あさお慶一郎(前衆議院議員 神奈川4区)

2005年07月03日 (日)

「日本発の世界的なプロジェクト」

日々永田町での様々な出来事を追いかけているうちに、夢や希望が持てる政策を出すという政治の大きな責務を忘れてしまいそうになることがあります。そうした中、先日「水とCO2使い軽油作る微生物――海洋バイオ研、温泉から発見。」という記事が新聞に出ており、私に政治家を志した初期の政策目標の一つを思い出させました。

水と二酸化炭素から重油を作る微生物は見つかっていますが、軽油を作り出すものの発見は世界で初めてです。今後は、プラントで人工的に軽油を作る研究を進め、実用化を目指すそうです。新たに見つかった微生物は、「シュードコリシスティス」というもので、中性の培養液中で光を浴びると、軽油を作り、微生物の重量の20~25%まで体内にためることが可能です。微生物を回収してすりつぶすだけで、簡単に軽油を取り出せるそうです。

米国は、かつてアポロ計画の下で人を月に送るという壮大な国家事業を行いましたが、私は、常々、増加する二酸化炭素濃度が原因で地球温暖化が進んでいることを考えれば、我が国の科学技術政策の大きな目標は排出された二酸化炭素を回収し、固定化することだと思っておりました。温暖化防止にクールビズの格好を取り入れ、冷房温度を上げるという様な二酸化炭素排出量を抑制する試みはありますが、そもそも排出された二酸化炭素を回収しようという発想に何故ならないのか不思議でした。植物は、太陽エネルギーの力を用いて二酸化炭素と水を光合成によりブドウ糖と酸素に変えますし、軽油や重油を作る微生物もいるのです。

もちろん自然の摂理は人間の生半可な想像の及ばないものですので、研究の道程は長く、地味なものになるでしょう。しかし、人類が排出した二酸化炭素を回収し酸素やブドウ糖や軽油に変え、その一部をエネルギー源として再利用しようというプロジェクトの意義は、人を月に送ることに劣りません。だからこそ、人工光合成や軽油を人工的に作る研究を国家プロジェクトとし、その研究の果実を無償で世界に開放することを本気で考えるべきだと思います。



参議院議員 浅尾慶一郎
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