あさお慶一郎(前衆議院議員 神奈川4区)

2006年05月26日 (金)

サンガレンシンポジウムに参加して

先週の水曜日から日曜日までスイスのサンガレン大学で開催された第36回のサンガレンシンポジウムに基調講演者の一人として参加しました。(www.stgallen-symposium.org)このシンポジウムの特色はアジア、欧州、米大陸を中心に全世界から政界、官界、財界、学会の方に加えて学生200人が議論に参加する所にあります。言わば、今日のリーダーと明日のリーダーが一同に会して議論する会合でした。私、以外の貴重講演者はフランスの通商大臣、スイスの司法長官、フィアットの社長、ロイズの会長とヨーロッパの方が中心でした。シンポジウムのテーマは「ヨーロッパにインスピレーションを与える、Inspiring Europe」というものでした。

私の講演内容は、日本を含むアジア、ヨーロッパ、北米の地域の比較、日本とヨーロッパの近似性、そして未来に向けての日欧で連携すべき分野の提案というものでした。具体的には、日本を除くアジアは中国の年率10%、インドの8%に代表される高成長地域であるのに対して、日・欧は共に2%内外の成長率であるが、現在既に高い一人当たりの国民所得を享受している旨指摘し、その上で共通課題として少子高齢化を挙げました。人口減少社会での政治の役割は労働生産性を高め、そして労働参加率を上げることであり、その為には基礎と応用の科学技術の振興と移民や女性労働力の活用を可能ならしめる政策を打ち出すことの重要性を強調しました。特に、政治の役割は基礎技術振興であることを指摘した上で、私の持論でもある人工光合成についての研究を日・欧共同で新しい科学のフロンティアとして取り組むべきであるという言葉で講演を締めくくりました。

その後の質疑応答でも学生からの質問も含めて活発な議論が出来ました。600人位の聴衆の前では初めての海外での演説の機会でしたが、色々な意味で貴重な体験をすることが出来ました。インドから来られていた、インド経営者協会の会長からは9月にインドの首相も参加する会合でゲストスピーカーとして話をしてくれないかという光栄なお誘いも講演の後で頂きました。

参議院議員 浅尾慶一郎

2006年05月12日 (金)

参議院 本会議 23号 平成18年05月12日

164-参-本会議-23号 平成18年05月12日

○議長(扇千景君) 浅尾慶一郎君。    〔浅尾慶一郎君登壇、拍手〕

○浅尾慶一郎君 民主党・新緑風会を代表して、ただいまの二報告に関して総理並びに関係大臣に対する質疑を行わしていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。

私事になりますが、連休中にヨルダンに行ってまいりました。そこで、インディー・ジョーンズの映画でも知られますペトラの遺跡を見る機会に恵まれました。ペトラを築いたナバタイ人は、一度はお金を払ってローマの侵攻を食い止めますが、やがてローマ人に滅ぼされたと聞きました。歴史を振り返れば、傭兵国家の多くが結局は滅亡しております。厳しい発言になりますが、今回の米軍再編で我が国が、結局お金だけ負担して、借金だけ増え、滅びてしまうことがないようにしたいと思っております。まずは、この傭兵国家観について、もし総理の御感想があれば伺います。

さて、私は、今申し上げた認識に立つと、今回の米軍再編の議論の中で一つ欠けているものがあると思っております。

政府は抑止力の維持と負担の軽減という言葉を合い言葉に今日の交渉に臨んだと聞いております。日本の立場としてそれは理解できる姿勢です。しかし、申すまでもなく、米軍再編は米国の国家戦略に基づく地球規模のものでありますから、米側の意図の理解も必要です。

米国の意図は、できる限り少ない軍事費でテロ等の新たな脅威に対抗するというものではないでしょうか。だからこそ、ドイツ、韓国を含め、海外からグアムを含めた米本土へ米軍を戻しているのです。

こうした米国の意図も踏まえると、米国の同盟国として日本には二つの選択肢があったのではないかと思います。すなわち、同盟国として真の意味で補完的な役割分担をする代わりに説明のできない金銭的な負担をしないという考え方と、補完的な役割分担をしない代わりに金銭的な負担をするという考え方です。

そこで、まず総理にお尋ねします。

総理は、日本が対等な同盟国としての役割分担をしていないから余計な金銭的な負担をしていると考えるのか、それとも、十分軍事的な負担を果たしているが、なお金銭的に負担をしていると考えるのか、端的にお答えください。もし、同盟国としての責務を十分に果たしているが更に金銭的な負担もするというなら、その理由もお答えください。

