あさお慶一郎(前衆議院議員 神奈川4区)

国会活動

参議院 財政金融委員会 3号 平成17年03月15日(その2)

2005年03月15日 (火)

○委員長(浅尾慶一郎君) ただいまから財政金融委員会を再開いたします。

休憩前に引き続き、財政及び金融等に関する調査を議題とし、財政政策等の基本施策に関する件及び金融行政に関する件について質疑を行います。

質疑のある方は順次御発言願います。

○大門実紀史君 大門でございます。よろしくお願いします。

今日は、足利銀行が破綻をして一年何か月かたちましたけれども、この問題が起きたときから私取り上げてまいりましたけれども、二月に栃木県に行って今の段階での地域経済がどうなっているか調査をしてまいりましたんで、それに基づいて、現場のいろんな声出ておりますので質問さしていただきたいと思います。ちなみに、そのときは足銀本店、副知事、RCC、あと鬼怒川温泉街でホテルの社長さんと懇談をしてまいりました。いろいろ出てきている要望に基づいて幾つかお伺いしたいと思います。

二月の二十八日に足利銀行が資産買取り、第二回、決定したことについてというものを発表いたしまして、要するに、一時国有化中の足利銀行が、簿価で三千九百七十八億円の不良債権をRCCに五百六十四億で売却するということを発表いたしました。これは金額で見るとただの金額でありますけれども、これは具体的に言えば中小企業等々、そういう企業のことでございます。

足銀本店の調査では、担当者が、むやみやたらにRCCに送っているわけじゃないと、再生可能なものはもう足銀の中で相当努力をして、どうしようもないといいますかね、もう仕方ないものだけRCCに送っているんだとか、個人住宅とか住宅ローンについてはオフバランスに含まれていないとか、あるいは生活の息の根が止まるようなものはRCC送りにはしていない、あるいは温泉については再生のスタンスで対応しているというような話を聞いて、その点ではちょっと安心をしたところでございます。

金融庁も、竹中大臣のときからでしたけれども、伊藤大臣もそのとき副大臣でずっとこの問題一緒に聞いておられたんで変わらないと思いますが、確認のために伺いますが、そういう中小企業等々を生かすべきものは生かすと、そういうスタンスで金融庁もこの問題、足銀本店に対するアドバイス、指導をされていると思いますが、その点、確認のために一言お願いしたいと思います。

○国務大臣(伊藤達也君) 委員からは足利銀行の問題について重ねて御質問をいただいておりますし、中小企業の再生に配慮すべきだという御指摘をいただいていることを私も十分承知をいたしております。

そして、足利銀行におきましても、中小企業の再生を実現していくことは企業価値の向上につながるんだと、こうした考え方を明らかにしているところでございますし、また、オフバランス化に当たっても、先ほど委員からも直接調査をされて足利銀行の考え方についてお話があったところでございますが、そうした方針の下で適切な対応がなされているというふうに承知をいたしておりますし、また、私どももそうした観点から足利銀行の対応というものをフォローアップしていきたいというふうに思っております。

○大門実紀史君 ありがとうございます。

預金保険機構に伺います。

このRCCが買い取るということは、具体的にはRCCが決められるわけではなくて、預金保険機構で判断をされているというふうに思いますけれども、今大臣も言われましたけれども、足銀本店が言うように、再生可能なものは足銀の中でやっている、それ以外のものをRCCに送っていると、だから、むやみやたらに何でもかんでも生きていける企業までRCC送りにしていないと足銀の方は言っておりますけれども、預金保険機構もそういう判断で買取りをお決めになったかどうか、お願いいたします。

○参考人(永田俊一君) おっしゃるとおり、そのような心組みでやっております。

○大門実紀史君 問題は、本当にそのとおりに、そういうふうに、だれが見ても、私はすべて救えと言っているわけではございません。いろんな問題がありましたけれども、生きていけるところまでRCC送りになって回収に遭ってきたという事例が余りにも多いものですから心配をしてきているわけですけれども、今言われたとおり、本当にそのとおりならいいわけなんですけれども。

ただ、このRCCに送られるものというのは、件数でいきますと千八百件、千八百社といいますか、千八百業者といいますか、に上るというふうに言われております。私は、そもそも本当に千八百件ももう既に破綻してどうしようもないものを足銀が今まで抱えていたのかというのもちょっと不思議な気がいたしますけれども、いずれにせよ、RCCの宇都宮支店でも伺いました。RCCに来たものは回収が基本ではありますけれども、即回収に掛けるということではありませんと、再生の芽が、もうどうしようもないという判断したものはもちろん回収になりますけれどもと、だから、生きている企業、従業員もいると、そういうものは無理無理処分してつぶすということはやらないというふうな話でありました。こういう立場で頑張ってほしいなというふうに思うわけですけれども、実際にはそれを、千八百業者、千八百社をちゃんと仕分ができるのかどうかを心配しております。

RCC、預金保険機構に伺いますけれども、RCCの宇都宮支店には職員は何人おられますか。

○参考人(永田俊一君) お答えいたします。

現在、宇都宮支店におきましては、企業再生業務の経験者を含めまして三十四人の担当者がおりまして、このほか補助者として五名おります。

○大門実紀史君 私もこの地域金融の破綻問題にずっとかかわってまいりましたけれども、三十四人で千八百案件を精査する、その中で再生可能なものを見極める、そういうことが実際問題、実態としてできるものなのかどうか、いかが判断されておりますか。

○参考人(永田俊一君) 御説明申し上げます。

足利銀行から引き継がれました債権につきましては、今おっしゃりましたように、宇都宮支店が担当をしておりまして、その他の地域の債務者に対しましては東京の業務第三部というものが担当しておりますが、宇都宮支店におきましては必要な人員増強を行いまして、先ほど申し上げましたような三十四名体制にしてきているわけであります。

足利銀行から引き継ぎました債務者企業の再生可能性の判断につきましては、RCCは検討段階から、拠点、担当拠点、宇都宮支店ですね、のみならず、本部の関係部署等が緊密に連携しながら取り組んでいるものと承知しております。大型の事業につきましては担当本部が直接所管することも想定しておりまして、体制の不備というようなことは懸念されない、ところはないのではないかなというふうに私どもは承知しております。

○大門実紀史君 是非、体制は大丈夫だということですからそういうふうに取り組んでもらいたいと、ちゃんと生かすべきものは生かすということでお願いしたいと思います。

足銀本店に聞きましたら、それぞれのその千八百社に対して、本人にお宅はRCC行きですよということを伝えるのは三月の末ごろになるだろうと、三月末からずっと伝えていくことになるだろうというふうに言われておりました。したがって、この問題が、足銀問題というのはいろいろ心配が、不安がありましたけれども、しばらく、何といいますか、静かだったんですが、具体的には、あなたはRCC送りというのが通知され始める今月の末辺りからずっと、何でうちがRCCなんだということも含めて、具体化、顕在化してまいります。それは私も現地と連絡取り合いながら今までやっておりましたけれども、RCC送りにすべきものでないというのもありましたし、そういうところは個別にでもRCCさんに違うんじゃないかということも申し上げていきたいというふうに思います。いずれにせよ、これから始まることですので、先ほど言われた立場できちっとお願いしたいと思います。

次に、この足銀問題にかかわる産業再生機構の事業再生のことを伺います。

今回、この足銀関係で産業再生機構が事業再生を手掛けられた案件というのは全体で何件になるか。そのうち、特に栃木は温泉が多いものですから、温泉街のことがずっと問題になっていますけれども、そのうち温泉ホテルは何件か、ちょっと教えていただけますか。

○政府参考人(藤岡文七君) お答え申し上げます。

産業再生機構は現在四十一件の支援決定を行っております。そのうち、足利銀行が申込債権者として持ち込まれた案件は十一件でございます。その十一件のうち九件が温泉旅館の案件でございます。

○大門実紀史君 ありがとうございます。

この関係で足利銀行が債権放棄をいたしております。その債権放棄、まず総額は幾らしているか教えてもらえますか。

○政府参考人(藤岡文七君) 産業再生機構といたしましては個別の銀行が幾ら債権放棄をしたかという数字については発表をいたしてございません。ただ、トータル、例えば温泉案件でいたしますと、トータルの金額でございますけれども、債権放棄額としては四百十億円ということになってございます。

○大門実紀史君 私は金融庁にお伺いしたんですけれども、金融庁は足銀に対してアドバイス、指導する立場にあると思いますが、債権放棄の金額言えないんですか、金融庁の方から。これ、公的資金が入るところですから、当然そういうのは言うべきじゃないですか。

○国務大臣(伊藤達也君) 産業再生機構を活用した案件にかかわる足利銀行の債権放棄額についてでありますけれども、十一件の総額が五百十六億円、九件の旅館業にかかわる債権放棄の額が三百六十八億円、四件の鬼怒川温泉の旅館にかかわる債権放棄の額が三百二十二億円になります。

○大門実紀史君 ありがとうございます。

全部触れる時間ないんで、この鬼怒川温泉の四件についてもう少しお聞きしたいと思いますけれども。

産業再生機構に伺いますが、鬼怒川温泉というのは数百軒という旅館、ホテルがあります。なぜ、この四件だけ、こういう再生、あるいは債権放棄の対象になったんですか。理由を教えてください。

○政府参考人(藤岡文七君) 恐縮でございます。個別具体的なことはお答えできませんが、一般論で申し上げますと、まず、機構に案件を持ち込むか、持ち込まれるか否かにつきましては、銀行と個々の事業者の判断に任されるということでございます。それにいろいろ基づきまして、産業再生機構が個々の事業者を支援するか否かにつきましては、支援基準に基づき、産業再生委員会において厳正に判断することとなってございます。

鬼怒川温泉の旅館についてでございますが、個々の事業者とメーン銀行でございます足利銀行におけます判断で機構に案件が持ち込まれまして、三年以内に事業者がいわゆる生産性向上基準とか財務健全化基準などを満たすということを前提として、産業再生委員会、これは機構の中に設けられております委員会でございますが、厳正な判断をした結果、四件の支援決定が行われたものというふうに承知してございます。

○大門実紀史君 例えば、名前はちょっと出すのはやめますけれども、鬼怒川温泉で有名な大変大きなホテルがございます。鬼怒川温泉四件での三百二十二億ですけれどもね、そのうちの一件、大きなホテルですけれども、二百二十七億借金があって、百九十二億も債権放棄がされております。足銀の判断が当然あったのも承知をしております。

私は温泉街の再生についてはこの委員会でも何度も地元の要望を取り上げてまいりましたけれども、温泉街というのは歯が抜けるようにつぶれてしまったりしたら、もう温泉街のイメージが悪くなってお客が来ないと、だから一体で再生してほしいというのがそもそもの要望でありました。産業再生の担当だった金子前大臣がいったんその要望を受けて、一体で再生することを考えようと一遍は言われたんですが、やっぱり個別の企業ごとの再生だというふうに言い換えられたという経過もあるぐらい地元にとっては強い要望だったわけです。

ただ、この四件ですね、どういう基準で四件選ばれたかといいますと、これは、私、実際に見てまいりましたし、地元の話もいろいろ伺ってまいりました。簡単に言いますと、この四件は施設が、比較的といいますか、新しいんです。新しいんです。これは足銀にとっていいますとどういうことになるかというと、これは再生機構に送れば、債権が余り劣化することなく、債権放棄もしてもらっていますから全部正常債権化できる有利な、足銀にとっていえば有利な再生案件になるわけですね。そのために足銀が非常に熱心にこの四件のホテルの経営者に、ホテルの経営者にとってはやっぱり再生機構の扱いを受けるのはいいか悪いか悩みます。それを足銀が一生懸命説得をしてこの四件を再生機構の再生案件にしたということも伺ってきております。しかも、この四件のホテルの経営者は替わりますけれども、ほとんど親族が次の経営者になると、非常にちょっと変な話だなと思うわけです。

設備が新しいということはどういうことかといいますと、それまで設備投資をたくさん早く、更新の設備投資をどんどんやってきたわけですね。つまり、そのときの借金を足銀からしたわけですから、たくさん借金もあるのが当たり前、身の丈以上の設備投資をしてきたから借金が多くて不良債権案件になったと、こういう仕組みのホテルなわけですね。それを、公的資金を入れる足銀がそういうところほど債権放棄をしてあげると、で、再生してあげると。これは、温泉街のほかの人たちは一生懸命借金を返しながら、歯を食いしばって、設備投資だってやりたいけれども借金増やしたくないから工夫をしていろいろやってきているまじめなといいますか、まともな経営者の人たちにとってみれば、何でここだけが、ここだけが助けられるのかと。鬼怒川温泉の中で一番バブル的な設備投資をしたところがかえって債権放棄を何百億も受けて、税金が掛かりますよね、再生されるのかと、非常に疑問が沸き起こっているんです。

まず、伊藤大臣、経過は御承知ですからお聞きしたいと思いますけれども、こういう再生案、これが、何といいますか、産業再生なんでしょうか。これがあのときにさんざん議論した、温泉街のためにみんなで頑張ろうといった地域再生になるんでしょうか。これは私は、ほんの一握りのホテルの、しかもずさんなことをやってきたホテルだけを助けるようなことになっていないかというふうに思うんですが、いかがでしょうか。

○国務大臣(伊藤達也君) 委員からは、多額の債権放棄をしてもらって再生されているホテルがある一方で、零細な旅館については債権放棄がなされずに、そうした点は問題ではないかと、こういう御指摘を踏まえた御質問ではないかというふうに思っておりますが、私どもは、足利銀行のその経営に関する計画において、債権放棄を含めた金融支援を実施するに当たっては、債務者企業の再生に対する誠意、意欲、能力、そして再生の可能性、経済合理性、経営責任及び株主責任などに関する諸条件を総合的に勘案した上で判断していくとの方針が示されており、足利銀行においては、こうした方針に沿って個々の債務者企業に対し債権放棄を含めた金融支援を実施しているものと考えているところでございます。

いずれにいたしましても、足利銀行においては、現在も引き続き温泉地域のホテル、旅館も含めて再生支援の条件に合致する企業について、デューデリジェンスの実施やあるいは再生計画の策定など、具体的な取組を進めているところと承知をいたしておりまして、金融庁としてはこうした取組を適切にフォローアップをしてまいりたいというふうに考えております。

また、先ほど委員から、面的な再生、面的な視点からの再生も重要だと、こういう御指摘もございました。温泉地域の活性化のためには、企業の再生に加えて、地域の再生というものが重要であると私どもも考えているところでございまして、これまでも地元自治体を中心に、地域再生、地域振興のための取組が行われていると承知をいたしておりますので、今後とも引き続きこうした取組というものが着実に進展していくことを期待をしているところでございます。

○大門実紀史君 そうおっしゃいますけれども、総合的な判断とかの結果がこのモラルハザードといいますか、一生懸命頑張っている温泉の経営者は、何だあれはと、もうまじめに働く気しない、借金返す気しないと。あんなに鬼怒川の温泉街の中で問題になってきて、どんどんどんどん建て増しをしているあのホテルが借金こしらえた挙げ句債権放棄で助けられて、何でうちはまだ借金を一生懸命返しながら頑張らないけないのかと。こういうモラルハザードが生じているということを是非承知した上で、足銀にもそういう状況になっているという報告があったということを是非伝えてもらいたいと。その上で、ほかの中小といいますか、旅館、ホテルの支援を強めてもらいたいと思います。

私は、ここに調査に入って、もう一つ問題点といいますか、ここちょっと変だなと思ったのは、いろんなファンドが、もう時間の関係で一個一個触れませんけれども、再生ファンド、私ども、実は中小企業再生ファンドをつくって支援すべきだと提案をさせていただいて、いろんなところへ出資しましょうという、最初の構想のときには提案をさせてもらった方でございますけれども、それで幾つかのファンドはできておりますが、そのファンドに大和証券SMBCプリンシパル・インベストメンツ、つまりSMBCPIという投資会社といいますか、そういうものがそれぞれのファンドにかんでおります。しかも、業務支援会社、運営会社、そういうところにも全部この大和証券SMBCが関与しております。

私は、こういう一つの地域を大事に再生していこうというようなファンドにいろんな金融機関が出資してもらわなきゃいけないんですけれども、どうも投資的なところが出資するとやっぱりリターンを求めると。それで、投資の仕組みからいくと、やっぱりハイリターンを求めなきゃいけないという宿命を負っていますから、これはハイリスク・ハイリターンならまだいいんですけれども、こういう公的なファンドにかかわるとローリスク・ハイリターンが取れるというふうな仕組みにもなっていて、このことが実は地元ではかなりうわさといいますか、何なんだろう、あの会社はというふうになっております。

先ほど言ったある大きなホテルでは、もう大和が付きっきりになって再生のアドバイスをしていると。三年後ですか、再生機構が売却するときには売り抜けるんじゃないかというようなことまで、もう疑心暗鬼が一杯広がっている状況ですね。先ほどのこととか併せてこういうことが言われているわけですね。

私は、余りこういうスキームにそういう投資を目的とした証券会社が絡むのはどうなのかなと。特に、温泉というのは、設備投資の関係でいきますと、長期で融資の返済とか、いろいろ見なきゃいけない存在ですから、短期で回収をしなきゃいけない、リターンを得なきゃいけないところが絡むのはどうかなというふうに思っています。そういうことも、さっき言った再生案件を非常に限られたところに絞って、手っ取り早く債権放棄させて、ちょっとぴかぴかにして売却しようということに、そういう構図になっているんじゃないかなというふうに思います。

いずれにせよ、おかしなことが今、鬼怒川温泉が一つの象徴でありますけれども、この足銀問題では進んでいるということを指摘しておきたいと。またこの案件については、この点については地元の情報が入りましたら質問したいと思います。

このままではとにかく支援を受けられない中小企業だとか旅館やホテルが生まれます。そうなると、地域経済に大変な影響を与えていくことになります。副知事とお話ししましたけれども、副知事の認識も、栃木県の副知事の認識も、今年の夏から秋にかけて正念場だと、さっき言ったようなことがいろいろ起きてくると。特に鬼怒川温泉などのホテル、旅館とか、まあ中小企業もそうですけれども、どう支援していくのかがこれから問われるんだということを副知事もおっしゃっております。

そういう点で、栃木の中小企業再生ファンドについて伺いますけれども、このスキームそのものは私も作ってもらいたいと要望したものの一つでありますけれども、これは、今一件ごとの申請、個別案件ごとの審査が基本でありますけれども、これは仮に何軒かのホテルあるいは中小企業が共同して申請をすると、そうした場合、全体、地域といいますか、全体見て対応するというふうな形も考えていただけるのかどうか、これは中小企業庁だと思いますが、お願いいたします。

○政府参考人(野口泰彦君) お答えいたします。

地域中小企業再生ファンドは、協議会と連携を取りながら、協議会と申しますのは中小企業再生支援協議会でございますが、協議会と連携を取りながら再生のツールとして機能しているものでございます。

基本的には、協議会は個別の中小企業の相談に応じましてこうした再生ファンドを活用しながら再生計画や金融機関との調整を行ってきておるものでございますが、先生御指摘の温泉街全体の活性化につきましては、まずは地元の事業者団体や自治体等の関係者が連携して取り組んでいくことが必要であると考えますが、仮に商店街を構成する企業がまとまって相談に来られる場合には、温泉街全体の再生の方向を考慮に入れながら、最終的には個々の中小企業の再生支援を行うということになろうかと思っております。

○大門実紀史君 是非、そういう立場で、今後相談があれば対応をお願いしたいというふうに思います。

もう一つ、中小企業庁、伺います。

今のようなスキームを私も想定しているわけですけれども、地元の要望があって、もちろん関連の金融機関の出資があれば、二つ目のファンド、第二ファンドといいますか、そういうものに中小企業基盤機構でしたかね、が出資するということもあり得るんでしょうか。例えば、もうちょっと分かりやすく言いますと、自治体がイニシアチブを取って、まあ鬼怒川温泉だったら藤原町とか、そういうことになりますが、イニシアチブを取って、ですから、それ、町と地元の金融機関とそういう温泉街で幾つかまとまった事業者が何か形をつくると、組合をつくってもいいですし。そういうものに、そういう構想の中のファンドに出資するということは柔軟に考えれば私は可能ではないか、検討の余地があるんじゃないかと思いますが、いかがですか。

○政府参考人(野口泰彦君) お答えいたします。

栃木の地域中小企業再生ファンドは、栃木県内の金融機関と、先生御指摘にございましたように、中小企業基盤整備機構の出資によりまして組成されております。現在の組成額は五十億円という規模でございまして、これはほかの既にできておりますファンドと比べましても規模的には大きいものでございます。

仮に投資案件の増加によりましてファンドの資金が不足した場合には、地域金融機関と中小機構が出資に合意することによりまして新しいファンドを組成する場合もあろうかと思いますし、また既存のファンドを増額するという対応の仕方もあると思いますが、今現在五十億円の総額のファンドがございますので、これを有効にまずは活用していただくということが重要かと思っております。

○大門実紀史君 先ほどの言われたことからいくと、今私が申し上げたことも検討する対象になるというふうに思います。

いずれにせよ、問題はこれから表面化いたしますので、政府の責任で後のフォロー、中小企業の再生はきちっとやっていこうということになっているわけですから、いろんな問題が起きると思いますが、真剣に中小企業のフォローに取り組んでいただきたいということを申し上げて、質問を終わります。

○愛知治郎君 自民党の愛知治郎でございます。

特に、今日は所信に対する質疑なんですけれども、私自身、個人的に若い世代の代表というか、若い世代を代表して何点か質問をさせていただきたいというふうに思います。

といいますのも、財務状況の改善、財政改革というのは本当に待ったなしの状況だと思います。特に、先ほど午前中の質問でもあったんですが、若者の問題、失業の問題であるとかニートの問題であるとか、ああいう指摘がありましたが、一点だけはっきり申し上げなくてはいけないのが、若者、私の同世代、もっと下の世代もそうですけれども、大まじめにというか議論をしているんですが、どんなに働こうが全部税金でどうせツケ回されて取っていかれるんだろうという議論が当たり前のようになされております。そして、私自身もこのまま行けばそのとおりだろう、そのとおりになるんじゃないかという危惧も抱いております。待ったなしの問題だと思います。

この点について、前に前任の塩川大臣のときに、予算委員会だと思うんですけれども、質問させていただいたときに、いや、若い世代に対してツケを回しちゃいかぬと、やるべきことはやらなくちゃいけないということをお話しになられておりました。

この点で、まず最初に、総論ではありますけれども、財務大臣、財政の改革、どこまで徹底的にやるか、それから公平な負担という観点からもそうですし、若者のやる気を出させるために、頑張れば報われるんだという社会にするために、その覚悟、見解を聞かせていただきたいというふうに思います。

○国務大臣(谷垣禎一君) 私どもは、こういうところで議論をさせていただくときに、プライマリーバランスの回復をしなきゃいけないなんて言うわけですけれども、甚だ分かりにくい言葉でありまして、平たく言えば、要するにそのときいただいた税金でそのときの政策を打とうと、ツケを、だからそうした先送りしないようにしようというのがプライマリーバランスの回復ということであるわけですね。当たり前のことなんですけれども、これが全然できていないというのが今の財政の現状でございます。

私どもは、まずこれを回復するのを一番今の第一歩の目標としているわけですけれども、その心は、今、愛知議員がおっしゃいましたように、このごろ少子化対策をどうしていくんだとか、いろんなことが言われますけれども、一番根本は、今、愛知委員がおっしゃったように、結局幾ら働いても全部税金で、それまでのツケで持っていかれちゃうんじゃないかと、あるいは、自分たち子供をつくったって、こういうようなツケは先送りしていくようじゃ全然希望が持てないよねと、こういうようなことになったんでは活力もへったくれもあったものではないというふうに私は思います。

もちろん、個々の少子化にどうやっていくか、若い方の、例えばニート問題とか失業問題にどう対応していくかと、個々別々の政策は具体的に考えなければいけませんけれども、財政規律を回復していくというのはいろんな意味合いがございますけれども、今、愛知委員のおっしゃった視点からも、私は基本的な我が国の取るべき政策なのではないかと考えておりまして、これに全力を尽くして当たりたいと思っております。

○愛知治郎君 ありがとうございます。

この問題、政治家である以上、国民の皆さんに負担を例えば多く求めていくというのは、やはりつらいことだし、なかなか理解してもらうのも一苦労というか、理解してもらえない状況でもありますけれども、しっかりとこれは粘り強く説明をしながらやっていかなければならないというふうに思います。やる気を、もちろん若者にやる気を出させるという点ももちろんですが、日本の信用自体、これも回復していかなければならない。

時間があればちょっと国債についてお話をしたかったんですが、取りあえずはその前に全般の見直し、歳出の見直しについて、一点、質問をしたいというふうに思います。

といいますのも、やはり改善すべきところ多々ある、いろんな分野でこれは直した方がいいんじゃないか、歳出も見直ししなくちゃいけないんじゃないかというのを、私自身も愕然とするほど、これだけまだ改善の余地があるのかというのを思い知らされている状況でもあるんですけれども。

一点だけ、先日の予算委員会で取り上げられた問題ではあったんですが、地方の公務員の問題ですけれども、無駄遣いという問題が指摘をされておりました。この点について、基本的には地方の問題ではありますけれども、じゃ国としてすべて地方に任せていいのか、何か取るべき手段がないのか、その点をちょっと確認をさせていただきたいというふうに思います。

○国務大臣(谷垣禎一君) 今、愛知委員がおっしゃったのは地方公務員の給与あるいは福利厚生の、まあ過剰な福利厚生といったようなことをおっしゃったんじゃないかと思います。

それで、個別の市町村ないし自治体でどうしているかということは、それぞれの自治の立場もございますので財務省として個別に申し上げるわけにはいきにくいと思っておりますが、財務省が関与している範囲で申し上げますと、今まで地財計画の中で、今おっしゃった御指摘の点は、一般的な行政経費の単独事業あるいは地方公務員の給与という形で出ているわけですけれども、それは標準的な経費として算定されたものよりもはるかに多いものがそちらに回されるという実情がございました。それは、一般的な投資経費として計上されたものが、これはハードからソフトへという極めて合理的な理由もあってのことでございますけれども、そういう投資経費として計上されたものが、今おっしゃったような公務員、地方公務員の待遇や福利厚生というものに、過剰なものに回されていたという現実が私はなかったとは言えないと思っております。

それで、やはりそういった辺りの算定はできるだけ透明にして、外に向かって説明できるものにして積み上げて、きちっと算定をしていくということでなければならないのではないかと思っております。

今年、今までは例えば予算と決算の乖離というようなことがございまして、なかなか実態も明らかにしづらい面があったのも事実でございますが、できるところからやっぱりそれは改善していかなきゃいけないということで、今年は麻生大臣にも随分努力をしていただいて、一歩を進めたつもりでございます。今後ともこれは、こういう歩みは進めて、説明ができるようなもの、透明なものにしていく努力を続けなければいけないと思っております。

○愛知治郎君 ありがとうございます。

今、地財計画というお話しされましたけれども、その抜本的な見直しに踏み込んでいくという理解でよろしいんでしょうか。

○国務大臣(谷垣禎一君) そういうことでございます。

○愛知治郎君 ありがとうございます。

やはり一生懸命取り組んで、必要なものだったら若い世代も負担していこうと、先輩方というか、親の世代から受け継いだもの、もちろん守っていかなくちゃいけないし、もっと戦後大変な時期もあったんだからじゃ頑張ろうよという気にさせるような姿勢で取り組んでいただければ頑張れると思います。

ただ、歳出の面で、確かに無駄遣いは、これはもう徹底的に洗い直さなくちゃいけないんですが、一方、やはり負担は国民の皆さんにしていただかなければならないし、これは若い世代といえどももうしようがない、これは理解できて、これは協力しなくちゃいけないという部分は協力しようという姿勢であると思います。

私自身もそれはそうだと思うんですが、さて、じゃその歳入、どのような形で負担を求めていくか。前のこの財政金融委員会でも消費税についてお話をさせていただいたんですが、今日はちょっとそれ以外の話で、新しい税制ということで環境税、この問題についてちょっとお伺いをしたいというふうに思います。

一言で言って、まだまだこれは議論を深めていかなければならない問題ではありますけれども、この環境税について、今の段階での財務大臣の所見を伺いたいというふうに思います。

○国務大臣(谷垣禎一君) 今、京都議定書の目標達成計画というのが策定に向けて各省庁で議論が進んでいるところですね。それで、その中で環境税というものをどういうものとして位置付けて、その目標達成計画の中でそれを動かしていくのかということをよくよく踏まえて、ということは、要するに、環境対策全体の中でこの税金を何に使っていくのか、どういうものとして機能させていくのかということの詰めが私は必要なんではないかと思います。

財務省としては、そういう観点から、今、今の御議論を注意深く見守って、私どもも決して反対とかいうような立場であるわけではありません。きちっとまとまればやっぱりきちっとそれを組み立てて動かしていかなければいけないと思っております。

○愛知治郎君 ありがとうございます。

この環境税考える上で、何となくの税という形で話してもしようがないんで、関連する税制、やはり全般的な見直しが必要じゃないかというふうに思います。特に、エネルギー税制、これエネルギーに掛かっている税制全般に対してはやはり一度見直しをしっかりするべきではないかと思うんですが、その点の所見を伺いたいというふうに思います。

○国務大臣(谷垣禎一君) 環境政策全体の中でどういうふうに位置付けていくかが大事だと申し上げましたけど、それと関連しまして、今委員のおっしゃったエネルギー関係の税制全体の中でどう位置付けていくかというのも関連した非常に重要なテーマだと思います。

それで、エネルギー税制には、ガソリンを、揮発油を対象とする揮発油税、それから地方道路税、それから自動車用の石油ガス、LPGを対象とする石油ガス税、それから地方税として軽油を課税対象とする軽油取引税といったような自動車燃料に対する諸税がございますし、そのほかに航空機燃料を課税対象として、国、地方の空港整備に充てられております航空機燃料税、それから原油や輸入石油製品、石炭といったものを課税対象として石油対策などに充てられている石油石炭税、それから一般電気事業者の販売電気を課税対象として電源立地対策などに充てられている電源開発促進税というようなものがございますが、これらのうち、石油石炭税それから電源開発促進税については、平成十五年度でエネルギー政策を見直したのに伴いまして、石油税については石炭への新規課税を入れて石油石炭税に改めると、それから電源開発促進税の税率が引き下げられたと、併せてその歳出面についても石油石炭税の税収を温暖化対策にも充てようということにされたわけでございます。

環境税を検討する場合には、こういったエネルギー税制全体、それの今までの流れ、こういったものを踏まえて検討していくことが私は基本的に必要だと思います。

それで、その検討に当たりましては、先ほども申したことでございますけれども、環境税の導入目的、環境税、何に課税対象としていくのか、それはどういうねらいを、ねらいと効果を求めてやるのかというようなことについて十分詰めた議論が必要ではないかと思っておりまして、まだ、課税当局の立場としてはそこまでちょっと踏み込んでこうだろうというところまではまだ議論が進んでいないように思っておりますので、更に議論は詰めていただかなきゃいけないし、またいかなきゃならぬものだと思っております。

○愛知治郎君 ありがとうございます。

正におっしゃられるとおりで、しかもそのエネルギー税制一つにとっても、まあいろんな分野にまたがって、今おっしゃられたとおりに様々な種類の税制がしかれております。ただ、分野が余りにも広範囲であるからこそ財務省が中心になって総合的な判断をしていただかなければならないというふうに思います。

さっきのお話、午前中でも出ましたけれども、特会の話ですね、石油特会であるとか電源特会であるとか、その見直しされたと言いましたけれども、まだまだ詰めるところ、これからしっかりとできる部分があると思いますので、是非検討をしていただきたいというふうに思います。

税制、いただくところだけじゃなく、歳入面だけではなくて歳出面についても、これは環境一つにとっても見直しが必要なのではないかというふうに思います。端的に言いますと、環境名目のこの予算だけでもかなり広範囲にわたっていますし、これは本当に環境目的なのかなという予算の名目が付いているところも多々あります。この点でも全般的な見直しをやはりしていかなければならないんじゃないかと思いますが、その点についてもお伺いしたいというふうに思います。

○副大臣(上田勇君) まず最初に、いわゆる環境関連の今の大体予算ということでありますけれども、政府全体の環境保全関係の予算、これは各府省にまたがっているものですから、これを環境省において取りまとめておりますけれども、それが平成十七年度予算案におきましては総額で二兆三千六百五十四億円となっております。

ここに計上されております環境保全経費、これは環境保全を主たる目的とするものと、また、環境保全を主たる目的とするものではありませんけれども環境保全上必要な効果や一定程度の、効果が一定程度認められるものというものとしております。これらに、ここに計上されているものは環境保全施策の推進に資するものであるというふうには考えております。

ただ、今委員から御指摘があったように、環境という名前が付けば何でも予算が付くんじゃないかというような御懸念ということだろうというふうに思います。そういう意味では、私たちも本当に環境保全を目的とした個々の施策をプラン・ドゥー・シー、そうした観点から本当に環境保全に資するものかどうか、これからも予算編成過程においてきっちりと精査して、適正な予算を編成していきたいというふうに考えております。

○愛知治郎君 是非お願いします。

今、一点、環境のお話をさせていただきましたけれども、これは広範にわたって見直すべきところはもうすべてですね、およそすべてに一度見直すべきだと私自身思いますので、大変な作業だと思うんですが、是非よろしくお願いを申し上げます。

もう一つ、これは時間があればということで後に回しますけれども、では、金融大臣に質問をさせていただきたいというふうに思います。

午前中もまたありましたけれども、金融システムの安定強化、それから構造改革と活性化ということで所信で述べられておりました。そして、安定強化から構造改革活性化に視点を移さなければならないということも午前中にいただきました。力強いお言葉で大臣からいただきました。この点について、改めてその姿勢を一度伺いたいと思います。

○国務大臣(伊藤達也君) 今委員から御指摘をいただいたところでございますけれども、我が国の金融をめぐるフェーズというものはやはり変わりつつあるというふうに私自身考えております。それは、不良債権問題に見られる緊急対応から、活力というものを重視をして将来の望ましい金融システムというものを構築をしていく、そういうフェーズに今大きく転換しつつあるんではないか、そうした問題意識の下に、私どもとして昨年の末に金融改革プログラムを策定をさせていただいたところでございます。

このプログラムの目指すところは、多様な金融商品・サービスというものを国民が身近で安心して活用できる、利用者の満足度が高く、そして国際的にも高い評価が得られて、そして地域経済にも貢献できるような金融システムというものを実現をしていきたい、それを官の主導ではなくて民の力で実現をしていくことを目指しているところでございます。

また、本プログラムに盛り込まれている諸施策を実施していくことによって間接金融に偏重していた我が国金融の流れを、直接金融や市場型間接金融を活用した国民に多様で良質な金融商品・サービスの選択肢を提供できるものに変化していくことによってリスクに柔軟に対応できる経済構造の構築にも資するものであるというふうに考えているところでございます。

こうした観点から、私どもとして、金融改革プログラムに盛り込まさせていただいた諸施策というものを着実に実施していくことによって、そして活力ある金融システムというものを実現をしていきたいというふうに思っております。

○愛知治郎君 ありがとうございます。

おっしゃるとおりだと思いますし、今本当に大事な時期、大胆にシフトをして思い切った施策を取っていかなければならない、そして結果を出さなければならないという時期だと思います。その結果ということで、ちょっと振り返りまして、資金調達の、過去まあちょうど三年ほどで構わないんですが、資金調達の状況をお伺いしたいというふうに思います。

十三年度末それから十六年度末の民間企業が金融機関からの借入れを行ったその例というか、実績を伺いたいというふうに思います。

○副大臣(七条明君) お答えさせていただきますが、日本銀行の資産循環統計、金融資産・負債残高表によりますと、先ほど先生、十三年三月ということでございますから、十三年三月末で三百五十三兆七千億円、あるいは十六年の三月末で二百七十八兆二千億円というふうになっております。

○愛知治郎君 ありがとうございます。

この数字、単純に引いてみますと七十五兆円減っていると。減っているということですね、三年間で。あえて、貸出しの方になると数字がぼやけてくるところがあるので、借入れ、民間企業の借入れということでお話をさせていただいたんですが、七十五兆減っている。これは現実の数字であります。もちろん、金融システムそのものを守るために破綻させてはいけないという施策を取ってきたというのは分かるんですが、現状、日本経済がこれで上向きになるはずがないと私自身は思っております。だからこそ安定強化をまず図ったと。この三年間血を流しながら、痛みを伴いながらやってきた。だからこそ、これから攻めの姿勢、守りから攻めの姿勢に変わらなくてはいけない。それをやらない限り日本経済は再生し得ないというふうに私自身は考えております。その点で、是非しっかりと前向きな取組を大臣にお願いを申し上げたいというふうに思います。

