あさお慶一郎(前衆議院議員 神奈川4区)

2005年06月28日 (火)

参議院 財政金融委員会 16号 平成17年06月28日

162-参-財政金融委員会-16号 平成17年06月28日

○委員長(浅尾慶一郎君) ただいまから財政金融委員会を開会いたします。
委員の異動について御報告いたします。
去る十六日、松岡徹君が委員を辞任され、その補欠として広野ただし君が選任されました。
また、去る十七日、島田智哉子君が委員を辞任され、その補欠として大塚耕平君が選任されました。
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○委員長(浅尾慶一郎君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
財政及び金融等に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、政府参考人として防衛施設庁施設部長戸田量弘君外六名の出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(浅尾慶一郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
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○委員長(浅尾慶一郎君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
財政及び金融等に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、参考人として日本銀行副総裁武藤敏郎君の出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(浅尾慶一郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
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○委員長(浅尾慶一郎君) 財政及び金融等に関する調査を議題といたします。
まず、金融機能の再生のための緊急措置に関する法律第五条の規定に基づく破綻金融機関の処理のために講じた措置の内容等に関する報告に関する件について、政府から説明を聴取いたします。伊藤内閣府特命担当大臣。
○国務大臣(伊藤達也君) 本年六月十七日、金融機能の再生のための緊急措置に関する法律第五条に基づき、平成十六年十月一日以降平成十七年三月三十一日までを報告対象期間として、その間における破綻金融機関の処理のために講じた措置の内容等に関する報告書を国会に提出申し上げました。
本日、本報告に対する御審議をいただくに先立ちまして、簡単ではございますが、本報告の概要について御説明申し上げます。
初めに、特別危機管理銀行である足利銀行について申し上げます。
足利銀行については、平成十五年十一月二十九日、金融危機対応会議の議を経て、預金保険法第百二条第一項第三号に定める措置を講ずる必要がある旨の認定及び特別危機管理開始決定がなされて以来、同法に基づき所要の措置が講じられてきたところでございますが、報告対象期間中には、昨年十月八日に業務及び財産の状況等に関する報告が提出され、特別危機管理開始決定の公告時における資産及び負債の状況が公表されております。また、同年十二月一日には、平成十六年九月期における経営に関する計画の履行状況の報告が提出されております。
また、本年二月四日、足利銀行により旧経営陣に対し損害賠償を求める三件の訴訟が提起されております。
さらに、本年二月二十八日には、預金保険法第百二十九条第三項に基づき、預金保険機構により五百六十四億円の資産買取りを行う旨の決定が行われ、同年三月二十二日、預金保険機構の委託に基づき整理回収機構により当該資産の買取りが実行されております。
次に、破綻金融機関の処理のために講じた措置の内容について申し上げます。
金融整理管財人による業務及び財産の管理を命ずる処分は、報告対象期間中には行われておりません。
続いて、新生銀行及びあおぞら銀行からの預金保険機構による瑕疵担保条項に基づく債権買取りの状況について申し上げます。
報告対象期間中に預金保険機構が引き取った案件は、あおぞら銀行についてはなく、新生銀行については四件で、債権額百三十二億円、支払額百二十二億円となっております。
なお、新生銀行及びあおぞら銀行から預金保険機構が今後新たに引き取る案件はなく、これまでの累計で、新生銀行から引き取った案件は三百三十一件で、債権額一兆二千百十九億円、支払額八千九百二十八億円、あおぞら銀行から引き取った案件は百五十五件で、債権額四千四百五十四億円、支払額三千二百八十六億円となっております。
続いて、預金保険機構による主な資金援助等の実施状況及び政府保証付借入れ等の残高について申し上げます。
破綻金融機関の救済金融機関への営業譲渡等に際し、預金保険機構から救済金融機関に交付される金銭の贈与に係る資金援助は、報告対象期間中にはなく、これまでの累計で十八兆六千百五十六億円となっております。
また、預金保険機構による破綻金融機関からの資産買取りは、報告対象期間中には足利銀行からの五百六十四億円、これまでの累計で六兆四千二百七十八億円となっております。
これらの預金保険機構による資金援助等に係る本年三月三十一日現在の政府保証付借入れ等の残高は、一般勘定、金融再生勘定、金融機能早期健全化勘定、危機対応勘定及び金融機関等経営基盤強化勘定の各勘定合計で十六兆八千七百四億円となっております。
最後に、参考として報告しております公的資本増強行に対する取組のうち主なものについて申し上げます。
りそなホールディングス及びりそな銀行については、平成十七年三月末までを対象として策定されていた経営健全化計画の見直しが行われ、新しい経営健全化計画が昨年十一月十八日、公表されました。
ただいま概要を御説明申し上げましたとおり、破綻金融機関の処理等に関しては、これまでも適時適切に所要の措置を講じることに努めてきたところであります。金融庁といたしましては、今後とも、我が国の金融システムの一層の安定の確保に向けて万全を期してまいる所存でございます。
御審議のほど、よろしくお願い申し上げます。
○委員長(浅尾慶一郎君) 以上で説明の聴取は終わりました。
これより質疑に入ります。
質疑のある方は順次御発言願います。
○平野達男君 民主党・新緑風会の平野でございます。
今日は、破綻金融機関の処理に関連しまして、長銀のゴールドマン・サックスとのフィナンシャルアドバイザー契約について何点か質問させていただきたいと思います。
この件に関しましては、理事懇あるいは理事会の場においても何回か議論させていただきまして、前回の理事会では佐藤監督局長にもおいでいただきました。その議論もありまして、重複は避けまして、できるだけ重複避けた形で質問したいと思いますので、よろしくお願いします。
まず、お手元に資料二枚、今日は用意させていただいております。
一枚目が、新生銀行、旧長銀をめぐる動きということで、おさらい的にちょっとお話をさせていただきたいと思いますが、平成十年の十月に特別公的管理を申請し、破綻が確定しました。これで一時国有化されたわけです。その後十二月に長銀が、今これから議論になるところのフィナンシャルアドバイザーを公募しまして、十一年の二月にはゴールドマン・サックスと契約を締結します。そして、まあいろいろやり取りして、十二年の三月にはニュー・LTCB・パートナーズに譲渡されたということです。
それから、ちなみに、この長銀の処理に当たりましては瑕疵担保条項が国会でも随分議論になりましたが、この瑕疵担保条項の行使期間は三年間ということで、平成十五年二月には終了したと、こういうことです。
一枚めくっていただきますけれども、新生銀行に投入された公的資金の概要ですが、一番目が旧長銀の債務超過分の穴埋めで三兆約六千億。それから、債権の買取りそれから株式、これは旧長銀が持っていた保有株ですね、これが今、預金保険機構で買い取って旧長銀信託に大部分が今、信託されています。それから、瑕疵担保条項に基づく国の買戻し約九千億。これについては後ほどいろいろ質問させていただきます。資本注入が四千百六十六億。合計約七兆九千億という、こういう資金投入の状況になっているわけです。
そこで、こういう状況になって、そもそもそのゴールドマン・サックスというフィナンシャルアドバイザーがどういう役割を果たしたのか。果たして契約したとおり、期待されたとおりの役割を果たしたのか。それを是非国会の場で議論しようじゃないかと、そういう観点で、浅尾、今は委員長ですけれども、浅尾委員が何回も、このゴールドマン・サックスのフィナンシャルアドバイザー契約の契約書の公開をしていただきたいということを当委員会で要求したり、あるいは、その後、民主党の各委員が何回も要求しておりまして、これが一向に実現されていないということであります。
そのフィナンシャルアドバイザー契約の契約の開示につきましては、大きく二つの理由があって開示できないというふうに言われてきました。
一つは金融行政上の支障であると。すなわち、これからもフィナンシャルアドバイザー契約等々があって、そういったことで、その契約金を決めるときなんかの支障になるんだという、まあ金融行政上の支障だと。それからあと、ゴールドマン・サックス自身が自らの経営上非常に支障が出るのでこれは公表したくないと、よってこれは守秘義務があるという二つの理由であったかと思います。
で、今まで佐藤監督局長にもおいでいただきまして聞いたところによりますと、まず金融行政上の支障は、もうフィナンシャルアドバイザーを雇ってやるようなこんな事例は余りないだろうといったこともあって、現時点ではなくなってきていると。残るところは、ゴールドマン・サックスがまだ公開を了解していないと、よってこの守秘義務がまだ掛けられているために公開できないというお話でしたけれども、確認ですけれども、金融担当大臣、私が今このように申し上げたことで間違ってないでしょうか。
○国務大臣(伊藤達也君) お答えをさせていただきたいと思います。
平野委員から今御説明をいただいたところでございますけれども、金融庁といたしましては、従来より、金融行政上の支障、そしてゴールドマン・サックス社の反対の二つを開示できない理由として述べてきているところでございますが、仮にGS社が開示を了解すれば、現在は金融行政上の支障は小さくなっているので開示は可能であると考えております。ただし、GS社が開示に反対している場合には、依然として金融行政上の支障は大きいものと認識をいたしているところでございます。
より具体的に説明をさせていただきますと、従来は、GS社がFA契約の開示を了承した場合でも、事後のFA活用に支障を来すおそれを考慮し慎重な対応が必要との認識がございましたが、現在では、長銀の破綻処理時及びその後しばらくの間の状況と現在の状況を比較をいたしてみますと、現在の我が国の金融システムは当時と比べ相対的に安定した状況にあること、他方、当時と比較をして現在は費用面及びノウハウ面も含めFAのすそ野が拡大していること、こういった状況の変化を踏まえますと、開示に伴って生じるFA活用にかかわる支障は小さくなっており、当局側の事情により開示を拒む必要性はなくなっていると考えております。したがって、仮にGS社がFA契約の開示を了承すれば、当庁としては開示は可能であると認識をいたしているところでございます。
一方、GS社が開示に反対しているにもかかわらず当庁がこれを一方的に開示を行った場合には、国家公務員法上の守秘義務に抵触する可能性があり、GS社の反対を押し切って当庁が一方的に開示することは困難であると考えているところでございます。
より具体的に申し上げますと、私企業の競争上の地位その他正当な利益を害することにより経済取引の安定性、信頼性に悪影響が及ぶおそれがあること、民間企業の正当な利益を害することにより損害賠償請求訴訟が提起される可能性も考えられること、今後民間企業との間で守秘性のある契約の締結一般を困難ならしむるおそれがあること、こうしたことに照らしても守秘することの公益は大きいものと考えております。したがいまして、GS社がFA契約の開示に反対している現状におきましては、当庁から開示することは困難であると考えているところでございます。
○平野達男君 今の御答弁の中で、次に私がしようとした質問に対するもう答えもあったのかなと思いますが、守秘義務を守らなければならないということで、それは契約の段階で守秘義務が掛かったということは理解しております。
しかし一方で、今回の長銀の処理に当たりましては、先ほど言いましたように、七兆以上の公的資本注入をし、公的なお金を使っている。大体三兆六千は少なくとももう損失というか戻ってこないお金として確定しております。一方で、それを十億で売ったとも言われています。売って、リップルウッドですね、リップルウッドが中に入っているわけですが、十億で売って、それで最終的に新生銀行が株を上場するときには大体八千億から九千億ぐらいの利益を得たと、利益、含み益を含んで得たというような、そういう経過もありまして、本当にこのゴールドマン・サックスが何をしたんだと、どっち側の立場で仕事したんだと、どれだけの役割を果たしたんだということについては、これはやっぱりきっちり検証していく必要があるんだろうと思います。
そこで、この守秘義務が大事か、ゴールドマン・サックスのその契約を公表することによる国益と公表しないことによる国益、どっちが大事かということが多分問題になってくるんだろうと思います。その観点について、先ほどの答えの中に入っていたのかなという感じもするんですが、簡潔で結構ですから、ちょっと御答弁いただけるでしょうか。
○国務大臣(伊藤達也君) 今の点についてお答えをさせていただきたいと思います。
GS社がFA契約の開示に反対している中で、当庁がその反対を押し切って一方的に開示をした場合には、先ほども少し申し上げさせていただいたように、私企業の競争上の利益その他正当な利益を害することにより経済取引の安定性、信頼性に悪影響を及ぼすおそれがあること、損害賠償請求訴訟を提起される可能性も考えられること、今後民間企業との間で守秘性のある契約の締結一般を困難ならしめるおそれがあること、こういったことが懸念され、これらの事態を回避し得ることが当庁として国家公務員法上の守秘義務を守ることによる公益と認識をいたしているところであります。
他方、国政調査権の行使によって得られるべき公益につきましては、行政当局が断定的に申し上げる性格のものではございませんが、多額の公的資金が使用された長銀にかかわる破綻処理の事後検証に寄与するということが公益として考えられると思います。
当庁といたしましては、両方の公益というものを比較をいたしますと、GS社がFA契約の開示に反対している現状においては、国家公務員法上の守秘義務を守ることによる公益の方が大きいと判断をいたしているところでございます。
ちなみに、本件FA契約については、情報公開法に基づく当庁の決定に対し開示請求者から異議申立てがあり、それを受けて本年二月に情報公開審査会の答申が出されておりますが、当該答申においても、これを公にすることにより法人の競争上の地位その他正当な利益を害するおそれがあると言える旨の判断が示されているところでございます。
なお、当庁といたしましては、国政調査権を背景とした国会からの資料要求の重みについては十分認識をいたしているところであります。GS社に対しては過去数度にわたりFA契約の開示の検討を要請するとともに、国会においても、FA契約の要点に加え、FAの選定基準や選定過程について可能な限り説明をさせていただいてきているところでございます。
○平野達男君 国政調査権の発動によってその資料開示を国会として要求するかどうかというのは、まずこの委員会で議論をした上で、院としてどういうふうな対応をするかということになるかと思います。
ただ、私どもは、いずれにせよ、今回のその長銀の破綻処理に関しましては本当に分からないことだらけだというふうに思っていまして、繰り返しになりますけれども、そもそもゴールドマン・サックスが一体何をしたんだろうかと、どういう役割を果たしたんだろうかということについては、しっかりと国会の中で検証しておくことが必要だというふうに思っております。いずれ、この開示を国会としてあるいは当委員会としてどのように扱うかにつきましては、この委員会としての今後の、今後というか、早急に議論をして方向付けをしたいと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。
そこで、要は、今の段階ではゴールドマン・サックスがどうしてもいいと言わないからこれはできないということなんですが、平成十一年の四月の十三日、これは当時の柳澤担当大臣なんですが、このように答えているわけですね。これは浅尾当時委員に対する、質問に対する、開示要求に対する答えです。
ちょっと読ませていただきますと、また公的管理が終わった後、この法律が失効して、こういったことの制度がなくなった後についてはすべてのことを明らかにするわけでございまして、そのときにまた御批判を賜りたいと私は思いますけれども、今この途上において、この途上においてというのは、ちょっと注釈付けさせていただきますと、今破綻処理期間中であるということを指していると思います、この途上においてそういったことをすべて開示することが今後の制度の運用上本当に適切かどうかということについては、私は責任を持たせていただいている立場からやや疑問に思いますと、このように答えているわけです。
何を言いたいかといいますと、この中では明らかに、この法律が失効して、こういったことの制度がなくなった後についてはすべてのことを明らかにするということは言明しているわけですね。その後、当時の森事務局長が立ちまして、いや、ゴールドマン・サックスがこれは同意しないとできませんよというような補足はあるんですが、当時の柳澤担当大臣は、明らかにこれは公表するということに対して、言葉だけか、ポーズだけか、本音かどうか分かりませんが、こういうことを言っているわけですね。
これ、今聞かれて、担当大臣、今どのように思われるでしょうか。本当は谷垣大臣も金融再生委員長をやられましたから同じことを聞きたいんですけれども、まず今日は伊藤大臣にお伺いしたいと思います。
○国務大臣(伊藤達也君) 今御指摘のありました柳澤大臣の答弁につきましては、そのような答弁があったということは事実でございますけれども、それと同時に、国としての守秘義務やGS社の了解が必要なことについても言及をされているというふうに理解をいたしております。
また、柳澤大臣の答弁につきましては、長銀の破綻処理について、我が国の金融システムの危機を回避するために要したコストとその成果をどのように評価するかという歴史的な検証に関する将来的な意義についての大きな認識を示されたものではないかと考えているところでございますが、いずれにいたしましても、GS社がFA契約の開示に反対している現状におきましては、当庁から開示することは困難であることについて御理解を賜りたいと思います。
○平野達男君 これ、ずっと議事録をめくっていきますと、ゴールドマン・サックスがとにかく同意しないから開示できないんだということで、どんどん論点が移っているというか、開示できない理由の根拠をそちらに移していっているんですよね。しかし、この段階では柳澤大臣は、そういうことではなくて、やはりきっちり開示をするという、そういう姿勢を明確に出しているわけです。
私は、本当はこれ、柳澤担当大臣にここに来ていただいて、このときの答弁の趣旨をもう一回確認したいぐらいなんですけれども、この段階でやっぱり政府の中できっちりとした意思統一みたいなものができていなかったんではないかと。特に、当時の森事務局長は、金融再生委員会の議事録、これもちょっとぱらぱらめくってみましたけれども、そもそもフィナンシャルアドバイザー契約なんか外に出せないんだみたいなことをここで発言しているんですよね、その趣旨のことを。しかし、にもかかわらず、国会ではこういう答弁をして、どうも浅尾委員の当時の追及が厳しくて、その場限りで逃げたかったのかどうか分かりませんけれども、実に本当に、今こうやって見ますと、不誠実かつ不まじめな答弁ではないかというふうに思います。
これに対するコメントをお聞きするつもりはありません。ただ、機会があれば柳澤担当大臣に参考人として是非ここに来ていただきたいという気持ちはしております。理事会で協議していただきたいということも特にちょっと主張しておきます。
○委員長(浅尾慶一郎君) ただいまの御発言につきまして、後刻理事会で協議いたします。
○平野達男君 それで、このゴールドマン・サックスのフィナンシャルアドバイザー契約の契約書の提示につきましては、先ほど来から何回も言っていますように、そもそも旧長銀の破綻処理に当たって、ゴールドマン・サックスがどのような役割を果たしたんだということについての検証をしたいんだということを先ほど来から私申し述べてきたとおりです。
このフィナンシャルアドバイザー契約につきましては、なぜ契約をしたかということにつきましては、当時の金融再生委員会の議事録あるいは国会のいろんな答弁なんかを見ていますと、三つあるかなと思います。一つは、早期に特別公的管理を終了すること、それから長銀一体としての譲渡、それからもう一つが公的コストの最小化ということで費用最小化の原則ということが、これは金融再生法の中にも、法律の中にもあるわけですが、この三つではないかと思います。あと、そのほかに透明性とかなんとかとか、いろいろ言われていたと思いますけれども、大体この三つではなかったかと思うんです。
本当は、私どもはこの国会の中で、契約書を見ながら、本当にその三つの目的が達成されたかどうかということを審議したいわけですが、残念ながら今の段階ではできません。しからば、金融庁として、このゴールドマン・サックスかゴールドマン・トランペットだか知りませんけれども、どういう役割を果たしたのかということについての内部の評価をしているはずです。少なくともこの三つの目的を持ってフィナンシャルアドバイザー契約が必要だと言っているわけですから、これについてどのような評価をされているか、これをきちんと答えていただきたいと思います。
特に、繰り返しになりますけれども、約八兆円近くのお金を使ったと。損失も最低限三兆六千、あるいは四兆ぐらいにもう確定しているかもしれません。そういうものを十億で売ったと。伝えられるところによりますと、フィナンシャルアドバイザー契約は数億だというふうにも聞いています。これは本当かどうか分かりません、公表されていませんから。最終的には、それを上場したときには、向こうの企業努力もあったかもしれませんけれども、九千億ぐらいの株の含み益も含めて利益を上げていると。こういう中で、本当にゴールドマン・サックスはどっち側を向いて仕事したんだろうかというような疑問がたくさん出てくるわけです。
そういうことも踏まえた上で、特にこの三番目の公的コストの最小化につきましては、これは本当にどのように評価されているかということについて特に重点を置いて聞きたいと思いますが、ちょっと御答弁をお願いしたいと思います。
○国務大臣(伊藤達也君) 今、平野委員からも御指摘がございましたように、長銀の処理に際しましては、早期に特別公的管理を終了すること、長銀一体としての譲渡を目指すこと及び公的コストの極小化を図ること、こうしたことを目的に、長銀においてフィナンシャルアドバイザーとしてゴールドマン・サックス社を採用したところでございます。
金融再生委員会におきましては、長銀の資産劣化を防止し、国民負担を軽減する観点から、極力早期に処理することが重要であるという認識の下、長銀及びGS社の協力を得て、国内外の譲渡候補先の候補の中から譲渡先の選定を進めたところでございます。
長銀の処理につきましては、FA活用の目的ごとに具体的に申し上げさせていただきますと、まず第一に、早期に特別公的管理を終了することにつきましては、金融再生法第五十二条において、平成十三年三月三十一日までに特別公的管理を終えるものとされているところでございます。譲渡先を確保し、一年四か月余りで特別公的管理を終了できたところであります。
第二に、長銀一体としての譲渡を目指すことにつきましては、リップルウッド社が中心となって組成したニュー・LTCB・パートナーズ社への株式譲渡により、長銀一体としての譲渡が実現されたところであります。
第三に、公的コストの極小化を図ることにつきましては、FAの協力を得て譲渡先の選定を進め、最終的には金融再生委員会において各候補の提示条件を比較検討し、そしてリップルウッド社の提示条件が金融再生法が定める費用最小化の原則から見て他の候補より優位であること等から、譲渡先として選定をしたものであると承知をいたしているところでございます。
以上のとおり、長銀の処理に当たってのFAの活用については所期の目的に沿って処理が進められたものと考えております。
○平野達男君 その中で、三番目の公的コストの最小化についてですが、ゴールドマン・サックスは具体的にどのようにその中で、契約の中で役割を果たしたんでしょうか。
○国務大臣(伊藤達也君) 長銀の処理に当たっては、長銀一体としての譲渡という前提の下、GS社は長銀とともに短期間のうちに国内外の多数の譲渡候補先に接触するとともに、金融再生委員会における審議の過程で各譲渡候補先から提示されたビジネスプランの特徴等について意見を述べるなど、最も有利な譲渡先を選定するための作業に従事したものと承知をいたしております。
ちなみに、長銀とGS社との間で締結されたフィナンシャルアドバイザリー契約においては、GS社は長銀に対する第三者から見た公正な評価、譲渡先の選定、譲渡交渉、譲渡スキーム・条件の検討、譲渡契約書の作成にかかわる財務上の助言及び助力を提供することとされていたところでございまして、こうした作業を通じて御指摘の目的に沿った形で処理が進められたものと承知をいたしております。
○平野達男君 いずれ、契約書の内容が明らかにされていませんので、その点、今の答弁に対して具体的にちょっとコメントする材料がないわけですけれども、引き続き、この契約書の開示につきましては当委員会としてしっかり取り組んでいきたいというふうに思っています。
そこで、この旧長銀の破綻処理に関しまして非常に大きな話題、話題というかテーマになったのが瑕疵担保条項です。
先ほどの資料2の中に、三年間の瑕疵担保条項に基づく行使によって国の買戻しが八千九百二十八億円あったというふうに言われています。これは、支払額ベースでは債権額は一兆二千百十九億円。ちなみに、これは譲渡したときの貸出額が大体七兆九千億です。
一兆二千百十九億円というのは、実はこれは細かく言いますと、回収額がこれにちょっと上乗せされるようですが、今日はその話はちょっと捨象しておきまして、一兆二千百億円というふうにまずここで押さえますと、貸出金に対して大体一五%強になりますね。これは、新生銀行側が瑕疵担保条項を有効に使ったということがありまして、かなり保守的な債権管理をしたということはあるにせよ、三年間で一五%もその評価が変わってしまうというのは、今の金融検査からいったらちょっと考えられないことではないかと思うんです。
金融再生委員会でこれ鳴り物入りでやって、これは政府がやった資産査定でございますということで、当時は資産査定に絶対の自信を持っていたはずなんですが、三年間でこれ一五%以上も、実はもうこれ二割、一五%以上も毀損するというのはこれはどのように考えたらいいんでしょうか。
ちなみに、これは一方的に向こうから、これはもううちとしては受け取れませんということではなくて、預金保険機構としっかり協議をして、瑕疵があるあるいは二割以上の減価があると認められたときに両者協議して国が買い取ったものですから、この段階で合意しているわけですね。
しからば、もう一回質問に戻りますけれども、当初の七兆九千億に対して一五%の債権が毀損する、これは一体どういうふうに理解すればよろしいんでしょうか。
○国務大臣(伊藤達也君) 瑕疵担保条項に基づき新生銀行から解除権が行使されてきた場合は、預金保険機構は、その要件該当性、瑕疵、二割以上の減価、こうしたことを精査をして、要件に該当しないと認められる場合には解除に同意しないこととされております。また、新生銀行の責めに帰すべき事由により発生したロスについては瑕疵には該当せず、預金保険機構は瑕疵担保責任を負わないこととされているところでございます。
このような枠組みの下で、新生銀行から引き取った債権額の累計は約一兆二千億円となっているところでございますが、これは金融再生委員会において特別公的管理の早期終了が求められるという時間的な制約のある中で各債務者の状況把握に最大限努めたものの、当時の厳しい経済情勢の下で資産判定時に見通すことが困難であった債務者の経営悪化要因がその後に顕在化した結果ではないかと考えているところでございます。
○平野達男君 是非、その当時も金融検査やっているはずですから、金融検査やって資産査定したのが三年間で一五%も毀損した例があるかどうか、これを確認されたらいいと思います。
極めて短い時間でやったということでありますけれども、これだけの毀損が出てきたというのは、当時の査定というのは随分やっぱりいい加減なものではなかったかという感じがしますし、もっとたどれば、鳴り物入りで金融再生委員会までつくって査定までしたという資産がこれだけ毀損したのは、その前の銀行の検査というものはどういうものだったろうかという大きな疑問が出てきますよね。
そういった意味も含めまして、この瑕疵担保条項によって国の買戻し八千九百億にも上ったということについては、きちっとやっぱり整理をし、整理というか、なぜこうなったのかということについて金融行政当局としてもしっかり整理をしておく必要があるのではないかと思います。
あと、今日はちょっと時間が短いので、旧長銀関係につきましては、今日は取りあえずこれで質問を終わらせていただきたいと思います。
引き続きまして、中国の通貨の問題、元の問題について谷垣財務大臣にお伺いしたいと思います。
御承知のように、中国は一九九四年から管理変動相場制というのに入っていますが、事実上、一ドル八・三元ということで、ペッグ制で固定された形でずっと推移してきております。ここに来て、アメリカあるいはヨーロッパ、元の切上げすべきじゃないかと。特にアメリカが非常に強い調子でそれを求めてきているということは、もう皆様方御承知のとおりであります。
そこで、我が国がこの元に対してどのように見ているかということなんですが、一説によるとアメリカなんかは過小評価されているというような見方もあるようですが、日本としては、一ドル八・三元、百十円八・三元ということになると思うんですが、これは過小評価されているという理解なんでしょうか。それともどのような、そうでないという見方なんでしょうか。財務大臣、お願いします。
○国務大臣(谷垣禎一君) 人民元の問題を議論するときに、私もいろんな国際会議あるいは中国のカウンターパートとの議論でいろんなことを申し上げておりますが、日本は、今、平野委員がおっしゃったように、低く見ているのか高く見ているのか、あるいは切上げを要求しているのかという御質問がよくいただくわけでございます。
ただ私は、率直に申し上げて、私個人としての見方はもちろんあるわけですけれども、高いか低いかというような議論を実はしているわけではございませんで、ちょっと委員の御質問に正面から答えないかもしれませんが、私がやっておりますのは、あれだけ中国の経済も大きくなってきて、中国経済の現状を見ておりますと、要するに、何というんでしょうか、過剰流動性と言っていいのかどうか分かりませんが、そういったような現象も見られる中で、あれだけ、九・五%近い成長をして、むしろそれをソフトランディングさせるにはどうするかということを中国当局は一生懸命やっておられる。そうすると、もっと選択の自由度というものが必要じゃないですかと、それには為替のもう少し柔軟性というものが必要ではないですかということを申し上げているわけでありまして、決して高いとか低いとか、低くしろ高くしろということを言っているわけではないわけでございますというお答えを差し当たってさせていただきたいと存じます。
○平野達男君 じゃ、元の通貨が高いか、過小評価であるか過大評価であるか、適正であるかについては今判断できないと、こういうことでしょうか。あるいは、しないということなんでしょうか。
○国務大臣(谷垣禎一君) やはりこれはマーケットがどう見ているかとかいろんなことがあると思いますが、私は、もちろん円についてもそうでございますが、高いとか低いとか、そういう発言は為替については当局者は控えるべきであるということを基本的に考えておりますので、今のような答弁をさせていただいているわけであります。
○平野達男君 ちなみに、政府、政策統括官室が出した「世界経済の潮流」というのがありまして、これ、かなりのページを割いて中国の元についての分析しています。この分析によりますと、過小評価されているかどうかについては、必ずしも世界的にも見解は統一されているわけではないというような客観的な評価になっておるようですね。
しかし同時に、谷垣大臣は、これはロンドンでの日米財務相会談あるいはこの間の中国の天津で開かれたアジア欧州会議でしたか、その中で向こうの財政担当大臣ともお会いして、早期かつ果断な対応を求めるという発言をされておりますね。この早期かつ果断な対応というのは、マスコミでもいろいろ議論されているようですが、ちょっと意味がどういう意味なのか、ちょっと御説明願えるでしょうか。
○国務大臣(谷垣禎一君) 早期かつ果断なというところが大分引用していただいているわけであります。ただ、その前に私がアメリカと、スノー長官とお話ししたときも、先日、金人慶財政部長と議論させていただいたときも常に申し上げていることは、この問題はそれぞれの国のやはり主権の問題でもあり、まず中国において責任を持って判断さるべきことであるということをまず冒頭に必ず申し上げております。
