あさお慶一郎(前衆議院議員 神奈川4区)

2005年10月20日 (木)

参議院 外交防衛委員会 3号 平成17年10月20日

163-参-外交防衛委員会-3号 平成17年10月20日

○浅尾慶一郎君 民主党・新緑風会の浅尾慶一郎です。

午前中も少し話題になりましたけれども、靖国神社参拝の関係を冒頭に伺わさせていただきたいというふうに思いますけれども、まず、町村外務大臣に伺いますが、午前中も御答弁いただいておりますが、この総理の靖国参拝の持つ日中関係への影響について、もう一度お話しいただけますでしょうか。

○国務大臣(町村信孝君) 日中関係の重要性、先ほどるる申し上げたところでございますけれども、大変重要な二国間関係でありまして、今後ともより友好的な関係を維持発展をしていかなければいけないというふうに考えております。

ただ、日中間でいろいろな面ですべての問題について同じ意見というわけにはまいりません。これは、日中であれどこの国であれ、いろいろなテーマがあり、その都度意見が一致したりあるいは意見が異なったりする、その一つ一つがあるからといって全体の大きな関係というものを損ねてはならないと、こう思っているわけであります。

したがって、総理の靖国参拝が中国あるいは韓国政府から厳しい反応が今出ているわけでございますが、この点につきましては、総理も累次記者団等にもお話をしておられるようでありますけれども、長い目で見て決してこのことが日中間の大きな妨げにならないであろうというふうには考えておりますが、短期的には多少の困難が発生をしているというのは事実であろうかなと、こう思っております。

○浅尾慶一郎君 靖国参拝の問題は、その他の日中関係にある問題と、当事者以外から見ても、若干違った目で見られているという印象を私は持っております。そのことが、是非は後ほど伺っていきたいと思いますが。

というのは、例えばヨーロッパの人、あるいはヨーロッパの人を読者と、対象とする新聞の記者なんかに聞いても、東シナ海の海洋資源の話とかあるいは尖閣諸島、場合によっては安保理の常任理事国入りといったようなことについては、日中の間にある様々な意見の中で日本の方に分があると思う、しかしながら靖国の問題については違うんではないかというような話を実はよく聞きます。

それはなぜかというと、ここから先がまず御質問に入っていくわけでありますが、靖国神社には御案内のとおりA級戦犯が合祀をされておりますが、政府の立場としては東京裁判は受け入れると、その判決を受け入れるということではなくて、東京裁判そのものを受け入れるという立場でよろしいんでしょうか。

○国務大臣(町村信孝君) 日本は、国と国との関係において、サンフランシスコ平和条約第十一条によりまして、この極東国際軍事裁判所の裁判を受諾をしております。

○浅尾慶一郎君 我が国の中において、その議論について、当事者である中国、韓国ということではなくて、欧米の人と話をしても、それはそれで一つの理屈だねということは言われるんですが、東京裁判というふうに略称で申し上げさせていただきたいと思いますが、の構成する罪、罪は、いわゆるその前の国際法で確立している罪ではない、したがってそれに基づいて裁くのは公平ではないと。そういうことからそもそも靖国神社に合祀されたという経緯があるわけでありまして、私は、その理屈は理屈として、ある理屈があるんだと思いますが、ただその理屈が日本国内の中での独り善がりになっている。つまり、外国にその説明をしていないということなんだと思いますが、政府の立場からすると、そういう理屈は通らない、つまり東京裁判は受け入れる、したがって、これは宗教法人がやることでありますけれども、靖国神社へのA級戦犯の合祀も、それは宗教法人に干渉することはできないんでしょうけれども、必ずしも賛成ではないという立場というふうに理解してよろしいですか。

○国務大臣(町村信孝君) あの東京裁判そのものの在り方、やり方等についていろいろ議論があることは私どももよく承知をいたしております。事後の言わば決めた規則で、考え方でそれ以前に起きたことを裁いていいのか。特に、平和に対する罪あるいは人道に対する罪という、それまでの戦争裁判にはなかった新しい概念を導入してこれを裁くということの是非というのは、確かにいろいろ議論があるということは私どもも承知をしております。

しかし、そのことと、私ども先ほど申し上げたようなサンフランシスコ平和条約でこの裁判そのものを受諾しておるわけでありますから、国と国との関係でこの裁判が不法であったとか不当であったということを異議を申し述べる立場にはないと、これが政府の考え方であります。

○浅尾慶一郎君 私、なぜこういうことを伺っているかといいますと、靖国神社に参拝をし、そこにA級戦犯が合祀をされていても、そもそもその裁判が法的根拠を欠くものであるから構わないのだというのも一つの考え方だということを先ほど申し上げました。その考え方で通すのであれば、その考え方を諸外国に説明するのが一番分かりやすいやり方だというふうに思っていますが、そういう考え方には、それは考え方であるけれどもそういう考え方を外国に説明はしないと。

東京裁判は受け入れているんだというふうに今お答えをいただいたわけでありますが、そうだとすると、あとは、A級戦犯が合祀されていても、これは、特に日中、日韓かもしれませんが、ほかの国も含めて、死生観の違いだということの説明をしないとなかなか理解をしてもらえないんではないかなと思いますが、具体的に外務省としてこの問題について、外国、これはどこの国とは限りませんが、死生観が違うと、日本の国民は分かっても外国の人が分からないことも当然あるんだと思いますが、そういう説明をした事例というのはありますか。

○国務大臣(町村信孝君) すべての事例を私も知っているわけではございませんから、もしかしたら間違っているかもしれませんけれども、死生観云々という、あるいは宗教観とかそういう形で政府あるいは外務省が公式に発言をしたことは私は多分ないと思います。

そして、小泉総理もそのことは特に触れておられないわけでありまして、一私人としてどういう思いで参拝をしたかということについて述べておられる。その理由は、今、長いから申し上げませんけれども、三つの理由で、不戦の誓い、感謝の気持ち、哀悼の気持ちという三つの思いを述べておられるわけでありまして、直接的に欧米の国、他の国とは死生観が違うということで、その参拝の正当性といいましょうか意義といいましょうか、それを総理が説明をしておられるのではないんだと私は理解をしております。

○浅尾慶一郎君 私の問題意識は、説明しているかどうかと今聞いたわけでありますが、そもそもいろんな国の論拠が、靖国神社についていいますと、それがいいかどうかというのは先ほど申し上げましたが、A級戦犯が合祀されていると、そこに対して参拝をするということについて、私は二つしか解決策はないんだというふうに思います。ほかにあるとするならば、またお答えいただきたいと思いますが。

一つは、冒頭申し上げました東京裁判というものがそもそも元々存在しなかった罪、罪によって構成されているからそれにはとらわれないんだという考え方。そしてもう一つは、それはそれとして受け入れるけれども、亡くなった限りにおいては後は、罪はそこで償ったんだからそういう考え方に立たないんだ、だからA級戦犯の方も合祀されているけれども、多くの無辜の軍人が亡くなったことに対して不戦の誓いでやっているんだと。いずれかの立場に立たないといけないんですが、どうも伺っていると、何となくその説明をしていないんではないかなというような気がしますが、これは説明をしないと、冒頭申し上げましたように、当事者であります中国や韓国以外の国々からも理解をしてもらえない問題なんではないかなというふうに思いますが、外務省として、対外的になるほどなと思えるような説明を今後考える用意があるかどうか伺いたいと思います。

○国務大臣(町村信孝君) 今回の参拝直後であったかどうか記憶が定かでありませんが、その前のときに、国会の質疑かどうか、だったと思いますが、自分、自分はって小泉総理はですね、A級戦犯のみを対象にするとか、のみを対象としないとかいうことはあえて言いませんと。特定のそこに祭られている人を指してお参りするとかしないということではなくて、亡くなった方全体について言っているのであって、その中にA級戦犯が含まれているとか含まれていないということは申し上げませんと。たしかそういう答弁を、お答えを総理はしておられたような気がいたします。でありますから、強いて言うならば、死生観の方に分類をされるのかもしれません。ただ、そこは率直に言って余りはっきりとしない部分でもあります。

ただ、私どもとしては、いずれにしても総理がなぜ、どういう考えに基づいて、どういう資格でお参りをされたかということについては、例えば先ほどヨーロッパの新聞という話もありましたが、最近の何かニューヨーク・タイムズの社説も相当厳しい言葉での表現があったという報道も見ましたので、それについては相当な誤解とか、軍国主義を賛美する云々というステレオタイプのそういう批判もあるようでございますから、そういうことではないんだと、なぜ総理自身がお参りをしたかということについてはきちんと総理の発言を、多少敷衍をしながら外務省ホームページなり各国大使館等のホームページでそこは広報するように今準備をして、できるだけ早いうちにこれを載せようと、こう思っております。

○浅尾慶一郎君 極めて靖国神社の参拝の問題については、日本の国内においても、そして中国、韓国においても感情的にとらわれている部分もあると思いますが、だからこそ論理的に説明できる形を取っておかないと関係、日本、中国、韓国以外の国から見ても少し日本にとって分が悪いことになるんではないかなというふうに思いますんで、是非、だれが見ても、感情的にではなくて論理的にああそういうことなんだと思えるような説明を外務省としてしていただきますように要望いたしまして、次の質問に入りたいと思いますが。

この法案はいわゆるテロ特措法と言われているものでありますので、少しテロ全般について認識を伺っていきたいと思いますが、そもそもテロの定義、この法案で定義されておりますのは九月十一日のいわゆる攻撃ということでありますが、テロの定義と、それに関連していわゆる、いわゆるというか拉致の被害者はテロの被害者なのかどうか、そのことについて伺いたいと思います。その二点ですね。

○国務大臣(細田博之君) テロの定義はいろいろあると思いますが、自らの信条等によって特に無関係の他人、あるいはその信条から見て敵対すると信ずる他人の生命を奪ったり傷害行為に及ぶということがテロであろうと思いますが、サリン事件はどうかとかいろんな例がございますので、その定義はそのときそのときによって若干意味合いが変わってくる場合もあると思います。

北朝鮮による拉致は、先方の様々な事情等も伝わってくる中では、日本人の特定の人あるいは不特定の人を対象にこれを誘拐して、しかも多数の人を誘拐して、それを自国のためにいろいろ働かせたり様々な役割をさせるために行っておるということでございます。これは誘拐であると同時に、これが組織的にも行われていると解釈されますので、やはり大きな意味ではテロ行為であると、こう考えております。

