あさお慶一郎(前衆議院議員 神奈川4区)

2006年03月28日 (火)

参議院 外交防衛委員会 5号 平成18年03月28日

164-参-外交防衛委員会-5号 平成18年03月28日

○浅尾慶一郎君 まず冒頭に、今、小泉委員の方から同じ神奈川の話をいろいろされたので、その重ならない部分だけ伺って、次の質問に入りたいと思いますが。  
キャンプ座間について、これは三月末に向けての米軍再編の中で、まあ地元の自治体としては負担増ということが言われておりますし、またその負担が増える分に対する見返りというか、全くキャンプ座間については示されていないんではないかと思いますが、その点について、何か地元座間の星野市長も大変これでは受け入れられないということを防衛庁の方に伝えていると思いますが、何らか進展があるのかどうか、その点を伺いたいと思います。キャンプ座間に限ってですね。

○国務大臣(額賀福志郎君) キャンプ座間については今交渉中でございます。そして、座間からの様々な要望についてはよく承っております。まあ、一部土地の返還等々についても前向きに話合いが進展しているところでございますけれども、今この時点で具体的にお話しする段階ではないので勘弁していただきたいと思っておりますが、今後とも地元の皆さん方に対しましては逐一報告をさせていただきながら、誠意を持って交渉していきたいというふうに思っております。

○浅尾慶一郎君 是非、地元の皆さんが納得はできなくても理解ができるような、少なくともですね、そういう情報開示と交渉をお願いしたいというふうに思います。  
今日は、先般の予算委員会でも取り上げさしていただきましたけれども、こういう地位協定あるいは特別協定を結んでも実際に守られていないというような問題があって、そういうことについてまず指摘をさしていただいて、もし守られていないとすればもう少し日本も強く交渉臨んだらいいんじゃないかと、そういう観点から伺っていきたいと思いますが、まず、お配りしました「米軍基地における労働基準法違反の状況」について、厚生労働副大臣お越しだと思いますんで、具体的にお答えいただきたいと思います。

○副大臣(中野清君) 浅尾議員お尋ねの駐留米軍従業員の労働条件の問題でございますが、政府全体として対応すべき問題でありまして、その改善を図るためには、実質的な使用者であるところの米国側が我が国の法令を遵守するよう粘り強く協議を続けていくことが必要であると考えておるわけでございます。  労働基準監督機関といたしましては、本来、使用者による……

○浅尾慶一郎君 答弁、違っているんじゃないですか。どういう違反があるのかということを聞いているんです。

○委員長(舛添要一君) しばしお待ちください。  答弁は、質疑者の趣旨を体して、簡潔かつ明瞭に行うようにお願いいたします。

○副大臣(中野清君) はい、分かりました。  
今までには、解決した問題と、それから……

○浅尾慶一郎君 解決した問題は結構です。今の違反の状況を答えてください。

○副大臣(中野清君) 現在の中では、例えば臨時従業員に対する年次休暇の付与の問題とか、それから年次有給休暇繰越制度の問題とか、それから妊産婦等の有害業務の禁止の問題とか、時間外勤務に関する労使協定、また就業規則に対する一部不備等がございます。

○浅尾慶一郎君 こうした点は労働基準法違反であるということを三年前に指摘をさせていただきました。なおかつ、日米地位協定第十二条五項には、これはもう既に三十年ぐらい前に日本とアメリカとの間で結ばれた、昭和三十五年六月二十三日に発効していますが、日米地位協定の第十二条五項には、雇用及び労働の条件は日本国の法令で定めるところによらねばならないと書いてあります。

そうすると、別に、先ほどの、ちょっと先の答弁を読まれたわけですけれども、政府全体として解決しなければいけないというよりかは、もう既にアメリカも日本の法令を守るというふうに答えているわけですけれども、その点についてこれは交渉、今までどういう交渉を米側としてきて、もう交渉する必要もないと思うんですが、どういうことをやってきたのか、お答えいただけますか。これは防衛庁だと思いますが。

○国務大臣(額賀福志郎君) 今、浅尾委員がおっしゃるとおり、日米地位協定第十二条五は雇用及び労働の条件、労働者の保護のための条件等について我が国の法令が適用されるということが書かれているわけでございます。これまでの過程で、そうですね、平成十六年から日米合同委員会の下の労務分科委員会において所要の措置が講ぜられるように協議を行ってきているということでございます。

○浅尾慶一郎君 そもそも、協議を行うこと自体、私はおかしいと思うんですね。日米地位協定に日本の法令に従うと書いてある。何のために協議を行うんですか。

○国務大臣(額賀福志郎君) これは、だから駐留軍等労働者の労働条件を労働基準法に沿った内容とすることが非常に重要であるという認識は持っているわけでございます。このために、労働基準法に定める労働条件を満たしていないものについて、労務分科委員会で、まあこれは防衛庁だけではなくて政府関連の省庁で米国側と協議をしているということでございます。

○浅尾慶一郎君 もう一回質問申し上げます。  
日米地位協定には、労働の条件は日本国の法令で定めるところによらねばならないとはっきりと書いてあります。したがって、協議をする必要がないんではないか。つまり、日本の労働基準法に従わせます、その一言で済むんじゃないですか。なぜそうしないのか、お答えください。

○国務大臣(額賀福志郎君) 日米地位協定第十二条五において、日米「相互間で別段の合意をする場合を除くほか、賃金及び諸手当に関する条件その他の雇用及び労働の条件、労働者の保護のための条件並びに労働関係に関する労働者の権利は、日本国の法令で定めるところによらなければならない。」と規定されておって、「別段の合意」という中にまあ日米労務提供契約的なものを結んでいるというふうに聞いております。

○浅尾慶一郎君 では、具体的に伺いますが、この「別段の合意」という中で、労働基準法違反を含めて政府として合意をされた事実はありますか。

○国務大臣(額賀福志郎君) 駐留軍等労働者に日本の労働基準法が適用されることは認識しているけれども、駐留軍等労働者については雇用主は日本政府、そして使用者は米側という、そういう特殊な雇用形態になっているので、この駐留軍労働者のことを考えていく場合には米国側と話合いを継続していかなければならないということです。

○浅尾慶一郎君 もう一度同じことを繰り返し質問させていただきますが、是非、質問の趣旨を踏まえて答弁していただきたいと思いますが、別段の合意を、アメリカ側が使用するのは分かります、しかし地位協定に日本の法令で定めると書いてあって、日米で合意した事実があるのかないのか、それを聞きたいと。つまり、労働基準法違反になっているけれども、これは特例として合意をしたという事実はないはずなんですけれども、そういう事実がありますか。

○国務大臣(額賀福志郎君) 今言うように、雇用主は日本政府であるけれども使用者は米国側でありますから、そうするとその経営の、労働条件だとかそういうことについては使用者側との間で一定の考え方ができているというふうに思います。

○委員長(舛添要一君) この際、政府に申し上げます。  
答弁は質疑者の趣旨を体して、簡潔かつ明瞭に行うように御注意申し上げます。

○浅尾慶一郎君 同じ質問をしますけれども、別段の合意を日米で交わしましたか。

○国務大臣(額賀福志郎君) 日米間で別段の合意は交わしてはいないということです。

○浅尾慶一郎君 したがって、別段の合意もしていない、日米地位協定では日本の法令を守るというふうになっているんですから、なぜ守らないんですか。

○国務大臣(額賀福志郎君) 守っていただくように日米間で政府を挙げて交渉をしているということです。

○浅尾慶一郎君 その交渉というのは、地位協定が結ばれてなくて、なければ交渉するのは認めますよ。しかし、もう地位協定にはっきり書いてあるのを交渉する必要がないでしょうということを申し上げているんです。

○国務大臣(額賀福志郎君) したがって、日本の労働基準法を守っていくことについて、まあ言ってみれば使用者側と労働者の間で結んでいる今の労働条件について改善をきちっとさせようとしているということです。

○浅尾慶一郎君 繰り返しになりますけれども、地位協定には日本の法令を守ると書いてある。日本の法令を守ってないと、三年前から指摘していると。単に気付かなかったのなら、三年前に指摘した段階で、アメリカも地位協定を守ることを合意しているわけですから、守るというか地位協定に書いてあるわけですから、なぜ直さなかったのですかということです。

○国務大臣(額賀福志郎君) 我々も、これを守らせるために雇用者側としてしっかりと米国と対応していきたいということでございます。

○浅尾慶一郎君 労働基準法によりますと、労働基準法違反があった場合には労働基準監督署が雇用主に対して是正勧告をするということになっています。そういうことは厚生労働省としてするつもりはないですか。

○副大臣(中野清君) 労働基準監督機関といたしましては、今おっしゃるとおり、本来使用者による自主的な改善を促し、結果として改善を図られることが重要であるということから、この問題につきましても今正に改善のための努力をしているところでありますので、その努力を更に推し進めることが適切であると考えております。

○浅尾慶一郎君 問題の本質は、法律によると、日本の法律によるということを日米地位協定に書いてあって、先ほど来指摘をさせていただいておりますように別段の取決めもされていないと。しかも、なおかつ申し上げますと、米軍、駐留米軍で働いております労働者は法律上の関係でいいますと防衛施設庁長官が雇用しているということでありまして、防衛施設庁長官が日本の労働基準法に合致するように、先ほどお話がありましたように、例えば妊産婦等の有害業務の就業禁止というのがあるんですが、それを就業させているといったようなことについてすぐに是正するというのが当たり前だと思うんですね。

例えば、日本の普通の企業でそういうことが三年前に指摘されて三年間放置していたら、恐らく労働基準監督署は適切な是正命令を出し、なおかつそれで直らなければ、これは罰則規定もあるということでありまして、なぜそういうことをしないのか。  
もっと言えば、この地位協定にはっきりと米側が日本の法令によるということを書いてあるわけですから、別に、今日この場で、例えば一か月後には日本の法令によるというふうに答弁をされればいいんだと思いますが、その点について、防衛庁長官、もうその日米地位協定にも規定されているとおり運用しますという答弁ができますか。

○国務大臣(額賀福志郎君) これは先ほども言いましたように、また浅尾委員もよく御承知のとおり、雇用主が我々、それは現実に使っているのは米国側でございますから、そういう特殊な状況の中で我々は労働基準法に定める労働条件を満たしていくようにこれは労務委員会で話をしていると。これを粘り強くやるし、今日、浅尾委員の指摘もあるからしっかりと対応していきたいというふうに思います。

○浅尾慶一郎君 では、防衛庁長官に伺いますが、なぜ日米地位協定に、第十二条五項にはっきりと、労働の条件は日本の、「日本国の法令で定めるところによらなければならない。」と書いてあることを、その旨伝えて、先ほど来申し上げております交渉する内容ではないと、地位協定に書いてあるとおりに守るということなんですけれども、なぜ交渉されるんですか。もし、これで交渉されるんであれば地位協定要らないんじゃないですか。

○国務大臣(額賀福志郎君) これは、浅尾委員がおっしゃるとおりの矛盾点がありますから、これをだから問題意識を持ってしっかりと米国側と交渉をしているわけです。

○浅尾慶一郎君 地位協定に規定されていることですから交渉する必要がないんではないかということです。なぜ交渉されるんですか。

○国務大臣(額賀福志郎君) 労働条件を、米国側が使用している労働条件を改善していくためには、米国側と当然話合いをしていくことは必要であるというふうに思います。

○浅尾慶一郎君 それでは、なぜ地位協定に、地位協定にこういうこと書いてなければ私こんなこと申し上げませんよ、書いてあるんであれば別段の定めを特に結べばいいじゃないですか。別段の定めも結ばずに交渉もしているというのは明らかに矛盾であり、これは三年前から指摘をしているのに実際に交渉していないことの表れだと思いますし、三年前から指摘をしているのに是正していないというのは国会の軽視だと思いますよ。

○国務大臣(額賀福志郎君) 今までもこの三年の間に、例えば週所定勤務時間の四十時間への削減ができている。妊娠中の業務転換、助産婦の時間外勤務の制限及び休日勤務の禁止、助産婦の深夜業の禁止等々については、米国、使用者、使っている米国側と改善の点が見られているわけでございます。

○浅尾慶一郎君 繰り返しになりますけれども、地位協定に日本国の法令によるところ、定めるところに従うと書いてあると。別段の定めがあればこういう質問の仕方はしませんが、別段の定めも、別段の合意もしていないということになれば、その交渉をするということ自体がおかしいと私は思いますが、防衛庁長官は、仮に日米地位協定に書いてあっても、その書いてあることがあったとしても、交渉することがおかしいと思わないんですか。何のために協定があるのか、そのことも含めておかしいと思わないのであれば、お答えください。

○国務大臣(額賀福志郎君) 今、だから、日本の労働基準法に沿って考えた場合に矛盾点がありますから、使用者側の米国側に対して、これを話合いというか、そういう労務委員会の中で改善をさせていくということでございます。実態的に直していくということでございます。

○浅尾慶一郎君 ですから、質問をよく聞いてください。日米地位協定に日本国の法令で定めるところによると書いてあります。ですから、日本国の法令に違反しているんであれば直ちに直すというのが筋ではないかと。なぜ交渉をするんですかと。

○国務大臣(額賀福志郎君) それは、我々は雇用者でありますけれども、使っているのは米国側でありますから、その労働条件があって、その中を改善していくことについて労働基準法に合わせていく努力をしているということになるわけです。

○浅尾慶一郎君 ですから、協定に書いてあると。使ってるのが米国側どうのこうの、使ってるのが米国側だから日米地位協定の第十二条五項を結んだわけでしょう。だとすれば、何で結んだんですか、ここで。こういう、日本の法令を守るということで。意味がないじゃないですか。

○国務大臣(額賀福志郎君) 今これは、繰り返しになりますけれども、協定上は労働基準法を守らなければならないということになっているのは承知しているわけです。だからそれを、実際の使用者側と労働者の間のことが守られてない分野があるから改善方を申し入れて改善させたりして労働基準法に合わせていこうという努力、地位にしているわけでございます。

○浅尾慶一郎君 ですから、協定上書いてあるんであれば、なおかつ事実関係を申し上げますと、雇用主は防衛施設庁長官なんです。ですから、防衛施設庁長官と在日米軍、駐留軍で働いている労働者との間の労働契約、労働協約を労働基準法に合致するように改めればいいだけの話であって、別に日米地位協定の第十二条五項に日本国の法令による、よるところに、よらねばならないと書いてなければ別にこんなことは言いませんが、書いてある。つまり、アメリカ側も日本国の法令によるということを約束しているわけですよ。その協定違反なんですよ。米側に協定違反だってことを指摘したことありますか、過去に。

○国務大臣(額賀福志郎君) 協定違反というか、労働基準法に当てはめていかなければなりませんから、だから合同委員会で話合いをしていると。それで実態的に改善をしていこうということになっているわけでございます。

○浅尾慶一郎君 私の質問は、米側に日米地位協定違反だという指摘を過去にしたことがありますか。

○国務大臣(額賀福志郎君) だから、日米協定、地位協定の中で労働基準法に合うように、具体的に実質的な改善のために労務委員会が開かれているわけでございますから、その実態的な改善を目指すのが我々の立場であるし、基本的に我々が雇用している、そしてその使用者側の米側とその労働条件の改善について話合いをしているということでございますので、実態的な我々の労働基準法の法律に合わせていくように努力をしているということになるわけでございます。

○浅尾慶一郎君 私の質問は、米側に日米地位協定第十二条五項に現状は違反してますという指摘をしたかしてないか、その点です。

○国務大臣(額賀福志郎君) 労働基準法に合わせていくように……

○浅尾慶一郎君 ですから、地位協定に違反しているかしてないか指摘したかどうかということです。

○委員長(舛添要一君) 明瞭簡潔に御答弁願います。

○国務大臣(額賀福志郎君) 地位協定に合ってない、その労働基準法に合わせなければならないというふうに国内法はなってますから、そういうふうに実態的に改善をしようというふうにしているわけでございます。