その上で、今の早期かつ果断な対応という、早期という表現についてでありますが、これはさっきも申しましたが、さっきは過剰流動性というような言葉で申しましたけれども、現在、中国国内のマネーサプライというのは非常に増えているわけでございまして、そういった状況と今の中国経済、中国の当局がやろうとしている経済財政政策の方向性をかんがみますと、為替制度の改革をそう遠い先の話として先延ばしするわけにはいかないんではないかということを申し上げているわけであります。
それから、果断なという表現につきましては、中国自身の利益のために為替制度改革については意味のある行動が必要だと。つまり、小出しにしていくようなやり方でありますと、マーケットがさらにまた何かあるんではないかというようなことを思惑を生んでマーケット自体が混乱をすると。そういうことを、何というんでしょうか、そういう思惑を招かないような、形ばかりではない対応が必要であるということを申し上げているつもりであります。
○平野達男君 今、アメリカが元の切上げということをはっきり言っていると思うんですが、急先鋒に立って中国にいろいろ働き掛けをしているということです。ちなみに、アメリカは対中貿易について巨大な貿易赤字を抱えている。それから、ヨーロッパも対中貿易に関しては赤字ですね。日本は、対中ベースでは赤字なんですけれども、香港入れますと大体最近のデータではとんとんぐらいではなかったかと思います。
そうすると、明らかに貿易という観点、貿易の財政赤字の縮小という観点からの中国に対して早期かつ果断な対応を求めているわけではないと。一方で、今財務大臣のいろいろお話を聞いていますと、どうもこれは中国国内の問題だと見ておられます。しかし同時に、中国国内の問題なんですけれども、中国がその為替改革についてそれを先送りにしますと、今もいわゆる固定相場制を維持するために相当のコストが掛かっている、不胎化についてももう利かなくなっているんじゃないかと、お金がじゃぶじゃぶになっちゃってそのうちインフレが起きるんじゃないかとか、いろんなことを言われています。
そういう中で、やはり中国も早期にその為替の改革について取り組むことが中国のみならず日本の国益にもなるんだという、そういうスタンスというふうに理解してよろしいんでしょうか。
○国務大臣(谷垣禎一君) 今、平野委員がおっしゃっていただいたことは大体私の考えていることでございます。
要するに、この問題を議論するのはいろんな立場があると思いますし、日本の国内でも、中国と競争関係にある方、あるいは中国に投資をしている方という方でもそれぞれ意見はかなり違われるんじゃないかというふうに思いますし、また、今のような貿易の不均衡があるのかないのかというようなことによっても議論する観点は違ってくるというふうに思いますが、私どもの観点は、先ほど申しましたように、中国経済と日本経済、今かかわりも非常に深くなってきておりますし、中国経済自体が非常に大きなものになってきておりますから、委員が指摘されたような懸念がもし顕在化してくると、単に中国の問題だけではなくて、我が国にもあるいは世界経済にも非常に与える影響は大きいと。そういうことで、政策の選択肢を広くして、何というんでしょうか、世界経済の中で安定的な動きをするためには人民元のフレキシビリティーが、柔軟性が必要だと、こういう考え方でございます。
○平野達男君 アメリカの中でも、スノー財務長官とグリーンスパンさんでは、要するに同じことを言っていてもその理由がちょっと違っているようでして、スノーさんはあくまでも、スノー財務長官はあくまでも貿易赤字の縮小であると、グリーンスパンは元を仮に切り上げたとしても貿易収支のアンバランスをそんなに解消するわけにはいかないだろう、するまでには至らないだろうというようなことで、ちょっと見解も分かれているようですね。
ただ、私が言いたいのは、今年の六月二十一日に、ロンドンでの日米財務相会談で谷垣大臣は、これ、新聞にはスノー財務長官と足並みをそろえたという、そういう報道になっているわけです。で、今の財務大臣とスノー財務大臣が、谷垣財務大臣とスノー財務大臣、スノー財務大臣の話、私、直接聞いたわけじゃなくてマスコミからしか情報は入っていませんからきっちりとした比較をすることはできませんが、少なくとも今財務大臣の、谷垣財務大臣との話を聞いた段階では随分考え方に開きがあるんじゃないかという感じがします。
つまり、スノー財務長官はあくまでもアメリカの国益を考えている。日本は確かに日本の国益を考えてしゃべっているわけですが、基本的には中国という一つのワンクッションを置いてしゃべっているわけでありまして、そこは日本のスタンスというのはきっちりやっぱり明らかにしてしゃべるということが、しゃべるというか発言していくということが、あるいは日本の財務大臣の考え方としてしっかり申し述べていくということが大事なような気がするんですが、そこはどのようにお考えでしょうか。
○国務大臣(谷垣禎一君) おっしゃるとおりだと思います。
それで、スノー長官がどういう角度から私、例えば私との議論でおっしゃっているかということは引用しないのがエチケットだというふうに思いますが、アメリカの議論もいろんな議論が今まであったということは御指摘のとおりだと思います。
で、これはちょっと、やや、こういうところでお答えするには少し踏み込み過ぎた言い方かもしれませんが、アメリカの財務省筋の議論の立て方も最近は我が国の議論の立て方にだんだん近寄っていると言うと語弊はあるかもしれませんが、ある程度我が国の主張の真っ当な点を取り入れていただいている点もあるように感じております。
○平野達男君 一部いろんな評論家の、評論家というか、いわゆるエコノミストの論文というんですか、お話の中には、元が仮に切り上がった場合に、これは巡り巡って円高につながるんだというようなことを主張される方もいるようです。これに対してはどのようにお考えでしょうか。まあ、答えはないんですかね。
○国務大臣(谷垣禎一君) これはいろんな見方があるんだろうと思います。ただ、私は、人民元が変動した場合、それが円にどういう影響を与えていくかということは、直接の関係は、すぐこうなればこうなるという関係ではないんだろうと思います。
市場にいろんな議論がありますので、私の意見というよりも、一つこういう見方があるということで例えば議論の題材にさせていただきますと、仮に人民元が切り上がるとした場合に、その中国の輸出というものがその人民元が切り上がった分だけ落ちていくだろうと。それを代替していくのは日本の役割ではないかと、日本ではないかと。したがって、日本は経済がその分強化されて円の切上げにつながっていくんだろうというような議論も一部にございます。
しかし、日本と中国の貿易の実態というものをよく見てみると、中国が輸出しているようなものに対して、じゃ日本が代替的な役割を果たしているかというと、競合関係に立つかというと、余り立ってないのが現実だろうと思いますから、今のその世上にある議論、例えばそういう議論であるとすると、必ずしもポイントをついた議論ではないのではないかというふうに私は思っておりまして、まあ、こういう議論に対してはどう、ああいう議論に対してはどうというふうには申しませんけれども、私は必ずしも人民元がどうなったら円がこうなるというような論理必然的な関係はないというふうに考えております。
○平野達男君 一部にそういうことが懸念されるから、日本はその中国の元に対しての切上げについては非常に慎重ではないかと言う方もいるということなんで、今ちょっと質問をさせていただきました。
そこで、この為替の世界には不整合な三角形という何か関係があるようで、いわゆる金融政策の自由化、それから為替の安定性、それから資本取引の自由、これ、三つは成り立たないということの原則があるようです。日本の場合は、これは為替の安定というのを事実上、今完全フロート制ではありませんけれども、変動相場制になっていますから、為替の安定性ということを一応捨てた形でほかの二つを取っていると。
で、中国はどうも伝えられているところによると、資本取引の自由、特に資本流出を非常に、国家の管理の下に置いているということのようですね。しかし、中国はもうWTOにも加入しました。これから中国は本当に世界の経済の中で主要な位置を占めていくためには、その資本の取引についてもやっぱり自由化をせざるを得ないと。となると、金融政策の自由化も国家としての自律性も確保したいということになれば、変動相場制に移行するしかないということなんだろうと思います。
しかし、同時に今中国では、これも伝えられるところによりますと、国営企業を中心にして大変な不良債権を抱えていると。で、その不良債権が、今経済が物すごい勢いで伸びていますから、不良債権が表に出てくることはないと。しかし、元の切上げが、その時期と幅によりますけれども、元の切上げがされますと、輸出が伸び悩んで経済が減速すると、その結果不良債権が表に出てくるんじゃないかと、それを警戒してなかなか中国も動きが取れないというふうな指摘もあるようです。
それに対して、中国の今の金融状況といいますか、果たして本当にその元の切上げに、切上げというか見直し、切上げといったらちょっと今財務大臣はお答えしにくくなるかもしれませんので言い換えさせていただきますけれども、元の見直しを、為替の見直しをやれるような金融状況、経済状況があるのかどうかについて、財務大臣の見解をちょっとお伺いしたいと思います。
○国務大臣(谷垣禎一君) 今、平野委員がおっしゃいましたように、中国の経済、財政の今の状況、現状を見ますと、単に為替の問題だけで判断できない、中国の社会情勢や政治情勢をどう持っていくかという意味での非常に難しい判断も私はあるのだろうというふうに思っておりまして、なかなかここは難しい問題があるだろうと思っております。
他方、先ほど私が申し上げましたような今の中国経済の現状を見れば、もう少し政策選択の幅を広げる道を取らないと、いつまでも続けられるわけではないということも私は間違っていないと思いますので、そういうことを全部含めまして、私は、中国当局がいろいろな状況をよく見ながら最善の道を責任を持って判断していただきたいということをいつも申し上げているわけであります。
○平野達男君 ちょっとこれは質問通告しておりませんでしたけども、いわゆるプラザ合意というのがありまして、日本は円安是正を迫られたということがありまして、プラザ合意以降、円高がかなりの勢いで進んで止まるところを知らなかったというような状況もあります。一説によると、中国はその日本の経験をよく見ていて、軽々に為替の見直しというか、変動相場制に移行をしないんじゃないかというようなことを言う方もおるようです。
で、財務大臣として、その日本のプラザ合意以降のいろんな経験が中国にひょっとして役立つことがあるんではないかというようなことが、もしお感じになる点があれば、是非この場でその考え、その感じておられることを披瀝していただければ有り難いんですが。
○国務大臣(谷垣禎一君) 余り中国当局の選択肢を狭めるようなことは申し上げるのは失礼だと思っておりますが、確かに我が国、プラザ合意というよりやっぱり固定相場制から、一ドル三百六十円から移っていった当時のこと、あの当時の経験で中国に参考にしていただく点はたくさんあるんだろうというふうに思っております。
もちろん、あのプラザ合意も我々にとりまして大きな経験でしたし、そこでの問題点も中国、意識して研究していただいたらそれはいいんだろうと思いますが、私は、どちらかというと固定相場制から移ったときの方がいろいろ、何というんでしょうか、中国に参考になる点が多いんではないかというふうに思っております。
○平野達男君 そろそろ時間になりましたので最後の質問に入らしていただきますけども、今、石油が相当高騰しております。こういう中で例えば中国が元の切上げをやりますと、ますますもって中国、つらくなるんではないかという感じもします。しかし、さはさりながら、今ここで議論されたように、中国もそんなに先送りできないんじゃないか、あるいはしない方がいいんじゃないかというような状況にあることも事実かと思います。
そこで、仮に元の切上げがなされたと想定した場合の日本経済、特に地方経済に与える影響について、これもちょっと通告申し上げなくて恐縮なんですが、どういう影響があるかということについて財務大臣の見解を最後に伺いまして、私の質問、終わらしていただきます。
なぜこんな質問をするかといいますと、前の塩じいじゃなくて、塩川財務大臣は、先鋒に立って、先頭に立って、とにかく元の切上げをせないかぬ、元の見直しをせないかぬということで、その場でおっしゃっていたんですね。で、そのとき、今ちょっとふと思い出しまして、多分あのとき当時の塩川財務大臣が言われたのは地方企業に対する影響が非常に大きいということではなかったかと思うんですが、そういったことを今ちょっと思い出しましたんで、ちょっと今の、財務大臣、見解をちょっとお伺いして、私の質問を終わりたいと思います。
○国務大臣(谷垣禎一君) 私も、もし人民元に何らかの動きがあった場合に日本経済にどういう影響を与えるのかというのは、できるだけいろんな地方に出ましたときも経済人や何かのお話を聞きながら頭を整理しようとしているわけですけど、率直に申し上げて、昔はどちらかというと仮に人民元が切り上がると困るという方が多かったように思いますが、今は業種とかどういう形で仕事をしているかというようなことによってもう御意見がまちまちと言うといけませんが、正に多様な御意見があると思います。それから、仮に人民元が今の水準から変わるとしても、どのぐらいのもので変わるかによってもその状況は全然違ってくるのじゃないかと思います。
ただ、一般論としてあえて申し上げれば、中国の生産コストが上昇することで中国製品の価格は上昇して我が国に安価な製品流入は減少するというのは、ある意味では日本の地方経済にとってはプラスかもしれません。
それから、我が国から中国への直接投資は減少して相対的に我が国の産業の空洞化には歯止めが掛かるという面もあるのではないかというふうに思いますが、他方、中国国内産業と補完的な関係に立っている我が国の産業分野がございますから、そういうところにとっては原材料価格の高騰というのは収益の圧迫要因となるということがあるだろうと思いますし、それから、中国に既に進出して製品を海外に輸出することを目的としておられる企業にとっては売上高の減少につながるというようなこともあろうと思います。
というようなことで、結論はなかなか簡単には申し上げにくいというのが結論でございます。
○平野達男君 終わります。
○広田一君 民主党・新緑風会の広田一でございます。どうかよろしくお願いを申し上げます。
谷垣大臣は、去る五月二十八日に母校東大の五月祭におきまして、後輩に対して以下のような趣旨で御発言をされております。財政規律の維持に闘志を持って挑んでいると、市場に受け止められるような改革が大事であるというふうな御発言をされておりますし、また、去る六月六日には財政制度等審議会の方から平成十八年度予算の編成の基本的な考え方について御報告もされたわけでございます。
そこで、まずお伺いしたいと思いますけれども、今年度、十七年度達成されましたいわゆる三つの改善、つまり一般歳出の削減と国債の新規発行の減少、そしてさらにはプライマリーバランスの赤字縮小、これは引き続き来年度予算においても闘志を持って取り組んでいかれる御決意なのか、まずこの点についてお伺いをしたいと思います。
○国務大臣(谷垣禎一君) 我が国の財政は、もう今更この委員会で申し上げるまでもありませんけれども、大変厳しい状況にあるわけですね。
そういう中で、今委員がおっしゃっていただいたような平成十七年度予算の三つの、まあ私が達成と言うとちょっと言い過ぎかもしれませんが、三つ確保できたのは、私はほっと胸をその意味では、もちろん短期、今年だけの話ですが、胸をなで下ろしているわけです。
で、結局平成十八年度にどういう目標を立ててやっていくかということになるわけですが、平成十八年度予算編成に当たっては一般歳出の水準やあるいは新規国債発行額をどうしていくかと、これはまだ財政状況をよく見極める必要があると思います。税収等が例えばどのぐらいになってくるかとか、そういうこともよく見極めなければなりませんので、現段階ではまだ余りはっきりしたことを申し上げにくいんですが、骨太の二〇〇五にもございますように、ああいう方針にのっとって闘志を持って今年も目標を追求していきたいと、こう思っております。
○広田一君 大臣、是非この三つの改善、闘志を持って取り組んでいっていただきたいと思いますけど、何か非常に前段のお話が長くてすぱっと腹に来なかったんですけども、この三つの改善は大臣が先頭に立って取り組んでいっていただけるものと信じて、以下質問をしていきたいというふうに思います。
そうした中で、特に一般歳出の削減についてどのように取り組んでいかれるのかお伺いしたいと思います。
この平成十七年度の予算の場合には、社会保障費を中心とする義務的経費、この自然増が約一・三兆円あるのに対しまして、いわゆる三位一体の改革の関係で一・四兆円削減することができました。いわゆる相殺することによって達成できたということで、地方の側から言わせれば、地方頼みでこの一般歳出が削減されたんじゃないかなというふうに思われるわけなんですが、来年度、この一般歳出の削減について基本的にどの分野をメインにして、どこを柱にしてこの削減に取り組んでいかれるおつもりなのか、この基本的な方針をお示し願いたいと思います。
○国務大臣(谷垣禎一君) 一番基本的なことは、もう聖域なくやらなければいけないということが一番基本ですが、それを大前提として申し上げれば、やはり歳出分野で社会保障分野、今おっしゃったように毎年一兆を超える自然増があると、こういう状況でございますから、それから平成十七年度予算では初めて二十兆円を超えまして、一般歳出の四三・一%という状況でございますので、ここにやはりメスが入りませんと、先ほど申したような三つの目標を今年もやると、頑張れという声援をいただいても、ここを切り込まなきゃ何ともならないんだろうと思います。ですから、第一は社会保障関係費の抑制ということになると思います。
そのほかの分野もいろいろございます。今まで申し上げてきたのは、三位一体等々の御議論がありまして、今年は一応それを、何というんでしょうか、第一段階仕上げる年でありますので、それもしっかりやらなきゃ駄目だと思っておりますし、ほかもいろいろありますが、大どころで申しますとそういうことだろうと思います。
○広田一君 大臣の方から社会保障費の抑制というお話があったんですけども、この点につきましては財政制度等審議会も、先ほど御紹介した基本的な考え方の中で、国の一般会計の社会保障関係費は一般歳出の四割以上を占めており、この自然増の抑制を図ることが我が国財政の持続可能性確保に向けた最大の課題であるというふうに位置付けておられるわけでございますけれども。
そこで、抑制を図っていくということなんですけれども、じゃ、どのように抑制を図っていくのか。例えば今年度、平成十七年度予算において社会保障関係費の自然増、先ほど言ったように一・三兆円あったんですけども、これをいかに抑制して五千億円台にまで削減できたのか、どのような分析をされているのか、お伺いをしたいと思います。
○国務大臣(谷垣禎一君) 昨年も、今の段階ではまだどのぐらい切り込めるかということに対して確たる見通しを持って、ちょっと今、去年の今ごろの、何かすべて記憶がありませんが、たしか今ごろの段階ではまだどこまで切り込めるかということは非常に不安感を持って主計官、主計局長等々と議論をしていたように思います。
ただ、去年の場合は介護等々も相当やらしていただきましたし、それからやはり補助金改革というようなものも私は大きかったんではないかなと思っております。
○広田一君 いや、その中でも特に社会保障費関係においてなぜ、結果として五千八百三十億円の増加に抑制できたんですけれども、そこがどういった理由でこの額に抑え込むことができたのか、この平成十七年度はどういうふうに分析をしているのか、この点についてちょっともう一度御答弁を願いたいと思います。
○国務大臣(谷垣禎一君) ちょっと去年の、去年というかその過程がよく、余り記憶していないんですが、今申しました補助金と申しますのは、補助金改革と申しましたのは、国民健康保険ですね。国民健康保険で補助金改革をやって、これは都道府県負担というのも入ったわけでありますけれども、それはかなり大きな成果になったというふうに思っております。
それから、先ほど申しました介護等々でも幾つかやりました。ちょっと今の点、十分頭がもう一回整理できておりませんのでこんな御答弁ですが、確かに補助金改革大きかったと思っております。
○広田一君 大臣の御答弁があったように、国民健康保険の地方の負担増というものがあったと思うんですけれども、来年、十八年度もまさか同じような手法で、つまり地方に負担を求める形で国のいわゆる一般歳出の削減を図るというふうな手法を取られるのかどうか。具体的には生活保護費について、これを社会保障費抑制の大きな柱として考えていらっしゃるかどうか、この点については明確な御答弁をお願いしたいと思います。
○国務大臣(谷垣禎一君) 生活保護と、それから児童扶養手当につきましては、去年十一月に政府・与党合意を結びましたときに、地方団体が参加する協議機関をつくって、この秋に、今年の秋までに結論を得て十八年度から実施するということになっておりまして、現在、地方関係者も入っていただいて協議をしているところでございますので、ここで検討をきちっと進めたいと思っておりますが、どういう形を取れば、特に生活保護につきましては、去年、地方団体の方々は非常に反対論が強かったところでございます。
他方、この生活保護について何らかの合理化といいますか、そういうものを進めなければならないという点においては地方自治関係者とも全く大きな意味でのコンセンサスがあるんだろうと思っておりますので、どういう解決をしたらいいかということについてはこれからよくその協議会で詰めていきたいと思っております。
○広田一君 これは御通告していないんですけども、今井副大臣、地方の自治の経験もあるわけでございますけれども、いわゆる今回の国民健康保険の都道府県負担分の増によって、この前もちょっと地方の方、地元の高知とかに聞いたんですけれども、じゃ自分たちの自主性といったものが大きくなったのかというふうな質問をしましたら、それはほとんど感じられないということなんです。
地方が今非常に不信を持っているのは、いわゆる国の一般歳出削減しなければいけないのはよく分かるんだけれども、それを地方に付け回すような形によって一般歳出が削減されても意味がないんじゃないかと。ではなしに、大臣おっしゃったように、やはりそういう事業自体がスリム化していく、このことによって国、地方を通じたスリム化が達成できなければいけないというふうに思うんですけれども、こういった声が出る中で、同じようにまた来年度も生活保護費について同様の手法を取られるかもしれない、非常にその危険性が高まっているということを地方自治の御経験も長い副大臣はどのような心境で見られているのか、お伺いしたいと思います。
○副大臣(今井宏君) 広田委員さんの御質問でございますが、おっしゃるように、同じ法定受託事務でありましても生活保護なんかは所得再配分と言っても過言ではないわけでして、これはやはり国の大きな責任があると思っております。特に生活保護なんでございますが、いわゆる該当者が多い地域というものは、その地域の判断というよりも、むしろそれ以外の失業率の問題等々、背景がたくさんございまして、一概に地方の裁量でこれらの問題が処理できる問題ではありません。
したがいまして、これを一律に付け回しという形で行われた場合には、地方の側はかなり悲鳴を上げておりますし、そういったことはあってはならないと。先日も地方の協議の場に参加さしていただきましたけれども、強い意思が地方側から示されているところでありますし、私もそのように考えております。
○広田一君 このように、今非常に懸念するのが、国の一般歳出の削減といったものが三位一体という改革の名の下に地方に付け回すことによってここ近年進められているんじゃないか。是非、こういった主張、繰り返しはもうそろそろやっぱりやめていただきたいというのが地方の声だろうというふうに思います。
確かに、地方財政といったものは国の財政に比べれば健全であると思います、まあプライマリーバランスにしても地方債の累積額にしてもですね。しかしながら、その地方財政自身も歴史的に見れば大変危機的な状況であるには変わりないわけでありまして、よって、先ほど言いましたような国民健康保険の都道府県への負担増とか生活保護費のまた付け回しとか、こういったことは、地方から言わせれば、義務的な経費が増えることによって、そのことによって自分たちが本来独自でやらなければいけない事業が減っていく、このことによって地方財政も硬直化して自主性も損なわれていく、いわゆる国が今進めようとしている三位一体の改革の方向とは逆の方向に行ってしまうんじゃないかと、そういった強い懸念を持っておりますので、是非とも、谷垣財務大臣、その辺も踏まえて率直な議論をして、この点についての改善もお願いしたいというふうに思います。
それでは、ちょっと次の質問に移らさしていただきたいと思いますけれども、今三位一体の改革について御質問さしてもらったんですけれども、一つ谷垣大臣にお聞きしたいのが、私は、財政再建といったものを進めていく上で非常な重要なキーワードは何かというふうに問われたら、その一つが透明性であるというふうに思うわけでございます。これは国の財政においても地方財政でも同じようですし、また、カナダの財政再建の取組なんかを見さしていただいても、予算制度とか予算編成過程の透明性といったものがますます重要になってくるというふうに思うわけですけれども、この透明性の重要性の確保のために大臣としてどのような基本的な認識を持たれているのか、お伺いしたいと思います。
○国務大臣(谷垣禎一君) おっしゃるように、改革を進めていく場合に議論の透明性ということがやっぱり必要だろうと思います。
三位一体の改革について申し上げますと、去年秋にいわゆる全体像を取りまとめたわけであります。平成十八年度までの全体像という形で取りまとめたわけでありますけれども、これは、まず基本に地方六団体がまとめた改革案というのがあったわけですね。それで、それを基に地方とも協議を重ねた上でまとめたわけですが、そのプロセスでいろんな議論があったわけですね。相当激しい議論も行われました。
そこで、地方の改革案を実現していくということをまず基本に置いた上で、地方案に対して意見がある場合にはその理由を明らかにして代替案の検討を行うというプロセス。それから、同時に、いろんな役所の考え方や資料等を国と地方の協議の場を通じて公開していくというようなこともやりまして、透明性に配慮しながら進められた面があったと思います。
ただ、多分委員がおっしゃいますのは、先ほど申し上げたような国保なんか、国民健康保険に係る議論等は当初の地方案の中には入ってなかった問題でございまして、むしろ地方案に対しての厚生労働省案という中で出てきたものだったわけですね。ですから、これに対してまたいろいろ御議論もあるのではないかとは思っておりますが、これも何度か協議の場で案を公開して議論をして、透明性にはかなり配慮をしながら進められたのではないかなと私自身は思っております。
○広田一君 地方案についてのやり取りについては前回もちょっと幾つか質疑をさせていただいたわけなんですけれども、今回、ちょっとその地方案にないいわゆる国、地方を通じてのスリム化について、つまりは税源移譲を伴わないスリム化についてお尋ねをしたいと思うんですけれども、この問題につきまして、谷垣大臣、私の初陣の質問のときにお答えをくださったわけなんですけれども、以下のような趣旨のことを述べられております。廃止される補助金の対象事業の中で引き続き地方が主体となって実施する必要がないものは、やめるんだから財源も要らないというふうに言われております。
つまり、これは、国、地方とも行う必要のないものは事業そのものも廃止をする、廃止をするので税源移譲もする必要はないと、こういった理解でよろしいんでしょうか。
○国務大臣(谷垣禎一君) この三位一体改革を進めていくときに、いろんな視点があると思いますけれども、やはり国、地方とも財政の再建を求められているわけでありますから、言わば納税者の視点といいますか、不必要なものはやめるとか、あるいはできるだけそれは圧縮していくという努力は当然なければならないんだろうと思います。
したがいまして、もう国、地方ともにやる必要がない、あるいはもっと圧縮していっていいというものについては、そういうことも中に取り込んでいく必要があると考えておりまして、そういう場合は、委員もおっしゃったように、財源移譲というような、税源移譲あるいは財源移譲というような問題にはなってこないんだろうと思います。
○広田一君 私のこの問題についての基本的な考え方は、私はもっとどんどん徹底的にやるべきだという考えでございまして、十七年度は三千億円だったんですけれども、これはもっと強力に推し進めていくべきだというふうに思っております。つまり、もうこの時代に合わなくなった事業については、これは国、地方もやらないということを明確にして推し進めるということは、これは一番、まさしく大臣が言われている国、地方を通じてのスリム化に寄与することだろうというふうに思うわけでございます。
ただ、私自身感じますことは、この税源移譲を伴わないスリム化ということについて余り国と地方との議論がなかったのではないかなというふうに思うわけでございますけれども、ただ、このスリム化というのは十六年から十八年度にかけて取りあえず行うということなんですが、これ、三年間で一体どれぐらいの額をスリム化させるおつもりなのか、ちょっと数字的なお話ですけれども、お伺いしたいと思います。
○国務大臣(谷垣禎一君) 去年は、おっしゃるように、三千十一億円、スリム化の改革をやったわけでございますが、今年はまだ、具体的にどのぐらい持っていくかということについて目安というものがまだできておりません。これから各省庁と議論をして整理をしていきたいと考えている段階でございます。
○広田一君 私がいただいた調査室の資料では、多分十六から十八にかけて約九千億円程度のスリム化をするであろうということでございまして、これは大変大きな額だろうというふうに思います。
これについて、国、地方を通じてのスリム化でありますのでどんどん進めるべきだと思うんですが、先ほど言いましたように、これについて地方自身が余り何か腹に入っていないような気がしてならないんです。といいますのも、先ほど来、大臣、その協議の場というお話がされているんですけれども、地方六団体と国との第八回目の協議の場で、「税源移譲の対象とならない国庫補助負担金のスリム化について」というふうな中で、地方六団体は、このスリム化と称するものに関しては、いかなる内容で、いかなる考えに基づいて行われるものなのか、各省庁及び財務省において明確に説明すべきであるというふうに言っちゃっているわけでございまして、いわゆる先ほど来言いましたような予算編成過程の透明性であるとか説明責任ということであれば、非常によく分からない現状になっているのではないかなというふうに思わざるを得ないわけです。
そこでお伺いしたいんですけれども、このスリム化について、どういった理由でこの事業は今後国、地方を通じて行う必要がないと決められたのか、その廃止をする、予算編成過程での客観的、合理的な基準は果たしてあったのか、この点について御答弁をお願いしたいと思います。
○国務大臣(谷垣禎一君) 去年の例を取って申し上げますと、三千十一億円やったわけですが、大半の二千五百億ほどが公共事業関係費の補助金を整理していったということでございます。
これは、「改革と展望」で、国の公共投資については、景気対策のための大幅な追加が行われていなかった、以前の水準を目安にするという方針を立てておりますので、重点化、効率化を図っていくという、一つはこれを踏まえながらやったわけです。そして、他方で地方の自主性や裁量性を尊重した改革にするということで、まちづくり交付金といったようなものに重点化をしていくと、それから整備の進んだ上下水道とかあるいは地方港湾などに対する補助金をスリム化すると、こういうようなことによって削減を行ったのが大体今の二千五百億ということになるわけでございます。
今年はどういうところでやっていくか、まだこれから各省庁とも議論をしなければならないと思いますが、今年も国と地方の協議の場等々でできるだけ考え方を透明に、オープンにして議論をしながら進めていきたいと思っております。
○広田一君 その公共事業のスリム化について、ちょっとまた後で法定受託事務と絡めてお聞きをしたいというふうに思うんですけれども、これ、ちょっとまた通告をしていなかったので恐縮なんですが、実はその地方六団体が出した同じ資料をばらばらっと見ていますと、別添資料でこのようなものが出てまいったんですけれども。実はこれ、何書いているかといいますと、これは、国は地方に更なる合理化を求めているが、国自身が不合理な補助負担金制度によって無駄を強制していると、スリム化を妨害していると、創意工夫を殺していると、こういった資料が出てるんですけれども、地方もかなり思い切ったことを言っているなというふうに思うわけでございますが、であるんだったら、私は、国の方から地方に対して、じゃ、これは一体具体的にどういうことなのかということを是非示してほしい。
つまり、この国、地方を通じてのスリム化というのは、今回の三位一体の改革の中では十分協議をされていなかったわけです。しかしながら、地方自身がこのように言うんだったら、まさしく国、地方が今後やらなくてもいい事業として一体何があるのかと、このことを出すべきだと。私は、ここまで書くんだったら説明責任あると思うんですよね。
大臣、やっぱり国、地方を通じてのスリム化について地方案を逆に出すべきというこの私の考えについてはどのように思われますでしょうか。
○国務大臣(谷垣禎一君) これは、やはり無駄なものを削っていく場合にはよく議論をしながら、どういうところを無駄と感じているかという現場の声もやはり十分耳に入れて、頭の中に置いてやらなきゃいけないと思いますから、何を無駄だと思っているかということはどんどん出していただけたら有り難いなと思っております。