○浅尾慶一郎君 これがテロ行為であるということになりますと、国連の決議の中で、テロ組織並びにテロ支援国家への送金は止めないといけないという、止めるという決議がありますが、もちろん国内法もようやく整備をされました。しかし、国内法の発動については日本国内だけでやっても効果がないという意見も出ているわけでありますが、国連決議もあるわけでありますから、止めようと思えば、日本単独ではなくて国際的に止めるということも可能だというふうに理解しますが、まずそういう理解で正しいかどうか、御答弁いただきたいと思います。

○国務大臣(細田博之君) 国際的な問題はあるいは外務大臣から御答弁されると思いますが、我が政府は、諸外国がどういうふうに言っているかは別として、これに対して何らかの制裁的措置を加えることが国際的に共同しなければ効果が小さくなるからやらないと、こういう立場は取っておりません。

また、我が国における法律においても、これはテロということを言っているわけではありませんが、そのような効果に着目して効果がないことはやらないというような立場はないと思いますので、そういう要件はないと思いますので、そういうことではございません。必要があると、政策的にも必要であるという場合には発動し得ることであると思っております。

○浅尾慶一郎君 今官房長官、その前にテロであるという御答弁をいただいたわけでありまして、私の質問は、政府がそういう立場に立っているか立っていないかは別として、幾つかの報道の中において、いわゆる送金停止を日本単独でやっても効果がないということが報道されたことがあります、政府が公式に発表したかどうかは別として。それは、私は別に日本単独でもあるメッセージにはなると思っていますが、しかし先ほど申し上げましたように国連決議があるわけですから、単独ではなくて、テロであれば諸外国と協調して止めることができるんではないかと。ですから、そういう理解で正しいか正しくないかということをまず伺ったわけであります。

○国務大臣(町村信孝君) 今、日本は制裁をするかしないかという議論は前々からこれはあるわけであります。対話と圧力という言い方をしております。今正に対話がまた再開をされようかという時点でもございますから、今直ちに私どもは拉致に関連して制裁をするという考えは取っていないわけでございます。

○浅尾慶一郎君 私の質問はそういうことじゃなくて、送金停止をする法律はできましたと。それを日本単独ではなくて、国連決議もあるんで、日本が送金停止をするときにはテロであるという認識もあるわけだから、諸外国にも協調を国連決議に基づいて申入れをすることができますねと、そのことを確認してくださいということであります。

○国務大臣(町村信孝君) 今、これは重大な人権侵害だということで人権委員会等で議論になり、決議なりが出、それが安保理に上がるかどうかというようなところがあるわけでありますが、今直ちにこれが北朝鮮のテロ活動といいましょうかね、これをもって直ちに制裁を発動するという話にはなっていないと僕は理解をしております。

○浅尾慶一郎君 いや、私の質問をもう一回申し上げますが、今それを、送金を止めろとか止めるなとかそういうことを申し上げているわけではなくて、法律の、あるいは国連決議の枠組みの中で、日本が送金停止を発動したときには、かたがたそのテロ支援国家ないしはテロ支援組織に対しての送金は止めてもいいという、止めるべきだという国連の決議がありますから、日本が止めることを決めた暁にはそのことを諸外国に対しても求めることができますねと。できるかできないかということを聞いています。

○国務大臣(町村信孝君) このテロに関する安保理決議一三七三というのがあるわけでございますけれども、これは米国の同時多発テロ直後の九月二十八日、二〇〇一年九月二十八日に採択をされたものでありまして、テロ一般でやっているわけじゃなくて、これは米国の同時多発テロに関して、じゃどういう対応を取るかということを加盟国に求めていると。テロリズムの、あるいはテロ行為の定義というのはここにはなくて、この二〇〇一年九月十一日の行為についてはこれはもうテロだと、こう定義付けているわけであると思います。

したがって、この一三七三に基づいて直ちにこの北朝鮮に対して送金停止を含むもろもろの制裁ですか、これを今すぐとるという状況には国際的にもないと私は理解をしております。

○浅尾慶一郎君 もう一度事務局からも資料を出していただきたいと思いますが、その一三七三に限らず、テロリスト、特にいわゆるアルカイダに限らずテロリスト及びテロ支援国家に対する送金は停止ができる国連決議が、ちょっと安保理決議の番号は私の方で申し上げられませんが、あるわけでありまして、そのことはかつて我が国におけるいわゆる送金停止法案が成立する以前にも外交防衛委員会において質問をさしていただいて、そのことの確認は取れていることだと思います。もし事務局の方でその資料があれば、出していただければと思います。

○委員長(林芳正君) ただいまの件につきましては、後刻理事会で協議をいたします。

○浅尾慶一郎君 私の理解、もう一度申し上げておきますが、必ずしもその安保理決議はいわゆる九月十一日のテロリストのみを対象にした送金停止ではないということだと思います。テロリスト一般を対象にしない限りは、横の連携もいろいろあるわけでありますから、そのものだけを対象にしても余り意味のない決議だということだと思いますので、そのことを申し上げておきたいと思います。

次に、その拉致の問題についてもう一点だけ確認をさしていただきたいんですが、テロだということでありますが、同時に日本国内の人を連れ去ったということでありますから、当然主権侵害だということでよろしいですね。

○国務大臣(細田博之君) 当然主権侵害であると思います。

○浅尾慶一郎君 主権侵害であるということになると、主権侵害の場合は国際法上の原則で原状回復というものが原則にあるということでありますが、外務省として原状回復ということを求めたことはありますか。

○国務大臣(町村信孝君) 正に拉致に関する日朝間の協議、話合い、交渉というのはそういう観点に立って行われていると私は理解をしております。

○浅尾慶一郎君 端的にお答えいただきたいんですが、原状回復ということだとすると、当初言われていた、いったん日本に旅行で帰ってきて戻すというような約束があったとすれば、それは重大な原状回復違反を日本の政府として認めるということになるんですが、常に原状回復を求めているということですか。

○国務大臣(町村信孝君) ちょっと御質問の意味がよく分からない、旅行から帰ってきて云々というのは、ちょっとどういう意味なんでしょうか。

○浅尾慶一郎君 五名帰国をされました拉致被害者は、当初は、いったん日本に帰るけれどもまた北朝鮮に戻すというふうに言われておりましたし、そのことを外務省としても了承していたということが報道をされております。そのことは、もしそういうことを了承したとすれば、主権侵害に対する国際法の一般的な解釈と懸け離れたことを外務省として認めたということになるわけでありますが、その点について伺っているわけであります。

○国務大臣(町村信孝君) 今委員が言われたような事実はございません。一度戻ってまた先方に戻すといったような事実は、そんな約束をしたという事実は全くありません。

○浅尾慶一郎君 報道に基づいて私は質問をさせていただいておりますので、その報道に対して、もし全くの虚偽の報道であるとするならばしかるべき対応を取るべきだと思いますが、取った形跡はないんではないかなということだけ申し上げたいと思います。

○国務大臣(町村信孝君) 一々の報道にもう一々反論しておりましたら、もう日々出る報道に、全部の新聞社にもうこれは物を言わなきゃなりません。そんなことまで手間暇掛かってやれませんし、それは委員もいろんなお立場で、いろんな報道があり、時として議員の中でもそれは名誉毀損等々でそれは裁判を起こされる方もあるでしょうけれども、少なくともその一々の報道についてこれは事実であるとかないとか、そういう対応を、絶対取らないとも言いませんけれども、まあそこまでは一々やりませんね。

○浅尾慶一郎君 今の大臣の発言は大変遺憾であります。なぜならば、主権侵害というのは大変重い罪でありまして、それをある種認めることに対して、一々くだらない報道だから批判しないというのは大変遺憾な発言だということだけは申し上げておきたいと思います。首を振っておられますので、まあ見解の相違だということだと思いますが、しかし今申し上げましたように、主権侵害についてそういうような報道があっても一々そんなことは関係ないというふうに言われるということは、ある程度そういうことがあったんではないかというふうに少なくとも国民は思うということだけは申し上げておきたいと思います。

○国務大臣(町村信孝君) 委員がどう思おうとそれは勝手でありますし、国民がどう思おうとそれは勝手でありますけれども、私はその報道の一つ一つについて、それこそ一つ一つコメントをする、それは重い軽いはあるということはあるんでしょうけれども、だから反論しなかったからそれを事実上認めたことになるというのは、それは余りにも常識から懸け離れたコメントだと私は思います。

○浅尾慶一郎君 報道だけではなくて、北朝鮮そのものが日本の政府が約束を破ったと言っているわけでありまして、そのことに対してもう全く一々関係ないということであれば、冒頭申し上げましたように、主権侵害という重い犯罪に対して、ある種そのことを、まあそんなことはどうでもいいというふうに取っているというふうに受け止められますということだけは申し上げたいと思います。

○国務大臣(町村信孝君) どうぞ、北朝鮮政府のおっしゃることを信じたい方は信じていただいても結構でしょう。日本国政府の言うことを信じていただきたいと私は思います。

○浅尾慶一郎君 いや別に私は北朝鮮がそう言っていると言っているだけで、それを信じる信じないということではないんです。ただ、申し上げたいのは、主権侵害というのは大変重いことでありますから、そういうことについてしっかりと主張をしてほしいと。で、主張をして、それに反するようなことをもし報道ないし相手側が言うんなら、厳重に抗議をすべきだということを申し上げているわけであります。

今日はテロ特措法について、財務省からもお越しでございますんで、テロ特措法の予算の関係についても伺っていきたいと思いますが、このテロ特措法は、成立から現在、予算について言いますと予備費の支出になっておりますが、まず、これはなぜ予備費での支出になっているか、このことについて伺いたいと思います。

○副大臣(田野瀬良太郎君) それじゃ、財務副大臣の田野瀬でございますが、私からお答えをさしていただきたいと思います。

現在、財政法は、「予見し難い予算の不足に充てるため、内閣は、予備費として相当と認める金額を、歳入歳出予算に計上することができる。」と、こんなふうに規定をしております。また、予備費を使用する場合の手続等についても定めておるところでございます。  テロ対策特措法に基づいて実施する協力支援活動等に必要となる経費については、これらの規定に基づいて予備費の使用等で対応してまいりました。  以上でございます。

