あさお慶一郎(衆議院議員 神奈川4区)

国会活動

参議院 財政金融委員会 3号 平成17年03月15日(その1)

2005年03月15日 (火)

162-参-財政金融委員会-3号 平成17年03月15日

○委員長(浅尾慶一郎君) ただいまから財政金融委員会を開会いたします。

委員の異動について御報告いたします。

本日、大久保勉君が委員を辞任され、その補欠として岩本司君が選任されました。

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○委員長(浅尾慶一郎君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。

財政及び金融等に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、政府参考人として内閣府産業再生機構担当室長藤岡文七君外五名の出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○委員長(浅尾慶一郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。

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○委員長(浅尾慶一郎君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。

財政及び金融等に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、参考人として預金保険機構理事長永田俊一君の出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○委員長(浅尾慶一郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。

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○委員長(浅尾慶一郎君) 財政及び金融等に関する調査を議題とし、財政政策等の基本施策に関する件及び金融行政に関する件について質疑を行います。

質疑のある方は順次御発言を願います。

○峰崎直樹君 民主党・新緑風会の峰崎でございますが、さきの予算委員会に続いて、ちょっとやり残したこともありますので、まず税のところから入っていきたいというふうに思います。

前回、前回というか、十日の予算委員会のときにもいわゆる質疑をしたわけでありますが、例の定率減税を二分の一廃止をするということで、あの定率減税を入れたとき、そのときの経過については、当時与党でおられた自由党の衆議院でいえば中塚一宏さんの質疑を興味深く拝聴したわけでありますけれども、そのときに、定率減税の二分の一削減以上に実は二つ大きな制度改正をしているわけですね。五段階にわたった所得税の累進課税を四段階にする、最高税率をなくしてしまったわけです。もう一つは、法人税制を抜本的に改革して法人税を切り下げたわけです。

今日はこの二つにちょっとお聞きしてみたいわけでありますが、この最高税率を、五〇%を切り下げたその目的というのは一体何だったんでしょうか。

○副大臣(上田勇君) お答えをさせていただきます。

もう委員も御承知のとおりでございますけれども、九九年の税制改正におきまして所得税課税の最高税率の引下げを行ったわけでありますけれども、これは、その理由といたしましては、まず一つには、主要諸外国におきましても所得税については税率構造のフラット化の流れが顕著であったということ。もう一つは、そうしたことを踏まえまして、政府税調におきましても、平成五年以降、特に日本におきましては所得格差が国際的に見ても小さい中で、最高税率の水準が高く、しかも所得がそれほど高くない層から高い税率が適用されているという累進性が主要諸外国に比べて非常に大きいというような面があるという指摘が行われておりました。特に、そんな中で、高過ぎる限界税率の下では、やはり生産活動の意欲を阻害しかねない、あるいは租税回避を招きやすいというような御指摘もありまして、これは国の経済的な活動において大きなロスになっているというような指摘がたびたび行われておりました。

そうしたことを踏まえて、税調におきましても、所得税、個人住民税、これ合わせてやはり五〇%程度が一つの目安として引下げを行うべきであるというような答申が行われました。それを踏まえた上で、昭和六十二年に始め、当時は七八%の最高税率であったものを順次引き下げてまいりまして、平成十一年の改正におきまして五〇%としたところでございます。これは所得税、個人住民税を合わせた最高税率でありますけれども、そうなりましたので、その結果、大体、主要諸外国と国税、地方税、これ合わせますと、ほぼ同じ水準になったというふうに考えております。

○峰崎直樹君 さっきお答えいただいた、これ、四項目、なぜ最高税率を下げたかという四項目あったんですよ。一つ一つ点検してみましょうよ。

一番目、先進国はいずれもフラット化の傾向にある、それは本当にそう言えますか。先進国の、最先進国であるアメリカはレーガンの一期目のときに二段階にしました、一気に。その後どうなりましたか。レーガン二期目。それからブッシュ、お父さんのブッシュです、このときには元へ戻していますよ。今、五段階ですよ。どうして先進国共通にフラット化が言えると。フラット化が望ましいというふうに言った人はいるかもしれない。アメリカの共和党関係の人は、よくそういう話聞きます。そうなってないじゃないですか。なぜこれで、先進国はもうなべてフラット化の方向ですと。これ違うんじゃないですか。上田さん、上田副大臣が今おっしゃいましたが、大臣、どう思われます。

○国務大臣(谷垣禎一君) 確かに、今、峰崎さんがおっしゃいますように、諸外国でもいろいろ動きはあったと思うんです。ただ、諸外国の所得税で申しますと、最高税率を見てみますと、アメリカの場合は三五%でございます。それで、これにニューヨーク州であれば七・七%、あるいはニューヨーク市であると四・四五%というような地方住民税が加わるわけでございますけれども、税率からしますとアメリカはそんなふうになっております。

それから、イギリスやドイツ、フランスはもうちょっと日本より、大体今、日本は三七%でございますが、イギリスが四〇%、ドイツが四二%、フランス四八・〇九%というのは今私の手元にある数字でございます。

ちょっと、地方住民税に当たるようなものがどうなのかというのはちょっと手元に持っておりませんが、そういう中で、大体そういう諸外国と比較した場合の横並びというところまで持っていったというのが当時の事情だったのではないかと考えております。

○峰崎直樹君 これは法定されている税率で言ったって私余り意味がないことなんです。実効税率で見なきゃ。そうすると、今大臣は、アメリカの場合は今三四%だったですか、三六だったですかね、三六になっている。これ、総合課税でしょう。配当だとかキャピタルゲインだとか、そういうものが入ってきたときは全部それ、その税率掛かっていくわけですよ。ちょっと一部例外がありますけれどもね。

日本の場合は分離課税しているから、勤労所得に対してはなるほど四段階でいっているかもしれない。しかし、配当課税を入れて、実際上のいわゆる実効税率に直したときの累進度というのは一体どうなっていくのか、こういうデータが出てこないんですよ、この財政金融委員会、予算委員会等で。だから私たちが判断しかねると言っているわけですよ。

そこで、大臣、アメリカと私はほかのヨーロッパの国々、ちょっと違うような気がするんですよ。なぜかというと、小さい政府と大きい政府と、まあ中くらいの政府があるとしましょう。大きい政府というのは大体なべて税率はフラット化するんですよ、みんなで支えてみんなでそれを返そうと。スウェーデンしかりですよね、ノルウェーだとかあるいはデンマークだってそうです、高いです、税率は。しかし、フラット化していますよ。アメリカは小さい政府を志向して、課税最低限もあって、そして、高い所得の方々は自由に稼いでください、その代わり税で回収をして、そしてその税で回収したものを所得再配分します。

日本は一体どっちを選ぶのかということなんです。どうも都合のいいところばっかり選んでいるような気がしてならないんです。いわゆるヨーロッパの国々のようにフラット化を目指します、フラット化を目指すんだったら、ある程度の税率、税収をそのことによって確保して、そして社会保障やそういうものを通じて所得再配分機能を高めると、こういう話なら分かるんですよ。そうではなくて、小さな政府にしておいて、そして税率はフラットにします。だれが一番これで、この世の中でうはうは喜ぶんですか。

こういう世の中をどうするかということと、税率の、さっき答えていただいた、国際的に見たらこういう傾向があると、国際的に見たらどんな世の中を目指すのかということによって変わってくるんですよね、全部。そのことを抜きにして、今おっしゃった第一番目の回答、先進国はみんなフラット化していると、これ、私はそういう回答をしてもらっちゃ困ると思っているんです。大臣、どうですか。

○国務大臣(谷垣禎一君) 確かに、今委員おっしゃいましたように、分離課税の事情とか、いろんなことを総合的に判断しなきゃならないとおっしゃるのはそのとおりだと思います。

それから、今後の方向としては、私どもも、まあ日本は、これは峰崎委員と私と同じように見ているかどうか分かりませんが、かなり現在小さい政府を目指してまいりまして、かなり小さい政府になってきているというふうに私自身は考えております。それで、そういう中で、所得税は、これはそれぞれの税の担う機能がありますから、それとほかの税との組合せでございますが、消費税はもう少し所得再分配機能が高まってもいいんではないかというふうに私自身は考えておりますが、これはこれから更に議論を詰めていかなきゃいけないと思っております。

○峰崎直樹君 私自身は余り小さい政府というのは好きではないんです、個人的には。ただし、今、日本の社会が、今大臣がおっしゃったように、小さい政府に向かっているんであれば、高額所得者の方々の所得再配分機能というのはより高めていって、そしてそれが社会全体の維持していくための財源調達機能というのはその面で高めていかなきゃいけないんじゃないかということからすると、世界はフラット化に行っていますから、五段階、四段階に下げて最高税率を下げた。これは、今大臣がおっしゃった所得再配分機能はもっと高めていかなきゃいけないんじゃないか、これと矛盾しますよ。いやいや、まあ待ってください。矛盾しますよ。

そして、二番目におっしゃったことと絡むんですよ。所得格差が非常に縮まっていたと、日本は、こう言っていたけども、今はそんなものじゃないんじゃないですか。この間、ずうっと予算委員会等の議論を聞いていると、所得格差は、ジニ係数その他を見ても、再配分後を見ても、日本はアメリカよりももしかしたら格差が開いているかもしれないねと、アメリカほどまでは行かないかもしれないけども。そういう社会になりつつあるときに、大臣先ほどおっしゃったように所得再配分機能を高めなきゃいかぬとしたら、そうすると九九年のあの税制改正というのはちょっとこれは考え直してみなきゃいかぬぞと。もう一回これは税率を五段階に戻す必要あるのかな、あるいはその課税ベースを広げていくとか、様々な改革をやらなければいけないんじゃないかと思うんですが、そういったことが何にもなされないままに二分の一のところだけがどんと下がっていくというのは、これはなかなか説得力を欠いているんじゃないかと思うんですが、どうでしょうか、大臣。

○国務大臣(谷垣禎一君) その点は私どもの今までやってきたことということになると思いますが、所得税に関しては、今まで要するに控除ですね、配偶者控除の特別控除の上乗せ部分を廃止したり、あるいは年金税制の見直しというものを行ってまいりましたけれども、今私どもが申し上げておりますのは、三位一体改革との関係で所得課税、国、地方を通ずる所得課税の抜本的見直しをしようということで申し上げているわけでありますが、その中で私どもが明示的に申し上げておりますのは、個人住民税については、やはり応益性という観点があると思いますからこちらはフラット化で、所得割の税率のフラット化ということを推し進めていこうと。それから、所得税については、もう少しこの所得再分配機能を適切に発揮するように税率構造等を見直して役割分担を明確化すべきではないかというふうに考えているわけでございます、細部の制度設計はこれからでございますけれども。

それで、今おっしゃったいわゆる恒久減税法、小渕内閣、恒久的減税法を入れたときの方向が間違っていたんではないかというのが今の峰崎委員の御指摘だと思いますけれども、私は当時の、それまでの流れから見ますと、個人の勤労意欲とか、あるいは法人税もやりましたけれども、競争力とか、そういう面から見て、現在でも評価すべき点があの当時のものにはあったというふうに思っております。

○峰崎直樹君 次の、おっしゃったその労働意欲なんです。この労働意欲と税率との関係を、私も寡聞にしてこれを結び付いているという話は余り聞かないんですよ。そうしたら、この間、先日、今日残念ながら来ていませんけれども、竹中さんがレーガンの一期目の改革のときの有名なラッファー・カーブを持ち出して、税率が一〇〇%だったらみんな働かないでしょうって言うから、そんなことは当たり前の話なんですよ。で、ラッファー・カーブ持ち出してきて、いや、レーガンの改革は云々かんぬんと言うから今日楽しみにしていたんですけども、今日来られないというから残念なんですけども、本当にそういう意味で労働意欲とどう結び付いているのかということを本当に、何といいましょうか、実証的にやったことあるんでしょうかね。

というのは、私、この間ちょっと議論しましたように、先ほど来出ているスウェーデンだとかデンマークだとか、ああいう国々はもう高いですよ。社会保険料を含めた国民負担率、七五%ぐらいだ。ただし、その再配分後は大分変わってくるわけですけどね。そういうところを見て、そこでじゃ労働意欲は低いか、生産性低いか、GDPの伸び率どうだと。どこの国にも負けない伸び率示しているじゃないですか。

そうすると、いや、所得税の税率が高くなると労働意欲は下がるんだというようなそんなばかな話っていうのは、どう見てもこれ、何というんでしょうか、こういう経済学というのは立証されないで、ブードゥー、ブードゥーって何か呪文を唱える経済学だというふうによく言われていますよね。どうもそういうものを、多分大臣もそのことを信じていらっしゃるんじゃなくて、都合のいいときだけはそういうものを使って進めているんじゃないかなというふうに思えてならないわけなんですよね。どうなんでしょう、そこら辺。本当に意欲がそのことによって解消、何といいましょうかね、影響を受けているんでしょうかね。

○国務大臣(谷垣禎一君) 竹中大臣を引き合いに出して峰崎委員に詰められますと、私もプロの経済学者でございませんので、実証的なデータあるかって言われると、ちょっとこの間もそう委員に言われて返事に詰まったところがあるわけでございますけれども、しかし、かつてのように七八%とか七六%とか、ああいう段階にはやはり私は戻すべくもないんではないか。そういう中でお互いの競争力をどこに求めるかという作業を私どもはしてきたわけでございまして、そういう中で、確かに委員がおっしゃったようにジニ係数がどうなったかというようなことがいろいろございまして、私どももよく見ていかなきゃいかぬと思っておりますが、そういう中で地方住民税と所得税の役割分担をもう少し明確にすべきではないかというのが、今、私どもが考えていることでございます。

○峰崎直樹君 じゃ、そこで、私も多分五〇%程度というのはほぼ上限、上限というか、それ以上上げると確かにこれはなかなか厳しいなと。ですから、相続税が七割だったときに、民主党も実は、その七割というのはちょっと余りにも高過ぎやしないかなと、余り、該当者が日本全国で一人とか二人とか一けたしかいないのに、相続税率が七割で物すごく高いんだという印象を持たれているというのも含めて、その改正には賛成した経過があるんですよね。

私があの九九年改正で一番問題だったと思うのは、どうもどさくさに紛れて、経済的な状況は、課税ベースを何も広げないでおいて、そして税率だけを最高税率下げたんです。最高税率下げるんだったら、先ほど申し上げたように、アメリカのように総合課税という原則に例えば変えるとすれば、金融所得を入れ込むとか、そういう形にすればもっと税率下げていいわけですよ。そういう努力をしないで税率だけぼんと下げると、これは一体何のことやという批判を浴びるのは私は当然だと思うんですよ。

その意味で、今二分の一だけ定率減税ということで、主として八百万、七百万の中堅的なサラリーマンだけが一番苦しめられるというのは、これはいかがなものかなということは前回申し上げたとおりです。

じゃ、ちょっと先に進めていきたいと思います。

租税回避の問題を先ほど指摘を受けたとき、これは私はなるほどなというふうに思っているわけでありますから、一つの税だけで余りにも税率をそこに依存し過ぎると多分そういう欠陥が出ると思いますので、そこは税制のミックスというところは重要な点だろうと思いますが。  さて、もう一つ問題があるんです。法人税なんです。法人税下げて、これ進めたんですけれども、目的は何だったんですか。改めて聞きます。

○副大臣(上田勇君) 法人税については、やはりこれ、今経済が非常にグローバル化している中で企業の国際競争力という視点も極めて重要でありますので、国際的に整合性が取れて企業活動にゆがみの少ない中立的な税制を目指すということで必要な改革を進めてきたところでございます。