○浅尾慶一郎君 もう一度同じ質問をします。日米地位協定十二条五項に、現状、違反してるという指摘をしたかしてないか。

○委員長(舛添要一君) 速記を止めてください。

〔速記中止〕

○委員長(舛添要一君) 速記を起こしてください。

○国務大臣(額賀福志郎君) 地位協定の中で労働基準法を守らなければならないということになっているので、その実態を改善をしていくように話合いをしているということでその話をしているわけで、それ以外のことで違反をしているとか、そういうことを言っているわけではありません。

○浅尾慶一郎君 地位協定の第十二条五項に違反しているかどうか米側に指摘したかどうか。イエスかノーか、端的にお答えいただきたい。

○国務大臣(額賀福志郎君) 違反しているというふうに指摘したことは、違反という形で言っているということはないと思います。  
ただ、労働基準法は守らなければならないということで、実態的に労働基準法を守らせるように努力をしていると、労務委員会を開いているということと理解をしていただきたいというふうに思います。

○浅尾慶一郎君 なぜ、日米地位協定第十二条五項にこれほど明瞭に書いてあるにもかかわらず、地位協定十二条五項に違反していると指摘をしないんですか。

○国務大臣(額賀福志郎君) これは何度も繰り返しになりますけれども、労働基準法を守ってもらわなければ困るということについて、実際に守られてない分野があるから、これは合同委員会、労務委員会でしっかりと労働基準法に、守ってもらうような形、労働条件をつくっていくように努力をしている。それを、順次改善がされているということを見ていただきたいということでございます。

○浅尾慶一郎君 地位協定に明瞭に書いてあることを指摘するべきだというふうに思います。  
なぜこういう指摘をしているかというと、労働基準法違反の件も大変重大な問題だと思いますが、この間のいろんな日米の交渉を見ていますと、アメリカ側の言い分はかなり、もう決まったことだからということで国会の方に、後ほど質問をする時間があればグアムの話もしますが、移転経費のことも含めて、決まったことだからということで国会に無理やり承認を求めると。一方で、これはっきりと書いてあるわけですよ、アメリカ側もサインしている日米地位協定に違反しているんです。そういうことについてなぜ及び腰なのかということで質問をさしていただいているわけですから、次回の交渉にははっきりとこの地位協定十二条五項に違反しているということを言うことの確約をお願いしたいと思います。

○国務大臣(額賀福志郎君) 今、浅尾委員の御指摘についてはよく理解はできます。しかし、現実的に、三年前から合同委員会で、労務委員会で交渉中でございますから、強くこの改善方を申し入れると同時に、我々も労働条件が我が国の国内法に合っていく形をつくるのは当然のことでありますから、強い姿勢で臨んでいかなければならないというふうに思います。

○浅尾慶一郎君 強い姿勢云々というのは、地位協定にこういうふうに明文の規定がなければ、強い姿勢というのは正しい表現だと思いますが、明文の規定があるわけですから、地位協定に違反してると一言言えば済む話だと思いますが、なぜ言われないのか、そのことを伺いたいと思います。

○国務大臣(額賀福志郎君) 浅尾先生のおっしゃるようなこの改善方の努力をしているわけでありますから、これまでも続けてきたし、これからも続けていくわけでございますけれども、雇用者として労働条件が国内法に合うようにしていくことは当然のことなので、しっかりと対応していきたいというふうに思います。

○浅尾慶一郎君 同じ質問を何度もさせていただいて大変光栄なんですけれども、地位協定の十二条五項に違反してると。これは国家間の協定です、約束です。そのことを指摘すれば済む話を、なぜそういう指摘をしないのか。指摘をしないとすれば、その理由を、こういう地位協定をわざわざ結んでいるにもかかわらず、そこに明瞭に書いてあるにもかかわらず、指摘をしないという判断を防衛庁長官がその交渉当事者の総責任者としてされるんであれば、なぜ指摘をしないのか、その点を伺いたいと思います。

○国務大臣(額賀福志郎君) これは当然、私どもの考え方としては国内法に合わせて労働条件を改善するのは自然なことでございますから、その考え方に基づいて今交渉中であり、改善されているところもある。で、アメリカ側、使用者側が条件的にこれ、なかなか我々の改善方をのめないということになっていく過程では、私どももこれは地位協定に違反しているじゃないかということを問題意識を持ちながらしっかりと対応していく必要があるというふうに思います。

○浅尾慶一郎君 問題意識を持ちながらというか、すぐに、即刻、地位協定に違反しているということを次回の交渉のときに日本側から伝えて、地位協定に違反しているから日本の労働基準法に合致した形に改めるという申入れをすれば、普通の状況であればそれで済む話だと思うんですが、そうされないんであれば、その理由を伺いたいと思います。

○国務大臣(額賀福志郎君) これまでの交渉の過程で若干改善されているところもあるわけでありますから、その流れを見て次の交渉の場で進展が、アメリカ、使用者側というかね、の方の対応を見て、その改善方を促すために浅尾委員の御指摘のような形も取らせていただきたいというふうに思います。

○浅尾慶一郎君 厚生労働副大臣お越しでございますんでちょっと、労働基準法がどれぐらい強行法規としての可能性があるのか。是正が図られない場合、手続としてはこれ、是正勧告というのが法違反が認められた場合はすることができて、それでも是正が図られない場合は司法処分ということですが、罰則などは、民間企業の場合はどういう罰則があるのか、そして是正勧告から通常その司法処分までの間の期間というのはどれぐらい民間企業の場合あるのかを伺いたいと思います。

○副大臣(中野清君) 是正勧告をしても守られない場合には、これは司法処分がございます。

○浅尾慶一郎君 是正勧告からその是正までの間、守られない場合の司法処分までの間の通常の平均期間というのはどれぐらいですか。

○副大臣(中野清君) それはそのときの状況によって異なるわけでございまして、まあ是正ができない場合には、その担当者に対して署長等から再度いろいろ粘り強く要請をするというのをやった上でいろんなことができるわけでございます。

○委員長(舛添要一君) 簡潔に御答弁願います。質疑者の質問の趣旨を正確に理解して、明瞭にお答えするように政府側に御注意申し上げます。

○副大臣(中野清君) もう一つ、いわゆるその年休違反の場合でしたらば、三十万円の罰金又は六か月以下の懲役があります。

○浅尾慶一郎君 まあ、期間はケース・バイ・ケースということですか、その。

○副大臣(中野清君) はい、そうです。

○浅尾慶一郎君 三十万円以下の罰金又は六か月以内の懲役ということですが、対象はこの防衛施設庁長官になるわけでしょうか、本件でいえば。

○副大臣(中野清君) 実際に使っている使用者と国です。

○浅尾慶一郎君 普通の民間企業であれば、是正をしなければそういう、最終的には罰金ないしは懲役になると。  
それから、繰り返しになりますけれども、二〇〇三年の四月十七日に私、この問題を指摘をさせていただきました。三年間是正がされていないこともかなりあると思いますし、なおかつ地位協定と、まあこれは米軍という特殊な事情があるということを百歩譲って認めるとしても、地位協定の中で法規を守るということで向こう側も認めているわけですから、是非そのことについては次回の交渉ではっきりと日米地位協定に違反しているということを日本側から指摘するというその決意を防衛庁長官に伺いたいと思います。

○国務大臣(額賀福志郎君) 今お話をしてきましたように、日本の労働条件を守ってもらうように労務委員会で話合いをしているわけでございますから、その進展が進まない、我々の要望が届かない、労働条件が守られていかない、そういうような状況においてはしっかりと地位協定違反もしている、改善をしなければならない、そういう考え方で臨みたいと思います。

○浅尾慶一郎君 完全に地位協定違反ということは、協定違反なんですね、これは。  それで、それを粘り強く交渉するということ自体が矛盾だと思いますが、百歩譲って、そういう姿勢で臨まれるということであれば、いつ、あとどれぐらい交渉したら地位協定違反ということをはっきりと米側に言うのか、その期間を伺いたいと思います。

○国務大臣(額賀福志郎君) これまでのその労務委員会の持ち方というのは二か月に一遍ぐらいのペースで持たれているという話を今聞いたんでありますが、そういう中で今、米国側のこれまでの条件、それから対応の仕方というものもあるだろうし、そういうやり取りの中で地位協定の問題について指摘をしながら対応していくことがいいと。  今の時点で何月何日になったらしっかりとこうしますということは、相手のあることですから明言ができるわけではありません。

○浅尾慶一郎君 相手があることというか別に、地位協定に書いてあるわけです。相手も認めているわけです、これ、地位協定。なぜそれをすぐ指摘をしないのかということです。

○国務大臣(額賀福志郎君) だから、今交渉の中でそういう改善方の話合いを二、三か月に一遍ずつ開いていくわけでありますから、そこで改善をされていけばそれはそれで一定の解決になるし、なかなか日本の労基法に合うような改善がなされない場合は強く、地位協定に違反していることだからしっかりとやってねということの中でその形をつくっていくことができるのではないかということです。

○浅尾慶一郎君 今、二か月に一回というお話をされました。法律違反の状況を放置しておくんですか。すぐ申入れはしないんですか。

○国務大臣(額賀福志郎君) ですから、次回の交渉がまだ決まっているわけではありませんから、当然、次回の開かれる場合にはそういう形をするし、御指摘のように時期を早めることもできるというふうに思います。

○浅尾慶一郎君 時期を早める、国会で法律違反を指摘され、なおかつ地位協定違反も指摘されたから、日本側から少なくとも時期を早める申入れをするつもりがあるのかないのか、伺いたいと思います。

○国務大臣(額賀福志郎君) 労働条件を改善していくためですから、それは早めていくことはできると思います。

○浅尾慶一郎君 私は、労働条件ももちろん大事ですけれども、法律違反を見過ごす、なおかつ協定違反を見過ごす、その姿勢が問題だと思いますが、そういう姿勢は問題ではないと思いますか。

○国務大臣(額賀福志郎君) 労働基準法を守らせるために、いろいろ御指摘もいただいて、日米合同委員会、労務委員会を開いて改善方をしてきたということも経緯があるわけでございますから、その上に立って今、今日の御議論の上で我々も、労働条件が守られていないという、基準法が守られていないという意味では地位協定に違反していますよということの視点に立ってこの改善方を強く求めていくということでは浅尾委員の言うとおりに対応ができると思います。

○浅尾慶一郎君 委員長に申し上げます。  国会の委員会の一つの役割は行政の様々な法的な問題について指摘をしていくということであります。この問題について予算委員会でも取り上げさしていただきましたが、今日はかなり深くこの問題について当委員会で取り上げさしていただきました。したがって、この外交防衛委員会の中におきまして、今後早急にこの問題の解決、法律違反の、そして地位協定違反の解決が図られることを是非取り計っていただくようにお願いしたいと思います。

○委員長(舛添要一君) ただいまの件につきましては、理事会において協議いたしたいと思います。

○浅尾慶一郎君 もう一点、その労働基準法関係でお話をさせていただきたいと思いますが、改正高齢者雇用安定法というのがこの四月一日から施行をされます。今までは高齢者の雇用については努力規定であったのが、今度は幾つかの形態に分けて義務規定に変わるという理解でありますが、そういう理解でよろしゅうございますか。厚生。

○副大臣(中野清君) 議員の御指摘のとおりでございます。

○浅尾慶一郎君 そうすると、米軍で働いております、駐留米軍で働いております労働者についても改正高齢者雇用安定法が義務規定で適用されるということになりますので、防衛庁長官はそのことも含めてしっかりと改善するようにお願いしたいと思いますが、御決意をお願いします。

○国務大臣(額賀福志郎君) 今おっしゃられるように、平成十六年の六月に高年齢者雇用安定法が改正をされまして、本年の四月一日から事業主に対し高年齢者の雇用確保措置が義務付けられているわけであります。  
現在、防衛施設庁において、同法に基づく駐留軍等労働者に係る高年齢者の雇用確保措置について米側及び労働組合としっかりと協議をしているところでありますので、取り組んでまいりたいというふうに思っております。

○浅尾慶一郎君 では、次の質問に移りたいと思いますが、米軍再編に関してグアムへの移転経費の問題がいろいろと報道をされております。このグアムの移転経費支出のための法的枠組みをどういうふうにされるか、その点をまず伺いたいと思います。

○国務大臣(額賀福志郎君) これはもう今、正に日米の間で協議中でございますから、具体的な形でしっかりと固まっているわけではありません。そういうことで、今の時点でつまびらかに申し上げる段階ではありませんので、これは浅尾委員にも是非御理解をいただきたいというふうに思っております。ただ、大詰めの折衝、協議をしているということははっきりしております。

○浅尾慶一郎君 いや、伺っているのは、別に中身を伺っているわけじゃありませんで、これは当然、国会に対して、まあこれは別の委員会でもそういうふうにお話がございましたけれども、中身が決まった段階で国会に報告をし、そして法律の枠組みの中で処理をされるという理解でよろしいですか、協定ではなくて。

○国務大臣(額賀福志郎君) まだ、そういう、どういう形で、どういう手法で負担をしていくか、あるいは負担の中身が全部決まっているわけではないから断定的には言えないけれども、一定の法体系、法律の根拠をつくっていかなければならないというふうに思っております。

○浅尾慶一郎君 そのグアムの移転経費の当初米側の主張は、七五%負担をしてくださいという主張でございました。この七五%の根拠というのを何か持っておられるかどうか。  
私は、恐らく七五%の根拠としては、アメリカの国防総省が発表した駐留経費負担の国際比較の中で日本の負担が七四・五%になっているから七五%という数字を出してきたのかなと思いますが、どういう根拠で七五%という数字が出てきたのか、お答えいただけますか。

○国務大臣(額賀福志郎君) 七五%ということも、それは報道ではそういう形になっておりますけれども、日米交渉の過程で、何%しなさい、いや、何%でなければできませんということについて、具体的に交渉がまだ行われているところではありません。ただ、いよいよそういうぎりぎりの協議をしていかなければならないという段階であることは間違いありません。

○浅尾慶一郎君 今、この七五という数字を伺いました。  それで、その七五というのはアメリカ側の統計で、日本の資料ですと五一%だということなんですが、実は、日本の五一%という数字を出す、日本側の負担、正にその地位協定そしてこの特別協定の中で負担している五一%という数字を計算するに当たっては、米国側負担額の、いわゆる分母ですね、分母というのは日本とアメリカの足したものですけれども、分母の米国側負担額の中に軍人軍属等関係の人件費は日本側の中に含まれています。そして、米側の数字にはこれ軍人軍属等の人件費は含んでいないということになっていますが、そういう理解で正しいでしょうか。

○国務大臣(額賀福志郎君) そうだと思います。

○浅尾慶一郎君 私、なぜそういうことを聞くかというと、これ日本の数字に軍人軍属を含めて、そしてそのうちの例えば五割を日本が負担していますよということは、考え方というか、アメリカ側の軍人軍属、お金に色がないという考え方でいうと、も一部負担していると。実際はそうじゃなっていませんけれども、ということになると。つまり、それは日本側の意識の中で米軍、日本にいる米軍の費用の半分を雇ってやっているんだと、傭兵的な考え方になるんじゃないかと。逆にアメリカは、それはそういう考え方は絶対取れないんで軍人軍属は統計から外して出しているということだと思いますが、なぜアメリカ側の軍人軍属の人件費を日本の統計では入れているんでしょうか。

