あさお慶一郎(前衆議院議員 神奈川4区)

2006年04月25日 (火)

参議院 外交防衛委員会 13号 平成18年04月25日

164-参-外交防衛委員会-13号 平成18年04月25日

○浅尾慶一郎君 額賀防衛庁長官にまずお伺いいたしますが、米国出張から戻られてすぐのところで恐縮でございますけれども、グアムへの移転経費、総額が百二億ドルということでありまして、そのうちの五九%を負担されるということを合意したということを先ほど読まれたということでありますけれども、まず私、この百二億ドル、八千人の海兵隊が移るのに百二億ドルという金額自体がかなり高いような気がいたします。単純計算いたしますと、海兵隊八千人ですから、割りますと百二十七万ドルぐらいですね、一人当たり。だから、一人当たりで一億五千万ぐらい掛かると。  
その金額についてそもそも高いんではないかと思いますが、防衛庁長官はそういう考えは持たないかどうか、伺いたいと思います。

○国務大臣(額賀福志郎君) 今御指摘の総枠百二億七千万ドルということでありますけれども、元々グアムの場合は離れておりまして、何を造るにしても高コスト構造であるということを聞いておりますから、我々の感覚からすると、それはいずれにいたしても物資は高いという認識は持っておりました。

○浅尾慶一郎君 高コスト構造というふうにおっしゃいますが、グアムあるいはハワイも、例えば旅行社で行くとそんなに高くないんですね、日本と比べても。ですから、それはもう少し精査が必要なんじゃないかなというふうに思います。

もう一点、これ質問通告していませんが、国会で御答弁いただいていることでありますので伺わせていただきますが、当初百億ドル内外という話が出て、その総額を引き下げるんだと、引き下げる中で五〇%日本が負担するのだというような話があったんですが、総額を、百億ドルを八十億ドルぐらいまで下げられるんじゃないかという交渉をするんだという発言があったと思いますが、そういう話じゃなくて、今回、百億ドルから、まあ二億ドルだけですけれども、増えているわけでして、行かれて、向こうの方からまだ総額が増やされたような話があったのか、あるいは日本側から総額についてそんなに掛からないんじゃないかという話をされたのかどうか、その点についても伺いたいと思います。

○国務大臣(額賀福志郎君) 総額については当初から百億という数字が固定的にあっているわけではありません。九十億ドル台のこともありましたし、百億ドル台のこともあったわけでございますけれども、これは米側がやっぱり総枠として分母にどの程度を入れるかという話でありまして、我々との関係で、米国側が自分自身の財政支出なり負担でやる事業について、この日米交渉の中に入れるものと入れないものがあるわけでございまして、その中で若干増えたり少なくなったりしているというふうに思っておりまして、例えば一つ、この中には高速道路の、アプラ港からアンダーセン空港までの高速道路についての費用がありますけれども、日本がこれを有料道路方式で建設をするとかそういうことになった場合は日本とのかかわり合いがありますけれども、そうでない場合は、アメリカの独自の予算でやるということになれば、除外されるとか、あるいはまた入れたとしても自らの海兵隊の移転に伴って造る道路であるからこの枠組みに入れるとか、アメリカの事情で入れたり出したりしたことがあったというふうに思います。

○浅尾慶一郎君 いずれにしても、これは今後国会の中で、予算を伴いますし、また法的枠組みも変えていかなければいけない課題ですから、しっかりと審議をしていくべきものだというふうに思っています。  
億ドルというと物すごい大きなお金なんですが、これは百億ドル、まあ一兆円ですね。日本側の負担だけでも六千七百六十億円、あるいは真水で、先ほどおっしゃいました二十八億ドルというのは三千百八億円。まあこれ為替レートによって変わりますけれども、かなり大きな金額でありまして、これは慎重にやっていかないといけない。もっと言えば、米国においても政府が他の国といろんな協議をしても議会が駄目だといってできなくなることもあると。日本においてもそういうしたたかなやり方を考えていく必要性があるんではないかなというふうなことは申し上げておきたいと思います。

その上で、今回のグアム移転というのは、いろんな報道によると、日本が海兵隊、沖縄に負担が重過ぎるからという、頼んで出ていってもらったんだというようなことも言われていますが、私は、むしろ先ほど防衛庁長官がおっしゃったように、米軍全体の米軍再編の流れの中で米国がそういうふうに決めたと、新たな脅威に対応するためにグアムに戦力を持っていったということだというふうに思います。  
だとすると、そういう説明をするのが筋なのかなと。もっと言えば、米軍の国際的な軍事戦略の中に日本がある程度の同盟国として負担をするのだという言い方の方が、沖縄の負担があるからその分お金を負担するんだというよりも筋が通るんではないかなと思いますけれども、その点について防衛庁長官はどういうふうに考えますか。

○国務大臣(額賀福志郎君) 例のテロ事件以降、あるいはまた大量破壊兵器の拡散とか、そういう流れの中で米国の軍事戦略というのも変化していると思います。我々も、この北東アジアの状況、そういう新しい脅威の事態に備えて自衛隊自体を改革しようとしているわけでございます。期せずして、安全保障環境の変化に応じて我々は改革をしようとしているわけでございます。

そういう中で、米軍再編と自衛隊の改革をどういうふうに効率的に合理的にやっていくかということが問われているわけでございまして、私たちの基本的な考え方は、抑止力の維持と同時にやっぱり負担をどういうふうに軽減をしていくか。負担を軽減していく際には日米両軍の運用とか、その能力を向上させていかなければならない、そういう流れの中でこの米軍再編を考えていると。そのときにやっぱり沖縄県民の負担をどういうふうに軽減をしていくかという際に、米海兵隊の削減というのはこれは非常に重要なポイントでありますから、我々は沖縄県民の負担を減らすために、あるいは日本全体の負担を減らしていくために一日も早く海兵隊のグアム移転がなされることが望ましいと、それが日本の安全保障上にマイナスにならないということであれば推進していこう。一定の財政措置をしてでもやっていくことが県民の負担減につながっていく、しかも、なおかつ日米同盟関係の信頼にも響かない、いや、むしろ日米同盟関係の信頼の重要性というものを認識しながらやっていくことが大事であると、そういう認識で行っているというふうに私は考えております。

○浅尾慶一郎君 何でこういう質問するかというと、アメリカがアメリカの戦略に基づいて部隊を移すというのはよく分かることだと思いますね。たまたまそれが沖縄の部隊をグアムに持っていくと。それであれば、そこから先の判断は、日本が負担をするかしないかは日本側の判断ですということになるわけですけれども、日本が頼んだということであれば負担をしろというのは一つの理屈ですが、そうではないだろうと私は思っています。

