あさお慶一郎(前衆議院議員 神奈川4区)

2008年01月10日 (木)

参議院 外交防衛委員会 18号 平成20年01月10日

168-参-外交防衛委員会-18号 平成20年01月10日

○佐藤正久君 自由民主党の佐藤正久です。

本日でこの委員会の質問、八回目になります。ただ、今日は初めて民主党側から出されましたいわゆるテロ根絶法というものについて質問させていただきたいと思います。

法案提出まで党内で多くの議論があったということを仄聞しておりますし、先日の委員会での法案提出が十二月の後半になったということの理由の答弁からもいろいろあったんだろうなということが推察されるんだと思います。ただ、この委員会で、ある民主党の委員からは補給活動に反対するのが民主党の対案だという発言があって、当時の町村官房長官があっけに取られたような表情をされたというのが今でも私の記憶に非常に残っているんですけれども、そういうことを考えれば、この法案を出すまでには本当多くの多分調整なり時間が掛かったんではないかなと、法案提出者の御努力は大きいものがあったというふうに私自身思います。

その法案の中身につきましても、いわゆる一般法の制定とか任務遂行の武器使用とも取れるような踏み込んだ点があって、個人的には御努力を評価したい部分もありますけれども、全体的な評価としましてその実効性という点についてやっぱり疑問を抱く点がありますので、それについて質問をさせていただきます。  この種法案というものは、派遣される民間であれ自衛隊員であれ個人や部隊に対して実行を命ずる性格のもので、国益とか派遣される隊員の安全確保というものは重要な要素だというふうに思います。議論のための法案というものではありませんので、その面は非常に考えないといけないなと思います。

一昨日の公明党の浜田議員からの質問の中で、実際には何にもやらない法案ではないのかという指摘がございました。それに対して法案提出者からは、そうではありませんという御答弁がありました。

この法案の有効期間は施行後一年となっております。これは中身についてもいわゆるメニュー法で、活動内容も治安分野の改革支援活動と人道復興支援活動と大きく二つに分かれております。それでは、実際に施行後半年以内にアフガニスタンにおいて行う活動は何なのか、それぞれの二つの分野について具体的に項目でお答えください。

○浅尾慶一郎君 佐藤委員の御質問にお答えいたします。

法律の施行後半年以内に行う活動は何かということでありますが、今委員御指摘のとおり、この法律の中におきましては治安分野改革支援活動というものと人道復興支援活動という大きな二つのメニューがございます。加えまして、抗争停止合意に向けての外交努力というものがあるわけでありますが、御案内のとおり治安分野の改革につきましては現在でも行われるところもあると思いますし、この定義を申し上げますれば、武装解除の履行の監視及び当該武装解除の履行により武装を解除された者の社会復帰等の支援、及び警察組織の再建その他アフガニスタンの国内における安全及び安定を回復するための改革が治安分野改革支援ということでありますが、御案内のとおり我が国はDDRということで、その治安分野改革において国際的に評価される成果を上げております。

このDDRを、しかしながら分析をいたしてみますと、これは北部同盟の武装解除ということでありまして、現在遂行しなければいけないのは、DIAGと言われる北部同盟以外のタリバンも含めた武装解除ということになってくるわけでありますが、当然、現在でも武装解除ができればこれはやっていく、その支援をしていくというのは当然のことでありますが、先ほど申し上げました抗争停止というものがあった方が今まで武装解除に応じていない勢力の武装解除も進むんではないかということで、御質問に対するお答えとしては、治安分野改革は法施行後直ちにできますし、併せて外交努力によって抗争停止をしていこうということを考えております。

その和平プロセスが進み抗争停止合意が成立していく状況となれば、人道復興支援活動として、被災民の生活若しくはアフガニスタンの復興を支援する上で必要な道路、水道、農地、かんがい排水施設等の農業用施設その他の施設若しくは設備の復旧と、これは農地にある地雷の除去を含みますが、そういったようなことに力を入れていく。あるいは、アフガニスタン特別事態によって汚染その他の被害を受けた自然環境の復旧、医療あるいは被災民に対する食糧、これは洋服の方の衣料ですね、衣料、医薬品その他の生活関連物資の輸送又は配布等もこれは和平プロセスが進んだ後、抗争停止合意が成立していく状況となれば人道復興支援としてやっていくと。

後段の人道復興支援については、したがってその活動が、抗争停止の合意が成立している地域あるいは二次被害が生じていない地域ということですから、半年以内にできるだけそれを目指していきたいということだけは申し上げておきたいと思います。

○佐藤正久君 じゃ、今の要約をしますと、取りあえずは治安分野の改革支援活動と抗争停止合意の外交努力を行うということだというふうに理解いたしました。

ただ、抗争停止合意を外交努力でやるということですけれども、こういう外交努力というのを法案に法定事項として書くということはこれはなじむんでしょうか、お伺いします。

○浅尾慶一郎君 先ほど委員がメニュー法であるという御指摘をいただきました。このメニューを実現するために一定の条件を設けているというのが、その条件の中に外交努力が入っているということでありまして、その外交努力だけを取り出して法律になじむかといえば御指摘の点もありますが、しかしメニュー法の中の条件ということで是非御理解をいただければというふうに思います。

○佐藤正久君 それでは、治安分野の改革支援活動、主体的には今外務省が主体的に行っているような活動のような印象を受けましたけれども、これは法律として定めなければできない活動なんでしょうか。

○浅尾慶一郎君 これも繰り返しになるかもしれません。治安分野の改革ということだけを切り出していえばそれは法律として定めなくてもできますが、しかしそのメニューの中の一つとして治安分野を入れていく、あるいは人道復興支援活動を入れていくと、幾つかメニューの中の一つとして法律の中に定めているということで御理解をいただければと思います。

○佐藤正久君 じゃ今外務省がというか、日本政府が行っている治安分野の改革支援との違いは何かあるんでしょうか。

○浅尾慶一郎君 先ほどの御答弁と繰り返しになるかもしれませんが、先ほど申し上げました治安分野改革で我が国が成果を上げたDDRというものがございます。しかしながら、これは北部同盟の武装解除が中心であるというふうに私どもは認識をしておりまして、旧北部同盟というふうに申し上げた方がいいかもしれません。これはボン合意の当事者でもあったというふうに理解をしております。正確にはもう少し言葉としては別な言い方をした方がいいかもしれません。

しかし、今進めなければいけない武装解除は、タリバン勢力を中心にボン合意の当事者ではありません。その当事者でない人たちの武装解除を進めていくためには、これはなくても今の恩赦法の中でもできる枠組みというのはありますが、しかしながらそれを更に促進していくということであれば、より、アフガニスタンのカルザイ政権あるいはタリバンからも、米国あるいはヨーロッパ諸国とは多分日本は違った目で、アジアの国である、あるいはキリスト教国ではないという点で違った目で見られているということで、我が国が外交努力を進めていくということで治安分野改革を更に促進していくことができるというのが私どもが提出をいたしました法案の特色でありまして、現在の外務省がそれを包括的なパッケージとして行っているというふうな、もちろんそういう意識は持っておられるというふうに思いますが、パッケージとして行っているという認識を持っていないということが違いだと思います。