○浅尾慶一郎君 今お答えいただきましたが、予見し難い費用に対して支出するということでよろしいわけですよね。

○副大臣(田野瀬良太郎君) はい。

○浅尾慶一郎君 テロ特措法の自衛隊の活動は、基本的には基本計画に基づく実施要領に基づいて活動しているということだと思いますが、そういう、失礼しました、実施要項に基づいて活動しているということでありますが、そういう理解でよろしいでしょうか。

○国務大臣(大野功統君) そのとおりでございます。

○浅尾慶一郎君 基本計画につきましては半年ごとに変わっておりますが、実施要項は変わっておりませんですね。

○国務大臣(大野功統君) 基本計画、実施要項ともに半年ごとに変更を前提として計画しております。

○浅尾慶一郎君 ちょっと確認でありますが、国会承認は基本計画に基づいた、実施要項に基づいて行われるということでよろしいわけですね、自衛隊のは。

○国務大臣(大野功統君) やや複雑な回答になりますけど、基本計画そのものが国会承認の対象になっているわけではありません。基本計画の中に書いてあります三つの活動が国会承認の対象になっている、こういうことでございます。

○浅尾慶一郎君 なぜこういう質問をさしていただいたかといいますと、先ほど田野瀬副大臣が、基本計画、まあ要するに予見し難い費用に充てるので予備費で使っていると。で、基本計画は半年ごとに変わっているということでありますが、そのメーンの活動でありますところは、実施要項に従って国会承認に基づいて出た自衛隊の活動によって行われているということだとすると、メーンの部分については予見ができるんではないかという趣旨で伺っているわけでありますが、そういう理解でよろしいですか。基本計画で、半年ごとに変わる基本計画はこの間ほとんどそのメーンのところは変わっていない、だからこそ国会承認を事後であっても求めていないという理解ですが、そういう理解でよろしゅうございますか。

○国務大臣(大野功統君) 恐らく、基本計画で規定されていること、あるいは実施要項で書いてあること、半年ごとに見直すことになっておりますけど、そのまま継続するということは予見されることであると思います。そこは浅尾委員おっしゃるとおりであると思います。

しかし、半年ごとに変わる可能性があるわけですから、やはり予算というのはその半年の変わり目まで付けておくと、こういう考え方で、当然のことながら既定経費じゃなくて予備費から出ていくと、私はこういうふうに理解しております。

○浅尾慶一郎君 基本計画は半年ごとに変わっていると。しかし、今るる申し上げましたけれども、大きな活動としては変わっていないから、自後の国会承認は一回しか、当初のときしか求めていないというのが今までの経緯であります。

しかしながら、一方で予算の方は予備費でやるということになると、かなり国会の関与という観点からいうと問題があるんではないかなと。つまり、国会が関与する基本計画あるいは派遣承認のところは一回だけして、あとは国会は関与しないと、しかしながら予算の方は、予見し難いことなんで、これも予備費でもって本予算では関与してないと。

ですから、どちらかに統一すべきだというふうに思いますが、その点についてはどのようにお考えでしょうか。

○国務大臣(大野功統君) 大枠につきましては、先ほど御説明申し上げましたとおり、同じ方向性で進むわけでございます。

ただし、例えば艦船の数で申し上げますと、艦船の数を、例えば最近までは補給艦一隻、護衛艦二隻と、こういう構成でやっておりました。それを基本計画見直しのときに、一隻一隻態勢、補給艦一隻、護衛艦一隻という態勢に直す、こういうことはあるわけでございます。

そういうことをもって、大まかに本予算でやるということがいいのであろうか。つまり、まだまだ分からない要素はあります。方向性はありますけど、付いておりますけども、まだまだ詳細にわたって分からないことも出てくるわけでございます。そのときにどういうふうに解釈したらいいのか。

これ、財政法上きちっと明快にやっていくためには、私は今のところは予備費で賄うのがしかるべき措置だと思っておりますけど、なお財務省においてもし検討すべきところがあれば十分相談してもいいと思いますが、私はやっぱり今の体制で十分だと思っております。

○浅尾慶一郎君 防衛庁長官の御発言は、まあそういう考え方であるとするならば、それはそれで分かりますが、だとすれば、むしろ派遣の、この法の第五条並びに第十条で規定しております、特に第五条ですね、国会の承認といったことについて、予見できてないことに対応して活動しているということにつながるわけでありますから、そのたびごとに国会の承認を求めていくべきではないかなというふうに思うわけであります。そうでなくてやるということであれば、本予算の方に入れていくべきなんではないかなというふうに思いますが、それでどちらかに統一をされないんですかという趣旨で質問をしたわけであります。

○国務大臣(大野功統君) 問題は、財政処理の問題から今先生は御質問になっていらっしゃるわけであります。

財政処理に関しましては後ほど財務副大臣から御答弁あろうかと思いますけれども、財政処理に関して言いますと、やっぱり国会コントロール、大変大事な問題であります。したがいまして、予備費を使用した場合におきましては事後に国会の承諾を得なきゃならない、これ当然のことでありましょう。そういう手続はきちっと踏んでいる。そして一方において、言わば国会承認というのは、先ほど申し上げましたように、三つの活動を実施することの可否について承諾を求めているということになっておりまして、それも二十日以内に承諾を求めている。したがいまして、私はやっぱり国会のコントロール、いわゆるシビリアンコントロールという面から見まして、私は十分今の体制、システムで尽くされている、このように信じております。

○浅尾慶一郎君 これは財政のところのあれで予備費のことは規定されているんだと思いますが、財政法の二十四条に、「予見し難い予算の不足に充てるため、内閣は、予備費として相当と認める金額を、歳入歳出予算に計上することができる。」と書いてあるわけでありますが、この間のインド洋での活動が本当に予見し難いものなのか、それともある程度予見できるものなのかということでいうと、私は予見できるものなんではないかなというふうに思うんですが、いや、それがそうではないというお答えになるんだと思います。

そうではないというお答えになるとすれば、一年を通してそれほど活動がこの間凸凹であったのかどうか、そこの具体的な、これはちょっと質問通告していませんからもしお答えできるんであればお答えしたいと思いますが、それほどその活動が予見できないんだと言えるような客観的な根拠を是非示していただきたいと思います。

○国務大臣(大野功統君) まず、予見できるかできないか、予見の定義をきちっとしておかないとこの議論進まないと思います。

私、再三申し上げておりますとおり、予見できるということは、活動について予見はできるわけでありますけれども、それに応じてどの程度のお金が必要なのか、これは私は財政法上きちっとこの予算を計上できない状態にあるのではないか。その辺は財務副大臣の方から追加的に御説明あるかもしれませんけれども、そういう意味で、私はまず予見できるかできないかという議論をきちっとしておかないと余り意味のない議論になると思いますが、私の申し上げたいのは次の、次の質問で浅尾委員から、じゃ予見できないほどの活動をしているのかと、こういうことであります。

これは、それは月々によって油の補給量というのは随分変わっております。一番少ないときは千キロリッターぐらいしかありませんし、多いときには四万キロリッターぐらいあります。だけど、年々ならしてみますと、六か月ごとに取るとか、そういうふうにならしてみますとやっぱりずっと引き続き需要はあるわけです。もちろん、傾向的に見ますと、最初から比べて最近は、六か月単位で取りますと八分の一ぐらいに供給量は減っている。しかしながら、供給回数ということで見ますと、この供給回数は恒常的にほとんど変わっていない、こういう状態であります。

したがいまして、私は、この補給回数はもう恒常的に進んでおりますからニーズはある、ニーズはある。しかし、毎月毎月の統計取りますと相当変わっているということを申し上げたい。しかし、ニーズはあって恒常的に十回程度の、月十回程度の供給をしていると、こういうことは申し上げたいと思います。

○浅尾慶一郎君 田野瀬副大臣の方から、もし今の点で。

○副大臣(田野瀬良太郎君) 私ども財務省としての基本的なスタンスは、あくまでも年度当初予算の編成時において基本計画の延長について内閣として意思決定がなされたかどうかということ、それと、防衛庁からも基本計画の延長を前提とした要求はなかったということから判断しておるところでございます。

ちょっと付け加えさしていただくんですけれども、先ほど国会のコントロールがそれじゃなくなるんではないかという御質問ございましたが、いずれにいたしましても、予備費の使用については事後においてでも国会の承諾を得なければならないと、こういうことになっておることを付け加えさしていただいておきたいと思います。

○浅尾慶一郎君 それでは、時間の関係で次の質問に移りたいと思いますが、このテロ特措法との関係で様々、自衛隊の基地のある県においてもいろいろと、最近ではそれほど緊張は高まっておりませんが、九月の十一日の直後などは基地周辺でも大変緊張が高まっていたということが私のおります神奈川県でもそういう事態、緊張というのは検問があって渋滞になったりということも含めてでありますけれども、そういうことがよくあったわけでありますが、そういう中で、米軍の再編の問題に関しまして余り地域の人々には、一朝事がありますといろいろと渋滞や検問があったりして大変ないわゆる迷惑が掛かるんですが、しかし一方で、その情報提供がなかなか国からもいただけてないというような状況が在日米軍の再編に関してはあるわけであります。

そういう中で、いろんなルートの外交がこれから必要になってくるというふうに思いますが、まず第一に、是非御要請をし、お答えをいただきたいんですが、沖縄あるいは神奈川といった多く基地を抱える県に対しては、お答えは十分な説明をするということでありますが、その県の当局の人間が見ても納得できるような説明、情報提供をしていただきたいというふうに思いますが、その点について簡潔にお願いしたいと思います。

○国務大臣(大野功統君) 私どもは、陸上自衛隊の基地であろうと米軍の基地であろうと、基地のある町の地元の皆様の御理解、御協力なしにはこれは成り立たない、このように思っております。でありますから、やはり地元の皆様に十分説明責任を果たして、そして御理解、御協力をちょうだいしたい、当然のことでございます。

しかしながら、今我々はアメリカ側と交渉中のことでございます。交渉中でありますから、なかなかこの基地がこうなる、この基地がああなる、こういうことを単発的に申し上げますと玉突き状態になってもう混乱してしまう、こういうことから情報提供を少し控えておりまして、そのことは大変地元の皆様にフラストレーションを起こしてしまっているのではないか、私はそのようにおそれておるものでございます。

