あさお慶一郎(前衆議院議員 神奈川4区)

2007年04月26日 (木)

参議院 外交防衛委員会 8号 平成19年04月26日

166-参-外交防衛委員会-8号 平成19年04月26日

○浅尾慶一郎君 ICCローマ規程の承認、それからICC協力法案については、基本的には賛成でありますが、少し詰めなければいけないところがありますので、今日は配付資料に基づいて詰めさせていただきたいと思いますが。

前にも予算委員会等で議論をさせていただきまして、このICCローマ規程上では罪に当たるけれども、日本の刑法では罪に当たらないものがあると。基本的に、日本の刑法で罪に当たるものについてはローマ規程ではこれは引き渡さないというふうになっておりまして、しかし、日本の刑法では罪に当たらないんだけれどもICCの中では罪に当たるものについては、これは日本では罪に当たらないわけですから日本で処罰できないので引渡しをすると。そうすると、日本の刑法で罪に当たるものについては国内の裁判を受けることになり、日本の刑法では罪にならないものについては引渡しをされるのでICCに基づくということになるわけでありますけれども。

まず最初の質問としては、国内法で処罰できないものがあって、それを国際約束で、我が国が締結した他の国際約束でこうしたケースというのはありますか。

○国務大臣(麻生太郎君) 御存じのように、日本国の憲法第九十八条というもので、日本が締結した条約などについてはこれを誠実に履行するということを遵守するという必要がある旨をこれ規定をされておりますのは御存じのとおりです。したがって、政府としては、この規定、九十八条の規定に従って、いわゆる各条約を誠実に履行することができるように国内法をしかるべく整備するという上で条約を締結するということにいたしております。

したがって、日本がこれまで締結した国際いわゆる約束のうちに締約国の国内法による犯罪化が義務付けられているものにつきましては、いずれも我が国の国内法においてその義務が履行できるように必要な措置が講じられておりますのはもう御存じのとおりです。

今回のICCローマ規程において、いわゆる対象犯罪の中で、いわゆる集団殺害犯罪とか人道に対する犯罪とか戦争に対する犯罪等々を、これは話題になるところですけれども、これを締約国の国内法における犯罪として処罰できるようにすることを今回のICCでは義務付けられておりませんので、これまでの例とは少し違うように思っております。

○浅尾慶一郎君 今御答弁いただいたとおりで、今回のICCにおいて初めて国内法では罪にないもの、ごくわずかですけれども、ないものがあると。その場合には、まず確認させていただきます。国内法で罪になるものについては、日本人の場合は特に国内で裁判を、まず刑事裁判をするという理解でよろしいですか。

○国務大臣(麻生太郎君) 結構です。

○浅尾慶一郎君 そうすると、国内法で罪にならない、しかしICC上では罪になるという場合には、これは要請があれば引渡しをするということですね。

○副大臣(浅野勝人君) 今、浅尾先生がおっしゃっているのは、補完性の原則の中で、それぞれ、ICCの犯罪対象の被疑者の捜査や訴追はそれぞれの国が行うんだけれども、それができない場合には、ICCが捜査、訴追をして締約国はこれに協力すると、そういう原則の中で、食い違った場合、国内法とICCの規程がかみ合わない場合をどうするかという御指摘だと理解します。

ICCが対象犯罪にしているものは、先ほど大臣が答弁しましたとおり、集団殺害犯罪や人道に対する犯罪、戦争犯罪、それから侵略犯罪についてはまだ定義がされていませんけれども、それらの問題でありまして、細部のものについては現行の国内法で、殺人罪、傷害罪、逮捕監禁罪等で処罰が可能であります。

これらのことを踏まえますと、国際刑事裁判所に対する協力等に関する法律案でICCに対する犯罪人引渡しなどを可能とするための手続規定などを整備した上でローマ規程を締結すると考えております。

○浅尾慶一郎君 ですから、私の質問というか、確認させていただいたんですけれども、ちょっと長く答えられるとあれなんでもう私の方で申し上げますと、基本的に、国内法で処罰できるものは日本の場合は日本の裁判を受けると、国内法で処罰できないものはICCに引渡しをして向こうで処罰をするということなんです。