これらの実数、一概に責めるつもりはないですし、しようがなかった部分もあるんでしょうけれども、その点で、これはそこまでやる必要がなかったんじゃないかという例、これは実情からちょっと乖離しているんじゃないかという例がゼロではないと思います。私自身、そのマニュアルに対していろいろ修正をすべきだというふうに思っていたんですが、それは行われているということでもあるように伺ってはおるんですが、一点だけ確認をしたい点がございます。

といいますのも、マニュアルで、全部紋切り型ですべて決めるという話ではないんで、現状、実情をしっかりと把握するためにもということをお話ししたかったんですが、一点だけ、漁業を営む方にお話を伺ったことがあるんですね。これは農林中金という話ではあるんですが、遠洋漁業をされている方の資金繰りに関して、例えば一年とか、半年とか一年、一回漁に出ると帰ってこないんですね。その間の資金繰り、知らない間に止められてしまったというと全く身動きが取れなくなっちゃう、操業できなくなっちゃうという不安を抱えているんだという話を聞いたことがあります。

様々なケースがありますんで一概にマニュアルだけではすべてを判断することはできないんじゃないかと思うんですが、この点についてお伺いをしたいというふうに思います。

○国務大臣(伊藤達也君) 委員も御承知のとおり、中小企業の経営実態というものを十分踏まえた検査というものを確保していくために、私どもといたしまして、金融検査マニュアル別冊・中小企業編というものを策定をさせていただいて、そして昨年の二月に更に改訂をさせていただいて、きめ細かな検査を実施をしていくということをさせていただいているところでございます。

この金融検査マニュアル別冊では、例えば台風の被害を受けた、水産物の販売施設が被害を受けた事例など、一時的かつ外部的な影響により赤字や債務超過となった企業の判断について、当該企業の財務状況のみを機械的、画一的に判断するのではなくて、キャッシュフローの状況を重視するとともに、財務状況についても債務超過原因や赤字原因などを総合的に判断する必要がある旨示しているところでございまして、また、業種の特性を踏まえた検討も求めているところでございます。

金融庁といたしましては、今後とも、金融検査マニュアル別冊・中小企業編に即し、更にきめ細かな検査の確保に努めるとともに、同別冊というものを検査官そして金融機関等にも周知をしていきたいというふうに考えております。

○愛知治郎君 ありがとうございます。

先ほどの漁業についてはいかがでございましょうか。

○国務大臣(伊藤達也君) 今も御答弁をさせていただいたように、その業種の特性というものを踏まえた検討というものをこの検査マニュアルの中で求めているわけでありますから、その漁業の特性というものを十分勘案をして対応していかなければいけないというふうに考えているところでございます。

いずれにいたしましても、きめ細かな検査を確保していくということが大変重要でありますので、そうした観点からの検査というものを実施をしていきたいというふうに思っております。

○愛知治郎君 ありがとうございました。

ちょっと農林中金の件についてお伺いをしたかったんですが、管轄がちょっと違うのもありまして、まあ結構です。

もう一つ、そのきめ細かな状況を踏まえていくというのは本当に必要でありますし、その点で前向きな取組としてリレーションシップバンキングということがございます。私は、もうこれは間違いない話で、非常に有意義な取組だと思いますし、どんどん増やしていかなければならないと思うんですが、現状の今の実績を伺いたいというふうに思います。

○政府参考人(佐藤隆文君) リレーションシップバンキングの実績についてでございますが、御案内のとおり、平成十五年の三月に私どもでリレーションシップバンキングの機能強化に関するアクションプログラムというのを策定させていただきました。

ここにおきましては、各金融機関がそれぞれにリレーションシップバンキングの機能強化計画を策定し、平成十五年度と平成十六年度、この二年間の集中改善期間に中小企業金融の活性化、そして金融機関としての健全性確保、収益性向上に向けた取組を進めるということで、同時に不良債権問題の解決を目指すというふうにされておるところでございます。

これに従っての実績が少しずつ出てきておるわけでございますけれども、この集中改善期間二年間のうちの一年半の実績が出てまいりました。十六年度上半期まででございますけれども、これを見ますと、次のような進捗が見られるというふうに思っております。

幾つかの分野に分けてちょっと報告をさせていただきたいと思いますけれども、一つ目は、企業の創業支援あるいは新事業支援という分野でございます。この分野につきましては、融資審査体制を始めとする体制面の強化がある程度進んできておりまして、こういった中で地域の産学官の連携を前提とした産業クラスターサポートローンであるとか、あるいは創業支援融資商品といったものが出てきているということでございます。

二つ目といたしまして、取引先企業に対する経営相談であるとか支援といった機能でございますが、この分野におきましては経営情報やあるいはビジネスマッチングの情報を提供するといった取組の強化が進んでおります。また、銀行におきましては、十六年度上半期までに経営支援を行った債務者のうち約二割、数にいたしまして七千三百先でございますけれども、この企業において債務者区分の上昇という成果が出てきております。また、ビジネスマッチングの成約件数というのもこの一年半で一万二千五百十九件という件数に及んでおります。

それから三つ目に、融資先企業の早期事業再生ということに向けた取組でございます。

一方で、この事業再生を行うためのノウハウの習得過程にまだあるといった金融機関も一部ございますけれども、他方で、例えば中小企業再生支援協議会の活用等によって着実に企業再生に向けた取組が進んでいるということも見て取れますし、また、デット・エクイティー・スワップであるとかあるいはデット・デット・スワップといった新しい手法を活用した企業再生という取組も進んできておるということでございます。デット・エクイティー・スワップの活用が三十九件、デット・デット・スワップの活用が十九件という実績が出てきております。

それから、最後、四つ目に、担保、保証に過度に依存しない融資など新しい中小企業金融の手法への取組という分野でございますけれども、この分野におきましては、スコアリングモデルであるとか、あるいは財務制限条項、コベナンツを活用した融資への取組といったことが全体として進んできております。また、私募債の引受けであるとか、あるいは証券化の技術を使った取扱いといった資金調達の多様化、中小企業の資金調達の多様化に向けた取組も進んできているというふうに認識いたしております。

以上がリレバンの言わば概括的な進捗状況ということでございます。

○愛知治郎君 細かくありがとうございました。

ただ、もっと端的に、件数とそれからその金額の実績を、全体を合わせた数字を教えてください。

○政府参考人(佐藤隆文君) 全体を単純に足し上げるのはなかなか難しいわけでございますけれども、先ほどの例の中で、例えばスコアリングモデルを活用した商品による融資というのは数字を申し上げませんでしたので付け加えさせていただきますと、この一年半で二十二万二千件、金額にいたしまして二兆百十八億円といった実績が出てきております。それから、財務制限条項を活用した商品につきましても、この一年半で三千三百八十三件、金額にいたしまして一千八十九億円といった実績が出てきております。

○愛知治郎君 ありがとうございました。

件数としては非常に多く進んできているということは分かるんですが、実数ですね、金額ベースでいうと、大体先ほどの十六年度末に二百七十八兆という話がありましたけれども、その一%にも満たないということですので、やはり全体として見ればまだまだ少ない。ここをとにかく倍増どころか十倍増にしていかなければならないぐらいではないかというふうに思います。是非とも前向きの攻めの姿勢で取り組んでいただきたいというふうに思います。

ありがとうございました。

○山口那津男君 公明党の山口那津男でございます。

私は、昨年、この委員会で中小企業の再生について、リレーションシップバンキングのアクションプログラムに関して御質問をさせていただきました。

〔委員長退席、理事平野達男君着席〕

当時、伊藤大臣、副大臣のころでありまして、これについて、例えば企業再生ファンド、RCCの信託機能、さらに産業再生機構あるいは中小企業再生支援協議会の活用等、これらを要請して進めていると、こういう御答弁であったわけであります。大手行の不良債権処理あるいは大企業の再生等についてはかなり進んできていると思いますが、中小企業あるいは地域の金融機関についてはまだこれからという部分もあろうかと思います。

そこで、今日は、その中小企業再生支援協議会、この実態と成果について少し尋ねてみたいと思います。

まず、中小企業庁にお尋ねいたしますけれども、十五年二月、平成十五年二月からこの事業が実施をされまして、わずか二年間ぐらいでありますけれども着実な成果を上げてきていると私は思います。相談件数が六千企業弱ぐらいに上っておりますし、再生計画策定を支援しているのは七百五十件、あるいは既に再生計画策定を完了したものが四百件を超える、さらに、雇用を確保したものが二万五千人を超えると、こういう成果でありますから、これはわずかな期間の間に着実に伸びているという評価ができると思います。  しかしながら、この現場の個々のケースを見た場合に、社会に存在するニーズに対してその再生支援の処理というものが迅速的確に対応できているかどうか。これは、もっと早く、スピード感を持って処理するということが中小企業の側から求められているのではないか。これらの対応について中小企業庁としてはどのような認識をされておられますか。

○政府参考人(野口泰彦君) お答えいたします。

中小企業再生支援協議会の実績につきましては、先生が今おっしゃられたとおりでございます。

協議会の案件支援につきましての迅速性についてでございますが、協議会におきましては、相談に来られた案件に対しまして、それらの実情を踏まえてきめ細やかな対応を行うとともに、できるだけ迅速な対応に努めております。体制面でも、平成十七年度予算案においては前年度に比べまして三億円増の二十九億七千万円を要求し、強化を図っている所存でございます。

〔理事平野達男君退席、委員長着席〕

こうした状況の中で、協議会が中小企業の再生計画策定を支援するに当たりましては、まず当該企業の状況を正確に把握しまして、その次にその企業の実情に合わせた改善策を立案する、さらにそれに基づきまして複数の金融機関と調整するという必要がございまして、この一連の過程を完結するにはある程度の時間が必要な場合がございます。

いずれにいたしましても、今後とも、こうしたプロセスの迅速な処理をいたしまして、中小企業のスピード感ある再生に努力をしていきたいと思っております。

○山口那津男君 この迅速的確な対応をするためには、やっぱりマンパワーもある程度必要であると、こう思うわけであります。

実際は、各都道府県で相談員を設けて、ここに専門家が配置しているわけでありまして、例えば金融機関のOBでありますとか、あるいは公認会計士や中小企業診断士、その他有資格者等を配置しているわけですね。しかし、これらの方々がどれほどの専門性を持っているか、現に活躍している人以外にどれほどの予備軍としてそういう能力を持った人たちがいるか。この辺の人材の確保あるいは養成というところについてはまだ問題点があるのではないかと思います。特に、その個別の分野では専門家であったとしても、例えば、私は弁護士をやっておりましたが、その法律面ではそれなりの専門性を自認しているとしても、これが税務やあるいはその他経営全般に対する総合性という面ではやっぱりじくじたるものがあるわけですね。これはそれぞれの有資格者が同じような思いをしているわけでありまして、やっぱりその相談あるいは再生全体に対処する総合性というものも必要だろうと思います。

そういう意味での専門性が要求されているわけでありまして、この人材の確保という面でどのような認識をされておられるでしょうか。中小企業庁、御答弁願います。

○政府参考人(野口泰彦君) お答えいたします。

中小企業の再生に当たりましては、中小企業の事業内容や課題が多種多様でございます。したがいまして、先生がおっしゃられますように、単にその会計なら会計だけ、税務なら税務だけという個別の知識だけではなくて、総合的な知識による対応というものが必要になってまいります。そうした意味で、こうした総合的な知識、能力を有する人材の確保というのが一方では大変重要になってきているわけでございます。が、一方で、なかなかそういう人材がすぐに見付かるというわけではございませんので、やはりそういう総合的な人材を見付けるとともに、チームワークで対応していくということも一つの道だと思います。

いずれにいたしましても、可能な限り最良の人材を選定し、現在配置しているということでございます。さらには、常設のこうした専門家だけではなくて、外部からも公認会計士の方、税理士の方、中小企業診断士の方等々、専門家を集めまして個別の支援チームを編成しております。こうした形で、総合的な知見で、チームワークで再生計画の支援を行っているという実態でございますが、人材育成それから人材確保については、今後とも適正な方々を育成、配備するよう努力していく所存でございます。

○山口那津男君 私は、この迅速な処理をする、そして総合的な専門的知見で解決を図るという意味で、もっともっとやっぱり人が必要であるということを実感いたします。

それから、活動の実績を見ますと、例えば東京、これはその予算の中で年間で一億一千万ほど商工会議所がお預かりいたしまして、五人の専門家を常用いたして相談に当たっているわけですね。そして、全国的な面で見れば、支援案件が四十件、そして完了案件が十八件と、これは全国的に見れば最も高い水準にあるわけであります。この中小企業の分布という点からいっても、東京を始めとする大都市に案件が多いということは確実に言えるわけですね。

しかし、また一方で、例えば茨城県、栃木県、静岡県あるいは鳥取県、島根県、こういったところ、大分県も含めて、中小企業の分布以上に案件が非常に多いと、処理案件が多いと、こういう実績を持っております。で、これは地域の再生ファンドをつくっている自治体でありまして、それらとの関係というものもあるんだろうと思うんですね。で、この支援協議会に対する予算の配分というのは、もちろん東京の半分以下だろうと思います。

そういうことを考えたときに、その予算の配分と実績というものは必ずしも一致しているわけではない。また、中小企業等の分布に応じて配分されているわけでもない。もっとこれを、実績とその予算の投入あるいはマンパワーの投入との相関関係というのをもっと詳細に分析をして効果を上げる必要があると思うんですね。

先ほど東京で例を挙げましたけれども、東京はその地域の中小企業の再生ファンドというのは設けておりません。逆に、自治体で銀行、金融機関をつくると、こういう試みをしているわけですね。で、商工会議所に五人が常駐しているといっても、これが全東京の中小企業の再生ニーズを全部満たすとは到底思えないわけであります。

ですから、私は、その効果、そして予算との費用対効果の分析、これらを踏まえてもっと力を入れるべきであると、予算総額も増やすことが必要でしょうし、様々な効果と分布の関係で配分を調整すると、こういうことも必要だろうと思います。これらについて、まず中小企業庁の考えをお伺いしたいと思います。

○政府参考人(野口泰彦君) お答えいたします。

冒頭先生から御説明がございましたように、現在、その再生計画の策定中あるいは策定済みのものを含めまして、今七百六十六件ございます。今後、協議会にこうした再生計画策定の支援を依頼する中小企業者の数は引き続き増加傾向にございますし、加えまして、地域の金融機関からも持込み案件は今後更に増加するという声を広く聞いております。したがいまして、協議会に対するニーズはこれからもますます増えるものと思っております。こうしたことを踏まえまして、先ほども申しましたような予算の増額を、三億円の増額を政府予算案として、現在今国会に提出中のところでございます。

今後とも、ニーズの大きな地域の協議会についてはめり張りの利いた重点的な配分を図るなど、地域の実情に応じて必要な予算配分をして中小企業の再生に万全を期していきたいというふうに思っております。

○山口那津男君 今のお話のようにやりようがいろいろとあると思われるわけであります。財務大臣に是非こういう現場のニーズ、特に我が国の場合、農林水産業関連の財政資源の配分とこの中小企業に対する配分というのは大きな乖離があると、こういうふうに思います。是非とも、この点も御理解いただいて対処していただきたいと御要望を申し上げておきます。

さてそこで、金融大臣、金融担当大臣に伺いますが、リレーションシップバンキングの機能強化に関するアクションプログラム、これは集中改善期間というのが十六年度までというふうになっております。先ほど同僚議員から実績を求める質問がありまして、詳細な答弁がありました。この集中改善期間を間もなく終了するに当たって、今後どうするかということについて、まず、この期間の評価をするということと、それ以後のこれまでの活動を継承する新たなもの、新たなプログラムを作るということ、この二つが要請をされていると思います。  大臣として、まずその評価の面についてどう現時点でお考えになるか、お答えいただきたいと思います。

○国務大臣(伊藤達也君) 現時点でのそのリレーションシップバンキングの機能強化に関するアクションプログラムの取組についての評価についてお尋ねをいただいたところでございますが、具体的な実績については先ほど監督局長から御説明をさせていただいたところでございますが、私どもといたしましては、こうした取組によって経営改善支援のための体制整備やあるいは政府系金融機関との連携など、基本的な体制の整備というものは相当程度定着が図られているのではないかと。また、担保や保証に過度に依存しない融資の取組の強化、拡充というものも図られてきていると。そういう意味からしますと、総じて着実に進捗をしているというふうに考えているところでございます。

しかしながら、特に、創業あるいは新しい事業の支援でありますとか、先ほど委員からも御指摘がございました早期の事業再生などの分野を始めとしたリレーションシップバンキングの機能強化、こうした取組については効果が顕在化していくまでやはり時間が掛かってまいりますので、今後ともこうした取組というものを地道に着実に推進をしていくことが重要であるというふうに認識をいたしているところでございます。

そして、さらに、今後の課題でありますけれども、地域の特性というものを踏まえて、選択と集中による個性ある地域密着型金融の推進、そして事業再生等における実効性ある取組と具体的成果の早期の実現、更には収益性向上、健全性確保に結実するような取組の推進というものが考えられ、これらの点を踏まえた地域密着型金融の更なる機能強化に向けての取組が期待をされていると考えているところでございます。

○山口那津男君 先ほどの質問で、地域の中小企業再生支援ファンドといいますかね、これが現在できているのが六県なんですね、予定されているのがあと一県ありますけれども。いずれにしても、当初言われたほどには設立が十分ではないと、進んでいないという現状です。ところが、これ、いざつくったところの成果を見るとかなりの効果を上げているんではないかとも見られるわけですね。

ですから、そういうことも踏まえて、次のアクションプログラム、これを充実させていただきたいと思うんでありますが、その策定の方針についてお考えをいただきたいと思います。

○国務大臣(伊藤達也君) 御指摘の点でございますけれども、金融改革プログラムにおきましては、中小企業金融の円滑化及び中小・地域金融機関の経営力強化を促す観点から、関係省庁との連携を図りつつ、地域密着型金融の一層の推進を図るため、現行のアクションプログラムについて実績の評価を行った上で、これを承継する新たなアクションプログラムを策定することとされているところでございます。

これを受けて、現在、金融審議会の第二分科会において、第二部会において、リレーションシップバンキングのあり方に関するワーキンググループにおいて、現行のアクションプログラムの実績等の評価等について精力的に御議論をいただいておりまして、ここにも中小企業庁にもオブザーバーとして参加をしていただいております。

その結果を踏まえて、私どもとして新たなアクションプログラムを策定をしていきたいというふうに考えているところでございますが、各金融機関に対しましては、地域の特性を踏まえた個性的な計画というものを策定をして、これを自主的な経営判断と情報開示による規律の下、選択と集中により推進するよう要請するとともに、中小企業庁等の関係省庁とも連携をしつつ地域密着型金融の一層の推進を図っていきたいと考えております。

○山口那津男君 正にこの中小企業庁との連携、これは非常に大事な視点だろうと思いますので、是非とも次のプログラム、よろしくお願いしたいと思います。

さて、次に財務大臣にお伺いしたいと思います。

所信でお述べになられたところでありますけれども、「次世代の国民を育てていくことの大切さの再認識や高齢者を一律に弱者ととらえる考え方の見直しといった意識改革が重要である」と、こうお述べになっております。また一方で、「年金、医療、介護等を総合的にとらえ、」というふうに言及をされております。この年金、医療、介護、これは厚生労働行政の立場からいうと保険制度を中心にしてこれらを上げると、さらに、「等」というところにその他の福祉を盛り込んでいると、こういう理解になるんだろうと思いますけれども、しかし、例えばその少子化、この子育てという面についてはこのその他「等」、その他福祉の中に位置付けられるだけでいいのかどうかというのは極めて疑問であります。

私は、やはり、この高齢化と並ぶ大きな課題でありまして、高齢化の方はある程度数字が予測できるわけでありますが、少子化というのはある意味でブラインド状態でもあるわけでありまして、これからの取組いかんであろうと思います。そして、昨年末辺りからマスコミ等でも議論されるようになりまして、経済界におきましても年始の各リーダーの発言にもこの少子化への取組ということが目立っているわけですね。そういった意味で私は大きな意識改革が必要であろうと、こう思っております。

大臣の所信もそういう点を十分認識をされた上での発言だと、こう理解をしておりますが、改めて大臣の御認識を伺いたいと思います。

○国務大臣(谷垣禎一君) 山口委員から、少子化対策等、子育て等の重要性にかんがみれば「等」の中にくくってしまうのはいかがかという御指摘をいただいたんだと思います。

私がああいう形で表現さしていただきましたのは、社会保障関係費は、もう今更言うまでもございませんが、十七年度予算で初めて二十兆を超える、一般会計の二四・八%。一般歳出でいうともう四三・一%というところまで参りました。現行制度でいきますと、ままでいくと毎年一兆円以上の自然増ということが見込まれるということでございます。こういうことを受けて、所信表明では、財政構造改革の基本的考え方として、社会保障制度の見直しは不可欠だと。特に、高齢化に伴って今後一層増大する年金、医療、介護等と、それを総合的にとらえて、給付と負担の関係を見直して身の丈に合ったものにすることが必要であると申し上げたわけです。

他方、次世代育成支援につきましては、これはもう今山口さんがおっしゃったとおり、国、地方、それから、こういう行政だけではなく、企業あるいはそのほかの民間挙げて一体となって取り組むことが必要ではないかというふうに私は思っております。

委員もよく御承知のように、政府としても、昨年の末、予算に基づく国の施策だけではなくて、規制改革やいろんな制度改革、そういった働き方の見直しと、こういったようなことも含みまして、企業の取組であるとかあるいは地域の自主的な活動といった総合的な施策を盛り込んで子ども・子育て応援プランというのを作りまして、少子化の流れを変えるために少しでもこれを動かしていこうとしているところでございます。

私としても、その少子化の背景というのは、これはもう様々な要因があると思うんです。それで、今申し上げたようなその子ども・子育て応援プランというような中に示された取組、これはもちろん大事でございますが、それと同時に、所信表明において申し上げたことは、社会保障を支える基盤という意味でも、何も子供を育ててつくっていくのを社会保障を維持していくための目的視するつもりは毛頭ございませんけれども、安定的な持続可能な制度を維持する上からも欠かせない視点ではないかということを特に申し上げたかったわけで、お互いに子育てをして、本当に子供を育てて次の世代の市民として送り出していく、こういう活動が充実したもので生きがいが感じられるんだと。

これは、精神論だけ述べてもなかなかそうならないんだろうと思います。仕組みも必要でございます。しかし、仕組みだけではやっぱりうまくいかないということもあって、お互いそういう意識改革みたいなものもやっぱり時間を掛けて熟成をさせていかなければうまくいかないんじゃないかと、そういう思いを込めて申し上げさせていただきまして、山口委員のおっしゃっていることと違ったことを申し上げているつもりはございません。

○山口那津男君 また、もう一つ、「自助と公助の役割分担の見直し」ということもお述べでいらっしゃいます。自助、公助と言われれば、共助ということも必ずセットで言われることが多いわけであります。この共助が入っていないからおかしいと言うつもりは毛頭ありません。この共助の役割というものも、私は、この少子化対策においては重要だと、こう思っております。

例えば、家庭というもの、家族というものを意識した共助の在り方という議論もあるかもしれませんし、あるいは地域社会、地域というものを意識する、あるいは別な何らかの集団を意識する、いろいろあり得るかと思うんですね。その共助の役割について大臣としてのお考えをお述べいただきたいと思います。

○国務大臣(谷垣禎一君) これも山口委員のおっしゃったこと、私、全く賛成でございまして、自助、公助というほかに共助という重要な世界がやっぱりあると。それでまた、この共助も多様だろうと思うんです。

次世代育成に関しても、制度の中に取り込まれたものとしては、例えば男性の子育て参加を促進することで育児休業を取りやすくしていこうと、それで家族の中で助け合っていこうというのもその一つだと思いますし、それから、地域や企業における子育て支援の取組というのもそうだと思いますし、さらには、国のレベルでは、雇用保険で育児休業給付やその一部を事業主負担で賄って児童手当をやっているというのもそういうことに入るのではないかと思っておりますし、さらに言えば、今もお触れになったことですけれども、NPO等を通じて地域や何かで子育てを助け合いながら、お互い足らないノウハウや精神的なバックアップというようなものを含めてやっていくということも大事ではないかと私は思っておりまして、自助、公助、共助と、これは三本柱ではないかというふうに思っております。

私があそこで共助ということを所信では申し上げなかったのは、社会保障制度の見直しに当たって自助と公助の役割分担を明確にして、どこまで公的分野がかかわっていくのか、そのことの再吟味がないとなかなか持続可能な社会保障制度というものに到達できないだろうという思いから特に公助ということを申し上げたわけでございまして、共助というものを過小評価するというつもりは毛頭ございません。

○山口那津男君 一般歳出や保険も通じた国の歳出の中で、次世代育成に関する給付と高齢者関係の給付というのを比べた場合に、相当な隔たりがあるんではないかと思われます。そのシェアがどれぐらいになっているか、比率でいうとどれぐらいになっているのか、それをお教えいただいた上で、私は、このあるべき財政資源の配分というものをどう考えていくか、これについてもこれから突っ込んだ議論が必要だろうと思っております。ほうっておけば、この高齢者関係の給付のシェアというのはますます高まっていくんだろうと思います。比率だけで見るのもおかしいですし、金額、絶対額、給付の内容、こういう質、量も見ていかなければならないと思っておりますが、そのあるべき財政資源の配分についてのお考えをお述べいただきたいと思います。

○国務大臣(谷垣禎一君) 今手元にあります数字で申しますと、平成十四年度の社会保障給付費で申し上げますと、これは総額で八十三・六兆でございますけれども、高齢者関係給付費の割合が六九・九%、五十八・四兆円でございます。これに対して、児童であるとか家庭関係給付費は三・八%、三・二兆円でございまして、委員のおっしゃるように相当開きがあるのが現実でございます。

先ほど申し上げた子ども・子育て応援プランというのを作って、それを着実に実行していくことが必要だというふうに先ほど申し上げまして、あのプランも予算だけでは必ずしもありませんので、予算だけですべて評価ができるわけではないとは思いますけれども、社会保障給付については、今の申し上げたプランの中でも今後の検討課題は、大きな比重を占めている高齢者関係給付を見直して、これを支える若い世代及び将来世代の負担増を抑えると、それとともに、社会保障の枠にとらわれることなく次世代育成支援の推進を図ると、こういうふうにされておりまして、私は、やはりそういうことを視野に置きながら、いろんな制度あるいは予算措置というのもよくよく吟味していく必要があろうかと思っております。

○山口那津男君 私は、今、参議院の行政監視委員長というお役目をちょうだいしておりまして、参議院がこの行政監視機能を高めるというのは非常に重要なことだろうと思っております。決算という視点、あるいは総務省の行う行政評価の視点、それと並んでこの財務省の予算の執行状況の調査、それに基づく予算への反映と、これも重要な一つの行政監視、政策評価的な機能を持っていると、こう思うんです。

例を挙げてみますと、スクールカウンセラーの活用事業について、昨年、評価をいたして、一定の反映がなされていると思います。この政策をどのように評価して、どう反映したか、その具体的なプロセスと考え方をお述べいただきたいと思います。

○副大臣(上田勇君) お答えいたします。

今御質問にありましたように、予算の執行状況を的確に把握して、予算の効率化、合理化を進めていく、その観点からこの予算の執行調査を平成十四年度から行っております。

今御質問にありましたスクールカウンセラー活用事業、これはもう事業内容についての説明は省略をさせていただきますが、学校に臨床心理士あるいは精神科医といった専門的な知識、経験を有する方をスクールカウンセラーとして公立中学校に配置する事業でございますが、昨年、この予算執行調査を行いまして、その結果、この制度そのものは、先ほども申し上げましたように、資格を持っている専門の方を原則としてそういうスクールカウンセラーに配置をするということでありますけれども、現在の制度では総数の三〇%以内の範囲であれば、どうしてもそういう資格のある人を配置できない場合には、それに準ずる者として臨床心理業務とか児童生徒向けの相談業務など経験のある方々を配置することができるという運用にいたしております。

昨年、その予算執行調査をしたところ、実はこの準ずる者、スクールカウンセラーに準ずる者を多用している地方自治体の方が、原則基準どおりの運営を行っている、専門家だけで行って、資格の持っている専門家だけで行っている自治体よりも地域内の児童生徒の問題行動がより大きく減少していると、効果が上がっているという調査があったところであります。

そうした結果を踏まえまして、財務省としては、平成十七年度の予算の編成過程で、文部科学省の方には、この準ずる者の活用というのをもう少し考えたらどうかということで、制限している現状の取扱いを見直すことで協議をいたしまして、今後、この準ずる者に関する活用制限を撤廃することとして、予算上、その活用を段階的に拡大を見込むとしたところでございます。

ただ、ではこれをどこまで広げるのかというのがいろいろな議論があるところだというふうに思いますが、やはり、専門的な知見、経験を有する人をやっぱりカウンセラーとして派遣するというのが重要なことだろうというふうに思っておりますので、今後、またそういった実績等も踏まえながら更に検討していきたいというふうに思っております。

○山口那津男君 最後になりますが、今の評価にありますように、私は、準ずる者、これを活用するというのは大事なことだと思います。臨床心理士等の資格を持った人をあてがうというのも一つ大事でありますけれども、やはりどうしても生徒児童の側からすると近づきにくいという側面もあろうかと思います。もっとオープンにだれでも相談を寄せられる、そして相談を受けてカウンセリングをして教育現場に戻す、そういう役割を考えたときに、やっぱり教育現場の経験を持った人が別なカウンセリング能力を身に付けて現場で活躍をしていただく。やっぱり、そういう者を配置したところがそれなりの成果を上げているというのが今の評価の実情のことだろうと、こう思っておりますので、是非とも今後ともこの評価を活用していただきたい。

あわせて、この執行状況調査のテーマの選定基準というものについてもこれからよく検討してルール化を図っていただきたいということを要望して、私の質問を終わります。

○糸数慶子君 私、去る三月三日そして四日に、私の地元におきまして、沖縄県におきまして第二回金融専門家会議が開催されて、私もその前半の三日の会議に参加させていただきました。

この会議は、金融業務特別地区、つまり金融特区の活性化と金融ビジネスの可能性を探ることを目的としておりまして、四月に名護市で、証券化事業促進法人、それから沖縄金融特区研究所のその設立が、さらにプライベートバンキングセミナーの沖縄開催が発表されるなど、着実な前進を見せています。第一回目もそうでしたが、福井日銀総裁はテレビ電話の参加で、また五味金融庁長官は直接参加されまして、ともに金融特区に対する期待と支援のごあいさつをいただきました。

伊藤金融担当大臣にお伺いいたしますが、この金融専門家会議についてどのように評価されていらっしゃいますか、お伺いいたします。

○国務大臣(伊藤達也君) 委員にも御出席をいただきました第二回の沖縄金融専門家会議でございますけれども、この会議におきましては、中小企業ローン資産担保証券市場の構想やあるいは電子手形実証実験の取組状況について、民間の金融の専門家の間で議論が深められたものと承知をいたしているところでございます。

そして、私どもとしては、今後、我が国金融をめぐるフェーズが転換していく中で、金融行政においても安定から活力を重視した金融行政を行っていく、その中で、利用者の満足度が高く、国際的にも高い評価が得られて、そして地域経済にも貢献できるような金融システムの実現を目指しているところでございますが、こうした考え方に基づいて、昨年の末、金融改革プログラムというものを策定をさせていただきました。こうした望ましい金融システムを構築していくためにも、民間の活力によって実現をしていくということが極めて重要であるというふうに考えております。

沖縄での金融特区の発展に向けた新たな取組は、こうした民間の自主的な取組として歓迎すべきものと考えており、更に議論が深められることを期待をいたしているところでございます。

○糸数慶子君 ありがとうございました。

昨年の十月、私はこの財政金融委員会で名護市の金融特区について質問いたしました。これ、税制上の優遇措置、つまり金融業務から得られた所得の三五%を法人税の課税所得から控除を受けるために雇用が二十人以上でなければならないという要件が付いておりまして、金融企業がなかなかこの金融特区に進出してもらえないという原因の一つになっているというふうに指摘いたしました。そのときに、本来金融特区は沖縄の自立型経済を目指すために設置されたはずであり、やはり、三年間にわたる沖縄県や名護市の努力によって現在まで九社が金融特区内に進出しておりますが、しかし優遇税制の確定を受けた企業はまだ一社もありません。

その件に関しまして上田副大臣は、昨年の十月、私の質問に対しまして、「この制度が期待されているような効果が上がるような方向で更に検討を進めたい」との答弁をいただきましたけれども、この現状を踏まえ、その後の検討状況がどのようになっているのか、お伺いいたします。

○副大臣(上田勇君) お答えいたします。

昨年の十月に糸数委員の方からも御質問をいただきまして、そのときにも答弁をさせていただいたんですが、やはりこの沖縄の金融特区を、これを設ける主たる目的というのが、北部地域の振興とそれからやっぱり雇用創出ということが最大の目的だろうというふうに考えております。そういう意味で、現行の税制においては、この認定法人に認定されるためには常時使用する人数が二十人以上であるという制限が設けられておりまして、これは金融だけではなくて特別自由貿易地域における認定法人とかにもそういった雇用の制限、まあ要件が決められているわけでありますが、やはり、どうしてもやっぱりこの雇用の創出ということが何よりも重要なんだろうというふうに思っております。

そういう意味で、特に金融業務については、これは雇用要件をなくした場合に、やっぱりこれ、ペーパーカンパニーだけを設立をして、そして雇用の増大につながらないというような、やっぱり金融業の特性というんでしょうか、そういったこともあるんではないかというふうに思っておりまして、やはり現行、この雇用の創出を目的とするということについて言えば、この雇用に対する何らかの要件が必要なんだろうというふうに考えているところでございます。

ただ、いずれにしても、この平成十七年度でこうした租税特別措置の期限が来るわけでございます、まあ十八年度末に期限が到来するわけでありますので、今の実績であるとか、あるいはまた地元の皆様のいろんな御意見だとか更にお聞きをして、更に効果的な措置が取れるかどうか考えていきたいというふうに思っております。

○糸数慶子君 今いろいろ条件雇用ということでおっしゃったんですが、金融特区ができたのに何も動かないという状況でしたら、やはりこれ時限立法で、延長が保証されている制度ではありませんので、やはり地元の雇用というのもさることながら、二十人というその縛りがありましてはなかなか参入企業というのが増えていかないという現状で、また一件の企業もまだ認定が受けられてないということになっておりますから、やはりこれは、金融特区ができたというのはそれなりのうまみがあって多くの企業が注目をしているという状況でもありますので、やはり沖縄資本が上場まで育っていって、それを基に新しいビジネスが展開されるという展望を示していけば、どうしてもこの人数の縛りというのは解いてほしいというのが地元の強い声でもありますので、今後ともその検討を是非していただきたいということを強く要望いたしまして、次の質問に移りたいと思います。

次に、二月二十八日から三月十一日まで第四十九回国連女性の地位委員会がニューヨークで開催されました。これ、世界北京女性会議から十年、北京で採択されました北京行動綱領を再確認するために、北京プラス10と呼ばれる重要な国際会議でございまして、三月二日に日本代表の代表演説があり、西銘順志郎内閣府政務官が報告されたと聞いておりますが、西銘政務官がこの会議に出席された経緯を御説明していただきたいと思います。

○政府参考人(土肥原洋君) 北京プラス10の政府首席代表についてでございますけれども、これ、十年前の一九九五年九月に開催されました第四回世界女性会議、いわゆる北京会議でございますけれども、この会議には当時の女性問題担当大臣であります内閣官房長官が政府首席代表として出席したところでございます。今回も、当初、政府といたしましては、いわゆる北京プラス10が北京会議後十年の非常に重要な会議であることから、閣僚レベル若しくは閣僚に準ずるレベルの政府首席代表を出席させることが必要であること、それから第二点目といたしましては、我が国の男女共同参画にかかわる施策を世界に対し責任を持って説明するため、施策の推進主体であります国内本部機構に属し、男女共同参画施策を総合的に所掌すること、所掌する地位に就いていることが求められることというような考え方の下に、男女共同参画担当大臣であります内閣官房長官が最も適切であると考えていたところでございます。

しかしながら、北京プラス10の政府主席代表が米国ニューヨークの国連本部において演説を行う三月二日でございますけれども、平成十七年度政府予算案が国会で審議されている最中であるということもございまして、内閣官房長官が政府主席代表として会議に出席することは非常に困難な状況であったところでございます。このため、内閣官房長官から、内閣官房長官及び内閣府特命担当大臣の職務を助けることがその任務であるという内閣府大臣政務官の中で西銘大臣政務官に対しまして北京プラス10の政府主席代表としてニューヨークに出張し、演説するよう御指示があったというところで任命したところでございます。

以上でございます。

○糸数慶子君 この会議に参加されました日本政府の代表演説を聞かれた日本の女性NGOの方々は、西銘政務官の演説では北京行動綱領の再確認について言及されていないというふうに言われましたが、実際はどうだったのでしょうか。

