183-衆-予算委員会-4号 平成25年02月12日
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○浅尾委員 みんなの党の浅尾慶一郎です。
本日、北朝鮮の核実験の話がございました。どうも、先ほど北朝鮮が第三回目の地下核実験に成功したという発表もしたようであります。そのことについて、これは質問通告をしておりませんが、きょう外務大臣にも御答弁をいただくように別の件で出席の要請をしておりますので、もう外務大臣が来られていれば、その質問からさせていただきたいと思いますが……
○山本委員長 外務大臣は来ていないか。
○浅尾委員 では、総理大臣に伺いたいと思います。
私は、この北朝鮮の核実験について、我が国の対応としてやるべきことというのはいろいろあると思いますけれども、そもそも、我が国が持っている外交のカードをつくっていくということも必要だろう。外交のカードと安全保障のカードと両方つくる必要性がある。
まず、外交のカードについて申し上げますと、これはみんなの党の公約にも入っておりますが、自民党の公約においても、北朝鮮の拉致も含めた人権侵害について国連の調査委員会をつくるということを掲げております。
たまたま、ことしの三月に国連の人権委員会の設置の総会があるということでありますので、ぜひ、総理の決意として、それは外交のカードとしても、カードというのは、国際社会がいろいろな形で圧力をかけているという意味でのカードとして、自民党も公約に掲げておりましたこの人権委員会設置に向けて、総理の決意を伺いたいと思います。
○安倍内閣総理大臣 まず初めに、十四時三十九分に朝鮮中央通信が、我々の国防科学部門は二〇一三年二月十二日、北部地下核実験場で第三回地下核実験を成功裏に行ったと発表いたしました。これは、たび重なる国連の安保理決議に反するものでありまして、まことに遺憾で、強く抗議をいたします。
そして、今、浅尾議員の質問でございますが、人権委員会の設置については我々も進めていきたい、このように考えております。
○浅尾委員 今回、この人権委員会は、どうもシリアそしてリビアについては設置されたということがあるわけでありますけれども、ぜひ北朝鮮についても、外交のカードとしてこれをやっていただきたい。
もう一つ、安全保障のカードについては、これは、実際に言っていくことと、それから行うこととのいろいろな考え方があるだろうと思いますが、当然できる確認として、鳩山一郎内閣のときの政府の憲法解釈、これは民主党政権においても引き継がれておりましたけれども、いわゆる座して死を待つ論ではなくて、他国がミサイルを発するということがわかっている場合には、その基地を我が国が攻撃するということは我が国の憲法九条の解釈においても許されるというのがその当時の内閣の解釈でありまして、当然それはその後も引き継がれておりますけれども、これは当然のことだと思いますけれども、確認の上で、安倍政権においてもそれを引き継ぐということをぜひ。
○安倍内閣総理大臣 いわゆる敵基地攻撃と憲法との関係についてでございますが、政府は従来から、法理上の問題としては、他に手段がないと認められるものに限り、敵の誘導弾等の基地を攻撃することは憲法が認める自衛の範囲内に含まれるとの考えを示しています。一方、現実の自衛隊の装備のあり方としては、敵基地攻撃を目的とした装備体系の保有は考えていない旨も従来から述べてきております。
現時点においては、敵基地攻撃能力を保有することは考えてはおりませんが、しかし、憲法上はそれは許されるということであります。
○浅尾委員 これも、きょうはテレビが入っておりますから、明確に御答弁いただくとプラスマイナスいろいろあると思いますので、意見だけを申し上げておきたいと思いますけれども、法律あるいは憲法の解釈として、その能力を持っている、しかしそれを、現時点においては装備を持つことを考えないと言い切ることか、それとも、他に手段がない場合は引き続きそのことを検討すると言うのは、かなり、当該北朝鮮に対する我が国の対応としてもメッセージになりますし、あるいは、強い関係当事国の一つになります中国に対するメッセージにもなるだろうというふうに思います。
先ほど石原維新の会代表はコンベンショナル・ストライク・ミサイルの話をされておりましたけれども、現実的には、我が国のつくっている潜水艦は、既にあるトマホークも含めて、いつでも装備することは能力的には可能だということだと思います。それをするかどうかというのはまた大きな問題でありますけれども、そういったことが一〇〇%ノーだと言うのと九九%ノーだと言うのとでは、そのこと自体で意味合いが違うだろうということを指摘し、もし何か御答弁いただくことがあれば。
○安倍内閣総理大臣 自民党においてもさまざまな議論がなされており、この打撃力、我が国固有の打撃力を、米軍に打撃力を全て頼るのではなくて、我が国の打撃力も持つべきであるという議論はずっとなされてきております。
