あさお慶一郎(前衆議院議員 神奈川4区)

2007年03月29日 (木)

参議院 外交防衛委員会 5号 平成19年03月29日

166-参-外交防衛委員会-5号 平成19年03月29日

○浅尾慶一郎君 私は、ただいま可決されました在外公館の名称及び位置並びに在外公館に勤務する外務公務員の給与に関する法律の一部を改正する法律案に対し、自由民主党、民主党・新緑風会及び公明党の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。

案文を朗読いたします。

在外公館の名称及び位置並びに在外公館に勤務する外務公務員の給与に関する法律の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)

今日、国際情勢が不透明さを増している中、我が国に求められるのは国益を踏まえつつ、国際社会との協力・連携の下、国際的諸課題に毅然と対応する外交力であり、そのためにも我が国外交を担う外務省の体制強化と危機管理体制の抜本的改革が急がれる。他方、我が国の財政事情は依然として厳しく、外務省においては組織改革や手当の見直しに際し、こうした国内事情を重く受け止め、とりわけ外務公務員の手当に向けられる国民の声に真摯に応えていく必要がある。

これらを踏まえ、政府は本法の施行に当たり、次の事項について検討の上、適切な措置を講ずるべきである。

一、外務省においては、国際社会の諸問題に的確に対応し、国益を重視した外交を遂行するため、外交体制強化に向けた組織改革を不断に推し進めること。

二、国際機関における幹部職員を含め邦人職員の増強に向けて国際社会に通用する人材の一層の育成を図るとともに、援助や平和構築など様々な分野において高級幹部も含め外部の人材の積極的活用を図ること。

三、我が国外交の最前線基地である在外公館等の新設に関しては、我が国の国益と相手国との相互主義の原則等を踏まえ、戦略的にその増強・整備に当たること。

四、在外公館においては、大規模自然災害や犯罪・テロ等の緊急事態における在外邦人に対する迅速かつきめ細やかな支援を可能とするため、危機管理体制の機能拡充に努めること。

五、情報の収集・分析体制の強化のため、情報収集等に要する経費の充実及び人材の確保に努めること。

六、我が国の厳しい財政事情を厳粛に受け止め、在外公館に関わる予算の効率性・透明性を高めるとともに、その執行に当たっては、適切な支出が図られるよう具体的な措置を講ずること。

七、在勤手当については、国内の財政状況や外交活動を推進する上での必要性を踏まえ、民間企業、諸外国の外交官の給与・手当の水準及び各任地の事情にかんがみ、為替・物価等の変動が反映される形で客観的に算出されることにより、必要に応じて在勤手当全般にわたる内容の見直しを行うこと。

八、在外公館における監査・査察体制の一層の強化を図ること。

右決議する。

以上でございます。

何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。

○委員長(田浦直君) ただいま浅尾君から提出されました附帯決議案を議題として、採決を行います。

本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。

〔賛成者挙手〕

○委員長(田浦直君) 全会一致と認めます。よって、浅尾君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。

ただいまの決議に対し、麻生外務大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。麻生外務大臣。

○国務大臣(麻生太郎君) 在外公館の名称及び位置並びに在外公館に勤務する外務公務員の給与に関する法律の一部を改正する法律案を可決いただきまして、誠にありがとうございました。

外務省といたしましては、ただいまの附帯決議の御趣旨を踏まえつつ、今後とも外交実施体制の強化を図り、種々の外交課題に全力で取り組んでまいる所存であります。

○委員長(田浦直君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○委員長(田浦直君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。

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2007年03月26日 (月)

参議院 予算委員会 13号 平成19年03月26日

166-参-予算委員会-13号 平成19年03月26日

○浅尾慶一郎君 民主党・新緑風会の浅尾慶一郎です。

締めくくり質疑をさせていただきたいと思いますが、まず最初に、六者協議あるいは北朝鮮の対応についてどういうふうに判断されるか、外務大臣に伺いたいと思います。

○国務大臣(麻生太郎君) 一言で言えば、大変残念な結果だったと思っております。これだけで終わるのは幾ら何でもとお思いだと思いますが、基本的には技術的なところが残って、バンコ・デルタ・アジアの話につきましてはそこそこの結論が出たと思いますが、その送金する手続等々の技術的な問題が残ったということであります。日朝間におきましては、双方ではっきりしたこれまでの見解を再確認できたというのはそれなりの成果を上げたと思っております。

○浅尾慶一郎君 御案内のとおり、我が国は、その六者協議のメーンのテーマである核問題とは別に拉致問題を抱えております。

拉致問題については、これが解決しない限り日朝国交正常化はしないと。しかし、拉致問題に進展があれば、六者協議で提議する五万トンないし百万トンの重油供給に応じるということでありますけれども、拉致問題はどういうことになれば進展するのか、御専門の総理に伺いたいと思います。

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 拉致問題の解決というのは、拉致被害者全員の帰国でございます。そして、進展というのは、その帰国に向けて具体的に物事が動いていく、我々は、それは進展していると我々が判断すればそれは進展と認めると、こういうことでございます。

○浅尾慶一郎君 ここが大切なところですから確認させていただきますけれども、それが動いていれば、総理としても五万トンないしは百万トンの重油供給に応分の負担をする用意があるという理解でよろしいですか。

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 進展すれば、当然六者会合の中で我々はもっと大きな役割を果たすことができると、このように思います。

○浅尾慶一郎君 次に、委嘱審査のときに、あるいは先般の集中審議でも議論をさせていただきましたけれども、沖縄駐留の海兵隊のグアム移転についてお伺いをさせていただきたいと思いますけれども、私は、これ何度も質問しても、なかなかこれは返ってくるのが難しいお金だなというふうに思っておりますけれども、この出資、融資の返済のスキームについてまずお伺いしたいと思います。

○国務大臣(久間章生君) いまだスキーム自体が固まっておりませんのでここで申し上げることもできませんけれども、融資、出資については必ず私は返ってくるものと、また返ってくるようにしなければいけないと思っております。

それにつきましては、まだ経費そのものが概算でございまして、今言っているのは上限でございますから、幾らに抑えることができるか。この間先生の方から御指摘がありましたようなああいう、アメリカ本土におけるいろんな見積り等とも比較しながら我々としては精査をしていこうと思っておりますので、その結果スキームも決まって、こういう形で返ってくるということが胸を張って言えるようになるんじゃないかと思っております。

○浅尾慶一郎君 今、御答弁いただきましたその上限が二十五億ドル、三千五百戸で二十五億ドル、一戸当たり七十二万八千五百ドルなんですけれども、上限の場合には米軍が払う家族住宅手当が増えるという、そういうことですか。

○国務大臣(久間章生君) いや、それよりも下げようと思っているわけですから、上限よりもですね。そして、この間先生の質問では、どんなに、例えば私どもの方で五十年掛かって回収するといったときに、それは金利も増えるんだから同じじゃないかと言われましたけれども、今内部でちょっと粗い計算ですけれども、元利均等あるいは元金均等で返ったときに、五十年のときに一月当たりどれぐらいずつ払えるか、払うことになるのか、そういうシミュレーションをやってみろと言っていますが、私は五十年といったらかなり元金が均等化されますと金額が減りますので、かなり、二十五億ドルというのも下げますけれども、高い金額でも回収は十分可能であると、そういうふうに思っております。

○浅尾慶一郎君 本来は、そのお金が回収できるというのであれば、入ってくる収入の方が大体大まか分かっていて、それに対して掛かるコストがこれぐらいだから返ってくるということなんですが、今の御答弁ですと、掛かるコストがこれぐらいで、これから入ってくるお金をベースに計算をしてみようということなので、そもそもの置いているスキームが問題があるのではないかというふうに思いますけれども、その点についてどういうふうに思いますか。

○国務大臣(久間章生君) いや、どんなに高くても今の手当の枠からいって私は十分可能であると、そういうふうに踏んでおるわけでございますから、その辺は全体像がきちっと出たときにお示しできるんじゃないかなと私は思っております。

○浅尾慶一郎君 この米軍の沖縄への移転については別途二十八億ドル、約三千億円ぐらいの真水の財政支出が組まれておりますが、これについてはその財政支出の発注者がまだ決まっていないということが先般の委員会で明らかになりましたが、その後も決まっていないという理解でよろしいですか。

○国務大臣(久間章生君) これは、アメリカ国内においてもどこがどういう形でやっていくのかまだ決まっておりませんので、これはこれから先、そういう全体の、実施主体も含めてスキームが決まっていくことになろうかと思います。

いずれにせよ、今の段階では大まかに言ってこれよりは増えないよということを双方がとにかく、双方の議会に対するPRもあってでしょうけれども、確認し合ったということで、これからいかに抑え込んでいくかがこれから先の双方の、米国もそうでしょうし、私たちもその努力をしなければならないと思っているわけであります。

○浅尾慶一郎君 いや、私の質問は、我が国として三千億円出すと、我が国が発注者になるということではない、ないのか、それとも我が国が発注者になるのか、その点について伺っているわけですが。

○国務大臣(久間章生君) そのことにつきましても、我が国がなり得るのかどうか、私はそれは事業主体になるのは難しいんじゃないかなという気がいたしております。しかしながら、事業主体にならない場合でも、日本が、日本のメリットといいますか、日本の企業等がどういう形で参加できるようにしてやるか、それはやっぱり努力しなければならないんじゃないかなと思っておるわけです。

○浅尾慶一郎君 何回かこの委員会でも取り上げさせていただいておりますが、海兵隊を中心とする米軍の再編の費用を我が国が負担することについては、かなり我が国としてのどういうメリットがあるのかということも含めて検討するべきだと思いますし、なおかつ、費用については厳重にその計算をすべきだと思いますけれども、その決意をまず、最後に伺いたいと思いますが。

○国務大臣(久間章生君) 費用につきましては、特にこれから先精査して、国民の税金も、あるいはまたJBICの融資を使うにしても、これは間接的にはやっぱり国民の税金が流れていくわけでありますから、そういう意味では十分精査して、批判の起きるようなことのないように努めたいと思っております。

○浅尾慶一郎君 次に、昨年の三月十七日、この予算委員会で指摘をさせていただきましたけれども、駐留米軍で働いております労働者は、形式上、防衛施設庁長官が雇用主となっております。しかしながら、この防衛施設庁長官に労働基準法の違反があるということを指摘させていただきまして、それはお認めいただいたわけでありますが、その後の改善状況について伺いたいと思うんですが。

○国務大臣(久間章生君) 違反があるとまで断言できないかもしれませんけれども、現在の国内法とは非常に問題、国内法上問題があるのは事実でございます。したがいまして、私どもも、施設庁の方でも、外務省と一緒になりまして合同委員会等でアメリカ側に働き掛けておるところでございますが、若干、私も先生の質問があるということで初めて中身をちょっと調べてみました。若干意見が食い違っておりますのは、国内法が途中で改正された、その前に向こうとは覚書といいますか合意文書が交わされておって、こちらの国内法が後になって改正されたという、そういうことから、そこの辺の関係がどうなるのかということでいろいろと意見がちょっとあるようでございます。

しかしながら、この問題については、とにかく国内法が変わっておろうがおるまいが、現在の国内法に照らしておかしいところについてはやっぱりきちんとしなきゃなりませんので、これから先、昨年の三月から今日までも努力はしてきているようでございますけれども、私の責任においてきちっとさせたいと、そういうふうに思っているところであります。

○浅尾慶一郎君 違反があるかないかは微妙だという御答弁でしたけれども、日米地位協定の第十二条五項にはどういうふうに書いてありますか。

○国務大臣(久間章生君) 十二条の第五項は、所得税、地方住民税及び、これらのほか、除くほか、賃金及び諸手当に関する条件その他の雇用及び労働の条件、労働者の保護のための条件並びに労働関係に関する労働者の権利は、日本国の法令で定めるところによらなければならないと、こうなっております。

○浅尾慶一郎君 この日本国の法令で定める条件というのは、労働条件が変われば変わるわけですよね。変わった場合は、この地位協定の第十二条五項が、労働条件が、基準法の中身が変わったわけですから、変わるという理解で正しいんじゃないですか。だから、それが違反だということじゃないですか。

○国務大臣(久間章生君) 地位協定第十二条五においては、相互間で別段の合意をする場合を除くほかというのが頭にありまして、この相互間で別段の合意をする場合というのが、それ以前の合意が、これがそうなんだというような、そういう意見が出されているわけですよ。そこのところをめぐって、外務省と私どもが一緒になって、それはまた違うんじゃないかというようなことを言っておりますけれども、向こうはそういう今までの合意がこれであるからこれを除くほかということになっているんで、この既にある合意がある場合に、そう一方的に法律が変わったからといってどうなんだという、そういうようなことが主張としてあります。

しかしながら、向こうの国内での考え方でも、日本と同じようにすべきなんだからやっぱりそれはやるべきだということで、今何とかこれを乗り切りたいと思っているわけです。

○浅尾慶一郎君 少し分かりやすく指摘をさせていただきたいと思いますが、妊産婦等の有害業務就業禁止、これ労働基準法違反ですが、就業させているんではないか、あるいは年次有給休暇の繰越し、これ労働基準法で定められていますけれども、繰越しがないんではないでしょうか。

○国務大臣(久間章生君) 今、そういうことでずっと項目ごとに今要求をしておりまして、五項目ほど残っておるわけでありまして、今先生が言われたのはそのとおりであります。

それで、難しいのは妊産婦等の有害業務の禁止、これについても、妊産婦については重いものを持たせないとかそういうことについては合意があるわけですけれども、この妊産婦に限ればいつでも合意するんですけど、等の中に女性を指すんだという、そういう主張を国内でされるものですから、向こうの方は、女性でも元気な女性と妊産婦等でいう、等で読んでしまうのはちょっと乱暴じゃないかとか、いろんな意見があるようでございますから、この辺は少し詰めさせてもらってこの五項目についても合意を得たいというふうに思っているところであります。

○浅尾慶一郎君 しっかりと交渉をしていただきたいことだと思います。グアムへの移転費の負担だけさせられて、我が国の法令を本来は守ると協定に書いてあることについて守っていないというのは問題だというふうに思いますので、指摘をさせていただきます。  次に、横須賀基地内でアスベスト、いわゆる石綿使用が原因の中皮腫患者が発生したということですけれども、この概要について伺いたいと思います。

○国務大臣(久間章生君) 米海軍横須賀基地に勤務している労働者一名でございますが、昨年四月、悪性胸膜中皮腫と診断されました。これは、昨年八月に横須賀労働基準監督署から労災認定を受けて、今年の三月に在日米海軍により業務上傷病の取扱いがなされたところであります。

○浅尾慶一郎君 アスベスト、石綿を使用する環境においては労働安全衛生法を、まずその前に、立入検査等は厚生労働省やったかどうか、伺いたいと思います。

○国務大臣(柳澤伯夫君) 労働災害が発生した場合、同種の災害の防止の観点から、死亡事故等一定の災害については調査をすることとなっております。

しかしながら、本件につきましては、当該労働者が作業に従事していた時期、これが七七年から九五年というふうに認識しておりますが、このことから見まして、現在の基地内に立ち入っても当時の作業方法、作業手順等を確認して、こうした災害調査をすべき事案には該当しない事案、つまり災害防止に資することが既に状況が変わってしまって困難であるというふうに考えているところでございます。こうしたことから、本件につきましては災害調査は実施しておりません、いないところでございます。

○浅尾慶一郎君 ちなみに伺いますが、その九五年までの勤務で立入検査をしたケースは全国でありませんか。

○国務大臣(柳澤伯夫君) 横須賀におきまして二件それまでにあったということでございます。

○浅尾慶一郎君 そうすると、米軍基地だから立入検査をしないで、ほかの件では立入検査をするということになるんですか。それとも何かほかの理由があるんですか。

○国務大臣(柳澤伯夫君) 立入検査をいたしましたということをお答えしたんですが。

○浅尾慶一郎君 次に、作業環境の測定は行っておりますか。

○国務大臣(柳澤伯夫君) 労働安全衛生法上は、事業者は有害な業務を行う作業場について必要な作業環境測定を行わない旨を定めております。石綿については、石綿障害予防規則におきまして、事業者は、石綿等を取り扱い、又は試験研究のため製造する屋内作業場において、この屋内作業場について六月以内ごとに一回、定期に、石綿の空気中における濃度を測定しなければならない旨規定しているところでございます。

○浅尾慶一郎君 したがいまして、その作業環境測定は、これはどちらかというと防衛大臣に伺った方がいいかもしれませんが、現地において作業環境測定を行いました。

○国務大臣(久間章生君) 防衛施設庁としては行っておりません。しかしながら、防衛施設庁が米軍に問い合わせたところによると、米軍の方では行ったという報告を受けております。

○浅尾慶一郎君 雇用主が防衛施設庁でございます。雇用主が作業環境の測定を行わないというのは、労働安全衛生法の違反ではないでしょうか。

○国務大臣(久間章生君) これは雇用主、言うなれば派遣業みたいなものですから、米軍との関係はですね、派遣をしているわけですけれども、法的な義務は事業主というふうになっておりますから、その事業場を持っている人が作業環境の測定をする義務なのか、あるいは派遣している防衛施設庁長官がその義務者なのか、その辺はちょっと調べてみますけれども、今のところ、そういう、とにかく事業主は米軍でありまして、そこが環境測定をやった、我々としてはやっていないということであります。

○浅尾慶一郎君 厚生労働大臣に伺いますが、雇用主が行わなくても、それで事業主はこのケースでいえば米軍であるから、米軍が作業環境測定をやれば労働安全衛生法に違反しないという解釈なんですか。

○国務大臣(柳澤伯夫君) 浅尾委員は一般的な法律関係をお尋ねかとも思いますが、冒頭挙げられました労働者の件に即して少しお答えさせていただきますと、労働者が従事していたエアコンを取り付けるために石綿のスレート板に穴を空ける作業というのは短時間で終了するものでありまして、六か月以上継続して行われるものではないという認識でございます。したがいまして、各作業場は、規則が義務付けられる作業環境測定の対象にはならないということを考えておる次第でございます。

労働安全衛生法に基づく石綿の作業環境測定は、先ほども申したように、屋内作業場で六か月以上石綿を取り扱っている場所において行わなければなりませんが、こうした作業場が現在、米軍基地の中にあるということは承知をいたしておりません。

○浅尾慶一郎君 しかし、エアコンの取付けで現に労災認定をされているというのは事実であります。  私が申し上げたいのは、別に米軍だからとかそういうことではなくて、先ほど来申し上げておりますように、我が国の法令をしっかりと適用していくその努力を少なくともしていただかないといけないということでありますので、地位協定の見直しも含めて労働法令の遵守をどのように確保していくのか、その点について防衛大臣に伺いたいと思います。

○国務大臣(久間章生君) これからも我が国の法令を遵守するよう努力していきたいと思っております。

○浅尾慶一郎君 我が国の法令というか、相手方に対してしっかりと申入れをするということなのか、その点について伺いたいと思います。

○国務大臣(久間章生君) これまでも度々防衛省に対して御質問がございましたけれども、アメリカのいろんな運用上の問題、いろいろとアメリカ軍の問題につきましては日米合同委員会が一つの窓口となっておりまして、外務省が一つはこれはその責任の一端を背負う形になっておりますが、我々としても、やっぱり防衛施設庁あるいは防衛省としても、外務省と一緒になりまして法令の遵守についてはこれから先も強く訴えていこうと思っております。