平成十一年度の税制改正におきましては、国際化の進展といった我が国経済社会の構造変化に対応した抜本的な税制改正の一部を先取りをいたしまして、法人税の基本税率引下げ、国税を三四・五から三〇%、また、国、地方を合わせた実効税率、四六・三六から四〇・八七に引下げを行ったものでありまして、これでおおむね、主要国と比較をいたしましても、アメリカ、ドイツなどとはほぼ同じ水準、イギリス、フランスよりはやや高めの水準というようなところになったわけでございます。

○峰崎直樹君 それで、今企業は国際的に見て法人税率ほぼ横並びになった。ここら辺がいいところかなと。横並びにするのが目的だったんですか。そうじゃないでしょう。そのことによって企業が活力を出し、もうけを設備投資に回し、そして日本経済がデフレから脱却をしてどんどん大きく強くなってもらう、そして雇用が拡大し、働いている人たちの労働条件も上がっていくと、こういうことが望ましいわけですよね。そうなったんですか、大臣。

○国務大臣(谷垣禎一君) 現在の経済情勢を見ますと、これを入れた当時の非常に低迷した状況から比べますと、不良債権処理も進んでまいりましたし、それから企業の有利子負債率もバブル以降最低というところまで来ましたし、企業業績も非常に堅調なところまで戻ってきたというふうに私は思っております。

その際に、この法人税率の引下げ、それから平成十五年度にIT減税とか投資減税みたいのをやりましたけれども、そういうようなものもかなり私は効いたんではないかなと思っております。

それが、今峰崎委員のおっしゃったように、じゃ雇用から更に個人所得にまで行っているかということになりますと、私どもも個人消費が伸びてきたというふうに早くならないかなと思ってきたわけでございます。

まだここは楽観するわけにはなかなかいかないと思っておりますけれども、やはり企業業績が堅調な中で、失業率が趨勢的に見ますとこの十年来でようやく趨勢的に元に戻ってきた。それから勤労者報酬もようやく戻ってくる数字が出てきているという辺りはそういう循環になってきているんではないかな、なりつつあるんじゃないかというふうに思っているところでございます。

○峰崎直樹君 企業の中に今お金が、じゃぶじゃぶと言ったらおかしいんですけれども、キャッシュフローが企業の中にたまってたまって、法人企業統計で先日ありましたですね、何十兆かという単位で。これ企業が、しかも国民所得統計からすると、いわゆる貯蓄部門になっちゃっているんです。本来ならば家計部門から、企業が貯蓄からいわゆる投資に行くために、本来赤字だったわけですよね。そうすると、企業はじゃそういう貯蓄から投資へ投資へどんどんと進んでいるのかと。全然進んでないですよね、そういう意味で言うと。

そうすると、法人税率を下げて、当然のことながら国に納める税は少なくて済むわけですよね。国に納めなくて済む税は一体どう使われ、利潤、利益がどうなっているのかというと、それは投資には余り十分使われてないんじゃないか。企業内のところで過剰な負債を減らすとか、そういうところに回っているんだろうと思いますが。

そうすると、この法人税の切下げというのは不良債権問題を解消するための道具だったのか。それとも企業が、ある意味では、最初私が冒頭申し上げたように、設備投資にダイナミックに投資をしていく、日本の経済を活力を上げるために進めていく、どっちだったのかなということが、私は、法人税のこのいわゆる切下げによって余り所期の目的を上げてないんじゃないかと思うんですが、その点はどう考えていますか。

○国務大臣(谷垣禎一君) 確かに、今、企業が本来投資していく部門が貯蓄過剰な形になり、家計の方がだんだん貯蓄率も下がってくるという現状でございますので、貯蓄・投資バランスが随分変わってきたというふうに思います。

今までは国際的に見てもかなり高い家計の貯蓄率が法人部門や政府部門を補う、こういう形でしたけれども、むしろ今、家計の貯蓄過剰は縮小傾向にあって、財務リストラ等の構造改革が進んで企業部門が貯蓄超過になっていると。引き続き一国全体としては貯蓄超過が維持されているわけでありますけれども、これをやはり改めていくというのは今も非常に大きな課題だろうというふうに思います。

ここのところは、私どもはやはり、政府が余り資金を吸い上げることのないようにしていくということがやっぱり根本なんではないかというふうに思いまして、今いろんな形での努力をしているわけでございます。

それで、ちょっと今の答えは私の問題関心を申しましたので、峰崎委員の御質問とすぐかみ合わなかったかもしれませんけれども、私は、やはり企業の持っていた構造的な問題である不良債権処理が進み、そしてかなり旺盛な投資行動が見られるようになってきたということは、まだ循環が完結しているとは思いませんけれども、かなり循環していく一つの方向が出ているんではないかというので、ちょっと峰崎委員のお考えとは評価を異にしているわけでございます。

○峰崎直樹君 いや、そういうふうに循環してくださればいいんです、それを使われれば。だから企業部門が、正に企業家精神という言葉がありますよね、アントレプレナーシップという言葉があるのは、正に企業がリスクを取って大胆に設備投資に出向いていくわけです。それがあるなら、企業内にある意味ではそういう貯蓄過剰というふうな状況が存在していること自身が、本当に我が日本の企業家精神はどうなっているのかなと思って、いや、今はどんどんもう回り始めている、心配するなと、こうおっしゃっているんだけれども、過去何年間これはずっとそういう傾向が続いているんですか。六年ぐらいずっと続いているんじゃないですか、この法人税減税過ぎた後でも。

だから、問題なのは、私は、財務当局からすれば、せっかくこれだけ法人税の切下げを通じて企業部門のキャッシュフローがこんなに上がってきたんだったら、これはどういうふうに使ってもらいたいのかということの本来目的があるわけですよね。そういうところへ流れていかないのは何が原因なのか、じゃ、それを妨げているものはどういう改革をしなきゃいかぬのかという、そういう政策が小泉内閣として出てきているのかというと、私は出てないで、何かのんべんだらりと、いやいや、構造改革なくして成長なしとかという掛け声ばっかりなんですけども、一声むいてみると、こういうことが全然進んでないわけですよね。だから、そういうところの掘り下げが全然できてないんじゃないのかという気がしているんですよ。

これ、大臣、どうです、ここら辺をメス入れて、もう少し、これならこの法人税の減税よりも、ひょっとしたら投資減税だとか、あるいは、やってらっしゃるということを、私も、研究開発投資減税だとか、様々なそういった形で展開した方がいいのかなとか、いろんなものがこう私は出てくるような気がするんですけども。そういった点で、税制というのは、減税をするというのは大変大きな効果が私はあると思うんですよね。大きな、国民の本来血税と言われるぐらい大変重要なものが、せっかく減税として何十兆というお金が潤沢にありながら、それが日本経済発展のために使われてない。ここに対して何らかのメス入れというのは、あるいは政策的な方向付けをある意味で、財務大臣、考えていく必要があるんじゃないかと思うんですけども、この辺り何か考えておられる節はございますか。

○国務大臣(谷垣禎一君) いや、今委員の御疑問に対してすぱっと答えが出せれば非常に状況がぱっと改善していくと思うんですけれども、委員の問題意識と共通しておりますことは、IT減税とか政策投資減税というものをこれ平成十五年度に先行減税という形で入れましたときに、べたっともう法人税減税をやるようなことよりも、正に委員がおっしゃったように、あるところにやはり集中してやった方が効果が上がるだろうということであのとき入れたというふうに私は理解しておりまして、それはそれに見合う効果があったと思います。  したがいまして、今後とも法人税、法人税の世界においてはそういうことを、そういうことはこれからもあるいは考えていかなきゃいけないのかもしれません。まだそこらのところは十分考えは煮詰めておりませんけれども、どこに問題があるのかということを絞って考えてみる必要はあるのかと思っております。

○峰崎直樹君 これは全く質問してないんで、答えられなければいいし、又は答えられればいいんですけれども。

私、特区、構造改革特区というのがございますよね。その中で、例えば、私、自分の地元、北海道なんですけども、この間ある経済人の方とお話をして、北海道というのは比較的補助金だとか北海道特例とか北海道の開発庁予算とかというんでお金は随分もらったんですよね。で、そのことによって効果が、ないとは言いません、あったと思うんです。ある程度あったと思うんですけども、これからはお金をもらわなくて減税でもらったらどうだと。

つまり、何を言っているかというと、一国二制度でいいと。法人税の税率を、いや、法人税じゃなくていいんですよ、別の税率でもいいんです。国税当局からすればとんでもないとおっしゃるかもしれませんけども、北海道全体を一つの法人税の特区にしてもらって、二〇%の法人税で結構ですと、どうぞ本社機能をこちらにもお持ちくださいと。もし法人税というものが一つの大きな要素になっているとすれば、一つのこれアイデアなんではないかなと。で、その二〇%の税率を、その済む分を、むしろ補助金とか、いわゆるお金でもらう分よりも、そういう制度でもらった方が長期的には私は得するんじゃないかなというふうに思っているんですけども、大臣、こういうアイデアは駄目なんでしょうかね。

○国務大臣(谷垣禎一君) ちょっと私が特区制度にあるいは理解が十分でないのかもしれません。峰崎委員の問題意識に十全にお答えすることができないんですけれども、私の理解では、特区制度というのは、あるところで特区を始めて、支障なくいけばほかのところも全部及ぼせるという制度設計になっておりますので、北海道でじゃ法人税率を低くすることに成功したら、ほかのところもみんななってしまうというのではちょっと国税当局としてはいささか腰が重くなるなと思うわけでございます。

むしろ、これは今はすぐまたそういうふうには必ずしもなりませんけれども、やはり地方税の中でそういう工夫はどうできるかという、これは簡単ではないわけでございます。大きな方向としては地方税の方でそういう工夫がどうできるかという方向を考えることができるのかな、これも私も実は考え詰めたわけではありませんで、十分自信を持って言っているわけではありませんけれども、そんなことは感じます。

○峰崎直樹君 いや、すぐ、突然の質問だったんで恐らく、また私自身も考え直してみなきゃいかぬかなと思ったりしていますけども、またよろしくお願いしたいと思います。

あと二点、税の問題でお聞きしたいと思います。  一つは、納税者番号制度の問題なんです。大臣、これ、納税者番号制度を入ると、所得は正確に捕捉をされるんでしょうか。

○国務大臣(谷垣禎一君) 今より正確に把握できるかということになれば、今より正確に把握できると、だろうと私は思いますが、じゃ完璧になるかというと、それはそうではないと、答えを先に申しますと。

委員にはもう今更申し上げる必要もないことでございますが、納税者番号制度というのは納税者に番号を付けるというだけではございませんで、いろんな取引をしていく際に、相手方に自分の番号を教えて、そしてその取引の相手方から税務当局に対してどの番号の者にどれだけの金のやり取りがあったというのを知らせるということによって突き合わせができるというところが一番根本でございますから、それをやれば相当正確に流れが把握できる、所得が把握できるということだろうと思いますが、他方、じゃ家庭の主婦が自分のうちの近所の八百屋さんやなにかでキャベツや大根を買ったのまで全部義務付けられるかというと、それはなかなかそうはいかないし、現実にそれができている、それをやっている国というのは私はないんだろうと思います。

○峰崎直樹君 今よりも、今よりも向上するだろうと。まあベターだということなんですかね。

どういうルートを通じてそれは今よりも向上するんですか。どういう、いわゆる番号を付けて、どういう取引を正確に把握することによって今より向上するというふうにお考えですかね。

○国務大臣(谷垣禎一君) 峰崎委員に突っ込まれますと、ちょっとそこのところは明瞭に考えてないんですけれども、これは、どういう番号を付けて、どういう取引にというか、制度設計によっても違ってくるところが私はあるのではないかと思います。ですから、日本でこれを仮にやるという議論になったときに、どういうふうに番号を付けて、どういうものとしてやっていくのかによって相当開きがある制度じゃないかなと思っておりますが、まだどういう取引でどうというところまではちょっと、さっとお答えできる勉強はしておりません。

○峰崎直樹君 先ほどちょっと、家庭の主婦が買物に出掛けたら、それは恐らく取引をつかめるかと、つかめませんよね。こういうところまで使えということじゃないですよね。

そうすると、一番、何からという、取引というか、一番付けやすいのはやはり資産性所得じゃないですか。要するに預貯金。そうすると、預貯金を番号で、アメリカじゃないですけど、社会保険番号を使って預金、貯金を登録する、あるいは株式投資をすると。恐らくそういう資産性取引が中心になってくるんじゃないかなというふうに思うんですが。

そうすると、私は、短期的には、これは余り、直ちに、自営業者、今問題になっているのは自営業者だと言っているんですけど、私、自営業者じゃないと思うんですよ。これ一番やんなきゃいけないのはもしかしたら政治家かもしれないですよ。クロヨン、トーゴーサンピンと言っているんですから。ですから、一番透明度が低いのは政治家ですよというのはピンですよ。一、一、透明度が一割だと言われているんです。

だから、私は、やっぱりそういう意味で、この透明度を高めなきゃいけない人たちに対して、取引というものを、どこの、どこまでの取引をきちんとやはり把握すべきかということをきちんとしておかないと大変複雑になり過ぎて困る場合もあるし、本当に的確な付番、何を付番するのか、番号を何にするのか、どういう取引をやるのかということの整理をきちんとやらないと所期の目的というのはなかなか達成できないだろうと思うんです。

だけど、貯蓄が、資産性取引をきちんと把握できるかどうかということに関して言うと、私はできるような気もするけども、最近では国際的な取引というのは正にグローバルに動いていますから、なかなかこのことだけもう、先日ちょっとスーパーリッチの話をしましたけれども、相当やはり巧妙な形でいわゆる付番逃れというものが生じる可能性もあると思うんですよね。

ですから、そういう意味で、私は納税者番号制度というのは、これから社会保障制度の論議をしていく、所得捕捉をする上に当たって非常に重要だということについては、私も重要だと思うんですが、これが私はすべてじゃないと思っているんですね。何をやっぱりやらなきゃいかぬかというと、私は事業主の方々にとって一番所得捕捉の、所得把握ですね、捕捉じゃなくて、所得捕捉の一番問題なのは経費の認定問題じゃないかと思っているんですよね。

要するに、事業主の方々は、青色申告でいえば奥さんを従業員にする、そうすると、従業員にすればこれ勤労者ですから様々な控除が受けられる。もう一つは、青色申告の事業主についていえば、例えば自分の運転している車、我々だったら、サラリーマンは自分の運転している車は自家消費です。何もこれは控除で落ちるわけじゃない。ところが、これは事業主の方々にとったら経費だ。ゴルフ場へ行ってゴルフやっても、我々は自腹払って、別にこれ領収書欲しいと思わないけれども、何か中小企業の人たちと一緒に行っていると、いや、領収書くださいといってもらっていると。何に使うんだろうなと。いや、交際費の認定の中に入ってくるというようなことも全部あるわけですね。

そうすると、私は、どうもこの事業主の所得の中の経費認定問題というものがやはり大きな要素になっていて、そのことについて今更これを大きく変えていくとかなんとかというのにはなりにくいんじゃないかなと思っているんですが、その辺り、大臣、何か事業主の所得把握というか所得捕捉、それはどんな問題点があるというふうにお考えなんでしょうか。

○国務大臣(谷垣禎一君) 最初の納税者番号との関連で申し上げれば、今どちらかというと政府税調の中の議論は、金融所得課税、金融所得の一体的把握をしていこう、そこにやっていこうということで論じておりますのも、多分一番実効的なのはその辺りだろうという委員の問題意識にかなり共通したところがあるんだと思うんですね。それで、ですから、いわゆる金融番号として議論されているものは、必ずしもそれがそのまま国民全員を対象とした納税者番号に拡大していく性格なものなのかどうかというのは、よくよく検討しないとそういうふうにはまだ一義的に結論は出ないんだろうというふうに思います。

それで、事業者のその所得をどう把握していくかという観点になりますと、これも国税庁もいろいろ苦労してきたわけでございますが、今委員がおっしゃった辺りが一つのポイントというようなことになるのではないかというのは、私も委員と似たような感じを持っております。