先ほど私が述べました政府の見解は、まさに現時点での、今の考えを述べさせていただいたわけでございまして、今後、国際情勢はどんどん変化をしていくわけでありますから、国民の生命と財産を守るために何をすべきかということについての観点からは常にさまざまな検討を行っていくべきだ、このように思います。
〔委員長退席、小此木委員長代理着席〕
○浅尾委員 それでは、この問題を終えたいと思いますけれども、ぜひ論理的に、感情的ではなくて論理的に、何が今おっしゃった生命財産を守るための可能性、可能性という言葉はよくないですね、蓋然性を高めることになるかという議論をしていただくようにお願いしたいと思います。
それでは、本来の、補正予算の審議でありますので、今回の補正予算についてお話をさせていただきたいと思いますが、今回の補正予算、規模については、私どもも、今の景気を支えるためにはこの規模が必要だろうというふうに考えております。しかしながら、中身についてはいろいろと議論があるところだろうというふうに思っておりまして、修正動議を出す予定にさせていただいております。
今、パネル、そして多分お配りをする配付資料もあろうかと思いますが、パネルないしは配付資料をごらんいただければと思いますが、まず、今回の補正予算で私どもがぜひお願いしたいのは、被災地の復興を第一に考えた場合には、予算の執行権限を被災地に渡していくという形の被災地特別交付金、つまりは、国がどういう工事をするかということを決めるのではなくて、主として言えば、岩手、宮城、福島の三県にそのお金を渡していくということをやったらいいのではないか、復興財源の繰り越しをするぐらいであれば、その部分を被災地特別交付金ということで、その使途を現地に任せたらどうかというふうに考えておりますが、その点についての御意見を伺いたいと思います。
○麻生国務大臣 このたび復興庁というのが現地に、そこに行くというのは、その一環と御理解いただければよろしいんだと存じます。いずれにしても、事を急いでおるという、この二年弱の間、余り動いていないという実情につきましては、いろいろ日々報道されているところでもありますので、そういった意味では、現地にということで、今回、福島にそういったものができることになっているのはその一環と御理解いただいて、かなりの権限はそこに渡ることになっていくんだと理解しております。
○浅尾委員 かなりの権限が渡るという言い方はもちろんあると思いますが、現地の、仮に福島県なり宮城県、岩手県にそのままお渡しをするというのとはまた別の話なんだろうというふうに思いますので、時間が余りありませんけれども、衆議院の採決までに御検討いただくようにお願いしたいと思います。
そして、今回の補正予算の中で常に議論がなされておりますのは、公共事業の中で補修と新規とがどれぐらいの割合なんだろうかと。つまりは、例えば高速道路の上板をかえるということであれば、用地取得が入っておりませんから、ほとんどそれは真水で、誰かの人件費になるか、その板をつくった人の結果として人件費になる。用地取得が入りますと、どうしてもその分だけお金が回る。土地を売られた方がそのお金を全額丸々その年度で使う、あるいは翌年までに使うというのはなかなか考えられないので、そういう意味で、公共事業の補修費と新規事業の比率をお出しいただきたいと我が党の柿沢委員も質問させていただいたと思いますが、まだこれはわからないという理解でよろしいですか。
○麻生国務大臣 平成二十四年度の補正予算の中で公共事業が占める額は二・四兆円ということで計上させていただいております。
そのうち、御指摘になっておりました補修費に相当する部分、例えばトンネルの補修とか橋梁の補修とか道路の補修とかいろいろございますが、いわゆる社会資本の老朽化に充てる分が〇・六兆ということになっておりますので、残り一・八兆ということになりますから、したがいまして、比率からいきますと、一対三という比率になろうかと存じます。
○浅尾委員 今申し上げたような理由で、新規のものの経済効果についてはいろいろな議論があるのではないかなというふうに思っておりますので、ここはぜひ、例えばということで私どもの考え方を申し上げさせていただきたいというふうに思いますが、この新規公共事業を、仮に、今回入っております中で一兆三千億円ぐらいを減らして、その分をほかの方に回していきましょうというようなことで考えております。
あわせて、今回、官民ファンドというのも大分つくられました。この官民ファンドで、結果として、今ちょっと余り元気がないんだけれども、言葉は悪いかもしれないけれども、ぎりぎり生きている会社をさらに生き長らえさせるというよりは、むしろ新たな投資にお金を回してもらった方が新規の雇用にもつながるんじゃないか。別の言い方をすると、言葉がいいのかどうかわかりませんが、よく言われているのは、会社が多く生まれて多く退出していく多産多死の方が少産少死よりも経済の活力になるんじゃないかというふうに思っております。