○浅尾慶一郎君 今日は締めくくりの総括質疑でありますから安倍総理大臣に伺いたいと思いますが、我が国の法令を、しかも条約あるいは協定においてもそれを守るという決まりになっているわけですね、基本的に。その解釈についてはいろいろあるかもしれませんが、基本的に我が国の法令を守るということが協定に書いてあると。美しい国ということであれば、我が国として主張すべきことはちゃんと主張すべきだと思いますが、安倍総理大臣、どういうふうに考えますか。

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 在日米軍は我が国の安全とそして極東の平和と安定のために日本に駐留をしているわけでありますが、その際、基本的にはもちろん日本の法令を遵守してもらう、そしてまた地位協定によっていろいろなことが定められているわけでありますが、運用によっても、これからも言わば同盟というのは信頼関係であり、また駐留がスムーズにいくように努力をしていきたいと思います。

○浅尾慶一郎君 念のためにもう一度伺いますけれども、現在、駐留米軍で働いておられます日本人の労働者に対しては労働基準法で担保されている様々なことが適用されていない部分がある、これについてしっかりと適用されるように交渉する意思を安倍総理として示していただきたいという質問です。

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 労働環境の改善については、日米合同委員会の下に、労務分科委員会の場等において今後とも粘り強く取り組んでいきたいと、このように思います。

○浅尾慶一郎君 役人の書いた御答弁を読んでいただいているわけですけれども、そうじゃなくて、私の質問は、美しい国、主張する外交というんであれば、少なくとも協定で書いてあることを相手方に主張するのは当然じゃないですかという質問です。

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 当然、主張すべき点は我々も主張しております。あとは解釈の問題等について今申し上げたところであります。

○浅尾慶一郎君 余り御答弁いただいていないようなので次の質問に入りますけれども。  次に、ハローワークの民間業務委託について伺っていきたいと思いますが、まずILO八十八号条約の趣旨はどういうところにあるんでしょうか。

○国務大臣(麻生太郎君) これは、職業安定組織の維持というもので、求人と求職というものが効果的に行われる、また募集とかあっせんとかいうものも確保できるようにするというのが本来の趣旨と理解しております。

○浅尾慶一郎君 同条約に基づきまして我が国はどのような法的義務を負っておるんでしょうか。

○国務大臣(麻生太郎君) この条約の法的義務を一言で言えば、国の監督の下で全国ネットワークでの公共職業安定組織というような形で維持するということが、大まかに申し上げればそういうことだと存じます。

○浅尾慶一郎君 この条約の第九条には英文でスタッフという言葉があって、これがパブリックオフィシャルでなければいけないと、こういうふうに書いてありますが、ということは、その職員は公務員でなければいけないという解釈でよろしいんでしょうか。

○国務大臣(麻生太郎君) これは単語の極めて技術的な質問で、これはフランス語ではパーソナルと書いてあると思いますが、いかがと思い、私、これは昭和二十年代に採択された古い条約なんだそうですけれども、ILOの百八十一条条約というのも同時にありまして、民間の職業仲介業の可というものをその後認めたような形になっておりますので、今の関連の事情というものもある程度考慮しないとこれは浅尾先生難しいんだと思いますけれども、今も言われたようにスタッフという意味のところがパーソナルとちょっとディフィニション、定義というものが少し分かれておるところだとは存じますけれども、基本的には今言われたところだと存じます。

○浅尾慶一郎君 では確認させていただきますが、基本的には公務員でないといけないということでよろしいわけですね。

○国務大臣(麻生太郎君) 第九条の職業安定組織の職員は公務員でなければならないとされておりますけれども、なお、今申し上げましたように、九条の一の職員の、英文ではスタッフ、フランスではパーソナルと訳されておりますので、公務員かと言われるとなかなか難しいところかと思いますけれども、今言われたとおりだと存じます。

○浅尾慶一郎君 つまり、職員は公務員でないといけないということなんでありますが、ところが、このハローワークのネットワークを含めて一部民間市場化テストをするということになりますと、そうすると条約違反になるんではないかと思いますが、その点についてどういうふうに考えられますでしょうか。

○国務大臣(麻生太郎君) 美しく譲り合っておりますけれども、条約の解釈は外務省の所管という総理の御下命でしたので答弁をさせていただきますけれども、今、先ほどちょっと申し上げましたように、この話は九条の一項の話と、その後ILOの百八十一条というのとの関連もありますんで、他の条約との関係もありますんで、関連事情を考慮する必要があるという点は、私ども、解釈する立場からいうと、その点は考慮されなければならないと存じます。

○浅尾慶一郎君 ここに厚生労働省の考え方、確かに条約の考え方、解釈は外務省ということでありましたけれども、厚生労働省の考え方という資料がありまして、そこでは、スタッフという言葉については本条約において一か所しか用いておらず、他に構成員を示す言葉がないことから、管理職ではなく職員全般を指すことが明らかであるというふうなペーパーに書いてあるんですが、そういう理解で厚生労働省としては動いておられるということでよろしいですか。

○国務大臣(柳澤伯夫君) 第九条にスタッフという言葉が英文ではありますし、フランス語の文章では今言ったようにパーソナルという言葉があるわけですが、和文の訳は正文なのかどうかはちょっと今私定かでないんですが、お読みしますと、職業安定組織の職員は、中略をいたしまして、身分の安定を保障される公務員でなければならないということでございます。

○浅尾慶一郎君 ところで、この市場化テストは大田大臣のところで担当されておるわけでありますが、そういう解釈なんですけれども、どういう理由でその市場化テストを、法的理由ですね、政策的理由ではなくて、どういう法的根拠でやっておられるか、伺いたいと思います。

○国務大臣(大田弘子君) 条約につきまして、政府としての最終的な解釈は外務省の所管事務に属するものと承知しております。

今の御質問ですが、昨年十一月三十日の経済財政諮問会議におきまして、民間議員からハローワークへの市場化テスト導入に関する二つの提案がございました。この提案と今、麻生大臣から御説明のありましたILO八十八号条約との整合性について集中的に検討を行うために、私の私的諮問機関としてハローワークとILO条約に関する懇談会というのを設置いたしました。委員は花見忠上智大学名誉教授を始めとする国際法と労働法の専門家等五名で、花見先生に座長をお願いしております。本年三月末を目途に検討結果を御報告いただく予定となっておりまして、私からその結果を経済財政諮問会議に報告いたします。

この検討結果につきましては、職業紹介機関の充実という目的のために政府部内における今後の対象事業の選定に生かしてまいりたいと考えています。

○浅尾慶一郎君 私の質問は、政策的根拠ではなくて、法的には今外務大臣そして厚生労働大臣がおっしゃいましたように公務員でなければいけないということになっているわけですよ。それをどういう根拠に基づいて私的懇談会をつくられたのか、その点を伺っているわけであります。

○国務大臣(大田弘子君) もちろん私、経済財政政策担当大臣には、条約について政府としての解釈を確定する権限はございませんけれども、条約の解釈について政府部内での検討に関与することが必ずしも否定されているわけではないと考えております。

○浅尾慶一郎君 ということは、経済財政諮問担当大臣が私的懇談会でこういうふうに条約を解釈しましょうということを提案をされると、私的懇談会の結論に基づいてですね、された場合に、外務省として聞く枠組みになっているんですか。

○内閣総理大臣(安倍晋三君) もちろん、外務省は、これは所管の省でありますから条約の解釈は行いますが、必要に応じて関係する省庁とも意思疎通をしながら検討していくということは当然あり得ると思います。

○浅尾慶一郎君 今までの国会での答弁によりますと、条約の解釈は外務省だということになっていまして、かつてその条約の解釈を他の担当大臣の指摘によって変えた例というのはあるんでしょうか。──外務省に、外務大臣に。

○委員長(尾辻秀久君) 速記止めてください。    〔速記中止〕

○委員長(尾辻秀久君) 速記を起こしてください。

○国務大臣(麻生太郎君) 済みません。他の大臣の指摘によって条約の解釈を変えたことがあるか。他の大臣が公式の場で、これこれ指摘に基づいてこの条約は解釈を変えろというのが正当な理由が我々としても納得できるというものであれば、それは条約の解釈改正というのはあり得ないことはないでしょうけれども、我々としても、それは主体的に私どもの方で検討させていただいた上で決定させていただきます。

○浅尾慶一郎君 あるかないかという答弁ですと、多分ないんだと思うんです、今までの国会答弁で言うと。

ただ、一応、そういう例があれば予算委員会に提出していただきますようにお願いしたいと思います。

○委員長(尾辻秀久君) 理事会で協議をいたします。

○浅尾慶一郎君 なぜそういうことを申し上げているかといいますと、次の質問に入るわけですけれども、外務省は、いわゆる共謀罪について、これは一文たりとも、かつて、国内法を変えると条約とそごが出てしまうという主張をされてたんでそういうことを伺ったわけでありますが、そうすると、別に他の大臣ではなく、国会が指摘すれば条約解釈を変えるという、そういう柔軟なスタンスに麻生外務大臣の下で変えたという理解でよろしいですか。

○国務大臣(麻生太郎君) 先ほども御答弁申し上げましたように、そういった当然立法府のお話ですからいろいろ御意見が出てくる、当然のことだと存じます。

それを受けまして、私どもがその問題を受けてどのようにそれを我々主体的に最終的に判断するか、条約解釈の話だろうと思いますんで、そこのところはきちんと御意見としては拝聴させていただいた上で、どうするかというのは最終的に外務省で判断をさせていただいた上で条約の交渉をさせていただくということになろうと存じます。

○浅尾慶一郎君 そういうことになってくると、国会に対していろんな議論、まあ特にこの国会でもなかなか進まないと言われておりますいわゆる共謀罪ですね。これについて、今まで言ってきた議論の論拠が少し変わってくるんではないかと思いますが、そういう考え方ではないか、あるいはそういう考え方でないんであればどうして違うのか、その説明をしていただきたいと思いますが。

○国務大臣(麻生太郎君) 特にこれまでの答弁と変わっているところはないと存じております。  共謀罪につきましても、いろいろな御意見がある。我々としては、その問題が条約で通るか通らないかというのは、我々としても各国等々と話を聞いてみないとどうにもなりませんから、それを我々は、国内法で決められて国会で決められたということになれば、それに伴ってそれで交渉いたします。しかし、それによって通るか通らないかというのは、これまた別の判断ということになろうと存じます。

○浅尾慶一郎君 つまり、外務省として当初考えていたことがあって、国会ないしは閣内で指摘をされて考え方を改める場合は、そこからもう一度、その所管をする国連の事務総長なりILO事務局に対して、こういうふうに解釈を変えるんだけどどうかという手続が必要だということですか。

○国務大臣(麻生太郎君) 手続と言われるとあれですけれども、浅尾先生、こういった条約と新しく国内法で通った条約とかなりここに違いがあるんだけれども、これは国際的な国際司法裁判所なり国連なりどこなり、そういったところできちんと、のめる範疇なのか否かというのは聞いてみないと何とも申し上げられません。

○浅尾慶一郎君 この問題について議論をすると長くなりますからこの程度にさせていただきたいと思いますけれども、是非、一歩たりとも条約解釈は変えられないんだという姿勢を、もしそうであれば改めていただきたいということを申し上げて、次の質問に入りたいと思いますが。

この予算委員会でも何度か定率減税の廃止について、これは逆進的なんではないかということを総理に質問をさせていただきました。総理は違うというふうにおっしゃっておりますけれども、引き続きこれは逆進的ではないという、そういう理解でよろしいですか。

○内閣総理大臣(安倍晋三君) その考え方に変わりはないということでございます。

○浅尾慶一郎君 定率減税は、法人税の、まあ法人税率を下げることと、それから所得税の最高税率を下げることと三点セットで定率減税が導入されました。今回は定率減税だけがなくなったわけでありますが、その法人税の税率は、各国と比べて日本は高いという認識を持っておられるのか、あるいはここで上げたら高くなるという認識を持っておられるのか、総理に伺いたいと思います。

○国務大臣(尾身幸次君) 法人税の基本税率は現在の段階において大体四一%でございまして、アメリカ、ドイツと並んで世界的には一番高い水準でございます。で、ドイツの方は近くこれを三〇%前後に下げるというふうに聞いております。

○浅尾慶一郎君 法人が負担するのは法人税だけではありません。社会保障費用のうちで法人が負担する、事業主が負担する数字を主な主要国でお答えいただけますか。

○国務大臣(柳澤伯夫君) 日本の法人の社会保険料それから労働保険料の負担でございますが、この負担は、アメリカよりは高くヨーロッパ諸国よりは低いという水準でございます。なお、どの程度かということでございますが、これは日本は二〇〇六年九月時点、諸外国も同じですが、アメリカは二〇〇五年の実績で申しますと、日本が一三・二、アメリカが一一・三、それからちょっとヨーロッパはかなり幅がありまして、ドイツが二一・四から一番高いフランスで三二・三ぐらいの幅でございます。

○浅尾慶一郎君 先ほど尾身大臣は、日本、アメリカ、ドイツが法人税が高いというふうにおっしゃいました。しかし、法人の側からすると、税で払うか社会保障費で払うか、それは余り変わりがないわけでありまして、両方足した場合、どうなりますでしょうか。

○国務大臣(尾身幸次君) この法人所得課税につきましては、国民所得比で日本は四・六%でございまして、ほかの国と比べてやや高い水準になっております。社会保険料の事業主負担につきましては六・二%でございまして、これはほかの国と比べてやや中位という数字、中くらいということでございます。

○浅尾慶一郎君 先ほど社会保障費については厚生労働大臣から御答弁いただきました。法人税については財務大臣から御答弁をいただきましたが、これは単純に足す種類の性格ではないかもしれませんが、単純に足してみますと、日本が五三・八九、アメリカが五二・〇五、そしてさっき安いと言ったドイツは六一・八、フランスは六五・六三、イギリスは六一・四、中国でも六〇・二四という数字になるわけでありまして、ヨーロッパと比べれば我が国の法人税あるいは法人が負担しなければいけない公租公課が決して高いということにはならないと思いますが、その点について総理に伺いたいと思います。そういう認識を持っておられるかどうか。

○内閣総理大臣(安倍晋三君) もちろん給付と負担両方で考えていくわけでありますが、そこで企業の負担がどうなっているかという観点から御議論をいただいているわけでございますが、アメリカよりは高く、ドイツ、フランスよりは低い水準だと、これは社会保障の負担でございますが。

そこで、今後、企業に対する税制の検討に当たっては、この社会保険料を含む、企業の種々の負担も含めて更に検討をしていく必要があると考えております。

○浅尾慶一郎君 今アメリカよりは低いとおっしゃいましたが、ほぼアメリカと一緒なんですね、五三・八九と五二・〇五ですから。ヨーロッパへ行くと六〇%を超えるということなので、そういう意味でいいますと、今回定率減税を廃止するときに、法人税と所得税の最高税率についてはこれは触ることができないと、法人税については、もう既に我が国の法人の税負担が高いからという理屈は、本来は片っ方しか見ていない議論なんではないかな、つまり社会保障費について見ていないという話なんではないかと思いますが、その点についてどういうふうに思われますか。

○国務大臣(尾身幸次君) 平成十一年の税制改正を行いました。そのときに、同時にいわゆる定率減税とそれから法人税の引下げと所得税の最高税率の引下げをいたしました。法人税の引下げと所得税率の最高税率の引下げは言わば恒久的税制の改正の一環として行ったものでありまして、定率減税はいわゆる景気対策として、緊急異例の景気対策として行ったものでございまして、時期は同時でございましたが、この二つは性格は異なるものであると考えております。

○浅尾慶一郎君 私の指摘は、つまり、日本の法人税が既に高過ぎて、これ以上下げられないから定率減税の廃止によって財政不足を補ったんだという説明を今までされてきたわけなんですよ。しかし、社会保障料を含めるとそういうことではないんではないか。  もっと言うと、これ聞いてびっくりしたんですが、財務省では実効税率について、実効負担率について数字も持っていないわけですよ。つまり、先ほど必ずしも足すのが正しくないと言ったのは、社会保障費については、これは利益から損金として落とせるわけですから、足すと若干税率が変わってくると。ですから、しかしその数字さえ持っていないというのは行政の怠慢だと思いますが、怠慢でないと思われるんであれば御答弁いただきたいと思います。

○国務大臣(尾身幸次君) これは制度そのものが各国によって違いますから、結果として、国民所得の中でどのくらいの比率を結果として占めているかという指標で一応私どもは比較をしております。

○浅尾慶一郎君 いやいや、制度が違うというんであれば、今までなぜ、じゃ、ほかの国と比べて日本の法人負担が高いとおっしゃっていたんですか。

○国務大臣(尾身幸次君) 法人税の実効税率の国際比較という表がございまして、これによってほかの国よりも高い、今現実にアメリカと日本が四一%程度ということで、例えばフランスが三三%、イギリス三〇%、中国三三%、韓国二七%という、委員もお持ちの表がございます。その表に基づいて私どもは考えております。

○浅尾慶一郎君 私の質問は、今、尾身財務大臣がお答えいただいたのは税負担だけなんですよ、企業は社会保障費、そういうのも負担するわけですから、その両方を比較した答弁、数字でないとおかしいんではないですかという質問なんです。

(発言する者あり)

○委員長(尾辻秀久君) 浅尾慶一郎君、質問を続けてください。質問してください。質問をしてください、浅尾慶一郎君。

○浅尾慶一郎君 繰り返しの質問になりますけれども、比較をするときに法人税だけを比較して企業負担の答えをするのはおかしいんではないかと。企業が負担するのは社会保障費も同じように負担するわけですから、なぜその数字を持っていないのですかという質問です。

○国務大臣(尾身幸次君) OECDの統計を基に社会保険料の事業主負担の国民所得比を機械的に計算をいたしますと、日本は六・二、アメリカ四・二、イギリス四・七などと比べまして、ドイツ九・八、フランス一五・〇というふうになっております。

○浅尾慶一郎君 ですから、私の質問は、なぜその日本の法人の負担が必要以上に高いというときに法人税のことだけをおっしゃっているんですかということなんです。

○国務大臣(尾身幸次君) 私どもは、法人の負担という意味からいえば、法人税とこの社会保険料の事業主負担はもちろん両方とも法人の負担になりますから、考えるべきものであると考えております。

○浅尾慶一郎君 ですから、なぜ今までの定率減税を廃止するときに、法人税は既に日本は非常に高いんだと、あるいは所得税の最高税率も高かったのをこれ戻すわけにいかないんだということなんですが、法人税については本当は社会保障費も含めて比較をすれば必ずしも高いということにはならないんじゃないですかという指摘をさせていただいて、その点について今正に御答弁いただいたから、では今までの国会の中で、法人税が高いからこれをもう上げるという議論にはならないんで定率減税をやめたということの今までの一連の答弁をやめられるかどうか、その点について伺いたいと思います。

○国務大臣(尾身幸次君) 法人税は法人税で今国際比較を申し上げました。それから、社会保険料負担についての数字も一応申し上げました、国際比較がございます。これを両方足してどうかというのは、これは統計の系列が違いますからそう簡単には比較できないということも私は先ほどから申し上げているところでございます。

○浅尾慶一郎君 その統計が違うということなんですが、ですから、先ほどもその点も指摘させていただきました。せめて、少なくとも財務省において両方を一律で見るような体制を研究されたらいかがですか。

○国務大臣(尾身幸次君) この御意見はある意味でごもっともだと思っております。私どももこれからいろいろ調査研究をして、こういう点のこの比較もこれから一生懸命頑張ってやっていきたいと思っております。