○委員長(舛添要一君) 速記を止めてください。

〔速記中止〕

○委員長(舛添要一君) 速記を起こしてください。

○国務大臣(額賀福志郎君) それは……

○委員長(舛添要一君) 速記を止めてください。

〔速記中止〕

○委員長(舛添要一君) 速記を起こしてください。

○国務大臣(額賀福志郎君) これは元々、これは本当は、このデータは、それは私が答えるというよりも外務省で答えるのが筋なんじゃないかなと思うんですね。

○国務大臣(麻生太郎君) 今、浅尾さんから御指名を受けたわけではありませんけれども、在日米軍駐留経費関連のそれぞれの負担の話なんだと思いますが、米軍の駐留に伴って必要となりますいわゆる経費の範囲のとらえ方の話なんだと思いますが、一概に比較し得ない、判定とか比較し得ないところだとは思いますが、その上で述べさせていただければ、日本政府としては、在日米軍の軍人軍属の給与につきましては、在日米軍の駐留を維持していく上で、米軍の駐留を維持していく上で不可欠な費用というような考え方を持っておって、在日米軍の効果的な活動基盤というものを確保するために正に必要な経費なんだと、軍属含めて必要な経費なんだと考えております。したがって、在日米軍の駐留に関しましては、米側が負担している経費に含めることというのは適当なのではないかというように考えております。

○浅尾慶一郎君 私の質問は、アメリカ側はそれは入れていないと、要するに、きちきちなので。それで国際比較は、ちなみに申し上げますと、日本が軍人軍属の給与を入れなければ七五%ぐらい、ドイツが三二%、韓国が四〇%、イタリアが四一%、クウェートが五八%ということで、日本は突出して高いということなんです。

これは軍人軍属の給与を入れても若干分母が大きくなる分だけ低くなるわけですけれども、まあ突出して高いことは変わりないと思いますが、そもそもの考え方として、アメリカが入れないのは、恐らく、軍人軍属の給与というのは正に主権のところだから、そこも含めて考えるとなると主権の問題がおかしくなっちゃう。アメリカ側の立場からすると、それを半分、実質上負担してもらうということになると傭兵として雇っているという考え方になるんじゃないかということだと思うんで、日本の数字も米軍の軍人軍属については変えるというふうにした方がいいんじゃないかという問題提起をさせていただきました。別に特に変える必要がないということであれば、長く答えていただかなくても結構ですけれども。

○国務大臣(麻生太郎君) 短い方がよろしいと思いますので、特に変える必要はないと思っております。

○浅尾慶一郎君 そこは考え方の違いということで理解をいたします。  それからもう一点、在日米軍駐留経費、まあこの特別協定の中でも負担していますが、給与を始めいろんなものを負担しているわけでありますけれども、その立替払があるというふうに聞いています。つまり、実際に特別協定で負担しているのは二万三千人分で、最終的に雇っているのは二万五千人いると。で、その立替払が発生するのが二月、三月分の給与というふうに聞いていますが、その立替払をしている金額はどれぐらいですか。

○国務大臣(額賀福志郎君) これは、日本側が立替払をし、後日、米側から償還を受ける経費に充てる回転資金として、特別調達資金に基づいて平成十六年度において労務費等で延べ百五十七億円、その他で約十億円、合計百六十七億円となっています。

○浅尾慶一郎君 百六十七億円については利子を取っていないというふうに聞いています。普通の日本国の、もし立替払を他国とした場合には、これは交渉だと思いますが、当然、利子を取ってしかるべきだと思います。利子を取っていれば、これは期間が十日から三か月ぐらいになるようなんで、今は低金利ですけれども、額が巨額ですから、利子を取ればそれなりの金額になると。

これ、ずっと利子を取ってこなかった理由は何か、そして今後、利子を取るべきだと思いますが、どうされますか。

○国務大臣(額賀福志郎君) 今の、委員もおっしゃるように、これは十日から三か月ぐらいとか償還がばらばらになっていたりしているわけなんだけれども、我々としては、特別調達資金は米軍に対する物、役務の調達及び提供を行うに当たって一時的に立替払をしているということで、調達を円滑に処理していく上での回転資金という認識をしておりますので、利子を取ってくることはなかったということであります。

それから、今後も、償還期限がばらばらであるし、利子を取ることが実際にできるのかどうか、そういうことも含めて、まあ原則的に利子を取るということを今考えているわけではありません。

○浅尾慶一郎君 私は、申すまでもありませんけれども、日米同盟は大事だと思っていますが、しかし同時に、日本の納税者あるいは日本の立場ということをはっきりと交渉の場では言うべきだというふうに思っております。  
で、その米側が本来負担すべきものを一時的とはいえ日本側が負担しているんであれば、当然、利子を取ってしかるべきだと思いますし、そういうことを交渉の場で申し入れるべきだというふうに思います。もし、今の指摘でちょっとそういう申入れをしてみようということであれば、お答えいただきたいと思います。

○国務大臣(額賀福志郎君) これまでの経緯もあるし、日米間で円滑に事の運びをしていこうということを考えていくに当たって、今の時点で即座に利子を求めるということを考えているわけではありません。

○浅尾慶一郎君 時間が参りましたので終えたいと思いますが、最後に一言だけ。  
海兵隊のグアム移転で巨額の負担をするというような要求もされていると。そもそも米軍再編は、何も日本側が望んだものだけではなくて、米国の世界戦略の中で行われている部分もあるわけですから、日本の立場をそれぞれの場において主張していくことが結果として国益につながるということを申し上げて、質問を終えたいと思います。

 

2006年03月17日 (金)

参議院 予算委員会 14号 平成18年03月17日

164-参-予算委員会-14号 平成18年03月17日

○浅尾慶一郎君 民主党・新緑風会の浅尾慶一郎です。  
総理とこの予算委員会の場で質疑をさしていただくのもおかげさまで六回目になりました。場合によっては、多分、総理と質疑をさしていただくのは最後の機会じゃないかなというふうに思いますんで、是非今日は真摯な、そして実のある議論をしていきたいと思いますんで、よろしくお願いいたします。

まず、本論に入ります前に、一昨日のこの予算委員会の席上でコンプライアンスという言葉について同僚の大塚委員と議論がございました。そのコンプライアンスの定義を伺うつもりはございませんけれども、なかなか難しい言葉であるということを総理もおっしゃっておられました。  
調べてみましたら、金融庁にもコンプライアンス室というのがございますし、あるいは総務省にもコンプライアンスに係る部局があるようであります。そしてまた、自民党にもコンプライアンス室というものがあるということが分かりまして、総理が難しい言葉だって言っておられるわけですから、こうしたものは名前を変えられたらどうかということをまず提言をさしていただきたいと思います。いかがでしょうか。

○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 私も常々そう思っているんですよ。今の人たちは明治の外国語の言葉を日本語に訳した努力が足りないと思っているんです。ベースボールを野球と翻訳した。スピーチを演説と訳した。今もうスピーチ、ベースボール、日本語と同じようになっています。ピンポンを卓球と訳したり、テニスを庭球、庭の球、よく訳しているようですね。(発言する者あり)テーブルテニスと言うのか、ピンポンは。

まあともかく、コンプライアンスにしてもガバナンスにしても、今当たり前のように我々使っていますけれども、できるだけ外来語というものは日本人に分かりやすく、日本語に訳すような努力というのは続けていかなきゃならないと思っております。

○浅尾慶一郎君 それでは、本論に入らさしていただきますが、今日は外交・防衛ということで議論をさしていただきたいと思いますけれども、私は外交というのは、まずは日本の国が、自分の国がどうあるかというのがあって、そして外交をやっていくのがまず基本ではないかなというふうに考えております。それでは日本の国の基本は何かというと、これは長い議論になりますが、少なくとも、少なくとも言論の自由は保障しましょうと。これはどういう考え方の人であっても保障するというのが私は一つの日本の国の基本ではないかなというふうに考えております。

実は初めて小泉総理とこの予算委員会で議論さしていただいたのが平成十三年の五月三十日、そのときで私が一番印象に残っておりますのは、李登輝前台湾総統の訪日に際してビザをなかなか出せないと。なぜ出せないんですかということを伺ったら、いや、それはいろんな事情があると。いろんな事情というのはどういうことですか。なかなかお答えになられなかったわけでありますが、実はこれ、いろいろ調べてみますと、我が国に台湾の要人で来られている方一杯いらっしゃいます。李登輝さんだけは問題になっていますが、連戦前国民党の主席、あるいは宋楚瑜さん、あるいは馬英九さんという方も日本に来られていますが、これは外務省に聞きましたら、把握はしていないという答えでありました。で、李登輝さんは一生懸命把握するんですが、連戦、宋楚瑜、馬英九は把握してないと。

何でそんなこと言うかというと、馬英九さんという方は、これは馬英九さんの立場ですから、私はそれは、馬英九さんが言われること自体は構わないと思いますが、尖閣諸島は、それは中国あるいは台湾のものだと。場合によっては、これはちょっと正確な報道を見てませんけれども、軍艦を出すべきだというような発言もかつてされたというふうに聞いています。そういう方が日本に来るのは自由ですよ、把握をしてませんよと。しかし一方で、李登輝さんが来られることについてはいろいろと平成十三年のときは議論になった。  
今度五月に来られるということでありますが、まず第一点確認さしていただきますが、外務省として今度は何も問題なく入っていただけるという理解でよろしいですか。

○国務大臣(麻生太郎君) 把握していないというのはビザがありませんから。ビザが(発言する者あり)いや、ビザが申告されていないから普通は分からないんですよ。ところが、特定人物は来るぞ来るぞとみんな騒ぐから、おお、来るのかということになるだけであって、一々全部が全部把握しているということはノービザですからそれはありません、基本的には。

ただ、李登輝が今回来るということを私どもは正確にまだ聞いてもおりませんから。しかし、我々は、来たときに関しては、そのことに関して、よく言われるように、民主党のお話だと奥の細道でしたっけ、何かそんな話が出ていましたけど、あれ新聞か、何か出ていましたけど、その種の話をされることに関して私どもとしては別に問題視するところではございません。

○浅尾慶一郎君 ビザがなくなったのは昨年の三月からというふうに理解しております。  
私調べましたのは、その三月前のことを調べたときに台湾の要人の来日リストというのをいただきましたけれども、今申し上げました連戦国民党主席については把握をしてないと。しかし、〇一年十二月、〇二年六月、来日しているわけですよ。あるいは、宋楚瑜親民党党首、〇三年三月、来日をされております。それはそのビザを出しているわけですから、調べようと思えば調べられるわけですけれども、これは質問通告したんですが、把握してないから新聞報道で調べてくださいということで、こちらで調べました。  で、何を申し上げたいかといいますと、それは李登輝さんがどういう発言をされようと馬英九さんがどういう発言をされようと、そのことと日本国の立場とは関係がないというスタンスにしていれば全く問題はないんじゃないでしょうかということを申し上げさしていただいておりまして、例えがいいかどうか分かりませんが、先ほどの例でいいますと、馬英九さんは受け入れるけれども李登輝さんはもし受け入れないということになれば、前原さんは受け入れる国はあるけれども小泉総理は受け入れない国があったら、それは変な国だというふうに思うわけでありますよ。

ですから、今度、これからはどうぞ御自由にということでいいかどうかということを再度外務大臣に伺うのと、それから法務大臣にも同じことを伺わさしていただきたいんですが、それは何かといいますと、ビザがなくなっても入国させるかどうかは最終的には入国管理官の裁量に任されているところがあるということでありますけれども、何の条件も付けずに、来られる場合にはどうぞということで理解していいかどうかの確認の答弁をお願いしたいと思います。

○国務大臣(麻生太郎君) 私どもは、今ノービザでもありますし、いわゆる第一線で活躍しておられる政治家でもありませんし、単なる年老いた老人が一人来るたんびにわあわあ言うのはいかがなものかというような、(発言する者あり)いや、そういうことを言っている人がいるという話してるんですよ。またすぐ人の言葉じりつかまえるからここは話がしにくいね、ここは。  
基本的にそういうような考え方をして、どんどんどんどん話を難しくしちゃっているのは一般なんであってね、こういうのは別にほうっておきゃ何ということはない話でしょうが。それをだんだんだんだん難しいって、難しいじゃないかなんて言われたって、それはちょっと違うんじゃありませんかと、私どもはそう思っておりますんで、私どもは、基本的には、李登輝という人が来られるか来られないか知りませんけれども、私どもとしてはそれに直接かかわり合うつもりはございません。

○国務大臣(杉浦正健君) 李登輝さんがお見えになれば、今はもう一般の民間人でございますから、先生のおっしゃるとおり一般の旅行者と同じでございます。  
上陸申請を受けまして、入国審査官は、出入国管理法及び難民認定法、いわゆる入管法にのっとりました上陸審査を行うことになります。

○浅尾慶一郎君 是非よろしくお願いしたいと思います。  次の質問に移りますが、東シナ海の資源開発等について日中協議がございました。で、その中国側の提案は、新聞によりますと、報道によりますと尖閣諸島を含む海域の共同提案というものがございましたが、まず外務大臣に伺いますが、そうした提案がなされたかどうか、伺いたいと思います。

○国務大臣(麻生太郎君) 国内で持っております、鉱区権を持っているところから開発の申請があったか、それとも向こう側からあったか。

○浅尾慶一郎君 共同開発の提案です。

○国務大臣(麻生太郎君) 向こう、共同開発の話というのは、過日の話、過日、尖閣に関しまして、地図が極めて不明確なものだったものですから、正直、出されたのは、何です、これというようなものだったぐらい分からないものが出たことは確かです。  
それに対して、後で調べてみて、これは尖閣も入ってくるのではないかということが私どもも理解ができましたので、その程度の地図だと思ってください。そうだということになりましたので、私どもとしてはなかなか理解ができませんで、これはどうも尖閣が入っているらしいというんであれば、これ、尖閣は我々の固有の領土ですから、これに関して共同開発するつもりはございませんと。少なくとも、これは領土問題として、領海のあいまいなところにあるわけじゃない、明らかにこれは日本の領土ですから、その日本の領土と明らかになっているところに関して中国と今この段階で共同開発をするつもりはないということでございます。

○浅尾慶一郎君 私がなぜそのことをまず伺ったかといいますと、先般、外務省に確認しましたら、中国側の今回の提案については公表しないでくれということになっているので公表はできないという答弁でありました。一方で、新聞報道ではいろいろと出ているわけでありまして、一方、日本側が出している提案はですね、これ公表しているわけであります。

何を申し上げたいかといいますと、これだけ国民の関心が高いものについて秘密にしなければいけない理由、特に尖閣というものを出してくるというのはある意図が向こう側にあるんではないかというふうに考えれば、秘密にするということをなぜ合意したのかなということを申し上げたかったものですから今質問さしていただいたんですが。  
確認さしていただきますが、秘密でなくても、この国会の場でどういう提案があったかということを発表できるのかどうか、まず確認さしていただきます。

○国務大臣(麻生太郎君) 六日、七日に北京で行われました東シナ海に関する日中協議というのにおきまして、中国側から、東シナ海の北及び南というこの二地点、ここが非常に分かりにくいところなんですが、についての共同開発の提案がありましたというのは事実です。ただ、中国側との申合せによりましてその内容、詳細については、提案の詳細について申し上げることは双方でしないということになったというのが事実であります。

少なくとも、私どもはその中身をこれからよく吟味していく必要があると思っておりますが、少なくともこれまでの我が国の立場と相入れられないということだと思っておりますんで、日本側の提案に向こう側も問題があると、日本側の提案に対して向こう側も問題があるということでありましたので、双方ともこの提案を引き続き検討しましょうということになって今、次の、次回交渉ということになっておりますが、いずれにいたしましても、何となくどこがどこだか分からぬところで争うような話じゃなくて、少なくとも双方で、協力の海というような形で双方でやった方が利益が出ると、私どもはそう思っております。

