあり得るというふうに思います。
しかし、健康保険組合に任せることで、いろいろな、例えば事前に健診するとかさまざまな努力をする、それが、単位が大きくなってしまって、例えば都道府県単位にくくると、果たしてそういうことがなされるのかとか、そういったことも含めてあわせ考えていかなきゃいけない問題。しかし、検討に値する問題だというふうに思います。
○浅尾委員 なかなかお答えいただけないので、総理、いかがですか。
○野田内閣総理大臣 例えば、先ほど、協会けんぽと共済の三%の差の御指摘がございました。なかなか難しい話なんですけれども、要は、給付と負担の関係で公平性をどういうふうに確保していくかという視点と、それから、さっき出ていたように、保険者機能、その自主的、効率的な運用とのバランスをどう考えていくか。その中で、より公平性をもっと重視しろというのが浅尾さんの指摘だと思いますが、ちょっとこれもよく勉強させていただきたいというふうに思います。
○浅尾委員 要は、加入する健康保険、あるいは、年金も実は官と民と保険料率が違うんですけれども、その違いというものを統一することによってふえる保険料収入がある、あるいは月収の上限があるということは、やはりここは考えるべきだ。社会保障の改革ということであれば、入りの分の改革もぜひやっていただきたいと思います。
それから、最後に徴収部門の改革について伺いたいと思いますが、今回、歳入庁の設置については検討課題ということになっておりますが、今申し上げたような強制加入の保険というものを徴収していくに当たって、実は、大部分の国民の方は、保険の徴収あるいは税の徴収というのは勤め先が代行して行っております。ですから、勤め先が資料を出す先を一カ所にするという意味では、歳入庁の設置というのは大幅な行革にもなるというふうに思うわけでありますが、民主党の党としての話は伺っておりますが、政府としての今現在の検討状況について、まず伺いたいと思います。
○岡田国務大臣 政府の方も、私が責任者として、関係大臣、そしてそのもとにチームをつくって検討いたしまして、先般、中間報告をいたしました。ただ、まだ結論には至っておりませんので、引き続き、いろいろな論点について議論を行っているというところでございます。
午前中も申し上げましたが、これは党によってかなり意見が異なるわけで、歳入庁をつくることのメリットはもちろんおっしゃるようにございます。しかし、他方で、現実に国税庁とそれから年金機構のテリトリーといいますか、対象とする範囲にかなりずれがありますから、ある意味で、国税庁的な機能で歳入庁を再構成するとなると、それなりの人員もふやして仕組みも変えなければいけない。そういう問題をどう考えるかということ、一つの例ですけれども、あるということであります。そういった論点を今詰めているところです。
○浅尾委員 冒頭、先ほどの質問のときに申し上げましたように、実は大部分の、大部分というか、厚生年金や健康保険については、少なくとも被用者の部分は雇い主側が代行して天引きをしていますから、制度を簡潔にして、年収の上限を取っ払ったり、月収の上限を取っ払ったり、保険料率を統一して、なおかつ料率を一元化すれば、払った人件費に対してかかる保険料を一カ所に払う形になるということなので、ぜひそれを検討していただくように申し上げて、質問を終えたいと思います。

 

 

東日本大震災後に行われた行政機関の長の人事に関する質問主意書

2012年05月11日 (金)

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