そういう意味で、金融担当大臣も兼務されております麻生財務大臣に一つ御提案をさせていただいて、これは元企業の経営者であった立場からも賛成していただけるんじゃないかと思いますが、財務会計上は、余りパフォーマンスが悪いというか収益が上がっていない会社については、株価が落ちれば減損処理をしなきゃいかぬ、公開企業だと特にそうですね、ということになっております。しかし、税務会計は、減損処理したものを損金として認めないということになって、ここにギャップがあるんですが、せっかくそのお金を使うんだったら、むしろ財務と税務の合体をして、財務会計上減損処理をするようなものは税務会計においても減損処理をする、その原資に、特に今回の官民ファンドのお金なんかを使ったらどうかという御提案をさせていただきます。
提案をさせていただきながら、あと三日の間に判断しろとか二日の間に判断しろというのはなかなか難しいでしょうけれども、ぜひ前向きに判断していただきたいと思います。
〔小此木委員長代理退席、委員長着席〕
○麻生国務大臣 浅尾先生御存じのとおり、昔からある一つの考え方ではあるんですけれども、これは弊害やら何やらいろいろありますので一概に申せませんが、何といっても、本人の意思、経営者の意思、また、それに対する株主等々の意思等々も踏まえないと、なかなか一概には言えないところなので、今のは御意見として拝聴させていただきます。
○浅尾委員 一応、御存じだと思いますが、申し上げておきますと、財務会計上は強制的に償却というか減損処理をさせられるわけでありまして、そういう考え方を政府が、それがいい考え方だと追認するのが、税務会計が財務会計に追いつくということなので、ぜひそれを御検討いただければというふうに思います。そうすることによって筋肉質の産業界をつくっていくということが、結果としてアベノミクスの三本目の矢の成長戦略につながるというふうに私どもとしては考えておりますということを申し上げておきたいと思います。
次に、これは額が本当に小さいので、ぜひやっていただいたらいいということを御提案させていただきたいと思いますが、額の問題ではない話でありますけれども、アルジェリアにおきまして、残念ながら多くの邦人の方が亡くなりました。
今の我が国の法制度を見ますと、犯罪被害者支援法というものもありますし、あるいは労働災害に対する法律もございますけれども、このどちらでいっても、労災という形で今回の方が適用になるのかなと思って調べたら、テロは適用外だ。それから、犯罪被害者の場合は、これはいわゆる犯罪捜査ができないということなので、海外のこういう事案については適用されないということなんですけれども、残念ながらお亡くなりになった方を、国として、テロも含めて、国内での犯罪であれば救済できる、相手に資力がないということであれば。しかし、海外においては救済できないというのは、やはり私は、事案から見た場合の公平性において、おかしいんじゃないかなというふうに思っております。
ちなみに、今、犯罪被害者給付金の裁定額でいうと、国内分で大体年間二十億ぐらいですから、これはあっちゃいけないことでありますけれども、海外のものを入れたところで、国内との比較でいえばかなり少ないので、そういう法改正を我が党としても提案させていただきたいと思います。
その法改正を提案してからの話になるかもしれませんが、少なくともその考え方についてどういうふうに思われるか、お答えいただきたいと思います。
○安倍内閣総理大臣 犯罪被害者の経済的支援については、私は、極めて重要な課題だ、このように思っております。
現在、第二次犯罪被害者等基本計画に基づいて、有識者等による検討会において、犯罪被害給付制度の拡充及び新たな補償制度の創設に関する検討会を行っているところでございますが、今回の事案も踏まえまして、法形式をどういうふうにしていくかということは検討課題ではありますが、前向きにぜひ検討していきたい、こう考えております。
○浅尾委員 ぜひそれは前向きにお願いしたいと思います。
次に、今回、TPPも含めて、筋肉質の強い農業を目指していくべきだろうというふうに思っておりまして、木材ポイントというような制度も入っておりますけれども、その木材ポイントということを使うよりは、むしろ農地の規模集約に対する支援策を入れていったらいいのではないかということを私どもの修正案の中には用意しております。
これを用意するに当たって、では、私どものはどういう考え方かという案だけを申し上げさせていただきたいと思いますが、農地を仮に売却した場合には、譲渡益の課税ということも発生すると思いますし、あるいは、農地を売却した元本が、将来的に当然、使わなければ相続の対象になる。このいずれも非課税にするということをすれば、かなり思い切った集約になるんじゃないか。
