あさお慶一郎(前衆議院議員 神奈川4区)

2006年10月26日 (木)

参議院 外交防衛委員会 3号 平成18年10月26日

165-参-外交防衛委員会-3号 平成18年10月26日

○浅尾慶一郎君 民主党・新緑風会の浅尾慶一郎です。

各地でいろんなテロが起きておりますけれども、まず最初の質問は、何がそうしたテロ行為を起こさせる、あるいはテロ行為に加わるような決意をそのテロリストたちにさせるのか、もっと言うと、何がテロリストに変わるきっかけなのか、どういうふうに考えておられるか、官房長官に伺いたいと思います。

○国務大臣(塩崎恭久君) そもそもテロとは何かという、この定義の問題も多分あると思いますが、広い意味でテロということで申し上げてその原因は何だと、今御質問がございました。

九・一一のときの実行犯あるいはロンドンの地下鉄でのテロの実行犯などを見てみると、千差万別、貧困家庭から来ている人、あるいはそうじゃなくて裕福な家庭から来ている人、いろいろあると思います。そして、そうなると一般論としては、やはり政治、民族、宗教、思想等の対立等によるものと考えられ、また今申し上げた貧困や経済開発の遅れ等がテロを助長していると、こういう指摘もあると思います。原因というのはそういうところかなというふうに思います。

○浅尾慶一郎君 たまたま昨日、ここにいられる緒方委員も御一緒でしたけれども、複数の国会議員と一緒に、いろんな国の学生がいる中で、慶応大学で講演をさしていただきました。

そのときに、非常に面白いな、示唆に富んだと思ったオランダから来られた人の発言を聞いたんですが、社会からある種疎外されるという思いが結構テロ行為に走らせるんじゃないかなと。例えばオランダにいる、まあ具体的な国は別として、イスラム系の人たちがオランダ社会に受け入れられているとなればそういうことはないんだろうけれども、一つの原因として必ずしも、今官房長官おっしゃいましたように、貧困ということだけではなくて、社会が受け入れないということがある種の絶望感になってテロ行為に走るんじゃないかと、そんな発言をオランダ人の女性の学生でしたけれどもしていまして、非常に示唆に富むなと。

ですから、貧困対策と同時に社会に受け入れていくような仕組みをつくっていかなきゃいけないんじゃないかなというふうに思っておりますということを申し上げさしていただきまして、次の質問に移らさしていただきたいと思いますが。

よく北朝鮮をテロ支援国家というようなくくりで表現をすることもありますが、そうすると、何となく北朝鮮そのものがいわゆるテロリストなのかなというふうに思われる方もいると思いますが、今申し上げたような、社会から拒絶して個々人がテロリスト集団に加わって活動するのと特定の指導者がいるのとは大分違うんだと思いますが、これは通告してありますけれども、テロリストと北朝鮮の指導者との類似点があるとすれば類似点、そして違う点はどういうところかという点を官房長官に伺いたいと思います。

○国務大臣(塩崎恭久君) テロリズムとかテロリストとかいう概念について、一般的な国際法上の定義などはないんだろうというふうに思いますけど、一般的にはやはり、テロリズムとは特定の主義主張に基づいて国家等にその受入れを強要し又は社会に恐怖を与える目的で行われる人の殺傷行為等であるというふうに物のいろんな本には書いてございます。

他方、北朝鮮については、北朝鮮当局が拉致という国際法上許されない行為を実施したのみならず、この拉致プラス核、ミサイルといった、そういった懸案の解決に向けて誠実に、先ほど来、麻生大臣も言っておられますけど、誠実に対応してこないという行動に出ていると。

こうした北朝鮮をめぐる諸懸案について、我が国としては対話と圧力ということでずっと一貫した基本的な考え方を取ってきているわけでありまして、包括的な解決に向けて粘り強く取り組んでいるところでもありますので、現時点で、今お話しのこの北朝鮮指導者とテロリストの差異がどこにあるのかというようなことを云々するのは余り意味はないかなというふうに思います。

○浅尾慶一郎君 確かに意味のある議論ではないというのはそのとおりかもしれません。今申し上げたかったのは、北朝鮮が行った行為をテロ行為ととらえるかどうかということの観点でちょっと拉致とかですね、質問させていただいたんですが、御指摘のように、そのそれぞれの事象をどう名付けるか、ネーミングをするかというよりかは、その事象事象に対応していく方がいいということはそのとおりだと思いますので、次の質問に移らさせていただきたいと思います。

これは外務省に通告させていただいておりますことの、通告でいうと三番、四番の通告を一遍に聞かせていただきたいと思いますが、アフガニスタンにおける治安の状況というのをどういうふうに把握しているかという中で、特にタリバンが最近その勢力を拡大していると。これは新聞にも若干出ておりますけれども、九月二十九日の読売新聞にそういう報道もありますが、そういうことも言われていますが、実際のところ、タリバンが本当に勢力を回復しているのか、そのことが治安に与えている影響というのがあるのかないのか、そのことも含めて外務大臣に伺いたいと思います。

○国務大臣(麻生太郎君) アフガニスタンの治安状況というのは、基本的には浅尾先生、依然不安定だと思っております。特にパキスタンとの国境を接しておりますいわゆる東部、南東部、南部と言われるところは、タリバン、今御指摘にありましたタリバンの状況の活発化など、やっぱりいわゆる懸念すべき状況にあると思っております。

加えて、今年の九月に国連事務総長のいわゆる報告が出ておりますが、本年三月以降、アフガニスタン南部、南東部、東部を始めとして暴力が急増し、タリバーン政権崩壊以降情勢は最も厳しいと、こういう具合にこの報告は述べております。

これが現状だと思いますが、他方、この数年間の間、正確には今年からで見ましても、アフガニスタンにおけます、いわゆる政府ができて正規軍というものをきちんとスタートさせて訓練をさせ、これで約三万五千。それから、いわゆる警察官というのは、治安の対象はこれ警察ですんで、警察の訓練というのをやり始めて、これが約六万五千というものがそれぞれスタートをいたして、そこそこ訓練が始まっております。

また、いわゆるタリバンの掃討なんというのも加えまして、いわゆるDDRという、ディスアーマメント何とかという、まあ、簡単に言えば昔でいう太閤秀吉の刀狩りみたいな話ですけれども、こういった武装解除とかいったようなものを、日本がこれは主にかかわったところですけれども、これで社会復帰を含めて約六万人。こういったものが、ある程度前向きなもので事が進んでいるというのも、北の方では特に、カンダハルというか、上の方でははっきりしていると思います。

したがって、今、日本としては、このアフガニスタン政府が一生懸命努力をしてここまで来ておりますので、日本としてはこのカルザイ大統領、いろいろ日本はこれまで支援してまいっておりますし、今でもやろうという意欲もまた上の方、上の方という、北部の方はそこそこに行っておりますんで、私どもとしては積極的に支援をしてまいりたいと思っております。

タリバンの件につきましては、副大臣の方から説明をさせます。

○副大臣(浅野勝人君) タリバンの詳細な勢力規模は不明でございまして、その勢力の拡大について明確なことを申し上げる情報とデータを持ち合わせておりませんが、例えば、タリバンの司令官の一人は、今年五月、アフガン南部の四県で一万二千人の兵力が指揮下にあると、自分一人の指揮下にあると述べています。

また一方、九月には、ジョーンズNATO最高司令官は、タリバンには常時三千人ないし四千人の中核戦闘員に加え、給料を得て戦う一時的な戦闘員、ウイークエンド戦闘員と言うんだそうですけれども、それがかなりの数存在していると。それらのことを総合してみますと、かなり情勢は厳しい環境の中にあると、浅尾先生御指摘のとおりであります。

○浅尾慶一郎君 今お話しいただきましたウイークエンド戦闘員というような言葉も出てまいりましたが、いろんな情報によりますと、アフガニスタンの南部は特に失業率が高いと。その失業率が高い中で、タリバーンは麻薬を資金源にしながらかなりアフガニスタンとしては破格の給与を、その麻薬売買で得た資金を回すことによって兵士を、ウイークエンドかフルタイムか分かりませんが、雇っているというようなことも報じられております。

そういうふうに考えると、何と申しますか、失業対策、まあ貧困対策と言ってもいいかもしれませんが、これが慢性的な形での治療策としては効くのかなと。もちろん急病期は、先ほど麻生大臣が言われた正規軍や警察軍で対応しなきゃいけないでしょうけれども、その根っこから断つとしたら貧困対策、失業対策ということなんだと思いますが、これはどのように進めていくか、その点について伺わせていただきたいと思います。

○国務大臣(麻生太郎君) 今言われましたように、これはいろいろ、国連が出しております資料とかいろいろあるんですが、これは確かにGDPの半分ぐらいが麻薬の売上げというような計算になりますんで、その数字が本当かどうか確証があるわけではありませんけど、通常そう言われております。

そして、この麻薬の生産に代わって、非常に土壌が極めて良くないところでありますんで、ここは日本ではいろいろソバ、どうというんでソバを植える。そうすると、あのソバの花は白いんですけど、あそこに植えるとその花がピンク色になるというようなもの、これ既に幾つかのNGOやら何やらでやらせておりますが、ソバの売上げと麻薬の売上げではもう全然これはもう、利幅という言葉が適切かどうか知りませんが、利幅がもうまるきり違いますんで、そういった意味では、このソバじゃなかなか食えぬというと、どうしても手っ取り早くケシの実の方に行くというのが実態としてあります。

したがいまして、ここのところは農業従事者が約全人口の七〇%から七五%と言われておりますから、どうしても農業で何とか飯が食えるようなことを考えてやらねばならぬというのが、基本的に政府としてはこの対策を考えていくときの一つのことであります、商売よりはいわゆる農業と、一次産業ということに偏っておりますんで。そういったことがないと、これ貧困対策をきちんとやらないと、やっぱり先行き希望がないというのはテロに一番走りやすいということに、そこでまたあおるのが一人いると、アジテートされるとそこまで行きやすいということになりますんで、そういったものを含めまして、食えるようにするためのいわゆる職業を訓練してやる、そういったようなものが大切で、傍ら学校に行ったりなんかしているのが随分増えておりますし、女性の地位も随分タリバーンの時代とは変わりましたし、そういった意味では、少しずつうまくいっているところ、そうでないところの差がかなり北と南では違うかなという感じが今率直な実感であります。

○浅尾慶一郎君 是非今おっしゃったように、食べていける、そして、まあ何というんですかね、失業じゃなくてフルタイムで食べていけるような、そういう体制を国際協調の中でつくっていただければと思いますが。

一方で、先ほど申し上げました犯罪に絡むところにおいては、正規軍、警察ということですけれども、海上阻止でこの麻薬の摘発というのもあり得るんだと思いますが、米国等のその海上阻止活動はそういう観点でいうとどの程度効果があるというふうに思われますか。

○国務大臣(麻生太郎君) これはいわゆるアメリカとかアフガン、アメリカ軍とかアフガン軍とかパキスタン軍といろいろ連携を、アメリカ軍は連携をしつつ、いわゆる大規模な掃討作戦というのを確かにやっております、もうよくテレビなんかに出てくるあれですけれども。そういったように努めておるんですが、海上交通というものは、あれ、実際アフガニスタン自体に海があるわけではございません。その南のパキスタン抜けて海に出てくるんですが、これまでの五年何か月間に及びますこのアルカイダ及びその関連組織のいわゆる海上交通、海上交通によってイエメンに抜けたりいろいろしてきますんで、そういったものを断固阻止するという意味で海上封鎖というのは非常に大きな効果が上げたんだと思っておりますが、いずれにいたしましても、テロの脅威の減少には間違いなく貢献していると考えております。

昨年の十月でしたか、当時のアブドラという外務大臣がいたんですが、町村前大臣に送られた書簡の中で、海上阻止行動への海自の積極的な参加が最も重要と、これには物すごく感謝の文章を送っておられますんで、私も拝読いたしましたけれども。