○佐藤正久君 よく分からないんですけれども、今までのこの委員会でいろんな議論があった中で、外務省の方は、今はDDRというものはもう一応一段落終わりまして、今DIAGというものを中心に、警察分野の改革あるいは司法分野の改革、復興支援分野の改革などと連携をしながら、正に今パッケージとしてやっているという答弁を何回も聞いたと私は認識しているんですが、どこが違うのか明確にお答えください。

○浅尾慶一郎君 繰り返しの答弁になりますが、DIAGを実効性のあるものにしていくためには、今カルザイ政権とタリバンとの間には、先ほども憲法論議がありましたが、いわゆるタリバンをどういう組織と認定するかという問題は別として戦闘状態にある、あるいは武力の行使が行われているという状況であります。ですと、いわゆる抗争を停止をさせないことにはDIAG、DIAGは非合法武装集団の武装解除ということだと思いますが、抗争停止がしない限りには武装している当事者が武装解除に応じるということに私はならないんではないかと。

つまり、武装している当事者、武装していることの客観的な是非は別として、当事者の立場からすると、合意がない中で自ら武器を放棄するんであればそもそも戦闘行為は行われないというふうに私どもは認識をしておりまして、そうだとすれば、その当事者間の抗争停止の合意を取り付けていくことには大変な意義があるというふうに私どもは考えております。

○佐藤正久君 正にそれを今やっていると思うんですよ。それがなかったら武器の回収なんかできないわけでありまして、正にそういう、抗争停止合意という表現が正しいかどうか分かりませんけれども、そういう環境をつくりながら武器の提出を願っていると。今委員が言われていることは、外務省が中心になり今やっていることとそんなに変わらないというふうな認識しか持てないわけで、治安分野の支援活動は抗争停止合意がなくても行う活動ですよね、この法律上は人道復興支援活動ではありませんから。そういう中で肩代わり的なものをやっていくと。

これは外務省の方にお伺いします。今の説明を聞いて、今外務省が中心にやっている治安分野改革との違いというものは、何か今の答弁の中でもしも感ずることがあればお答えを願いたいと思います。

○国務大臣(高村正彦君) 旧国軍兵士を対象としたDDRでは対処されなかった非合法武装集団の解体が今アフガニスタンの現在の課題の一つとなっている、今議論されているDIAGであるわけであります。

我が国は、これまでに三千四百万ドルのODA支援、日本での累次にわたる国際会議開催のほか、現地においては、在アフガニスタン日本大使館の大使以下総力を挙げてアフガニスタン政府や非合法武装集団に影響を有する政治家に働き掛ける等、積極的に取り組んでいるところであります。DIAGの成果としては、治安が比較的安定している北部地域を中心に、これまでに千七百七十名の地方司令官、武器所有者がDIAGに応諾し、武器約三万五千丁、弾薬、砲弾約二万九千箱及び三十一万個が回収されているわけであります。

このように我が国の取組は成果を上げておりますが、依然道半ばであり、引き続き同様の取組を人事面や予算面にも配慮しつつ積極的に進めていく所存でございます。

今これ進めているところで、何か法律の裏付けがないとできないとか、そういうことは全くないと、こう思っております。法律があったら邪魔になるかどうかは別として、無益ではあると思っております。

○佐藤正久君 私も、治安分野の改革を支援するのは非常に大事だと思っています。ただ、これを法に本当に書いた方が実効性があるのかどうかと。法律に書いてあること以外はできなくなってしまうことも可能性としてはゼロとはしませんので、今ある分野を更に拡充していくというなら何か話は分かりますけれども、その具体策が今の答弁からくると、今までは北部同盟を中心にやりました、今度はそうじゃなくて南部あるいは南東部の地域まで広げるんですよ、人員を充実するんですよと、具体策がこの答弁の中で出てくれば違いというのは明確になるかもしれませんけれども、今まで聞いている範囲としては、わざわざ法律に書いてやる効果というのがよく見えてきませんので、最後にもう一度その点お願いします。

○浅尾慶一郎君 DIAGについて申し上げますと、現在カブールの日本大使館で担当されておられる方は、専門の担当官ということではなくて兼任という形で約二名ということでやっておられるということでありまして、私どもは、先ほど申し上げましたように、今のアフガニスタンの状況を考えたらこのDIAGということは、あるいは武装解除ということの促進をしていかなければいけないと。

先ほどと、答弁と重なりますが、武装している人たちはその武装をするなりの理由が、そのことが正しいかどうかは別として、あるということだとすれば、その人たちが武装をしなくなるような環境をつくってあげることが必要だろうと。そのDIAGの担当官を増やしていくことももちろん考えていくことは必要だと思いますが、同時に和解の促進ということもやっていこうという、そのことの二つが法律に書いてあることでありまして、したがってそれは積極的に我が国として取り組んでいく課題であり、それを法律の中のメニューとして書いてあるということであります。

○佐藤正久君 我が国もDIAGの支援国のリード国として状況に応じてどんどん体制を整備していくというのは当然の話でありまして、それは当然政府の方も考えている話でありまして、先ほどの外務大臣が答弁ありましたように、まだ緒に就いたばかりであると、DIAGについては。これからどんどん状況を見てやっていくということだと思いますので、これを法律の中で書き込んでいくのが本当にどうかというのは今後も検討する必要があると私は思います。

次に、法案の中に書いてあります自衛隊における人道復興支援活動というものについてお伺いさせていただきます。  自衛隊における実際の人道復興支援活動というものを行う場合に、どういう場所であるいはどういう内容を今考えておられるのか、その際にISAFとの関係をどのように考えているのか、これについて御答弁願います。

○浅尾慶一郎君 自衛隊による人道復興支援活動ということでございますが、この法の第四条第五項において、自衛隊が実施するアフガニスタン復興支援活動については人道復興支援活動に限るというふうにしております。今、隊ということを強調いたしましたのは、先ほどのDIAGは武装解除ですから、武器の専門家としての自衛官が大使館に派遣されていくことは治安分野改革としてこれは否定していないということも付言をさせていただきたいと思います。

その人道復興支援活動は、法律の中で、抗争停止が成立している地域であってそこで実施されている活動の期間を通じて当該抗争停止が維持されると認められる地域又は当該人道復興支援活動に対する妨害その他の行為により住民の生命若しくは身体に被害が生じることがないと認められる地域において実施するというふうに規定をされております。

後段のところはなぜそういったことを置いてあるかといいますと、現在のアフガニスタンにおいて、趣旨としては人道復興支援活動、PRTということで行っているものであっても、結果として、PRTそのものというよりかは治安維持と組み合わされることによって、本来のテロリスト以外の住民に対する二次被害がかなり発生しているというふうに私どもが現状を認識しておりまして、そうした二次被害が生じることによってかえって事態を悪化させているということから今の後段の規定を置いた次第でございます。