○政府参考人(土肥原洋君) 三月二日の西銘大臣政務官の演説、ステートメントでございますけれども、これは北京行動綱領を更に実施するというようなことで当然再確認し、それを更に強く実施すると、そういうようなステートメントの内容でございました。

以上でございます。

○糸数慶子君 私といたしましては、せっかく西銘政務官が参加されたわけですし、その生の声といいましょうか、その現場の状況を是非お伺いしたかったのですけれども、この後、もしよろしければお答えいただきたいと思います。

○大臣政務官(西銘順志郎君) 糸数議員にお答えをいたします。

同じ沖縄県の出身として御質問をいただいたのかなと思っておりますが、私も本当に内閣官房長官から命をいただきまして、三月の一日から四日まで、この女性の大変重要な、地位向上に重要な会議であります北京プラス10に日本政府主席代表として出席をしてきたところでございます。国連本部の総会議場におきまして、我が国が、一九九五年の第四回の世界女性会議、いわゆる北京会議以降の男女共同参画社会の形成を目指し、取り組んできた施策とその成果について報告を行うとともに、今後一層の取組の推進について強い決意を表明し、世界各国の閣僚級関係者に対して我が国の積極的な姿勢をアピールすることができたというふうに考えておるところでございます。

また、現地時間の三月二日ちょうどでございますが、オーストラリアの担当大臣あるいはノルウェー、スウェーデンの担当大臣、副大臣との間で二国間の会談を実施してきたところでございます。その中で、やはり一番共通して言えることは、やはり各国とも少子高齢化の問題あるいは男女共同参画でございますが、仕事と家庭の両立支援の施策などが共通の課題として取り上げられました。今後、このオーストラリア、ノルウェー、スウェーデンは男女共同参画先進国として、私どもに、日本がとっても参考になるような御意見等を持っておられるように感じることができました。

非常に、いずれにいたしましても大変有意義な会合に参加させていただいたというふうに私は認識をいたしております。

○糸数慶子君 ありがとうございました。最初からお答えいただければというふうに思います。はい。

まず、この今のお話の中にもありましたけれども、やはり、一九九九年、平成十一年に男女共同参画基本法が成立いたしましたが、実際日本では、今、少子高齢化問題それから介護問題などでまだまだ女性の社会進出を阻む要因が多く立ちふさがっています。例えば、夫婦別姓の問題だとか婚外子差別の撤廃を求める民法改正の要望も実現していませんし、正に古くからのこの父権制の名残と言わざるを得ない状況にあります。

実際にこの政府代表演説では、「権力及び意思決定における女性」の中で、小泉政権では二〇〇一年の発足以来登用された女性閣僚は既に八名に及ぶと述べていらっしゃいますが、しかし、この女性閣僚の数は延べ人数でありまして、二〇二〇年までに女性の登用は三〇%になることを目指すなど、チャレンジ支援策を講じるなどとしているにもかかわらず、女性の登用率が上昇する支援策は講じられていません。

現在、女性閣僚の比率は何%か、そして四十七都道府県の知事を見ても、千葉、北海道、大阪、熊本のその四名の知事しか誕生していないという現状の中で、二〇二〇年までに目標達成が可能であるとお考えかどうか、お伺いいたします。

○政府参考人(土肥原洋君) 二〇二〇年三〇%ということでございますけれども、これは、政府は平成十五年に指導的地位に女性が占める割合が二〇二〇年までに少なくとも三〇%程度になるよう期待すると、これは閣議決定を行っておりまして、男女共同参画社会の形成に向けた取組を推進しているところでございます。しかしながら、現状、管理的職業従事者に占める女性の割合が平成十五年で九・七%にとどまっているというようなことでございますし、おっしゃるように政策方針決定過程への女性の参画の拡大はまだまだ十分ではございません。

このため、まず国が率先垂範する、取組を進める必要があるということから、例えば国の審議会等におきましては女性委員の割合につきまして平成十七年度末までのできるだけ早い時期に三〇%を達成すると、こういった目標を掲げております。おりますし、この目標につきましては平成十六年九月現在で二八・二%に達するなど、着実に成果を上げているところでございます。

また、女性国家公務員の採用、登用を拡大するということでございますけれども、これも平成十六年の男女共同参画推進本部でございますけれども、女性国家公務員の採用、登用の拡大等について決定いたしたところでございまして、二〇一〇年度ごろまでの政府全体の女性採用者割合の目安といたしまして、Ⅰ種試験、これは事務系区分でございますけれども、三〇%程度にするという目標を設定したところで、そういった目標設定について申合せをしたところでございます。

いずれにいたしましても、政府においては、国だけではなくて、地方公共団体、企業、各種機関、団体等に対しても広く女性の参画促進を呼び掛け、その取組を支援することとしているところでございます。

○糸数慶子君 ありがとうございました。

是非そうおっしゃっていることを言行一致ということで実行していただきたいと思います。

次に、米軍再編問題について伺います。

沖縄では、昨年の八月の沖縄国際大学の構内でのヘリの墜落以降、急激に普天間基地の閉鎖を含む基地の負担削減の機運が高まっているわけですが、あわせて日米両政府が進める在日米軍の再編においても、沖縄のすべての関係者は基地の負担軽減はあらゆる角度から検討されるべきだと言い続けてきました。ところが、一向に在日米軍の再編が進まない状況です。

沖縄県民としては、普天間基地の閉鎖、辺野古への新たな基地建設阻止という重要な問題を抱えているわけで、私たちはこの県民を代表して、具体的な削減案を携えてワシントンへ乗り込んでまいりました。実は、社民党の東門美津子衆議院議員を団長にいたしまして、私が副団長として、一月三十一日から二月四日までの間、国務省、国防総省を始め軍事委員会のメンバーの上院議員、下院議員、さらに米国政府の政策等に精通するシンクタンクの要人に対し、沖縄の基地負担の現状を訴え、負担削減への具体的な提案をいたしました。

要点は三つでありまして、一点目に米海兵隊普天間飛行場の即時閉鎖と返還、辺野古海上基地建設の即時中止、在沖海兵隊の撤退というこの三つで要請行動をいたしました。私どもの要請行動は、実は、自画自賛するわけではありませんが、大きな成果がありました。それは、米国の関係者の多くが沖縄の現状に理解を示したこと、それと普天間基地閉鎖の可能性、海兵隊の削減や訓練等の分散移転についても極めて現実味があるという指摘を受けたことでした。このような私たちの要請行動の成果は、今米国を訪れている稲嶺沖縄県知事にも示されているわけで、相当な削減がなされるという海兵隊に関しての報道もございました。

そこでお伺いいたします。普天間飛行場の閉鎖や在沖海兵隊の削減、訓練等の分散、移転について、米国政府とどのような話合いが今政府で進められているのでしょうか、お尋ねいたします。

○政府参考人(河相周夫君) お答え申し上げます。

先月、二月の十九日にワシントンにおきまして2プラス2、防衛関係閣僚の会合を行いまして、そこで閣僚レベルで協議を経まして発表文を出しておるわけでございます。その中で、今後、在日米軍の兵力構成の見直しにつきまして日米間で鋭意検討をしていく、この検討作業を加速化していくという考え方で一致しております。

その作業に当たりましては、在日米軍の抑止力を維持するという観点と併せまして、沖縄を含む地元の負担を軽減していくという基本方針で現在作業に着手をしているという状況でございます。

○糸数慶子君 二月十九日、今お話がありましたいわゆる2プラス2では日米共同声明が発表されて、共通の戦略目標が策定され、米軍再編の具体的な問題は今後数か月以内に決定されると言われています。共同声明の中の日本の安全保障及び防衛協力の強化の中では、沖縄に関するSACO最終報告の着実な実施が在日米軍の安定的なプレゼンスにとって重要であるとの文言が述べられています。

しかし、現実の動きはどうでしょうか。この2プラス2開催後、SACO合意見直しの可能性について言及する日本側政府高官の言動が明らかになっています。まず、普天間移設をめぐって小泉総理が、2プラス2の三日前、二月十六日に外務省と防衛庁に名護市辺野古沖への移設見直しの指示を検討していたと報じられていますし、大野防衛庁長官も三月一日の衆議院予算委員会で、もしいい案が出てくれば見直してもいいという思いはある、決してないなどと言ってはいけないと述べていらっしゃいます。

私たちの訪米要請団でも、実は、戦略国際問題研究所上級副所長のカート・キャンベルさん、この方は元国防省の次官補代理でSACOをまとめた実務担当者でありますが、この方は辺野古移設に関しましては、過重なコストと環境保護を訴える地元の反対運動の強化、それらを挙げまして、辺野古沖の代替施設建設に対しては否定的な見解を述べていらっしゃいました。加えて、この数か月に沖縄に大きな動きがあるでしょうとも述べていらっしゃいました。

そこでお尋ねいたしますが、政府高官が様々な形で言及しておられますように、政府としてこのSACOの見直し、この検討に今入っているのでしょうか、お尋ねいたします。

○政府参考人(飯原一樹君) 先ほど北米局長がお答えいたしましたように、米側との協議、外務省と防衛庁で共同してやっておるわけでございますが、まず一つ、総理の辺野古沖についての御発言が新聞報道等で報じられましたが、これはそういう事実はございません。

それで、現状でございますが、在日米軍の抑止力維持と沖縄等地元の負担軽減の観点から種々の具体的なアイデアについて検討しているわけでございますが、今後あらゆる可能性について総合的に協議するということになっておりまして、現時点では何ら具体的に決まっていないということでございます。

○糸数慶子君 今お話を伺いますと、何ら具体的に決まってはいないということで、実は私、去る十月の臨時国会が開会されましたときにも質問主意書、この沖縄の基地問題に関して提出をいたしましたけれども、そのときにもこういう在日米軍の再編に関しまして、今、具体的に米国政府は、世界戦略の中のあらゆる米軍の基地の再編という行動が展開されるその中で、今、日本政府がアメリカとの具体的な協議がどれ一つなされていないというその答弁をいただきまして大変ショックを受けました。

なぜかといいますと、戦後この方ずっと沖縄が置かれている立場、アメリカ軍が駐留するために多くの県民に対する負担のしわ寄せが具体的にございます。これは復帰前から今日まで含めまして、特に女性の人権を無視するような、例えば九五年の少女の事件にも見られますように、女性の人権を著しく侵害するような事件、事故がずっと復帰前も復帰後も続いている。それから、米軍の基地から発生する環境問題で、例えば騒音問題で、嘉手納基地の近くに住んでいる方々あるいは普天間飛行場の近くに住んでいる方々が正に難聴に悩まされたり、あるいはまた基地周辺に住んでいる女性が出産をいたしますと低体重児が生まれてくるというその現状。

今、沖縄県民にかかわる在日米軍の基地の専用施設の七五%があるという実態の中で、戦後ずっとこういう負担がかぶさってきているその状況の中で、アメリカがその基地を再編するというその絶好の機会に、なぜ沖縄の地元の県民の声を日本政府が吸い上げて具体的にアメリカと交渉していってくれないのか。

そのことに関しまして個別具体的に質問いたしましたけれども、それに対しても、政府の回答といいましょうか、答弁といいましょうか、本当にショックを受けるようなむなしい答弁でありました。しかも、今の答弁を伺っておりますと、正に日本政府そして米国政府両方が、2プラス2というその協議の中で、今の沖縄のこの基地問題に関しまして、もし一つも再編の中に入れていないとしたならば、本当に沖縄の県民の人権や沖縄の県民の生存権を確実に無視されたことになるのではないかと思います。

なぜかといいますと、これは私がこの間アメリカ行きましたときにもそうなんですが、これまで私、三度訪米をいたしまして、具体的にアメリカの政府の要人やそれから国会議員や、それから運動体の方々に過去あらゆる形で沖縄問題を訴えましたところ、その矛先はアメリカではない、東京でしょうということで一喝されました。

しかし、今回は違いました。なぜかといいますと、昨年の八月の十三日のあのヘリの墜落事故があったからだというふうに思っております。今回は、国務省、国防総省、それから上院議員、下院議員四人の方、それからシンクタンク二か所に参りましたが、どちらでも交渉先は東京だとおっしゃいませんでした。どなたもおっしゃったことは、今の沖縄の普天間の基地に、再度こういうふうなヘリの事故を始めとして、沖縄の県民の生命にかかわるような事故が起きないように祈るような気持ちでおりますということをはっきりシンクタンクの方も、そして議員の方もおっしゃっていました。

そういう中で、今進んでいるこの2プラス2の協議の中でも、沖縄の基地の負担軽減、これ総理もおっしゃっていますし、抑止力を維持しつつ県民の目に見える具体的な負担の軽減とはおっしゃっておりますけれども、正にその交渉の中に全く具体的な進展が出てこないとなれば、県民の八一%が辺野古に新たな基地を移設することを反対、そして普天間の基地の即時閉鎖、そして移転ということを言っている県民の声、一体どこに届ければいいのかと今むなしい思いで一杯でございます。

どうぞ、何も進展しないなどとおっしゃらずに、具体的に大野防衛庁長官そして小泉総理があのように新聞に報道されているのは、全くその事実はない状況をメディアはああいう形で報道するんでしょうか、大変疑問に思います。どうぞ県民の思いを是非受け止めて真剣に交渉していただくことを要望いたします。

最後に、三位一体改革と沖縄の財政についてお伺いいたします。

三位一体改革の問題は沖縄に非常に重大な影響を与えています。沖縄は、沖縄振興特別措置法とそれに基づいた沖縄振興計画の精神に基づいて実はこの計画が進んでおりますが、実際に各省庁が実施している沖縄特有の補助金のかさ上げ分が百四十八項目ありますが、これらが単に全国一律の補助金改革の対象となると沖縄にとって非常に大きな問題が生じます。

平成十七年度予算において、こうした沖縄の歴史的、地理的、社会的な特殊事情に配慮して沖縄振興のための特別交付金などが創設され、沖縄振興特別措置法改正案が提出されていますが、今後の三位一体改革においても沖縄の特殊事情に基づく配慮は不可欠であると考えますが、谷垣財務大臣の見解をお伺いいたします。

○国務大臣(谷垣禎一君) 今、委員がおっしゃった三位一体の改革で去年十一月の政府・与党合意ができたわけですが、その中で、歴史的、地理的、社会的事情等の特殊事情にかんがみ、沖縄等特定地域において講じられている補助制度に係る特例措置については、その趣旨を踏まえ必要な措置を講じると、こういうふうに書き込まれたわけですね。それで、これを踏まえまして内閣府では、補助金等が交付金化される場合に、交付金額を算定するに当たってはこれまでのかさ上げ率を踏まえた特別措置を講じるようなこと、それから、補助率がかさ上げされた補助金等の廃止に対応して自由度の高い特別交付金制度を創設することといったことを内容とする、委員が先ほどおっしゃいました沖縄特別措置法の一部を改正する法律案を国会に提出しているわけでございます。

財務省としては、三位一体の改革に係る議論の推移、これはこれからの議論も踏まえなきゃならないわけですが、今後とも、今までのような考え方も十分念頭に置きながら、適切に沖縄関係予算を措置していきたいと思っております。

○糸数慶子君 ありがとうございました。よろしくお願いいたします。

終わります。

○委員長(浅尾慶一郎君) 本件に対する質疑はこの程度にとどめます。

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○委員長(浅尾慶一郎君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。

平成十七年度における財政運営のための公債の発行の特例等に関する法律案及び所得税法等の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、政府参考人として財務省主計局次長杉本和行君外四名の出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○委員長(浅尾慶一郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。

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○委員長(浅尾慶一郎君) 平成十七年度における財政運営のための公債の発行の特例等に関する法律案及び所得税法等の一部を改正する法律案の両案を一括して議題といたします。

政府から順次趣旨説明を聴取いたします。谷垣財務大臣。

○国務大臣(谷垣禎一君) ただいま議題となりました平成十七年度における財政運営のための公債の発行の特例等に関する法律案及び所得税法等の一部を改正する法律案につきまして、提案の理由及びその内容を御説明申し上げます。

まず、平成十七年度における財政運営のための公債の発行の特例等に関する法律案につきまして御説明申し上げます。

平成十七年度予算においては、歳出改革路線を堅持、強化するという方針の下、従来にも増して歳出全般にわたる徹底した見直しを行い、一般歳出について三年ぶりに前年度の水準以下に抑制し、新規国債発行額についても四年ぶりに前年度より減額したところであります。一方、予算の内容については、活力ある社会、経済の実現や国民の安全、安心の確保に資する分野に重点的に配分するなど、めり張りのある予算の配分を実現しました。

しかしながら、我が国の財政収支は引き続き厳しい状況となっており、特例公債の発行等の措置を講じることが必要であります。

本法律案は、厳しい財政事情の下、平成十七年度の財政運営を適切に行うため、同年度における公債の発行の特例に関する措置及び年金事業等の事務費に係る負担の特例に関する措置を定めるものであります。

以下、この法律案の内容につきまして御説明申し上げます。

第一に、平成十七年度の一般会計歳出の財源に充てるため、財政法第四条第一項ただし書の規定による公債のほか、予算をもって国会の議決を経た金額の範囲内で公債を発行することができること等としております。

第二に、平成十七年度において、国民年金事業、厚生年金保険事業及び国家公務員共済組合の事務の執行に要する費用に係る国等の負担を抑制するため、国民年金法、国民年金特別会計法、厚生保険特別会計法及び国家公務員共済組合法の特例を設けることとしております。

次に、所得税法等の一部を改正する法律案につきまして御説明申し上げます。

本法律案は、現下の経済財政状況等を踏まえ、持続的な経済社会の活性化を実現するためのあるべき税制の構築に向け、定率減税の縮減とともに、金融・証券税制、国際課税、中小企業関係税制等につき所要の措置を講ずるものであります。

以下、この法律案の内容につきまして御説明申し上げます。

第一に、国と地方のいわゆる三位一体の改革との関係で、平成十八年度に国、地方を通ずる個人所得課税の抜本的見直しが必要となることを展望しつつ、平成十一年以降、景気対策のための臨時異例の措置として継続されてきた定率減税について、導入時と比較した経済状況の改善を踏まえ、その規模を二分の一に縮減することとしております。

第二に、金融・証券税制について、株式投資を促進するための環境整備の一環として、特定口座で管理されていた株式の無価値化による損失を譲渡損失とみなす特例を創設する等の措置を講ずることとしております。

第三に、国際課税について、外国子会社合算税制を国際的な企業活動の実態により一層即したものとするとともに、国債の保有者層の拡大を図る観点からの、非居住者等が保有する国債の非課税特例を受けるための手続の簡素化等を行うこととしております。

第四に、中小企業関係税制について、中小企業の新たな事業活動の総合的な促進に資する観点からの中小企業の支援のための税制上の措置等を講ずることとしております。

そのほか、所得税の寄附金控除の限度額の引上げ、法人税に関し民事再生等の場合の資産評価損益と欠損金の損金算入等に関する措置、検査機関等の登録等に対し登録免許税の負担を求める措置のほか、共同で現物出資をした場合の課税の特例の廃止等既存の特別措置の整理合理化を図るとともに、住宅用家屋に係る所有権の保存登記等に対する登録免許税の特例等期限の到来する特別措置について、その適用期限を延長するなど、所要の措置を講ずることとしております。

以上が平成十七年度における財政運営のための公債の発行の特例等に関する法律案及び所得税法等の一部を改正する法律案の提案の理由及びその内容であります。

何とぞ、御審議の上、速やかに御賛同くださいますようお願い申し上げます。

○委員長(浅尾慶一郎君) 以上で両案の趣旨説明の聴取は終わりました。

これより質疑に入ります。  質疑のある方は順次御発言願います。

○田村耕太郎君 ありがとうございます。財務大臣、御苦労さまです。御苦労さまですと申し上げますのは、衆参の両予算委員会、そして衆参のこの委員会で長年にわたって不健全な我が国の財政について厳しい批判と問題提起がなされていると思うんですね。もちろん、批判も問題提起も大事だと思うんですが、やっぱり少なくとも与党は承認してきた責任がありますし、そろそろ我々国会議員も何が問題でこうなってきたのか、どこを変えねばならないのか、そういう議論を提言的にさせていただきたいと思います。  結論から言いますと、私は予算編成プロセスと国が採用している会計基準に問題があると思うんですね。この二つを変えていけば予算の審議が変わる、予算の審議が変われば選挙が変わる、選挙が変われば政治が変わるというこの三段論法に三十分でどこま

で迫れるか分かりませんが、迫れなかったら引き続きやらせていただきたいと思います。

私、国会に入るまで企業の経営をしていたんですが、財務会計報告というのを受ける立場で予算書とか決算書を見ていたんですけれども、やはり今の企業経営、普通の企業でいえば何を目的に報告しているのかというのをはっきりさせねば会計資料なんかを作れないんですけれども、私、国会に入りまして、一般会計、特別会計ありますけれども、会計書を見ていて非常に疑問に思うんです。一般会計でもいいです、例えば一般会計、国の予算書というのは一体だれにあれ何を伝えようとしているんですか。まず、この基本的な問題、よろしくお願いします。

○政府参考人(杉本和行君) お答えさせていただきます。

予算というものを実務面で見ますと、一会計年度の政府の施策を財政面から総合的に取りまとめたものだというふうに考えられます。すなわち、一会計年度において政府が必要とする経費とこれを支弁するための財源を政府がその年度に実施しようとするあらゆる施策、こういったものを金銭面から裏付けたものだと考えております。

したがいまして、議会の統制というのが非常に重要でございまして、憲法においても、「国の財政を処理する権限は、国会の議決に基いて、これを行使しなければならない。」と書いてございますので、それに基づきまして、政府に支出権限の付与を求める予算というものを国民の代表機関である国会に提出させていただいているものだと考えております。

○田村耕太郎君 質問の仕方が悪かったんで、済みません。

例えば、じゃ企業会計でいいますと、一般会計の予算書というのは、企業会計でいろんな財務書類があります、損益計算書、貸借対照表、キャッシュフロー表ですね、また大福帳と言ってもいいでしょう、あれは一体何に当たるんですか。

○政府参考人(杉本和行君) 国の予算というものは、財源が主に国民からいただく税金若しくはこれに代わる公債でございますので、そういうキャッシュ、現金をどのように国会の方で御承認いただき、統制いただくということが基本的な考え方だと思っております。それに、現金統制ということの方がある意味では明確性がございまして、分かりやすいようなものだと考えられております。

したがいまして、そういった観点から、国が支出する現金、これの歳出権限を付与していただくというのが予算の基本だと考えておりますので、結果としてではございますが、企業会計で申しますとキャッシュフロー計算書に近いものになっているんだと考えております。

○田村耕太郎君 おっしゃるとおりだと思います。資金収支報告書といいますか、大福帳に近いような形じゃないかと思うんですけれども。

じゃ、国民と政府の関係というのは、大臣、どのように考えられますか。よく例えられますね、会社とお客さんだとか、経営陣と株主だとか、信託関係にあって、信託の委託者と受託者と受益者であるとか、いろんな関係が考えられるんですが、大臣はどういう関係だと思われますか。

○国務大臣(谷垣禎一君) 例えろと言うんで、なかなか難しいんだと思いますね。

私は、選挙に出て政治の場に参りましてから、田村さんの直接お答えできるような考え方必ずしもしなくて、要するに国民は納税者であると、それで我々はそれを使う、財務省で予算を組みますときはそれのまあ信託を受けているというか寄託を受けているというか、そういうふうに理解する。あるいは、主権者と、その主権者から委託を受けている役割であると。これはもう少し別な言い方すれば、我々、田村さんの問題意識とちょっと私の考え方とは違うのかもしれませんが、要するに、国民から票をいただいて国会に出てきている我々の役割は何なんだということにも結局なってくるんじゃないかと。

私は、そういうことを考えてきましたので、株主と企業の関係とか顧客と企業の関係というとどうもやっぱりもう一つ、本当はそうやって、田村さん多分、そうやって比べて民間の努力をもっと学べという御趣旨で多分おっしゃっているんだろうと思いますから、本当はそういう工夫も必要なんだと思いますが、ちょっと今にわかにお問い掛けになりますと、そういうようなちょっと、田村さんにとっては多分ぴんとこないであろうお答えになって申し訳ありません。

○田村耕太郎君 私、正解だと思います。といいますのは、やっぱり信託関係に近いと思うんですね。これ、憲法の九十七条にも信託関係という文面があるんですけれども、やっぱり我々、今の世代に生きる国民というのが委託者で、受託者は政府であって、そして受益者というのは現役世代と将来世代、こういう関係ではないかと思うんですね。まあそういうことを念頭に置いて、そういうことを、もし信託関係にあるということを念頭に置けば、予算書というのは、一番最初の問題に戻るんですけれども、何を伝えるべきかということをもう一回お伺いしたいんですよ。

何をというのをもう少し例を列挙しますと、財政規律の維持なのか、政府の政策の優先順位なのか、資金管理なのか、国民への説明責任なのか、まあ全部なのか、この辺りいかがでしょう。

○政府参考人(杉本和行君) 難しいお問い掛けでございますが、先ほどから申し上げました、予算は国民からいただいた税金をどういうふうに使うかというのが一番重要な観点でございまして、そういった観点からいたしますと、国会において歳出権限の付与をいただくためにどういった形で予算書を提出していくのかということになっておりますので、予算というのは正に国会の御審議をいただくためのものだと思っております。

同時に、予算というものは政府の、政府全体がどういった政策を展開していくかという体系の、それをお金の面で裏打ちしているものでございますから、国民に対しましてどういうところに予算を配分してどういう政策を講ずるかという、正に政府の政策体系の全般でございますので、それに対するディスクロージャーを行うとともに、説明責任もあるんだと考えております。

さらに、予算のものは絶えずフィードバックしていく必要がございますので、予算に対する評価というものもまた次の予算にフィードバックしていくということで、そういった予算の効率性、適正な使用、適正な資源配分、そういったものを示すものだと考えております。

○田村耕太郎君 まあ私の答えを言えば全部だと思うんですね。全部で、特に今の予算書に抜けているのが政策の優先順位、これが明確化されていないということですね。

もう一つ、国民へのアカウンタビリティーが足らないと思うんですよ。アカウンタビリティーというのは何かというと、財源です。財源の中で、もうやっぱり二つに分けられると思うんですね、現役世代に対する負担と将来世代に対する負担。これ、憲法十一条ですか、現在、将来の国民が基本的人権を永久に侵されるべきではないというふうに書いてありますけれども、正にそのとおりだと思うんですね。

やはり、これからの予算書というのは、政策の、まあ優先順位を付けた政策のミックスをしっかり説明することと、そしてそれを政府が、政治がトップダウンで作っていくということ、そしてその財源は何なのかということを常に明らかにすること、そしてその財源は将来世代なのか現役世代の負担になるのか、そしてその財源によって作り出されたものは現役世代の便益だけに終わるのか将来世代へもその便益は続くのか、これをしっかりと説明することが必要だと思うんですね。

今の予算の作り方の一番の問題は増分査定主義とシーリング方式にあると思います。

そう言いながらも、私、増分査定主義の中に組み込まれてしまっていまして、陳情が来られて、去年までこうだったんだから今年もこれお願いしますとか、去年までのところは絶対大丈夫ですねとか、増やす部分だけ厳しくしてくださいと。優先順位を付けようにも、もうがんじがらめになってきているわけですね。

しかし、例えばオーストラリアの予算編成なんか見ますと、予算戦略会議というのを総理と副総理と財務大臣がやっていらっしゃいます。そして、ゼロベースで優先順位を付けていって、上限を限って、それを各省庁にトップダウンで落としているという仕組みなんですけれども、今のところは日本は、残念ながら、行政官僚が全部積み上げ式で各省庁作っていって、その後、財務大臣や総理がどこまで鉛筆をなめられるのか、そういう仕組みになっていると思うんですね。

しかし、骨太の方針になってから変わったとよく言われますね。シーリングの決定の前に経済財政諮問会議、骨太の方針を出されて、その方針に沿って予算が作られるというんですけれども、例えば骨太の方針見ても数字が余り書いてないわけですね。いろいろ方針書いてあるんですけれども、数字の裏付けがないわけです。実際はどうですか、小泉政権になって、財務大臣をやられてみて、予算の作り方というのは変わったのか。もっと具体的に言えば、どこから財務大臣の力が発揮できるのか、白紙の部分から発揮できるのか。いかがですか。

○国務大臣(谷垣禎一君) 私は、小泉政権の前は財務大臣やったことがありませんので正確に比較することはできないんですが、小渕内閣では政務次官をやったことがございます。それから、ほかの内閣で閣僚をやったことがあるわけですが、閣僚の仕事の仕方は全然違ったと、違ってきたと思います。やっぱり、何というんでしょうか、これは総理の方針だと思いますが、経済財政諮問会議という場を言わば自分の、何というんでしょうか、ブレーンというか、そのように使われて、まあトップダウンといいますか、そういう形で問題を設定される場合が随分多くなってきたと。

その結果、ある意味では非常に我々としてもやりがいがあるといえばやりがいがあるんですが、他方言えば、こういう予算の審議をしておりまして、今日も夕方七時過ぎまで審議があるわけで、今日はもうそれでおしまいでございますが、しばしば、それが終わった後、経済財政諮問会議があるとか三位一体で四閣僚が集まるとかいうのがもうのべつございまして、忙しさは前の内閣の比ではなくなったんではないかと思います。

ただ、今、田村さんがおっしゃったようなその位置付けの仕方というのがまだ完成したものでは、小泉内閣のやっておりますことも完成したものではありませんので、試行錯誤や今までのやり方に対する問題提起という部分が随分あって、試行錯誤しながら進んでいるところがあると思いますが、私は定量的にちょっと申し上げるわけにはいきませんけれども、私の直観で申し上げると、随分政治家である閣僚の介在するといいますか、発言力は大きくなってきたというふうに思っております。

○田村耕太郎君 余りトップダウンになるとうれしくない方々もいらっしゃるわけですね。主計局の次長さん来られていますけれども、主計局の方なんか出番が、しかし、私は主計局というのは私は壮大なる人材の無駄遣いだと思うんですね。日本の、日本版学力検定で一番トップクラスの方々がいらっしゃるわけですね。しかし、何やっていらっしゃるかというと、議員会館の中とか、ある特定の分野に非常にたけていらっしゃる、俗に言う族議員というんですか、そういう方々の個人事務所にばあっと走っていかれて、本当にダムだとか橋だとかずっと予算を付けられている。本当に、あれぐらい優秀な方は厚生労働省に行って社会保障改革をするとか、文部科学省に行って教育改革をするとか、そういうことをやって、そして本当の予算は、大臣始めとする、総理をトップとする閣僚がやるべきだと私は思うんですね。まあいろいろあると思いますが、そう思うんです。

そこで、財務省さんの中にも公会計室というのをつくって損益計算書とか貸借対照表を出されていますし、来年から、来年度からは更に積極的にやられると思うんですが、やっぱりつくるだけじゃ駄目なんだと思うんですね。つくって、それをどう使うか、それをどう予算に反映させるかだと思うんですよ。公会計室をつくって企業会計に近いような財務諸表を出すのはいいんですけれども、それをどう予算編成に使うか、そこまで考えていらっしゃいますか。

○政府参考人(杉本和行君) 先生おっしゃるように、財務省といたしましても、国の財政状況を国民に対してディスクローズするとともに、アカウンタビリティー、説明責任を果たすということが一つは重要だと考えております。同時に、そうした公会計の手法等を使いまして各種のディスクロージャー、アカウンタビリティーを果たすとともに、それをどうやって今度予算の効率的使用につなげていくかというのも、これも同時に大きな課題だと考えております。

したがいまして、政策評価という手法を使いましてその政策をそれぞれ評価していくとともに、そういった形で提示されましたものをいかに次の予算といいますか、財政の使い方に反映していくかと、そういう観点からも公会計というのは重要だと考えておりまして、そういうことも念頭に置きまして各種の国の関係の財務諸表の充実に努めていきたいと考えております。

○田村耕太郎君 骨太の方針になってから予算編成のやり方が違ったと、少しは変わったんじゃないかということを大臣言われましたが、ちょっと具体的にお聞かせいただきたいと思うんですね。例えば、全部民間企業が正しいとは思いませんけれども、今の総理は民間が好きですからね、民間に例えますと、今民間が予算とか決算どのようにやっているかというと、もう完全にシミュレーションでやっています。このお金をこういうふうに調達してきた場合、借入れのコストはどうだ、資本コストはどうだ、そして成果はこれぐらいになるというようなシミュレーションをやっているんですが、例えば骨太の方針、経済財政諮問会議で財源の話ですとか予算編成、シミュレーションをやりながらやっているんですか、どうですか。

○国務大臣(谷垣禎一君) シミュレーションというのはどこかでやっているのかもしれませんが、私どものやっておりますことは、要するに、現在の税制を前提とすると、今年度は大体景気がこう良くなってきて、今までの懐への入り具合からするとこんなふうになってきているから来年はこれでいけるなと、あるいはいけないなと。それはもう少しここで、例えば増税をお願いしなきゃならない分野も出てくるな、あるいは全体の税体系がここがやっぱりちょっと問題が生じていて活力を阻害しているとか、あるいは政策的に少しゆがみが生じているなと、そういうことは常に考えているわけです。

それで、シミュレーションとおっしゃるのは、多分我々でいえば税でございますが、そういう財源をどう使っていくかということも含めて、ここから財源を調達した場合に、それをどういうふうに政策に持っていってどういう効果が出てくるか、そこにどういう財政負担が生じてくるかというようなことを多分田村委員はおっしゃっているんだと思います。

私どもは、確かに特定財源であったり目的税であったりいたしますとそういうことは当然考えなければいけないわけでありますけれども、一般にはやはり一般財源でございますから、一般財源ということになりますと、やっぱり全体の組合せ、所得税なら所得税、消費税なら消費税だけで成り立っているわけではありませんから、やっぱりそれぞれの税の組合せで日本の歳入構造、体系がどうなっているかというのを私たちは見ている。多分うちの役所のスタッフもそういうのを見ながらやっているんじゃないかと思います。全然、大臣はあんなことを言って全然違う、おれたちは違うことをやっているんだと言われるかもしれませんが、私はそうだと思っております。

○田村耕太郎君 国の規模は違うんですが、予算編成先進国と言われているオセアニア諸国、オーストラリアとかニュージーランドというのは予算の編成の仕方は完全に二つに分けているんですよね。一般経常経費にかかわる部分は枠予算としてぽんと役所に渡すと、で、無駄遣いがないかはしっかりチェックすると。もう一つ、新規当初予算というのがあって、例えばインフラを整備したり社会保障制度を変えていくというような新たなシステムをつくっていくような予算はトップダウンで政治家が決めていくということになっています。

さっきのシミュレーションの話、なぜ大事かというと、内閣、経済財政諮問会議で数字を使ってシミュレーションしないと、やっぱり財務省の主計局が上げてくる数字対数字の勝負に勝てないと思うんですよ。

トップダウンでもし予算編成をやるなら、私はやるべきだと思うんですけれども、私、一つ提案があるんですね。それは、内閣にいるスタッフと各省庁のスタッフですね、この人材交流を一切絶たなきゃいけないと思うんですね。じゃないと、その内閣対各省庁、特に財務省ということにならないと思うんです。内閣は内閣のスタッフをしっかり持って、その人たちが責任を持って数字を出していく、そしてそれに対して役所は役所で数字を出していって対決をする。人材交流がある限り、スパイとは申しませんけれども、いろいろ来た人がどっちの味方か分からないようなことをやっているわけですね。そうではなくて、トップダウンで予算編成をすることがもし財務大臣も望ましいと思うんだったら、私は人材交流を絶つべきだと思うんですけれども、この辺に対して大臣のお考えはいかがですか。

○国務大臣(谷垣禎一君) 田村さんの問題意識にすぐこたえられるかどうか分かりませんが、橋本内閣のときに省庁再編をやりまして今の体制になっているわけですけれども、私は内閣府という役所はまだ未成熟なところがある役所ではないかと。内閣府の方いたらしかられますけれども、率直に申し上げますとそういうふうに思っております。といいますのは、内閣府の何々を担当大臣というのに特命担当大臣とかいって、私も産業再生機構担当であるとか食品安全担当とかいうのをやらせていただいたことがありましたけれども、あそこはなかなか難しいんです。

なぜ難しいかと申しますと、そこに集まってくる方は各省の優秀な方が、各省やっぱり自分のところの代表を出しますから、優秀な人が集まっているんですね。だから、みんなわあっと力が集まってこの仕事をやろうというときは物すごい力が出せるんです。多分田村さんが今おっしゃったことと関係すると思うんですが、そういうふうにわあっとみんなで一つのことをやろうというふうに必ずしも思わないような案件ですと、(発言する者あり)やじは気にしないで答えますが、なかなかうまくいかないんです。

要するに、そういった辺りまだまだ、直ちに交流を絶ち切れというふうに田村さんはおっしゃいましたけれども、私は、内閣府というものを今後どういう役所にしていくかというのは、まだ発展途上、よく言えばですよ、発展途上ですから、まだまだ練れが足らない役所だと思っておりまして、その辺りのことも十分考えないと、今すぐ交流を断ち切れといってもなかなかうまくいかないんじゃないかなと思います。