ちなみに、現状の農地だけの年間の相続税額を財務省に調べて教えていただいたら、大体一千億ということなので、今申し上げたようなことを、思い切った、専業で一生懸命やろうという方を育てる、しかし、その方が買いやすくするために、売り手に対しての支援策として御検討いただけるとありがたいということを申し上げたいと思いますが、その点についてのお考えを伺いたいと思います。
○麻生国務大臣 浅尾先生のところはちょっと都会なので現実的に余りよく、とは思いますが、私のように都会も地方もいろいろあるところの選挙区からいいますと、今言われた話で一番難しいのは、やはり遺産なんですよ。
みんなよく農地を、例えば私が年をとって後継ぎがいないというところに、岩屋さんが来て貸せと言ってきたとしますよ。そうすると、貸したらとられる、岩屋だからとるんじゃありませんよ、例えが悪いかな。では、今枝だったらとられるんじゃないかなと思うわけです。
どうしてそういうことになるかといいますと、これは、戦後、農地解放があったときに、地主は全部農地はとられたんですよ。とった方はよく覚えています。だから、自分も貸したらとられるかもしれないというのは、六十年前、七十年前の記憶ですから、みんな結構おありなんですよ。これはもう、年寄りに聞いたら皆同じことを言われますから。
ですから、私は、これは随分調べたので、結構これだけは詳しくなったので先に今手を挙げさせていただいたんですが、目的は、本来は農地の集約を目指しておられるわけでしょう。そうすると、農地の集約をやられるんだったら、むしろ県が、浅尾さん、あなた後継ぎおらぬのやから、神奈川県に貸しないと言うわけですよ。そうすると、神奈川県が借りるわけです。神奈川県が岩屋さんに貸す。ここが媒介すると、何となく、市はちょっとだけれども、県ならちょっと信用がある。市会議員をばかにするわけじゃありませんけれども、これは誰に聞いても同じことを言うから僕は例として例えているだけであって、国会議員だったら信用があるとか全然わかりませんから。ただ、県は信用がある。県会議員があるかないかは全然関係なく、県に信用がある。僕は、これはもう自分で何十人も当たった結果、その結論に達しているんですけれども。
ぜひ、その意味で、そういった方々は県を媒介させるというやり方の方が、今のものは現実的じゃないかなという感じだけはしております。
○浅尾委員 私が申し上げたのは、貸すんじゃなくて売っていただく。売っていただいた場合には、譲渡益も課税しないし、相続税もそこは、売った金額が、例えば一千万なら一千万で売れましたといったら、一千万については相続税も免除するぐらいの思い切った施策が、その売る先が県であれ誰であれ、あった方がいいのではないかという趣旨でございます。
予算に関して、この予算のお金の使い道、補正予算とはちょっと直接、今回のということではありませんが、大変遺憾だというふうにお答えいただけると思いますが、偽装除染という形のものが出てまいりました。
この偽装除染について、まず、環境大臣お出ましいただいておりますので、どういう認識を持っておられるか、遺憾だということなんだと思いますけれども、その認識について伺いたいと思います。
○石原国務大臣 浅尾委員にお答えいたします。
午前中の審議でもこの問題が取り上げられ、私としても遺憾でありますし、何と申しましても、被災地の方々にとりまして、この除染なくしてふるさとで生活することができないということでありますので、そのような事案が、一つ、二つ、数にかかわらず、そういうことのないように今指導を徹底強化させていただいているところでございます。
○浅尾委員 ちなみに、この偽装除染を最初に環境大臣が知ったのは、いつ、どういう経緯でしょうか。
○石原国務大臣 偽装除染という言葉は今委員の口から初めてお聞きしたのでございまして、私は、適切でない除染が行われているのではないかというような報道がなされているということを一月四日に秘書官を通じて聞かせていただきました。
それに対しまして、私の指示は、それが一つなのか二つなのか、あるいは面的に行われているのか。今、冬でございますので、除染の箇所は減っております。しかし、それでも数百カ所行われております。これが、雪が解けますと、またその場所もふえてくる。そして、これを実際に行ってくださっている方々の全てがそのようなことをやっているとは私は到底思えない。と申しますのも、大多数の方が、本当に福島県出身の方が、御自身の町で、御自身の村でそういう仕事に従事をしてくださっている。
ですから、徹底的な事実関係の確認と、いつから新年の除染がスタートするんだということで、翌週の月曜日からであるということでございますので、では、管理、元請が行っているわけでありますけれども、発注者である環境省としての管理を徹底するように、そういう指示を出させていただきました。