○峰崎直樹君 それで、年金のところで、これは今日は厚生労働省来ていないんですけれども、たしか来年度からだったかな、国民年金のところが所得に応じて四分割、つまり四分の一、二分の一、四分の三、そして一〇〇%と。つまり、所得の低い方々に応じて年金保険料、一万三千三百円ですか今、ちょっと上がりましたか、これも全部払えない人は半分、四分の一、そして四分の三と、こう出て、正に所得に比例した年金に国民年金自身が徐々になり掛けているんですよ。

そうすると、これは民主党の言っている所得比例年金と、こういうふうに持っていくと、所得に応じて年金が決まってくるんですよということだけでいけば、低い年金の方は低い所得申告しかしないんだからそれは仕方ありませんねと。高い所得を、高い年金を欲しいという方は高い所得を申告すれば出てくるんですよという内部のインセンティブを入れておかないと、どう見ても番号で、番号とか所得捕捉というものをぎゅうぎゅうぎゅうぎゅう締めていっても私はなかなか難しいのかなと、こう思っているんですよ、所得捕捉問題は。

そうはいっても、じゃ所得の低い人には何かこれ税でもって補てんしなきゃいけないねと。これは我々が言っているところの最低保障年金なんですけれども、これはやはり税でやらなきゃいかぬ。これは将来の我々の姿なんですけれども、これを入れると、実は、これに乗っかろうという実はモラルハザードが起きてくるんですね。このモラルハザードをいかに、何というか、外すことができれば、私は所得比例年金で、自営業者の所得把握は難しいとかなんとかと一元化の問題でおっしゃっているんだけれども、私はそんなに難しい話ではないんじゃないかなというふうに思っているんですよ。

だから、ここが一番の難点なんで、これをある意味では整理できるような仕組みというか、そういうものの知恵を出し合って進めていければ、ある意味ではインセンティブを組み込んで自分の所得を正確に、いや、むしろもっと大きく見せたいという人が、将来の年金を確実にするためにはそういう人だって私は出てくると思うんですよね。そういう仕組みが私は必要なんだと思うんですが、そういうことについて何か、大臣、お考えあればお聞きしておきたいと思うんです。

○国務大臣(谷垣禎一君) いや、今答えられるような考えはございませんけれども、なるほど委員の問題意識はよく分かりまして、なるほどいろんなインセンティブとも組み合わせながらモラルハザードを防いでいくにはどうしたらいいかと。なるほどそういう問題意識がおありなんだなということはよく理解させていただきました。

○峰崎直樹君 もう税の問題、最後にします。消費税なんです。

インボイスを、今、日本的インボイスとかとおっしゃって、いわゆる請求書、領収書のそれを何年間か取っておきなさいと、こういうやり方なんですよ。これを、本格的なインボイスをやはり導入する、そういう考え方はございませんか。

○国務大臣(谷垣禎一君) 一応、インボイス方式につきましては、昨年の政府税調、昨年の暮れにいただいた政府税調の答申では、「将来、仕入税額控除の際に税額を明記した請求書等の保存を求める「インボイス方式」の採用が検討課題となる。」というふうに指摘されておりますし、それから、欧州諸国のような複数税率を取りますと、適切に仕入れ税額控除をやるためにはどうしたってインボイスというものがなければできないわけでございますので、まだ、そうなるかどうかは別といたしまして、そういったものの問題点は私どもとして十分検討して、研究しておかなければいけないんではないかと思っております。

○峰崎直樹君 研究、検討じゃなくて、やっぱり早く入れたらいいんじゃないですか。もちろん、入れて、それに従わなきゃいけない企業の方々、それは大変だろうと思いますけれども。

なぜ言うかというと、これは仕入れとそれから売上げ、まあ仕入れに掛かった税を引けるという、正にインボイスってそういうものだろうと思うんですが、それが入れて、きちんとインボイスが、間に非課税業者などが入るとそれは当然排除される可能性を持っているわけですから、このインボイスを入れるということは、実は先ほどの仕入れやあるいは売上げといったようなものがある意味では極めてきちんと正確に捕捉される。もちろんインボイスを偽造したり作ったりしたら、これはまたそれは別問題ですけれども。

そういう意味で、私は、税の公平性という観点からも、それから先ほどの自営業者の方々の所得の問題の一番大前提となっている売上げ、仕入れの問題を、このインボイスというのは極めて重要な私はインフラだと思っていますので、是非早く導入していただきたいなと思います。

○国務大臣(谷垣禎一君) よく研究しなきゃならないと申し上げた意味は、一つは、今おっしゃったように、結局、制度の信頼性、透明性を高めていく上で非常に有益であることは間違いないわけでございますが、今も免税事業者、非課税事業者というものがございますので、これを入れますと、課税事業者となることを選択しない限り事業者間取引から除外されてしまうという問題が起きますので、そこをどう見ていくのかというのに若干検討が私は必要なんだと思っております。

○峰崎直樹君 もう一千万円まで下げたんですから、恐らくその中間段階に入ってくるということは極めて少ないんじゃないかなと思いますんで、この点は、是非その点をもう勇気を持って入れられた方がいいのではないかなというふうに私は思っております。意見でございます。  さて、何か税の分だけでもう四十五分たってしまったんですが、金融担当大臣、済みません、先日も予算委員会でライブドア問題を含めてお話を聞きたいと思ったんですが、今日は少し集中的に議論させていただきたいと思うんですが。

そこで、連日とにかくまあマスコミをにぎわわせない日はないわけですね、ライブドア、フジテレビ、ニッポン放送株。もうどこへ行ってもこの話で持ち切りなんですよね。金融担当大臣、今現実に、この間、こういう動きをどのように判断をされ、どこに問題があって、どうされようとしているのか、少しお話を聞かせていただきたいと思います。

○国務大臣(伊藤達也君) お答えをさせていただきたいと思います。

TOBというような専門の用語までお茶の間に浸透するように敵対的買収について様々な議論が活発に行われているということは承知をいたしておりますが、個別事案に関するコメントは差し控えさせていただきたいというふうに思っております。

一般論として申し上げさせていただきますと、金融庁といたしましては、やはり証券市場の信頼性というものを確保していくためには市場の透明性、公正性というものが保たれること、そして投資家やあるいは株主の権利というものが十分保護されることがとても重要なことだというふうに認識をいたしておりまして、こうした観点から、引き続き事態を注視してまいりたいと考えております。

○峰崎直樹君 どうも伊藤大臣の答弁を聞いていると、もう何か機械的な言葉が出て、返っているんで、本当に何か情感が伝わってこない。私、質問する立場からすると、伊藤大臣、どうもこの間のあなたの記者会見などを聞いていると、この問題には素早く反応されましたねという感じがするんですよ。

あれ、二月の十五日の記者会見でしたか、何かライブドアの問題のこの問題について、かつての自民党の元総裁をやっておられる方々が、フジテレビ、フジサンケイグループがどうも乗っ取られそうだ、外資も後ろに控えているようだということで相当過剰反応されて、そのせいかどうか分かりませんが、いや、ライブドアの株式の取得の在り方は違法とは言えないけれども問題があるんで直ちに法改正したい、機敏なる対応を取られたなと。

かつて、おれおれ詐欺の問題だとか偽造カードのキャッシュ問題だとか、こういう問題については早く問題をやった方がいいんじゃないかという提起をしても、なかなか、いや、検討しますとか、いや、金融審議会の何とかだとか、いろんなことを言って遅かった人間が、この問題になると途端に、いや直ちにやらなきゃいかぬと、こういうお話だったんですが、どうもそういったところはやはり金融庁には裁量というものがあるのかなと。問題が起こったら直ちにやるというのは当たり前のことなんでありますが、そういう中にも優先順位がどうも行政側によって付けられていたんじゃないのかというふうに思えるんですが、その辺り、反省することはございませんか。

○国務大臣(伊藤達也君) 今、私の答弁が機械的だと厳しいおしかりをいただいたところでございますけれども、委員が御指摘をされたように、何か特別な思惑を持って反応したということではありませんで、先ほど答弁をさせていただいたように、私どもにとって市場行政というのは非常に重要なことであります。そして、証券市場の信頼を確保していくためにも市場の公正性、透明性というものを保っていくことはとても大切なことであります。そうした観点の中で、もし仮に市場の公正性を確保していく観点から処置を講じなければいけない必要性が生じるとするならば、適切に対応していかなければいけないというふうに考えておったところでございます。

立会い外取引の問題については、委員御承知のとおり、これは現行法においては基本的にTOB規制の対象とされておりません。しかしながら、その使い方いかんによっては相対取引と類似した形態となることが可能であり、これを放置すれば株主に平等に売却の機会を与えるとのTOB規制の形骸化を招くおそれがあると考えられるところでございます。このため、立会い外取引のうち相対取引と類似した取引についてはTOB規制の適用対象とすべく、今国会へ証券取引法改正案を提出をさせていただいたところでございます。

金融庁といたしましては、市場の公正性、信頼性を確保しつつ、投資家にとって魅力ある市場とすることが重要であると認識をいたしておりまして、今回のTOB規制の見直しが我が国証券市場の信頼性を高め、投資家保護につながることを期待をしているところでございます。

○峰崎直樹君 その問題は今から、これから少し引き続きやりますけれども、法務省から、副大臣ですね、大臣が今日来れないということなんで、法務副大臣以下来られていますけれども。

法務省としては、これ、TOB、会社法改正問題ということで今真っただ中ですけれども、この問題についてはどんな認識を持たれているのかお聞きしたいと思うんですが。

○副大臣(滝実君) 公開買い付けの問題は、これは当然のことながら証券取引の世界の話でございますので、法務省としてどうという立場にはございませんけれども、問題になりますところは、今回の訴訟というか、差止め請求でも焦点になりましたように、専ら商法の二百八十条ノ十という、不公正な方法によって株主の利益を損なうおそれがある場合にはこの差止め請求が新株予約権についてできるわけでございますので、そういう立場から関心を持っていたわけでございまして、したがって言わば株主の権利という問題は取りあえずはこういうことで担保されていると、こういうのが商法の考え方ですから、それ以上のことは商法の立場からはコメントする立場にはないように思いますので、よろしくお願い申し上げたいと思います。

○峰崎直樹君 今指摘された条文からしたら、このライブドアがこういう形で取得した株式というのは違法ではないと、こういう理解なんですか。

○副大臣(滝実君) 基本的に株を取得するまでのところは、やっぱりこれは証券取引の世界でございますので、商法の世界としてこの問題を関与するということではないんじゃないだろうかなと思っております。

○峰崎直樹君 そうすると、証券取引法となると今度は金融庁さんになるわけですね。

今、違法な方法でなければいいという形で来たわけですけれども、このいわゆる取得の方式というのは法律違反ではない、法には違反しないけれどもしかし問題があると、こういう理解ですか。イエスかノーかで結構ですから。

○国務大臣(伊藤達也君) 先ほど私の問題意識は答弁させていただいたとおりでございます。

○峰崎直樹君 私、昨日質問通告を実はして、例えば百分の一に株式を分割する、あるいは更にそれを繰り返して一万分の一にする、このことによって一体、どこの会社がやったというようなことについては、固有の名詞出すわけにはいかないのかもしれませんが、今問題になっている企業がやったことは間違いないわけです。そのことによって、利益が当然のようにして、ぬれ手でアワのような形で利益を出しているんじゃないかということについての質問をしましたけれども、今日出しました資料の一番最後を見てください。七ページ目です。

本日の日本経済新聞の「大機小機」というところにこの問題が正に出ておりました。株券の印刷が間に合わず売手が株券の受渡しができないことを見越して百対一の株式分割を繰り返したのが今話題の企業である、百対一の株式分割をすれば株価は百分の一になるはずが十八倍になる、下がる時期も分かっているから往復で大もうけだ、こんなのはたった今でも違法に決まっているようなものだけれども、現実には適法とされ、しかし問題だから改正が必要だと。あといろいろずっと続いていますけれどもね。

どうですか、証券取引法を所管されている大臣として、このような取引行為は違法ではない、今は認められているんだから、禁止をされていないんだからこういうやり方は決して別に違法ではないんだ、しかし問題があると、こういうやっぱり認識ですか。

○国務大臣(伊藤達也君) お答えをさせていただきたいと思います。

今委員が御指摘の企業分割を行うことは、これは商法で認められているほか、証券取引法においても株式分割自体を禁止する規定はなく、これまでも多数の上場会社が株式分割を行っているところでございます。

他方、株式分割につきましては、インサイダー取引が行われた場合やあるいは不正な手段、計画又は技巧が行われた場合には証券取引法上の不公正取引規制の適用がなされる可能性があるものと認識をいたしているところでございます。

なお、委員が御指摘のような大幅な株式分割については、株式分割の権利落ち日以降、新株発行までのこの特別の期間において、需給のバランスが崩れて、そして価格変動が大きくなる可能性があるなどの問題点が指摘されたことから、三月七日、各証券取引所から上場会社に対して、株式数が株式分割前の五倍を超えることとなる株式分割について段階的な実施を求めるなどの要請文の通知が行われたものと承知をいたしているところでございます。

○峰崎直樹君 株式、この分割ね、今、問題があったから直しましたよと、こう言っている。法務大臣、法務省、聞いてますよね。こういうやり方は会社法上は認められているんですよね。つまりこれは合法だと、だけれども問題があると、こういう御認識なんですか、やっぱり。

○副大臣(滝実君) 委員御指摘のとおり、会社法では株式分割を認めているわけですね。したがって、それはなぜ認めているかといえば、株は言わば総資産を反映するものでございますから、分割すれば一株の株の資産が自動的に額面が下がってというか、価値が下がってくると、こういうことの中で認めているわけでございますので、基本的には問題はないと。しかも、株式分割の場合には株主に平等に持ち株に応じて配分をするというのが前提でございますから、そういう意味でも株主そのものの利益を害するということにはならない、みんな平等であるという、そういう意味で商法上この分割が位置付けられていると思っております。

○峰崎直樹君 いや、これはかつては最低資本金制度があったわけですよね。そうすると、一株が幾ら幾らまで以下は下がっちゃいけませんよという規制があった。なくなったんですよね。要するに、今ずっと起きてきていることというのは、今のこの証券市場、資本市場といいますか、その市場の仕組みは全部今までは原則やっちゃいけませんよということだったんですね。で、規制がどんんどん取っ払われて、アメリカ型のいわゆる会社法制及びアメリカ型の証券市場に近いものにどんどんなってきたわけですね。原則何やってもよろしいですと、こうなった。そうしたら、何をやってもいいんだからということで、その先ほど言った株式の分割であったり、あるいはToSTNeTを使って時間外はこれは違法ではないんだからということでどんどんやった。

このいわゆる先ほどの七番目の資料、一番最後のところを見ていただくと、その後にどんなことをやっているのか。例えば、違法ではない、架空売上げを計上するための架空取引、こんなことも違法ではないけれども問題だから改正が望まれると。あるいは、内実が全く見えない私募ファンド、アメリカのSECはこれを公開するようになったようでありますけれども、まだ日本はそういうことをやっておりませんね。私募ファンドで売り投資を行って、貸し株を受けた株式を売ることで株価を下げて大もうけをし、下方修正条項付転換社債を持っている金融機関は株価が下がっても損はない、こういった仕掛けが流行している、いろいろこうずっと書いてあります。全部これは違法ではないけれども問題があると、こう言っているんです。私も、この問題があるという言葉を聞いて、かつて証券スキャンダルのときも、いや、一任勘定の問題もたしか同じようなことを言っていませんでしたかね。違法ではないけれども、しかし問題がある、だからこれは何とかしなきゃいけないと。

そこで、六ページ、その前を見てください。同じ方が書いた、ちょっと汚いんですけれども、私が全部これマーカーを付けたためにこんなに汚くなっちゃったんですね。何でマーカーが、汚くなるかというと、全部が重要だと思ったからマーカーを付けたんです。