そして、総理、もう少し具体的にお伺いします。

我が国が負担する駐留米軍経費の金額は世界でも突出して多く、その上で、米軍再編に伴うグアム移転経費のような費用を移転してもらう国が支払うというのは世界でも例がありません。米国に対して我が国が負担する巨額の費用は何かの対価なんでしょうか。例えば、米軍が我が国国民を外敵から守ってくれることに対する対価と考えればよいのですか。総理のお考えをお聞かせください。

また、総理、我が国が米軍再編に伴う巨額の経費を負担することは、我が国の抱える外交的課題の解決に役に立つのでしょうか。

例えば、日中間の海洋権益の問題、日韓間の領土問題、あるいは北朝鮮による拉致問題の解決に役立つとお考えですか。若しくは、直接的な解決に役立たないとしても、保険としての役割を果たしているとお考えか。その点についてのお考えを伺いたいと思います。

さて、総理、日米同盟の維持、発展には関係自治体と住民の皆様の御理解、御協力が不可欠です。沖縄、神奈川を始め関係地方自治体を説得の上、2プラス2の最終報告を実施するための閣議決定をするよう関係閣僚に指示を出されているとお伺いします。総理はいつまでに閣議決定をする必要があるとお考えですか。

関係自治体には十分な情報提供と説明を行い、関係自治体が了承しない限り閣議決定を強行することはしないと約束していただけますか。明確な御答弁をお願いいたします。

加えて、2プラス2最終報告を実施するための法案はいつまでに国会に提出しなければいけないとお考えですか。総理としてのプランをお答えください。

なお、米軍再編とは直接関係ありませんが、総理の地元の原子力空母の横須賀母港化についても地元自治体の了承を求める努力を継続するよう関係閣僚に指示していただきたいと思いますが、いかがですか。

そして、最後に総理、総理は現状の日米関係が対等なパートナーシップを築いているとお考えですか。米軍の再編は米軍の世界戦略に基づくものであり、我が国沖縄その他の負担軽減はその反射的利益にすぎません。にもかかわらず、それに掛かる莫大な経費を我が国が負担する、こうした関係は対等なパートナーシップと言えますか。総理は、連休中、英語をたくさん使われたでしょうから、イエスかノーかではっきりお答えください。

次に、外務大臣にお伺いします。

今回の2プラス2最終報告の実施に関し、条約その他国際約束の締結は必要になるのか、必要ではないのか、明確にお答えください。

次いで、防衛庁長官に伺います。

今回のいわゆる2プラス2最終報告をめぐっては、米国のローレス国防副次官の、最終報告を実施するにはグアム移転経費を含めると三兆円の経費を我が国が負担することになるという発言が物議を醸しています。この発言についてはその真偽をめぐって混乱が見られます。

そこで、長官、外交ルートを通じてローレス国防副次官に発言の真意をきちんと確認していただけないでしょうか。ローレス氏は三兆円の根拠は日本側の試算によるというような発言もしていると伺います。その点も含めて、是非、正式に確認していただきたいと思いますが、いかがですか。

また、長官、防衛庁の守屋事務次官が、やはり最終報告を実施するには、グアム移転経費を除いて、八年間で二兆円の経費が掛かるというような発言をされた事実があります。長官は、先日の外交防衛委員会でこの問題を取り上げた際、報道で聞いているが、全体的なイメージとして言われたんだろうというような御答弁をされています。この本会議の質疑の内容は、昨日既に政府側に通告してあります。長官は、本日までに、守屋次官に直接、発言の内容、金額の根拠を確認されましたか。確認されたのであれば、この本会議で御報告願います。確認されていないのであれば、その理由を御説明願います。

そして、長官、2プラス2最終報告を実施するには、グアム移転経費を除いて、何年間でどのくらいの経費が掛かるのか、速やかに国会に報告すべきと考えますが、いつまでに経費の見積りをまとめるおつもりですか。いつまでにやりますと、この場でお約束願えないでしょうか。

次に、グアム移転経費について伺います。

長官は、いわゆる真水の財政支出の二十八億ドルは上限の金額だと国会に説明しています。その根拠は何ですか。2プラス2の最終報告の文書を見る限り、そのような記述はありません。ワシントンでの協議の際の口頭の約束なのでしょうか。もしそうであれば、だれが何と言ったのか御説明ください。

また、家族住宅は、我が国が出資して特殊目的会社を設立し、その会社への融資によって建設した後、その家族住宅の家賃で融資及び出資金を回収するというふうに伺っております。家族住宅に関する融資は、六億三千万ドルは何年間で回収されるのでしょう。その場合の月々の家賃収入はどのくらいを想定しているのでしょうか。家族住宅三千五百戸の建設費の見積りはどのように行ったのでしょう。