○浅尾委員 お役所は一月四日が仕事始めでありまして、当然、大臣がおっしゃったように遺憾だということであれば、大臣の年頭の訓示でもそういう話をされたのかなと思ったら、どうも一月四日は登庁されておられないということでありまして、その日はどこにいらしたのか、お答えいただきたいと思います。
○石原国務大臣 一月四日は新聞でその事実を確認いたしました。そして、そのときに、いつ事実確認をして、どれだけのことの情報収集が一体いつできるのかということを聞きましたところ、日曜日であるならば、ある程度のものを集めることが可能である、一堂に会することができるということでございますので、その日はそういう指示を出させていただいたところでございます。
○浅尾委員 どこにいらして、その指示を出されたんでしょうか。
○石原国務大臣 一月四日は登庁しておりません。家庭から御連絡をさせていただいたところでございます。
○浅尾委員 御自宅から連絡をされたということでございますね。
要するに、一月四日の仕事始めでありますけれども、いろいろな御事情でお休みになられるというようなこともあろうかと思いますが、あえて、御自宅にいられたけれども、登庁するほどのものではないという理解をされたということですか。
○石原国務大臣 何度もお話をさせていただいておりますが、事実関係の確認にどれだけの時間がかかるのかということを秘書官を通じて原局と話をいたしました。その事実、あるいは、他に同じようなことが行われているのか、それともそうでないのか、また、担当者が、そのときはたまたま副大臣も政務官も東京にいないということでありますので、そうであるならば、一堂に会す、一体いつがいいのか、そして、新年の除染が一月七日からスタートをする、それまでに的確な情報、そしてそれに対する対策をしっかりと組めるようにというような指示を出させていただいたわけでございます。
○浅尾委員 ということは、仕事始めの日に環境省には当然、年頭の訓示は誰かがされるわけでありますが、どなたが仕事始めの訓示をされたんでしょうか。
○石原国務大臣 一同への年頭訓示、これがどういうものか、委員の御指摘はわかりませんけれども、幹部職員が一堂に会したのは一月七日でございます。
○浅尾委員 それぞれの役所の一般的な訓示の日というのは多分そろっているんだろうというふうに私は思います。
それで、委員長にお願いしますが、過去の環境省の、今申し上げております年頭のトップが挨拶をした日の時系列の資料をお出しいただきたいと思います。
○山本委員長 後刻、理事会で協議をさせていただきます。
○浅尾委員 それでは、次の質問に移らせていただきたいと思いますが、きょうは日本銀行の総裁にもお出ましをいただいております。
白川総裁にお伺いをさせていただきたいと思いますけれども、日銀は、民主党政権のときは、物価変動目標ということを使っておったかどうかは別として、一%という数字でありました。これを今回二%に引き上げをされましたけれども、このことは、日銀の判断において、さきの総選挙はどういう比重を占めていたのかを伺いたいと思います。
○白川参考人 お答えいたします。
日本銀行は昨年、中長期的な物価安定のめどというものを発表いたしました。議員御存じのとおり、これは、二%以下のプラスの領域で、当面は一%を目指すということを申し上げました。
そう申し上げた上で、今後、成長力強化に向けた取り組みが進展していきますと、この一%がだんだんに上がっていくということを、二に上がっていくということを申し上げておったところでございます。それで、十月末に、民主党政権のもとで、共通理解という文書を発表いたしました。
その時点と、それから一月の間にどういうふうな変化が起きたかということでございます。
この間、世界の金融市場では、欧州の債務問題について、最悪のシナリオが後退するということで、あるいは、米国においても、特にこの十二月から一月にかけてそうでございますけれども、いわゆる財政の崖がとりあえず回避されるという見通しが立ってまいりました。
そういうもとで、国際的に投資家がリスクをとれるというふうになってまいりまして、従来は安全通貨であった円に対する需要がありましたけれども、それが、相対的に円買い需要が減ってくるという形で、円安方向の動き、あるいはそのもとでの株価の上昇ということも起きてまいりました。
一方、国際経済、海外経済自体も持ち直しの可能性が少しずつ高まってくるということでございます。
そういうもとで、日本銀行の経済、物価の見通しも、これは十月対比上振れということになってまいりました。数字で申し上げますと、二〇一四年度は、これは消費税を除くベースで、プラス〇・九%でございます。
したがいまして、だんだん一%をうかがうという領域になってまいりましたので、それでは、この一%を超えた世界において、日本銀行はどういうふうに行動をしていくのかということを示していく必要があるというふうに判断いたしました。