○浅尾慶一郎君 是非、双方にとって協力の海になるようにしていただくようにお願いしたいと思います。  
私は、この東アジアの地域の安定そして外交のためには多面的な取組が必要だというふうに考えております。先ほど、それはまあ当たり前のことでありますけれども、李登輝さんのことを申し上げさしていただいたのは、先般この予算委員会で麻生外務大臣は台湾について法治国家だということで、いろいろとその報道がされております。そのことについて議論するつもりはありませんが、台湾との間の経済交流はどんどん進めていくべきだろうというふうに考えております。

で、経済交流ということで今いろんな諸外国とEPAなどを結んでおりますが、国家として認めてないところとEPA結ぶというのが難しいということも理解をしておりますが、しかし日本側の法制の中でできるものはどんどんやっていくということも必要なんではないかなというふうに考えております。

一つ具体的な例を申し上げますと、この国会に出されております協定でマルチチップ協定という協定がありまして、それは日本、韓国、アメリカ、EU、そして台湾が入って、半導体の関税を無税にするという協定でありますから、そうした、何というんですかね、マルチ、多国間の枠組みの中にはどんどんその台湾も入ってもらうようなことを考えられないかということを提言さしていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

○国務大臣(麻生太郎君) フラッシュメモリーとかいわゆるマルチチップというものに関しましては、これは本当に何製か分からなくなりましたよね、本当に。プレートは、プレートは日本製で、なかなか分からぬものですから。そういった意味では、私どもとしては、こういったようなものは現実論としてはもうほとんど国境がないに等しいようなものになっていると、少なくともその種の分野に関しましては特にそう思っております。

いずれにいたしましても、双方でとにかく、貿易量で日本、中国、アメリカ、韓国、その次が多分台湾になっていると今記憶してますけれども、そういった意味では、間違いなく経済関係等々は猛烈な勢いで大きく、深く、幅広くなってきていると思いますんで、その意味では今言われたような形の方が現実的だとは思いますけれども、これは国際交渉の話でもありますんで、WTOの話、いろいろありますんで、私どもとしては、この種の話は双方の利益、共益に資するというような感じもいたしますんで、できることならば、そういった方向で進めていく方が、より経済的な面、人的な面、いろんな意味でその方がいいんではないのかなと、個人的には私もそう思います。

○浅尾慶一郎君 冒頭申し上げましたけれども、外交の基本はやっぱり主体性、日本の国がどうしたいかということを基本に考えていかなければいけない、そういう中で台湾との経済交流は進めていくと、そのためにできることはどんどん取り組んでいただきたいという趣旨の発言でございます。

次に、米軍再編の問題に移らさしていただきたいと思いますけれども、私は、この米軍再編の問題、今日、額賀防衛庁長官も参議院の本会議で御答弁を、直接ではありませんけれどもいただきましたが、その一番の問題は、やはり地元の自治体に対して説明がなされない中で報道が先行して、報道でもって地元の市長さん等々、正に小泉総理のおひざ元の横須賀も、報道でもって横須賀の市長が、例えば、これ再編とは直接はリンクしませんけれども、原子力空母が来るということを知ると、それをそうなんですかと確認すると、まだ決まっていないと言われて、しかし、しばらくしてそのとおりになっていくというのが多分不信感につながっているんではないかというふうに思いますが、そこで、報道先行ではなくて、まず最初に地元の自治体にこういう理由でこういうふうにしたいんだということをこれからは是非取り組んでいただきたいと思いますけれども、その決意はありますでしょうか。

○国務大臣(額賀福志郎君) 浅尾委員がおっしゃるとおり、我々も、今日の産経新聞のトップなんかも全く事実無根の中身が報道されておったりして、我々は即座に否定をしたわけでございますけれども、最近は余り根拠に基づかないで報道されていることもあったり、そういうことが議論されたりしているから国民的な信頼を失っているところもあると思いますし、私も日米間で米軍再編に伴って協議をしているわけだけれども、政治家としては言葉に責任を持たなければならないものですから、自らがしゃべったときはやっぱり方向性を間違えてはいけないということを注意深くしていかなければならないということ、それからきっちりと、相手のあることでございますから、相手も同意をしないうちにこれを自らの思惑でなかなかメッセージを与えることはできない。そういうまじめに真剣に取り組んでいることについては国民の皆さん方にも、あるいは地域の皆さん方にも是非分かっていただきたい。

我々は即座に、日米間で話がまとまれば、あるいはまた自らの考え方が決まればその地域の皆さん方に率直に出向いていって説明をし、そして相手の言うことも聞く、そういう中でお互いに合意点を探っていきたい、それが政治の基本的なスタンスであるというふうに思っております。  
私は、新聞とかテレビで憶測とかあるいはまた断片的な情報を結び付けてそのニュースとして流されることは、極めて国民をミスリードすることであるということを委員と共有するものであります。

○浅尾慶一郎君 もう一点、実はお願いさせていただきたいんですが、その地元の自治体は様々な不安も持っています。どういうふうになるか分からないという意味でですね。そこで、その自治体の方々がいろんな御要請を防衛庁なり外務省にされる、それが米側に伝わっているかどうか分からないと。伝わったけど駄目だったということなら、交渉の途中でですよ、まだ説明が付くんでしょうけれども、要請だけして、それがどうなったか分からないというのがもう一つの不満なんではないかなというふうに思いますが、まだ協議中ですけれども、今後は地元からこういう要請があると、こういうことを伝えたけれどもこういうような回答であったとか、向こうからはこう言われたということをできる限り地元に伝えていただけるかどうか、その点、短くて結構ですから、御答弁いただきたいと思います。

○国務大臣(額賀福志郎君) もうこれはどこの基地についても、地元の皆さん方から要望もあるし、注文もあるわけであります。そういうことについては、我々は整理をして、米国側にもきちっとこれを言いまして、負担を最小限にする努力をしている。基本的に、負担を最小限にしていくということが我々のスタンスであり、その上で抑止力を維持しようということでございますから、浅尾委員と正に同じ思いで交渉に当たっているわけであります。

○浅尾慶一郎君 思いは共有していただいたんですが、私が申し上げたのは、米側にこういう話をしたと、しかし、その途中経過も含めて、全部を言えというわけは、無理だと思いますけれども、そういう話をした方がうまくその地元も納得するんじゃないかということを申し上げたわけであります。  その米軍再編に絡んで、沖縄海兵隊のグアム移転について伺わさせていただきたいと思いますが、この海兵隊の移転については、米国との協議の中の文書をいただきましたが、それでは、日本側が何らかの形の財政的な支援について方法を含め検討するというような、まあこれ原本は英文でありますけれども、そのような文言が書かれております。

一方で、最近、様々、例えば七十五億ドル負担するんだと。これは報道だけではありませんで、米軍が正に記者に発表したわけですね、そういうことを要求したと、日本側に。  
ですから、これは事実だというふうに、憶測に基づくものではないというふうに私は理解しておりますが、私は、海兵隊がグアムに移転するのは、日本側の理由だけではなくて、米軍全体の再編の中でグアムに持っていくわけですから、それをなぜ日本側が七十五億ドルという巨額な負担をしなければいけないのか、非常に疑問を持っているわけでありますから、その点については是非、そういう負担はしないんだという決意をこの場で聞かせていただければ有り難いと思います。

○国務大臣(額賀福志郎君) お答えいたします。  今、正に日米の間で、昨年秋の中間報告に基づきまして、まあ協議を加速してきました結果、大詰めの協議をしている、打合せをしていると、詰めを行っているという段階でございます。  
今、浅尾委員がおっしゃったような数字については報道されていることは承知しておりますが、アメリカの注文もあります。しかし、我々は我々のスタンス、考え方もあるわけであります。

ただ、沖縄県民の立場からすれば、海兵隊を縮小していく、少なくしていくことは県民の悲願でもありました。したがって、中間報告で七千人の海兵隊を、司令部をグアムに移転する。その後の協議の中で八千人という提案もあるわけでございますけれども、私は、沖縄の負担を大幅に軽減できるということを考えれば、できるだけスピーディーに、早くこの海兵隊の移転を実現をしていくことが我々のプラスになるし、県民の要望につながっていくのではないか。

そのためには、アメリカさんだけに任せておくと、これは二十年も三十年も掛かるということでは、これは沖縄県民の負担が減らない。そういう中で、合理的な形で資金的な負担ができるのかどうかも考えて負担を解消していきたいということでございます。

○浅尾慶一郎君 私、今の長官の御答弁は少し違うんじゃないかなと思います。  
アメリカに任せていたら二十年、三十年掛かるというのは、正にアメリカが自分のところの再編、戦略に基づいて米軍の再編をしているわけですから、日本側の事情だけで、日本側が負担しないから、じゃ、そこはゆっくりやろうなどということには考えていないんじゃないかな。たまたま日本が負担してくれると言ったから、それは出してもらえるものは出してもらいましょうというだけの話なんではないかなというふうに思います。

ですから、そのことを申し上げた上で、今日、本会議の席上で、麻生外務大臣に我が党の犬塚議員がICCという国際刑事裁判所条約、これを締結すべきだという申入れをさせていただきました。  
そのときに、御答弁は、いや、予算的な制約、この国際刑事裁判所条約をやると日本の分担金が掛かるということでありましたけれども、ちなみにこの分担金の額を外務省に聞きました。そうすると、年間で二十五億から三十億円。億円です。一方で、先ほど報道だから分からないということでありますけれども、米側が発表した数字は七十五億ドルです。七千、八千億円ぐらい、(発言する者あり)八千八百五十億円という数字が出ましたけれども、片っ方はそれだけ多くの金額を場合によっては負担しなければいけない、二十億とか三十億円も出せないかもしれない。これは明らかに私はおかしな話だと思いますし、先ほど冒頭申し上げました、日本としてどうしたいかって考えれば、その八千億円強のお金を少しでも削ってICC条約に加盟して締結するのが正しいやり方だと思いますが、その点について、外務大臣そして総理にもその考え方、伺いたいと思います。

○国務大臣(麻生太郎君) 考え方はいろいろあるんだと思いますが、たまたま今、二十五億というのは結構大きな金だと私自身はそう思っております。しかし、今この段階においてこの沖縄の海兵隊の移転の問題というのは、これは長きにわたって日本の国土の限られた原野に、分野に日本の全基地の七五%が集中という状態がずうっと続いているという状況に関して、少なくともその状況を少しでも早く少なくしようというチャンスというものに関していまして、私どもは少なくとも積極的に何らかできることはということを申し上げているというのがその背景だと思っております。  ICCも、これすごく重要な話でもありますし、私どもにつきましても、これは国際犯罪というのは結構な数で増えてきておりますんで、そういった意味で、今後とも努力されねばならぬ問題だと思いますが、今言われましたように、この沖縄の問題とこれと一緒の話というのは、ちょっと私の感覚とは少し違うような感じがいたしますが、いずれにしてもICCは大事な問題だと思っております。

○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 国際裁判所に対して日本はどの程度負担するかという問題と、沖縄の米軍基地の負担を軽減するために日本がどの程度の費用を負担するかという問題とは別の問題だと私は思っております。

○浅尾慶一郎君 それはもちろん別の問題ではあります。しかし、私が申し上げたいのは、片っ方で八千億円強のお金をもしかしたら出すかもしれないと、片っ方で二十五億、たしか二十五億、大きなお金ですよ。でも、二十五億が大きなお金だったら八千億というのはどんなお金なんですか、物すごく大きなお金になるじゃないですか。

ですから、そこはうまく予算を配分し、外国ともしっかり、米国ともしっかり交渉をし、日本側の負担、その負担が本当に必要なものなのかどうか、納税者に分かるような形にするべきだということを申し上げさしていただいているわけであります。  
この日米の負担の在り方について探すということに、合意した文書は、これは何もお金を上げなくてもいいというふうに読み取れるわけですね。融資でも構わないというふうにこの合意文書では、ここからは読み取れると思いますんで、その八千何百億という負担を急ぐためということであれば、日本側からする提案はせめて融資という形にするべきだというふうに思いますが、いかがでしょうか。

○国務大臣(額賀福志郎君) お答えいたします。  
今、日米の間でそういう細目について協議をしているわけでございますけれども、日本側の負担が浅尾委員の言うとおり決まっているわけではありませんし、これからそれは決めていくことになります。様々な負担の形態について今詰めの作業をしているところであります。委員のおっしゃるような意見も議論されていることは事実であります。

○浅尾慶一郎君 私は、これから防衛施設庁の話に入ってまいりますけれども、防衛庁そして外務省に是非しっかりと交渉していただきたいということを申し上げさしていただいて、防衛施設庁の話に入ってまいります。  実は米国との間の交渉、文書で決まったことも全然守られていないということをこれからお話をさせていただきたいと思いますが、米軍基地における労働基準法違反と、お配りをさせていただきました紙があります。(資料提示)このパネルに基づいて説明をさせていただきたいと思いますが。

これ、二〇〇三年、三年前、この参議院の厚生労働委員会で質疑をさせていただきました。ちなみに、説明のために申し上げますと、米軍基地で働いていられる従業員の方は、形態上、雇用主は防衛施設庁長官であります。したがって、日本の労働法制が適用されるということでありますが、違反の状況としては、時間外勤務等に関する労使協定作っていない、臨時従業員に対する有給休暇与えていない、年次有給休暇制度繰り越していない、るるあるわけです。妊産婦等の有害業務禁止、就業させているわけですね。  これについて厚生労働大臣は、二〇〇三年、三年前の段階で、平成十五年の段階で、日本の労働基準法が適用されていると、使用者は三六協定の締結、届出義務がある、就業規則の作成、届出義務があるとはっきりと答弁をされています。三年間たちました。

更に調べたら、日米地位協定にはしっかりと雇用及び労働の条件は日本国の法令で定めるところによらねばならないと書いてあるわけです。つまり、米側も日本の法制に従うということを地位協定でしっかりと認めているわけですね。にもかかわらず全然変わっていない。これはなぜですか、三年前に指摘しています。

○国務大臣(川崎二郎君) 今御指摘いただきましたように、日本国政府と米国政府との間の地位協定上の問題でございます。  
政府の窓口である防衛施設庁を中心として関係省庁が連携して対応することが必要であると認識しており、平成十五年の議員の御質問を契機として、この問題の改善を図るために防衛施設庁を中心として米国側との定期的な協議を開始しております。その中にも厚生労働省も参加いたしております。

これまでに労働基準法に関して改善の必要のある項目、四項目については合意がなされました。直近では、一週間当たりの所定労働時間四十時間とすることと、これは十八年の二月でございますけれども、合意を得たところでございます。

労働基準監督機関、本来、使用者への自主的な改善を促し、結果として改善が図られることが重要であると。この問題、正に改善のために努力を続けられているという中と承知いたしております。

○浅尾慶一郎君 今、地位協定上の問題とおっしゃっていますが、地位協定には雇用及び労働の条件は日本国の法令で定めるところによらなければならないと書いてあるんですよ。地位協定に全く問題ないんですよ。答弁おかしいんじゃないんですか。

○国務大臣(川崎二郎君) いや、日米地位協定上でそう書かれているから、労働基準法というのは適用される。それに従って民間雇用者と同じように、民間企業と同じように、その労働基準法が守られるように個別折衝をいたしておりますと。十五年から米軍との間、実質の雇用者であります米軍との間の調整もいたしております。そして、先ほど申し上げたように、四つの改善点が付きましたけれども、残された問題があることも承知いたしております。

○浅尾慶一郎君 三年間、しかもその日本の法制守らなきゃいけないと書いているのに、なぜ三年たつのかということと、そして、先ほど申し上げました、法律はしっかりと守っていただかなければいけないわけですから、労働基準監督機関における監督指導の流れというのがありまして、労働基準関係法違反が確認された場合は、まず是正勧告というのを出すことになっています。三年間、厚生労働省は防衛施設庁長官に対して是正勧告出してないですよね。なぜ出してないんですか。