人道復興支援活動の内容としては、被災民の生活若しくはアフガニスタンの復興を支援する上で必要な道路、水道、農地、かんがい排水施設等の農業用施設その他の施設若しくは設備の復旧、これは農地にある地雷の除去を含むということでありますが、あるいはアフガニスタン特別事態によって汚染その他の被害を受けた自然環境の復旧、医療、被災民に対する食糧、衣料、医薬品その他の生活関連物資の輸送又は配布、行政事務に関する助言又は指導、及び前各号に掲げる業務に類するものとして政令で定める業務というふうに指定されております。

自衛隊が活動する地域については、当然ながら、アフガニスタン政府や現地のニーズ及び他国の部隊との関係を踏まえて我が国政府が指定することとなるということで、先ほど、その地域ということでありますが、当然のことですけれども、まだこの法律も施行されておりませんが、したがって抗争停止合意と法律が定めているような合意が成立している地域が今の段階ではないと。ですから、法律施行後、可及的速やかにそうした地域が出てくるように努力をしていきたいというふうに考えております。

○佐藤正久君 質問の後半部分の自衛隊が活動する場合のISAFとの関係について、再度御答弁願います。

○浅尾慶一郎君 ISAF、当然他国の軍隊が行っている治安維持活動だということだと思いますが、その治安部隊との関係については、今後実現する抗争停止合意の内容あるいはそのときのアフガニスタンの治安状況、国連安保理決議によって他国の治安部隊に与えられた任務などによって、様々な要素を勘案して決定されるべきものであって、現在その抗争停止合意がまだできておりませんので、今日の時点でISAFとの関係について確定的なことを申し上げることは難しいということを申し上げておきたいと思います。

○佐藤正久君 浅尾委員にしては余りはっきり言わないような答弁だと思います。

ISAFの指揮下に入る場合もあるし入らない場合もあるということでよろしいんでしょうか。

○浅尾慶一郎君 私どもはこの法律の中で抗争停止ということを定めておりますが、当然のこととして、抗争停止が実現をした暁には、現在のISAFの基礎となっている安保理決議一三八六に加えて、その延長線上かもしれませんが、新たな安保理決議が出てくるものだというふうに理解をしておりまして、法律の中で一三八六について言及をしておりますが、同時に、その他政令で定める安全保障理事会決議ということも書いてありまして、このその他というところに、新たなアフガニスタンの状況が変化したことによって出てくる安全保障理事会ということも法律の中で想定をしております。したがって、今お答えしたようなことで、その想定している新たな安保理決議が出ていない段階でありますので、現段階で確定的なことを申し上げることはできないという答えであります。

○佐藤正久君 全く理解できないんですが、現在の状況下においてこの法案を一応提出されたわけですから、自衛隊の活動も明確に一応法案にも書いてあるわけですよね。その前提としてISAFとの指揮関係がどうなるのかと、ここは今の現状と、これから出るかもしれないというんではなくて、現在の状況を考えてこれ出されているわけですから、ISAFの指揮下に入る場合もあるし入らない場合もあると、こういうことでよろしいんですか。

○浅尾慶一郎君 先ほど来御答弁させていただいておりますように、抗争停止ということをまず目指すということでありまして、この抗争停止が実現した暁には当然アフガニスタンの現状は変わりますから、変わるということを前提に、一三八六というものに加えて累次の安全保障理事会決議が出てきておりまして、先ほど申し上げましたように、法律の中でその他政令で定める決議、安全保障理事会決議ということを明記をはっきりとさせております。

したがって、これは法律の、今読み上げさせていただきますが、第四条基本原則の第五項ですね、自衛隊の部隊等が実施するアフガニスタン復興支援活動は、人道復興支援活動に限るものとする。この場合において、自衛隊の部隊等は、国際連合安全保障理事会決議第千三百八十六号及びこれに関連する同理事会決議第千五百十号その他政令で定める国際連合の総会又は安全保障理事会の決議に基づき、我が国の主体的な判断の下に当該人道復興支援活動を実施するものとするというふうに法律で明記しておりまして、このその他政令で定める国際連合の総会又は安全保障理事会の決議というのは、抗争停止後に必ず出てくるものだというふうに私どもとしては認識をしておりますのでこういう書き方をしておりまして、そのことを踏まえて、その段階で主体的な判断の下に当該人道復興支援活動を実施するということでありますので、先ほど御答弁申し上げましたとおり、現段階でISAFとの関係について確定的にお答えできないということで是非御理解をいただきたいと思います。

○佐藤正久君 やっぱり理解できないんですけれども、ISAFの指揮下に入るか入らないか以外の選択肢はないわけですよね。ですよね。今抗争停止合意がなされれば新たな安保理決議が出ると予想されるということですけれども、それは一部の地域、今までは一部の地域で抗争停止合意がなされたとしても安保理決議が出るということは今までのDDRのことを考えてもそれは想定しにくいわけで、ある程度地域が大きくならなければ抗争停止合意に基づく安保理決議というのはなかなか想定しにくいと思います。

であれば、本当に自衛隊をこの法律で出すということは非常に現実論からすると不可能なような、あるいは越えるべきハードルというのは一杯あるような気がしております。

実際にこの法案を、実行を命ずる法案です。机上の空論ではなくて、行きなさいということを命ずる法案です。向こうに行ったときの指揮関係が分からないとか、それによっては地位協定の云々、いろんなことが発生してきます。

これは外務省の方にお伺いします。もしも地位協定をアフガニスタン政府と結ぶということを想定する場合はどのぐらいの期間が必要なのか、お聞かせください。

○政府参考人(梅本和義君) 我が国とアフガニスタンとの間の地位協定というお尋ねでございますが、政府としてそもそも自衛隊の部隊をアフガニスタンに派遣をするというようなことについて具体的な検討を行っておりませんので、なかなかどのぐらい掛かるのかというようなことにお答えするのは困難でございますが、全くの一般論として申し上げますと、地位協定もいろんなパターンがございますが、かなり広範かつ複雑な内容を有することが多いということでございまして、これを相手国と交渉をし、また締結をするということになると相当の時間が掛かるというのが一般的な予測であろうかというふうに考えております。

○佐藤正久君 この法律の有効期間は一年なんですよね。そういうことを前提にいろんなメニュー法を書かれております。抗争停止合意をつくるにも時間は掛かるだろうと。実際にじゃそれから、言われたように基本計画を作るための多分偵察も必要でしょう。今言われた自衛隊の活動が行うためには地位協定が必要になるかもしれません。あるいは、ISAFとの関係を律しなければいけないかもしれません。

そう考えていくと、本当に一年という中でこの実効性を考えた場合、一年の以内に本当に自衛隊を現地の方に派遣をして活動をさせるという実行の可能性についてはどの程度皆さんで議論をされて書かれたのか。実行の可能性についてもう一度御答弁願います。