そして、その特殊目的会社への出資金は株の売却によって回収するのでしょうか。その株は、いつごろ、だれに売却されるおつもりでしょうか。

さらに、基地内インフラに融資される七億四千万ドルはどのように回収されるのか、その点について明確なお答えをお願いいたします。

加えて、これらの出資金や融資が家賃収入等で回収できない場合には多額の国民負担が生じますが、そうしたことにはならないとお約束できますか、はっきりとお答えください。

最後に、財務大臣に伺います。

まず、財務大臣、グアム移転経費等、2プラス2の最終報告の実施には莫大な金額の国費を投入しなければなりません。これらの国費については、後日、防衛庁の予算要求が財務省にされるものと思いますが、防衛庁が予算要求するものは防衛関係費としてカウントされるのではないでしょうか。その点のお考えを財務大臣にお伺いいたします。また、防衛関係費となるのであれば、中期防衛計画は見直し、圧縮がなされることになろうと思いますが、大臣のお考えをお聞かせください。

さらに、財務大臣、2プラス2最終報告の実施に係る莫大な金額を工面するためには、消費税増税も必要になるのではないかと心配いたしております。財源の確保についてはどのようにお考えですか、明確にお答えください。

以上、総理及び関係大臣に今次米軍再編と我が国の負担についてお伺いをしてまいりました。冒頭申し上げましたとおり、我が国が傭兵国家ではなく真の自立した独立国家として機能するためには、同盟関係における補完的な役割分担は必要です。しかし、国民の皆様には、対等なものに日米関係がなっていないのではというふうに見えていると思います。健全な日米関係のために我が国が本来負担すべきものは何かということは、まずは包み隠さず御答弁いただきますようお願い申し上げます。

なお、関係大臣の御答弁が不十分な場合には再質問させていただきますことを申し添えまして、私の質問を終えさせていただきます。(拍手)

〔内閣総理大臣小泉純一郎君登壇、拍手〕

○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 浅尾議員に答弁いたします。

米軍再編と傭兵国家観についてでございますが、お尋ねの傭兵国家というものがどういうものであるか必ずしも明確ではございませんが、我が国外交の基軸である日米同盟は対等な関係を基本とするもので、その中で、米軍再編は沖縄を始めとする地元の負担軽減と抑止力の維持に資する重要な課題であります。したがって、我が国が負担するべき経費の内容を精査しつつ、適切に予算上の措置を講じていく必要があると考えております。

我が国の同盟国としての役割分担、金銭的負担及び外交的課題の解決についてでございますが、我が国の安全を確保するためには、我が国自身の防衛力を保持するだけでなくて、日米安保体制を堅持することが必要であります。我が国による在日米軍駐留経費負担は、日米安保体制の円滑かつ効果的な運用の確保のために重要な役割を果たしていると思います。また、在日米軍再編に係る経費についても、沖縄を始めとする地元の負担軽減と抑止力の維持の観点から、我が国として負担すべき経費を精査しつつ、適切に負担すべきと考えております。

在日米軍の兵力態勢の再編を着実に実施することは、日米安保体制、日米同盟関係の強化につながり、このような緊密な日米関係の基盤に立ちつつ、近隣諸国を含む国際社会との関係を強化するために外交努力を行っていく考えであります。

再編に関する閣議決定でございますが、現在、必要な調整を行っているところでありまして、日程について確たることを申し上げられる段階にはありません。この閣議決定に当たっては、関係自治体の理解と協力が得られるよう努力し、必要な手続を踏んだ上で進めてまいります。

最終報告を実施するための法案でございますが、先般の日米外務・防衛担当閣僚で発表されました再編に関する計画は、在日米軍の抑止力を維持しつつ地元負担の軽減を実現するものとして大きな意義を有するものであります。今後、本計画を着実に実施するための施策について、法整備の必要性も含め政府部内で検討を進めてまいります。

原子力空母への交代でございますが、二〇〇八年の空母交代を通じて米海軍の能力を維持することは、我が国及び極東の平和と安全に寄与するものであります。政府としては、関係省庁間で協力しつつ、安全性の観点を含め地元の方々の理解を得るべく引き続き努力してまいります。

日米関係の現状認識についてですが、日米双方は、従来より強固な信頼関係の下で、お互いに言うべきことは言い、やるべきことはやると、そういう関係であります。対等な協力関係を今後も形成してまいります。

在日米軍の兵力態勢再編につき、我が国としては防衛計画の大綱を踏まえ、在日米軍の抑止力を維持しつつ、地元の負担を軽減するとの我が国の方針に立って検討してきたものであります。

残余の質問については、関係大臣から答弁させます。(拍手)

