あさお慶一郎(衆議院議員 神奈川4区)

国会活動

予算委員会 平成26年2月12日

2014年02月12日 (水)

186-衆-予算委員会-6号 平成26年02月12日

○浅尾委員 みんなの党の浅尾慶一郎です。
みんなの党に対して国民の皆さんが期待されている部分というのは、やはりデフレ脱却を中心とした経済政策とか、あるいは公務員制度改革を中心とした行政改革、そして道州制の実現といったようなことを中心とする地方分権というところになるのではないかと思いますが、きょうは特に経済政策、そして行政改革について伺ってまいりたいと思います。そして、喫緊の課題であります外交、安全保障についても残りの時間で伺いたいということなので、ぜひ御答弁をお願いしたいと思います。
日本銀行の総裁にお越しいただいております。
この間、日銀は資産を毎月一定の割合でふやしてこられました。結果として日銀の資産は大きくふえたわけでありますが、今後、この資産をふやす割合を実額でふやしていくと、分母である資産はふえた中で、ふえる実額は小さくなる、つまり変化率というのは小さくなるということになりますので、この変化率を一定にしていくという議論も一部エコノミストの中ではあるわけでありますけれども、そのことについて日銀の黒田総裁はどのように考えられるか、最初に伺いたいというふうに思います。
○黒田参考人 委員御指摘のとおり、昨年の四月四日に政策委員会で決定いたしました量的・質的金融緩和のもとでは、二年程度を念頭に置いて、できるだけ早期に二%の物価安定目標を実現するという強いコミットメントのもとで、マネタリーベース及び長期国債の保有残高を二年間で二倍にするというテンポで増加していくということを決めて、それを実行しております。
これまでのところ、十分効果を発揮して、例えば金利につきましても、グローバルに金利が上昇している中で、日本の金利は低位で安定しているということでございます。
御指摘の長期国債の買い入れの効果につきましては、基本的には、中央銀行が買い入れて保有する国債の残高による効果というふうに考えられておりますけれども、市場には確かにフローの買い入れ額あるいは買い入れ率といったものを見ている参加者もおられるわけでございますが、理論的には恐らく保有残高というものが最も重要であろうと思っております。
いずれにいたしましても、委員の御指摘の点も含めまして、量的・質的金融緩和は今後きちっと実行し、長期国債の保有残高が年間五十兆円ずつふえるというテンポでこの緩和を進めてまいりたい。その中で、もとより上下双方向のリスクというのはあり得ますので、その点につきましては、リスクが顕在化する懸念があるということになれば、ちゅうちょなくその政策を調整してまいりたいというふうに思っております。
○浅尾委員 ぜひ、変化率も含めて、必要であれば、必要でなければそういうことをやる必要はありませんが、適宜適切に対処していただきますように総裁にお願いいたしまして、私の総裁への質問は以上でございます。
次に、税制。三本の矢ということになりますと、財政出動が二番目ということになりますけれども、公共事業での出動よりも、税を使って民間のお金がより動くようにする方が効果が大きいというふうに私どもとしては考えています。
その理由は簡単でありまして、実は、税率分が国に入る、しかし、税率の影響で動くお金というのは、〇・何とかで割ったことになりますから、例えば四十兆円減税するとすれば、税率が五〇%だとすると、動くお金は八十兆円ということになりますので、動くお金の量は、税制を動かした方が民間で動くお金は大きくなるというふうに考えているからであります。
そういう観点から、今年度の税制改正で私は一定の前進だと思っているのは、設備を取得した場合に即時償却ができるということは一定の前進だというふうに思いますが、かねてより麻生財務大臣には、ぜひ、設備を取得したら即時償却を認めるのであれば、例えば事前に三年間で計画して償却するということであれば、それも含めて自由償却というのを認めてもいいんじゃないかということを申し上げてまいりました。
そのことについて御検討いただく用意があるのかないのか、まず伺いたいと思います。
○麻生国務大臣 平成二十六年度の改正におきましては、前々からお話がよくあっておりましたように、企業のため込んだ内部留保が昨年九月末で約三百六兆円ぐらいになっておりますので、そういったものを、基本的には、配当するか、設備投資するか、賃金上げるか、どれか三つのうちに使っていただければいいんですけれども、じっと金利もつかないままため込んでおるのはいかがなものかというお話をよくさせていただいておりました。
そういった意味では、企業が今国内で設備投資をしていただければ、それは雇用にもつながりますし、GDPにもつながりますし、いろいろな意味で民間の企業の活性化につながりますので、ぜひこれをということで、今般創設する即時償却制度におきまして、生産性の向上というようなことを考えて、経済効果の高い投資を促進する、促すという考え方のもとで、設備の取得をいたしました年度におきましては取得価額まで自由に償却できます。
また、取得年度に全額償却をしなくても、翌年度に残存価額の残り、全額までやはり自由に償却することができるというようなことにさせていただいて、この二年間の償却によって、損失が仮に発生する、これは十分にあり得ますので、発生した場合は、それは繰越欠損金として、その後九年間、今は九年間ということになっておりますので、九年間は所得と相殺できることなどを考えておりますので、今言われるような、自由償却制度を導入せないかぬという必然性は、ちょっと今はないのではないかと思っておりますので、課税の公平性等、いろいろ考えないかぬところだとは思っております。
○浅尾委員 恣意的な利益調整が可能になるというふうに財務省はよく言うんですが、私はちょっとおかしいのかなと。
つまり、設備投資をした金額の税率分しか安くならないので、残りの分は回収しようというふうに思いますから、残りの分を回収するためには、いずれかのタイミングで利益が発生する。そうなれば、いずれかのタイミングで税が発生するということになりますので、二年間で償却して残りは損に出して九年とかいう、ちょっとみみっちいことではなくて、九年間きっちり均等に償却ができるような設計を事前につくれるようにしたらいいのではないかということを御要請して、ぜひ中で検討をいただければというふうに思います。
次に、今、麻生財務大臣から御指摘がありましたけれども、三百六兆円の内部留保、これは、内部留保のうちで、実際に設備投資に回っているけれども、資産計上されているものは現金で持っているわけではありません、まだ償却していないわけですから。資産計上されて、要するに償却された残りの部分は現金ではないということになりますけれども、どうも、いろいろな一般的な話を聞くと、三百六兆円のかなりの部分は現金、預金に近い形であるということなんです。
そこで、民間の有識者の方にもそういう意見が一部あるんですけれども、税金をかけるものについて、まさにお金を動かすということで、従業員の方に人件費で払っていただくか、あるいは新しい設備を買っていただくか、そうでなければ株主に還元するという配当、この配当を促すという意味で、配当を思い切って法人税がかかる前に持ってくる。そのかわり、個人は配当金に対して二〇%、来年度から本則の税率で課税がされますが、法人は二重課税防止という観点から税金はかかりませんが、法人、個人、区別なしに配当金に同じ税金をかけるというようなことをすると、企業としては、ため込んでいるお金を動かすインセンティブが働くというふうに思いますが、そういったことについての考えはどのように思われますでしょうか。
○麻生国務大臣 一つの考え方だと存じます。
今、三百六兆と申し上げましたけれども、そのうち、これは正確には、表向きに出ている金なので、たんす預金やら何やらというのはどれぐらいあるかちょっとなかなか捕捉がしがたいところでもありますので、表向きに出るお金、約八百五、六十兆、現預金であるであろうと言われております。
いわゆるためたお金は飾り物じゃないので、これは動かさぬと意味がありませんので、こういったものを動かすためには、私どもとして、投資優遇税制とか、給与をふやした企業への税額控除とか、いろいろやらせていただいて、先ほど中山先生が言われた交際費課税の件も含めまして、いろいろやらせていただいておるんです。
平均給与というのは、確かに、十年前に比べて、四百四十五、六万から約四百六万に、一割ぐらいこの十年間で下がっておるということになっていると思いますが、逆に、配当は十年前と比較して約二倍以上ふえておりますので、そういった意味では、六・五兆が十四兆円までにふえております。
そういった意味では、事業の経費ではありません、利益処分である配当の損金算入みたいな形を認めるかどうかというのは意見の分かれるところだと思いますので、これはちょっと少々、今すぐここでそうさせていただきますとお答えできるほど簡単な話ではありませんので、検討させていただきます。
○浅尾委員 ぜひ御検討いただければと思います。
今、平均の人件費が下がっているという中で、直近の有効求人倍率に基づくこととも関係するかもしれませんが、日銀の雇用人員のDIという表を用意させていただきました。
この表を見ますと、雇用が過剰であるということと足りないというものの差でマイナスになっているということは、雇用が逼迫しているというところのあらわれなんですが、これを見ていただくとわかりますけれども、非製造業の中企業ないしは小企業で一番雇用が逼迫しているというような状況であります。
一般的なイメージで言うと、非製造業の中小企業というのは、どちらかというと、今、平均の給料というか報酬の話を財務大臣はされましたけれども、産業別でいっても低いところが実は、低いと思われている、まあ実際もそうだと思いますけれども、低いところが需給が逼迫しているというのがこの数字から読み取れます。需給が逼迫しているということは、逆に言うと、少しずつお給料を高くしないと採用ができないということになります。
政府は、経団連や組合、まあ組合にというのはないでしょうけれども、経団連等々、企業に賃上げの要請をされておりますけれども、むしろ、政府としてできることとしては、細かく都道府県別そして産業別に見た上で、特に雇用の需給が逼迫しているところについては最低賃金を引き上げていくということが、結果としてトータルの底上げにつながるんじゃないかというふうに思いますが、そのことについてまずどういうふうに考えておられるか、伺いたいと思います。
○田村国務大臣 最低賃金という考え方からしますと、先生も御案内のとおり、労働者の方々の生計費でありますとか賃金水準、そして企業の賃金支払い能力というところにかかってくるわけであります。
そう考えますと、もちろん、労働需給が逼迫しておりますから賃金は上がりやすいわけでありますけれども、やはり支払い能力というものがしっかりないことには、これは支払えないということでございますから、そのような点からいたしましても、経済の好循環をしっかりと我々はつくっていかなければなりません。
あわせて、そのような努力をされている企業に対してはしっかりと支援をしていく、こういうメニューも厚生労働省としても考えておるわけでございまして、最低賃金、昨年も十五円ほど上がるように我々も要請をさせていただいたわけでありますが、やはり賃金が上がる、そのような好循環に向かって努力をしてまいりたい、このように思っております。
○浅尾委員 実際に最低賃金を監督する立場の労働基準監督官なんかとも話をいたしますと、まず、この監督官の数が少ないのでこれはぜひ増員をしていただければと思いますが、最低賃金割れで摘発するケースも結構あるそうであります。
それはまさに今大臣がおっしゃいましたように、払えないからということなんですが、三本の矢の三本目、成長戦略、構造改革ということを考えた場合には、生産性がそこまで上がらないところ、現在の最低賃金でも払えないので最低賃金法で摘発されるというようなところは、ぜひ積極的に業種の構造転換を促す。特に今雇用の需給が逼迫しているということであれば、そういったような考え方も成長戦略としてあるのではないかというふうに思いますが、そのことについて、総理、もしお考えがあれば伺いたいと思います。
○安倍内閣総理大臣 浅尾委員の御指摘は、最低賃金を上げていくことによって、いわば、それに追いついていけないところは淘汰をされて構造改革が進んでいくというお考えなんだろうと思います。
先ほど田村大臣からも答弁をさせていただきましたように、まさにこれは企業側の支払い能力、特に中小・小規模事業者の支払い能力という点にも着目する必要もあるんだろう、このように思うわけであります。
我々の考え方としては、企業が賃金の引き上げを行うことのできるような経済環境を整えていくということと、そして、我が国の経済の生産性を上げていくことによって、そしてまた、第一次政権でも行っていたんですが、そういう中小・小規模事業者の生産性を底上げするような施策をしっかりと実行していく。そして、あるいはまた産業の新陳代謝の促進、これも重要であるというふうに認識をしておりますが、事業再編を促進するための税制を講じるなどの措置によって、我々、今委員がおっしゃったような趣旨については、中身については、そういう方向で進めていきたい。
しかし、それを最低賃金を引き上げるという形において行うということについては、いわば、それは中小あるいは小規模事業者に対しての影響が相当大きくなって、結果として、ついていけないところについては倒産あるいは事業をやっていけないということになりますと、そこで働いている人たちも職を失っていくということにつながっていくのではないかということも懸念をいたしております。
○浅尾委員 当然、生産性を引き上げなきゃいけないということが大前提であるわけですけれども、必ずしも市場が完璧なわけではないので、雇用が逼迫しているからといって、安いところにいる方が高いところに移るというようなものでもありませんので、そこは、うまい形で全体の底上げができるということの一つの道具としてこの最低賃金があるということは、ぜひ御認識いただきたいと思います。
あわせて、先ほどちょっと申し上げましたが、監督する人数が結構少ないというふうに聞いております。これは、大企業と中小企業とでは、いわゆる査察に入る件数がかなり大企業寄りになっているということも聞いておりますので、そこも、ルールはルールとして守っていただけるような体制をつくっていただきたいというふうに思いますが、もし何かあれば伺いたいと思います。
○田村国務大臣 昨年の九月に過重労働重点監督月間というものをやりまして、これは、三六協定で非常に時間が長いような協定を結んでおられるところであります。あと、九月一日に電話相談を全国で一斉にやりました。特にブラック企業問題等々がございましたが、ブラック企業というのは定義が難しゅうございまして、中小が入るかというと、もともとブラック企業というようなことがネット上で言われたのは、新興産業の結構大手等々で、要は、正規で入ってこれで安心だなと思ったら、どうもそうじゃなかったというようなところから出てきた言葉のようでございます。
それも含めて、過重労働に対していろいろと調査に入りました。結果、やはり七割ぐらいが中小で三割が大手、これは労働者の数と大体比例する部分でございます。
そういう意味では、中小、大手ともにやっておるわけでございますが、確かに、監督官の数、いろいろと御指摘もいただいております。決められた範囲の中でやっておるわけでありますけれども、大変重要な分野でございますので、我々もしっかりと、そのような違反等々を疑われるような企業に対しては指導監督に入るように、これからも努力をしてまいりたいというふうに考えております。
○浅尾委員 それでは、ちょっと幾つか経済政策の分野でも御質問を用意していたんですが、時間の関係で行革の方の分野に移らせていただきたいと思います。
まず、歳入庁にかかわることでありますけれども、厚生労働省に、法務省から、法人登記簿情報というもので、法人数が移管したはずであります。それによりますと、四百四十九万法人が存在する。
テレビを見ておられる方、ラジオを聞いておられる方はちょっとわかりにくいかもしれませんが、法律の定義では、全ての法人は、雇用人数のいかんにかかわらず、厚生年金に加入しなければいけないということであります。
そういう中で、四百四十九万法人が法務局で把握している法人数であるということでありますが、実際には百七十八万事業所、これは法人数ではなくて事業所ということでしか厚生年金が適用されていない。では、法務省が把握している法人と合致した数は幾つかというと、百三十九万だ。だから、その残りというのは、実は日本年金機構では把握していなかったというふうに思いますが、まず、今私が申し上げたこと、細かい数字は別として、大きな数字では合っているかどうか、伺いたいと思います。
○田村国務大臣 今委員おっしゃられました法人登記簿情報、これを法務省の方からいただきました。
四百四十九万法人、これは、動いている法人もあるけれども、動いていない法人も入っているかもわかりません。その中において、百七十八万事業所が厚生年金の適用事業所数でございまして、これをヒットさせてみますと、百三十九万件が一致をしたということであります。
この違いというのを、もし後でお聞きをいただけるのならば後でお答えをしますけれども、お聞きになられないのならば、今お答えさせていただきたいんですが、後でよろしゅうございますか。(浅尾委員「後で聞きます」と呼ぶ)はい。
○浅尾委員 実は、法務省が持っている数字というのは、今までは日本年金機構には行っていなかったんですね。これが行くようになりました。
財務省、国税庁には、毎年毎年、法務省が持っている数字が行っているんです。ですから、四百四十九万というのは、もともと財務省は持っているはずなんですが、財務省の方が毎年丁寧に法人を申告しているかどうか調べる。休眠してしまった法人については、これは休眠したんだということなので、財務省が把握している数字は、二百九十八万五千ということが平成二十五年六月三十日現在で、なおかつ、その中でも一部休眠しちゃったようなものがあるので、申告しているのは二百七十六万一千ということでよろしいでしょうか。
○古川副大臣 お答え申し上げます。
御指摘のとおり、平成二十五年六月三十日現在、国税庁が管理する法人数は二百九十八万五千法人でございます。
それから、申告件数もあわせてお尋ねいただきましたけれども、平成二十四年四月一日から平成二十五年三月三十一日までの間に終了した事業年度に係る申告につきましては、平成二十五年七月末までに提出のあった申告件数は二百七十六万一千件であります。
○浅尾委員 そうすると、登記をされて廃業届を出していない法人が四百四十九万ある中で、実際に申告しているのが二百七十六万ということなんですが、だから、大分そこで休眠しているようなものは圧縮されるんですが、毎年毎年圧縮していく、あるいは新規で起業されるということがあると思います。
まず、財務省あるいは国税庁としては、どういう手順で、休眠したものはもうこれは休眠ですという判断をされるのか、その手順を教えていただきたいと思います。
○古川副大臣 お答え申し上げます。
先ほど申しましたとおり、約二百七十六万の法人を管理対象としておりますけれども、一度把握した管理対象法人のうち、商業登記簿を閉鎖した法人、あるいは収益事業を廃止した公益法人等、あるいは商業登記簿は閉鎖していないけれども事実上廃業したと国税庁が判断をいたします、これは実態調査等をしまして判断するわけですけれども、こういうものは管理の対象から外すということでございます。
○浅尾委員 実は、この予算委員会で、かつて今の話を質問させていただきました。本当は、国税庁が持っているデータを日本年金機構に渡していただくと、休眠したものは全部省かれているので、生きているものだけになるんですが、なかなかそのデータはもらえなかったみたいで、法務省から休眠のものも含めて日本年金機構に渡ってしまったので、数がちょっと多くなっているんです。
いずれにしても、国税庁では二百七十六万一千件は少なくとも生きているというふうに判断をしているわけですから、それとこの百三十九万。百三十九万と百七十八万の差は、私はかなりの部分は、大手企業の支店が別登記されている事業所、あるいは工場が別登記されている事業所なのではないかなというふうに思いますので、法人の数として今厚生年金に加入しているのは百三十九万だろうというふうに思います。あるいは、それに近い、ちょっと超えるぐらいの数。
そうすると、いずれにしても、二百七十六万と百三十九万ですから、あらあらいっても百三十万社ぐらいは厚生年金に未加入のところがあるんだろうというふうに思います。
これを別組織で潰していくというのが大変効率が悪いものですから、税務署と日本年金機構の徴収部門を一緒にしたらいいのではないかというのが、かねてから私が申し上げております歳入庁のメリットなんですけれども、今そのことを指摘させていただいた上で、後で答弁されたいということだったので、田村大臣、何かありましたら、どうぞ。
○田村国務大臣 今委員おっしゃられました、百七十八万件と百三十九万件の差でありますが、一つは、言われたとおり、それぞれの法人が、支店もございますし、それから工場等々もございます。どうしても、法人情報の方は、本店等々が基本的には登録されている。一方で、この厚生年金の適用事業所の場合は、その場所でございますので、その差があります。
それからもう一つは、地方公共団体等々で、公務員じゃない方々、しかし厚生年金の適用になられる方々がおられます。こういう方々も実はその差に入ってくるということでございますから、これはどれぐらいあるのか、ちょっと我々も把握はしておりませんが、その差もあるんだと思います。
しかし、いずれにいたしましても、今この二つの情報で五年間かけて集中的にやろうと思っておりますが、さらに、今おっしゃられました、財務省から実際動いている法人の情報も何とかいただけないかということで、今これは検討をさせていただいておりまして、何とかその方向でこれができれば、さらに具体的にスピードが上がっていくのではないか、このように期待をいたしております。
○浅尾委員 では、そういう要請がありましたので、以前は断られたんですが、麻生財務大臣、ぜひ、動いている情報を提供いただきますようにお願いしたいと思います。
○麻生国務大臣 昨年八月に取りまとめられております年金保険料の徴収体制強化に関する政府検討チームの論点整理というのがあるんですが、これは御存じのように、歳入庁というものの創設をやりますと、年金機構、これは特殊法人ですけれども、この年金機構に約一万六千人ぐらいの方がいらっしゃるはずですが、この一万六千人の非公務員を公務員にもう一回するという話ですので、行政改革との関係で、一万六千人公務員がふえるということを意味するので、これはいかがかなと思っておりますのが一点。
それから、保険料徴収の基本的な考え方を整理して必要な対策を講ずるということが重要なのであって、これは組織を統合して歳入庁を創設すれば解決するという問題ではないのではないかと思ったりいたしております。
いずれにしても、これは、厚生年金の適用事業所の把握というのを促進するために、国税庁の保有しております必要ないわゆる法人情報を提供するなど、現在の体制のもとで関係省庁との連携を強化することで、法人の把握、また突合させるペースを向上するようにさせていかねばいかぬ、そのように考えております。
○浅尾委員 今ちょっと、財務大臣の指摘の中で、私が考えていることと一点だけ違うので、実際の人数を教えていただきたいんです。
日本年金機構の職員は確かに一万六千人ですが、徴収部門に従事している方、つまり、支払いは大体、一万六千人のうちの一万二千人ぐらいじゃないかと思うんです。徴収業務は多分二千人ぐらいじゃないかと思いますので、二千人がくっつくだけなんじゃないかと思いますが、実際に徴収部門に従事している人数は何人ぐらいですか。
○田村国務大臣 二十五年四月時点で、厚生年金と協会管掌健康保険、この分野が千五百人、それから国民年金の徴収分野が九百人ということで、合わせて二千四百人でございます。
○浅尾委員 この千五百人の方も、実は、端的に言えば、一般の方は、私も含めて、そう言われればそうだなと思い直したんですが、税金は税務署が集め、年金保険料というのは年金機構が集めというふうに思っていますが、それはうそで、実は集めているのは会社なんですね。皆さんのお給料から天引きをして会社が納めているだけなので、納める先を一カ所にするというのは行革にまさになるわけでありますし、その千五百人の方、要するに企業にかかわる千五百人の方の部分は、実はその人数も要らなくても多分集めることはできるだろうというふうに思いますので、そういう意味で行革になるんだということを指摘させていただきたいと思います。
そのことを踏まえて、総理に、もう一歩踏み込んだ、行革も含めて、発言をいただければと思います。
○安倍内閣総理大臣 浅尾委員は、何か非常に整理されていて、何となくいいと思われる方もおられるかもしれませんが、政府の立場としては、先ほど麻生大臣から答弁させていただいたとおりでありまして、厚生年金の適用促進については、年金機構において、本来、厚生年金に入るべきにもかかわらず入っていない事業所に対する集中的な加入指導等に取り組む、そしてまた、今後、国税庁から必要な法人情報の提供を受けることを検討するということは、今も述べたとおりでありますが、まずは、現在の体制のもとで、関係機関との連携強化を行いつつ、しっかりと取り組んでまいりたいと思います。
そして、歳入庁については、これも繰り返しになるんですが、内閣官房副長官及び関係省庁政務官による検討チームが取りまとめた論点整理において、さまざまな問題点が指摘をされているわけでありまして、年金保険料の納付率向上等のためには、保険料徴収の基本的な考え方を整理して、そして必要な対策を講ずることが重要であり、組織を統合して歳入庁を創設すれば問題が解決するものではないと指摘がございました。
また、税の適切な徴収については、社会保障・税番号制度の活用や的確な税務調査の実施などにより、適正かつ公平な課税、徴収に努めていきたいと考えております。
○浅尾委員 特に、この歳入庁については、厚生年金等々の保険に入っていない業者と入っている業者で、例えば派遣の入札をすると、入っていない業者の方がかなり低い値段でとれるといったような、そういう問題点もありますので、ぜひそういうことを解決するためにも前に進めていただきたいということを申し上げて、次の質問、外交、安全保障にかかわる質問に移らせていただきたいと思います。
中国が防空識別圏を設定いたしました。もとより、この質問をするに当たって、昨日、建国記念日でありまして、たまたま、戦艦大和と一緒に沖縄戦に行かれた矢矧という船に乗っておられた池田さんという方のお話を伺って、相当、戦争というものは、実際この方は卒寿ですから九十歳でありましたけれども、大変だということを私自身も認識をしておりますので、当然のことでありますけれども、抑止という観点から質問させていただいているということは申し上げておきたいと思います。
この中国が設定したとされる防空識別圏、何が問題かというと、防空識別圏を設定すること自体はいろいろな国がやっていますので、そのこと自体をもって何か問題があるということではありません。しかし、防空識別圏は公海上に設定されているので、基本的には通行が自由でなければいけないというふうに思うわけでありますが、ここで問題になり得るとすると、我が国の防空識別圏と中国の防空識別圏が重なっている。
そこで、先日、米軍がB52爆撃機、これはあえて公表した話でありますが、もう少し低い高度で、もう少し速い速度で飛んだ飛行機もあるというふうな未確認の情報もありますが、それは別として、B52爆撃機というのは速度は遅いです。戦闘機と比べて遅く、なおかつ高い高度を飛ぶわけでありますが、いずれにしても、その中国の防空識別圏の沖縄尖閣周辺を飛んだということであります。
仮に、このB52爆撃機か何かは別として、米軍機がこの重なるエリアを飛んでいるときに、中国がいわゆるスクランブル、中国軍機がスクランブルをかけた場合に、我が国の領空に迫ってくるということであれば、当然、航空自衛隊はスクランブルをかけるという理解でよろしいかどうか、まず伺いたいと思います。
○小野寺国務大臣 まず、委員が御指摘の防空識別区ですが、これは通常各国が行っている防空識別圏とはかなり異なりまして、一つは、我が国の領土、尖閣にかかっているということ。それから、ここを普通は、日本もそうですが、防空識別圏の場合には領土に向かってくることに関してスクランブルをかけますが、今回中国が発表しているのは、全てそこを通るものについては公表せよ、これは民間航空機も同じだということであります。
委員御指摘がありますように、今回、ここにもし、この防空識別区の中においても、ここを航行する例えば他国の航空機が我が国の領土に向かってくる場合には、私どもとしては、対領空侵犯、スクランブルをかけるということになると思います。
○浅尾委員 先日は、先ほど申し上げましたB52がこの重なる部分を飛びました。そのときに中国側はスクランブルをかけなかったわけでありますが、仮にかけてくれば、航空自衛隊もスクランブルをかけるということになるんだろうと思います。航空自衛隊の場合は、各方面の司令官に、スクランブルをした場合の、どういう対応をするかの権限が平時においても移行しているというふうに理解しております。
中国側はどういうROEになっているかというのはわからないわけですけれども、仮に、第三国、先般の例でいうと、米軍機が飛んでいた、そこに中国側がスクランブルをかける、それが尖閣上空に迫るということになれば、航空自衛隊もスクランブルをかけるということになると思いますが、その中国軍機が、我が国自衛隊機ではなくて、米軍機に先に中国側のROEに基づいて何らかの攻撃をした場合に、現行の航空自衛隊のROEに基づいた対応というのはどういうものになるんでしょうか。
○小野寺国務大臣 まず、スクランブルのことについては、あくまでも、これは防空識別区あるいは中国の勝手に言っています防空識別区の中ですが、我が国のADIZもそうですが、基本的には、我が国の領土に向かってくる場合についてはスクランブルをかけるということになります。
今回の個別事案については、ですから、あくまでも我が国に近づいてきた場合ということでの対応ということになります。
そして、一般論でお話をすれば、公海上を通る外国軍機に関して、当然、自衛隊法八十四条に基づく対領空侵犯措置を実施するということは、我が国の領土の侵犯を行うということが前提ということになりますので、公海上で我が国の領土を侵犯しない形で、例えば、どこかの航空機とどこかの航空機がある面では交戦状態に入るということになった場合には、これは、我が国を防衛する必要があると認められない場合には、私どもとしてこの対応は困難だと思っております。
ただし、今回、この東シナ海の防空識別区の中には尖閣の上空も当然入ります。尖閣は我が国の領土であります。ですから、この領空において、例えば、これは米軍機に限らず、航空機に対して外国機による攻撃が行われた場合には、当該攻撃が我が国に対する武力攻撃に該当すると認められる場合には、自衛隊法七十六条に基づく防衛出動によって対処することも可能であると考えられます。
○浅尾委員 実は、私がこのことを取り上げましたのは、海の上だと空の上よりは大分スピードが遅いんですね。空の上は、残念ながら、一発当たれば航空ができなくなるということであります。
先ほど申し上げましたように、現行の、多分、私の理解で、この場合でいえば南西方面の航空司令官というんですかに移行されているのは、信号弾を撃つところまでの判断だというふうに理解をしております。
したがって、空の上で、今申し上げましたように、特に、尖閣の領空というのは尖閣諸島の上プラスそこから十二マイル、十二海里のところまでですから、その外側は領空ではないということになると、その外側のようなところで不測の事態になったときに、先ほど防衛大臣が言われたように、対処し切れない状況になる可能性があるんだろうと思います。
対処し切れるか、し切れないかを法律が整備されていない中で、防衛出動というのは、戻ってきてと、そんなことをしている時間はないわけでしょうから、そうだとすると、対応策を事前に、平時に、冷静な環境のもとで考えておくということが必要なんだろうというふうに私は思いますが、その点について、今までの議論も含めて、防衛大臣、もしあれば。その後、総理に考えを伺いたいと思います。
○小野寺国務大臣 尖閣上空に限らず、我が国の領土、領海、領空を断固として守るという姿勢の中で、私どもとしては、あらゆる事態を想定して、その際にどのような対応をとるかということは内部でしっかりと検討させていただいております。
○浅尾委員 私がこのことを取り上げているのは、この間はスクランブルがなかったから逆によかったのかもしれませんが、万が一スクランブルがあって、それに対応して自衛隊機がスクランブルしているけれども、米軍機に対応した中国軍機と交戦的なことになった場合に、その場で自衛隊機は飛んでいるけれども何もしないということは、そのこと自体が日米同盟に大きな亀裂を与えることにもなり得るだろうというふうに思いますので、そういうことも含めたさまざまな可能性について、国会の場においても議論をしていくことも必要なんだろうというふうに思いますが、総理のお考えを伺いたいと思います。
○安倍内閣総理大臣 発生し得るさまざまな可能性と我が国の対処については、常に、いわばこうした平時においてこそしっかりと議論していく、冷静な議論をしていく、そして万全を期していくことが大切だろうと思います。
同時に、中国との間においては、中国がこうした形で防空識別区を設定いたしました。その中において、海よりも空の方が、偶発的な事故、衝突が起こる危険性は高まるわけでありますから、だからこそ、いわば防衛当局同士の話し合いをしていく必要はあるんだろう、このように思うわけであります。
海については、既に第一次政権のときに申し入れをして合意に達したんですが、具体的にそれをつくっていくということについて、まだ中国側が応じていないわけでありますが、今後とも、海と空において、そうしたコミュニケーションがとれるようにしていくために働きかけを続けていきたい、このように思っております。
○浅尾委員 終わります。