○浅尾慶一郎君 委員御案内のとおり、この法律は特別措置法ということになっております。その中で、先ほど申し上げました様々なまず前提の中で外交努力をした上で、まず付言をいたしておきますと、私どもは自衛隊を出すこと自体を目的としている法律ではないということを是非御理解をしていただきたいと思いますが、出すことが結果としてアフガニスタンあるいは国際的なテロリズムの根絶のために役に立つということであれば、その条件が満たされたときに出せるような法律になっているということでありまして、一年ということの中で必ず出さなければいけないということではありません。

逆の言い方をしますと、国際的なテロリズムの根絶のために法律の延長が必要であるとするなれば、その段階でそれを考えてやっていけばいいということでありまして、冒頭申し上げましたように、特別措置法を長い期間で作っていくということについてはやはりいろいろな意見があるのではないかということで、法律の期間として一年としているということで御答弁をさせていただきたいと思います。

○佐藤正久君 自衛隊を派遣するのが目的でない、当たり前でありまして、そのために行かされたらたまったものじゃないわけで、それはもう議論の前提事項として当たり前の話でありまして、大事なのはいかにアフガニスタンの民生支援をやるかと。それは当たり前の話です。  ただ、これは実行を命ずる法律です。実行を命ずる法律です。そのためにはいろんな手続事項が必要だと。であれば、どうしてそういう感覚の中で一年ということをやるのか、どうして一年半ではないのか、二年じゃないといけないのかと。

実際に、多分調査に行かれたかどうか分かりませんけれども、なぜ実行を命ずる法律で、メニュー法で書いておきながらやらないかもしれないと、そういうことをおっしゃるのか。これは実行を命ぜられる側にとっては非常に失礼な話だというふうに私は感じざるを得ないと思います。なぜ実行を命ずる法律なのに、考え方の法律じゃないんです、先ほど委員もおっしゃいました、これは議論をするための法律ではなく実行を命ずる法律だと。であれば、なぜ、そういう実行の可能性というものをやっぱり詰めた上で出すというのが私は本来の姿だと思います。

実際、じゃ今回の法案提出者の中でどなたか現地の方に今回調査に行かれた方がいらっしゃいますか。

○犬塚直史君 だれか提出者の中で現地に行ったかどうかという御質問ですけれども、要は現地の状況をよく肌身で分かっておるのか、その上で立法したのかと、そういう意味だと思います。

具体的には、例えば藤田理事が数度にわたってアフガニスタンの調査をされておる、あるいは党として言えば、アフガニスタンの調査団ということで何度か足を運んでおります。しかし、こういう形で言わばお客さんとして、現地で本当に活動して現地化をして土着化をして本当に現地のことが分かっているのかといえば、それは国会議員という立場ではなかなか難しいと。

しかし、その反対に国会として一番できることは、いろいろな方の御意見を国会に招致して真摯にこの話を伺うということはもちろん特権としてできるわけでありまして、そうした意味では、DDRの成功を収めた日本の代表の方ですとか、今現在アフガニスタン大使館でやっておられるDIAGの担当の女性の方ですとか、あるいは正に二十年以上本当に土着化して現地の人たちと一緒に今でもやっておられる中村哲さんですとか、あるいは日本のNGOの方々、そしてさらにはJICAの方も、中にはこういう紛争地域を十年以上にわたって本当にやってきたという専門家の方もいらっしゃいます。そういう方々、そしてアフガニスタンもちろん在日大使館、さらにはこれはちょっと間接的になるんですが、やっぱり現地で地上戦を戦っておられるNATOあるいはOEFの司令官、アイケンベリー准将などは、例えばですけれども、今のどんなにトレーニングをされた軍事組織、どんなにいい装備を持っていても警察の代わりは絶対にできないというようなことを参考にして、正に党内での議論を徹底的に行った結果この対案を出させていただいたということでございます。

○佐藤正久君 やはり今の答弁によりますと、法案を実際に作る過程においては行かれたことはなくて、その前の段階の調査というのが実地調査であって、それで法案を作るに当たっては人からの聞き取りというのが中心であったというふうに私は理解しました。恐らく今までの法律で、実際に実行を命ずる法律で現地に調査をせずに法案を出したということは、私の記憶ではないんではないかなと思います。そういう面で、いろんなところで実行の可能性という部分について疑問をまだまだ抱かざるを得ないというのが今私の率直な印象であります。

また、法案の中で、自衛隊の武器使用基準について述べられております。アフガニスタン復興支援活動の実施に対する抵抗を抑止するためやむを得ない必要があると認められる相当の理由がある場合とありますけれども、これは具体的にはどういうような場面をイメージされてこの文言が入っているのか、お聞かせ願いたいと思います。

○犬塚直史君 武器使用基準につきまして、確かに今までの自己又は自己の管理下に入った者を守るための武器使用ということから一歩踏み出して、目的遂行のための武器使用というところまで確かに踏み込んでおります。

その具体的なイメージとしては、例えば人道復興支援活動に必要な食糧その他のものを保存している倉庫に盗賊やあるいは武装した集団が入ってきたときにこれを阻止するために例えば威嚇射撃を行う、あるいはせっかく造ったかんがい施設等に対して攻撃を行う、目の前でそういう攻撃が行われているときにこれに対して威嚇射撃を行うというような具体的な例は想定をしております。

しかし、そういう具体論の前にもう一度、浅尾筆頭が先ほど来一生懸命御説明しようとしているのは、抗争停止合意後、紛争の当事者同士が抗争をやめようという抗争停止後の事態をこの法案では正に背骨として考えているわけでありまして、抗争停止後の国連の平和活動ということになりますと、正にノーベル賞をもらった国連の平和維持活動の停戦合意後の活動であると、平和維持の正に基本に立ち戻った、原点に立ち戻ったというこの理念といいますか、この部分をよく御理解いただきたいと思います。

○佐藤正久君 今までの討論の中で感ずるのは、アフガニスタンの復興支援を何とかしたいという気持ちは非常に分かりますけれども、やはり実効性ということを考えると、本当にこの一年以内でどこまでできるのかなという感じがします。わざわざこの法律というものにしなくても、できる分野は、今実際に今までやっている分野をどんどん強化することによってカバーできる部分はもういろいろあるような気がします。

ただ、一番冒頭に申しましたように非常に前向きな、あるいは踏み込んだ部分もありますので、今後この法案というものも、一般法をこれから議論するときにもお互いに知恵を出し合いながら、少しでも困っている人のために汗を流すということにつなげていきたいなというふうな個人的な印象を申し上げて、私の質問を終わります。

○浜田昌良君 公明党の浜田昌良でございます。  前回に引き続き民主党の対案について質問をさせていただきたいと思いますが、答弁は短くて結構でございますので、よろしくお願いしたいと思います。

具体的条文に入る前に、昨日の毎日新聞の社説、ちょっと気になる表現がありましたので、お聞きしたいと思っています。

これは「民主党の対応は理解し難い」という表題が付いておりまして、特に最後にこういう一節があるんですね。同党の前原誠司前代表が応じたインタビューによると、小沢一郎代表は与党が到底同意できないような対案を作れと指示したという、中央公論一月号。事実ならば、そもそも対案は政争の具でしかなかったことになると。こう書いてあるんですが、これについて、これは事実なんでしょうか。