また、今年の七月、カルザイ大統領が日本に来日をしておられますが、このときも最初にこの話から入ってこられまして、たまたまそのとき北朝鮮のミサイルの話とちょうど同じ時期だったんですが、とにかくこれが最も言いたいことだと言って感謝の念を述べておられましたんで、そういった意味では、現地の有力紙、アウトルックという本もありますけれども、この海上自衛隊の行動、活動に関してなかなか、先ほど久間長官も言われましたように、海の上でなかなか見えないところ、本当にこれのおかげで助かっておるという話をされて、最も頼りになるパートナーは日本であると社説全体を費やして書いた文章もございますんで、私も定量的にどれだけというのはなかなか海上の分だけ言えないところではありますが、かなりな効果が上がっていると、これらの総合的判断で言えると存じます。

○浅尾慶一郎君 それでは、法律案について伺わしていただきたいと思いますが、この法律の第十二条の解釈ということを官房長官に伺いたいと思いますが、第十二条で言うところの武器というものはどのようなものでしょうか。

○国務大臣(塩崎恭久君) テロ特措法の十二条、今御指摘ありましたが、これに言う武器とは、火器、火薬類、刀剣類その他直接人を殺傷し、又は武力闘争の手段として物を破壊することを目的とする機械、器具、装置をいうということであります。

具体的にどういうものが同条、十二条による武器に含まれるかについては法文上明記はされておりませんけれども、使用できる武器の種類というのは、その事態に応じ、合理的に必要とされる範囲のものに限られているというふうにされておるところでございます。

○浅尾慶一郎君 今おっしゃった合理的に使用できるものに限られているということなんですが、仮に合理的に使用しないと困るような事態があった場合には、護衛艦が積んでいる、護衛艦に積んでありますいわゆる大砲、ミサイルあるいは、まあ戦闘機が行くということはないと思いますが、仮に戦闘機が行っていた場合は戦闘機も含まれるのかということも伺いたいと思います。

○国務大臣(塩崎恭久君) 今御指摘のこの護衛艦とか戦闘機という例示でございますけれども、恐らく法理論上は排除されないということだろうと思いますけれども、このテロ特措法に基づく活動を想定しているこの活動については、一般的に今御指摘のようなものは想定されてないということだと思います。

○浅尾慶一郎君 一昨日の当委員会の質疑で、久間防衛庁長官は、これは周辺事態の場合ですが、日本周辺で護衛艦と米軍が一緒に行動していて米軍が攻撃された場合には、護衛艦がそれはその場で、これは個人の見解だけれども、対応しなきゃいけない場面も出てくるだろうというような発言をされました。私の質問は、これは日本の自衛艦だけの話かもしれませんが、日本の自衛艦、給油艦が仮に何らかの、敵という表現がいいかどうかは別として、何らかの艦船から攻撃された場合に、警備中の護衛艦が大砲、ミサイルで反撃ができるかどうか、この点について伺いたいと思います。

○国務大臣(久間章生君) ここで言う武器の使用と同じような規定がほかにもございますけれども、そういうような武器の使用というよりも、自衛艦が攻撃された場合は武器等防護の規定で、そちらで対応するのが妥当じゃないかと。武器の使用の場合は、この十二条の場合は、あくまで個人を中心とした、それを守るという概念から導かれてくる法理論でございますんで、やっぱり船そのものが攻撃されているときはこの十二条で対応するのはちょっと無理なんじゃないかと思いまして、武器等防護の規定で対応できるというふうな答弁をしたのであります。

○浅尾慶一郎君 官房長官も今の防衛庁長官の御答弁と一緒ですか。つまり、十二条ではなくて、仮にインド洋で給油中の給油艦が攻撃された場合には、武器等防護でもって一緒にいる護衛艦が反撃することも可能だという理解でございますか。

○国務大臣(塩崎恭久君) 今、防衛庁長官から、武器等の防護ということで九十五条を指しているんだろうと思いますが、この御指摘がございました。

このテロ特措法十二条にしても、それから九十五条にしても、いずれにしても相当の理由があって、なおかつ合理的に必要と判断される範囲内での武器使用が許されるということでありますから、基本的には防衛庁長官のおっしゃったことは私も同じ考えでございます。

○浅尾慶一郎君 そうすると、例えば武器等防御でやるといった場合に、合理的に必要と判断される場合には防御をするためには相手を沈めないと防御し切れないという場合もあるでしょうから、敵の艦船を撃沈することもできると判断してよろしいでしょうか。

○国務大臣(久間章生君) 理論的にはそれはあり得ると思います。ただ、要するに合理的な範囲で最小限の武器の使用になるわけでありますから、撃沈させなくてもそれを阻止することができる状態でそこまでやるかどうかというのは、これは憲法上のどうだという問題と違って法が予定した範囲を超えるんじゃないかという、そういう指摘は当たるんだと思います。

○浅尾慶一郎君 確認させていただきますが、憲法上の問題はない、後ほど法制局にも伺いますけれども、憲法上の問題はないけれども法が予定していることを超える可能性があるということですね。

○国務大臣(久間章生君) その事態に応じ合理的に必要とされる限度でというのは、この十二条にも書いておりますけれども、この考え方は武器等防護を適用する場合も同じでございまして、やはりその限度を超えて武器を使うということについてはそれはやってはならないという、そういう原則が働いておりますから、撃沈までしなくても対応できるのに撃沈をするというようなことに最初から意図してやるっていうのは、それは法の予定した範囲を超えておるということを言っているわけであります。

○浅尾慶一郎君 確認いたしますと、結果として撃沈してしまうことは致し方がないということでございますね。

○国務大臣(久間章生君) それはあると思います。

○浅尾慶一郎君 それでは、法制局に伺います。  憲法九条が禁じております武力行使とこの法律十二条、あるいは今の武器等防御の場合も含めて、による武器使用というのはどういうふうに違うというふうにお答えになるのかなと。要するに必要性と合理性ということなんだと思いますが、必要性と合理性というものをどう定義されるかも含めてお答えいただきたいと思います。

○政府特別補佐人(宮崎礼壹君) お尋ねにつきましては、かねてから政府が累次答弁しているところでございますけれども、憲法第九条第一項によって禁じられております武力の行使、これは基本的には我が国の物的、人的組織体による国際的な武力紛争の一環としての戦闘行為をいうのだというふうに説明してきております。

しかしながら、我が国の公務員によります武器の使用がすべてこの九条によって禁じられている武力の行使に当たるのかというと、そういうわけでもないという説明をずっとしてきており、また、その考え方で累次の立法も積み重ねてきているわけですが、そこを御説明いたしますと、御指摘のテロ特措法第十二条が例えば規定いたします武器の使用のように、自己又は自己とともに現場に所在する我が国要員等の生命、身体を防護するということは、言わば自己保存のための自然権的権利とも言うべきものというふうに考えられておりまして、そのために必要な最小限度の武器の使用はその相手方のいかんを問わず武器の使用には当たらないというふうに解してきたところでございます。

そこの自己保存のための自然権的権利と言うべきものという性格を持っているかどうかと。そういうものに当たれば、それは武力の行使という範疇に入らないというふうに考えてきておるところでございます。

○浅尾慶一郎君 ちょっと質問を別の観点からさせていただきますと、必要性と合理性がある場合ということが一応の定義になるんだと思いますが、仮に、じゃ必要性と合理性がない武器使用があった場合は、これは憲法に言う武力行使と考えていいかどうか、これを伺いたいと思います。

○政府特別補佐人(宮崎礼壹君) 先ほど申し上げましたとおり、言わば自己保存のための自然権的権利と言うべきテロ特措法第十二条等が規定いたします武器の使用、あるいは自衛隊法九十五条に規定します武器の使用につきましては武力の行使に当たらないというふうに解してきておりまして、このような意味で御指摘の必要性や合理性があるものというふうに考えておりますが、他方、言葉の使い方の問題でもございますけれども、そのような性質のものを離れまして、例えば国の政策を遂行する上で必要があるとか合理的であるとかというふうな判断をして、そのいかんによって結論が決まるというふうなものではないというふうに考えております。

○浅尾慶一郎君 ちょっともう少し簡潔にお答えいただきたいんですが、私はそのお答えいただいたことの反対側を聞いているわけでありまして、いわゆる自然権的権利に当たらない場合の武器使用の場合はこれは武力行使に当たるかどうかという質問なんですが、当然答えはそうだということになるんだと思いますが。

○政府特別補佐人(宮崎礼壹君) これは累次国際的な必要性等に当たりまして考えてきたその結果、自己保存のための自然権的権利と言うべきものというふうなものとして類型化できるものについて、これは武力の行使というふうに考えなくてもよろしいであろうというふうに考えて法案を提出し、国会の御決定を得ているわけでございます。したがいまして、それ以外のものは全くないのかどうかといいますと、そこはそう頭から断言してはおりませんけれども、なかなかそういったものについて今すぐ、その想定ができるとかというか、こういうものならいいというふうなことを申し上げるのは難しいということでございます。

○浅尾慶一郎君 ちょっと私の質問の趣旨が分かっておられるかどうか分かりませんが、要は、この法十二条や九十五条は武力の行使に当たらないと、それはなぜならば、今言われた自然権的権利とかあるいは必要性、合理性に基づいて最小範囲だということで当たらないということですから、単純に考えれば、必要性と合理性がない武器使用が仮にあった場合はこれは憲法違反になるというふうに考えるのが筋ではないかと思うんですが、その点についていかがですか。

○政府特別補佐人(宮崎礼壹君) 先生は必要性と合理性というのを前提なしでおっしゃっておられますものですから、なかなかそのぴったりしたお答えはできないわけですが、やや繰り返しになりますけれども、これまでこういうものは武力の行使という範疇から外して類型的に考えてよいというふうに考えてきたものが累次できてきているわけでございます。そういうものはもうないのかという御質問であれば、そこは今すぐそんなものがあるというふうに、これなら大丈夫というものを想定、頭の中でできておりませんけれども、そうかといって、それとある意味で並ぶような必要性と理屈が付けばそれは将来そういうものが考えられないわけではないんだろうと。ただ、そこはなかなか想定が難しいかな、難しいだろうなというふうにこれまでも言っております。

○浅尾慶一郎君 もし私の質問が分かりにくいんであれば、例えば特別措置法、今議論しておりますテロ特別措置法の十二条で言うところのこれは必要性、合理的に必要と判断される限度ということですから、合理的に必要と判断される限度を超えた場合はこれは憲法に反するというふうに考えていいというふうに言えますよね、この事態に限って言えば。

○政府特別補佐人(宮崎礼壹君) お尋ねのように、そういう場面設定をして、それを超えたものがどうかということであれば憲法に反する疑いが、疑いといいますか、そういう問題が生ずるということは言わざるを得ないと思います。

○浅尾慶一郎君 それでは、その合理的に必要と判断するのは、多分護衛艦の場合は艦長がするんだと思います。十二条の書きぶりは、これは「上官」と書いてあって、「現場に上官が在るとき」と、「上官」と書いてあるので、上官というのは最終的には艦長がいれば艦長ということなんですが、その艦長に対して判断基準というのは示しておりますか。今、法制局長官が言われたように、判断基準がない中で、単に合理的に必要と判断される限度といって、それを超えたら憲法違反だと言われても、その基準がなければなかなか艦長としても困るだろうなと思いますので、そういう基準は示されておりますか。

○委員長(柏村武昭君) どなたがお答えになりますか。

○浅尾慶一郎君 これは防衛庁長官です。

○委員長(柏村武昭君) 久間防衛庁長官。

○国務大臣(久間章生君) それにつきましては内部規定を設けております。

○浅尾慶一郎君 その規定そのものは委員会に、別にそれは機密ではないと思いますが、公開、資料を出していただくことは可能ですか。

○国務大臣(久間章生君) これはやっぱり、どういう場合に撃つか撃たないか、ここまでだったら相手は撃てないことになっているということを相手に教えることになるわけですから、それはやっぱりちょっと微妙な問題がございますので、ちょっと差し控えさせていただきたいと思います。