〔国務大臣麻生太郎君登壇、拍手〕

○国務大臣(麻生太郎君) 2プラス2最終報告の実施に係る条約等の締結の要否についてのお尋ねがあっております。

在日米軍の今回の兵力態勢の見直しにつきましては、今般の最終取りまとめの実施に当たりましては、国際約束の締結を要するか否かを含めまして、今後、必要な整理を関係省庁と詰めた上で答弁させていただきます。

〔国務大臣額賀福志郎君登壇、拍手〕

○国務大臣(額賀福志郎君) 浅尾委員にお答えをいたします。

まず、ローレス副次官の発言についてお尋ねがありました。

政府といたしましては、ローレス副次官の発言の真意について承知をしておるわけではありませんけれども、米軍再編に伴い我が国が負担すべき経費につきまして最終的に見積もっていきますのは我が国自身であります。ローレス副次官の発言の真意について確認する必要があるとは思っておりません。我々がきっちりと積算根拠に基づいて国民の前にお示しをしていきたいというふうに思っております。

次に、守屋次官の発言についてお尋ねがありました。

守屋次官の発言は、これまでの専門的な知見を踏まえまして、米国とのグアム移転経費の交渉において、米国が我が国の大幅な負担を要求していることに対し、我が国はグアム移転経費だけではなく国内でも大きな負担をしていることを米国に伝えて交渉してきたことを分かりやすくイメージ的に話したものである旨を本人から聞いたところでございます。

次に、米軍再編に伴う経費の見積りについてお尋ねがあります。

米軍再編に伴う経費につきましては、今後、米国との間で細部を調整をし、我が国が負担すべき経費の内容の詳細をきちんと精査することが大事だと思っております。

他方、米側から詳細なスペック等のデータの提供なくして正確に経費を見積もることは困難であります。また、統合のための詳細な計画を平成十九年三月までに作成することとされておりますので、嘉手納飛行場以南の土地の返還のような事業もあるために確定的な時期を申し上げることはできません。しかし、できるだけ早い時期に国会や国民の皆さん方にきちっとお示しができるように一生懸命努力をしたいと思っております。

次に、二十八億ドルが上限である根拠についてお尋ねがありました。

我が国の財政支出二十八億ドルが上限であることについては、先日の2プラス2において確認をされております。私が発言をし、米国側もこれを了承しております。関係者間できちっと合意をされていることをお伝えしたいと思います。

次に、家族住宅についてのお尋ねがありました。

家族住宅に関する融資が何年間で回収されるのか、また出資がどのように回収されるのかについては、今後、経済的、合理的な事業の実施の観点から、資金の流れを含む具体的な事業スキームなどを更に事務的に詰めていくことが必要であります。現時点ではまだ決まっておりません。

家賃収入については、米軍人に支払われる手当や入居者数などが決まっていない現時点において確たることを申し上げることはできません。

家族住宅の建設費は、米国が提供した資料や情報を基に見積りを行ってまいりたいと思っております。

いずれにいたしましても、以上お答えした事項については、引き続き詳細をきちんと検討して国民の前にお示しをしていきたいというふうに思っております。

次に、基地内のインフラについてお尋ねがありました。

今後、経済的、合理的な事業の実施の観点から、資金の流れを含む具体的な事業スキーム等につきまして更に事務的に詰めていくことになるため、現時点で基地内インフラに関する融資がどのように回収されるかはまだ決まっていないのでございます。

最後に、出資や融資の回収可能についてお尋ねがございました。

出資や融資が回収不能となることがないように、今後、資金の流れを含む具体的な事業スキームを具体的に検討してまいりたいと考えるわけでございます。

以上であります。(拍手)

〔国務大臣谷垣禎一君登壇、拍手〕

○国務大臣(谷垣禎一君) 浅尾議員から私に対し、米軍再編に伴う予算措置及びその財源並びに米軍再編と中期防衛力整備計画の関係についてお尋ねをいただいたところでございます。

米軍再編の所要経費につきましては、今後、最終取りまとめの合意内容を踏まえて精査が進められることとなっておりまして、現段階では確定していないものと承知しております。

このため、米軍再編に必要となる経費が具体的にどのような形で予算として計上されることになるのか、またその財源をどのように手当てするのかについて、現時点で予断を持って申し上げることは差し控えさせていただきますが、いずれにしても、今後、しかるべき予算上の措置及びその財源について関係省庁間で検討を進めていくこととなります。なお、米軍再編に要する経費の財源として増税を行う考えはありません。

また、中期防衛力整備計画との関係についても、現段階で予断を持って申し上げることは差し控えさせていただきますが、現下の厳しい財政状況の下では、既存の防衛関係費についても一層の効率化、合理化を図り、米軍再編に要する経費がそのまま現在の中期防衛力整備計画に上乗せにならないようにする必要があると考えております。(拍手)

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