それで、いや、よく新聞を片手に質問しているやつがいると、私もこう新聞を片手に質問しているんですけれども、これは本当に書いてあることは物の見事にそうだなと思った。何かというと、一言で言えばアメリカ流の、自由は全部保証されましたと、企業に、株式会社に。それに対する規制というものが、きちんとした仕組み、監視する仕組みというのが全然できていないじゃないですか。

金融担当大臣、今から質問することに答えてください。おとり捜査というのはこの証券監視取引委員会が証券市場を監視するときには許されているんですか。

○国務大臣(伊藤達也君) 今の御質問は刑法の世界でありますから、私からお答えするのが適切かどうか分かりませんけれども、それは認められていないというふうに思います。

○峰崎直樹君 盗聴はどうですか。

○国務大臣(伊藤達也君) これも刑法の世界の問題でございますので私からお答えするのは適切ではないと思いますが、認められていないというふうに思います。

○峰崎直樹君 もうずっと聞いていってもそうだよね。

ここに書いてあるアメリカ的な自由は何によって担保されているか。おとり捜査、盗聴、司法取引、クラスアクション、アメリカ証券取引委員会SECが存在をしていること、民事制裁、報奨金、覆面捜査、仲裁、これでも実は問題を起こしているんじゃないんですか。エンロンだ、ワールドコムだ、今日も載っていましたよ。どこかの保険会社の、AIGか何かのグループが問題を起こしたということが載っていました。これだけのことはだれがやっているんですか。これ、捜査当局だけがやっている、捜査当局というのは刑法を担当している法務省がやっているのかといったら、そうじゃないんでしょう。全部アメリカのSECがこういうものを全部検査しているんでしょう。そういうことの権限を持ってやっているんでしょう。こういうものがないと、でたらめな社会になっちゃいますよと、こういうことを実は指摘されているんじゃないですか。

金融担当大臣、ここは我々がかねてから、民主党は主張しているんですよ、SECをつくろうよと。証券等監視取引委員会では駄目だと。あの程度ではとても、物すごいグローバルに動いていますよ。敵対的TOBも含めて物すごく変化しているわけですよ、会社法が。そういう意味で、問題があった、問題が出てくるたびごとに、いや、これは問題だ、だから違法ではないけれどもこれはちゃんと規制しなきゃいけない、こんなパッチワーク的なやり方で本当に日本の証券市場を守れるんですか。どうなんですか。ここはしっかりと結論を出してください。

○国務大臣(伊藤達也君) 今委員から御指摘をされたことについて、私は大変重要な御指摘がされているというふうに思います。金融行政の基本としても、やはり市場の可能性というものを、投資家と利用者が十分にその可能性というものを活用できるような環境を整備していくということが極めて重要でありますし、また、その活用に当たっては、安心してその市場の可能性というものが利用できるような、そういう仕組みというものをしっかり用意をしていく、そのことが行政の基本であるというふうに思っているところでございます。

委員からは具体的に民主党の御主張を踏まえて日本版SECについてのお尋ねがございました。グローバル化、あるいは市場の変化というお話もございましたが、私どもからしますと、今、金融サービスの分野においては、金融のコングロマリット化の出現といった形で、その金融の担い手あるいは商品というものが一体化していく、こうした流れが急速に進展をしておりますので、この流れを踏まえますと、金融行政においても銀行、証券、保険の各分野を業態横断的に所管をし、そして企画、検査、監督、監視と機能別に編成することが適当であり、金融庁の現体制はこのような金融を取り巻く環境の変化に的確に対応した体制になっているというふうに思っております。

海外の動向を見ましても、イギリスでは、金融コングロマリット化に対応するため、業態横断的な金融行政であります金融サービス機構、UKFSAが設立されたほか、また、韓国におきましても金融監督機関を統合し、一元化を実現されたものと承知をしております。

したがいまして、金融庁といたしましては、日本版SECを創設をして、証券行政部門を銀行・保険行政部門から切り離して、以前のような業態別の体制に戻すことは適当ではなく、一元的な組織の下で必要な改革を推進していくことが適当と考えておりまして、その体制整備に向けて更に私どもとしても努力を進めていきたいというふうに考えているところでございます。

昨年末策定をさせていただき、公表させていただきました金融改革プログラムにおきましても、金融市場インフラ整備の視点から、企業開示制度の一層の充実、そして市場行政当局の体制整備等を掲げたところでございます。私どもといたしましても、今後とも、本プログラムの内容に沿って、証券市場の公正性、透明性の確保に引き続き取り組んでいきたいと考えております。

○峰崎直樹君 私は今の話聞いてがっくりきました。要するに、今までの自分たちのやっていることの延長を変えないということ。これだけ大問題起きてるんですよね。

そこで、ちょっとお聞きするんですけれども、株式会社というのは、これ一体だれのものなのかなと。まあ、今日は商法、本当は商法、答えてもらおうと思ったんですが、むしろ金融担当大臣にお聞きしますけれども、株式会社というのは一体だれのものなんだろうかと。ちょっと答えていただきたい。

○国務大臣(伊藤達也君) 株式会社の経営に当たっては、やはり株主を始めとしたステークホルダーの利益というものを十分に配慮をした経営というものが求められているというふうに思います。

○峰崎直樹君 株式会社って、一六〇一年でしたか、東インド会社というのが、これが商社だと。私も何か、昔、大塚久雄という有名な史学、歴史学者が、大塚史学という、あの「株式会社発生史論」なんていう膨大な本をあったことを覚えています、読んでないんですけれどもね。それ以来多分ずっと続いているんだと、連綿、四百年。

で、株式会社というのは、株式を持つ人たちが、当然株主がお金を出資して、そして経営者というか、預けて、そして、おまえ、頑張れよと、しっかりやってくれと。ただし、出資するのは、その出資した金額だけが責任、だからカンパニーリミテッドって書いてある。無限責任じゃありません、有限責任ですと。だから、そういう意味では、そういう形で出発した株式会社なんです。そのときには株主が会社の所有者だと、あるいは会社を持っているのは株主なんだと、分かりやすいんです。これが公開株式会社になったら、だれのものになるんでしょうか。金融担当大臣。

○国務大臣(伊藤達也君) 先ほどもお答えをさせていただきましたように、その公開された株式会社の経営者におかれましても、株主を始めとしたステークホルダーの利益というものに十分配意をしながら経営を行っていくことが求められていると考えております。

○峰崎直樹君 そのステークホルダーという、関係者と言っている、ここは私、国民だと思うんですよ。要するに、これから投資をするかもしれない、これは国内だけじゃないですよ、世界もそうです。そうすると、公開された株式会社というのは、かつてのように無限責任でその株主の利益を代表してくれて、委託の関係が成り立っているということで済まない。株式市場にどんな、私たちは、営業状況でしょうか、どんな株主が存在しているんでしょうかとか、あらゆる、ステークホルダーと今おっしゃいましたけれども、そういう情報はすべての国民にオープンにしなきゃいけないわけですよね。そこがもし間違えていたとしたらとんでもないことになるわけじゃないですか。

で、問題は、今、そういう株式の市場の運営を当たって、いわゆる株式市場、株式会社、特に上場株式会社が何でもありの自由な世界に入ってきたときに、実はその中における問題点、アメリカでもSECというところが、先ほど言ったように、盗聴もやれば、おとり捜査もやれば、司法取引もやり、クラスアクションもあり、民事制裁や報奨金、そういうあらゆる努力をして、いかに不正を防ぐかということで辛うじて成り立っているのがこの証券市場なんでしょう。

あなたの先ほどのお答えを聞いていると、いや、今、金融サービス法をつくっているからそれは大丈夫なんですとか、あるいは証券等監視取引委員会も証券市場だけを監視するようにするから大丈夫ですと言っているけれども、そういうツールを持ってないんでしょう、こういう、おとり捜査だとか盗聴だとか。ちょっと聞くと、いや、日本の風土になじまないんじゃないかなと。日本の風土になじまないんだったらアメリカ的なやり方やっちゃ駄目なんですよ。そういうふうに大転換したいわけでしょう、また今も大転換しつつあるんでしょう。だから、そういうことも含めてやれるようなことを併せてセットでしないと、この日本の証券市場というのはめちゃくちゃにされますよということを私たち今主張しているんですよ、私自身が。

そうすると、そういう問題意識に立ったら、今会社法の改正も恐らく三月十八日に閣議決定されると言っていますが、またそこの中でも三角合併だ、いろんなTOBに対するやり方だとか、いろんなものが出ているけれども、ちょっと待ってくださいと、そういうことをきちんと監視し、そして検査をし、そしてそれをコントロールできるだけの体制を組まない限り、この証券市場が何でもありの自由な体制に持っていったら大変だと、こういう問題意識を持ってもらわなければ、私は、金融担当大臣、今起きている問題にその都度その都度パッチワーク的に対応するだけだったら、これは私は責任を果たしたことにならないと思うんですよ。

どうですか、もう一回改めて。分かりましたと、民主党さんが言っているように日本版SECをつくろうと、これは第三者審議会で強力な権限を持ったものをつくんなきゃ駄目だと、そしてそこに今申し上げたような様々な権限を一つ一つ与えていこうと、それが私の任務だと、こういうふうにおっしゃりませんか。

○国務大臣(伊藤達也君) 今委員が御指摘をされているその重要性というものは私自身としても感じるところはございます。

しかし、やはり委員の中で誤解があろうかと思いますけども、日本は、そのアメリカ型の自由を追っているということではなくて、先ほどもお話をさせていただいたように、万国共通の市場行政の基本として、利用者の方々や投資家の方々が市場の可能性というものを十分引き出せるような環境というものを整備をしていく、この考え方は万国共通ではないかというふうに思っております。そして、それに当たって、利用者の方々が安心してその市場の可能性というものを活用していくための仕組みの実効性というものを上げていくために、必ずしもアメリカのやり方というものがその世界共通の取組ではないんではないかと。

で、先ほど私がお話をさせていただいたように、その金融のコングロマリット化という新しい流れというものが進展をしてきております。そして、担い手においても、商品においても、それが一体化していくという流れの中で、それを踏まえた実効性のある組織というものを整備をして、その中で体制を充実をさせていくということが極めて重要でありますし、また委員が冒頭に御指摘をされたように、企業自らが透明な経営というものを実現をしていく、コーポレートガバナンスを向上させていくことが極めて重要でありますし、また市場の透明性、信頼性というものを確保していくためにもディスクロージャー制度に対する信頼性というものを向上させていかなければいけない。

そうした問題意識の中で、私どもとしても、西武鉄道を始めとした一連の不適切な事例というものを踏まえて、昨年の十一月、十二月にその対応策というものを発表させていただいたところでございますので、その対応策の一つ一つを強力に推進していくことによって市場に対する信頼性というものを確保していきたいというふうに思っております。

○峰崎直樹君 あなた今万国共通と言いましたよね。じゃ、ちょっと具体的に質問しますから答えてください。

金庫株というのは、ヨーロッパでその金庫株は解禁されていますか。──ついでに、後ろに聞かれるんだったら、三つ、じゃ質問しましょう。

最低資本金制というものはヨーロッパでは維持されているのかされてないのか。ストックオプションというのは、フランスでは例えば採用されているのか採用されてないのか。

この三点、端的にお答えください。万国共通なら、これは当然のことながら日本もアメリカも同じようになっているんでしょうね。

○国務大臣(伊藤達也君) 申し訳ございません。今、ちょっと今の御質問にお答えできる資料が手元にございませんし、商法に関係するところもあろうかというふうに思いますが、私が先ほどお話をさせていただきましたのは、金融行政の基本的な考え方として、その市場の持っている可能性というものを十分引き出していくような、そういう環境整備していくことが大切なことであると、こうした考え方を先ほどお話をさせていただいたところでございます。

各国において、その制度の整備の仕方についてはいろいろな取組があろうかというふうに思いますが、基本的な考え方は先ほどお話をさせていただいたような考え方ではないかというふうに思います。

○峰崎直樹君 あのね、金融担当大臣ね、私が言っているのは、日本の株式会社法制の、これは商法だから、法務に聞いた方がいいのかもしれませんが、それは全部アメリカのスタイルにどんどん変わりつつあるんでしょう、株式会社法制そのものも。

そうすると、そういう方向に変わっていっているのに、いわゆる証券市場、特に公開株式会社制度というものがこれだけ巨大になってきたときに、皆さん方、小泉内閣の方針というのは貯蓄から投資へでしょう、証券市場をより透明で活性化せにゃいかぬと言っている。ところが、今起きている事態は、証券市場の中でやりたい放題やって、これは問題じゃないかと言うけれども、いや、違法ではないけれども法律を改正しなきゃいかぬということが次々次々出てきているんですよ。なぜこういうものが起きてくるのかというと、ある意味ではきちんとした規制が十分でないからこういうことが起きているんじゃないんですか、こういうことの状況をつかめるような力が今の金融行政にはないんじゃないんですかということを言っているんですよ。

コングロマリット化、これに対する対応、これも重要ですよ。そうじゃなくて、今証券市場が直接金融、間接金融から直接金融といったら証券市場を活用しようということでしょう。そうしたら、その証券市場が、国民の皆さんから見たらとても株には投資できないなと、こんな一株を百分の一に切り下げて、そしてぼろもうけ、ぬれ手にアワだと。頭使って、いい商品やいいサービスをしてもうけているなら、それは、ああ、これはよくやったと言える。そうじゃなくて、法と法のすき間の中を、百分の一にしたら本当は下がらなきゃいけないのに上がると。時間とともに、二か月を過ぎたらこれが下がるんだそうですよ。それが確実に分かっている人間は当然それをねらって仕組むんじゃないんですか。そうしたら、これは事実上のインサイダー取引に近いものですよ、インサイダー取引とは言いませんがね。

そういうことに慣れている人、そういうことにアクセスできる人、これには特権があるんですよ。だから、それをいかに、その規制をしなきゃ証券市場はでたらめになっちゃうよということを言っているわけでしょう。そういうことのためのいわゆる手段も証券等監視取引委員会というのは十分持ち合わせていないんじゃないですかということを言っているんです。だから、この問題はしっかりと、私は、小泉内閣がそれを、貯蓄から投資へということを大きな課題にするんなら、今度の会社法改正や、あるいは今申し上げた証券市場の監視機能をいかに強化するかというのは何をおいても最初にやらなきゃいけないんじゃないんですか。

郵便局に預けているお金を民営化して民に流したいんでしょう。民に流そうと思って普通の銀行に預けたら金利がほとんど付かない。じゃ、もうかるかもしれないというところで証券市場を見ていたら、何だ、あんな形で、でたらめな形でもうけるんだったら、とてもおっかなくて私たちは手を出せないね、一部の人間だけだよね、こういう仕組みになっちゃっているでしょう。

もちろん、背景にはその株式を、持ち合い構造があって、依然として法人中心に株式市場が運営されているように、これも改正しなきゃいけないんですけれども。だから、伊藤大臣、ここは一言欲しいんですよ、我々としては。本当に証券市場を今直ちに直さなければ、でたらめな日本の証券市場になって、国民みんながだれもこれからは株式投資なんかを個人としては考えない、そういう時代になっちゃうから、早くそこを整備しませんかということを言っているんですよ。どうですか。

金融コングロマリットに対する対応ももちろんやるなとは言いませんよ。それより真っ先にもう早くやらないと、こういう状態が野放しですよ。問題が起きたら、いや、問題、これは違法ではないけれども問題があるからこれを直さなきゃいけない、この連続でずっと続くんじゃないんですか。そうしたら、その方々はそれをやっている間はやり得ですよ。不公平じゃないですか、これ自身も。