○浅尾慶一郎君 小沢代表がそういう発言をしたということでこの対案を作ったという認識は、私は持っておりません。そういった発言について私は承知をしていないということでありますので、なおかつその先ほどの御指摘の記事は、何か雑誌の中で個別の対案について指摘をしたということではないというふうに認識をいたしております。

○浜田昌良君 今、浅尾委員から、個別の法律の対案ということではないという御指摘がありましたが、正確に言いますと、この中央公論の聞き手は読売の編集委員の橋本さんですが、橋本さんが、小沢代表の手法で大変気になるのは、選挙に勝つことを第一義としている点です。安全保障などの大事な問題でも、選挙における対立軸を示すためだけに反対を唱えているとしたら極めて邪道です。この質問に対して前原さんが、我が党が対案を作成する際にと、こう続いているわけですね。

そういう意味では、確かにこのテロ特措法、個別の名前は挙がっておりませんが、そういう安全保障分野という、そういう重要分野についてもこのような対応というふうに取れるんですが、いかがでしょうか。

○浅尾慶一郎君 先ほど申し上げましたように、この対案について与党が到底同意できないような対案を作れという指示があったということはございません。

更に申し上げるならば、この対案については、先般もこの委員会の中で御答弁をさせていただいたかもしれませんが、かなりの多数の専門家の方々のヒアリング、あるいは現地、先ほど犬塚議員からもお話がございましたように、現地の情勢についてもしっかりと累次の勉強会も開催をさせていただきながら民主党の部門の中で作ってきたものでありまして、私どもとして、現在のアフガニスタンにとって何が一番大切なのか、逆に言えば、テロをなくしていく、アフガニスタンをテロの温床でないところにするために何が必要なのかということでこの対案を作ったということでありまして、決して同意ができないというふうには思っておりません。

先ほども佐藤委員からも、アフガニスタンの改善のためには、ちょっとその言葉そのまま申し上げないので後で誤解がないようにしていただきたい、そういう心だと思いますが、改善のためにはこうした考え方も必要だという御指摘もいただいたわけでありまして、私どもとしてはアフガニスタンの現状あるいはテロをなくすためにこの法案を作ったということであります。

○浜田昌良君 まあそれを聞いて少し安心しまして、じゃ条文の内容に入らせていただきたいと思っておりますが。  民主党案の場合は、第一条の目的にも、国連決議の一六五九を挙げて構成されているという法律なんですが、政府案の場合は一三六八、一三七三という決議で、この二つの、二種類の決議のどういう違いがあるのかという点なんですけれども、以前、民主党さんがこの法案をまとめたときに、政府案をおかしいと、反対する理由の根拠として、報告が義務付けられてない、国連の決議がないじゃないかと言われたんですが、これはだれがだれに対する報告が抜けているということでしょうか。

○浅尾慶一郎君 委員御案内のとおり、国連の集団安全保障活動については、あるいは国連が定めた決議において例えばその集団安全保障活動的な行為をする場合には定期的に安全保障理事会に対して報告が義務付けられております。

一方で、今、浜田委員御指摘の一三六八、一三七三等の決議によります海上阻止活動の例えば具体的な成果について国連に対して報告がなされている、詳細な報告がなされているというふうに私どもは認識をいたしておりません。その理由として申し上げるならば、例えば麻薬あるいはテロリストをこれだけ捕まえましたという報告はあるんですが、じゃそのテロリストが今どこにいるのかと聞けばそれは分からない、じゃ麻薬はどうなったのかと聞けばそれも分からないということになりますから、そうだとすると、しっかりとした報告義務のある決議ではないということの証左になるんではないかなということで申し上げているんです。

○浜田昌良君 国連決議の一三六八、一三七三では十分な報告義務がないんじゃないかという御指摘をいただきましたが、逆に、国連決議のこの一六五九の方、どういう規定になっているのかと調べましたら、これは各国から報告をするような規定はありません。あるのはいわゆる事務総長が適時の報告を行うというだけであって、各国から報告するという条文もないんです。

一方、この一三七三については、これは一三六八も引いているんですけれども、その行動も含めて、すべての国は、この決議を実施するためにとった措置についてこの決議の採択の日から九十日以内、かつその後は委員会によって提案される日程に従って委員会に対して報告するよう要請するという条文はちゃんと入っているんです。むしろ、報告の観点からすれば一六五九よりも一三七三、一三六八の方が、まあ実際の行動は十分守られたかどうかは、これはインプリメンテーションの問題ですから改善が必要かもしれませんが、根拠の決議としては私は一三六八、一三七三が情報を逆に報告するという意味では優位に立っていると思いますが、いかがでしょうか。

○浅尾慶一郎君 実態面に基づいての御答弁でありますし、加えまして、先ほど来議論をさしていただいておりますが、仮に自衛隊が派遣される条件が満たされた場合には、この法の第四条第五項において、国際連合安全保障理事会一三八六号及びこれに関連する同理事会決議一五一〇号その他政令で定めるというふうになっておりまして、この一三六八は言わば集団安全保障活動の一環と。一三八六は集団安全保障活動、一三六八は集団安全保障というかまあ国際的な治安維持ということになりますが、一三六八で定めているのは、先般も申し上げましたように加盟国に自衛権があるということでありまして、その詳細の活動、例えばもう少し詳しく申し上げてまいりますと、OEFの活動についてじゃ詳細に国連に対してOEF―MIOであったとしても報告されているかというと、それはされていないということでありまして、そういう観点から、今委員が御指摘されたのは多分民主党のチラシの件ではないかと思いますが、そういう書き方になっているということで御理解いただきたいと思います。

○浜田昌良君 今御答弁いただいたんですが、自衛隊を派遣するためには、結局一三八六又は一五一〇という、いわゆるこれは三要件がそろった決議なんですね。いわゆる国連憲章七章四十二条の強制的措置を要請するための決議なんです。その決議があるときしか自衛隊が出せないというのは、言わば、逆に言うとそういう武力行使を含むような決議、全部とは言いませんけどね、含んでいる、武力行使を要請することも含んでいるような決議がない限り我が国自衛隊は派遣できないということなんでしょうか。

○浅尾慶一郎君 我が国の自衛隊の海外における活動について民主党が定めました政権政策の基本方針という中においては、その七章授権の集団安全保障というものにおいて、海外でこれはその自衛権とは別であるという書き方をしております。その他の活動については、やはりかなり武力の行使ということ、つまり海外において自衛権という名の下において自衛隊が出ていくということについては、明確にこれは民主党としてそれを否定していると。自衛権については我が国が急迫不正の侵害を直接間接に受けた場合という形で規定をしておりますので、今の御質問が自衛隊がむしろ何ら決議もなく海外に出ていくということについては、明白にこれはおかしいんではないかという基準を政権政策の基本方針の中で設けたということでお答えさせていただきたいと思います。