○浅尾慶一郎君 そういう基準を作っておられるということは護衛艦の艦長にとっては大変有意義なことだと思いますが、仮にその規定に反して憲法に反した場合の措置というのは、官房長官、何か考えておられますか。

○国務大臣(久間章生君) 先ほどから申していますように、武力の行使は憲法上禁止されておるわけですけれども、その武力の行使にならない武器の使用というのはあるわけでございまして、その武器の使用をしたときに、これが合理的な範囲を超えていることによって憲法上禁止する武力の行使に該当するかどうかについては、これはまた違うわけでありますから、憲法上の違反じゃなくて、法律に規定されている範囲を超えて違反なことをやったということでの処分の問題は出てくると思います。

○浅尾慶一郎君 それでは、このテロ特措法に関しては以上とさせていただきまして、少し先般の北朝鮮に係る国連制裁決議について伺っていきたいと思いますが、この一七一八号の和文はまだ官報に掲載されていないんですけれども、いつごろ掲載されますか。

○副大臣(浅野勝人君) 安保理の決議は様々な分野でいろんな形で引用をされまして、各種の国内措置がとられてまいります。したがって、広い分野に具体的な影響が及び得ることも踏まえて決議の和文の訳語を確定していくわけでありますけれども、例えば同じ用語、語彙でも、過去の決議案との整合性その他を一つ一つ精査をしてまいりますのでかなり手間取っておりますが、一七一八については一両日中に、遅まきながら一両日中に精査を終えまして官報掲載の手続に入ります。

○浅尾慶一郎君 十月十四日、現地時間ですけれども、に採択をされた決議で、五ページですから、五ページのものを訳すのに一両日中というと約二週間掛かるわけで、それはかなり時間が掛かっているんじゃないかなと、率直に思います。

ちなみに、過去に安保理でそうした決議が採択されてから官報掲載までの日数はどれぐらい掛かっていますでしょうか。

○副大臣(浅野勝人君) 例えば、北朝鮮の弾道ミサイル発射に関する決議案、これは一六九五でございましたけれども、二十三作業日、作業日というのは土日祝日を除いて二十三日、作業日、テロ行為への資金供与防止に関する決議案一三七三は十四作業日、大量破壊兵器の不拡散に関する決議案一五四〇号は三十日作業日、コートジボワール制裁に関する決議案一五七二については二十五作業日でございまして、浅尾議員指摘のように、二週間、二十日というのが、例えば先ほど申し上げましたような精査をして、その後官報掲載のための印刷を含む技術的な様々な手続を入れるとそのぐらいは掛かるのかなとは思いますけれども、二十五日とか三十日というのは、これはいささか私も掛かり過ぎるのかなと、どうかなという感じがいたしまして、できるだけ早く今後督励をしてまいります。

○浅尾慶一郎君 先ほども申し上げましたけれども、この一七一八というのは五ページなんですね。五ページのものを、しかもこれは法的拘束力が決議ですからあるわけですから、それをそんなに時間を掛けて、まあ確かに過去の言葉と違ってはいけないとかといろいろあるかもしれませんが、もう少し機動的に訳せるような体制をつくった方がいいのではないかというふうに思いますが、その点について、外務大臣、どういうふうにお考えですか。

○副大臣(浅野勝人君) 御指摘の点、私も同感の部分がございまして、督励をいたします。

○浅尾慶一郎君 この決議を読みますと、実は三十日以内にこの決議に従ってどういう手続を取ったかということを安保理に報告をしなきゃいかぬと。三十日以内に報告しなきゃいけないんだけど、日本語が二週間ちょっと掛かって、それからそれを見てということになると相当、まあ全部政府の中でやるから英文の仮訳があるからいいんだということなのかもしれませんが、少しいささか問題があるのではないかなというふうに思います。

で、その今の報告と絡めて、この決議は貨物検査というものを求めておりまして、インスペクション・オブ・カーゴと書いてあるかな、何か書いてあるんですが、その領海と接続水域での貨物検査はどのように実施するんでしょうか。国土交通政務官お越しですから、お答えいただけますか。

○大臣政務官(梶山弘志君) 国連安保理決議一七一八号への対応につきましては、現在、政府として米国等の関係国と密接に連携をし、あらゆる観点から今後いかなる措置が必要かを具体的に検討しているところであり、その上で政府として適切な措置を講じることとなると承知しております。

○浅尾慶一郎君 官房長官に伺いますが、今指摘をさせていただきましたように、十月の十四日から三十日後にはどういう手続を取ったかということを安保理に対して報告するというのが決議の中に規定されております。しかし、今その検討中ということになると、なかなかその検討中という報告を三十日後にするのか、こういう手続を取りましたよという報告をするのか、大分国際社会に与える影響も違ってくるんじゃないかなと。日本として、特に日本近隣の事態ですから、三十日以内に日本はこういうことをしましたと言えるようにした方がいいんじゃないかなと思いますが、今検討中というのは少なくとも十月十四日から起算して三十日以前に検討結果、こういう手続を取りましたというところまで行くのかどうか、その点を伺いたいと思います。

○国務大臣(塩崎恭久君) 三十日以内に報告をするというのは、この船舶検査、インスペクション・オブ・カーゴだけではなくて、全体について何をしてきたのかということを報告するようになっているというふうに理解をしております。したがって、その時点で我が国がとった措置について、つぶさに国連安保理に報告をするということになるのかというふうに思います。

○浅尾慶一郎君 つまりは、この一七一八で規定されていることで三十日以内にまだ我が国として対応が決まっていないものもあるし決まっているものもあるという、例えば戦車の輸出なんというのは元々しないわけですから、そういうものはしませんということは報告できるんでしょうけれども、恐らく船舶検査については、そうすると三十日の中でどういう対応をしたかというのは決まらない可能性もあるということで今の御答弁を聞いておけばよろしいですか、伺いたい。

○国務大臣(塩崎恭久君) 今申し上げたように、三十日の時点でやってきたことを報告をするということに尽きると思います。

○浅尾慶一郎君 先ほども申し上げましたけれども、この一七一八の決議は、日本の大島大使が議長をしておりまして、割と中核的に取りまとめたということを少なくともマスコミでは報道がされております。自分の国が中核的にまとめたことについて、そこの決議の中で規定されていることについて、少なくとも、何というんですかね、こういうところまでやりましたと、決議でうたわれていることについて、まだ決まっていないことについてはこういう方向で考えているぐらいの報告はした方が、日本として諸外国に対する、何というんですかね、影響を考えるといいんではないかなと思いますが、その点についていかが思われますか。

○国務大臣(塩崎恭久君) 大島大使に恥をかかせないような報告をしたいと思います。

○浅尾慶一郎君 分かりました。  それでは、ちょっと時間の関係で幾つか質問を飛ばさせていただきたいと思いますが、これはちょっと法制局に事前に質問通告をさせていただいておりますが、国連憲章の七章四十二条ですね、七章、今回四十一条ですが、仮に事態が推移して七章四十二条も敷衍するような新たな制裁決議が出た場合、今回のケースに限らずですけれども、その武力制裁決議に加わることは我が国の憲法に反するというふうに考えてよいかどうか、伺いたいと思います。

○政府特別補佐人(宮崎礼壹君) お尋ねは、このまま事態が推移してということでございますので、いまだできておりません国連軍のことではなくて、例えばいわゆる湾岸多国籍軍のような、そういったタイプの多国籍軍の活動というものを国連決議がした場合というふうに伺ってお答えを申し上げます。

要するに、憲法九条が禁じておりますのは、我が国が武力攻撃を受けていないのに武力行使をするということでございますので、我が国が加わることはいかがかというお尋ねにつきましては、端的に申し上げれば、武力行使に当たりますようなこと、これは憲法に触れると思いますが、その余のいろいろな支援活動というものは様々工夫し参加する可能性、参加というか、行うことができる余地があると、かように思います。

○浅尾慶一郎君 分かりました。

時間の関係で最後の質問にさせていただきたいと思いますけれども、今議論されておりますその国連の安保理決議の中で、船舶検査というのが様々言われておりますが、仮に今の法律の中でやるとすると、周辺事態法に基づく船舶検査活動しかないのかなと、周辺事態と認定して船舶検査をするということだと思いますが、そこには強制力がその法律の中ではないということですが、これ船舶検査、新たな法律を制定した場合に、船舶検査等に自衛官がいいのか。海上保安庁、まあ海上保安庁の場合は元々強制力があるというふうに考えた場合に、自衛隊員に強制力を付与する場合、検査に対する強制力を自衛官に付与するような形で法律を制定した場合、これは憲法違反になるかどうか、その点をまず法制局に伺いたいと思います。

○政府特別補佐人(宮崎礼壹君) 国際平和協力のためのいわゆる一般法の議論にもこの問題が関連すると思いますが、安倍内閣総理大臣は、十月二十三日の参議院本会議におきまして、我が国が国際平和協力として行うことが適当な業務の範囲、それから、これに必要な各種権限の在り方等について、現時点で政府の考え方を具体的にお示しする段階にはないのだけれども、政府としては、世界において責任ある役割を果たす国になるという観点から、国民的議論を十分に踏まえた上で幅広い検討を進めてまいりたいというふうに述べられているところでございます。

そこで、このような検討の中で仮にお尋ねのような構想が問題となります場合には、またこれは一般法ということでなくて、お尋ねのような場面でもそうだろうと思いますけれども、そのような場合におきましては、船舶検査活動について、御指摘の強制力の付与によりまして憲法九条が禁止する武力の行使に当たるおそれがないかどうか、それはいわゆる旗国との関係の問題もございますし、また制裁対象国と言われる国との関係もございます。そのようなものにつきまして慎重な検討を行うこととなる、かように思います。

○浅尾慶一郎君 ということは、今のお答えでいうと、その強制力を付与した場合でも憲法に違反しないと判断される場合もあり得るということでよろしいですか。

○政府特別補佐人(宮崎礼壹君) 強制力という御表現の中でどのようなものが考えられているかということに正によるわけでございますので、ちょっと一概にはお答えがしにくいところでございます。

○浅尾慶一郎君 じゃ、分かりやすく申し上げますと、先ほど申し上げた周辺事態法の場合は船長の了解というのも必要でしょうし、旗国の了解も必要でしょうけれども、それがなくても検査ができるというような法律を作った場合に、これが憲法九条に反するのか反しないのかということをちょっと伺っておるところであります。

○政府特別補佐人(宮崎礼壹君) 現在の船舶検査法におきましては、仰せのとおり、いろいろな要件が掛かっております上に、使えます船舶検査の活動の言わばメニューというものが厳格に制限されております。

したがいまして、今の御指摘は、その船長の同意というふうなものを外した場合にどうかというようなことでありますなれば、それは今一概にこうだということを申し上げられませんけれども、憲法の範囲内でなお現在の船舶検査活動の要件を外す余地というものは全くないというふうには考えておりません。

○浅尾慶一郎君 終わります。

2006年10月12日 (木)

参議院 予算委員会 2号 平成18年10月12日

165-参-予算委員会-2号 平成18年10月12日

○浅尾慶一郎君 民主党・新緑風会の浅尾慶一郎です。

安倍総理、総理御就任おめでとうございます。総理は、美しい国をつくるということだと思いますが、美しい国の基本はやはり公正な国でなければいけないというふうに思っています。公正な国ということは、事実と違ったらそれに対して毅然として指摘をしていくということもあると思いますが、昨日、この予算委員会が、一時期、森議員の質問で騒然といたしました。その週刊誌の記事について、森さんは事実かどうか確認しただけでありますが、総理としてはそれを名誉毀損で訴えるつもりがあるかどうか、まず冒頭お聞きさしていただきたいと思います。