○浅尾慶一郎君 次に、定率減税との絡みで申し上げさせていただきたいと思いますが、ストックオプションという制度がございます。ストックオプションは、基本的にはこれは給与として、給与所得としてカウントされると、で、一部例外があると、そういう理解でいいかどうか、その点についてまず伺いたいと思います。

○国務大臣(尾身幸次君) このストックオプションで利益を得たものは、その人の個人の所得になると思っております。

○浅尾慶一郎君 給与所得と株式の譲渡所得では税率が違うんです。その点についてどうなっていますか。

○国務大臣(尾身幸次君) 給与所得は給与所得の系列の中に入ります。株式の譲渡所得は分離課税でございまして、譲渡所得については分離課税制度になっております。(発言する者あり)ちゃんと聞いてくださいよ。私は正しく答えているつもりですよ。委員と意見が違うかもしれません。しかし、答えとしてはきちっと答えているつもりですよ。

○浅尾慶一郎君 私は、意見ではないんです、これ。ストックオプションは、基本的に給与所得として課税されるんですか、それとも譲渡所得として課税されるんですかと。

○国務大臣(尾身幸次君) 今、分離課税で別だということを申し上げました。ちゃんとやじ飛ばさないで聞いてください。

○浅尾慶一郎君 それは、分離課税になるのは実は適格の場合だけなんです。原則は給与所得課税なんです。違いますか。

○国務大臣(尾身幸次君) いろんな条件がございまして、適格の株式譲渡益については分離課税であります。そうでないものは給与所得になるというふうになっております。レクを受けてそう答えております。

○浅尾慶一郎君 なぜその質問をするかというと、適格の場合には現在一〇%になるんです。適格の分離課税の場合は一〇%の税率なんです。で、本来、給与所得として認定されるものであれば最高税率は地方税も含めれば五〇%になると。

ですから、そこは、本当は定率減税を廃止する中で、それが本当にいいのかどうかということについて、少なくともその効果についてまずは測っておかなければいけないんではないかと思いますので、まず伺いますが、ストックオプションの税制適格制度によって税収がどのように変わったのか、あるいは政策効果がどのようになったのか、その点について、政策的にどういう効果があったのか、伺いたいと思います。

○国務大臣(尾身幸次君) 適格のあるストックオプションについては給与所得の分類で総合課税をすると、こういうことであります。

○浅尾慶一郎君 分離課税です。

○国務大臣(尾身幸次君) 分離課税。分離……

○浅尾慶一郎君 適格は分離課税で、適格にならないのは給与所得……

○国務大臣(尾身幸次君) 適格は分離課税で、適格でないものについては総合課税の対象になるということでございます。

○浅尾慶一郎君 質問を分かりやすく言います。  適格になったものは税制上優遇されます。じゃ、その優遇された結果、どのぐらい税収が減収になったのか、その数字をお答えいただきたいと思います。

○国務大臣(尾身幸次君) 分離課税について、この株式譲渡所得の分離課税について、税収がどうなるかということについては、実はそのときの株の相場の動き、それから経済情勢等々で変わるわけでありますので、私どもとしては、この分についての税収のいわゆる効果といいますか増減というのは数字的には計算をしておりません。

○浅尾慶一郎君 私のここから先は意見ですから意見が違っても結構ですが、ストックオプションというのは、言わば基本的には給与に近いものだという形で企業に勤めておられる方に与えられますと。ある場合だけこれは別にしているということなんですが、ストックオプションがもらえる方というのは社会の中でごくわずかなんです、ごくわずか。ところが、定率減税の対象者は数多くいると。で、定率減税を廃止する、一方でストックオプションは残すということであれば、よっぽど政策的な意味があるんではないかということになるわけです。よっぽど政策的意味があるんであれば、少なくとも数字の裏付けがなければいけないと思いますが、その点について、ないというんであればなぜないのか、そして、なくてもいいんであればなぜなくてもいいのかという点について、財務大臣、御説明いただきたいと思います。

○国務大臣(尾身幸次君) この適格のストックオプションについて、これはいわゆる株式譲渡所得と同じ扱いでございますが、これについては株式譲渡所得の、例えばどういう数字になるかということは正にその株価の水準、それからそういう経済状況によって結果の数字が違うわけでありますから、私どもとしてはその経済効果は計算できないというのが今の現状でございまして、そのことによって、我々もいろいろと検討はしているんですけれども、計算をしていないというのが実情であります。

○浅尾慶一郎君 じゃ、別の角度から総理に伺いますが、定率減税廃止しました、定率減税は廃止しました。で、実質的に給与所得の代替措置であると言ってもいいストックオプションについてはまだ一〇%という物すごく減額された税制が残っていると。この点について不公平か公平か、どういうふうに思われるか。

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 定率減税については、これは言わば未曾有の不景気が続いている中において定率減税を導入をしたわけであります。これは、言わば恒久な減税ではないということで導入をしたわけでございます。そして、今般、景気が回復軌道に乗る中において、この言わば定率減税を段階的にこれは元に戻していくと、こういうことでございます。

今委員が指摘されましたストックオプションにかかわる税制については、これはまた、また別の議論の中で最終的な判断をしたと、こういうことではないかと思います。

○浅尾慶一郎君 私は、まあそれはそれぞれの考え方がありますから、ここは意見の違いだということかもしれませんが、少なくとも定率減税をなくすんであれば、そのストックオプション等々、給与所得だというふうに、基本的にはだというふうに認定しているものについて、それをやめた場合の政策効果と続けた場合の政策効果について数字で持っておいて国民に説明する必要性があると思いますが、その用意があるかどうか、伺います。

○委員長(尾辻秀久君) 安倍内閣総理大臣。  指名を変えます。尾身財務大臣。

○国務大臣(尾身幸次君) このストックオプションの分離課税については、あるいはベンチャーを育てる、経済を発展させるという意味から、意欲を持って経営をしていただくという意味で分離課税にしているわけでございまして、通常のものとはちょっと違う、通常の給与とはちょっと違うと思っております。

○浅尾慶一郎君 その効果は、数字がないわけですよね、効果の数字がないわけですよね。だから、どうしてそれが分かるんですか。

○国務大臣(尾身幸次君) その方が意欲を持って経営をし、ベンチャーを育てるという意味で、数字的な細かい計算ができなくても、政策としてはその方が妥当であるというふうに考えてやっているわけでございます。

○浅尾慶一郎君 時間の関係で最後の質問になりますけれども、この予算委員会で政治と金の問題、随分議論されました。  冬柴国土交通大臣、公明党の太田代表は、松岡農水大臣、もっと政治的な説明責任を果たせというふうに言っておられますが、冬柴大臣も同じ御意見ですか。

○国務大臣(冬柴鐵三君) 私は、公明党の議員ではありますけれども、安倍内閣の一員であります。

○国務大臣(麻生太郎君) 時間が終わりそうなんで、割り込んだような形で恐縮ですが、先ほど理事会預かりになっておりました分がありました。条約の解釈は他の省庁からの指摘で変えたことがあるかというんで、今、理事会で御説明と申し上げましたが。

先ほど申し上げましたように、解釈を決めていく過程で国会若しくは他の方々の御意見を拝聴させていただいた上でどうするということはありますが、いったん決めた条約の解釈というものを、他省庁を含め、外部からの意見等々において変更したことはありませんし、これまでも変更したことはございません。

○浅尾慶一郎君 最後の質問にします。

農水大臣は法律が改正されたら全部開示する用意があるというふうにおっしゃっておりますが、法律改正の場合は遡及が普通はしないんです。しかし、農水大臣のケースは遡及するという理解でよろしいですか。

○国務大臣(松岡利勝君) それは、私一人にそれが妥当かどうかと言われましても、それは全体で決めていただくことでありまして、私がここで答えることは適当ではないと思っております。

○浅尾慶一郎君 終わります。

 

2007年03月20日 (火)

参議院 外交防衛委員会 3号 平成19年03月20日

166-参-外交防衛委員会-3号 平成19年03月20日

○浅尾慶一郎君 民主党・新緑風会の浅尾慶一郎です。

まず最初に、六者協議について伺ってまいりたいと思いますが、北京での本会議が始まっておりますが、その結果についての認識はどのように思っておられますか、外務省、外務大臣に伺います。

○国務大臣(麻生太郎君) 御存じのように、六者協議は十九日から北京にて開催をされておりまして、本日も引き続き行われております。

初日でありました昨日は、全体会合及び首席代表者会合というのが行われました。各国の基調発言の後、これまで開催されました五つの作業部会についての結果報告が行われております。その後の意見交換の結果、五つの作業部会の進捗状況はばらばらということではあるが、五つの作業部会すべてが関連をしているので、六者会合共同声明の完全実施のためにはすべての作業部会の進展が重要であるということの点で参加各国の認識の一致があっております。

本日以降は、初期段階の措置の実施のための具体的な段取り及び次の段階での措置に関する行動計画について議論がされることと見込んでおります。

○浅尾慶一郎君 この六者協議の直前に、バンコ・デルタ・アジアで凍結がされておりました北朝鮮の資金、これ全額を使っていいですよということで凍結が解除されたわけであります。これはアメリカの財務省当局が決めたことですけれども、我が国はそういう中にあって拉致という、直接六者協議の中で他国がどの程度関心を持っているか、核と比べると温度差がある問題、課題を抱えているわけでありますけれども、米朝の協議の中で拉致の問題がどのように扱われているのか、特にバンコ・デルタ・アジアの問題と絡めて、もし情報があれば御提供いただければと思います。

○国務大臣(麻生太郎君) 浅尾先生御指摘のありましたとおり、このBDA、バンコ・デルタ・アジアに関しましては、これは基本的にはアメリカの国内法、財務省の所管の話でもありますので、六者協議と直接関係しているわけではありませんけれども、これは、間接的には非常に大きな深いつながりを持っておりますのはもう御存じのとおりであります。

今御質問にありました米朝国交正常化の作業部会において、三月の五日と六日、ニューヨークで行われておりますけれども、この部会において拉致問題についても時間を掛けて議論をされたと承知をいたしております。具体的には、アメリカ側から、日本との関係を改善することが北朝鮮の将来のためにも重要、日朝作業部会が北朝鮮にとっての機会である旨北朝鮮側に述べたのに対して、北朝鮮側からも、日本との関係改善の必要性は理解している旨の言及があったものと承知をいたしております。

○浅尾慶一郎君 我が国政府は拉致問題の解決なくして国交正常化なしという主張を従来からしてまいりました。最近は拉致問題の進展という言葉も使っておりますが、解決という言葉と進展という言葉は意味が違います。この差を説明していただけますか。

○国務大臣(麻生太郎君) 拉致問題の解決なくして国交正常化という話と、今、核の問題を含みますこの六者協議の話とは直接、間接的に関係、直接しているかというと、直接していない。したがって、この核の問題を解決していくに当たって、日本以外の四者はこの問題がプライオリティー、優先順位の一番であります。

その優先順位の一番の問題を解決するに当たって、みんな、今正に寧辺の話やらIAEAの査察官の話やら何やらがくちゃくちゃしておりますのはもう御存じのとおりですが、日本は、少なくともこのことを動かしていくのに当たって約百万トン、金に直しますと三百からちょっと上がり下がりあります、三百三、四十億だと思いますが、そこらの金をいわゆる石油として出すということに、代金をお金に換算しますとそんなものだと思います、出すということにしておりますが、日本は拉致という特殊事情があるので、この問題に先方、北朝鮮側の誠意ある態度というものが見られない限り、いわゆる進展がない限り、うちはこれに参加することはありませんということは他の四者も納得をしております。

したがって、この問題に関して何らかの向こうの誠意が出て、見せられるということになれば、それに対応して、うちは、その百万トンの中に関しても、うちは丸々払わないんじゃなくて、進展があればそれなりの対応をする用意はあります。ただし、これがいわゆる生存者の引渡しとか真相究明とか当事者の引渡し等々の問題が解決されない限りは、いわゆる国交正常化の話についてはこれはもう全くできることはありませんという意味で二つに分けたというように御理解いただければと存じます。

○浅尾慶一郎君 確認のために、今おっしゃったことで大体分かりますけれども、もう一度質問させていただきますと、五万トンあるいはその先の百万トンについて、資金提供は全面解決でない場合にもあり得るという意味で進展という言葉を使っているということでよろしいですか。

○国務大臣(麻生太郎君) 言い方というものは、何をもって進展かというところはこれまたいろいろ意見の分かれるところだと思いますが、少なくとも北朝鮮側の実際の対応というのがもう全く今は取り付く島もないようなことになっておりますので、そういった意味では、具体的に、個別的に見た上でないと何とも言えませんけれども、進展があればそれなりのものを負担する用意はあるということを他の四か国には申しております。

○浅尾慶一郎君 そうすると、拉致と核の問題を、言わば国交正常化と核の問題を切り離したということだというふうに理解をさせていただきますが、その進展ということの最低限の定義は、北がアクションを起こさないと進展にはならないという理解でよろしいですか。

○国務大臣(麻生太郎君) この問題は既に解決済み、既にこの問題は全くないと、いわゆる拉致なんてもう既に存在しないんだというのが今の態度ですから、いや、そんなことはないと。これだけ、十三件十七人等といろいろありますので、ほかにもいろいろ、定義はまたこれ難しいんですけれども、一応十三件十七人とよく言われる数字です。こういったものに関しては、全くもう木で鼻くくったような、もう解決済みだと言うんだったら、これは進展は一切ないというように我々は判断せざるを得ませんと申し上げております。

○浅尾慶一郎君 つまり、かつてのように、偽の遺骨を渡すといって、それでもって進展ということでなくて、事実に基づいたものが出てくれば進展として判断する余地があると、必ずしも判断するかどうかは別問題だということでよろしいですか。

○国務大臣(麻生太郎君) そのように御理解いただいて結構だと存じます。

○浅尾慶一郎君 それでは、米軍再編特別措置法に関して、この予算とも若干関係していますので、米軍再編について伺ってまいりたいと思いますが。

過日の予算委員会でも、米軍再編そのものは、私はこれは明らかに米国の戦略に基づいて行われたものだということを指摘をさせていただきました。つまりは、ホームランド、自国の領土内に軍隊を置いた方が外国から身を守りやすいと。しかも、今の脅威というものの体質が、性質が、国というよりかは集団という形で迅速な対応を、しかしどこから攻撃してくるか分からない集団に対して迅速な対応を取らなければいけないということで、できる限り外国にあるものを国内に戻しているというのが米軍再編なんではないかということを指摘したわけでありますが。

その中でドイツその他、海外の国と比べてこの再編に伴う費用負担が我が国は突出して大きいというふうに思うわけでありますけれども、よく政府側の説明は、我が国は沖縄の海兵隊の移転を常々求めてきたから応分の負担は当然だという主張をしますが、それではドイツあるいはほかの国では米国に移転を求め、まあドイツに絞って言いましょう、移転を求めていたんではないかと。その点の事実認識だけまず伺いたいと思います。

○国務大臣(麻生太郎君) ちょっと正直、ドイツに絞っておられますけれども、ドイツの米軍の軍事体制の見直しの結果、あの駐留米軍、在ドイツ駐留米軍の一部が移転したケースがあるということは私ども承知をいたしております。

ただ、そのドイツと米国との間の交渉の経緯等々を、その元々のオリジナル、発想ですかね、そういったことについてちょっと今知る立場にはございません。

○浅尾慶一郎君 まあ既にこの米軍再編について日米両国で合意がされていることですから、今更資金負担について戻って云々という議論はなかなか難しいかもしれませんが、少なくとも、ドイツから米国の軍隊が冷戦構造が崩壊した後で出ていくという経緯の中で、ドイツ政府がそのことについて求めていたのかいなかったのか、そして費用負担について、これはないというふうに聞いていますが、そのことについてできれば資料を委員会に提出していただきますように、調べれば分かる話だと思いますので、お願いしたいと思います。

○国務大臣(麻生太郎君) 御存じのように、浅尾先生もよく御存じのところですが、あのドイツのありますいわゆる西ドイツ、東ドイツの国境以東の東ヨーロッパ、通称鉄のカーテンと言われたところが一九八九年、まあ九〇年に、ベルリンの壁崩壊と同時にここが、いわゆる冷戦構造というものが完全に崩壊しております東ヨーロッパ、西ヨーロッパ、いわゆるユーラシア大陸の西半分とこのユーラシア大陸の東半分とは状況が違っておりまして、北朝鮮を含みます朝鮮半島若しくは台湾海峡という状況はまだ冷戦が終わったとは言いにくい状況にあるというのはもう御存じのとおりでありまして、したがって日本とドイツとで少し置かれている立場がかなり異なっているとは存じますが、ドイツがどのような形になったか、我々の調べられる範囲でやってみようと存じます。

○浅尾慶一郎君 大臣が今おっしゃいました、置かれている地政学的な状況が違うというのは私もそのとおりでありますから、そのとおりということではありませんが、今までの政府の説明では、まあ何というんですかね、抑止力の維持と同時にその負担を軽減すると、負担の軽減というのは移転であると。移転というものを求めたから日本側が応分の負担をするのであるということでいえば、移転を求めた国がほかにもあって、それと日本の負担が重いのかどうか、その抑止力との比較検討も含めて資料としてあった方がいいと思いますので、是非先ほどの件はお願いしたいと思います。

そこで、その負担ということで質問に入らさせていただきたいと思いますけれども、まず、我が国の負担は複雑なスキームに基づいておりまして、出資、融資等々の部分と、いわゆる真水と言われる財政支出の部分に分かれておりますが、財政支出二十八億ドル、これ上限となっておりますけれども、この上限というのはどうやって決めたのかということと、そしてこの二十八億ドルについてはどういうスキームで司令部庁舎あるいは教場、隊舎、学校等生活関連施設を造っていくのか、教えていただきたいと思います。

○国務大臣(久間章生君) この事業スキームにつきましては、在沖米海兵隊のグアムの移転のうちの海兵隊の司令部の庁舎でありますとか、教場とか、海兵隊の隊舎、学校など、こういう生活関連施設は、民活でやることが可能な例えば家族住宅とかあるいはインフラとかと違いまして、これはどうしても資金回収ができないのと同時に、やっぱり日本とアメリカの双方がこれは出すべきものであろうというようなことでそういう仕分をまずしまして、そして、家族住宅なんかについては住宅手当が出るわけだから、あるいは住宅手当以外の手当で光熱水道とかそういうのは出るわけですから、そういうような形で回収できるものについては、これは民活を取り入れたらいいんじゃないかというような、そういう考え方で、真水で出す部分と民活でやる部分とにこう大きく分けまして、そして、アメリカからどれぐらい掛かるかという向こうの積算を出してもらって、それに基づいて決めていったわけであります。

だから、そういう意味では、金額としては向こうの査定で出してきておりますから、まあグアムというのは非常に離島であるということから輸送コストも掛かる、そしてまた一遍に短期間で造っていくからそれもまた掛かる、あるいはまた何といいますか人口も、グアムの人口、労務者をもし使うとすれば大体、非常に労務単価が高いわけですから、これも高いということも分かりますから、これから先、そういうような調査をしていったり、あるいは事業スタイルをどう決めて民活をどう取り入れていくか、そういうふうにやっていきますと、真水で出す分についても減ってくる可能性は非常に強いわけであります。

だから、上限はしかし決めておかないと、こういう国会での審議を我々だけではなくて向こうもまた議会で審議してもらうわけでありますから、日本はどれだけまで出すのかということの、真水で出す部分はやっぱり決めなきゃならないということで、上限として二十八億をはじいたわけであります。

○浅尾慶一郎君 先般も予算委員会で指摘をさせていただきましたけれども、米軍が同じグアムで建設をしているその住宅の単価と比べて、この我が国の積算している単価が余りにも高いので、これは是非検討をしないといけない課題だというふうに思っております。