私どもとしてやらなきゃならないことはいろいろありますので、先ほどまちづくり交付金というようなことを申しましたけれども、やっぱり私ども、現場、自分の選挙区へ帰りますと、やっぱり町長さんや市長さんからいろんなことを聞いておりまして、なかなか言いたいんだけれども東京行って言いにくいというようなお声も聞かないわけではないんですね。なかなかおっしゃるのも勇気が要るだろうとは思いますが、是非御意見があれば伺わしていただきたいと思っております。
○広田一君 関連して、今井副大臣、地方、ここまで言い切っている分野があるんで、私としては、何か国が一方的にこれは国、地方を通じてのスリム化なんですよというふうに強制されるよりは、地方自身がこれからはこの事業はもう国、地方を通じて必要ないんじゃないかというふうに多分おっしゃっているものがたくさんあるというふうな意味だと思うんですけれども、であるんだったら、やはり地方自身がそういった案と額を出すべきだと思うんですけれども、いかがでしょうか。
○副大臣(今井宏君) 広田委員の御指摘のとおりだと思うんです。これからはお互いに国も地方も余り甘えの構造で依存体質に甘えることなく、情報の公開のみならず情報をお互いに共有すると、持つということがとても大切なことだと思っております。
現状では、例えば補助金を取りたいためにこの地方にとっては無駄なことまでやらざるを得ない基準なりなんなり、そのとおりやると大変無駄が多いねという地方がたくさん感じていることもあるわけです。わずかな国の助成を取るために大変な事務を強いられているということもございます。そういう意味では、本音で国と信頼関係に基づいて協議の場で明らかにして、お互いに理解を高めていくということがこれからの地方分権にとってとても大切なことだろうと、このように思っています。
○広田一君 どうもありがとうございます。
そうした中で、今回このスリム化について地方から上がっている声として一つありますのが、公共事業関係の中で特に法定受託事務についていろいろな意見が上がっております。この法定受託事務といいますのは、これ地方自治法の第二条の九項の方に書いてあるんですけれども、これは国が本来果たすべき役割のものであって、国においてその適正な処理を特に確保する必要があるものというふうに規定をされているわけでございます。
去年まで法定受託事務でありながら、事業が廃止され、その上、税源移譲の対象にならなかったものがあろうかと思いますけれども、それはどうしてなのか、どういった理由でこのスリム化の対象になってしまったのか、お示し願いたいと思います。
○副大臣(上田勇君) お答えいたします。
法定受託事務であるかどうかにかかわらず、その財源措置というのは、補助金、負担金で行われるというものもあれば、地方財政措置で行われているものもございまして、その事務ごとに国の利害の度合いなどいろいろの、まあ様々な要素を勘案してその財源措置が行われているというのが実態でございます。
したがって、その事務の性質とその財源措置とが必ずしも対応していないということでございますが、そういうことから、今回、補助金改革に関してもスリム化された事業について財務省としては当該事業が法定受託事務であるかどうかという、そういった観点からの整理は行ってないところでありますので、今、委員から御質問のあったことについて正確にお答えすることはちょっとできないわけでございますが、ただ基本的な考え方としては、法定受託事務であれ、あるいは自治事務であれ、これはやっぱり事業の効率化による予算の縮減を図るということは同じことでありまして、いずれも納税者の負担があるわけでありますので、そういった事業の見直しはそういう事業の性格いかんにかかわらず行っていかなければいけないというふうに考えております。
○広田一君 そうしたら、ちょっと上田副大臣の方にまた重ねてお伺いをしたいんですけれども、確かに法定受託事務であろうが自治事務であろうが、これはもう聖域なく見直していかなければいけないというのは非常によく分かる話でございます。しかしながら、特に法定受託事務というのは、地方分権一括法の中で別表に個別に掲げて、これは、先ほど紹介しましたように、本来国が果たすべき役割のものであるけれども地方にも主体的になってもらっているんだというふうな位置付けだったというふうに思います。ですから、地方の側から言わせれば、これがどうして廃止されたのか分からずに、しかも税源移譲もされていない、交付税措置もない中でどうしてスリム化になってしまったのか、そういった明確な基準、説明がないことについて非常に戸惑っているし、混乱もしているんだろうというふうに思うわけでございます。
ケース・バイ・ケースで個々の事業を見て見直したといえばそれまでになってしまうんですけれども、そうでなく、やはり透明性とか客観性というものは当事者同士でなくて、やはり広く国民や住民、納税者の皆さんでも分かるような形での説明をしていかなければいけないんじゃないか。そういった観点に立ったときに、やはり法定受託事務のスリム化については相当きちっとした説明がなければ到底地方の納得なり住民の理解は得られないんではないかというふうに思いますので、やはりこの点についてはもう少し踏み込んだ御説明をお願いしたいと思います。
○副大臣(上田勇君) お答えいたしますが、若干ちょっと質問の趣旨と異なるかもしれないんですけれども、法定受託事務、自治事務ありますが、それぞれの、これは国が法令等で定めてそれに基づいて地方が行っている事務でありますので、それに対する財源措置が講じられているわけでありますけれども、その財源措置の方法というのは補助金、負担金で行っている場合、それから地財措置で行っている場合というのがございまして、そういう意味で、それぞれの事業ごとの性格によってその財源措置が異なっているということがございます。
補助金改革においては、財源措置が補助金で行われているもので今回スリム化の対象になったものの中に法定受託事務にかかわるものも一部例としては含まれておりますけれども、それらについてはそれぞれの事業の、今委員が御指摘になったとおり、それぞれの事業の内容などを見直して、効率化ができるもの、あるいはその必要性等が低下したものなどの効率化を図っていった結果として、法定受託事務についても、その財源措置が補助金で裏打ちされているものについてもそのスリム化の対象になったものがあるということでございます。
○広田一君 これは逆に言えば、これはやっぱり法定受託事務であるんで、地方の方も非常にこれ毎年やっていた事業だったと思うんです。
例えば、今回の公共事業関係では河川修繕費補助といったものが国、地方を通じてのスリム化になっているんですけれども、うちみたいに非常に西日本を中心に災害が多いところなんかは常日ごろから河川整備というものをやっていかなければいけないと。しかしながら、これが国、地方を通じていわゆる行政がやらなくてもいい仕事なんですよというふうにはなかなか納得がいかないというふうに思うわけです。
そうした場合には、じゃ県単独でこういった法定受託事務をやらざるを得ないというふうな状況になったとき、つまり、先ほど谷垣大臣が交付金化等によってそういったところもカバーできるんだというお話があったんですけれども、あれは四億円以上というふうな制限もございますので、じゃそれ以下のものについては一体どうするのかというふうに考えたときに、ここにぽっかり穴が空いてしまうわけなんですよね。スリム化と称して国も地方もやらなくてもいい、しかし住民とか流域の皆さんにとっては必要な事業としてあると、ここについてしっかりとした議論がなされていないんじゃないですかというのが地方の声だというふうに思うわけです。
個々について言えば、これはもう個々のケース・バイ・ケースの話になるんで私は余り建設的な議論ができないというふうに思いますけれども、であるんだったら、やっぱりこれ自身も地方から出していただいて私は議論するということの方がより透明性の高い建設的なお話ができるんじゃないか。やはり国が一方的に、いや、これは国、地方を通じて必要ないんですという趣旨のお話じゃない、特に法定受託事務としては私はそれは余りなじまないのではないかなというふうに思うんですけれども、いかがでしょうか。
○副大臣(上田勇君) 法定受託事務の中にも、これは法定受託事務というのはすべてその法令で定められて、国が本来行うべきものを地方が行っているという性格ではあるんですが、そうした中にも、国からの補助金や負担金がなくて行われている事業というのも従来から、例えば戸籍の事務とか、そういったものもございます。
他方、例えば生活保護などのようにその大宗の部分が国の財政で賄われているといったものもございまして、そのように事業の性格と財政措置の在り方というのは必ずしもそういう法定受託事務であるか自治事務であるかによって定められているといったことではございません。
そういう意味で、今委員もおっしゃったように、個々の事業のそれぞれの内容に即して検討していかなければいけないことでありますが、今御提案がありましたように、地方のそういった御意見もやっぱりよく聞いていく必要があるというふうに考えておりますので、総務省さん、それからまた地方ともよく協議をしながら、法定受託事務、自治事務、双方できるだけ効率化を図っていけるような方向で努力をしていきたいというふうに思っております。
○広田一君 是非ともよろしくお願いしたいと思います。
続きまして、今井副大臣の方に中期の地方財政ビジョンについてお伺いをしたいというふうに思います。
この中期の地方財政ビジョンというのは、やはり平成十六年度のこれ急激な三位一体の改革の影響で、各県、市町村の予算編成といった、大変大混乱をいたしました。結果として、財政調整的な基金をほとんど取り崩さないと予算が組めないというふうな状態が起きて、地方から不安の声が上がってまいりましたし、その後も財政担当の方々のお話を聞きますと、来年一体どうなるんだろうかということばっかり気になって、本来のいろいろなしなければいけない仕事以上にどうなるんだろうか、どうなるんだろうかということを非常に気にされていると。
そういった意味で、地方財政の予見可能性の向上といった意味でもこの地方の、中期地方財政ビジョンといったものは求められているというふうに思いますし、あわせて、これによって今地方交付税の法定率分が非常にギャップがあるわけなんですけれども、再セットもしていただいて、しっかりとした地方固有の財源を確保していって、安定した運営を図っていくべきだというふうに思います。
ということで、今井副大臣のこの中期の地方財政ビジョンに対するお考えと、一体いつこれを策定するのか。何か計画と決算の乖離を是正した後に云々というお話がありますけれども、これやっているといつになるのか果たしてよく分からなくなりますので、もし年限というものが明示できるようでしたら併せてお答えをいただきたいと思います。
○副大臣(今井宏君) お話しいただきましたように、一昨年の地方財政に対して、とりわけ交付税の削減が大幅だったものですから、各地方自治体、大変な混乱を来したということは事実でございまして、それらの経過も踏まえながら、昨年、財務省等々の御理解もいただく中で財源の確保と、こういうことができたわけでありますが、それにも増して先が見えないという意味では、予見可能性の向上を図らないとせっかくの地方自治体、経営するための経営感覚を発揮して行財政運営を行うことができづらくなるわけでございますので、できやすくするためにもお話の中期地方財政ビジョン、これを策定することがとても大切なことだと私も思っておりますし、先日閣議決定されました、たしか二十一日だと思いますけれども、骨太の二〇〇五におきましても、御指摘の決算乖離の是正、あるいは今後の経営、財政運営に係る見通しを踏まえつつこのビジョンを策定すると、こういうふうに位置付けをされたところでございます。
このビジョンなんでございますが、国の方の主要分野であります公共事業、あるいは安全、社会保障等の国の方針、これとの整合性も図っていかなければ確かなビジョンにはならないわけでございますので、それらも十二分に状況を勘案しながら、特に総務省、総務大臣、地方六団体との協議の場ということも設定されておりまして、六団体、地方の皆さん方の御意見を十二分に聞きながら、策定の時期等を含めまして、具体的な検討を図ってまいりたいと、このように考えておりまして、いつかという御質問でございますが、今お話いたしましたように、国の主要分野の方針、それとの整合性も図りながらなるたけ早い時期に、地方の意向を尊重させていただく中でビジョンを策定していきたいと、このように考えています。
○広田一君 いつかというふうなことには具体的な御答弁はなかったわけでございますけれども、できるだけ早くというふうなお話がございましたんで、是非とも、今の地方の実態を踏まえて、この中期ビジョンというものは非常に求められているというふうに思いますし、安定した地方交付税等の財源を確保するためにも個々に取り組んでいただきたいなというふうに思います。
それで、ちょっと時間の関係で次の質問に移らさせていただきたいと思います。
私も地元を歩いておりますと、高知というところは非常に過疎地域、中山間地域が多いわけでございまして、そういったところに行きますと、今はいわゆる郵政民営化の問題の中で郵便局がなくなってしまうと、これは決して許されないことだというふうなお声を聞くわけでございます。これは、いわゆる年金等が下ろせなくなることによるいわゆる金融過疎というふうに言われているわけですけれども、しかしながら、それともう一方で、ひょっとしたら過疎地域、中山間地域に情報過疎が起きるんじゃないか、そういう懸念の声がございます。
それが、いわゆる二〇一一年までに地上デジタル放送が始まることに伴ってそういった懸念があるわけでございまして、地上デジタル化については様々なメリットがございますし、経済波及効果にしても二百兆円あるというふうに言われておりますので、これは非常にこの日本経済においても大変期待ができるところでありますが、一方、先ほど申し上げましたとおり、地方では難視聴地域が逆に増えてしまうんじゃないかというふうなお話がございます。特に、地方の過疎・中山間地域では中継局の整備が進まず、新たなそういった地域が広がるんじゃないかと、こういうふうな声があるわけでございますけれども、その一番の理由といったものが、二〇一一年までの中継局の整備計画、いわゆる地方ローカル局がどのように中継局を整備していくかというのは全く示されていないわけでございます。よって、民間ローカル局では、経営上の問題であるとか、あとまた時間的な制約なんかを理由にして、この整備が進まないことによって先ほど言ったような問題点が発生するのだと思います。
そこでまず、やっぱり免許を出している国としましては、この二〇一一年の完全デジタル放送化に向けて、ローカルの放送業者が中継局整備のロードマップを早期に策定して公表するよう指導すべきと思いますけれども、この点についての審議官の御見解をお伺いしたいと思います。
○政府参考人(小笠原倫明君) 今先生から御指摘ございましたように、地上デジタル放送がいつどこで視聴可能になるかということを住民の方々にお示しすることは大変重要なことでございます。そうした観点から、昨年十二月に県庁所在地レベルでは開局の目標時期をロードマップとして公表したところでございますが、それから更に続く中継局につきましては、現在、放送事業者の方々とともに鋭意作業に取り組んでいるところでございます。したがいまして、この作業が終了した段階から、逐次整備されるものからできる限り早く公表してまいりたいというふうに考えておるところでございます。
○広田一君 これ、具体的にいつこの計画を公表するのかということについては、なかなか現時点ではお答えができないということだろうと思いますけど、審議官、これ逆に言えば、これは二〇一一年に向けて間に合わすためには、逆算したら最低ぎりぎりいつまでにこういった計画は公表しなければいけないというふうに思われるのか、この点についてお伺いしたいと思います。
○政府参考人(小笠原倫明君) 現在のアナログのテレビ局のネットワークといいますのは、ある意味では数十年間掛けてこれまで構築されてございますので、大変時間が、二〇一一年までということは大変短いということは承知しております。したがいまして、先ほども申し上げましたが、現在、放送事業者とともに非常に複雑な技術的な計算を、鋭意作業を進めているところでございますので、できる限り早く、例えば可能なものは今年内にも公表してまいりたいというふうに考えております。
○広田一君 可能なものは今年内にというふうなお話がございました。
それで、一つ御確認をさしていただきたいんですけれども、これは、この地上デジタル化というのは先ほど言いましたように非常に期待をされておりますし、経済的な効果も大きいわけでございまして、これ、過去の答弁を聞きましても、国家プロジェクト、国策として進めていくというふうな趣旨のお話がございましたんで、つまり、国策として二〇一一年までに全国広くあまねく地上デジタル放送というユニバーサルサービスを実現するというふうに総務省は決意をしているという理解でよろしいんでしょうか。
○政府参考人(小笠原倫明君) 一昨年七月のIT戦略本部で、二〇一一年までに地上デジタルテレビジョン放送のデジタル化への移行を完了し、全国どこでもデジタルテレビの映像が受信できるような環境を整備するというふうに明記されておりますので、私ども総務省といたしましても、関係省庁あるいは放送事業者と協力いたしまして、是非この目標達成のために全力で取り組んでいきたいと考えております。
○広田一君 最後になりましたけれども、是非この二〇一一年までの地上デジタル化というものを積極的に推進をしていただきたいと思います。
今、地方のローカル局とか地域の皆さんに聞いても、この点に対して本当に大丈夫なのかという声が上がっているわけでございまして、地域のローカル局が、お話にあったように、数十年掛けてようやくこれだけのカバー、エリアをできたのを、あと六年間で本当にできるのかという率直な疑問とか素朴な不安があるわけでございますので、そういったことを払拭できるように取り組んでいただきますように、そして、その場合には国の財政的な支援も含めて積極的に取り組んでいただきますように要望いたしまして、私の質問を終わりたいと思います。
どうもありがとうございました。
○西田実仁君 公明党の西田実仁でございます。
当初、谷垣財務大臣に人民元の話をお聞きしようと思いましたが、先ほど平野委員からもございましたので、日銀の武藤副総裁に最初お聞きしたいと思います。
最近の公表されました議事録等を見さしていただきましても、金融政策決定会合におきまして、この委員の間で残高三十兆から三十五兆という残高維持につきましては意見の相違が出てきていることが明らかになっているわけでございますけれども、例えばアメリカの場合、FEDにおきまして仮に意見の相違がいろいろ出てきた場合、伝統的にと言っていいんでしょうけれども、例外はもちろんあることは承知しておりますけれども、基本的には、議長の意見に対しまして、副議長がそれを、基本的に議長の意見を踏襲していくという一致が見られるわけでございますけれども、日本のこの日銀の金融政策決定会合におきましては、総裁と副総裁、副総裁にせっかく来ていただきましたので、この総裁と副総裁、特に副総裁の一票を投じるときに、そうした明示的なあるいは暗黙的な、あるいは伝統的というか慣行というか、そういった総裁に従っていくというようなことがあるのかないのか。そういう基本方針ないしは暗黙のルールがあるのかどうかということについて、まずお聞きしたいと思います。
○参考人(武藤敏郎君) 日本銀行の政策委員会の審議におきましては、副総裁も含めまして九人の委員がそれぞれ独立して与えられた職務を果たすということになっております。この点は、日本銀行法におきましてそのように法律上明確にされているところでございます。もちろん、その上で、そうして決定されました政策委員会の方針に従いまして、日本銀行の業務を運営するに当たりましては、副総裁は総裁を補佐するということが法律上の役割として決められているわけでございます。実際、今お尋ねの私個人のその金融政策決定会合におきます行動の考え方ということでございますけれども、独立した一委員ということで、私の考えに基づいて与えられた職務を果たしていると、そういうことでございます。
○西田実仁君 これから正念場になっていきますが、本当の意味での成長ということは、すなわち脱デフレということになってくるんだろうと思いますけれども、その際に大変に必要なこととして私自身が認識しておりますのは、日銀の総裁、副総裁の意思疎通というものを、まあ日常的にもやっておられると思いますけれども、より意思疎通を図って、外部からいたずらな理論闘争をしているというふうに変な誤解を受けないようにすることが大事だというふうに私自身は非常に強く思っております。
当然のことながら、この日銀内部におきまして真摯な議論というものを積み重ねて、異なる意見を持っていかれることは当然でありますし、また今おっしゃったように、お一人お一人がそれぞれ独立した一票を持っているわけですので、それは真摯な議論を十分にしていただくことが大事だと思っておりますけれども、いわゆる開かれた日銀というものが自分の主張を声高に叫ぶだけということであってはいけないというふうに思っておりますし、真摯な議論が変な形でこの市場の攪乱要因になってもいけないと、このようにも思っているわけでございまして、いろんな意見があることは、内部でいろんな意見の相違があることは踏まえた上で、いたずらな市場の攪乱要因になるような発言というものがあってはならないんではないかと、このように、これから特に大事な時期を迎えてまいりますので、感じているわけでございますけれども、これにつきましては、副総裁いかがでございましょうか。
○参考人(武藤敏郎君) 最近におきます政策決定会合の場におきまして、現在の量的緩和、三十兆円から三十五兆円程度を維持するということにつきまして、その目標額を引き下げてはどうかという意見が二名の政策委員から出されまして、それをめぐって議論が行われました。そういうことは、これ五月の決定会合でございましたが、既に議事概要という形でも明らかにされております。
御指摘のとおり、いたずらにといいますか、無用の混乱を起こすようなそういう議論は適切でないということは私も重々承知しておりますし、また委員の皆様方もすべて十分分かっていることでありますけれども、やはり透明性ある議論をして、それが日本銀行の中でどういうふうに、どういう考え方によって運営されているのかということがある程度議事概要という形でマーケットの方々に分かっていただくということも実は重要なことでございまして、その辺りの兼ね合いは難しいというところでございますが、九人の委員が、現時点におきましてターゲットを下げる下げないという若干の議論はありますけれども、量的緩和政策を堅持していくと、それが現状において一番大事なことだということについては意見の一致を見ているというふうに私は考えております。
○西田実仁君 この量的緩和策につきましては一致を見ているというお話でございますけれども、あえてそこに超を付けさせていただきますと、この超量的緩和というものについては意見が分かれていると、こういうことだろうと思います。
一つは、いわゆる金融秩序の維持あるいは信用秩序の維持という面からの超量的緩和の役割はもう終わったのではないかという意見が一つございます。もう一方では、超量的緩和は信用秩序の維持だけが目的じゃないんだと、このデフレの脱却ということもこれは意味としてあるんだと、こういうことで意見が分かれているというふうに私は理解しているわけでございますけれども、私が名付けるところによれば、見直し論と、もう一方で絶対維持論というこの二つの考え方の背景にございます経済、あるいは金融市場、あるいは資本市場に対する見方、どういうところがこう乖離しているというふうに理解すればいいのか、副総裁のお答えできる範囲でお答えいただければと思います。
○参考人(武藤敏郎君) 量的緩和政策を基本的にデフレ脱却に向けて堅持していくべきであるということについては意見の一致を見ておるということを申し上げましたけれども、一方、金融市場の状況を見ますと、これは御承知のことかと思いますけれども、最近の金融システム不安の後退を背景といたしまして、金融機関の流動性需要が減少していると、すなわち資金余剰感というのも市場にはあるということでございます。こういうことで、短期の資金供給オペにおきます札割れという現象が発生しておるわけでございます。
この資金需要が弱い場合に、調節運営上の対応によりまして当座預金残高目標を維持するということでやるわけでございますけれども、そのやり方いかんによっては市場機能に悪影響を及ぼす可能性というものも否定できないという面があるわけでございます。
先般の決定は、こうした金融市場の状況というものを踏まえまして、三十兆から三十五兆円程度という当座預金残高目標を維持した上で、金融機関の資金需要が極めて弱いと判断される場合には当座預金残高が一時的に目標値を下回ることがあり得るということとしたわけでございます。
そういうことで、いわゆるなお書きの修正という形で三十兆を下回る可能性というものを認めたわけでございますけれども、これは量的緩和政策の方向転換ではないかというような見方が一部にありますけれども、そういうことでは決してございません。量的緩和政策をむしろより円滑に運営していくためにはどうしたらいいかと、そういう若干の弾力性を持った方がよりスムーズな量的緩和政策を継続できるという、そういう観点からの議論でございます。
三十兆から三十五兆円という当預目標残高を維持した上で、今申し上げましたような弾力性を与えるということは、その市場機能というものを維持しながら資金供給を続けていく上で非常に大事なことであるというふうに思っているわけであります。それが今の政策委員会の多数の意見であるというふうに考えております。
○西田実仁君 この超量的緩和政策によって派生的にゼロ金利政策が生じて、また一種の過剰流動性が端的に現れている例として、このFB、政府短期証券につきまして、その事実をまず御指摘させていただきたいと思いますが、このFBにつきましては、今月、六月に入りまして、平均利回り、最高利回りともにずうっとゼロ%を続けておりまして、FBのゼロ%落札が恒常化しているということでございまして、また応札額も毎回二千二百兆円とか、あるいは二千八百兆円ぐらいの、この二千二百から二千八百兆円というもう天文学的な数字がこのFBに対して応札総額として上げられているわけでございます。
こうしたこの超金融緩和の政策そのものが、一部の識者の間では、金融機関の防波堤から政府の財政破綻の防波堤に変わったんではないかと、こんなようなことを言う識者もいるわけでございますけれども、景気が少しずつ回復してきているという途上において、本来であれば成長の分配というものが一般預金者にも与えられてしかるべきであると。それはすなわち、利子所得という形で一般預金者には景気回復の分配ということが、配当ということが本来なされてしかるべきだと思うわけでありますけれども、それを今逸失している状態にあると。
こういう状況、FBがかなり異常な天文学的な数字であり、ずっとゼロ%金利が、ゼロ%で要するに落札するということが常態化しているこの現状、そしてこれはFBですので、財務省さんに、副大臣にお聞きしたいと思いますけれども、まずFBの発行者である財務省に、こうした現状につきましてどう見ておられて、そしてこれをどういうふうに改善されようとしていくのか。また、日銀さんにも、武藤副総裁にも同じ御質問をその後させていただきたいと思います。
○副大臣(上田勇君) 今、西田委員から御質問がありましたとおり、六月の一日に行われた入札以降、五回連続で平均落札利回り、それから最高落札利回りがともにゼロ%というような状況が続いているのはもう御指摘のとおりでございます。
国債等の入札に当たっては、これはもう市場参加者それぞれのいろんな相場観だとかに基づいて様々な要素を取り入れて判断をし、応札しているものだというふうに思いますので、市場の中ではその要因についていろんな解説等が行われておりますが、我々は発行当局の立場でございますので、そうした要因についてこうだというようなことは、確たるものを申し上げるのはちょっと差し控えさせていただきたいというふうに思っております。
○参考人(武藤敏郎君) 日本銀行のこの量的緩和政策、同時に、消費者物価指数の前年比が安定的にゼロ%以上になるまでこの緩和政策を継続するといういわゆる約束を行っているところでございます。そういうことでございますので、短期金利はおおむねゼロ%近傍で推移しておりまして、その結果、預金金利も極めて低位にあると。先ほど逸失利益というお話ございましたけれども、恐らくこうした預金金利の極めて低い水準というものが家計部門の利子所得というものの減少をもたらしているのではないかということであろうと思います。その点につきましては日本銀行としても十分に認識をしているわけでございます。
ただ、この問題の評価に当たりましては、家計の利子所得の減少という確かに御指摘の面と、もう一方で、企業の借入金利の低下に基づく投資行動に与える好ましい影響ということを含めて、経済活動全般に与えるその効果を総合的に判断するということが必要になるかと思います。
日本銀行としましては、やはりこの日本経済にとって何が最も重要かといいますと、物価安定の下で持続的な成長を実現しているということでございます。消費者物価の前年比、御承知のとおりまだ小幅ではありますけれども、マイナスを続けている現状におきましては、この約束に沿って金融緩和を続けて、金融面から日本経済をしっかりサポートしていくことが必要と、そのために全力を尽くしてまいりたいというふうに考えております。
○西田実仁君 先ほど、財務省さんに、副大臣にもう一度お聞きしますが、このFBの入札のやり方を七月からたしか変えられると思いますけれども、どのように変えられ、またそれはどのような効果を考えての変更なのかについて御説明いただければと思います。
○副大臣(上田勇君) 今御質問にありましたとおり、本年の七月から国債等の入札におきます応札上限を導入するということ、また十五年変動利付債の入札方式の変更を行うということなどの入札ルールの見直しを行うことといたしておりまして、五月の第五回の国債市場特別参加者会合後、対外公表を行ったところでございます。
こうした入札ルールの見直しというのは、国債市場特別参加者を始め、市場参加者からの要望を踏まえて実施したものでございまして、市場のニーズをきめ細かく反映した国債等の入札を可能とするというものでありまして、市場参加者からもおおむね好評を受けているというふうに認識しております。
○西田実仁君 最後に谷垣大臣に、先ほどの人民元について、先ほども御質問が詳しくありましたので、私一つだけお聞きしたいと思いますけれども、この人民元、端的に言って切り下げるという議論は基本的にはないわけでありまして、切上げ、柔軟化といったときに、だれも切り下げるということは考えていないわけですけれども、仮にこの人民元が切り上がった場合にどのぐらいの幅かとか、あるいは各業界やいろんな立場によってその及ぼす影響というものが異なるというのは、もう大臣もおっしゃるとおりであろうと思います。
その上で、例えばアメリカでは、繊維産業を中心に、かなり繊維産業の利益をバックにした意見が非常に強く出てきておりますけれども、一方で中国の高成長がもたらすリスクということも非常に指摘されているところでありまして、例えば、資源価格の上昇の問題とか、あるいは低価格輸出攻勢、デフレの輸出というようなことも言われることもございますし、当然人民元が低位に固定されていることでドル高が人為的になされていると、こういうような御指摘もアメリカからは聞こえてくるわけでありまして、日本経済にとってもプラス面もあるし、もちろんマイナス面もあるわけでありまして、アメリカが指摘する繊維産業というのは日本は当てはまらないと思いますけれども、それ以外については、実は日銀が今後の景気についても懸念している原油高の問題にしても、デフレからいかに脱却、デフレ脱却が遅れるんじゃないかという懸念とか、あるいは為替の円高懸念、こうしたことも実は日本経済にもそのまま当てはまるテーマであろうというふうに思っております。
その上でお聞きしたいのは、この人民元が仮に切り上がっていく場合に、そのデメリットの方、メリットの方はどんどん伸ばせばいいわけですけれども、仮にデメリットがあるとした場合に、その準備、その対策の準備というものを怠りなくするべきであるというふうに私自身は思っておりまして、当然為替はもう財務省の所管責任事項でございますけれども、今申し上げたとおり、原油の問題とか産業界に与える影響とか、これは必ずしも財務省だけの守備範囲ではないわけでありまして、こうした人民元が切り上げられた場合に、その悪影響をどれだけ軽減できるかというための検討なり政策の在り方について、財務省を中心としながら、ほかの省庁あるいは日本銀行との対策なり協議の場というものについてどのように今なっているのか、あるいは今後つくられて、既にあると思いますけれども、どのように対策を練られていくのかということについてお聞きして、終わりたいと思います。
○国務大臣(谷垣禎一君) 今、西田委員からお話がありましたように、どういう人民元改革が進んでいくかによってインパクトも違ってまいりますから、まだ率直に申し上げてよく分からないというのが実情でございますが、そのタイミング、程度、いろんな問題があると思います。私どもはやはりよくその辺りを注意して観察して、その影響が日本にとって悪いものでないように、悪いことがある場合には乗り越えなきゃならぬと、おっしゃるとおりだろうと思います。
それで、政府の中で連絡会議とか検討会議というのを特に設けているわけではありません。ただ、例えば日本経済にどういう影響を与えて、どういう産業からどういう反応があるかというようなことは経済産業省が主として所管しておられることでございますので、実は、今朝も閣議の後、この為替の議論をしてきたということで中川さんとも若干意見交換をしたんですが、閣僚レベルというだけではなくて、いろんなところでそういう緊密を図っていくように現にしておりますし、またこれからも特にその辺りはよくやっていかなければいけないことだろうと思います。