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 私は、昨日、御本人がよく確認をしていないということで質問をされたので、それはよく確認をしてから質問をしていただきたいというふうに申し上げたわけであります。

週刊誌の記事について言えば、私についての誹謗中傷を含む週刊誌の記事はもうあまたあるわけでありまして、私は今、日本のためにすべてを、私の時間を割いていきたいと思っておりますから、一々そういう週刊誌を読むつもりはございません。

(発言する者あり)

○浅尾慶一郎君 何かいろいろとやじも出ておりますが、週刊誌の記事をということではなくて、週刊誌に書いてあることが問題であれば、それは法的措置をとっていくべきだというふうに思いますが、そういう考えに立たないという、確認ですよ。

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今まで歴代の総理の中で、そうした週刊誌を一々取り上げて訴訟をしたという総理は私はいないのではないかと、このように思います。

○浅尾慶一郎君 それでは北朝鮮の核実験の問題に入らしていただきたいと思いますが、国連の安保理制裁が出たとして、いろんな制裁の可能性があると思いますが、まず一つ、我が国の領海の中でこれ船舶の臨検を行う場合、主体はどこになりますか。

○内閣総理大臣(安倍晋三君) この北朝鮮の核実験に対する対応、言わば国連の場における決議にのっとる対応についてでありますが、ただいま正に国連において協議がなされているところでございますので、この船舶検査について予断を持ってお答えをさしていただくことは差し控えさしていただきたいとは思いますが、まあしかし一般論として申し上げれば、現行国内法上、海上保安庁は、国内法違反の防止等の観点から国際法上認められる範囲において外国船舶を含め船舶への立入検査を行うことができるほか、海上保安庁のみで対処困難な場合には、海上警備行動により自衛隊が対処することがあり得ると。ただし、このようなケースにおいて船舶検査の実施が海上警備行動の要件を満たすか否かについては慎重な検討が必要であるということは、もう委員御承知のとおりだと思います。

○浅尾慶一郎君 今御答弁いただいたのは日本の領海の中あるいは領海と接続するところということだと思いますが、それより広く、十二海里プラスアルファのところよりも広く二百海里という、EEZというのもありますが、そこについてはどういう見解になりますか。

○国務大臣(冬柴鐵三君) ただいま総理からお話があったとおりでございますけれども、領海内、すなわち十二海里内と、それから接続海域、それに加えて十二海里、そして二百海里のEEZ、それから公海、このように四つの段階に分かれると思います。

一番外からいきますと、公海では、海賊とか人身売買、そういうような特殊な犯罪について認められております。これは海上保安の話でございます。それから、EEZにつきましては、漁業関係、そういうものについて、あるいは環境、そういうものについては検査が認められております。それから、接続海域でございますけれども、十二海里プラス十二海里、その部分につきましては、この領海にいろいろなものを持ち込まれないように、そういう目的の下に、特殊な犯罪でございますけれども、立入検査ができるということでございます。もちろん、領海については今総理がおっしゃったとおりでございます。

ただ、臨検という言葉を使われますと、我々は臨検はいたしません。

○浅尾慶一郎君 私がこの質問をさせていただいておりますのは、国連の安保理制裁決議、我が国の政府としても求めているというのは報道されているとおりだと思いますが、当然のことだと思いますが、そのときにいろんな制裁の形態があろうかと思います。一番重要なのは、北が開発した核兵器がその他の国に持っていかれないようにしていくということが重要なことであろうというふうに思います。

そうだとすると、北朝鮮から出てくる船、これを日本の領海まで待っていても日本の領海は通らないわけでありまして、今御答弁いただきました日本の領海プラス十二海里だけやっていますよと、しかも臨検というのは海上保安庁としてはやらないということになりますと、日本としては何も実はやらないということになるのではないかなということでこの質問をさせていただきましたが、その点について、後ほどちょっと法律論もさせていただきますが、今どういうふうに総理考えておられるか、伺えればと思います。

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今、正にこの国連の安保理の場におきまして、厳しい措置を含む、また拘束力のある決議を何とかこれ満場一致で出すべく努力をしているところでございますので、個別具体的なことを前提にした答弁は差し控えさせていただきたいと思いますが、いずれにいたしましても、決議が決まれば我が国の法令の範囲内で適切に対処してまいります。

○浅尾慶一郎君 法令の範囲内でということがありましたので、調べましたところ、日本の法令の中で言いますと、唯一公海上でそうした船舶の臨検ができるのは周辺事態に際して実施する船舶検査活動に関する法律と、ここにははっきりと船舶検査活動とは国際連合安全保障理事会の決議に基づいてと書いてあります。したがって、この適用をした場合には公海上でも自衛艦が、自衛隊の艦隊が臨検をすることができるということになりますが、そういう認識でよろしい、まあ適用した場合にそういう認識でいいかどうか伺います。

○国務大臣(久間章生君) その法律が適用される場合はそのとおりでございます。

○浅尾慶一郎君 そうすると、この法律には国連安保理決議ということが書いてあるわけでありますが、適用される要件はもう一つありまして、周辺事態だという認定がされた場合でありますが、今回の事態は、この周辺事態の定義は、まず定義を読んでいただけますか。

○国務大臣(久間章生君) そのまま放置しますと我が国の平和と安全に重要な影響を与える場合でございます。それを周辺事態として定義しております。

○浅尾慶一郎君 今、正に御答弁いただきましたが、今回の北朝鮮の核開発はそういう事態に、そのまま放置すれば我が国の平和と安全に影響を与える、重要な影響を与える事態ですか。

○国務大臣(久間章生君) 現在の状態のままで周辺事態かと言われますと、それはそのままでは周辺事態にならないと思います。しかしながら、国連がこれから先決議を、どのような決議になるか分かりませんけれども、国連が決議をして、その後の対応いかんによっては周辺事態が発生することはあり得ますので、どういう状態になるかはやはり推移を見てみないと分からない点もございますので断定的には申し上げられませんが、昨日の舛添先生の質問に答えましたように、現在の段階で周辺事態という認定がしやすいかといいますとそれはなかなか難しいんではないかという、そういうふうなトーンで昨日もお答えしたとおりでございます。

○浅尾慶一郎君 現在の段階では周辺事態ではないというのは、そのまま放置すれば我が国に対する直接の武力攻撃に至るおそれがあるというふうに認定しないからということですか。

○国務大臣(久間章生君) 例えば、北朝鮮の船が、あるいはよその国の船が北朝鮮から核物質を積んでよそに運び出そうとしている状態があったとして、そういう状態の中で、我が国が国連決議があったからといって周辺事態でそれを直ちに臨検できるかと言われますと、そこは難しいんじゃないかと。しかしながら、国際的な取組の中でどういうような対応をしていくか、その推移によってはそういう事態にならないとは言えませんので、その辺で非常に慎重なお答えをしているところでございます。

○浅尾慶一郎君 昨日も舛添委員とその議論をされておりましたが、私は、国連安保理決議を求めるという声を出される、一方で、しかし日本として、法律は解釈ですけれども、この法律を解釈すれば臨検できるにもかかわらずしないというのは、一つ間違ったメッセージを送る可能性もあるんではないかなと思って今質問をさせていただいておりますが、総理、どういうお考えでしょうか。

○内閣総理大臣(安倍晋三君) ただいま防衛庁長官は、それはこの我が国の安全について、安全保障について責任ある立場からこの周辺事態安全確保法について、そのまま放置すれば我が国に対する直接の武力行使に至るおそれのあるということを厳密に解釈をしながら、今、瞬間の状況についての認識を述べられたわけでございます。  しかし、こうした事態というのは瞬時瞬時にこれ動いておりますから、我々はもちろんあらゆる状況を想定しながら、常にあらゆる状況の中で我が国がどう対応できるかは検討しなければいけないと考えております。

○浅尾慶一郎君 事態が動いているというのはちょっと、現段階でのその国連の議論は北朝鮮が行ったと発表した核実験に対して議論をしているわけであって、新たな事態が加わって議論をしているわけではないわけですから、この議論に基づいた場合にその対応ができないという御答弁なのかどうか、その確認をさせていただきたいと思います。

○国務大臣(久間章生君) 現在の状態で直ちにそういう周辺事態が発生しているかというと、そうでないわけでございます。しかしながら、これから先国連が決議をして、その国連の決議に従って各国が動き出したときに、それに対してまたどういうような事態が推移するか分からない。そのときに我が国がその周辺事態として認定するような状況も出てくるんじゃないかと、そういう可能性もございますので、これから先の推移を見ないと、周辺事態には当たりませんと言い切ってしまうのにはちょっと問題があるんじゃないかと言っているわけであります。

○浅尾慶一郎君 私の質問の趣旨は、一方で安保理決議を要求し、一方で我が国はそれは参加しないというのは、国際社会に対してはなかなか通用しないんではないですかと。しかも、そのことがもし法律の観点で分かっているとすれば、新たな別な法律を用意するのが責任ある立場ではないですかという質問の趣旨ですが、そのことに対してどういうふうにお答えされますか。

○内閣総理大臣(安倍晋三君) この安保理による決議は、これはもちろん日本がどこまで責任を持ってそうした決議に参加できるかどうかということもありますが、国際社会全体として北朝鮮に対して核の放棄を迫る、あるいは核また大量破壊兵器の製造拡散はさせないという体制をこうして築いていくという決議を我々としては作っていきたいと考えているのでございます。  ですから、その中で、例えば、これは我が国の法令に照らしてできないからそこは落とす、あるいはそれが入っているから我が国は賛成しないということとは、これはまた別の問題であろうと、このように思います。それぞれの国がそれぞれの力を持っているわけでございますが、そうしたことを総合的に活用しながら、この北朝鮮の正に暴挙と言える試みを、これをやめさせるということが重要ではないかと思います。

○浅尾慶一郎君 実は、その周辺事態法でなくても、海洋法に関する国際連合条約をいろいろと援用していくとできないことではないと思いますが、まず海洋法に関する国際連合条約に基づいて、自衛艦は軍艦に当たりますか。

○国務大臣(久間章生君) 国際法上は軍艦として認められております。  ただ、今委員がおっしゃられましたけれども、国連海洋法条約では臨検ができる場合は非常に限定されておりまして、経済制裁についてはその対象になっておりませんので、念のために。

○浅尾慶一郎君 条約上はそうなっていますが、国内法の法の整備はされていますか。

○国務大臣(久間章生君) 自衛隊がどこまでできるか、また自衛隊にどこまでやらせるかというのは、この国会内でいろんな議論がございまして、そして周辺事態に認定があった場合に初めて行うという、そういうことになっておりますし、一般法としては自衛隊法の八十二条で海上警備行動としての行動、この二つが自衛隊には与えられた今権能でございます。

○浅尾慶一郎君 私の質問は、昭和六十三年に参議院の内閣委員会で当時の板垣議員が、条約は整備されているけれども国内法が整備されていないんで整備すべきではないかということに対して、当時官房長官でありました小渕元内閣総理大臣が、そういう勉強をしておいてもいいんではないかと。つまり、六十三年から指摘されていることをずっと放置してきたんじゃないかという質問であります。

○国務大臣(久間章生君) その当時の議論は軍艦と船舶との話でございまして、この臨検といういわゆる経済制裁を伴うような、こういうような検査活動じゃなかったわけであります。

その後、当院でもそうですけれども、いわゆる船舶検査を周辺事態のときどうするかということで、周辺事態法は先に成立しましたけれども、船舶検査だけが後回しになりまして、そして民主党さんと自民党、公明党、一緒になって協議した結果、船舶検査を周辺事態法に伴うものについて議論がされて、そこで一応そういう今みたいな現行法の整理がされたわけでございます。