 

 

予算委員会 平成25年10月22日

2013年10月22日 (火)

185-衆-予算委員会-3号 平成25年10月22日


○浅尾委員 みんなの党の浅尾慶一郎です。
きょうは、具体的な提案をさせていただきたいと思いますので、ぜひ前向きな答弁をいただきたいと思います。
私どもは、消費税の増税については、その増税の前にさまざまやるべきことがあるということを申し上げてまいりましたが、特に今回の消費税の増税は、社会保障との関連で増税されるということになっております。
御案内のとおり、社会保障の財源というのは、税金に加えて保険料ということでありまして、多くの保険料は、実は企業が、法人がというふうに言った方がいいかもしれませんが、そこに勤めておられる方のお給料から天引きをして、所得税は税務署に、そして保険料は社会保険事務所に払っているということなので、実態的には、日本の場合は企業が、法人が集めているというのが実態であります。
そのことで、だからこそ、社会保険料を集めております今の日本年金機構の徴収部門と、そして国税庁を統合して、歳入庁をつくったらいいというのが私どもの考えでありまして、残念ながら、先般の本会議での総理の答弁の中では、いろいろな問題点があると。ただ、この問題点というのは、実は認識が違うんじゃないかなというふうに思っておりますので、その観点から、幾つかまず質問をさせていただきたいと思います。
時間の関係で、私の方で、事前にいただいた数字を提示させていただいておりますので、読み上げさせていただきたいと思います。
法律上は、これは総理もよく御存じだと思いますが、従業員の数にかかわらず、全ての法人は、これは株式会社であれ、有限会社であれ、合資会社であれ、NPO法人であれ、全ての法人は、厚生年金に加入の義務を負っております。
しかし、実際に法人で、赤字の法人であっても毎年申告しているのは、これは直近の平成二十四年度ですけれども、二百七十六万一千法人あります。それに対して、厚生年金の加入事業所数、これは事業所数であって、法人ではありません。要するに、工場とか支店とか、同じ法人であっても別カウントできる、これが百七十五万八千ということで、事業所と法人だけでいっても百万違う。
まず、この数字、間違いありませんねということを伺いたいと思いますが、両方に聞いてもしようがありません、少ない方の、田村厚生労働大臣。
○田村国務大臣 今、委員の資料、法人税申告件数が二百七十六万件、それから厚生年金加入の方が百七十五万ということで、確かにこの数字を見ると差があるわけでありますが、しからば漏れておるかということになりますと、私ども、正確な数字をしっかりとつかんでおるわけではありませんけれども、未適用事業所が三十八万件ぐらいだというふうに推測しておりまして、百万件ほどはないのではないか。
それはどういうことかといいますと、例えば、名前だけつくって、実際問題、動いていない法人もかなりあるというふうに思います。それから、清算中の法人でありますとか、そもそも、法人としてはあるんですけれども、本来適用対象の従業員の方々が他の法人の方で実は適用されていて、そこに入っておられる方々は非正規の方々で対象にならないというような法人もあるということでございまして、この差があるんであろうなというふうに推測しております。
○浅尾委員 大分苦しい答弁をされておられましたけれども。
ちなみに、法人税を申告しているわけですね。法人税を申告している法人以外に、実は、申告していない法人もあります。存在する法人としては、全国で大体三百万ぐらいです。その中で、動いている法人が二百七十六万一千法人。休眠法人は申告をそもそもしていません。休眠法人については、申告しなくても、税務署は、それは休眠しているからということで追っかけていないのです。ですから、この百万の差、百万以上の差というのは、まずそこは認めていただかないと、厚生労働省の立場というのはあるかもしれませんが、そこは認めていただきたいと思います。
そのことを申し上げるに当たって、では、実際にどれぐらいあるかというのがすぐにでもわかるような情報を、厚生労働省に渡すようにいたしました。
まず伺いますが、今まで、なぜ税務署が、全国どこに法人があって、日本年金機構が、法人がないか、それには理由があったんです。
ちょうど谷垣法務大臣と目が合いましたので申し上げますと、皆さん、法務局に登記をされます、法人を設立すると。登記された情報はすぐ税務署に行きます。そうすると、決算月になると、決算年度になると、ちゃんと税務申告してくださいよということなので、間違いなく活動している法人は申告をする。しかし、日本年金機構、昔の社会保険庁は、そういう情報を今までもらっていませんでした。
これが日本年金機構に渡されるようになりましたけれども、いつその情報が渡されたか、その日付を伺いたいと思います。
○田村国務大臣 大変恐縮なんですけれども、まず前段なんですけれども、休業、清算中の法人や常時雇用者を有していない法人についても、厚生年金適用事業所とはならないですけれども、法人税の申告義務があるということでございますので、やはりカウントには入っておるというふうに我々は認識をいたしております。
それから、今、いつであったかという話でございますが、これは、もともとは、我々が政権を取り戻す前、浅尾委員の方から当時の与党の方に、与党というか政府の方にいろいろと御議論がありまして、もともとは、税務署にあるのではないか、国税にあるのではないかという話でありましたけれども、国税のデータも、もともとは法務省の法人登記簿情報ということでございましたので、これを我が方といたしまして、平成二十四年十二月から入手を開始いたしております。
○浅尾委員 平成二十四年十二月から、その情報が行きました。当然、日本年金機構には、既存の百七十五万八千百九十二事業所の情報はコンピューターの中に入っていますよね。法務局からも、コンピューター上の情報で行っています。
今、データベースというのは非常に発達していまして、二百七十六万一千法人と百七十五万八千百九十二事業所の突合というのは、データベースの組み方によりますけれども、一カ月もあれば簡単にできるんですね。
二十四年十二月に情報が来ましたけれども、その突合はいつごろできるんですか。
○田村国務大臣 この突合システムでありますけれども、来月、十一月からスタートする、そういう予定であります。
○浅尾委員 今申し上げましたように、そんなに難しい話じゃないんですね。法人の名前と住所が来ます。その法人がどういうことかは別として、法人の名前と住所が来ます。日本年金機構が持っている事業所は、もう既に持っておられるので、それを突合するのに、今のデータベースの仕組みだとそんなに、一年はかからないと思いますが、これは通告をしていないので想像でも結構ですけれども、なぜそれぐらいかかったか、お答えいただきたいと思います。
○田村国務大臣 詳しくはまたお調べして、委員にお伝えさせていただきたいというふうに思いますけれども、突き合わせするリストを作成したりするのに、平成二十五年の五月までかかっております。それから、二十五年の六月から、年金事務所において適用調査対象とすべきか確認作業を実施して、そして、いよいよこの十一月からスタートをするということでございます。
もし、詳しくまた理由等々をお聞きになりたいのであるならば、こちらの方で調べて、また委員の方に御報告をさせていただきます。
○浅尾委員 これは通告してある話ですが、ちなみに、この百七十五万八千事業所のうち、法人数はどれぐらいですか。先ほど申し上げましたように、工場とか支店とかというのは別カウントできますから。
○田村国務大臣 厚生年金の場合、制度上、人事労務管理の情報、こういうものがわかればいいわけでありまして、そういう意味では、事業所数という形でしか我々は把握をいたしておりませんので、大変申しわけないんですけれども、法人としてはつかんでいないということであります。
○浅尾委員 ですから、私が申し上げたいのは、休眠法人であっても事業所税を払わなきゃいけない、これは実際上はそうですよ。実際上はそうですけれども、全国の税理士さん、私がよくつき合っている税理士さんに聞いても、基本的にはそういう調査は来ません。それがいいかどうかは別問題として、来ません。ですから、わざわざ申告をするというのは、何らかの活動をしているか、百歩譲ってあったとしても、将来また活動しようと思っている法人以外は、申告しなくても、実態上、そういう調査は来ません。
それから、別途、税理士さんなんかに聞くと大体わかるのは、浅尾さん、いいかげんに、歳入庁をつくるのをやめてよ、我々の顧問先でそんなことをやられたら払えないというふうに言われちゃうのも事実です。
ですから、それは、厚生労働省としては少なく言いたいと思いますけれども、早く突合をして、実態がどうなのかというのを調べないといけない。法人数というのも、突合するに当たっては必ずわかりますから、それも、まずは、百七十五万八千のうちの実際の法人がどれくらいかというのも調べることを、突合すればわかるはずなので、お約束いただきたいと思います。
○田村国務大臣 いいも悪いも、突合すれば結果的にわかってくるデータだというふうに思いますので、また、わかればお知らせをさせていただきたいと思います。
○浅尾委員 そもそも、日本年金機構が把握している法人数と、国税庁が把握している法人数に膨大な違いがある。事務方としては、今、厚生労働省になるわけですけれども、加藤官房副長官が座長をしている歳入庁検討の部会にはそういう情報を上げていなかったと思いますが、そういう情報を上げてきたか上げていなかったのか、これは質問通告してありますけれども、伺いたいと思います。
○加藤内閣官房副長官 浅尾委員にお答えいたします。
今御指摘ありました私並びに関係する政務官でのチーム、これは、「年金保険料の徴収体制強化等について、歳入庁その他の方策の有効性、課題等を幅広い観点から検討し、実施すること。」という規定に基づいて検討させていただきまして、八月に一つ論点整理をさせていただいて、歳入庁に関するさまざまな問題点を指摘するとともに、年金保険料の納付率向上等のためには、保険料徴収の基本的な考え方を整理し、必要な対策を講ずることが重要である旨を論点整理等で述べさせていただきました。
その過程においては、今御指摘がありましたように、法人、いわゆる国税庁が把握した法人というのは、その申告件数よりも少しふえますけれども、連結決算等ありますが、その法人と事業所数には差があるということは認識をしておりましたし、そういう意味では、適用の対象をしっかり効率的に調査し、適用をしっかりやっていくということも、論点整理の中で述べさせていただいたところでございます。
○浅尾委員 私が衆議院の調査室に依頼して調べていただいた数字でいいますと、約一千万人ぐらいですね、本来厚生年金に加入しなければいけないけれども、加入していない。つまり、適用事業所になっていない結果、加入していない人がいるというのが、私が依頼して衆議院の調査室が出していただいた数字でありますけれども、政府の方としては、どれぐらいの人が、本来厚生年金に加入していなければいけないけれども、そういう数字になっているかという数字を持っておられますか。
○田村国務大臣 まず、誤解のないように、我々も、徴収漏れがあれば、これは何とかして徴収をして、これで税収がふえるというわけではございません、あくまでも保険料でございますから、医療保険財政というものが安定したりでありますとか、年金なら年金で、将来、もらえない方々が、本来もらえるということで厚生年金等々がもらえるようになるという中において、しっかり徴収を促していかなきゃならぬ、こう思っておりますが、今、一千万人、多分、一千百万人ぐらいだというふうにみんなの党の方は試算をされておられるんだと思いますが、これはちょっと我々が握っている数字とは違います。
具体的にどこが違うかといいますと、五千五百万人、これは国税庁の統計上の民間給与所得者のサンプル調査、これも、数字じゃありません、要するにサンプルで、これは予想値ですね。(浅尾委員「いやいや、だから、政府の数字」と呼ぶ)ええ、申し上げます。
我々が、約三千五百万人、年金の被保険者がおると。あわせて、大体この二千万人の中で適用除外になる方々が八百六十九万人というふうに、みんなの党さんは試算をされておられます。ですから、差を引きますと、一千百四十六万人となるんですが、この八百六十九万人の試算が我々と違っております。
例えば、週労働時間三十時間未満の短時間労働者で省かれる人数が、みんなの党の試算では六百八十一万人というふうに試算されておられますが、我々も、これは絶対正確な数字だとは思いません、もちろん推計なんですけれども、労働力調査、これは総務省の調査でありますけれども、これから九百三十万人というふうに試算しております。
それから、従業員五人未満の個人事業主に雇用される労働者、これも厚生年金の適用とならない者でありますけれども、みんなの党が百二十万人、我々は百三十万人、若干これは我々の方が多いということでございます。
それから、七十歳以上の労働者、これは、みんなの党は六十八万人でありますけれども、我々は百二十万人と試算しておりまして、我々の方が倍ぐらい多い。
さらに、農林業でありますとか宿泊業、飲食業、サービス、理容等々の生活関連の事業者、ここに雇用される労働者、これはみんなの党は試算の中に入れておられませんけれども、約百六十万人いるであろうと我々は予想しております。
それから、共済組合等の対象の私立学校の教職員や郵政会社の職員、これがやはりみんなの党は試算されておられませんけれども、我々は七十万人と。
もろもろ、いろいろ計算しますと、我々は大体三百五十万から四百万人ぐらいが漏れている人数ではないのかなと、あらあらの試算でございますけれども、試算をさせていただいております。
○浅尾委員 まず、一生懸命徴収されているということなんですが、たまたまきのう社会保険労務士の皆さんと話をする機会がありました。委託されていますよね、日本年金機構は。日本年金機構は株式会社にも委託するんですが、入ってくださいよと言っても、まず、公印が押されているものを見ても、委託先が未適用事業所に行っても、そんな公印、本物かどうかわからないじゃないかといって帰ってくるケースが多いということなんです。ですから、一生懸命やっているのは日本年金機構の職員だけじゃないということは、まず、これは事実ですから、認めた方がいいですよ。
要は、歳入庁をつくるということは、税務署と日本年金機構の徴収部門が一緒になりますから、これは圧倒的に適用率は上がるということをまず申し上げておきたいと思います。
それからもう一点だけ。
ちょっと総理は今退席をされましたけれども、国民年金の未加入ということについて、先般の本会議の総理の答弁にもありましたけれども、国民年金の未加入には歳入庁は役に立たないというような話がありました。国民年金については基本的にそうかもしれません。しかし、繰り返しになりますが、基本的に、法人に勤めている人について所得税を天引きしているかどうか、そして保険料を天引きしているかどうかのチェックは一カ所でした方が、はるかに漏れがなくなるということは指摘をさせていただきたいと思います。
その上で、国民年金未納、未加入は、これは個人事業主が、要は法人以外は厚生年金に入る必要はないわけですから、正確に言うと五人以上雇っていれば入る必要はありますけれども、個人事業主で例えば申告漏れしている人が多ければ、国民年金の未加入というのもあるかもしれない。しかし、今、個人事業主については、申告の際に年金の保険料を添付するような形になっていますから、チェックしようと思えばすぐできるんですね。
まず、麻生財務大臣に伺いますが、個人事業主で申告漏れというのはそんなに多いんですか。
○麻生国務大臣 これは浅尾先生御存じのように、個人事業主については、基本的には、所得税を納めるという必要がなければ申告義務は全くありません。したがって、国税庁におきましては、個人事業主のうち申告を行っていない人の数がどれくらいかと言われても、ちょっとその数を把握しているわけではありません。
〔林(幹)委員長代理退席、上杉委員長代理着席〕
○浅尾委員 所得税を脱税している人がどれぐらいいるかというような質問ですから、それはわかっていればやめろという話だと思いますので、そうだと思いますけれども。
基本的には、申し上げたいのは、実は、歳入庁をつくるということは徴収コストを下げるということなんです。
つまり、法人が間に入って天引きをしているもののチェックをするのを一カ所にすればコストが下がるんじゃないかということだと思いますので、最後に、この質問を終わるに当たって、総理に、先般の本会議では大分、それぞれ財務省と厚生労働省の組織を守る議論の答弁になったと思いますが、そうでない答弁が期待できれば伺いたいと思います。
○安倍内閣総理大臣 先ほど答弁をいたしましたが、加藤内閣官房副長官及び関係省庁の政務官による検討チームが取りまとめた論点整理においては、歳入庁に関するさまざまな問題点が指摘されるとともに、年金保険料の納付率向上等のためには、保険料徴収の基本的な考え方を整理して、そして必要な対策を講ずることが重要であり、組織を統合して歳入庁を創設すれば問題が解決するものではないと指摘されたと承知をしております。これは先般、本会議でお答えしたことでございますが。
現在、論点整理に示された方向性に沿って、厚生労働省において年金保険料の徴収体制強化等に関する専門委員会を立ち上げ、議論を行うなど、さらに検討が進められておりまして、可能なものから速やかに実施をしてまいりたいと考えています。
なお、厚生年金の適用促進等については、政府としてもしっかりと取り組むべき重要な課題であると考えておりまして、論点整理においても、社会保障・税番号制度の活用も含めた関係機関との情報連携の強化など、厚生年金の適用促進策が示されたところでございます。
○浅尾委員 では次に、いわゆる三本の矢、アベノミクスにかかわる質問に入らせていただきたいと思いますが、財政出動のところは、今ちょっと麻生財務大臣が離席をされておりますので質問の順番を変えさせていただいて、規制改革について伺いたいと思います。
まず規制改革そのものについて総理に伺いたいと思います。
そもそも順番としては、全国一律で規制をなくす、それができない場合に、特定の国家戦略特区というものをつくって、そこで実験をするということなんだと思います。それに加えて、今回、企業実証特例制度というのを提案しようというふうにされておりますけれども、まず、今の哲学はそれでいいかどうか。全国一律が本来理想だけれども、それがだめなら特定のところで実験する、そういうことでよろしいですか。
○安倍内閣総理大臣 この特区制度は小泉政権時代からスタートしたものでありますが、基本的には、全国一律で過剰規制は変えていくという姿勢であります。
そして、それがなかなか難しいということであれば、まず特区を決めて、以前の小泉政権のときには下から上げてくる提案型でやっていったわけでございますが、今回は、国家戦略等も用いながら、国家の成長戦略の中においてこういう特区をつくっていきたいということで、地域においてやってみて、それを見ながら全国に展開をしていくということでございます。
○浅尾委員 そういたしますと、今回、それに加えて企業実証特例制度というものが提案されようとしているようでありますが、全国で監督官庁からだめだと言われ、どこかの市町村ないしは都道府県が上げない、だから、二回落ちたものが企業実証で上がってくる、そういう理解でいいですか。
○茂木国務大臣 この企業実証特例制度でありますけれども、特定の地域といいますよりも、高い技術力などを備えた意欲ある民間企業の提案を受けて、安全性等の確保の措置が講じられていることを条件として、企業単位で、国民の安心、安全や利用者の利便性にも十分配慮しながら新たな規制の緩和措置を講ずるものであります。
具体的なイメージで申し上げますと、これから恐らく自動走行の車というものが出てまいります。これは、我が国の関連産業の育成にも役立ちますが、同時に、高齢者の運転であったりとか、誤操作といったことを防止することによりまして、交通の安全にもつながっていく。