その中で、このまた今御指摘がありました輸送コストが掛かるということなんですが、御案内のとおり、船で物を運ぶと物すごく安いんですね、大量に運べば。これは距離と比例しないわけでありまして、外航海運に乗せてどこの、日本の船会社でも同じですけれども、東京からあるいは横浜からサンフランシスコに運ぶ方が国内で運ぶ方よりはるかに安いわけですから、そういうことを考えると、グアムの、何ですかね、物を運ぶ費用が掛かるというのは必ずしも適切な説明ではないんではないかなというふうに思いますので、そこも是非よく調べていただくようにお願いしたいと思います。

そこで、この財政支出二十八億ドルの工事、発注者の責任者はどこになりますか。

○副大臣(木村隆秀君) 今大臣からもお話を申し上げましたけれども、その財政支出、真水の部分についての整備の、施設の事業スキーム、その工事の発注方法も含めまして今、日米間で引き続いて協議をしておるところでございまして、まだ固まっておりません。そんな段階でございますから、今の現段階で具体的にその発注者がだれだということで決まっているわけではございませんので、今答弁させていただくことが困難でございますので、御了承いただきたいと思います。

○浅尾慶一郎君 財政支出決めておいて発注者決まってないというのは少しおかしいんではないでしょうか。

○副大臣(木村隆秀君) 今具体的にグアムへどのような施設を造っていくかということが、その協議をしている段階でございまして、この段階においてどのような事業スキームだということで固まっていないということでございます。

○浅尾慶一郎君 具体的に協議をしているということですけれども、その造るものは決まっているわけですよね。その価格が、その積算が米側の最大限掛かってこの値段だと決まっているということでありまして、だれが造るか決まってないでその値段を払うというのはおかしいんじゃないかなと。要するに、丸投げの可能性があるんではないですかということを指摘しているんです。

○国務大臣(久間章生君) これも大体、財政支出でございますから、先ほど言ったように公共的といいますか、さっき言った隊舎とか、司令部の庁舎とか、そういうのになってくるわけですけれども、アメリカと日本とどういう形でこれをやっぱり、もうアメリカに全部丸投げしてしまうのかどうかも含めてこれからいろいろ協議していかなければなりませんので、これについてまだ具体的なスキームが決まっていない、だれがするかですね。そこもありますので、今ここで、これは向こうでやりますというようなことも言い切ることがちょっとできませんので、今みたいな形に決まっておりませんという正直な話をしているわけであります。

○浅尾慶一郎君 その財政支出、先ほど来申し上げています、私、これどう見ても高いと思うんですね。この間も予算委員会で比較で申し上げましたが、その中で発注の責任というかその権限も明らかになっていないということになると、かなり国民の税金が必要以上に高い値段で使われてしまうという危険性があるということは指摘をさしていただきたいと思います。

次に、財政支出以外のところ、つまり出資あるいは融資、家族住宅のところは住宅手当があるのでそれでもって回収するんだという説明をされておりますけれども、家族住宅も総額二十五億五千万ドルです、これは上限ですけれども、で予算が組まれていると。二十五億五千万ドルで建築をするものに対して、年間で入ってくる家賃は幾らぐらいですか。

○国務大臣(久間章生君) これもこれから先、どの程度というのは大体決まっているかもしれませんけれども、その入る、こちらから、まずグアムから移っていく兵士の階層その他具体的なことがまだ最終的に決まっておりませんので、どのクラスが行くかによってその住宅手当等も変わってくるわけですね。そうしますと、家賃として将来どれだけを取るというか、きちっと取るかという、そういう回収の仕組みといいますか、だれがまたそれを回収して責任持って日本側に返すのか、その辺についてもこれから交渉するわけでございますので、今ここで家賃収入がどれぐらいになって何年間でということがきちんと言えない状況であります。

○浅尾慶一郎君 しかし、防衛省はこれは回収ができるんだということを言っておられます。家賃収入が幾ら返ってくるか分からないにもかかわらず回収ができるというのは矛盾じゃないですか。

○国務大臣(久間章生君) それは、事業に着手するまでには向こうときちんと詰めるわけでありまして、今まだ、とにかくいろんな交渉をしながらこれから先どれぐらい掛かるのか、先ほど先生がおっしゃったように、確かに資材の運搬でも高いと言われますけれども、まとまってもう四か年分をどんと持っていけば安いじゃないかとか、いろんなことを交渉していくわけでございますから、全体が幾らになってどういう発注の仕方をするのか、どういう箇所に分けて分離発注するのか、そういうのがこれからいよいよ交渉が始まりますので、そういう段階でとにかく回収がきちんとするように私たちとしてはもうやっていかなきゃならないと思っております。

○浅尾慶一郎君 少なくとも二十五億五千万ドルは、これは回収するんだというふうに、回収できるんだというふうに言っておられるわけでありますけれども、そうすると、普通に考えて二十年で、全く利息考えなくても年間で一億二千万ドルぐらいの家賃収入がないと回収できないことになるんですよ。一億二千万ドルの家賃収入がもらえるかどうかも含めて、そういう計算も根拠はないわけですよね、現段階で。

○国務大臣(久間章生君) これもこれから決めていきますけれども、アメリカの場合は家賃収入で、要するに民活事業でやったやつはやっぱり長いのでは五十年掛かっているわけですね。だから、それぐらい長い期間で回収しておりますから、日本の場合、住宅金融公庫の場合でも三十年のもありますけれども、アメリカの場合は五十年というふうな、そういうような長い回収のあれにもなっておりますから、これも含めてどういうふうにやっていくかこれから決めなければならないと思っております。

○浅尾慶一郎君 五十年というのは、これ出資、融資ということになれば当然利息が付くんです、長くなれば長くなるほど金利も高く計算しなきゃいけないと。

ですから、今申し上げた一億二千万ドルというのは、短かろうが長かろうがそれぐらいの収入がないと利息分は回収できないということになるということはお分かりになると思いますから、ですから、一億二千万ドルぐらいないとこの計算にならないんではないかと。多分そのことを申し上げても、恐らくそういう計算を元々していないんで答えられないということになると思いますから、であれば、最初からその回収を目標に目の子の数字でというふうに答えられた方が素直なんではないかと思いますが、いかがでしょうか。

○国務大臣(久間章生君) どれぐらいを負担してどういうふうな形で返ってくるか。やっぱり事業に着工するときには、そのとおりにずっと未来に向かってやれるかどうかは別としまして、かなりこのくらいは確実だというところをやっぱり示しませんと、国民に対して説明が私たちも付かないわけでありますから、それはきちんとやろうと思います。

ちなみに、日本の場合で向こうの住宅手当が、例えば私の佐世保だったら二十五、六万出ているわけですね。そうすると、大体民間の住宅を建てて入った場合、十四万円ぐらい払っているんですよ。日本の場合、二十五万円のときですね。そうしますと、十四万だったら年間で百五十万ぐらいですから、十年間で一千五百万とか、そんな形になりますから、二十年だったらそれの倍ぐらいになるわけですね。そうしますと、そういうふうな考え方で見ていきますと、三千五百戸を造ったときにどれぐらいかというのはそんなに難しい話じゃないと思っております。

○浅尾慶一郎君 今正にいいことをおっしゃっていただいたんですけれども、二十年で三千万ですよね。しかし、この三千五百戸を二十五億ドルで造ると一戸当たり六十万ドル超えちゃうわけですね、六千万円超えちゃう。そうすると、とても回収できないということになるわけでありまして、その段階でもう既に御説明に無理があるんではないかということは、今正に三千万、二十年で回収できるということを言われて、単純に割れば、二十五億五千万ドルを三千五百で割れば一戸当たりの金額が出ると。これは七十万ドルを超えるわけですよ、二十五億五千万を三千五百で割れば。ということは、八千万円ぐらいですよ、今の。そうすると、三千万しか返ってこなかったら、とてもとても回収できないということを正に今おっしゃったということになりますよ。

○国務大臣(久間章生君) 国内における場合、民活でやっておる場合は十年で回収しているんですよ。だから、十年で回収するか二十年で回収するか、今度しかも民活の場合は民間の金利を使っているわけですね。ここの場合はJBICの金利を使うわけですね。だから、そういうとき、それに対してまた政府も出資もしておるわけでございますから、どういう形になるのか、その辺も全部事業に着手するまでにはきちんとしなければならないと思っておりますけれども、やっぱりそういう国民に負担を掛けないように、回収できると言った以上は回収できるように努力していきますから、見ていただきたいと思います。

○浅尾慶一郎君 いや、ですから、私が申し上げているのは、いいですか、三千五百戸で二十五億五千万ドルということは、一戸当たり七十二万ドルなんです。七十二万ドルということは、今の貨幣でいって、百十円で計算しても八千万円ぐらいなんです。二十年間で三千万円しか返ってこなかったらどうやって回収するんですか。

○国務大臣(久間章生君) だから、これから先どれぐらい掛かるのかを、浅尾先生が言われたように、グアムで民間でやったときにこれだけ安いじゃないかと、そういうふうなことから、これは目一杯の事業費になっていると私は思っているわけです。だから、その辺はこれから調査をしていろいろ積算をしていきますから、そういうやつをでき上がったやつを見てから、それができないならできないと言っていただかないと、私たちも、後世をどういう人たちが政権を担うか分かりませんけれども、その人たちにマイナスのツケは残したくありませんから、回収できると言ったやつはきちんとしておきたいと思います。

○浅尾慶一郎君 ですから、先ほど来申し上げていますように、二十五億五千万ドル、三千五百戸、一戸当たり七十二万ドル掛かるわけですよ。それが回収できるという説明をずっとされていたので、その元々の説明が間違っていたということをおっしゃった方がいいんじゃないですか。今三千万しか回収できないと正に言われたわけじゃないですか。

○国務大臣(久間章生君) それは一つの例として言ったわけでありまして、それは例として言ってます。先ほど言いましたように、二十六万ぐらいのときに十四万払っているわけですよ。あとの差額はそのまま使わなくて済んでいるわけですよ。例えば、それをほかの東京その他でやろうとすればもっと同じような建設コスト掛かると、もっと高いかもしれませんけれども、それでも住宅手当もっと高いわけですからね。やっぱりそうしたらその中から、高かったら高い分だけ払ってもらうわけですから、とにかく回収するようにしますと言っているわけですから、それはこちらの責任でやりますよ。

○浅尾慶一郎君 回収できるようにということですけれども、元々の数字が大分ずれているということを申し上げたいと思います。

この間も予算委員会で指摘をさしていただきました。米軍の先ほども申し上げましたホームページにも出ておりましたけれども、彼らが住宅を建設した、これ受注業者も出ていますけれども、一戸当たり十七万六千ドルで受注していると。同じものを日本が造ると、さっき申し上げた七十二万ドルになると。ですから、こういうことについて現地の事情は調査されましたか。

○国務大臣(久間章生君) これはアメリカから言ってきている数字を使っているわけでありまして、これから、正に今度の予算が通りますと、それを受けた形でいろんな積算の情報等も収集しながら、また先生がおっしゃられたその数字も参考にさせてもらいながら、あんたたちの言っているのは高いじゃないかということを言うきっかけにはなりましたので非常に有り難いと思っておりますけれども、今までのやつは向こうの出してきた数字で上限を決めているということでございますから、これから幾ら下げれるかが私たちのこれから先の調査にも、あるいは積算の交渉にも懸かっていくわけでありますので、そういう点ではこの間の指摘は非常に有り難かったと思っております。

○浅尾慶一郎君 是非、米側だけではなくて、この間申し上げましたが、この間の指摘させていただいたのはアメリカの、米軍のホームページというかプレスリリースに出ているものですから、そういうものも防衛省として調べて引き続きいただきますようにお願い申し上げたいと思います。

次に、この米軍の住宅に関しては国際協力銀行が関与するということなんですが、これは政府系金融機関の合理化方針との関係ではどういうふうに整理される予定ですか。

○国務大臣(久間章生君) これは、本来やるべきことを民活でやった方が効率がいいんじゃないかというふうなことも考えて、そして民活の一環としては国際協力銀行の今までの知見を利用したらいいということで、国際協力銀行の業務を変えて、法律まで変えてやらせようとしておるわけでございますから、決して今度の合理化方針で、いわゆるJBIC等が改編されますその内容とは矛盾しないというふうに我々は思っております。むしろ民間の活用であるというふうな、そういう考え方であります。

○浅尾慶一郎君 民間の活用ということであれば、単純に民間の金融機関でその経済性が合うんであればやられればいいんじゃないですか。

○国務大臣(久間章生君) やろうと思ってみんな乗ってきてくれればいいですけれども、乗ってこないことも考えますから、やはりきちんとしたキーを、核をつくっておかなきゃなりませんので、乗ってこないときにはこの国際協力銀行が核としてやるんだという、そういう方針を決めているわけであります。

○浅尾慶一郎君 私も昔、国際金融関係の仕事しておりましたけれども、経済性があれば別に乗ってくる話だと思います。経済性が合わないから乗ってこないということだと思いますので、先ほど来申し上げていますように、経済性が合うように設計をされれば国際協力銀行を使わなくてもいいということになるんじゃないかなというふうに思いますが、いかがでしょうか。

○国務大臣(久間章生君) 資金の調達をどういうふうにするかにも関係しますけれども、国際協力銀行だったならば政府の無利子融資とかいろんな形がやっぱりやれるわけですけれども、民間の場合だったらなかなかその辺が難しいのかもしれません。だから、民間を排除するものじゃございませんけれども、国際協力銀行を使うことによってそのスキームでこれをやりたいという、そういう姿勢を示しているわけであります。

○浅尾慶一郎君 ですから、申し上げておりますのは、経済性が合えば、別に国際協力銀行を使わなくても民間の銀行は必ずそれはこのプロジェクトに乗ってくると思います。なぜならば、支払側はアメリカ政府で、そういう意味での信用リスクはないわけですから。ただし、経済性が合わないから乗ってこない。だから、今正に大臣がおっしゃったように、無利子の金利が使えるから国際協力銀行だったら少し安く貸し出せる、何とかそれで経済性を持たせようという発想になるんだろうというふうに思います。

この話は、いずれにしても法案が出てきますから、そこでしっかりとまた引き続き議論をしてまいりたいというふうに思いますが。  次に、今度の米軍再編に関して、かつて、一九七一年に、大和市長それから当時の綾瀬町長に対して、ジェットエンジンを主たる動力とする飛行機は使用しないという通知を出しておりますが、今般、岩国基地から海上自衛隊ジェット機四機が移駐することになりますが、このことはその通知と矛盾はしませんか。

○国務大臣(久間章生君) これは、厚木の基地から岩国の方に移っていきます機数が多いのと、そしてその騒音が割と大きいわけですね、その点は厚木の人にとってはいいわけですけれども、岩国にとっては確かにそれは困るわけですが。向こうから来ますのは、機数も非常に少ないのと、騒音が非常に低いということですから、相対的には厚木の方は非常にウエルカムだと思っておりますので、その問題は余り念頭になくて、地元からもそれほどのクレームはございません。むしろ理解は得られていると思っております。

○浅尾慶一郎君 理解を得られているということでありますが、実は、御案内のとおり統一地方選挙がありまして、大和市も市長選挙があるんですが、必ずしもその大和の土屋市長が、このことについて一〇〇%反対とは言っておりませんが、その必要に応じて、必要があればその事の是非、通知があるけれども、ジェット機を受け入れることの是非について住民投票をやって決着を付けたいという発言をしています。というその発言から逆に考えると、必ずしも反対ではないけれども、一〇〇%自分の責任でもってそれを受け入れるということでもないということだけは申し上げさせていただきたいと思います。  時間の関係で、次の質問に移らさせていただきたいと思いますが、今日は浅野副大臣にお越しをいただいております。

浅野副大臣は、先般、自民党の国会対策委員会ですか、で、いわゆる共謀罪の裏側の日本の国内法の整備について、自民党の修正案が成立すれば条約推進に向けて努力するというふうにおっしゃっております。

今まで、外務省は対象犯罪を一律に懲役四年以上の罪にしなければ批准できないと主張していたわけでありますが、今回の自民党の修正案はその対象犯罪を四分の一以下に絞り込むものでありまして、そういう観点からするとかなりの、今まで外務省が言っていたことと違う発言なんではないかと思いますが、その点について、どういうことか、経緯を説明いただきたいと思います。

○副大臣(浅野勝人君) 自民党法務部会の条約刑法検討に関する小委員会では、幅広い国民の理解を得て条約刑法を成立させるために、謀議の対象となる犯罪を絞り込む修正案を検討されてきたと理解をしております。

政府は、この条約の締結に必要な国内法を早く成立させていただいて、条約を速やかに締結できるようになることを期待しています。国会における今後の動きによりますけれども、小委員会での検討を基にした修正案が確定されて国内法が成立すれば、条約を締結するため最大限の努力をしていきたいと考えております。

政府としてはこうした方針に沿って対応してまいりたいと考えていることを自民党国対の役員会で求めに応じて申し述べました。これが経緯でございます。

○浅尾慶一郎君 今おっしゃった条約の成立に向けて最大限の努力をしたいということですが、その修正案が国会で成立をして、それを受けて条約を締結できない場合があるのかどうか。つまり、批准書、受諾書あるいは承認書を国連の事務総長に寄託するということになっていますが、修正案が国会で成立した後、事務総長に寄託をしたけれども、それが受け入れられない場合もあるということですか、それを受け入れてもらうように努力するということですか。

○副大臣(浅野勝人君) 先ほど申し上げましたとおり、この条約の締結に必要な国内法が早く成立をして条約を速やかに締結できるようになることを期待しておりまして、繰り返しになりますが、小委員会での検討の修正案が確定され国内法が成立すれば、条約を締結するため最大限の努力をしてまいりたいということであります。

ただ、修正案が最終的には確定されていない今の段階において、条約の締結についてお答えするには適当な時期ではないと考えます。この条約を締結する場合は、条約の三十六条の規定に従って受諾書を国連事務総長に寄託することになります。手続はそういうことであります。

○浅尾慶一郎君 ですから、私の質問は、国会で修正案が可決しました、自公で衆参両院で今多数持っていますから、修正案であれ何であれ可決しようと思えば可決できると。しかしながら、それを国連の事務総長に寄託した結果受け入れられないというケースもあり得るということをおっしゃっているんですかという質問です。

○副大臣(浅野勝人君) 修正案が提出されていない今の段階で締結すると申し上げるのは行政府の独断に過ぎます。ですから、今の段階では最大限の努力をすると申し上げているのが行政府の適切な立場だと私は考えているんです。それらのことが、国内法が整備され、成立されれば、国連の事務総長あてに寄託をするというのが手続だと申し上げております。

○浅尾慶一郎君 なぜこの質問をしているかといいますと、今までの政府の説明は、条約で定めているそのすべての犯罪を国内法で整備しないと条約が批准できない、しかし、それを今度修正案で四分の一に減らしても基本的には大丈夫なんじゃないかなということだったものですから、大丈夫でない場合があるという認識を持っているのかどうか、その点をちょっと伺いたいと思います。

○副大臣(浅野勝人君) おおむね日本の国内法でカバーできると私どもは考えております。殺人罪……  ICCの意味ですか。

○浅尾慶一郎君 いや、違います。だから、質問をよく聞いといていただきたいんですが。

○副大臣(浅野勝人君) 質問の意味は。

○浅尾慶一郎君 違います。  ですから、修正案が国会で可決をしましたと、今まで外務省の説明は、元々その条約で定められたすべての犯罪を国内法で整備しておかない限りはそれは条約は批准できないんだということを言っておられましたが、修正案でも大丈夫だというふうに見解を変えてこられた。しかし、そこをよくよく詰めてみると、国連の事務総長に寄託した段階でひょっとすると異議申立てがあるかもしれないと。ひょっとすると本当にあるんですか、どうですかということを確認させていただいているところです。