何よりも国民の皆さん方に開かれていなきゃいけない証券市場が、完全にこれは国民の皆さん方がこれではこの日本の証券市場は信用できないと、不幸なことになるんじゃないんですか、だから言っているわけですよ。だから、そのことについての改革をしようということを、伊藤大臣がそうだと、これをやらなきゃいけないと。後ろに官僚の皆さんがおられるかもしれないけれども、正にそれは、そのあなたが金融担当大臣になって、金融改革プログラムじゃなくて、中に本当はこれ入れなきゃいけないんですよ。入っていないでしょう、金融改革プログラムの中に。追加して入れますか。金融制度審議会にもう一回諮ってやったらどうですか。日本の、これは、証券取引市場はこれはとんでもないことになっていると、この共通認識の下にやってくださいよ、もう一回。どうですか。

○国務大臣(伊藤達也君) お答えをさせていただきますが、証券市場に対する信頼性というものを確保していくために市場監視機能というものを強化をしていかなければいけない、その市場監視機能というものがしっかり果たされていなければ投資家あるいは将来の投資家が安心して市場に参加することができない、そこの問題意識は私は峰崎委員と共有をさせていただいているというふうに思っております。

そして、そのやり方の問題でありますけれども、民主党の皆様方は日本版SECを提唱されているわけでありますし、私も、以前、そうした勉強会にも参加をさせていただいて、日本版SECについていろいろ研究、検討をさせていただきました。そうした中で、金融行政を携わって、そして今のやはり金融をめぐるいろいろな変化の中で、日本版SECのような形を作ることが、委員が言われたように、本当に実効性というものを確保することができるのか。それとも、今の金融庁の体制の中で市場監視機能というものを強化をしていく、そのための改革の努力を続けていくことが適切なのか。そうしたことを考えた場合に、私は、先ほどお話をさせていただいたように、証券行政部門を銀行・保険部門から切り離して以前のような業態別の体制に戻すということはやはり適当ではないんではないかと。一元的な組織の下で必要な改革を推進していくことが適当ではないかと。

そうした観点の中で、金融改革プログラムにおいても、先ほど御説明をさせていただいたように、市場監視機能の強化ということも盛り込みさせていただいたところでございますので、こうした金融改革プログラムの諸施策を実行しながら、市場の信頼性というものを確保していくために市場の監視機能の強化に努めてまいりたいというふうに思っております。

○峰崎直樹君 そうすると、結論から言うと、金融担当大臣は証券等監視取引委員会は今のままでいいんだと、それは何もアメリカのようにSECのような形にする必要は全然ないと、こういうことを強調されているわけですよね。それはもう我々のもちろん主張と真っ向から違うところですから、もう一遍明確にしておきたいと思いますが、そういう気持ちはないと。そうすると、また恐らく今の証券市場の中でいろんなことをやってくるかもしれませんよ、問題を。そうするとまた、これは違法ではないけれども、しかし問題があるから法律で規制しなきゃいかぬと。こういうものの繰り返しをやるんじゃないんですか。それはもう大丈夫だと、もう証券市場に対する監視取引機能はもう任せてくれと、こういうふうに断言できるんですね。そのことを、今ここで責任ある答弁を求めたいと思いますよ。

○国務大臣(伊藤達也君) 市場の監視機能を強化をしていくということはもう極めて重要であるというふうに思っておりますので、そうした観点からいたしますと、委員の御指摘と問題意識は共有をさせていただいているというふうに思っております。

しかし、その組織論として、日本版SEC、アメリカのような形がいいのかどうかについては、先ほどお話をさせていただいたように、私は今金融行政を担当させていただいて、証券部門というものだけを取り出して監視機能を強化をしていくということではなくて、一元的にやはり監視をしていくと。そのことが今の金融情勢をめぐる激しい変化に対応した監視機能の強化の方向性にあるんではないかというふうに思っているところでございます。

そうした中で、市場監視機能の強化のための改革というものを進めていかなければなりません。今日までも証券取引等監視委員会の機能強化に向けて様々な取組を行い、また人員の増強等もさせていただいたところでございますけれども、金融改革プログラムの中においても更にこの機能強化について明示をさせていただいたところでございますので、こうした改革の努力というものを続けていきたいというふうに思っております。

○峰崎直樹君 もう時間がそろそろなくなって、財政再建だとか、様々あったんですけれども、極めて時間不足で残念なんですけれども、またこの続きはいつかやらせていただきたいと思いますが。

最後に、せっかく法務省もお見えになっているんですけれども、株式市場で親子上場、親会社も上場するけれども子会社も上場する、これはアメリカではこういう例はないそうです。親子上場というのは、これはどのように考えたらいいのかな。特に最近では持ち株会社ができている。持ち株会社の中の子会社が上場してくる。そうすると、これは一体我々どう考えたらいいのかなと。会社結合のための仕組みとして、どうも企業結合法制というのが欠如しているんじゃないかと、こういうふうに言われるんです。この点についてどう考えているか、法務省の方からまずお答えください。

○副大臣(滝実君) 商法といいますか、会社法の世界では、先般、完全親会社、完全子会社の条文を、そういう設定をいたしておるわけでございまして、したがって、会社法として今直ちにその辺について見直すということはございませんけれども、私どもは、やっぱり商法というのは基本法でございますから、やはりそうはいっても、ある程度そういう実際の実社会の動きというものをどうやって取り入れていくかということは常時努めていかなければならないというふうには思っておりますので、いろんな問題点が出てくるたびに私どもはそれなりの検討を進めなければいけないというふうには思っております。

○峰崎直樹君 親会社も上場していると、子会社も上場していると。そうすると、親会社は子会社の様々な株式上場に伴う利益といいますか、そういうものを吸収できるんですけれども、ただ今度は逆に責任ということになったら、子会社の例えば株主、少数株主に対する責任、あるいは子会社が取引している人たちとの責任、子会社のそこにおける労働者に対する債権、こういったものとは無責任、要するに責任ないんですよ。そうすると、支配はするけれども責任はない、これ、こういう構造を持っているんですよね。

と同時に、より現実的な話にしましょう。

NTTという持ち株会社で、NTTの株、上場しましたね。随分人気ありました。二百数十万まで行った。今大分下がっています。そこから子会社のドコモが上場したんですよ。どっちが今株式高いですか。株式相場でいえばドコモの方が高いんじゃないんですか。そして、いわゆる資産価値もひょっとしたらかなり高いんですよね、こっちの方が。そうすると、二百数十万円出して買ったNTTの株主さんは、おれ、ドコモの株の方が欲しかったなと、こういうふうになるんですよ、当然のことながら。

そうしたら、ドコモの株式を公開するときに、本来であればドコモの株式を公開するけれども、今あなたが持っている株式とどっちか交換しましょうかとか、そういう、当然株式公開するときはそういうやり方をするんですよね、アメリカの場合は。日本の場合には、それは両方やって、そしていいとこ取りで経営者はどんどんやるけれども、いわゆる子会社に対する責任というのは一切負わない。こんなでたらめな法律というのはあるんだろうかなと。

特に、金融機関の中には持ち株会社、金融持ち株会社が大はやりですよ。なぜはやったのか。これは資本金といわゆるその他剰余というものをごっちゃにしちゃったんですよ、ぐちゃぐちゃにして。わかしお銀行を三井住友銀行が合併して、継続銀行をわかしお銀行にしたというのはその一例じゃないですか。そして、みずほ銀行に至ると、みずほフィナンシャルグループの上にみずほホールディングスという、持ち株会社の上にまた持ち株会社作っているんですよ。

金融担当大臣ね、何のためにこれをやっているのか、分からないように、分からないようにして、そして資本とは何かとか、資本といわゆるその他剰余とは違う。資本というのは、先ほども、資本家は有限責任で、これは資本としてきちんと置いているわけですよね。それがぐじゃぐじゃになっちゃったというのがこの間のやり方じゃないんですか。そのぐじゃぐじゃのやり方を前提の上に何か会社法をもう一遍再建しようというふうな動きがどうも見えてならないような気がしてならないんです。

今日はもうこれ時間過ぎましたから意見だけ言って終わりますけれども、そういう意味で言うと、証券市場もそうだ、株式会社法制もそうだ、どうも日本のいわゆる企業法制、こういったものについてはいいとこ取りばっかりやって、そして責任はない。あるいはその取り締まるべききちんとしたルールや取り締まるべき様々なツール、こういったものは極めてお粗末。これでは国民の皆さん方が、本当に一生懸命働いて税金を納めている国民がこんなばかばかしい世の中はおかしいじゃないかと反乱を起こしますよ。

そのことだけ申し上げて、私の質問を終わらせていただきたいと思います。

○広野ただし君 民主党・新緑風会の広野ただしです。

今日は、財政政策の基本施策、また金融政策の基本施策についてお伺いをさせていただきたいと思います。

財政金融は非常に専門的な分野が多いんですけれども、私は、できるだけ国民の皆さんに分かりやすい考え方で、あるいは質問の仕方でお話をさせていただきたいと、こう思っておりますので、大臣、また副大臣の方々も分かりやすく御答弁をいただきたいと、こう思います。

この平成十七年度の予算そして財政、これ全体的に、一般予算のほかに財投、そして特会、そして税制、さらには財政再建という立場から、あるいは公債の管理政策というような立場から、全体的、総体的に見て、財務大臣は今回の予算、財政というものを、百点満点としたらば何点ぐらいお付けになる、まあ自らを評価してどういうふうに思っておられるか、伺いたいと思います。

○国務大臣(谷垣禎一君) 分かりやすく答弁せよという御注文の最初が何点を付けるかということで、ちょっと戸惑っておりますが、日本の財政の問題点も多岐にわたりますので、どの程度のことができたのかというのはなかなか難しいんでございますが、一つには、一般歳出といいますと、要するに政策経費ですが、どうしたって社会保障が増えてくる中で、御承知のような非常に借金体質になっておりますので、それを三年ぶりに前年度以下に圧縮することができたというのは一つ前へ進んだ点ではないかと思っております。

〔委員長退席、理事平野達男君着席〕

それから、それと関連いたしまして、国債を大量発行せざるを得ない財政状況でございますが、これも四年ぶりに前年度を下回る水準に持っていくことができたと。

それから、まあ大きな意味での目標を、その年のいただいた税金でその年のことをやっていく、いわゆるプライマリーバランス回復を二〇一〇年代初頭に果たそうということでございますけれども、国に関して申し上げれば、今年、平成十六年度、十七年度、二年続けて改善をすることができたと。

その背景に、税収が少し良くなってきたこともございますが、今回、定率減税を元に戻す、これは御批判もいただいておりますが、まあ歳入歳出両面からの財政構造の改革に道をつくることができたんではないかと。

それから、一般会計だけでなく、特別会計もあるという御指摘でございましたが、特会につきましても、財政審等の御提言を踏まえまして、例えば産業投資特別会計でNTT株式の売却収入を使った無利子融資制度等、将来的な廃止に向けて見直しを行うというような、引き続きこの特会自体の見直しも進めることができたと。

それから、財投につきましても、対象事業を相当重点化、効率化いたしまして、ピーク時の四割までに縮減をすることができました。

また、財投、すべての財投事業について点検も行いまして、住宅金融公庫について、民間で取り組んでいるような直接融資は廃止すると。それから、都市再生機構についても、ニュータウン事業から撤退するといったようなことを今度やらしていただきました。

具体的に何点かというのはちょっと申しにくいんですが、現状ではベストを尽くした比較的できの良い、ちょっと私が言うと手前みそになりますが、比較的できの良い予算ではないかなと。ちょっと口幅ったいことを言うのをお許しいただきたいと存じます。

○広野ただし君 できのいいというのは、優良可で言えば優以上行っておると、こういうことなんでしょうね。

しかし、私、後から一つずつ、先ほどおっしゃいました特会の問題、財投の問題あるいは財政再建の問題等を取り上げると、なっちゃいないなと。財政再建一つ取っても全然駄目だと、こう思っております。ですから、私の考え方からいうと、もうとても及第点にはいかない、もう一回やり直しというような考え方だというふうにまず申し上げたいと思います。

それと、まず、非常に大規模な大きな予算であり、一般会計ばかりじゃありません、そういう特会ですとか全部入れてまいりますと、もう何百兆という規模になるわけですね。ですから、日本経済に与える影響というものはあると思うんですが、これについて、今度の観点からいうと、予算等の作成方針からいって中立であったのか、経済政策として、あるいは刺激的であったのか、あるいは抑制的であったのか、この三つに分けて答弁いただきたいと思います。

○国務大臣(谷垣禎一君) その三つに分けるのはなかなか難しいんですが、先ほど申しましたように、三年ぶりに一般歳出を前年度より圧縮をいたしましたと申し上げましたのは、その意味ではかなり抑制的な予算と申し上げることができるんではないかと思います。しかし、他方、ただ抑制をしたというだけでは意味がございませんので、いわゆるめり張り付けをして民間需要主導の持続的な成長軌道に少しでも資することができるようにと重点化、効率化を行ったつもりでございます。

少し具体的に申しますと、例えば、大学等での研究開発の成果であるとか、あるいは産学官の技術力の活用等によりまして実用化を視野に入れた研究開発プロジェクトを戦略的に進めるであるとか、それから若年者のニート問題であるとかフリーター問題が非常に問題になっておりますが、若年者の職業意識を形成する、職業能力を開発する、あるいは就職支援していく、そういうような施策にも重点的に配分をいたしました。それから、公共投資につきましては、渋滞の解消を図るために三大都市圏の環状道路といった経済効果の高いところに重点的に配分をいたしまして、雇用あるいは民間需要の拡大という点から配慮をして作ったつもりでございます。

○広野ただし君 私は、税制等を考えますと、やはり日本経済に対してはブレーキを掛けていると、こういうふうに思います。全体的な規模あるいは構造改革の不徹底さ等を考えると、ブレーキが掛かっていると、こういうふうに考えております。

それで、まあそもそも論なんですが、財務大臣のまず役割といいますか、政治家財務大臣としての役割というのはどういうふうに思われますか。

○国務大臣(谷垣禎一君) 非常に難しいお問い掛けでございますが、私が所掌しておりますのは、一つは予算であり、もう一つは税であり、そのほかにも国債、為替の問題であるとか、いろんなことを扱わせていただいておりますが、要するに国の施策を、財務といいますか、そういう観点から見て統括していくという仕事をさせていただいているのではないかなと思っております。

○広野ただし君 財務大臣というのは、歴代、例えば竹下さんであるとか宮澤さんであるとか、あるいは橋本龍太郎さんであるとか、次の総理をねらうような、やはり国全体のことを資金の面から見てやっておられると思うんです。それはなぜかと。そのときに、私は、やはり国家像といいますか、日本をどういうふうに持っていくかということと非常に密接にその資金配分が、あるいは税制が関係をするということだろうと思うんですね。

ですから、極めて重要なポストにおられるわけで、ですから、そのところに、ただ各省から積み上げてきたもの、それを見ているとか、それを査定を加えるとか、そういうことじゃなくて、財務大臣谷垣として日本の国家をどう持っていくのかと、こういう考え方がしっかりとあって私はできるんじゃないかと思うんですね。

〔理事平野達男君退席、委員長着席〕

ですから、例えば、後でまたやりますけれども、入るを量っていずるを制すというのが財務相の歴代の考え方でありますけれども、この考え方についてまずどう思っておられますか。

○国務大臣(谷垣禎一君) 私が、今、財全体から見て国の政治を統括していく、財の立場から統括していくのが私の役目でございますが、非常に財政も厳しい中でございますので、入るを量っていずるを制すというのは、もちろんこれだけでいいと私は思っているわけではありません。全体の体力を高めてもう少し元気が出ていくようにするということと併せて、入るを量っていずるを制すと、全体立て直していくということは現在においても私の大事な仕事なのではないかと思っております。