ここで、憲法との関係で二つ整理をしなければいけないことがあるんですが、まず前段、憲法三十一条、罪刑法定主義というのがありまして、これは、最終的には裁判になった場合には最高裁で判例を出して決めていくということでありまして、ICCで罪になっていないもので引渡しがあった場合は、その件についてはこの法律あるいは後ほどの決議で一回目はそういう形で引渡しをするということになります。

今、法務副大臣もお越しでありますけれども、罪刑法定主義との、憲法三十一条との関係はどういうふうに考えておられるか、その点をまずお聞きしたいと思います。

○副大臣(水野賢一君) 先生御指摘の憲法第三十一条で罪刑法定主義が保障されているわけなんですけれども、これは我が国において刑罰を科する場合の規定であり、ICCによる処罰について直接に適用があるものではございません。

ただ、我が国として、ICCローマ規程に定める義務に従って引渡犯罪人の引渡し等の協力を行うこととする以上、その処罰に至る一連の手続の全体が憲法三十一条が保障する適正手続の趣旨にかなうものが必要であるというふうに考えております。

その上で申し上げますと、次の三点、すなわち、一つには、ローマ規程上、ICCが管轄権を行使する犯罪は国際社会全体の関心事である最も重大な犯罪とされるものに限定をされていること、かつその構成要件、その刑罰が明定されていることがありますし、また、二つ目には、ICCにおける手続は捜査から公判を通じて適正に定められており、人権の保障等についても十分に信頼に値するものと評価することができること。三つ目には、我が国による引渡犯罪人の引渡し等の協力の手続は法案の定めるところによることとなりますけれども、そこではICCの判断を尊重しつつも、我が国の裁判所による司法審査を義務付けるなど適正手続が確保されていること。

こうした三点を考慮いたしますと、一連の手続の全体が憲法三十一条の保障する適正手続の趣旨にかなうものというふうに考えております。

○浅尾慶一郎君 法務副大臣はそのように御答弁されましたが、佐藤幸治先生という有名な憲法学者がいられて、彼がその三十一条の、これはいろんな解釈があって、三十一条は適正な、いわゆる刑事訴訟上の適正な手続があればいいという考え方と、それからもちろん罪がなければいけないという考え方といろいろあると。通説がいろいろあるんですが、通説は、科刑の手続及び実体要件の双方につき法定されなければいけないというのが通説になっていますね。ここで憲法論議しても始まらないので、これはいずれそういうケースが出たときに、万に一つしかないというふうに御説明を事前にいただいておりますが、万に一つ、日本では罪にならないけれども引渡しをしなければいけないというケースが出たときに、多分、私の予想では、その人間はこれは憲法違反だと言って日本の裁判所に訴える、だから最高裁まで行って、そのときに判例が出るということになるんだろうなと。

ただ、ほとんどのケースでは重大なということで、そういうケースはないというふうに事前に御説明いただいていますから、そういうことがないことを私も期待をしておりますが、国会の審議の過程においては万に一つということも一応考慮に入れなければいけないということで今この議論をさせていただいています。

次に、実は憲法は、もう一つ、三十二条で裁判を受ける権利というものを定めております。この裁判を受ける権利と、今回は、裁判を、要するに日本の刑法上では罪にならないものについては日本国の裁判ではなくてICCの中での裁判的なものになるんだと思いますが、これとの整理はどういうふうになるのか。

つまり、憲法三十二条では「何人も、裁判所において裁判を受ける権利を奪はれない。」と書いてあるわけでありまして、手続上定めてあるので、拘束される場合でも手続はちゃんとした手続にのっとって拘束をされるので、裁判はICCの裁判になるんだと。この憲法で定める何人も裁判所において裁判を受ける権利は奪われないというのは、じゃ、ICCも含むというふうに解釈をされるのかどうか、その点について法務副大臣に伺いたいと思います。

○副大臣(水野賢一君) 委員御指摘の憲法三十二条によって保障される裁判を受ける権利というのは、刑事裁判においては裁判所の裁判によらなければ刑罰を科せられないことを内容としているわけですけれども、ここで言う、憲法で言う裁判所というのは我が国の裁判所であり、ICCを想定したものではありません。したがって、ICCによる処罰に関する手続のために引渡しを行うことは、裁判を受ける権利を保障した憲法三十二条には反するわけではありません。