○浜田昌良君 今の御答弁で分かりましたのは、自衛隊が出るためにはやはり三要件を備えたいわゆる決議でなきゃならないと。そうでなければ、たとえそれが武力行使をしなくても、人道復興支援をするだけでもこの三要件を備えた決議じゃなきゃいけないと、こういう理解でよろしいんでしょうか。

○浅尾慶一郎君 従来の政府解釈によるいわゆる武力の行使と民主党がその政権政策の基本方針で定めております集団安全保障活動に伴う武力の行使とは、これは性格を異にするということをまず申し上げた上で、武力の行使がない、今委員の御質問は武力の行使がない場合であっても自衛隊は海外に出ていかないのかという、いわゆる後方支援あるいは更にその後方である場合にどうかという御質問だというふうに理解をさせていただきますと、武力の行使と一体化されていないということの担保が明確にされていない限りはこれは出ていかないということでお答えさせていただきます。

○浜田昌良君 理解させていただきました。  そういう意味では、給油というのがこの後方支援と一体化しているのかしていないのかという理解が、政府と民主党の理解が違うと。我々は一体化はしていないという考えであるがゆえにやっているわけでございます。──済みません、次の質問へと移らせてもらいますんで。もう一つ聞きたいことがあったもんで、済みませんね。

この一六五九を引いておられるんですが、一六五九の前文には二〇〇一年十一月十四日の決議一三七八を再確認しているんですよ。この一三七八の前文に何が書いてあるかというと、いわゆるアルカイーダまたタリバンというものを非難すると、こういうことを書いてあるわけです。そういう意味では、この一六五九をベースにしている民主党の法案は、あくまでタリバン、アルカイーダを掃討すべきものと、そういう前提で作られていると理解してよろしいでしょうか。

○浅尾慶一郎君 法律の第三条をお読みいただきたいと思いますが、アフガニスタンにおける武装集団が行っている武器を用いた不法な抗争という形になっておりまして、アルカイダが行っている武器を用いた抗争は不法なものだというふうに認識をいたしております。

一方で、タリバンすべてを掃討するという対象かということになってまいりますと、カルザイ政権自身がタリバンとの和解を呼び掛けている。これ、ある恩赦法という条件の下で今呼び掛けているわけであるというふうに認識をいたしておりますが、そういうカルザイ政権の立場を私どももそれは当然のことだというふうに認識をいたしておりまして、タリバンすべてを掃討すべきものだという認識は持っておりません。

○浜田昌良君 もう時間となりましたので質問はしませんが、今の御答弁で、アルカイーダまたタリバンの中で不法な活動をしているものについては、やはり与野党共通の認識の下で国際的なテロ対策の対象として取り組んでいきたいと思います。

これで質問を終わります。

2008年01月08日 (火)

参議院 外交防衛委員会 17号 平成20年01月08日

168-参-外交防衛委員会-17号 平成20年01月08日

○浅尾慶一郎君 今の櫻井議員の質問で一件だけ。

アドバック・インターナショナルとの関係で、先ほど支払不能になったという話がありますが、これは落札金額とあなたが借りておられる金額との差があるはずなんですが、そのときに自己破産はされましたですか。

○参考人(秋山直紀君) そういうことはしておりません。

○浅尾慶一郎君 ということは、一般的には競売に掛かってもそれで足りなければ更に払わなければいけないと、そうなれば自己破産ということですが、特殊な対応を受けたという認識は持っておられますか。

○参考人(秋山直紀君) 結果でございますが、全部その処理は終わっております。

○浅尾慶一郎君 特殊な対応を受けたんではないかというふうに推測させていただきます。

次に、株式会社国際外交研究所とはどういう組織ですか。

○参考人(秋山直紀君) 亡くなりました戸川猪佐武の元秘書をやっていた甲斐正子というのがおりまして、その者と一緒に立ち上げた会社でございます。

○浅尾慶一郎君 秋山参考人はそこの会社の代表取締役をされておられましたですね。

○参考人(秋山直紀君) 最初から代表であったかどうか、ちょっと記憶が定かでございませんが、やっておりました。

○浅尾慶一郎君 日米平和文化振興会はかつて株式会社国際外交研究所に委託をしております。そのときは代表取締役をされておりましたか。

○参考人(秋山直紀君) 記憶でございますが、多分そうだったかと思います。

○浅尾慶一郎君 その後、同じ事業なんですが、委託先が安全保障研究所に変わっております。安全保障研究所はこれは恐らく任意団体だと思いますが、どうして株式会社から任意団体に委託先を変えられたんでしょうか。

○参考人(秋山直紀君) 先生、済みません、御質問の趣旨は、その助成金の流れについてということでございますか。

○浅尾慶一郎君 そうです。

○参考人(秋山直紀君) まず、安全保障研究所は日米文化振興会の附属機関ということでつくっています。ですから、通常で言えば親会社、子会社という関係でございます。任意団体ということではございません。

○浅尾慶一郎君 手元に、平成十一、十二年までの日米文化振興会の収支計算書があります。ここには国際外交研究所に対して日米文化振興会から五百万円の支出、助成金支出というのがあります。翌年の収支計算書を見ると、同額五百万円が日米文化振興会の附属機関とおっしゃる安全保障研究所に変わっているんですね。

私が伺っているのは、なぜその株式会社に対する委託からその附属機関に対する委託に変えられたかと。前の段階ではあなたが代表取締役をされているところに委託されていたのをどうして変えられたかという経緯を伺ったんですが。

○参考人(秋山直紀君) それは、当時の理事長からの要請で、自分の社団法人の事業としてやりたいということでございます。

○浅尾慶一郎君 株式会社国際外交研究所と、現在、北陸アイン株式会社と名前が変わっておりますが、そことはどういう取引がございましたでしょうか。

○参考人(秋山直紀君) 個別の事案については、私現在関与していませんが、秘守義務もございますので、お答えいたしかねます。

○浅尾慶一郎君 守秘義務というのは、その国際外交研究所との間の守秘義務という理解でよろしいですか。

○参考人(秋山直紀君) そうでございます。

○浅尾慶一郎君 ということは、この国際外交研究所は今も存続する会社ということでよろしいですか。

○参考人(秋山直紀君) 存じ上げておりません。

○浅尾慶一郎君 存じ上げてないということは守秘義務も存在しないということじゃないでしょうか。

○参考人(秋山直紀君) かつて在籍した会社でございますから、その内容については御遠慮したいと。

○浅尾慶一郎君 私は、多分、この国際外交研究所は今ないものというふうに思っております。かつて代表取締役をされていた方が、今どうあるか分からないというのも非常に疑問だということは申し上げておきたいと思います。

次、続きまして、このアドバック・インターナショナル・コーポレーションという会社の登記を見ますと、先ほど名前が出ましたフレデリック・ワイズマンという方が死後も代表取締役として登記をされておりますが、その事実を御存じでしたか。