アメリカがアメリカの判断に基づいて沖縄のものをグアムに持っていった。そのときに日本が負担をするということであれば、冒頭申し上げましたように、日米がその同盟関係において一体的な関係を持っているからアメリカの軍事的な支出についても日本が負担をするんだという説明を、それがいいかどうかというのは今後の国会の議論の中でしますけれども、説明をする方が筋が通っているんではないかなということでそういうことを申し上げたわけでありまして、どうもそこのところがかなりあいまいになっているんではないかなと。

日本が負担をすると、何というんですか、沖縄からグアムに移転するのが早まるという説明もありましたけれども、そもそも米軍再編をやるんであれば、早まる早まらないは私は関係ないんではないかなというふうに思うわけであります。つまり、アメリカが自分の戦略に基づいてスピードは決めていくということでありますでしょうから、日本が負担をしようがしまいがそこのスピードは変わらないんではないかというふうに思いますけれども、その点について、そういうふうに考えておられるかどうか、端的に伺いたいと思います。

○国務大臣(額賀福志郎君) 例えば、この問題とも関連しますが、沖縄県の地元の皆さん方については、普天間飛行場の移設の問題についても、これは沖縄県外に全部持っていってくれということからスタートしております。

そういう意味では、少しでも沖縄県民の負担を縮小してほしいというのは彼らの悲願であることは間違いはないわけでございまして、普天間飛行場もそういう形で我々は推進をさせていただいているわけでありますけれども、海兵隊の移転についても、これは稲嶺知事がこの問題については高く評価をしていると聞いておりますし、じかに聞いてもおりますので、我々はそういうことについて、日本の立場としては県民の負担を解消していく、縮小していくことが抑止力の維持に差し障りのない範囲で行われるということは決して悪いことではない。一定の財政支援をしてもおかしくはない形で、この協議を最初から行っておりまして、去年の秋の2プラス2の中間報告においても、アメリカ側から八千人の海兵隊の移転ということを我々は協議の中で取り出したわけでございます。

○浅尾慶一郎君 どうも議論かみ合ってないんで、お答えいただいてないんだと思いますが、私が申し上げたいのは、アメリカは間違いなく自国の戦略に基づいて今度のことをやっていると。たまたまそれは沖縄の負担の軽減にもなると。そこから先はもう少し外交交渉としてはいろんなやり方があったんじゃないかなと。つまり、じゃ日本が出さないんだったら移んなくてもいいというような、私はこれはブラフだと思いますけれども、そういう発言があったら、じゃどうぞ移んなくてもいいですよと言ったら向こうも困るんじゃないかなと。まず答えを求めても答えていただけないと思いますからそれは求めませんけれども、それぐらいのことをやられた方が大変厳しい財政の中ではもう少しいい結果になったんではないかというふうに思います。

この財政の話で少し伺っていきたいと思いますが、まず支出の法的な枠組みをどういうふうにされて考えているのか。これは法律を新たに作るということが報道されていますが、そういう理解でよろしいですか。

○国務大臣(額賀福志郎君) 真水の財政支出をする場合、それから出資、融資をする場合、まだスキームがきちっと固まっていないわけでございまして、事務的にこれを固めた段階で、その途中で、これは法的な措置が要るのか、どういう形がいいのかということはこれから具体的に検討をさせていただきたいと思っていますし、国会の皆さん方にも逐一報告をさせていただきたいというふうに思います。

○浅尾慶一郎君 真水と融資という話がありましたので、真水と融資と分けて質問いたしますが。

まず、真水については、これは外務省、これはかつての大平外務大臣のときの国会答弁ということなんですけれども、いわゆる財政条項を含む国際約束には国会承認条約が該当すると。しかし、先に予算、この場合は補正ということになるんだと思いますが、予算が通ってしまうと条約は国会に出さなくてもいいというような理解で外務省はやってきたんだと思いますけれども、私は、これだけ大きな話はしっかりと国会に、協定も含めて承認を国会でもらった上で予算措置をとるべきだという、まず真水の議論で言えばそういうふうに思いますが、その点について、そういうふうにした方が政府としての説明責任も果たせるんではないかと思いますが、御意見を伺いたいと思います。これは真水の部分ですね。

○国務大臣(額賀福志郎君) いずれにしても、これから具体的な細かいスキームを作っていくことでありますから、そういう中で本当に法的な措置が要るのかどうか等々について考え方を決めていきたいというふうに思っておりますので、もうしばらく時間をかしていただきたいというふうに思います。

○浅尾慶一郎君 予算は当然国会審議が必要ですから、いずれにしても国会審議にはなるんですけれども、より説明責任を果たすという形で言えば、協定は、これは国会で承認を事前に求めて、その上で予算措置をとるというのが正しいやり方だということを申し添えさせていただきたいと思います。

あわせて、融資の方は国際協力銀行の枠組みを使ってやるんだと思いますが、国際協力銀行法が、私は、そもそも基本的には円借款ということがこれは途上国向けですからなじまないということで、唯一なじむとすれば旧輸銀が持っている国際金融業務というところになるんだと思いますが、この国際金融業務で行うとすると、これは法律を改正しないで現行法でやる場合は外務大臣が定めればいいということなんですが、外務大臣にこの質問を通告していませんが、麻生外務大臣としては、国際協力銀行法の今の枠組みの中でやるのか、別途、法改正をしてしっかりと取り組むのか。私としては、別途、法改正をしてしっかりと取り組んだ方が説明責任が果たせるというふうに思いますが、御意見を伺いたいと思います。

○国務大臣(麻生太郎君) 浅尾先生、ちょっと急な御質問だったんできちんと詰めているわけではありませんけれども、今言われたように、防衛庁長官の方から言われたように、スキームがまだはっきりしていないという段階ですので、ちょっと詳細な事務的な検討が要るということになるんだとは思いますけれども、ちょっと今現時点でそれ以上お答えできる段階ではございません。

○浅尾慶一郎君 スキームがはっきりしていないというのはそれはそうかもしれないんですが、合意する前に多少はスキームは考えておくべきなんじゃないかなというふうに思います。

いずれにしても、繰り返しになりますけれども、これだけ大きな話ですからしっかりと法律を作って対応していくのが正しいやり方ではないかなというふうに思います。

時間の関係で、竹島について少し伺いたいと思いますが、一言だけ外務大臣に伺いますが、これ、抜本的な解決というのは、竹島の領有権をいずれかのタイミングでしっかりと日本のものだということを韓国側も理解してもらわないと抜本解決にならないんだろうなというふうに思いますが、そのための、何というんですかね、手だては何か考えておられますでしょうか。