○広野ただし君 私は、これは歴代の考え方からただ伝統的な手法を言っているだけであって、こういう考え方では日本の根本的な立て直しはできないんだと、こういうふうに思いますね。家庭においては確かに入るを量る、ある意味で分かりますからね。それに基づいていずるを制すということでありますけれども、この日本、国家全体として入るを量るということは、例えば税の在り方はどうあるべきかというようなことがちゃんと決まって、考えてあって、どうにでもできることなんですね。

ただ、そのときに、やはり税制というものの在り方、この今根本論で政府税調でやっておられると思いますけれども、全然まだそこに本当の手が入ってないんですよね。そのときには、例えば家族はどうあったらいいのか、家族生活というものが守られるような税制であったらいいのか、あるいは単身赴任者とか、そういうものばっかり増えていっていいんだろうかとか、そういうような税制、あるいは就労構造というものは、サラリーマンとか、そういうものじゃなくて、自営業をもっと増やしたらいいじゃないかとか、そういう考え方、あるいはいろんな価値観、ライフスタイル等、密接に関係してくるわけですよね。で、先ほどおっしゃいましたような分配の、再配分の問題ですとか、あるいは今非常に大事な少子化、高齢化の問題にどう対応するか、グローバル化にどうするか、環境にどう考える、公的部門はどうあるべきかというようなことが全部絡まって税制の問題ですとかあるいはいずるの予算の方のことが決まってくる。だから、非常にしっかりした国家像とかあるいは歴史観とか世界との関係というものがないと、ただ適当に各省の積み上げになってしまう、そういうおそれが出てくると思うんです。

だから、伝統的な入りを量っていずるを制す、これは価値観がないんですよ、めり張りがないんですよね。こんな考え方では私は本当に日本の国家を立て直すということにはなってないんじゃないかと、こう思うわけですが、いかがでしょうか。

○国務大臣(谷垣禎一君) 広野委員から大変大事な、一番基礎的な問題を提起していただいたと思っております。

今のお問い掛けに全面的にお答えするのは難しいわけですが、私は、やはりこういう経済閣僚でございますから、経済の方から見ますと、一つは、これから人口が減ってくる、高齢化も進んできている、こういう中でありますから、そういう中で日本全体の活力をどうして保っていくかということと、それから国際的にも、かつての先進国だけではなく、いわゆるエマージングマーケットと申しますか、そういうところとの大きな競争が起こってきておりますから、そういう中で日本として競争力が発揮でき、また日本としての役割を果たせるようにしていくにはどうしたらいいかという視点が私は大事だと考えておりまして、そのいろんな、細かに申し上げると切りがございませんが、要するにそのためには日本の魅力を高めていくという考え方が基本になければいけないんではないかなというふうに思っているわけでございます。

それで、その日本の魅力というのはいろんなところで考えなければなりませんが、私の仕事として一つ考えておかなければなりませんことは、これだけ財政も厳しい、日本の財政の持続可能性が問われかねないときでございますので、日本の財政の持続可能性という方向に少しでも持っていく、少しでもそういう方向に政治が動いているというふうに持っていくというのが私の仕事の、現在の私の仕事という点から申しますと一つの核にあるものではないかと、こう考えているわけでございます。

○広野ただし君 魅力ある日本をつくるということの根本は私は教育にあると思います。日本は資源も何にもないんですから、これはやっぱり人材を育成をしていくということだと思うんですけれど、このときに、三位一体改革に絡んで、あるいは地方分権に絡んで、教育の問題で義務教育費国庫負担分を削減をすると、こういうことをやっておられます。このことについて、日本の国家の根本は人づくりにあると、こういうこととどう考えられますか。

○国務大臣(谷垣禎一君) 私も、広野委員おっしゃいましたように、日本の魅力の根本は人づくりにある、それはもう全く同感でございます。

それで、三位一体で国庫補助負担金を地方に全部お渡ししていくというようなことが、まだこれは暫定でございまして、これから中教審で議論をしていただくわけですけれども、どう思うかということでございますが、私は、教育の魅力を高めていく上でも、日本の義務教育は小中学校、これは市町村がやっておられるわけですけれども、市町村の創意工夫がもう少し生かされて、いろんな議論をされる、まあ私、文部科学大臣ではありませんので余り踏み込んで答弁すると文部科学大臣が困られるかと思いますが、私は、どこも皆平等で共通というよりも、それぞれの地域で特色を生かして工夫ができるような方向にもう少し持っていった方がいいんではないかと私自身は考えております。

○広野ただし君 小泉総理は、米百俵の精神と、飢饉になったときもそれで、米百俵をいただいた、それを食べるんではなくて未来のために、子供たちのために教育に投資をする、非常に感銘の深い話を持ってこられました。だけれども、それは口先だけで、何一つ教育に対して真剣に取り組んでおられるとは思えないんですね。

先ほど地方の特色を生かすと、こうおっしゃいますが、やはり義務教育において教員の役割というのは極めて高い大事なものだと思うんですね。もう全体的に、国全体として教員、いい人材を集めて、そしていい教育を施していくという、こういうことがないと、地方に任せればいいと、地方の特色あるものにすればいいと、じゃ国全体としてはどうなるんだということだろうと思うんですね。

今日、文部科学政務次官がおいでですから、どう思われますか。

○大臣政務官(下村博文君) 御指摘のように、義務教育においては国は全国的な教育水準の確保と教育の機会均等についてはしっかりとした責務を果たし、その上で、義務教育の実施に当たっては、各地域や学校が更に創意工夫をして、そして常にその時点で考えられる最善の教育が行われるようにすることが重要であるというふうに考えております。

具体的には、国は義務教育における基本的な制度の枠組みや全国的な基準の制定、必要な財源の確保等の役割を担い、都道府県は広域で一定水準の人材を確保する役割を担い、そして市町村におきましては学校の設置、運営という正に義務教育の直接の実施主体としての役割を担っていくべきものと考えております。

義務教育の実施に当たっては国と地方の適切な役割分担が重要と考えておりますけれども、昨今の三位一体改革の議論におきまして、この国と給与負担者である都道府県との間の給与負担の在り方に関する議論のみに集中していた嫌いがあるのではないかと考えておりまして、私どもとしては、現場主義の徹底を図る必要があると考えておる義務教育において、更に学校の設置者である市町村の役割、責任の在り方について今後も十分な議論を行うことが重要であると考えておりまして、このために中央教育審議会において市町村の意見も十分聴取しつつ、教育論の観点から、国、都道府県、市町村の役割、責任について御議論いただきたいと考えております。

私どもとしては、今年の秋の中教審の結論を得て、義務教育に対する国の責任を果たすためにしっかりと取り組んでいきたいと考えております。

○広野ただし君 予算委員会でも我が党の鈴木寛さんが、GDPに占める公的教育支出の割合、これが日本は三・六%。ドイツ、イギリス、アメリカ、みんな四%、五%という非常に高い、財政的にもやっている。韓国も四・九%だと。こういうような各国とも非常に教育には力を入れているということを申し上げて、いかに小泉さんの米百俵の精神というのは口先だけで、根本的には逆噴射をやっているということをまずお話をしたいと、こう思います。

次に、特会改革について。

先ほど大臣は特会、それなりに手を入れている、見直しをして進んでいると、こうおっしゃいましたけれど、特会は今年三十一本の特会で四百十二兆円ですね、全体で。そして、ネットでも二百五兆円です。こういう膨大なものがある。しかも、それの十、特会の大きな見直しをしたのはそれのほぼ三分の一の十二会計ですか、これぐらいしかやっていないんですね。そして、削ったのは数千億円しかカットしていないんです。もう二百兆円、ネット二百兆円のうち数千億円というのは一%にも満たない。そういうことをやっていて何が根本的な見直しをしたと、こう言えるんでしょうか。財務大臣、いかがですか。

○副大臣(上田勇君) 今、広野先生から特会、特別会計につきまして御指摘があったわけでありますけれども、特別会計、これまでも一般会計に比べて必ずしも十分な見直しが行われてこなかったんではないかという御指摘はいただいてきたところでございまして、そうした御指摘も受けて、平成十五年度から財政審で総ざらい的な検討を行いまして、そうした御提言をまとめていただいたわけでございます。

平成十六年度予算におきましても事務事業の見直しなど様々な見直しに着手をいたしまして、平成十七年度も昨年の財政審においてこのフォローアップをいたしまして、すべての、全三十一の特別会計のうちの約三分の一、先生が御指摘いただいたとおりでありますが、に当たります十の特別会計について個々の実態に即して掘り下げた検討を行いまして、改革の一層の促進に向けて具体的な追加的提言をいただいたところでございます。

平成十七年度の予算編成におきましては、これらの提言を踏まえまして幾つかの大きな改正を行いました。

○広野ただし君 簡単にお願いします。

○副大臣(上田勇君) はい。

例えば、産業投資特別会計社会資本整備勘定におきましても、NTT株式売却収入を活用した無利子融資制度、これを現在計画されている案件に限り措置をして一般会計繰入れを縮減するであるとか、あと労働保険特別会計やあるいは食糧管理特別会計におきましても所要の改革を行ったところでございます。

また、十六年の財政審報告においても、具体的な提言のなかった特別会計についても十五年の報告書の基本的な考え方に基づきまして着実な見直しを行っております。

今御指摘がありましたように、まだこれから取り組まなければいけない点も多いかというふうに思っておりまして、財務省としては国全体としての歳出の合理化、効率化の観点から、今後とも特別会計についても徹底した見直しを進めてまいりたいというふうに考えております。

○広野ただし君 細かい数字を先ほど言っているわけじゃないと言いました。三十一会計全体で三千六百億円を削減しました、今回は。ネット二百兆円、あるいは総額四百兆円のうち、これだけしかやっていないんですよ。それが着実な見直し、とんでもない話で、全然やっていない、こういうことですね。まあ、百点からいうとゼロ点に近いものであると、こういうことだろうと思います。

次に、財投にさせていただきたいと思いますが、財投は、確かに毎年度のものでは、ピーク時四十兆円だった、それが十七年度は十七兆円になっているということでありますけれども、財投全体はいろんな融資をしているわけですね。ですから、ピーク時には四百兆円を超す融資をしているんです、融資、残高ですね、融資残高は。それがまだ三百三十兆円。ですから、八十数兆円しか削減をしていない、こういうことです。ですから、毎年度では、フローでは半分以下にはなったということでありますけれども、残高では全然減ってないんですよ。四百兆円のものが三百三十兆円ぐらいになったということです。

これは、なぜ私がそういうことを問題にしているかというと、官から民へと、官から民へをやること、これが構造改革なんだと、構造改革なくして成長なしと、こうおっしゃっているんでしょう。そうするためには公的部門をもう少し圧縮をすべきじゃないか。

今、国の金融機関全体で大体七百兆円。ところが、ぐっと貸出しを減らして、六百五十兆ぐらいになっていますよね。公的部門は全然減っていなくて、どんどんどんどん増えるくらいなものだ。日本は自由主義国家だといいながら、公的部門というのが私は三割から四割ある。これ、財政の面でもこういうことですよ。何らかの形で国が関与をしていると。この部分をちゃんと構造改革しませんと、本当に構造改革ができて成長ができる、こういうことにはならないと思うんです。

財務大臣、財投が十分に改革がなされていますとおっしゃいましたけれども、どういうことでそういうことになるんですか。

○国務大臣(谷垣禎一君) まず数字から申し上げますと、財投計画残高の現在でございますが、平成十七年度末の見込みが三百六兆でございます。これがピーク時が四百十七兆八千億でございましたから、ピーク時の七二%というふうに今来ております。

それから、結局どういうふうに変えたかと申しますと、かつては、もうこれは今更申し上げるまでもございませんが、平成十三年度にそれまであった郵貯等の預託義務を廃止して、財投債ないしは財投機関債を発行してマーケットの規律の下で必要な資金を調達する仕組みに変えたということが一つ。それから、それをやりますときに、政策コスト分析やそれから貸出し先の特殊法人等における民間準拠の財務諸表を導入するといった改革を進めまして、民業補完あるいは償還確実性ということについても相当大きく進めたつもりでございます。

それで、郵貯等による財投債の直接引受けが経過措置としてはございますけれども、これは郵貯等の預託金の払戻しが基本的に終了する、平成十九年度末をもって終わりますので、委員のおっしゃった官から民への資金の流れを変えていくという意味ではかなりの前進が見られていると私は考えております。

○広野ただし君 いや、全然なっていないんですね。これが、財投債というのを出しますね。財投債も国債の一種ですよね。ところが、全体的に言いますと七百兆円、七百七十兆円の外枠に財投債というのを設けています。それで、そのほか政府保証というものがあるんですね。ですから、政府保証というのも六十兆円ですから、大体外枠に二百兆円というものがまだ借金があるんですよ。ですから、七百七十が九百七十兆円。この間も私議論しましたけれども、七百兆円台とみんな思っていますけれども、実は一千兆円ぐらいの借金があるということであります。  そしてまた、この財投債に代わって、公債管理、公債管理政策のことにかかわりますけれども、今度借換債ですとか全部合わせますと百七十兆円の公債を今年出すわけですね、百七十兆円ね。こういう大きなものを出します。そして、全体的に社債というものがあります。債券市場のことを見ますと社債というものがありますけれども、この社債というのは大体年間五、六十兆円です。この百七十兆円の借換債を含めた、新規発債も全部入れて百七十兆円。短期証券等を入れますと公的なものに五百兆円以上のものになってくるんですね。  こうしますと、債券市場、債券市場では公的なものが物すごく高くて、八〇%以上が公的なもの。ですから、資金は公的なものにぐっと取っているということなんです。財投改革の根本は何かといえば、ただ見掛けの数字を減らしましたとかなんかじゃなくて、公的部門をぐっと減らして民間にやってもらうと、こういうことなんでしょうけれども、そこに全然手が付いていないということを私は申し上げたいと思います。  次に、日本経済、回復軌道になったと言いますけれども、本当に健康体になったのか。この点について財務大臣あるいは伊藤大臣の見解を伺います。

○国務大臣(谷垣禎一君) 我が国の経済が非常に危機的状況にありました平成九年あるいは平成十年当時と比較してみますと、現在は、不良債権処理あるいは産業再生等の構造改革がかなり進みまして、経済の基礎的体質というのは私は大きく改善してきたというふうに思っております。それから、そのことを受けまして、企業部門ではかつては過剰な債務、過剰な設備、過剰な雇用というようなことが言われておりましたけれども、こういった三つの過剰は基本的に解消しつつあるのではないかと思っております。したがって、企業収益もバブル期の水準に匹敵するような高い利益水準を出しているところもあるわけでございます。それから、企業倒産につきましても平成十七年二月までで三十か月連続で減少を続けているということがございます。

そこで、問題は家計部門あるいは個人消費というようなものがどうかということでございますけれども、これも有効求人倍率が上昇してきましたのと伴いまして、失業率がここ十数年来で初めて趨勢的に低下していると。雇用情勢は改善していると思います。

それから、雇用者報酬は、名目、実質ともに前期比、前年比プラスというようなことがございますので、こういうことを含めて見ますと、今後の消費改善につながっていくと見ていいんじゃないかなと思います。竹中大臣のお得意の表現でございますけれども、上り坂の中の微調整という竹中さんの御表現は私も使っていいんじゃないかなと、このように思っております。

それで、他方、政府部門について見ますと、これは先ほど広野委員から御指摘がございましたように、長期債務残高、これもいろんな債務をどう数えるか、いろんな議論がございますけれども、七百七十四兆と対GDP比一五〇%を超える状況でございますから、依然として厳しいと。ここはやはりこれからも努力を続けませんと、委員のおっしゃった、その資金を、民間の資金を国が、公的部門が取り過ぎるというような状況は私は改善していかなければいけないと。ここにやはり大きな課題が残っているというふうに考えているところでございます。