よく、今委員の御指摘を受けて、我々もやりたいと思っております。
○西田実仁君 ありがとうございました。
○大門実紀史君 最初に税制の問題について一つ、二つだけお聞きしたいと思います。谷垣大臣、あと少しだけお付き合いをよろしくお願いいたします。
先日、政府税調の報告で所得税等々の増税案が出てきたわけですけれども、かなりすごい増税案ということでいろいろ取り上げられております。今日はその影響、こんなときにこんなことをやるのかといういろんな議論がありますけれども、今日はその影響というよりも、こういうもの、こういう増税案そのものの基本的な考え方についてだけお聞きしておきたいというふうに思います。
今回、お手元に資料をお配りいたしましたけれども、今回の政府税調報告による個人所得税にかかわる増税案について、一定の前提を置いてですけれども、モデルケースで試算をしてみました。
まず、ちょっと財務省に数字の確認をお願いしたいと思いますけれども、この前提で、細かく読みませんが、それぞれ年収ごとにこういう増税額で間違いないでしょうか。
○政府参考人(福田進君) 今、大門先生お話しになりましたように、今般の政府税調の報告書は、経済社会の構造変化を踏まえまして、言わば個人所得課税の在り方について今後検討すべき主な論点の整理を行ったものでございまして、ここに、表にございますように、その報告による増税云々ということには必ずしもなっていないんじゃないかなというふうに考えられます。いずれにいたしましても、具体的な議論というのは今後審議を深めると、こういうことでございます。
また、この論点整理におきましては、例えば、特定支出控除についての言及がなされておりますし、子育て支援の観点から税額控除も検討課題として取り上げられると、こういったこともございますので、大変恐縮でございますけれども、御指摘のような仮定のケースに基づいた税負担の変動を云々することは差し控えさしていただいた方がよろしいんではないかと考えておる次第でございます。
いずれにいたしましても、この論点整理に掲げられましたいろいろな課題につきまして、今後関係各方面での更なる御議論をいただく必要があるのではないかと私どもは考えている次第でございます。
○大門実紀史君 事前の打合せと違うんですけれども。私は、計算の数字を財務省に、このケースならこういう計算になりますねと。で、なりますと、計算で合っていますということだけ答えていただくはずだったんですけれども。計算は違いますか。それだけ答えてくれますか。
○政府参考人(福田進君) いろんな計算の仕方があろうかと思いますけれども、具体的なことにつきまして、ちょっと前提でここにいただいている資料、報告による増税と年収別負担率ということでございますけれども、報告には増税ということが出ておりませんので今申し上げたような答弁をさせていただいた次第でございます。是非御理解願いたいと存じます。
○大門実紀史君 もういいです。数字的には間違いありません。財務省の担当者に計算してもらってぴったり合っております。
申し上げたいのは、これでどんな影響があるとか増税だとかなんとか、それよりもこういう、税金の、何といいましょうか、仕組み、こういうふうに変えていく仕組みそのものについて大臣に一問だけお伺いしたいわけです。
見てもらったとおり、今度は中堅サラリーマンが直撃されると言われているとおり、試算いたしますと、ケースがいろいろありますが、局長おっしゃったとおり何も決まっているわけではありません。ただ、いろんなケースを、どのケース想定しても同じ方向になっていると、これを申し上げたかったわけです。
ケース1の場合ですと、給与所得一千五百万の人たちのところが一番負担率といいますか、重い負担になっていくと。ケース2だと、給与、サラリーマンでいくと七百万の人が一番重い負担になって、一千五百万ぐらいまではまだ重いのが続きますが、下がっていくと。これは中堅サラリーマンを直撃すると言われているゆえんだと思いますけれども。
全体として見ますと、私、中堅のところ大変なんですけど、全体としますと、何といいますかね、逆進性といいますか、累進がやっぱり緩和される方向になっております。これは、消費税の議論もありますけれども、いろんなこと取り上げてまいりましたけれども、お金がないからいろいろとか、それはおいておいて、税制の在り方として、ずうっと累進が緩和されて、どちらかというと所得の低い人ほど負担が増えてくる方向ばかりが打ち出されています。
政府税調の議論を聞いておりますと、さすがにこの前は、五月の段階では、もうそろそろ高額所得者とか最高税率の見直しとか、そういうところも手を付けないと駄目なんじゃないかという議論が政府税調の中でも出てくるような状況ですね。それでもまだこういう方向ばかりが出されていると。そういう最高税率手を付けろとか何かというのはもうタブーになっているようなところあるんですけれども、みんなで負担を求めるということでいくと、やはりずうっとこの間、所得の中堅から低い人ばっかりに負担が来るような案ばかり出てくるんですけれどもね。
これは前にも大臣と議論いたしましたけれども、所得の再分配の問題、竹中大臣とも議論したときにやっぱり所得の再分配というのは社会にとって大変重要な機能だとおっしゃっていましたし、谷垣大臣もそれは否定するものじゃないと、そういうことも含めて考えなきゃいけないとおっしゃったわけですけれども、こんな方向ばっかり行くと、今でも所得格差が非常に広がっているんですけど、本当に日本がどんな世の中になってしまうのかということをこれを見て感じたんですね。
そういう基本的な税の在り方としてこういう方向を大臣いかがお考えか、もうそれだけ今日お聞きしたいと思います。
○国務大臣(谷垣禎一君) 今回は論点整理、所得税全体を見直していこうという論点整理でございます。もうくだくだしく申し上げるつもりはありませんけれども、働く環境も違っているし、高齢化も増えている、家族の環境も違うと。それから、もう一つ付け加えますと、三位一体のようなことでやらなきゃいかぬというのがありまして、どういう論点があるかというのを整理いたしまして、それが具体的にどういう数字になってくるかというのはこれからでございます。
今、大門委員がおっしゃった逆進性が強いじゃないかという御議論ですけれども、やっぱり大きな方向としていわゆる所得再分配みたいなものを考えようと思いますと、やっぱり所得税というものを重視せざるを得ない。そして、今のような御議論の前提として、もう一回所得税の機能を取り戻すにはどうしたらいいかということがやっぱり私はあるんだろうと思います。そういう問題点を整理させていただいたわけであります。
それで、この中で、サラリーマンのいわゆる中堅所得者層あるいは逆進性、直撃しているということでございますけれども、例えば子育て支援というようなものは税額控除でやろうという提案もありまして、こういうものは低所得者ほどメリットのあることだろうと思いますし、また実際控除等を考えるに当たりましては、やっぱり実際に申告していただいてもう少し柔軟に考えていったら、申告自体でやる控除も柔軟に考えていったらどうかということも含まれておりますので、全体像はこれからもう少し議論をしていただかなきゃいかぬということだろうと思います。
○大門実紀史君 ありがとうございました。
いずれにしても、間もなく具体的なものがまた来年度税制改正出てくるでしょうから、そのときに本格的な議論はしたいと思います。財務大臣の方はもうこれで私の方は結構でございます。ありがとうございました。
次に、先日取り上げました東京都の新銀行東京について、その後の展開も含めて質問をさせていただきます。
これは、前回申し上げましたとおり、中小企業に貸すための銀行というふうなことで開業したはずでしたけど、もうこの間、いろんな方が借りに行ったらなかなか貸してくれないと。自民党の議員さんと、地元の議員さんとお話ししましたけど、自民党の都議会議員でさえ貸してくれる銀行だと思って相談者連れて行ったら貸してくれないと。もうかんかんになって怒っているというようなことですね。我が党にも相談来ておりますけれども、今いろんなことが起きているところです。
まず、そういうことの前に、この前の問題のちょっと続きだけ簡単にやらしていただきますけれども、この前問題にしたのは、新銀行が金融庁に出した事業計画と記者会見とかリリースでやっている内容とが違うという問題を取り上げさせていただきました。
具体的に言えば、数字が違うのは大変問題だと思いますけれども、一般的にニュースリリースとか記者会見で言っているのは、経常利益だと五十四億ですと。ところが、金融庁に出しているのはわずか四億円と。いろんな数字も違いますし、事業内容として入ってないことを、金融庁に届けていることを公にはしていないという点も指摘したところです。例えば、中小企業に貸すというふうに一般的には言っているんですけれども、金融庁には大企業向けのシンジケートローンとか不動産売買プロジェクト等と書いてあるんですが、それを一切黙ったままと。
これについては、この前、いろいろ指摘さしていただいて、私、都議会でいろいろ東京都が説明するのはもう都議会でやってもらえばいい話で、私が申し上げているのは、金融庁の監督下にあります株式会社新銀行東京が一つの銀行として公に言っていることと金融庁に言っていることが違う問題をこの前指摘したわけですけれども。
前回、佐藤局長にこのままでいいんですかとお聞きしたら、五月十二日ですかね、適切な時期に事業内容等々含めて内容を公表すべきだとおっしゃいました。また、競争上の権利侵害するから事業計画をすぐ公表すべきと金融庁から言えないということも佐藤さんおっしゃったわけですけれども、かみ合わない議論のまま時間が切れちゃったんですが、私はすぐに何も事業計画を公に公表すべきだと申し上げたわけではありません。違うことを言っていることを、その状態がまずいんじゃないかと。だから、大まかな内容を記者会見で言ったっていいわけですよ。リリースしたっていいわけですよね、しょっちゅうやっていますからね。ずうっと黙り続けていると。で、あの後も今も同じ状況です。ずうっと黙っております、金融庁に出した内容についてはですね。この状態はやっぱり私は異常だと思うんですけれども。
普通の銀行はあり得ないですよね。普通の銀行はあり得ないですよね、今これだけの情報開示、ディスクロージャー、説明責任の時代に。違うことを公にずっと宣伝し続けると、普通の銀行ではあり得ないことだと思うんですけれども。まず、この状態はやっぱり異常だと私は思うんですが、この前の経過あるんで、佐藤さん、いかがお考えですか。
○政府参考人(佐藤隆文君) 御指摘いただきましたように、新銀行東京が実質的な開業時、この四月に行ったプレスリリースにおきまして事業計画として東京都が策定した新銀行マスタープランというのが引用されているということでございまして、これと金融庁に提出した事業計画というものが併存している状態ではないかという御指摘でございますが、このプレスリリースにつきましては、これは新銀行東京が自ら作成した事業計画ではないということもございますので、独立した銀行の情報開示としては好ましいことではないというふうに思っております。
いずれにいたしましても、新銀行東京、御案内のとおり本年四月に本格開業をしたということでございまして、現在、同行におきまして、この本格開業したことを踏まえて中長期の経営計画を検討中というふうに承知をいたしております。この計画をできるだけ早期に公表する方向で検討しているというふうにも聞いておるところでございます。
○大門実紀史君 できるだけ、もう株主総会は先週の金曜日、過ぎましたので、速やかに公表するように金融庁からも指導をしてほしいと思います。
先ほど、中小企業はなかなかお金借りられないという話、申し上げましたが、金利も、やっと借りられても九%、一〇%とか、あるいは上限一五%という、何といいますか、もう商工ローン並みぐらいの話になっておりますし、なかなか困ったところが借りられないという事態が続いています。
私、見てきて驚いたんですけれども、新銀行の上野支店というのは、写真も撮ってきましたけれども、サラ金のビルの隣にあると。非常に都民としては印象の悪いところにあるんですね。何もねらったわけではないでしょうけれども、隣に行ってくれというわけではないでしょうけれども、非常に高い金利を要求されているという実例も出ております。
私、金融庁の関係で問いたいのは、これは新銀行東京の一つの商品でございますけれども、いろいろ融資の条件があります。異様だなと思った点が一つありまして、お金貸すときに当然、税金の申告書とか何か経営内容分かるものを出してくれというのはどこの銀行でもあることです。ところが、新銀行東京はそもそも、大銀行が貸し渋り、貸しはがしやっていると、けしからぬということでつくったはずの銀行にもかかわらず、そういう大銀行とかでさえやらないことをやっています。申告書は税理士さんの判こあるものでなきゃ駄目と、ふだん税理士に頼んでなきゃ駄目ですよということと、個人事業主の場合は青色申告者でなきゃ駄目と。
私、調べてみましたけれども、金融庁にも確認したいと思いますが、大銀行を批判してつくった銀行でありますけれども、大銀行の中で、信託除いてですけれども、こんな条件を付けているところ、同じような商品でこんな条件を付けている銀行ありますか。
○政府参考人(佐藤隆文君) 信託銀行以外の主要行等におけるその主な中小企業向け無担保融資商品について調べてみた範囲でのお答えでございますけれども、いずれも融資申込みの際に税務申告書等の提出が求められているというのは共通でございますが、新銀行東京のように青色申告を添付することに、そういうケースに限定したり、あるいは税理士の氏名、連絡先の記載のある税務申告書の提出を必須とすると、そういう事例は把握いたしておりません。
○大門実紀史君 ないんですよね。異常な、もう門前払いになっちゃうわけですね。今、不況で税理士さんに頼めなくて、方も増えていますし、どうしてこんなことが、大銀行でさえやらないことを条件付けるのかというふうに思います。
ただ、この商品は金融庁も報告を受けて承認されているはずですけれども、どうしてこういう、ちょっと異常ですよということを指導されなかったんでしょうか。
○政府参考人(佐藤隆文君) 新銀行東京につきましては、開業準備の状況を確認していく中で、業務に係る収支の見込みが良好であるかどうか等、銀行法に基づく銀行免許付与に準じた監督上の対応を講じてきたところであります。
その際に、この銀行の融資商品の内容を含めた事業戦略についても報告を受けておるところでございまして、その中で、同行への融資の申込みの際に提出する税務申告書類等について青色申告書に限定するということ、あるいは税理士の関与が必須とされていることについても報告を受けていたところでございます。
この点についてでございますけれども、こういう無担保、第三者保証不要と、こういう融資商品を前提としたときの銀行サイドの審査の在り方の問題でございますけれども、この場合には、提出される財務諸表の信頼性というものが非常に重要になってまいりますので、言わばそれを確認するための一つの手法ということも言えようかと思います。
他方で、新銀行東京においてこの青色申告であるとかあるいは税理士の関与といった条件を付けていることによりまして、青色以外で税務申告をなさっている事業者、あるいは税理士の関与なしに自ら税務申告を行っている中小企業といったものが同行の潜在的な融資対象から外れることになるということもあり得るんだろうというふうに思います。
いずれにいたしましても、この銀行が具体的にどのような条件により融資商品を提供するか、あるいは審査を行うかということにつきましては、基本的には同行の経営判断の問題であろうかというふうに思っております。
ただ、いずれにいたしましても、金融庁といたしましては、この銀行の設立目的である東京都内の中小企業に対する金融の円滑化につきまして、この銀行がその役割を十分に果たしていくということを期待をいたしておるところでございます。
○大門実紀史君 個別の経営判断という、そういうことを言い出しますと、かつて大銀行に対して、貸し渋りが大問題になったときに、金融庁は貸し渋りしないようにというふうな努力もされているわけですね、いろんな連絡を含めて。だから、貸し渋りだって個別の経営判断と言い出せば正当化されるというふうになります。こういう門前払いというのは異常でございますので、是非指導をしてもらいたいと思います。
実は、私、昨日行ってきました、新銀行東京本店にですね。審査役と執行役の方、責任ある方が対応していただきましたけれども、このことを伝えたら、知りませんでしたと、ほかの銀行はそうなんですかと、税理士さんの申告とかはもう当たり前だと思ってつい書いちゃいましたと、だから、そういう御意見あれば検討しますというふうに私には言っておりました。
つまり、金融庁はこういうことぐらい言えるはずです。こういうところは指摘できるはずでございます。新しい銀行なので、戸惑い、いろいろ混乱して、そういうことはよく分からなかったというふうにおっしゃっていましたから、いろいろまだ改善できるところありますし、金融庁は余り、何かというと個別の経営判断とか言われますけれども、きちっと指導すべきところはしないとどんどんどんどん変な方向に行くと思いますので、引き続きそういう指導を求めて、私の質問を終わりたいと思います。
○糸数慶子君 糸数慶子です。お願いいたします。
まず、金融担当大臣にお伺いいたします。
ローン担保証券、つまりCLOのこの発行構想についてお伺いいたします。
金融改革プログラムの中には、「活力ある金融システムの創造」の中に、ITの戦略的活用などにおける金融機関の競争力の強化及び金融市場インフラの整備の中で、直接金融あるいは市場型間接金融に対する利用者の信頼を高めて、市場機能を活用した資金仲介、資源配分の発展を促すというふうにされております。
特に、沖縄におきましては、金融特区において、現在、このローン担保証券、つまりCLOの発行構想を進めていますが、この中で、市場型間接金融や証券化、流動化の促進といった観点からこうした取組は評価すべきものというふうに考えますが、私は、この構想について、まず一点目に民間の金融機関が主導している点と、それから二点目に一つの地域にとどまらない広域のCLOであるという点にその特徴があると考えますが、伊藤金融担当大臣はこの点についてどう評価されていらっしゃるのか、まず最初にお伺いいたします。
○国務大臣(伊藤達也君) 今委員からも御紹介がございましたが、金融庁におきましては、昨年末に金融改革プログラムを策定、公表さしていただいたわけでありますけれども、その中で、貸出し債権の流動化、証券化を促進するためのインフラ整備等を打ち出さしていただいているところでございます。
委員からは、沖縄金融特区についてもお触れになられ、そして民間主導で、あるいはその広域性について御指摘があったわけでありますけれども、中小企業ローン資産担保証券市場構想のその実務的な検討が民間の金融専門家の間で沖縄金融特区の場合には進められていると承知をいたしており、こうした動きは沖縄金融特区の発展や貸出し債権の流動化、証券化の促進に向けた民間の自主的な取組として歓迎すべきものと考えており、更に議論が深められることを期待をいたしているところでございます。
○糸数慶子君 このCLOは、民間金融機関において新たなその金融の取組といたしまして取り入れられつつあるわけですが、このCLOに関する行政の取組としては、沖縄の金融特区におけるその取組のほかにも、例えば東京都の債券市場構想やそれから中小企業金融公庫によるこの広域CLOの発行などもあるわけです。
今後、市場形成が進む中で、これらの行政の取組が重複してしまう可能性も懸念されますが、市場インフラ整備のために何が必要というその観点、あるいは最終的に民間主導でこれは進められるべきものである、こうしたこのCLOの発行に関して、過渡的にどの程度行政が関与するのか、そういう観点からもこれらの取組をどう整理して評価すればいいのか、大臣の考えをお伺いいたします。
○国務大臣(伊藤達也君) 今委員からも御指摘がございましたように、沖縄の金融特区におけるCLO発行構想のほかに、東京都の債券市場構想や中小企業金融公庫による広域CLOの発行等の取組が進められていることは私どもとしても承知をいたしておりますが、中小企業向け貸出し債権の証券化は金融機関の証券仲介やリスク管理にかかわる能力向上のための有効な手法の一つであると考えております。
こうしたことから、本年三月に策定、公表させていただいた新しいアクションプログラムにおきましても、中小企業金融の円滑化や金融機関における地域集中リスクの軽減等を図る観点から、地域CLO等の証券化等に関する積極的な取組を参考事例として示しつつ、中小企業の資金調達手法の多様化等に向けた取組を推進するよう、中小地域金融機関に要請をいたしているところでございます。
金融庁といたしましては、金融機関がその経営判断の下、地域の特性というものを十分踏まえて、選択と集中によりそのような取組というものを推進をして、そして具体的な成果が早期に実現をされることを望んでおり、そうした形で進んでいくことが望ましいものではないかと考えているところでございます。
○糸数慶子君 ありがとうございました。
次に、今沖縄で大変大きな問題になっております都市型戦闘訓練施設についてお伺いをしたいと思います。
これは地元の新聞でも昨日そして今日も大きく報道されておりますけれども、この都市型戦闘訓練施設について今月の二十四日に、在沖米軍四軍調整官事務所、これは外務省沖縄事務所に対して都市型戦闘訓練施設の使用を通告をしてきております。その通告の内容をまず最初に明らかにしていただきたいと思います。
○政府参考人(河相周夫君) お答え申し上げます。
御指摘がございましたとおり、二十四日、在沖縄米軍四軍調整官事務所より外務省の沖縄事務所に対しまして、二十七日以降、レンジ4の陸軍複合射撃訓練場の使用を開始するという連絡がございました。その際、外務省の沖縄事務所からは、本件訓練については米側として地元の懸念に十分配慮をして、部隊の練度維持のための必要最小限のものにとどめてほしいと、また安全にはくれぐれも万全を期すということを改めて働き掛けをいたしました。これに対しまして米側からは、部隊の練度維持のための必要最小限の使用にとどめるということ、また安全にはくれぐれも万全を期すという回答があった次第でございます。
実際、訓練が、いつから射撃訓練が開始されるかということに関しましては、二十七日以降ということではございますけれども、特定した日付につきまして、これ以上の詳細は米軍の運用に関することでございますので、ここで申し上げることは差し控えさせていただきたいと思います。
○糸数慶子君 ただいまのそのお話を伺いましたら、これは通告が六月の二十四日にされたわけですね、張り出しといいますか。
普通は、そういう訓練に関しては何日前でしょうか。
○政府参考人(戸田量弘君) お答え申し上げます。
沖縄におきます米軍の実弾射撃に関連します地元への通知につきましては、私ども通常一週間前に行っているところでございます。
本件につきましては、先生先ほど御指摘いただきましたけれども、二十四日に通知させていただいたところでございます。
○糸数慶子君 今伺いましたように、通常なら一週間前、しかし今回は二十四日に通告をして二十七日ということで、実際には昨日は訓練は行われてないわけなんですが、やはり沖縄本島の北部の金武町にある米軍のキャンプ・ハンセンの中のこのレンジ4に建設された都市型戦闘訓練施設は極めて危険な施設です。
外務省沖縄事務所とそれから那覇防衛施設局が二〇〇三年の十一月に明らかにしたこのキャンプ・ハンセン内のレンジ4の都市型訓練施設は、これはアメリカ陸軍、米陸軍の特殊部隊のグリーンベレー用の訓練施設で、米側によりますと、米軍側によりますと、総工費は四億円。施設の内容は、射撃用建物そして突破訓練施設、屋外射撃そして訓練塔、それから管理地区ということで構成されているようですが、この訓練は、建物内の敵に対する小型武器の射撃や、それから扉を壊して、破壊して建物の中へ強行突入をする、あるいはロープによる訓練、懸垂降下訓練などを行うもので、正に対ゲリラ、そして対テロ用の訓練施設ですね。これに関しまして、この射撃用の建物、鉄筋コンクリートの二階建て、そして建物面積が五百八十平方メートル。それから、訓練塔の高さが約十メートル。こういうことを考えていきますと、この管理棟が三つから成り、それから建設面積が七百二十平方メートル。
そして、この基地の問題は、やはりこの施設が民間地域に大変近く、沖縄の幹線道路である沖縄自動車道からたった二百メートルしか離れてないということですね。これは、屋外の訓練はこの自動車道と平行に近い角度で発射されることもあるわけで、少しでもその角度を間違えてしまいますと、走っている車が被弾するという極めて危険な施設になるわけです。
そこで、伊芸区の方では、民間地域にわずか三百メートル近い施設を何とか撤去してくれということで、過去の山火事の例や、それから砲弾のかけらが民家に飛び込んだり、それからガラスが割れたりという、そういう被弾事故がこれまでもありましたので、この伊芸の地域の皆さんがそれこそ一年以上前から決死の覚悟で、そのレンジ4を移転してほしいということで阻止闘争をずっと行ってきたわけですが。
そこで、お伺いいたしますけれども、このレンジ4の施設使用の中止を、こういう金武町の皆さんの立場を考えていきますと、沖縄では県知事や、それから現在、金武町長も昨日も政府関係者にきちんと対応されたということなんですが、是非ともこの訓練の中止をしていただきたいと思いますが、いかがですか。
○政府参考人(河相周夫君) お答え申し上げます。
本件の陸軍複合射撃訓練場の概要につきましては、今委員から御指摘のあったような内容の建物等々があるわけでございます。
政府といたしましては、本射撃訓練場に関しましては、射撃用建物では、流弾若しくは跳弾対策といたしまして、標的の後ろの方に高密度のゴム製の弾丸トラップを使用するとか、また屋外の射撃訓練につきましては、方向としては北西方向ということで、民家若しくは高速道路が走っている方向とは違う方向へ向けてのみ射撃を行うというような措置をとっております。
また、そういう中で、基本的に、政府としてはこれまで国会でも御説明しておりますところでございますけれども、安全、環境には配慮した内容になっているというのが政府の基本的な認識でございます。
片や、御指摘のとおり、地元で住民の方々が非常に不安を持っておられる、懸念を持っておられる、反対の運動がずっと続いてきたということは政府としても十分承知をし、また重くとらえてきたわけでございます。その中で、基本的に安全であるという認識を持ちつつも、地元の御要望を受けまして、このレンジを移設をするということを基本的に決定をいたしまして、できるだけ早急に新しい施設に移していくというのが基本的方向でございます。
ただ、代替施設ができるまでの期間というものがございます。その間につきまして、住民の方々の御懸念、御不安というものも政府としても十分重く受け止めておるわけでございますけれども、片や米軍の練度の維持、ひいては我が国そして極東の平和と安定ということを考えたときに、どうしても米軍の練度維持のための必要最小限な訓練は必要であるという状況の下で、米軍が訓練を行うに当たっては安全にくれぐれも万全を期してほしいということを申し込んでおるところでございます。
また、今般追加的な措置といたしまして、訓練塔から射撃用建物に射撃をする訓練があるわけでございますけれども、追加的な安全措置といたしまして、訓練塔に面した外壁に追加的に高密度のゴムを米軍は設置したというようにも聞いております。また、訓練場使用時には安全性確保のために専任の安全管理者を現地に配置をするというような措置をとっているということでございまして、地元の御懸念いろいろあろうかと思いますけれども、是非とも御理解をいただければと思う所存でございます。
○糸数慶子君 今いろいろと安全に配慮をしているというふうにおっしゃいましたけれども、実は欧米諸国を見ましても、まずこういう都市型の戦闘訓練施設が住宅地から三百メートルしか離れてないという地点にあるということはないんですね。そういう例はありません。今、住民の安全に配慮するというふうにおっしゃいましても、高速道路から二百メートル、しかも民間地域から三百メートルという、そういう環境におきましては、今おっしゃることには説得力を持たないと思います。
なぜかといいますと、過去にもそういう訓練の中でやはり住民地域に直接被弾したという実例があるからなんですね。今いろいろと米軍の張り付けられた項目の中に、例えば高密度のゴムを配置したとか、それからこのレンジ4の複合射撃訓練施設を使用した実弾射撃訓練を行わないというふうに米軍は張り出しの中にきっちり書いてありますけれども、しかし今までに、例えば嘉手納基地の問題でもそうですが、爆音の問題でも取り決めたことが守られないという実態、ましてやこういう都市型戦闘訓練施設の中で今おっしゃるようなことが果たして守られるかどうかというのが疑問であります。
なぜかといいますと、二十四日に告示をして、そして二十七日にまず訓練をすると言われたときの地域の住民の不安ということを考えていただきたいと思います。それこそ正にふだんの生活を捨てて毎日のように、戦場体験をされた八十歳を超えるようなお年寄りや、あるいは仕事を持っているような若者たちが毎日のようにこのキャンプ・ハンセンの基地のゲートの前に座込みをしているという実態を考えますと、本当に不安におののいているというこの地域の皆さんの気持ちを是非とも国は考えていただきまして、しかもこの施設を移転するということが日米の間で取り交わされているわけでございますから、今のレンジ4での訓練というのは即時中止を申し入れていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○政府参考人(河相周夫君) 繰り返しの答弁になりまして恐縮でございますけれども、先ほども御説明申し上げましたとおり、地元の方々の御懸念、御不安ということにつきましては、政府としてもそれを重く受け止めておるわけでございます。片や、この米軍の部隊の練度維持というものが我が国の安全、極東の平和と安全というものにとってやはり不可欠であるという状況の中で、政府といたしましては、米軍に追加的な安全措置というものをとりながら安全に十分配慮をした形で行ってほしいということを申し入れている次第でございます。
○糸数慶子君 では、防衛施設庁にお伺いいたします。
那覇防衛施設局によりますと、レンジ16への新たな代替訓練施設の建設に向けて既に地形等の調査に入っているということでございますが、この施設建設に向けて、全体的な工期、規模、予算などを明らかにしていただきたいと思います。
○政府参考人(戸田量弘君) お答え申し上げます。
このキャンプ・ハンセンのレンジ4におきます米陸軍複合射撃訓練場でございますが、先生御案内のように、レンジ16の奥に日本政府予算で代替施設を建設しまして、レンジ4で予定されていた訓練を移転させるということで具体的な検討作業を行っておるところでございます。当庁、御指摘いただきましたように、五月下旬に移設先の地形図作成等の業務を発注したところでございます。今後、これらの成果を踏まえまして、訓練施設の具体的配置等につきまして米側と調整を行ってまいりたいと思っております。できるだけ早期に本件訓練場の移設を実現してまいりたいと考えておるところでございます。
なお、この具体的な建設工期あるいは建設経費の問題でございますけれども、これは移設先におきます訓練施設の具体的な配置等につきまして詳細に固めないとなかなかこれを申し上げることができないわけでございます。現時点で申し上げることができないことについて御理解賜りたいと思います。
いずれにしましても、私どもとしまして可能な限り早期に本件訓練場移設実現ができるように努力してまいりたいと考えております。
○委員長(浅尾慶一郎君) 糸数君、時間が参っておりますのでまとめてください。
○糸数慶子君 はい。
国の財政が大変な厳しい状況にあり、国民は歳出を見直せという声もあるわけですが、そういう中で改めてまた米軍の訓練施設を日本政府の思いやり予算で造っていくということは、私は大変疑問に思います。
なぜかといいますと、六月二十三日の慰霊の日には小泉総理が直接沖縄においでになりまして、基地の負担軽減ということをはっきりとそのごあいさつの中で触れていらっしゃいました。そうであるならば、本当に沖縄の基地負担の軽減につながるというところに税金を使っていただきたい。このレンジ4の暫定使用の中止、それに続く施設の閉鎖、撤去が実行されてこそ沖縄県民に対する基地負担の軽減になるのではないかということを指摘いたしまして、質問を終わりたいと思います。
ありがとうございました。
○委員長(浅尾慶一郎君) 本日の調査はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。
午後三時四十七分散会

 

2005年06月22日 (水)

参議院 本会議 27号 平成17年06月22日

162-参-本会議-27号 平成17年06月22日

○議長(扇千景君) 日程第四 証券取引法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。
まず、委員長の報告を求めます。財政金融委員長浅尾慶一郎君。
─────────────
〔審査報告書及び議案は本号(その二)に掲載〕
─────────────
〔浅尾慶一郎君登壇、拍手〕
○浅尾慶一郎君 ただいま議題となりました法律案につきまして、委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。
本法律案は、最近の証券市場をめぐる情勢の変化に対応し、我が国証券市場の国際競争力の向上を図るため、公開買い付け制度の適用範囲の見直し及び親会社等状況報告書制度の導入並びに外国会社等の英文による開示制度の導入等の措置を講じようとするものであります。