この米軍との協議が方向性が見えましたら、必ず早い段階で地元の皆様に説明責任を果たしたいなと、このように思っておりますので、御理解くださいますようよろしくお願いします。

もちろん、この基地問題考える場合には地元の、もちろん一方において米軍と日本の自衛隊との間の協力関係によって日本の平和と安全についての抑止力を維持していく、これは当然のことでありますけれども、この部分の議論も今やっておるわけですが、もう一つ、基地問題につきましては地元の負担の軽減、負担といった場合、やっぱり基地の大きさとか騒音とか不安とか環境とかいろんな側面があるわけでございますけど、あらゆる問題点を総合して考えております。

いつの日か地元の皆様にもきちっと説明責任を果たさしていただきたい、このことを約束さしていただきたいと思います。

○浅尾慶一郎君 時間が参りましたので質問を終えたいと思いますが、是非地元から見ても納得ができるような説明をなるたけ早い時期にしていただきますようにお願いいたしまして、質問を終わります。

2005年10月20日 (木)

参議院 厚生労働委員会 5号 平成17年10月20日

 

163-参-厚生労働委員会-5号 平成17年10月20日
○委員以外の議員(浅尾慶一郎君) 労働安全衛生法の一部を改正する法律案趣旨説明。
労働安全衛生法の一部を改正する法律案につきまして、その趣旨を御説明申し上げます。
二十一世紀の我が国をすべての国民が健やかで心豊かに生活できる活力ある社会とするため、健康増進法等により国民の健康の増進のための対策が種々講じられております。
しかし、歯科保健対策については、学校保健、老人保健、地域保健等の分野では健康診断における歯科健診の実施等一定の対策が取られておりますが、雇用者を対象とした産業保健の分野においては、有害業務における歯科健診が事業者に義務付けられている以外はほとんど講じられていないのが現状でございます。
国民が人生の半分近くを過ごす産業保健の分野で、歯科保健対策を充実しなければ、学校保健によって培われた歯の健康は損なわれますし、お年寄りに対する歯科保健対策は手後れのものになってしまいます。
こうした現状にかんがみますと、産業保健を含めた国民のライフステージ全般にわたって歯科保健対策を講じることが、国民の健康増進のみならず、歯科医療費抑制の観点からも急務であると考えるところです。
そこで、民主党の議員立法として、産業歯科保健対策を整備充実するための労働安全衛生法の一部を改正する法律案を第百六十二国会に提出いたしました。同法案は衆議院の解散に伴い廃案となり、成立を見るに至りませんでしたが、一日も早くその実現を図るため、ここに改めてこの法律案を提案し、御審議を願うこととした次第であります。
次に、この法律案の内容につきまして、概要を御説明申し上げます。
第一に、事業者の行う一般健康診断における歯科医師による健康診断の実施であります。
事業者は、労働者に対し、厚生労働省令で定めるところにより、歯科医師による健康診断を行わなければならないこととします。
第二に、歯科医師による保健指導の実施であります。
事業者は、右の歯科医師による健康診断等の結果、特に健康の保持に努める必要があると認める労働者に対し、歯科医師による保健指導を行うように努めなければならないことといたします。
第三に、産業歯科医の法定化等であります。
事業者は、政令で定める規模の事業場ごとに、厚生労働省令で定めるところにより、歯科医師のうちから産業歯科医を選任し、その者に労働者の健康管理等を行わせなければならないこと等といたします。また、産業歯科医に関し、労働者の健康管理等を行うのに必要な歯学に関する知識について厚生労働省令で定める要件を備えた者でなければならないこととすること等現行の産業医と同様の規定の整備を行うことといたします。
第四に、労働衛生指導歯科医の配置であります。
都道府県労働局に労働衛生指導歯科医を置き、都道府県労働局長による臨時の健康診断の実施の指示等の事務に参画させることといたします。
なお、この法律は、平成十八年四月一日から施行することとしております。
以上がこの法律案の趣旨でございます。
何とぞ、御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
○委員長(岸宏一君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。
本日はこれにて散会いたします。
午後五時九分散会

163-参-厚生労働委員会-5号 平成17年10月20日
○委員以外の議員(浅尾慶一郎君) 労働安全衛生法の一部を改正する法律案趣旨説明。 労働安全衛生法の一部を改正する法律案につきまして、その趣旨を御説明申し上げます。 二十一世紀の我が国をすべての国民が健やかで心豊かに生活できる活力ある社会とするため、健康増進法等により国民の健康の増進のための対策が種々講じられております。 しかし、歯科保健対策については、学校保健、老人保健、地域保健等の分野では健康診断における歯科健診の実施等一定の対策が取られておりますが、雇用者を対象とした産業保健の分野においては、有害業務における歯科健診が事業者に義務付けられている以外はほとんど講じられていないのが現状でございます。 国民が人生の半分近くを過ごす産業保健の分野で、歯科保健対策を充実しなければ、学校保健によって培われた歯の健康は損なわれますし、お年寄りに対する歯科保健対策は手後れのものになってしまいます。 こうした現状にかんがみますと、産業保健を含めた国民のライフステージ全般にわたって歯科保健対策を講じることが、国民の健康増進のみならず、歯科医療費抑制の観点からも急務であると考えるところです。 そこで、民主党の議員立法として、産業歯科保健対策を整備充実するための労働安全衛生法の一部を改正する法律案を第百六十二国会に提出いたしました。同法案は衆議院の解散に伴い廃案となり、成立を見るに至りませんでしたが、一日も早くその実現を図るため、ここに改めてこの法律案を提案し、御審議を願うこととした次第であります。 次に、この法律案の内容につきまして、概要を御説明申し上げます。 第一に、事業者の行う一般健康診断における歯科医師による健康診断の実施であります。 事業者は、労働者に対し、厚生労働省令で定めるところにより、歯科医師による健康診断を行わなければならないこととします。 第二に、歯科医師による保健指導の実施であります。 事業者は、右の歯科医師による健康診断等の結果、特に健康の保持に努める必要があると認める労働者に対し、歯科医師による保健指導を行うように努めなければならないことといたします。 第三に、産業歯科医の法定化等であります。 事業者は、政令で定める規模の事業場ごとに、厚生労働省令で定めるところにより、歯科医師のうちから産業歯科医を選任し、その者に労働者の健康管理等を行わせなければならないこと等といたします。また、産業歯科医に関し、労働者の健康管理等を行うのに必要な歯学に関する知識について厚生労働省令で定める要件を備えた者でなければならないこととすること等現行の産業医と同様の規定の整備を行うことといたします。 第四に、労働衛生指導歯科医の配置であります。 都道府県労働局に労働衛生指導歯科医を置き、都道府県労働局長による臨時の健康診断の実施の指示等の事務に参画させることといたします。 なお、この法律は、平成十八年四月一日から施行することとしております。 以上がこの法律案の趣旨でございます。 何とぞ、御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
○委員長(岸宏一君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。 本日はこれにて散会いたします。   午後五時九分散会

 

2005年10月04日 (火)

参議院 予算委員会 1号 平成17年10月04日

163-参-予算委員会-1号 平成17年10月04日

○浅尾慶一郎君 おはようございます。民主党・新緑風会の浅尾慶一郎です。  一年半ぶりに予算委員会で質問をさせていただきたいと思いますが、この間、衆議院の総選挙もございました。その総選挙で小泉総理は、民間でできることは民間でという観点から質問をされましたが、一年半前にも私も取り上げさせていただきましたが、私は、民間でできることは民間でということには反対いたしませんが、同時に、民間でできることは官もやるべきだということで一年半前質問をさせていただきました。  その観点から、冒頭幾つか質問させていただきたいと思いますが、まず第一に、この小泉政権ができてからの国債発行残高の推移について数字をいただきたいと思います。

○国務大臣(谷垣禎一君) 平成十七年度末の公債発行残額は約五百三十八兆円、これは普通国債残高でございます。ちなみに、平成十六年度末は約四百九十九兆円でございました。

○浅尾慶一郎君 それでは、我が国のGDP比に占めるこの十年間ぐらいの、九〇年代からの推移で結構でございますが、公的資本形成と公務員の人件費の支出、我が国の分だけの数字で結構でございますので、お願いしたいと思います。

○国務大臣(竹中平蔵君) ちょっと数字について通告いただいてなかったようでございますので、申し訳ございません、数字については改めて御報告をさせていただきます。

○浅尾慶一郎君 通告をしてありますが。もう一度お願いします。

○国務大臣(竹中平蔵君) GDPに対する国債残高でございますので……

○浅尾慶一郎君 公的資本形成です。

○国務大臣(竹中平蔵君) 申し訳ございません。  公的資本形成、GDPに対する比率に関しましては、かつて一〇%程度の、近い比率があったと思いますが、それが今三分の二程度に縮小してきているというふうな認識をしております。

○浅尾慶一郎君 公務員の……

○国務大臣(竹中平蔵君) 公務員の人件費ですか。公務員の人件費についてはちょっと数字を持っておりませんので、申し訳ございませんが調べさせていただいて、御報告をさせていただきます。

○浅尾慶一郎君 質問通告はさせていただいておりますが、概略であれですけれども、実は、公的資本形成は確かにおっしゃるように減っておりますが、まだ公務員の人件費についてはGDP比については減っていないということであります。  そこで、経済財政諮問会議でGDP比半減を目標にしたというふうに言われておりますが、その経緯と、半減にされる分子の方はどういう数字かということをお答えいただきたいと思います。

○国務大臣(竹中平蔵君) 公務員の人件費の抑制に関しては、これは国民からも大変期待が高い重要な問題であるということで議論を重ねております。  お尋ねの半減の件は、これは民間議員が、民間有識者議員が先般一つの例として提言したものでございます。基本的な考え方は、明確で大胆な目標を立てることが必要であるということ、これについては広く合意があると思いますが、その一例として、例えば総人件費を半減、GDP比で半減するというような一つのめどを持ってはどうかという一つの考え方の例示をいただいております。  お尋ねの分母、分子、分母は当然GDPでございますが、分子に関しては、そのときの民間議員の一つの例示としては、郵政の職員まで含めて国家公務員法を適用されている方々の総人件費ということで提起をされているというふうに承知をしております。今後、その定義についてはしっかりと議論をしていくということになっております。