○国務大臣(川崎二郎君) そこは、先ほど申し上げたように、日本の国と米国との協定から始まっているわけですから、我々政府全体としてその問題に対処していると。したがって、厚生省は防衛庁と一緒になって米軍と交渉していますよと申し上げているんです。

○浅尾慶一郎君 ですから、まあ都合が悪いからごまかされているんだと思いますが、日米地位協定には日本の法制を守らなきゃいけないと、アメリカが認めているわけですよ。守んなきゃいけない、それに署名しているわけですよ。ですから、すぐにやればいいだけの話なのをやらないから、先ほどの、それなら要求すれば八千億も出してくるというふうに向こう側は思うかもしれない。

ですから、私は、まずは是正勧告をするなり、すぐにこの法律違反を正すのが正しいやり方だと思いますが、総理いかがですか。

○内閣総理大臣(小泉純一郎君) そういう法律の下に今改善しようと努力して改善されている点と、いまだ不十分な点があるということで折衝中だという厚労大臣の答弁のとおりだと思います。

○浅尾慶一郎君 私は、余りこの議論をしてもまともなお答えにならないんでこれ以上続けられないと思いますけれども、もう一点だけ申し上げておきますと、別に米側と、この日米地位協定第二条五項というのがなければ、それは折衝するというのは当たり前だと思うんです。しかし、もう既に地位協定でもって日本の法律は守るということをアメリカが言っているわけですよ。にもかかわらず、三年掛かって全然進まないというのはなぜですかということを伺っているんですよ。

○国務大臣(川崎二郎君) 先ほど申し上げましたように、委員の御指摘をいただいて十五年からこうした協議に入っております。そして……

○浅尾慶一郎君 地位協定……(発言する者あり)

○国務大臣(川崎二郎君) 何ですか。──現実問題として週の所定勤務時間四十時間への削減、失礼しました、先ほど二月と言いました、一月二十四日、妊娠中の業務転換、平成十六年八月二十七日、妊産婦の時間外勤務の制限及び休日勤務の禁止、平成十六年八月二十七日というような形で、四項目にわたって調整が付いたところでございます。未整備の問題も私ども承知しております。鋭意努力をしてまいりたい。

○浅尾慶一郎君 これ以上質問しても、この答え、この問題についてまともに答えていただけないと思いますが、日本の法律だけではなくて、アメリカ側も日本の法律を守ると、しかもはっきりと雇用の問題について守ると書いてあるわけですからそれはしっかりとやっていただきたいと。併せて、高齢者雇用促進法の、これは義務規定ではなくて努力規定でありますが、そういった問題についてもしっかりと取り組んでいただきたいということを申し上げさせていただいて、次に防衛施設庁の談合問題について取り上げていきたいと思いますが。

この防衛施設庁の談合の話は、私は構造的なものだったというふうに思っています。どこに、いろんな構造的な問題がありますが、一番の問題点は、公益法人というところには天下り期間二年間が適用されないと。適用されない中で、じゃその公益法人が、その間そこに天下った人たちがどうやって食べているかということを調べてみましたのが二枚目の表であります。(資料提示)

財団法人防衛施設技術協会における調査研究業務の丸投げ状況ということで出させていただきましたが、平成十四年度、十四件受託しました。それを再受託、これ丸投げですね、十四件全部丸投げしました。十五年、十四件受託して十四件また丸投げ、十六年は十八件受託して十七件、ほとんど丸投げ。そして、その金額の差額、トータルの五億一千六百万と三億二千二百万の差額が正にその天下りをしている人たちの二年間の人件費になっています。

これ、どういう業務を丸投げしたのかというのも聞かせていただきました。いろいろあるんですけれども、岩国の基地の沖合移転、これの調査というのをこの防衛施設技術協会でやるということになっていましたけれども、その業務を民間のコンサルティング会社に再委託をしています。何を民間のコンサルティング会社がやっているかと調べたら、議事録の作成を民間のコンサルティング会社がやっていると。そして、じゃ防衛施設技術協会で何をやっているんですかと聞きましたら、委員の選任ということなんですが、委員の選任は実は防衛施設庁と協議してやっていると。ですから、正に何にもやっていないんだ、何にもやっていないで三年間でこのお金が行っているということであります。

これは私は、防衛施設技術協会だけの特異な事例かなと思っていましたけれども、どうもそうではないと。公益法人が随意契約、競争入札じゃなくて随意契約で受注しているいろんな事業あります。これ是非、総理にお願いしたいんですが、これ全部洗い出していただいて、その財団法人や社団法人にどういう人が天下りしていて、その各財団法人、社団法人がどういう業務をやって、そこで再委託がないかというのを是非洗い出していただきたいと思いますが、私が調べた範囲だけで申し上げますと、一番大きいのは国交省なんですけれども、国と、国交省とその国交省傘下の公益法人との間で、平成十六年だけで一千六百六十八億円の随意契約がありました。その先の中身、多分何%か抜かれていると思いますが、それでもってしばらくのその天下り禁止期間を避けているんではないかなというふうに思いますが、簡潔で結構ですから、すべての国所管の財団法人、公益法人について、今申し上げたことについて調べるという決意を伺いたいと思いますけれども。

○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 調査してみます。

○浅尾慶一郎君 天下りの話は、基本的には私はやっぱり人事制度につながる問題だろうなというふうに考えております。同期が事務次官になるとほかの人は辞めなければいけないという今の制度に問題点があるんではないかというふうに思っていますんで、是非、だれかが事務次官になっても残りの人が残ると、あるいはもっと言えば、定年も延長してそうした天下り対策をしなくてもいいように、官製談合がやられなくてもいいようにしていただきたいというふうに思いますが、その点、簡潔で結構ですから、総理、いかがでしょうか。

○内閣総理大臣(小泉純一郎君) この問題は公務員制度改革の中で今検討しておりまして、五十代で肩たたき、辞めてくれというのは無理じゃないかと。また、六十歳になるまで今の高齢社会においては働いてもらった方がいいのではないかということも踏まえまして、先年、早期退職慣行、これを三歳引き上げようと、退職する年齢を三年間遅らせようということを、法律ではありませんけれども、この慣例を直そうということで進めております。しかし、今までの公務員制度という人事院の身分の問題、それぞれの今までの慣例の問題もありまして、三歳退職を遅らせようということでも五年掛かるというんですね。それで今始めています。これ将来、公務員制度改革のことで、三歳でいいのか、あるいは六十歳までやるのか、あるいは六十五歳まで延長するのかという問題も今議論されております。

それと、我々政界と違って、トップになった、事務次官が同期から一人なると、その同期生は全部退職しちゃうという、ちょっと政界では考えられないことですよね。若い人がトップになって、上全部辞めなきゃならない。これは若い人がなったら楽だと思いますけれども。そういう慣例があるようでありますので、これは独特の官僚社会の今までの慣例ですから、これも果たして改めた方がいいのかどうかというもう今議論しておりますから、そういう点も含めて、全体の、定年から今までの慣例あるいは能力、評価、そういう面を含めて、今後、公務員制度改革の中で取り上げていかなきゃならない課題だと思っております。

○浅尾慶一郎君 まず、委員長にちょっとお願いしたいと思いますが、先ほど総理が調査すると約束をしていただいた公益法人と国との間の随意契約の調査について、そしてそれがどういうふうに再委託されているか。併せて、それぞれの公益法人にどういう人が天下りで行っているか、その調査についてはしっかりと理事会でもその中身について協議をしていただくようにお願いしたいと思うんです。

○委員長(小野清子君) 理事会で協議をいたします。

○浅尾慶一郎君 公務員制度の問題で、定年を延長するというのは私は是非あるべき方向だというふうに思っています。併せて、しかし公務員制度のおかしいところはやはり正していかなければいけないというふうに考えています。  
この予算委員会の場において、私は、かつて昇給の問題あるいは休息時間の問題について取り上げさせていただきました。三年間ぐらい掛かりましたけれども、昇給については、勤務成績が良好であるという定義が、国家公務員の場合は年間四十日以上の欠勤がない人というのを改めた、あるいは、休息時間というものもなくなったというのは一つの前進だと思いますが、もう一つ残っている大きな課題がありまして、それがお配りしました資料の三枚目、退職金と年金の官民の問題であります。(資料提示)

先般、この予算委員会の中で、竹中総務大臣がこの退職金のところを所管されておりますので質問をさせていただきました。国の退職金、国家公務員の退職金を調べるときに、民間企業の企業年金分も調査の対象に含めていると。企業年金に該当するところが大体九百八十二万円ということで、国家公務員の方は民間企業二千七百九十万のところを二千九百四十八万円退職金を支給していると。

それは、確かに民間には企業年金というのがあります。一時金でもらうこともできます。ですから、それだけなら私は何もおかしいとは思いませんが、一方で厚生年金と共済年金を比較すると、単純平均でいきますと、厚生年金の報酬比例部分九万二千五百九十八円、共済年金は報酬比例部分が十七万二千二百五十六円ある。それは、正に職域加算の部分が多くなっていると。ですから、ここの退職金で一時金で支給をし、企業年金の部分を、そして企業年金に相当するようなもの、あるいはそれ以上かもしれません、のものも支給していると。ここは正に二重支給だから、どちらかをやめたらいいんではないかということを質問をさせていただきました。

そうしたら、竹中大臣の答弁は、企業年金、職域加算というのは企業年金代替ではないと、職域加算は身分上の制約があるからという答弁でありました。身分上の制約というのは労働基本権のことかなと思ったら、そのほか兼職の禁止とかあるいは守秘義務というような御答弁をいただきました。しかし、兼職禁止、これは民間企業でもすべて兼職が、大手のですね、正にこの調査に入られるようなところは就業規則で兼職は禁止されていますし、守秘義務も就業規則で禁止されているわけです。ですから、それを理由にされるのはおかしいと思いますが、いかがですか。

○国務大臣(竹中平蔵君) ちょっと今、是非できればその表を出しておいていただけると有り難いのでございますけれども。  
まず、ちょっと細かいことで恐縮ですけれども、上の方につきましては、これは企業年金一時金という、これは実質的に退職金でありますから、それを含めるというのはいいと、これは浅尾委員もおっしゃる。これについても金額を調整して、要するにこれ均等化されているわけです。

下の方を見ますと、職域加算というのは確かにありまして、それで九万二千、十七万二千と、これ見るとかなり大きいじゃないかというふうにテレビを見ている方思われるかもしれないんですが、これ基本的に民間と公務員と加入年限、平均で見ると随分違うわけですよね。その差が大きくなっているわけで、ちょっとちょっと済みません、この表だけ見ると、何か職域加算で物すごく多くなっているというふうに見えますけれども、これはまずそうではございません。まず、それを統一したモデルケースで見ると、それでも職域加算というのはありますので、それは私が申し上げたようなそんなに、こんな表ほど大きくないということはまず申し上げて、その上で、その上で浅尾委員の御質問でございますけれども、これはしかし、民間でもその禁止されているところはあるではないかということでございますけれども、これはしかし、法律で禁止されているのと、それで民間で運用でやっているのとは、これは根本的に違うのだと思います。そういうことを申し上げたかったわけでございます。

○浅尾慶一郎君 今おっしゃった差が大きいというのは、しかし、この数字は厚生労働省が出したものでありまして、なおかつ二十年以上の、それぞれ二十年以上入っておられる方で比較しても四万六千円、国家公務員の方の方が多いんですよ。四万六千円、国家公務員の方の方が年金が多いというのは事実なんですから、ですから、民間企業だと期間が短いとかっていうのは変、おかしな話だと思います。

それから、もう一点申し上げますと、法律で禁止されているから多く払うと。民間企業の就業規則は守らなくてもいいというのは、これは民間企業の方に対して失礼ですよ。

○国務大臣(竹中平蔵君) いやいや、どうしてですか。民間で守らなくていいなどと、だれもそんなことは申し上げておりません。それは、法律でそういう制約を受けているか、いろんな条件の中で任意に決めてるかということは、これは身分の保障上、根本的に違うということを申し上げているだけで、そこはもうきちっと御理解をいただきたいと思います。

○浅尾慶一郎君 まだ様々議論をしなきゃいけないところですが、私の時間が参りましたんで、最後に一言だけ。

その法律の問題について、法律で禁止されているからこれだけ多くの特典があるというのは、民間企業の就業規則を守ってられる方に対してやはりこれは納得を得られないということだけ申し上げたいと思います。

 

2006年03月09日 (木)

参議院 予算委員会 8号 平成18年03月09日

164-参-予算委員会-8号 平成18年03月09日

○浅尾慶一郎君 まず最初に外務大臣に伺いたいと思いますが、日中関係につきまして、昨年、日本の在外公館に対して様々な国際法上違反の行為を中国国内において行われているというふうに承知いたしておりますが、この点について、認識及び原状回復、そして謝罪をどのように求めていくか、お答えいただきたいと思います。

○国務大臣(麻生太郎君) 今御質問のありました中国国内で生じたデモに、言わせていただくと、公館に対する暴力行為というのに当たりましては、累次にわたって損害というものが、賠償金を含めて中国側に責任のある対応をせいということで求めております。中国側は、中国側が責任を負うという態度を取っております。

国際慣例及びいわゆる国際法に関連するいわゆる原則にのっとって責任を負ってもらうということですが、適切に処理の旨述べておりまして、原状回復作業につきましては、在中国大使館、大使公邸の修復が昨年十二月をもって基本的に終了、また、上海総領事館につきましても中国側と技術的な調整を進めているというところでありまして、順次修復を進めているところで、今外壁パネルが少し残っていると思っております。

陳謝につきましては、現時点で中国側よりそのような表明というのはなされておりません。引き続き中国側に、適切な対応は必要だということで、私ども、相互信頼の上からもこれはしてもらいますということで、過日の日中のときもこの話は出させていただいております。

○浅尾慶一郎君 続きまして、日本とイランとの関係について伺いたいと思いますが、イランの核開発について、まず現状をどのように把握されているか、お伺いいたします。

○国務大臣(麻生太郎君) 極めて憂慮するべき事態になっておると思っております、イランの現状につきましては。  
で、浅尾先生御存じのとおりに、六日夜に、今日が九日ですか、六日夜にラブロフ、ラブロフというのはロシアの外務大臣ですけれども、モッタキという人と会っております。私が会ったのはその前に会っておりますんで、ラブロフに対して電話をして、ちょうどカナダに行っておりましたんで、あしたからライス国務長官と会うという話だったんで、電話をしておりますんで、私どもがモッタキと話した内容とモッタキがロシアに言っている内容と裏が違ってたら、きちんとしておかぬと、向こうの話にそのまま、口車とか、向こうの言い分をそのままうのみにするわけにはいきませんので、ラブロフに、どのような話をしたのかという話の、私どもとして裏を取らしていただいたと。裏を取るというのはあんまり品のいい言葉じゃないですけど、まあ大体お分かりいただけると思いますんで、確認をさせていただいたというのが正確なところだと思いますが。

ロシアとしてもいろいろ条件を出して、濃縮の段階で、御存じのように遠心力を掛けて、遠心分離ずうっとあれ上げていくやり方になっておりますんで、そこのところで、いわゆる研究開発的なものは断固維持するというイランに対して、IAEA含めロシアも駄目と、そこのところの、途中のところについてはロシアの国内でやられたらどうですかという話がロシア側の提案であります。それで、そういった内容なんですけど、その詳細なやり取りにつきましては、これ両方黙っている約束をしておりますんで、内容をちょっと申し上げられませんけれども。

いずれにいたしましても、イランの今のまんまいきますと、これは国連の安保理に付託されることはもう間違いないということになっておりますんで、そうなりますと、これから後は、これは、技術的な話から今度は政治的な、国際、安全保障理事国での話になりますんで、日本も理事国の一つでもありますし、いわゆるこの種の話の議長もさせていただいておるところでもありますので、これはちょっと正直、極めて深刻な事態になりつつあると私ども認識をいたしております。