その上で、私どもとしては、幅広い主体による競争力、成長力の強化に向けた取り組みが進展していくという認識に立ちまして、この二という数字を出したところでございます。この二という数字を出すことによって、物価が下振れするあるいは上振れする、これをともに防いでいく、いわゆるアンカー効果といいますか、物価安定化効果、そうしたものも期待できるというふうに判断しました。
○浅尾委員 随分長くお答えいただいたんですが、私の質問は簡単で、その判断をするに当たって、さきの総選挙は、一%でも比重の中に入っていたのか、全く入っていないのかということです。
○白川参考人 私どもは、さまざまな御意見にいつも謙虚に耳を傾けております。もちろん選挙の結果もそうでございますし、それからさまざまなエコノミストの議論も含めまして、これは丹念に点検しております。
そうしたことを踏まえて、先ほど少し長く申し上げて恐縮でございましたけれども、その上で、私どもとして判断を行ったということでございます。
○浅尾委員 なぜこういうことを伺うかというと、今の日本銀行法のもとでおきますと、理念という言葉を使っておられる部分もありますし、目的という言葉を使っている部分もあると思いますけれども、いずれにしても、物価変動目標は日本銀行が決めるという解釈になっています。
ちょっと細かい話でいいますと、今度、総裁は御退任をされますけれども、別に人の財布にどうこうするつもりは全くないんですが、退職金の規定を調べたら、要するに、ある金額が決まって、ゼロから二の間の業績を日銀の審議委員会が決めるということなんですが、目標も自分で決めて、手段も自分で決めている中で、業績評価というのはちょっとどうかなというふうに思うものですから、それは御自分で。
要するに、選挙は確かに、今の法律を読めば、日銀がそれを受けて決めたとはなかなか言えないことだと思いますけれども、そういうことがやはり、民主主義の世の中、国民の判断が必ずしも常に一〇〇%正しいかどうかという問題は別として、そういう問題点があるんだということを、退職金の話は例として申し上げさせていただきたいというふうに思います。
そのことを踏まえて、今の法律は、政府として、物価変動目標、今、白川総裁は、それはいろいろな声をということを言いましたけれども、私は、選挙を経て、仮に、逆に、選挙の結果がかなり大きな比重を占めましたといったら、これはまた日銀の今の法律のもとでの独立性において、かなり答弁としておかしな答弁になっちゃうなと思っていて、白川総裁はさすがに答弁はうまいなというふうに思って聞いておったわけであります。
政府は、この物価変動目標を、少なくとも、みんなの党の案は、これは政府の責任において決めて、手段は日銀がそれを実現するという案でありますけれども、自民党が自民党の財政部門会議ですかで決めた案は、政府と日銀で共有するというような案を決められているというふうに聞いておりますが、そういうふうにした方が、むしろ責任の所在がより明確になるんじゃないか。
つまり、今の法律のままでいうと、何党であれ、物価変動目標をこういうふうに変えますよということだけでは変えられないということになってまいりますので、そのことについての政府の考え方を伺いたいと思います。
○安倍内閣総理大臣 今回は、政府と日本銀行で共同文書を発出いたしまして、その中において、政府と日本銀行が緊密に協議をした結果、二%という物価安定目標、これは日本銀行が決めたわけでございます。
また、他方、我々は、この二%の目標達成とは別に、さまざまな改革努力をしていく、あるいは財政の規律を守っていく等々のことを実行していくわけでございますが、今、浅尾委員がおっしゃった問題意識、これは、自由民主党の多くの議員もそうした問題意識を持っているのは事実でございます。
つまり、いわば手段と目標、この政策的な目標については政府が決めて、そして手段については日本銀行。政策的な目標を決めたことについては、政府は選挙において国民に対して責任をとっていくということになるわけでありますし、日本銀行は政府に対して約束したことを手段でもって実行できるかどうか、そういう明確な責任が明らかになるわけでございます。
いずれにせよ、自民党の中におきましても日銀法の改正について議論もしておりますし、御党ともさまざまな協議をしていると思います。現時点ですぐに変えるということは私も考えておりませんが、大切なことは、私は、まず結果を出していくことが求められているんだろう、このように考えております。
○浅尾委員 時間も限られているので、次の項目に移らせていただきたいと思います。
私どもは、積極的に、今までの質疑でもそう思っていただければと思いますが、具体的な提案をしていただいて、賛否はいろいろあると思いますけれども、こういうふうにしたらいいという提案をさせていただきたいと思います。
その一つが歳入庁ということなんですが、歳入庁というのは、基本的には、公的保険の徴収については、今の国税庁と、日本年金機構の徴収部門の機能だけを一元化しようというのが我々の案であります。