さらには、既に実証実験段階にありますけれども、燃料電池のフォークリフト、これが実用化されますと、作業現場におけますCO2の削減、低炭素社会、こういった実現にもつながってくると考えておりまして、もちろん最終的には全国に広げていくということになりますけれども、こういった企業の先端的な取り組みを加速化する上から、新たな制度として、企業実証特例制度、こういったことを盛り込んでおります。
○浅尾委員 伺いたいのは、別に、特定の企業だけに認めるんじゃなくて、同じ技術を持っている人には、要は型式認定を変えるなりして全部認めればいいんじゃないですか。何でそういうふうになっていないんですか。
○茂木国務大臣 浅尾議員もよく御案内のとおり、特定の技術について、進んでいる企業もあったり、また、そこまで進んでいない企業もあります。そこが実証するために必要な制度を整えようということでありまして、若干具体的なイメージを申し上げましたけれども、恐らく、二十年前に、インターネットで世界がつながるとは誰も考えていなかったと思います、ほとんどの人が。また、メールでみんながやりとりをする、こういう社会にもなると思っていなかったと思います。先端的な企業、具体名は挙げませんが、そういったことが出てくることによって全体のサービスが広がる、こういう制度があっていいということから、導入を決定した次第であります。
○浅尾委員 よくわからないんですけれども、規制をかけるのは別に経済のためじゃなくて、社会的な何か害があるから規制をかけるわけであって、ある企業だけその規制の外側でいいというんだったら、最初からその規制を全国で外せばいいわけなんですよ。インターネットだって、別に規制がかかっていたわけじゃないわけですから。
そうじゃなくて、副作用もあるのであれば、どこかの地域で実験すればいいんですが、今の御説明だとどっちでもないから、全国でやればいいんじゃないですか。
○茂木国務大臣 例えば自動走行の車をつくるとします。これは当然、最終的には公道において走行の実験をしなきゃならない。道路交通法上そういったものがまだできませんから、そういったことで、企業がその実証をする、こういう制度は必要だと思っております。
○浅尾委員 それは別に、自動走行の車を特定の企業だけに認めるのではなくて、特定の地域でやればいい話だと思うんですよ。何か説明がよくわかりません。
○安倍内閣総理大臣 例えば、今、自動走行という話がありましたが、これがなぜ認められないかというのはその理由があるわけでありまして、その理由に対してその企業は代替措置をとれる、つまり、これを認めますが、懸念されることについてはこういうことで対応していきますよということを、その企業の独自の取り組みとしてやっていきますよということを証明できる企業については認めていきましょうということでございますので、当然、企業の力によって大きな差が出てきて、それができる企業とできない企業が出てくる、こういうことでございます。
○浅尾委員 実際に法案が出てきたときに、もう少し詳しく議論をしたいと思います。
財務大臣が戻られたので、財政の方に話を戻したいと思います。
三本の矢のうちの金融政策は私ども賛成であります。二本目の矢の財政出動というのは、民間で動くお金の量をふやせばいい、要は、民間で動くお金をふやすことによって経済効果を高めるということだと思いますけれども、そういう観点から、恐らく、財務大臣は、大企業の接待費も認めたらいい、損金算入を認めたらいいと。幾らとは言いません、どこかに飲みに行って使ったお金、安くなるのは税率分ですから、一万円飲んだって、戻ってくるのは、税率五〇パーとして五千円分しか戻ってこない、でも動く金は一万円だということで多分認められるんだと思いますが、そういう理解でよろしいですか。
○麻生国務大臣 いろいろこれは、昨年、中小企業、資本金一億円以下だけをやらせていただいたんですが、国税庁というか主税局の中ではえらい騒ぎでした、正直なところ。しかし、結果としてその効果は上がったと思っておりますし、特に地方の業界、事業、場所を見ればもうはっきりしていると思っております。
ただ、これで歳入減が三百五十億ぐらいだったと思いますので、大企業の分も同じようなことになりますと、数が全然違います。そういった意味では波及効果はもっと大きく、いろいろな意味で、私は、こういったことはやった方がいいのではないかとおなかの中自身ではまだ思っておりますが、今からちょっと役所の中でいろいろ忙しいことになりますので、それが終わりましたら御報告します。
○浅尾委員 私は、申し上げたいのは、今、三百二十億円歳入減だという話がありましたが、公共事業に三百二十億使っても、歳入減三百二十億になっても、国のトータルの入りと出では同じなんですね。ところが、歳入減三百二十億ということは、さっき申し上げたように、税率が五〇%ということは、使われているお金は六百四十億なので、民間で動くお金はもっとなんですね。もしかしたら、その後、気持ちよくなって個人で二次会に行けば、もっとお金が動くということもあるかもしれませんが、そういう意味では、別にこれに反対しているわけじゃないんです。ですから、動くお金の量をふやすという意味ではいいのではないか。
それで、動くお金の量をふやすという意味では、設備投資の減税というのが一番効果があるだろうということで、私どもはかねがね、実は自由償却というものを主張させていただいております。
これはなかなかわかりづらいかもしれませんが、例えば、ちょっとはやったうどん屋さんか何かがあって、内装が大体一千五百万ぐらいかかるとしますと、内装の償却期間というのは十五年なんですね。ですから、毎年損金に入れられるのは、単純に言うと百万円ずつ。しかし、十五年先まではやるような内装を今つくっても、多分、今の世の中ですと、三年とか四年ではやらなくなっちゃう。だったら、何年で回収するかは経営者に任せたらいい。
別に、その分の税金が安くなったって、全額回収できないんですから、経営者は全額回収するまでそれは商売しますよ。ということは、後で税金が入ってくるということなので、決して恣意的な利益調整になりませんし、税収も減らないです。だから、接待費を大企業にも認めるんだったら、償却期間も別に自由にしたって、考え方は一緒だと思いますが、その点についてどうですか。
○麻生国務大臣 これは、会社におられたので、定率、定額の違いがおわかりだと思いますが、見ておられる方はわからない方もおられますので。
償却には定率償却と定額償却とあるんですが、企業によっては、定率にするか定額にするかというのは、恣意的にいろいろやろうと思えばやれないことはないというので、こういった意味では、節税のためにいきなりどっと落としてみたりなんかされると非常に、税収増を図る側としてはなかなか難しいというのが第一点。
二つ目は、今言われましたように、僕も、設備投資をしていただくという意味においては、いわゆる設備投資をしてもらえれば即時償却を認めます、ただし、今不景気だから、デフレ脱却のために向こう三年以内とかそういった期間限定でやらせていただくというやり方の方がよほど効果は大きいと思って、そちらの方向で事を進めようとは思っております。
○浅尾委員 即時償却を認めるというのは、それは一歩前進だと思います。
ただ、例えば、大きなビルを建てると何十億とかかる。それは大企業だって、何十億を一年でというのはきついかもしれない。だったら、例えば三年ぐらいでということを認めても、結果として入る税収は減らないんですよ。当期入らなかった分だけ、入る時期がおくれますから、理論的に言うとその金利分だけ国が損するということなんですけれども、金利も安いですから、そこは踏み込んだ方がいいんじゃないですか。
要は、先ほど申し上げました、市場、要するに、マーケット、民間で動くお金は、税金が安くなって、国に入るお金の倍動きますから、そっちの方がいいのではないかということで、省内説得は大変だと思いますが、いかがでしょうか。
○麻生国務大臣 今申し上げたとおりに、税制の改革の一つなんだと思っております。
特別償却ができるというような形で、いわゆる対象設備とかその事業の年度とか、また償却限度額というのはある程度、一定のルールが決められているんですが、どの程度の減価償却を行われるというのを一方的に都合だけで決められると、これは御存じのように、計画上の設備投資として、やり方とすればいろいろあるというのは、この辺、企業経営をしたりいろいろやった人たちがそこの後ろにいますので、この人たちがやった手口がなかなか大したものだったんだとは思っていますけれども。これはなかなか、税務署とあれとのやりとりというのは、私も経営者としてやってきましたので、これはきちっとしたルールをある程度決めておかないかぬ。
ただ、それは、今までのように全部一律六十年とか何十年とか決められる、長さについては、ちょっとこれは検討をしなきゃいかぬ時期に来ているのかなとは思っております。
○浅尾委員 ぜひ、今前向きなお話をいただいたので、検討した上で実現をしていただきたいと思います。
それでは、次の規制改革の話に戻らせていただきたいと思います。
規制改革の分野として、総理は、岩盤規制として、電力、医療、農業という個別分野について国会の本会議で答弁されておりましたが、私は、それに加えて、実は一番大きいのは労働法制なんじゃないかなというふうに思っております。
なぜかというと、経済というのは労働力掛ける生産性なので、この労働力をふやすということの観点での労働法制というのがつくれれば一番いいだろうというふうに思います。
一方で、我が国の労働法制というのは長い歴史がありますが、長い歴史がある分だけ、一般的な見方でいうと、大企業の製造業で働いている人を対象につくられている側面が多いんじゃないかなというふうに思います。
つまりは、製造業というのは、例えば九時から五時まで製造ラインが動けば、その間に手待ち時間がない。しかし、今多くの人が働いているサービス業というのは、手待ち時間がどうしても出てくる。
この例を出すといいかどうかわかりませんが、おすし屋さんなんかは、もし、築地に朝仕入れに行って、昼間働いて、夜も働くとなると、今の労働基準法でいくと、個人事業主ですから対象になりませんが、多分、基本的にだめなんですね。おすし屋さんをサラリーマンでやろうとしたら大変なことになっちゃう可能性があるんです、例えで申し上げていますけれども。
労働法制というのが、世の中の多くの人がサービス業で働くようになったときに、さらに雇用をふやす中でどういう形で考えていったらいいか、それも今後の大きな改革の中身になるんじゃないかと思いますが、その点について、総理のお考えを伺いたいと思います。
○安倍内閣総理大臣 安倍内閣の基本方針は、成熟産業の失業なき労働移動と、そして多様で柔軟な働き方を実現することであります。
今、浅尾委員が指摘をされたように、大体、雇用というか労働時間というと、確かに一般の製造業をイメージするわけでありますが、さまざまな業態もあります。例えば、研究職の方は、研究していく上においてひらめいて、このままずっと夜までやって、そこで完成する場合もあるわけでありますが、これが九時―五時ということにはならないわけでありまして、そういう意味においては、人それぞれ、さまざまな働き方に対するニーズも当然あるんだろうな、このように思うわけであります。
今般、国家戦略特区における雇用ルールの明確化や、そして有期雇用の特例などの検討方針を決定したほか、規制改革会議を初めとした関係会議においても、雇用改革について有識者にさまざまな観点から議論をいただいているわけでありまして、今後とも、若者や女性も含めて、頑張る人たちの雇用の拡大を目指して取り組みを進めていきたいと考えております。
○浅尾委員 先般の本会議の御答弁で、岩盤と言われる電力、医療、農業といった個別分野についても改革を断行しますというふうに総理から答弁をいただいておりますけれども、具体的にはどういうところをやられますか。
○稲田国務大臣 規制改革担当大臣としてお答えをいたします。
岩盤規制と言われている雇用そして医療、農業について、ワーキンググループをつくって、有識者からのヒアリングなどを聞きながら、今、改革に取り組んでいるところでございます。
今どのような改革に取り組んでいるのかという御質問ですけれども、健康・医療分野の規制改革については、六月に閣議決定した規制改革実施計画において改革の重点分野の一つとして位置づけられ、本計画に定められた二十三項目について検討を行っております。
今期は、例えば健康・医療については、保険診療と保険外診療の併用療養制度、介護事業における経営主体のあり方の見直し、レセプト帳票の見直しなど分析可能なデータの整備、保険者による直接審査の推進や支払基金と国保連の役割分担の見直しなどについて、順次抜本的な規制改革に取り組んでいるところでございます。
電力につきましては、六月に閣議決定をいたしました規制改革実施計画における改革の重点分野の一つとして、フォローアップに努めているところでございます。
○浅尾委員 今、電力のお話をいただきました。
電力については、先般出された法律では法的分離ということなんですけれども、私どもは所有権分離による発送電分離が不可欠だというふうに考えております。特に所有権分離は、全国で一律でというのがなかなか難しいとなれば、事実上破綻をしている東京電力から先行した方がいいだろうと。
まず、事実上ということを今申し上げましたけれども、福島第一原発における一号機から四号機というのは廃炉が決まっております。したがって、東京電力の財務諸表から除却損という形で落とされておりますが、五号機、六号機、それから福島第二原発の一号機から四号機というのは資産計上がまだされておりますが、この資産計上の額はお幾らでしょうか。
○茂木国務大臣 まず、電力システム改革を行っていく、このことについては御党とも意識を一緒にしているところだと思います。
ただ、方法におきまして、所有権分離という形になりますと、本当に必要な資金を、経過的な措置が必要な場合に確保できるか、こういう問題、それから、憲法二十九条におけます、保障されております財産権の侵害の問題等々が出てくるかと思っております。
その上で、東京電力の資産の関係でありますが、平成二十四年度末におけます福島第一原発五号機及び六号機の簿価は合わせて一千五百六十四億円、福島第二原発の一号機から四号機の簿価は合わせて一千二百二十七億円、このように承知をいたしております。
○浅尾委員 東京電力の今年度第一・四半期決算の純資産は、一兆二千六百二十五億円で間違いないですね。
○茂木国務大臣 間違いございません。
○浅尾委員 実はこの一兆二千六百二十五億円と、今申し上げた福島第一原発、第二原発の二千七百億円強、これは大変重要な数字でありまして、一兆二千六百二十五億円のうちの一兆円というのは、後から入れられた、要するに国民の皆さんからお預かりしている優先株なんです。
ですから、もし、福島第一原発の五号機、六号機、そして福島第二原発の、これは四十年廃炉という前提でいうともう動かすことができないわけだというふうに考えるのが正しいんだと思いますが、これを東電の資産、バランスシートから落とすと、少なくとも普通株においては債務超過になるということになるわけなんですね、優先株が一兆円ということだと。
そうすると、プレパッケージの、優先株が入っていますから、ゴーイングコンサーンでキャッシュも入ってきますから別に破綻にはなりませんが、事実上国有化して分割していくということも可能なんですが、そういうことをやるに当たって、五号機、六号機、それから福島第二原発の一号機から四号機をバランスシートから落とさない理由というのはどういうことになるんですか。
○茂木国務大臣 各原発、炉をどう扱うか、これにつきましては、炉規制法上、事業者において判断をするということであります。
福島第一の五、六号機につきましては、既に九月の十九日、第一においては汚染水や廃炉、この事故収束の体制に集中する、こういった体制をつくることが必要である、最優先である、こういう総理の御判断で、東電の方に要請をしてございます。早期の判断を促したいと思っております。
いずれにしても、現時点におきまして、福島第一の五号機、六号機、第二については、そういった廃炉の決定を、東電として、しているわけではありませんから、当然、落とさない形になります。
○浅尾委員 金融担当大臣として麻生大臣に御通告しておりますけれども、時間も短いので私の方から申し上げさせていただきますが、一般的な金融慣行でいうと、収益ないしは売り上げを生む資産は連結をして資産計上ができる。しかし、売り上げを生まなくなった資産については、これは除却損として資産から落とすというのが一般的な慣行なんです。
ところが、東京電力については、そうしなくてもいいような形、あるいは、急に除却損によってバランスシートに影響を与えないようにし、なおかつ公認会計士さんが安心して判こが押せるような、そういう変更を十月一日付でやっております。
これは、国会も知らない間に電気事業会計規則というものを経産大臣の認可のもとで変えておりますけれども、これは、要は、福島第一原発にある五号機、六号機、そして第二原発の一から四号機を急に廃炉にすると、そもそも除却損も発生するし廃炉費用も発生するので、そうならないようにするための変更なんじゃないですか。
○茂木国務大臣 三・一一の東日本大震災、原発事故を受けまして、原発については、いかなる事情よりも安全性を最優先する。そして、その安全性につきましては、原子力規制委員会が独立した立場から判断をする。そして、その基準として、今年の七月に新しい規制基準、これが導入をされたわけであります。
この七月に新しい規制基準が導入をされる、これを見通しながら、本年の六月に、現行の料金・会計制度が円滑な安全な廃炉を行う上で適切なものになっているかどうか、会計の専門家等から構成されます廃炉に係る会計制度検証ワーキンググループにおいて審議をいただいてきたところであります。
その結果、原子力においては発電と廃炉は一体の事業であるとの考え方に立ちまして、料金・会計ルールを見直すことが適当と整理をされ、十月の一日に関係省令を改正したところであります。
もし、詳しく内容につきましてお尋ねのことがありましたら、改めてお答えをさせていただきます。
○浅尾委員 いや、そういう理屈を伺っているわけではなくて、今申し上げておりますように、本来、普通の企業であれば、売り上げを生むものを資産として計上し、壊れてしまったものは資産から落とすというのが安全な会計基準なんです。
福島第一原発の五号機、六号機そのものは壊れておりませんし、第二原発も壊れておりませんけれども、残念ながら、そこから収入が生まれるような発電が、四十年廃炉という基準の中で、想定ができないわけなんです。にもかかわらず、それを残すために、結果としてどういうことになっているかというと、福島第一原発の五号機、六号機、そして第二原発の一から四号機の中に入っている使用済み核燃料は、それを保管するという名目で資産として計上している形の会計変更なんです。
時間がないのでこの点だけ伺って終わりますけれども、そういう形で、少なくとも十年間はそこに使用済み核燃料を置いておきます、その分を東京電力の管内の人に負担してもらうとともに、福島の人にも、置いておきますよという説明はされたんですか。そのことだけ伺って、質問を終わります。
○茂木国務大臣 必ずしもそういうことではないんですが、これまで七六%で四十年間運転したとして満額が積み立てられるような制度でやってきた、生産高比例法という形をとってきたわけでありますけれども、これからなかなか、平均的な設備の利用率、稼働率を見通すことが現段階では困難な部分もあります。その観点から、定額法に変更する、こういう形をとらせていただきまして、解体が本格化するまでに大体十年かかりますから、四十プラス十という形で五十ということになります。
○上杉委員長代理 この際、佐藤正夫君から関連質疑の申し出があります。浅尾君の持ち時間の範囲内でこれを許します。佐藤正夫君。