○副大臣(浅野勝人君) 質問の意味を理解しました。  国連の事務総長に、すべての国内法が整備されて条約の締結をするという手続に対して異議はあるとは承知をしておりませんけれども、仮にこの国内法が整備されて条約を締結するという段階になって、他の国から疑問があるという指摘、その他、他の国との整合性について問題点の指摘があれば、その国に丁寧に説明し理解を求めていくという意味では今委員の指摘のされた部分が残ります。

○浅尾慶一郎君 ということは、今まで御説明は、一歩たりとも国内法を変えることは条約の批准に問題があるんだということと、今の御説明では、多少修正しても、あるいは大分修正しても他の国の理解を得られれば大丈夫なんだということで、今までの説明と変わってきているというふうに認識をせざるを得ないということを指摘をさせていただきたいと思います。

○副大臣(浅野勝人君) 浅尾委員のせっかくの指摘ではありますけれども、政府の従来の原案に対して、これは条約を実施する上で適切な内容であると私どもは考えておりますから、政府の原案自体が間違っていたということはありません。

ただし、立法府で修正を含めて審議していただくことというのは当然あり得ると思っております。

○浅尾慶一郎君 ですから、一歩たりとも修正があったら批准できないんだではなくて、修正があった場合でも批准に向けて努力をするということだというふうに理解をさせていただきたいと思います。

○副大臣(浅野勝人君) そのとおりでございます。

○浅尾慶一郎君 ちょっと時間の関係で、最後一分だけ質問をさせていただきたいと思います。

もう一点、ICCという別の、ローマ規程ということで、この中に規程上の犯罪、このICCの規程の中では犯罪であって、日本の国内法で処罰できないものがあるわけでありますけれども、これについては国内法を整備しないで対応していくということになっておりまして、先ほどのいわゆる共謀罪とは形が違っているわけであります。これは憲法とも絡む話なんですが、ちょっと憲法の解釈を、法制局、せっかく来ていただいていますが、聞くと長くなりますので、一点だけ。

条約に関して、二国間の犯罪人引渡しの場合、二国間で犯罪人引渡し条約を結ぶ場合は、国内法で犯罪となるもの以外はその対象にならないんです。ところが、ICCの場合は、ICC規程で定められている犯罪で、国内法で犯罪とならないものであってもこれは引き渡すというふうになっているんで、この点について二国間の犯罪人引渡し法との矛盾があるんではないかと思いますが、この点、外務省としてどういうふうに考えられますでしょうか。

○副大臣(浅野勝人君) ICCの対象犯罪のほとんどのものは日本の現行国内法において、先ほど私触れようとした、ちょっとICCと勘違いをしましたが、今度は間違いありません。殺人罪、傷害罪、逮捕監禁罪などとして処罰可能です。したがって、日本としてICCに付託すべき事態が発生するとは考えていません。

また、ICCが実際に、今御指摘のように管轄権を行使するのは十分な重大性を有する事犯についてだけであると言っておりますので、これを考え合わせれば、日本で発生した事態について今のような、御指摘のような事態が想定しておりません。

○浅尾慶一郎君 いや、質問と違う答えなので、質問に全然違う答弁書読んでおられると思うんですが。

私が申し上げたのは、二国間で犯罪人引渡し条約というのがいろんな国と結ばれています。この場合は、我が国で犯罪となるもの以外は引き渡さないということがその犯罪人引渡し条約に書いてあるわけでありますが、ICCの場合は、今申し上げましたように国内法で犯罪とならないものでも引き渡すということで、こういうことについては矛盾なんではないかという指摘をさせていただいたわけであります。

○副大臣(浅野勝人君) 現行の逃亡犯罪人の引渡し法では、外国に対する逃亡犯罪人の引渡しについて双罰性を要件としておりますが、請求国において処罰しようとする引渡し犯罪自体が請求国が自ら決定したものでありまして、当該行為を処罰するのが適当か否かについてはその国の判断を得ていないことを前提として、要求に応じるためにはその国の判断が必要である、立法政策として設けられております。

これに対して、国際刑事裁判所への引渡しについては、国際刑事裁判所に関するローマ規程上引渡し犯罪の範囲は集団殺害犯罪などの重大犯罪に限定されておりますので、国会の御承認を得て日本としてこの規程を締結する以上、別途双罰性によるチェックまでは必要がないと考えます。

○浅尾慶一郎君 終わります。

 

2007年03月16日 (金)

「政治家の判断基準」

ある政策が国民生活にとって役に立つか立たないかということは政治家がその政策を推進する上で重要な判断基準となります。当然、役に立つ政策の推進に力を入れ、立たない政策はやめる様に提言をすることになります。もちろんこの場合の役に立つ、立たないは長期的な視点から見て役に立つかということになります。

しかし、世の中のことをすべて役に立つか否かの基準で判断すると非常に功利的になってしまいます。仮に全体にとってしかも長い目で見てという基準で役に立つか否かという基準であったとしても、結果は同じです。従って、政治家としては別な判断基準が必要となります。

政治家にとってもう一つ重要な判断基準は嘘か真かということではないでしょうか?正しいか正しくないかと言い換えても良いと思いますが、こうしたことを常に心掛けることが必要です。当然、正しいか正しくないかの判断は役に立つか否かよりもはるかに個々の政治家の主観あるいは価値観によって変わります。逆説的になりますが、だからこそすべての議員が自分の良心に従ってこの面でも判断を下すべきなのです。

個々の政治家が各々の良心に従って判断を下したものの代表例に臓器移植法の制定があります。それまで心臓の停止をもって人の死としていたものを、脳死も人の死と定義する様に法律を変えることは、それが正しいか正しくないかで判断すべきことであり、役に立つか否かで判断すべきことではありません。

私としては、正しいか正しくないかを基礎として、後は国民生活に資するか否かで今後も政策判断をして参りたいと思います。そして、正しいか否かについては任期中の私の判断については信用して頂いて、選挙の際にその成否を有権者に判断頂ければ幸甚です。



参議院議員 浅尾慶一郎

2007年03月09日 (金)

参議院 予算委員会 7号 平成19年03月09日

166-参-予算委員会-7号 平成19年03月09日

○浅尾慶一郎君 民主党・新緑風会の浅尾慶一郎です。

外交は内政の延長線上ということで、かつての外交の結果も含めて少し検証していきたいと思いますが、まず、ガット・ウルグアイ・ラウンドに当たりまして、そのことを受け入れた結果、我が国は六兆百億円の対策費を使ったということでありますが、この六兆百億円の対策費を使い始めた年と、そして使い終わった年の全国の農家の生産農業所得の推移をお答えいただきたいと思います。

○国務大臣(松岡利勝君) 浅尾先生にお答えさせていただきますが、今先生の御質問は、ウルグアイ・ラウンドが開始された、対策事業が開始された平成六年と、この終わりの年次である平成十二年の農業所得の推移についてということでございますね。

農家一戸当たりの農業所得は、平成六年が百五十九万円でございまして、平成十二年が百八万円となっておりまして、三二%の減少を見ておるわけでありますが、この原因は、一番のこの要因は、米の粗収益が約四十万円減少いたしまして、これが三九%の減少に当たる、こういうことであります。

いずれにいたしましても、米の減収が一番大きなその要因になったと、こういうことでございます。

○浅尾慶一郎君 今日はちょっとパネルも用意をさしていただいたわけでありますが、(資料提示)ガット・ウルグアイ・ラウンド、委員会の皆さんには紙も用意しておりますけれども、六兆円を使っておりまして、七年間にわたって、正確に言うと、平成六年はこれは補正予算ですから、六年間にわたって六兆百億円を使った。年間一兆円計算になりますが、生産農業所得は五兆一千億円から三兆五千億円と、トータルで減っていると。今おっしゃったように、戸別の農家の所得も減っているということなんですが、これは本当は使い方としては戸別の農家に対する戸別補償にしていればその分は減らなかったんじゃないかというふうに思いますが、それは政策の失敗だったというふうに思われますか。

○国務大臣(松岡利勝君) これは全くそうではなくて、ちょっと御説明をさせていただきたいと思うんでありますが、これはいわゆるウルグアイ・ラウンド協定というものを平成五年の暮れに一応受け入れ妥結をした、こういうことでございます。日本農業から見ますと、正に黒船来航みたいないまだかつてない自由化を迫られると、こういう状況でございまして、したがいまして、ちょうどこれ受入れがあったときの細川内閣から平成六年になって私どもまた自民党を中心とする内閣に移っていった。そういう中でこの対策の方も引き継いで検討をし、その検討を更に加えた結果この六兆百億ということになったわけでありますが、何といっても、このウルグアイ・ラウンド対策の、この関連対策と言っておりますが、このねらいは、グローバル化、国際化の中で大変な衝撃を受けるわけでありますが、その衝撃に耐えて国際競争に耐え得る農業構造をつくっていこう、だから構造改革を進めていこうと、これが一番のねらいでございまして、したがいまして、その結果、それなりの大きな成果は上がったと思っております。

といいますのは、この六年間で、担い手に限って見ますと、担い手の経営規模は二・五倍に増えておりますし、これはフランスやイギリスと比べましても、フランスやイギリスが数十年掛かってやってきて二倍なり二・五倍という規模拡大が行われた。それからいたしますと、担い手というふうに限っておりますが、この短い期間の間に二・五倍に規模拡大が進んだ、そしてまた稲の生産性というものは労働時間が六割短縮できた、この担い手の稲の生産の労働時間は六割短縮できた、したがって四割でできるようになった、こういうことで、体質改善というものはそれなりに大きく進んだわけであります。そういったことからしましても、これは体質を強化して国際競争に耐え得る農業構造にしようということは、一定の目的を果たしたと思っています。

一方で、今先生はこれを所得補償に使えばよかったんではないか、こういう御指摘でございますが、所得補償ということになりますと、そのまんま、固定したまんま、今のまんまで、はい、どうぞとお金だけを配るということでありますから、これは体質の強化になっていかない。ただ現状を固定して、その国際的な受けた衝撃を税をもってただ補てんをすると、正に補てんと、こういうことになってしまいまして、実はこのウルグアイ・ラウンド協定以降、補てんというのはなかなかこれは認められ難くなった。こういった点からしても、私どもの目指した政策方向というのはこれは正しかったと、このように思っております。

○浅尾慶一郎君 随分能弁に御答弁いただきましたが、所得補償というか、このガット・ウルグアイ・ラウンド、六兆が終わった後も増えていないんですね、今日は数字伺いませんけれども、増えていない。ですから、結果として、さっき申し上げたように所得補償、差額を戸別補償していった方がよかったんではないかということだけ申し上げさしていただきたいと思います。

能弁にお答えいただいたんで、以降の質問も是非能弁にお答えいただきたいと思いますが、まず、今日は参議院の事務総長さんにもお越しいただいておりますが、議員会館の光熱水費、これはただかどうか、その点、メーター使用料も含めてお答えいただきたいと思います。

○事務総長(川村良典君) お答え申し上げます。

参議院議員会館の議員事務室の光熱水費である電気、水道の使用料は、すべて参議院が負担いたしております。

○浅尾慶一郎君 議員会館、参議院、衆議院ともに一緒ということでございますが、この参議院に、議員会館に資金管理団体があって、そしてほかに事務所を有していない方が外務副大臣の浅野副大臣でありまして、彼のところ、今日たまたま海外出張に行かれているということで、外務大臣に、大変御足労でございますが、お調べいただいて確認いただいたわけでありますけれども、光熱水費を全く計上していないということでありますが、その点は間違いございませんか。

○国務大臣(麻生太郎君) 浅野副大臣、日印シンポジウムのため八日より公務で出張中でありますんで、御指摘がありましたので、出張先の浅野副大臣に電話して確認したところ、以下のとおりであります。

御指摘の点につきましては、総務省に提出させている政治資金収支報告書のとおり、光熱費は計上しておりません。

以上です。

○浅尾慶一郎君 浅野副大臣の事務所の方は、議員会館だと、先ほどありましたように、光熱水費は掛かりようがないというコメントをされております。

次に、菅総務大臣、一般論で伺いますけれども、政治資金規正法に基づく報告で虚偽記載があった場合の罰則というのはどういうふうになっていますか。

○国務大臣(菅義偉君) 政治資金規正法におきましては、故意又は重大な過失により収支報告書に記載すべき事項を記載しなかった者又は虚偽の記入をした者については、五年以下の禁錮又は百万円以下の罰金に処する旨の定めがあります。

○浅尾慶一郎君 そこで、松岡大臣、先ほどと同じように能弁にお答えいただきたいと思いますが、毎年この五年間、四百十六万円から七百七十九万円の光熱水費を計上されております。これもただのところで、ほかに事務所がないと、ですから計上しようがないというふうに思いますが、なおかつ、先般、我が党の小川議員の質問に対して、疑問があれば答えるということでありましたが、水曜日、芝議員に対しては一切答えられなかった。今日は答えられる準備があるかどうか、それも含めて御質問さしていただきたいと思います。

○国務大臣(松岡利勝君) お答えいたしますが、先般、芝先生にも確認の上お答えをしたわけでありまして、その結果、現行制度に基づきまして既に報告すべき点は適切に報告いたしていると、こういうことを申し上げたわけであります。

あわせまして、それ以上の報告の可否につきましては、現行制度が予定しておりませんので、法律で求められる以上のことにつきましては、制度の在り方にもかかわることでありますから、差し控えさせていただきたいと。

また、なお、この全体の取扱い等、各党各会派で御協議をいただいて、お決まりになればそれに従って対応するというのは、もうそれはそのとおりでございます。

このように申し上げております。

○浅尾慶一郎君 私が質問させていただいておりますのは、今参議院の事務総長からもお答えいただきました、議員会館では光熱水費掛からないんですよ。ほかに掛けようがないんです。ですから、中身を全部明かしてくれということじゃなくて、どういうふうに使っているんですかということをお伺いしているわけであります。

○国務大臣(松岡利勝君) したがいまして、何度も申し上げているんですが、もう……(発言する者あり)いやいや、質問されているから答えているんですから、是非ひとつお聞きを願いたいと思いますが、私は、現行制度に基づいて必要な報告はすべて適切に行っていると、このように聞いておりますし、確認をいたしております。それ以上の報告の可否につきましては、現行の法制度はそれを求めていないということでありますから、それは差し控えさせていただきたいと、こういうことでございます。

○委員長(尾辻秀久君) 速記止めてください。

〔速記中止〕

○委員長(尾辻秀久君) 速記起こしてください。

○浅尾慶一郎君 安倍内閣の下の閣僚であります。

安倍総理、今日はテレビ入っています。全国の方も見ておられると思いますが、こういう、私の質問そんなに難しい話じゃないんですよね。お金が掛からないところでどうして掛かっているんですかということをお答えくださいと。しかも、法律上、光熱水費というのは、電気、ガス、水道の使用料及びこれらの計器使用料等と書いてあるんです。ですから、そこに何か、何があるんですかと聞いても、それも答えられないと。そういうことについて、任命責任者として安倍総理、どういうふうに思われますか。

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 既に松岡大臣が答弁をいたしておりますように、事務所費等々、今の光熱費もそうなんでしょうか、法令にのっとって報告をしているということでございます。

○浅尾慶一郎君 今総理が、電気、ガス、水道の使用料及びこれらの計器使用料、その後、施行規則に等と書いてあるんです。じゃ、松岡大臣、この等の中に何を含められたか、これぐらいだったら答えられるでしょう。

○国務大臣(松岡利勝君) お答えいたします。

何度も申し上げておりますが、そういった内容にわたるものについては、現行の法制度ではそこまでの報告を求められていないと。したがって、制度の在り方にもかかわる問題でございますから、それ以上のお答えは差し控えさせていただきますと、このことを申し上げているところでございます。

○浅尾慶一郎君 私は別にその金額を聞いているわけではありませんし、等の中に具体的な費目としてどういうものがあるかということも伺っただけですが、それも答えられないと。

正に隠ぺい体質だと思いますが、安倍総理、この隠ぺい体質的なことをかばわれるとすると、安倍内閣そのものが隠ぺい体質だと思いますが、いかがでしょうか。

○内閣総理大臣(安倍晋三君) そもそもこの政治資金の問題については、これは政治資金の透明性、また政治の活動の自由ということを念頭に置いた上で定められているわけでありますが、その法律の定めるところによって、求めるところによって報告がなされていると、私はこのように承知をいたしております。

○浅尾慶一郎君 法律は最低限の規範なんですね。疑惑を持たれたときに説明責任を持つというのが閣僚としての務めだと思いますが、そういう方が大臣としてふさわしいと思われるかどうかだけ、総理に伺います。

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 言わば、これは閣僚であるないいかんにかかわらず、国会議員が政治活動を行う上において法律によって求められているわけでございます。その要件の上に立って報告がなされていると、このように松岡大臣は答弁をしていると、私はこのように承知をいたしております。

○浅尾慶一郎君 いやいや、私の質問は、そういう今の法律云々という話ではなくて、大臣として説明責任を果たされているかどうか、その点について簡潔にお答え、ふさわしいかどうかも含めてお答えいただきたいと思います。

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 松岡大臣も議員として、この政治資金については、これは総務省に法にのっとって届出を行っていく、それが正に課せられている義務ではないかと思います。

○浅尾慶一郎君 あとは見ておられる方も含めて判断される問題だと思いますので、次の質問に移らさせていただきたいと思いますが、六か国協議の問題について伺いたいと思います。

安倍総理は、拉致の問題が解決がなければ五万トンあるいは百万トンの重油供給には応じないというふうにおっしゃっていますが、この姿勢に変わりないという確認をさせていただきたいと思います。

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 拉致問題において前進がなければ、このエネルギーの供給について日本は現段階では参加することはできない、この姿勢には変わりがないということでございます。

○浅尾慶一郎君 この前進の定義はどういう形でしょうか。

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 第一回目の作業部会は昨日終わったわけでございますが、正にこれからも次の作業部会があって協議を進めていく中において、今どこまでということはあえて申し上げることは控えますが、しかし何をもって前進があるかということは、これは北朝鮮が決めることではなくて、私どもが判断をしてまいります。

○浅尾慶一郎君 重油供給については、かつてKEDOのような国際機関を通してやったケースもありますが、そういった第三者機関経由もないという理解でよろしいわけですね。

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 現在、こうした第三者機関、国際機関を通してということが想定されておりませんが、いずれにせよ、私どもといたしましては、日本としては、拉致問題が前進しない中にあっては残念ながらこのエネルギーの支援については協力することができないと、こういう立場でございます。また、私どもの立場は、米国、中国、韓国、ロシアからも十分に理解されていると、このように考えています。

○浅尾慶一郎君 ところで、北朝鮮という国は核兵器を開発したと自分で発言をしております。一方で、イラクについては、後ほどこれは詳しく我が党の若林議員が質疑をさせていただきますが、久間大臣、イラクに核兵器がさもあるかのような状況でブッシュ大統領は踏み切ったと思うがその判断は間違っていたということをかつて発言されておりますが、仮にあることが明々白々の北朝鮮のような状況であったら違った発言になったかどうか、その点だけ久間大臣に伺いたいと思います。