まず、そもそも論の、今の年金についての考え方について伺ってまいりたいというふうに思います。
一つは、今の年金、例えば国民年金一つをとらせていただきますと、御負担いただく保険料よりは多く年金は支給されます。
しかし、御案内のとおり、これは保険料と同額税金が入っているので、では税金は誰が払っているかといったら、国民がひとしく、ひとしくというのは、額が等しくじゃなくて、国民全員が払っているというのが税金だということを考えると、大体、私も含めてでありますけれども、五十三歳以下の方は、払った保険料プラス御自身が払っている税金を勘案したら、その額ほど戻ってこない仕組みになっています。
これは二〇一〇年の計算なのでちょっと変わっているかもしれませんが、二〇一〇年生まれのゼロ歳児、その当時でいうと大体七四%しか戻ってこないという仕組みになっています。これは保険料プラス税金でありますから、保険料だけだったら、繰り返しになりますけれども、それより多くもらえますが、しかし、税金は誰が払っているかといったら、みんなで払っているということを考えると、七四%。
つまりは、これは、なおかつ保険料の場合は所得税から控除されるので、収入が多い人になると控除される分を戻すといっぱい戻ってくるとか、いろいろな難しい計算もありますけれども、そういうのを捨象すると、保険料プラス税金ほどは戻ってこない。
ということは、これは厚生年金についても、企業主負担を入れれば同じなんですけれども、逆に言えば、そういう、特に厚生年金の報酬比例というのは税金が入っていませんから、企業の分を入れれば、払った保険料ほどは戻ってこないということを考えると、これは、国民の意識からすると、税金のようなものだ、払ったほど戻ってこない。税金を払った以上に戻ってくる場合もあるかもしれませんが、税金のようなものだというふうに思われているんですね。一方で、徴収が余り進んでいないというのもみんな知っている。
だから、徴収だけについて言えば、国税の方がはるかに今の日本年金機構の徴収部門よりも効率よくお金が集められるので、そういうものをつくっていったらどうかというふうに思いますが、そのことの考え方について御意見があれば伺いたいと思います。
〔委員長退席、小此木委員長代理着席〕
○甘利国務大臣 厚生年金であるとか健康保険の未徴収者が社会問題化しておりまして、この問題をどうやってより効率よく徴収率を上げるか、いろいろ議員から御指摘を今までもいただいてまいりました。
当面の知恵として、これも御指摘が今までもあったと思います、法務省の法人登記簿情報の活用ということで、これを使って徴収率を上げていこうということ、これも御指摘をいただいた知恵を使わせていただいているところでございます。
それからもっと進んで、歳入庁について、これは、税を徴収するシステムを使って徴収すればもう間違いなくというお話でございます。
もちろん各党内にいろいろ、賛否両論ございまして、こういう点がある、ああいう点があるという議論はございます。ございますけれども、かつての三党合意に基づいての御指摘の点についての検討をするということで、これは、もちろんするしないも含めて検討していく体制を、内閣官房副長官を座長とします関係省庁の政務官による検討チーム、これを今週中にも立ち上げて、そこで検討してもらう予定にしております。
○浅尾委員 実は、私から見ると、保険料というのはさまざまな、いろいろな意見があるからそうでないという意見もあるかもしれませんが、不公平が現に存在をしております。
例えば、今の健康保険も、あるいは厚生年金も、それぞれ、月収に上限を定めて、上限を超える部分については払わなくていいよという仕組みになっています。先ほど申し上げましたように、労使合算したら、厚生年金も払った分ほどは戻ってこない仕組みになっているということなので、それに上限があるということは、その分だけ得するということなんだろうと思います。
ちなみに上限を申し上げますと、厚生年金は六十二万円、ボーナスは別途、一応百五十万ということになっています。健康保険は百二十一万というのが上限で、ボーナスはたしか百八十万というのが上限なんですが、世の中には、百五十万や百八十万をはるかに超えるボーナスを得ておられる方もいらっしゃるし、あるいは月給も、今申し上げた金額をはるかに超える収入を得ておられる方も、多くはいないと思いますけれどもいらっしゃるのも厳然とした事実であります。こういったものの、歳入庁をつくるに当たって、徴収を簡素化するという意味でいえば、上限を取り外すということも一つの考え方だろうというふうに思います。
歳入庁をつくるつくらないかの答弁は、今、甘利大臣からいただきましたので、上限を取り払うことについての考え方、哲学、どういうふうに思われるか、伺いたいと思います。
○田村国務大臣 浅尾委員から御質問いただきましたが、まずその前に、先ほどの国民年金の考え方なんですけれども、税まで入れるかどうか、つまり、自分が払った分にという、保険料がわりですね。