○広野ただし君 私は、人間の体に例えまして、病み上がりから本当に危篤状態のところまで行ったわけですね、金融危機のときは。そういうとき、そこからもう七、八年たちました。そういうときに、今本当に健康体になったのかというふうに聞いているんですよ。で、回復軌道には乗ってきたと。だけど、私は、もう全くこれは病み上がりであって、ようやく立ち上がれるというところまで来て、本当に健康体になっているのかというふうに私は思うんです。日本経済のアキレス腱、やはり今まで血液の循環というものが非常におかしくなっていて、それが金融だと思うんです。そこが根詰まりをしていた。そこのところがある程度不良債権が減ってきて良くなってきたというけれど、私は、地方経済のことを取りましたり、中小企業のを取りましたり、まだアキレス腱は一杯あるじゃないかと、こういうふうに思うんですね。

また、今度の回復はアメリカ経済あるいは中国という大きな外需によってもたらされたものであって、日本の体自身は一つも良くなってきていないと。構造改革なくして成長なしと言っていますけれども、あくまで外需に頼って、外からのいろんなカンフル注射によって元気になってきたと、ある程度。だけれども、一つもそこは良くなっていないんだというふうに思っております。

文部科学省さんはもう終わりましたので、どうぞあれしてください。

もう一つ、そこで伺いますが、銀行等金融機関は本当に元気になったのかということで伺いたいと思います。

○副大臣(七条明君) 今、銀行が元気かどうかということでございますが、これ、主要行の場合を考えてみますと、平成の十四年の三月期に不良債権が八・四%ありました。この不良債権というものがやはり健全性でないというような判断をいたしまして、私たちは金融再生プログラムの中で不良債権処理に加速をさせるために二年以内に半減をさせるというような努力目標を持ってきたところでございますけれども、この点に関して言いますと、この平成十六年の九月期における主要行十一行の不良債権比率は四・七%となっておりまして、再生に向けたプログラムの中における目的達成については順調に推移をしてきておるのではないかと。この三月期を見てみなきゃ分からないところもありますけれども、三月期、私個人的に見ますと、更に四・七から三に近づくのではないかと、ひょっとすれば三まで行けるのではないかというふうになってくるのではないかというふうに考えておりまして、健全性について、主要行については、これは大きく健全化になってきておるというふうに推移をしているものと考えておるところでございます。

○広野ただし君 四大メガバンクですとか、ずうたいは大きくなりました。そして、公的資金も入って、突っかい棒が入って危機を脱してまいりました。だけれども、今利益を上げているのはもうほとんどゼロ金利の、低金利のものを借りて、そして国債等を買うと、そしてその利ざやを稼ぐと、それで数千億円の利益を出す、場合によっては一兆円を超す利益を出すと。これが果たして海外に出ていって、トヨタやホンダのように世界に雄飛できるそういう銀行なんだろうかと。私は、全くそうではない、全くまだ病み上がりのそういう銀行なんじゃないかと、金融機関なんじゃないかと、こう思いますが、どうですか。

○国務大臣(伊藤達也君) お答えをさせていただきたいと思います。

今、副大臣からも御答弁をさせていただきましたように、今までは日本の金融システムを安定化さしていく、そのためにも日本経済の大きな足かせとなっていた不良債権問題を正常化さしていく、そのことに金融機関としても大変な努力をしていかなければいけなかったというふうに思います。したがって、そういうときには、やはり新しい事業に挑戦をしていく、利用者のニーズに的確に対応したビジネスモデルに挑戦をしていくということがなかなかできなかった。しかし、不良債権問題が正常化していくに当たって、これからは利用者のニーズに的確にこたえた経営というものを行っていく、そういう新しい局面に入りつつあるんではないかというふうに思います。

委員からも今金融機関の経営状況をめぐる厳しい御指摘がございました。確かに、今、日本の金融機関はやはり収益力をどう向上さしていくのかということが一つの大きな課題であろうかというふうに思います。

しかし、不良債権問題を正常化していく中で、自らの審査能力、目利きの能力というものを向上さして、そして様々なニーズにこたえられるような経営改革の努力というものを今行っておりますし、貸出しにおきましても、例えば中小企業者のニーズの高いスピード審査、そして担保が不要で、第三者保証が不要の新しい金融商品というものを開発をして、それを投入することによってその残高というものも伸びつつありますので、こうした前向きな経営改革の努力というものがこれからの活力ある日本の金融システムというものをつくり上げていくことにつながっていくんではないかと。

また、そうした観点から、私どもとして、昨年の十二月に金融改革プログラムを策定をさしていただいたところでございますけれども、今まで金融行政というのは、金融システムの安定化ということに重点を置いた金融行政でありました。ある意味では不良債権問題に見られる緊急対応であったわけでありますが、これからは将来の望ましい金融システムというものを目指していく、未来志向の局面に変わる中で、活力を重視した金融システムというものを構築していくために金融再生、金融改革プログラムに盛り込まれた諸施策というものを着実に実施をしていきたいというふうに思っております。

○広野ただし君 口では何でも言えるんですよ。で、金融サービス立国だと、こう言いますけれど、これはもう本当にいい看板ですよね。だけれども、じゃ地域金融機関は今どうなっていますか。十年前、地域金融機関は九百を超す金融機関がありました。現在は倒産ですとか統合等によって六百になってきていますね。しかも、この地域金融機関六百がまだ本当に血液の循環を良くする、こう末端の手先のところまで血液が行くような、そういう役割を地域でやっているんだろうかと、そう言ったときにどう答えられますか。

○副大臣(七条明君) 今、地域金融機関が元気なのか、健全なのかどうかという意味でお答えをいただいた、御答弁いただいたと思っております、答弁、お答えいただくつもりでおりますけれども、リレーションシップバンキングという形で、私どもは機能強化に関するアクションプログラムにおきまして中小企業の再生とあるいは地域経済の活性化ということで、正にリレーションシップということを意識をしながら、当時、十六年度の当時、不良債権問題の解決に向けていろいろ努力をしてきた。そして、全体として収益性の向上や健全性の確保等に向けた取組がなされてきたと、こういうふうに考えておりまして、今先生が御指摘のように、先ほど来の不良債権比率でいいますならば、今、まだまだ大きいもの、小さいものとありますけれども、健全性を確保しつつ今努力中であります。

そして、もう一つ、自己資本比率の方も含めまして、自己資本比率の方の平均、これは十六年の三月期でございますが、九・二五のものが、今不良債権比率が六・三ぐらいまで下りてきておりまして、いろいろな意味でこれも減ってきつつあるのではないか。

しかしながら、まだまだ地域の中で元気でいくために、地方がやらなければならない問題、あるいは地域の再生のために金融機関がもっと思い切ってやっていかなければならないというようなリレーションシップという意味におきますと、これからも努力をしていく、健全化に向けて努力をしていかなければならないものもあろうかと思っております。

○広野ただし君 私は世界に雄飛するメガバンクと地域金融機関は尺度が違うんだろうと思うんですね。それを一律のBIS規制だとか、そういう考え方でやっている。これではもう全く違うわけで、BIS規制でも八%以上だと、自己資本比率がですね、こういうようなこと。あるいは、それと、地域金融機関は特にそういうものがなくていいんですから、それをよく考えてやっていかなきゃいけないと、こう思っております。

ところで、今の金融庁の考え方からいきますと、私はどうも、金融庁の人員というのは物すごく増えました。金融監督庁が発足したときは四百名だった。それが今千二百名になっています。監督行政、検査行政というものを充実しなきゃならない、こういう考え方からきていますが、私は、これがまたある意味では金融社会主義のようにがんじがらめの政策に陥っているんじゃないかと思うんです。

ですから、本来であれば市場に任せるべきことは任せていって、そして、証券取引監視委員会のように、そういうところでチェックをしていくと。ところが、この委員会の方は金融監督庁発足のときは大体百名だった。それが今二百名ちょっとになった。金融庁の方は三倍ぐらいに人員が増えているんですね。ところが、こちらの監視委員会の方は倍だと。これは逆なんですね、本来は。検査行政はある程度大事ですけれども、それ以上のことをやってまいりますと、がんじがらめで、もう手取り足取りのことで、しかも行政が入って、介入をして何をやっているのか。メガバンクを強くしようとしたって一つも強くなるはずがない、こんなことをやっていたらですね。それをある人は金融社会主義だと言うんですよ。官庁の下にコントロールをして、がんじがらめにする。

ところが、世界に雄飛している日本の企業、トヨタもホンダも、ここは業法も何にもない。そして、しっかりとやっています。もちろん、そこのところの会社で、三菱自動車さんのようにタイヤだとか何かのところで大変なモラルハザードを起こしたようなこともありますけれども、そういう世界に雄飛する企業、これをある意味では育てていく。そして、それは事後チェックでがっちりとやるという市場ルール型の、そういう行政になりませんと、これはもう本当に金融社会主義、官僚支配主義の、そういうものになってしまうんじゃないかと、こう思いますので、そのことを指摘しておきたいと思います。

そして、次に産業再生問題について伺いたいと思います。

産業再生は、この問題、本来であれば企業倒産等あれば、これは法的措置をやればいいと。会社更生法だとか産業再生法、あるいは破産法、あるいは倒産法等の法的措置でやればいいというところであったわけですが、二〇〇三年に金融と産業とを一体として再生をさせることが現下の情勢にとって大変大事なことだということで産業再生機構を立ち上げたわけですね。当時の塩川財務大臣は、場合によってはこれは閻魔大王になる、企業の生殺与奪の権を握る、そういう機構になるかもしれないというようなことも心配をしておられました。そのことを考えますと、現在のこの産業再生機構の今までの実績等をどう評価されるか、副大臣から伺いたいと思います。

○副大臣(林田彪君) 広野委員におかれましては、ちょうど一年前にもこの委員会で御質問いただいている中で、先ほど塩川大臣のお話も出ましたようでございますし、その当時は、この産業再生機構、十二案件を受け持っていたんですけれども、今日現在ではそれは四十一件になっております。

そもそも、基本的には、広野委員おっしゃいましたように、民間主体で処理するのが私自身も当然だというふうに思っております。しかし、これ、何でそういう民間でできなかったのかと。その当時からいろいろ、問題と申しますか、議論がされておりますけれども、委員も御案内ように、いわゆるメーンの名寄せの問題、要するに金融機関が、メーンだけではなくて、それぞれにいろんな金融機関に事業者、企業者は融資をお願いしておる等々であって、この名寄せの問題。あるいは、元々が本当にこういう事例に経験がないと申しますか、能力不足と言った方がいいんでしょうけれども、そういうのもあったということでございまして、こうした点も踏まえまして、再生機構といたしましては、いわゆる表裏一体にある、ただ単に金融機関の不良債権の処理というんじゃなくて、産業再生と金融再生はもう表裏一体のものだと、これはもう当然各委員も同じ共有されている問題意識だと思いますけれども、これを共有していただいて、いかにまたそれをスピード感を持って仕上げるかというのがその当時の、この発足のときの思いではなかったかと思います。そういうことからして、期限を限って、公正、中立的な立場から産業再生を支援するということで設置されたものでございます。

評価というようなお話でございますけれども、先ほど申し上げましたように、四十一件、一応今日現在で支援決定しておりますけれども、御案内のとおり、これはもう三月一杯でいわゆる支援決定と申しますか、買取り枠決定は終わりでございまして、あとは、これからが再生機構のある面では厳しいところかと思います。再生機構が引き受けたという以上は、自分自身でもそのリスクを払うと同時に、なおかつ政府保証があるということは最終的には国民の税金に帰着する、棄損させないという大目標を掲げながらやっていくわけでございまして、そういう意味合いではこれからがある面では一つの勝負かなというふうに思っております。

いずれにしましても、十五年の五月にこれが発足いたしまして二年弱になりますけれども、私は、いろんな、一件一件、いわゆる再生モデルを提示したり、いろんな知見、今までなかったノウハウ等をお互いにそれぞれ、民間の方が主でございますけれども、そういうところから知見、ノウハウを集積することによって、要するに個々の企業の再生が進んでいくことがトータルとして産業再生にはつながっていくというふうに思っております。

○副大臣(七条明君) 少し数字が間違っておりまして、先ほどこれを、自己資本比率を九・二五と申し上げましたが、これが十六年の三月期でなく十六年の九月期であると、少し訂正させていただこうと思います。

○広野ただし君 林田副大臣に、詳細なことはいいんですが、やっぱり一般国民の目線からいうと、産業再生機構、現状において百点満点の何点ぐらいなんだと、こういうふうにちょっと伺いたいと思います。

○副大臣(林田彪君) 点数そのものはあれですけれども、立場上、私は百点だと。まだまだしかし試験中だということでございますので、先ほど申し上げましたように、これから三年間でいかにこれを処分していくかということに尽きるわけですから、まだそういう面じゃ道半ばという思いをしております。

○広野ただし君 道半ばなのに百点というのはおかしいんですね。

それと、元々幾つかの企業を、四十一ですか、四十一件、企業数でいくと二百企業ぐらいになると思うんですけれども、その企業を再生をするということがよしんばうまくいったとして、それが本当に産業の再生になるのかと。場合によっては、そういうところを救うことによって過剰な企業がたくさんあって、また、債務を整理しますと身軽になって、今度は今までまじめにやっていたところが割を食う形になるわけですね。

そして、いったん再生機構入りあるいはRCC送りというふうになったところがよみがえってくると、これは大変なモラルハザードを起こすわけです。まじめにこちらはやっていたのに、こちらは債務を、軽くなって、そしてよみがえってくると、こういうところに何をやったのか分からない。産業が再生しているのか、また大変なモラルハザードを起こしているんじゃないか、緊急避難的な措置というふうに言うけれども、本当にそういうことになっているのか、企業再生にはなっているけれども産業再生にはなっていないんじゃないかと私は言いたいと思います。どう考えられますか。

○副大臣(林田彪君) 四十一件の支援案件を委員もそれぞれ見ていただいたと思いますけれども、確かに企業別の再生というのもありますけれども、中にはやっぱり地域になくてはならない企業、イコールそれが産業であったりというのも入っているのも委員御案内かと思います。

そういう中で、この産業再生機構の支援決定のいわゆる特徴と申しますか、大きな意味は、いわゆる公的機関の債権放棄等も実は入っておりますし、先ほど言いましたように、いわゆる再生機構がこれに支援決定するということは、機構そのものがリスクを背負うというのと同時に、政府保証があるからこれは最終的に国民に負担を掛けてはいけないという中で、私は、委員、確かに大きいくくりの建設産業とか流通産業、あるいはいろんな産業界自身がレベルアップ今の時点でしているかと言われれば、若干ううんと思うところもありますけれども、私はこのことをやっていくことによって必ず産業再生にはつながっていくというふうに思っております。

○広野ただし君 私は別の政策手段があったんだろうと思うんです。これがなかったら地域の中小企業がばたばたといったんじゃないかということではなくて、中小企業金融をしっかりとやれば、地域の金融機関を通じてしっかりとやればやれるんだと。債務保証、政府保証というか、中小企業の保証をやったでしょう。ああいう措置をやればいろんなことができたんですよ。

ですから、別の政策手段があったんであって、こういう産業再生機構によっていろんなモラルハザードを起こしているということから考えると、とても百点満点ということじゃない、私はもう全くの及第点は行かないということを申し述べて、終わりたいと思います。

○委員長(浅尾慶一郎君) 午後一時二十分に再開することとし、休憩いたします。

午後零時三十三分休憩

─────・─────

午後一時二十一分開会

その2へ続く

参議院 財政金融委員会 2号 平成17年03月08日

2005年03月08日 (火)

162-参-財政金融委員会-2号 平成17年03月08日

○委員長(浅尾慶一郎君) ただいまから財政金融委員会を開会いたします。

委員の異動について御報告いたします。

去る二月八日、主濱了君が委員を辞任され、その補欠として尾立源幸君が選任されました。

また、去る二月九日、谷合正明君が委員を辞任され、その補欠として西田実仁君が選任されました。

─────────────

○委員長(浅尾慶一郎君) 財政及び金融等に関する調査を議題といたします。

財政政策等の基本施策について、谷垣財務大臣から所信を聴取いたします。谷垣財務大臣。

○国務大臣(谷垣禎一君) 今後の財政政策等の基本的な考え方につきましては先般の財政演説において所信を申し述べたところでありますが、本委員会において、重ねて所信の一端として、今後取り組むべき課題等について申し述べます。委員各位の御理解と御協力をお願い申し上げます。