○田村耕太郎君 なぜそういう問題意識を持ったかというと、やっぱり選挙が変わってきているからなんですね。民主党さんはもう既に財源も明らかにして、もう政策を出されてきているわけです。役所の世話になっていないわけですね。

しかし、これからの政治というのは、予算委員会の審議もそうですけれども、やはりお互いが政治主導で政策を作っていって、政策の優先順位をしっかり示していって、その裏付けとなる財源ですね、その財源どこから引っ張ってくるか、将来世代なのか現役世代なのか、それを明らかにして選挙をやっていくというやり方が望ましいと思うんです。そうしたら、お互い無責任に、小選挙区になってから特にそうですけど、やっぱりきれい事を言っていいことを言った方がいいからお互い政策が似てきてしまうとか、いいことばっかりしか言わないということになってくると思うんです。そうではなくて、責任を持って、アカウンタビリティーとプライオリティーを持ってその政策を発表して予算に責任を持っていく、この姿勢で政治を変えて選挙も変えていく、そして予算も責任を持って変えていくということが財政の規律を戻す一番大切なやり方だと思うんですよ。

やっぱり何でも、ダイエットでもそうですけど、やっぱり基本の方針をしっかり持たないとリバウンドしますからね。途中でちょっとやせたかなと思ってもそうですから。やはり基本の骨太の方針て言われるんでしたら、やはりトップダウンのアカウンタビリティーを持った予算編成、ここに返っていかないと根本的な解決はないように思います。そういう意味で、予算の編成プロセスと公開性制度というのはしっかり改革していってほしいと思います。

最後に一問だけ。ちょっとこれ通知してなかったんですけれども、ちょっと今日の議論を聞いていて疑問に思ったことなんで、もし答えられたら答えていただければいいと思いますし、もしパスでも全然構いません。

国債管理の話で金利の話がよく出ますね、金利が上がったら非常に危ないと。国債管理に関しては金利が上がったら非常に危ないわけです。しかし、一方、社会保障制度の面では、今少子化が問題で社会保障制度が揺らいでいるっていいますけれども、本当の大きな原因は、私、低金利だと思うんですよ。日本の社会保障制度というのはある程度の金利がないともたないような仕組みになっているわけですよ。しかし、一方、国債管理は金利が上がると非常に困るわけですよ。その金利が上がった場合の社会保障制度に対するプラスの効果と国債管理に対するマイナスの効果、この辺りのシミュレーションはしっかりしなきゃいけないと思うんですけど、この辺り、しっかりされているんでしょうか、どうでしょう。

これで私の質問を終わります。

○国務大臣(谷垣禎一君) 財務省で、恐らく、ちょっと後、違っていたら役所に訂正してもらいますが、役所でそこのところの具体的なシミュレーションはしていないと、いないんじゃないかと私は思います。違ったら指摘してくださいね。

それで、ただ、やはり金利は確かに今非常に低いですから、いつ、いかなるタイミングで金利が上昇してくるか、それはどういう周りの環境条件の変化によって上昇してくるかというのは、国債管理においてもあるいは景気の上でも、当然のことながら社会保障の在り方についても最大関心事項、私どもの最大関心事項で、変なときに金利だけ上がっていくような形には、絶対避けたいと思っております。

○田村耕太郎君 頑張ってください。終わります。

○山下英利君 自由民主党の山下でございます。田村委員に引き続いて質問に立たせていただきます。

財務大臣、本当にお疲れさまです。体調も相当厳しいようにお見受けいたしますけど、もう少しお付き合いを願いたいと思います。

もう度々御説明をいろんな場でいただいておりますけれども、予算、正に入るを量りていずるを制すという中で、しっかりとめり張りを付けていかなければいけない。そんな中で、やはりダイエットというのも急激にやってしまうとこれは体を壊してしまう。あるいは、さっき田村委員から話があったようにリバウンドもあると。やはり持続可能な形でしっかりとやっていかなければいけない、これは私は原則じゃないかなと思います。

今回の今議案になっております法案でありますけれども、そのいずるを制す、そういった反対の入るを量る部分における税制改正と、そしてその中でこの定率減税の縮減という大きなテーマが今回上ってきたわけであります。

私、時間も限られておりますので率直にお聞きをしたいと思いますけれども、今回この税制の定率減税の縮減二分の一をやるということに対しまして、これは平成十八年に行われようとされている税制の抜本税制改革、これに先行して、まず、この定率減税の縮減がまず出てきてしまったのではないかと、そのような声も私聞いているわけであります。平成十一年度の税制改正大綱で、個人と法人の所得課税の、これは抜本的な見直しを行うまでの間、期限を定めずにという形のこれは定率減税でありました。したがって、やはり来年度、抜本的な改革をするということを前にまずこの縮減が半分行われたというところの理由について、大臣から、これは国民から見ても、やはりなぜこの定率減税の縮減が先に行くんだというふうな気持ちに対してちょっとお答えをいただきたいと思います。

それと併せて、やはり今、国の予算、これを見ておりますと、社会保障費、年金、介護、福祉、これの、社会保障費の国庫負担分というものがやはり自然増だけでも毎年一兆円というふうな形で、これはほかの予算を圧縮して、それで社会保障に充てているというふうな形であっても、これは持続可能な形とは言えないわけであります。一方、税収を見ますと一般会計予算の半分程度で、残りは国債を発行しての借金です。

ですから、先ほどの田村委員の言葉をかりるわけではないですが、民間でいえば赤字を借金で繰り回していると。だから、赤字がどんどんどんどんというか、借金がどんどんどんどん膨らんできている。正にその中の状況の中で、プライマリーバランスを、とにかく基礎的な財政収支を一日も早く黒字化しようという財政の規律を目指しているわけですから、この増大していく社会保障費全体に対するこれからの国庫負担のための財源というものについてのお考えをお聞きしたいと思います。

と申しますのも、消費税の位置付けというのをどう考えていくべきなんだろうかと。抜本的な税制改正の中で、やはり従来から言われている直間比率の見直し、こういったことも是非含めていただきたいというふうに思う中で、今基幹税の一つになっている消費税、これがやはりこれからのこの社会保障という部分における重要な財源であるというふうな色付けを付けていくのか、あるいは一般財源の中で繰り回すということを基本線に考えていかれるのか、その辺のところの大臣のお考え方、これをお聞かせいただきたいと思います。

○国務大臣(谷垣禎一君) まず、定率減税、所得税の抜本改革の前に定率減税の縮減に取り組んだのはなぜかということでございます。

これも先ほど一部は峰崎委員の御質問でも申し上げたところでございますが、恒久的減税法というものが小渕内閣のときできましてから、やはり将来、所得課税、所得税について抜本的な改革、あるべき所得税体系とは何なんだということを考えなきゃいけないという問題意識は私どもずっと持っていたわけですが、そういう流れの中で、配偶者特別控除の上乗せ部分の廃止であるとか、あるいはこれは昨年、昨年と申しますか平成十六年度、今年度でございますけれども、年金税制の見直しというものをやってまいりましたが、御承知のように、三位一体の改革でこれは基幹税でやろうということになりまして、所得税から地方住民税への形でやっていこうと、こういうことになりまして、いよいよその所得税体系の、そういうことになると、三兆円の税源移譲という規模を考えますと、それはどうしても所得税体系の抜本的な見直しを頭に入れてやらなきゃいけないということになってきたわけでございます。

それで、そういうことを考えますと、やはり三位一体というようなことを推し進めますと、どうしても自治体間の財政力の差というものがあらわになってくる面があるわけですから、それをこの税の体系の中でどう見直していくかというようなことになりますと、これはもう麻生大臣が一生懸命これお取り組みになるところでございますが、地方住民税に関して、個人住民税所得割の税率のフラット化等々、応益課税である本質に応じたことをやって、そういうことに相即したものにしていこうという方向を私どもは明らかにしているわけでございまして、そういうことになると、これは今朝方の峰崎委員との御議論でもありますが、所得税については所得再分配機能といったようなものももう一回頭に入れながら仕組んでいく必要があるんじゃないかというのが三位一体ということであらあら出てまいりました。

そうなると、その前提として、やはり定率減税というもので一律二〇%カットして、所得税の言わば基幹税としての機能も薄くなっているわけでございますから、そこでやっぱり入れ込んでいく必要があると。ただ、これはいろいろ御議論でございますけれども、一発で、じゃ平成十八年度でそれをやるからばあんと一発でぶつけるということになると、これはやっぱりいろいろ議論が、経済に与える影響というのを考えざるを得ないなと。そうすると、やっぱり段階的にやることかなというような流れの中から平成十七年度に定率減税の縮減をお願いするという発想が出てきたわけでございます。

もう一つは、そうはいうけれども、まだまだ社会保障というものが非常に大きなものとして、そこをきちっとやっていくためにはどうしたらいいんだという御議論でございますね。

これは、当然、今も進めております社会保障全体の見直しというものが、一体化した見直しが必要でございますし、私の言葉で言えば、それは身の丈、国民経済の身の丈に合ったものでなくてはいけないだろうし、それから公助と自助の線引きということも必要だろうし、あるいは、先ほども、今朝方も山口委員とも議論をしたわけですけれども、意識改革みたいなものも必要じゃないかと。しかし、そうやってどうしても必要な社会福祉の公共サービスというものを見ていったときに、やっぱりこれだけ自然増もある中、どう見直していっても、やっぱりそれを公平に負担していただくにはどうするかということになると、私はそれは消費税の議論にならざるを得ないだろうというふうに考えているわけでございます。

そこで、山下委員のお尋ねは、それは、じゃ社会保障に特化した言わば目的税みたいなものにしていくのか、それとも一般的な税と、一般財源として考えていくのかということでございますけれども、ここはまだ議論が十分ではございません。私は、どちらかというと、消費税というものは非常に我が国の税制の基幹的な税制でございますから、特定財源とか目的税化していってしまうよりも一般財源として使っていった方が考え方としてはずっとすっきりしているし、将来もいいんじゃないかと、私個人はそのように思っております。

ただ、やはり、恐らく、その社会保障の負担は何なんだと、それを税である程度お願いしようということになりますと、やっぱり何でこういう負担が必要なんだということを納税者に納得していただかなきゃいけない。そういう観点からすると、社会保障とその税との関係、社会保障と消費税との関係というのを分かりやすいように説明していく必要があるんではないかと。そこら辺りのところは実はまだ考えが十分に整理できていないところでございます。

○山下英利君 大臣のおっしゃるとおりだと思います。

やはり、これからの税の議論をするときに、納税者が本当に理解をして、そして、やはり厳しいけれどもこれはやろうという気持ちになってくれるような税制であり予算編成だと、これが正に必要だと思います。政府は、行政改革、財政改革、行財政併せて今取り組んでおられるわけですから、ましてや、財政改革をやったときに、行政改革との関係でどのように変わってくるのかというのがやはり見えてこないと、なかなか、どちらか片方というところだけに突出しては理解が得られないんではないかなと。非常に厳しい中での財政運営をされているということが実態だと私は理解をいたしております。

そこで、改めてお聞きを申し上げたいんですが、今ようやく景気が戻ってきたと申しますか、まだまだ踊り場というふうなことにある中で、今回これ、税制改正、今度特にこの定率減税の縮減という話が出てきたわけですけれども、やはり景気を支える大きな力として個人消費があるわけです。企業収益は空前の収益を上げるまでになってきたと言われている中で、なかなか個人所得のこれは増加にはつながっていないんではないかという認識が私はございます。

したがいまして、定率減税縮減によって個人の負担増が踊り場にある景気にどのような影響を及ぼすのか、そういったところをしっかり見ながら今回のこの法案についての御検討をいただいたという意味を含めて、上田副大臣、ちょっと御説明をいただきたいと思います。

○副大臣(上田勇君) お答えいたします。

定率減税が導入をされたときと今現在との経済状況の差というのは、先ほど谷垣大臣の方からも御説明がありましたように、経済の体質強化がかなり進んだということは事実だというふうに思っております。そして、そうした中で、今委員からもお話があったように、企業部門はここのところずっと継続をして、収益の改善、設備投資の増加など、依然として非常に好調が続いておりまして、一方、家計部門についてはこれは波及が遅れてきたというのがこれまでのところでございます。

ただ、その家計部門に関しても、ここ非常に直近のところを見てみますと、有効求人倍率の上昇とともに、失業率が十年来初めて趨勢的に低下するなどといった雇用環境が非常に改善が進みまして、昨年十月―十二月期の雇用者報酬、これも様々な要因もありますけれどもプラスになり、また一月の家計調査の実質消費支出もプラスになっております。こういうことから、企業部門の改善が家計部門に波及するような動きも一部に見られてきているというふうに考えておりまして、大局的に見れば、今年若干、今踊り場という状況にありますが、緩やかな回復傾向が続いていくものではないかというふうに考えております。

定率減税の見直しに当たっては、先ほど大臣がおっしゃいましたように、一度に全部ということになりますと、やはりこれは相当な影響が出るということから、十八年一月から所得税、そしてさらに、個人住民税については更にまたラップを、期間を置きまして、六月からそれぞれ半減するということにしておりまして、一度に過度な負担が生じないように配慮したところでございます。

平成十七年度の増収額、これは十八年一月以降でありますので一千八百五十億円ということでございますが、これは全体、この定率減税も含めてほかの、定率減税の縮減のほかの税制改正などを含めますと、平成十七年度で約一千七百億円弱の増収、増税ということになるんではないかというふうに考えておりまして、現在のその経済の趨勢を見てみますと、定率減税の縮減を含む経済運営を前提としましても、今後とも景気回復が雇用・所得環境の改善を通じて家計部門へ波及する動きが強まって消費が着実に増加するのではないかというふうに考えておりまして、引き続き民間需要中心の緩やかな回復を続けるのではないかというふうに見込んでいるところでございます。

引き続き、また、この定率減税の部分だけをとらえて、それが経済全体に対する影響ということだけではなくて、これは税制、また歳出も含めて総合的にいろいろと考えていかなければいけないことだというふうに思っております。

○山下英利君 ありがとうございました。

二〇一〇年代初頭にプライマリーバランスを何とか黒字にしようという大きな目標というのは、これはもう最低限の目標だというふうに私も理解をしています。

と申しますのも、引き続き国は大きな借金を毎年しているわけであります。ただ、その中で、やはり一般会計に対して大体半分ぐらいが税収、それで半分弱。今年度は昨年度と公債の発行額は同水準というところに抑えられたという御努力、これは先ほど申したダイエットの、一歩一歩着実にという御努力だと思っておりますけれども、引き続き、やはり大きな借金を国が抱えていくという中にあって、私は、この日本の国債の管理政策というのは今正に綱渡りをしているような状況だなと、そういう意識を持っております。

そこで、お聞きを申し上げたいんですが、今、国の借金が五百五十ぐらいですか。これがこれから十年、二十年たってもまだ引き続き借入額は増え続けていくと。そういった状況の中で、毎年やはり多額の償還をしなければいけない。もちろんそういった財源はないですから借換えをするという形で、発行する国債をきちんと引き受けてくれる投資家というものも育てていかなければ、これは日本の国の財政が極めて苦しい状況になってしまうわけです。

そこで、大臣にお伺いをしたいんですが、年度ごとにこの国債の償還額を平準化していく。やはり、多いときと少ないときとばらつきが出てきた場合に、それが市場においてきちんと安定的に消化されるかどうかというところは大変私自身も不安を持っているところでありますので、この平準化への具体的な施策があればお聞かせをいただきたい。

そして、やはり、先ほど私が申し上げたように、平成三十年度にはこの国債の償還額が百五十二・五兆円と、今現状の百十二・八兆円から大体三割増加するというような試算も出ております。もちろん、今の経済環境を前提とした話ですから、これから税収が増えてくる、そういった中では変わってくるとは思いますけれども、このような中で、今の現状をベースにしたこういった試算に対しても、引き続き大量の消化については、これは十分考えていかなければいけないということであると思いますので、どのように対応されていくかということもお聞きをしたいと思います。

それから、もう一点なんですが、今我が国の国債の場合、それだけ大量の発行をしておりますけれども、これが家計、いわゆる個人の所有というのはわずかに二・三%、そして海外の投資家の所有が三・三%と極めて少ないんですね。こういった保有割合が極めて小さいところに対してこれからどのように対応されていくか、あるいは、そういった国債の保有者層に対してどのようなお考えをお持ちになっていらっしゃるのか、それをお聞かせください。

○国務大臣(谷垣禎一君) 今、山下委員おっしゃいましたように、我が国は大量の国債を抱えておりますし、プライマリーバランスを回復しても、回復する努力を続けても、引き続き借換債等で大量の国債発行をしなければならないというのが現状でございます。

特に、山下委員が御指摘になりましたように、二〇〇八年度、平成二十年度では十年債を中心とした国債の満期が集中していることもございます。それで、あるときにいきなりたくさんの国債発行をばんとぶつけて市中に消化してくれと言っても、これは必ずしもスムーズにいくかどうか分からないというリスクを抱えることになりますから、できるだけそういった発行を平準化するように、あるいは前倒しをして借換えをしていくというような手法を今までもやってまいりまして、どこかに突出したことができるだけないようにという運用をしております。

それから、さっき申しました平成二十年にそのピークが来るのは事実でございますので、今言ったようなことをやりながら、満期の集中の緩和を図るために、平成十四年度以降買入れ消却なども行って突出するのを避けるということをやっているわけでございます。

それから、そういうことをやっておりましても三十年後にはもっともっと国債の発行額が増えていくだろうということでありますが、財務省は、通称資金繰り表と言っておりますが、国債整理基金の資金繰り状況について仮定計算をやっておりまして、それによりますと、十七年度の要償還額は約百十三兆でございますが、平成三十年度には三五%増しの百五十二・五兆になるという状況でございますから、当然その国債管理をきちっとやっていかなきゃならないと、こういうことだろうと思います。

それで、国債管理のもうイロハのイは、やっぱり国が財政規律をきちっとして頑張っているんだというのが国債管理のイロハのイだろうと思います。もうそこの、何というんですか、モラルをなくして、何でも借金で賄っちゃえばいいやと政府は思っていると思われたらうまくいかなくなっちゃうというのがイロハのイだと思いますから、そこはうまずたゆまずたがを締めていく必要があると思いますが、そこから先ということになりますと、委員のおっしゃったように、日本の国債の保有者というのは割合、今で申しますと郵貯、簡保であるとか、あるいは金融機関であるとか、比較的、偏ったと言うといけませんが、どこかに集中しているということがございまして、諸外国の国債に比べますと、個人とかあるいは海外居住者の保有割合というのが非常に低くなっております。

そこで、やっぱり保有者の多様性を持たせていくということがやはり大事ではないかというようなことで、最近力が入れておりますのは個人国債の新型商品で、個人国債のそのニーズを見極めながらそういうものを発行する、これは大変好評をいただいているというふうに思っております。

それから、先般来、海外で日本国債をどうかという広報活動を行っておりまして、もうその成果がすぐ現れたかどうか分かりませんが、私、今朝、日銀が今日発表した数字を見ますと、海外の保有者割合が四・三%でしたかね、四・三%となっておりまして、私の頭に入っていた数字は四%、これ去年の九月末の数字が四%で、今朝発表の数字は四・三%って、〇・三%上がりましたので、まあ広報活動だけではないと思いますが、少し拡大してきたと、こういうことでございます。

○山下英利君 ありがとうございました。

ちょっと時間が来てしまいましたので、質問はこの程度にとどめさせていただきますけれども、やはり、今大臣おっしゃったように、海外投資家に対しての投資家説明、これを行っていらっしゃる、そして国債の保有も増えてきました。これは、今度反対に言うと、海外の投資家というのは非常に厳しいです。ですから、やはり今の日本の財政状況、これがどういう方向へ向かっていくのかということに敏感に反応してくるのがこれ海外の投資家だと思います。そして、あわせて、今度はやはり日本の投資家においてもそういった目で、いかに日本の国債であれ厳しい目で見てくるだろうと。

今日は本当は質問をさせていただきたかったんですが、財投機関債、これについても、やはり自主調達ということであれば、必然的に自主調達に対する、投資家に対する説明責任と。きちっと説明して、きちっと実行をしていく、これでもって初めて調達も円滑に進んでいくということですので、どうか、むしろ国というよりも、顧客に対するやはり発行者、債券の発行をしている発行体という感覚でこの投資家に対して対応をしていただきたいと、そのように思います。

もう時間が来てしまいましたので、私の質問はここでとどめます。どうもありがとうございました。

○西田実仁君 公明党の西田実仁でございます。

まず、今御議論ございましたけれども、定率減税のこの縮減問題につきまして、最初お聞きしたいと思います。

日本銀行が定期的に出しております生活意識に関するアンケート調査の最新のものを見ますと、家計が支出を減らしている理由として、年金や社会保険の給付が少なくなる等の不安とか、あるいは増税や社会保障負担の引上げが行われるのではないかという不安、これが上位を占めているわけでございまして、一方、どうしたらじゃ支出が増えるのかと、家計の支出が増えるのかということを聞きますと、最も多いのは所得税減税してほしいとか消費税を引き下げてほしいとか、そういうことよりも更に多いのは、年金改革や財政赤字などに対する指針を示し、国民負担の将来像を明確化してほしいと。ここは素直にその数値、アンケート調査を見ますと、単に増税を忌避しているということよりも、将来のその負担増のシナリオというんでしょうか、どのぐらいまで要するに負担をしなきゃいけないのかと、こういう予測可能性というものの向上を求めているように見えるわけであります。

そして、その観点から申しますと、今回のこの定率減税の縮減について、今申し上げた家計が支出を増やす最大の条件とされておりますその予測可能性ということから申し上げますと、では、この定率減税の縮減が財政再建とはどういう関係にあるのか、あるいは増え続ける社会保障との関係で、この定率減税の縮減がどういう関係にあるのか、こうしたことをきちっとやはり説明を分かりやすく国民に対してするということが大事ではないかと。ひいてはそれが、このアンケート結果から申し上げますと、家計の支出増にもつながっていくと、こういうことになろうかと思っておりまして、今回のこの定率減税縮減の目的、今、今日午前中から部分的に御議論ございましたけれども、税制の抜本改革の中でどう位置付けられるのか、この辺をまず最初に大臣からお聞きしたいと思います。

○国務大臣(谷垣禎一君) 今朝ほどからもうずっと議論をさせていただいたわけですけれども、定率減税の縮減につきましては、あの当時の、入れた当時の経済状況から相当立ち直ってきたということと、それから、三位一体との関係で、所得課税全体、地方税、国税、両方の所得課税を抜本的に見直さなければならないという中で、定率減税を年度に分けて元に戻していただこうということでございますが、今おっしゃった財政再建との関係で申し上げますと、この平成十七年度分の定率減税が戻った部分は、これは委員御承知のように、一つは地方の交付税に充当される部分がございますね。それから、それ以外の大宗は、もちろん幾つか、ちょっと私、法律の名前忘れましたけれども、精神障害者の観察する法律、あれに充てると、ちょっと舌足らずな言い方で申し訳ございません。ああいうのに充てるとか、若干の部分がございますが、大宗は基礎年金の国庫負担を三分の一から増やしていこうというのに使われることでございますから、直接財政再建にすぐ結び付くかどうか分かりませんが、年金の状況を維持、年金の持続可能性を高めていく、今年度に関してはそういうねらいがあるということは間違いないところだろうと思います。

〔委員長退席、理事平野達男君着席〕

そうすると、来年はどうなるかということでありますが、来年は、もちろんまだ来年度の税制も出しておりませんので余り先取りしてお答えしても──あっ、済みません、医療観察法による必要となる額と申し上げるべきでございました。

来年は、まだ私申し上げる限りではありませんけれども、今年行われた議論を前提としていくということに恐らくなるのではないかと。これはまだ決まったわけではありませんから、私の予測でございます。

だから、そういう意味で、大きな意味では財政再建と関係ございますけれども、社会保障の持続可能性との関係が高いんだろうというふうに現在は考えているところでございます。

○西田実仁君 正に、今大臣からお話しいただいたように、この「税のはなしをしよう。」という財務省さんが昨年十月に出されておりますパンフレットの一番最後に小さな字で書いてあるんですけれども、今回のこの定率減税の縮減、廃止と併せて、三位一体の改革等を通じた個人所得課税の抜本的な見直しを行うと。これにより十七年度以降の基礎年金国庫負担割合の段階的な引上げに必要な安定財源を確保と、このように一般国民向けのこれ非常にカラフルなパンフレットに、今回の定率減税縮減の基本的な目的、またそれをどう使うかということについての基本方針というものが示されておられまして、今大臣が言われたことは正にその線に沿ったお話だろうというふうに解釈させていただきたいと思います。

十八年度はどう使うかということは、もちろんまたこれから御議論あろうかと思いますが、基本的な方向は、今この「税のはなしをしよう。」と書いてある基礎年金の国庫負担分に充てるという方向であると、こういうことをもう一度確認をさせていただいてよろしいでしょうか。

○国務大臣(谷垣禎一君) おっしゃるとおりだと思います。

○西田実仁君 もう一つ、この税制の抜本改革に向けた今回の定率減税の縮減の目的でございますけれども、いわゆる基幹税としての所得税、これが空洞化を起こしているのではないかという議論が税調等でも繰り広げられて、重ねて議論されておるわけでありますけれども、今回のこの定率減税、アメリカ式に累計減税額を計ると二十兆円を超える減税が累計で行われているわけでありますけれども、この定率減税の縮減ということと、基幹税としての所得税の空洞化、これをどう元へ戻していくのかということの関係についてちょっと御説明いただけますでしょうか。

○国務大臣(谷垣禎一君) 確かに、今、西田委員がおっしゃいますように、所得税というのは極めて基本的な税制でございますから、我が国の所得課税の水準というのは世界でも随分低い方になっておりますので、基幹税として十分な税を集めてくる力、それから所得税には累進税率などが入れられますので所得再分配機能というようなものもあると思いますが、かなりそこの面での機能は、従来弱くなってきたところが、弱かったところがあるんだろうと思います。

〔理事平野達男君退席、委員長着席〕

それを回復する手だての一つと申し上げて私はそう間違いではないんではないかと思っておりますが、ただ、この点は今朝方からの御議論でも申し上げておりますように、今年度だけでは議論できませんで、来年度の議論になりますけれども、地方住民税の方は、これは地方の財政力を余り格差を広げないということもあって、応益課税だからフラット化していくと。それと併せて、要するに合わせ技で所得税の方の所得再分配機能を高めていくということでございますから、そこのところは来年度どうしていくかという制度設計でもう少し詰めませんと、今細部にわたってはなかなか申し上げられないわけですが、おおむねそういう方向で考えているところでございます。

○西田実仁君 続いて、この定率減税の縮減と、いわゆる停止条項というんでしょうか、弾力条項というんでしょうかね、これについてお聞きしたいと思いますけれども、今回、この定率減税の縮減が時期尚早ではないかという議論は一部には当然あるわけでございまして、与党といたしましても決して景気の先行きに物すごくもろ手を挙げて楽観をしているというわけでは当然ないわけであります。したがって、その与党の合意の中でも、将来、景気の悪化というものを見極めて、それでこの停止条項というものも盛り込まさせていただいているわけでありますけれども。

その際、これは本会議でも議論がちょっとあったと記憶しておりますが、その停止条項は総合的に景気を見極めるということに尽きるとは思いますけれども、例えば金融政策におきましても、大まかにではありますけれども、市場に対する、あるいは国民に対する予測可能性ということからしますと、金融政策においてもある一定の量的緩和を解除する際のめどというものを立てて、そして予測不可能な金利上昇を防いでいるという、そういう成功事例ではないかというふうに私は考えておるわけですが、今回のこの定率減税縮減に関する、どんなときに、じゃ縮減をやめようというのがある程度のやっぱりイメージというものが必要なんではないかというふうに思う面も正直言ってあるんです、そういう具体的に数字としてというかどうかは別として。

それは、例えば政府税調の石さんが中公新書で「税の負担はどうなるか」と書かれているところにも議論がされておりまして、税制改革が全体として増税の方向を目指すなら、その発動に関し可能な限り景気回復指標とリンクさせておく方が望ましいと。例えば、成長率とか物価上昇率とか失業率などの指標が具体的にどの水準に到達したら政策を始動させるべきか、事前に条件を定めておくべきであろうというふうに石会長はこの本の中で私見として書かれておるんだとは思いますけれども。

確かに、その景気動向に対する影響というものは大変に大きい税制の改革ということになりますと、ぎちぎちにするのはまた難しいと思いますけれども、ある程度のイメージは必要じゃないかというふうに思うわけですけれども、この点、いかがでございましょうか。

○国務大臣(谷垣禎一君) このいわゆる停止条項というのは、もう委員がおっしゃったように、経済というのは生き物であるから、今後の景気動向についてはもう決めたら馬車馬のごとく突っ走るというようなものであってはいけないねと。そのときそのときの経済状況を見て、一体政策的に何が必要かという判断をしながら適宜適切に対応せよと、こういう趣旨ですので、ばさっと言ってしまえば、なかなか、言わば一般条項みたいなものでございまして、なかなかこうだとは言いにくい面があるのは事実だと思います。

で、私は、もう少し、じゃ、この条項を具体化して考えるとどうなるんだというお問い掛けに関しては、私はまずこの条項が直接に一番みんな、これを入れた方々の頭の中にあったのは、今年はとにかく入れるにせよ、来年また次があるねと。その来年やるときにはちゃんと景気の動向を見て、引き続きやっていいかどうか、それはよく見なさいよというのがこの条項の含意の第一番だったんではないかと思います。もちろん、それがすべてだというふうに私は申し上げるつもりはありませんけど、それが第一。

さらに、もう少し詰めて考えますと、実際入っていくのは、平成十八年の一月から入っていくわけですね。平成十七年度に具体的にこの四月から入るわけですけれども、じゃ、平成十七年度の景気がどうなって、そして実際に入れたときの影響がどうなるかというのはもう十八年度に入らないと見られないわけですけれども、その辺りのあらあらの予測が付けられるのも、現実に申しますと、来年度の予算編成過程といいますか、税制の作成過程ということになるんではないかなと思うんですね。だから、そこらにもう一回、そこらでちょっと定量的に、私、じゃ何が何%になったらというお答えをする用意はないんですけれども、来年の税制編成過程ではそれまでの景気動向、いろんな指数、よく見て議論をしろということなんじゃないかなというふうに思っております。

○西田実仁君 余り突っ込んでお聞きするとお答えにくくなってしまうんじゃないかという気もしますけれども、大まかのイメージという、私がつかみたいイメージとしますと、例えばですけれども、今のようにGDP四半期、三四半期連続でマイナスになっている、あるいはアメリカのように機械的に二四半期マイナス、いわゆる景気後退の定義、こういう状況に仮にあったとした場合はどうなんでしょうかね。

○国務大臣(谷垣禎一君) これもお答えしにくいんですが、要するにそれも実は、今三期連続とおっしゃいましたけれども、この間の九―十二月のQEの見直しの版が出ましたけれども、あれはちょっとプラスになっておりまして、非常にデリケートなところを行っているわけですね。だから、その数字の質にもやっぱりよるんだろうと思うんですね。

○西田実仁君 これ以上言ってもあれでしょうから、いずれにしても、我々ももちろん税制をきれいにしていくということが目的ではなくて、当然成長をしながら財政も再建をしていくということが一番大事だろうということで御質問をさせていただきました。

今回のこの定率減税の縮減というか、今日の法案審議の中で提案されております中の寄附金税制についてちょっと話を移させていただきたいと思います。

寄附金の税制につきましては、今回その上限を引き上げるということで見直しがなされているわけでありますけれども、私、今日お話をさせていただきたいのは、今回のスマトラ沖地震に対する寄附金の扱いについて問題提起というか、させていただきたいと思うんですけれども。今回このスマトラ沖地震が発生しまして、日本政府はいち早く支援を決定し五億ドルを出したわけでありますが、一方で、例えばアメリカはどうかと申しますと、特にアメリカにつきましては、今回の地震に対する支援は、寄附金につきましては全額免除に、損金算入できるようにしていると。一つ数字的なところを申し上げますと、アメリカにおけるこの赤十字への寄附というものは大体三百億ぐらいに対しまして、日本はその十分の一近い四十億円余りしかないと、こういうような数値も挙げられているわけでございますけれども、まずこの日米の特に法人にかかわる寄附金控除の比較をさせていただきたいと思います。

日本とアメリカ、それぞれ損金算入する場合、法人が寄附した場合の損金算入の式の違いについてちょっと御説明いただけますか。

○政府参考人(福田進君) お答え申し上げます。

アメリカの寄附金税制と我が国の寄附金税制の比較について、一般論として申し上げますと、例えば一定の公益的な団体に対する寄附金の所得控除枠等については米国の方がやや広いと思われる面がございますけれども、他方、今委員の方から御指摘がありましたように、我が国の法人税におきましては、国、地方公共団体に対する寄附金や指定寄附金につきましては全額が損金に算入されると、限度ございません。そういったほか、一般寄附金の損金算入枠が認められているなど、米国にはない特色がございまして、いずれが厳しいかはなかなか一概には申し上げることは困難でございます。

ただ、寄附金額、我が国よりもアメリカの方が多いというのは事実であろうかと思いますが、一つには、その背景として宗教団体が寄附金優遇団体となっていること等の事情にも留意する必要があるのではないかなというふうに考えております。

いずれにいたしましても、寄附金税制の国際比較に当たりまして、その背景にあります寄附に関する国民の意識、文化、それから所得環境などの経済社会の状況等が異なることにも私どもは留意する必要があるんではないかなというふうに考えております。

○西田実仁君 確認ですが、例えば自己資本が百億円で、税引き前利益が十億円の場合の法人ですね、法人の場合、これは日本とアメリカでその損金算入額は異なるんではないでしょうか。

○政府参考人(福田進君) 今御指摘のケースで申し上げますと、我が国の場合には、法人につきましては資本金額の〇・一二五%、それから所得金額の一・二五%が寄附金として出された場合に、その範囲内で損金算入されるということになっております。  他方で、アメリカの場合でございますけれども、法人税について申し上げますと、所得の一〇%が限度になっているということでございます。

ただ、今のは一般のところで、先ほど申し上げましたように、いわゆる指定寄附金等につきましては全額、国、地方公共団体については全額損金に落ちるというのが日本の制度でございまして、どちらがどうこうというのはなかなかちょっと比較が難しいところを御理解いただきたいと存じます。

○西田実仁君 全額というのは、法人税の場合ですけれども、今おっしゃっていた国、地方公共団体に対する寄附金プラス指定寄附金が全額損金算入ですね。

しかしながら、その特定公益増進法人に対する寄附金や認定NPO法人に対する寄附金は全額ではないですね。そして、その全額ではないところの法人の数ですけれども、例えば日本の場合、特定公益法人並びに認定NPO法人への数ですけれども、これは大体二万社ぐらい、二万法人ぐらいだと思います。それに対してアメリカは、いわゆるパブリック・チャリティというんでしょうか、百二十万ぐらいの法人がその寄附金控除の対象となるというふうに認識しておりますけれども、かなり大きな差があるというふうに私は認識しておったんですが、いかがでしょうか。

○政府参考人(福田進君) お答え申し上げます。

アメリカの場合に、優遇団体数でございますが、私が今持っております資料といたしましては九十六万四千、百万近い数字でございます。これに対しまして日本の場合には、今おっしゃいましたように、特定公益増進法人に対する寄附金は二万一千強で、いずれにしても両者の間に大きな差があるというのは御指摘のとおりでございます。

○西田実仁君 つまり、先ほど局長さん御説明いただいた、文化が違うと、日本とアメリカとは文化が違うんだということは、もうよくこの寄附金税制に関してはどこでも言われていることでありますけれども、問題なのは、公益に役立つ寄附を奨励する仕組みがあるかないかというところがやはりその文化の違いを生んでいるという面も私はあると思っております。

特に、日本という国をどうブランディングしていくかというナショナルブランディングから考えると、例えばそういう何か困っている、スマトラ沖で大変に困っている人がいたときに、時限的にでも全額を損金算入していくというような仕組みをつくっていけば、これが諸外国から見て優しい国であるという一つのブランディングにもなろうかと思っておりまして、それはやはり政策を立てる方の意思ではないかというふうにも思うわけでありますけれども、この点、いかがでございましょうか。

○政府参考人(福田進君) お答え申し上げます。

我が国の寄附金税制につきましては、実は近年の税制改正におきましても私どもといたしましてはその拡充を図ってきたところでございまして、被災者支援活動その他の公益的な活動を行っておられる非営利法人等を資金面から支えるに当たり有効に機能しているんじゃないかなというふうにも考えております。

また、先ほど委員の方から御指摘ございましたように、この平成十七年度の税制改正におきましても寄附金税制についてなお一層の拡充を図ることとしておりまして、こうした措置が積極的に活用されることを期待しているところでございます。