○浅尾慶一郎君 仮に安保理に付託になった場合に、まあ最悪のケースは、イランが頑張って、結果として経済制裁になるということだと思います。これは我が国にとっても余り望ましいことではないというふうに思いますが。

まず、仮に経済制裁になった場合、日本の輸入の原油の一四%はイランから来ているということだと思いますが、経済産業大臣に伺いますが、そもそも原油というものは、これは、LNGじゃなくて、原油は国際市況商品なのか、あるいは長期的に確保しておかなければいけない商品なのか、どちらの理解かということをお答えいただきたいと思います。

○国務大臣(二階俊博君) まず、イランの石油問題につきまして私たちも重大な関心を持っておりますので、先般、モッタキ外相が来日の際に私どもにもお訪ねがありましたので、お目に掛かってイランの核問題に対しての我が国の懸念について十分意見を述べるとともに、モッタキ外相には、帰国後、上層部にもしっかりこの日本の意向を話してもらいたい。同時にまた、イランの日本駐在の大使が私どもの省をお訪ねになりまして西野副大臣と応対をいたしております。

そこで、御質問でありますが、我が国は現在、国内消費量の百六十九日分の石油備蓄を保有をいたしております。他方、イランからは日量、御承知のとおり、五十八万バレル、これは全輸入量の一四%、先ほど議員が御説明になったとおりでありますが、輸入しております。  そこで、仮に、仮定の問題でありますが、イランからの石油輸入が全く途絶えてしまったというふうな状況のときには、この石油備蓄を取り崩せば千二十七日間は耐えることができる、これが計算上そういうことになっております。

そこで、まあ万一そういうことになった場合にはどういうことになるか。お互いにこのことは大変憂慮すべきことでありますが、他の国々とも協力、協調しながら、特にサウジアラビアなどの供給余力のある産油国に増産の要請をする。さらに、国際エネルギー機関の加盟国と協調しながら石油備蓄を活用するなど、エネルギー政策を所管する大臣として石油の安定供給確保に万全を尽くす所存であります。

○浅尾慶一郎君 いや、私の質問はもう少し簡単な質問でありまして、つまり、長期契約がないと入ってこないというものなのか、それともスポットで市場で買えるというふうに考えておられる。まあこれは一かゼロかで答えられないかもしれませんが、どちらに比重があるか。それによって日本の資源外交あるいは資源戦略というのは変わってくるだろうということなので、その点についてお答えいただきたいと思います。

○国務大臣(二階俊博君) それはケース・バイ・ケースでありまして、今後私ども、先ほども申し上げましたように、エネルギー政策を所管する省として国民の皆さんに不安感を抱かせることのないように努力をしてまいりたい。  
したがって、核の問題等において、これを今外交努力を続けておるところでありますが、しっかり対応していくことがまず一番であって、そして技術的な面での購入問題についても十分配慮してまいりたいと思っています。

○浅尾慶一郎君 いや、もう少しはっきり申し上げますと、仮に国連の安保理が経済制裁をした場合に日本が付いてくるだろうかというのが国際的な心配が若干あるわけであります。で、私は、これは仮にそうなったら、これは日本は付いていかざるを得ない、付いていくべきだというふうに考えておりますが、その中で石油というのは、むしろ多分その多くの考え方というのは、今はいろんなところで買えるんだという考え方が民間の間では主流になりつつあるんではないかなというふうに思いますが、大臣はそれをどういうふうに考えるかということです。

○国務大臣(二階俊博君) お答えいたします。  現に我が国の輸入量のイランは一四%を占めておるわけでありますから、我々はこのイランとの関係というものは極めて重要視をいたしております。したがって、どこからでも買えると、それは平時のことであって、いったん国際的に紛争あるいは核の問題をめぐって等、国際的な新たな展開がなされた場合に、これは予断を許しませんから、慎重の上にも慎重に、二重三重の購入の道を常に整備しておく、整えておくことが大事だと思っております。

○浅尾慶一郎君 ちょっと議論がかみ合いませんので外務大臣に伺いますが、私、今安保理で仮にそういう制裁決議が出た場合には日本は従うべきだ、当然従うべきだというふうに思っていますが、外務大臣はどのようにお考えですか。

○国務大臣(麻生太郎君) これは浅尾先生、ゼロか一かみたいな話でなかなか難しいところだと思いますが、仮に国連安保理事会で全会一致で決められたときには、日本もそれに従わざるを得ません。

○浅尾慶一郎君 それでは、次の質問に移らさしていただきたいと思いますが、今日は与謝野経済財政担当大臣もお越しでいらっしゃいますし、竹中総務大臣もお越しでいらっしゃいますが、まず与謝野大臣に、名目成長率、これはどういう式で出されるか、ちょっとお答えいただけますか。

○国務大臣(与謝野馨君) 名目成長率の定義ははっきりしておりまして、実質成長率プラスインフレ率を加えたものでございます。

○浅尾慶一郎君 それでは、名目金利はどういう定義でございましょうか。

○国務大臣(与謝野馨君) 名目金利は市場で決まる金利でございまして、デフレーターその他を考慮しない、実際に市場実勢として存在している金利のことでございます。

○浅尾慶一郎君 名目金利は、実質金利プラス期待インフレ率で決まるということでよろしゅうございますか。

○国務大臣(与謝野馨君) それプラスリスクプレミアムでございます。

○浅尾慶一郎君 リスクプレミアムはそのとおりでしょうけれども、国の場合はリスクプレミアムゼロと、例えば国債の金利の場合はリスクプレミアムゼロと考えてよろしいでしょうか。

○国務大臣(与謝野馨君) それは、それぞれの国の金融政策、財政規律等で決まってくるわけでございまして、すべての国のリスクプレミアムがゼロということはあり得ないと思っております。

○浅尾慶一郎君 それでは、日本の場合のリスクプレミアムはいかがでしょうか、円で。

○国務大臣(与謝野馨君) それは、財政規律が緩むとか、あるいは中央銀行の金融政策があいまいであるとか、中央銀行の金融政策自身が世界の信認を失うような場合は、リスクプレミアムが当然高くなるというふうに考えております。

○浅尾慶一郎君 我が国であっても、しかも円表示であってもリスクプレミアムが出る可能性があるというふうに御答弁だというふうに理解しますが、確認のためにもう一度。

○国務大臣(与謝野馨君) それは今後の財政規律、金融政策によるものだと思っておりますし、日本の経済が上がったり下がったりという不安定な状況ではリスクプレミアムは当然増えていくと思っております。

○浅尾慶一郎君 なぜその二つを細かく伺っているかといいますと、竹中大臣もお越しでいらっしゃいますが、名目成長率の方が名目金利より高くなると主張をされておられます。

これ、まあそれはそうなれば理想的なんですが、実際にはこの名目成長率、先ほどおっしゃっていただいたように実質成長率プラスインフレ率、名目金利は実質金利プラス期待インフレ率、リスクプレミアムゼロとしてもですね、期待インフレ率であります。

だとすると、どういう場合にどういうふうに分けたら名目成長率は名目金利より高くなるのか、御説明いただけますか。

○国務大臣(竹中平蔵君) まず、名目金利と実質金利に関して言うならば、実質金利というものが目に見える形で存在しているわけではありません。我々にとって目に見えるのは名目金利だけでございます。そこから計算をして、期待インフレ率を何らかの形で計算して引いたものを実質金利というふうに呼んでいるわけでございます。したがって、名目金利、実質金利の関係というのはそもそもそういう関係であるということをまず認識しなければいけないということ。

どうすればできるかということでありますけれども、委員おっしゃったように、名目成長が高くなればその方がよい、理想であると。現実に、長い期間を取りますと、名目成長率の方が日本の場合は高かったと。今この瞬間を取っても日本は名目成長率の方が名目金利より高いと思いますが、これはまあ、実は水掛け論といいますか、高いときもあれば低いときもあると、もうそれ以上のことは言えないんだと思いますが、それを実現するためには、実質成長率をできるだけ高く保って、そして一方で穏やかな適度なインフレ、デフレを克服してインフレにする、一方で通貨供給等々をしっかりと安定させて名目金利をできるだけ低く保つような金融政策を行う。つまり、適切な経済政策と適切な金融政策を組み合わせてできるだけそうなるように努力するということだと思っております。

○浅尾慶一郎君 大変言葉は多いんですけどね、なかなか理解しづらい説明だというふうに思います。

具体的に言いますと、実質成長率と実質金利、実質成長率の方が実質金利より高くなるという説明であればよく分かるわけでありますが、実質成長率が実質金利を超えるということは、お金を持っている人からすると、じゃ何でその人にお金を貸さなきゃいけないんだということになるわけでありますから、そうならないんではないか。

あるいは、インフレ率の方が期待インフレ率よりも高くなるから名目成長率の方が名目金利より高くなるという説明だとすると、市場に参加する人が期待値で持っているインフレ率よりも実際のインフレ率の方が常に高いということは市場が万能ではない、市場参加者がある種政策を作る人よりも愚かであるということになると思いますが、その点についていかがですか。

○国務大臣(竹中平蔵君) 大変難しい御質問ですけど、本質的な御質問で、そういうことがあるのかどうかということを多くの経済学者が分析しております。そういうのをデフィシットギャンブル、デフィシットギャンブル、赤字をやる方が得だという議論になるわけでございますけれども、そういう議論に対して、これはいろんな、より高度な解答あり得ますけれども、歴史的な事実としては名目成長率の方が高かったということ。そして、区別しなきゃいけないのは、そういう議論をするときの金利というのが、ともすれば民間の金利を想定した成長率の議論をしているわけでございますけども、民間の金利と国債の金利は違う。したがって、理論的な、今、浅尾委員は理論的なお話をしておられますけれども、理論的な分析の帰結としてどちらの方が、つまり国債金利と名目成長率とどちらが高くなるということに関する確立された考えはないというふうに承知をしております。

○浅尾慶一郎君 いや、確立された考え方がないとかあるとかという話をしているわけではなくて、そのことをベースにもう既にいろいろ政策を決めておられるわけですね、あるいは主張をされているわけですね、名目成長率の方が名目金利より高くなるということを、竹中大臣はそのことをベースに主張された、少なくともそういうふうに報道はされております。

そうだとすると、今も、繰り返しになりますけれども、実質成長率の方が実質金利より高くなるのか、インフレ率の方が期待インフレ率より高くなるのか、それは別に確立されてなくても、どういう形でそういうふうに考えられたか。過去十年間そうだったというのは、過去十年間日本がデフレだったからそうだったわけでありまして、ずっとそうだったということにはならないと思います。

○国務大臣(竹中平蔵君) 理論的な頭の整理としては、これはいろんな整理ができるということだと思います。私は、それに関して特定の頭の整理をしていると、それについてこういう構図であるということをお話ししたことはございません。

そもそも名目金利と、そして名目成長率に関してはいろんな事実がございますから、私としては、私が申し上げているのは、長期的な事実としては成長率が高かったということと、したがって、高い低い、いろいろあるだろうけども、今後とも名目成長率が高くなるような運営をすることが望ましい、私が申し上げているのはその二点のみでございます。

○浅尾慶一郎君 一つ一つ伺っていきますが、今、長期的に高かったとおっしゃっているのは九〇年代以降のことではありませんか。

○国務大臣(竹中平蔵君) いや、長期というのはもっと長期でございます。日本の場合で私が長期と申し上げるのは、まとまった統計が取れる一九六〇年代から約四十年間ぐらいの数字、アメリカ等々では百二十年とか、もっと長い、失礼、百二十年とか七十年とか五十年とかありますけれども、そういう長期について高かったと。これは先ほどのデフィシットギャンブルの議論等々でもよく引用されるケースでございますので、そのことを引用として御紹介させていただいております。

○浅尾慶一郎君 なぜこのことにこだわるかといいますと、名目成長率の方が高くなるという、あるいは名目金利の方が低くなると、特に国債金利というふうに置き換えて言った方がいいかもしれません。だとすると、そのときに国債を買う人というのは、まあリスクプレミアムがゼロだから買っているということなのか、それとも、要するに名目成長率の方が高くなるんであれば、お金持ってる人はもっといい投資先があるはずなのにもかかわらずなぜそういう投資をするということ、まあ歴史的にそうだったということであるかもしれませんが、その背景はなぜそうだったかというふうに。

○国務大臣(竹中平蔵君) それはリスクに対する評価ないしはリスクをテークする情報がどれだけあるかということもありますし、これを一つの要因で説明することは、これはやはりできないと思います。歴史的事実がそうであったということ、その事実に対してなぜそのような投資行動を取ったのかということに対して今委員は質問をしておられるわけでございますが、そのときにアベイラブルな情報、そのときに利用可能な他の代替資産、それに対する期待等々が当然違ったわけでございましょうから、それに基づいてそういう投資家としては行動を取ったと、ちょっと私としてはそれ以上申し上げる材料はございません。

○浅尾慶一郎君 一点だけ確認させていただきたい。

理論的に説明することはなかなか難しいという答弁でよろしゅうございますか。

○国務大臣(竹中平蔵君) 画一的な形で説明するのは難しい。それに対していろんな形で理論的に説明しようという試みはいろいろなされて、幾多の論文が書かれていると承知をしております。

○浅尾慶一郎君 理論的に難しいということで、幾つかの論文があるけれどもなかなか統一的なものがないということだと思いますが、一方で竹中大臣は、そうなるように政策運営をするというふうにおっしゃっています。理論的に説明できないのに、どうやって政策運営するんですか。

○国務大臣(竹中平蔵君) 私が説明できないというのは、投資家の行動としてコンシステントに説明できる考え方がないというわけですけれども、そういう行動があったというのは事実でございますから、そういう行動があり得るということを前提にすれば、政策の側としては安定的な経済成長、安定的な金融政策を行うということが求められている、そのように申し上げております。

○浅尾慶一郎君 確認させていただきますと、政策として、名目金利を常に名目成長率より低くするということを政策的にできる手だてがあるというわけではないという理解でよろしいですね。

○国務大臣(竹中平蔵君) そういう手だてがあれば、各国そのようにしているんだと思います。現実にはいろんな場合があるわけですから、いろんな外的なショックもございましょう。

ただ、政策当局としては、正に委員もそれが理想的だとおっしゃいましたから、そういう時期もあったわけですから、そういうことを目指して経済の運営の概念を構築すべきであろうというふうに考えております。

○浅尾慶一郎君 まあ理想的というふうに申し上げたのは、少し訂正させていただきますと、国の財政にとっては理想的ですが、資本家にとってそれが理想的かどうかは、資本家からするとそれは間抜けな行動というふうに取られてもおかしくはないと思いますが、そこはちょっと訂正させていただきたいと思います。

与謝野大臣に伺いたいと思いますけれども、今経済財政を担当されているわけでありますけれども、この点に、今の議論について、本当に名目金利の方が名目成長率より低くなるのか、そうなれば確かに国債がいろいろあっても何とかもつということだと思いますが、それが本当に実現できると考えておられるかどうか、お伺いします。

○国務大臣(与謝野馨君) 理論的には、名目金利が名目成長率より低いという状況が長く続くと仮にいたしましたら、それは平均的企業に投資をしていれば幾らでももうかるという話でございまして、多分そういうことが長期に続くということはあり得ないと思います。

戦後の金利の歴史を見ますと、やはり戦争が終わった後は統制経済でございまして、金利は統制されていた、長期金利が市場で決まるということはなかったと私は理解をしております。その後、市場が少しずつできましてからも、やはり歩積み両建てというのがございまして、表面的な金利は低いけれども、金融機関は歩積み両建てで金利を稼いでいたということですから、実際の金利水準がどの程度であったかということは、もちろん研究はありますけれども、その数字をそのまま引用すると間違うんだろうと思います。