 

 

予算委員会 平成25年04月09日

2013年04月09日 (火)

183-衆-予算委員会-21号 平成25年04月09日



○浅尾委員 みんなの党の浅尾慶一郎です。
きょうは、統治機構、そして行政改革、政治改革ということでありまして、冒頭、質疑通告をいたしておりませんが、私は、統治機構の一番の根本はやはり国の安全保障にかかわることだろうというふうに、あるいは安全保障にかかわる法、あるいは法に基づく政府の対応だというふうに思っております。
その中で、もう既に報じられておりますが、市ケ谷あるいは朝霞、習志野といったところにPAC3のミサイルが展開をされておりますけれども、これは、現在は、破壊措置命令というものに基づいた展開なのか、あるいは訓練名目の展開なのかということが明らかになっておりません。
破壊措置命令ということであれば、法的には、閣議決定が必要でありますし、閣議決定の前には安全保障会議に対して諮問をしなければいけないというのが今の法律の状況でありますけれども、現在展開されているものが、これは総理に伺いますけれども、どういう法的根拠に基づいて、訓練なのか、それとも今申し上げました破壊措置命令なのか、まず、その点について伺わせていただきたいと思います。

○安倍内閣総理大臣 たび重なる北朝鮮の挑発的な言辞に対して、日本としては、国際社会と連携をしながら対応していくこととしておりますが、政府としては、国民の生命と安全を守るために万全の態勢をとっております。
そして、個別の対応につきましては、まさに政府のというか日本国の戦術にかかわることでございますから、つまびらかにはできないのでございますが、今御質問の破壊命令、実際に飛んできたミサイルが日本人の生命、安全を脅かす場合に破壊をするということについては、それは事前に既に閣議決定がなされておりますので、防衛大臣の命令、防衛大臣の命令は基本的に総理の指示に従っての命令でございますが、それで可能となるということでございます。