また、本法律案は、衆議院において、継続開示義務違反に対する課徴金制度を導入する等の修正が行われております。
委員会におきましては、証券取引所における親子会社上場の是非、継続開示義務違反に対する課徴金制度の導入の意義と実効性、外国証券会社の業務実態と擬似外国会社規制の在り方等について質疑が行われましたが、その詳細は会議録に譲ります。
質疑を終了し、採決の結果、本法律案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
以上、御報告申し上げます。(拍手)
─────────────
○議長(扇千景君) これより採決をいたします。
本案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。
〔投票開始〕
○議長(扇千景君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
〔投票終了〕
○議長(扇千景君) 投票の結果を報告いたします。
投票総数         二百二十三
賛成           二百二十三
反対               〇
よって、本案は全会一致をもって可決されました。(拍手)
─────────────
〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
─────・─────

 

2005年06月16日 (木)

参議院 財政金融委員会 15号 平成17年06月16日

 

162-参-財政金融委員会-15号 平成17年06月16日
○委員長(浅尾慶一郎君) ただいまから財政金融委員会を開会いたします。
委員の異動について御報告いたします。
去る十日、松岡徹君が委員を辞任され、その補欠として峰崎直樹君が選任されました。
また、昨十五日、広野ただし君が委員を辞任され、その補欠として松岡徹君が選任されました。
─────────────
○委員長(浅尾慶一郎君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
証券取引法の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、政府参考人として金融庁総務企画局長増井喜一郎君外二名の出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(浅尾慶一郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
─────────────
○委員長(浅尾慶一郎君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
証券取引法の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、参考人として株式会社東京証券取引所代表取締役社長鶴島琢夫君の出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(浅尾慶一郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
─────────────
○委員長(浅尾慶一郎君) 証券取引法の一部を改正する法律案を議題といたします。
本案の趣旨説明及び衆議院における修正部分の説明は既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。
質疑のある方は順次御発言願います。
○田村耕太郎君 ありがとうございます。
冒頭、遅参申し上げまして、本当にお待たせして失礼しました。済みませんでした。
今日は、質問というよりも、更に証券市場に信頼性と透明性を取り戻していただくために幾つか提言を申し上げたいと思います。
大臣も先生方も御案内のとおり、いい数字が幾ら出ても、個別の企業でも全体の経済でもそうですけれども、なかなか株価が浮揚しない。やはり、一つは、その信頼性と透明性に東京証券取引所を始め日本の証券市場はあると思うんですね。郵政の民営化をしようとされて、貯蓄から投資へという動きもあるようですが、やっぱり証券市場の信頼回復がまず行われないと資金の効率的な移動というのも起きないと思いますので、何より先もこれを僕はやるべきだと思いますので、そういう意気込みで提言させていただきます。
まず、修正の部分なんですけれども、修正案提出者の江崎先生にお話をお伺いしたいんですね。
やはり法律は実効性のあるものを作るべきだと思います。私も、大変有用な、有意義な修正だと思うわけです。その便益がどのぐらいあるかということをまず聞きまして、その後、更なる提言を積み重ねていきたいんですが。
これ大変失礼な、何というんでしょう、アサンプションといいますか、仮定になってしまうかもしれないんですけれども、こういうふうな刑罰に近いような法律を作るときは、法律を破るインセンティブを持つ者に対して、そのインセンティブを変える又は抑えるような実効性のある法律作りが、規定作りが必要だと思うわけです。
この課徴金というものなんですが、仮に我々が虚偽記載の継続開示をしようとするインセンティブを持つ者だとしまして、修正案を提出された先生から考えて、この課徴金、修正案、どれぐらい怖いものだと思いますか、どれぐらいやっちゃいけないという気になるものだと思いますか。その辺り、お伺いしたいと思います。
○衆議院議員(江崎洋一郎君) お答え申し上げます。
やはり、このディスクロージャーの、継続開示義務違反、これは証券市場に対するある種投資家を欺くという意味では挑戦的な行為であるわけでございます。継続開示義務違反につきましては、謙抑的にしか運用できない従来の刑事罰に加えて、新たに行政上の措置による違反行為の抑止のための手段として課徴金制度をあえて設けるということでございますし、この結果として、やはり単に課徴金の罰ということで三百万円又は時価総額の〇・〇〇三%という水準の課徴金を受けるというだけではなくて、結果として、企業における社会的な評価が下がる、また株価への影響というものも十分考えられるわけでございます。そういった意味において、違反行為が抑止されて、規制の実効性が担保されるというふうに確信しておる次第でございます。
○田村耕太郎君 ありがとうございました。
今、私も地元に帰って、例えば家計の財布を握られる主婦の方々、そういう方々にお伺いする場合、そういう、財産をどのように運用されていますかと、証券取引なんか考えられますかと言ったら、やっぱり西武や小田急や、ああいうカネボウの事例があったんでしょう、ダイエーも含めて、やっぱりちょっとギャンブルみたいな気がすると言われる方多いんですね。保守的な地盤だからかもしれません。
一方、じゃ、どういうふうに運用されていますかと聞きますと、インドとか中国とかトルコとか、インド・オープンとかチャイナ・オープンとか買われているんですね。えっ、東京証券取引所よりインドやトルコや中国の株買うことの方が安全なんですかと聞きましたら、そんな気がするとおっしゃるんですね。非常に何か残念な気持ちを持ってしまったんですね。やっぱり、厳しく、虚偽記載を継続して行う者、最初から行う者に対して刑罰を設けるべきだと思うんです。
これからの提言といいますのは、証券取引法の刑事罰のやっぱり強化、これが必要だと思う、そういう思いからさせていただきます。
僕は、まず実効性のある規定を作るときに、例えば、どういうようなインセンティブ、モチベーションでこういう隠ぺい工作が行われているかを見ますと、やっぱり日本の上場している大企業の権力構造というのをしっかり見るべきだと。もう見ていらっしゃると思いますけれども、更に見るべきだと思うんですね。
例えば、今のその規定というのは、じゃ、まず最初に時効の話からいきたいと思います。
証券取引法の刑事罰の時効というのは大体七年ですね、今。しかし、七年というのは僕は短過ぎると思うんです。七年だと今の政権によってもみ消せるわけですね。例えば、今の上場企業、一般的な話をしてみますと、大体社長で五年、会長で七年、その後、最高顧問とかなんとかいいまして七年、二十年ぐらい君臨するわけです。二十年あれば七年というのは簡単にもみ消せるわけです。トップの指示でこういうことをやると思いますのでね。
刑法上の最長の時効までの期間というのは二十五年です。私は七年から二十五年に時効までの期間というのを証取法の刑罰は延ばすべきだと思います。そうすると、私はこれかなりぴたっと止まると思うんですね。ああいうエリートだと自分が思っている方々というのは実刑判決が一番怖いわけです。しかし、七年だったら、時効が七年だったらもみ消せるわけです。時効が二十五年だったらかなり怖がると思います。二十五年はもみ消せません。
なぜかといいますと、二十年あれば、やっぱり一つはそんなことをしている会社は破綻するかもしれません。もう一つは政権交代が起きるかも分かりません。破綻か政権交代以外、やはり虚偽記載、隠ぺい工作を続けることはできないと思うんですね。逆に言うと、破綻かやはり政権交代、二十年、二十五年あれば必ず起きると思うんです。この場合、かなりインパクト、効き目があると思うんですけれども。
大臣、これ、証券取引法の刑罰の時効までの期間、七年から二十五年まで、これ考えていただけませんか。
○国務大臣(伊藤達也君) お答えをいたします。
委員から証券市場の信頼性を確保していくために透明性そして公正性がとても重要であると御指摘をいただきました。私も全く同じ思いでございます。そのためにも、それを確保していくためのその実効性について十分留意をしていかなければいけないというふうに思っております。
今委員からは、経営者の在任期間ということを踏まえて、時効までの期限の長期化について御提言をいただいたところでございますけれども、現行の証券取引法上は、虚偽記載のある有価証券報告書の提出にかかわる罰則は五年以下の懲役若しくは五百万以下の罰金又は併科とされ、この罰則の水準に対応する時効の期限は五年とされているところでございます。
法務省の所管でありますが、現行の刑事訴訟法において時効の期限は罰則の水準に応じて定められており、証券取引法違反にかかわる罰則の時効についてのみその期間を長期化することにつきましては、現行の刑事訴訟法の体系上、慎重に検討すべき問題であると考えているところでございます。
○田村耕太郎君 僕はいろんなところで上場企業の経営者の方に会いまして、この実効性を一応チェックしてきたんですけど、かなりあるという声が大きかったです。自信がある経営者ばっかりだったと思うんですけれども、是非御一考をお願いしたいと思います。
もう一つ、私、監査法人の五年間における定期的な交代制というのを訴えたいと思います。
といいますのは、やはり今監査人の交代をやっていますけど、監査法人と監査をやってもらっている上場会社というのはやっぱり内輪の関係になりやすいわけです。日本の企業、日本人というのはほかの国の人に比べてやっぱりいい人が多いですから、どうしても内輪に甘くなってしまうわけですね。ところが、五年で交代する、五年で監査法人も交代するということになりますと、三、四、五年目から気合が入ってくると思うんですよ、ライバル会社が入ってくるんだと。入っていくライバル会社、ライバル監査法人からしたら、前の監査法人の穴を見付けてやろうというインセンティブ働くわけですから、かなり厳しめに見ると思うんです。
内輪ではなくて、ライバルの会社に五年交代で監査させる。それは今やっている会社にとってもこれから入ってくる監査法人にとってもかなり真実の追求のインセンティブも高くなりますし、その結果として上場会社の透明性、真実性も高くなってくると思うんです。監査人だけではなくて、監査法人の五年間の交代制、これも是非やっていただきたいと思います。証券取引法に書いていただきたいと思うんですけど、大臣、いかがでしょう。
○国務大臣(伊藤達也君) 監査法人の交代制の導入について御指摘をいただいたところでございます。
監査に対する信頼性というものを向上させていくために改正公認会計士法を成立をさせていただいて、昨年の四月から施行がされているわけでありますけれども、監査法人の社員を含め監査業務を執行する公認会計士について交代制を導入し、継続監査期間が七年を超える場合に公認会計士の交代が義務付けられているわけであります。
これに対しまして、監査法人自身の交代制は導入されておりませんが、監査法人の交代制を導入した場合には大規模な組織的監査体制を一から構築しなければならないなど、かえって監査水準を低下させかねない等の指摘もあることから、その有効性についてはなお慎重に検討していく必要があると考えております。
○田村耕太郎君 最初の提言と二番目の提言併せれば僕はその有効性は担保できると思うんです。といいますのは、刑事罰を重くするわけですね、最初の提言で。刑事罰を重くすれば監査もしっかりやらなきゃいけなくなるわけです。
監査業界が、会計士業界がこれ猛反発すると思うんですけど、会計士業界、今、日本の監査報酬というのはアメリカから比べたら丸が一つ少ないわけですね。一けた違うわけです。しかし、そういう証券取引法の開示に関する刑事罰を重くすることによって上場会社も監査法人に払うお金がしっかり多くなると思うんです。また、投資家から見ても、利益処分、その後から監査費用を引いてもらっても自分たちのメリットになるわけですから、それも納得のいく利益処分の方法になると思うんです。つまり、監査法人も一件当たりの報酬のアップが期待できるわけです。目の前では五年交代ですから収益チャンスが減るように見えますけど、一件当たりのやっぱり監査報酬というのはアップする可能性が高いわけです。ですから、併せてこれは検討いただきたいと思います。
三つ目なんですけど、我々政治家といいますのは選挙に関しまして公職選挙法というのがありまして、今連座制の適用が大きくなっています。我々が知らないところで、もう極言してしまえば、何かあっても我々の責任が、地位が問われるというような厳しいものになっています。
一方、東京証券取引所は自主規制機能を持ったまま上場しようという強い意図を、金融庁さんの意図にある意味逆らってやられようとしています。もうここまで来たら、僕はある意味連座制の適用というのが必要だと思うんです。連座制といいますのは、上場会社、そして監査法人、証券取引所、もし虚偽記載が明るみに出て投資家に何らかの損失を被った場合、上場企業、監査法人、証券取引所は連座して責任を負う、連座制ですね、ある意味証券取引所に瑕疵担保責任を負わせるわけです。変なものを売ったら自分たちも責任を取らなきゃいけないよと、こういう連座制、我々はもう厳しい連座制の中で選挙を勝ち抜いて出てきているわけですから、やっぱりある意味政治と同じぐらい証券取引所の信頼、信用や透明性というのは大事なわけです。やはり証券取引法の中で連座制、上場会社、監査法人、証券取引所、何かあった場合は連座制を適用して責任を問いますよ、こういう仕組みが必要だと思うんですけど、大臣、いかがですか。
○国務大臣(伊藤達也君) 連座制について、今その導入をすべきではないかと御質問いただいたわけでありますけれども、ディスクロージャーに対する信頼性は、開示企業に加えて監査人、そして証券取引所等、関係者の不断の取組によって確保されるものでありますので、これらの関係者において継続的に努力をしていただくことが大変重要なことだというふうに思っております。
これらの関係者のうち、まず開示企業につきましては、重要な事項につき虚偽記載のある開示書類を提出した場合、証取法上刑事罰が科されていることになっております。また、監査人につきましては、虚偽等のある財務書類を故意又は過失により虚偽等のないものとして証明した場合には、公認会計士法に基づく懲戒処分や証取法上の虚偽記載罪の共同正犯又は幇助犯としての罰則が適用されることになっております。さらに、証券取引所につきましても、上場有価証券の発行者が法令や証券取引所規則に違反したにもかかわらず権能を行使しないなどの状況が認められた場合には行政処分を行うことができることとなっております。
このように、開示企業、監査人及び証券取引所においてはそれぞれの役割等に照らした合理的な判断の下に各々の責任の在り方が定められているところでありますので、連座制の導入といったことについては十分慎重な検討が必要であると認識をいたしているところです。
○委員長(浅尾慶一郎君) 田村耕太郎君、時間が参っていますんで、簡潔にお願いします。
○田村耕太郎君 本当に今日は遅れて済みませんでした。信用等、透明性の回復のため、もう証券取引所はああいう姿勢ですから、やっぱり証券取引法の方でしっかり対応していただきたいと思います。よろしくお願いします。
ありがとうございました。
○峰崎直樹君 民主党・新緑風会の峰崎でございます。
今日はいろいろの方々に来ていただいておりますので、今入替えが、動いているようです。
鶴島社長にも本当にありがとうございました。実は質問通告が昨日で、そして今日ということは、本来本当に私失礼なことだと思いますが、是非これは委員長に後で理事会等で諮っていただきたいんですが、例えば証券取引法というような法律を審議する場合は、これは、東京証券取引所というのは正にその法律に基づいて実際に運営されているわけでありますから、これはやはり我々よく日本銀行をお呼びするのと同じような扱いをしていただければなというふうに思っておりますので、是非、そういった場合、今日は鶴島社長にもおいでいただいておりますけれども、また今日はお仕事がある中で来ていただいたということなんで本当に感謝しておりますが、是非そういう扱いをしていただければなと。もちろん、大阪証券取引所とか私の住んでいる札幌証券取引所などという証券取引所はたくさんあるわけでありますが、日本を代表する証券取引所としての東京証券取引所の方々に是非そのことのお願いもしていただきたいなと思いますので、まずその点、お願いしたいと思います。
○委員長(浅尾慶一郎君) ただいまの峰崎直樹君の御提案につきましては、後刻理事会で協議をさせていただきます。
○峰崎直樹君 それでは、私、修正案提案者の今日は原口さんにおいでいただいております。本当にこの今度の証券取引法をよくここまで修正をかち取っていただいたなと思っているわけでありますが、まず原口さんに、恐らくお忙しいでしょうから、最初に質問させていただくわけでありますが。
この修正案は、本当に、二年間という附則について検討規定を盛り込んでいるわけであります。また、そういう意味でいうと、この課徴金というものがある意味では本当に妥当なのかなという意味で、課徴金という言葉を思い出すとすぐ独占禁止法との関係を思い出すんですけども、そういった点について原口修正案提案者の方でこれをどのように我々として受け止めたらいいのかといった点についてまず最初にお伺いしたいと思います。
○衆議院議員(原口一博君) おはようございます。
峰崎委員におかれましては、日本の会社法制あるいは証券法制、その先頭に立っていただいて、公正、透明性を確保する、その旗手であられますことをまず冒頭お礼を申し上げたいと思います。
本議院修正は、やはり今ルールにおける競争が世界の競争の本質だと思っています。証券市場の信頼確保のために、継続開示義務違反、これは正にこういう違反行為を抑制するために当面の措置として定めたものでございまして、より抜本的な改正については今後検討されるべきであると。これは与野党の協議の中でもそういうことが出ました。
また、先ほどお触れになりました独禁法改正案では、同時に、施行後二年後、課徴金に係る制度の在り方について検討を加えることとされており、証取法上の課徴金制度についてもこれに合わせた検討が必要であると思われますので、こういう二年をめどとした検討規定を盛り込んでおるわけでございます。
元々、証券市場がない時代の会社法制と現在のように証券市場と一体の本格的な公開会社の時代、一体私たちの法制はどうあるべきかということが議論の本質になるんだというふうに思います。健全な証券市場を担う株式会社のガバナンスと健全な証券市場によって支えられる経営者の判断、このことが何よりも大事であって、私どもは独禁法の改正案においても、今までの課徴金制度というものを、不当利得の簒奪といったところに力が置かれているために、マーケットアビューズ、市場そのものを破壊してしまうような不透明な行為、あるいは違法な行為、これをしてもやり得になってしまう、こんなことでは我が国の経済発展の基礎は築けないんではないか、根本的な改正が必要なんではないか、こういう観点から提案をした次第でございます。
独禁法と、それから課徴金制度と、私たちは、独禁法の中では民主党は行政制裁金という新たなコンセプトを出して、今までの不当利得の簒奪といったところに力が入っていたものを根本から変えていこうということを提案させていただいておるということを申し添えて、答弁にしたいと思います。
○峰崎直樹君 今法務委員会の方に会社法が、正に歴史的な改正が行われているわけですけれども、原口委員の方で、これはやはり我々とした場合、会社法といって、今いろんな会社が類型化されていると思うんですが、特に我々、今証券市場を正に使わなきゃいけないと、こういうふうにおっしゃっていましたけれども、そういう意味では公開株式会社というものをやはりきちんと取り上げて、むしろ公開株式会社法というようなものを、これは証券取引法、あるいは上場の基準だとか、全部に絡んでくるんですけれども、そういったことを作った方がやはりいいんではないかと、こういう意見があるんですが、この点について原口修正案提案者の意見をお聞きしたいと思います。
○衆議院議員(原口一博君) お答えさせていただきます。
今お話が、委員ありましたとおり、会社法、証券取引法、それから取引所規則は全体としていわゆる会社法制を構成するものでございますが、今国会では、それぞれ多くの、敵対的買収、それに対する防衛措置も含めて多くの議論がなされたところでございます。特に、公開株式会社に関する法制については、公開株式会社法として、今委員お話がございましたように、再構成することも検討すべきだというふうに考えています。
と申しますのも、会社法についていえば、企業連結法制、これは政府の方も一定の理解を示されていますが、その企業連結法制そのものが欠如しているという致命的な欠陥がございます。このことも詰めなければいけない。また、証券取引法と証券取引所規則については、公開買い付け、TOB制度の親子上場、親子の間で上場していれば利益相反の関係もある、親会社の株主が子会社の株主に対してどれほどその責任を問えるかという問題もこの国会で議論をされたところでございます。また、先ほど御議論のございました東証の自主規制の機能の在り方など、議論すべき問題が数多くあります。
どこからどこまでが会社法で、どこからどこまでが証券取引法なのか、あるいは取引所の規則でそれをカバーすべきか、その整理がまず必要で、今委員お話がありましたように、公開株式会社法として再度編成することがルールの透明性、市場の信頼性確保のために重要であるというふうに考えております。
○峰崎直樹君 今のお答えで大体私の言いたいことを全部言っていただいたような気がいたしております。本当にありがとうございました。
そこで、今日は証券取引法の一部改正する法律案の中身に入っていきたいわけでありますが、今お話ありましたこの発端といいますか、改正の大きな原因になったのは、昨年のたしか十月か十一月のコクドと西武の関係で上場の問題から端を発したように思うわけであります。今回の改正によって、正に子会社が上場していて、そして親会社が非上場である、これはコクドと西武の関係になったわけでありますけれども、そうすると、この関係、親子上場の問題は後でまた問題点申し上げたいと思うんですが、今回の改正によって、これ金融庁にお尋ねしますが、そうすると、子会社が上場されていて親会社が非上場の会社、これ調査室で一覧表を作ってくださっているんですが、この会社はもう原則として必ず、親会社で非上場の会社はこれは公開の対象になる、こういうふうに理解してよろしゅうございますか。
○国務大臣(伊藤達也君) お答えをさせていただきます。
今回の改正案は、上場会社のガバナンスの状況等を把握するために、その親会社に当該親会社自身の情報開示を義務付けるものであり、開示を求める親会社は当該上場会社を支配している会社としているところであります。この制度は罰則を担保として親会社に開示義務を課すものであることから、親会社に該当するか否かを判定するための基準は客観的に確定できるものであることが必要であるというふうに考えております。
このため、具体的な親会社の範囲は、株式所有を通じて直接、間接に上場会社の議決権の過半数を所有している会社としており、既に有価証券報告書等を提出して開示している会社を除いて、これに該当するすべての会社に当該会社自身の情報開示を義務付けることといたしているところでございます。
○峰崎直樹君 具体的にお尋ねします。
この中に記載されておる中で、上場会社、日本テレビ放送網、日本テレビです。これも去年問題になったんです。その親会社は株式会社読売新聞グループ本社。新聞でいいますと、株式会社テレビ朝日、朝日新聞社、それからテレビ東京株式会社、これも非上場の会社で日本経済新聞社、この三つの会社のうち、朝日新聞はもう開示されているかもしれませんが、読売新聞というのは開示されていませんよね。これは、今後、このいわゆる改正によって、産経新聞ももちろん関係してくるんだろうと思いますが、この日本テレビ放送網が上場会社だとすれば、その親会社、これは、親会社である株式会社読売新聞グループ本社は、これは株式のいわゆるオープンな、公開をされるのかどうか、この点、まずお聞きしたいと思います。
○政府参考人(増井喜一郎君) お答え申し上げます。
今回の改正案でございますけれども、上場会社のガバナンスの状況などを把握するためにその親会社に当該親会社自身の情報開示を義務付けるものでございます。開示を求める親会社は当該上場会社を支配している会社ということになるわけでございます。
具体的な親会社の範囲といたしまして、株式所有を通じて直接、間接に上場会社の議決権の過半数を所有している会社であって、既に有価証券報告書等を提出している、提出して開示している会社を除くと、そういう定義になっております。
したがいまして、今具体的な社名が出ておりましたが、そういった条件に当てはまるか、すなわち、議決権の過半数を所有している会社、直接、間接にその上場会社の議決権の過半数を所有している会社であるかどうか、そういったことで判断が分かれるということになると思います。
○峰崎直樹君 そうすると、ここに調査室が作ってくださった、この日本テレビ放送網と読売新聞本社は、後ろの上場会社との関係で関係会社と書いてある、関係会社と。それからテレビ東京も、それからテレビ朝日も、親会社である朝日新聞、日本経済新聞社の関係は関係会社なんといっているんですが、そうすると、これは、親会社でなければこれはもう非公開なままでいいんだと、こういうことなんですか。具体的にちょっと、もうこれ、前にもちょっと金融庁にはいろいろなお尋ねしているから分かっているはずです。どうですか。
○政府参考人(増井喜一郎君) お答え申し上げます。
先ほど私が申し上げました定義からいって親会社でなければ開示をしないということで、今回の開示を義務付けない、義務付ける対象になっていないということでございます。
○峰崎直樹君 これは、現状はあれですか、そうすると、親会社というのは過半数を所有していないということなんでしょうか。
○政府参考人(増井喜一郎君) 過半数を保有をしていないということになれば、これ、直接、間接にという意味でございますが、親会社ではないということでございます。
○峰崎直樹君 そうすると、親会社でなければ公開する必要がないと、こういうことなんですか。
○政府参考人(増井喜一郎君) おっしゃるとおりでございます。
○峰崎直樹君 そうすると、このいわゆる金融庁が、「財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則」、これも調査室の抜粋で載っているんですけれども、ここに親会社とはどういう規定なのかということがるるずっと述べられているわけでありますが、そうしますと、株式の保有というものの条件は、百分の四十以上あれば、百分の四十以上持っていて、しかも次の掲げる要件に該当する会社は親会社ですよと、こういう規定になっているわけでありますが、そうすると、株式保有だけが基準になっていないと。実際上、人的な支配とか、そういうものも含めてここにいろいろ記載されているわけでありますが、あるいはさらに、そこの中に、「その他他の会社等の意思決定機関を支配していることが推測される事実が存在すること。」と、ここまで実は広がっていっているわけですよ。
そうすると、今あった日本テレビと読売新聞とか、あるいはテレビ東京と日本経済新聞社とか、そういう関係については、これは、今の段階でこれは親会社ではないと、こういうふうに金融庁としては見ているわけですか。
○政府参考人(増井喜一郎君) お答え申し上げます。
今先生の御指摘のとおり、いわゆる財務諸表規則上の親会社の定義と、今回私ども法律案で御審議をお願いをしております親会社というのは、先ほど申し上げましたように、過半数の、直接、間接に過半数の株式を保有しているというのを親会社としておりますので、そこの定義が違うということでございます。
○峰崎直樹君 ちょっと今、何かさっき聞き取れなかったんですが、要するに、ここで規定している親会社、この資料はこれ東京証券取引所で作った資料から作った資料のようなんですが、そうすると、具体的な会社名でお聞きしますが、読売新聞とか朝日新聞とか日本経済新聞というのは、これは関係会社というふうにここで書いてあるんです。
これは、鶴島社長、ちょっと事前にこの点については聞いておりませんでしたけれども、この関係会社というのは、東京証券取引所に上場しているときの上場会社との関係でいえば、これはまずどういうことなんでしょうかね、関係会社というのは。親会社とは違うんでしょうか。どう違うんでしょう。もし、ちょっと事前に言ってなかったんで、鶴島社長、お答えいただければと思いますが。
○参考人(鶴島琢夫君) お答えをいたします。
関係会社というものと親会社、私どもも、五〇%超保有しているもの、これを親会社というふうに認識をしております。
ただ、おっしゃられますように、連結財務諸表等の作成の際には、四〇%超であっても、その子会社との関係を見て、そこに、連結財務諸表に必要なものを記載をしていく、こういう建前、仕組みになっているというふうに理解をしております。
○峰崎直樹君 この点ちょっと、これ以上またあれなんですが、内閣府令などでこういう事例はあるというふうにちょっと、今、私、資料を持ってきたと思って、ちょっとその資料をなくしているんで、それでもってどういう内閣府令だったか分かりませんが。
例えば、読売新聞とか日本経済新聞とかというのは、あの新聞に関する特別のいわゆる株式発行の特例がございますね。要するに、関係以外のところには出さなくていい、正にこれ戦争中の法令がずっと続いているんだというふうに言われているんですが。そのいわゆる株が、日本経済新聞社のあの内部の内紛の中で分かってきたことは、持ち株会というのがあると。従業員に持ち株をずっと持たせている。そうすると、この持ち株会というものは、いわゆる株主の数えるときの単位では、持ち株会全体が一になって、それで、例えば二千人なら二千人の従業員全員持っているのにもかかわらず、五百人以上だったでしょうかね、あのときの基準に見たら、五百人以下の株主であれば非公開のままでいいんだというような規定が内閣府令にあったような気がするんです。ちょっとこれ今、私もちょっと資料をどこに持っているか分からないんですが。
この規定、例えば親子会社、五〇%を超える所有を持っていたとしても、仮にですよ、その子会社の株を持っていたとしても、その持ち株のいわゆる数、それが五百以下であれば公開をしなくてもよろしいと、こういう実は内閣府令があるやに聞いているんですが、その府令は今でもこれは生きているんでしょうか。
○政府参考人(増井喜一郎君) お答え申し上げます。
先生御指摘のそういった規定というのは今でもございます。したがいまして、そういった場合には、証券取引法上のいわゆるディスクロージャー、公開、開示、開示の義務ということには、そういったものについてはないと。五百以上になればあるということだと思いますが、そういうことだと思います。
○峰崎直樹君 そうすると、ちょっとこれは、今日十分なちょっと指摘ができないんで、更にまた引き続きやりたいと思うんですが、昨年、私、読売新聞の問題について、日本テレビ株の名義の、いわゆる渡辺社長ですか、会長ですか、実は名義株を持っていたということで、これも実はディスクロージャーで大問題となりましたですね。そうすると、株式会社の支配、被支配の関係が、例えばこれは親会社ではないと。まあ仮に親会社だったとしても、今の規定でいくと、五百名以下の株主だというふうに規定してしまえば、これは実際上そこのディスクローズをしなくても結構だと。ということになると、この読売新聞というのは、これもホールディングですわ。その下にいろんなまた読売新聞の会社、日本テレビの会社もある。そして、さらに地方局も押さえている。これだけ膨大なコンツェルンになっている企業の最終的な持ち株会社の資本の実態というのは、我々普通の投資家から見ても全然これは実態は分からないということなんです。こういうままで、これ、いいんでしょうかね。どうでしょうか。
これは──待ってください、増井さんの答弁するような、事務方で答弁するようなことじゃないんじゃないですか。要するに、法令上はそうなっているけれども、こういう実は日本の社会に対して大変大きな影響力を持っているこういうグループ会社のいわゆるこの持ち株会社が、その実態について何の情報開示をしなくてもいいような状況になっていることに対して、政治家であるむしろ金融担当大臣、どのように判断されますか。後ろを見て言うんじゃなくて、大臣答えなさいよ。大臣、どういうふうに考えるかって聞いているんですよ、政治家として。法的な問題とかなんとかじゃないんですよ、私が聞いているのは。