財政の現状は、平成十七年度末の公債残高が五百三十八兆円程度に達する見込みであるなど、非常に厳しい状況にあります。こうした状況が続きますと、経済の成長を阻害することになりかねません。

このため、持続可能な財政を構築することが重要な課題であります。今後とも、二〇一〇年代初頭の基礎的財政収支の黒字化を目指し、歳出歳入両面からバランスの取れた財政構造改革を進めていく必要がありますが、これに取り組むに当たっては、次の三つの点を踏まえる必要があると考えております。

第一に、歳出面において、特に社会保障制度の見直しが不可欠です。社会保障の給付と負担は、このままでは経済の伸びを大きく上回って増大していくと見込まれます。将来にわたり持続可能な制度を構築するには、年金、医療、介護等を総合的にとらえ、給付と負担の規模を国民経済の身の丈に合ったものとすることを目指す必要があります。あわせて、自助と公助の役割分担の見直しのほか、次世代の国民を育てていくことの大切さの再認識や高齢者を一律に弱者ととらえる考え方の見直しといった意識改革が重要であると考えております。

第二に、歳入面において、少子高齢化やグローバル化等の大きな構造変化に対応し、あるべき税制を構築していかなければなりません。このため、これまでの政府・与党の方針を踏まえ、景気低迷時に講じた措置の見直しを含め、社会共通の費用を広く公平に分かち合うとともに、持続的な経済社会の活性化を実現するため、税制改革の具体化に取り組んでまいります。

第三に、持続的な財政の構築には、国、地方を通じて取り組んでいく必要があります。こうした観点から、国と地方のいわゆる三位一体の改革については、地方の権限と責任を拡大し、必要な行政サービスを地方自らの責任で選択できる幅を拡大するとともに、国、地方を通じた行政のスリム化を図ることが重要と考えております。

こうした財政構造改革の取組に対して国民の御理解を得るに当たっては、財政の現状を分かりやすく説明するとともに、行政改革を推進しつつ、徹底した歳出の見直しや予算の質の改善に取り組まなければならないと考えております。

平成十七年度予算及び税制改正におきましては、以上の認識の下、歳出歳入両面の改革に取り組むこととしております。

歳出面については、歳出改革路線を堅持、強化する方針の下、聖域なき改革を行っております。

これにより、一般会計全体の予算規模は八十二兆千八百二十九億円、一般歳出の規模は四十七兆二千八百二十九億円となり、一般歳出は三年ぶりに前年度の水準以下に抑制いたしました。

特別会計については、事務事業の見直し等の視点から、着実な改革を進めております。また、政策評価や決算の反映など、予算の質の向上に取り組んでおります。

歳入面については、三位一体の改革との関係で、平成十八年度に国、地方を通ずる個人所得課税の抜本的見直しが必要となることを展望しつつ、平成十一年以降、景気対策のための臨時異例の措置として継続されてきた定率減税について、導入時と比較した経済状況の改善を踏まえ、その規模を二分の一に縮減することとしております。あわせて、住宅税制、金融・証券税制、国際課税、中小企業関係税制等について適切な措置を講じることとしております。  これにより、租税等の収入は四十四兆七十億円を見込んでおります。また、その他収入は三兆七千八百五十九億円を見込んでおります。

以上、歳出歳入両面における取組の結果、新規国債については、発行予定額を四年ぶりに前年度よりも減額し、三十四兆三千九百億円となり、一般会計の基礎的財政収支も昨年度に続き改善するなど、財政規律堅持の姿勢を明確にすることができました。

また、国債残高が多額に上り、今後も大量発行が見込まれる中、国債管理政策を財政運営と一体として適切に運営していく重要性がますます高まってきております。これまでも国債市場特別参加者制度の導入等各種施策の実施に鋭意取り組んでまいりましたが、今後とも、国債の確実かつ円滑な消化、中長期的な調達コストの抑制を図るため、市場のニーズや動向等を踏まえた国債の発行等、国債管理政策の一層の充実に努めてまいります。

さらに、財政投融資については、すべての財投事業について、財務の健全性等の総点検を行い、財政投融資残高において大きなウエートを占める住宅金融公庫、都市再生機構についての見直し等を実施しております。これにより、将来の財務上の懸念を解消し、財投事業の健全性を一層確かなものとしております。

平成十七年度財政投融資計画については、特殊法人等整理合理化計画等を反映しつつ、事業の重点化、効率化に努め、総額を十七兆千五百十八億円に抑制しております。

これらとともに、国際機関やG7、アジア諸国等と協力し、世界経済の安定と発展に貢献してまいります。特に、我が国と密接な関係を有するアジアにおいて、通貨危機の予防、対処のための域内の枠組みであるチェンマイ・イニシアチブの見直しやアジア債券市場育成イニシアチブの推進等に取り組んでまいります。また、租税条約の改定に取り組んでまいります。

為替相場については、経済の基礎的条件を反映し、安定的に推移することが重要であり、今後とも、その動向を注視し、必要に応じて適切に対処してまいります。

さらに、WTO新ラウンド交渉や経済連携交渉に努力してまいります。こうした交渉においては、税関手続の簡素化や国際的調和を含む貿易円滑化にも取り組んでまいります。

最後に、今国会に提出しております財務省の法律案について御説明いたします。

第一に、平成十七年度における公債の発行の特例措置及び年金事業等の事務費に係る負担の特例措置を定める平成十七年度における財政運営のための公債の発行の特例等に関する法律案でございます。

第二に、先ほど御説明いたしました平成十七年度税制改正における諸措置を盛り込んだ所得税法等の一部を改正する法律案でございます。

第三に、税関における水際取締りの強化と通関手続の一層の迅速化等を内容とする関税定率法等の一部を改正する法律案でございます。

第四に、国際開発協会への追加出資を内容とする国際開発協会への加盟に伴う措置に関する法律の一部を改正する法律案でございます。

今後、御審議のほどよろしくお願い申し上げます。

以上、財政政策等に関する私の所信の一端を申し述べました。今後とも、皆様のお力添えを得て政策運営に最善を尽くしてまいる所存でございますので、浅尾委員長を始め委員各位におかれましては何とぞよろしくお願い申し上げます。

○委員長(浅尾慶一郎君) 次に、金融行政について、伊藤内閣府特命担当大臣から所信を聴取いたします。伊藤内閣府特命担当大臣。

○国務大臣(伊藤達也君) 金融担当大臣の伊藤でございます。引き続きよろしくお願いを申し上げます。

本日は現下の金融行政について一言申し述べさせていただきたいと思います。

最近の経済情勢を見ますと、景気は一部に弱い動きが続いており、回復が緩やかになっているものの、先行きについては、企業部門の好調さが持続しており、世界経済の着実な回復に伴って、景気回復は底堅く推移すると見込まれております。

こうした状況の下、政府としては、日本銀行と一体になって金融・資本市場の安定を目指し、引き続き強力かつ総合的な取組を行うとともに、集中調整期間終了後におけるデフレからの脱却を確実なものとするため、政策努力を更に強化することとしております。特に、金融行政においては、引き続き金融システムの安定強化、金融・資本市場の構造改革と活性化に強力に取り組んでいるところです。

まず、金融システムの安定強化に関しては、構造改革を支えるより強固な金融システムを構築する観点から、金融再生プログラムの諸施策の推進に全力を尽くしているところです。

主要行に関しては、不良債権比率が十四年三月期の八・四%から十六年九月期には四・七%に低下し、主要行の不良債権比率を本年度末までに十四年三月期の半分程度に低下させるとの目標の達成に向けて、順調に低下しております。

また、中小・地域金融機関に関しては、中小企業の再生と地域経済の活性化を図ることで不良債権問題も同時に解決していくことを目指し、平成十五年三月に公表したリレーションシップバンキングの機能強化に関するアクションプログラムの諸施策を推進しております。

金融庁としては、本年三月末までに不良債権問題を正常化できるよう、手綱を緩めることなく、金融システムの安定強化に一層注力するとともに、四月からは予定どおりペイオフ解禁拡大を実施することとしております。

次に、金融・資本市場の構造改革と活性化について御説明いたします。

我が国金融をめぐる局面は、ただいま申し上げたとおり、不良債権問題への緊急対応から、将来の望ましい金融システムを目指す未来志向の局面に展開しつつあります。こうした状況の下、金融庁では昨年末に「金融改革プログラム

金融サービス立国への挑戦」を策定したところです。

このプログラムにもあるとおり、今後の金融行政においては、健全な競争の促進と利用者保護を図り、多様な金融商品やサービスを国民が身近に利用できる金融サービス立国を、官の主導ではなく、民の活力で目指す必要があると考えます。

また、金融・資本市場の構造改革を促進する観点から、銀行等の代理店制度について、規制改革・民間開放推進三か年計画を踏まえ、金融サービスを提供するチャネル機能として柔軟に活用でき、新たなビジネスモデルに資するよう、所要の制度整備等を行うほか、根拠法のない共済について契約者保護ルールを適用するとともに、保険会社のセーフティーネットの必要な見直しを行うこととしております。さらに、証券市場の国際化の動向に的確に対応しつつ、最近の証券市場をめぐる状況の変化等を踏まえ、証券市場に対する信頼性を確保するため、最大限の対応を取ってまいります。

ただいま申し上げた施策を実現するため、本国会においては、銀行法等の一部を改正する法律案、保険業法等の一部を改正する法律案及び証券取引法の一部を改正する法律案の提出を予定しております。

法律案の詳しい内容につきましては、今後、改めて御説明させていただきますが、当委員会の浅尾委員長及び委員の皆様方におかれましては、よろしくお願いを申し上げます。

○委員長(浅尾慶一郎君) 以上で所信の聴取は終わりました。

本件に対する質疑は後日に譲ることとし、本日はこれにて散会いたします。

午後零時二十三分散会

 

参議院 本会議 5号 平成17年02月09日

2005年02月09日 (水)

162-参-本会議-5号 平成17年02月09日

○議長(扇千景君) これより会議を開きます。

日程第一

平成十六年度の水田農業構造改革交付金等についての所得税及び法人税の臨時特例に関する法律案(衆議院提出)を議題といたします。

まず、委員長の報告を求めます。財政金融委員長浅尾慶一郎君。

─────────────

〔審査報告書及び議案は本号末尾に掲載〕

─────────────

〔浅尾慶一郎君登壇、拍手〕

○浅尾慶一郎君 ただいま議題となりました法律案につきまして、委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。

本法律案は、衆議院財務金融委員長提出によるものでありまして、平成十六年度に地域水田農業推進協議会から交付される水田農業構造改革交付金等について、個人が交付を受けるものについては、これを一時所得に係る収入金額とみなすこととし、農業生産法人が交付を受けるものについては、圧縮記帳の特例を設けることにより、それぞれ税負担の軽減を図ろうとするものであります。

委員会におきましては、提出者衆議院財務金融委員長金田英行君より趣旨説明を聴取した後、採決の結果、本法律案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。

なお、本法律案に対し附帯決議が付されております。

以上、御報告申し上げます。(拍手)

─────────────

○議長(扇千景君) これより採決をいたします。

本案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。

〔投票開始〕

○議長(扇千景君) 間もなく投票を終了いたします。

──これにて投票を終了いたします。

〔投票終了〕

○議長(扇千景君) 投票の結果を報告いたします。

投票総数

二百二十五

賛成

二百二十五

反対

よって、本案は全会一致をもって可決されました。(拍手)

─────────────

〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕

─────・─────

参議院 財政金融委員会 10号 平成16年12月02日

2004年12月02日 (木)

161-参-財政金融委員会-10号 平成16年12月02日

平成十六年十二月二日(木曜日)
午後零時十二分開会
─────────────
○委員長(浅尾慶一郎君) ただいまから財政金融委員会を開会いたします。
これより請願の審査を行います。
第二号消費税の大増税反対に関する請願外三十二件を議題といたします。
本委員会に付託されております請願は、お手元に配付の付託請願一覧表のとおりでございます。
これらの請願につきましては、理事会において協議の結果、いずれも保留とすることといたしました。
以上のとおり決定することに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(浅尾慶一郎君) 御異議ないと認め、よって、さよう決定いたしました。
─────────────
○委員長(浅尾慶一郎君) 継続調査要求に関する件についてお諮りいたします。
財政及び金融等に関する調査につきましては、閉会中もなお調査を継続することとし、本件の継続調査要求書を議長に提出したいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(浅尾慶一郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
なお、要求書の作成につきましては委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(浅尾慶一郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
─────────────
○委員長(浅尾慶一郎君) 委員派遣に関する件についてお諮りいたします。
閉会中の委員派遣につきましては、その取扱いを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(浅尾慶一郎君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。
本日はこれにて散会いたします。
午後零時十三分散会

 

 

参議院 本会議 10号 平成16年12月01日

2004年12月01日 (水)

 

161-参-本会議-10号 平成16年12月01日
○議長(扇千景君) 日程第二 金融先物取引法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)
日程第三 租税特別措置法の一部を改正する法律案
日程第四 貸金業の規制等に関する法律の一部を改正する法律案
(いずれも衆議院提出)
以上三案を一括して議題といたします。
まず、委員長の報告を求めます。財政金融委員長浅尾慶一郎君。
─────────────
〔審査報告書及び議案は本号末尾に掲載〕
─────────────
〔浅尾慶一郎君登壇、拍手〕
○浅尾慶一郎君 ただいま議題となりました三法律案につきまして、委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。
まず、金融先物取引法の一部を改正する法律案は、金融先物取引をめぐる環境の変化に対応し、金融先物取引の委託者等の保護を図る必要性にかんがみ、一般顧客を相手方とする店頭金融先物取引やその媒介等を金融先物取引業に追加するとともに、金融先物取引業の許可制から登録制への変更、金融先物取引業者に対する自己資本規制の導入その他の規制の適正化等、所要の措置を講じようとするものであります。
委員会におきましては、外国為替証拠金取引の実態、金融先物取引市場整備のための今後の課題等について質疑が行われましたが、その詳細は会議録に譲ります。
質疑を終了し、採決の結果、本法律案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
なお、本法律案に対し附帯決議が付されております。
次に、租税特別措置法の一部を改正する法律案は、衆議院財務金融委員長提出によるものでありまして、個人のする政治活動に関する寄附を引き続き促進するため、税制上の優遇措置の期限を延長しようとするものであります。
次に、貸金業の規制等に関する法律の一部を改正する法律案は、衆議院財務金融委員長提出によるものでありまして、近年、貸金業を営む者により、債務者等の公的給付を貸付けの契約に基づく債権の弁済に充てるため、当該公的給付が払い込まれる預金又は貯金の口座に係る預金通帳等を保管する等の行為が行われ、多数の公的給付の受給権者が生活に困窮している状況にかんがみ、このような行為についての処罰規定を整備すること等により、公的給付の受給権の保護等を図ろうとするものであります。
委員会におきましては、以上の二法律案を一括して議題とし、趣旨説明を聴取した後、順次採決の結果、二法律案はいずれも全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
なお、貸金業規制法改正案に対して附帯決議が付されております。
以上、御報告申し上げます。(拍手)
─────────────
○議長(扇千景君) これより三案を一括して採決いたします。
三案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。
〔投票開始〕
○議長(扇千景君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
〔投票終了〕
○議長(扇千景君) 投票の結果を報告いたします。
投票総数
二百三十五
賛成
二百三十五
反対
よって、三案は全会一致をもって可決されました。(拍手)
─────────────
〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
─────・─────

 

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