○参考人(秋山直紀君) 存じております。

○浅尾慶一郎君 ということは、これはその段階では公正証書等原本不実記載ということになりますが、その認識、持っておられましたでしょうか。

○参考人(秋山直紀君) これは本社からの指示もあって創立者の、何といいますか、創立者の名前を残したいということでそのままになっていると記憶しております。

○浅尾慶一郎君 いや、法律上の話を伺っておりまして、亡くなった方を代表取締役として日本の支店登記をするのは私はこれは公正証書等不実記載になるんではないかということを伺っておるんですが、そういう認識は持っておられなかったということですか。

○参考人(秋山直紀君) おっしゃるとおりです。

○浅尾慶一郎君 ちなみに、現在、そのアドバック・インターナショナルの役員に御子息は就いておられますか。

○参考人(秋山直紀君) 入っていないと思いますが。

○浅尾慶一郎君 その不実記載の話に戻しますが、じゃ、事実と異なると認識をしてから正そうと思ったのはいつでございますか。

○参考人(秋山直紀君) そのワイズマン氏の登記の件でございますか。

○浅尾慶一郎君 はい。

○参考人(秋山直紀君) いや、それは考えたことございません、私は。

○浅尾慶一郎君 今申し上げましたように、亡くなった方が随分長い間代表取締役として登記をされているというのは基本的にはこれはおかしいことだというふうに思いますが、それは考えたことがないということもちょっと理解ができないことだなというふうに思います。  次に、日米平和・文化交流協会の、先ほど話が出ました是正命令の中で、秋山参考人は非常勤であるけれども千二十万円の報酬をもらっているということが指摘をされておりますが、この点は事実ですか。

○参考人(秋山直紀君) そのときの会計処理をやった者を私知りませんので、これ後日分かりましたけれども、役所の方からの指導もあってそれに従ったということで、私がそのお金をもらっているわけではございません。

○浅尾慶一郎君 もう一度確認しますが、役所が非常勤の専務理事であった秋山参考人に対して、千二十万円の報酬はおかしいと、定款上非常勤の人は無報酬だと書いてあると。しかし、あなたはそれはもらっていないというふうにお答えになっていますが、もらっていないということでよろしいんですね。

○参考人(秋山直紀君) ですから、その会計処理は私がしたものでないわけです。私はその次年度から責任を持ってやるようにしておりますが、その前の会計処理については知りません。

○浅尾慶一郎君 確認ですが、じゃ、そのお金はもらっていない、税務申告もしていないということでよろしいですか。

○参考人(秋山直紀君) 私の個人所得はしておりますが、それとこれとは同一ではないと思います。

○浅尾慶一郎君 いや、私の質問は、その千二十万円を含めた申告はされていないという理解でよろしいですね。

○参考人(秋山直紀君) それで結構でございます。

○浅尾慶一郎君 そうだとすると、先ほど役所から、外務省からの強い要請があって異議は申し立てなかったということですが、役所が千二十万円の所得があるということも認定しているわけですよ。それに対しても異議申立てをしなかったという理解でよろしいですか。

○参考人(秋山直紀君) 私が先ほど申し上げた遺棄兵器処理の調査事業のことについて申し上げたことでございます。

○浅尾慶一郎君 今申し上げているのは同じ是正命令の中に入っていますよね。じゃ、その千二十万円については異議申立てをされたということですか。

○参考人(秋山直紀君) 話は申し上げましたが、先ほど言ったとおりに、もう終わった結果でございますのでその指示に従ったというのが僕の理解でございます。

○浅尾慶一郎君 というと、公的には千二十万円の所得があったことになりますので、秋山参考人は税務修正申告をしなければいけないという理解になりますが、その点はいかがでしょうか。

○参考人(秋山直紀君) 先生の御指摘のとおりかと今は思います。

○浅尾慶一郎君 では、是非、税務の修正申告をしていただきたいと思います。  続きまして、この外交防衛委員会におきまして、前の防衛省の事務次官でありました守屋氏は、久間元大臣、そして宮崎氏と秋山さんと宴席をしたという証言をしておりますが、そういう記憶はありますか。

○参考人(秋山直紀君) ございません。

○浅尾慶一郎君 ということは、守屋氏は、証人喚問、偽証罪が掛かる中でそういう発言をしておりますが、偽証をしたというふうにおっしゃっておられるわけですか。

○参考人(秋山直紀君) 偽証したかどうかは別として、記憶の違いもあるかもしれませんが、私にはそういう記憶はありません。

○浅尾慶一郎君 それでは、久間氏と宮崎氏と宴席をともにしたことはございますよね。

○参考人(秋山直紀君) たしか一回、あるいは二回かもしれませんが、あると思います。

○浅尾慶一郎君 次に、久間氏と秋山参考人とそして山田洋行以外の軍需関係の製品を造っている会社の経営者と宴席をともにしたこともございますよね。

○参考人(秋山直紀君) 宴席というか、会合という意味では何度かあると思います。

○浅尾慶一郎君 会合、宴席といったときの定義は、例えばその会社が持っている保養所等で、そこの会社の経営者とそしてそこの会社の防衛関係の責任者とそしてあなたと久間さんとがその保養所で食事をされたというようなことはございますよね。

○参考人(秋山直紀君) はい、たしかあると思います。

○浅尾慶一郎君 幾つぐらいの、何社ぐらいの会社の、そういう企業の経営者とそうした久間大臣と一緒に夜食事をともにされたことございますか。

○参考人(秋山直紀君) 久間先生ということに限らず、私どもの交流という形で、数社、何度もあると思います。

○浅尾慶一郎君 それでは次に、この安全保障議員協議会の理事でもありましたけれども、額賀元防衛庁長官と秋山参考人と防衛関係企業の経営者と宴席をともにされたことはございますでしょうか。

○参考人(秋山直紀君) たしか数回あると思います。

○浅尾慶一郎君 具体的にはどういった関係の方と御一緒されておりますでしょうか。

○参考人(秋山直紀君) 具体的と申しますと、その相手のメンバーということでございますか。

○浅尾慶一郎君 はい。

○参考人(秋山直紀君) それは個別には支障もあると思いますが。それから、防衛産業と申しますが、防衛産業以外の会社とも交流はやっております。

○浅尾慶一郎君 それから、この外交防衛委員会でも一部質疑がされまして、通常の五月に多分ワシントンで国際交流基金の助成事業としての議員交流というのがございますが、それとは別に、平成十七年の十一月十九日ごろ、米国のジャクソンビルに石破現防衛大臣と御一緒に出張されておられますが、それは事実ですね。

○参考人(秋山直紀君) はい、おっしゃるとおりです。

○浅尾慶一郎君 何日間ぐらいその出張は行かれておられますでしょうか。

○参考人(秋山直紀君) ジャクソンビルの会議は毎年ございまして、石破先生に限らずほかの先生方にも御出席いただいていると記憶しております。  何日間ということについてはちょっと明確に覚えておりませんが、まあ二日ないし三日ということではないかと思います。

○浅尾慶一郎君 また、今の総理大臣であります福田総理は、一度だけですかね、アメリカの議員交流の会合に御一緒されたというふうに、この予算委員会だったと思いますけれども、御答弁されておりますが、そういう理解でよろしいですか。