○西田実仁君 冒頭申し上げたとおり、今回のスマトラ沖地震に関しましては政府はいち早く五億ドルの支援を決めました。しかし、その五億ドルといっても、政府は七百兆円以上借金があるわけですから、結局は別に政府が何か単独で出したというよりも、国民のお金を出しただけにすぎないわけでありまして、政府には借金がたくさんあって、民間には一杯お金があるとすれば、やはり民間のそのお金をこうした公益に役立つ寄附、役立てる仕組みもつくっていくことが道理に合っているわけで、そこをもうちょっと整備を、もう今既に一定の整備は今回の税制改革でされているとはもちろん認識しておりますけれども、まだまだ足りないし、日本という国をいい意味でナショナルブランディングしていく意味でもこうした仕組みづくり、公益に資する寄附金をつくっていく仕組みづくりももっとしなければならないということを申し上げて、次の質問に移らせていただきたいと思います。

次は、基本的な構造問題についてお聞きしたいと思っておりまして、内閣府で構造改革と経済財政の中期展望、いわゆる中展で、平成十七年度予算の後年度歳出・歳入への影響試算等も財務省でも出されておりますけれども、まず基本的なところですが、この財務省さんでお出しになっている平成十七年度予算の後年度歳出・歳入への影響試算で税収等のところを見ますと、平成十九年度並びに二十年度の税収等の伸び率は一・九と〇・六%というふうになっているわけですが、この前提となる経済指標である名目経済成長率は十九、二十年度ともに二%、要するに名目GDPは二%伸びるという中で、税収等はそれを下回るという数字になっているものと理解しておりますけれども、これはどういうことなんでしょうか。

○政府参考人(杉本和行君) 後年度の財政試算に関しましては、機械的に、税収につきましては先生おっしゃいました、委員おっしゃいましたような弾性値を使いまして税収を伸ばしております。ただし、毎年度確定しております税制改正につきましてはその分を織り込ませていただくということにしてございますので、過去の税制改正等の影響、それから十七年度税制改正等の影響を織り込みました結果、そういう数字になっているということでございます。

○西田実仁君 つまり、経済の全体の規模よりも税収等は低くなってしまうということですね、数字上。

○政府参考人(杉本和行君) お答えいたします。

後年度影響試算におきましては、十七年度の税収が五・四%の伸び、十八年度の税収が五・三%の伸びになっておりますので、前提としております名目経済成長率、十八年度が二・〇でございますので、経済の伸びよりも税収の伸びの方が大きくなっているという姿になっていると思います。

○西田実仁君 いや、私が言っているのはそうじゃなくて、十九年度、二十年度の税収プラスその他収入も含めた税収等のところを言っておりまして、そこが一・九と〇・六というふうに税収等の伸びは試算をされておられますよね。これについてお聞きしているんです。

○政府参考人(福田進君) 先生さっき御指摘のように、機械的な試算におきましては成長率に弾性値を掛けております。一・幾らの弾性値を掛けておりますので、他の事情を一定にすれば、おっしゃいますように税収の方が上回るわけでございますけれども、他方で、今分かっている制度改正等はその試算において織り込んでおりますので、仮に将来的に税収が減になるような制度の改正が入っていれば当然その分が落ちるということでございまして、後ろの方へ行って減になっているのはそういう影響が出てきているというふうに御理解いただければと存じます。

○西田実仁君 今日これから議論をさせていただきたいのは、小泉総理が言われている、改革なくして成長なしということを言われるわけですけれども、当たり前の議論ですけれども、やっぱり成長なくしては財政再建というのはあり得ないわけでありまして、税収がやはり増えなければ、あるいは増えるようにしていかなければ、それが全くなく財政再建するというのはもう非常に難しいと。もうこれはだれでも分かることで、成長なくして財政再建なしという立場からこの予算等を考えていくということが大事だと思っております。

しかしながら、成長というのはつまり税収増につながっていくわけですけれども、これは本来表裏一体にもかかわらず、財政再建ということが財政の論理というか、財政の中で議論をされておりますけれども、やはり成長というのは一年単位で、一年の単年度で見ていくわけではございませんで、私が申し上げたいのは、予算の単年度主義ということと成長政策ということについて、諮問会議では今成果主義型予算を今度やっていこうということを主張されているようですけれども、それも大事だと思いますけれども、やはり成長主義型の予算というものをやっぱり組んでいかないと、私は、単なる、成長なくして財政再建なしにもかかわらず、この成長するということと財政再建をするということが別々の論理で何となく動いていて、有機的に予算上つながってこないんではないかというふうに非常に危惧をしております。その根源は、やはり予算の単年度主義ということにつながっているんではないかという問題意識を持っております。

まだ、もしかしたら間違っているかもしれませんけれども、予算の単年度主義、これは憲法の八十六条でももちろんそのように言われているわけでありますけれども、しかしながら、成長と財政再建ということを結び付けるような予算の組み方ということを考えたときには、例えば新しい施策を入れたときに、それが財政にどういう影響を与えていくのか。端的に言えば、郵政の民営化しましょうということで今やっているわけですけれども、それが成長にどうつながって、そしてそれが財政再建にもどうつながっていくのかという道筋を示していくことが非常に大事だと思っておりまして、この予算の単年度主義がその壁になっているのではないかという問題意識を持っておりますが、大臣、いかがでございましょうか。

○国務大臣(谷垣禎一君) 西田委員の問題意識にうまくお答えできるかどうか分かりませんが、予算を組むのにやはり成長ということを考えないと、何だか財政再建だ財政再建だと言って、言ってみればどんどんどんどん身の丈が縮んじゃうようなことをやったって仕方ないだろうと、一つおっしゃったんだと思うんですね。それに対しましては二つお答えすることがあるんだと思うんです。

一つは、やはり今財政が厳しゅうございますから、どんどん財政を放漫に使うというようなことはできるはずがないんで、今ある、今年使える財政資源の中でできるだけそれを伸びる分野に回していく、成長できるような形で使っていくと。これは税制もそうだと思いますが、そういう思考が一つなきゃいかぬということがあると思うんですね。

それからもう一つは、結局、今朝方どなたかの御議論でもございましたけれども、やっぱり、日本は、バブルがはじけて以降、やっぱり今企業が最大の貯蓄過剰部門になってしまっていると。それで政府が一番の、何というんでしょうか、資金を使う部門になっているわけですね。これがなぜなのかというのは、もちろん議論し出すと切りがありませんけれども、やっぱりある一定の時代の、何というか、いろんな、財政や経済の流れがそういうものをつくってきた面があると思うんですね。やっぱりそれを乗り越えていくためには、やっぱり私は資金が、限られた資金が、国があるいは公的な部門がその資金を吸い上げていくというような体制からは決別していかないと資金が民間に回っていくという構図はつくれないんではないかと思います。これは民間の方のいろいろな体質改善の努力と我々の方の財政再建の努力と、これは重なってこなきゃいけないと思いますが、財政再建にはそういう意味合いが、私は、資金の取り手はだれだという、そういう問題があるんだと思います。

その上で、今委員がおっしゃっていることは、やっぱりそういう辺りのことを多年度で考えてやっていくようにならないと、なかなか国の財政運営としても方向性がきちっとしてこないではないかという御指摘だろうと思います。それは確かにそのとおりでございますが、委員もおっしゃいましたように、やはり国会の財政統制ということがございますから、単年度というのはやはり憲法上の原則でもありますし、諸外国でも予算というのは大体そういうふうに、まず例外なく単年度主義でつくられていると思います。

そうしますと、私どももモデル事業みたいなのを入れて、できるだけ多年度をにらみながら効率的な資金の使い方はどうかということを考えている、今やりつつあるわけですけれども、委員のおっしゃったことは、そういったことだけではなくて、恐らくこれから数年後、どういう方向に日本の経済、財政を持っていこうとしているか、個々のモデル事業で何々をするというだけにとどまらないものが今の委員の問題意識の中にはおありだったんではないかと思います。それを全部お答えするわけにはなかなか今材料がないわけですが、やはり経済財政諮問会議なんかで骨太の方針を作ったり中期展望を作ったりしているのもそういう方向を模索する努力の表れと、まだまだ考うべきこともたくさんあると思いますが、そういう流れの中のいろいろな努力なんだろうというふうに考えております。

○西田実仁君 正に成長政策というものを主眼にした歳出構造にしていかなきゃいけないと。その成長がなければ財政再建もあり得ないわけでありますので、それを中期的に、今、中期展望あるいは「改革と展望」ですね、これがそういう意味では作られて一つの指針にはなっているわけですけれども、私は、もうちょっと踏み込んだものが、イギリスとかあるいはオーストラリアとかニュージーランドで今現実に行われているような複数年度予算というものも検討に値するのではないかということを申し上げさせていただきたいと思います。

今、大臣の方で、大きな話としては官から民へというお金の流れを作っていかなきゃいけないと、こういう御指摘がございましたけれども、私はこれからの特殊法人改革あるいは特別会計の抜本的な改革ということを進めていくに当たって幾つかやはり確認しなきゃいけないことがあると思っております。それは、やはり国の財政の透明性が高ければ高いほど実は財政赤字が相対的に小さいというような研究報告も出てきておりまして、そういう意味で幾つかのことを明らかにお答えいただきたいと思いますけれども。

一つは、山一証券に対する日銀の特融でございますけれども、これは焦げ付きが結果として一千百億だというふうに認識しておりますけれども、これがそのまま国庫納付金、日銀納付金の減少につながると、国庫に対する納付金の減少につながるというふうに考えてよろしいんでしょうか。

○政府参考人(杉本和行君) 日銀納付金に関しましては、日銀の決算状況等を踏まえまして、それぞれ日銀から納付金を算定されることになっております。おっしゃいましたような山一の件は、その日銀納付金の算定に際して積算の中に入っていくということになろうかと思っております。

○西田実仁君 平成十七年一月二十六日現在で一千百十一億の特融残高というのが今あるわけでありまして、引き当て等をしておりますけれども、結局はこれが国庫納付金の減少につながるということだろうというふうに認識しております。

もう一つ、国鉄の債務残高で、長期債務でございますけれども、これは今どのぐらいの額に当たっているんでしょうか。というのは、お呼びしていませんでしたので私の方でじゃお答えしますけれども、済みません、平成十五年度末で二十三兆円だと思うんですね。つまり、政府の債務残高は七百兆超えているとか、これ、いろいろと言われるわけでありますけれども、確かにいろんなこれまでの経緯という問題があると思いますが、私はこれから、過去のことはとやかくもう言ってもしようがない、結果論なんですが、これから特別会計とかあるいは特殊法人改革を全面的に見直していくという中で、こうした残された赤字とかあるいはその清算方法、こうしたものもしっかりとした信頼できるものにしなければ結局は全部国民のツケに回っていくわけでありまして、国鉄は確かに民営化して良かった面もたくさんありますけれども、現実に二十三兆円の長期債務というものがまだいまだに残っているわけでありまして、こうした、これからいよいよ取り組むとされている特別法人改革の全面的な見直しということについて、どのぐらい例えばある特殊法人が赤字が残っていて、それをどう清算していくのかということをきちっと信頼できるものを提示しながら改革をすることが必要であるというふうに思いますけれども、御所見を、あるいは御決意をお聞きできればと思います。

○国務大臣(谷垣禎一君) 特殊法人改革、委員がおっしゃいますように、非常に大きなテーマでございまして、かなりこの間進めてまいりました。それは、平成十三年度に財投制度を改革いたしまして、基本的に郵貯、簡保、郵貯資金等が全額預託義務だったと、これを切り離して財投債又は財投機関債で市場で必要なものを調達していこうと。それと同時に、それぞれの財投機関あるいは特殊法人等についても民間の財務諸表等を取り入れて、そういう民間の分析の仕方でどこに問題点があるのかというようなのを分析しつつやってきたわけでございます。

それで、今年も都市整備公団等々民間と競合する仕事を整理するとか、あるいは早く、貸付金を早く償還して、将来になっていくとだんだん荷が重くなってくるんじゃないかというようなものを早めにとにかく整理をしてしまおうというようなことをやりまして、私は相当進んできたというふうに思っております。まだまだ足りないところがあれば今後ともやらなければならないわけでございますけれども、また御支援を賜りたいと思っております。

○西田実仁君 是非、その改革に当たりましては、今申し上げたとおり、改革をして残された赤字が国民のツケとなっていくというような形にできる限りならない形で、またそうなる場合でもそれはきちっとその清算方法を明らかにして示しながら改革をしていかなければ、結局は、最後はみんな国民にツケが回っていろんな御苦労を掛けてしまうということであろうかというふうに思います。

続きまして、為替の問題についてちょっとお聞きしたいんですけれども、先日の予算委員会で総理が外貨保有資産の分散化という発言をされて大変に物議を醸したということがありまして、かつて橋本総理のときもアメリカでたしかそのような、大学での講演の中で質問のやり取りであったかというふうにも記憶しておりますけれども、より本質的な問題としては、そういうことももちろん大事なんですけれども、かつての、最近は余りやっておりませんけれども、巨額の為替介入によって、それが国民経済に対してどういう功罪があったのかということをやはり整理する必要があるかというふうに思っておりますので、ちょっと質問させていただきたいと思います。

まず、現時点で政府による為替介入によってどのぐらいの為替評価損があるのか、その実額を確認させていただきたいと思います。

○国務大臣(谷垣禎一君) 外為特会が保有する外貨資産の平成十六年度末時点における累積の評価損ですが、十一兆、十一・四兆ということであります。

○西田実仁君 十一兆四千二百八十九億円、十一・四兆円が十七年度末で含み損として上げられているということでございますが、為替介入そのものは、円売り介入は特に二〇〇三年度巨額に行ってきたわけで、そうしたことの累損というか、累損というか含み損が先ほどおっしゃった十一・四兆円、こういうことだと思うんですけれども、一方で、じゃ、功の方はどのぐらいあるのかと。当時、巨額の為替介入をして経済に対してどの程度プラス面があった、これは数字にするのは難しいとは思いますけれども、現時点ではどのように認識をされておられるでしょうか。

○国務大臣(谷垣禎一君) 今の点はちょっと定量的に申し上げるのは難しいわけで、そういうお答えをする前に定量的にお答えできるのを申し上げますと、外為特会の累積運用益というのが平成十五年末時点で約三十・二兆と、これは金利差がございますので、運用してそれだけ運用益があるということでございます。

それで、委員のお尋ねは、大量の為替介入をしてどういう効果があったのかということでございますが、当時は、当時といいますのは二〇〇三年から二〇〇四年の初めにかけての期間ですけれども、イラク情勢等が相当緊迫といいますか、不安な情勢等々がたくさんございまして、地政学的リスクということが随分言われました。それから、それに加えてアメリカのいわゆる双子の赤字というものに対する懸念もありまして、その二つがやはり、何というんでしょうか、ドルに対する一種の嫌気を誘っていた時期だったと思うんですね。

したがいまして、本来の、今のそれぞれの成長率を見ましても、アメリカの成長率自体が特に弱含みだったとかいうことではないんでありますが、そういう経済のファンダメンタルズとちょっと違う形で為替水準が移行していたという時期で、そういうファンダメンタルズと乖離した形を防ぐために私どもは介入をしたわけでございます。

それで、やはりあの当時の、あの当時はまだ、今に比べましても、現在もデフレが進行中でございますけれども、デフレの懸念も今より更に強い時期でございましたし、経済の回復度合いも今よりもずっと弱い弱含みの状況でございましたから、あのときにそういう為替の思惑含みでの乱高下というようなものがそれぞれの企業に、個別の企業に与える影響も私はかなり大きかったのではないかと思いますし、また、デフレを乗り越えていく展望をつくる意味でも非常に懸念、懸念といいますか、支障があったのではないかと思っておりまして、こういう思惑的あるいは無秩序な動きを抑制していくということで、相場の過度の変動や行き過ぎを防いで、企業のビジネスマインドといいますか、それから消費者のセンチメントといいますか、そういうものに及ぼすマイナス影響を緩和するという意味では私は極めて効果があったのではないかと、介入した本人が申し上げてなんでございますが、そう思っております。

○西田実仁君 当時とデフレの状況は大分違う、少し変わってきたというお話がございましたけれども、基本的なその介入に対する姿勢というのは今もおっしゃったようなことでよろしいんでしょうか。

○国務大臣(谷垣禎一君) これはG7等のコミュニケでも度々確認をされておりますけれども、為替は経済のファンダメンタルズを安定的に反映すべきものである、そして過度の変動や思惑的な動きは好ましくないということでG7諸国一致しておりまして、私どももそういう認識の下に、為替介入等する場合にはそういう認識の下に行っているわけであります。

○西田実仁君 その意味では、余り言ってもあれですけれども、外貨資産の保有の分散化ということで、要するにそういう市場が余り変に不安定にならないようにという配慮で動いている中で、その波乱要因をつくってしまうような整合性のない経済をやっていると成長にかえって妨げになってしまうというちょっと心配をしておりまして、質問させていただきました。

次に、全く話が違うんですが、偽造通貨の話をさせていただきたいと思っております。

偽造通貨、特に五百円玉でございますけれども、特に熊本沖で回収をされた鉄パイプに詰め込んだ偽造通貨、五百円玉の話でございますけれども、これは報道によりますと、この偽造通貨は鉄パイプに詰めて中国から届いたと、そしてこれは横浜の税関を通じて容疑者に届いたと、税関ではエックス線写真にはこの通貨らしいものは写っていなかったということなんですが、この偽造対策、特に新五百円貨に関する偽造対策の現状は今どうなっているんでしょうか。

○政府参考人(木村幸俊君) お答え申し上げます。

財務省・税関では、従来から、偽造通貨それから偽造紙幣等を覚せい剤、銃砲と並ぶ輸入禁制品として位置付けておりまして、厳重な水際取締りを実施しているところでございます。

その具体的な密輸取締りに当たりましては、本年三月十日に発表いたしました「新五百円貨の偽造対策について」にも掲げられておりますように、従来から、情報の収集、分析によって絞り込んだ要注意貨物及び旅客等につきまして重点的検査を実施する、それからエックス線検査装置など取締り・検査機器を積極的に活用する、それから、関係機関、警察等との連絡を強化すると、そういった形で重点的な水際取締りを実施しているところでございます。

なお、先ほど委員の方から今回大量発見された偽造五百円硬貨の話がございましたけれども、これにつきましては、現在、その事案の背景を含めまして警察等の捜査当局によりまして鋭意捜査が行われているものと承知しております。

○西田実仁君 この偽造通貨についての対策で、一つはエックス線検査装置など取締り・検査機器を積極的に活用すると、こういう御指摘ございましたけれども、しかしながら、この報道が正しいかどうか分かりませんけれども、今回エックス線写真をやったわけですよね。横浜の税関ではエックス線写真も通過したんだけれども、捜査本部によれば、エックス線で判別されないような金属製のパイプに詰めて偽造硬貨を密輸したというふうに報道されているわけです。

そうしますと、エックス線検査装置を活用するといっても、既にもう活用しているんじゃないでしょうか。

○政府参考人(木村幸俊君) ただいまお答え申し上げましたとおり、今回のその五百円、偽造新五百円貨幣の行使につきましては現在警察当局が鋭意捜査中であると承知しているわけでございます。

具体的な事件でございます。その捜査に影響を与えるおそれがあることから、財務省として、今委員からお話あった点につきましてコメントすることは差し控えたいと思っております。

○西田実仁君 それでは対策にならないんじゃないでしょうかね。単純に思えば、エックス線を通したけれども判別できなかったというエックス線を活用、今後もして偽造対策をしますという対策になっているようにしか見えないんですけれども。

そうしますと、じゃ捜査の進展を見て新たなエックス線を使うとか、何かこれまでと違うやり方をしない限りは永遠に判別されないというふうになるんじゃないでしょうか。

○政府参考人(木村幸俊君) お答え申し上げます。

現在、そのエックス線検査装置、各税関におきまして、例えば固定式のもの、それから移動式のもの、さらに大型エックス線検査装置、これはコンテナの検査等に今使っておりますけれども、そういういろんな各種のエックス線検査装置を導入しております。

それはもちろん、物を導入しておりますけれども、それをきちっと、職員の方がエックス線検査写真を見ましてきちっとそれに対して的確な検査ができる必要があるわけでございまして、そういったものを考えまして、適切な例えば研修とか、そういったものに鋭意努めているところでございます。

いずれにいたしましても、今後とも、今偽造貨幣の流入というのは通貨の信認を脅かすものでございます。偽造通貨等、覚せい剤等の社会悪物品と並ぶ輸入禁制品として厳格な取締りを実施していきたいと考えております。

○西田実仁君 ちょっとしつこいようですけれども、研修とかしても、要するにその機器そのものがちゃんとしたものでなければ、幾らその使い方を研究しても意味がないということになりかねないということをすごく心配しております。

おっしゃったように、正に悪貨は良貨を駆逐するわけでありまして、こうした事件が大変に増えている。そして、硬貨だけではなくて、海外からこれからもしかしたら偽札とか、お札の方も来るかもしれないし、そういう様々なことを考えていかなければならないような今現況にあるんではないかということを大変に心配をしておりまして、再度、今のこの三月十日に出された対策が現時点ではこういうことなんだというふうに理解しなければならないと思いますが、捜査の進展次第ではちょっと考え、もう一考、再考する必要があるんじゃないでしょうか。

○政府参考人(木村幸俊君) 繰り返しになって恐縮でございますが、関税局、税関といたしましても正に偽造貨幣の流入の大きな問題であるということは十分認識しているところでございまして、今後とも、エックス線検査装置、さらにはその関係、先ほど申しましたけれども、関係機関との連携の強化、それから情報の収集、分析、そういったものに努めまして、厳重な水際取締りに努めてまいりたいと考えております。

○西田実仁君 最後に、ちょっと順番があれでしたけれども、納税者番号制の話を最後大臣に一言コメントをいただいて終わりたいと思いますけれども、総理からも納番制について具体的に議論すべきというような御発言もありまして、先ほど、昼間議論もございましたけれども、公平な所得捕捉ということから納税者番号というものの導入が以前からもう随分議論をされてきているわけであります。

特に、ガラス張りと言われるサラリーマンと自営業者等の経費の問題、こうしたことが象徴的に議論もされているわけでありますけれども、それは私も、やはり公平ということを考えたときに、納税者番号制をどう考えるのかという大変大事な問題だと思っておりますが、公平というのは意外と分かりやすいようで非常に難しい概念でありまして、特に自営業者の場合とサラリーマンの場合を比べたときに、中小零細企業の経営者は、改善されているとはいいながら、自らの財産もすべて懸けて、担保に入れて事業を営んでいるというところで、ですから、だからといって経費を何かごまかして税金を少なくすることを別に奨励するわけじゃ全くありませんけれども、やはり仕事の仕方とかあるいはその責任の大きさとか、これはやはり勤め人の方と中小零細企業を経営されている方とはまたこれは違うわけであります。どっちがどうということではなくて、違うと思います。

そう考えていくと、納税者番号を入れて所得捕捉をきちっとしていくということも大事だと思いますが、それと同時に、先ほどもちょっと議論ありましたけれども、税負担を、例えば中小零細企業の税負担をもっと簡素化して、より正しく申告をすることがかえってメリットになるというような、そういう税制の仕組みづくりも必要ではないかというふうに常々思っておりまして、納税者番号制による所得捕捉、そして中小零細企業の方々への影響、そして税制の簡素化、より正しく所得を申告することがかえってメリットになるような税制の仕組みということについて、大臣から一言、最後コメントをいただいて終わりたいと思います。

○国務大臣(谷垣禎一君) 納税者番号制度は議論すべき論点がたくさんあると思うんですね。基本的には、委員がおっしゃいましたように、徴税の適正あるいは公平、こういうことを目的とする。我々、税を集めて、いただく側からすれば、どれだけそれが効率的にできるかという視点があると思います。ただ、他方、今おっしゃったような、言ってみれば手間も相当掛かる、コストも掛かる。そうすると、そういった辺りも、一体何を目的として入れるんだということもよくよく考えてやらなきゃならない面があるというふうに思います。

それと、やっぱりこれは、今正に委員のおっしゃったことですけれども、税制をどうしていくかということと無縁ではあり得ないわけだろうと思います。大体、消費税を中心に税制を組み立てている国では必ずしもこういうことを考える必要はない国が多いんだろうと思います。しかし、所得税制を中心に組み立てていこうという国では、やはり不公平をなくす意味でこういうものが必要だという考えがどちらかというと強いんだろうと思います。

そういう全体の税体系の在り方と併せて、一体何を、何のためにそれをやるのかというのは、いろいろ、私は決してネガティブに言っているわけではないんですが、議論をよくよく詰める必要があるんだろうと思っております。

○西田実仁君 終わります。

○委員長(浅尾慶一郎君) 両案に対する本日の質疑はこの程度にとどめます。

─────────────

○委員長(浅尾慶一郎君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。

所得税法等の一部を改正する法律案の審査のため、参考人の出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○委員長(浅尾慶一郎君) 御異議ないと認めます。

なお、その日時及び人選等につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○委員長(浅尾慶一郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。

本日はこれにて散会いたします。

午後五時十八分散会

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参議院 財政金融委員会 3号 平成17年03月15日(その1)

2005年03月15日 (火)

162-参-財政金融委員会-3号 平成17年03月15日

○委員長(浅尾慶一郎君) ただいまから財政金融委員会を開会いたします。

委員の異動について御報告いたします。

本日、大久保勉君が委員を辞任され、その補欠として岩本司君が選任されました。

─────────────

○委員長(浅尾慶一郎君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。

財政及び金融等に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、政府参考人として内閣府産業再生機構担当室長藤岡文七君外五名の出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○委員長(浅尾慶一郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。

─────────────

○委員長(浅尾慶一郎君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。

財政及び金融等に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、参考人として預金保険機構理事長永田俊一君の出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○委員長(浅尾慶一郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。

─────────────

○委員長(浅尾慶一郎君) 財政及び金融等に関する調査を議題とし、財政政策等の基本施策に関する件及び金融行政に関する件について質疑を行います。

質疑のある方は順次御発言を願います。

○峰崎直樹君 民主党・新緑風会の峰崎でございますが、さきの予算委員会に続いて、ちょっとやり残したこともありますので、まず税のところから入っていきたいというふうに思います。

前回、前回というか、十日の予算委員会のときにもいわゆる質疑をしたわけでありますが、例の定率減税を二分の一廃止をするということで、あの定率減税を入れたとき、そのときの経過については、当時与党でおられた自由党の衆議院でいえば中塚一宏さんの質疑を興味深く拝聴したわけでありますけれども、そのときに、定率減税の二分の一削減以上に実は二つ大きな制度改正をしているわけですね。五段階にわたった所得税の累進課税を四段階にする、最高税率をなくしてしまったわけです。もう一つは、法人税制を抜本的に改革して法人税を切り下げたわけです。

今日はこの二つにちょっとお聞きしてみたいわけでありますが、この最高税率を、五〇%を切り下げたその目的というのは一体何だったんでしょうか。

○副大臣(上田勇君) お答えをさせていただきます。

もう委員も御承知のとおりでございますけれども、九九年の税制改正におきまして所得税課税の最高税率の引下げを行ったわけでありますけれども、これは、その理由といたしましては、まず一つには、主要諸外国におきましても所得税については税率構造のフラット化の流れが顕著であったということ。もう一つは、そうしたことを踏まえまして、政府税調におきましても、平成五年以降、特に日本におきましては所得格差が国際的に見ても小さい中で、最高税率の水準が高く、しかも所得がそれほど高くない層から高い税率が適用されているという累進性が主要諸外国に比べて非常に大きいというような面があるという指摘が行われておりました。特に、そんな中で、高過ぎる限界税率の下では、やはり生産活動の意欲を阻害しかねない、あるいは租税回避を招きやすいというような御指摘もありまして、これは国の経済的な活動において大きなロスになっているというような指摘がたびたび行われておりました。

そうしたことを踏まえて、税調におきましても、所得税、個人住民税、これ合わせてやはり五〇%程度が一つの目安として引下げを行うべきであるというような答申が行われました。それを踏まえた上で、昭和六十二年に始め、当時は七八%の最高税率であったものを順次引き下げてまいりまして、平成十一年の改正におきまして五〇%としたところでございます。これは所得税、個人住民税を合わせた最高税率でありますけれども、そうなりましたので、その結果、大体、主要諸外国と国税、地方税、これ合わせますと、ほぼ同じ水準になったというふうに考えております。

○峰崎直樹君 さっきお答えいただいた、これ、四項目、なぜ最高税率を下げたかという四項目あったんですよ。一つ一つ点検してみましょうよ。

一番目、先進国はいずれもフラット化の傾向にある、それは本当にそう言えますか。先進国の、最先進国であるアメリカはレーガンの一期目のときに二段階にしました、一気に。その後どうなりましたか。レーガン二期目。それからブッシュ、お父さんのブッシュです、このときには元へ戻していますよ。今、五段階ですよ。どうして先進国共通にフラット化が言えると。フラット化が望ましいというふうに言った人はいるかもしれない。アメリカの共和党関係の人は、よくそういう話聞きます。そうなってないじゃないですか。なぜこれで、先進国はもうなべてフラット化の方向ですと。これ違うんじゃないですか。上田さん、上田副大臣が今おっしゃいましたが、大臣、どう思われます。

○国務大臣(谷垣禎一君) 確かに、今、峰崎さんがおっしゃいますように、諸外国でもいろいろ動きはあったと思うんです。ただ、諸外国の所得税で申しますと、最高税率を見てみますと、アメリカの場合は三五%でございます。それで、これにニューヨーク州であれば七・七%、あるいはニューヨーク市であると四・四五%というような地方住民税が加わるわけでございますけれども、税率からしますとアメリカはそんなふうになっております。

それから、イギリスやドイツ、フランスはもうちょっと日本より、大体今、日本は三七%でございますが、イギリスが四〇%、ドイツが四二%、フランス四八・〇九%というのは今私の手元にある数字でございます。

ちょっと、地方住民税に当たるようなものがどうなのかというのはちょっと手元に持っておりませんが、そういう中で、大体そういう諸外国と比較した場合の横並びというところまで持っていったというのが当時の事情だったのではないかと考えております。

○峰崎直樹君 これは法定されている税率で言ったって私余り意味がないことなんです。実効税率で見なきゃ。そうすると、今大臣は、アメリカの場合は今三四%だったですか、三六だったですかね、三六になっている。これ、総合課税でしょう。配当だとかキャピタルゲインだとか、そういうものが入ってきたときは全部それ、その税率掛かっていくわけですよ。ちょっと一部例外がありますけれどもね。

日本の場合は分離課税しているから、勤労所得に対してはなるほど四段階でいっているかもしれない。しかし、配当課税を入れて、実際上のいわゆる実効税率に直したときの累進度というのは一体どうなっていくのか、こういうデータが出てこないんですよ、この財政金融委員会、予算委員会等で。だから私たちが判断しかねると言っているわけですよ。

そこで、大臣、アメリカと私はほかのヨーロッパの国々、ちょっと違うような気がするんですよ。なぜかというと、小さい政府と大きい政府と、まあ中くらいの政府があるとしましょう。大きい政府というのは大体なべて税率はフラット化するんですよ、みんなで支えてみんなでそれを返そうと。スウェーデンしかりですよね、ノルウェーだとかあるいはデンマークだってそうです、高いです、税率は。しかし、フラット化していますよ。アメリカは小さい政府を志向して、課税最低限もあって、そして、高い所得の方々は自由に稼いでください、その代わり税で回収をして、そしてその税で回収したものを所得再配分します。

日本は一体どっちを選ぶのかということなんです。どうも都合のいいところばっかり選んでいるような気がしてならないんです。いわゆるヨーロッパの国々のようにフラット化を目指します、フラット化を目指すんだったら、ある程度の税率、税収をそのことによって確保して、そして社会保障やそういうものを通じて所得再配分機能を高めると、こういう話なら分かるんですよ。そうではなくて、小さな政府にしておいて、そして税率はフラットにします。だれが一番これで、この世の中でうはうは喜ぶんですか。

こういう世の中をどうするかということと、税率の、さっき答えていただいた、国際的に見たらこういう傾向があると、国際的に見たらどんな世の中を目指すのかということによって変わってくるんですよね、全部。そのことを抜きにして、今おっしゃった第一番目の回答、先進国はみんなフラット化していると、これ、私はそういう回答をしてもらっちゃ困ると思っているんです。大臣、どうですか。

○国務大臣(谷垣禎一君) 確かに、今委員おっしゃいましたように、分離課税の事情とか、いろんなことを総合的に判断しなきゃならないとおっしゃるのはそのとおりだと思います。

それから、今後の方向としては、私どもも、まあ日本は、これは峰崎委員と私と同じように見ているかどうか分かりませんが、かなり現在小さい政府を目指してまいりまして、かなり小さい政府になってきているというふうに私自身は考えております。それで、そういう中で、所得税は、これはそれぞれの税の担う機能がありますから、それとほかの税との組合せでございますが、消費税はもう少し所得再分配機能が高まってもいいんではないかというふうに私自身は考えておりますが、これはこれから更に議論を詰めていかなきゃいけないと思っております。

○峰崎直樹君 私自身は余り小さい政府というのは好きではないんです、個人的には。ただし、今、日本の社会が、今大臣がおっしゃったように、小さい政府に向かっているんであれば、高額所得者の方々の所得再配分機能というのはより高めていって、そしてそれが社会全体の維持していくための財源調達機能というのはその面で高めていかなきゃいけないんじゃないかということからすると、世界はフラット化に行っていますから、五段階、四段階に下げて最高税率を下げた。これは、今大臣がおっしゃった所得再配分機能はもっと高めていかなきゃいけないんじゃないか、これと矛盾しますよ。いやいや、まあ待ってください。矛盾しますよ。

そして、二番目におっしゃったことと絡むんですよ。所得格差が非常に縮まっていたと、日本は、こう言っていたけども、今はそんなものじゃないんじゃないですか。この間、ずうっと予算委員会等の議論を聞いていると、所得格差は、ジニ係数その他を見ても、再配分後を見ても、日本はアメリカよりももしかしたら格差が開いているかもしれないねと、アメリカほどまでは行かないかもしれないけども。そういう社会になりつつあるときに、大臣先ほどおっしゃったように所得再配分機能を高めなきゃいかぬとしたら、そうすると九九年のあの税制改正というのはちょっとこれは考え直してみなきゃいかぬぞと。もう一回これは税率を五段階に戻す必要あるのかな、あるいはその課税ベースを広げていくとか、様々な改革をやらなければいけないんじゃないかと思うんですが、そういったことが何にもなされないままに二分の一のところだけがどんと下がっていくというのは、これはなかなか説得力を欠いているんじゃないかと思うんですが、どうでしょうか、大臣。

○国務大臣(谷垣禎一君) その点は私どもの今までやってきたことということになると思いますが、所得税に関しては、今まで要するに控除ですね、配偶者控除の特別控除の上乗せ部分を廃止したり、あるいは年金税制の見直しというものを行ってまいりましたけれども、今私どもが申し上げておりますのは、三位一体改革との関係で所得課税、国、地方を通ずる所得課税の抜本的見直しをしようということで申し上げているわけでありますが、その中で私どもが明示的に申し上げておりますのは、個人住民税については、やはり応益性という観点があると思いますからこちらはフラット化で、所得割の税率のフラット化ということを推し進めていこうと。それから、所得税については、もう少しこの所得再分配機能を適切に発揮するように税率構造等を見直して役割分担を明確化すべきではないかというふうに考えているわけでございます、細部の制度設計はこれからでございますけれども。

それで、今おっしゃったいわゆる恒久減税法、小渕内閣、恒久的減税法を入れたときの方向が間違っていたんではないかというのが今の峰崎委員の御指摘だと思いますけれども、私は当時の、それまでの流れから見ますと、個人の勤労意欲とか、あるいは法人税もやりましたけれども、競争力とか、そういう面から見て、現在でも評価すべき点があの当時のものにはあったというふうに思っております。

○峰崎直樹君 次の、おっしゃったその労働意欲なんです。この労働意欲と税率との関係を、私も寡聞にしてこれを結び付いているという話は余り聞かないんですよ。そうしたら、この間、先日、今日残念ながら来ていませんけれども、竹中さんがレーガンの一期目の改革のときの有名なラッファー・カーブを持ち出して、税率が一〇〇%だったらみんな働かないでしょうって言うから、そんなことは当たり前の話なんですよ。で、ラッファー・カーブ持ち出してきて、いや、レーガンの改革は云々かんぬんと言うから今日楽しみにしていたんですけども、今日来られないというから残念なんですけども、本当にそういう意味で労働意欲とどう結び付いているのかということを本当に、何といいましょうか、実証的にやったことあるんでしょうかね。