多分、もらう方からしてみれば、保険料として納付したものに対して幾ら給付があるかという話でございますので、税まで幾ら払ったかというのは多分、年金をもらうために自分が幾ら税を払ったかというのはわからないわけですよね。ですから、ここはカウントされるのはどうなのかというふうに我々は思っておりまして、そう思うと、先ほどのお話でいきますと、大体一・五倍ぐらい、今ゼロ歳の子供でももらえるということでございます。
何よりも、長生きのリスクでありますとか、それから物価が上がったり所得が上がっていくリスクというものを今のこの方式というものは一応リスクヘッジしている部分でございますので、そういう基本的な考え方がある。
積立方式は、一方で私もそういう考え方もあるなというふうに思いますが、これはまた一方で、移行期間に二重払いの保険料が生まれるだとか移行期間が四十年ぐらいかかるのではないかとかいろいろな問題があるということがあるので、それだけは申し上げておきたいと思います。
それで、今のお話なんですけれども、これも、例えば健康保険の場合は、病気になったときの現物給付ですよね。ですから、保険料を多く払ったからといって給付がふえるわけではない。一方で、年金の場合は、やはり保険料を多く払えばその分だけもらえる年金もふやそうというような、そういう制度設計になっています。
ですから、年金の場合のことを考えると、その制度設計をどう考えるかによって、あくまでもこれは税でありません、年金財政にかかわる余裕というものをつくるのかどうか。
一方で、健康保険の場合は、これはもう全く保険料と給付とが連動しておりませんから、所得の再配分みたいなものを保険料でやるということを考えるべきなのか、それとも税でやるべきなのか、ここはいろいろな議論があろうと思います。
○浅尾委員 これはちょっと、時間が余りないので、しっかりと今度、歳入庁も含めて議論させていただきたいと思います。
最後になると思いますが、もう一つ、我々は、公務員の人件費について、これを改正する法案というのも用意をしております。きょう人事院の総裁にお越しいただいていると思いますが、私が一番その中の、法案の中にも書き込んでおりますが、今の国家公務員の昇給の仕組み、これは非常におかしいなと。
要は、どういうことかというと、五段階の評価をする、そこまではどなたも文句はないと思います。五段階の評価をして、一番高い人は通常の人の倍昇給する。二番目のランクの人は一・五倍だ。Cランク、三番目が通常どおり。Dランクは通常の〇・五倍。Eランクは昇給しない、一年たつと定期昇給ですね、定期昇給に値しない。ここまでは私も、その制度設計自体は反対をしておりません。
問題は、Aに何%割り振る、Bに何%割り振るということなんですが、Aには全体の五%、Bには全体の二〇%、Cには五〇%なら正規分布になるんですが、C以下は決めていないので、結果としてCに七二%割り振られているというのが今の実情だというふうに理解しております。
したがって、上がる方は二五%自動的に、毎年毎年、普通の人より上がる人がいる。下がる方が三%しかいないというのは、私は設計上おかしいなというふうに思っておりまして、今申し上げたことがそのとおりの状況であるのかどうかを、人事院総裁にはイエス、ノーだけで答えていただいて、そうだとしたら、それを今の政権の皆さんがどう思われるかということをお答えいただきたいと思います。
〔小此木委員長代理退席、委員長着席〕
○原政府特別補佐人 お答えをいたします。
御質問はイエスかノーかということでございますが、昨年も同趣旨の御質問をいただきまして、お答えをさせていただきました。
制度としては、ただいま御説明があり、また現状も御指摘のような形になっていることは事実でございます。
○浅尾委員 今のことを聞かれて、安倍総理は公務員制度改革にも御熱心だというふうに伺っております。
私、一つだけ具体例で申し上げます。ことしのお正月に、ある地域の方とお話をして、これは地方公務員になりますけれども、昨年の総選挙に際して、休日出勤をすると、大体その人は三万円ぐらいもらえる。地域間の給与の格差というのは物すごく大きくなっていて、これが怨嗟のもとにもなっているということもあります。
その高くなっている理由が、今申し上げた、一つが昇給制度だということも含めて、総理の公務員制度改革に関してのお考えを伺って、終えたいと思います。
○安倍内閣総理大臣 いずれにせよ、公務員制度改革については、我々もしっかりと改革の信念を持って進んでいきたいと思いますが、いわば、しっかりと仕事をした人が正しく評価される、この評価が極めて重要なポイントなんだろうな、このように考えております。
そういう観点からも、もし変えていく必要があるのであれば、我々は勇気を持って変えていきたい、このように思っております。
○浅尾委員 終わります。