○委員長(浅尾慶一郎君) 速記止めてください。
〔速記中止〕
○委員長(浅尾慶一郎君) 速記を起こしてください。
○国務大臣(伊藤達也君) 一番重要なことはその親会社に当たるかどうかということでありますので、その親会社の範囲につきまして、その定義につきまして先ほど来答弁をさせていただいているところでございます。
その範囲の具体的な基準については今後政令の中で検討させていただくわけでありますけれども、親会社になるということであればこの情報開示の義務付けが行われるということでございます。
○峰崎直樹君 そういうことを、私が言っているのは、そういう法的なことを聞いているんじゃないんですよ。そういう大変重大な、ある意味ではこの日本の社会の中で、これは関係会社というふうに今のところなっているんだと思うんですけれども、しかし、実際上はだれが見てもそれは、この読売新聞ホールディングスが日本テレビやそういうところを支配しているということは、これはもう周知の事実になっているわけですよ。ただ、法的にはいろいろあるかもしれない。しかし、そこのところをよりオープンにしていかないと、これ介入しろと言っているんじゃないんです、オープンにしようと。情報開示をしてもらわないと、実は本当に今のマスコミの方々の動きというのは我々なかなか分からないわけですよ。これは何も読売新聞だけ的を絞って言っているんじゃないですよ。日本経済新聞だってああいうスキャンダルを起こしたわけですよ。あるいは、新聞社というのは絶えずそういう問題起きるんですよ。
なぜかと。過少資本で、小さな資本で、要するに外に資本を出さないでおいて、そして傘下にどんどん支配していこうという構造を持っているからですよ。だから、そういうところにメスを入れなきゃいけないんじゃないんですかということを言っているのに、いや、それは法律上、親会社になったらそのことをやりますと言うけれども、親会社にならなくても、実際上、事実上の親会社のような形で振る舞っているじゃないですか。そこを何とかメスを入れませんかということを聞いているわけですよ。もうそれ以上聞いてもあれ、やめますが。
そこで、ちょっと、原口委員、もう質問はありませんので、もし差し支えなければ聞いておいていただいて結構なんですが、時間が忙しいでしょうから、もしあれでしたら結構でございます。委員長、取り計らってください。
○委員長(浅尾慶一郎君) どうぞ。
○峰崎直樹君 それでは、先にまた進めていきますが、そこで、今問題になっているのは子会社の上場なんです。先ほど原口修正案提案者も親子上場の問題を指摘されました。私も親子上場問題というのは大問題だと思っています。
そこで、東京証券取引所の方にお聞きしますが、東証における子会社上場に関する規則、考え方というのがございますね。これはどんなものになっているのか。また、もし分かれば、親子ともに上場している企業はどのぐらいあるのか。これ、東京証券取引所の一部、二部で結構でございますので。
○参考人(鶴島琢夫君) お答えをいたします。
今御指摘のように、親子関係というのは、相当やっぱり上場会社として新たな株主が発生するわけですので、その独立性というものについて可能な限り配慮をしなければならないというふうに基本的に思っております。そして、上場審査の際に、私どもはこの点を確認をする基準といたしまして三つの点を基準として持っております。
第一点は、新規上場申請者、つまり申請をしてくる子会社ですね、この子会社の不利益になる取引行為を親会社が強制をしているようなことがないかどうかという点であります。これは、親会社の意図によりまして子会社の自由な事業活動を阻害するような行為が強制されるということになりますと子会社株主の利益を損なうということになるという考え方に基づくものであります。
二つ目の基準といたしましては、新規上場申請者と親会社が通常の取引条件、例えば、通常一般に行われている市場の実勢価格と著しく異なるような条件で営業上の取引その他の取引を行っていないということ、こういうことを求めております。子会社と親会社との取引条件の決定方法に恣意性が働いた場合には株主の利益が損なわれる可能性がありますし、また、子会社の意思に反して取引が強制されている場合には独立性が確保されているとは言えないという点に配慮をしたものであります。
三点目は、新規上場申請者が事実上親会社の一事業部門としてなっているような状況にないということ。これは、親会社の一事業部門となっている場合には、親会社等の裁量によって、本来子会社株主に還元されるべき利益が不当に侵害されるといったような可能性が高く、独立した投資物件として投資者に提供するには好ましいものではないという考え方に基づくわけであります。
しからば、こういうことをどういうことで私どもは調査をしているかと、確認をしているかということを二、三、具体的に例を挙げて御説明をしてみたいと思います。
一つは、例えば、過去数年間の親会社との取引の利益率が他の会社との取引の利益率に比べて著しい差異がないかどうかというようなことを確認することによってこうした関係の参考にしております。あるいは、社内規則等において親会社の承認事項とされているようなものがないかどうか、親会社の承認がなければ動けないというようなことがないかどうか、こういったことも確認をしております。それから、親会社からの圧力によって申請会社の不利益となるような意思決定が行われていないかどうか、こういったことを取締役会議事録を確認するなどして確認をするということもやっております。それから、例えば親会社から不必要な資産を借りていないかどうかというようなことも確認をしたりしております。
こうしたことを通じて、極力、子会社の独立性というものに対して上場の際に審査をしているということであります。
それから、二つ目のお尋ねでございますが、親会社、子会社ともに上場している例というのは、現在、私ども、二千三百三十社、全上場会社ですね、東京証券取引所の全上場会社、二千三百三十社ほどございますが、このうち、昨日現在ですが、二百六十一組、組というのは、一つの親会社が二つの子会社ないし三つの子会社を上場しているという例がございますんで、三つの子会社を上場していれば三組と、こういう計算でございます。これで、昨日現在二百六十一、その組合せがあるというのが現状でございます。
○峰崎直樹君 そこで、親会社が非上場である場合に、今、金融担当大臣や金融庁からいろいろお話があったと思うんです。正にそれは金融庁が制度の上でどうするかということなんですが、私は、親会社、株式の所有関係だけで五〇%、あるいは四〇%と五〇%の間でその他の関係を入れて親会社にするかどうか決めているんですが、東京証券取引所は、上場するときの基準において、こういう親会社が非上場であるようないわゆる子会社上場、このときに、親会社に対しては、たとえ法律や規則は、金融庁の作った考え方はどうであれ、もっと厳しい上場基準を設けて、この点は、子会社を上場させる以上は親会社についての情報はすべてディスクローズですよ、どんなことがあってもこれは優先してもらいますよと、こういう考え方は取らないですか。どうですか。
○参考人(鶴島琢夫君) 今おっしゃられるように、親会社の情報というのは、子会社を上場し、子会社の株主がその会社を評価をするというときには、できるだけ親会社の情報があることが望ましいということはおっしゃられるとおりであります。ただ、どこで親会社の定義をするかということ、どこかで線引きをしなければいけないという問題もございますので、その辺を先ほど来御議論になっているところだと思いますが、親会社の定義の問題としてある程度線を引かざるを得ないのではないかなと、こう思っております。
それから、先ほど御議論の中にあったと思いますけれども、関係会社という位置付けになりますと、有価証券報告書の中で関係会社についての記述をする、これは取引の実態等について有価証券報告書の中に記載をしなければならないということが出てまいりますので、この関係会社になるかならないかということもまた情報を把握する上で大きな差になっているというふうに考えております。
○峰崎直樹君 そうすると、関係会社というのは、どの程度じゃその非上場の親会社の情報を、どのぐらいの範囲のその中身について、それはあれなんですか、情報公開するんですか。
○参考人(鶴島琢夫君) お答えをいたします。
基本的には有価証券報告書の中で記載される範囲の情報でございます。
○峰崎直樹君 そうすると、有価証券報告書、私も昔有価証券報告書総覧というのをよく読んだことありますが、それと同じものが全部、その関係会社というふうになったら、例えば日本テレビ網株式会社の有価証券報告書の末尾なら末尾に親会社である読売グループ本社のそのいわゆる有価証券報告書に記載をしなければいけない様々なデータが載ってくるということですね、株主構成とか。それはそういうふうに理解していいんですか。
○参考人(鶴島琢夫君) 私も今どこまでの情報が載っているか、ちょっと頭の中整理ができておりませんが、有価証券報告書上記載すべき取引の数字等については、関係会社になるとそこに記載が行われるというふうに承知をしております。
○峰崎直樹君 中身、是非その範囲を教えていただきたいと思うんですが、分からないんですよ、調べようとしても。
だから、その意味で、是非そういった点の情報をディスクローズする。そして、上場基準のところにそのハードルを少しずつやっぱり私は高くして、そのいわゆる証券市場に参加している人たちが、日本テレビ株式会社の株は上場しているわけですから、その関係会社、まあ事実上私は親会社だと思うけれども、その親会社の株式の実態というものをよく知らなければ私は問題が起こると思うんです。
先ほどの子会社上場についての基準、私もこの間ちょっとメモをいただきました。本当に、いわゆる上場する場合の基準というのは三点ございました。新規上場の場合の不利益にならないような取引の規制だとか、いろんなこと書かれています。これは、上場時及びその正に上場した後の、正にゴーイングコンサーンといいますか、その同じ状態においてもこれは必ず守られているということはだれが保証するんですか。
それは、要するに上場をするときには上場基準でまずは見ましたよと。そうすると、その後もこういう親子の間に利益相反があるんですよ。要するに、利益相反が必ず起きる問題、これは私は親子で上場している場合に必ず起きる問題だと思っているんですが、その利益相反が起きたときに、それをチェックして、これは駄目だというふうに、だれがこれはその監視役になっているんでしょうか。それは東京証券取引所なんでしょうか、それとも監査なんでしょうか、公認会計士なんでしょうか。そこら辺の、どこら辺でこのことは担保されるんでしょうか。
○参考人(鶴島琢夫君) おっしゃられるように、上場審査時には今言ったようなことで私どもも可能な限りチェックをいたします。ただ、上場後に私どもが直接そこに、そういったことがその後も守られているかどうかということについて具体的に個別に審査をしているということは、おっしゃられるとおり、ありません。
したがって、そうしたことについては、今御懸念の点については、継続開示資料の中で読み取れるものを読み取っていく、あるいはガバナンスの体制の中で上場会社自らがそうしたことにきちんとした歯止めを掛けていく、あるいはそれを公認会計士がチェックをしていくと、こういうことを通じて行われるのが望ましいんではないかというふうに考えます。
○峰崎直樹君 今も望ましいとか、いろいろおっしゃっているんですが、実際上、このいわゆる親子上場して、そしていわゆる子会社が親会社によって不利な取引をさせられるかもしれないとか、いろんな問題が起きてくるわけですよ。
そうすると、だれが一番被害を受けるかとなると、例えばそれは子会社の株主かもしれないんですよ。それは圧倒的に少数株主かもしれません。そうすると、この株主にとってみると、そういう親子上場に伴う不利益というものが実は生じてしまう。その意味では、本当はこれはやはり私は親子上場というのは望ましくないんじゃないかなというふうに思うわけです。しかし、それをあえて東京証券取引所は、積極的に、この子会社上場のメモを見ると、非常にこれは親子会社、子会社にとってメリットが大きいんだと、しかも投資家にとってのメリットも大きいんだと、こうおっしゃっているんですが、今私が指摘したような利益相反の問題点についてのきちんとした規制というのはほとんど私は機能していないんじゃないかなというふうに思えてならないんですよ。
それは、よく言われるように、連結決算を見たときに、景気が悪くなると、連結決算全体よりも、単体は、親会社単体は景気がいいけれども、割といいけれども、連結で見るともっとその方が悪くなっちゃう。つまり、子会社の方にどうも押し付けているんじゃないのか、こういうことをよく指摘されるわけですよね。
ですから、そういうことを含めて、これは、子会社上場というのは私は望ましくないというふうに思うんですが、この点、上場を審査をされているときに、子会社上場は望ましくないというふうに思っていらっしゃるのか、いや、子会社の上場は大いにやってもらいたいと、こう思っていらっしゃるのか、どちらを鶴島社長は考えていらっしゃるんでしょうか。
○参考人(鶴島琢夫君) お答えをいたします。
子会社上場につきましては、今先生御指摘のように、いろいろな見方、御意見があることを私も承知をしております。ただ、子会社上場というもののメリットというものも大変大きいんだろうというふうに思っております。
それは、多くの場合、子会社が、成長分野にある企業がそれ以上伸びようとする、それを資本市場から資金調達をして成長を果たしていく、それは日本経済全体にとってもプラスの面が多かろうというふうに思います。そして、資本市場を通じた資金配分が行われるということについては、効率的な市場メカニズムを通じる資金配分が行われるというメカニズムも決して不適切なことではないだろうと。
したがって、子会社上場そのものを否定する考え方は私ども持っておりませんが、先ほど申しましたように、新しい子会社の株主が誕生するわけですから、今先生御指摘のように、そこに不利益を被ることのないような、こうした親子間の歯止めというものについては可能な限りチェックをしていく、あるいはそうした対応を図っていくということは望ましいことであるし、やっていくべきだろうと、こう思っております。
○峰崎直樹君 私は、東京証券取引所の社長さんがそういうふうに思っていらっしゃるから恐らくどんどん増えていくと。外国、特にアメリカ、イギリスなんかはほとんどない、親子上場というのは。
どうしてアメリカやイギリスでないと思われますか。これは金融庁ですか。──それじゃ政務官でもいい。
○大臣政務官(西銘順志郎君) 先生御指摘のとおり、米英において親子上場の規制がないことは十分承知をいたしておりますが、その理由をまだ把握することができておりません。現時点でその理由がはっきり分からないというのが現状でございます。
○峰崎直樹君 質問して、理由は分からないって。
これは私は日本の株式市場のやっぱり欠点が二つあると。一つは持ち合いと、この親子上場だと、かねてから指摘されているわけですよ。向こうは連結決算、連結納税。ですから、そういう意味でほぼ単体として実は扱われていて、そして子会社をもし上場する場合は完全に、一〇〇%これはスピンオフしちゃいますよ。そして、それを完全に取り込むんであれば完全に自分の持ち株会社、一〇〇%持ち株会社にしちゃうと。そういうふうに実は企業と企業の間の結合の状態というのはでき上がっているわけです。これ、企業結合法制が足りないと我々よく言っている問題なんですけれども。
そこで、実は、よく振り返ってみると、私は、去年のコクドと西武の関係と日本の株式市場全体が全く似ているんじゃないかと思うんですよ。何かといいますと、持ち合いですよ、依然として。
これ、正確なデータを一度、もし、持ち合いの、これは金融庁がいいんでしょうか、東京証券取引所がいいんでしょうか、出していただきたいんですが。今その持ち合いの比率、法人比率、すなわち上場会社の中で法人が占めている所有の比率というのは大体五割ぐらいだと、こういうふうに言われています。ちょっと下がったんですが、その中で金融法人だけは、つまり銀行はさすがに自分の持ち株をどんどん放出してきた。この間、それは政策的にやるべきだとやってきた。ところが、事業法人の方はほとんどこれ減っていません、持ち合いの株式というのは。
そうすると、安定株主ができているわけですよ、この間でですね。そうすると、安定株主があって、そして売買する株は非常に浮動株というのは少ない。そういう構造の中で、そしてその子会社にだけ上場させていくと。これ、日本のいわゆる株式構造が去年のあの問題になった西武の株式支配構造と変わらないんじゃないかと思うんですよ。
つまり、持ち合い株というのは基本的にはこれ本当に資本と言えるかどうかというのは分からないですよね、お互いに持ち合いっこしているわけですから。しかも、もしそれを資本だとしたとしても、それは非常に効率がいいかどうかということもこれまた問題があるわけですよ。
そういう意味で、私は、やはりこの持ち合いの解消というのは、やはり解消させ、そして、本当に貯蓄から投資へという流れからすれば、こういうことはもっともっとやっぱり規制していかなきゃいけないのがこの日本の株式市場の在り方として、もうそういう方向に変えなきゃいけないんじゃないかと思うんですが、どうもその方向と逆行した方向に私は行っているような気がしてならないわけです。
この点はどのように考えておられるのか。金融担当大臣、もし考え方があれば教えていただきたいと思うんですが。現実にやはりこの問題で大きな問題が起きる前にやっぱりこの問題は是非改革をしていかなきゃいけないポイントだと思っていますので私の意見として申し上げたいんですが、その点もし、金融担当大臣、御意見があればお伺いしたいと思います。
○国務大臣(伊藤達也君) 今委員から、日本の問題点として、持ち合いの問題でありますとか親子上場の問題があるという御指摘がございました。この二つの問題について様々な議論があることは承知をいたしております。
今企業の経営において、やはりガバナンスというものを向上させて企業価値というものを高めていく、株主利益を始めとしたステークホルダー全体の利益について十分配意しながら経営をしていかなければいけないと、こう指摘もなされているわけでありまして、その関係の中で持ち合いについても様々な議論があるということであることは承知をいたしております。
また、先ほど来親子上場の問題について御指摘ありました。この問題点については、利益相反の問題でありますとかあるいは流動性について問題がある、したがって、こうした問題について十分認識をしながら対応していかなければいけないんではないかと、このような御指摘だというふうに思います。
先ほど来東証からもこうした点については上場審査に当たって審査をしているというお話がございました。そして、その上場審査をクリアをして上場しているわけでありますので、その後の維持については、これはしっかり経営者がガバナンスというものを発揮をして、そして投資家保護の観点からもきちっとした経営がなされていくことは重要でありますし、また監査人がそうした点についても監査をしていく、関係者それぞれが努力をしながら市場の信頼性を確保していくための努力というものをしっかりやっていかなければいけないんではないかというふうに思っているところでございます。
また、流動性の問題につきましても、これも証券取引所の規則において株式の分布状況に関する上場基準というものを設けて、上場審査時に流動性の確保に配慮することと承知をいたしておりますので、こうした対応が投資家保護に資することになるよう、また投資家保護上問題がないよう、私どもとしても対応をしていきたいというふうに思っております。
○峰崎直樹君 まだたくさんの質問を用意したんですけれども、もう時間があと十分少々になってまいりましたので少し焦点を絞りたいと思うんですが、その前に、さっき政務官、米英に、アメリカやイギリスにおいてなぜ親子上場がほとんどないのかということについて、後日でいいですから、そのある意味では資料、説明をきちんとこの委員会に出していただきたいと思うんですよね。せっかく質問したのに、いや、分かりませんではちょっとまずいわけでありまして、その点は是非お願いしたいと思います。委員長、よろしくお願いします。
○委員長(浅尾慶一郎君) ただいまの峰崎直樹君の御提案につきましては、後刻理事会で協議いたします。
○峰崎直樹君 さっきの親子会社の問題について、実はこの財務省の規則の中に、さっきちょっと私見落としていたんですけれども、さっき言った五〇%基準、それから四〇%から五〇%の間の所有しているところ、その他のところに、自己の計算において所有している議決権と自己と出資、人事、資金、技術、取引等において密接な関係があることにより自己の意思と同一の内容の議決権を行使すると認められる者、これは実は他の会社に対する事実上の親会社になるということの該当もこれ三項目めにあるんですね。
そうすると、私は、株主の株の所有だけではなくて、実質所有基準みたいなものはこの中でカバーし得るんではないかなというふうに思っておりますので、この点は是非、そのことについて先ほど、非上場になっている親会社の情報公開に是非該当させるように、つまり子会社を上場させている会社の親会社の情報については必ずこれはやはり情報公開させると、そういう方向をきちんとさせていただきたいなというふうに思います。意見でございます。
そこで、今日はまだたくさんいろいろ用意をしたんでありますが、今日は財務大臣にもちょっとお見えをいただいたと同時に経済産業省にも来ていただいているんですが、会社法第八百二十一条の問題、すなわち擬似外国会社の問題なんですが、まず法務省に、これは私も先日法務委員会に出張って、これについては修正をする必要があるんじゃないかという意見を申し上げています。
法務省、今、現時点で法務省としてこの第八百二十一条に対する見解、擬似外国会社に対する規定はどのように問題を整理をされようとしているのか、その確認をお願い申し上げたい。
○副大臣(滝実君) 委員御指摘の新会社法の八百二十一条、擬似外国会社につきまして法務委員会でいろいろ議論をいただいてまいりました。
私どもとしては、基本的に、新会社法の八百二十一条につきましては、現行の商法における規定と基本的なスタンスに立っていると、こういうことをその際にも申し上げてきたわけでございますし、そして先般の法務委員会におきましても、具体的にこういう会社についてはどうだと、こういうような角度から懸念を示されるパターンについての御質問にお答えをいたしまして、そしてそのいずれもが現行の商法の規定によって活動が許されている、そういうようなことが新会社においても同じだと、こういうような御答弁を申し上げてまいりましたので、私どもとしては、少なくても法務省の立場として懸念がないような格好で意思を明確に表示させていただいたと、こういうようなことで御理解を賜りたいと思っているところでございます。
○峰崎直樹君 あの条文、だれが読んでも擬似外国会社に当たる会社の、もしそれに当たるとおぼしきところが継続して仕事をすることはできないと書いてあるわけですね。
それに当たるのではないかと懸念するところから随分いろいろ出てきているんですが、これは単に外国の企業だけじゃなくて、日本の銀行の方々あるいは企業の方々がケイマンにSPCをつくって、そしていわゆるアセットバックCPを約、私の聞いたところでは、昨日それを聞いたんですが、七兆円近く発行しておられる。この事実は、これ御存じなんでしょうか。知っているかどうかです。
○副大臣(滝実君) 基本的にどの程度の規模のものかというのは法務省として必ずしも掌握いたしておりませんけれども、そういう問題があるということは、これは法制審の段階でも議論をいたしております。
○峰崎直樹君 法制審の記事も読みました。そして、このケイマンSPCについては、いや、これは継続して取引をしていない問題だからいいんだというふうに言っているんですが、そうじゃないんです。継続的にやっている取引はあるわけです。
そこで、ちょっと今日はもう時間がありませんから、後でまた大久保議員がきちんとこれは質問すると思いますが、それで、先日、スノー財務長官からG8の席で、財務大臣、この問題について何か指摘を受けたんですか。
○国務大臣(谷垣禎一君) G8そのものではありませんが、それに先立ちまして、先週の金曜日、スノー財務長官と日米財務大臣会合を持った折に、アメリカ側から、この改正法案八百二十一条については関心、懸念があるという趣旨の御発言がございました。
私からは、この法案は法務省所管の法案として既に国会へ提出されて、衆議院は通って、今参議院で議論をされているところであるので、担当の法務省、直接の担当は法務省でございますし、それから関心が外国証券会社の日本支店ということであれば金融庁のマターであるから、直接お話しされてはどうかと、そのときはその程度の会談にとどまっております。
○峰崎直樹君 つまり、アメリカの財務長官が日本の財務大臣つかまえて、この問題について大変懸念しているとおっしゃったんだろうと思うんですね。そうですね。それぐらい実は国際的な問題になっているんです。
そして、これは、今日、中小企業庁に来ていただいていますが、このいわゆるケイマンSPCを使って七兆円のアセットバックCPを発行している。この中に、当然これは中小企業の貸出し債権を、実はこれをアセットバックCPにして、そしてそれを正に資産運用しているわけですね。ということは、これがなくなったら、つまりこういうやり方はできませんよということになったら、中小企業金融にまで、つまり七兆円の規模にも達しているようなところにまで非常に大きな影響があると。
今日、実は財務の政務官に、この間ちょっと段本さんにもお聞きしましたけれども、どうなんでしょう、これ、ここまで大きくなっている問題は、やはりこういう疑念がないような形に、つまり解釈でもってこれをあやふやにするんじゃなくて、そういう疑念の起こらないようにしなければ、これ中小企業の金融にまで貸し渋りやそういう問題まで起きてくるんじゃないかという問題で、大問題だと思うんですよね。
中小企業庁の皆さん、どう思われますか。どう判断されていますか。今日、中小企業庁次長来ていただきましたから、簡潔にやってください。
○国務大臣(谷垣禎一君) 済みません、ちょっと先ほどの発言、ちょっと補完させていただきます。
日米財務大臣会合の折にアメリカ側から発言があったと申し上げましたが、これはスノー長官そのものではございません。アメリカ側のソーベルさんという次官補代理からそういう御発言があった。細かいことですが、後で間違うといけませんので。
○政府参考人(西村雅夫君) お答え申し上げます。
先ほどの七兆円のうち、どの程度中小企業向け貸出しに充当されているものがあるか、ちょっと私どもも承知しておりませんけれども、いずれにいたしましても、中小企業庁といたしましては、今後とも中小企業の資金繰りに不測の事態が生じることのないよう、中小企業をめぐる金融情勢につきまして注視してまいりたいと考えております。
○峰崎直樹君 こんなんなら質問しなきゃよかったなと思いますね。
要するに、影響があるわけですよ。そうすると、これは外国の証券会社がペーパーカンパニーつくって日本で営業していることに対する規制だと思って、まあ外国のやっていることだから、あの三角合併と同じように少しちょっとこう、まあこの際、やや国粋主義的になられている方がおって、これもやっちゃえ、やっちゃえと言って、ちょっと見たら、実は捕らえてみれば我が子なりで、我が国の中小企業金融のかなりの部分を占めているその仕組みがこのことによって崩れてしまうんですよね。
ですから、是非これは、やはり私どもは、今日、滝副大臣来ておられますけれども、やはりきちんとした修正を加えて解釈に問題がないようにするべきだということを私は意見として申し上げたいと思います。
さてそこで、もう時間がありませんので最後の質問になります。本当はライブドア問題から始まった問題について、是非いろいろと、ToSTNeTの問題その他申し上げたかったんですけれども、鶴島社長、これ最後になりますのでお願いしたいんですが、例の下方修正権付株式、ちょっと正確に言わないと怒られちゃいますので、MSCBですか、これを使って実はライブドアの社長さんは貸し株をして、そしてやられたわけです。余り詳しく、もう時間がありませんから、そのMSCBがいかなるものでどうのこうのと言いませんが、そのことによって、貸し株を貸したことによって、一般株主ですよね、ライブドアの、この方々は被害を受けていないんでしょうか。
私は、MSCBなるものが、発行しちゃいけないとは言えないと思うんですね。でたらめになってもうどこも貸してくれないようなところが発行することがあるかもしれない。しかし、そうではない普通の企業がこういうものを、貸し株までその会社の、発行会社の役員がそれを付けて出すということは一般株主に対する背信行為じゃないかと思うんですよ、これ。
そういうものに対する取締りというものは、これは、鶴島社長、東証ではもうそろそろ、いろんなことがありました、株式の分割が一万分の一にしたような事例があった、あるいはToSTNeTを使って相対なのに、いや、市場取引だというような格好を取った、こういうものを今規制を加えていますけれども、このいわゆるMSCBを使った、しかもそれは貸し株を発行会社の役員がやるということは、これは禁止をすべきじゃないかと思うんですが、その点について最後に伺って私の質問を終わりたいと思います。
○参考人(鶴島琢夫君) 今先生御指摘のように、最近いろいろな形の証券の発行あるいは株式分割等々ございました。私どもの基本的な姿勢としては、発行会社の具体的、個別的な資本政策なり経営方針に直接証券取引所が介入をするということは必ずしも好ましいことではない、ただし、その結果、市場に混乱を招いたりあるいは不信感を招くようなこういうものについては市場サイドからメッセージを発し自粛をしてもらう、あるいは自粛要請ということで、今先生御指摘のように、大幅な分割あるいはこれと相前後するようなMSCBの発行、こういったものは証券市場にとっても混乱をもたらし、不測の損害をもたらす危険性が大変高いものですから、私どもとしても自粛要請をしたところであります。
私ども、市場の立場といたしますと、先ほども申し上げましたように、まず市場の混乱あるいは不信感を招くようなものについては自粛要請ということでメッセージを発しましたが、その後、これらについては、この要請によって、かなり私どもも相談を受けておりますが、その後、こうしたことの発生が止まっているというふうに理解をしておりますので、次の第二弾といったようなことを今考えているわけではありませんが、こうした要請が必ずしも有効でないというときには、次の段階として規定上の措置を講ずるといったようなことも考えていかなければならないと、こう考えている次第であります。
○峰崎直樹君 終わります。
○大久保勉君 民主党・新緑風会の大久保勉です。
今回の証券取引法の一部改正、法律案の骨子は、一番がTOB規制の適用範囲の見直し、二番としましては上場会社の親会社に対する情報開示の義務付け、三番としましては外国会社等の英文による企業情報の開示の三点にあります。
ライブドアによるニッポン放送株式の時間外取引での大量取得や西武鉄道の有価証券報告書の虚偽記載に端を発した問題の解決のための法律改正ということが趣旨でございますから、私の意見は、遅きに失した嫌いがございますが、賛成でございます。
金融庁は近年資本市場のインフラづくりに大変努力されており、この点は高く評価しております。この点、伊藤大臣のリーダーシップ、本当に評価しております。特に、正確で十分なディスクロージャーを求める改革は商品としての株式の品質を上げるために極めて重要なことであると私は考えております。
そこで、まずディスクロージャー制度の信頼性の確保に関して質問します。
西武鉄道の有価証券虚偽記載後に金融庁は有価証券報告書提出会社に自主的な点検を要請しました。要請した会社は何社で、そのうち何社がこれまでの有価証券に虚偽の記載があり、訂正報告書を提出したか、教えてください。
○政府参考人(増井喜一郎君) お答え申し上げます。
今先生御指摘の、昨年の十一月十七日に私ども自主点検を要請をしたわけでございますが、全開示企業四千五百三十八社に対しまして有価証券報告書の株主の状況等についての記載内容に係る自主点検を要請をいたしました。その結果、本年になりまして、一月二十一日までにそのすべてから回答が出されまして、うち五百八十九社から訂正報告書の提出がございました。
○大久保勉君 私はこの数字を聞いて本当にびっくりしました。四千五百三十八社中五百八十九社、何と一三%が虚偽記載をしていたということでしょう。この結果に関しまして伊藤大臣の感想を是非お聞かせください。伊藤大臣はこれまでピザの宅配会社を経営されていたということもございまして、もし、商品のうち一三%が欠陥商品であるというピザ屋さんがありました、こういった会社が存続できるのか、若しくは国民は、消費者はどう思うか、この点、国民の目線で是非御回答をお願いします。
○国務大臣(伊藤達也君) お答えをいたします。
まず冒頭に、私どもの取組について言及をしていただきまして、そのことは私ども励みとして受け止めて、今後も証券市場の信頼性の確保のために一生懸命取り組んでまいりたいというふうに思っております。
そして、今のお尋ねの点でありますけれども、全開示企業の一割を超える企業において訂正が行われたということは極めて遺憾でありまして、このことを重く受け止める必要があると考えております。
金融庁といたしましては、証券市場の信頼性を確保し、その活性化を図るためにはディスクロージャーの信頼性を確保していくことが極めて重要であると考えておりますので、昨年の十一月十六日及び十二月二十四日に公表いたしましたディスクロージャー制度の信頼性を確保していくための対応に盛り込まれた方策を強力に進めているところでございます。