○参考人(秋山直紀君) たしかそうだと思います。

○浅尾慶一郎君 では、次の質問に移らさせていただきたいと思います。  苅田港の毒ガス処理で先ほど櫻井議員からも質問させていただきましたが、実は、化学兵器禁止条約の批准前は海外、海外って、海底には化学兵器を投棄することが許可されておりまして、ヨーロッパでは海底に投棄されている化学兵器は処理をしないということになっておりますが、そのことは御存じでしたか。

○参考人(秋山直紀君) それはOPCWでレクチャーを受けました。

○浅尾慶一郎君 しかしながら、より安全を考えて苅田港についてはあえて引揚げをして処理をするという報告書を出されたという理解でよろしいですか。

○参考人(秋山直紀君) 調査報告書の前に役所からそういうオーダーでございましたので、それを含めて調査報告を記載しました。

○浅尾慶一郎君 ということは、OPCWでは海外は海底投棄をされているものについては処理をしないという報告があった。しかし、役所がそうではなくて処理をするべきだというオーダーを直接出されたという理解でよろしいですね。

○参考人(秋山直紀君) OPCWに調査に行きましたのは、多分苅田港の調査報告の後だと思います。

○浅尾慶一郎君 ということは、苅田港については役所の方から処理をするようにという前提で報告書を出せという依頼があったということですね。

○参考人(秋山直紀君) たしかそのように記憶しております。

○浅尾慶一郎君 続きまして、本日の新聞にも出ておりますが、先ほどちょっと申し上げました北陸アインという会社の社長が、秋山参考人からの依頼でかつてアドバックという防音壁の製品を受注、採用を東京外環道のために働き掛けをしたので、瓦元防衛庁長官に対して秋山参考人から働き掛けの依頼をし、結果として秋山参考人から瓦さんへの謝礼を百万円分負担してくれということで、アドバック社側、つまり秋山さん側に振り込んだという報道が、証言も含めて報道がされておりますが、そういう事実はございますか。

○参考人(秋山直紀君) これは名誉にかかわる問題でございますので申し上げますが、そういう事実は一切ございません。

○浅尾慶一郎君 名誉にかかわることだということでありますから、そうだとすると、この報道されております北海道新聞さんを名誉毀損で訴えられる御予定はございますか。

○参考人(秋山直紀君) 今日、それは今日聞きましたので、適切に措置いたします。

○浅尾慶一郎君 そのほか、先ほど委員長からも御指摘がございました山田洋行との関係の裏金と言われているものについても名誉にかかわることだと思いますが、そういうことについてはもう既に御存じだと思いますが、今日現在に至るまで特段の法的措置をとっておられない理由はどういうところにございますでしょうか。

○参考人(秋山直紀君) 昨年の末に報道各社を含めましてその通達はいたしております。もうその準備は入っております。それから、担当弁護士が今出張中でございまして、若干準備が遅れているのかと思います。

○浅尾慶一郎君 続きまして、苅田港の遺棄化学兵器の処理を最終的に元請で受注したのは神戸製鋼ということでございますが、当時、神戸製鋼の監査役であった緒方重威さんという方を御存じでいらっしゃいますか。

○参考人(秋山直紀君) 存じ上げておりません。

○浅尾慶一郎君 それでは、神戸製鋼さんが中国の遺棄化学兵器の処理のために特定目的会社ということで設立をされたエルネックという会社については御存じですか。

○参考人(秋山直紀君) 存じ上げておりません。

○浅尾慶一郎君 ということは、中国の遺棄化学兵器については秋山参考人は関心を持っていないという理解でよろしいですか。

○参考人(秋山直紀君) 調査事業をしたという意味においては、一応どういう内容かということは自分なりには理解しているつもりです。

○浅尾慶一郎君 それでは、次の質問に移らさせていただきたいと思いますが。  秋山参考人の日米平和・文化交流会はBMDの普及に随分と力を入れておられると、あるいはその考え方に力を入れておられるということだと思いますが、秋山参考人は、そのBMDの普及についてどういう役割を自分が果たしたという自負を持っておられますでしょうか。

○参考人(秋山直紀君) BMDは、それはミサイル防衛のことでございますね。  日本国内で個人的には長い間こういう国際会議、啓蒙活動というか、をやってきたということはあります。

○浅尾慶一郎君 ミサイル防衛については、当然ですけど米国の方がその発祥のところでありまして、米国の方に先ほどの毒ガス処理と同じように知見が集積をしていると。秋山参考人が米国の方々と、何というんですかね、交流を持つきっかけを多分つくったんではないかと言われておりますジョン・カーボさんという方はどういう方でいらっしゃいますか。

○参考人(秋山直紀君) 簡単に申し上げます。  まず、ジョン・カーボー氏は途中で知り合った者で、知り合った方でございます。私がアメリカというものを意識するようになったのは、先ほど申し上げた七三年にフレデリック・ワイズマン氏とお会いしてからのことでございます。ジョン・カーボーさんは、その関係者のスカラーシップをもらっていた人が勤めていたということで知り合っております。

○浅尾慶一郎君 フレデリック・ワイズマンという方は、しかし防衛関係ではございませんですよね。ジョン・カーボさんというのは防衛関係のロビイストという理解でよろしいですね。

○参考人(秋山直紀君) 防衛ということに限定されて言われては非常に困るんですよね。私は、日米の全体の交流を促進したいということで一生懸命やってきたという自負はございます。

○浅尾慶一郎君 済みません、私の質問が分かりにくかったかもしれませんが、ジョン・カーボ氏の専門分野は防衛にどちらかというと特化されたロビイストであり、フレデリック・ワイズマンさんというのはビジネスマンでトヨタのディーラーさんだったというふうに理解していますが、そういう理解でよろしいですか。

○参考人(秋山直紀君) ワイズマンさんというのは非常に、トヨタだけではございません、非常に幅広く日本でも有名な企業を一杯所有しているというか、パートナーでございます。

それから、ジョン・カーボー氏が防衛ということでございますが、知り合った当時はそういう、知り合った当時に防衛関係という概念は持っていません。

それから、もっと古くから多くの友人がワシントンで活躍している者もおります。

○浅尾慶一郎君 ジョン・カーボ氏はどうなりましたでしょうか。

○参考人(秋山直紀君) たしか二年、一年あるいは二年ほど前に急な病気で亡くなったと聞いております。

○浅尾慶一郎君 まあ時間の関係で最後の質問に移らしていただきたいと思いますが、日米平和・文化交流協会、これは社団法人でありますが、それとは別に日本福祉教育科学財団というのがございますが、そこの理事長印を不正に使用してモスフードサービス株を現金化しようとしたと高等裁判所が認定しておりますが、この認定は間違いですか、それとも事実ですか。

○参考人(秋山直紀君) それは間違いでございます。

○浅尾慶一郎君 そうすると、その裁判について、秋山参考人はしかし最高裁に控訴されておりますでしょうか、それともそのままその判決を受け入れられたということでございますか。

○参考人(秋山直紀君) 私は当事者ではございませんので、それには全く関与がございません。

○浅尾慶一郎君 終わります。

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