というのは、私、この間ちょっと議論しましたように、先ほど来出ているスウェーデンだとかデンマークだとか、ああいう国々はもう高いですよ。社会保険料を含めた国民負担率、七五%ぐらいだ。ただし、その再配分後は大分変わってくるわけですけどね。そういうところを見て、そこでじゃ労働意欲は低いか、生産性低いか、GDPの伸び率どうだと。どこの国にも負けない伸び率示しているじゃないですか。

そうすると、いや、所得税の税率が高くなると労働意欲は下がるんだというようなそんなばかな話っていうのは、どう見てもこれ、何というんでしょうか、こういう経済学というのは立証されないで、ブードゥー、ブードゥーって何か呪文を唱える経済学だというふうによく言われていますよね。どうもそういうものを、多分大臣もそのことを信じていらっしゃるんじゃなくて、都合のいいときだけはそういうものを使って進めているんじゃないかなというふうに思えてならないわけなんですよね。どうなんでしょう、そこら辺。本当に意欲がそのことによって解消、何といいましょうかね、影響を受けているんでしょうかね。

○国務大臣(谷垣禎一君) 竹中大臣を引き合いに出して峰崎委員に詰められますと、私もプロの経済学者でございませんので、実証的なデータあるかって言われると、ちょっとこの間もそう委員に言われて返事に詰まったところがあるわけでございますけれども、しかし、かつてのように七八%とか七六%とか、ああいう段階にはやはり私は戻すべくもないんではないか。そういう中でお互いの競争力をどこに求めるかという作業を私どもはしてきたわけでございまして、そういう中で、確かに委員がおっしゃったようにジニ係数がどうなったかというようなことがいろいろございまして、私どももよく見ていかなきゃいかぬと思っておりますが、そういう中で地方住民税と所得税の役割分担をもう少し明確にすべきではないかというのが、今、私どもが考えていることでございます。

○峰崎直樹君 じゃ、そこで、私も多分五〇%程度というのはほぼ上限、上限というか、それ以上上げると確かにこれはなかなか厳しいなと。ですから、相続税が七割だったときに、民主党も実は、その七割というのはちょっと余りにも高過ぎやしないかなと、余り、該当者が日本全国で一人とか二人とか一けたしかいないのに、相続税率が七割で物すごく高いんだという印象を持たれているというのも含めて、その改正には賛成した経過があるんですよね。

私があの九九年改正で一番問題だったと思うのは、どうもどさくさに紛れて、経済的な状況は、課税ベースを何も広げないでおいて、そして税率だけを最高税率下げたんです。最高税率下げるんだったら、先ほど申し上げたように、アメリカのように総合課税という原則に例えば変えるとすれば、金融所得を入れ込むとか、そういう形にすればもっと税率下げていいわけですよ。そういう努力をしないで税率だけぼんと下げると、これは一体何のことやという批判を浴びるのは私は当然だと思うんですよ。

その意味で、今二分の一だけ定率減税ということで、主として八百万、七百万の中堅的なサラリーマンだけが一番苦しめられるというのは、これはいかがなものかなということは前回申し上げたとおりです。

じゃ、ちょっと先に進めていきたいと思います。

租税回避の問題を先ほど指摘を受けたとき、これは私はなるほどなというふうに思っているわけでありますから、一つの税だけで余りにも税率をそこに依存し過ぎると多分そういう欠陥が出ると思いますので、そこは税制のミックスというところは重要な点だろうと思いますが。  さて、もう一つ問題があるんです。法人税なんです。法人税下げて、これ進めたんですけれども、目的は何だったんですか。改めて聞きます。

○副大臣(上田勇君) 法人税については、やはりこれ、今経済が非常にグローバル化している中で企業の国際競争力という視点も極めて重要でありますので、国際的に整合性が取れて企業活動にゆがみの少ない中立的な税制を目指すということで必要な改革を進めてきたところでございます。

平成十一年度の税制改正におきましては、国際化の進展といった我が国経済社会の構造変化に対応した抜本的な税制改正の一部を先取りをいたしまして、法人税の基本税率引下げ、国税を三四・五から三〇%、また、国、地方を合わせた実効税率、四六・三六から四〇・八七に引下げを行ったものでありまして、これでおおむね、主要国と比較をいたしましても、アメリカ、ドイツなどとはほぼ同じ水準、イギリス、フランスよりはやや高めの水準というようなところになったわけでございます。

○峰崎直樹君 それで、今企業は国際的に見て法人税率ほぼ横並びになった。ここら辺がいいところかなと。横並びにするのが目的だったんですか。そうじゃないでしょう。そのことによって企業が活力を出し、もうけを設備投資に回し、そして日本経済がデフレから脱却をしてどんどん大きく強くなってもらう、そして雇用が拡大し、働いている人たちの労働条件も上がっていくと、こういうことが望ましいわけですよね。そうなったんですか、大臣。

○国務大臣(谷垣禎一君) 現在の経済情勢を見ますと、これを入れた当時の非常に低迷した状況から比べますと、不良債権処理も進んでまいりましたし、それから企業の有利子負債率もバブル以降最低というところまで来ましたし、企業業績も非常に堅調なところまで戻ってきたというふうに私は思っております。

その際に、この法人税率の引下げ、それから平成十五年度にIT減税とか投資減税みたいのをやりましたけれども、そういうようなものもかなり私は効いたんではないかなと思っております。

それが、今峰崎委員のおっしゃったように、じゃ雇用から更に個人所得にまで行っているかということになりますと、私どもも個人消費が伸びてきたというふうに早くならないかなと思ってきたわけでございます。

まだここは楽観するわけにはなかなかいかないと思っておりますけれども、やはり企業業績が堅調な中で、失業率が趨勢的に見ますとこの十年来でようやく趨勢的に元に戻ってきた。それから勤労者報酬もようやく戻ってくる数字が出てきているという辺りはそういう循環になってきているんではないかな、なりつつあるんじゃないかというふうに思っているところでございます。

○峰崎直樹君 企業の中に今お金が、じゃぶじゃぶと言ったらおかしいんですけれども、キャッシュフローが企業の中にたまってたまって、法人企業統計で先日ありましたですね、何十兆かという単位で。これ企業が、しかも国民所得統計からすると、いわゆる貯蓄部門になっちゃっているんです。本来ならば家計部門から、企業が貯蓄からいわゆる投資に行くために、本来赤字だったわけですよね。そうすると、企業はじゃそういう貯蓄から投資へ投資へどんどんと進んでいるのかと。全然進んでないですよね、そういう意味で言うと。

そうすると、法人税率を下げて、当然のことながら国に納める税は少なくて済むわけですよね。国に納めなくて済む税は一体どう使われ、利潤、利益がどうなっているのかというと、それは投資には余り十分使われてないんじゃないか。企業内のところで過剰な負債を減らすとか、そういうところに回っているんだろうと思いますが。

そうすると、この法人税の切下げというのは不良債権問題を解消するための道具だったのか。それとも企業が、ある意味では、最初私が冒頭申し上げたように、設備投資にダイナミックに投資をしていく、日本の経済を活力を上げるために進めていく、どっちだったのかなということが、私は、法人税のこのいわゆる切下げによって余り所期の目的を上げてないんじゃないかと思うんですが、その点はどう考えていますか。

○国務大臣(谷垣禎一君) 確かに、今、企業が本来投資していく部門が貯蓄過剰な形になり、家計の方がだんだん貯蓄率も下がってくるという現状でございますので、貯蓄・投資バランスが随分変わってきたというふうに思います。

今までは国際的に見てもかなり高い家計の貯蓄率が法人部門や政府部門を補う、こういう形でしたけれども、むしろ今、家計の貯蓄過剰は縮小傾向にあって、財務リストラ等の構造改革が進んで企業部門が貯蓄超過になっていると。引き続き一国全体としては貯蓄超過が維持されているわけでありますけれども、これをやはり改めていくというのは今も非常に大きな課題だろうというふうに思います。

ここのところは、私どもはやはり、政府が余り資金を吸い上げることのないようにしていくということがやっぱり根本なんではないかというふうに思いまして、今いろんな形での努力をしているわけでございます。

それで、ちょっと今の答えは私の問題関心を申しましたので、峰崎委員の御質問とすぐかみ合わなかったかもしれませんけれども、私は、やはり企業の持っていた構造的な問題である不良債権処理が進み、そしてかなり旺盛な投資行動が見られるようになってきたということは、まだ循環が完結しているとは思いませんけれども、かなり循環していく一つの方向が出ているんではないかというので、ちょっと峰崎委員のお考えとは評価を異にしているわけでございます。

○峰崎直樹君 いや、そういうふうに循環してくださればいいんです、それを使われれば。だから企業部門が、正に企業家精神という言葉がありますよね、アントレプレナーシップという言葉があるのは、正に企業がリスクを取って大胆に設備投資に出向いていくわけです。それがあるなら、企業内にある意味ではそういう貯蓄過剰というふうな状況が存在していること自身が、本当に我が日本の企業家精神はどうなっているのかなと思って、いや、今はどんどんもう回り始めている、心配するなと、こうおっしゃっているんだけれども、過去何年間これはずっとそういう傾向が続いているんですか。六年ぐらいずっと続いているんじゃないですか、この法人税減税過ぎた後でも。

だから、問題なのは、私は、財務当局からすれば、せっかくこれだけ法人税の切下げを通じて企業部門のキャッシュフローがこんなに上がってきたんだったら、これはどういうふうに使ってもらいたいのかということの本来目的があるわけですよね。そういうところへ流れていかないのは何が原因なのか、じゃ、それを妨げているものはどういう改革をしなきゃいかぬのかという、そういう政策が小泉内閣として出てきているのかというと、私は出てないで、何かのんべんだらりと、いやいや、構造改革なくして成長なしとかという掛け声ばっかりなんですけども、一声むいてみると、こういうことが全然進んでないわけですよね。だから、そういうところの掘り下げが全然できてないんじゃないのかという気がしているんですよ。

これ、大臣、どうです、ここら辺をメス入れて、もう少し、これならこの法人税の減税よりも、ひょっとしたら投資減税だとか、あるいは、やってらっしゃるということを、私も、研究開発投資減税だとか、様々なそういった形で展開した方がいいのかなとか、いろんなものがこう私は出てくるような気がするんですけども。そういった点で、税制というのは、減税をするというのは大変大きな効果が私はあると思うんですよね。大きな、国民の本来血税と言われるぐらい大変重要なものが、せっかく減税として何十兆というお金が潤沢にありながら、それが日本経済発展のために使われてない。ここに対して何らかのメス入れというのは、あるいは政策的な方向付けをある意味で、財務大臣、考えていく必要があるんじゃないかと思うんですけども、この辺り何か考えておられる節はございますか。

○国務大臣(谷垣禎一君) いや、今委員の御疑問に対してすぱっと答えが出せれば非常に状況がぱっと改善していくと思うんですけれども、委員の問題意識と共通しておりますことは、IT減税とか政策投資減税というものをこれ平成十五年度に先行減税という形で入れましたときに、べたっともう法人税減税をやるようなことよりも、正に委員がおっしゃったように、あるところにやはり集中してやった方が効果が上がるだろうということであのとき入れたというふうに私は理解しておりまして、それはそれに見合う効果があったと思います。  したがいまして、今後とも法人税、法人税の世界においてはそういうことを、そういうことはこれからもあるいは考えていかなきゃいけないのかもしれません。まだそこらのところは十分考えは煮詰めておりませんけれども、どこに問題があるのかということを絞って考えてみる必要はあるのかと思っております。

○峰崎直樹君 これは全く質問してないんで、答えられなければいいし、又は答えられればいいんですけれども。

私、特区、構造改革特区というのがございますよね。その中で、例えば、私、自分の地元、北海道なんですけども、この間ある経済人の方とお話をして、北海道というのは比較的補助金だとか北海道特例とか北海道の開発庁予算とかというんでお金は随分もらったんですよね。で、そのことによって効果が、ないとは言いません、あったと思うんです。ある程度あったと思うんですけども、これからはお金をもらわなくて減税でもらったらどうだと。

つまり、何を言っているかというと、一国二制度でいいと。法人税の税率を、いや、法人税じゃなくていいんですよ、別の税率でもいいんです。国税当局からすればとんでもないとおっしゃるかもしれませんけども、北海道全体を一つの法人税の特区にしてもらって、二〇%の法人税で結構ですと、どうぞ本社機能をこちらにもお持ちくださいと。もし法人税というものが一つの大きな要素になっているとすれば、一つのこれアイデアなんではないかなと。で、その二〇%の税率を、その済む分を、むしろ補助金とか、いわゆるお金でもらう分よりも、そういう制度でもらった方が長期的には私は得するんじゃないかなというふうに思っているんですけども、大臣、こういうアイデアは駄目なんでしょうかね。

○国務大臣(谷垣禎一君) ちょっと私が特区制度にあるいは理解が十分でないのかもしれません。峰崎委員の問題意識に十全にお答えすることができないんですけれども、私の理解では、特区制度というのは、あるところで特区を始めて、支障なくいけばほかのところも全部及ぼせるという制度設計になっておりますので、北海道でじゃ法人税率を低くすることに成功したら、ほかのところもみんななってしまうというのではちょっと国税当局としてはいささか腰が重くなるなと思うわけでございます。

むしろ、これは今はすぐまたそういうふうには必ずしもなりませんけれども、やはり地方税の中でそういう工夫はどうできるかという、これは簡単ではないわけでございます。大きな方向としては地方税の方でそういう工夫がどうできるかという方向を考えることができるのかな、これも私も実は考え詰めたわけではありませんで、十分自信を持って言っているわけではありませんけれども、そんなことは感じます。

○峰崎直樹君 いや、すぐ、突然の質問だったんで恐らく、また私自身も考え直してみなきゃいかぬかなと思ったりしていますけども、またよろしくお願いしたいと思います。

あと二点、税の問題でお聞きしたいと思います。  一つは、納税者番号制度の問題なんです。大臣、これ、納税者番号制度を入ると、所得は正確に捕捉をされるんでしょうか。

○国務大臣(谷垣禎一君) 今より正確に把握できるかということになれば、今より正確に把握できると、だろうと私は思いますが、じゃ完璧になるかというと、それはそうではないと、答えを先に申しますと。

委員にはもう今更申し上げる必要もないことでございますが、納税者番号制度というのは納税者に番号を付けるというだけではございませんで、いろんな取引をしていく際に、相手方に自分の番号を教えて、そしてその取引の相手方から税務当局に対してどの番号の者にどれだけの金のやり取りがあったというのを知らせるということによって突き合わせができるというところが一番根本でございますから、それをやれば相当正確に流れが把握できる、所得が把握できるということだろうと思いますが、他方、じゃ家庭の主婦が自分のうちの近所の八百屋さんやなにかでキャベツや大根を買ったのまで全部義務付けられるかというと、それはなかなかそうはいかないし、現実にそれができている、それをやっている国というのは私はないんだろうと思います。

○峰崎直樹君 今よりも、今よりも向上するだろうと。まあベターだということなんですかね。

どういうルートを通じてそれは今よりも向上するんですか。どういう、いわゆる番号を付けて、どういう取引を正確に把握することによって今より向上するというふうにお考えですかね。

○国務大臣(谷垣禎一君) 峰崎委員に突っ込まれますと、ちょっとそこのところは明瞭に考えてないんですけれども、これは、どういう番号を付けて、どういう取引にというか、制度設計によっても違ってくるところが私はあるのではないかと思います。ですから、日本でこれを仮にやるという議論になったときに、どういうふうに番号を付けて、どういうものとしてやっていくのかによって相当開きがある制度じゃないかなと思っておりますが、まだどういう取引でどうというところまではちょっと、さっとお答えできる勉強はしておりません。

○峰崎直樹君 先ほどちょっと、家庭の主婦が買物に出掛けたら、それは恐らく取引をつかめるかと、つかめませんよね。こういうところまで使えということじゃないですよね。

そうすると、一番、何からという、取引というか、一番付けやすいのはやはり資産性所得じゃないですか。要するに預貯金。そうすると、預貯金を番号で、アメリカじゃないですけど、社会保険番号を使って預金、貯金を登録する、あるいは株式投資をすると。恐らくそういう資産性取引が中心になってくるんじゃないかなというふうに思うんですが。

そうすると、私は、短期的には、これは余り、直ちに、自営業者、今問題になっているのは自営業者だと言っているんですけど、私、自営業者じゃないと思うんですよ。これ一番やんなきゃいけないのはもしかしたら政治家かもしれないですよ。クロヨン、トーゴーサンピンと言っているんですから。ですから、一番透明度が低いのは政治家ですよというのはピンですよ。一、一、透明度が一割だと言われているんです。

だから、私は、やっぱりそういう意味で、この透明度を高めなきゃいけない人たちに対して、取引というものを、どこの、どこまでの取引をきちんとやはり把握すべきかということをきちんとしておかないと大変複雑になり過ぎて困る場合もあるし、本当に的確な付番、何を付番するのか、番号を何にするのか、どういう取引をやるのかということの整理をきちんとやらないと所期の目的というのはなかなか達成できないだろうと思うんです。

だけど、貯蓄が、資産性取引をきちんと把握できるかどうかということに関して言うと、私はできるような気もするけども、最近では国際的な取引というのは正にグローバルに動いていますから、なかなかこのことだけもう、先日ちょっとスーパーリッチの話をしましたけれども、相当やはり巧妙な形でいわゆる付番逃れというものが生じる可能性もあると思うんですよね。

ですから、そういう意味で、私は納税者番号制度というのは、これから社会保障制度の論議をしていく、所得捕捉をする上に当たって非常に重要だということについては、私も重要だと思うんですが、これが私はすべてじゃないと思っているんですね。何をやっぱりやらなきゃいかぬかというと、私は事業主の方々にとって一番所得捕捉の、所得把握ですね、捕捉じゃなくて、所得捕捉の一番問題なのは経費の認定問題じゃないかと思っているんですよね。

要するに、事業主の方々は、青色申告でいえば奥さんを従業員にする、そうすると、従業員にすればこれ勤労者ですから様々な控除が受けられる。もう一つは、青色申告の事業主についていえば、例えば自分の運転している車、我々だったら、サラリーマンは自分の運転している車は自家消費です。何もこれは控除で落ちるわけじゃない。ところが、これは事業主の方々にとったら経費だ。ゴルフ場へ行ってゴルフやっても、我々は自腹払って、別にこれ領収書欲しいと思わないけれども、何か中小企業の人たちと一緒に行っていると、いや、領収書くださいといってもらっていると。何に使うんだろうなと。いや、交際費の認定の中に入ってくるというようなことも全部あるわけですね。

そうすると、私は、どうもこの事業主の所得の中の経費認定問題というものがやはり大きな要素になっていて、そのことについて今更これを大きく変えていくとかなんとかというのにはなりにくいんじゃないかなと思っているんですが、その辺り、大臣、何か事業主の所得把握というか所得捕捉、それはどんな問題点があるというふうにお考えなんでしょうか。

○国務大臣(谷垣禎一君) 最初の納税者番号との関連で申し上げれば、今どちらかというと政府税調の中の議論は、金融所得課税、金融所得の一体的把握をしていこう、そこにやっていこうということで論じておりますのも、多分一番実効的なのはその辺りだろうという委員の問題意識にかなり共通したところがあるんだと思うんですね。それで、ですから、いわゆる金融番号として議論されているものは、必ずしもそれがそのまま国民全員を対象とした納税者番号に拡大していく性格なものなのかどうかというのは、よくよく検討しないとそういうふうにはまだ一義的に結論は出ないんだろうというふうに思います。

それで、事業者のその所得をどう把握していくかという観点になりますと、これも国税庁もいろいろ苦労してきたわけでございますが、今委員がおっしゃった辺りが一つのポイントというようなことになるのではないかというのは、私も委員と似たような感じを持っております。

○峰崎直樹君 それで、年金のところで、これは今日は厚生労働省来ていないんですけれども、たしか来年度からだったかな、国民年金のところが所得に応じて四分割、つまり四分の一、二分の一、四分の三、そして一〇〇%と。つまり、所得の低い方々に応じて年金保険料、一万三千三百円ですか今、ちょっと上がりましたか、これも全部払えない人は半分、四分の一、そして四分の三と、こう出て、正に所得に比例した年金に国民年金自身が徐々になり掛けているんですよ。

そうすると、これは民主党の言っている所得比例年金と、こういうふうに持っていくと、所得に応じて年金が決まってくるんですよということだけでいけば、低い年金の方は低い所得申告しかしないんだからそれは仕方ありませんねと。高い所得を、高い年金を欲しいという方は高い所得を申告すれば出てくるんですよという内部のインセンティブを入れておかないと、どう見ても番号で、番号とか所得捕捉というものをぎゅうぎゅうぎゅうぎゅう締めていっても私はなかなか難しいのかなと、こう思っているんですよ、所得捕捉問題は。

そうはいっても、じゃ所得の低い人には何かこれ税でもって補てんしなきゃいけないねと。これは我々が言っているところの最低保障年金なんですけれども、これはやはり税でやらなきゃいかぬ。これは将来の我々の姿なんですけれども、これを入れると、実は、これに乗っかろうという実はモラルハザードが起きてくるんですね。このモラルハザードをいかに、何というか、外すことができれば、私は所得比例年金で、自営業者の所得把握は難しいとかなんとかと一元化の問題でおっしゃっているんだけれども、私はそんなに難しい話ではないんじゃないかなというふうに思っているんですよ。

だから、ここが一番の難点なんで、これをある意味では整理できるような仕組みというか、そういうものの知恵を出し合って進めていければ、ある意味ではインセンティブを組み込んで自分の所得を正確に、いや、むしろもっと大きく見せたいという人が、将来の年金を確実にするためにはそういう人だって私は出てくると思うんですよね。そういう仕組みが私は必要なんだと思うんですが、そういうことについて何か、大臣、お考えあればお聞きしておきたいと思うんです。

○国務大臣(谷垣禎一君) いや、今答えられるような考えはございませんけれども、なるほど委員の問題意識はよく分かりまして、なるほどいろんなインセンティブとも組み合わせながらモラルハザードを防いでいくにはどうしたらいいかと。なるほどそういう問題意識がおありなんだなということはよく理解させていただきました。

○峰崎直樹君 もう税の問題、最後にします。消費税なんです。

インボイスを、今、日本的インボイスとかとおっしゃって、いわゆる請求書、領収書のそれを何年間か取っておきなさいと、こういうやり方なんですよ。これを、本格的なインボイスをやはり導入する、そういう考え方はございませんか。

○国務大臣(谷垣禎一君) 一応、インボイス方式につきましては、昨年の政府税調、昨年の暮れにいただいた政府税調の答申では、「将来、仕入税額控除の際に税額を明記した請求書等の保存を求める「インボイス方式」の採用が検討課題となる。」というふうに指摘されておりますし、それから、欧州諸国のような複数税率を取りますと、適切に仕入れ税額控除をやるためにはどうしたってインボイスというものがなければできないわけでございますので、まだ、そうなるかどうかは別といたしまして、そういったものの問題点は私どもとして十分検討して、研究しておかなければいけないんではないかと思っております。

○峰崎直樹君 研究、検討じゃなくて、やっぱり早く入れたらいいんじゃないですか。もちろん、入れて、それに従わなきゃいけない企業の方々、それは大変だろうと思いますけれども。

なぜ言うかというと、これは仕入れとそれから売上げ、まあ仕入れに掛かった税を引けるという、正にインボイスってそういうものだろうと思うんですが、それが入れて、きちんとインボイスが、間に非課税業者などが入るとそれは当然排除される可能性を持っているわけですから、このインボイスを入れるということは、実は先ほどの仕入れやあるいは売上げといったようなものがある意味では極めてきちんと正確に捕捉される。もちろんインボイスを偽造したり作ったりしたら、これはまたそれは別問題ですけれども。

そういう意味で、私は、税の公平性という観点からも、それから先ほどの自営業者の方々の所得の問題の一番大前提となっている売上げ、仕入れの問題を、このインボイスというのは極めて重要な私はインフラだと思っていますので、是非早く導入していただきたいなと思います。

○国務大臣(谷垣禎一君) よく研究しなきゃならないと申し上げた意味は、一つは、今おっしゃったように、結局、制度の信頼性、透明性を高めていく上で非常に有益であることは間違いないわけでございますが、今も免税事業者、非課税事業者というものがございますので、これを入れますと、課税事業者となることを選択しない限り事業者間取引から除外されてしまうという問題が起きますので、そこをどう見ていくのかというのに若干検討が私は必要なんだと思っております。

○峰崎直樹君 もう一千万円まで下げたんですから、恐らくその中間段階に入ってくるということは極めて少ないんじゃないかなと思いますんで、この点は、是非その点をもう勇気を持って入れられた方がいいのではないかなというふうに私は思っております。意見でございます。  さて、何か税の分だけでもう四十五分たってしまったんですが、金融担当大臣、済みません、先日も予算委員会でライブドア問題を含めてお話を聞きたいと思ったんですが、今日は少し集中的に議論させていただきたいと思うんですが。

そこで、連日とにかくまあマスコミをにぎわわせない日はないわけですね、ライブドア、フジテレビ、ニッポン放送株。もうどこへ行ってもこの話で持ち切りなんですよね。金融担当大臣、今現実に、この間、こういう動きをどのように判断をされ、どこに問題があって、どうされようとしているのか、少しお話を聞かせていただきたいと思います。

○国務大臣(伊藤達也君) お答えをさせていただきたいと思います。

TOBというような専門の用語までお茶の間に浸透するように敵対的買収について様々な議論が活発に行われているということは承知をいたしておりますが、個別事案に関するコメントは差し控えさせていただきたいというふうに思っております。

一般論として申し上げさせていただきますと、金融庁といたしましては、やはり証券市場の信頼性というものを確保していくためには市場の透明性、公正性というものが保たれること、そして投資家やあるいは株主の権利というものが十分保護されることがとても重要なことだというふうに認識をいたしておりまして、こうした観点から、引き続き事態を注視してまいりたいと考えております。

○峰崎直樹君 どうも伊藤大臣の答弁を聞いていると、もう何か機械的な言葉が出て、返っているんで、本当に何か情感が伝わってこない。私、質問する立場からすると、伊藤大臣、どうもこの間のあなたの記者会見などを聞いていると、この問題には素早く反応されましたねという感じがするんですよ。

あれ、二月の十五日の記者会見でしたか、何かライブドアの問題のこの問題について、かつての自民党の元総裁をやっておられる方々が、フジテレビ、フジサンケイグループがどうも乗っ取られそうだ、外資も後ろに控えているようだということで相当過剰反応されて、そのせいかどうか分かりませんが、いや、ライブドアの株式の取得の在り方は違法とは言えないけれども問題があるんで直ちに法改正したい、機敏なる対応を取られたなと。

かつて、おれおれ詐欺の問題だとか偽造カードのキャッシュ問題だとか、こういう問題については早く問題をやった方がいいんじゃないかという提起をしても、なかなか、いや、検討しますとか、いや、金融審議会の何とかだとか、いろんなことを言って遅かった人間が、この問題になると途端に、いや直ちにやらなきゃいかぬと、こういうお話だったんですが、どうもそういったところはやはり金融庁には裁量というものがあるのかなと。問題が起こったら直ちにやるというのは当たり前のことなんでありますが、そういう中にも優先順位がどうも行政側によって付けられていたんじゃないのかというふうに思えるんですが、その辺り、反省することはございませんか。

○国務大臣(伊藤達也君) 今、私の答弁が機械的だと厳しいおしかりをいただいたところでございますけれども、委員が御指摘をされたように、何か特別な思惑を持って反応したということではありませんで、先ほど答弁をさせていただいたように、私どもにとって市場行政というのは非常に重要なことであります。そして、証券市場の信頼を確保していくためにも市場の公正性、透明性というものを保っていくことはとても大切なことであります。そうした観点の中で、もし仮に市場の公正性を確保していく観点から処置を講じなければいけない必要性が生じるとするならば、適切に対応していかなければいけないというふうに考えておったところでございます。

立会い外取引の問題については、委員御承知のとおり、これは現行法においては基本的にTOB規制の対象とされておりません。しかしながら、その使い方いかんによっては相対取引と類似した形態となることが可能であり、これを放置すれば株主に平等に売却の機会を与えるとのTOB規制の形骸化を招くおそれがあると考えられるところでございます。このため、立会い外取引のうち相対取引と類似した取引についてはTOB規制の適用対象とすべく、今国会へ証券取引法改正案を提出をさせていただいたところでございます。

金融庁といたしましては、市場の公正性、信頼性を確保しつつ、投資家にとって魅力ある市場とすることが重要であると認識をいたしておりまして、今回のTOB規制の見直しが我が国証券市場の信頼性を高め、投資家保護につながることを期待をしているところでございます。

○峰崎直樹君 その問題は今から、これから少し引き続きやりますけれども、法務省から、副大臣ですね、大臣が今日来れないということなんで、法務副大臣以下来られていますけれども。

法務省としては、これ、TOB、会社法改正問題ということで今真っただ中ですけれども、この問題についてはどんな認識を持たれているのかお聞きしたいと思うんですが。

○副大臣(滝実君) 公開買い付けの問題は、これは当然のことながら証券取引の世界の話でございますので、法務省としてどうという立場にはございませんけれども、問題になりますところは、今回の訴訟というか、差止め請求でも焦点になりましたように、専ら商法の二百八十条ノ十という、不公正な方法によって株主の利益を損なうおそれがある場合にはこの差止め請求が新株予約権についてできるわけでございますので、そういう立場から関心を持っていたわけでございまして、したがって言わば株主の権利という問題は取りあえずはこういうことで担保されていると、こういうのが商法の考え方ですから、それ以上のことは商法の立場からはコメントする立場にはないように思いますので、よろしくお願い申し上げたいと思います。

○峰崎直樹君 今指摘された条文からしたら、このライブドアがこういう形で取得した株式というのは違法ではないと、こういう理解なんですか。

○副大臣(滝実君) 基本的に株を取得するまでのところは、やっぱりこれは証券取引の世界でございますので、商法の世界としてこの問題を関与するということではないんじゃないだろうかなと思っております。

○峰崎直樹君 そうすると、証券取引法となると今度は金融庁さんになるわけですね。

今、違法な方法でなければいいという形で来たわけですけれども、このいわゆる取得の方式というのは法律違反ではない、法には違反しないけれどもしかし問題があると、こういう理解ですか。イエスかノーかで結構ですから。

○国務大臣(伊藤達也君) 先ほど私の問題意識は答弁させていただいたとおりでございます。

○峰崎直樹君 私、昨日質問通告を実はして、例えば百分の一に株式を分割する、あるいは更にそれを繰り返して一万分の一にする、このことによって一体、どこの会社がやったというようなことについては、固有の名詞出すわけにはいかないのかもしれませんが、今問題になっている企業がやったことは間違いないわけです。そのことによって、利益が当然のようにして、ぬれ手でアワのような形で利益を出しているんじゃないかということについての質問をしましたけれども、今日出しました資料の一番最後を見てください。七ページ目です。

本日の日本経済新聞の「大機小機」というところにこの問題が正に出ておりました。株券の印刷が間に合わず売手が株券の受渡しができないことを見越して百対一の株式分割を繰り返したのが今話題の企業である、百対一の株式分割をすれば株価は百分の一になるはずが十八倍になる、下がる時期も分かっているから往復で大もうけだ、こんなのはたった今でも違法に決まっているようなものだけれども、現実には適法とされ、しかし問題だから改正が必要だと。あといろいろずっと続いていますけれどもね。

どうですか、証券取引法を所管されている大臣として、このような取引行為は違法ではない、今は認められているんだから、禁止をされていないんだからこういうやり方は決して別に違法ではないんだ、しかし問題があると、こういうやっぱり認識ですか。

○国務大臣(伊藤達也君) お答えをさせていただきたいと思います。

今委員が御指摘の企業分割を行うことは、これは商法で認められているほか、証券取引法においても株式分割自体を禁止する規定はなく、これまでも多数の上場会社が株式分割を行っているところでございます。

他方、株式分割につきましては、インサイダー取引が行われた場合やあるいは不正な手段、計画又は技巧が行われた場合には証券取引法上の不公正取引規制の適用がなされる可能性があるものと認識をいたしているところでございます。

なお、委員が御指摘のような大幅な株式分割については、株式分割の権利落ち日以降、新株発行までのこの特別の期間において、需給のバランスが崩れて、そして価格変動が大きくなる可能性があるなどの問題点が指摘されたことから、三月七日、各証券取引所から上場会社に対して、株式数が株式分割前の五倍を超えることとなる株式分割について段階的な実施を求めるなどの要請文の通知が行われたものと承知をいたしているところでございます。

○峰崎直樹君 株式、この分割ね、今、問題があったから直しましたよと、こう言っている。法務大臣、法務省、聞いてますよね。こういうやり方は会社法上は認められているんですよね。つまりこれは合法だと、だけれども問題があると、こういう御認識なんですか、やっぱり。

○副大臣(滝実君) 委員御指摘のとおり、会社法では株式分割を認めているわけですね。したがって、それはなぜ認めているかといえば、株は言わば総資産を反映するものでございますから、分割すれば一株の株の資産が自動的に額面が下がってというか、価値が下がってくると、こういうことの中で認めているわけでございますので、基本的には問題はないと。しかも、株式分割の場合には株主に平等に持ち株に応じて配分をするというのが前提でございますから、そういう意味でも株主そのものの利益を害するということにはならない、みんな平等であるという、そういう意味で商法上この分割が位置付けられていると思っております。

○峰崎直樹君 いや、これはかつては最低資本金制度があったわけですよね。そうすると、一株が幾ら幾らまで以下は下がっちゃいけませんよという規制があった。なくなったんですよね。要するに、今ずっと起きてきていることというのは、今のこの証券市場、資本市場といいますか、その市場の仕組みは全部今までは原則やっちゃいけませんよということだったんですね。で、規制がどんんどん取っ払われて、アメリカ型のいわゆる会社法制及びアメリカ型の証券市場に近いものにどんどんなってきたわけですね。原則何やってもよろしいですと、こうなった。そうしたら、何をやってもいいんだからということで、その先ほど言った株式の分割であったり、あるいはToSTNeTを使って時間外はこれは違法ではないんだからということでどんどんやった。

このいわゆる先ほどの七番目の資料、一番最後のところを見ていただくと、その後にどんなことをやっているのか。例えば、違法ではない、架空売上げを計上するための架空取引、こんなことも違法ではないけれども問題だから改正が望まれると。あるいは、内実が全く見えない私募ファンド、アメリカのSECはこれを公開するようになったようでありますけれども、まだ日本はそういうことをやっておりませんね。私募ファンドで売り投資を行って、貸し株を受けた株式を売ることで株価を下げて大もうけをし、下方修正条項付転換社債を持っている金融機関は株価が下がっても損はない、こういった仕掛けが流行している、いろいろこうずっと書いてあります。全部これは違法ではないけれども問題があると、こう言っているんです。私も、この問題があるという言葉を聞いて、かつて証券スキャンダルのときも、いや、一任勘定の問題もたしか同じようなことを言っていませんでしたかね。違法ではないけれども、しかし問題がある、だからこれは何とかしなきゃいけないと。

そこで、六ページ、その前を見てください。同じ方が書いた、ちょっと汚いんですけれども、私が全部これマーカーを付けたためにこんなに汚くなっちゃったんですね。何でマーカーが、汚くなるかというと、全部が重要だと思ったからマーカーを付けたんです。

それで、いや、よく新聞を片手に質問しているやつがいると、私もこう新聞を片手に質問しているんですけれども、これは本当に書いてあることは物の見事にそうだなと思った。何かというと、一言で言えばアメリカ流の、自由は全部保証されましたと、企業に、株式会社に。それに対する規制というものが、きちんとした仕組み、監視する仕組みというのが全然できていないじゃないですか。

金融担当大臣、今から質問することに答えてください。おとり捜査というのはこの証券監視取引委員会が証券市場を監視するときには許されているんですか。

○国務大臣(伊藤達也君) 今の御質問は刑法の世界でありますから、私からお答えするのが適切かどうか分かりませんけれども、それは認められていないというふうに思います。

○峰崎直樹君 盗聴はどうですか。

○国務大臣(伊藤達也君) これも刑法の世界の問題でございますので私からお答えするのは適切ではないと思いますが、認められていないというふうに思います。

○峰崎直樹君 もうずっと聞いていってもそうだよね。

ここに書いてあるアメリカ的な自由は何によって担保されているか。おとり捜査、盗聴、司法取引、クラスアクション、アメリカ証券取引委員会SECが存在をしていること、民事制裁、報奨金、覆面捜査、仲裁、これでも実は問題を起こしているんじゃないんですか。エンロンだ、ワールドコムだ、今日も載っていましたよ。どこかの保険会社の、AIGか何かのグループが問題を起こしたということが載っていました。これだけのことはだれがやっているんですか。これ、捜査当局だけがやっている、捜査当局というのは刑法を担当している法務省がやっているのかといったら、そうじゃないんでしょう。全部アメリカのSECがこういうものを全部検査しているんでしょう。そういうことの権限を持ってやっているんでしょう。こういうものがないと、でたらめな社会になっちゃいますよと、こういうことを実は指摘されているんじゃないですか。