○浅尾慶一郎君 そういたしますと、郵政公社が民営化されれば自然と約四分の一強がそこから抜けるということでありますから、実質は半減ということではないという理解でよろしいですか。

○国務大臣(竹中平蔵君) 実質の意味でございますけれども、正にそれが定義でありますから、どう定義するかということをこれから議論してまいります。先般の民間議員の定義では、国家公務員法が適用されている方ということでの例示がございました。

○浅尾慶一郎君 何かキャッチフレーズが先行して実質が少しずつ抜けていってしまうような印象を受けるわけであります。  そこで、実際の今度の国家公務員給与の改定というのがあるわけでありますが、その中身について人事院に伺っていきたいと思います。ちょっと中身の説明をいただけますでしょうか。

○政府特別補佐人(佐藤壮郎君) 今年の人事院勧告の内容についてのお尋ねでございますけれども、まず給与につきましては、俸給につきましてはマイナス〇・三六%ということで、これは俸給表全般にわたって〇・三%マイナスにいたします。それから、ボーナスにつきましてはプラス〇・〇五か月ということで、両者を合わせまして約〇・一%のマイナスになる。金額で申しますと、大体公務員一人当たり四千円のマイナスになります。その調整は年末のボーナスの時期にさせていただきたいと思います。  それからもう一点といたしまして、今回は給与構造の抜本的見直しということを勧告させていただきました。  これは三本柱から成っておりまして、一つは、地域の住民の方々からその地域で勤務している公務員の給与が高過ぎるのじゃないかという批判がございますので、それにおこたえするために、いったん基本給の水準を四・八%下げまして、その上で、民間賃金の高い地域につきましては地域手当という形で調整をさせていただきたいというふうに思っております。  それからもう一点につきましては、これも国民からの御批判で、今民間は非常に厳しい能力実績主義を取っているのに公務員だけは毎年自然に給料が上がっていくのではないかという御批判がございます。それにおこたえをするために、いわゆる査定昇給、毎年の昇給の際にきっちりと実績の査定をすると。  それから同時に、年功的な賃金の上昇がどうしても公務員にはまだ残っておりますので、それを是正をするために各俸給の級の賃金上昇カーブをフラット化するということを勧告させていただいております。

○浅尾慶一郎君 今御答弁を伺っておりまして、ちょっとこれは質問通告しておりませんが、疑問に思った点を申し上げさせていただきたいと思いますが、査定昇給というところで国家公務員法上は勤務成績が良好な者は昇給するというふうになっておりますが、かつてこの委員会で私が質問させていただいたところ、勤務成績が良好な定義は有給休暇を除いて四十日以上の欠勤がない者という定義であったと、つまり欠勤三十九日までだったら昇給するということでありましたが、それをやめるという理解でよろしいですか。

○政府特別補佐人(佐藤壮郎君) そういうふうに理解していただいて結構だと思います。  具体的な方法といたしましては、今まで非常に抽象的だった基準に、昇給の基準につきまして明確化するということが一点と、それから今までは昇給が一号俸ずつでございました。したがいまして、かなり金額的にも高い、一年間に高い金額で昇給するということがございましたので、これを今回からは、今回は一号を四等分いたしまして、実績に応じてそれぞれ職員の実績を見ながら昇給をさせることができるというふうな改正にしております。

○浅尾慶一郎君 予算委員会で一年半前に指摘させていただいたことがようやく実現できたことはいいことだなと思いますが、もっと早くやっていただければよかったんではないかと思います。  次の質問に移らさせていただきたいと思いますが、先ほど国家公務員給与の改定ということで、そのことを受けて本年度及び来年度の、来年度及び再来年度と言った方がいいかもしれません、財務省所管の分の予算の増減、そして総務省については、基準財政需要に反映されて結果として減る地方交付税額の増減額の数字をいただきたいと思います。

○国務大臣(谷垣禎一君) 今年の人事院勧告では、地域の民間賃金を反映して給与構造の改革をやっていこうということでありますが、十八年度から五年間で段階的に実施されるわけでありますが、これが完全実施された場合に国の総人件費の削減効果は千五百億円程度というふうに見込んでおります。  やや詳細に申し上げますと、国負担分の総人件費の削減効果千五百億でございますが、国家公務員人件費の削減効果が約八百億円、そのほかの国負担分の人件費、つまり義務教育費国庫負担金等の削減効果でありますが、約七百億円、総計、合計しますと千五百億でございます。

○国務大臣(麻生太郎君) お尋ねのありました地方公共団体の人件費の削減効果につきましては、普通会計ベースで約六千億になるだろうと思っておりますが、これは平成十八年の四月から五年間で段階的に実施するということになります。  なお、交付税の方につきましてはこれを基に今から算定をいたしますので、今の段階でお答えすることはちょっとできませんので、年末ぐらいにはお答えできるようになろうと存じます。

○浅尾慶一郎君 いろいろ数字をお答えいただいておりますが、冒頭申し上げさせていただきましたように、大変な借金を我が国は抱えていると。その中で、公共事業を中心とした公的資本形成についてはかなり、ある程度減らしてこられたわけでありますが、もちろん借金がある間、あるいは税収が伸びない間については公務員の皆さんにも御協力をいただくという趣旨で質問させていただいておるわけでありますが、なかなかまだ私自身から見ましても不合理な点、先ほど申し上げました、つい最近までは年間、有給休暇を除いて三十九日まで休んでいても昇給がされるというようなものが残っていたと。そういうものがまだまだあるわけでありますんで、是非そういうところに切り込んでいただきたいという趣旨で引き続き質問をさせていただきたいと思いますが。  官房長官が九時半からたしか会見であるということで、官房長官に年金、共済年金について質問をさせていただきたいと思いますが、先ごろの新聞報道によりますと、共済年金の職域加算はなくしていく方向だと、そういう新聞報道があったんですが、その事実関係についてお伺いしたいと思います。

○国務大臣(細田博之君) 年金制度の一元化につきましては、先日、総理から、厚生年金と共済年金の一元化について処理方針をできるだけ早く取りまとめるように指示があったところでございます。  これを受けまして、九月三十日の閣議後の閣僚懇談会におきまして関係省庁連絡会議を設置することといたしました。早速、昨日には被用者年金制度の一元化等に関する関係省庁連絡会議の第一回会合が開催され、関係各省庁が連携し、様々な課題について検討を始めたわけでございます。  いずれにしても、年金制度は長期的な視野に立って改革を進める必要があり、与野党が胸襟を開いて協議を行っていただきまして、そして今後様々な努力をしていただくことが不可欠でありますので、この指示はあくまでも、被用者年金というものを統一化するためにどういう問題点があるのか、計数的にはどういうことがあるのかということを至急分析し、方向を検討してみると、こういうものでございます。  したがって、国会において与野党で協議をいただくために非常に材料となるような内容にしたいと思っております。

○浅尾慶一郎君 そういたしますと、一部新聞報道でありました、職域加算については段階的になくすという報道がありましたけれども、それは先走りだという理解でよろしいですか。

○国務大臣(細田博之君) おっしゃるとおりでございまして、いろいろな問題があるわけでございます。それは、やはり公務員の方が相対的には様々な面で有利になっている。したがって、長年言われてきたけれどもなかなかできない一つの理由は公務員と、国家、地方両公務員と、それから、一般の企業等のサラリーマンといいますか被用者の間で若干の条件格差がございますので、それをどういうふうに調整したらいいのかという点も含めて、それがどのぐらいの規模になるのかとかどういう条件の差が出るのかと、これを一元化するときにはどういう問題点が出るのかということを客観的によく分析してみようということでございますので、方向性を決めておるわけではございません。

○浅尾慶一郎君 私は、この職域加算というのは、実はかなり問題をはらんでいると思っております。それはなぜかといいますと、職域加算とは別に、公務員の退職金を計算するときに民間の企業年金に相当するものが含まれた計算式になっているということでありますが、まずその公務員の退職金を計算する際の計算式について総務大臣から御説明いただけますでしょうか。

○国務大臣(麻生太郎君) 民間、民間の方ですね。

○浅尾慶一郎君 いやいや、公務員の計算式の方。

○国務大臣(麻生太郎君) 公務員の方。そっちの方を貸してもらった方が話が早いんだが、話が早いんですが。  国家公務員の退職手当と民間の退職手当の違いは、今同じようにいわゆる退職金の中に一時金としてある分と、民間企業の場合、一時金プラス企業年金と二つ足してあるというところがいかがなものかという、これ年来から浅尾議員の方からよく言われるところでありますが、私どもよく知っておるところですけれども、この企業年金相当分のところにつきまして、いわゆる企業年金の方の分の加算してある分のところにつきましては、元々これは退職金の中に突っ込みで元々から計算してあるというところが私どもの考え方の一番のところなんですけれども、それはそっちには都合よく付けてあって、公務員の方にはその部分だけはいわゆる外してあるのはいかがなものかという御意見なんだと思いますが、これは元々の生い立ちが、たまたま時期は重なった時期にスタートしておると記憶しますけれども、基本的には国家公務員のいわゆる身分上の制約というものに課されているということに関して設けられたものでありますので、民間企業のいわゆる退職金としての企業年金の給与水準との設定、いや、給与水準の関係で設定しているというものでは元々ありませんので、今申し上げたような形でお答えをすることになっているんだと思いますが、退職金の性格が異なるので、今の状況としては、前から御指摘があっておりますけれども、私どもとしては妥当なものと考えております。

○浅尾慶一郎君 ちょっと私の方でパネルを用意さしていただきましたが、(資料提示)要は、国家公務員の方の退職金、これは総務省が調べられているのは平均で二千九百四十八万円と。それはどうやってそういう計算式になっているかというと、企業年金、民間が大体二千七百九十万円ですと。しかし、そのうちの四割はいわゆる企業年金を一時金でもらった場合のものを含んでいると。つまり、民間の方は、厚生年金に加えて月々企業年金をいただこうと思えば、この約一千万円はもらえないわけですね。しかし、国家公務員の方は、民間さん、一時金でもらっているんだという前提で二千九百四十八万円をお支払いしていると。なおかつ、先ほど御答弁いただきました職域加算というものが、民間にはないものがあると。つまり、ここは完全に二重取りなんで、どっちかをやめるべきだということを申し上げているわけでありまして、その点について総理の御意見を伺いたいと思いますが。