○国務大臣(麻生太郎君) もう浅尾先生御指摘のとおり、今回の解決というものは、今回のこの一連の騒ぎの解決というものは、両国間で御存じのようにえらい緊張感が高まっていましたので、不測の事態が起こり得る可能性もあるということを前提にしてそれをいかに回避するかというのが主眼の、最大の目的ですから、したがって、今回、先ほど申し上げましたように五月中に協議を再開することになりましたので、これもずっと中断したままでしたから、そういったものができるようになりましたのがよかったということだと思っております。

したがって、今後、この境界線の問題というのが御指摘のとおり残っているわけで、本当に今後、これを五月中に開会と、ずっと向こうが止めて止まっていたものですから、それを開会すると言ってきておりますので、この問題はこれから取り組んでいかないかぬところだと思いますが、これは急に今すぐこういう解決方法があるというわけではございません。

○浅尾慶一郎君 竹島については残念ながら韓国が実効的に支配していると、外務省がそれをそういう言葉を使うかどうかは別として、事実上そうなっているというのは事実だと思います。それを日本の、もっと言えば、その実効支配を許した段階でかなり日本としては不利になっている、まあ不利と言うと語弊がありますけれども、韓国としてもなかなか譲れない状況になっているんだろうなというのは事実だと思いますが、この問題について是非しっかりと取り組んでいただきたいということを申し上げて、もう一点だけ、この竹島の問題と日韓間にあります靖国の問題がどういうふうにリンクしていると考えておられるかどうか、意見を伺いたいと思います。

○委員長(舛添要一君) 委員長の方から、答弁に入ります前に申し上げます。  我が国の公式な立場は、竹島は韓国が不法占拠をしているということでございますし、外務省も実効支配という言葉を使わないということでございますので、今後の質疑においては不法占拠という言葉を使っていただくようにお願いいたしまして、外務大臣の答弁を求めます。

○国務大臣(麻生太郎君) 韓国側で今回の調査を竹島問題と結び付けて、いわゆる竹島問題を歴史問題とあるかのごとき話があるのは知っておりますが、日本としては、竹島問題はこれは歴史問題というような話ではないと、これは基本的に領有権の話ですから。したがって、今回の調査も、これはあくまで六月の、海底地形名称に関する小委員会というものに向けた韓国側のあの名称提案の動きに対応するためにやったものであって、これは海洋の科学的調査が基本。したがって、歴史問題とは全く関係がありませんので。

したがって、日本と韓国の間というのは一部でいろいろ問題があろう、対立があるということは間違いなく存在していると思いますけれども、しかし、この問題に関しましては、いろいろな状況というのはもう両国の長い心情の面やら何やらいろいろありますので、そういったことも考えて、韓国の言い分も決して分からぬわけじゃありませんので、そういった意味ではいろいろなこれまでの経緯も考えて真摯に対応していくという対応で、冷静に対応していかねばならぬ問題だと思っております。

○浅尾慶一郎君 今、委員長の方から不法占拠、まあそれは確かに不法占拠というのは、私も立場は一緒です。ただ、まあ言葉の上で先ほどのようなことを申し上げたんですが、そもそも不法占拠を許した段階でかなり立場的には厳しい状況になっているんではないかなというふうに思いますが。

もう一点だけ、その海洋調査について、韓国側が名称を付けて、日本側がもう既に名称を付けているところに新たに付ける可能性もあるんですが、これについては必ず、もう新たに、既存の名称が唯一のものであるということを日本側の委員が主張すべきだと思いますけれども、一言、そうしますとお答えいただければと思います、当然と。

○国務大臣(麻生太郎君) 当然だと思います。

○浅尾慶一郎君 それでは、マルチチップの協定について伺っていきたいと思いますが、今日、時間が大分残り少なくなってきましたので、かなり幾つか通告しているものを飛ばしていきたいと思いますけれども、まず、このマルチチップ協定について、日本の企業が外国で支払わなくて済むようになる関税というのは幾らぐらいでしょうか。──日本の企業が外国で支払わなくて済むようになる関税は幾らぐらいでしょう。

○副大臣(金田勝年君) 民間の調べによりますと、二〇〇三年に我が国半導体産業界が他のこの協定の構成者に対して輸出をいたしましたマルチチップの集積回路の総額は約五百七十二億円に上るということであります。その際に、我が国半導体産業界が他の本協定のその構成者から課せられた関税額につきまして、政府の統計はありませんけれども、民間の調べによりますと約十三億円、このように推計されているところであります。

○浅尾慶一郎君 本協定はWTOにおけるマルチチップ関税の撤廃が実現されたら終了するということですけれども、WTOの交渉の状況はどういうふうになっていますでしょうか。

○国務大臣(麻生太郎君) WTOの交渉につきましては、極めて難しい状況になってきておりますのはもう御存じのとおりです。したがいまして、今月末までに農業品と非農業産品との間の例のモダリティーというんですか、関税削減方式によりますルールという、例のモダリティーというのを確立しようということで、今、中川農林大臣、二階経産大臣、それぞれやっておられますけれども、私どもの見ている範囲で、これ農業論の主要論点が収れんするのがこの四月までにいけるかといえば、ここはちょっと、かなり四月末にできるのは難しいということのように感じがいたしております。

ただ、これは向こうとの話ですんで、向こうがぽっと降りたらそれだけになる。ちょっと四月まではなかなか難しいと、目標にはしておりましたけど四月末は難しいというように理解しております。

○浅尾慶一郎君 WTOでそのマルチチップの関税が撤廃されれば、この協定に入っていないところに対しても対象になりますから、一番望ましいわけで、そういう意味でもWTOの交渉を是非進めていただきたいと思いますが。

同時に、このマルチチップについては日本側の関税はゼロなんですね。輸入、日本が輸入する場合はゼロ%。外国に輸出すると、今回協定に入っているところで二%か何%か取られているケースがあるわけでありますが、ほかにも、マルチチップ以外にも日本で輸入関税がゼロで、輸出した場合に関税が他国で掛かるものが、いろんなものがあると思いますが、例えばどんなものがあるか。そして、そうしたものについても、できる限り、WTOの枠組みの中全体では無理としても、その中で先行して取り組めるんであれば、そういうものについても同じような協定を結ぶべきだと思いますけれども、まず、日本側の輸入関税がゼロで、輸出した場合に関税が掛かるようなもの、どういうものがあるか、お答えいただけますでしょうか。

○副大臣(金田勝年君) 我が国が無税待遇を付与しているものであって他の国が、その国が関税を課している品目といたしましては、例えば電気・電子製品に対するブラジルのテレビ、ビデオに対する課税、これはまあ三五%であります。それから、インドの無線電話用受信機器に対します課税、これが四〇%となっております。こういったものが挙げられるというふうに例えとして申し上げたいと思います。