金融担当大臣、ここは我々がかねてから、民主党は主張しているんですよ、SECをつくろうよと。証券等監視取引委員会では駄目だと。あの程度ではとても、物すごいグローバルに動いていますよ。敵対的TOBも含めて物すごく変化しているわけですよ、会社法が。そういう意味で、問題があった、問題が出てくるたびごとに、いや、これは問題だ、だから違法ではないけれどもこれはちゃんと規制しなきゃいけない、こんなパッチワーク的なやり方で本当に日本の証券市場を守れるんですか。どうなんですか。ここはしっかりと結論を出してください。

○国務大臣(伊藤達也君) 今委員から御指摘をされたことについて、私は大変重要な御指摘がされているというふうに思います。金融行政の基本としても、やはり市場の可能性というものを、投資家と利用者が十分にその可能性というものを活用できるような環境を整備していくということが極めて重要でありますし、また、その活用に当たっては、安心してその市場の可能性というものが利用できるような、そういう仕組みというものをしっかり用意をしていく、そのことが行政の基本であるというふうに思っているところでございます。

委員からは具体的に民主党の御主張を踏まえて日本版SECについてのお尋ねがございました。グローバル化、あるいは市場の変化というお話もございましたが、私どもからしますと、今、金融サービスの分野においては、金融のコングロマリット化の出現といった形で、その金融の担い手あるいは商品というものが一体化していく、こうした流れが急速に進展をしておりますので、この流れを踏まえますと、金融行政においても銀行、証券、保険の各分野を業態横断的に所管をし、そして企画、検査、監督、監視と機能別に編成することが適当であり、金融庁の現体制はこのような金融を取り巻く環境の変化に的確に対応した体制になっているというふうに思っております。

海外の動向を見ましても、イギリスでは、金融コングロマリット化に対応するため、業態横断的な金融行政であります金融サービス機構、UKFSAが設立されたほか、また、韓国におきましても金融監督機関を統合し、一元化を実現されたものと承知をしております。

したがいまして、金融庁といたしましては、日本版SECを創設をして、証券行政部門を銀行・保険行政部門から切り離して、以前のような業態別の体制に戻すことは適当ではなく、一元的な組織の下で必要な改革を推進していくことが適当と考えておりまして、その体制整備に向けて更に私どもとしても努力を進めていきたいというふうに考えているところでございます。

昨年末策定をさせていただき、公表させていただきました金融改革プログラムにおきましても、金融市場インフラ整備の視点から、企業開示制度の一層の充実、そして市場行政当局の体制整備等を掲げたところでございます。私どもといたしましても、今後とも、本プログラムの内容に沿って、証券市場の公正性、透明性の確保に引き続き取り組んでいきたいと考えております。

○峰崎直樹君 私は今の話聞いてがっくりきました。要するに、今までの自分たちのやっていることの延長を変えないということ。これだけ大問題起きてるんですよね。

そこで、ちょっとお聞きするんですけれども、株式会社というのは、これ一体だれのものなのかなと。まあ、今日は商法、本当は商法、答えてもらおうと思ったんですが、むしろ金融担当大臣にお聞きしますけれども、株式会社というのは一体だれのものなんだろうかと。ちょっと答えていただきたい。

○国務大臣(伊藤達也君) 株式会社の経営に当たっては、やはり株主を始めとしたステークホルダーの利益というものを十分に配慮をした経営というものが求められているというふうに思います。

○峰崎直樹君 株式会社って、一六〇一年でしたか、東インド会社というのが、これが商社だと。私も何か、昔、大塚久雄という有名な史学、歴史学者が、大塚史学という、あの「株式会社発生史論」なんていう膨大な本をあったことを覚えています、読んでないんですけれどもね。それ以来多分ずっと続いているんだと、連綿、四百年。

で、株式会社というのは、株式を持つ人たちが、当然株主がお金を出資して、そして経営者というか、預けて、そして、おまえ、頑張れよと、しっかりやってくれと。ただし、出資するのは、その出資した金額だけが責任、だからカンパニーリミテッドって書いてある。無限責任じゃありません、有限責任ですと。だから、そういう意味では、そういう形で出発した株式会社なんです。そのときには株主が会社の所有者だと、あるいは会社を持っているのは株主なんだと、分かりやすいんです。これが公開株式会社になったら、だれのものになるんでしょうか。金融担当大臣。

○国務大臣(伊藤達也君) 先ほどもお答えをさせていただきましたように、その公開された株式会社の経営者におかれましても、株主を始めとしたステークホルダーの利益というものに十分配意をしながら経営を行っていくことが求められていると考えております。

○峰崎直樹君 そのステークホルダーという、関係者と言っている、ここは私、国民だと思うんですよ。要するに、これから投資をするかもしれない、これは国内だけじゃないですよ、世界もそうです。そうすると、公開された株式会社というのは、かつてのように無限責任でその株主の利益を代表してくれて、委託の関係が成り立っているということで済まない。株式市場にどんな、私たちは、営業状況でしょうか、どんな株主が存在しているんでしょうかとか、あらゆる、ステークホルダーと今おっしゃいましたけれども、そういう情報はすべての国民にオープンにしなきゃいけないわけですよね。そこがもし間違えていたとしたらとんでもないことになるわけじゃないですか。

で、問題は、今、そういう株式の市場の運営を当たって、いわゆる株式市場、株式会社、特に上場株式会社が何でもありの自由な世界に入ってきたときに、実はその中における問題点、アメリカでもSECというところが、先ほど言ったように、盗聴もやれば、おとり捜査もやれば、司法取引もやり、クラスアクションもあり、民事制裁や報奨金、そういうあらゆる努力をして、いかに不正を防ぐかということで辛うじて成り立っているのがこの証券市場なんでしょう。

あなたの先ほどのお答えを聞いていると、いや、今、金融サービス法をつくっているからそれは大丈夫なんですとか、あるいは証券等監視取引委員会も証券市場だけを監視するようにするから大丈夫ですと言っているけれども、そういうツールを持ってないんでしょう、こういう、おとり捜査だとか盗聴だとか。ちょっと聞くと、いや、日本の風土になじまないんじゃないかなと。日本の風土になじまないんだったらアメリカ的なやり方やっちゃ駄目なんですよ。そういうふうに大転換したいわけでしょう、また今も大転換しつつあるんでしょう。だから、そういうことも含めてやれるようなことを併せてセットでしないと、この日本の証券市場というのはめちゃくちゃにされますよということを私たち今主張しているんですよ、私自身が。

そうすると、そういう問題意識に立ったら、今会社法の改正も恐らく三月十八日に閣議決定されると言っていますが、またそこの中でも三角合併だ、いろんなTOBに対するやり方だとか、いろんなものが出ているけれども、ちょっと待ってくださいと、そういうことをきちんと監視し、そして検査をし、そしてそれをコントロールできるだけの体制を組まない限り、この証券市場が何でもありの自由な体制に持っていったら大変だと、こういう問題意識を持ってもらわなければ、私は、金融担当大臣、今起きている問題にその都度その都度パッチワーク的に対応するだけだったら、これは私は責任を果たしたことにならないと思うんですよ。

どうですか、もう一回改めて。分かりましたと、民主党さんが言っているように日本版SECをつくろうと、これは第三者審議会で強力な権限を持ったものをつくんなきゃ駄目だと、そしてそこに今申し上げたような様々な権限を一つ一つ与えていこうと、それが私の任務だと、こういうふうにおっしゃりませんか。

○国務大臣(伊藤達也君) 今委員が御指摘をされているその重要性というものは私自身としても感じるところはございます。

しかし、やはり委員の中で誤解があろうかと思いますけども、日本は、そのアメリカ型の自由を追っているということではなくて、先ほどもお話をさせていただいたように、万国共通の市場行政の基本として、利用者の方々や投資家の方々が市場の可能性というものを十分引き出せるような環境というものを整備をしていく、この考え方は万国共通ではないかというふうに思っております。そして、それに当たって、利用者の方々が安心してその市場の可能性というものを活用していくための仕組みの実効性というものを上げていくために、必ずしもアメリカのやり方というものがその世界共通の取組ではないんではないかと。

で、先ほど私がお話をさせていただいたように、その金融のコングロマリット化という新しい流れというものが進展をしてきております。そして、担い手においても、商品においても、それが一体化していくという流れの中で、それを踏まえた実効性のある組織というものを整備をして、その中で体制を充実をさせていくということが極めて重要でありますし、また委員が冒頭に御指摘をされたように、企業自らが透明な経営というものを実現をしていく、コーポレートガバナンスを向上させていくことが極めて重要でありますし、また市場の透明性、信頼性というものを確保していくためにもディスクロージャー制度に対する信頼性というものを向上させていかなければいけない。

そうした問題意識の中で、私どもとしても、西武鉄道を始めとした一連の不適切な事例というものを踏まえて、昨年の十一月、十二月にその対応策というものを発表させていただいたところでございますので、その対応策の一つ一つを強力に推進していくことによって市場に対する信頼性というものを確保していきたいというふうに思っております。

○峰崎直樹君 あなた今万国共通と言いましたよね。じゃ、ちょっと具体的に質問しますから答えてください。

金庫株というのは、ヨーロッパでその金庫株は解禁されていますか。──ついでに、後ろに聞かれるんだったら、三つ、じゃ質問しましょう。

最低資本金制というものはヨーロッパでは維持されているのかされてないのか。ストックオプションというのは、フランスでは例えば採用されているのか採用されてないのか。

この三点、端的にお答えください。万国共通なら、これは当然のことながら日本もアメリカも同じようになっているんでしょうね。

○国務大臣(伊藤達也君) 申し訳ございません。今、ちょっと今の御質問にお答えできる資料が手元にございませんし、商法に関係するところもあろうかというふうに思いますが、私が先ほどお話をさせていただきましたのは、金融行政の基本的な考え方として、その市場の持っている可能性というものを十分引き出していくような、そういう環境整備していくことが大切なことであると、こうした考え方を先ほどお話をさせていただいたところでございます。

各国において、その制度の整備の仕方についてはいろいろな取組があろうかというふうに思いますが、基本的な考え方は先ほどお話をさせていただいたような考え方ではないかというふうに思います。

○峰崎直樹君 あのね、金融担当大臣ね、私が言っているのは、日本の株式会社法制の、これは商法だから、法務に聞いた方がいいのかもしれませんが、それは全部アメリカのスタイルにどんどん変わりつつあるんでしょう、株式会社法制そのものも。

そうすると、そういう方向に変わっていっているのに、いわゆる証券市場、特に公開株式会社制度というものがこれだけ巨大になってきたときに、皆さん方、小泉内閣の方針というのは貯蓄から投資へでしょう、証券市場をより透明で活性化せにゃいかぬと言っている。ところが、今起きている事態は、証券市場の中でやりたい放題やって、これは問題じゃないかと言うけれども、いや、違法ではないけれども法律を改正しなきゃいかぬということが次々次々出てきているんですよ。なぜこういうものが起きてくるのかというと、ある意味ではきちんとした規制が十分でないからこういうことが起きているんじゃないんですか、こういうことの状況をつかめるような力が今の金融行政にはないんじゃないんですかということを言っているんですよ。

コングロマリット化、これに対する対応、これも重要ですよ。そうじゃなくて、今証券市場が直接金融、間接金融から直接金融といったら証券市場を活用しようということでしょう。そうしたら、その証券市場が、国民の皆さんから見たらとても株には投資できないなと、こんな一株を百分の一に切り下げて、そしてぼろもうけ、ぬれ手にアワだと。頭使って、いい商品やいいサービスをしてもうけているなら、それは、ああ、これはよくやったと言える。そうじゃなくて、法と法のすき間の中を、百分の一にしたら本当は下がらなきゃいけないのに上がると。時間とともに、二か月を過ぎたらこれが下がるんだそうですよ。それが確実に分かっている人間は当然それをねらって仕組むんじゃないんですか。そうしたら、これは事実上のインサイダー取引に近いものですよ、インサイダー取引とは言いませんがね。

そういうことに慣れている人、そういうことにアクセスできる人、これには特権があるんですよ。だから、それをいかに、その規制をしなきゃ証券市場はでたらめになっちゃうよということを言っているわけでしょう。そういうことのためのいわゆる手段も証券等監視取引委員会というのは十分持ち合わせていないんじゃないですかということを言っているんです。だから、この問題はしっかりと、私は、小泉内閣がそれを、貯蓄から投資へということを大きな課題にするんなら、今度の会社法改正や、あるいは今申し上げた証券市場の監視機能をいかに強化するかというのは何をおいても最初にやらなきゃいけないんじゃないんですか。

郵便局に預けているお金を民営化して民に流したいんでしょう。民に流そうと思って普通の銀行に預けたら金利がほとんど付かない。じゃ、もうかるかもしれないというところで証券市場を見ていたら、何だ、あんな形で、でたらめな形でもうけるんだったら、とてもおっかなくて私たちは手を出せないね、一部の人間だけだよね、こういう仕組みになっちゃっているでしょう。

もちろん、背景にはその株式を、持ち合い構造があって、依然として法人中心に株式市場が運営されているように、これも改正しなきゃいけないんですけれども。だから、伊藤大臣、ここは一言欲しいんですよ、我々としては。本当に証券市場を今直ちに直さなければ、でたらめな日本の証券市場になって、国民みんながだれもこれからは株式投資なんかを個人としては考えない、そういう時代になっちゃうから、早くそこを整備しませんかということを言っているんですよ。どうですか。

金融コングロマリットに対する対応ももちろんやるなとは言いませんよ。それより真っ先にもう早くやらないと、こういう状態が野放しですよ。問題が起きたら、いや、問題、これは違法ではないけれども問題があるからこれを直さなきゃいけない、この連続でずっと続くんじゃないんですか。そうしたら、その方々はそれをやっている間はやり得ですよ。不公平じゃないですか、これ自身も。

何よりも国民の皆さん方に開かれていなきゃいけない証券市場が、完全にこれは国民の皆さん方がこれではこの日本の証券市場は信用できないと、不幸なことになるんじゃないんですか、だから言っているわけですよ。だから、そのことについての改革をしようということを、伊藤大臣がそうだと、これをやらなきゃいけないと。後ろに官僚の皆さんがおられるかもしれないけれども、正にそれは、そのあなたが金融担当大臣になって、金融改革プログラムじゃなくて、中に本当はこれ入れなきゃいけないんですよ。入っていないでしょう、金融改革プログラムの中に。追加して入れますか。金融制度審議会にもう一回諮ってやったらどうですか。日本の、これは、証券取引市場はこれはとんでもないことになっていると、この共通認識の下にやってくださいよ、もう一回。どうですか。

○国務大臣(伊藤達也君) お答えをさせていただきますが、証券市場に対する信頼性というものを確保していくために市場監視機能というものを強化をしていかなければいけない、その市場監視機能というものがしっかり果たされていなければ投資家あるいは将来の投資家が安心して市場に参加することができない、そこの問題意識は私は峰崎委員と共有をさせていただいているというふうに思っております。

そして、そのやり方の問題でありますけれども、民主党の皆様方は日本版SECを提唱されているわけでありますし、私も、以前、そうした勉強会にも参加をさせていただいて、日本版SECについていろいろ研究、検討をさせていただきました。そうした中で、金融行政を携わって、そして今のやはり金融をめぐるいろいろな変化の中で、日本版SECのような形を作ることが、委員が言われたように、本当に実効性というものを確保することができるのか。それとも、今の金融庁の体制の中で市場監視機能というものを強化をしていく、そのための改革の努力を続けていくことが適切なのか。そうしたことを考えた場合に、私は、先ほどお話をさせていただいたように、証券行政部門を銀行・保険部門から切り離して以前のような業態別の体制に戻すということはやはり適当ではないんではないかと。一元的な組織の下で必要な改革を推進していくことが適当ではないかと。

そうした観点の中で、金融改革プログラムにおいても、先ほど御説明をさせていただいたように、市場監視機能の強化ということも盛り込みさせていただいたところでございますので、こうした金融改革プログラムの諸施策を実行しながら、市場の信頼性というものを確保していくために市場の監視機能の強化に努めてまいりたいというふうに思っております。

○峰崎直樹君 そうすると、結論から言うと、金融担当大臣は証券等監視取引委員会は今のままでいいんだと、それは何もアメリカのようにSECのような形にする必要は全然ないと、こういうことを強調されているわけですよね。それはもう我々のもちろん主張と真っ向から違うところですから、もう一遍明確にしておきたいと思いますが、そういう気持ちはないと。そうすると、また恐らく今の証券市場の中でいろんなことをやってくるかもしれませんよ、問題を。そうするとまた、これは違法ではないけれども、しかし問題があるから法律で規制しなきゃいかぬと。こういうものの繰り返しをやるんじゃないんですか。それはもう大丈夫だと、もう証券市場に対する監視取引機能はもう任せてくれと、こういうふうに断言できるんですね。そのことを、今ここで責任ある答弁を求めたいと思いますよ。

○国務大臣(伊藤達也君) 市場の監視機能を強化をしていくということはもう極めて重要であるというふうに思っておりますので、そうした観点からいたしますと、委員の御指摘と問題意識は共有をさせていただいているというふうに思っております。

しかし、その組織論として、日本版SEC、アメリカのような形がいいのかどうかについては、先ほどお話をさせていただいたように、私は今金融行政を担当させていただいて、証券部門というものだけを取り出して監視機能を強化をしていくということではなくて、一元的にやはり監視をしていくと。そのことが今の金融情勢をめぐる激しい変化に対応した監視機能の強化の方向性にあるんではないかというふうに思っているところでございます。

そうした中で、市場監視機能の強化のための改革というものを進めていかなければなりません。今日までも証券取引等監視委員会の機能強化に向けて様々な取組を行い、また人員の増強等もさせていただいたところでございますけれども、金融改革プログラムの中においても更にこの機能強化について明示をさせていただいたところでございますので、こうした改革の努力というものを続けていきたいというふうに思っております。

○峰崎直樹君 もう時間がそろそろなくなって、財政再建だとか、様々あったんですけれども、極めて時間不足で残念なんですけれども、またこの続きはいつかやらせていただきたいと思いますが。

最後に、せっかく法務省もお見えになっているんですけれども、株式市場で親子上場、親会社も上場するけれども子会社も上場する、これはアメリカではこういう例はないそうです。親子上場というのは、これはどのように考えたらいいのかな。特に最近では持ち株会社ができている。持ち株会社の中の子会社が上場してくる。そうすると、これは一体我々どう考えたらいいのかなと。会社結合のための仕組みとして、どうも企業結合法制というのが欠如しているんじゃないかと、こういうふうに言われるんです。この点についてどう考えているか、法務省の方からまずお答えください。

○副大臣(滝実君) 商法といいますか、会社法の世界では、先般、完全親会社、完全子会社の条文を、そういう設定をいたしておるわけでございまして、したがって、会社法として今直ちにその辺について見直すということはございませんけれども、私どもは、やっぱり商法というのは基本法でございますから、やはりそうはいっても、ある程度そういう実際の実社会の動きというものをどうやって取り入れていくかということは常時努めていかなければならないというふうには思っておりますので、いろんな問題点が出てくるたびに私どもはそれなりの検討を進めなければいけないというふうには思っております。

○峰崎直樹君 親会社も上場していると、子会社も上場していると。そうすると、親会社は子会社の様々な株式上場に伴う利益といいますか、そういうものを吸収できるんですけれども、ただ今度は逆に責任ということになったら、子会社の例えば株主、少数株主に対する責任、あるいは子会社が取引している人たちとの責任、子会社のそこにおける労働者に対する債権、こういったものとは無責任、要するに責任ないんですよ。そうすると、支配はするけれども責任はない、これ、こういう構造を持っているんですよね。

と同時に、より現実的な話にしましょう。

NTTという持ち株会社で、NTTの株、上場しましたね。随分人気ありました。二百数十万まで行った。今大分下がっています。そこから子会社のドコモが上場したんですよ。どっちが今株式高いですか。株式相場でいえばドコモの方が高いんじゃないんですか。そして、いわゆる資産価値もひょっとしたらかなり高いんですよね、こっちの方が。そうすると、二百数十万円出して買ったNTTの株主さんは、おれ、ドコモの株の方が欲しかったなと、こういうふうになるんですよ、当然のことながら。

そうしたら、ドコモの株式を公開するときに、本来であればドコモの株式を公開するけれども、今あなたが持っている株式とどっちか交換しましょうかとか、そういう、当然株式公開するときはそういうやり方をするんですよね、アメリカの場合は。日本の場合には、それは両方やって、そしていいとこ取りで経営者はどんどんやるけれども、いわゆる子会社に対する責任というのは一切負わない。こんなでたらめな法律というのはあるんだろうかなと。

特に、金融機関の中には持ち株会社、金融持ち株会社が大はやりですよ。なぜはやったのか。これは資本金といわゆるその他剰余というものをごっちゃにしちゃったんですよ、ぐちゃぐちゃにして。わかしお銀行を三井住友銀行が合併して、継続銀行をわかしお銀行にしたというのはその一例じゃないですか。そして、みずほ銀行に至ると、みずほフィナンシャルグループの上にみずほホールディングスという、持ち株会社の上にまた持ち株会社作っているんですよ。

金融担当大臣ね、何のためにこれをやっているのか、分からないように、分からないようにして、そして資本とは何かとか、資本といわゆるその他剰余とは違う。資本というのは、先ほども、資本家は有限責任で、これは資本としてきちんと置いているわけですよね。それがぐじゃぐじゃになっちゃったというのがこの間のやり方じゃないんですか。そのぐじゃぐじゃのやり方を前提の上に何か会社法をもう一遍再建しようというふうな動きがどうも見えてならないような気がしてならないんです。

今日はもうこれ時間過ぎましたから意見だけ言って終わりますけれども、そういう意味で言うと、証券市場もそうだ、株式会社法制もそうだ、どうも日本のいわゆる企業法制、こういったものについてはいいとこ取りばっかりやって、そして責任はない。あるいはその取り締まるべききちんとしたルールや取り締まるべき様々なツール、こういったものは極めてお粗末。これでは国民の皆さん方が、本当に一生懸命働いて税金を納めている国民がこんなばかばかしい世の中はおかしいじゃないかと反乱を起こしますよ。

そのことだけ申し上げて、私の質問を終わらせていただきたいと思います。

○広野ただし君 民主党・新緑風会の広野ただしです。

今日は、財政政策の基本施策、また金融政策の基本施策についてお伺いをさせていただきたいと思います。

財政金融は非常に専門的な分野が多いんですけれども、私は、できるだけ国民の皆さんに分かりやすい考え方で、あるいは質問の仕方でお話をさせていただきたいと、こう思っておりますので、大臣、また副大臣の方々も分かりやすく御答弁をいただきたいと、こう思います。

この平成十七年度の予算そして財政、これ全体的に、一般予算のほかに財投、そして特会、そして税制、さらには財政再建という立場から、あるいは公債の管理政策というような立場から、全体的、総体的に見て、財務大臣は今回の予算、財政というものを、百点満点としたらば何点ぐらいお付けになる、まあ自らを評価してどういうふうに思っておられるか、伺いたいと思います。

○国務大臣(谷垣禎一君) 分かりやすく答弁せよという御注文の最初が何点を付けるかということで、ちょっと戸惑っておりますが、日本の財政の問題点も多岐にわたりますので、どの程度のことができたのかというのはなかなか難しいんでございますが、一つには、一般歳出といいますと、要するに政策経費ですが、どうしたって社会保障が増えてくる中で、御承知のような非常に借金体質になっておりますので、それを三年ぶりに前年度以下に圧縮することができたというのは一つ前へ進んだ点ではないかと思っております。

〔委員長退席、理事平野達男君着席〕

それから、それと関連いたしまして、国債を大量発行せざるを得ない財政状況でございますが、これも四年ぶりに前年度を下回る水準に持っていくことができたと。

それから、まあ大きな意味での目標を、その年のいただいた税金でその年のことをやっていく、いわゆるプライマリーバランス回復を二〇一〇年代初頭に果たそうということでございますけれども、国に関して申し上げれば、今年、平成十六年度、十七年度、二年続けて改善をすることができたと。

その背景に、税収が少し良くなってきたこともございますが、今回、定率減税を元に戻す、これは御批判もいただいておりますが、まあ歳入歳出両面からの財政構造の改革に道をつくることができたんではないかと。

それから、一般会計だけでなく、特別会計もあるという御指摘でございましたが、特会につきましても、財政審等の御提言を踏まえまして、例えば産業投資特別会計でNTT株式の売却収入を使った無利子融資制度等、将来的な廃止に向けて見直しを行うというような、引き続きこの特会自体の見直しも進めることができたと。

それから、財投につきましても、対象事業を相当重点化、効率化いたしまして、ピーク時の四割までに縮減をすることができました。

また、財投、すべての財投事業について点検も行いまして、住宅金融公庫について、民間で取り組んでいるような直接融資は廃止すると。それから、都市再生機構についても、ニュータウン事業から撤退するといったようなことを今度やらしていただきました。

具体的に何点かというのはちょっと申しにくいんですが、現状ではベストを尽くした比較的できの良い、ちょっと私が言うと手前みそになりますが、比較的できの良い予算ではないかなと。ちょっと口幅ったいことを言うのをお許しいただきたいと存じます。

○広野ただし君 できのいいというのは、優良可で言えば優以上行っておると、こういうことなんでしょうね。

しかし、私、後から一つずつ、先ほどおっしゃいました特会の問題、財投の問題あるいは財政再建の問題等を取り上げると、なっちゃいないなと。財政再建一つ取っても全然駄目だと、こう思っております。ですから、私の考え方からいうと、もうとても及第点にはいかない、もう一回やり直しというような考え方だというふうにまず申し上げたいと思います。

それと、まず、非常に大規模な大きな予算であり、一般会計ばかりじゃありません、そういう特会ですとか全部入れてまいりますと、もう何百兆という規模になるわけですね。ですから、日本経済に与える影響というものはあると思うんですが、これについて、今度の観点からいうと、予算等の作成方針からいって中立であったのか、経済政策として、あるいは刺激的であったのか、あるいは抑制的であったのか、この三つに分けて答弁いただきたいと思います。

○国務大臣(谷垣禎一君) その三つに分けるのはなかなか難しいんですが、先ほど申しましたように、三年ぶりに一般歳出を前年度より圧縮をいたしましたと申し上げましたのは、その意味ではかなり抑制的な予算と申し上げることができるんではないかと思います。しかし、他方、ただ抑制をしたというだけでは意味がございませんので、いわゆるめり張り付けをして民間需要主導の持続的な成長軌道に少しでも資することができるようにと重点化、効率化を行ったつもりでございます。

少し具体的に申しますと、例えば、大学等での研究開発の成果であるとか、あるいは産学官の技術力の活用等によりまして実用化を視野に入れた研究開発プロジェクトを戦略的に進めるであるとか、それから若年者のニート問題であるとかフリーター問題が非常に問題になっておりますが、若年者の職業意識を形成する、職業能力を開発する、あるいは就職支援していく、そういうような施策にも重点的に配分をいたしました。それから、公共投資につきましては、渋滞の解消を図るために三大都市圏の環状道路といった経済効果の高いところに重点的に配分をいたしまして、雇用あるいは民間需要の拡大という点から配慮をして作ったつもりでございます。

○広野ただし君 私は、税制等を考えますと、やはり日本経済に対してはブレーキを掛けていると、こういうふうに思います。全体的な規模あるいは構造改革の不徹底さ等を考えると、ブレーキが掛かっていると、こういうふうに考えております。

それで、まあそもそも論なんですが、財務大臣のまず役割といいますか、政治家財務大臣としての役割というのはどういうふうに思われますか。

○国務大臣(谷垣禎一君) 非常に難しいお問い掛けでございますが、私が所掌しておりますのは、一つは予算であり、もう一つは税であり、そのほかにも国債、為替の問題であるとか、いろんなことを扱わせていただいておりますが、要するに国の施策を、財務といいますか、そういう観点から見て統括していくという仕事をさせていただいているのではないかなと思っております。

○広野ただし君 財務大臣というのは、歴代、例えば竹下さんであるとか宮澤さんであるとか、あるいは橋本龍太郎さんであるとか、次の総理をねらうような、やはり国全体のことを資金の面から見てやっておられると思うんです。それはなぜかと。そのときに、私は、やはり国家像といいますか、日本をどういうふうに持っていくかということと非常に密接にその資金配分が、あるいは税制が関係をするということだろうと思うんですね。

ですから、極めて重要なポストにおられるわけで、ですから、そのところに、ただ各省から積み上げてきたもの、それを見ているとか、それを査定を加えるとか、そういうことじゃなくて、財務大臣谷垣として日本の国家をどう持っていくのかと、こういう考え方がしっかりとあって私はできるんじゃないかと思うんですね。

〔理事平野達男君退席、委員長着席〕

ですから、例えば、後でまたやりますけれども、入るを量っていずるを制すというのが財務相の歴代の考え方でありますけれども、この考え方についてまずどう思っておられますか。

○国務大臣(谷垣禎一君) 私が、今、財全体から見て国の政治を統括していく、財の立場から統括していくのが私の役目でございますが、非常に財政も厳しい中でございますので、入るを量っていずるを制すというのは、もちろんこれだけでいいと私は思っているわけではありません。全体の体力を高めてもう少し元気が出ていくようにするということと併せて、入るを量っていずるを制すと、全体立て直していくということは現在においても私の大事な仕事なのではないかと思っております。

○広野ただし君 私は、これは歴代の考え方からただ伝統的な手法を言っているだけであって、こういう考え方では日本の根本的な立て直しはできないんだと、こういうふうに思いますね。家庭においては確かに入るを量る、ある意味で分かりますからね。それに基づいていずるを制すということでありますけれども、この日本、国家全体として入るを量るということは、例えば税の在り方はどうあるべきかというようなことがちゃんと決まって、考えてあって、どうにでもできることなんですね。

ただ、そのときに、やはり税制というものの在り方、この今根本論で政府税調でやっておられると思いますけれども、全然まだそこに本当の手が入ってないんですよね。そのときには、例えば家族はどうあったらいいのか、家族生活というものが守られるような税制であったらいいのか、あるいは単身赴任者とか、そういうものばっかり増えていっていいんだろうかとか、そういうような税制、あるいは就労構造というものは、サラリーマンとか、そういうものじゃなくて、自営業をもっと増やしたらいいじゃないかとか、そういう考え方、あるいはいろんな価値観、ライフスタイル等、密接に関係してくるわけですよね。で、先ほどおっしゃいましたような分配の、再配分の問題ですとか、あるいは今非常に大事な少子化、高齢化の問題にどう対応するか、グローバル化にどうするか、環境にどう考える、公的部門はどうあるべきかというようなことが全部絡まって税制の問題ですとかあるいはいずるの予算の方のことが決まってくる。だから、非常にしっかりした国家像とかあるいは歴史観とか世界との関係というものがないと、ただ適当に各省の積み上げになってしまう、そういうおそれが出てくると思うんです。

だから、伝統的な入りを量っていずるを制す、これは価値観がないんですよ、めり張りがないんですよね。こんな考え方では私は本当に日本の国家を立て直すということにはなってないんじゃないかと、こう思うわけですが、いかがでしょうか。

○国務大臣(谷垣禎一君) 広野委員から大変大事な、一番基礎的な問題を提起していただいたと思っております。

今のお問い掛けに全面的にお答えするのは難しいわけですが、私は、やはりこういう経済閣僚でございますから、経済の方から見ますと、一つは、これから人口が減ってくる、高齢化も進んできている、こういう中でありますから、そういう中で日本全体の活力をどうして保っていくかということと、それから国際的にも、かつての先進国だけではなく、いわゆるエマージングマーケットと申しますか、そういうところとの大きな競争が起こってきておりますから、そういう中で日本として競争力が発揮でき、また日本としての役割を果たせるようにしていくにはどうしたらいいかという視点が私は大事だと考えておりまして、そのいろんな、細かに申し上げると切りがございませんが、要するにそのためには日本の魅力を高めていくという考え方が基本になければいけないんではないかなというふうに思っているわけでございます。

それで、その日本の魅力というのはいろんなところで考えなければなりませんが、私の仕事として一つ考えておかなければなりませんことは、これだけ財政も厳しい、日本の財政の持続可能性が問われかねないときでございますので、日本の財政の持続可能性という方向に少しでも持っていく、少しでもそういう方向に政治が動いているというふうに持っていくというのが私の仕事の、現在の私の仕事という点から申しますと一つの核にあるものではないかと、こう考えているわけでございます。

○広野ただし君 魅力ある日本をつくるということの根本は私は教育にあると思います。日本は資源も何にもないんですから、これはやっぱり人材を育成をしていくということだと思うんですけれど、このときに、三位一体改革に絡んで、あるいは地方分権に絡んで、教育の問題で義務教育費国庫負担分を削減をすると、こういうことをやっておられます。このことについて、日本の国家の根本は人づくりにあると、こういうこととどう考えられますか。

○国務大臣(谷垣禎一君) 私も、広野委員おっしゃいましたように、日本の魅力の根本は人づくりにある、それはもう全く同感でございます。

それで、三位一体で国庫補助負担金を地方に全部お渡ししていくというようなことが、まだこれは暫定でございまして、これから中教審で議論をしていただくわけですけれども、どう思うかということでございますが、私は、教育の魅力を高めていく上でも、日本の義務教育は小中学校、これは市町村がやっておられるわけですけれども、市町村の創意工夫がもう少し生かされて、いろんな議論をされる、まあ私、文部科学大臣ではありませんので余り踏み込んで答弁すると文部科学大臣が困られるかと思いますが、私は、どこも皆平等で共通というよりも、それぞれの地域で特色を生かして工夫ができるような方向にもう少し持っていった方がいいんではないかと私自身は考えております。

○広野ただし君 小泉総理は、米百俵の精神と、飢饉になったときもそれで、米百俵をいただいた、それを食べるんではなくて未来のために、子供たちのために教育に投資をする、非常に感銘の深い話を持ってこられました。だけれども、それは口先だけで、何一つ教育に対して真剣に取り組んでおられるとは思えないんですね。

先ほど地方の特色を生かすと、こうおっしゃいますが、やはり義務教育において教員の役割というのは極めて高い大事なものだと思うんですね。もう全体的に、国全体として教員、いい人材を集めて、そしていい教育を施していくという、こういうことがないと、地方に任せればいいと、地方の特色あるものにすればいいと、じゃ国全体としてはどうなるんだということだろうと思うんですね。

今日、文部科学政務次官がおいでですから、どう思われますか。

○大臣政務官(下村博文君) 御指摘のように、義務教育においては国は全国的な教育水準の確保と教育の機会均等についてはしっかりとした責務を果たし、その上で、義務教育の実施に当たっては、各地域や学校が更に創意工夫をして、そして常にその時点で考えられる最善の教育が行われるようにすることが重要であるというふうに考えております。

具体的には、国は義務教育における基本的な制度の枠組みや全国的な基準の制定、必要な財源の確保等の役割を担い、都道府県は広域で一定水準の人材を確保する役割を担い、そして市町村におきましては学校の設置、運営という正に義務教育の直接の実施主体としての役割を担っていくべきものと考えております。

義務教育の実施に当たっては国と地方の適切な役割分担が重要と考えておりますけれども、昨今の三位一体改革の議論におきまして、この国と給与負担者である都道府県との間の給与負担の在り方に関する議論のみに集中していた嫌いがあるのではないかと考えておりまして、私どもとしては、現場主義の徹底を図る必要があると考えておる義務教育において、更に学校の設置者である市町村の役割、責任の在り方について今後も十分な議論を行うことが重要であると考えておりまして、このために中央教育審議会において市町村の意見も十分聴取しつつ、教育論の観点から、国、都道府県、市町村の役割、責任について御議論いただきたいと考えております。

私どもとしては、今年の秋の中教審の結論を得て、義務教育に対する国の責任を果たすためにしっかりと取り組んでいきたいと考えております。

○広野ただし君 予算委員会でも我が党の鈴木寛さんが、GDPに占める公的教育支出の割合、これが日本は三・六%。ドイツ、イギリス、アメリカ、みんな四%、五%という非常に高い、財政的にもやっている。韓国も四・九%だと。こういうような各国とも非常に教育には力を入れているということを申し上げて、いかに小泉さんの米百俵の精神というのは口先だけで、根本的には逆噴射をやっているということをまずお話をしたいと、こう思います。

次に、特会改革について。

先ほど大臣は特会、それなりに手を入れている、見直しをして進んでいると、こうおっしゃいましたけれど、特会は今年三十一本の特会で四百十二兆円ですね、全体で。そして、ネットでも二百五兆円です。こういう膨大なものがある。しかも、それの十、特会の大きな見直しをしたのはそれのほぼ三分の一の十二会計ですか、これぐらいしかやっていないんですね。そして、削ったのは数千億円しかカットしていないんです。もう二百兆円、ネット二百兆円のうち数千億円というのは一%にも満たない。そういうことをやっていて何が根本的な見直しをしたと、こう言えるんでしょうか。財務大臣、いかがですか。