私どもは、一九八〇年以降の日本の金利水準を取ってみますと、やはり名目金利の方が若干成長率より高いと、こういうことは言えるわけでございますけれども、最近のアメリカの情勢を見てみますと、これはグリーンスパンさんも不思議な現象だというふうに言われたわけでございますが、明らかに名目成長率の方が名目金利より高いという現象が、まあここ三年ほど起きているわけでございます。これはまあいろんな説明ができるわけでございます。

そこで、私どもとしては、財政再建をやるためのいろいろな計算はいろいろ、成長率、金利、こういうもののパラメーターをいろいろ変えながらいろんなケースについて御提示をいたしたいと、そのように思っております。

○浅尾慶一郎君 経済財政諮問会議の委員の中でも意見が違うということは、それはいいことだと思いますが、同じメンバーである官房長官ももし今の件について御意見があれば伺いたいと思います。

○国務大臣(安倍晋三君) この件につきましては、総理がもう既に答弁をしているわけでありますが、六月に向けて、歳出歳入の一体的な改革に向けて取りまとめを行っていくわけでありますが、あらゆるケースについて幾つか選択肢を提示をしてもらって、その上にあるべき姿を考えていきたいと、こんなように思っております。

○浅尾慶一郎君 この点についてはこれ以上質問しませんが、是非その合理的に考えられるような説明のやり方で経済政策をつくっていただきたいということを申し上げたいと思います。

次に、ライブドア問題、耐震偽装問題について伺っていきたいと思いますが、私は、この問題はいろんな問題があると思いますが、とにかく法律違反ぎりぎり、あるいは法律の線を越えてもばれなければいいというような風潮が、ある種そういうものを生んできているんではないかなというふうに思います。そういう中におきまして、じゃ、どういう抑止があったら、抑止的な制度があればそういう行為を取らないかということも、やはり今後、真剣に国会の場においても議論をしていかなければいけないというふうに考えておりますが、まず、その議論のための材料として英米法、特にアメリカにおいて取られております懲罰的損害という考え方がございますが、このことについて法務大臣、御説明いただけますか。

○国務大臣(杉浦正健君) お答え申し上げます。

懲罰的損害賠償の制度は、イギリスに起源を発しましてアメリカで発達した制度でございます。英米法に特有のもので、大陸法系にはございません。

アメリカで発達したのは陪審制度が関係しておりまして、陪審員が損害賠償額をケースに応じてどんどん上げていくということがございました。この制度は、加害行為の質が悪い、悪性が強い場合に、加害者に対する懲罰を加えると。それから、そういう行為、悪性の加害行為に対する一般的抑止効果を目的とするということでございまして、これがアメリカの古き良き時代等々で非常に一定の効果を現したことは間違いないようでございます。

ただ、最近は反省もあるようでございまして、余りにもその懲罰、賠償額が高額過ぎるとか、あるいは余りにも高い賠償金額で倒産すると、会社が、そういうのも多く出てまいりました。訴訟社会をつくる原因の一つでないかとか、そういう批判もございまして、今のところ、アメリカの方では州によっては大体実損の三倍ぐらいを目安に、法律的に上限はないわけですが、取ったのが、州によってはそれを金額の上限を設けるとか、あるいはその二倍とか三倍を限度とするとか、あるいは両方を取って、そのどっちか多い方とかいう制約を加えている州も幾つかございます。で、連邦でも制約を加えるべきだということで、いったん法律が通過したようでありますが、大統領が拒否をして実施に移されてないというようなことでございます。

この制度を、先生はこれを導入したらどうかというお考えのようなんです。検討したらどうかというお考えのようなんですが、我が国の民法に導入することについては、まあ御案内のとおり、我が国における損害賠償制度が被害者に生じた実害、実際の損害のてん補を目的とするというものでございまして、加害者に対する制裁はむしろこれは刑事罰でやるべきじゃないかとか、刑事罰と混同されているところもあるわけでございまして、そういう制度を設けようとしたらいろいろ批判がございます。

で、最高裁の判例がございまして、平成九年の七月十一日の最高裁判決。これは、アメリカで懲罰的損害賠償を命じた、日本の企業に対してですね、その判決を日本で執行するために執行裁判になった事件でございますが、ここでは、最高裁判決は、不法行為の当事者間において、被害者が加害者から、実際に生じた損害の賠償に加えて、制裁及び一般予防を目的とする賠償金の支払を受けることは、我が国における不法行為に基づく損害賠償制度の基本原則ないし基本理念と相入れないものであるとしまして、棄却しております。そういうこともございます。

それから、我が国の場合、特に名誉毀損に対する損害賠償に著しいんですが、いわゆる損害のうちに精神的損害、慰謝料ですね、この金額を、交通事故においてもその他においても、特に名誉毀損においては裁判所が増額している傾向がございます。その精神的損害、無形の損害の賠償額を増やすことによって、事実上、何といいましょうか、この制度の考え方に近い方向に向いているやに見えますが、しかし、実際、形の上では実損をてん補するというのが我が国の不法行為の制度の原則だと思います。

したがいまして、検討するに際しましては、先生のような意見は学者の中にもございますが、もし導入する場合には慎重の上にも慎重に検討するべき問題があるというふうに考えております。

○浅尾慶一郎君 一つだけちょっと数字を通告してありますんで伺いたいと思いますが、アメリカのその実際の損害、判例でですね、実際の損害と懸け離れた懲罰的損害の額でどれぐらい差があるか、一番大きいケースで把握しているところ。

○国務大臣(杉浦正健君) 法務省に調べてもらったんですが、いろいろあるんですけれども、一番多いと目されるものは、BMWの新車を購入した者が、購入後数か月たってから、販売会社がこの車を輸送中に傷ができた、それを補修した上で、それを隠して新車として販売したと。で、販売会社が訴えられたんですが、実際の実損は四千ドルと認定したのに対しまして、陪審は四百万ドルの懲罰的賠償の支払を命じたと。で、下級審はこれを維持したと。ただし、これは連邦最高裁で差戻しをしております。

それからもう一つ挙げますと、ドライブスルーで、マクドナルドのドライブスルーで買ったコーヒーを車の中でこぼしてやけどを負った八十一歳の女性が、熱過ぎるコーヒーは欠陥商品だとして製造物責任訴訟を提起したと。十六万ドルの実損を請求したと。裁判所は、陪審ですね、陪審はそれに対して、十六万ドルの実損以外に二百七十万ドルの懲罰的賠償が命じられたというケースがございます。ただし、これは裁判官が減額しておりますが、陪審ではそういう結論を出しているのがございます。

○浅尾慶一郎君 少し、ちょっと誤解があってはいけないので、私はその懲罰的損害を直ちに入れろということを申し上げているわけではありません。しかし、今の日本の世の中、あるいは例えば会社法の体系そのものも大陸法から少し英米法的になってきていると。なおかつ、規制をなくして、原則自由という方向になってくると、皆さんが性善説に基づいて真っ当に行動していればそんなことは要らないんだと思いますが、そうでない事例が多いんではないか、だからそれは検討するべきだということで、研究をするべきだということで申し上げました。今のような極端なケースがいいかどうかと、これはいろんな議論があると思います。

その中で、ライブドアあるいは耐震偽装といったことについて、具体的に現行法令上で、まずライブドアについてどのような損害が発生を、これは株主ですね、株主が発生をし、そして証取法の中で多少の損害賠償規定というのは粉飾決算の場合はあるんですが、どの程度今の法令で戻すことができるか、その点をお答えいただきたいと思います。

○国務大臣(与謝野馨君) 有価証券報告書の虚偽によって損害を被った方に関しましては、損害額の算定が極めて難しいので、損害がどのぐらいかということをみなし規定によって算定できるようにしてあります。

○浅尾慶一郎君 その具体的な金額も、通告をしてありますので、お答えいただけますか。

○国務大臣(与謝野馨君) ただいまの推定規定の概要をお話し申し上げますと、有価証券報告書等に重要な虚偽記載があったことによる場合の発行者の責任を無過失責任として、虚偽記載等の事実の公表前後一か月の有価証券の価額の平均値の差額を損害額と推定することとしております。これは証券取引法第二十一条の二でございます。

○浅尾慶一郎君 ライブドアのケースで額を実は通告してありますので、今の証取法で認定される額としてお答えいただければと思います。

○国務大臣(与謝野馨君) 恐らく、損害賠償請求が法廷に提出された、公判請求、まあ損害賠償請求を裁判所で行うという場合、これは、このみなし、推定規定を活用して最後には裁判所が判断するものでございまして、ライブドア事件そのものについて数字を申し上げる段階ではもちろんございません。

○浅尾慶一郎君 今の法律に基づいて、法律どおりに今日例えば訴訟が提起された場合に、額として幾ら、これは法律に書いてありますから、なるかということを伺っています。

○国務大臣(与謝野馨君) それは、もちろん理論的に計算できるかもしれませんけれども、果たして行政当局がそういうことを計算していいかどうかという問題が多分あるんだろうと思います。

○委員長(小野清子君) 速記を止めてください。

〔速記中止〕

○委員長(小野清子君) 速記を起こしてください。

○国務大臣(与謝野馨君) 今のお話ですけれども、虚偽記載の事実の公表前の価格と公表後の価格の差額ということを申し上げましたが、その公表の時期というのは一体いつなのかということは、実際裁判になってみないと分かりませんので計算ができません。その時期が確定すればもちろん計算はできると思いますけれども、この時期は実際の裁判所の認定になると私は思っております。

○浅尾慶一郎君 それでは、後ほどこのライブドアについて伺います。

まず、耐震偽装の方で、現行法令上の瑕疵担保責任、販売主の瑕疵担保責任で賠償されることが命じられる額というのはどういうものになりますでしょうか。

○国務大臣(北側一雄君) 民法上、瑕疵担保責任の規定があるわけでございますが、さらに住宅取得の場合はこの瑕疵担保責任について更に強化充実をしております。住宅の品質確保の促進に関する法律というのがございまして、新築住宅の基本構造部分の瑕疵について、売主又は請負人が十年間修補や損害賠償の責めを負うこととする民法の特例がございまして、この十年間というのは強行規定でございまして、短くすることはできないと、短くしても無効だというふうになります。

○浅尾慶一郎君 いろいろ伺ってきているんですが、なぜこういうことを伺っているかといいますと、もう少し分かりやすい例で申し上げた方がいいかもしれません。

ライブドアだと被害者が投資家であって、これはよく分からないとか、耐震偽装については、これ被害者は購入者ということになると思いますが、例えば、東横インというホテルが、身体障害者のための施設を造ると言いつつ、造った後、そんなものがあっても利益にならないからというような発言をされて、それを改装した。そういうことについて、その後の記者会見で、六十キロ道路のところをせいぜい数キロオーバーしたというような発言を社長が当時されておられました。

何を申し上げたいかといいますと、規制がどんどん緩やかになると、その中で利益を極大化しようと考えるのは企業家として当然かもしれませんが、しかし、利益極大化の中で、もしちょっとグレーゾーンに入っても、罰が緩いのであればそっちの方に入ってしまうのではないか。だとすれば、規制をなくす流れの中で、懲罰的損害というような、現行の法令の中で、それを超えた場合には実際の得た利益の何倍も失ってしまうという考え方を導入すべきではないかということで、この考え方を議論したらどうですかというお話をさせていただきました。民法の中で入れるのが難しいということであれば、個別の法規の中に入れていくべきではないかなというふうに思いますが、まず、杉浦大臣、民法の中に入れられる可能性があるかどうか。

○国務大臣(杉浦正健君) 国会は立法者でございますので、国会がそうしろとおっしゃれば、そうなります。

ただ、法務省として、先ほど申し上げたような事情で、検討をするとすれば、慎重の上にも慎重に、最高裁判例もございますので、検討することに相なると思います。

○浅尾慶一郎君 それでは、例えば、民法には入れないけれども国土交通省が所管している業法の中に入れていく、あるいは証取法の中に入れていくという考え方について、それぞれ、北側大臣、与謝野大臣、いかがですか。

○国務大臣(北側一雄君) 委員の御質問は、違法行為があった場合、違法行為を抑止をしていくためにやはりその制裁を強化をしていく場合があるのではないかと、こういう御質問だというふうに考えます。

違法行為があった場合の罰としては、大きく分けまして三つあるんだろうと。一つは民事罰、損害賠償。もう一つは刑事罰、刑事責任を問う。もう一つ、行政罰というのがございます。これは制裁金を科すというまあ例でございます。

一つ、まず民事罰の話は、先ほど建築基準法の関係では、品確法の規定があって十年の瑕疵担保責任というふうに申し上げました。刑事罰については、今この建築基準法の罰則強化を検討させていただいております。今の罰則について、不十分なところについては強化をさせていただきたいというふうに考えております。

ちなみに、東横インの場合、違法な建築が全国で多数なされております。これ一件ごとに百万円以下の罰金になっておりますので、仮に刑事事件として立件されますと一件ごとに百万円以下の罰金、これが併科されますので、それはそれなりの罰金額になるのかなというふうには思っております。

問題は、その行政罰でございます。これにつきましては、確かに委員のおっしゃっているように、東横インのようなケースですが、違法な建築をして、例えば容積率を法律で定められているものよりも超えて、そしてそこに部屋を造って収入を上げたと、こういう違法行為を行って収入を上げているのを放置していいのかと、行政としてと。ここは私は検討の必要があるのではないかというふうに考えております。今の日本の法制度の中で、例えば独禁法とか証券取引法の中にはそうした行政罰としての制裁金を科すということがあるわけでございますが、私は、この建築基準法の世界の中でも、やはりそうした違法行為、違法な建築を行って一定の収益を上げている場合に、それはやはり行政として制裁金として科すようなこと、これが立法上検討できないか、これは少し時間が掛かると思いますけれども、専門家の方々の御意見をちょうだいしながら検討してまいりたいというふうに思っております。

○国務大臣(与謝野馨君) 懲罰的損害賠償制度というのは、まあ恐らく法務大臣が御答弁になったとおり、なかなか今の民法の考え方では取り入れられないわけでございますけれども、まあこの問題については更に相当議論が必要だというふうに思っております。

ただ、もう一つの刑事罰によっていろいろな不法行為を抑制するということに関しましては、この国会で提出して御審議をいただく証取法の改正の中では、最高刑懲役十年というのを導入することにしておりまして、この十年というのは、今までの刑法の考え方ですと、ほぼ自然犯のみに適用されていた刑のレベルでございまして、そういう意味では相当の重罰化ということになると思っております。

なお、北側大臣がお触れになられました行政罰に関しましては、証取法には課徴金という制度がございます。

○浅尾慶一郎君 先ほど私の考え方は申し上げさせていただきました。世の中の流れが変わってくる中で、懲罰的損害というものが日本の中に今までは余りなじまない考え方だったということだと思いますが、それがいいかどうかは別として、場合によってはそれが必要になってくる。それが必要になってくる世の中が望ましいかどうかというのは、また議論が分かれるところだと思いますが、そうだとすると、そういうことも含めて検討すべきではないかということも申し上げさせていただきたいと思います。

あわせて、これは御答弁をいただかなくても結構なんですけど、行政罰と民事罰といったときに、その主体がだれかということもその哲学が変わってくるところかなと。つまり、行政罰でもって国が悪いことを、あるいは違法行為をした者に対して課徴金を課していくというのは、やはり大きな政府にある種つながっていくところもあり得るのかなと。その懲罰的損害というのは、民事民事で、民間同士のものを裁判所が認定をし、それがいいかどうかは別として、先ほどの例えば四千ドルのもので四百万ドルの損害を訴えた人にそのお金が行くという、それは必ずしも大きな政府とは違う、だからそこは恐らく哲学が違うんだろうなというふうに考えております。