○国務大臣(久間章生君) その国が武力行使に踏み切るのは何が、これが原因だということで一つに特定できるのかどうか分かりませんし、私は、あのときはないんじゃないかなと私は思っておったということを感想として述べたわけでありまして、それがどうだったかはその国の指導者でないので私は分かりません。

○浅尾慶一郎君 安倍総理は、イラクについてはそういう、国連の指示にも従わなかったという発言をされておりますが、北朝鮮の場合は、これは我が国のすぐ近くでありますけれども、先方は核兵器を、核実験をしたということまで言っているわけですけれども、そういう状況について、これは他国のことでありますけれども、アメリカの対応がイラクと北朝鮮で異なるという認識を持っておられるかどうか、お伺いしたいと思います。

○内閣総理大臣(安倍晋三君) イラクも、十二年間の長きにわたり累次の国連決議を無視してきたわけでございますし、また大量兵器を実際に使用した国でもあった。自国民も殺したし、また多くのイランの国民の命も奪ったのも事実であります。実際に使用をしたわけでありますから、事実、保有をしていたわけであります。その保有をもう既にしていないということを証明しようと思えばできたのにそれをしなかったといえば、我々は、当然国際社会としては持っているという合理的な疑いを持つわけであると、このように思うわけでございます。

この中において、このアメリカのアプローチが違うかどうか。何をもって違うと言えるかどうか。国際社会というのは極めて単純に割り切れるものではなくて、外交もそうなんだろうと、このように思うわけでございます。そういう意味におきましては、私どもはとにかく、この現在核兵器を実際に開発をしている北朝鮮を、この核を放棄させる、これについて全力を挙げていくべきだろうと思います。

○浅尾慶一郎君 なかなか、他国のことでもありますし、論評が難しいということであろうというふうに理解をさしていただいて、次の質問に移らさしていただきたいと思いますが、米軍再編特別措置法について伺わしていただきたいと思いますが。

まず、その米軍再編というものは、これはそもそも、全世界で米国が今まではいろんな国に軍隊を置いていたわけでありますけれども、いろんな冷戦構造が変化しまして、かつては、米ソ対立の時代はそれこそドイツにも軍隊を置いておかなければいけない、あるいはいろいろなところの近くに、旧体制の下の近いところに軍隊を置いておかなければいけないということで置いてきたわけでありますけれども、その構造が、世界の構造が変わったと。そして、新たな脅威としてどこから来るか分からないテロというものに対応するために、一番安全だと思われる本土にできるだけ多くの部隊を戻す、そこの本土からできるだけ速やかに対応ができるようにするというのが米軍再編の趣旨だということが様々なところで言われておりますし、それは米国議会でもそういう発言をブッシュ大統領自身がされておりますけれども。

したがって、私のまず総理に対する質問は、米軍再編そのものは米国が主体的に今申し上げたようなことで行ったという認識を総理も持っておられるかどうか、その点をまず伺わしていただきたいと思います。

○内閣総理大臣(安倍晋三君) この世界全体の米軍再編の考え方ということについては、今、浅尾委員が御指摘になった点も含めて、現在のこの世界情勢の変化、国際環境の変化、安全保障をめぐる環境の変化に対応するための米軍再編だろうと、このように思います。そういう意味におきましてはもちろん米軍が主体的に行うわけでございますが、しかし、我が国との関係におきましては、抑止力の維持と地元軽減、地元負担の軽減という考え方にのっとって行っているわけでございます。

○浅尾慶一郎君 これはお答えいただけないということで私の方の話だけさしていただきたいと思いますけれども、今申し上げましたように、米軍再編は米国全体が新たな考え方に基づいて、ブッシュ政権、特にラムズフェルド前の国防長官のときに、レボリューション・イン・ミリタリー・アフェアーズということで、軍務の革命という考え方の下でその再編を行ったということがるる議会での発言、その他の発言でなされているわけであります。(資料提示)  そういうことを考えますと、今日用意いたしました、我が国が沖縄におります八千人の海兵隊をグアムに移転するに当たって負担するという金額が非常に莫大なんではないかなというふうに思います。なぜならば、ドイツはこのような負担を、この規模の負担をしておりません。ほかの国もしておりません。我が国だけがこういった負担をするわけでありますけれども、まず、質問として、この必要な経費の積算の根拠をお答えいただきたいと思います。

○国務大臣(久間章生君) これは、そのパネルにもありますように、アメリカの方の積算を基準にいたしまして、そしてグアムに移転する場合にどれだけの経費が掛かるかと。まあ細かくはこれから先まだ精査して積み上げなければなりませんけれども、やっぱり上限を決めなければ我々としても国内的にもたないわけでございますんで、まず財政から出せる分はどれぐらいが上限かというふうな、そういうこと、そしてまた融資その他でやれる分はどれだけあるか、そういうことを積算いたしまして、そしてその表にあるような数字を積算したところであります。

○浅尾慶一郎君 私の質問は、個別の例えば家族住宅一戸当たり、これ土地代入っていません、七十二万ドル、物すごい高いわけですよ。だから、一体どういう積算をされたんだろうかと。七十二万ドルというと、まあ一ドル百二十円で計算すると一億円近くなってしまうと。百円で計算しても七千二百万円です。土地代含まないでこの値段は余りに高いんではないかなというふうに思うわけでありますが。

そのことについて、何でこんなに高いんだろうということでありますが、たまたま米国の同じグアムに、これは三千五百戸ですけれども、二百四戸、スリーベッドルームユニッツ、ですから一ユニットに三ベッドルームがある典型的なアメリカの家だと思いますけれども、要するにベッドルームが三つ、それからリビングルームがあって三ベッドルームあるものを二百四戸造ると、造ったと、その契約をある業者が落札しましたよということが米国のこのプレスリリースに出ているんです、米軍の。  それを計算しますと、ちょっとこれはパネルにしなくてテレビごらんの方には大変恐縮ですが、委員の皆さんには配付した資料に出ておりますけれども、単純に言うと、一戸当たり十七万六千ドルでできているわけですよ。

日本が負担すると七十二万八千五百ドル、アメリカが実際に造ると十七万六千ドル、これはいかにも高いんじゃないですか。

○国務大臣(久間章生君) この住宅につきましては融資でやるわけでありまして、後から全部返してもらうわけですね。それと一つには、今二百戸と言われましたけれども、これはこれから先、短期間といいますか、要するにどっと八千戸を造るわけであります。そのときに、グアムというのは資材を全部輸送しなければならない、また、あそこの今の人口からいって、今の人件費で果たしてやれるかどうか、そういうことも加味されまして、かなり高めに出ているのも事実であります。

だから、これから先、そういうことを計算しながら、積算しながら、どこまで抑えることができるか。これは、これから先のまあいろんな積み上げのやり方だと思いますけれども、いずれにしましても、家族住宅につきましては融資でやるわけでありますから、出した分は返ってくると、そういうふうに考えております。

○浅尾慶一郎君 家族住宅は融資だから出した分は返ってくるということは、その負担は米軍の軍人さんがするわけですよ。高く造ったらそれだけ高い家賃を払うかって、そんなことないわけですよ。だから、返ってくるという保証もないんではないかなというふうに思いますが。

まず第一に、この積算、米軍に聞いてやったということですが、こういうプレスリリースが出ていることを防衛省として把握されていましたか。

○国務大臣(久間章生君) 先ほどから何回も言いますように、これから先、これが具体的になってきたときに、積算はこれからやるわけでありまして、とにかく我々としては真水の部分、要するに財政的に幾ら負担するか、アメリカは幾ら負担するか、その上限をとにかく決めておこうということでやっているわけでございまして、我々が二十八億に対してアメリカは三十一億ドル払うわけでございますから、そういうようなこともよく理解していただきたいと思います。

○浅尾慶一郎君 もう一度私の質問をさしていただきます。

アメリカの同じグアムで造ったその二百六戸の一戸当たり三ベッドルームがあるものが、一戸当たりの計算でいうと十七万六千ドルで落札がされていると、こういうそのプレスリリースについて防衛省としてこれから積算をされるんであれば、把握をされていたかどうかという、その質問です。

○国務大臣(久間章生君) 昨年その概算をしたときに把握しておったかどうか、私はつまびらかではございません、その後に就任しておりますから。しかしながら、これから先交渉するときは、今言われたような数字を参考にさせてもらいながら我々としては詰めていくつもりであります。

○浅尾慶一郎君 随分、十七万ドルと七十二万ドルというと四倍以上差があるわけですよね。だから、どういう計算をされているんだろうかなと。

私は、沖縄から海兵隊がグアムに行く、これはそもそもアメリカの国家戦略に基づいて行くものだというふうに認識をしております。しておりますけれども、沖縄の負担を考えるとある程度の負担はやむを得ないかなと思いますけれども、一方で、めちゃくちゃ差があるというのは余りにひどいんではないか。

ですから、先ほど伺いましたように、せめて、アメリカから全部教えてもらうということでなくて、こういうのはインターネットで調べれば出てくる話ですから、こういうものを一つ一つ見ているという姿勢が必要なんじゃないかなと、そのことだけ申し上げさせていただきたいと思います。

要は、この間、様々国民生活の中では負担が増えているんです。負担が増えている中で、例えば年金の保険料は毎年上がります。あるいは、今年は定率減税がなくなるといったような形で負担が増えている中で、削るべきところ、削れる可能性のあるところについてもっと真剣にやられるのが私は筋なんではないかなということを思ったものですから、この質問をさせていただきました。

今、負担が増えたということで、もう少しその負担の話もさせていただきたいと思いますが、今年は定率減税が完全になくなります。今、我が国は格差が拡大しているということが言われていまして、このことについて、一義的に、格差そのものはいつの時代でもあるというのが安倍総理の発言でありますが、私は少なくとも、格差そのものはいつの時代にあるというのは間違いないことだと思います。しかし、政治の務めは、格差があったらできるだけそれを小さくしていくというのが政治の務めだというふうに思います。

ところが、この定率減税をやめた結果、正に政治が格差を広げる方向で増税をしてしまった。このパネルを作りましたけれども、(資料提示)年収四百万、六百万という方は一六%増税なんです。年収三千万という方は七・五%なんです。これは正に政治が格差を、政権が格差を拡大した増税だということを認められませんか、総理。

○内閣総理大臣(安倍晋三君) この質問に答える前に、先ほどのグアムへの移転についてお話を申し上げますが、これは、米国の全体の米軍再編という考え方はもちろんあるんでしょうけれども、沖縄に過度に負担が集中をしているという観点から、負担の軽減、私どもが米側に主体的に積極的に働き掛けた結果、グアムへの移転が実現されたものでありますから、我が方としても当然ある程度の負担はしなければいけないと、こういう考え方であります。

そして、定率減税についてでありますが、平成十一年当時に景気対策として導入をされた暫定的な負担軽減措置でありまして、こうした導入の経緯や経済状況の改善を踏まえて、半減、廃止を行ったものであります。

定率減税の廃止は、中低所得者への負担がより大きく、逆進的であり、格差拡大に拍車を掛けるものではないか、そう委員はおっしゃったわけでありますが、定率減税が廃止されても、元々収入が少なく税負担がない方には当然これは影響がないということになると思います。

そもそも中低所得者に対して手厚い減税を行ったものを二年間で段階的に元に戻すことでありまして、逆進的になると、格差をより広げることになるというこの批判は、私は当たらないのではないかと思います。

○浅尾慶一郎君 事実は、今申し上げたように四百万の方で一六%、六百万の方で一六%増税なんです。そして、三千万の方は七・五%なんです。今総理は、定率減税で、これは景気対策としてやったというお答えをされましたけれども、実はそのとき三点セットで税制を変えているんですね。どういうふうに変えたかというと、所得税の最高税率を下げました。そして、法人税も下げました。そして、所得税の最高税率を下げた、あるいは法人税を下げただけではその恩恵が及ばない大多数の方に恩恵が及ぶようにということで、三点セットの三点目が定率減税だったんです。

今回、定率減税だけをやめた、それは景気対策だということでありますけれども、じゃ所得税の最高税率の議論が政府の中であったのかどうか、あるいは、仮に所得税の最高税率について議論ができないということであれば、給与所得の控除というのは年収が幾らの方でも五%の控除は上限青天井でずっと続くわけですよ、そこについて手直しをするというような議論があったのかないか、その点お答えいただきたいと思います。

○国務大臣(尾身幸次君) 全体の税率のバランスの問題はございますが、定率減税については、あの緊急異例の、景気が極めて悪い中でどうしても減税をして需要を喚起しようということで、臨時異例の措置として行いました。

やり方は、所得税だけ簡単に申し上げますと、住民税も同じなんですが、税額の二〇%を全部一律に控除すると、こういうことでございまして、その中で二十五万円が頭打ちということになっています。したがいまして、税金を一千万円納めている人は九百七十五万円にまで減税をする、税金を二十五万円納めている人は二十五万円丸々、二〇%分、二〇%に相当する分が二十五万円であれば丸々減税をするということで、低い所得の方、中所得の方に物すごく厚い減税をしております。

それをこの景気の回復に伴って、経済の正常化に伴って元に戻したということでございますから、定率減税が格差の拡大をもたらしたということは全くないと考えております。

○浅尾慶一郎君 今、低い所得の方に特に恩恵があったということをおっしゃいました。低い所得の方だけに恩恵があったと、定率減税。

では、伺いますが、同時に所得税の最高税率下げませんでしたか。下げているか下げていないか、その点だけお答えください。

○国務大臣(尾身幸次君) そのときに全体の、定率減税は定率減税で独立しておりますから、所得税の税率をどうしたかということは、私はそのときの状況を存じません。

○浅尾慶一郎君 所得税の最高税率を下げているんですよ。ですから、その点、大臣としてそういう認識持っておられないんですか。

○国務大臣(尾身幸次君) 所得税の最高税率は六五%から五〇%まで下げておりまして、この五〇%の最高税率は現状においても変わりありません。

○浅尾慶一郎君 ですから、私が申し上げているのは、六五から五〇に一五%下げているんです、最高税率を。そして、先ほどのパネルにあったように、最高税率のところは変えずに定率減税のところだけいじると、四百万、六百万の方は一六%増税になって、そして三千万の方は七・五%、差があると、差が出るということなんです。

ですから、先ほど質問したように、最高税率の議論をしたんですかと。してないということであれば、私は、やはり格差が拡大していると言われている中で、政府が正に格差を拡大する増税策をしたということだと思いますが、その点について、もし反論があるのなら分かりやすい言葉で反論してください。

○国務大臣(尾身幸次君) 所得税の在り方については、全体としての税体系の中から考えていかなければなりません。日本は今五〇%にしておりますが、例えば、アメリカの最高税率は四五%、イギリスは四〇%、ドイツは四四%というようなことで、日本の所得税の最高税率は世界的な比較から見れば一番高い方に属しているわけでございます。その辺りのこともしっかりと御理解をしていただいた上で、税体系全体の中でどういうバランスを取るべきかということを考えた上で御議論をいただきたいと思います。

○浅尾慶一郎君 今、全体の話ということで御指摘がありましたけれども、先ほど私は二つのことを申し上げました。

もう一つは、給与所得控除というのは、年収が幾らの人でも五%は控除になるんですよ。ですから、五〇%をいじらないまでも、この五%のところをある段階でいじってもいいんじゃないかと、そういう議論があったんですか、ないんですかということを聞いたんですが、ないはずなんですね。ですから、何もそういうことは議論せずに、先ほど申し上げましたように、定率減税だけやめたと、結果として、年収四百万、六百万という人は一六%増税、三千万の人は七・五%増税ということになったということでありますから、せめて大臣であればその点の認識だけは持っていただきたいということを申し上げさしていただいて、次の質問に移らさしていただきたいと思いますが。

次は外務省に伺わさしていただきたいと思いますけれども、我が国の外交あるいは外交力ということを考えた場合に、全世界にある国の数とそれから大使館のある数というのを今日、委員の方には配付資料で配らさしていただきましたけれども、中国と日本との大使館、全世界の国の中にある大使館の数、数字でちょっとお答えいただけますでしょうか。

○委員長(尾辻秀久君) 速記止めてください。

〔速記中止〕

○委員長(尾辻秀久君) 速記を起こしてください。

○国務大臣(麻生太郎君) 御質問のありました中で、世界の国の中で日本が承認しております国は百九十一か国でございまして、そのうち日本の大使館がある国の数は百十七か国、また中国の大使館がある国は百六十か国と承知をしています。

○浅尾慶一郎君 日本は百九十一か国承認していますけれども、実際に大使館を置いているのは百十七か国、中国は百六十か国に置いていると。

特にこの差が顕著に表れるのがアフリカでありまして、アフリカは、日本は五十三か国承認しておりますけれども、大使館を置いているのは二十四か国、現状では、しかありません。一方、中国は四十六か国に置いているということになると、これはそのいろんな理由が説明ができると思いますが、例えばWHOの事務局長選挙で、最後の段階に近いところで中国に日本の推薦した候補者が負けるということの一因にもなるんではないかなというふうに思っております。

私はこれは、今回アフリカに数か国増設をするということを外務省としても政府としても決められたと、これは是非推進をしていったらいいと思うんですが、ひとつ、そのアフリカ勤務といったときに、先ほど山本委員はアメリカに長く人を置いたらどうかということを言っておられましたが、まあアメリカももちろんそうかもしれませんが、特にアフリカに勤務をしようという気持ちになっていただける方の方が先進国よりはるかに少ないんではないかなと、これは今の体制の下では一般論で言えばそういうことなんではないかなというふうに思いますが。

そうだとすると、例えば三十代、四十代ぐらいで大使に抜てきして、十年ぐらいその地域で活躍をしてもらえるようなことも外交力強化という観点では必要なんじゃないか。それは、反対側には癒着という問題が出てくるかもしれませんが、しかし、ある程度その癒着があっても大丈夫だというような大丈夫な範囲を決めておいてそういう対応を考えられたらいかがかと思いますが、その点について、大臣、いかが思われますか。

○国務大臣(麻生太郎君) これは銀行の支店長も似たようなもんなんだと思いますが、銀行の支店長が急にぱっぱぱっぱ替わっていく、なかなか替わらない、ずっといる、いろいろ各銀行によってやり方も違うと思いますが、日本の場合、おっしゃるように、例えばスワヒリ語ができるなんていうのはそうざらにいるわけではありません。したがって、スワヒリ語ができる現地に出ていたNGOの人を中途採用して大使館員にした例もあります。いろんな意味で、今言われましたように、その地域に長くいて、その地域に精通しているというのはすごく大きいと存じます。

その人たちはそこばっかりにいることによってかなり差が付くじゃないかというのは、その分は給与で何とかするとかいうのも一つの方法だとも思いますし、特別に後でそこの部分だけ何とか、これ役所ですから民間みたいにちょっと特別手当なんていうわけになかなかいかないところが難しいんですが、そういったところを考えて、現地向きとかやっぱり国内向きとか国際機関向きとか、やっぱり同じ外務省の職員でも、経験積ましても向き不向きが大分あるのは事実です。そういった意味では、やっぱり向いたところに置いた方が国益につながると私も基本的にはそう思っておりますので、どういう具合に柔軟的に、柔軟性を持ってやらせるかというのは、ちょっと簡単に思い付きでぱっと言うわけにまいりませんので、検討はさせていただきたいと存じます。

○浅尾慶一郎君 是非検討していただきたいと思うんですね。

今、給与というお話がありましたが、多分一番、これは質問通告しておりませんけれども、外務省の中で若い大使といっても五十代中ごろぐらいなんではないかなというふうに思います。先ほど申し上げましたように、三十代後半から四十代の方を十年ぐらいそこに大使で置いておくというようなことになれば、給与という面でいえばかなり恵まれる計算になるんではないかなというふうに思いますものですから、是非御検討いただきたいと思いますし、これはまあ政府全体の話になりますが、安倍総理はこういった考え方についてどういうふうに思われますか。