○副大臣(上田勇君) 今、広野先生から特会、特別会計につきまして御指摘があったわけでありますけれども、特別会計、これまでも一般会計に比べて必ずしも十分な見直しが行われてこなかったんではないかという御指摘はいただいてきたところでございまして、そうした御指摘も受けて、平成十五年度から財政審で総ざらい的な検討を行いまして、そうした御提言をまとめていただいたわけでございます。

平成十六年度予算におきましても事務事業の見直しなど様々な見直しに着手をいたしまして、平成十七年度も昨年の財政審においてこのフォローアップをいたしまして、すべての、全三十一の特別会計のうちの約三分の一、先生が御指摘いただいたとおりでありますが、に当たります十の特別会計について個々の実態に即して掘り下げた検討を行いまして、改革の一層の促進に向けて具体的な追加的提言をいただいたところでございます。

平成十七年度の予算編成におきましては、これらの提言を踏まえまして幾つかの大きな改正を行いました。

○広野ただし君 簡単にお願いします。

○副大臣(上田勇君) はい。

例えば、産業投資特別会計社会資本整備勘定におきましても、NTT株式売却収入を活用した無利子融資制度、これを現在計画されている案件に限り措置をして一般会計繰入れを縮減するであるとか、あと労働保険特別会計やあるいは食糧管理特別会計におきましても所要の改革を行ったところでございます。

また、十六年の財政審報告においても、具体的な提言のなかった特別会計についても十五年の報告書の基本的な考え方に基づきまして着実な見直しを行っております。

今御指摘がありましたように、まだこれから取り組まなければいけない点も多いかというふうに思っておりまして、財務省としては国全体としての歳出の合理化、効率化の観点から、今後とも特別会計についても徹底した見直しを進めてまいりたいというふうに考えております。

○広野ただし君 細かい数字を先ほど言っているわけじゃないと言いました。三十一会計全体で三千六百億円を削減しました、今回は。ネット二百兆円、あるいは総額四百兆円のうち、これだけしかやっていないんですよ。それが着実な見直し、とんでもない話で、全然やっていない、こういうことですね。まあ、百点からいうとゼロ点に近いものであると、こういうことだろうと思います。

次に、財投にさせていただきたいと思いますが、財投は、確かに毎年度のものでは、ピーク時四十兆円だった、それが十七年度は十七兆円になっているということでありますけれども、財投全体はいろんな融資をしているわけですね。ですから、ピーク時には四百兆円を超す融資をしているんです、融資、残高ですね、融資残高は。それがまだ三百三十兆円。ですから、八十数兆円しか削減をしていない、こういうことです。ですから、毎年度では、フローでは半分以下にはなったということでありますけれども、残高では全然減ってないんですよ。四百兆円のものが三百三十兆円ぐらいになったということです。

これは、なぜ私がそういうことを問題にしているかというと、官から民へと、官から民へをやること、これが構造改革なんだと、構造改革なくして成長なしと、こうおっしゃっているんでしょう。そうするためには公的部門をもう少し圧縮をすべきじゃないか。

今、国の金融機関全体で大体七百兆円。ところが、ぐっと貸出しを減らして、六百五十兆ぐらいになっていますよね。公的部門は全然減っていなくて、どんどんどんどん増えるくらいなものだ。日本は自由主義国家だといいながら、公的部門というのが私は三割から四割ある。これ、財政の面でもこういうことですよ。何らかの形で国が関与をしていると。この部分をちゃんと構造改革しませんと、本当に構造改革ができて成長ができる、こういうことにはならないと思うんです。

財務大臣、財投が十分に改革がなされていますとおっしゃいましたけれども、どういうことでそういうことになるんですか。

○国務大臣(谷垣禎一君) まず数字から申し上げますと、財投計画残高の現在でございますが、平成十七年度末の見込みが三百六兆でございます。これがピーク時が四百十七兆八千億でございましたから、ピーク時の七二%というふうに今来ております。

それから、結局どういうふうに変えたかと申しますと、かつては、もうこれは今更申し上げるまでもございませんが、平成十三年度にそれまであった郵貯等の預託義務を廃止して、財投債ないしは財投機関債を発行してマーケットの規律の下で必要な資金を調達する仕組みに変えたということが一つ。それから、それをやりますときに、政策コスト分析やそれから貸出し先の特殊法人等における民間準拠の財務諸表を導入するといった改革を進めまして、民業補完あるいは償還確実性ということについても相当大きく進めたつもりでございます。

それで、郵貯等による財投債の直接引受けが経過措置としてはございますけれども、これは郵貯等の預託金の払戻しが基本的に終了する、平成十九年度末をもって終わりますので、委員のおっしゃった官から民への資金の流れを変えていくという意味ではかなりの前進が見られていると私は考えております。

○広野ただし君 いや、全然なっていないんですね。これが、財投債というのを出しますね。財投債も国債の一種ですよね。ところが、全体的に言いますと七百兆円、七百七十兆円の外枠に財投債というのを設けています。それで、そのほか政府保証というものがあるんですね。ですから、政府保証というのも六十兆円ですから、大体外枠に二百兆円というものがまだ借金があるんですよ。ですから、七百七十が九百七十兆円。この間も私議論しましたけれども、七百兆円台とみんな思っていますけれども、実は一千兆円ぐらいの借金があるということであります。  そしてまた、この財投債に代わって、公債管理、公債管理政策のことにかかわりますけれども、今度借換債ですとか全部合わせますと百七十兆円の公債を今年出すわけですね、百七十兆円ね。こういう大きなものを出します。そして、全体的に社債というものがあります。債券市場のことを見ますと社債というものがありますけれども、この社債というのは大体年間五、六十兆円です。この百七十兆円の借換債を含めた、新規発債も全部入れて百七十兆円。短期証券等を入れますと公的なものに五百兆円以上のものになってくるんですね。  こうしますと、債券市場、債券市場では公的なものが物すごく高くて、八〇%以上が公的なもの。ですから、資金は公的なものにぐっと取っているということなんです。財投改革の根本は何かといえば、ただ見掛けの数字を減らしましたとかなんかじゃなくて、公的部門をぐっと減らして民間にやってもらうと、こういうことなんでしょうけれども、そこに全然手が付いていないということを私は申し上げたいと思います。  次に、日本経済、回復軌道になったと言いますけれども、本当に健康体になったのか。この点について財務大臣あるいは伊藤大臣の見解を伺います。

○国務大臣(谷垣禎一君) 我が国の経済が非常に危機的状況にありました平成九年あるいは平成十年当時と比較してみますと、現在は、不良債権処理あるいは産業再生等の構造改革がかなり進みまして、経済の基礎的体質というのは私は大きく改善してきたというふうに思っております。それから、そのことを受けまして、企業部門ではかつては過剰な債務、過剰な設備、過剰な雇用というようなことが言われておりましたけれども、こういった三つの過剰は基本的に解消しつつあるのではないかと思っております。したがって、企業収益もバブル期の水準に匹敵するような高い利益水準を出しているところもあるわけでございます。それから、企業倒産につきましても平成十七年二月までで三十か月連続で減少を続けているということがございます。

そこで、問題は家計部門あるいは個人消費というようなものがどうかということでございますけれども、これも有効求人倍率が上昇してきましたのと伴いまして、失業率がここ十数年来で初めて趨勢的に低下していると。雇用情勢は改善していると思います。

それから、雇用者報酬は、名目、実質ともに前期比、前年比プラスというようなことがございますので、こういうことを含めて見ますと、今後の消費改善につながっていくと見ていいんじゃないかなと思います。竹中大臣のお得意の表現でございますけれども、上り坂の中の微調整という竹中さんの御表現は私も使っていいんじゃないかなと、このように思っております。

それで、他方、政府部門について見ますと、これは先ほど広野委員から御指摘がございましたように、長期債務残高、これもいろんな債務をどう数えるか、いろんな議論がございますけれども、七百七十四兆と対GDP比一五〇%を超える状況でございますから、依然として厳しいと。ここはやはりこれからも努力を続けませんと、委員のおっしゃった、その資金を、民間の資金を国が、公的部門が取り過ぎるというような状況は私は改善していかなければいけないと。ここにやはり大きな課題が残っているというふうに考えているところでございます。

○広野ただし君 私は、人間の体に例えまして、病み上がりから本当に危篤状態のところまで行ったわけですね、金融危機のときは。そういうとき、そこからもう七、八年たちました。そういうときに、今本当に健康体になったのかというふうに聞いているんですよ。で、回復軌道には乗ってきたと。だけど、私は、もう全くこれは病み上がりであって、ようやく立ち上がれるというところまで来て、本当に健康体になっているのかというふうに私は思うんです。日本経済のアキレス腱、やはり今まで血液の循環というものが非常におかしくなっていて、それが金融だと思うんです。そこが根詰まりをしていた。そこのところがある程度不良債権が減ってきて良くなってきたというけれど、私は、地方経済のことを取りましたり、中小企業のを取りましたり、まだアキレス腱は一杯あるじゃないかと、こういうふうに思うんですね。

また、今度の回復はアメリカ経済あるいは中国という大きな外需によってもたらされたものであって、日本の体自身は一つも良くなってきていないと。構造改革なくして成長なしと言っていますけれども、あくまで外需に頼って、外からのいろんなカンフル注射によって元気になってきたと、ある程度。だけれども、一つもそこは良くなっていないんだというふうに思っております。

文部科学省さんはもう終わりましたので、どうぞあれしてください。

もう一つ、そこで伺いますが、銀行等金融機関は本当に元気になったのかということで伺いたいと思います。

○副大臣(七条明君) 今、銀行が元気かどうかということでございますが、これ、主要行の場合を考えてみますと、平成の十四年の三月期に不良債権が八・四%ありました。この不良債権というものがやはり健全性でないというような判断をいたしまして、私たちは金融再生プログラムの中で不良債権処理に加速をさせるために二年以内に半減をさせるというような努力目標を持ってきたところでございますけれども、この点に関して言いますと、この平成十六年の九月期における主要行十一行の不良債権比率は四・七%となっておりまして、再生に向けたプログラムの中における目的達成については順調に推移をしてきておるのではないかと。この三月期を見てみなきゃ分からないところもありますけれども、三月期、私個人的に見ますと、更に四・七から三に近づくのではないかと、ひょっとすれば三まで行けるのではないかというふうになってくるのではないかというふうに考えておりまして、健全性について、主要行については、これは大きく健全化になってきておるというふうに推移をしているものと考えておるところでございます。

○広野ただし君 四大メガバンクですとか、ずうたいは大きくなりました。そして、公的資金も入って、突っかい棒が入って危機を脱してまいりました。だけれども、今利益を上げているのはもうほとんどゼロ金利の、低金利のものを借りて、そして国債等を買うと、そしてその利ざやを稼ぐと、それで数千億円の利益を出す、場合によっては一兆円を超す利益を出すと。これが果たして海外に出ていって、トヨタやホンダのように世界に雄飛できるそういう銀行なんだろうかと。私は、全くそうではない、全くまだ病み上がりのそういう銀行なんじゃないかと、金融機関なんじゃないかと、こう思いますが、どうですか。

○国務大臣(伊藤達也君) お答えをさせていただきたいと思います。

今、副大臣からも御答弁をさせていただきましたように、今までは日本の金融システムを安定化さしていく、そのためにも日本経済の大きな足かせとなっていた不良債権問題を正常化さしていく、そのことに金融機関としても大変な努力をしていかなければいけなかったというふうに思います。したがって、そういうときには、やはり新しい事業に挑戦をしていく、利用者のニーズに的確に対応したビジネスモデルに挑戦をしていくということがなかなかできなかった。しかし、不良債権問題が正常化していくに当たって、これからは利用者のニーズに的確にこたえた経営というものを行っていく、そういう新しい局面に入りつつあるんではないかというふうに思います。

委員からも今金融機関の経営状況をめぐる厳しい御指摘がございました。確かに、今、日本の金融機関はやはり収益力をどう向上さしていくのかということが一つの大きな課題であろうかというふうに思います。

しかし、不良債権問題を正常化していく中で、自らの審査能力、目利きの能力というものを向上さして、そして様々なニーズにこたえられるような経営改革の努力というものを今行っておりますし、貸出しにおきましても、例えば中小企業者のニーズの高いスピード審査、そして担保が不要で、第三者保証が不要の新しい金融商品というものを開発をして、それを投入することによってその残高というものも伸びつつありますので、こうした前向きな経営改革の努力というものがこれからの活力ある日本の金融システムというものをつくり上げていくことにつながっていくんではないかと。

また、そうした観点から、私どもとして、昨年の十二月に金融改革プログラムを策定をさしていただいたところでございますけれども、今まで金融行政というのは、金融システムの安定化ということに重点を置いた金融行政でありました。ある意味では不良債権問題に見られる緊急対応であったわけでありますが、これからは将来の望ましい金融システムというものを目指していく、未来志向の局面に変わる中で、活力を重視した金融システムというものを構築していくために金融再生、金融改革プログラムに盛り込まれた諸施策というものを着実に実施をしていきたいというふうに思っております。

○広野ただし君 口では何でも言えるんですよ。で、金融サービス立国だと、こう言いますけれど、これはもう本当にいい看板ですよね。だけれども、じゃ地域金融機関は今どうなっていますか。十年前、地域金融機関は九百を超す金融機関がありました。現在は倒産ですとか統合等によって六百になってきていますね。しかも、この地域金融機関六百がまだ本当に血液の循環を良くする、こう末端の手先のところまで血液が行くような、そういう役割を地域でやっているんだろうかと、そう言ったときにどう答えられますか。

○副大臣(七条明君) 今、地域金融機関が元気なのか、健全なのかどうかという意味でお答えをいただいた、御答弁いただいたと思っております、答弁、お答えいただくつもりでおりますけれども、リレーションシップバンキングという形で、私どもは機能強化に関するアクションプログラムにおきまして中小企業の再生とあるいは地域経済の活性化ということで、正にリレーションシップということを意識をしながら、当時、十六年度の当時、不良債権問題の解決に向けていろいろ努力をしてきた。そして、全体として収益性の向上や健全性の確保等に向けた取組がなされてきたと、こういうふうに考えておりまして、今先生が御指摘のように、先ほど来の不良債権比率でいいますならば、今、まだまだ大きいもの、小さいものとありますけれども、健全性を確保しつつ今努力中であります。

そして、もう一つ、自己資本比率の方も含めまして、自己資本比率の方の平均、これは十六年の三月期でございますが、九・二五のものが、今不良債権比率が六・三ぐらいまで下りてきておりまして、いろいろな意味でこれも減ってきつつあるのではないか。

しかしながら、まだまだ地域の中で元気でいくために、地方がやらなければならない問題、あるいは地域の再生のために金融機関がもっと思い切ってやっていかなければならないというようなリレーションシップという意味におきますと、これからも努力をしていく、健全化に向けて努力をしていかなければならないものもあろうかと思っております。

○広野ただし君 私は世界に雄飛するメガバンクと地域金融機関は尺度が違うんだろうと思うんですね。それを一律のBIS規制だとか、そういう考え方でやっている。これではもう全く違うわけで、BIS規制でも八%以上だと、自己資本比率がですね、こういうようなこと。あるいは、それと、地域金融機関は特にそういうものがなくていいんですから、それをよく考えてやっていかなきゃいけないと、こう思っております。

ところで、今の金融庁の考え方からいきますと、私はどうも、金融庁の人員というのは物すごく増えました。金融監督庁が発足したときは四百名だった。それが今千二百名になっています。監督行政、検査行政というものを充実しなきゃならない、こういう考え方からきていますが、私は、これがまたある意味では金融社会主義のようにがんじがらめの政策に陥っているんじゃないかと思うんです。

ですから、本来であれば市場に任せるべきことは任せていって、そして、証券取引監視委員会のように、そういうところでチェックをしていくと。ところが、この委員会の方は金融監督庁発足のときは大体百名だった。それが今二百名ちょっとになった。金融庁の方は三倍ぐらいに人員が増えているんですね。ところが、こちらの監視委員会の方は倍だと。これは逆なんですね、本来は。検査行政はある程度大事ですけれども、それ以上のことをやってまいりますと、がんじがらめで、もう手取り足取りのことで、しかも行政が入って、介入をして何をやっているのか。メガバンクを強くしようとしたって一つも強くなるはずがない、こんなことをやっていたらですね。それをある人は金融社会主義だと言うんですよ。官庁の下にコントロールをして、がんじがらめにする。

ところが、世界に雄飛している日本の企業、トヨタもホンダも、ここは業法も何にもない。そして、しっかりとやっています。もちろん、そこのところの会社で、三菱自動車さんのようにタイヤだとか何かのところで大変なモラルハザードを起こしたようなこともありますけれども、そういう世界に雄飛する企業、これをある意味では育てていく。そして、それは事後チェックでがっちりとやるという市場ルール型の、そういう行政になりませんと、これはもう本当に金融社会主義、官僚支配主義の、そういうものになってしまうんじゃないかと、こう思いますので、そのことを指摘しておきたいと思います。

そして、次に産業再生問題について伺いたいと思います。

産業再生は、この問題、本来であれば企業倒産等あれば、これは法的措置をやればいいと。会社更生法だとか産業再生法、あるいは破産法、あるいは倒産法等の法的措置でやればいいというところであったわけですが、二〇〇三年に金融と産業とを一体として再生をさせることが現下の情勢にとって大変大事なことだということで産業再生機構を立ち上げたわけですね。当時の塩川財務大臣は、場合によってはこれは閻魔大王になる、企業の生殺与奪の権を握る、そういう機構になるかもしれないというようなことも心配をしておられました。そのことを考えますと、現在のこの産業再生機構の今までの実績等をどう評価されるか、副大臣から伺いたいと思います。

○副大臣(林田彪君) 広野委員におかれましては、ちょうど一年前にもこの委員会で御質問いただいている中で、先ほど塩川大臣のお話も出ましたようでございますし、その当時は、この産業再生機構、十二案件を受け持っていたんですけれども、今日現在ではそれは四十一件になっております。

そもそも、基本的には、広野委員おっしゃいましたように、民間主体で処理するのが私自身も当然だというふうに思っております。しかし、これ、何でそういう民間でできなかったのかと。その当時からいろいろ、問題と申しますか、議論がされておりますけれども、委員も御案内ように、いわゆるメーンの名寄せの問題、要するに金融機関が、メーンだけではなくて、それぞれにいろんな金融機関に事業者、企業者は融資をお願いしておる等々であって、この名寄せの問題。あるいは、元々が本当にこういう事例に経験がないと申しますか、能力不足と言った方がいいんでしょうけれども、そういうのもあったということでございまして、こうした点も踏まえまして、再生機構といたしましては、いわゆる表裏一体にある、ただ単に金融機関の不良債権の処理というんじゃなくて、産業再生と金融再生はもう表裏一体のものだと、これはもう当然各委員も同じ共有されている問題意識だと思いますけれども、これを共有していただいて、いかにまたそれをスピード感を持って仕上げるかというのがその当時の、この発足のときの思いではなかったかと思います。そういうことからして、期限を限って、公正、中立的な立場から産業再生を支援するということで設置されたものでございます。

評価というようなお話でございますけれども、先ほど申し上げましたように、四十一件、一応今日現在で支援決定しておりますけれども、御案内のとおり、これはもう三月一杯でいわゆる支援決定と申しますか、買取り枠決定は終わりでございまして、あとは、これからが再生機構のある面では厳しいところかと思います。再生機構が引き受けたという以上は、自分自身でもそのリスクを払うと同時に、なおかつ政府保証があるということは最終的には国民の税金に帰着する、棄損させないという大目標を掲げながらやっていくわけでございまして、そういう意味合いではこれからがある面では一つの勝負かなというふうに思っております。

いずれにしましても、十五年の五月にこれが発足いたしまして二年弱になりますけれども、私は、いろんな、一件一件、いわゆる再生モデルを提示したり、いろんな知見、今までなかったノウハウ等をお互いにそれぞれ、民間の方が主でございますけれども、そういうところから知見、ノウハウを集積することによって、要するに個々の企業の再生が進んでいくことがトータルとして産業再生にはつながっていくというふうに思っております。

○副大臣(七条明君) 少し数字が間違っておりまして、先ほどこれを、自己資本比率を九・二五と申し上げましたが、これが十六年の三月期でなく十六年の九月期であると、少し訂正させていただこうと思います。

○広野ただし君 林田副大臣に、詳細なことはいいんですが、やっぱり一般国民の目線からいうと、産業再生機構、現状において百点満点の何点ぐらいなんだと、こういうふうにちょっと伺いたいと思います。

○副大臣(林田彪君) 点数そのものはあれですけれども、立場上、私は百点だと。まだまだしかし試験中だということでございますので、先ほど申し上げましたように、これから三年間でいかにこれを処分していくかということに尽きるわけですから、まだそういう面じゃ道半ばという思いをしております。

○広野ただし君 道半ばなのに百点というのはおかしいんですね。

それと、元々幾つかの企業を、四十一ですか、四十一件、企業数でいくと二百企業ぐらいになると思うんですけれども、その企業を再生をするということがよしんばうまくいったとして、それが本当に産業の再生になるのかと。場合によっては、そういうところを救うことによって過剰な企業がたくさんあって、また、債務を整理しますと身軽になって、今度は今までまじめにやっていたところが割を食う形になるわけですね。

そして、いったん再生機構入りあるいはRCC送りというふうになったところがよみがえってくると、これは大変なモラルハザードを起こすわけです。まじめにこちらはやっていたのに、こちらは債務を、軽くなって、そしてよみがえってくると、こういうところに何をやったのか分からない。産業が再生しているのか、また大変なモラルハザードを起こしているんじゃないか、緊急避難的な措置というふうに言うけれども、本当にそういうことになっているのか、企業再生にはなっているけれども産業再生にはなっていないんじゃないかと私は言いたいと思います。どう考えられますか。

○副大臣(林田彪君) 四十一件の支援案件を委員もそれぞれ見ていただいたと思いますけれども、確かに企業別の再生というのもありますけれども、中にはやっぱり地域になくてはならない企業、イコールそれが産業であったりというのも入っているのも委員御案内かと思います。

そういう中で、この産業再生機構の支援決定のいわゆる特徴と申しますか、大きな意味は、いわゆる公的機関の債権放棄等も実は入っておりますし、先ほど言いましたように、いわゆる再生機構がこれに支援決定するということは、機構そのものがリスクを背負うというのと同時に、政府保証があるからこれは最終的に国民に負担を掛けてはいけないという中で、私は、委員、確かに大きいくくりの建設産業とか流通産業、あるいはいろんな産業界自身がレベルアップ今の時点でしているかと言われれば、若干ううんと思うところもありますけれども、私はこのことをやっていくことによって必ず産業再生にはつながっていくというふうに思っております。

○広野ただし君 私は別の政策手段があったんだろうと思うんです。これがなかったら地域の中小企業がばたばたといったんじゃないかということではなくて、中小企業金融をしっかりとやれば、地域の金融機関を通じてしっかりとやればやれるんだと。債務保証、政府保証というか、中小企業の保証をやったでしょう。ああいう措置をやればいろんなことができたんですよ。

ですから、別の政策手段があったんであって、こういう産業再生機構によっていろんなモラルハザードを起こしているということから考えると、とても百点満点ということじゃない、私はもう全くの及第点は行かないということを申し述べて、終わりたいと思います。

○委員長(浅尾慶一郎君) 午後一時二十分に再開することとし、休憩いたします。

午後零時三十三分休憩

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午後一時二十一分開会

その2へ続く

参議院 財政金融委員会 2号 平成17年03月08日

2005年03月08日 (火)

162-参-財政金融委員会-2号 平成17年03月08日

○委員長(浅尾慶一郎君) ただいまから財政金融委員会を開会いたします。

委員の異動について御報告いたします。

去る二月八日、主濱了君が委員を辞任され、その補欠として尾立源幸君が選任されました。

また、去る二月九日、谷合正明君が委員を辞任され、その補欠として西田実仁君が選任されました。

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○委員長(浅尾慶一郎君) 財政及び金融等に関する調査を議題といたします。

財政政策等の基本施策について、谷垣財務大臣から所信を聴取いたします。谷垣財務大臣。

○国務大臣(谷垣禎一君) 今後の財政政策等の基本的な考え方につきましては先般の財政演説において所信を申し述べたところでありますが、本委員会において、重ねて所信の一端として、今後取り組むべき課題等について申し述べます。委員各位の御理解と御協力をお願い申し上げます。

財政の現状は、平成十七年度末の公債残高が五百三十八兆円程度に達する見込みであるなど、非常に厳しい状況にあります。こうした状況が続きますと、経済の成長を阻害することになりかねません。

このため、持続可能な財政を構築することが重要な課題であります。今後とも、二〇一〇年代初頭の基礎的財政収支の黒字化を目指し、歳出歳入両面からバランスの取れた財政構造改革を進めていく必要がありますが、これに取り組むに当たっては、次の三つの点を踏まえる必要があると考えております。

第一に、歳出面において、特に社会保障制度の見直しが不可欠です。社会保障の給付と負担は、このままでは経済の伸びを大きく上回って増大していくと見込まれます。将来にわたり持続可能な制度を構築するには、年金、医療、介護等を総合的にとらえ、給付と負担の規模を国民経済の身の丈に合ったものとすることを目指す必要があります。あわせて、自助と公助の役割分担の見直しのほか、次世代の国民を育てていくことの大切さの再認識や高齢者を一律に弱者ととらえる考え方の見直しといった意識改革が重要であると考えております。

第二に、歳入面において、少子高齢化やグローバル化等の大きな構造変化に対応し、あるべき税制を構築していかなければなりません。このため、これまでの政府・与党の方針を踏まえ、景気低迷時に講じた措置の見直しを含め、社会共通の費用を広く公平に分かち合うとともに、持続的な経済社会の活性化を実現するため、税制改革の具体化に取り組んでまいります。

第三に、持続的な財政の構築には、国、地方を通じて取り組んでいく必要があります。こうした観点から、国と地方のいわゆる三位一体の改革については、地方の権限と責任を拡大し、必要な行政サービスを地方自らの責任で選択できる幅を拡大するとともに、国、地方を通じた行政のスリム化を図ることが重要と考えております。

こうした財政構造改革の取組に対して国民の御理解を得るに当たっては、財政の現状を分かりやすく説明するとともに、行政改革を推進しつつ、徹底した歳出の見直しや予算の質の改善に取り組まなければならないと考えております。

平成十七年度予算及び税制改正におきましては、以上の認識の下、歳出歳入両面の改革に取り組むこととしております。

歳出面については、歳出改革路線を堅持、強化する方針の下、聖域なき改革を行っております。

これにより、一般会計全体の予算規模は八十二兆千八百二十九億円、一般歳出の規模は四十七兆二千八百二十九億円となり、一般歳出は三年ぶりに前年度の水準以下に抑制いたしました。

特別会計については、事務事業の見直し等の視点から、着実な改革を進めております。また、政策評価や決算の反映など、予算の質の向上に取り組んでおります。

歳入面については、三位一体の改革との関係で、平成十八年度に国、地方を通ずる個人所得課税の抜本的見直しが必要となることを展望しつつ、平成十一年以降、景気対策のための臨時異例の措置として継続されてきた定率減税について、導入時と比較した経済状況の改善を踏まえ、その規模を二分の一に縮減することとしております。あわせて、住宅税制、金融・証券税制、国際課税、中小企業関係税制等について適切な措置を講じることとしております。  これにより、租税等の収入は四十四兆七十億円を見込んでおります。また、その他収入は三兆七千八百五十九億円を見込んでおります。

以上、歳出歳入両面における取組の結果、新規国債については、発行予定額を四年ぶりに前年度よりも減額し、三十四兆三千九百億円となり、一般会計の基礎的財政収支も昨年度に続き改善するなど、財政規律堅持の姿勢を明確にすることができました。

また、国債残高が多額に上り、今後も大量発行が見込まれる中、国債管理政策を財政運営と一体として適切に運営していく重要性がますます高まってきております。これまでも国債市場特別参加者制度の導入等各種施策の実施に鋭意取り組んでまいりましたが、今後とも、国債の確実かつ円滑な消化、中長期的な調達コストの抑制を図るため、市場のニーズや動向等を踏まえた国債の発行等、国債管理政策の一層の充実に努めてまいります。

さらに、財政投融資については、すべての財投事業について、財務の健全性等の総点検を行い、財政投融資残高において大きなウエートを占める住宅金融公庫、都市再生機構についての見直し等を実施しております。これにより、将来の財務上の懸念を解消し、財投事業の健全性を一層確かなものとしております。

平成十七年度財政投融資計画については、特殊法人等整理合理化計画等を反映しつつ、事業の重点化、効率化に努め、総額を十七兆千五百十八億円に抑制しております。

これらとともに、国際機関やG7、アジア諸国等と協力し、世界経済の安定と発展に貢献してまいります。特に、我が国と密接な関係を有するアジアにおいて、通貨危機の予防、対処のための域内の枠組みであるチェンマイ・イニシアチブの見直しやアジア債券市場育成イニシアチブの推進等に取り組んでまいります。また、租税条約の改定に取り組んでまいります。

為替相場については、経済の基礎的条件を反映し、安定的に推移することが重要であり、今後とも、その動向を注視し、必要に応じて適切に対処してまいります。

さらに、WTO新ラウンド交渉や経済連携交渉に努力してまいります。こうした交渉においては、税関手続の簡素化や国際的調和を含む貿易円滑化にも取り組んでまいります。

最後に、今国会に提出しております財務省の法律案について御説明いたします。

第一に、平成十七年度における公債の発行の特例措置及び年金事業等の事務費に係る負担の特例措置を定める平成十七年度における財政運営のための公債の発行の特例等に関する法律案でございます。

第二に、先ほど御説明いたしました平成十七年度税制改正における諸措置を盛り込んだ所得税法等の一部を改正する法律案でございます。

第三に、税関における水際取締りの強化と通関手続の一層の迅速化等を内容とする関税定率法等の一部を改正する法律案でございます。

第四に、国際開発協会への追加出資を内容とする国際開発協会への加盟に伴う措置に関する法律の一部を改正する法律案でございます。

今後、御審議のほどよろしくお願い申し上げます。

以上、財政政策等に関する私の所信の一端を申し述べました。今後とも、皆様のお力添えを得て政策運営に最善を尽くしてまいる所存でございますので、浅尾委員長を始め委員各位におかれましては何とぞよろしくお願い申し上げます。

○委員長(浅尾慶一郎君) 次に、金融行政について、伊藤内閣府特命担当大臣から所信を聴取いたします。伊藤内閣府特命担当大臣。

○国務大臣(伊藤達也君) 金融担当大臣の伊藤でございます。引き続きよろしくお願いを申し上げます。

本日は現下の金融行政について一言申し述べさせていただきたいと思います。

最近の経済情勢を見ますと、景気は一部に弱い動きが続いており、回復が緩やかになっているものの、先行きについては、企業部門の好調さが持続しており、世界経済の着実な回復に伴って、景気回復は底堅く推移すると見込まれております。

こうした状況の下、政府としては、日本銀行と一体になって金融・資本市場の安定を目指し、引き続き強力かつ総合的な取組を行うとともに、集中調整期間終了後におけるデフレからの脱却を確実なものとするため、政策努力を更に強化することとしております。特に、金融行政においては、引き続き金融システムの安定強化、金融・資本市場の構造改革と活性化に強力に取り組んでいるところです。

まず、金融システムの安定強化に関しては、構造改革を支えるより強固な金融システムを構築する観点から、金融再生プログラムの諸施策の推進に全力を尽くしているところです。

主要行に関しては、不良債権比率が十四年三月期の八・四%から十六年九月期には四・七%に低下し、主要行の不良債権比率を本年度末までに十四年三月期の半分程度に低下させるとの目標の達成に向けて、順調に低下しております。

また、中小・地域金融機関に関しては、中小企業の再生と地域経済の活性化を図ることで不良債権問題も同時に解決していくことを目指し、平成十五年三月に公表したリレーションシップバンキングの機能強化に関するアクションプログラムの諸施策を推進しております。

金融庁としては、本年三月末までに不良債権問題を正常化できるよう、手綱を緩めることなく、金融システムの安定強化に一層注力するとともに、四月からは予定どおりペイオフ解禁拡大を実施することとしております。

次に、金融・資本市場の構造改革と活性化について御説明いたします。

我が国金融をめぐる局面は、ただいま申し上げたとおり、不良債権問題への緊急対応から、将来の望ましい金融システムを目指す未来志向の局面に展開しつつあります。こうした状況の下、金融庁では昨年末に「金融改革プログラム

金融サービス立国への挑戦」を策定したところです。

このプログラムにもあるとおり、今後の金融行政においては、健全な競争の促進と利用者保護を図り、多様な金融商品やサービスを国民が身近に利用できる金融サービス立国を、官の主導ではなく、民の活力で目指す必要があると考えます。

また、金融・資本市場の構造改革を促進する観点から、銀行等の代理店制度について、規制改革・民間開放推進三か年計画を踏まえ、金融サービスを提供するチャネル機能として柔軟に活用でき、新たなビジネスモデルに資するよう、所要の制度整備等を行うほか、根拠法のない共済について契約者保護ルールを適用するとともに、保険会社のセーフティーネットの必要な見直しを行うこととしております。さらに、証券市場の国際化の動向に的確に対応しつつ、最近の証券市場をめぐる状況の変化等を踏まえ、証券市場に対する信頼性を確保するため、最大限の対応を取ってまいります。

ただいま申し上げた施策を実現するため、本国会においては、銀行法等の一部を改正する法律案、保険業法等の一部を改正する法律案及び証券取引法の一部を改正する法律案の提出を予定しております。

法律案の詳しい内容につきましては、今後、改めて御説明させていただきますが、当委員会の浅尾委員長及び委員の皆様方におかれましては、よろしくお願いを申し上げます。

○委員長(浅尾慶一郎君) 以上で所信の聴取は終わりました。

本件に対する質疑は後日に譲ることとし、本日はこれにて散会いたします。

午後零時二十三分散会

 

参議院 本会議 5号 平成17年02月09日

2005年02月09日 (水)

162-参-本会議-5号 平成17年02月09日

○議長(扇千景君) これより会議を開きます。

日程第一

平成十六年度の水田農業構造改革交付金等についての所得税及び法人税の臨時特例に関する法律案(衆議院提出)を議題といたします。

まず、委員長の報告を求めます。財政金融委員長浅尾慶一郎君。

─────────────

〔審査報告書及び議案は本号末尾に掲載〕

─────────────

〔浅尾慶一郎君登壇、拍手〕

○浅尾慶一郎君 ただいま議題となりました法律案につきまして、委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。

本法律案は、衆議院財務金融委員長提出によるものでありまして、平成十六年度に地域水田農業推進協議会から交付される水田農業構造改革交付金等について、個人が交付を受けるものについては、これを一時所得に係る収入金額とみなすこととし、農業生産法人が交付を受けるものについては、圧縮記帳の特例を設けることにより、それぞれ税負担の軽減を図ろうとするものであります。

委員会におきましては、提出者衆議院財務金融委員長金田英行君より趣旨説明を聴取した後、採決の結果、本法律案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。

なお、本法律案に対し附帯決議が付されております。

以上、御報告申し上げます。(拍手)

─────────────

○議長(扇千景君) これより採決をいたします。

本案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。

〔投票開始〕

○議長(扇千景君) 間もなく投票を終了いたします。

──これにて投票を終了いたします。

〔投票終了〕

○議長(扇千景君) 投票の結果を報告いたします。

投票総数

二百二十五

賛成

二百二十五

反対

よって、本案は全会一致をもって可決されました。(拍手)

─────────────

〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕

─────・─────

参議院 財政金融委員会 10号 平成16年12月02日

2004年12月02日 (木)

161-参-財政金融委員会-10号 平成16年12月02日

平成十六年十二月二日(木曜日)
午後零時十二分開会
─────────────
○委員長(浅尾慶一郎君) ただいまから財政金融委員会を開会いたします。
これより請願の審査を行います。
第二号消費税の大増税反対に関する請願外三十二件を議題といたします。
本委員会に付託されております請願は、お手元に配付の付託請願一覧表のとおりでございます。
これらの請願につきましては、理事会において協議の結果、いずれも保留とすることといたしました。
以上のとおり決定することに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(浅尾慶一郎君) 御異議ないと認め、よって、さよう決定いたしました。
─────────────
○委員長(浅尾慶一郎君) 継続調査要求に関する件についてお諮りいたします。
財政及び金融等に関する調査につきましては、閉会中もなお調査を継続することとし、本件の継続調査要求書を議長に提出したいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(浅尾慶一郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
なお、要求書の作成につきましては委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(浅尾慶一郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
─────────────
○委員長(浅尾慶一郎君) 委員派遣に関する件についてお諮りいたします。
閉会中の委員派遣につきましては、その取扱いを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(浅尾慶一郎君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。
本日はこれにて散会いたします。
午後零時十三分散会

 

 

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