○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 今、浅尾議員が指摘されたような問題もあるから、どのように調整していくかと。問題点を整理して、政府だけで決めるんではなくて、与野党が院に協議会を設けているわけであります。その関係も重視しなきゃならない。そこに資料を提供しようと、どういうふうに調整したらいいか、そういう意見を踏まえて、被用者年金の統合に向けてどういう方法がいいかということを進めていこうということでございます。

○浅尾慶一郎君 今の総理の答弁は、ちょっともう少し、本当に答えていただいているんじゃないな、じゃないんじゃないかなと思うんですが、つまり、麻生大臣が言っておられるのは、二つあるのは、このように片っ方はその企業年金の部分も含めて、そして職域加算があるのは、職域加算については、これはかつての、去年の答弁ですけれども、国家公務員共済年金のいわゆる職域加算分については、身分上の制約があって労働基本権なんというものがいろいろ制約されている等々があるので職域加算があるという説明があったわけです。  つまり、問題点は大体もう整理されていて、労働基本権を付与すればどっちかは減らせるということになるんだと思いますが、したがって、じゃ労働基本権を付与する意思があるかどうか、労働基本権を付与すればこの部分をなくしてもいいということになるんだと思いますが、その点についての総理のお考えを伺いたいと思いますが。

○内閣総理大臣(小泉純一郎君) その辺が長年問題にされて、解決が難しいんです。労働基本権が付与されればと言いますけれども、これがまた大変難しいんですよ。国民の世論も考えなきゃいけない。公務員と民間企業とは職務性が違う。公務員の身分も保障しなきゃならない。その際に、労働基本権を民間と同じように与えていいのか、この三権。いいという意見といけないという意見両方あるから、その辺もよく調整して国民のいろいろな議論も踏まえなきゃならない。一つの、スト権を本当に与えていいのかということに対しては、もう賛否両論といいますか、反対論も根強いわけです。そういう点も含めて考えていかなきゃならない問題だと思います。

○浅尾慶一郎君 その考え方を整理すると、相当時間が掛かると思うんですよ、ずっと今までこの議論をしていますので。  ちなみに、この片っ方をなくすだけで年間で一兆八千億円の大きな財源になるわけでありますから、それはすぐにでも議論をもっともっと詰めていくべきだと。ですから、そのスト権を与えていいかどうか。それは、例えば警察や消防や困るところあるでしょう。しかし、与えても困んないところも一杯あるんじゃないですか。例えば財務省の職員、スト権与えてストするんですか、どうですか。その辺ちょっと伺いたいと思います。

○国務大臣(谷垣禎一君) 今、浅尾委員のお話は、確かに大きな削減効果があるじゃないかということですが、もちろん私の立場からすると、できるだけ削減したいという気持ちはあるんです。でも、やはり公務員の身分というのは給与水準だけでは考えることができませんで、どういう職務体系なのか、それは確かに公務員の職務の中にもいろいろ議論がございますけれども、事はマッカーサー以来の公務員法制の基本に関するものでございますから、やっぱりきちっと論点は詰めなきゃいけないと思います。

○浅尾慶一郎君 私、冒頭申し上げましたけれども、民間でできることは民間にというのは総理のキャッチフレーズです。しかし、冒頭申し上げましたように、民間でできることは官でもできるんじゃないかと。ですから、民間でスト権与えて困んないところは官でも困んないんじゃないか、そういう職種のところは。それぐらいの整理はできるんじゃないですか。いかがですか、総理。

○内閣総理大臣(小泉純一郎君) その点も整理していかなきゃならない大事な問題だと思っております。

○浅尾慶一郎君 その点も整理というのは、そうすると、スト権はすべての公務員に与えられないということですか。

○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 与えられない点もあるでしょうし、与えられる点もあると思います。それは私がはっきり言うべき問題かと。時期があります、専門家の意見もあります。独断でやっちゃいけないと思います。

○浅尾慶一郎君 それじゃ、時期というのはどれぐらいの時期までに整理するんですか。

○内閣総理大臣(小泉純一郎君) できるだけ早くと。

○浅尾慶一郎君 これは去年の三月に同じ提案をさせていただいています。一年半たってまだ進んでいないと。ですから、そろそろ結論出したらいかがでしょうか。

○内閣総理大臣(小泉純一郎君) できるだけ早く。

○浅尾慶一郎君 まあこれ以上申し上げても、できるだけ早くということになると思いますが、総理の御関心のあるところはできるだけ早くということではなくて、すべてのことについて是非、先ほど申し上げましたように一兆八千億の財源もあるし、そのお金ということよりも、私はそもそも不公平だと、二重取りであるということ自体が不公平だと思っていますので、そこについてはできるだけ早くやっていただきますようにお願いしたいと思います。  次の質問に移りますが、これも昨年の三月に質問いたしました休息時間というこれも公務員の方にしかない制度でありますが、休息時間というのは有給の、勤務時間にカウントされる休憩時間というふうに考えておりますが、まずその制度の趣旨について伺いたいと思います。

○政府特別補佐人(佐藤壮郎君) いわゆる休息時間あるいは休憩時間の趣旨についての御質問だと思いますけれども、まず休憩時間でございますけれども、これはいわゆる昼休み、それから夜勤のときの仮眠に充てる時間でございまして、職員の健康と福祉のために設けられている時間でございます。これは正規の勤務時間の中には含まれません。  一方で、休息時間というのは、勤務中における軽度の疲労を回復して、その後の公務能率の増進を図るということが趣旨でございまして、これは職務専念義務は免除されておりますけれども、この休息時間中に仕事に戻る必要があるということがあれば、上司の命令によってすぐに仕事に復帰しなければいけないということでございまして、そういうことから、これは正規の勤務時間の中に入れております。

○浅尾慶一郎君 そうすると、今の御答弁の趣旨でいいますと、休息時間は、例えば午後三時にちょっと一服するために十五分間休むのに取るのが一番適切だというふうに人事院総裁としては考えられますか。

○政府特別補佐人(佐藤壮郎君) この休息時間の趣旨から申しますと、正におっしゃるとおりだと思います。例えば、肩凝りをほぐすためにちょっと運動をするとか、あるいは目の疲れを休めるとか、そういうのが本来の趣旨だというふうに思います。

○浅尾慶一郎君 そこで、伺わせていただきますが、今ちょっとパネルを使って説明をさせていただきますが、(資料提示)この休息時間が、昼休みに一時間あるいは四十五分のところを三十分休息時間を入れるとか、あるいは早帰りあるいは遅出勤のために使われるといったケースがいろいろあるようでありますが、各省ごとのこの休息時間、取っておられる時間帯、何時に何分、そして休憩時間が何分あるかというのをそれぞれお答えいただけますでしょうか。

○国務大臣(細田博之君) ちょっと記者会見の時間の関係で先に答弁させていただきますが、休憩時間は、内閣官房及び内閣府においては、人事院規則に基づきまして、午後零時三十分から零時四十五分までの十五分間になっております。休憩時間は、零時十五分から零時三十分まで及び午後零時四十五分から午後一時までとなっております。(発言する者あり)いや、済みません。最初の十五分は休憩時間、後の十五分ずつは休息時間でございます。

○浅尾慶一郎君 各省に伺うと相当時間が掛かるでしょうから、じゃ、外務大臣に外務省の例を、ちょっといろいろ外国との関係もあるでしょうから、伺いたいと思います。

○国務大臣(町村信孝君) 外務省では、十二時半から一時が休憩時間三十分間、その前後十五分ずつが休息時間というふうになっております。

○浅尾慶一郎君 どこの省でも結構でございますが、休憩時間が十五分で休息時間が前後三十分というところ、お答えいただけますか。

○国務大臣(岩永峯一君) 農水省では、十二時三十分から四十五分までの十五分間を休憩時間、それからその前後十五分ずつ三十分を休息時間としております。

○浅尾慶一郎君 私はこの休息時間と休憩時間というのはちょっと問題があると思っていまして、休憩時間は完全に無給の時間と。休息時間は何かあったら職務に専念しなきゃいけない時間であります。  先ほど外務省は、三十分が休憩時間で休息時間挟んで一時間だと。外に食事に行かれたときに、職場に戻れといったときにどうやって連絡を取られるんでしょうか。

○国務大臣(町村信孝君) 昼間、平日の昼間の休憩時間ですけれども、それぞれの課にちゃんと連絡担当者を置いておりまして、当番というんでしょうかね、これを指名して、緊急事態には直ちに関係者と連絡が取れるという体制を取っております。

○浅尾慶一郎君 そうすると、外務省の職員は全員携帯電話を持っておられるということですか。

○国務大臣(町村信孝君) 厳密な調査ではございませんが、ほぼ全員持っているんだろうと思います。

○浅尾慶一郎君 持っている持っていないというよりかは、先ほど人事院総裁が言われたように、本来の趣旨は勤務時間中の軽度の疲労を回復するためだと、何かあったらすぐ戻れという趣旨のものでありますから、それを昼休みに入れて早帰りしちゃうということは、これは有給の時間ですからね、無給ならいいんですけれども、有給の時間を昼休みに入れるというのはやめるべきではないかなと。先ほど申し上げました、民間でできることは官でもやるべきではないかと。民間にはありませんから、そういうことはそういう制度の趣旨にのっとってやったらいいんじゃないかなと思いますが、総理の御意見を伺いたいと思います。

○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 私は休憩と休息の説明を受けてもすぐ忘れちゃうんですよ、どっちが休憩でどっちが休息かと。なぜこういう細かく分けなきゃならないのかと、ちょっと疑問に思っているんですよ。だから、こういう点についてはまだ改善の余地があるんじゃないかなと思っております。

○浅尾慶一郎君 是非、去年も質問したことでありますから、早急に、できるだけ早く改善していただきたいと思います。  外交の問題に時間の関係で移らさせていただきたいと思いますが、安保理常任理事国入りへの取組についての総括をまず外務大臣、お願いしたいと思います。