だから、何もしなかったということではなくて、あの当時の六十三年の板垣さんの質問に対するあの官房長官の答弁というのは、船舶と軍艦とのその辺の整理の仕方についていろいろと各国でどうなっているのかという話でございます。

これにつきましては、正直言いまして私自身も昔から、航空機については例えば航空機に乗っている、戦闘機に乗っているパイロットはそのままパイロットの資格として民間機にも乗れますけれども、軍艦に乗って、軍艦といいますか自衛艦に乗っていた船長や航海士はそのままでは資格がないわけでございまして、これでいいのかという別途の問題意識は持っておりましたけれども、それはやはりいろんな関係がございまして、いまだに整理されてないというふうに思っております。

○浅尾慶一郎君 今回のように、北朝鮮が何か起こってから急に法整備するというのは、正に泥縄的な話だと思います。この話についても六十三年からずっと指摘をされている話をずっと怠っていて、起きたらこれでもって我々はやるんだといって世間に向かって宣伝するのは少しひどいんではないかなと。むしろ冷静に、冷静な何も起きてないときに議論すべき話だと思いますが、その点について、総理、いかが思いますか。

○国務大臣(久間章生君) これは今までも携わってまいりましたので、私からその経緯も言いますけれども、これは民主党さんだけではなくてほかの党の皆さん方との議論の中でも、要するに憲法九条との関係があって、いわゆる臨検の場合にどこまでやれるか、どこまで許すか、そういう議論が非常になされまして、非常に限定的にああいう法律になった経緯がございます。

だから、泥縄式と言われますけれども、我が国の場合は従来から非常に自衛隊の行動できる範囲というのを自衛隊法で限定的に解釈して決めてきておりましたので、その関係がございまして、今思えばどうかなというふうに御指摘があるということは有り難いことでございますけれども、かといって、じゃ武力行使まで伴うようなことができるかというと、それはできないわけでございますので、今度の場合も、仮に周辺事態に限定せずに国連決議であったならばできるというふうにやったとしても強制力を伴わないという、そういう縛りになってしまうんじゃないかと思うわけであります。そこのところをひとつ御理解賜りたいと思います。

○浅尾慶一郎君 私がいろいろ申し上げておりますのは、ただ追加的な措置を政府として発表しましたと。それは政府は追加的な措置を発表しただけかもしれませんが、世間が受ける印象は、何か強く出ていると。しかし一方で、法律をいろいろ調べていくとできないことが一杯あると、そこに矛盾があるんじゃないかと。しかも、何年も前から指摘されているにもかかわらずそれは放置しておいて、世間に対してそういう間違ったイメージを出しているんじゃないかということを指摘させていただいているので、その点について総理。

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 昨日発表いたしました追加的な措置については、これはもちろん我が国の法令にのっとってすべてできるわけであります。船舶をすべて止める、そして輸出を止める、そして入国を止めるということについては、これはすべてもちろん我が国の法令にのっとってできる。そして、なぜできるかといえば、こうした法律を既に用意していたからであります。

そのときにもこういう、浅尾委員は大変御尽力されたというのは私は承知をしておりますが、こういう法律を議論すること自体がおかしいではないかという議論もあったのも事実でありますが、しかし、やはりそれは実際に前もって作っておく必要があるということであったのではないか。ですから、今正に制裁をしようとして、それを制裁ができないという中にあって、その制裁のための法律を作るということではないわけでございます。

他方、ただいま久間長官が答弁されましたように、例えば周辺事態をめぐる議論においてもその中で、いかにではこの我々の自衛隊の任務を有効たらしめるか、あるいは制限を加えるかということについてぎりぎりとした議論を行ってきた結果、ああした法律になっているわけでございます。  そして、その中で、たとえ周辺事態安全、周安法が適用されるということになったとしても、強制力ということについてはそれは限界がある。しかしそれは、限界を設けようということであの法律は成立をしたのではないかと、このように思います。

しかし、今後いろいろなこうした国際社会で起こる事態に対してどう対応していくかということについては大きな私は課題があると、このように認識をしております。

○浅尾慶一郎君 この問題、そろそろ終えたいと思いますが、最後にもう一回だけ、周辺事態のところですね、これよく読みますと、「そのまま放置すれば我が国に対する直接の武力攻撃に至るおそれのある事態」の後に「等」という、官僚がよく使う「等」が付いているんです。この「等」の中に、についても今回の核実験は含まれないという解釈をされるかどうか。

○国務大臣(久間章生君) 核実験を行ったというだけでその「等」に含めろというのは少し無理な解釈かもしれませんが、法律を適用するに当たっては、いろんな意見を聞きながら幅広く適用できる余地を残しておきたいという気持ちはないわけじゃございませんが、かといって、拡大をしてウイングを広げるというのはなかなか今までの議論からいきますと難しいなという思いがいたしております。

○浅尾慶一郎君 では次に、総理の再チャレンジについて伺っていきたいと思いますが、まず、再チャレンジ、私も実はずっと政治家になってからだれにでも何度でもチャンスのある社会をつくりたいということを言っていまして、まあそれが宣伝されるのはいいことかなと思っていますが、まず総理が再チャレンジと言われるときに一番の障害は何ですか。

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 答弁する前に、先ほど私、制裁について輸出と申し上げたのは輸入でございます。全面的なストップは輸入でございます。

再チャレンジする上において、いろいろなこれは再チャレンジしようとする分野あるいは状況にもよるんでしょうけれども、まず、もうなかなか再チャレンジできないんではないかとあきらめてしまうような状況が一番大きな問題ではないかと、このように思います。

○浅尾慶一郎君 その具体論に入る前に、何でまず小泉政権のときにそれ取り上げられなかったんですか。

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 私は小泉総理の最後の一年間官房長官でございましたが、たしか委員会の場だったでしょうか、一月の、今年の一月の委員会の場で再チャレンジが必要であるということを申し上げました。そして、三月には官房長官として再チャレンジ推進会議を私が議長として立ち上げまして、五月に中間の答申を出しております。

○浅尾慶一郎君 もう少し別の観点から質問さしていただきたいと思いますが、制度として、例えば何か事業に挑戦して失敗してそこから立ち直るという制度の問題なのか、そもそも再チャレンジをしようと思わない心の問題なのか、私はどちらかというと心の問題の方が大きいと思います。

これは総理の発言ではありませんが、麻生外務大臣が自民党総裁選挙のときに、そもそも挑戦しようと思わない人に対して国の税金使うのはいささか過保護ではないかという発言をされていました。これも一つの考え方です。

で、総理は、まずその制度の問題なのか心の問題なのか、どちらの比重が大きいか伺いたいと思います。

○内閣総理大臣(安倍晋三君) どちらかと言われても、なかなかそれは私は難しいところだと思うんですが、まず私は、やはりそういう制度というか、また、制度もそうなんですが、社会的なこれは言わば慣例もあるんだろうと思います。また、日本の場合は人生が割と単線化している中にあって、もう最初からあきらめてしまうという気持ちがあると。

ですから、再チャレンジが可能な社会であるという実例をどんどんこれはつくっていくことによって、正に再チャレンジをしていこうという機運が私は生まれてくると思っています。

○浅尾慶一郎君 人生が単線というふうに言われましたけれども、大分最近は複線になってきておりまして、いろいろと会社辞めて次の会社に移る人も増えてます。むしろ、そもそも最初の一歩を踏み出せない人が割合からすると昔から比べて増えているんじゃないかと。私はそちらの方が課題だと思いますが、総理はそういう認識に立ちませんか。

○内閣総理大臣(安倍晋三君) これはそれぞれいろんな方々がいるんですが、例えば最初の一歩ということでいえば、就職氷河期にたまたま就職の、新卒として就職の時期を迎えた人たちがうまく就職ができなかった。しかし、その後なかなか就職をする機会そのものに恵まれていないという方々、正に一歩を踏み出せないという方々に対しては、例えば、障害になっている制度的な仕組みとしては新卒の採用という制度、新卒を採用していくという制度でございますが、中途採用に道を開くということによって、自分たちにもそういう道が開けたんだと、このような意識を持っていけば、それに備えて更にでは切磋琢磨していこうか、また、少し勉強しようかという気にも私はなってくるのではないかと思います。

そういう中におきまして、公務員においてもその道を開きました。あるいはまた、経団連を始めとして経済界にも中途採用をなるべくこれから広げていくようにお願いをしております。

○浅尾慶一郎君 ちょっと議論かみ合っていないかもしれません。

私の問題意識は、そもそもその中途採用に応募しようということも、努力をしても無駄だからと思ってしまっている人が割と増えています。そういう人たちに手を差し伸べなくてもいいというのも一つの考え方です。どちらの考え方に立たれるか、端的にお答えください。

○内閣総理大臣(安倍晋三君) いわゆるニートと言われている方々の中にはそういう人たちも多いんだろうと思います。そういう人はほっとけと言う人たちもいるでしょうし、事実、例えばそういうやる気がある人を待っているという、例えばジョブカフェにしろハローワークにしろ、そもそもやる気がない人は来ないという問題があります。

一方、ただ、その人たちをほっておいて果たしていいのかどうか。これはこの人たちの問題でもあるわけでありますが、大切な人的資源という観点からいってもこれは大変もったいないということにもなるんだろうと思います。社会の活力という面においてもそうでしょうし、また社会そのものが不安定化していくということにもつながっていくと思います。また、我が国の姿勢として、そういう人たちをほっておくという社会で私は本当にいいとは考えていません。そういう人たちに対しては、ある意味働き掛けていくことによって、手を差し伸べるというよりも働き掛けを行っていく。

ブレア政権においては、コネクションズという仕組みをつくって、そういう方々に対しては、そもそも出てこないので、こちらからいろいろなカウンセリングも含めて働き掛けを行っていく。しかし、ただ、そういう方々を社会に参加させるというのは大変難しいわけでありまして、このイギリスで成功したという例においても大体八%ぐらいしかこの成果は上がってはいませんが、しかし、それでも八%上がっているということは大きな成果という見方もできるかもしれない。私は、そういう働き掛けを行っていくことを考えていきたいと思います。

○浅尾慶一郎君 働き掛けは是非行っていただきたいと思うし、私はそうすべきだと思います。

これは政治の中で、水飲み場に馬を連れていくべきだという考え方と、それはほっておけという両論あると思いますが、私はそれは連れていくべきだというふうに思っている。後ほどその細かい話はしますが、ただ、それはすごく難しいと。なぜ難しいと思うかといいますと、そもそも努力をしても結果として現れないことに対するあきらめがその背景になっていると思いますが、そのことに対してどうやってその人たちにそういう気にさせるか。声を掛けたらそうなるんだというふうに今御答弁をとらえましたが、その声を掛けるに加えて何をされるつもりかを伺いたいと思います。

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 私は、いわゆるニートの方々についての専門家ではございませんが、しかし、それは個々それぞれいろんな問題を抱えているんだろうと思います。ですから、それは専門的な観点から、言わばカウンセリング的な対応というのが私は必要ではないかと思います。そもそも、しかし、頑張ったってたかが知れているということはよくある思考ではありますが、しかし、まず第一歩を出て達成感を一つ一つ得ていくということが私は重要ではないかと思います。

この再チャレンジの触れ合いトークを行った中において、自分もニートに近い立場にいたけれども、たまたまいい先生に巡り合った、あるいはたまたま自分がやったことが評価されたことによって人生が大きく変わったという人の話を伺ったこともあります。また、あるいは、これは言わばホームレスを経験した方なんですが、一般の、普通の生活に戻る上において何が障害だったかといえば、全く規則に縛られない生活に慣れてしまうとなかなか規則を守ることができないと。朝起きるあるいは三度食事をする、交通の法規に従う。しかし、それを一つ一つ積み重ねながらだんだん自分が社会の一員であるということを認識をし、そして自分が認識をしていることが認められることによってだんだん通常の生活に戻っていったという方の話も聞いたわけでありまして、そういう人たちが絶対に普通の生活に戻れないというわけではないということではないかと思います。