○浅尾委員 私がこのことを質問させていただいたのは、どことは言いませんが、我が国の周辺においては、安全保障上の活動あるいは軍事的な活動について透明性に欠けるところがあるというのが我々の認識しているところ、これは多分、安倍総理もそういう認識だと思います。
であるとするならば、今申し上げました事前の閣議決定も含めて、むしろこういう形で、今はそういうふうにおっしゃっていただいたから結構なんですけれども、政府としては、我が国の対応としては、しっかりと透明性に基づいた行動をしている、これはあくまでも国民の生命と財産を守るためだということを公表された方がよかったのではないかと思いますが、その点について、もし御認識があれば、伺えればと思います。

○安倍内閣総理大臣 今回、北朝鮮はまだミサイルを具体的に発射すると、昨年のミサイル発射のように、指定の海域、時間を既に通告して発射するというスタイルではないものでございますから、いつ発射するかどうかというのは極めて不明確でございます。
その中において、どういう対応をとるかということについては、これは韓国とかまた米国とも相談をしながら、北朝鮮に対する、これはある意味の、場合によってはメッセージになっていくわけでございますが、我々も不断の、国民の生命、安全、もちろん財産も守っていくという対応をしていくという中にあって、具体的に今どういう命令を出したかということは、今回においては、むしろそれは明らかにするよりも、しっかりと実態として対応していくべきだろう、このように判断をしたわけでございます。
いずれにしても、どこでどう対応をとったかということを今の段階で相手に知らしめてしまうことにもなるということもございまして、イージス艦あるいはPAC3の配備状況等も、これはまさにこちらの手のうちになるということでございまして、前回は既に場所も決めておりますので、どこからどういうふうに飛んでいくという中においての配備であったということでございますが、今回はそれが全くわからない状況の中での対応になっておりますので、我々としては、今どういう対応をとっているかということは、むしろ言わない方がいいだろうという判断に至ったところでございます。

○浅尾委員 幾つか論点があると思いますが、一番の根本は、破壊措置命令を出すということと、どこにPAC3を配備するということは、破壊措置命令を出したことの公表は当然のことながらしていただいた上で、どこにあるかというのは非公表という方が、むしろ透明性が高いのではないかなというふうに思います。
あわせて、どこにPAC3が配備されているかというのはテレビでもうさんざん報じられてしまっていますので、その点について指摘をさせていただいて、通告させていただいた質問に移らせていただきたいと思います。
まず、きょうは行政改革ということが大きなテーマでありますけれども、行政改革ということを考えた場合に、全てを官が行うのか、あるいは、公のことに対して民間が関与するのかという、要するに、公的なことですけれども、民間の活力を使うことによって、大きな政府でなく対応していくということも十分考えられるのではないかなというふうに思います。
そういう意味では、私は、新しい公共という考え方、この考え方自体は引き続き推進していくべきなのではないか、NPOやさまざまな非営利団体が公に関与するという考え方自体は推進していくべきだというふうに思いますが、まず総理に、新しい公共ということについての基本認識を伺いたいと思います。

○安倍内閣総理大臣 いわゆる公共という概念において、これは、公共は必ずしも国が担うものだけではないという考え方なんだろう、このように思うわけでございます。
そこで、新しい公共という考え方ですと、若干違和感を感じるのは、まさに新しくいきなりそういう考え方が出てきて、そういうNPOであれ、さまざまな団体が出てきたかといえば、そもそも日本には地域地域にそういう助け合いの組織があったわけでございまして、その地域地域の助け合いがまさに公共を担っているということではないだろうか、こう思うわけでございます。例えば消防団一つとっても、これはまさに地域の若者が、本来であれば、東京であれば考えられないわけでございますが、消防署がやる仕事を地域の若者たちがやっているということでございますから、それはそもそもあったんだろうと。
ですから、そういう地域地域のきずなを生かして、人間同士のきずなを生かして、そういう公の役割を担っていく、これは当然あるべきであろうと思うわけでございまして、そこを強くしていくということも極めて重要な観点だろう、このように思います。

○浅尾委員 もちろん、今おっしゃったような消防団とか従来あったものも含めて、本業がほかにある方が公のために活動する、それを支援していくということは、その形態が何であれ、私はどんどん進めていくべきだろうというふうに思います。
この新しい公共ということを考えた場合に、推進会議というものが存在するというふうに思いますが、その推進会議の開催の状況についてお伺いしたいと思います。

○甘利国務大臣 前政権下で、「新しい公共」推進会議というのが開催をされております。最後に開催をされたのが、平成二十四年の十月の十六日と承知をいたしております。

○浅尾委員 今後、安倍政権においては、先ほどもおっしゃった、例えば消防団も含めて、もちろんNPOも含めてだと思いますけれども、こういった概念を推進していくつもりがあるのかないのか、そして、あるとするならば推進会議を開催する予定があるのかないのか、あわせて伺いたいと思います。

○甘利国務大臣 委員から御指摘がありましたとおり、全てを公共が、つまり行政がやるとなると、これはもう大変なコストがかかる、税金がかかるわけでありますし、みんなで助け合うという共助の精神というのは、社会を支えていく上で、コスト面だけじゃなくて、その精神が極めて大事だと思っております。でありますので、安倍内閣といたしましても、この共助をしっかり高揚していくような、そういう仕組みはつくっていきたいと思っております。
ただ、新しい公共という名前をそのまま使うということは実は考えておりませんで、新しい公共は、鳩山総理のときの話ですよね。鳩山さんの専売特許であると思いますし、だから使いたくないということではないんですけれども、新しい名前というか、共助社会づくりというようなことで、共助社会づくり懇談会というような仮称でスタートさせたいと思っておりまして、今、副大臣を中心に、開催に向けて下段取りをしているところでございます。

○新藤国務大臣 所管外で出てきて申しわけないんですが、ぜひこれは御認識いただきたいと思います。
この新しい公共の概念は、その前に、自民党福田内閣のとき、これをソーシャルビジネス、コミュニティービジネスといって、社会的課題を解決するための新しい仕事の仕組み、こういったものをこの国の中につくっていこうではないか、こういう研究会を始めました。私が当時副大臣のときに自分でやったものですから、そういう概念がございます。
それは、例えば子供が病気になったときにお医者さんに連れていってあげる仕事、もう既に成立していますね。それから、ベビーシッターも、預かりではなく、個人的なベビーシッターをやってくれる仕事もあります。それから、農地を借りて、都会から若い人を呼んで、そして耕しながら、農家の皆さんと一緒に農業をやっていくとか、いろいろな仕組みがもうできているけれども、財政基盤が弱いものですから、こういったものへの活動支援のための税制措置だとか、それから、そもそも活動資金を、基金をつくってやっていこうじゃないか、こういうCB、SBというんです、この仕事を進めておりました。
名前は、政権がかわって、新しい公共というふうにしていただきましたが、精神としてはもともとから始まっているものであって、これは、いわばNPOとかNGOとか、アメリカでは十年間で一千万人以上の雇用が創出されています。こういった新しい仕組みというのは取り入れるべきだ、こういうことでございます。

○浅尾委員 私は、名前よりも、今まさにおっしゃっていただいたように、共助というか、公に属するようなことについて、民間も入って、よりよいサービスを、肥大化しない政府でもってやっていくという発想は、ぜひとも進めていただきたいというふうに思います。
今、新藤総務大臣が所管外だけれども応援を言っていただいて、別に何党の手柄ということじゃなくて、ぜひ進めていただきたいと思いますが、その点について、総理のお考えを伺いたいと思います。

○安倍内閣総理大臣 今の議論を聞いておりまして、私もよく整理ができたんです。
まさに公の役割を国なり地方公共団体が全て担うことはできませんし、むしろそうではない方がいいだろうということでありますから、今、新藤大臣が答えたように、社会的な課題を解決していくために、そうしたNPO、NGO等々を設立して、税制上の措置で支援をしていくという形がいいのだろうと思います。
また、シンクタンク等についてもそうなんだろうと思いますが、そういうものが社会的な役割を担っていくことによって活力を得ていくことができるだろう、このように思います。

○浅尾委員 今おっしゃいましたNPOについても、NPOに限らずかもしれませんが、寄附税制ということがその活動を拡充していく上では非常に重要だろうというふうに思っておりまして、私は、個人的には寄附税制、もっと寄附をしやすくするべきだというふうに思っておりますので、安倍政権のその点についてのお考えをぜひ伺えればと思います。

○甘利国務大臣 重要性はよく認識しておるつもりでございますけれども、委員御案内のとおり、二十三年度税制改正においてかなり使いやすくしたつもりでございます。従来の所得控除の制度に加えて、税額控除というのを導入いたしました。それから、寄附、優遇の対象となる認定NPO法人の要件の緩和もいたしております。要件緩和が徹底すれば、かなり裾野が広がっていくというふうに承知をいたしております。
まずは、この二十三年度税制改正の定着ぐあい、それをしっかり見きわめたいと思っております。

○浅尾委員 もう一点、先ほど総理からもシンクタンクという言葉がありましたけれども、新しい公共というか、民間に属するところ、特にNPO、シンクタンクと霞が関との人事交流というものについては、民間企業との人事交流というのは現在制度としてかなり実施に移されておりますけれども、NPOとの人事交流あるいはシンクタンクとの人事交流というのももう少し、ないわけではないと思いますけれども、実施をしていったらいいのではないかと思いますが、その点について、もし総理のお考えがあれば伺いたいと思います。

○安倍内閣総理大臣 特にシンクタンクとの間において、国の公務員が人事交流をしながら政策立案能力を磨いていく、いわば武者修行をしながら、民間のもとにおいて新しい発想で政策立案能力をもっとダイナミックに磨いていくということも大切でしょうし、同時に、シンクタンクの人たちが実際に行政を行う現場に行って、今まで自分たちがつくってきた政策が果たして実行可能かどうかということを経験していく、また、それによって刺激になり、新しい動きにつながっていくんだろう、このように思います。

○浅尾委員 それでは、行政改革の方の話に移らせていただきたいと思いますが、何回か実は予算委員会で、政府の統計でありますこのSNA、国民経済計算確報というものに基づいた産業別の雇用者報酬というのを取り上げさせていただきました。
私、今回、この数字を取り上げてみて、今回で三回目なんですけれども、取り上げるたびに、今でも高いんですよ、比較すると、全国平均よりも公務が倍近いんですが、取り上げるたびに数字の計算根拠が変わって、少しずつ数字が変わっていくというのもなかなか不思議だなと、これはちょっと指摘だけさせていただきたいと思います。
平成二十三年で、全国の平均が四百四十一万円、公務が八百十八万円という、産業別では一番、正確に言うと、この数字でいうと石油・石炭製品というところが若干ことしの数字では高くなっていますけれども、ことしというか、今度計算方式を変えた数字では高くなっていますけれども、去年段階では公務が一番高かったんです。
そういうことも含めて、素朴な、数字をごらんになってのまず安倍総理の感想を伺いたいと思います。

○安倍内閣総理大臣 この公務員の八百十八万というのは、これは全部足し込んでいるんですか。(浅尾委員「地方公務員も含まれます」と呼ぶ)
これが高いか安いかということなんですが、公務員の場合は身分が保障されているということを勘案すると、国民的にはこれは高いという印象を受けるかもしれない。しかし、多くの公務員は非常に真面目に、無私の思いで仕事に熱中をしているわけでございますし、また同時に、公務員のいわば腐敗を、こうした形で保障することによって一掃してきたという歴史もあるわけでございまして、そういうことを総合的に勘案しながら評価をしていくべきだろうとは思います。

○浅尾委員 実は、これは私が出した数字じゃなくて、政府の統計に基づいている数字であります。
先ほど申し上げましたように、きょう気づいたんですが、去年予算委員会で出した、同じ、直近は平成二十三年まででありますから、平成二十二年、ここでは七百九十八万円となっていますが、去年政府が出していたのが九百三十二万円。ちょっと統計を変えて少し数字が下がるようになっているんです。それは、説明では、非常勤の人も入れて割るとそういう数字になるという説明でありました。
それはそれとして、いずれにしても、全国平均よりもかなり金額が大きくなっているというのは事実だということは指摘をさせていただきたいと思います。
特に、もう一つの数字の方を見ていただければと思いますけれども、都道府県別で平均報酬月額。これはちょっと数字が細かくて、テレビをごらんになっておられる方は大変見にくいかもしれませんが、平均報酬月額、平均給与ですね。平均給与を、民間企業の平均給与を地方公務員の平均給与を分母にして割ってみますと、大きく差があるところでは民間が官の六八%とか六〇%なんというところもありますけれども、非常に差が大きくなっています。
たまたま、これは私、ことしの一月に、石川県から来られたある方とお会いしたら、やはり地域に行けば行くほど、民間と官との格差が大きいということに対して、いろいろな思いがあるというようなことを聞かされました。
では、何でこんなに差が出てしまうんだろうということで、これはるる指摘をさせていただいておりますけれども、きょうは人事院の総裁も来ていただいておりますが、まず、必ずしも給与そのものというよりか、ここに出ておりますのは給与ですけれども、給与以外の部分でも、退職金というものの調査の対象が、非常に、一番大きくなるような調査対象をとっている。
これは人事院に言わせれば、そういうふうに細かくレクをしておりませんので新藤総務大臣には聞きませんが、多分人事院は把握していると思いますが、調査対象を決めるのは総務省で、人事院は単に調査をしているだけだということでありますけれども、例えば退職金といったときに、いわゆる退職一時金と企業年金と両方を、企業年金と一括でもらうこともできるんですが、その両方を調査対象にしています。
そうすると、当然ながら、額が大きくなる。額がどれぐらい大きくなるかというと、企業年金を一時金でもらうのと、いわゆる一時金の退職金がほぼ同額なので、あらあらで言うと千二百五十万、千二百五十万ぐらいで二千五百万、これはちょっと大ざっぱな数字で言っていますけれども、というような計算になります。
では実際に、人事院の方がすぐ数字を持っておられればお答えいただきたいと思いますが、民間企業で両方の制度が存在する、つまり、企業年金もあって退職金もある会社というのは、全体の何%ですか。

○原政府特別補佐人 お答えをいたします。
直接御指示がいただけませんでしたので、手元に資料をきちんと支度してございません。
御指摘のように、退職金の調査は、総務省の方から御指示をいただいて、要請いただいて、私どもで調査をする。それを報告した上で、総務省、財務省で御方針を出されるという仕組みになってございます。
それで、民間の退職金でございますけれども、企業年金と退職金というのはほぼ同等の性格のものになってございまして、歴史的には、もともと退職金であったものを一部企業年金に振りかえるということで、民間におけるいわゆる退職金は、企業年金と退職金両方を合わせたものというのが世の中の実態でございます。
公務員につきましては、そういった企業年金の制度というのは基本的にはございませんので、退職金を比較する際には、公務員の退職金と民間の退職一時金並びに企業年金を足して議論するという形になってございます。
御質問に十分答えられるかどうか、あれでございますけれども、企業年金制度を有する企業の割合は、調査対象企業全体のうち五六%でございます。退職給付制度を有する企業、これのうち企業年金、ほとんど同じになりますが、約六割という形になります。
したがいまして、過半の企業は両方の制度を持っているという形になりますので、それを合わせて退職金という形をとっているところでございます。

○浅尾委員 私の手元にあります数字で申し上げさせていただいた方が早いかと思いますので申し上げさせていただきますと、まず、何らかの形で退職制度があるのは全体の九二%。これは企業規模の加重平均で、大企業の方が当然あります。中小企業ではなかなか退職制度というのがあるところは少ないんでしょうけれども、加重平均をすると九二%です。この九二%を一〇〇とした場合に、企業年金と退職一時金の両方あるというのは四四%しかないんですね。退職一時金のみというのが四一・五%で、企業年金のみが一四・五%ということなので、両方あるというのは全体の半分以下。
半分以下のところで、その数字を分母に考えて、片っ方が千二百五十万でもう一つが大体千二百五十万だとすると二千五百万というような今の制度の考え方自体がおかしいのではないか。
特に、確かに、この間の法改正で、公務員には、いわゆる企業年金に相当する職域加算というものが廃止になりましたから、多少は企業年金的なものがあってもいいという主張はあるのかもしれませんが、その廃止になった法案の中に、廃止にするかわりに公務員用の企業年金というのを設計するというのも入っているわけでありまして、もしそうだとすると、退職金のところはいわゆる退職一時金だけにしないと、民間とイコールフッティングにならないんじゃないかというふうに思います。
制度の細かいことはともかくとして、今申し上げましたように民間とイコールフッティングにするということについて、これは御担当が行革大臣なのか総務大臣なのかわかりませんが、どのようにお考えになるか、ちょっと伺いたいと思います。

○新藤国務大臣 私の方で把握している部分で申し上げます。
まず、各都道府県の民間企業と公務員の給与比較であります賃金構造基本統計調査、賃金センサス、こういったものに対しては、これは公務員の方が高くなっております。その部分は、やや数字のとり方の状況が違います。そして、賃金センサスについては、例えば、十人以上の、職種について、現場作業員さんだとか販売員さんとかそういった方も含めての、いわば公務には類似しない職種の方々も全て入っている、こういうことが一つあります。それから、給与決定要素である年齢や学歴、こういったものの違いも考慮されていない、こういうところがございまして、その上での結果だということ、御承知おきだと思いますが、そういう状態であります。
それから、国家公務員の退職給付につきましては、これは、五年に一度官民比較の調査を行って、民間水準に均衡させているというところであります。
そして、二十四年三月には、人事院が公表した官民比較調査結果により、支給形態によらず、退職後にもとの使用者から受ける給付の一切を比較するため、民間については退職一時金と企業年金、それから官については退職手当と共済年金の職域部分、この合計を比較いたしました。そして、その比較によって、この調査結果に基づきまして、臨時国会において、国家公務員の退職手当を約一五%、四百万、これは引き下げたのであります。
こういった官民格差の解消は今後も続けていきたい、このように考えています。