○国務大臣(町村信孝君) 国連の改革、様々な分野で今議論が進められているのは委員御承知のとおりであります。その一つの重要な柱が安保理改革ということでございます。一年前の国連総会で小泉総理がそれを強く主張し、率直に言って、一年前の時点では世界全体で余り大きな反応もなかったかなと、こう思うんでありますが、その後、ドイツ、インド、ブラジルと、いわゆるG4というグループで一年間精力的な活動をやってまいりました。  今回の国連総会では、百四十か国近くの首脳があるいは外務大臣が安保理改革の必要性を訴えるというところまで安保理改革のモーメンタムといいましょうか、機運は大変高まってきたということが言えるというふうに私は考えております。ただ、現実に、G4のいわゆる枠組み決議案と申しておりますけれども、それは採択に至らなかったというのも事実でございます。そういう意味で、この夏で言わば第一段階は終了して、今度は第二ステージに移るのかなと、こう思っております。  その際に、先般の国連首脳会合で成果文書というものがまとめられまして、その中で安保理改革の位置付けというものを国連改革の中でも不可欠の要素であるというふうに位置付けた上で、その早期実現に向けて本年末までに国連総会が進捗状況をレビューすべしという合意文書ができ上がったところでございますので、今後そうした方面で様々な努力をしていかなければいけないと、かように考えております。

○浅尾慶一郎君 まあ客観的に言えば、この常任理事国入りの運動は失敗だったということだと思います。  そのことを踏まえて、まあ、失敗でないと首を振っておられるので、それではちょっと細かく伺っていきたいと思いますが、安保理に入るために専任のいわゆる大使は何人置かれましたか。

○国務大臣(町村信孝君) 簡単に浅尾委員は失敗であったと断定をされました。確かに、枠組み決議案が通らなかったわけですから、そこの部分だけを見れば失敗だという指摘をされても、それは私はあえて否定はいたしません。しかし、それですべてが終わったというわけではないわけでありまして、今後引き続き様々な議論、様々な努力が国連の舞台を中心に繰り広げられていくわけでございまして、言わば第二ステージをこれからどう運営をしていくのか、我が国としてどう取り組んでいくのかということについて今後様々な努力をしていく必要があるという意味で、少なくとも、ここまで安保理改革の機運が高まったということについては私はそれなりの成果があったものだと、かように考えております。  こんな難しい問題が一年やそこらで簡単に解決をするということではない、大変難しい性格のものであるということを分かった上で私どもはこの運動を始めているわけでございますから、そういう意味で、私はただ単に失敗であったという簡単な結論付けをするのは余りにも性急ではないだろうかと思います。  なお、今、国連改革の担当大使、何人指名をしたかということでございますが、外務省では今年の三月二十五日に、大きくアフリカ担当とかアジア地域担当とかいろいろ分けまして、六名を国連改革関係業務に従事をさせると。その後、若干入れ替わりがありまして、現在は七名が担当大使というものを務めてやっております。

○浅尾慶一郎君 七名置いてまたやっていくということなのかもしれませんが。  それでは、一部報道でありますが、国連の分担金について削減を目指していくという、町村外務大臣、国連総会での演説もございました。これはいわゆる安保理常任理事国入りの失敗に伴ってのものなのか、それとは切り離してのものなのか、その点についての外務省としての解釈を伺いたいと思いますが。

○国務大臣(町村信孝君) くどいようでございますが、失敗と私どもは考えておらないということを前提にしてお答えいたしますけれども、この分担率というのは、委員御承知のとおり、三年に一回ずつ見直しをするということになっているわけでございまして、現在の分担率は二〇〇六年まで用いられると。したがって、二〇〇七年以降の分担率については来年の年末までに改めて議論をし直して決めていくということが既に決まっているわけでございます。  したがって、この九月から始まった国連総会、一年間続くわけでございますが、その間に見直しの議論をやっていく、その冒頭であるということで、私は国連総会でこの見直しというものが必要であると。すなわち、国連分担率というものが加盟国の経済実勢に即して、これは基本的にそれぞれの国のGNIに基づいて計算をされるということが基本でありますが、その実勢に即した上で、かつ国連における加盟国の地位と責任というものが適切に考慮された衡平かつ公正なものにすべきであると、こういう主張をしたわけでございまして、直接この安保理云々と、安保理入りをどうこうということと関連付けて言っているわけではございません。

○浅尾慶一郎君 一方で、外務大臣がかつて記者会見で、国内で、安保理に入らない場合には、安保理常任理事国がかなわない場合には分担金を下げろという議論も出てくるという発言をされておりましたが、その点についてはおっしゃっていますね。

○国務大臣(町村信孝君) これは、大阪で外務省の国連改革のタウンミーティングというのを開きました。その中で参加者のお一人の方が、常任理事国入りできない場合には大幅に分担を下げたらどうかという発言をされた方があったわけでございます。  たまたまその直後、私はニューヨークに参りまして、国連の記者会見場でいろいろな質疑応答をやった。その中で、ある外国の記者の方がこの問題を提起されたものですから、私の方から、実は先日のタウンミーティングでこういう意見がありましたという紹介を私はしたことがございます。

○浅尾慶一郎君 地位と責任ということの演説はされているわけでありますが、現実に、その地位あるいは責任が安保理常任理事国ほどはないというのは事実だと思います。  そこで、したがって、地位と責任に応じた分担金の削減を求めていくというのは日本政府の立場であると思いますが、一方で、米国などでも議会がそのことを推進する、推し進めるというか歯止めを掛けるというか、ある条件が満たない限り予算を執行させないというのはアメリカなどの議会では決めておりますけれども、例えばそういう法案が出た場合に、自民党の総裁として小泉総理はどういうふうに判断をされますか。

○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 国連分担金について、各国のGNPに応じてという一つの原則がありますが、必ずしもGNPに比例していないんですね。それは、そういう原則があっても、ある程度一定の幅を持たせて、比例だけでない要素も入っている。  しかし、現在アメリカにおいても、アメリカの負担が多過ぎるんじゃないかという動きが議会の中であるというのは承知していますし、日本でも、常任理事国でないにもかかわらずアメリカを除いたロシア、中国、フランス、イギリス、この四か国よりも多い、これはいかがなものかということから、その公平性、こういう観点から分担金の見直しを進めてもいいのではないかという議論もしております。これは今後も続けていかなきゃならないと思います。

○浅尾慶一郎君 私の質問は、今御答弁ありましたけれども、実はアメリカは国連全予算の二二%を負担しています。日本は一九%です。日本の経済規模はアメリカの半分です。ですから、一九%という数字自体が多過ぎると。したがって、それについて議会として、これは予算は議会のあれですから、議会としてそういう法案を出すと。それの条件が満たない限りは予算執行を止めるという法案を出すとした場合に、これは内閣ではなくて自民党の党の総裁としてどういうふうに考えられるかということです。

○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 金出しているから発言権よこせという理屈も分かりますけれども、私は、お金だけじゃないと、日本の役割というのは。国会でそういう議決が出ればということでありますが、出るかどうか分からないんですから、そういう点についてはよく国際情勢なり日本の果たす役割、これも十分考えていかなきゃならない問題だと思っております。

○浅尾慶一郎君 私が申し上げたいのは、要するに、国連に言うだけ言って決まればそれに従うという姿勢ではなくて、議会は国連とは別の場所ですから、議会としての姿勢を示すべきだと。それは、ある条件が満たない限りこの予算の執行は認めない、そういう法案を出すことはできるわけですから、それについてどういうふうに考えるかという質問です。

○内閣総理大臣(小泉純一郎君) そういう議論が行われ、日本の国会がどういう意思を表示しているかというのは一つの意義があると思います。それはやっぱり議論を見守らなきゃいけない。そういう決議が出されて、可決されるか否決されるか、そういう点も含めて考えなきゃならない問題だと思っています。

○浅尾慶一郎君 是非自民党の総裁としての御意見を伺いたかったわけでありますが、お答えいただけないようでありますので。いや、お答えいただけるんならどうぞお願いします。

○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 今のはお答えだから答弁なんです。

○浅尾慶一郎君 そういう法案について賛成か反対か、あるいは考え方について伺おうと思ったんですが、どうも答えていただけないので次の質問に移らさしていただきたいと思いますが、六か国協議、六か国協議について伺いたいと思いますが、この六か国協議については軽水炉の提供と核開発、拉致問題の、開発の、我が国の解釈、どちらが先なんでしょうか。

○国務大臣(町村信孝君) 拉致との後先ということについて今のお尋ねでございました、軽水炉の提供ですね。  これは、日朝平壌宣言にございますように、拉致、それから核、ミサイルと、これを包括的に解決して、日朝国交正常化を実現をして、その上で経済協力を行っていくと、これが政府の基本的な考え方でございます。  六者会合の共同声明にございますこのエネルギー支援等につきまして今後具体的に議論をされていくわけでございますけれども、日本の参加については、こうした諸懸案の解決に向けての進展状況というものを見つつ、また日朝関係全体の状況を見ながらこれは考えていくということで、一義的にどちらが先か後かということを今軽々に発言することは外交上得策ではなかろうと、こう思っております。

○浅尾慶一郎君 そうすると、今の御答弁をもう一度整理しますと、軽水炉の提供が先である可能性もあるというふうに聞こえますが、それでいいんですか。

○国務大臣(町村信孝君) まず、軽水炉と核兵器の廃絶ですね、これにつきましては非常に前後関係は、少なくとも北朝鮮以外の五か国は明確な共通認識を持っております。それは、すべての核兵器及び既存の核計画の検証可能な放棄を約束をした後の適切な時期にこの軽水炉の提供問題を議論することあり得べしということで、この後先ははっきりしております。  ただ、委員のお尋ねのこの拉致との関係、これにつきましては、私どもは拉致、核、ミサイル、それらを一括して考えるという立場でございますから、先ほどのその核兵器あるいは核計画と軽水炉の後先は非常にはっきりしておるわけでございますが、他の問題については今のところ、そこをあえて私どもは明示しないでいるという考え方に立っているわけであります。

○浅尾慶一郎君 核開発、核廃棄については、軽水炉はその後だよと、核開発が先だよと、しかし拉致については、そこについては明確に答えないということ、場合によっては拉致の問題の根本的な解決の前に軽水炉の提供もあり得べしという御答弁というふうに伺いましたが、拉致の御家族あるいは国民感情としてはこれはとても納得できないようなものだというふうに思いますが、今の答弁、確認させていただきますが、それでよろしいですか。