こうした品目につきましては、WTOのドーハ・ラウンドで交渉を進めていきたいと、このように思っております。

○浅尾慶一郎君 そうすると、こうした品目についてマルチチップと同じような形で先行してやるということは特に考えていないというふうに理解してよろしいですか。

○副大臣(金田勝年君) 今申し上げましたように、こうした品目につきましてはWTOのドーハ・ラウンドで交渉を進めていきたいと、こういうふうに考えております。

○浅尾慶一郎君 先ほど外務大臣が、なかなかWTO妥結難しいということですから、そうであれば同じような形を取るのがいいんではないかなというふうに思います。

もう一点。  本協定には実は台湾も締約者として入ってきております。このマルチの中では台湾が入れると。しかし、日台との関係でこのマルチの協定は拘束力を持つというふうに考えていいと思いますが、この法的拘束力はまず二国間に存在すると考えてよろしいでしょうか。

○国務大臣(麻生太郎君) 台湾の場合は基本的には、セパレート・カスタム・テリトリーと呼んでおりますけれども、独立した関税地域という特殊な用語で、SCTということで、世界貿易機構、いわゆるWTOのメンバーに加入をしております、まず台湾というのが独立した地域として。その上で、この協定に、そういうことになっておりますので、日本としてはその独立した関税地域と本協定を締結しているという形になっております。

それで、バイラテラル、二国間の間にも存在するというふうに考えてもよいかという御質問だと存じますが、この協定はWTOの枠組みの中でそれぞれ集積回路の関税を無税化する協定でありまして、何と言うのかしら、締約者間、二国間で締結しているもの同士においてもこの場合においては効力を発揮するというように御理解いただいて十分と存じます。

○浅尾慶一郎君 台湾との関係というのはいろんな東アジアのコンテクストの中で様々考えていかなければいけないところがあると思いますが、今、関税地域としては認めているというお話でございました。そのほかの多国間の枠組みの中でも台湾を認める枠組みもあるでしょうし、そういうものの中で日本にとってもメリットがあって、そしていろんな観点から日本の戦略的な、外交的な観点からもメリットがあるものについては、台湾という地域にほかの国も加えて多国間の条約にすればそういうものが締結できるというふうに一般論で言えば考えていいかどうか、伺いたいと思います。

○副大臣(金田勝年君) 台湾との関係に関します我が国政府の基本的立場というのは、日中共同声明に基づきまして非政府間の実務関係として維持するというものであります。台湾を国として扱ったり、その当局を政府として扱うことはないわけであります。  我が国、台湾及び第三国の三者間の国際約束につきましては、台湾との関係に関します我が国政府の基本的立場に従いまして、具体的な状況を踏まえながら個別に適切に対応していくと、こういうふうな考え方でおります。

○浅尾慶一郎君 今の御答弁はそのとおりだと思いますんで、個別にいろいろと考えながら対応していけるような枠組みもしっかりと考えていくのが必要なんではないかということを申し上げておきたいと思います。

次に、マレーシアとのEPAに移らさしていただきたいと思いますが、まず、シンガポール、メキシコとのEPAが既にありますけれども、我が国が減収となった関税は幾らでしょうか。

○大臣政務官(野上浩太郎君) 一般的に、経済連携協定の締結に伴う関税、種々に及ぼす影響につきましては、輸入動向ですとか為替等についての予測が困難でありますため、これを正確に見積もることは困難でございますが、その上であえて一定の仮定の下で機械的な試算を行いましたところ、シンガポールとの経済連携協定締結による関税減収額につきましては約六億円、メキシコとの経済連携協定締結による関税減収額につきましては約十四億円と、締結時においてそれぞれ見積もっていたところでございます。(発言する者あり)

○浅尾慶一郎君 まあ、すばらしいという指摘があったものですから、もう少し厳しい質問をさせていただきたいと思いますが、約六億円、約十四億円というのは推計なんですね。これは、実は、例えばシンガポールから幾ら物が入ってきているかという貿易統計はあるんです。しかし、その中で、EPAによって減った関税額というのは分からないようになっていると。

貿易統計はあるけれども関税額は分からないという今の仕組みが私はおかしいと思いますんで、その貿易統計、そもそもその貿易統計の中に、要するに関税申告、通関処理をするときに税金額がゼロか幾らか入るというのは分かるわけですから、それを、特にこの電算化の時代、電子化の時代ですから、貿易統計の中に申告する個々の関税額も入れれば実額も分かるんじゃないかなというふうに思いますので、財務大臣政務官としてもそういうふうに統計を改めるかどうか、伺いたいと思います。

○大臣政務官(野上浩太郎君) 御指摘賜りましたとおり、関税収入額につきましては、我が国輸入全体に係る関税収入総額については把握をしているところでございますが、これを今、国別、地域別に分けた実額としては把握をしていないところでございます。

国、地域別の関税収入の実績額につきましては、統計の整理上、過誤納付ですとか還付額に係る取扱い等といった問題もありまして、現時点においてはこれを持ち合わせていないところでございますが、御指摘の点を踏まえまして、今後どのような工夫が可能なのか十分勉強してまいりたいというふうに思っております。

○浅尾慶一郎君 貿易統計はちゃんとあるわけでありまして、それは実際に入ってきたものを足し上げていっていると、その中にその関税額を入れていくと。多分、その現場の事務レベルも電子化されていればそんなに難しいことじゃないんじゃないかなというふうに思いますので、是非そこは御検討いただければというふうに思います。

それから、この協定について、六億円程度の関税の減収、この日本とマレーシアとの関係でも六億円程度の関税の減収というふうに伺っておりますけれども、予算上はどのようにしていますでしょうか。

○大臣政務官(野上浩太郎君) 日・マレーシア経済連携協定の締結に伴う関税収入減収見込額、今御指摘の約六億円でございますが、これは今、平成十八年度関税収入見積りの積算の一つとして織り込んでおるところでございます。

○浅尾慶一郎君 外務省のこの説明の資料ですね、経済上の連携に関する日本国政府とマレーシア政府との間の協定の説明書の十七ページになるんだと思います。「この協定を実施するための特別な予算措置は、必要としない。」と書いてありまして、この予算措置といったときに、恐らくここで想定しているのは、協定を実施するために何らかの周知徹底をするための支出の方の予算措置なんだと思いますが、EPAに伴って関税の税収額が減るというのは歳入の方の予算が減収になるということなんで、書き方は、本当はそこのところについては歳入の方についても配慮をした書き方をするべきだと思いますが、その点について、どうして書かれないのか、御説明いただけますか。

○副大臣(金田勝年君) 御指摘のとおり、日本・マレーシアの経済連携協定を実施するために特別な予算措置は必要ないわけでありますが、このことを同協定の説明書においても記載しております。