○浅尾委員 私のそもそもの問題意識は、いわゆる退職一時金だけを調査対象にすべきだということは指摘をさせていただきたいと思います。
加えて、今私の方から申し上げました職域加算というものがなくなりますが、その代償措置として、新たな、いわゆる年金の、公務員の共済年金の三階建て部分をつくることを検討というのが、たしか解散前の国会で通った法案の中に入っていたと思いますが、この新たな職域加算にかわる制度について、安倍政権においてはどういう考え方なのかを伺いたいと思います。
私はレクでは申し上げたんですが、簡単に申し上げますと、職域加算というものをなくすということになったというふうに理解しております。そのかわりに新たな制度をつくるというのがたしか入っていたと思いますが、どういう制度設計で考えておられるかということについて、もしレクのときに把握されていなければ結構ですけれども。

○新藤国務大臣 ちょっと連絡が悪かったようで、今、そのあたりの詳細がございません。
もちろん、検討して結論を出さなきゃいけない部分でありますし、研究もしておりますが、今、正確なことを申し上げられませんから、後ほど御報告させていただきたい、このように思います。

○浅尾委員 それではもう一つ、公務員の人件費が高くなる要素として、これは累次、人事院の原総裁には申し上げております。先ほど日本維新の会の馬場議員からも人事評価というのがございましたけれども、実は、人事評価は絶対評価でやる、しかし、絶対評価でやったものをその後に相対評価に切りかえるというのが今の人事制度だというふうに思います。
原総裁はよくそこを御存じだと思いますけれども、まず、その点の事実関係を伺いたいと思います。

○原政府特別補佐人 御質問にございましたように、評価そのものは絶対評価でさせていただいております。その上で、その評価をベースに、それを、任免、人事考課、いろいろと反映するわけでございますが、特に、以前の御質問でもございましたように、成績の下位にあった人間をどうするかという点については、相対的な枠を決めるというやり方はとっておりません。
この辺は、組織によってどういうやり方をするかはいろいろだと思います。相対評価をして、枠を決めて評価そのものも当てはめ、そして、例えば給与の査定等についてもそのままそういう枠を使うというやり方をしている組織もございますし、必ずしもそうでない、私どもと同じような絶対評価をして、当然、成績の悪い人間をしかるべく下位に評価するのは当然でございます。ただ、それを、枠をはめて、あるパーセントを必ず付するというやり方はしておりません。
私どもが、全数はとても調べられませんが、しかるべく昇給の仕組みといったものを勉強させていただいた限りにおきましては、むしろ相対的な枠を決めてやるというのは必ずしも主流ではないというふうに思います。中にもそういうのはございますけれども、制度としてはそう決めてあっても実際の運用は必ずしもその枠にはなっていないという形で、やはり下位の人間については、当然下位の者は下位にするという原則は同じでございますけれども、枠を決めるというやり方はしていないのがかなり多いように認識をしてございます。

○浅尾委員 多分、聞いておられる方は総裁が何をおっしゃっているのかよくわからないんだと思いますが、私の方から簡単に説明させていただきますと、絶対評価というのは、先ほどの馬場委員の言葉でいえば、S、A、B、C、Dという五段階なんです。これは絶対評価ですから、比率は決まっていません。
一方で、昇給は、Sというのは従来の昇給幅の倍昇給する、Aは一・五倍、Bが従来どおり、そしてCは昇給は半分、Dはしないというのが反映された後の形なんですけれども、絶対評価を相対評価にするのはどこかというと、倍昇給するところには全体の五%の人を割り振るために相対評価にしているんです。それから、一・五倍昇給するAのところには二〇%割り振るためにやっているわけでありまして、残ったところ、従来どおり昇給するところは、大体、五足す二〇で七五ですから、七二%ぐらいが実績値でいうと割り振られている、そういう理解でよろしいですね。

○原政府特別補佐人 数字的には、今御指摘があったとおりでございます。

○浅尾委員 私がおかしいなと常々、予算委員会でも申し上げているのは、絶対評価はいいんです、絶対評価で。しかし、絶対評価で評価したものを相対評価にするときに、上がる方だけは割り振り、配分があって、従来どおりの人は残りほとんどというのは制度としておかしいんじゃないかと思いますし、それは統計の正規分布にも反しているんじゃないかというふうに思います。
こういうところにメスを入れていくのが行政改革だというふうに思いますので、もし絶対評価というものを相対的にするなら、きれいに五、二〇、五〇、二〇、五にするべきだというふうに思いますけれども、その点についての総理のお考えを伺えればと思います。

○安倍内閣総理大臣 今の議論を聞いておりまして、確かに上げる方だけ相対評価で上げるのは、やはり何らか国民的にも納得できないだろう、相対評価にするのであればそうした分布にしていくべきだろう、このように思いました。

○浅尾委員 これはぜひやっていただきたいと思います。
ごらんになっておられる国民の皆さんも、何でそんなふうになっているのかというのを御存じない方も多いと思いますので、これも私の方から、こういうことが理由でしょうということを確認させていただきますので、原人事院総裁に確認していただければと思います。
従来は特別昇給という仕組みがありました。大体、全職員の一五%が通常の昇給幅の倍昇給する。特別昇給というのは全職員の一五%ですから、大体六年に一回。六分の一が一六・六七%ですので、通常の昇給が五千円とか八千円だとすると、大体六年に一回、倍昇給する特別昇給というのが全職員に対してあった。これは幾ら何でもやり過ぎだろうということで、特別昇給をやめました。やめたら一五%の昇給の原資が余るので、上に行く部分だけ、お金の出どころは、言いたくありませんけれども、税金だから使っているということなんだというふうに思いますが、まず、そもそもの原資はこの特別昇給をやめたことだという理解で間違いありませんよね。

○原政府特別補佐人 かつて、今先生から御指摘のありましたような運用がされていた実態はあったやに伺っております。私が人事院に参ったころにはかなりそういった形のものは変わりつつありましたけれども、そういった流れが公務員の人事考課にあったことはどうも事実のようでございます。
御指摘のように制度を直しましたので、そういった、いわば悪慣行的な、持ち回り的なものは今はないものと私は承知しておりますが、やはり人事考課を厳正に行い、それをきちんと評価するというのは全ての基本でございますので、今後とも、どういうふうに運用していくか、私どもとしてもきちんと注視をしていかなければいけないと思います。
特に、下位の評価につきましてどうするかということについては、やはり人事考課というのは、一人一人の業績を評価すると同時に、組織全体のパフォーマンスをどうするか、あるいは該当の職員を今後どのように育成していくかといったいろいろな観点でするわけでございまして、今御意見にございましたように、正規分布の形でかなりの数の人間を機械的に低評価にするということをやるのが公務のような組織にとって適切なものであるかということに関しては、私は先生と見解を異にしてございます。

○浅尾委員 正規分布にするのは考え方が違うという御意見であるとするならば、なぜ、特に、普通の人より倍上がる人は自動的に五%、一・五倍上がる人は二〇%なんですか。

○原政府特別補佐人 きちんとした考課をする、先ほど申しましたように、成績に応じて評価をしなければいけないということで、それまで必ずしもそういう形がなされておりませんでしたので、やはり誘導的にそういったものをしなければいけないということで、大分前の制度改正でございますが、そのときに、もともとあった、そういった一五に対する原資をベースにして、新しい制度の中でも、特別昇給といいますか、抜てき昇給の数字を決めたことは事実でございます。
ただ、その数字というのは、仮に、昨年そういう処置をしてことしの給与が決まっているとしますと、そういった織り込まれた給与をもとに民間と給与を比較して、新たな年の公務員の水準を決めるということになりますから、それをすることによって公務員の給与が上振れするという形にはなりません。
昨年処置をしました昇給なりそういったものを全て含んだ、その次の年の四月に、それが公務員の給与としてでき上がる、それに対して民間の給与を調べまして、そこで高い低いということで較差を決めるわけでございますので、その年についてはそういった五%なり二〇%の方がほかの方より高い部分はございますが、トータルの水準としてはそういった形で是正いたしますので、公務員の給与がそれによって上振れしているということはございません。

○浅尾委員 いや、それは算数の世界で言うと、おかしな話なんですよ。
要するに、もともと原資として、一五%は通常の倍昇給する原資があった、これをやめましょうと。やめて、それを、税金ですから返還する、人件費の中から返還するといえば、その分だけ人件費が下がる、昇給の中で下がるというのは、これは誰が計算してもそうなんです。返還しないで、それをS、Aの方に五%、二〇%と割り振っているということなので、もし、そういうことでおっしゃるようにするならば、正規分布にした上で、公務員の中の非正規の方にそのお金を回す、人件費を回すということなら多少は理屈は通るかもしれませんが、今の御説明ではなかなか、私は少なくとも理解できませんし、聞いておられる国民の皆さんも理解ができないんじゃないか。
きょうは行政改革ということですから、制度としておかしいことはやはり直していただきたいということなので、先ほど正規分布にするべきだというふうにおっしゃいましたし、その原資はこういうものだということを今指摘させていただきましたので、ぜひ安倍政権としての考え方を伺いたいと思います。

○新藤国務大臣 今さまざまな御議論をいただきました。人事院からのお話もさせていただきました。いろいろな状況を踏まえて、私どもとすれば、それは不断の見直しが必要だと思います。まずはそれぞれの根拠、こういったものをしっかり調べながら研究してまいりたい、このように思います。

○浅尾委員 私がこういうことを申し上げるのは、公務員の人数でいうと、国家公務員は地方公務員の大体四分の一ぐらいですので、一方で、基準財政需要というのを考えたときには、国家公務員の人事制度がそのまま基準財政需要に基本的には、単価としては国家公務員の単価として反映される仕組みになっておりますので、この国家公務員の人事制度を変えるということは、基準財政需要の支出の方を変えていくことにもつながるんじゃないかというふうに思います。
税源が本来はいろいろな形で移譲されて、各自治体が自由にその税源の中で人件費を払っていく仕組みが一番理想だと思いますが、今の交付税という制度を前提にすればそうした計算になるわけでありますが、国をいじることによって基準財政需要に反映させることの是非についても伺いたいと思います。

○新藤国務大臣 これは、人件費の抑制、また適正な給与体系、こういうことをやっていかなきゃいけないわけでありますから、取り組みが必要だ、このように思います。
今のお尋ねでございますが、これは少し修正をいたしました。それで、地方交付税における地方団体の給与費は地域の民間給与をより反映させるということで、平成二十三年度から、人件費の単価を変えました。それは、要するに、今の最も民間賃金の低い地域の給料を考慮して、それを俸給水準といたします。そこにいろいろな地域手当だとかそういうものを加味したようにいたしまして、ですから、高いままで設定をしないように、こういったことで、各団体ごとの地域手当の支給割合、こういったものに応じて補正をして積み上げていくという形に変更したわけでありまして、各地域の給与水準をより適正に反映できるように工夫をさせていただいているところでございます。

○浅尾委員 ぜひ、制度としておかしい人件費のありようについては不断の見直しをしていただきたいというふうに思います。
次の質問に移らせていただきたいと思いますが、今回の解散・総選挙の前に、自民党総裁として安倍総理は、議員定数の削減ということについても、当時の野田総理との間で、国会の場ではありましたけれども、合意をされたというふうに認識をしております。あわせて、高等裁判所の一票の格差についてのさまざまな判決も出ておりますが、議員定数の削減と一票の格差について、高裁レベルの判決でありますけれども、そういうのを踏まえて、当時の自民党総裁として国民の前でも約束をされたことについてどのように今お考えになっておられるか、意見を伺いたいと思います。

○安倍内閣総理大臣 昨年の十一月の十四日の党首討論において、野田党首から、定数削減、そして議員定数の是正について提案がございました。議員定数の是正については、〇増五減についてさきの国会で成立をさせる、そして定数削減は、抜本的な改革を含めて、この通常国会において成案を得るようにという提案がございました。その中で自分は解散をするということでございました。
私の方からは、〇増五減というのは、私たちは、昨年の三月ぐらいの段階ですかね、既に出していて、これは先行処理をしようということになっていたものでございますから、当然やっていくべきですねという話をしまして、そして、抜本改革については、基本的には、私と、当時の野田総理と、そして公明党と、与党、三党でやっていくということはやぶさかではありませんが、ただ、これは民主主義の土俵をつくるものでありますから、ここを私と野田さんだけでやっていいんですか、これは共産党や社民党のような党も含めて協議をしていくべきではないですかという話もさせていただきました。その中において成案を得るように努力をしていきます、こういうことになったわけでございます。
現在、高裁において違憲、違憲状態という判決が下される中において、〇増五減については既に成立をしておりますが、区割り審から既に答申が出されております。この法案をこの国会で、当然、最優先事項で通すべきだろうと思います。
その上において、自由民主党として、三十減の法案が与党としてまとまったわけでございますので、これをもとに与野党で協議を進め、そしてこの国会で成立を目指していきたい、このように思っております。

○浅尾委員 我々自身も身を切る改革をしていかなければいけないと、私自身もそう思っております。
その中で、大変重要なことは、やはり一票の格差というものについても違憲だというようなさまざまな高裁レベルの判決が出ていますので、引き続きそういった判決が出ないような、そういうことを条件にしながら、定数の削減ということもしっかりと取り組んでいかないといけないということを申し上げて、これ以上質問すると次の方に御迷惑をおかけしますので、茂木大臣にはお越しいただきましたけれども、茂木大臣宛ての質問は割愛させていただきまして、私の質問を終えさせていただきたいと思います。

 

 

予算委員会 平成25年03月18日

2013年03月18日 (月)

183-衆-予算委員会-15号 平成25年03月18日


○浅尾委員 みんなの党の浅尾慶一郎です。
きょうの、経済成長戦略あるいは経済対策、そして経済連携の本題の質問に入る前に、一点、本年度の予算について伺わせていただきたいと思います。あるいは、予算編成前の我が国の長期債務残高について伺ってまいりたいと思います。
まず、現在、今年度末の我が国の長期債務残高は、国において、普通国債で七百五十兆円、その他の国債を入れて七百七十七兆円、地方において二百兆円ということで、ほぼ九百七十七兆円という理解でよろしいかどうか、財務大臣に伺いたいと思っております。

○麻生国務大臣 長期債務残高の定義をきっちりしておかないかぬとは思いますけれども、基本的に、言われております長期債務残高としては九百七十七兆ということになります。

○浅尾委員 その定義というのは、一年以内に返済しない負債という理解でよろしいでしょうか。

○麻生国務大臣 そのとおりです。

○浅尾委員 それでは伺いますが、負債としては、確かに借りかえ借りかえで行われておりますけれども、外国為替資金証券残高というものがございます。これが、直近の数字が二〇一一年度までということでありますけれども、二〇〇七年度から読み上げてみますと、百二兆九千億円、二〇〇八年で百六兆八千億円、二〇〇九年で百四兆五千億円、二〇一〇年が百九兆三千億円、二〇一一年が百十五兆ということで、この外国為替資金証券残高、我が国の借金であることには変わりませんが、これは長期債務残高に入っていないという理解でよろしいでしょうか。

○麻生国務大臣 今の数字は正確なところです。
先ほど一年以内と申し上げましたけれども、基本的には、償還をするもとが税によっているか税によっていないか。税によっていない、短期で回している分については、税で返還する予定にしておりませんので、これは入っていないというのが正確です。

○浅尾委員 税で返還していないということでありますけれども、我が国全体の長期債務が一千兆円弱という中で、百兆円ほかに借金があるということは、考え方としてどうなんだろうかというふうに思います。
この外国為替資金証券というのはもともと何かというと、円高になったときに為替介入をしたと。為替介入をすると、ドルを買いますよね。円を売ってドルを買う。その円の原資が、為券と言われている、三カ月以内に返すはずのものでありますが、残念ながら、為替介入をしたけれどもうまくいかずに今含み損を抱えているので、売って返すというわけにいかない、そういう性格のものだろうと思いますが、そういう理解で正しいかどうか伺いたいと思います。

○麻生国務大臣 この為替につきましては、これはいろいろな目的があろうとは存じますけれども、基本的には、今言われたように、為替の差益、差損、いろいろなことに対応するところなんだと思いますが、そのために常に準備しておかないかぬところだと思っております。
ただ、うかつにこれは売れないのは、今の場合は、政府による為替介入というのは基本的にはできないことになっております、基本的には。意味はおわかりだと思いますが、表向きではこれはやれないことになっておりますので、その意味ではいわゆる大きな影響を与えますので、今これを売りますと、とたんに円高にぼんと振れることにもなりかねぬということでありますので、極めて慎重に取り扱わねばならぬものだと思っております。

○浅尾委員 私がこの外為の借金を問題にするのは、借金を買う側、要するに日本国債に投資する側からすると、外為債券であれ長期国債であれ、国債であることには変わりないということなので、それが長期国債の外数で約十分の一あるということは、国債を消化できる能力に影響を与えるのではないか。要するに、市場で消化できる量が限られているということでいえば、あるいは、これだけ借金があって大変だ、そういうことを、今後ろで大臣にレクをされている財務省の方は言っておられるわけでありますから、そういうことだとすると、これも含めて考えた方がいいんじゃないかということであります。
確かに今は、多分、平均の損益分岐点が百十円か百二十円ぐらいだと思いますので、今これをアンワインドするというわけにいかないんだろうと思いますが、将来的に、円安がさらに進んだ場合には、これを徐々に縮小していくというのが本来あるべき姿なんじゃないかというふうに思いますが、その点についてのお考えをお伺いいたします。