なお、ICC対象犯罪のほとんどは現行法においても処罰可能であり、仮に引き渡されたとしても、ICCローマ規程によれば、手続においては罪刑法定主義などの刑事法上の諸原則は厳守され、引渡し後の被疑者の権利も厳格に保障されておりますので、実質的には裁判を受ける権利は十分保障されているというふうに考えております。

○浅尾慶一郎君 ちょっと御答弁が少しよく分からないところがあったんですが、ICCは、まず整理していきます、日本の裁判所ではないから、裁判を受ける権利ということには当たらないということでよろしいですね。

○副大臣(水野賢一君) 日本の裁判所ではないということ。ですから、ちょうど犯罪人引渡条約なんかで外国に行って裁判を受けるのと同じようなケースだというふうに考えていただいて結構だと思います。

○浅尾慶一郎君 それは、犯罪人引渡条約の場合は日本で罪になるものしか引渡しにならないんです。ですから、それは該当しないということで。確認しますが、ICCで言うところの裁判というのは、三十二条で定める裁判ということとは合致しないということだけを一つ確認をさせていただきたいと思います。

○副大臣(水野賢一君) そのとおりでございます。

○浅尾慶一郎君 ということで、今日、後ほど決議をさせていただきますけれども、万に一つしかないかもしれないと。しかし万に一つ、日本の法律では罪にならないものが、もちろんその行為を行った、もし仮に有罪になれば、それはそれで問題があることでありますけれども、日本の法律では罪にならない者を引き渡すようなことが出てきた場合に、今申し上げました憲法との絡みが恐らく後の時代で出てくるんではないかと、そういうことも含めて、本日最終的に決議も含めてこの法案に対して対処していきたいということを申し上げさせていただきまして、質問を終えさせていただきたいと思います。

 

2007年04月13日 (金)

「人工光合成、夢のプロジェクト」

私は日本発の国際的なプロジェクトとして人工光合成の推進を目指しております。そして、最近プロジェクト推進に大きな実験的な成功を収めた京都大学生存圏研究所講師の古屋仲先生の話を伺うことが出来ました。同氏の実験は二酸化マンガンを活用して二酸化炭素をホルムアルデヒドに変換する所までは成功しております。

そもそも、私が人工光合成を国が取り組むプロジェクトとして推進しようと思った理由は二点あります。一つは現在推進されてます京都議定書の枠組みでの二酸化炭素排出抑制だけでは地球温暖化を止めるのには不十分だと直感的に判断したからです。もちろん京都議定書の枠組みは必要ですが、世界最大の経済大国、すなわち世界最大の二酸化炭素排出国の米国が加入していないのに加えて、これからも目覚ましい経済成長が見込める中国、インド等の途上国が加わっていない枠組みの下での排出抑制では、地球の周りに溜まる二酸化炭素の総量は増加するからです。我々が経済活動のエネルギー源を石油や石炭等の有機化合物に依存し、経済成長を世界規模で続ける限り排出二酸化炭素総量は必ず増えるのです。日本が途上国に向かって二酸化炭素排出量が増えるから今の生活レベル以上成長するなと言っても彼らがそうした主張を聞いてくれるはずもありません。だから、植物が行う二酸化炭素と水を太陽エネルギーを利用して酸素とブドウ糖に変換する生物化学的なプロセスを人工的に植物の10倍から100倍の効率で行える様にしないといけないと考えました。第二の理由は、植物の行う光合成の過程を解明し、それを人工的に行える様にする研究は初期段階では経済合理性に合わないので税金によって賄われた方が良いからです。

もちろん、研究の果実、特にその研究に付随して判明したことについては特許も国が取得するといった形で国民に対して経済的な見返りもある様にすることも大切です。但し、光合成の過程そのものは特許を取得せず世界中で行える様にすべきです。そして、世界中で二酸化炭素の吸収・固定化を行い、そのごく一部をエネルギー源あるいは食料として利用出来る様になれば真に持続可能な循環型社会が実現します。米国がかつてアポロ計画と称して人類を月に送り出したことと同じ様に、日本発で我が国が世界的に誇れるプロジェクトにしたいと考えています。



参議院議員 浅尾慶一郎
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