この場合に、予算措置が必要であるか否かというのは、例えば、条約を締結することによりまして分担金支払義務や資金拠出義務が生じるか否かのことを指して言っております。

この協定の発効によりまして、本協定の発効により、関税収入が減少し歳入は減少いたしますが、分担金支払義務等が生じるわけではないわけでありまして、そういった意味では、この協定を実施するための特別な予算措置は必要としないということであります。

○浅尾慶一郎君 私の質問は、歳出のところについては今おっしゃったとおりで、それは事前の質問のときにも申し上げたところなんですが、歳入についても、今後は説明書の中でそういった減収があるんであれば書いておいた方が説明書としては親切なんではないかということでありますので、今後変える要素があるかどうか伺いたいと思います。

○副大臣(金田勝年君) その点につきましては御意見として承っておきたいと、このように思います。

○浅尾慶一郎君 時間の関係で恐らく最後の質問になってくると思いますけれども、この協定の締結によりマレーシアからの輸入品がどういうふうに安くなるか、これは消費者にとってもある程度メリットがないといけないというふうに思いますので。

例えば、マレーシアからどんなものが輸入されていて、それに対してどういう関税が今まで掛かってきたのか。事前に伺ったら、パーム油とかパーム油関係製品で、これは関税掛かってないものが多くて、三番目に多いのがエビで、これが関税一%と。一%下がっても余りそんなに消費者にはメリットはないのかなと思いますが。一番大きいものとしては、多分木材、合板も含めた、合板継続協議中であると思いますが、木材関係だと思いますが、どういうものが、どのぐらいの金額のものがマレーシアから入っていて、現在幾らぐらいの関税が掛かっているのか。この関税が掛からなくなることによってどの程度消費者にメリットが還元される要素があるのか、まとめてお答えいただけますでしょうか。

○副大臣(三浦一水君) 委員、今例示いただきましたものが農林水産物でございますので、農林水産省からお答えをさしていただきたいと思います。

マレーシアから有税で輸入しております農林水産物のうちで、今回の協定で関税撤廃を行い、輸入額が多い順に申し上げますと、今委員から御指摘がありました製材加工材、繊維板、エビ、合板用の単板となっております。

ただ、関税撤廃によりまして輸入価格は安くなるかどうかという点につきましては、今ほど挙げましたものが、製材加工材で元々の関税がゼロから三・六%、繊維板で一・五六%、エビが一%、合板用単板が三%とそもそも低かったわけでございまして、為替レート等の動向やほかの国からの輸入動向等でも左右されるものでありまして、個別の品目につきまして価格動向を見通すことは困難であると考えております。

○浅尾慶一郎君 御指摘のとおり、製材加工材でゼロから三・六%、パーセンテージでいうとそういうことなんですけれども、金額ベースでいうと百十五億七千六百万ということで、その業界としてはかなりメリットがあるのかなと、輸入の業者さんとしてはメリットがあるのかなというふうに思います。

それから、いただいた資料でいうと、クラゲが七年間で撤廃ということですけれども、七%ということで少し安くなる要素があるかなと思いますが、いずれにしても消費者に多少なりともEPAのメリットが目に見えるような形になっていくとまたEPAも進むと思いますので、その辺の、宣伝も含めた外務大臣の決意を伺って質問を終えたいと思います。

○国務大臣(麻生太郎君) 基本的にEPA、FTAいろいろございます。こういうのを結んだ結果、そこの国にいる国民に何らかの形で寄与する、若しくは企業が利益を得てその利益が還元される、方法はいろいろあろうと存じますけれども、目に見える形でこういう結果が出せるものにつなげていきたい、御指摘のとおりだと存じます。

○浅尾慶一郎君 終わります。

2006年04月11日 (火)

参議院 外交防衛委員会 9号 平成18年04月11日

164-参-外交防衛委員会-9号 平成18年04月11日

○浅尾慶一郎君 民主党・新緑風会の浅尾慶一郎です。  
本件については我が党は賛成でありますけれども、幾つか疑問点について質疑をさせていただきたいと思います。  
また、国会の在り方が変わりまして、基本的には答弁は政治家に求めるという形でありますので、こうした技術的な案件でありますけれども、是非、今日は金田副大臣に代わって遠山政務官が大分答えられると思いますが、答えていただくようにお願いしたいと思います。  
まず第一の質問でありますけれども、この協定の締結の意義として、保険制度の二重加入がなくなって保険料掛け捨ての問題の解決が挙げられておりますけれども、日本側の負担額の軽減の三億円の根拠はどういうところにありますでしょうか。

○副大臣(赤松正雄君) 座ったままでよろしいんですね。

○委員長(舛添要一君) はい。座ったままで結構です。

○副大臣(赤松正雄君) 浅尾委員からの御質問、日本側の負担の軽減額三億円の根拠は何かということでございますが、日本とカナダの社会保障協定におきます日本側の保険料負担軽減額につきましては、一つは、平成十七年に在カナダ日本商工会が行いました実態調査に基づきまして、千七百人ほどの皆さんがお住まいのようですけれども、二重負担者数は約九百人、そして一人当たりの年間保険料負担額は、カナダの年金賦課上限額三百四十万円に九・九%の保険料率労使合計を掛けまして約三十四万円、このように推計されますことから、この三十四万円掛ける九百人、合計約三億円、このような試算をしているところでございます。

○浅尾慶一郎君 派遣されている方からすると、三億円というのは個人の負担というよりかは会社の負担ということになるんだと思いますが、次の質問とも絡みますけれども。  
カナダの年金制度には、日本にありますように最低加入期間というのがどうもないようでありまして、したがって、我が国から派遣されている人は帰国後に、何年間であってもカナダの年金は受け取れるというふうに考えると、日本の人にとってみると、会社は別ですが、個人にとってみるとその二重加入掛け捨ての問題というのはないようにも思えるんですが、その点はいかがでしょうか。

○国務大臣(麻生太郎君) 今おっしゃられたとおりなんですが、このカナダの保険の場合はいわゆる二重制度になっていまして、一つの点は、いわゆる最低加入制限のないいわゆる年金という部分と、もう一つは、十年の居住期間を必要としております老齢保障制度というものの二重制度というか、二階建てになっております。  したがって、カナダに派遣されます日本の駐在員、カナダに派遣される日本の駐在員は、この二階建てになっている部分につきましては、いわゆるこれ税金の中に入っていますんで、一般税の中に入っているために、そこの部分は黙って取られて、あとは向こうの中で勘定科目の付け替えをすることになりますんで、そういった意味では強制加入、両方とも強制加入ですから、そういった意味では日本の年金制度にまた加入する義務がこっち側にある、加入がありますんで、その分はどうしても二重加入になるという部分でありまして、おっしゃるとおりの部分と、二階建てになっているところがなかなか難しくなっております。

