あさお慶一郎(前衆議院議員 神奈川4区)

2007年09月28日 (金)

「高齢者医療費について」

福田内閣が発足して高齢者医療費負担増凍結の方向性を打ち出しました。これは昨年の「医療制度改革」の中での健康保険法の改訂と高齢者医療確保法の制定により70歳から74歳の方の窓口負担を現行の一割から二割への引き上げと75歳以上の方の一部に発生する新たな保険料負担を一時凍結するものです。具体的には、法改正ではなく補正予算を組むことで新たな負担を税金で当面肩代わりすることが検討されています。

私共はそもそも「医療制度改革」に反対であり、特に75歳以上の方の後期高齢者医療制度の創設に反対でしたが、法改正ではなく補正予算による激変緩和措置での当面の肩代わりはあまりに場当たり的な対応だと思います。75歳以上の方だけを別な健康保険制度に切り替えることは新たな年齢差別を生む温床となりかねず、政策意図としてはそうした年齢層の方々にかかる医療費に殊更注目を浴びせることしかうかびません。

人間は加齢と共に持病を抱える割合が高くなるので、2004年度国民医療費の51%は65歳以上の方にかかる医療費であり、70歳以上で41%、75歳以上の方の医療費が28%となっております。40歳から49歳の方お一人の平均年間医療費は14万円で70歳から79歳の方のそれは65万5千円です。しかし、75歳以上の方を別の健康保険制度に加入させることは、こうした方々からの保険料負担や窓口での支払いを増やすか、そうした方々への医療の給付を減らすことを視野に入れているのでなければ説明がつきません。だから、私は後期高齢者医療制度の創設には反対でした。

政策的に今必要なことは場当たり的な負担の先送りではなく、健康保険料、税、窓口負担で賄っている日本の医療費の財源についての本格的な議論です。新たな財源としてシンガポールなどが既に導入している社会保障貯蓄制度の日本版の検討などもすべきだと私は考えます。相続税の優遇制度付きの社会保障貯蓄の導入は後期高齢者医療制度の創設よりも遥かに前向きで差別のない制度設計につながります。



参議院議員 浅尾慶一郎
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