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 大使については現在も外務省以外からの大使という方もお願いをしていると、このように思います。専門家をどのように活用していくか、あるいはまた若い人を活用していくかということについてはまた今後の検討課題であろうと思います。

○浅尾慶一郎君 私の趣旨は、別に外務省の方も含めて検討いただければということであります。その方に三十代後半とか四十代でアフリカ、特に国の数も少ないでしょうし、またそういうところであれば、長い間やればそれなりにその現地の方との人間関係もできる。それが、ひょっとすると、まあ多分アメリカ以上に効果をそういう面では持つような国というのが多いんだと思いますので、そういう点について是非御検討いただきたいということを申し上げさしていただいて、次の質問に入らさしていただきたいと思いますが。  次の質問は、実は国連国際組織犯罪防止条約、いわゆる共謀罪と言われているものの基礎となる条約でありますが、先日、自民党国対におきまして浅野副大臣が発言をされまして、今まで外務省として必要だと言っていた新たに作る犯罪をかなり、四分の一以下に絞り込むという発言をされておりますけれども、そのことについて浅野副大臣が、これでこの修正案が成立すれば、条約批准に向けて努力するというふうに言っておられましたけれども、この発言の趣旨はどのようなものでしょうか。

○国務大臣(麻生太郎君) 自民党の法務部会の中で条約刑法検討に関する小委員会というのがありますけれども、この中において、この法律というか条約を早く通すということが必要なので、この条約刑法を速やかに成立させるためには国内法の整備と、これはもう前国会からずっともう御案内のとおりなんで、この対象犯罪というのはかなり多かったのを絞り込むように検討されてきたと、私どもはさように理解をいたしております。

これは、私どもとしては、この条約を締結するためには国内法の成立が早期にできることが私どもにとりましては期待をしているところですけれども、本件の小委員会の検討を基にして修正案が確定できて、それが院に付されて、それで法律が成立をするということになりました場合は、その本条約を締結すべく、私どもとしては最大限努力をすると申し上げております。

これは、数が余り膨大だったというのを縮めるというんで、それは縮め過ぎても条約は通りませんし、どの程度かというのはちょっと正直ここのところはまだ確定したわけではありませんので、最終的にどの法案が出るか、まだはっきりいたしておりませんので、このやり取りをよく見た上、かつここでよく、院に付されますので、その結果を見た上でしか、ちょっとお答えようのしようがございません。

○浅尾慶一郎君 私の質問の趣旨は、当初締結のために必要だと言っていた国内法の内容がかなりあったと、それが四分の一に減ってしまうと、それでも締結ができるということは、当初が間違っていたのか、それともということなんです。何で変えられるかということです。

○国務大臣(麻生太郎君) これは私どもの修正案を検討してきたということなんでして、私どもは、私どもとしては、この案をやらせていただくに当たりましては、政府原案というのはこれは、条約を実施する上ではこれは当然適切な内容だと考えております。それ自体は間違っていたということではございません。

ただ、立法府で修正を含めていろいろ御審議をいただくということは、これは当然あり得ることだと思っておりますので、政府といたしましては、これに必要な国内法が早期に成立して速やかに条約が締結できるように期待をしておるというのが私どもの立場でありまして、重ねて、重ねて申し上げておきますけれども、これは国会の中においていろいろ審議をされていかれるという過程の中において、これがどのように、最終的に決まった場合、それをもって私どもは条約の成立に努力はしますよ。努力はしますけれども、それで成立できるかどうかというのは、私どもは今、その内容を見た上で交渉させていただくということ以上は今の段階で申し上げることはできないと存じます。

○浅尾慶一郎君 確認ですけれども、条約の成立にならないかもしれないという発言ですね。

○国務大臣(麻生太郎君) これは相手のある話でございますから、私どもとして、これで、この内容を見た上で、これでできるかできないか、あらかじめ交渉はいたしますけれども、まだちょっと成案を得ておりませんので、今の段階で、するともしないとも申し上げる段階にはございません。

○浅尾慶一郎君 次に、今の国連国際組織犯罪防止条約というのは、今まで日本の刑法で規定されていなかったことが犯罪になるということで、新たな犯罪の類型をつくったものでありますが、ICCローマ規程というのがありまして、これは規程上の犯罪であって日本国内法で処罰できないものがあるということなんですが、今場内にお配りをさせていただいております資料の中に出ておりますけれども、幾つかあるわけですね。四つぐらいの類型のものが日本国内法では犯罪として、日本の刑法を含めて犯罪になってない、しかしICC規程では犯罪になっているというものがあるわけでございます。

国内法で処罰できない犯罪が日本で行われた場合、我が国はどのように対処をされるのか、その点についてお答えをいただきたいと思います。

○国務大臣(麻生太郎君) これは当然理論上はあり得る話だということになろうと存じますけれども、いわゆる未遂行為みたいな形になるというお話なんだと思いますが、基本的には、これの中に出てくる可能性のありますもの、私どもほとんどのものは、殺人とか傷害とかいうことで、逮捕監禁とか、ほとんどのものはカバーできると思っております。

ただ、私どもの場合で、例えば、何でしょうね、戦争関係に関するものというようになりますと、これはなかなか私どものところではできにくいということになろうと存じますので、そういう場合におきまして、いわゆるICCというものが登場してくるという可能性は出てくるだろうと思っております。

○浅尾慶一郎君 私の質問は、日本の政府がICCに付託をするんですかという趣旨の質問です。

○国務大臣(麻生太郎君) ICCのローマ規程上の一部の、いわゆる先ほど申し上げた未遂行為のところですけれども、日本で処罰できない可能性というのは理論上これは確かにあろうと存じますので、そういった場合には、このICCが実際にその管轄権というものを行使するのは十分な重大性があるという事実のみであって、そういった可能性って、これはちょっと、戦争でも起きなけりゃとてもじゃないけどちょっとなかなか今の現行法の中では想像ができにくいんですけれども。私どもとしては仮に、そういうことはちょっとなかなか想像を、私の頭では想像できにくいところなんですけれども、戦争犯罪等々において基本的に処罰できないことはあり得るとは思いますけれども、常識に言って、例えば放火を手段としたような、いわゆる爆弾使うとか何というか、その放火の未遂というので挙げられなくちゃいかぬし、逮捕できますし、またいわゆる火器を使用した場合は、これはいわゆる爆発物取締罰則違反というのがございますんで、銃刀法等々使えますんで、大体これはほとんどのものはカバーできると、私どもの想像力ではそう思っております。

○浅尾慶一郎君 質問にお答えいただいていないんですけれども。

四つだけ類型資料をお配りしております。日本の刑法で、国内法で処罰できない行為というのがあります。こういうものがあったときに、日本国政府として、ICCを経由するのか、あるいはそのICCから依頼があったらそれに対応するのかということなんですが、時間の関係で、安倍総理も熱心な憲法に関する問題について質問をさせていただきたいと思いますが。

憲法三十一条は罪刑法定主義というものを定めております。日本の法律で罪にならないもの、これを、ICCを通ると捕まってしまうというのは、これは憲法違反になるんじゃないかと、その点について伺いたいと思います。

○政府特別補佐人(宮崎礼壹君) お答え申し上げます。

国際刑事裁判所に関する条約でありますローマ規程、集団殺害犯罪等の重大犯罪について、各締約国に対しまして国内法においてこれを犯罪とするまでのことは義務付けていなくて、国際刑事裁判所からの請求に応じて引渡犯罪人の引渡し等の協力をすることをもって足りるということにしているのが前提でございます。

それで、御指摘の罪刑法定主義でございますが、我が国において刑罰を科する場合の本来、規範でございまして、国際刑事裁判所による処罰について直接的に、直接に適用があるものではございません。ただ、そうではございますけれども、我が国として同規程に定めます義務に従って、強制力を持って引渡犯罪人の引渡し等の協力を行うこととします以上、当該犯罪人の処罰に至る一連の手続の全体が別途憲法三十一条が保障します適正手続の趣旨にかなうものであることは必要であると考えております。

この点につきまして御指摘できることが三つほどあると思います。

一つは、ローマ規程上、国際刑事裁判所が管轄権を行使します犯罪は、その集団殺害犯罪等の国際社会全体の関心事である最も重大な犯罪とされるものに限定されておりまして、その構成要件や法定刑なども明定されているわけです。

二つ目は、その同規程が規定しております国際刑事裁判所における手続につきましても、捜査、予審、それから公判の手続を通じまして、詳細、適正に定められておるということでございます。

三つ目には、我が国における引渡犯罪人の引渡し等の協力の手続についてでございますが、これはただいま国会に提出させていただいております国際刑事裁判所に対する協力等に関する法律案の定めるところによることになりますけれども、そこでは国際刑事裁判所の判断を尊重しつつも、我が国の裁判所による司法審査を義務付けております。それ自体の適正手続も確保されておるわけでありまして、このようなことを考慮いたしますと、我が国による引渡犯罪人の引渡し等の協力を含めて、一連の手続の全体は憲法第三十一条の保障する適正手続の趣旨にかなうものと言うことができます。

したがいまして、更に申し上げれば、先ほど御指摘の、我が国はこのような協力を行うための前提として、我が国自身が集団殺害犯罪等の重大犯罪のすべてを国内法によっても処罰することができるようにしなければならないというまでの必要はないというふうに考えております。

○浅尾慶一郎君 終わります。

 

2007年03月07日 (水)

参議院 予算委員会 5号 平成19年03月07日

166-参-予算委員会-5号 平成19年03月07日

○浅尾慶一郎君 民主党・新緑風会の浅尾慶一郎です。

まず柳澤大臣に、一連の産む機械の御発言等について、まあもうさんざんいろんなところで御発言されておりますから、二度とそういう発言はしないと、そしてそういった約束は守られるということについての決意を伺いたいと思います。

○国務大臣(柳澤伯夫君) 浅尾委員から改めてそういう私に対してこの件についての発言の機会をちょうだいしたということで、大変御配慮に感謝申し上げます。

私、本当に今から考えても不適切な発言であったと深く反省しておりまして、このようなことは本当に二度と起こしてはいけないという、子供のようなことを言うのは本当に恥ずかしいんですけれども、そういうことでこれから進んでまいりたいと考えております。

○浅尾慶一郎君 申すまでもないことですけれども、大臣は約束されたことは守られますよね。

○国務大臣(柳澤伯夫君) なかなか複雑な伏線のあるような御質問でございまして、しかし一般論としては私は当然のことであると考えております。

○浅尾慶一郎君 一般論というか、約束守る守らないに一般論もないと思うんですが、約束は守られるし、できない約束はしないということの確認だけさせていただきたいと思います。

○国務大臣(柳澤伯夫君) 私は、自分の申し上げた約束、これは私の個人的な問題であればこれはもう何としても守っていくと、こういうことでございます。公のことになりますと、これは私も公の立場をいろいろ経験したことでございますけれども、そのときそのときにいろいろな周囲の状況、条件というものを考慮してベストの判断をしていくことは当然であろうと、このように考えます。

○浅尾慶一郎君 じゃ、資料を配っていただきたいと思います。

〔資料配付〕

○浅尾慶一郎君 公のことというふうにおっしゃいましたが、かつて柳澤大臣が金融担当大臣であったときに、まあ随分前の話になりますけれども、長銀が国有化されたときに、ゴールドマン・サックスという会社をアドバイザーに雇いました。この契約が、時期が来れば開示をすると、ここに書いてありますように、守秘義務と書いてありますが、ゴールドマン・サックス側が守秘義務で縛られていて政府側は縛られていないというところも確認されておりますが、その点、もうそろそろ時期が来ているんではないかと。ですから、こういう約束をされたということでありますから、少なくともそれを守るように努力をしていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

○国務大臣(柳澤伯夫君) この関係は、私は大臣として、今つまびらかにすべてを記憶しているわけじゃないですが、大臣として浅尾委員に対してそのような答弁をしたと、こういうことでございます。ですから、この立場はまた次の大臣に引き継がれていくということに、当然これは行政官庁の行政の一環ですから、そういうことになろうと思いますので、そういう性格のものだということを御理解の上、お考えいただきたいことでございます。

私は、何と申しますか、今やその立場にないものですから、私がここで何か答えるということ、そのことがちょっとふさわしくないんではないかと、このように考えております。

○浅尾慶一郎君 大臣として当然引き継がれているということでよろしいですか。

○国務大臣(柳澤伯夫君) ポリシーで、その次の大臣あるいは次の次の大臣等が明確に政治的な判断として違う方針を取られるということは、これはありますけれども、そこにはやっぱり納得させる理由が多分必要だろうと思います。そうでない限りは引き継がれるというのが行政官庁というものの通常の姿ではないかと、このように考えます。

○浅尾慶一郎君 それでは、山本金融担当大臣、明確に引き継がれているという理解でよろしいですか。

○国務大臣(山本有二君) そのとおりでございます。

○浅尾慶一郎君 明確に引き継がれているということであれば、今日お配りしましたように、この政策的な立場というのは、二度と日本の金融機関が国有化されるような状況にないという時期になればこの契約は明らかにするということでありますから、その点について、もう既に過去の大臣がそういう状況ではないということは答弁されておりますけれども、その点も引き継いでいるということでよろしいですか。

○国務大臣(山本有二君) 訴訟上のリスク、金融行政上の支障、こういった二つの点がなかりせばという理解をしております。

○浅尾慶一郎君 金融行政上のリスクはないということだと思います。訴訟上というのは、国家公務員法に定める守秘義務に反して公開をしたときに訴えられるリスクがあるという理解でよろしいですか。

○国務大臣(山本有二君) そういう理解で結構ですが、なおもう少し申し上げれば、ゴールドマン・サックス社にも反対がなければと、こういうことに言い換えることができると思います。

○浅尾慶一郎君 ゴールドマン・サックス社の反対があるから国家公務員法の守秘義務に反して一方的に開示できないというのが今までの答弁でしたけれども、その確認です。

○国務大臣(山本有二君) 国家公務員法上の守秘義務に抵触する可能性があるということでございます。

○浅尾慶一郎君 国家公務員法上の守秘義務に抵触する可能性というのは、柳澤大臣が御答弁されたときからその可能性はあったわけでありますから、そうすると、引き継がれたということでありますけれども、そもそも答弁した段階でできない約束をしたということになりますか。

○国務大臣(山本有二君) 当局としましては、従来から、先ほど申し上げた金融行政上の支障、そしてGS社の反対の二つを開示できない理由として述べてきておりまして、仮にGS社が開示を了解すれば、現在は金融行政上の支障は小さくなっておりますので、開示は可能と考えております。ただし、GS社が開示に反対している場合には、依然として金融行政上の支障は大きいものと認識しておるわけでございます。

○浅尾慶一郎君 GS社の開示に、が反対した場合に開示できないということをおっしゃっていますが、私は、その大変多くの国民の税金を使って長銀というものを今新生銀行という形にしたわけでありまして、一GS社がその多くの税金を使うに当たってかなりの、まあ率直に言えばアドバイス上のミスもあったんではないかなというふうに思います。そこが反対しているから、国民の税金を使ったにもかかわらずその説得ができないというのは、行政としては問題があるというふうに思いますが、いかが考えられますか。

○国務大臣(山本有二君) GS社が開示に反対しているにもかかわらず、当庁がこれを一方的に開示した場合には、国家公務員法上の守秘義務に抵触する可能性がまずあります。GS社の反対を押し切って当庁が一方的に開示するということは現在困難であると考えておりますが、更に具体的に申し上げれば、私企業の競争上の地位その他正当な利益を害することにより経済取引の安定性、信頼性に悪影響が及ぶ。また、民間企業の正当な利益を害することにより損害賠償訴訟が提起される可能性がある。そしてさらには、今後民間企業との間で守秘性のある契約の締結一般を困難ならしめるおそれがあるという考え方でございます。

○浅尾慶一郎君 一般に、例えば建設請負契約があった場合に、それを開示してくれと言えば通常は国土交通省も開示すると思いますね。その今回の契約についても、ゴールドマン・サックス社がどういうサービスを国に対して提供するかという中身しか入ってないわけでありまして、これを開示するのが困難だというのは理屈にならないと思いますが、いかがでしょうか。

○国務大臣(山本有二君) まずGS社自体が、平成十七年だと思いますが、当庁あての文書の中で、開示するかどうかということについてはファイナンシャルアドバイザリー業務に関して顧客との間で締結する契約内容は当社に帰属する企業秘密の一つと認識しておると、その内容が顧客以外の第三者に開示されることは当社の競争上の地位その他正当な利益を害するおそれがあるというように述べております。

その意味で、私どもファイナンシャルアドバイザー契約を今後結ぶに支障があるとなお考えられるところでございまして、開示をするにはGS社の了解を是非お取りいただきたいと思っております。

○浅尾慶一郎君 お取りいただくのはこの答弁をされている当局だと思いますが、いかがですか。

○国務大臣(山本有二君) 行政上、開示を要求する立場にありません。(発言する者あり)立場にありません。

○浅尾慶一郎君 立場にないというのであれば、そもそもお配りした資料の答弁が立場にないことを答弁したということになります。約束できないことを約束したということになります。

○国務大臣(山本有二君) あるいは当委員会の国政調査権、あるいは議員個人の国政調査権に基づいて要求をしていただかなければ、当庁独自の行政権限ではありません。

○浅尾慶一郎君 少なくとも、議員個人の国政調査権ということにおいては既に要求をしております。ですから、どうぞお願いします。

○国務大臣(山本有二君) 従来より、浅尾委員の御要求のたびにGS社にお願いはしております。

○浅尾慶一郎君 繰り返しになりますけれども、そもそも開示ができないものをあたかも開示ができるような答弁をすること自体が問題なんではないかと。

今申し上げましたように、国政調査権あるいは、これは委員長にもお願いしますが、今おっしゃっておるのは、例えば予算委員会で国政調査権の議決をすればこれは開示をするということになりますので、そのことも含めて御協議をいただきたいと思う。予算委員会として議決をして開示を要求すれば開示に当たるということになりますので、そのことも含めて要求をさせていただきたいと思いますが。

○委員長(尾辻秀久君) 後刻、理事会で協議をいたします。

○浅尾慶一郎君 繰り返しになりますが、同時に、開示を行う所存であるという答弁は引き継いでいるわけですね。しかし、その答弁を引き継いでいながらできないというのは、そもそもできない約束をしたということじゃないですか。

○国務大臣(山本有二君) 以前は金融行政上の立場から、柳澤大臣当時には開示はできませんでした。しかしながら、金融行政上の支障というものが薄れてまいりました今日におきましては、GS社が開示を了解した場合にはできるという認識に変わっておりまして、柳澤大臣当時ではできなかったものが、現在は可能性があるということに変化をしておることでございまして、柳澤大臣の答弁には偽りはございません。

○浅尾慶一郎君 可能性があるんであれば、繰り返しになりますけれども、その実現に向けて行政として努力をしていただきたいと思いますが。

○国務大臣(山本有二君) GS社にその旨お伝えしたいと思います。

○浅尾慶一郎君 繰り返しになりますが、伝えるということではなくて、主体的にその説得をしてほしいと。

○国務大臣(山本有二君) その趣旨をお伝えしたいと思います。

○浅尾慶一郎君 政府としてどういう取組をするんですか。私が要求しているからそれを伝えるということですか、それともこの約束に従って政府として責任を持って行動するか、その点についてお答えいただきたいと思いますが。