○浅尾慶一郎君 その今十年ということをおっしゃいました。仮に、じゃ十年間カナダに暮らす人がいたとしたときに、その人は、今度協定が成立しますと、渡航したときからカナダの年金に加入して、帰国後は我が国の年金制度へ、十年間の保険料は払ってないんですけれども加入していた計算になるということになると思いますんで、二十五年間ずっと日本にいるのと、二十五年のうち十年カナダで十五年間日本にいるのとではどっちの年金が、これはなかなか一概には言えないんですけれども、どのような違いがあるか、お答えいただけますでしょうか。

○副大臣(赤松正雄君) 二十五年日本でずっと勤続した場合と、そしてカナダへ十年間行っていた場合でどのように差異が生ずるのか。今、浅尾委員御自身、一概に言えないというふうに言われました。  
おっしゃるとおり、日本における給与水準とカナダにおける給与水準の差異とか、あるいは為替レート等の変動の問題がありまして、おっしゃるようになかなか一概に言えないんですが、あえて少し突っ込んで仮算といいますか、してみますと、仮に、日本における平均標準報酬額が三十六万円、カナダにおける年収、その三十六万掛ける十二、約四万カナダ・ドル、そういうふうな仮定を置いて試算したケースを申し上げますと、日本において二十五年就労した場合の年金月額が約十万四千百円。一方、カナダにおいて十年就労した場合の年金月額は、老齢保障制度、OASから約二百四十五ドル、一階部分ですが、二階部分のカナダ年金制度、CPPからの額が約百二十一ドル、日本の厚生年金制度に十五年加入した場合の年金月額は約六万二千五百円。この三つを一ドル八十五円で換算した場合の合計額は約九万三千六百円。

こんなことで、先ほどの十万四千百円と九万三千六百円と、これをあえて比較しますと若干、一万円程度の差が出てくるわけですけれども、先ほど来申し上げておりますように、一つの例であって一概に高いとか低いは言えるものではないと、そんなふうな認識をしておりますが、日本で働き続けた場合と比べまして、相手国の年金制度いかんでは特定個人の受給額が確かに減ることも今のようにありますが、他方で、全体として見ましたら、協定締結による二重負担の解消、あるいはまた通算による保険料の掛け捨てがなくなる、こういったメリットが大きいものだと、こんなふうに考えている次第でございます。

○浅尾慶一郎君 二重負担の解消といったようなことのメリットはよく理解ができます。  
一方で、しかし、今回の協定でも、例えば外務省の方がカナダに行かれた場合はこれは共済年金にそのまんま加入しているということで、日本の公務員の方の場合は共済年金にそのまんま加入しているんです。ですから、民間の人は厚生年金を一時、加入期間としては通算されるけれども、カナダの年金制度に五年以上いれば入るというような形になってくると。公務員の場合はずっと日本の制度に入っていると。今お答えいただいた形で言いますと、カナダ・ドルが高くなれば得だし、安くなれば損だというのが、端的に言えばそういうことなんだろうなということだと思いますが。  
公務員の方はずっと共済年金のままというふうに考えれば、民間の人も厚生年金に加入し続けた方が得なんじゃないかなというふうに思いますが、その点はどういうふうに考えられますか。

○副大臣(赤松正雄君) 年金における公民格差のようなお話だと思いますが、一般に、もう御承知いただいていると思いますが、就労地国、就労する国の制度に加入することが国際的な原則になっておりまして、カナダとの社会保障協定におきましても、二重加入の調整に当たりましては、就労地の国の年金制度のみに加入することとしつつ、その上で、この原則の例外としまして、民間企業からの派遣者については、派遣先の国に滞在する期間が五年を超えないものと見込まれることを条件として本国の年金制度のみに加入すればよいこととしたものでございます。

他方、公務員につきましては、派遣先の国においても専ら、先ほど外務省の例を挙げられましたけれども、外務省の公務員は日本の国のための業務を行う者であることから、期間の制限を設けないで本国の年金制度のみに加入することにしたものでございます。  
このように、公務員の取扱いにつきましては、カナダからの要望によるほか、広く社会保障協定全般の国際的なルールに準拠しているものと考えている、こういうところで御理解いただきたいと思っている次第でございます。

○浅尾慶一郎君 日本の場合は公務員の年金制度と民間が違うと。カナダの場合は、これは公務員も民間も一本であるというふうに聞いております。これは別の課題で後ほど質問をさしていただきたいと思いますが。  
次に、この協定はカナダからの申入れから署名まで十一年掛かって締結されていると。もう少し早くやったらよかったんじゃないかなと思いますが、何で早くできなかったんでしょうか。

○国務大臣(麻生太郎君) これは全くおっしゃるとおりなんですが、これはもう基本的にはこの種の人的交流が増えました昭和四十年代ぐらいからずっと、二重加入の話というのはずっとあっていたそうです。  
ただ、これが動き始めましたのが、平成十一年にドイツと締結した協定がこの種の協定の初めてとなったんですが、カナダにつきましては、小渕内閣のときだそうですから、平成十一年のときのカナダ首脳会談で発表されて、社会保障協定締結の可能性を視野に入れた情報・意見交換を行うということが確認されて今日まで約七年、かれこれ六年ぐらい掛かっているんだと思いますが、やっぱりこれはメリットが大きなところから先にやったのが一番大きな理由だと思います。例えばドイツとかイギリスとかアメリカとかいうところですと、非常に対象になります人数が多かったというのが非常に大きな理由で、カナダの場合、先ほど厚労省は九百人ですか、そういったところの数が大きかったので、こちら側もそれへ大量の人を使いますし、厚労省としてもこれは大量の人数をここに割きますので、そこが一番大きな理由ではなかったろうかなと推察をします。

○浅尾慶一郎君 メリットの大きいところからやるというのはよく分かりますが、いずれにしても、十一年掛かっているというのはちょっと掛かり過ぎなんではないかというふうに思います。  
例えば、これはメリットが小さい国だと言われちゃえばそういうことかもしれませんが、ルクセンブルク、これは昭和六十二年に協定締結交渉開始の申入れがあって十九年間何もしていないというふうに聞いています。イタリア、フィリピンも長い間放置されているというふうに聞いておりますけれども、この放置されている理由というのは、端的に言えば外務省の国際法局にいる人間の数が少ないのか、少ないとしたら厚生労働省から少し人でももらって、どんどん。

これは形としては、一本もすればあとはそんなに違いがないと。相手国の年金制度を研究すれば済む話なんで、日本側の年金制度は今度年金の大きな改正があるかもしれないけれども、それは大きな話であって、いずれにしても条約の形、ありよう自体はそんなに変わらないと思いますので、少し人の体制も含めて、今たまっているのをどんどんやったらどうかと思いますが、いかがでしょうか。