で、これはこの段階で、この短い時間でどっちがいいとかと言うつもりはありませんが、その両方を含めてもし内閣として御検討することを考える可能性があるかどうか、官房長官に伺うのが一番適切だと思いますが、もし何も、あれで、御意見がなければ結構でございますが、伺えればと思います。

○国務大臣(安倍晋三君) もう既に所管大臣から答弁をさしていただいておりますので、それで十分ではないかというふうに思っております。

○浅尾慶一郎君 それでは、次の質問に移らさしていただきたいと思いますが、先ほど名目金利、名目成長率という話をさしていただきました。これは、財政再建との絡みでそういう議論になっているんだろうというふうに思います。

私は、財政再建といったときに、まずは増税の前に資産を売却していくべきだというふうに思っていますし、また国として減らせる支出は、あるいはこれは多少苦しくても減らしていくべきだろうというふうに思っています。そういう意味で、公務員の人件費についても度々予算委員会の中でも取り上げさしていただきました。

まず、かつて私が取り上げさしていただきました休息時間の状況について、是正ということを決められたそうでありますが、人事院総裁に伺いたいと思います。

○政府特別補佐人(佐藤壮郎君) たしか昨年十月のこの予算委員会だったと思いますけれども、休息時間について多々御議論をいただきました。そのときの御指摘を踏まえ、また民間企業の実情を勘案して検討いたしました結果、やはり現行の休息時間制度というのは、これは国民に説明ができないと、これは廃止すべきであるという結論に達しました。そして、その結論にのっとりまして休息時間を廃止して、休憩時間で一本化するという形で人事院規則を改定を先般行ったところでございます。で、実施時期につきましては、若干の準備時間が必要だと思いますんで、七月一日ということにいたしております。

○浅尾慶一郎君 国家公務員の休息時間が廃止になると、地方公務員の休息時間についてどういう取扱いをすべきかということを各自治体に総務省からお話をされるんだと思いますが、どのような話をされるか、その点、まず伺いたいと思います。

○国務大臣(竹中平蔵君) 地方公務員の勤務条件につきましては、地方公務員法の第二十四条第五項に規定がございまして、国との権衡を失しないように適当な考慮が払わられなければならない、つまり地方公務員についても国家公務員に準じて考えると。そういう意味で、これまでもいわゆる例の休息時間が設けられておりました。

で、今般、国家公務員において休息時間が廃止されるということになりましたので、この対応にかんがみまして、地方公務員においても休息時間を廃止する必要があると考えております。このため、地方公共団体に対して休息時間を廃止するように助言をしたところでございます。具体的には、公務員部長の名前で各知事、担当にレターを発出しております。今後とも、地方公共団体において適切な対応がなされるように私としても助言をしてまいりたいと思います。

○浅尾慶一郎君 一点だけ、その休息時間の中で細かい点を伺いたいと思いますが、国家公務員の休息時間はお昼休みに集中をしていました、基本的にはですね。ですから、事実上、お昼休みのうち、一時間のうち三十分は有給の時間と、勤務時間としてカウントされる時間であったと。

そもそも休息時間というのは、勤務時間中の軽度の疲労からの回復を図るための措置ということで、午後三時とか午前十時に十五分間ぐらい体操をしながら休むという考え方で設けられたんだと思いますが、実際の運用ではそうなってなかったということだと思いますが、地方自治体の中には、三時、午後、要するに昼ではない時間に本来の趣旨にのっとった形で運用しているところもあると思いますが、そういうところも含めて廃止の助言をされるのかどうか、総務大臣に伺いたいと思いますが。

○国務大臣(竹中平蔵君) これは、国に準じて対応する必要があると思っておりますので、実態いろいろだと思いますけれども、均衡を失しないようにやってもらうつもりでおります。

○浅尾慶一郎君 それでは次に、先ほど内藤委員からも年金の統合について御質問、御質疑をさせていただきましたが、共済年金と厚生年金の統合で、職域加算の今後の在り方についてどういうふうに考えておられるか、所管の谷垣大臣に伺いたいと思います。

○国務大臣(谷垣禎一君) 共済年金の職域部分、これは何で設けられているかというと、公務員にいろんな身分上の制約が課せられている、こういうことから昭和六十一年に設けられたものでございます。当時の竹下大蔵大臣の国会での答弁を見てみますと、職務専念義務とか私企業からの隔離とか信用失墜行為の禁止等々というようなことを挙げておられるわけですが、そういう身分上の制約を理由に昭和六十一年に課せられたと。

そこで、今後どうしていくかですが、職域部分の取扱いにつきましては、被用者年金一元化等に関する政府・与党協議会というのがございますが、そこで政府が検討・作業方針というのを出しまして、そこでは、現在の公的年金方式としての職域部分については更に検討すると、そして職域部分を廃止する場合には民間の三階部分に相当する年金を創設する必要があると、その際、公務員制度全般の在り方や民間の企業年金の実態を踏まえることとすると、こういうふうになっておりまして、この検討・作業方針を踏まえて、これからの一元化に向けた議論の中で検討を進めていきたいと考えているところでございます。

○浅尾慶一郎君 今、職域加算を廃止する場合には民間の三階建て部分のようなものを導入すべきだという御答弁をいただきましたが、総務大臣に伺いますが、公務員の、国家公務員の退職金を計算するときに、民間の三階建て部分を含めて調査し、計算していませんか。

○国務大臣(竹中平蔵君) 国家公務員の退職手当は勤続報償を基本的性格とする、その支給水準については、官民均衡を図る観点から民間企業の退職金の支給水準を調査して、これを参考にというふうに決定をされております。

民間企業の年金、企業年金の多くは、退職一時金と代替的であるということなど、退職金制度の一環として機能しておりますので、民間企業退職金の実態調査におきましては、退職金に相当する企業年金の企業負担分もその対象に含めていると。

一方で、国家公務員共済年金の職域加算部分というのは、公的年金の中で公務の能率的運営に資するという観点から、国家公務員に様々な身分上の制約が課されているわけでございますので、兼業禁止とか再就職の制約とか、そういうものでありますので、その給付水準は民間企業の退職金としての企業年金の支給水準との関係で設定しているものではないというふうに理解をしております。

したがって、国家公務員共済年金の職域加算部分、そして勤続報償を基本的性格とする国家公務員の退職手当とは異なる性格のものでございますので、退職金の給付水準の官民比較の対象に含めていない、まあ今現状はそうなっているわけでございます。

○浅尾慶一郎君 いろいろ読まれていますけれども、要するに簡単に申し上げますと、民間企業の退職金を調査します、その退職金は民間の中のいわゆる退職一時金と、そして退職金という形、一時金としてもらうか年金でもらうか両方を含めて調査をしているはずなんです。年金でもらえる部分を一時金でもらうと大体九百八十二万だと、それも調査に入れて国家公務員の退職金を決めているんじゃありませんか。

○国務大臣(竹中平蔵君) さっき読んだのは正にそういうことでございます。国家公務員の退職金の分、それと企業の部分は年金の中にそういうものが含まれておりますので、年金の中に含まれておりますので、それはそれとして考慮をしているということでございます。

○浅尾慶一郎君 なぜそこにこだわったかといいますと、先ほど谷垣財務大臣が、仮に職域加算を廃止する場合には民間の三階建て部分、正に企業年金の部分も含めて代替措置を入れなければいけないと。もう既にその部分は調査し払っているものに更に乗せるということを言われたのかどうか、もう一度確認させていただきたいと思います。

○国務大臣(谷垣禎一君) そこはこれからの検討でございます。

○浅尾慶一郎君 これから検討されるということであれば、これは何回かこの予算委員会の中で指摘をさしていただいておりますが、これは、この部分は完全に二重支給なんですよ。二重支給でないという言い訳のために、公務員の方は現役のときに身分上の制約があるから退職した後に余計年金を払いますよと、それが職域加算なんですよという説明になっています。

ちなみに伺いますが、厚生年金と国家公務員共済年金の例えば平均支給月額の差は幾らぐらいですか。そして、地方公務員共済と厚生年金の月々幾ら差があるか、それぞれお答えいただけますか。

○国務大臣(竹中平蔵君) これはまず、決して二重計算といいますか、そういう観点ではないというふうに私たちは理解をしております。

お尋ねは金額でございますので、地方公務員共済年金の退職年金の受給一人当たり平均支給額は平成十五年度末で月額十八万八千五百九十八円となっております。  ほかのも必要でございますか。

○浅尾慶一郎君 差を知りたいので教えていただきたいと思います。

○国務大臣(竹中平蔵君) はい。厚生年金九万二千五百九十八円、国共済十七万二千二百五十六円でございます。

これは、平均の標準報酬月額の差そして平均加入期間、これもかなり違いますので、その差の反映だと理解をしております。

○浅尾慶一郎君 つまり、職域加算がある結果、厚生年金の平均が九万二千五百九十八円、地方公務員共済の平均は十八万八千五百九十八円、国家公務員共済は十七万二千二百五十六円ということで、九万円近い差があるわけですよ、そこで、既に職域加算の部分で。それはそれで、職域加算は例えば企業年金の代替措置だというふうに説明されれば世の中の人は理解するかもしれませんが、それはそうではなくて身分上の制約があるからもらっているんですと。だから、普通の企業が出している、あるいは大企業しか出してないかもしれません企業年金について、それもそっちの方は退職一時金として支給するというのは正に二重支給ではないかというふうに思っています。

ちなみに、その身分上の制約については人事院に伺いますが、制約があるからこそ人事院が民間企業を調査し、それに遜色がないような給与を出しているんではないでしょうか。

○政府特別補佐人(佐藤壮郎君) 人事院は、国家公務員の給与水準につきまして、公務員の給与水準と民間企業従業員の給与水準と均衡させることを基本に勧告を行ってきているところでございます。この際に、身分上の制約があるからとか、どうかということについては余り実は私どもとしては念頭にございません。

御承知のように、勧告に当たりましては、人事院は民間企業の給与を正確に把握した上でラスパイレス方式により精密に官民給与の比較を行っているところでございまして、勧告どおりの給与改定が行われることによって適正な給与水準が確保されているものと考えているところでございます。

○浅尾慶一郎君 特に、身分上の制約といったときに、守秘義務等は民間企業も課されられているわけですから、一番大きいのは労働基本権なんです。ですから労働基本権を付与すれば身分上の制約はほぼ民間企業と一緒になるというふうに理解していますが、その点について、どなたに、総務大臣でしょうか、どのように考えておられますか。

○国務大臣(竹中平蔵君) 労働基本権の問題は問題として大変重要な問題だと我々認識をしておりまして、中馬大臣と厚生労働大臣とともにいろいろ議論しておりますが、今の話に関して言うならば、その制約という部分は、例えば兼業の禁止でありますとか再就職に対する制約でありますとか、そういうことを含めた総合的なものであるというふうに理解をしております。

○浅尾慶一郎君 まあ官に厚いということは少し改めていかなければいけないということだと思います。

もう一点だけこの点について伺って終えたいと思いますが、なぜ年金が高くなるかということについて、追加費用があるから事実上そうなっているんだと思いますが、現在の追加費用の額はどのような計算になりますか。

○国務大臣(竹中平蔵君) 十六年度の単年度で申し上げますと、国共済が四千九百十八億円、地共済が一兆二千四百六十五億円、合計しまして一兆七千三百八十三億円でございます。

○浅尾慶一郎君 これ追加費用、今後厚生年金と共済年金統合した場合に、まさか厚生年金側にその分を負担するということにはならないでしょうね。その点をちょっと厚生労働大臣に伺いたいと思います。

○国務大臣(川崎二郎君) 当然、共済年金と厚生年金統合される、一つの年金制度になりますから、同じ掛金、同じ給付ということになりますね。

その中において、追加費用が全くゼロになってしまったときに、厚生年金側から持ち出しをしなければ公務員のOBの年金払えないという状態になることは、これは我々受け入れられない。当然、財政的な処置というものはなされなきゃならない。一方で、どのぐらいストックありますかと、ストックの問題もあります。それを勘案しながら、少なくとも厚生年金にしわ寄せが来るということだったら私はお断り申し上げます。

○浅尾慶一郎君 終わります。

 

2006年03月03日 (金)

国家公務員の「休息時間」の廃止について

人事院は3月2日国家公務員に認められている有給の休憩時間である「休息時間」を廃止すると発表しました。この休息時間の問題については2年前に国会で初めて改善について提言をしその後も何度か取り上げて参りましたので、漸く民間と同じ様に改正出来たかとの思いを強く持ちながらこのニュースを聞きました。(私自身の提言内容については、上記ホームページを御覧下さい。あるいは休息時間 浅尾で検索をして頂ければ様々な記事を見つけることが出来ます。)

そもそも休息時間とは勤務時間中の軽度の疲労の回復を計る為に設けられた制度で、職務専念義務がある代わりに勤務時間にカウントされる有給の休み時間です。つまり、本来の趣旨は3時のおやつの時間や勤務時間中の一服の時間であるべきものでした。しかし、各省共、昼休みの休憩時間30分(これは勤務時間に含まれない無給の時間)に休息時間30分を付け足すことで1時間の休み時間の内、30分は勤務時間に含まれる形を取ることで、実働時間を7時間30分にすることを延々と続けてきたのです。

2年前の国会での提言以来何度か国会の委員会の中や質問主意書という形で、休息時間の矛盾点を指摘して参りましたが、漸く改善されたことは大変喜ばしいことです。たかが30分と思われるかもしれませんが、実際の勤務時間の6.67%に当たりますので、6兆円に迫る国家公務員の総人件費に6.67%をかければかなり大きな金額になります。

この休息時間の問題については熱心にその不合理な点を指摘し、是正を私に求めてきた私の支持者の方の協力のお陰であります。今後共、市民の視点にたった指摘を多くの方から寄せて頂く中で少しでもこの国の改革につなげていきたいと思います。

参議院議員 浅尾慶一郎

2006年03月02日 (木)

送金メール問題について

3月6日より、平成18年度予算が参議院予算委員会で審議されます。予算委員会での審議は予算そのものの議論もちろんですが、国の内外で起きていることすべてを取り上げて議論しても良いことになっています。今年の1月20日から開会された国会においては、耐震偽装問題、米国産牛肉問題、ライブドア問題、そして防衛施設庁の談合問題等、通常の年であれば一つあるかないかの大きな時事的な課題が四つもあり、時事問題の追及が中心となっておりました。

まさにそうした中で送金メール問題が浮上し、有権者・国民の皆様に多大な不信感を与えてしまったことを率直にお詫びをしなくてはいけないと思っております。不確かな情報に基づいて断定的な質問をしたことの非はもちろん認めた上で、こうした事が二度と起きない様な体制作りにも力をいれなくてはいけないことは当然のことです。そして、永田議員に虚偽の情報を提供した人が何故そうした情報を提供したのかも究明し、そこに悪意がある場合には、その人に対して厳しい法的措置も取っていくことが、きっちりとケジメをつける姿勢だと思います。

私は誰が永田議員に情報を持ち込んだのかは知りませんが、現在ある人物の名前が一部雑誌も含めて公然と取り上げられております。偶々、本日食事をしたジャーナリストの話によると、もしその人物が永田議員に情報を持ち込んだとすると彼は過去に何度も同じ様なことをしているとのことでした。一番、私がビックリしたのは、まだ高校生の頃の松坂大輔投手のインタビュー記事をある雑誌に載せたそうですが、実際には一切インタビューをしていなかったことが後に分かったことです。つまり、完全にデッチ上げたインタビュー記事を掲載したそうです。もしそうした経歴のある人物が故意に永田議員を貶めようとして行ったことであるのであれば、民主党としても法的措置を取ることが責任のある姿勢です。

いずれにしてもこれからの国会審議においては、財政再建の問題も含めて、今の我国の課題と対策について真摯で建設的な議論をしていきたいと考えております。

参議院議員 浅尾慶一郎
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