この中で、検査体制の強化、ディスクロージャー・ホットラインを開設、そして有価証券報告書等の記載ルールの明確化を図るための関係府令の改正、さらには有価証券報告書の記載要領等にかかわるセミナーを全国で開催をする、そして金融審議会及び企業会計審議会において企業の内部統制の整備のための方策や監査基準の整備について検討を行うと、その対応を発表いたしておりますので、この対応策を強力に進めていきたいというふうに思っております。
○大久保勉君 確認したいのは、大臣の認識としては極めて遺憾であると、こういう状況に関して、そういうことでよろしいですね。──まあ、よろしいということで。
じゃ、そのピザ会社が上場したいと言いました、過去三年間にこういう一三%も欠陥商品を持っていました、例えば産地の偽造とか原材料の偽造、内容表示の偽造、こういったピザ屋さんが、常識的な判断としまして、上場したいと言った場合に、幾ら利益を上げていても上場をさせますか。社会的な問題として質問します。
○国務大臣(伊藤達也君) ピザ屋の話をするのがいいのかどうかという問題はあろうかと思いますけれども、やはり品質の管理ということはもうこれは大変重要なことでありますし、その品質の管理というものを怠ればこれはお客様からの支持を得ることができない、企業としての存続ということについて大変やはり大きな、重大な事態を招いてしまうことになってしまいますので、品質の向上に向けてのこれは努力をしていかなければいけないということは、これは言うまでもないことだというふうに思っております。
○大久保勉君 ここに関して、質問としましては、上場させるべきですか、そうじゃないですかという質問です。的確にお願いします、イエスかノーか。
○国務大臣(伊藤達也君) その品質の問題についてのやっぱり中身が問題だろうというふうに思います。
恐らく委員は、私に御質問いただいて、そして東証の上場の問題について併せてこの後御質問があろうかというふうに推察するところもあるわけでありますけれども、この東証が上場するか否かということにつきましては、これはまず東証自身が御判断をされる問題でありますので、これに関連することについて私どもとしての直接のコメントは差し控えさせていただきたいというふうに思います。
しかし、品質の向上に向けての努力は、これはもう大変重要なことだというふうに思っております。
○大久保勉君 大臣に先を越されましたからなかなか追及しづらいんですけど、つまり問題点は、一三%も虚偽表示を行っている商品を扱っている、東証が上場しようとしていると、ここに関して余り問題視されていないという状況なんです。つまり、虚偽表示をした会社が悪いんじゃないかと。それは悪いです。ところが、一三%もあるということを放置した人はだれでしょうか、またその会社はどこでしょうか、この問題を是非とも究明する必要があります。これを究明せずに東証が上場するということでしたら、大変な問題であると私は考えています。
じゃ、東証に関しまして、こういった商品を扱っていましたと、じゃ商品管理部門というのはどこなんでしょうか、またそのためにはどういうふうな変革が必要でしょうか。大臣の御所見をお伺いします。
○国務大臣(伊藤達也君) 商品の管理ということでありますけれども、これは先ほども答弁をさせていただきましたが、まず第一義的にはやはり開示企業たる企業が正確な財務諸表を作成をし、そして公表していくことが重要でありますし、また監査人は厳正中立な立場から監査をしていくということが大切でありますし、また今委員からも御指摘がございましたように、取引所が品質をしっかり管理をしていく、それぞれの取引所が持つその自主規制、規則に基づいてしっかり審査をし、そしてその後についての品質管理についても十分留意をしながら市場開設者としての使命を果たしていくということが大変重要であります。したがって、私ども金融行政も含めて、こうした関係者が不断の努力を行うことによってこの品質というものの管理をし、そして市場に対する信頼性というものを確保していくための努力をしていかなければいけないというふうに思っております。
そして、上場についての審査は、これは内閣総理大臣が認可をするということになっておりますので、この審査についての責任は金融庁に課せられているというふうに思います。
○大久保勉君 じゃ、審査の責任、上場の責任を持つ金融庁としましては、一年前まで一三%も欠陥商品を売っていました、一年後にその会社が上場したいと手を挙げました、それは許すべきでしょうか。大臣の見解をお尋ねします。
○国務大臣(伊藤達也君) 今のちょっと仮定のことに直接お答えするということは差し控えさせていただきたいというふうに思います。
東証のことについてのお尋ねでありましたら、これは東証自身が上場されるかどうかと、これをまず御判断されることでありますので、その中で申請がなされるということでありましたら、その申請に従って、私どもとして審査基準がございますので、その審査基準に照らして審査をしていくということになろうかというふうに思いますけれども、今直接的なコメントについては差し控えさせていただきたいというふうに思います。
○大久保勉君 ちょっと歯切れが悪いのは、もう一つ別の責任があると思うんですね。といいますのは、この東証を管轄する監督官庁はどこであるのか、さらに有価証券報告書はだれが責任を持つか、どの法律によって有価証券報告書を提出するようになりますか。こちら、金融庁の方に御質問いたします。
○政府参考人(増井喜一郎君) お答え申し上げます。
まず、東京証券取引所でございますが、取引所関係は金融庁が監督をしております。それから、有価証券報告書の届出でございますが、これは証券取引法で規定がございます。
○大久保勉君 ということは、いわゆる欠陥商品の責任の一翼が金融庁にもある、その金融庁が東証の上場に関して最終責任がある、ちょっと、ですから厳しいことが言えないと。こういうふうなロジックが成り立つと思いますけれども、この点に関して金融庁はどう釈明しますか。大臣、お願いします。
○国務大臣(伊藤達也君) 釈明ということの御質問に対して適切にお答えになるかどうか分かりませんけれども、私どもとしては法令に従って適切な対応をしていくことが極めて重要だというふうに思っております。
一連、不適切な情報開示にかかわる事例が起きてしまったことについてはもう大変遺憾なことだというふうに思っておりますし、それに合わせて、先ほど来お話をさせていただいているように、私どもとしての対応策を発表させていただき、これを今強力に推進をさせていただいているところでございます。また、取引所の上場につきましては、これは私どもが上場申請について上場審査基準に照らして審査をすることになっているわけでありますので、上場申請がなされましたら、この基準に従って適切に審査を行っていきたいというふうに思っております。
○大久保勉君 一斉点検後に更に虚偽報告が分かった場合には、それはより重い罪があると思われますでしょうか。金融庁に御質問します。
○政府参考人(増井喜一郎君) お答え申し上げます。
先ほど申し上げましたように、私ども、昨年、自主点検を御要請をいたしまして、それに対して回答があったわけでございます。これは法律的な義務ということではございませんが、一応各社そういった形で回答があったわけでございます。それにもかかわらず、いろんな形で事実と違ったことが表示がなされているということについては私ども大変遺憾だというふうに思っております。
○大久保勉君 じゃ、今後ですけれども、つまり、商品の品質を上げるためにより適正な財務諸表の作成及び提出が求められます。
じゃ、昨日の朝日新聞によりますと、「決算適正 経営者が証明」と、こういった記事がございまして、いわゆる会社の社長、責任者が決算書の内容は適正であるということを表明する、さらには、本当に経営者自身が適正な財務諸表を作るための社内的な制度、内部統制体制を含めてこういったことに関して管理監督する、その上で正しいということを表明する、こういった制度を作ったらどうかと。これはアメリカの場合も同じような制度がございまして、是非、金融庁といたしましては証取法を今後改正してこういった制度を導入する、このことに関しまして方針若しくは考え方を是非教えてください。
○国務大臣(伊藤達也君) 御指摘の決算の適正性あるいは決算に係る内部統制の整備に関しましては、平成十六年度三月期決算から有価証券報告書の記載内容の適正性に関する会社代表者による確認が任意の制度として導入されております。その中で、財務報告に係る内部統制が有効に機能していたか否かの確認が求められているところであります。
また、この点に関しましては、現在、企業会計審議会内部統制部会において、財務報告に係る内部統制の有効性に関する経営者の評価の基準及び公認会計士等による検査の基準の策定作業を行っていただいておりまして、本年夏までに基準の骨格を取りまとめていただくべく、精力的に御議論、御検討をいただいているところでございます。
金融庁といたしましては、昨年十二月のディスクロージャー制度の信頼性確保に向けた対応についてや、あるいは本年三月に金融改革プログラムの工程表を作成、公表させていただきましたが、この工程表に沿って、企業会計審議会内部統制部会が取りまとめる基準の実務上の有効性を踏まえ、企業の財務報告に係る内部統制の評価及び検証の義務化について今後真剣に検討を行っていきたいと考えております。
○大久保勉君 是非、その方向でお願いします。
では、続きまして、次のテーマに参ります。
この件に関しまして、峰崎委員の方が質問した件で、このフォローアップということで、先週G8の財務大臣会議がございまして、その中でスノー大臣の方から、日本の商法改正で取扱いが変わった擬似外国会社について米国側は懸念しており、何らかの対応ができないかと、これはスノー米財務長官じゃなくて次官というのを聞きました。
それに対して大臣は、今回の会社法の提出者といいますのは、内閣提出ですから、内閣の極めて重要なメンバーであり、私は将来的には総理大臣も目指される方と思いますから、リーダーシップの在り方としまして、これだけの大きな問題になっておることに関しまして是非谷垣大臣のリーダーシップを見せてもらいたく思っておりまして、どういうことができるのか、若しくはどういうふうにした方がいいのか、是非表明をお願いします。恐らくこの発言に関しましては世界じゅうのメディアが注目していると思います。
○国務大臣(谷垣禎一君) 先ほど申しましたように、ソーベルさんという次官補代理から関心というか懸念が表明されたわけでございますが、リーダーシップを発揮せよということでございますけれども、やはりこれは既に国会の中でずっと議論が進んでおります。まず、滝さんもおられますが、法務省がお考えになることではないかというふうに私は思っております。ポイントは、やはりどれだけ法的にクリアに、明確になるかということではないかと思います。
○大久保勉君 私も賛成します。
つまり、法律が不透明でありましたら実務家は商売ができません。また、日本の市場は不透明ということでリスクが高い市場になります。現在は市場間競争ということで、ニューヨーク市場、東京市場、香港・シンガポール市場と競争しております。言わば、法律といいますのは市場のインフラです。その市場のインフラを解釈だけでもって変えていこうというのは極めて前近代的な発想であると思います。私どもは反省をしていないと思うんです。
ひとつお配りした資料を参考にしてください。
例えば、平成九年五月に確認書というのがあります。これは資料3ですね。例えば、行政の方が安全だ、大丈夫だと、法律とは別に念書を出す、若しくは口頭で確認すると。こういった事柄に対しまして裏切られた経験があるということで、経済界若しくは金融界は本当に解釈で大丈夫かということで危惧しています。
具体的に申し上げますと、平成九年、大蔵省が三十四の金融機関に日債銀救済のための出資を要請しました、いわゆる奉加帳方式でございます。これは、この確認書が正しいのか正しくないのかは分かりませんけれども、こういった指導がありました。これに対しまして、平成十年、金融再生法三十六条により特別公的管理、日債銀は一時国有化され、株価はゼロになりました。つまり、行政が大丈夫だと言いましても、本当に大丈夫かといいますのは、法律にのっとり、民事裁判でしたら裁判所が決めるという状況です。ですから、不透明な行政でしたら国際的にまた国内的にも信頼されないという状況です。
これに関して、例えば下の方に、別の生命保険会社の取締役会議の議事録です。日債銀の再建の見通しがあること、大蔵省が今後も同行をサポートしていくこと、並びに今後新たな保有株式比率に基づく追加的負担を要請しないことを同省が了承していること、確認済み、こういうことがございまして、平成十年には日債銀は破綻し、株価がゼロになると。
ですから、行政の信頼性という場合には、やはり法律で、極めてクリーンな、だれが読んでも分かるような形に法律を作り、それにのっとって運営すべきじゃないかと思います。
この点に関しまして、じゃ、まずは谷垣大臣、やはり透明なルールを作っていくことが重要だということで何かコメントございますでしょうか。
○国務大臣(谷垣禎一君) 先ほど申しましたように、やはり己の職分を越えて余りいろんなことを言うのは私は差し控えたいと思っております。もちろん内閣の一員として閣議決定をしてこの法案を出した責任はございますけれども、まず第一義的に法務省できちっと問題点を整理していただくべきことだと考えております。
○大久保勉君 続きまして、G8の財務相会議の場でアメリカ以外の国から同様な懸念、注文が付いたかどうか確認いたします。
○国務大臣(谷垣禎一君) G8で米国以外の財務大臣からこのような御指摘は特にございませんでした。
○大久保勉君 続きまして、じゃ、これまでに四月、五月、この問題が出てきましたのがゴールデンウイーク前後ですから、それ以降に書簡によりこの会社法八百二十一条に関して懸念があるというような指摘、若しくはそれに対する改善策を望む、こういった趣旨の書簡が諸外国より来たでしょうか。まず、谷垣大臣にお尋ねします。
○国務大臣(谷垣禎一君) 在日の外国商工団体などがこの規定について提言を取りまとめていることは聞いておりますけれども、これまでのところ、財務省あてに直接こういう提言、要望が提出された事実はないと思います。
○大久保勉君 伊藤大臣、金融庁にはこういったことに関して照会及びレターが来ましたでしょうか。
○国務大臣(伊藤達也君) 私どもといたしましては、今御指摘の点について、その法的リスクに関する懸念があるなどとして欧米より官民含めて強い関心が寄せられていること、このことは承知をいたしております。
○大久保勉君 具体的な書簡は来ていませんでしょうか。
○国務大臣(伊藤達也君) 書簡の有無につきましては、これは外交上の問題でありますので、私どもから書簡を受け取ったかどうかということについての言及は差し控えさせていただきたいと思いますが、欧米からこの問題について極めて強い関心があるということについては承知をいたしております。
○大久保勉君 済みません。同様の質問を法務副大臣にお尋ねします。
○副大臣(滝実君) 法務省に対しましては、EUの代表部から六月六日付けの書面をいただいております。
その他の関係は、在日大使館あるいはその他を通じて意見交換という格好での話合いはいたしておりますけれども、正式な書面というのはEU代表部だけでございます。
○大久保勉君 滝法務副大臣は消防庁出身、消防庁長官ということでもあったということで、是非、消防のプロ、火消しのプロということでこの問題の火消しをお願いしたいと思います。リーダーシップを是非お願いします。
今回の問題は非常にグレーだということで、非常に不透明感がございます。
じゃ、まず金融庁に関しまして、法務委員会で私が質問しましたら擬似外国会社として外国証券会社の三十社余りがいわゆる擬似外国会社であるといったコメントをいただいております。このことに関してはそのような認識でよろしいでしょうか。これは金融庁の方から回答をいただきたいと思います。
○政府参考人(増井喜一郎君) お答え申し上げます。
金融庁におきましては、外国証券会社は商法も含めまして日本の法律に従うものでありまして、擬似外国会社の規定に違反しないという認識の下に外国証券業者に関する法律に基づいて登録等行ってきておりまして、この認識は現在も変わっておりません。
ただ、金融庁が行いました答弁でございますけれども、今の先生の御指摘の三十社余りというようなところでございますが、これにつきましては、いずれもその外国証券会社四十社のうち三十社余りが自社が擬似外国会社とみなされる法的リスクについて懸念を有しているということを承知しているということを述べたところでございます。
○大久保勉君 問題の整理のために新会社法の八百二十一条を一項と二項読んでもらってよろしいでしょうか。じゃ、これは法務省、お願いします。
○副大臣(滝実君) 擬似外国会社の規定は新会社法の八百二十一条でございまして、まず一項でございますけれども、「日本に本店を置き、又は日本において事業を行うことを主たる目的とする外国会社は、日本において取引を継続してすることができない。」、二項は「前項の規定に違反して取引をした者は、相手方に対し、外国会社と連帯して、当該取引によって生じた債務を弁済する責任を負う。」と、こういうものでございます。
○大久保勉君 金融庁の方で外国証券の一部がもしかしたら擬似外国会社に当たるということをおっしゃられました。じゃ、その場合の二項の規定で存在は有効である、取引も有効であると。しかし、いわゆるペナルティーが掛かります、過料が掛かりますということだと思います。
じゃ、資本金が一千億円の証券会社の従業員が証券取引をしました。で、民事裁判になりまして、裁判でもし擬似外国会社でペナルティーが掛かった場合に幾らの過料を払う必要がありますか。これ通告してなかったかもしれませんけれども、分かる方、教えてください。
○委員長(浅尾慶一郎君) 速記止めてください。
〔速記中止〕
○委員長(浅尾慶一郎君) 速記を起こして。
○大久保勉君 私が調べた限りでは、事業登録税と同じで、これが〇・七%程度ということで、もし一千億でしたら七億円掛かるんじゃないかと、こう思います。この場合に、ある取引をやった場合に、個人が七億円の訴訟リスクを抱えて仕事をしないといけないと、こういうような法律なんです。このリスクというのは極めて高く、日本市場に進出することに対して外国資本は懸念していると思いますし、また投資したところに対するリスクというのを改めて認識しているということじゃないかと思っております。
ですから、法務省がどう解釈しようが、民事訴訟で一〇〇%安全であるということが必要じゃないかと主張するんです。ですから、法案修正以外はないと。このことに関して、滝副大臣、どのように思われるか。それでもやはり解釈で問題ないということでしょうか。
○副大臣(滝実君) この問題につきましては、法務委員会におきましても、具体的にどういうケースが擬似外国会社として取引が規定されることになるのかということについてのお尋ねにつきまして、個別に例を挙げて御質問に対しまして私どもはお答えをいたしております。
そういうことからお分かりいただきますように、基本的にはこの国会における審議でもって具体的に確認をされる。それによって、それがそのまま司法でもってどういう判断をされるかというのは、日本の場合には司法は独立でございますから、それ以上のことは申しませんけれども、少なくとも国会においてきちんと意思として確認をされているということは、当然司法判断においても尊重されるはずだというふうに私どもは考えているわけです。
○大久保勉君 端的に申し上げたら、一〇〇%は保証できないということでよろしいでしょうか。つまり、司法が、三権分立で司法が判断するから、法務省がどう解釈したとしても一〇〇%安全じゃないと。もう一度確認します。
○副大臣(滝実君) すべての日本の法律の立て方はそうだと思うんです。法律で厳密に書いてあったって、具体的にどういうふうな、問題について事実関係を把握して裁判所が判断すれば、具体的に書いてあったって、それのやっぱりある程度の幅は当然いろんな問題であるわけでございますから、ただ、具体的にこの場でもっていろんなことが確認されれば、当然それは司法判断に影響すると。こういうことは、これはやっぱり三権分立の建前でございますので、私はそういう意味で申し上げております。
○大久保勉君 是非、副大臣の発言が裁判に影響することを期待しますけれども、ただ、七億円の訴訟リスクを毎回毎回持って事業をしないといけない、このことでよろしいんでしょうか。やはり、滝副大臣がある取引をしますと、もしかしたら、法律がグレーであるから七億円のリスクを抱えて取引をする、これで真っ当な商売ができますか。是非もう一度、私は是非法案修正が必要だと思っております。是非御意見を聞かせてください。
○副大臣(滝実君) 確かに、今委員が御指摘のとおり、過料という、過料というか過ち料というものが規定されていることは規定されているわけでございますけれども、当然その前提として、条文の解釈、具体的な事実関係の当てはめの問題でございますから、私はそれがそのまま形式的にすべて七億のリスクを持って会社を運営しなければならないというような悲観的なことを考えていく必要は必ずしもないんじゃないかというふうに思います。私は、少なくとも会社が事業を展開する以上は、そういうことが排除されるような仕組みは当然会社としてお取りになるというふうに私は考えております。
○大久保勉君 これ、この議論に関しては、国会だけではなくて、ビジネス界若しくはいろんなところで議論されております。
非常に良識ある意見としまして、一つ、ホームページにあった意見を読みます。
今回の商法改正も大作業で、人間業なんだから、法務省も自民党も衆議院も見落としがあってもしようがないのではなかろうか。そこを修正するのが本来の参議院の役割である。参議院、まあ、これは自民党も民主党も公明党も同じと思いますけれども、参議院幹部も手前みそにも政策に通ずる参議院と常日ごろ言っておられるが、本当にそう思うなら、これこそ参議院の存在意義を見せ付けるいい機会だと思う。今までのように役所や党や衆議院に気を遣って無難に通過させるだけでいいのであろうか。我々の真価が問われる。
これは、私の真価も問われますし、皆さんの真価も問われると思います。つまり、これだけ大きな問題になる。このことに対して是非とも火消しが必要です。それは副大臣のリーダーシップだと思います。見識です。これは政治家でしか判断できない問題だと思っております。
続きまして、現実的な解決としまして、じゃ、もし外国会社の三十社が擬似外国会社と思われるリスクがあるとしましたら、そこを救済するために何らかの政省令の改正若しくは行政上の修正が必要だと思います。このことに関して金融庁はどのようなお考えでしょうか、伊藤大臣。
○政府参考人(増井喜一郎君) お答え申し上げます。
先ほど私御答弁申し上げましたように、現在の外国証券会社は商法を含めて日本の法律に従っておるということで、現在、擬似外国会社の規定に違反しないという認識の下で登録も行っているということ、そういった認識で私どもはおります。したがいまして、金融庁が今の外国証券会社が擬似外国会社といったことを申し上げた、そういった事実はないということでございます。
今先生の御指摘の、ほかに政省令等についての救済措置というような御指摘でございますが、先ほどから法務省副大臣からも御答弁をいただいておりますけれども、会社法のこの八百二十一条の解釈も踏まえまして、擬似外国会社に当たる外国証券会社はないというふうに考えておりますので、そういう意味での政省令等の対応ということは私ども現状で必要はないと思っておりますが、いずれにいたしましても、法務省等とも、この規定の趣旨を周知するなど、関係省庁と連携を図りながら、外国証券会社の懸念が払拭されるように適切に対応していきたいというふうに思っております。
○大久保勉君 さっきの答弁に関しては異議があります。
といいますのは、五月十九日、法務委員会で私が、この件に関して金融庁に確認します、今回、擬似外国会社とみなされる金融機関は何社ほどあるのでしょうか。鈴木政府参考人の回答は、証券会社でございますが、これにつきましては、現在、支店形態で日本に進出してきているものが四十社ありますけれども、そのうち現段階において外国における営業実態がほとんどないなど、日本において事業を営むことを主たる目的とする外国会社、これは、主たる目的とする外国会社は八百二十一条の一項の定義です、主たる目的とする外国会社であると考えられる会社は三十社余りであるというふうに認識しております。
この認識に対して、変わったんでしょうか。
○政府参考人(増井喜一郎君) お答え申し上げます。
今先生の御指摘の五月十九日の私どもの答弁でございますけれども、これは、外国証券会社に対するヒアリングの結果を踏まえまして、各社が擬似外国会社に係る規定について有する懸念の一例を申し上げたものでございます。
いずれにいたしましても、先ほど来御論議がありますように、法務省から、この法規定につきましては、一般論として、現に活動している会社がこのような規定に当たるということは考えにくいなどの御答弁をいただいておりますし、そういった観点から、私ども先ほど何回も申し上げておりますように、金融庁としてこの擬似外国会社の規定に違反しないという認識の下で登録を行ったということでございますので、私どもとしてはそういう点で問題はないというふうに思っております。
○大久保勉君 一番重要なことは、こういった外国証券会社が民事裁判を受けた場合にどう判断されるかであります。そこに対して一〇〇%安全じゃない限りは東京で営業ができづらくなります。こういったことに関して質問したいと思います。これはむしろ伊藤大臣に質問すべき問題だと思います。
金融庁は金融立国を目指しています。市場間競争で勝ち抜き、日本の金融市場を、世界に冠たる金融市場をつくっていくということですから、これだけの品質の市場で世界一の金融市場を目指すことはできますか。もし目指したいということでしたら、どのような改革が必要ですか。大臣、お願いします。
○国務大臣(伊藤達也君) 金融改革プログラムで私どもが目指しておりますのは、金融立国というよりも、金融サービス立国、その利用者の方々が満足度が高くて、そして国際的にも高い評価が得られるような金融システムを民の力によって実現をしていきたいと、そのことを目指した改革プログラムを策定し、公表させていただいたところでございます。
先ほど委員が御指摘がございました五月十九日の答弁も、これも外国証券会社に対して委員が御指摘されている問題について懸念があるかどうかということをヒアリングをさせていただいて、そのことに対する答えとして三十社ということでお答えをさせていただいておりますので、六月九日に答弁をさせていただいたように、その懸念だということであります。私どもが断定をしてこの三十社が問題があるということで答弁をさせていただいたことではございません。
それから、この問題に対しては、重ねて滝副大臣から法務省としての見解というものが述べられているわけでありますので、こうした法案の趣旨というものが十分徹底をされて、そして懸念というものが払拭されるように、私どもも法務省と連携を取りながら適切に対応していきたいというふうに思います。
○大久保勉君 ここはもう平行線になりますから、別の議論に移ります。
今の議論といいますのは外国の企業にとって大問題であるということでした。今度は、それ以上に国内企業にとって重要であると、この指摘は峰崎委員の方からございましたので、これを補足する形で質問します。
実は、先週、今週と、日本の大手金融機関、弁護士事務所、格付機関と打合せをしました。私自身が証券家をやっておりましたので、どういうふうな構造になっているかというのは承知しているつもりであります。ある有識者からこういう質問をしてくれないかと、これは金融界にとって極めて重要な話であるということで、読み上げます。
第八百二十一条の擬似外国会社の規定であるが、例えばケイマンSPC等外国会社を資産保有会社とする資産流動化の仕組みもグローバルスタンダードとして我が国の資産流動化等で多数用いられており、その残高はABCP、先ほどのアセットバックCPのスキームだけで二十兆円も上っている。この二十兆円という数字は、資料2の日本銀行が作りましたABCPのプログラムの表です。これを合計したのが約二十兆です。
実際に、これはあくまでも枠ですから、その中で実際に貸出しがなされておりますのが三月末残高で七兆円ございます。極めて大きい数字です。この七兆円といいますのはどのくらいの数字かといいましたら、これは銀行全体の貸出しが二百兆弱です。ですから、三・五%から四%という極めて大きな数字です。
続きまして、このABCPプログラムはいわゆるマルチセラー型で、反復継続して資産がSPCに売り渡されるので、第一項の法案の文言上、これら外国SPCがこの擬似外国会社の規定に抵触することになると考えられ、この資金調達の方法に支障が出る可能性があると。
このマルチセラー型というのが重要です。実際に法制審議会でSPCの議論はなされておりますが、いわゆる一回限りの取引が主です。これは証券化市場で約二十兆といいますのが一回限りです。ところが、マルチセラーといいますのは、同じケイマンのSPCを使いまして、何度でも取引が行われます。
具体的には、三月末にある企業が売り掛け債権があるということで、銀行の方と話をして、SPCに売り掛け債権を売ると。そのときの値段といいますのは、実際にその資産を担保にしてこのSPCが東京市場でCPを発行する金利によってでき上がっています。四月になったらまた同じような取引をする。ほとんど毎日こういった取引を行っております。例えば、明日幾らの取引をするか分かりません。そのときの市場若しくは需給によります。
このSPCといいますのは言わば会社そのものなんです。ところが、その会社には従業員もおりません。銀行はどうしてこういった取引をするか。これはこのSPCに対してバックアップラインというのを出しておりまして、そのBISアセット、いわゆる自己資本規制上の資産がゼロ%でカウントできますから、非常に競争力のある融資をすることができます。いわゆる中小企業にとりましては極めて低い金利で調達できる、そういうニーズに合いますから、中小企業政策の上も極めて重要なプログラムです。
こういった商品を是非とも伸ばしていくべきだというのが政府の意見です。これは中小企業庁も推進されておりますし、経済産業省もしかりです。金融庁も恐らくは応援されていると思います。こういったものが使われることができなくなるおそれがあります。これを解釈で、いや、これは反復継続しているのに、いや、継続じゃないということで、解釈でこの場、お茶を濁して法案通過をしましたら、どういうことが発生するのか、是非分かってもらいたいです。
私は格付機関とも話をしました。弁護士とも話をしました。やはりこれは東京市場の信頼性の問題であるし、日本の金融機関が、日本の金融がどういう方向に向かっているのか、これは市場型間接金融というのも大きな方向性です。こういった新しい芽を摘んでしまうおそれがあります。ですから、何度も何度も警告します。是非この点に関して伊藤大臣の御所見若しくは決意をお願いします。伊藤大臣も内閣の一部ですから、是非リーダーシップを図ってもらいたいと思います。
○国務大臣(伊藤達也君) アセットバックコマーシャルペーパーのもう実務に精通されている委員の御指摘でございますし、私自身もこうしたものが中小企業を含めた国内企業の資金調達の際に極めて重要な役割を果たしているということは認識をいたしております。
そして、先ほど来、滝法務副大臣がこの会社法の今回御指摘の条文について、その趣旨というものを重ねて明らかにしているわけでございますので、そうしたことによって現在活動している外国金融機関等はこれまでと同様に活動を行うことができるというふうに思っておりますから、そうした懸念というものを払拭をしていくということが重要でありますので、私どもとしても法務省と連携をして適切な対応を取っていきたいというふうに思います。
○大久保勉君 単純な疑問ですけれども、どうして修正できないんですか。つまり、分かりやすくしましたら市場は発展します。金融サービス立国として一歩をスタートできます。先ほどおっしゃいました利用者にとって使いやすい金融市場をつくることが重要なんでしょう。使い勝手が悪いんです、これは。このことに対して、伊藤大臣、もう一度、これは法務省に任していいんでしょうか。つまり、自分たちの目標が、ある省庁によって、それももしかしたら修正したくないと、こういった思いでもって金融サービス立国ができないおそれがあります。そこに対してどういう理解か。
○国務大臣(伊藤達也君) 私も閣僚として、内閣の一員としてすべての法案を提出するに当たって責任を共有をしているわけでありますけれども、しかし、それぞれの所管の中でそれぞれの省がその使命に従って仕事をしているわけでありますし、この法案についても繰り返し繰り返し委員の御疑問も含めて法務省から、また当委員会においても滝副大臣から御答弁がされているわけでありますので、私どもとしてはABCPの発行が今回の会社法案八百二十一条が設けられることによって阻害されることがないというふうに思っておりますし、またそうした懸念を払拭をしていくということが大切なことでありますので、法務省と連携をして適切な対応を取っていきたいというふうに思います。
○大久保勉君 これはある大銀行と話をした経緯です。コンプラ重視ということで法律違反は絶対にできない、また法律に抵触するような取引も遠慮したい、これが適正な金融機関として務めであると。八百二十一条を見た場合に、本当に文面を読んだ限りにおいては、ケイマンSPCを使った証券化が法令違反のおそれがある、一〇〇%問題ないんだったらそれは取引ができる、ところがグレーだったらこれは銀行としてできないと。私はその認識は極めて健全ですし、こういったモラルのある銀行員、経営者を目指していると思います。また、そういうことを推し進められたこれまでの金融庁の実績があると私は評価しております。
ですから、何度も伊藤大臣に決断を促して、金融庁としてもゆゆしき問題であると。アメリカ財務省もゆゆしき問題と表明しました。EUもそうです。金融庁、この問題に関してゆゆしき問題という認識はありませんか。大臣、お願いします。伊藤大臣。