○国務大臣(麻生太郎君) 今御指摘がありましたように、ルクセンブルクの在留邦人、三百七十七人、傍らアメリカ三十五万一千人、今話題になりましたカナダが四万五千人等々、そこらのところの数が多いものですから、どうしてもそちらの方に先に行っているというのが実情だと存じます。  ただ、今おっしゃいましたように、これは順次結んでいくというのは当然のことなんだと思いますが、これは厚生省、外務省ともにこれに割く人数が大分絶対量が不足していることはもう確かだと思いますし、何となく、経済界からやたら要望が多いのもやっぱり在留邦人の多い、逆に言えば企業が、そこに行っている企業が多いからやたら物すごく要求が多いのも確かなんです。

そうすると、そういったところというのが先にどうしてもならざるを得ない。数も多いから当然のことといえば当然なんですが、少なくとも相手国の保障制度の違いとかいろんなことを組み合わせながら、これで日本は七か国目ですかね、やったことになろうと思いますので、いずれにしても少し数が出てきますので、あのEPAと同じようにある程度のひな形みたいのができ上がってみたり、いろんなやり方もあり得ようと思いますので、厚生省ともいろいろ更に詰めて、こういったものが促進できるということは、これは両国にとってメリットがあることだと存じます。

○浅尾慶一郎君 次、中国と台湾との社会保障協定について伺うつもりでしたが、今数の話をされたので先にほかの国の例を出しますと、カナダは四十五か国と社会保障協定を締結しているそうです。今おっしゃったアメリカ、あるいはイギリス、フランス、ドイツ、イタリア、オランダ等の国々もそれぞれ二けた以上の国と締結していると思いますが、それぞれの締結状況、何か国と締結しているか、その数をお答えいただけますか。

○大臣政務官(遠山清彦君) お答え申し上げます。  今幾つか御指摘が既にございましたけれども、公的年金制度が整備されております欧米先進諸国等の間では、国家間の人的交流に伴う年金制度の二重加入等の問題を解決するために、既に御指摘のとおり相当数のこの種の二国間協定が締結されているものと承知をしております。

ちょっと具体的に申し上げますけれども、平成十八年二月の現在で主要国が締結している社会保障協定は、アメリカが二十一か国のほか、EEA、これは欧州経済領域諸国でございますけれども、英国四十三か国、フランス五十七か国、ドイツ四十四か国、イタリア四十三か国、オランダ四十か国等と承知をしております。

○浅尾慶一郎君 今御指摘いただいたとおりで、アメリカが比較的少なくて、それでも二十一か国、ヨーロッパの国はフランスが一番多いんでしょうけど五十七か国、翻って日本は七か国と大変少ないと。先ほど経済界の要望云々とおっしゃいましたけれども、確かにそれは経済界の要望もあるんでしょうが、やはり大臣も是非人を多少割いて、先ほどEPAのようにひな形ができればどんどんできるというふうにおっしゃっていただきましたんで、なるだけ速やかに、ルクセンブルクには三百人しかいないから後回しということじゃなくて、ひな形を作ってどんどん結んでいけば相手側もすぐ応じてくれるということだと思いますので、その辺の決意を伺いたいと思います。

○国務大臣(麻生太郎君) 今御指摘のとおりだと存じますんで、この種の制度が進んでおりますヨーロッパ関係の方が整備はかなり進んでいるという感じもいたしますけれども、いずれにいたしましても二国間関係の強化に資するところだと思いますので、この締結、この種の協定締結については今後ともイニシアチブを取ってやってまいりたいと存じます。

○浅尾慶一郎君 今御発言をいただきましたが、厚生労働省には年金局の中だと思いますが、わざわざ国際年金課という課までつくって体制を強化しているということですので、是非外務省の方でも受皿を強化していただいて、お互いの役所で連携を取ってすぐ進めていただきたいと。  
まあ人が少ないという発言をされましたが、元々総務大臣やっておられて総定員法の話もあるでしょうけれども、そこは是非政府の中で、そんなに人は要らないと思いますから、せいぜいプロ何人かいれば済む話だと思いますので、少し人数を割いていただいて、ほかのアメリカやヨーロッパの国並みにしていただけるようにしていただきたいと思いますが、決意を伺いたいと思います。

○国務大臣(麻生太郎君) 厚生省も、去年の八月できたばっかりですから、なかなかまだ一年たってないぐらいのところですので、両方ともかなり素人だとは思いますけれども、余りこの種のことにそれほどの需要もなかったものですからというのが大きな理由だとは思いますけれども、だんだんだんだんこれ現実問題としてこれだけグローバル経済下になってくると、今、浅尾先生がおっしゃるように、これはきちんとやっておきませんと我々、我々というか日本人側にとっての国益損なうことにもなろうと思いますので、厚生省と連絡を密にしてきちっと対応してまいりたいと存じます。

○浅尾慶一郎君 じゃ今、人というお話をおっしゃったんで、その在留邦人が米国に次いで多い中国について伺いたいと思いますが、中国はそもそもその公的な年金制度がどうなっているのかよく分からないんですが、その中国との協定の締結についてどういうふうに考えられるか伺いたいと思います。

○大臣政務官(遠山清彦君) お答え申し上げます。  中国の社会保障制度については、若干、個人積立てと社会保障基金の二本立ての仕組みがあるようでございますが、日本人、外国人への適用で申し上げますと、中国の年金制度上、外国人への適用について明文規定はございません。この状況の中で、現在までのところ中国に滞在をしております日本人が中国政府から年金保険料の支払を求められたという報告は受けておりません。

いずれにいたしましても、今後とも中国における外国人への年金制度の適用の動きについて、引き続き注視をしていきたいと考えております。

○浅尾慶一郎君 中国についてはそういうことなんだろうなと思います。  在留邦人の多さでいうと、カナダに次いで多いのが台湾というところだというふうに聞いておりますが、台湾の年金制度はどういうふうになっておりますでしょうか。

○大臣政務官(遠山清彦君) 台湾につきましては、在留邦人の数は、浅尾先生御存じかもしれませんけれども、本年二月現在で一万六千三百九十七人いるわけでございまして、御指摘のとおりカナダに次いで多いわけでございますが、台湾にも日本のような年金制度はないというふうに承知をしておりまして、台湾に滞在しております在留邦人が年金保険料を支払っているとの報告は受けておりません。ですので、年金保険料の二重負担の問題は生じていないというふうに理解をしております。

○浅尾慶一郎君 この協定の大本になっているのは年金の制度ということでありまして、今日は、麻生大臣は九月には自民党の総裁候補として、そして日本の総理大臣の候補としてということでありますので、少し年金制度そのものについて御所見を伺っていきたいというふうに思いますが。