○麻生国務大臣 これは、全体の像を示すということが、正確ではないんじゃないか、九百七十七兆以外いろいろあるじゃないかという御指摘なんだと思いますが、例えば国の資金調達活動というものの全体像を示すという点からいきますと、国債及び借入金現在高というものを別に表で示しておりますので、その中では政府の短期証券も含んでおります。
そういったものは別にそういった指標があるということで、別にこれは隠しているとかいうものではないということだけははっきりしておいた上で、今、もう少し減らした方がいいんじゃないか、これはもっと少なくてもいいんじゃないかという御意見に関しましては、これは、将来、いろいろなことを考えておかにゃいかぬと思いますけれども、一つ、その時期、場合によって、何も百は要らないのではないかという御意見は、その時代にあってはそういう意見も出てきても全くおかしくないと存じます。

○浅尾委員 申し上げたいのは、今できないのは、介入をしたけれども結果としてそれ以上に円高になってしまって、今解消すると、国が、百兆のうちの、多分一割円高になっていれば十兆円ぐらい損が発生するからということなので、アベノミクスの一本目の矢で量的緩和を進めていけば、理論的にいえば、今既に円安になっていますが、その均衡点、今申し上げた一〇%さらに円安になることによって超えていけば、その後には徐々にこれを解消していくというのがごくごく当たり前に考えられる話なんじゃないかと思いますが、その点について御意見があれば伺いたいと思います。

○麻生国務大臣 日々ちょっと振れておりますし、この為替の話は私どもの立場としてちょっとできぬことになっておりますので、幾らがどうたらということはなかなか申し上げにくいところなんですけれども、これは、損するとかもうかるということよりも、基本的には、大きな影響を与えることが予想されますので、うかつにはこの話はできないというのが一番基本的な考え方です。

○浅尾委員 本来のあり方としてはちょっと異常な額だ、要するに、国の長期債務が一千兆になるとして、その十分の一が外数であるというのは異常だということを申し上げて、次の話に移りたいと思います。
きょう、我が国の農業生産額の推移というパネルを、お手元には資料で用意させていただいておりますけれども、この傾向値を見ると明らかなように、ずっと農業生産額は減ってきております。
そして、記憶に新しいところでは、一番直近に、我が国の農業生産あるいは農家の農業所得を何とかしようということで、お金を貿易の自由化に伴って使ったことで記憶に残っているのはガット・ウルグアイ・ラウンド対策ということでありましたけれども、このガット・ウルグアイ・ラウンド対策費は、まず、林農水大臣、総額で幾らでしたでしょうか。

○林国務大臣 総事業費が六兆一千億ぐらいで、真水が、そのうち二兆七千億程度だったと思います。

○浅尾委員 多分、総事業費は六兆百億だと思います。それは別に、今ぱっと出していただいた数字でありますが、ちなみに、これは私の理解では、総事業費六兆百億円は平成七年から平成十四年にかけて配られたということでありますけれども、そういう理解で正しいでしょうか。

○林国務大臣 失礼しました。事業費六兆百億円、それから国費が二兆六千七百億円で、事業実施が平成七年から十四年度ということでございます。

○浅尾委員 よく、予算の話をすると、事業費を大きく言う場合と国費が幾らと小さく言う場合で、今わざわざ小さい方の数字も言われたのは、これから私がする質問に対する対策なのかな、ウルグアイ・ラウンド対策ではなくて、という気もいたしますが。
その配り始めの平成七年、あるいは配る前の年からでもいいですけれども、平成六年から一応資料は要求しておりますが、平成六年から配り終わった年の平成十四年までの農業産出額、これは全部読み上げていただくと時間もかかりますから、平成七年と平成十四年の産出額の数字、そして生産農業所得の平成七年と平成十四年の数字を読んでいただければありがたいと思います。

○林国務大臣 済みません、平成六年の数字ということで調べてまいりましたので、ちょっと一年さかのぼりますが、総産出額は、平成六年が十一兆三千億で、平成十四年には八兆九千億、それから生産農業所得は、平成六年の五兆一千億から、平成十四年には三兆五千億で、そのパネルのとおりだと思います。

○浅尾委員 今読み上げていただいて、これは、我が国の政府として、少なくとも農家を強くするという名目でガット・ウルグアイ・ラウンドに六兆百億円、総事業費で使ったわけでありますが、農業の総産出額、平成六年が十一兆三千百三億円だったのが、平成十四年で八兆九千二百九十七億円になっている。同じように、生産農業所得は、五兆一千八十四億円から三兆五千二百三十二億円に減っちゃっているんですね。
ですから、これはお金の使い方としては間違った使い方だったんじゃないか。少なくとも、目的が農家を強くする、あるいは、農家を強くするということの定義が農家の所得をふやすという観点からいえば、使い方に間違いがあったのではないかと思いますが、その点について、林大臣、どういうふうに思われますか。

○林国務大臣 お答えいたします。
ここの委員会でも何度かやりとりがあったところでございますが、当時は、今の仕組みである行政評価というのがまだないころでございましたので、今のこのトータルのマクロの数字ということでは、そういうことになるということであります。
それから、これは大きな金額でございましたので、中間評価というのを一応、行政評価の仕組みができる前ですが、やっておりまして、担い手の稲作労働時間が六割短縮になったとか、そういう効果があった面もあった一方で、やはり事業効果が、トータルで見ても今御指摘のあったとおりですが、十分に上がらないものがあるということで、これは反省すべき点があっただろうというふうに考えております。

○浅尾委員 実は、農業産出額の減っている割合よりも、生産農業所得が減っている割合の方が大きいんですね。ということは、そこの要因分析をすると、いろいろなことがさらにわかるんじゃないかなというふうに思います。
ちょっと、私の方で計算した数字が、平成六年を分母にすればよかったんですが、平成七年を分母にして平成十四年を分子にした場合の計算をしてあるんですが、平成七年を分母にし平成十四年を分子にした場合の農業総産出額は八五%、要するに一五%減りました。一方で、所得、要するに、いろいろな飼料代、種等々の費用を減じた所得は六一%に減っちゃっている。つまり、所得の減の方が産出額の減よりも大きいんです。
ですから、いずれにしても、この表を見ていただければ、今度TPPに参加しようとしまいと、日本の農業産出額は減っている、あるいは我が国の生産農業所得は減っているわけであります。
今の、我が国が減っているという例でいうと、先ほど七六%に所得が減ったということを申し上げましたが、直近でいうと、所得は、平成七年と比較すると六〇%、四割減っちゃっているんです、六割しかないんです。産出額は七九%なので、八割弱あるということなので、生産額というグロスの数字以上にネットの所得の減っている割合が大きいということは、十分、そのことだけとっても、TPPに参加しようとしまいと、これは対策が必要だというふうに思います。
まず、参加しようとしまいと対策が必要だということは、多分、安倍総理も御納得いただけると思いますし、それから、今私が申し上げた、生産額が減った以上に所得が減っているというのは、これはそこにヒントがあるだろうというふうに思いますが、その大枠のお話について安倍総理に伺った上で、また林大臣にも伺いたいと思います。

○安倍内閣総理大臣 先般、記者会見でTPP交渉参加について御説明したときにもお話をさせていただいたのでございますが、農業においては、今このTPPに参加をしていない現状においても、既に農業人口も減少しているわけでございます。また、今、浅尾委員が指摘をされたように、収入そのものが減っている。この問題、課題を解決しない限り、いわば麗しい田園風景を守ろうと思っても守れないというお話をさせていただいたわけでございますが、農家の所得をふやすためにどうすればいいかということについて、具体的な政策づくりを行っていきたいと思っております。

○浅尾委員 農家の所得をふやしていくということは、いろいろなことを、多分、つくっている作物別にやっていく必要性もあるんだろうなというふうに思います。
まず、今申し上げたような観点から農水大臣に伺いたいのは、総農家数の推移ですね。これを、主業農家別、昔の言葉で言うと専業農家ということなんですけれども、何か今は言葉が主業農家というふうに定義が変わったと聞いております。第一種兼業、第二種兼業というふうに私自身は覚えておったんですが、これが、準主業農家、副業的農家というふうに名前が変わったようでありますが、平成七年から十四年までの、主業農家、準主業農家、副業的農家の戸数の推移を、もし数字があれば、あるところで読んでいただければと思います。

○林国務大臣 お答えいたします。
主業農家、今は農業所得が五〇%以上の農家ということでございますが、平成七年が六十八万戸、ここから二十二万戸減少して、平成十四年が四十六万戸でございます。経営状況が、四・二ヘクタールから、これは平成十四年に四・六ヘクタールまでは一応拡大をしておりますが、先ほどから御指摘があるように、農業所得は、平成六年の五百二十九万円から、五十九万円減少して、平成十四年には四百七十万円、こういうことになっております。

○浅尾委員 準主業農家、副業的農家の数字もいただけますか。

○林国務大臣 失礼いたしました。
準主業農家、これは、平成七年が六十九万四千から、平成十四年が五十五万四千、それから副業的農家が、百二十七万九千から百二十三万一千、こういう数字の推移でございます。

○浅尾委員 先ほど、生産額の減よりも所得の減の幅の方が大きいということを申し上げました。その要因分析をぜひしてくださいということを申し上げましたが、実は、ここに少しヒントがあるんじゃないかなというふうに思います。
どういうことかというと、主業農家、昔の言葉という言い方がいいのかどうか、専業農家と言った方が個人的にはわかりやすいものですから、専業農家は、平成七年から平成十四年で六八%になっているんですね。ところが、副業的農家というのは九六%なんです。ですから、本業でやっている人が大幅に減って、副業でやっておられる方は余り減っていない。
そこに一つ、所得が減っている要因があるんじゃないかというふうに思いますが、その点について御意見をいただければと思います。

○林国務大臣 午前中の西川先生、それから先ほどの重徳先生のときにも議論になりましたけれども、マクロで減っている要因、私、先ほど三つほど挙げさせていただきました。
一つは、食生活がかなり変化して米の消費が半分ぐらいになったけれども、生産の転換ができなかったということです。二番目が、まさに今お話のあった、経営規模の拡大に必要な担い手への農地集積がおくれた。それから三番目が、経営規模の拡大や農作物の高付加価値化が実現できず、農家の所得が向上しなかったというのがその理由としてあるだろうというふうに申し上げております。
今先生が御指摘になったところは、特に、国民の食生活の嗜好の変化は直接は今あれかもしれませんが、二番目と三番目はまさに御指摘のところと相関性が高いというふうに考えます。

○浅尾委員 では、農業関連で質問いたしますが、質問の順番を若干変えさせていただいて、次のパネルにかえたいと思います。
今、経営規模の拡大ということをおっしゃいました。私も経営規模を拡大すべきだろうというふうに思っていますが、拡大するに当たって拡大のやり方があるというのが次にお示しする図でありまして、これは、東京大学農学部の本間正義教授の出していただいた資料でありますけれども、規模別の平成二十一年産米の生産コストを示したものでありますが、この表を見ると、実は一つのことがわかります。
それは何かというと、平成二十一年産米と書いてある方の図は現在の生産コストなんですね。フロンティア費用というのは後で説明しますが、この平成二十一年産米というのは、現在の費用でいうと、五ヘクタール以上になると余り変わらない。
なぜ変わらないかということの説明は、実は、分散圃場という言葉を私もそのとき初めて習ったんですが、要するに、田んぼがいろいろなところに分散をしていると、一定規模以上になるとそこに移動コストがかかるので、生産コストが下がらないということであります。
その生産コストを本当に下げるためには、このフロンティア費用と言われている、分散圃場を集約化していく。特に米の場合、そういう方向で農地を集約化していったらいいんじゃないかというふうに思いますが、まず、その点について、これは提案として、農水大臣、どういうふうに受けとめられるか。

○林国務大臣 これは本間先生が出されたフロンティア費用というもので、まさに委員が御指摘になった、一カ所のところにまとまっているというものもその要因の一つとしてあるのかなと。まあ、それ以外の要因もあるのかもしれませんが。
したがって、圃場整備、農業のNNの事業をやったりしてやっていくとか、いろいろなことが必要になっていくかと思いますが、そういうことをやるために、先ほど申し上げたように、課題の一つとして位置づけて集積というのは進めていかなければならない、こういうふうに思っております。

○浅尾委員 そうなってくると、これは税の面でもいろいろな形でのめり張りをつけていただくということが私は必要なんじゃないかなと。
つまり、分散圃場を集約化してまとまった農地になった場合の、まずそれを耕す側のインセンティブをさらにつけるとしたら、固定資産税で多少、これはちょっと、固定資産税は減免されている部分があるので、そこだけではプラスにならないかもしれませんが、メリットを与える。
そして、譲渡する、あるいは貸し出しでもいいんでしょうけれども、譲渡する側に対するメリットということでいえば、譲渡した場合に、これは前に予算委員会で、補正予算の審議のときにも麻生大臣に提案をさせていただきましたけれども、特に分散を解消する形での譲渡の場合は、単純な譲渡所得に対する課税に加えて、その元本分の相続税額については、これを非課税にするといった思い切った対策があってもいいんじゃないか。年間の農地全体の相続税の納税額が一千億ぐらいですから、先ほどのガット・ウルグアイ・ラウンドの六兆百億円ということを考えたら、一世代分ぐらい元本を非課税にするということも大したあれにはならない。
今申し上げたように、生産コストが大幅に下がるということになりますので、そうした思い切った対策もぜひ考えていただきたいと思いますが、その点について御意見をいただきたいと思います。

○林国務大臣 ありがとうございます。
固定資産税は、まず、委員もちょっとおっしゃりかけたように、農地についてのみ資産価値として無関係な課税というのはなかなかちょっと難しいところもあるのではないかなとは思いますが、譲渡益については、まさに委員がおっしゃっていただいたように、農地保有の合理化等のために農地を譲渡した場合については、譲渡益から八百万円を控除して、控除した残りの額に課税する特別控除というのが認められているところでございますので、これをさらに拡大していきたいという要望も今までも出してきたところでございます。
相続税の方は、実際の現場の話を聞いたりいたしますと、譲渡があってから相続税までかなり時間がありますと、将来の相続時までずっと保存をしておかなきゃいけないわけですね、それだけの金額を。それで相続財産から控除するということで、まずは特別控除の方を上げていくという方が直接効くのかなというふうに思っております。

○麻生国務大臣 集約化、これはもう絶対です。
理由は簡単で、コンバインを移す時間の問題ですから。コンバインがその場でやれるとなれば、一町田という一つの田んぼ、一反とか三反田から一町田とか、ああいうのでばあっと動かせるようになれば、それはもうはるかに効率がよくなりますので、先ほど言われたような本間先生の数字は全く正しい、私もそう思います。
その上で、今、農地を相続、売却ということになりますと、これは農地として継続するかしないかというところが分かれ目になりますので、そこのところを考えないと、ちょっと不公平を招きます。なぜなら安いから。
その意味で、今譲渡しておりますものの平均は、全国平均で大体三百万から五百万なんです、譲渡益。それで、今の税は譲渡益で切ってありますので、さらにそれより低くなりますので、その意味からいきますと、全体額としては、今それほど大きな額はこれによって与えられるとは思いませんけれども、そういったものも必要なものの一つかとは存じます。

○浅尾委員 私が申し上げているのはあくまでも農地として使う場合ということで、アパートをつくったり何かすれば、それは全然別の話だということを申し上げておきたいと思います。
今、我が国の米の消費量というのは大体八百万トンだというふうに思いますが、先般出されました政府の農業に対する影響を読むと、もし関税をなくした場合に、米の輸入がかなりふえる。これは、「既に国産米と遜色のない米国及び豪州産米の輸入により、国内生産量の約三割が置き換わると想定。」と書いてあります。
ちなみに、農水省は、今国内と同じ品質であるというふうに思います、林大臣も昔アメリカにいらっしゃったからよく御存じだと思いますが、カリフォルニア米の中でジャポニカ米の生産量はどれぐらいだというふうに認識していますか。

○林国務大臣 これは二〇〇四年産で、ちょっと古くて恐縮ですが、カリフォルニアのジャポニカ米は、これはピークということですね、最大生産量で百八十三万トン。それから、南部、アーカンソーとかああいうあたりが、二〇〇九年産のときですが、七十一万トンということでございます。

○浅尾委員 カリフォルニア米全部じゃないですか、今の百八十万トンというのは。カリフォルニア米の中のいわゆるジャポニカは、私の資料では三十万トンというふうになっていますけれども。

○林国務大臣 今、カリフォルニア州で百八十三万トン、二〇〇四年産ですが、一応ジャポニカ米ということです。(浅尾委員「長いものはいかがですか」と呼ぶ)これはジャポニカ米ですから、長粒種は入っていないのではないかというふうに思います。ちょっと待ってください。
今、元帳を確認してまいりましたが、中短粒種で、ジャポニカ米が百八十三万トン、これは二〇〇四年産のカリフォルニアでございます。