○国務大臣(山本有二君) 国政調査権に基づいての請求、それをお伝えするという立場でございまして、それに付加して何か行政上の立場を、権限を利用して何かするということはできないと私は解釈しております。

○浅尾慶一郎君 柳澤大臣が国務大臣、金融担当大臣でやられていたときには、開示を行う所存というふうに言っておられますんで、政府としての責任を果たしていただきたいということです。

○国務大臣(山本有二君) 国政調査権に基づく開示の要求をお伝えし、開示していただく所存でございます。

○委員長(尾辻秀久君) 速記止めてください。

〔速記中止〕

○委員長(尾辻秀久君) 速記を起こしてください。

残余の質疑は午後に譲ることといたします。

午後一時に再開することとし、休憩いたします。

午前十一時五十七分休憩

─────・─────

午後一時開会

○委員長(尾辻秀久君) ただいまから予算委員会を再開いたします。

休憩前に引き続き、平成十九年度総予算三案を一括して議題とし、質疑を行います。浅尾慶一郎君。

○浅尾慶一郎君 午前中にお配りしました議事録が一部その抜粋になっておりますので誤解があるかもしれませんが、ここで書いております両者の間に守秘義務協定が結ばれておるという守秘義務協定で、守秘義務の義務を負っているのはゴールドマン・サックス社だけでありまして、政府側はこの協定の中で守秘義務の義務を負っていないということを確認させていただきたいと思います。

○国務大臣(山本有二君) 守秘義務協定は金融庁とゴールドマン・サックス、両者の間で結ばれている協定でございます。

○浅尾慶一郎君 この守秘義務協定の中で、守秘義務の義務を負っているのは、ゴールドマン・サックスが政府から聞いた話を漏らしてはならないという義務は負っていますが、政府側にはその義務が入ってないということは過去の議事録の答弁の中にしっかりとあります。

○国務大臣(山本有二君) この守秘義務協定につきまして正確に申し上げると、旧長銀とゴールドマン・サックスの間で結ばれている守秘義務協定であります。先ほど申し上げました金融庁との間での協定ではございません。(発言する者あり)

○委員長(尾辻秀久君) 速記止めてください。

〔速記中止〕

○委員長(尾辻秀久君) 速記を起こしてください。

○浅尾慶一郎君 それでは、政府が公開できない理由として私が理解しておりますのは、一般論で国家公務員には守秘義務が掛かっているからそれで公開できないということですね。

○国務大臣(山本有二君) そのとおりでございます。

○浅尾慶一郎君 ということであれば、午前中も申し上げましたけれども、国家公務員法の守秘義務というのはこの柳澤大臣が答弁したときから掛かっているわけですから、そもそもできない約束をしたということじゃないですか。

○国務大臣(山本有二君) 柳澤大臣のときも国家公務員法上の守秘義務は掛かっておりますし、現在も掛かっているということは変わりない事実であろうというように思います。

○浅尾慶一郎君 それでは、別の観点からお伺いしますが、できない約束、あるいは守るつもりもない約束をしたということですか。

○国務大臣(山本有二君) この資料におきます点々々については、私は少し読んでおりませんが、両者の間に守秘義務協定が結ばれておる点々々、もう一つ私どもとして政策的な立場というものがありますので、これら両方が満足されるような時期になればというのは、それはまずは両者の間の守秘義務、すなわちゴールドマンの方がもし反対をするならば、そこには訴訟リスクというものが発生する、さらに金融政策的な立場という二つ、こういう理由があるので現在はこれは開示するわけにはいかないという答弁であると私は解釈しておりまして、その点におきましては今もこの原則は変わりがないというように理解しております。

○浅尾慶一郎君 今の御答弁は三分前の大臣の答弁と全然違います。整理してください。

○国務大臣(山本有二君) 三分前にも私は、私自身にも国家公務員の守秘義務が掛かっておりますし、またその守秘義務におきます判断の中にゴールドマン・サックスの賛成、反対という開示についての考え方があることは申し上げたとおりでございます。

○浅尾慶一郎君 唯一の要件がゴールドマン・サックスが反対しているからであるということを確認させていただきたいと思うんですけれども。

○国務大臣(山本有二君) このゴールドマン・サックスの反対を押し切って一方的に開示しますことは、私企業の競争上の地位、あるいは損害賠償訴訟の提起される可能性、民間会社との守秘性のある契約の締結一般を困難ならしめるおそれ、こうした観点からする公益性、守秘することの公益性、これが高いものであるということでございます。

○浅尾慶一郎君 私が先ほど、できない約束をしたんではないですかということを申し上げたのは、この九九年当時からゴールドマン・サックス社は開示することに反対をしておりました。しかし、その金融的な条件が満たされれば、なおかつ国の側に責務がないということも確認した上で時期が来たら開示するということで、開示する所存ですということでしたけれども、今の御答弁ですと、いつまでたっても開示ができないことを知りつつこういう答弁になったというふうに思いますけれども、そこはどう違うか、お答えください。

○国務大臣(山本有二君) それは、それぞれこの競争上の地位に変化もありますし、また民間企業の正当な利益についての訴訟を提起する可能性も変化がございます。さらに、この種のFA契約が現在多数結ばれているという状況の中で、さらに、これを当時ほど、守秘する公の利益の軽重にも変化が見られているわけでございまして、その意味におきまして、浅尾委員の御指摘のたびに、金融庁としましてもその都度GS社に開示を求めているわけでございまして、これにおきましては少しずつ変化も見られることであろうと、私はそう考えるところでございます。

○浅尾慶一郎君 指摘をしないと動かないということになれば、この答弁と違うわけでありますから、継続的に金融庁として指摘をしていく、開示を要請していくということは約束しますか。

○国務大臣(山本有二君) 当委員会でそうお決めいただければ、私の方は国政調査権に基づく調査権という限りで御照会をさせていただきたいと思っております。

○浅尾慶一郎君 繰り返しになりますが、当委員会ではなくて、御答弁いただいたのは、当時の責任者である大臣が、時期が来たら開示をすると。で、今唯一残っているのは、ゴールドマン・サックス社が嫌がっているから開示をしないということであれば、責任を持って担当大臣である、あるいは金融庁が官庁として、私が一々指摘しなくても、継続的に三か月に一回ずつゴールドマン・サックス社に依頼することを約束していただけますか。

○国務大臣(山本有二君) いやもう、それにつきましては、行政権限もございませんので、そこについては、三か月に一度というようなことのその照会につきましてはお受けいたしかねます。

○委員長(尾辻秀久君) 速記止めてください。

〔速記中止〕

○委員長(尾辻秀久君) 速記を起こしてください。

○浅尾慶一郎君 ゴールドマン・サックスとの関係でいいますと、これはここに書いてあるように守秘義務協定で縛られているわけではなくて、一般的な国家公務員としての守秘義務が掛かっているということですから、それについて開示をしたときに向こうの同意がなくて開示をしたら訴えられるかもしれないということですが、国政調査権に基づいて開示をした場合にはそのリスクは私は棄却されると思いますから、そういう観点も含めて御答弁いただきたいと思います。

○国務大臣(山本有二君) 委員の開示に向けての御趣旨を踏まえて、ゴールドマン社に対して、開示に向けて、当庁としましても御趣旨を踏まえ、委員会の御判断も踏まえて努力してみたいと思っております。

○浅尾慶一郎君 国政調査権に基づいて、委員会として是非議論をしていただきたいと思います。

○委員長(尾辻秀久君) その件につきましては、後刻理事会で協議をいたします。

○浅尾慶一郎君 それでは、戦没者等の妻に対する特別給付金について伺っていきたいと思いますが、まず、この制度の趣旨はどういうものでしょうか。

○国務大臣(柳澤伯夫君) 戦没者等の妻に対する特別給付金の趣旨でございますけれども、これは戦没者等の妻に対する特別給付金支給法に基づきまして、戦没者等の妻が夫を失ったことによる精神的痛苦に対し国として慰藉をするという趣旨から、一定の基準日において恩給法による公務扶助料とまた戦没者遺族として年金給付を受けている妻に対しまして、十年償還の国債により特別給付金を一時金として支給するものでございます。

この制度は昭和三十八年に創設され、直近では、平成十五年の法律改正によりまして継続支給の措置が講じられているものでございます。

○浅尾慶一郎君 残念ながらその制度を知らずに、本来もらえるものをもらえていない方が結構いらっしゃるということですが、平成十五年の支給分の給付金のうちで時効消滅した件数と金額、また、そのうち私の地元の神奈川県の件数と金額を教えていただきたいと思います。

○副大臣(武見敬三君) お尋ねの時効消滅の件数についてでございます。

これは一定の仮定下に推計をいたしますと、今後支給決定されるものも若干見込まれるんでございますが、受給権を有すると思われる者約十七万件中おおむね約九千件となっております。その金額は約百八十億円であります。

また、神奈川県居住者の時効消滅については、神奈川県からデータを得た上で全国と同様に推計したところ、おおむね約五百件となり、金額は約十億円となっております。

○浅尾慶一郎君 この時効消滅については昭和三十八年の法制定時にも議論されておりますが、受給権の時効消滅についてどういうふうに考えておられますか。

○国務大臣(柳澤伯夫君) 戦没者等の妻に対する特別給付金支給法第六条におきましては、特別給付金の受給権は、三年間行使しないときは受給権は時効消滅するということになっております。

したがいまして、厚生労働省としては、受給権者の請求漏れによる時効消滅を防止することは重大な課題であると認識をいたしております。

○浅尾慶一郎君 私がこの点について問題にしておりますのは、実は、昭和六十年に電算化されました。このことが電算化されましたが、電算化されるに当たって、データの入力は申し出た人しかデータを入力しなかった。しかし、電算化されるということを知らないわけですね、普通の受給者は、知らない可能性がある。

なぜ電算化後に請求があった、申し出た人だけ入力したんですか。

○副大臣(武見敬三君) 委員御指摘のとおり、昭和六十年当時における受給者のデータ入力につきましては、昭和六十年以降、その都度データを入力することで、電算化前において手作業で行っていた特別給付金などの受付裁定事務全体を迅速化、効率化するために行ったものでございます。

上記の電算化前に支給決定がなされた者の分については、人員の制約等もあり入力できなかったということでございます。ただし、この昭和六十年以前の請求者等について、再度改めて請求等があることなど想定をした上で逐次入力していくことで、全体の業務が円滑にいくと考えていたところでございます。

○浅尾慶一郎君 今御答弁いただいたわけですけれども、要するに人手が足りなかったから取りあえず請求があった人だけデータ入力をして、以降はデータ入力がしておられる方だけ通知が行く、通知が来ないから時効で消滅しちゃうというのが実態ですよね。確認です。

○副大臣(武見敬三君) 委員御指摘のとおりでございます。

○浅尾慶一郎君 先ほど、柳澤大臣が御答弁いただきまして、夫を失ったことに対する精神的痛苦、要するに六十二年、終戦からたっているわけでありまして、夫を失った方といってももう八十後半になっておられる方も多いと。そういう方に電算化しますよと、これをどうやって広報したかというと、町の、県の便りとかそういうのに一行入っていると。まあ、それは何回か入ったかもしれませんが、それでもってカバーができるというふうに思うのはおかしいんではないかと。少なくとも今後、漏れている者について何らかの対策を立てていただきたいと思いますが。

もう少し具体的に言いましょう。

給付金の対象者は、総務省が持っている恩給受給者のデータが基礎となっているので、そこから総務省と協力して給付金の受給権者を確定したらいかがでしょうか。

○国務大臣(柳澤伯夫君) 特別給付金は、公務扶助料等を受けている戦没者等の妻が対象となっておりますので、御提案を踏まえて、特別給付金の請求漏れを防止するため、例えば恩給受給者データを活用して受給者の方々への個別案内が行き渡るようにすることができないかどうか、総務省、都道府県等と相談しながら十分に検討してまいりたいと思います。

○浅尾慶一郎君 是非そうしていただきたいと思います。先ほど、九千件という形で大体類推もできているわけですから、それほど難しいことではないと思いますので、その決意を伺いたいと思います。

○国務大臣(柳澤伯夫君) ただいま申し上げましたとおり、今後関係省庁とよく協議をしまして検討をしてまいりたいと思います。

○浅尾慶一郎君 先ほど御答弁いただきましたように、三年間たつと時効で消滅してしまうということなんですが、この受給権を、時効消滅した後に、あっ実はあったんだと気付かれる方もいらっしゃいます。過去に、この予算委員会で当時の小泉厚生大臣が、しかし、その時効消滅についてこれを救済するのはどうしても無理だというふうに答弁されておりますが、なぜ無理なんでしょうか。

○国務大臣(柳澤伯夫君) 戦没者等の妻に対する特別給付金支給法第六条におきまして、三年間権利を行使しないときは受給権は時効消滅するとされておりまして、受給権が時効消滅した方の救済は無理であると、このように申し上げたと考えております。

○浅尾慶一郎君 財務大臣に伺いますが、会計法の三十一条は、本件特別給付金の時効消滅の場合に適用されますか。

○副大臣(富田茂之君) 先生御指摘の会計法第三十一条第一項には、国に対する権利で、金銭の給付を目的とするものの時効による消滅につきまして、別段の規定がないときは、時効の援用を要せず、また、その利益を放棄することができないものとするというふうに定められております。

戦没者等の妻に対する特別給付金につきましては、戦没者等の妻に対する特別給付金支給法の定める要件に該当すれば、法律上当然にその受給権が認められる公法上の債権であります。

また、時効の援用について、支給に関する個別法に別段の規定もございませんので、その消滅時効については会計法第三十一条が適用されることとなります。

○浅尾慶一郎君 という形で時効になってしまうということなんでその救済が無理だということなんですが、実は戦傷病者戦没者遺族援護法、いわゆる遺族援護法ですね、遺族援護法に基づく遺族年金については、厚生労働省の局長通達でもって、時効になってもこれは適用しないんだという通達を出されています。これはどういう法律に基づいてやっておられるんでしょうか。

○副大臣(富田茂之君) 今、ちょっと先生の御質問は何点か問題を含んでいると思うんですが、御指摘の通達はこのように記載がされております。まず、遺族年金等の時効期間が経過した場合であっても、時効期間内に請求しなかったことについて宥恕すべき理由があると認められるものについては当該遺族年金等を支給すると、これがまず一つ記載されております。ただし、この場合における遺族年金及び遺族給与金の支給は、市区町村がそれぞれ請求書類を受けた日から五年間遡及するにとどめるものとするというふうになっております。

遺族援護法で言います遺族年金等の受給者の権利につきましては、基本権と支分権に分かれております。基本権は年金を受け取る権利、年金を受け取る地位のようなものであり、会計法三十一条に言う金銭給付を目的とする権利ではなく、その消滅時効については会計法三十一条の適用はございません。他方、支分権は基本権に基づき毎支払期ごとに実際の年金を受ける権利、つまり会計法第三十一条に言う国に対する権利で、金銭の給付を目的とするものに当たりますので、その消滅時効については会計法三十一条の適用があると。

また、先ほどの通達も、基本権については厚生労働省の方で配慮しろというふうにしておりますが、支分権である請求権、具体的な請求権については五年間の時効に掛かりますよというふうな通達がされておりまして、これは恩給法の方の取扱いが変わりましたので、それに合わせてこのような通達がなされたというふうに承知しております。

○浅尾慶一郎君 ということで、確認させていただきたいと思いますが、そうすると遺族年金については、時効になっても五年たったものについては、お金はもらえないけれども、権利だけ発生するということですか。

○副大臣(富田茂之君) 支分権たる具体的な権利については時効になっておりますので、発生するというようなことはありません。ただ、支給を受ける権利、地位、それはもう七年たっても配慮するようにというふうに通達がされているというふうに理解していただきたいと思います。

○浅尾慶一郎君 確認しますが、そうすると、過去のもらえるはずであったものはもらえないけれども、それ以降もらえるようになるという理解でよろしいですか。

○副大臣(富田茂之君) 先ほどの通達に宥恕すべき理由がある場合にというふうに限定がありますけれども、そのように判断されれば支給を受ける権利、地位はあるというふうに判断されるというふうに解釈されると思います。

○浅尾慶一郎君 なぜこういうことにこだわるかというと、もし遺族年金で具体的に支給が受けられるんであれば同じようにされるのが一番適切なんではないかと。特に、先ほど申し上げましたように、政府側のミスがあったわけですよね、電算化するときに全員に通知しなかったということなんですが。それができないということについて、もう少し分かりやすく御説明していただけますか。基本権、支分権と言うとなかなか分かりづらいと思いますが。

○副大臣(富田茂之君) 年金を受ける地位、権利は、先ほどの通達によって、もし請求できないような何か特別な事情があって、それを配慮すべきだというふうになればその地位は認められる可能性があると。ただ、支払期ごとに個別具体的な請求権が発生するわけですから、それはやはり五年間の時効に掛かってしまう。

先生が最初御指摘された特別支給金については、個別具体的な請求権ですので、これはやはり時効に掛かる、権利としてその地位が認められるわけではないというふうに解釈されるというふうに思います。

○浅尾慶一郎君 是非、まあこれは立法措置になるのかもしれませんが、先ほどお話がありましたそのデータ入力と併せて、特にその政府側の電算化、そしてそのときに通知を個別にはしていないわけですから、そこについて救済するための新たな立法措置を政府として検討していただけないかどうか、伺いたいと思います。

○国務大臣(柳澤伯夫君) これはなかなか困難なのではないかと、そのように思います。基本的に、明文で時効消滅ということがうたわれておりますので、そのことについてはやはり国の法的安定性ということから、そういう基本原則からいっても、それは難しいことであると私は考えます。

○浅尾慶一郎君 私の質問は、新たな立法でもって救済することは考えられないんですかということです。

○国務大臣(柳澤伯夫君) 私の答弁は、その御質問に対する答弁としてお受け止めいただきたいと思います。

○浅尾慶一郎君 ミスがあったのは国の責任が相当あると思いますので、それを救済するとすると新たな立法が必要だということで申し上げさしていただきましたけれども、御賛同いただけないということは大変残念であると思います。

最後の質問になると思いますが、今の戦没者の妻だけではなくて、戦没者等の遺族に対する特別弔慰金について、支給件数、そして受給権の時効消滅件数をお答えいただけないかと思います。

○副大臣(武見敬三君) 平成七年の特別弔慰金の支給件数は、平成十七年度末現在で約百三十八万件、支給金額は約五千五百二十億円となっております。特別弔慰金の受給権者は、遺族の中の公務扶助料等の年金受給者がいない場合に兄弟姉妹等のうちの一人に支給されるものでありまして、必ずしも受給権者を一律に特定できるものではございません。このため、平成七年の特別弔慰金の時効失効者件数については把握できておりません。

○浅尾慶一郎君 平成十七年分が時効消滅する時間がだんだん近づいてくるわけでありますが、平成十七年分が、これ百三十八万件もありますから大きいんで、これが時効消滅しないようにどういう対策を取るか伺って、私の質問を終えたいと思います。

○国務大臣(柳澤伯夫君) 平成十七年支給分の特別弔慰金につきましては、平成十七年四月から三年間のうちに請求していただくということが必要でございます。

厚生労働省としては、消滅時効により請求漏れとなることを防止するため、都道府県、市町村と連携しながら、政府広報等により請求期間等について十分な広報を行う、また都道府県を通じ、前回の特別弔慰金の受給者の方に制度の概要、申請方法等のお知らせを行うこと等により対処してまいりたいと考えております。

 

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