年金制度の一元化。先ほど、例えば公務員の方の場合はカナダに行っても共済年金にずっと加入したままであると、民間の方は厚生年金からカナダの制度になると。これは今の日本の年金制度が別々だからそういうことになっているという側面もあるんだろうなと思いますが、そもそもその年金制度の一元化についてどういうふうに考えておられるか、伺いたいと思います。

○国務大臣(麻生太郎君) この話は、もうむちゃくちゃ話が長い歴史と込み入った話がありますので、一元化の推進ということにつきましては、公的年金制度の一元化推進というのは、平成、五年前ですから十三年の三月に閣議決定をされた経緯がずっとありますので、被用者年金の一元化というのをずっと検討をされて、できるだけ早く取りまとめるというように指示をされてきておりますし、その方向で事は進んでおります。

厚労省、えらい苦労しているところなんだと思いますけれども、具体的なそのスケジュールをどうするのかという話で、政府と与党とこれは双方でやらにゃいかぬということで、たしか四つでしたか、案を軸にして検討を進めていると思っていますが、その中で少なくとも例の一階と二階のところの話になると、少なくとも保険料のいわゆる統一ということを平成二十二年でしたですかね、に、とにかく出していく方向を決めようじゃないかというところまでは合意しているんだと思いますけれども。

浅尾先生、僕はとにかくこの話は分かりにくい。とにかく話が込み入っていて分からぬ、聞いていても。私の頭で分からぬというのは大体無理。もう難し過ぎる、話が。おれで分からない話はもうちょっと易しくしなきゃ駄目ですよ。僕は、税金の話とか、大体どんどんどんどん話をもうみんなで頭のいいのが寄ってたかってどんどんどんどん話を難しくして訳の分からぬものにして、普通の人に分からぬように制度をして、おれは頭がいいんだろうみたいな話はどう考えたっておかしいんで、これを分かりやすいようなものにするというのが僕は一番肝心なところなんじゃないのかなと、この年金については僕はそこが一番なんだと思っているんですけどね。

ちょっとこの話をすると、おまえの頭で分からぬおまえが悪いという話に必ずなりますので、じゃもうちょっと勉強しますとしか答えようがないんですけど。これ、一、二度聞いたぐらいじゃとても込み入っていてよく私の頭じゃ理解できないので、おまえの考えはどうかといったら、これは是非分かりやすいようにするのがまず一番と、私は基本的にそう思っています。

○浅尾慶一郎君 分かりやすいようにするのは私もそのとおりだと思います。そのためには、やはり一元化をするべきだろうなというのは私の考えですが、基本的には、国民年金を含めると基礎年金、一階建ての部分と、それから厚生年金や共済年金の二階建て、その上に企業年金とか職域加算といった三階があるというのが非常に分かりにくいところだと思いますが、一階については全部消費税でやれば取り漏れというのはないだろうと、保険料取らなくて済むようにすれば取り漏れというのはないんだろうなというふうに思います。

それについて伺えば、今の小泉政権の下では年金を消費税でやるというのは、そういう考え方は取らないという答えになると思いますからそれについては伺いませんが、今与党の中で出てる、あるいは政府の中でも議論している厚生年金と共済年金、つまり勤め人の、公務員であるか会社員であるかは別として、これを一緒にしましょうという話について、そこから進めるという考え方もあるのかなと私自身は思っています。

これは麻生大臣が総務大臣のときにさんざん議論した話でありますが、実は公務員の方の年金の方が民間の方よりも職域加算のある分だけ恵まれていると。ここで年金の話をるるしてもしようがないんですが、平均額だけでいうと大体国家公務員で月四万六千円ぐらい、二十年間働いた、それぞれずっと勤め上げた人の平均でいっても四万六千円ぐらい国家公務員の方の年金の方が厚生年金よりも平均が高いんですね、支給額は。これ政府に聞くと、モデルでいうと二万円と言うんですが、実額でいうと四万六千円違うと。

これは追加費用という巨額なお金が入っているからだと私自身は思っていますが、これ、時間の関係で最後の質問にしますけれども、九月に日本の総理大臣になる可能性を持っておられる麻生大臣には、是非、公平な年金ということからこの追加費用についてできるだけ早くやめていく、あるいは職域加算をできるだけ早くやめるといったような形で取り組めば年金制度の一元化につながるんじゃないかというふうに思いますが、その辺についての考え方を伺って、質問を終えたいと思います。

○国務大臣(麻生太郎君) 浅尾先生、この話はもうお詳しいんであれですけれども、退職金にするか年金にするかというので昭和二十何年にもめたあの時期にさかのぼっての話ですから、これずっと長い歴史がありますんで一概には言えないところだと存じます。  
ただ、言われましたように、何となく追加費用のところやら何やら、何となく不透明な感じがするところが、現実はよく分かるんですけれども、何となく不透明な話がよくするんで何となくちょっと怪しいんじゃないかなと思わせるところが大体そもそも良くないんですよ、僕に言わせりゃ。いわゆる簡単じゃない、分かりにくくさせているんだと思いますんで、その種のものを含めまして、基本的にはきちんとした分かりやすいものに作り替えていくというのが私は基本的な流れだというふうに思っています。

 

2006年04月11日 (火)

民主党の新体制

本日の両院議員総会で小沢民主党新代表の下での新執行部が了承されました。既に報道されている通りで、小沢代表と菅代表代行以外は旧執行部の方がそのまま継続する形となっています。国会開会中でもあり、挙党態勢を作る意味でもこうしたことになったのだと思います。民主党の新体制が出来て与党の方からもこれで国会が締まり、自民党も締まる様になって良かったという声も数名から頂きました。野党がしっかりしないと安心して党内政局に走るけど、そうしたことも気をつけて行う様になると思うとも言われました。

与野党がしっかりと政策を戦わせ、その中身が報道されることで国民の世論が形成され、結果として日本が良い方向に進むことが理想です。メール問題の最中でも、実は予算委員会でしっかりとした論戦も行っていたのですが、残念ながらメール問題以外のことがあまり報道されなかった結果皆様の目にもそうした情報が入らなかったのは残念です。(私自身の質疑についてはホームページを御覧下さい。)今後は不祥事の報道ではなく政策の議論の報道を通じて与野党の雌雄を決していきたいと思います。

その為に次のことに取り組んでいきたいと思います。それは、目指す国の有り方、国家像を示しての論戦です。小泉総理の政策の郵政民営化にせよ道路公団の民営化にせよ、個別の政策には私を含めて民主党の中にも賛成の人も多くいます。しかし残念ながら何の為に民営化するのか、どういう国に日本を変える為に民営化が必要なのかという議論がなされてきませんでした。個別の政策は目指す国家像を実現する為の手段であって目的ではありませんから、目指す国家像の議論こそ大切だと思います。

参議院議員 浅尾慶一郎
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