○浅尾慶一郎君 私が、ニートの人も含めて是非これは少子高齢化の中で労働力としてカウントできるようにしていきたいという話をさせていただきましたが、今日、大田さんにまず、生産高イコール労働力掛ける労働生産性という考えでいいかどうか、そのことをまず伺いたいと思います。

○国務大臣(大田弘子君) 労働生産性を計算しますときは生産高を労働投入量で割って算出いたします。したがいまして、そうやって出された労働生産性に逆に労働投入量を掛けますと生産高という関係が成り立ちます。

○浅尾慶一郎君 ちょっと分かりにくい話をさせていただいたのは、一人当たりの生産高というのが、人口が減っても、あるレベルであれば、仮に人口が減っても国民全体の経済レベルは維持できるだろうと。今申し上げましたように、お答えいただきましたように、生産高というのは労働力掛ける労働生産性と、結果としてそうなりますよと。今度、一人当たりで割ると、労働力を全人口で割ると労働参加率になると。ですから、この労働参加率を高めるためにニートと言われる人たちにも参加していただくことが必要なんじゃないかと。

そういう政策論で私はニートと言われる人たちにも是非再チャレンジと言われるなら参加していただきたいと思いますが、その点について、じゃ、先ほどいろいろおっしゃいましたけど、再度御決意を伺いたいと思います。

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 最初に申し上げましたように、ニートやフリーターと言われる方々に参加をしていただくことは眠っている人材を生かすことになるということも申し上げました。経済界の方々にお話をいたしましたときに、こういう、例えば非正規雇用者の方々を正規にしていくという道を開いていくあるいは社会保険の適用等々をしていくということは、これは一見企業側の負担になるようだけれども、しかし結果としては、更に人材が活用され、そして生産高も正に上がっていくということにつながっていくのではないかというお話をしたところでありまして、むしろ企業にとっても経済にとってもそれは日本の活力にもつながっていくと、このように私ども考えております。

○浅尾慶一郎君 今、大変大事な話をいただきました。経済界の方にもそういう人たちを採用してもらうように働き掛けると。

ただ、経済界の方の本音を伺うと、今日の新卒を採るのと三十歳のフリーターで働いてきた人どっち採るんだといろんな人に聞くと、今日の新卒採るという人が多いんです。それ、どうやって制度的に三十歳の方を採ってもらうようにしていくおつもりか、伺いたいと思います。

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 詳しくは厚生労働大臣からお答えをいたしますが、まずは隗より始めよということで、国の採用を、中途採用をスタートしたところでございます。

そしてまた、一般企業においては、この中途採用に道を開くというのは確かにその企業側のコストもあるのも事実でございますが、しかし協力しようという会社もあるわけでありますから、そしてそういう協力をしていただいた会社が採用した中途採用者が立派に活躍するということを是非世間的にも証明していただくことによって広げていきたいと、このように考えています。協力しようという会社も幾つか出てきておりますから、それを私ども世間に公表し、そして慫慂していきたいと思っています。また、つまり中途採用をされる方も、これはそれなりに努力をしていかなければいけませんし、中途採用される方がオン・ザ・ジョブ・トレーニングを受ける中において、中途採用された人のためのものも今既に考えていただいている企業もあるのも事実であります。

○国務大臣(柳澤伯夫君) 総理御自身から大変行き届いた実例を挙げての御説明もありましたので私から別段補足をすることもございませんけれども、恐らく一人か二人でその問題を処理しろと、あるいは数人で処理しろというのは難しいかもしれませんけれども、先ほど来総理のお話にもありましたように、要するに就職氷河期というようなときにたまたま自分の人生の就職期が当たってしまったというような方について私は特段の配慮をこれから企業に求めていきたいと、こう思います。

そういたしますと、やっぱりその年次その年次というような採用計画のことを考えますと、かなりの数、通常の採用と同じくらいの数の年齢、その年齢の方々が中途採用になると。そういうようなことの中で、オン・ザ・ジョブ・トレーニングなんかのシステムについても別途いろいろ考えていただく。そういう意味で、人事管理上の障害というのは逆に一つのまとまりとして人員が存在することによって容易化されるという面もあるんではないか。このようなことを、実際に容易化されるように我々としてもいろんな角度からの支援をしてまいりたい、このように考えております。

○浅尾慶一郎君 是非、先ほど申し上げましたように、多くの人が労働市場に参加できるように、そして夢と希望を持って参加できるようにしていただきたいと思います。

次の質問に入らせていただきたいと思いますが、今夢と希望ということを申し上げましたが、実はこの間、夢と希望に反するような負担増をしてきたんではないかということを質問させていただきたいと思います。

自民党は昨年の総選挙に際しまして増税はしないとおっしゃってまいりましたけれども、まず表を出させていただきたいと思いますが、(資料提示)実はこの間でかなりの負担をされました。社会保険料の増加あるいは窓口の負担というのは選挙の公約で言うところの増税には当たらないというふうに総理は考えられるかどうか、伺いたいと思います。

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今委員が御指摘になった点については、定率減税について、保険料……

○浅尾慶一郎君 まず、社会保険料ですね。

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 社会保険料については、例えば負担増ということについては、国民にとりましては、国民の皆様にとりましては、それは社会保険料についても税と同じような意味での負担増にという感覚を持たれるだろうと、このように思うわけでありますが、しかし、例えば党として更なる増税はしないということについては、それは税ということについて党として申し上げていることだと私は承知をしております。

○浅尾慶一郎君 つまり、保険料という名目だから税ではないんで、増税ではないんだということですね。

○国務大臣(柳澤伯夫君) 社会保険の保険料と税とは何が違うかということは、負担という側面から見れば確かに同じようなものではないか。我々はそういう意味から、国民負担論からいうと一緒にこれから考えていかなきゃいけないよというそういうものを与えるわけですけれども、トータルとして、じゃそれが使途としてどう使われるかというようなことを考えますと、やっぱり保険料と税とは非常に違いまして、保険料はもう究極的な、ある意味で目的税みたいな限局されたそういう使途に向けられる、保険集団の仲間内の費用、分配された費用を負担するという側面を持っているということは、これは申し上げなければならないと、このように思います。

○浅尾慶一郎君 そんな難しいことを聞くつもりはなくて、選挙のときに増税はしないと言ったけど保険料というのは関係ないんですよという単純明快な答えであれば、それはそれで結構なんです。

○内閣総理大臣(安倍晋三君) ただいま厚生労働大臣が答弁いたしましたように、保険料の世界というのは給付と負担が、関係が明確になっているわけでございまして、言わば給付を確保するために負担があると、そしてその負担をする側の人口構成が変化していく中において給付と負担をそれぞれ調整をしていくという仕組みになっているわけでございまして、例えば年金については、既に段階的に一八・三%まで保険料の料率が上がっていく仕組みがもう既にできているわけでございます。

ですから、党が議論している、また国民に説明している税の負担を上げないということについては、これは言わば純粋に、新たなその段階で今後増税をしないという意味について党としては申し上げているんだろうと思います。

○浅尾慶一郎君 まあ、なかなか分かりにくい御答弁ですが、要は、明細を分けて請求するから明細関係ない方は増税じゃありませんよというお答えだと思います。

じゃ次に、来年増えます二兆三百億円、これは定率減税なくしたことの影響が大部分だと思いますが、定率減税をなくしたのは増税ではないんですか。

○国務大臣(尾身幸次君) この定率減税は、小渕政権のとき、平成十一年度でございますが、当時、国内消費が平成十年で見てマイナス〇・七%、それからまた経済全体もこの平成十年度でマイナス一・八%という極めて厳しい経済情勢、特に需要を喚起しなければならないという状況でございました。これに対して臨時異例の措置として定率減税を実施したわけでございまして、税額控除という形で税額の二〇%を減税をする、そして二十五万円を限度とすると、こういう措置を講じたわけでございます。

しかし、最近に至りまして、例えば十八年度で見ても二・〇%プラスの成長を見込めるような状況になり、経済が順調に回復しているという状況になりました。そういうことの中でこの臨時異例の定率減税を廃止するということで、二年掛かりでこれを廃止したものでございまして、正に小渕政権のときの臨時異例の措置をやめたということでございまして、これは経済の実態に合わせて弾力的に税制を考えていくという考え方でございます。

○浅尾慶一郎君 いろいろと御説明されましたけど、結局、増税をしたんだけれども理屈を付けるために臨時異例とか何かいろいろ、減税をしたのをやめたというのは、それは解釈、取られる方からすれば増税だということであります。

もう一点申し上げさせていただきますが、そこまでおっしゃるのであれば、減税は三点セットでした。法人税を下げた、それから所得税の累進税率を下げた、そしてそれでは影響が、恩恵を受けられない中堅以下の方のために定率減税を入れたんです。定率減税だけをやめたということは、法人やあるいは一杯所得もらっている人は影響は余りないんです。その点についてどう思われますか。

○国務大臣(尾身幸次君) あの当時の経済情勢を思い出していただきたいんでございますが、需要は非常に低くなり、むしろマイナスになり、あの緊急の経済情勢の下で臨時異例の措置を取らなければ経済が回復しないという考え方で実現をしたものでございまして、経済が順調に回復する状況になったのは、そういう異例の状況を直すということは私は妥当な措置であったと考えております。

○浅尾慶一郎君 私が申し上げたのは、臨時異例の措置として三つやったと。法人税と所得税の累進税率を下げた、そして定率減税、しかし定率減税だけやめた。それは、臨時異例だったのは、中堅以下の人に恩恵を与えたのが臨時異例であって、法人税と所得税の最高税率を下げるのは臨時異例でないという解釈ですか。

○国務大臣(尾身幸次君) 法人税について申し上げますと、経済の国際化の中で日本という国がどういうふうにこれから生きていくかということでございますが、外国の法人税と比べて日本の法人税が高いというような状況の中で、企業が国を選ぶ時代になった。そのときに、少なくとも外国とイコールフッティングの条件で日本の企業に競争していただかないと、長い目で見た日本経済の発展がないということで減税をしたものでございまして、そういう意味では外国とのイコールフッティングに一歩近づいたという減税であったと考えております。

○浅尾慶一郎君 いろいろ御説明されましたけど、このグラフ見てください。(資料提示)  これは、厚木市における小泉政権における負担増と書いてありますが、年収四百万のサラリーマンの人、負担増一六%。年収六百万の人、負担増一六%。年収三千万の人、負担増七・五%。普通の人は一六%増えているんですよ、負担が。で、年収三千万、かなり稼いでいる人は七・五しか負担が増えていない。これをもって公平と言えるかどうか、端的に伺いたいと思います。

○国務大臣(尾身幸次君) 小渕政権のときの定率減税の導入の際に税額控除を導入いたしましたが、上限二五%で切りました。したがいまして、そのときの減税は高額所得者に非常に少ない減税であり、低額所得者に高い減税であったということで、その定率減税をやめた結果として今のようなことになったのではないかと考えております。

○浅尾慶一郎君 私の質問は、これが公平ですかと、一六%増えたのが公平ですかという質問であります。公平か公平でないか。

○国務大臣(尾身幸次君) 私の申し上げていることがちょっと理解していただけないようでございますが、定率減税を導入をいたしましたときに、減税の率はむしろ低額所得者に高い率の減税であり、高額所得者は二十五万円の頭打ちでございましたから、減税の率が低かった。それを戻したわけでございますから、今のような数字になるのは、定率減税の減税をやめたこととの関連でいえば、結果としてはそうなるんだと思います。