○国務大臣(町村信孝君) もとより私どもはこの拉致問題、今言われた御家族の皆さんのお気持ちを踏まえながら、正に国家による人権のじゅうりんであるということで、今その解決に向けて、一時期中断をしておりましたが、今、日朝二国間の話合いを今正に再開しようかということで、その下準備が、連絡が取られ始めているという状況でございまして、一刻も早い拉致問題の解決に努力をしていくということについて何ら変わりはないわけであります。  ただ、そのことと今回の六者協議との関係、ある意味では同時並行して進んでいく協議プロセスになろうかと思いますので、簡単にどちらが後だ先だということを申し上げるのは現状ではなかなか難しい。あえてそこは明確にさせないことが私どもの外交のフリーハンドというのを持ち得るのではないかと、こう考えているからでございます。

○浅尾慶一郎君 私は、少なくとも拉致の問題の解決を見ないうちに、軽水炉の協議はあるかもしれませんが、実際の具体的な提供があっては、これはとても国民が納得できないというふうに思いますが、それでもやられるということであれば、まあそれは政府の判断ということだと思いますが、自民党席からもそれはおかしいと首をかしげる声も出ておりますが、そのことは申し添えておきたいと思います。  そこで、少なくとも軽水炉と核廃棄はセットだと、核廃棄は先だということでありましたが、北朝鮮は政府の公式なプレスリリースとして、軽水炉の提供が先だということを言っております。このことについて外務省として、あるいは政府として抗議はされましたか。

○国務大臣(町村信孝君) この点は、正に六者協議の最終日で、あるいはその六者の今回の合意文書をまとめるプロセスの中で大変に議論になった、ある意味では最大の争点になった部分でございます。先ほど申し上げましたように、北朝鮮以外の日本を含めての五か国は、当然のこととして軽水炉提供問題は当然後に来るんだということをステートメントで明確に申し上げておりますし、そのことは自後の記者会見でもはっきりしております。  北朝鮮も当然そういう理解であると私どもは思っておりますが、今、委員御指摘のとおり、あの六者会合の翌日でしたか、そういう先方北朝鮮政府の談話というものが出されたわけでございますが、これは十一月ごろに再開をされるであろう次回六者協議の中で、正にどういうテーマをどういう手順でどういう形で検証可能なものにしていくのかという、言わば実質的な、本当にある意味では難しい協議の言わば前哨戦が既に始まっているということであろうなと私は受け止めております。  いずれにしても、北朝鮮側の談話、演説というものは他の五か国にとって全く受け入れられるものではないということは明確でございます。

○浅尾慶一郎君 全く受け入れられるものではないということを日本の国会で言うのと直接そのことを北朝鮮政府に対して次回の協議の前に伝えるのとは別問題だと思いますが、なぜそのことを伝えないんですか。

○国務大臣(町村信孝君) 言わばそういうことになることも予想しながら、既に六者協議の最終日にそのことはそれぞれの代表団が言っているわけでありますから、一々の談話に一々またそれを言うということも一つの方法かもしれませんが、正にそれは十一月からの実質議論の中でそのことが議論をされると、また日朝間での話合いの場も持たれれば、その場ではっきり申し上げていくことは当然のことだと思います。

○浅尾慶一郎君 少なくとも、北朝鮮に申し入れないまでも、政府として主体的に遺憾であるという声明は出すべきだというふうに私は思います。そのことについてどうも出しておられないようなので、次回に譲るということであれば、それは一つの、まあ間違ったメッセージを送るんではないかなというふうに思っておりますので、そのことを申させていただきたいと思います。  ここでなぜこういうことを申し上げるかといいますと、先ほどの国連の分担金もそうでありますが、どうもその流れに従って決めるという姿勢があるわけでありまして、そうではなくて、日本の政府として主体的にどう行動するかということが大事なんではないかなと、そのことを是非申し上げたいと思いますが、その点についてもし何か総理もあれば。

○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 六者協議という場というものは、今後、北朝鮮との交渉の場でも大変重要な場であると思っております。日本政府の主体的な考えを伝える、そういう場でもあるし、同時に各国との協力を重視する場でもあると、両方大事だと思っております。

○浅尾慶一郎君 私は、その個々のコメントについて申入れをする、あるいは少なくとも政府としてそれは違うということを、聞かれて言うんではなくて主体的に言うべきだということを改めて申し上げさせていただきまして、最後の質問項目に移らさせていただきたいと思いますが、最後は総理お得意の郵政問題について少し伺っていきたいと思いますが、まず、NTT、JRがよく対比されますが、NTTが民営化される前と後の東京─大阪間の通信料金、お答えいただけますでしょうか。

○国務大臣(麻生太郎君) お待たせしました。  昭和六十年、一九八五年、NTTを民営化をしたんですが、そのときに、東京―大阪間の電話料金、NTT発足時点で三分四百円、平日昼間でありましたのが、競争の進展の結果、まあ技術も進んだんだと思いますが三分八十円になっていると、NTTコミュニケーションズの場合の例であります。  IP電話というのが出てきておりますので、IP電話の例でいきますと、NTT東西の固定電話にIPを使って掛けた場合は三分八円でありまして、料金はいずれも税抜きの形であります。

○浅尾慶一郎君 次に、JRについて伺いたいと思いますが、JR各線の中で、近郊ということで結構でございますが、キロ当たりの一番安い五路線をまず伺いたいと思います。

○国務大臣(北側一雄君) 近郊で運賃が安い区間ですね。そこに出ておるとおりでございます。一位から五位まででございますが、一番安いところを申し上げますと、大阪―神戸間が三十三・一キロでございますが、運賃三百九十円でございます。

○浅尾慶一郎君 パネルを用意しましたので申し上げたいと思います。(資料提示)まあ私の出身の神奈川も横浜―大船間の方が横浜―品川間よりも大分高い。品川―横浜間は安いんですね。今お話がありましたJRの各線上位五位は、すべてこれは競合の私鉄が並行して走っています。横浜―品川間も御案内のとおりJRと京浜急行が並行して走っているからキロ当たりの運賃は安くなっているということであります。  そこで、質問であります。  また、先ほどのNTTは四百円だったものが、まあ八円というのはこれは技術革新だと思いますが、八十円は競争の結果だということだと思いますけれども。質問は、郵政民営化すると、民営化すればすべてのことが解決するということでありますが、本当はこの郵便事業については信書便法案ということでなかなか民間の参入が難しくなっていますが、その信書便法案を改正する用意があるかどうかというのは最終的に総理に伺いたいんですが、その前に総務大臣に、新たに民間の事業者が信書の配達に参入しようとした場合にポストを何本全国に造らなきゃいけないかと、その数字を伺いたいと思います。

○国務大臣(麻生太郎君) 信書便の差し出し箱と言われるいわゆるポストのあれは約九万九千、正確には四百五十六本ということになっておりますが、これは人口と人口密度比との関係で割っておりますので、政令指定都市だと簡単に言えばまあ千人当たりで〇・五本ということになりますが、過疎地にいきますと約二本ということになりますので、人口密度の差が非常に大きく勘案されているという点もあると。よく忘れられるところですけれども、そこが大事なところだと思います。

○浅尾慶一郎君 最後に総理に伺いますけれども、今、JRとNTTの例を出しました。JR、NTTは民営化されて良くなったという話でありますが、それは競合するところがあって良くなっているわけでありまして、信書便法案については、今般民主党が出しました郵政法案についてこれについても適切な時期に見直しをすると。今、十万本も新たに箱を造るというのはなかなか大変だというようなので見直しをするということも入れてありますが、どうですか、その競争促進についてどういうお考えがあるか、その点について伺って質問を終わりたいと思います。

○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 私も見直していいと思いますね。できるだけ参入しやすい環境をつくるべきだと思います。十万本が固定される必要はないと思います。

○浅尾慶一郎君 終わります。

2005年10月04日 (火)

「国会質疑の醍醐味」

1年半ぶりに予算委員会で総理はじめ各閣僚に質問をすることが出来ました。私は、質問は政策提言を主眼とする様に心がけており、本日の質疑でも何点かの提言を致しました。内三点につき以下に報告致します。

まず、実現出来たのは公務員の昇給に関する法律の解釈の改正です。法律上、国家公務員は「勤務成績が良好」な場合、昇給することになっておりますが、今まで「良好」の解釈としては「年間40日以上の欠勤がない」こととなっておりました。逆に言えば、有給休暇に加えて年間39日までなら欠勤があっても昇給しておりましたが、これを改めることが出来ました。こうしたごく当たり前の改正ですが、1年半前から指摘をして漸く実現が出来ました。

次に、実現に向けて総理の建設的な答弁を引き出せたものに、郵便事業への民間参入を容易にする信書便法案の改正に関する質疑があります。手紙や葉書の送付を新規に取り扱おうとすると、全国に約10万本の新しい郵便ポストを設置しなくてはならず、事実上民間参入が出来ない仕組みとなっております。JRの距離当たりの運賃は大船~横浜間よりも、横浜~品川間のはるかに安いのですが、これは横浜~品川間には平行して京浜急行線が走っているからです。こうしたことを考えると、郵政民営化だけでは、消費者の利便性の向上にはつながらず、競争を導入しなくてはならないと思ったので、上記の提言を致しました。

最後に、前向きの答えがもらえなかった提言の一つに公務員の退職金と年金制度の改正があります。公務員の退職金を決定する際には民間比較がなされますが、比較されるのは民間の退職一時金と企業年金を一時金で受け取った金額の合計額です。一方で、公務員の共済年金は月額地方公務員で6万円、国家公務員で4万6千円厚生年金より支給額が多くなっております。多くなっている理由は共済年金には職域加算という企業年金に相当するものが存在するからです。つまり、年金として月々企業年金に相当するものも支給され、同時に企業年金を一時金で受け取った場合の一時金分も退職金に含まれて支給される完全な二重支給が現下の実情です。この二重支給を改めるだけで年間1兆5千億円削減にもつながるし、民間と比べて不公平な制度の是正を主張しましたが、のらりくらりとかわされました。



参議院議員 浅尾慶一郎
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