○浅尾委員 中短粒種で、アーカンソーでもそんなにつくっているというふうにはとても、そもそも、アメリカでつくっているジャポニカ米、要するに、国宝ローズとか田牧米というものがそれだけの量があるというのは、アーカンソーではつくっていないというふうに私は確認していますので、もし後で訂正されるならそれは訂正していただいても結構でありますけれども、そんなに生産量はないはずだろうと思います。
ここで私は、ちょっと農水省としてどういう認識を持っておられるかということを伺いたいなと思って、これは質問通告をしておりますが、アメリカ、特にカリフォルニアは、水の利用権、何というか、水がそもそも、雨が降りません。麻生大臣も昔、二年弱カリフォルニアに留学、総理もいらっしゃったと思いますが、多分、いらっしゃっている間に雨が降った記憶というのはほとんどないんじゃないかなと思います。
雨が降らないカリフォルニアにおいては、水の利用権、これが非常に、判例上も、それからカリフォルニア州の水を利用する州の規則の上においても、非常に厳しい規則がありまして、そもそも水というのが、利用するに当たっては、リパリアン・アンド・アプロプリエーティブ、要するに、川の水利の上に乗っかっている権利と、後からゴールドラッシュのときに水を引っ張ってきた権利と、法的には二つの複雑な権利があって、新規に水を利用しようとしても、そもそもそんなに使えない。
カリフォルニア州の最高裁で累次の判決も出ていますが、どの程度、水の利用について認識をされておられるのか、伺いたいと思います。

○林国務大臣 先ほどの米の数量につきましてはもう一度きちっと説明させますが、私が確認したところでは、カリフォルニア州のピークがああいう数字だったということでございます。
水利権に関するカリフォルニア州の最高裁判決ということでございますが、ロサンゼルス市の水資源利用に関して、公共財産である水資源の保護のため取水量が制限されるとして、環境保護団体が勝訴した一九八三年の判決というのがございます。それから、水資源の平等な配分を否定し、農民の既得水利権が優先するとした二〇〇〇年判決。
こういう二つの判決があるということを承知しておりますが、いずれも委員から今お話があったように、市民が勝訴したとか、いろいろな判決が出ているので、ジャポニカ米というか、米がつくれなくなるという制約がかかるような判決ということではないというふうに考えております。

○浅尾委員 実は、ここにカリフォルニア州の水利用の規則というのがありまして、この中に、要は、水不足になった場合には、一番最近に水を使った人が一番権利がないというのが規則に書いてあるんです。
したがって、そこから読み取ると、仮にTPPに入ってカリフォルニア産を増産しようと思っても、万が一、時々カリフォルニアの場合は水不足になりますけれども、水不足になったら、一番最近に利用するようになった人は使えないということなので、そういうことも含めて、ぜひ、別にそれは我が国の手持ちの資料として持っておけばいいというふうに思いますが、そういう調査をされるかどうか、伺いたいと思います。

○林国務大臣 ありがとうございます。
この間お出しした試算は、前回、昨年の、いつだったでしょうか、民主党政権で農水省が出していたものを少し見直しまして、米の置きかわりの幅を少し下げております。
したがって、前提は変えておりますが、いずれにしても試算でございますので、先ほど申し上げた、カリフォルニア、南部諸州のピークのところから国内の消費量を引いた額が来るだろうという前提にしておりますので、その前提について、今後、いろいろな情報をさらにとって精緻なものにしていくという過程の中で、今御指摘のあったカリフォルニアの水についてもしっかりと情報収集してまいりたいと思っております。

○浅尾委員 次の質問に移らせていただきたいと思いますが、次は、我が国の成長戦略の方向性について伺っていきたいと思います。
まず第一に、大きな方向性として、この分野が伸びるといういわゆるターゲティングポリシーなのか、自由に任せるレッセフェール型なのか、安倍政権はどちらを考えておられるのでしょうか。

○甘利国務大臣 これは経済再生大臣としてお答えします。
よく言われるのでありますけれども、戦後のターゲティングポリシー、「官僚たちの夏」というようなことの再現かと言われるのでありますが、少なくとも今回とろうとしている成長戦略は、今、日本が抱えて、何年かかっても解決をしていかなきゃならない課題を分析して、それが解決された将来像を描いて、そこと今を結んで、その線上にどういう解決すべき問題があるか。そこには、国でしかできない規制緩和とかあるいは基礎研究、あるいは企業がやるべき実用化研究、それを言ってみれば時系列で並べていく、その絵図を描き出そうとしているわけであります。
それができますと、例えば少子高齢化が、このまま放っておけば産業活力も社会の活力もそいでしまう。しかしながら、少子高齢化であっても活力がある経済社会というのは何かといえば、高齢者が健康で、長寿で、そして元気なうちに産業活動に就業できる、社会活動に従事することができる。そのためにはどういう課題があるかというようなことをロードマップ化していくというやり方であります。
でありますから、昔のターゲティングポリシー、産業分野を最初から特定してやるということでもなければ、個別の事業ごとに特定していくやり方ともちょっと違う、新しいやり方だというふうに思っております。

○浅尾委員 私は、まず国が最低限やるべきことは、企業ができないこと。企業ができないのは何かというと、基礎科学の技術の振興。つまり、いつ花が咲くかわからない基礎科学については、これは国がやっていく必要性があるんだろうなというふうに思います。
きょう、文部科学大臣に基礎科学の技術の振興費の推移についての数字をいただこうというふうに思っていまして、たまたまなんですが、数字が一致しておりますが、民主党政権になって、本予算を組む前の補正とその次の補正で科学技術振興費が減っている。それから、民主党政権で三回組んだ本予算の中においても累積で科学技術振興費が減っておりますが、累積というのは、だんだんふえてきていますけれども、もともとは大分減らされているということで、これはいろいろな理由があるのかもしれません。一つは、文科省の予算の中で高校無償化というものが入った結果だというふうな説明もされたことがあると思います。
まず、数字を伺いたいと思います。

○下村国務大臣 お答えいたします。
科学技術関係経費の一般会計分について、平成二十一年度第一次補正予算の執行停止を含む第二次補正予算において、政府全体で合計約二千三百六十三億円が削減されました。そのうち、文部科学省予算では一千八百二十七億円が削減をされました。
また、今度の予算でございますけれども、科学技術関係予算について、安倍政権において、二十五年度政府予算及び平成二十四年度補正予算の合計が四兆五千九百四十三億円、うち文部科学省予算は三兆六百二億円でございまして、平成二十四年度当初予算に比べ、政府全体で九千二百五十三億円、文部科学省予算では五千九百四十五億円ふやしたところでございまして、科学技術の積極的な振興を図ってまいりたいと思います。
高校無償化については、これは四千億かかっておりまして、ストレートに科学技術予算を削減して民主党政権で高校無償化に回したとは言っておりませんが、減らされたことは事実でございます。

○浅尾委員 両方できればもちろんいいんです。両方できればいいんですが、先ほど申し上げました、国の長期的な基礎的な体力はやはり基礎科学ということになろうかと思いますし、これは必ずしも、いつ芽が出るかわからないということなので、ぜひ基礎科学についてはしっかりと予算をつけていただきたいということを要請させていただきたいと思います。
次に、では基礎科学にお金をつければそれだけで成長するかというと、今申し上げたように、いつ芽を吹くかわからない。いつ芽を吹くかどうかわからないことだけに頼っていてもいけないので、では、どういうところを、今あるかないか、今ないものだけれども何かやったら生まれてくる可能性がある分野というのが私は成長余地が大きいんじゃないかなというふうに思います。
例えば、今から二十五年前の数字、そして十五年前の数字をいただいておりますけれども、東京から大阪に電話をした場合に、一九八八年、一九九五年、そして二〇一三年で、それぞれの数字を、総務大臣、読み上げていただきたいと思います。

○新藤国務大臣 二十五年前、一九八八年の東京―大阪間の通話料金は三分三百六十円です。そして十八年前、一九九五年の東京―大阪の料金は三分百八十円。そして現在、二〇一三年の東京―大阪間の通話料金は三分八十円でございます。

○浅尾委員 これが今おっしゃっていただいたように安くなった理由というのは、NTTの通信回線をそれ以外の事業者に開放した結果、安くなったわけであります。
一方で、通信業の国内総生産、そして、実は通信料金が、後で数字を読んでいただければと思いますが、その解釈も含めて総務大臣にいただければと思いますけれども、通信料金が安くなった結果、通信事業だけを営むということでいうと、総生産も雇用者も減っています。総生産でいうと多分二千億円ぐらい、雇用者でいうと三万五千人ぐらい減っていますが、その通信インフラの上に、ゲームとかいろいろなソフトウエアとか、そういうものを見ると、恐らく七兆円ぐらいGDPはふえて、雇用も二十万人ぐらいふえていると思いますが、今申し上げたような数字でいいかどうかということと、総務大臣のその点についての解釈を伺いたいと思います。

○新藤国務大臣 御案内のように、電気通信業だけでいうと売り上げの方はさほど伸びておりませんが、電気通信業に加えて、情報サービス業、それから放送業、こういった情報通信産業全体で申し上げますと、これは今、平成二十二年でありますけれども、名目国内生産額は約八十五・四兆円、これは全産業の九%、一割弱を占める、こういうことであります。
それから雇用者数も、これは通信業だけではそんなに変わらないんですけれども、しかし、情報通信産業全体でいいますと、これが全産業の六・八%を占めるということで、平成七年に比べて二十万人の増加。売り上げでいうと二十六年間で約三倍、それから、事業者数でいうと二社から一万六千社にふえた、こういうことでございます。

○浅尾委員 そういう観点でいうと、今、一番大きな、残っている大玉の規制改革は電力の送配電網なんですね。通信網は、先ほど申し上げました一九八八年から開放し始めて、ようやく、二十五年たって今はそれだけの産業になった。そうしたら、電力の送配電網、これも公共インフラですから、これを開放していくという方向性があって正しいと思いますが、担当大臣、いかが思われますか。

○茂木国務大臣 基本的には、私、正しい方向だと思います。
ただ、八〇年代の情報通信の、いわゆるネットワークの中立化、そして独立性の確保と、若干、電力は違いがありまして、今、例えば情報処理とネットワークが一体化をしております。ところが、当時においては、まだ、電力では発電に当たる部分、そういうのは非常に少なかったと思うんですね。これからやはり、電力システムにおいては、まずは調達というか発電の部分、この自由化をきちんと進める。そして、おっしゃるような形の送配電、これがネットワークに当たるわけでありますけれども、これの中立化をどう確保していくか。
さらには、最終的な需要の部分、消費の部分でありますけれども、今までのエネルギー政策というのは、どちらかといいますと、この消費、需要の方を所与としてどれだけの供給を積み上げるか、こういう発想でありましたけれども、こちらの部分についても、多様な使用形態であったりとか多様な料金メニュー、こういったことを提供することによって、賢く、需要家の方がいろいろなものを選べることによって、需要そのものも落としていく、こういう全体の改革をしっかり進めていきたいと思っております。

○浅尾委員 私が申し上げたいのは、二十五年前、通信網を開放したとき、あるいは今から十三年前の段階でも、何が出てくるか、要するに、ITがこれだけ発達するというのはわからなかったわけですよ。ですけれども、例えば今度は電力の市場を自由化していくというと、今は想像できないようなサービスが出てくるでしょう。そのことが経済の成長につながる。それは冒頭申し上げました、できるだけ民間にできる、レッセフェール的な考え方というのはそういうことだということを指摘させていただきたいと思います。
時間の関係で最後の質問になろうかと思いますが、実は、我が国の企業の、お配りしている資料の中にもありますけれども、きょうは、財務大臣も元企業の経営者でありますし、経産大臣も元コンサルタントですから、よく御案内のことだと思いますけれども、世界各国のROEを比較すると、残念なことに、我が国は一番このROEが低いということでありまして、これの分析というのが、先ほどの農業の分析と同じように、何でそういうふうになるのか、ここをちゃんとしないと成長戦略につながらないんじゃないかという観点から伺わせていただきたいと思います。
これはどなたにお答えいただくのかわかりませんが、ちょっと時間で、数字を私の方から申し上げた方がいいかもしれません。先に申し上げた上で、それに対する対策も含めてお答えいただいた方がいいかもしれません。
日本と米国と欧州とで比較すると、ROEを構成する、決めるのは、実は、どれぐらい借金があるか。借金の割合が多ければ、借金の利率が低ければ、資本に対するリターンは高くなります。それから、資産がどれぐらい回転するか。それも、回転数が高くなればリターンが大きくなるんですが、実は、借金の割合と回転率はほぼ一緒なんです。
一番残念なのは、日本の企業、これは製造業、非製造業ともに利益率が低い。利益率が四・二%というのが日本で、米国は一〇・七%、欧州は一一・七%。
利益率が低いのはなぜなのか。それは多分、先ほど申し上げましたターゲティングポリシーで、この分野を国がやりなさいよと言ったら、みんな同じことをやっちゃうから、結局、差別化は図れない。だから、利益率が高くなるように、できるだけ自由にさせた方がいいというふうに私自身は思いますけれども、その点について伺って、私の質問を終えたいと思います。

○茂木国務大臣 企業のタイプ、産業のタイプによって違うと思いますが、大きく三つぐらいあると思います。
一つは、委員御指摘のように、日本の場合、ある特定の産業に企業、事業者の数が多過ぎる、こういう問題。そして二つ目には、やはり会社の中でも事業を新しくしていかなくちゃならない、その新陳代謝がなかなかうまく進んでいない。三番目には、グローバルに展開している企業、こういった企業の方が収益性は高いという点で、もっと日本のグローバル企業、特にヨーロッパ型の、素材であったりとかそういうところで、分野は狭いんですけれども、どこも世界が必要とするような会社、こういったことをつくっていくことが必要だと思っております。

 

 

衆議院-議院運営委員会-12号 平成25年03月05日(2)

2013年03月05日 (火)

183-衆-議院運営委員会-12号 平成25年03月05日



○浅尾委員 みんなの党の浅尾慶一郎です。
きょうの中曽参考人の御答弁を伺っておりまして、もう皆さん聞かれておりますけれども、きのうの黒田参考人、そしてきょうの岩田参考人とずれがあるというふうに認識をいたしました。
それは、黒田参考人も岩田参考人も、二年で二%は達成できる、それは目標だというふうに明確に言っておられますが、そのことについて中曽参考人は断言されていないように思います。
それは、考え方は違っても合議体の日銀ですから別にいいんですが、考え方が違うのか、それとも二年間で二%達成できるのか、端的にお答えいただきたいと思います。

○中曽参考人 先ほど申し上げましたように、達成の時期というのは、世界経済などさまざまな要因によって左右をされます。不確実性もございます。そういった要因に左右される部分が残ります以上、必ず二年でというところは言いがたいところがあります。
ただ、私どもは、二%というのはお約束してございます。共同声明の中にも、極力早期にと明記してございます。これはお約束です。
したがって、私どもは、その約束を達成することに向けて全力でやってまいりたいというふうに思っております。

○浅尾委員 確認ですが、そうすると、若干幅があるという理解でよろしいですか、黒田さんや岩田さんとは。

○中曽参考人 デッドラインについてはなかなか難しいところがありますけれども、極力早期にと、ここは意識がそろっているというふうに認識をしてございます。

○浅尾委員 中曽参考人は、長らく日銀に勤めておられて、さまざま金融政策に携わってこられましたが、これまで達成できていなかったわけですね、その二%ということ、あるいは一%ということも達成できていなかったわけですが、今回、できるようになるのは、金融政策の中身を変えるからなのか、日本経済が持っている力が変わったからなのか、それはどちらの比重が大きいのか、伺いたいと思います。

○中曽参考人 両方だというふうに思っております。
つまり、マクロ的には、今、リーマン・ショックの後ある程度時間がたちまして、米国におきましては家計のバランスシートが回復する、あるいは、欧州の債務問題については最悪のシナリオは回避されるのではないか、そういう期待も出てきております。多少期待先行のところはあるんですけれども、これが経済の好循環に結びついていくのではないかという期待が今生まれているところだと思いますので、こういう機会を捉えて、実際に実体経済の面でも好循環が働いていくように、これは今、絶好のそのチャンスが訪れているのではないかというふうに認識をしています。
したがいまして、このチャンスを逃すことのないよう、金融政策面でも強力な金融緩和を続けてまいりたい、そのように考えている次第でございます。

○浅尾委員 過去、例えば十年とかの範囲で、今が唯一のチャンスなのか、そうでないのかについて伺いたいと思います。
私、先ほどの、例えば、リーマン・ショックの後、日本の金融システムが安定していたという見方について、確かにそうなんですが、それには理由があって、非常に金融問題をきれいにした、結局、危ない融資がなかったから安定したということだと思いますので、今が唯一のチャンスなのかどうかということについては少し違和感があるんですけれども、今が唯一のチャンスだというふうに思っておられるかどうか、伺いたいと思います。

○中曽参考人 過去にチャンスがあったかどうかという点につきましては、これは金融政策という観点に引きつけて見ますと、ある程度、もう少し工夫の余地があった、局面があったのではないか、そういう部分があるのは事実ではないかというふうに思います。
金融システムにつきましては、九〇年代の後半の金融危機以降、非常に長い時間をかけて、バランスシートが、二〇〇〇年代の初頭くらいにかけて、ある程度これが過去のものになった。そういう意味におきまして、日本の金融機関、今は相対的に資産内容も健全ですし、信用仲介能力も損傷を受けてございません。
そういう信用仲介能力がほぼ無傷でいるということは、デフレの克服に向けても大きな利点になると思いますので、私が申し上げているチャンスというのは、そういう点も含めてでございます。

○浅尾委員 終わります。

 

 

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