○浅尾慶一郎君 そこまでおっしゃるんであれば、所得税の累進税率戻したんですか。戻してないでしょう。

○国務大臣(尾身幸次君) 質問の意味がちょっと分かりませんが。

○浅尾慶一郎君 そこまでおっしゃるんであれば、所得税の最高税率を下げたんです。最高税率下げても、中堅、四百万、六百万の人は影響ないんです。だから定率減税を入れたんです。しかし、この六百万の人たちだけをねらい撃ちにした増税をし、最高税率を上げてないんじゃないですかという質問です。

○国務大臣(尾身幸次君) 階層別の税率をどうするかということにつきましては、例えば応能負担の問題、あるいは応益負担の問題などなど総合的に考えて決めるものでございまして、その一部だけを取って論ずるのは必ずしも適当でないと考えております。

○浅尾慶一郎君 さっき、一六%は当然だと、この定率減税は中堅以下の人が恩恵を受けたんだからという御答弁だったんで、しかし三千万の人も最高税率下がって恩恵を受けたんじゃないですかという質問をさせていただいたんです。それに対して答えてないでしょう。

○国務大臣(尾身幸次君) 税率をどう決めるかということは、所得の水準に応じた、また実態に応じた、どこが妥当かということでいろんなことを考えなければいけないわけでございまして、高額所得者を全部増税をして、低額所得者を全部減税にするというような一律の考え方では決められない問題である、もっと総合的に考えて決めなきゃならない問題だと思います。国際的なバランスも必要だと思います。

○浅尾慶一郎君 私の質問は、もう何度も言いたくありませんけれども、事実として、六百万の人は一六%増えました、三千万の人は七・五%ですと。そういうことについて、じゃ総理は、これはこれでしようがないんだと。考え方としては、正に今、尾身大臣が言われたように、応益負担と応能負担というのがあると。日本国民であるからにおいては、国民なんだから税金を払えと、今まで払ってなかったでしょうという発想で一六%増やしました、高額者はあんまり、一杯払っているから七・五%増なんですよと、そういう説明をしていただければ、あとは国民が選択をするんです。どちらかお答えください。

○内閣総理大臣(安倍晋三君) ただいま財務大臣から答弁をいたしましたように、定率減税がそもそもその減税において、所得の高い人には薄い、そして低い人には厚くなっていたと、それをやめた結果がそうなったのであって、しかし、他方ですね、他方、既にその所得、個人所得に対する課税については、三千万円の方と四百万円の方を比べれば、そもそも三千万円の方の方が重い仕組みになっているのではないでしょうか。

○浅尾慶一郎君 私の質問、別の角度から申し上げさしていただきますと、それは二つの考え方があるんです。ですから、日本国民であれば定額幾らの税金を払え、一番極端なのはサッチャーさんがやろうとした人頭税です。国民であれば定額十万円払えと、それは一つの考え方です。その考え方に立たれるのか、それとも能力に応じて負担していただく考え方に立たれるのか。その前者の人頭税的考え方に立つんであれば、この増税は公平であるという答えになると思いますが、どちらですか。

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今のその図をお示しになられるとやや国民的な誤解が生じるのではないかというのは、何か、まるで税の負担が四百万円の方の方が三千万円の方よりも多いという印象を持たれるかもしれませんが、それは正に定率減税をやめたことによる効果のみに限定をしているのであって、当然、所得税については、今でもそうでありますが、所得の分配機能を持っているわけでございまして、再分配の機能を、再分配の機能を持っているのであって、今後とも人頭税的な考えを私は取る考えはございません。

○浅尾慶一郎君 例えば、そういう考え方に立つんであれば、給与所得控除というのがございます。給与所得控除は、給与収入であれば、その収入が幾らであっても五%は控除されるんです。ですから、給与収入が五億の人が六億になっても、新たに増えた一億に対して五百万円は税金が一切掛かんないんです。そういうものをやめるという発想の方がはるかに私は公平だと思いますが、そういう考え方には立たないんでしょうか。

○国務大臣(尾身幸次君) この給与所得控除について控除額をどうするかということにつきましては、その掛かる経費の実態等々を考えまして、かつ高額所得者には率としては高い税負担が掛かるということを考え、全体的にどうするかということを考えた上での税率を決めているわけでございます。

○浅尾慶一郎君 今私が申し上げたのは、どちらかというとこの間の負担は、中堅以下の所得の人に負担が増えましたよという話であります。

結果としてどうなったか。今度、ストックの図をお見せさしていただきたいと思います。(資料提示)結果として、二〇〇〇年時点で貯蓄が全くない世帯は一二%でした。今年二二%に増えているんです。

その間で、しかし、貯蓄を保有している世帯は増えているんですよ。世帯の平均額は増えているんです。これ何かなと思っていろいろ調べたら、少ない数の一杯資産を持っている人がこの金融資産を押し上げているんです。

そもそも日本全体の世帯の四分の一ぐらいが貯蓄を持てないような世の中が、本当に、そういうものをつくっておいて、再チャレンジとかそういうことを、希望が持てるとお思いになりますか。

○国務大臣(大田弘子君) 家計資産につきまして、ちょっと事実関係をお話しさせていただきます。  家計資産は金融資産と実物資産がございますが、金融資産につきましては、今、一九九九年までのデータしか得ることができません。(発言する者あり)それは後で申し上げます。両方合わせた家計資産全体でジニ係数を見ますと、二〇〇〇年以降は横ばいになっております。ただ、資産格差につきましては所得格差よりも大きいですから、この点は十分に注意して見ていきたいと思います。

それで、今お示しくださいましたデータです。これは、二〇〇三年から貯蓄を持っていない世帯が二〇%を超えたまま横ばいになっております。

ただ、ここで貯蓄を持っていないという背景に何があるのか、私どもも今調べております。例えば、年収が一千二百万円以上の世帯でも九・三%の方が貯蓄を持っていないとこの調査では答えておられます。したがいまして、無貯蓄というのがどういう状態を表すのか、この二割以上になった背景に何があるのか、もう少し注意深く見たいと考えております。

○浅尾慶一郎君 もう一度総理に伺いますが、二〇〇〇年のときに、これは政府がやった調査ですよ、二〇〇〇年のときに一二%だったものが、ずっと二二・九と倍に近くなっていると。四分の一ぐらいの方は貯蓄持っていないと。中には、それは一千万、一千二百万収入があって貯蓄ゼロの人はいるかもしれませんよ。しかし、そうだったらこういう数字をそもそも出すのがおかしいんで、こういう数字を出しているということは、政府がこれが事実として認めているわけです。

こういうふうになっていて、一方で平均値が伸びているというのは、明らかにストックの面において資産格差が広がっているということだと思いますが、その背景は、さっき申し上げました負担を中堅以下の方により多く負担をさせる。年収六百万の方が一六%増えて三千万の人が七・五%しか増えなければこういう数字になるというのは、結果として、政府の機能というのは所得再分配という機能もあります、それを逆の方向に回転させているんではないかというのが質問で、そういうことに対してどういうふうに思われますか、総理。

○内閣総理大臣(安倍晋三君) この全年齢の平均を見てみますと、貯蓄を保有していない世帯が確かに増加をしておりますが、これは一九八八年からどんどんどんどん増加を始めているわけでありまして、二〇〇三年に、これは言わば失われた十年の間にずっと増加をしていっています。そして、二〇〇三年に二一・八%になり、二〇〇五年には二二・八になったわけでありますが、その後、二〇〇六年には二二・二%と。つまり、二〇〇三年と二〇〇六年の間は大体横ばいになっているわけでありまして、二〇〇五年、二〇〇六年からの間はむしろ少し下がっているわけでございます。ですから、この小泉構造改革がこの貯蓄を持っていない世帯の増加をもたらしたのではないということではないかと思います。

○浅尾慶一郎君 私の質問をよく聞いてください。  私は別に小泉構造改革がもたらしたとは言っていません。先ほど申し上げたように、負担が増えたのは中堅以下の方が、率でいえば一六%と七・五%でしたと、その結果貯蓄が持てないようになったんではないか、そういう方向で政策を進めたんではないか、そのことに対する感想ないしは反省はありませんかという質問です。

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今おっしゃった定率減税との関係でございますが、定率減税をやめたこととこれは直接結び付いていないのではないかと思います。先ほど申し上げましたように、長期的な不況の時期にそういう貯蓄を持っていない世帯が増えていったということが実態ではないかと思います。

○浅尾慶一郎君 長期的な不況の時期というふうにおっしゃいましたけれども、二〇〇〇年から二〇〇三年で物すごい増えているんです。二〇〇三年ぐらいから徐々に二〇〇六年と、今景気が良くなっているわけですけれども、景気が良くなっても貯蓄を持てない世帯が高止まりしているわけですね。なおかつ、先ほど申し上げましたように、負担は中堅以下の方が増えていると。

私が一番、もう一つ申し上げたいのは、平均値は上がっているんです。平均値は上がっている。

ちなみに、大田さん、中央値、どれぐらいかお答えいただけますか。平均値は上がっていますけれども、真ん中のレベル、五百万ぐらいだと思いますが、中央値、分かればお答えください。

○国務大臣(大田弘子君) 今手元に数字は持っておりませんが、その調査は国民の回答によるアンケート調査ですので、実際については、実際は政府の家計調査なり消費実態調査で調べなくてはいけません。ただ、先ほど申し上げましたように、このデータは一九九九年までしか取れておりません。

○浅尾慶一郎君 繰り返しになりますけれども、貯蓄を持っていないところがこれだけ増えていて、一方で平均が上がるということは、物すごく一杯持っている人が増えているということしか合理的な説明はできないんです。ですから、そういうことについて数字を出してくださいと。昨日、追加で資料要求したはずですけれども、中央値。

○国務大臣(大田弘子君) 失礼いたしました。

中央値で申し上げますと、前回、四百二十万、四百万円から四百二十万円に今回は上がっております。ただ、平均値で見ますと前回より下がっております。

○浅尾慶一郎君 つまり、何を申し上げたいかというと、平均が一千四百万といっても、真ん中、五割までの人を取ると四百二十万なんですよ、しかも半分は持ってない、その五割のうちの半分は持ってないというような事態。そういう世の中が果たして、本当にこういう世の中をつくったことが良かったのかどうか。あるいはもっと言うと、繰り返しになりますけれども、そういう方向で負担を求めてきているんではないかと。せめて今後、もし負担の議論になるときには、こういう所得格差あるいは資産格差に対してそれを是正する方向の議論にするかどうか、その考えを伺いたいと思います。

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 先ほど申し上げましたように、言わばこの失われた十年の間にこれはそういう世帯が残念ながら増えていったのは事実であります。しかし、この二〇〇五年と二〇〇六年を見ますと改善をしているのも事実でございます。それはやはり、自律的な経済回復の軌道に乗り始めているということもあるのではないかと。だんだんこれが、企業の好調さが、これは給与にもこれはだんだん均てんされてくるということが望ましい姿であり、さらに我々、経済が力強く成長していくように努力をしてまいりたいと考えています。

○浅尾慶一郎君 再度伺いますから、端的にお答えください。

先ほど来、見せていますけれども、事実で言います、事実で言うと一六%増えました。それは定率減税いろいろなくしたからということかもしれません。一六%増えた。そして、一方で貯蓄を持ってない世帯がこういうふうに増えていると。だから、そういうふうな増税策、負担増策をやったんではないですかということです。

○国務大臣(尾身幸次君) 先ほど申し上げましたように、定率減税の廃止は臨時異例の措置を廃止したわけでございまして、むしろ元の水準に戻したわけでございます。そういう中で、定率減税は税額の二〇%を丸々減税したわけでございますが、そのときに二十五万円を頭打ちにしたわけでございます。したがいまして、何千万円の所得の方であっても、その二〇%の税額控除の頭打ち二十五万円でありますから、一人当たり二十五万円しか減税にならなかった。それから、例えば四百万とか五百万の水準の方であっても、税額が二十五万円以上であれば二十五万円の水準までは税額が減税になったわけであります。

したがいまして、減税の率はそのまた逆の数字でございまして、その定率減税をしたときは、税率からいいまして、税率からいいますとやや中間より下の層に極めて厚い減税になったわけでございます。その異例の措置の減税をやめたわけでございますから、そのときの負担増は当然その逆になるわけでございまして、減税の恩典を、率から見て多くの恩典を受けた方々がその逆の現状として税率が上がったと、税負担が比率的に上がったと。しかし、税額そのものが上がったわけではございません。

○浅尾慶一郎君 したがって、貯蓄が持てないような世帯が増えたことも仕方がないというふうに答弁をしたというふうに解釈さしていただきますが、そういうことでよろしいですね。

○国務大臣(尾身幸次君) 今の貯蓄の残高の階層別がどうなったかということは、もちろん今の税制改正にも多少はかかわりがあると思いますけれども、全体の経済情勢あるいは生活情勢等々の総合的な結果としてそういうことになったんであると思っておりまして、かつて小渕政権の前の税率が当然累進税率になっていたわけでございまして、それを定率減税ということで二十五万円を限度として税額控除をした、それをやめたということでございまして、そういう中でそのことが全部その今の貯蓄に表れていると、私はそういうことではないと思っております。

○浅尾慶一郎君 事実で申し上げた結果、それに対していろいろと強弁をされておりますが、最後に総理に、今後負担の話になったときには、今の資産格差に対してせめて中立的な負担増を求めるかどうか、その考え方を伺いたいと思います。

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 個人所得課税につきましては、これは言わばどのような社会をつくっていくか、生き方にもかかわるわけでございまして、これは広く国民的な議論をする必要があると思っております。

○浅尾慶一郎君 余り答えていただけないんで次の質問に入りたいと思いますけれども、今るる申し上げましたように、事実として言えば、貯蓄を持てない人が増えたと。本来政治がやるべきことは、その貯蓄が持てない人がなくすように、貯蓄のある人から多少所得の再配分をしなければいけない。しかし、この間やってきたことは、所得の再配分の逆をやったということだけ指摘をさしていただきまして、次の質問に移らさしていただきたいと思いますが。  まず、その負担の話に入る前に、官として減らせるべきところは減らしていくべきだと思っています。私は再三この予算委員会の中でも、民間と公務員の中の年金、退職金の部分、特に公務員が年金と退職金で一部二重取りになっているということを指摘をさせていただいてまいりました。

この図を見ていただければ分かると思いますが、(資料提示)私の方から若干説明さしていただきまして、制度については担当大臣から御説明いただければと思いますけれども、国家公務員の退職金を計算するに当たっては、民間企業のいわゆる企業年金、厚生年金に上乗せする部分を計算して、それに対比して退職金の計算をしています。一方で、年金の方は職域加算というものがあります。つまり、この企業年金一時金と職域加算のところは正に二重支給なんです。

この点についておかしいんじゃないかと再三指摘をさせていただいていますけれども、なぜ二重支給になっているか、お答えいただきたいと思いますけれども。

○国務大臣(菅義偉君) もう委員、既にこの点については何回となく質問されておられるようでありますし、また、やはり国家公務員におきましては、兼業禁止だとか再就職の制約だとか、そういう中でこうしたこの職域加算部分というのが行われてきたというふうに思っています。

ちなみに、その数字でありますけれども、この数字につきましては、官民格差の解消等を受けまして、現在ではその計算上は国家公務員は二千七百八十七万円になっていることを御理解をいただきたいと思います。

○浅尾慶一郎君 余りお答えいただかなかったんでもう一度確認させていただきますが、これは全国で見ておられる方に対しても説明しなきゃいけないので説明させていただきたいと思いますけれども。

企業年金一時金というのは、一時金でもらってもいいけれども、多くの定年退職をされたサラリーマンはこれを毎月年金という形で受け取られるんです。一時金として受け取ってもいいけれども、普通は毎月年金として受け取られて厚生年金のいわゆる報酬比例部分に足すんです。九万二千五百九十八円じゃ足りないから、企業年金が出るところはそれを毎月毎月の年金として足していくと。足したら職域加算と一緒になるかなというふうに思うわけでありますが、実際はこっちを、もしこの黄色で書いてあるところを下の方に持っていったら、ここはなくなって一千八百万しか出ないわけです。今、総務大臣は二千七百八十七万まで下がりましたと胸を張って言われましたけれども、実際は一千八百八万と一緒じゃないとおかしいんじゃないですかというのが私の指摘であります。

○国務大臣(尾身幸次君) 年金につきまして、平均の月額の受給額は、国家公務員共済年金の退職年金の一人当たり平均年金月額でございますが、平成十六年度末で十六万四千七百八十八円となっておりまして、厚生年金の平均年金の月額八万八千七百六十五円より約七万六千円高くなっております。ただし、この両者の差は主として、国の共済は厚生年金に比べまして平均加入期間が長い、国の共済は三十二年でございますのに対して、厚生年金の平均が二十一年でございます。あるいは、平均標準報酬が国の共済四十一万、厚生年金三十一万ということで、こういうことが要因になっているわけでございまして、職域部分の額は平均で一万四千円程度であるというわけでございます。

したがいまして、この差がすべてこの職域部分によるという指摘は必ずしも正しくないのではないかと考えております。

○浅尾慶一郎君 繰り返しになりますけれども、報酬比例部分に加えて職域部分があるんです。職域部分の差は、今言われた、金額で言うと八万円ぐらいあると。一方で九百八十二万円差があると。

今ちょっと問題な発言がされたんですが、厚生年金の加入者は二十一年しか加入していないから少なくていいんだと言われますが、何で二十一年になっちゃうんですか。普通サラリーマンは定年まで働かないで、公務員だけ定年まで働くからということですか。どういうことですか、大臣。

○国務大臣(尾身幸次君) この原因はいろいろあろうと思いますが、結果として平均加入期間が国共済は三十二年、厚生年金二十一年ということになっております。

○浅尾慶一郎君 原因がいろいろあろうというのはかなり無責任な答弁だと思います。それは、多くの方は厚生年金がある事業所に勤めているけれども、途中で厚生年金がないところに職を変えるからなんですよ。だからこそ年金は一元化した方が公平だということなんです。その点の認識ぐらいはせめて持っていただきたいと思いますが、いかがですか。

○国務大臣(尾身幸次君) これは年金の制度の内容の違いでございます。

○浅尾慶一郎君 内容の違いというか、今私が指摘させていただきましたように、普通のサラリーマンの方は多分できればずっと厚生年金に加入していたいんですよ。ところが、転職した結果、そこの事業所が厚生年金がないから二十一年で終わってしまうということが実態なんで、そこに対してまずメスを入れるべきだと思いますが。

その前に、先ほどの、そもそも二重支給になっているところをやめた方がいいんではないかということを再三指摘をさせていただきました。それに対して菅総務大臣がかつての竹中総務大臣の答弁を引用してこういうふうに答え、まあ分かりにくかったと思いますんで、パネルに、竹中さんの答弁はパネルにしておきましたけれども、(資料提示)職域加算という部分というのは、身分上の制約が課せられているわけでありますと。兼業禁止とか再就職の制約とかですね。兼業禁止というのは普通民間企業にも課せられているんじゃないんですか、どうですか。総務大臣。

○国務大臣(菅義偉君) 公務員には特別私は厳しいそうした禁止があるというふうに思っています。  それと、この加算部分については、既に御承知のとおり、本年四月二十八日に閣議決定をされました被用者年金制度の一元化に関する基本方針によりまして平成二十二年に廃止することになっております。それに代わる新たな公務員制度としての仕組みを設けることとしております。

○浅尾慶一郎君 私の質問は、兼業禁止というのは民間の企業にもあるんではないか、それに対して竹中平蔵さんは、法律で禁止されるのと、それと民間で運用でやっているのとは違うんだというような御答弁をされました。

今の内閣でも、法律で禁止されているものと民間企業が就業規則で禁止しているものとは違うという認識に立つかどうか、それじゃちょっと総理、伺っておきます。

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 兼業の禁止ということについてだけ言えば、兼業の禁止ということについてだけ言えば、それは当然、法律で禁止されているのと、民間はこれは運用で、実際兼業を奨励している企業だってこれはあるわけでありますから、それは当然違うんだろうと思います。

○浅尾慶一郎君 申し上げたいのは、兼業禁止があるからということで先ほどの表の大きな差になるというのは、余りに答弁としてはひどい何かかばいようじゃないかなということだと思います。

労働三権が制約されているからということであれば、その代償ということになるかなと思ったんですが、それは実は人事院の方でそうした制約に対しては民間企業を調査してそれなりの給与を払っているということだと思いますが、人事院総裁、そういう理解でよろしいですね。

○政府特別補佐人(谷公士君) 民間企業の場合と異なりまして、利益の、利潤の配分といった性格もなく、また同種の事業も存在しません公務部門に勤務する国家公務員の給与につきまして、その水準を決定する基準を見いだすということは極めて困難でございます。

したがいまして、公務員の給与につきましては、市場原理の下で決定されております民間企業の従業員の給与に均衡させることが最も合理的であり、かつ国民の御理解も得られるものと考えられます。

そこで、人事院といたしましては、国家公務員の給与の水準につきましては、国家公務員法に基づきまして民間企業従業員の給与水準と均衡させることを基本に勧告を行ってきているところでございます。

○浅尾慶一郎君 つまり、民間企業の給与と遜色のない勧告を出している、もっと言うと、本当は民間企業の給与よりも平均値でいえば高いわけでありますけれども、まあそこはおいておいて、そういう勧告が出ているにもかかわらず、そしてこの過重な負担をしているというのは、過重なその支給をしているというのはおかしいんではないかということを申し上げさせていただいて、最後に、そもそも現役時代のときに制約があったことを辞めた後に払うというのも理屈としてはおかしいんじゃないかなと、制約があるんだったら現役時代に払うというのが理屈として正しいんではないかということを申し上げさせていただいて、そういうことを改めるべきだということも併せて申し上げさせていただきまして、時間になりましたので、質問を終わらさせていただきたいと思います。

2006年10月04日 (水)

真の教育改革

臨時国会の最大のテーマは教育改革ですので教育政策についての所感を述べます。

日本の子供の学力低下が最近話題になることが多いです。実際、2003年にPISA(OECD生徒の学習到達度調査)が行った国際学力調査で読解力が世界14位に転落して学力低下論争に火がつきました。詳細に調査の中身を分析すると学力の世界にも二極化が進んでいることが分かりました。習熟度最上位のレベル5の比率は2000年も2003年も全体の約一割で変化有りませんが、レベル2、レベル1、レベル1以下の合計が2000年の28%から2003年には40%へと大幅に増加したことにより平均点が下がり、結果として順位が下がってしまったのです。塾通いの是非は別として、レベル2以下の子供の多くは塾に通う余裕のない家庭の子供が多いと言われています。従って、今、政策的に必要なのは、公教育を充実させて教育の底辺のレベルの底上げを図ることです。

そして、公教育の底上げに必要なのは補習や少人数教育の為の教員増です。世界で最も教育レベルの高いといわれるフィンランドの授業時間は決して長くありませんが、生徒当たりの教師数は日本の約2倍です。そもそも、我が国の教育予算は諸外国と比べてかなり少ない額に留まっています。初中等教育への公的支出のGDPに占める割合は日本が2.7%、米国3.8%、フィンランド4.0%です。高等教育のそれは、日本が0.5%、米国1.4%、フィンランド2.1%です。

家計収入の二極化が言われている今だからこそ余計に公教育を充実させて、少なくとも教育面では親の収入が子供に影響を与えない制度を作ることが必須の政策です。経済政策の上からも少子高齢化社会の下では、一人一人の能力を高めないと現在の生活レベルを維持することが出来ない訳ですから、この投資は理屈にあう政策でしょう。

参議院議員 浅尾慶一郎

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