○国務大臣(伊藤達也君) 繰り返しの答弁で恐縮でございますけれども、この問題について、一義的には法務省において対応されるべきものと考えております。行政が司法の解釈を拘束することは不可能であると解せられますが、御指摘の会社法案第八百二十一条の解釈の明確化を図るなど、できる限り法案の趣旨が明確になるよう法務省としても努められておりますし、また、当委員会も含めて国会の場で繰り返し繰り返し法務当局からこの趣旨について説明がなされているところであります。
私どもといたしましては、法務省とも連携を図りながら、様々な関係者の皆様方の懸念が払拭されるように適切に対処をしていきたいというふうに思います。
○大久保勉君 法務省にお尋ねします。
是非、民事訴訟で一〇〇%安全じゃないかもしれませんが、黒いものをグレーに、グレーをより白くするために是非お力を下さい。
アセットバックCPに関しまして、御説明したように継続的に行っておりますが、これに関しては擬似外国会社でないという解釈でよろしいんでしょうか。
○副大臣(滝実君) その前提として少しばかり申し上げたいと思うんです。
先ほども申し上げておりますように、このアセットバックCPにつきましては実は法制審でもそれなりの意見交換をいたしたわけでございます。その結果、やっぱりこれはいいんじゃないかと、こういうような結論も中にはあったということをまず申し上げておきたいと思います。そして、既に私どもが先ほどこの問題についてはるる申し上げておりますように、従来の擬似会社と今回の八百二十一条は基本的なスタンスは変わっていないという前提なんです。
なぜ改めてこういうことをしたかというと、擬似外国会社は基本的には法制的にはウエルカムじゃない。要するに、会社は、やっぱり外国でつくるか、外国法にのっとってつくるか、あるいは日本の会社法にのっとってつくってもらいたい。したがって、そのどちらでもないようなものはこれはあんまりウエルカムじゃないというのが第一点です。
それからもう一つは、そういうウエルカムじゃない会社であっても、その取引行為についてはこれは無視するわけにいきませんから、会社、法人格を持ったその会社と、それから代表者と、両方に弁済の責任をかぶせますよというのが今回のこの八百二十一条の二項の問題なんですね。
したがって、そういうようなことを前提として、私どもは、現行で取引しているものはこれはこの法律によって否定されるものではないと、こういうことを申し上げておりますし、そしてこの法案八百二十一条につきましても、パブリックにかけたときに、この問題については従来の取引を否定するようなことでない方法を取ったということでございますし、このアセットバックの問題につきましても、今申しましたように、私どもはこれはこの法律によって否定されないというふうに結論を持っているわけでございます。ただ、具体的な、とんでもない様式のこういうようなものがあれば別でございますけれども、今取引として行われているようなものはこれは触れるものではないと、こういうふうに考えております。
○大久保勉君 副大臣に質問します。
先ほどのコメントは会社法のどこに書いてありますか。
○副大臣(滝実君) どのコメントでございましょうか。
○大久保勉君 ですから、会社法八百二十一条を読みましても、趣旨の、目的とか設定の目的とか、何も書いてありませんけど、少なくとも、会社法しか、分からない人間に関して、どこを見たら先ほど副大臣が言われたことが書いてあるか、お尋ねします。
○副大臣(滝実君) まず、先ほどのパブリックコメントというのは、これはもう公表しているわけでございますし、そこに今度の八百二十一条がどういう格好、どういう経緯で出てきたかということは明らかにしていると思います。そして、今のこのコマーシャルペーパーにつきましては、基本的に、私、そのときの議論は、コマーシャルペーパー、これは二つ要するに触れない問題があると、こういうふうに私どもは理解しているわけです。
その一つは、このコマーシャルペーパーはなるほどそこでもって発行することは発行するんですけれども、このコマーシャルペーパーを発行するに当たっては、当然、後の付随したいろんな処理についての当然商行為があるはずだと、こういうようなことで、必ずしも日本に限定するわけではないだろうと、こういうことでございます。
それからもう一つは……
○委員長(浅尾慶一郎君) 速記止めてください。
〔速記中止〕
○委員長(浅尾慶一郎君) 速記を起こしてください。
○副大臣(滝実君) 今、御指示で条文に即してと、こういうことでございますから、基本的に、申しましたように、現在のこの八百二十一条は現行の商法の四百八十二条の条文と基本的な考え方が一緒であると。したがって、今いろいろケイマン会社について取引されていることも現行の四百八十二条で合法でございますから、当然この条文が変わった八百二十一条になっても、それについてはこの法律によって否定されることはないというのが私どもの基本的な考え方でございます。
○大久保勉君 私、二つの条文読みましたけど、同じには全く見えないんです。
じゃ、是非、四百八十二条を読んでください、及び八百二十一条。皆さんが分かると思います、この条文を見まして。
○副大臣(滝実君) それじゃ、現行の商法の四百八十二条を申し上げます。「日本ニ本店ヲ設ケ又ハ日本ニ於テ営業ヲ為スヲ以テ主タル目的トスル会社ハ外国ニ於テ設立スルモノト雖モ日本ニ於テ設立スル会社ト同一ノ規定ニ従フコトヲ要ス」と、こういうものでございます。
○大久保勉君 八百二十一条は日本において取引を継続することはできません。同じじゃないですね。ですから、もう解釈でいろいろしても無理があるんです。さらには、民事訴訟に関して一〇〇%ギャランティーができないと。こういうような体制でいいんでしょうか。
先ほど、最後に締めますけど、私は、私どもの同僚の議員が、参議院はやはりこういった問題があったら修正する、それが私どもの存在意義じゃないかと、私はそう思いますし、これは自民党も民主党も公明党も共産党も、すべての会派が一緒だと思います。是非、参議院として存在意義を高めましょう。これが参議院です。
私はこのことを申し上げまして、私の質問を終わります。
○副大臣(滝実君) 現行商法の四百八十二条を今申し上げましたけれども、これの要するに判例、そして学説、それが要するに今申しました八百二十一条と同じだというふうに申し上げているわけです。これは判例でございますけれども、当然現行法でございますから、現行法の判例でそういうふうなものが出ていると、そういうふうに解釈されていると、こういうことでございます。
○山口那津男君 公明党の山口那津男でございます。
この証券取引法は、衆議院で継続開示義務違反に対する課徴金制度を設ける修正がなされて、一体のものとして今審議に当たっているわけでございます。衆議院ではこの修正部分についての実質的な質疑が行われておりませんので、何点か御質問をさせていただきたいと思います。
その前提といたしまして、金融庁としてもこの継続開示義務違反に課徴金を設けるべく制度の在り方について検討すると、昨年末にその旨発表したところでありますが、結果的にこの制度が盛り込まれないで当初提出をされました。その理由は何かということをまずお聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(伊藤達也君) 理由は何かというお尋ねでございました。
ディスクロージャー制度の適正性を確保していくためには違法行為に対する適切な抑止が必要であり、海外の主要国におきましても、発行開示義務違反に対する課徴金が存在しているにもかかわらず、継続開示義務違反に対する課徴金が存在していないといった例はございません。こうしたことから、金融庁といたしましては、昨年の秋から継続開示書類の虚偽記載に対する課徴金制度の導入に向け法制面の詰めの作業を行ってきたところでございます。
しかしながら、現行証取法上、課徴金は経済的利得相当額を賦課するものとされており、その対象を継続開示義務違反に広げるためには、経済的利得の内容やその算定方法、課徴金と刑事規定との関係などについて十分な検討を行うことが必要と考えたところでございます。こうしたことから、継続開示義務違反に対する課徴金制度の導入についてはなお慎重に検討すべきと判断をいたしまして、今回の証取法改正案に盛り込むには至らなかったということでございます。
○山口那津男君 衆議院の質疑におきまして、この点に対して法制局の山本政府参考人もこのように答弁をいたしております。
現行の課徴金制度というのは、カルテルやインサイダー取引、そういった経済的利得を目的とする法令違反につきまして、違反行為によって得られる経済的利得相当額を基準とする金銭的負担を課すということによって、違反行為をやり得になることを防ぐとともに、違反行為の防止という行政目的を達成するというものでございますと。このようなものである限り、現行の課徴金制度は、その目的のために必要なものということで、憲法三十一条が規定する適正手続の要請にも合致し、また、その趣旨、目的、手段などを前提といたしますと、憲法三十九条後段が規定する二重処罰の禁止との関係も問題にならないというふうに理解しておりますと、こう言っているわけであります。
さて、そこで、修正案提出者にお伺いいたします。
このたび継続開示義務違反によって課徴金を命ずる前提として経済的利得というものがあるのかないのか、この点についてどうお考えでしょうか。
○衆議院議員(早川忠孝君) お答えを申し上げます。
御承知のとおり、現行の証券取引法に規定しております発行開示義務違反に対する課徴金の考え方につきましては、違反行為に伴う経済的利得相当額を徴収するというものであります。これに対して、本修正案において導入することとしております継続開示義務違反に係る課徴金の考え方は、課徴金額の水準の設定に当たって経済的利得をその水準設定の際の考慮要素の一つとして勘案しながら、しかし基本的に違反行為の抑止のために必要かつ合理的と思われる額とするものであります。したがいまして、本修正案においては、経済的利得の額そのものを課徴金の額とするというような考え方は取っておりません。
以上であります。
○山口那津男君 そういたしますと、現行法、従来の現行法に対する考え方とは異なった作り方をしたということで、必ずしも経済的利得を剥奪するという考え方ではないということだろうと思います。しかし、また一方で、経済的利得は考慮要素の一つというお話もありました。
そこで、その利得というものをどのようにお考えになっているのか、どのように考慮をされたのか、この点について御答弁いただきたいと思います。
○衆議院議員(吉野正芳君) いわゆる〇・〇〇三%というのは、有価証券報告書等の継続開示書類に虚偽記載を行いますと財務状況の見掛け上の改善を通じて資金調達コストが低下することが一般的に想定されるところであります。それで、会社の格付上昇による社債の利回り低下幅に係るデータ等を用いて、こうした資金調達コスト低下の株式時価総額に対する比率を試算したものでございます。
○山口那津男君 結果的に三百万円ないしは十万分の三という水準というものが出てきているわけでありますが、これが果たして課徴金として抑止力を持ち得るのかどうか、妥当な水準なのかどうか、念のためお伺いしたいと思います。
○衆議院議員(谷口隆義君) 今御答弁をしていただいたわけでありますけれども、まず初めに原則三百万円というのがあって、それを超える部分につきまして〇・〇〇三%、株式時価総額の〇・〇〇三%ということになったわけであります。
これが抑止力があるかどうかということでございますが、この三百万円につきましても根拠がございまして、株式上場企業の平均的な時価総額が一千三百二十三億円というふうになっております。この継続開示資料を提出しておる会社の中には上場していない会社もございます。ですから、一応一千億程度の会社ということを前提にいたしまして、先ほどの〇・〇〇三%を乗じた金額、これが原則三百万円ということになったわけであります。
それで、山口委員の抑止力があるのかどうかということにつきましては、この法案は二年後に一応見直しをすることになっております。その状況の中でまたこの課徴金体系の全般を見直すということもございますので、まずその状況を見ながら二年後見直してまいりたいと、このように考えておる次第でございます。
○山口那津男君 継続開示義務違反で課徴金を課する場合も、課徴金命令にとどまらず刑事告発に至るという場合もあろうかと思いますが、その刑事告発をする場合というのはどういう理由によるんでしょうか。
○衆議院議員(江崎洋一郎君) この継続開示義務違反に対しては、従前から悪質、重大なものについては刑事罰が発動されるというわけでございます。今後もそのような違反行為については刑事罰が科せられるということになると思われます。今回、この刑事罰に加えて、行政上の措置として金銭的な負担を課する課徴金制度を導入したわけでありますが、更に広範に継続開示義務違反を抑止して規制の実効性が確保されることと期待しているわけでございます。
今御質問の、課徴金命令のほか、刑事告発をする場合はどのような理由かということでございますが、これは個々の事例において課徴金を課すか刑事告発を行うかということが決められるわけでございまして、このような観点を踏まえて適切な運用が行われることを期待するものでございます。
○山口那津男君 今御答弁の前段にありましたように、一般的には、課徴金にとどまる場合のみならず刑事告発に至るというのは、やはり悪質、重大性というものが考慮されていることは間違いないんだろうと思います。その上で、今回、刑事罰との調整規定というのを置いているわけですね。いわゆる全額調整ということで、罰金を課徴金から差し引くということになろうかと思います。
それで、発行開示義務違反というのは従前から法定されているわけでありますが、ここでは課徴金と刑事罰の調整規定を置いておりません。このたび修正をするに当たって、その点は整合性をどのように考えられたんでしょうか。
○衆議院議員(吉野正芳君) 発行開示の場合は経済的利得相当額を徴収するという形でございまして、刑事罰との調整規定はございません。しかし、継続開示義務違反におきましては、考え方が違反行為の抑止を目的としたものでございまして、違反行為を抑止するという意味では刑事罰と同等の効果がございます。そういう意味で、継続開示義務違反に関しましては刑事罰との調整規定が必要であるというふうに政策的に考えた次第でございます。
○山口那津男君 また、これは金融庁に伺いますけれども、証券取引法の百八十五条の七の二項で没収、追徴、これと課徴金との調整規定というのがあるわけですね。この考え方はどういう理由になっているんでしょうか。
○政府参考人(増井喜一郎君) お答え申し上げます。
この四月に施行されました課徴金制度でございますが、これはインサイダー取引等の証券取引法違反行為の抑止を図り、証券取引法規制の実効性を確保するという行政目的の達成のために証券取引法上の一定の違反者、これは不公正取引及び発行開示違反でございますが、に対しまして、その定める手続に従って金銭的負担を課する行政上の措置というふうに考えております。そして、その負担の水準につきましては、違反行為によって行為者が得られる経済的利得相当額というふうに考えているわけでございます。
そこで、先生今御指摘の調整規定との関係でございますが、この課徴金制度において、不公正取引につきましては、その付加刑として没収、追徴が命じられている場合には、違反行為による経済的利得を含めた財産が没収、追徴の対象となっているということになるものでございますから、この違反行為の抑止のため、更に行政上の課徴金まで課する必要はない、こういった政策上の判断によって調整を行うこととしたものでございます。
○山口那津男君 今るる御答弁をいただきましたけれども、幾つか問題点が出てきたと思います。
二年後見直しということを視野に置いているわけでありますが、是非御議論いただきたいと思っておりますのは、一つは独占禁止法、このたび改正が行われまして、課徴金の額が引き上げられました。これは言わばカルテル、談合等での不当利得の平均値が八%のところを一〇%に引き上げたわけでありまして、それを超える部分はいわゆる不当利得の剥奪というだけでは説明し切れないと、こういうことにはなっているんですが、しかしまた、経済的利得と全く関係ないかといいますと、あくまで平均値の八%ということを一つの基準にしたわけであります。
片や、談合に違反した、入札談合に違反した場合に、多くの都道府県の入札制度の中で損害賠償の予定ということが規定されておりまして、これは大部分が一〇%であります。損害賠償の予定を一〇%と規定している。幾つかの自治体ではこれを二〇%と規定しているところもあるわけです。ですから、独禁法の一〇%の課徴金の水準というものは、それら社会的な実態にかなり近いことを考慮して作られているということであります。
このたびの修正部分についての先ほどの利得の説明、あるいは三百万円、十万分の三の説明はありましたけれども、しかし、すべての上場企業が資金調達を借入れによってやる、有償の借入れによってやるとは限らないと思いますし、その水準というものは経済的利得の実態とは少し乖離があるのではないかと思われるわけであります。そうしますと、その経済的利得を超えて課徴金を課すという点につきましては、法制局は、今まで経済的利得の剥奪、それとの結び付きが強いからこそ、その目的のために必要なものということで憲法三十一条の趣旨に反しないだろうと、こう言ってきたわけですね。
そうしますと、この修正部分を運用する立場に立って金融庁がこれを実際に発動した場合に、憲法訴訟を挑まれたときに、果たして本当に訴訟維持ができるんだろうかという点も懸念があるわけであります。
それから、独禁法におきまして課徴金との調整規定というのを、刑罰との調整規定を置きまして、これが二分の一の調整になっているんですね。で、なぜ二分の一かという説明について、公取の委員長は次のように答弁をしております。全額でない理由は、全額にしてしまえば、刑事告発というのは、違反事件の中でも悪質、重大であり、繰り返してやっている、けしからぬということで告発をするわけで、その結果、有罪になって罰金が掛かる。その罰金を丸々課徴金から引いてしまったのでは、その企業の負うトータルの経済的不利益は同じなのでございまして、重大、悪質であろうがそうでなかろうが、課徴金止まりであろうが、経済的不利益は同じということでは、刑罰と課徴金というものを二つ置いている制度の下で、それは不合理であるということで全額にしなかったと、こういう説明であります。
この批判は全額調整のこのたびの修正部分にも私は当てはまるのではないかと、こう思われますので、この点も検討が必要だろうと思っております。
いずれにいたしましても、今後の二年間、二年後の見直しに向けていろいろと検討する御決意、これを金融庁長官にお伺いして、私の質問を終わります。
○国務大臣(伊藤達也君) 継続開示義務違反にかかわる課徴金制度を導入するに当たっての重要な論点について、委員から高い見識から御指摘があったというふうに思っております。
今回、衆議院において議院修正が行われ、そして政府としましてはおおむね二年を目途として課徴金に係る制度の在り方等について検討を加え、その結果に基づいて所要の措置を講ずるものとされているところでございます。
私どもといたしましては、この趣旨を踏まえまして、そして当委員会の議論というものも十分に受け止めながら、実効性ある課徴金制度の在り方について引き続き幅広く検討していきたいというふうに思っております。
─────────────
○委員長(浅尾慶一郎君) 委員の異動について御報告いたします。
本日、大塚耕平君が委員を辞任され、その補欠として島田智哉子君が選任されました。
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○大門実紀史君 大門でございます。
今回の法案は賛成でございますので、証取法に関係して、ライブドアのときも問題になりましたけれども、株の大量保有報告書の問題について絞ってお聞きをしたいと思います。
これはもういろんな議論がありました。提出時期が余り遅いので、大株主の動向がつかめない、一般株主が様子が分からないというようなこととか、市場の透明性に欠けるという批判が続いてきたところですし、参議院の三月の予算委員会の参考人質疑でも、ほとんど参考人の方がこぞってこの大量報告書の今の制度の問題点を指摘されております。
要するに、今の開示の制度は、一般投資家にとってだれが大株主なのかというような情報がいろんなときに動いてしまってよく分からない、場合によっては上場廃止という問題も絡む、そういう点でタイムリーな開示がないと一般投資家の皆さんが困るんだという指摘が参考人質疑でもこぞって表明されたところでありますけれども、この大量保有報告書制度の見直しについて、金融庁、今どうお考えか、教えてもらいたいと思います。
○国務大臣(伊藤達也君) 大量保有報告制度、いわゆる五%ルールにおいては、証券会社、銀行、信託会社、保険会社、投資信託委託業者、投資顧問業者等が他の会社の株券等を保有する場合であって、それが当該他の会社の事業活動を支配することを目的とするものでない場合には報告の特例が適用され、報告頻度の軽減等が認められているところでございます。これは、これらの保有者が日常の営業活動等において反復継続的に株券等の売買を行っており、取引の都度詳細な情報開示を求めた場合には事務負担が過大となると考えられることから、特例報告制度の対象といたしているところでございます。
大量保有報告制度の在り方につきましては、金融審議会における投資サービス法及びそれに関連した開示制度の在り方に係る検討の中で議論が行われていくものと考えておりますが、特例報告制度の対象範囲の在り方につきましては、証券取引の透明性、公正性の要請と開示に伴う過大な事務負担の回避の要請とのバランスを考慮して判断していく必要があると考えております。
○大門実紀史君 いや、大臣は見直しの必要性を一言で言えば必要あるということでお考えでしょうかとお聞きしているんですけれども。
○国務大臣(伊藤達也君) 今お話をさせていただきましたように、この問題につきましては金融審議会で御議論をいただいているところでございます。この議論に当たりましては、証券取引のやはり透明性、公正性というものを確保していく、その要請の問題と、それと開示に伴う過大な事務負担というものを回避をしていく、その要請のバランスをどう取っていくかということが大きなやはりポイントではないかというふうに思います。
こうした点から専門家の皆様方から今御議論をいただいておりますので、こうした議論を踏まえて私どもとしての検討作業を進めていきたいというふうに思っております。
○大門実紀史君 是非急いでもらいたいと思うんですけれども、今回の改正に出てくるべきだったと私は思っているところでありますけれども。現行でももっと厳しく対応すべきではないかと、現行の制度のままでもですね、思うわけですけれども。
この制度は、提出が遅れているのは、頻繁に発生しています。本来はこの証券取引法違反になるわけですけれども、よほど悪質な場合以外は立件されないということですね。この義務違反というのは三年以下の懲役又は三百万以下の罰金というふうに厳しい罰則も付いているわけなんですが、ほとんど立件されていないと。
過去に処罰した例があるのかどうか、教えてもらえますか。
○国務大臣(伊藤達也君) 証券取引等監視委員会が発足した平成四年七月から今日まで証取法上の虚偽大量保有報告書の提出及び大量保有報告書の不提出にかかわる犯則事件はそれぞれ一件ずつ、計二件あり、いずれも平成十二年十二月に告発を行ったと承知をいたしております。
事案の内容は、株式会社東天紅の株価を騰貴させるため、公開買い付けをする旨の虚偽発表をするとともに、虚偽の大量保有報告書を提出をしたと。株式会社東天紅の株券の大量保有者になったにもかかわらず、期限までに大量保有報告書を提出しなかったというものでございます。
○大門実紀史君 私の方で調べたところによると、告発は七十三件あったようですけれども、今おっしゃったとおり二件だけとなっています。なぜこんなに少ないんでしょうか。
○国務大臣(伊藤達也君) 今委員から御指摘がございましたように、証券取引等監視委員会につきましては七十二件の告発を行ってきており、そうした活動の中で、大量保有報告書の不提出等についても悪質な事案があれば厳正に対処しているものと承知をいたしております。
今後とも、監視委員会が市場の公正、そして投資家の保護のため、悪質な法令違反行為に対して厳正に対処していくことを期待をいたしております。
○大門実紀史君 フィデリティ投信が、二〇〇一年の初めに、これは二百四十五件もの保有状況を一遍に出すと。あのときでさえ何の処分もなかったというので、どうなっているのかというのが話題になったことありますけれども、今、この前のライブドアも含めていろいろ状況が随分変わっております。
この前、経済産業省が報告出しましたけれども、経済産業省の企業価値研究会がMアンドAの変化について報告書を出しましたけれども、要するにもう十年前とはかなり環境が変わっておりまして、この大量報告制度ができた当時と今の制度ができた当時とかなり状況が変わっていると。
簡単に言いますと、バブルの時期というのは株の、何といいますかね、買占めですね、買占めが多かったんですけれども、その後、企業再編の時代が続いて、友好的なMアンドAが続いて、この二〇〇〇年ごろからいわゆる今話題になっています敵対的買収が増えてきたというようなのを経済産業省も分析しているところであります。
そういう中で、機関投資家の特例ということですけれども、一口に機関投資家と言っても、今申し上げたように一くくりにできない部分が出てきていると。買収ファンドの問題等々が話題になっておりますけれども、そういう点では、これは村上ファンドの問題が話題になったときに、三月ですけれども、日本証券業協会の会長さんが支配を目的とする買収ファンドなどは先ほど申された特例の対象とすべきじゃないと。あるいは参議院の予算委員会、参考人質疑でも参考人の方が、例えば買収ファンドあるいはプライベート・エクイティー・ファンドなどは当然一般の投資家と同じ規制を掛けるべきだというふうな発言がこの間続いているところです。
申し上げたいのは、機関投資家の特例という一くくりにしているだけでいいのかと。通常、普通の機関投資家とこういう買収を目的としたファンドというのはやっぱり線引きをすべきではないかという意見が、私だけではなくて、いろいろ今出ているところでございます。
さかのぼれば、八九年の証券取引審議会不公正取引特別部会報告に、今後の大量報告制度の在り方について、既にそのときにもう提言がされています。要するに、特例の対象となる機関投資家の範囲については、その実態を勘案しつつ、必要な限定を行うことが適切だというのはもう八九年の段階で述べられているわけです。そして、今そういう時代になってきたという点では、この買収投資ファンドについて線引きをする、機関投資家、こういうことも検討していく必要が私はあると思いますが、大臣、いかがお考えでしょうか。
○国務大臣(伊藤達也君) 御指摘のファンドは、ファンドであること自体をもって特例報告の対象となるものではありませんが、例えば、ファンドを運営する会社が投資顧問業者等に該当している場合には、事業活動の支配を目的としている場合を除いて特例報告制度の対象となります。特例報告制度は、日常の営業活動等において反復継続的に株券等の売買を行うという業務に着目したものであり、ファンドであることをもって直ちに特例の対象から除外することには困難な面があると考えているところでございます。
いずれにいたしましても、大量保有報告制度の在り方につきましては、金融審議会における投資サービス法及びそれに関連した開示制度の在り方に係る検討の中で議論が行われておりますので、この議論を踏まえて私どもとしても検討を進めていきたいというふうに思います。
○大門実紀史君 とにかくこの問題は早く検討してほしいと思うんですが、ちょっと気になるのは、大臣、先ほどから、審議会で審議会で、あるいは専門家と言われますけれども、私、大臣は、それとは別に私としてはこう思うと、この間のいろんなこと踏まえて、私としてはこういうふうに、大臣として見直しするなら見直しをやるべきだというふうな答弁をきちっとされるべきだと。審議会は審議会としていいですけれどもね。是非その点でそういう決意をきちっと伺いたいと思います、この大量保有報告制度の見直しについて。
○国務大臣(伊藤達也君) 先ほど委員から御指摘がございますように、市場をめぐる環境の変化というものは大変激しいものがあります。そうした中で、市場に対する信頼性を確保していくためにも適切なディスクロージャー制度というものをしっかり確立をしていく、公正な取引が行われるような環境というものをしっかり整備をしていかなければいけません。そうした私自身も問題意識を強く持っておりますし、金融審議会においても同じような問題意識の中で今精力的に御議論をいただいているわけでありますから、そうした議論を踏まえて、そして私どもとしても検討を進めながら、適切な環境整備、対応というものを行っていきたいというふうに思っております。
○大門実紀史君 是非、大臣のイニシアチブで早い検討と結果を出すということをお願いしたいと思います。
ちょっと時間が早いですけれども、終わります。
○糸数慶子君 無所属の糸数です。よろしくお願いいたします。
今回の証取法の改正の中で、特に私は最初に差止め命令の積極的な活用についてお伺いしたいと思います。
今回の改正で、継続開示義務違反に対して課徴金制度が導入されることになり、刑事告発まで至らないような不正行為について行政がより機動的に対処できるようになるというふうに思われます。
そこで、課徴金制度が導入された意義と、その実効性をどのように確保していくのか、伊藤金融担当大臣にお伺いいたします。
○国務大臣(伊藤達也君) 立法府の御判断で修正された規定の内容につきましては政府からコメントすることは差し控えさせていただきたいと思いますが、金融庁といたしましては、ディスクロージャー制度の信頼性を確保していくことは重要な課題であると認識をしており、継続開示義務違反に対する課徴金制度が導入された場合には、国会における御議論を踏まえた的確な運用を行い、ディスクロージャー制度の信頼性の確保に全力を挙げてまいりたいというふうに思います。
こうした観点からも、今後とも証券取引等監視委員会と連携をして、有価証券報告書等にかかわる情報収集、分析能力の向上に努めるとともに、人員面での体制整備も目指してまいりたいと思っております。
○糸数慶子君 まず、課徴金という新たな制度が創設されますが、これですべて解決するかというと、疑問が残ります。新たな制度だけでなく、既存の制度をもっと積極的に活用していくことが必要であるというふうに考えますが、証取法の百九十二条に、投資家保護のためなどに緊急に必要な場合、行政が申し立てることによって、裁判所が不正行為の禁止又はその停止を命じることができる差止め命令の規定があります。
行政が機動的に実行できるせっかくの制度でありながら、この差止め命令の制度はこれまで使われたことがないと聞きますが、本当でしょうか。また、使われてこなかったことについて、金融担当大臣はどう考えていらっしゃるのか、お尋ねいたします。
○政府参考人(増井喜一郎君) お答え申し上げます。
今先生御指摘のとおり、この証券取引法百九十二条に基づく差止め命令でございますが、これまで発動されたことはございません。この制度は、緊急の必要があり、かつ公益及び投資家保護のために必要かつ適当であると認めるときに、証券取引法等に違反する行為を行い、又は行おうとする者に対してその行為の禁止又は停止を命ずるものということ、そういう制度でございますが、これにつきましては、例えば証券会社等の業者に対する規制の違反というものがあった場合に、その場合には登録取消しといった監督上の処分による方がより迅速な対応が可能であるということ、さらに不公正取引、これは例えばインサイダー取引だとか相場操縦だとかということでございますが、そういった場合、それはその対象が今申し上げた証券会社等の業者には限られないわけでございますが、そういった業者に限られない規制につきましては、現に違反が行われている時点で違反を覚知をしまして裁判所に申立てをするというのは実際上困難であるといったことがあったことから、これまで発動されていないというふうに考えております。
いずれにいたしましても、金融庁としましては、緊要性があり、公益及び投資家保護の観点から必要かつ適当と認められる場合には、この証券取引法百九十二条に基づく差止め命令も適時適切に活用してまいりたいというふうに思っております。
○糸数慶子君 積極的に利用されていない理由として、例えばその申立てをする者が実際にその市場監視を行っている者ではないことから機動的な対応が取りづらいこと、またどのような場合に申立てを行うかといったその基準が不明確であることなどがあると思われます。
こうしたことから、その申立ての権限を証券取引等監視委員会に委任するとか、あるいはその申立てを行う場合の基準を明確にするなどの施策を講じていく必要があると思いますが、伊藤大臣に御所見をお伺いいたします。
○国務大臣(伊藤達也君) 差止め命令につきましては、今局長から答弁をさしていただいたように、過去においては発動例はございませんが、金融庁といたしましては、証券会社等に対する監督処分や刑事罰、課徴金等、証取法上認められている他の法的手段と併せて、差止め命令制度も投資家保護を達成するために必要な場合には適宜活用してまいりたいと考えております。
なお、今後、差止め命令について、その適切な活用を困難にしている事情が具体的に判明した場合には、必要に応じて制度上の問題点について検討をしてまいりたいと思います。
○糸数慶子君 一昨年の金融審議会の第一期の部会において、この差止め命令については、アメリカにおけるその制度を参考にして、行政の判断だけでこの不公正取引の差止め、是正を命じることができる制度を創出してはという議論があったと承知しております。結局はこの議論は煮詰まらないままに今日まで来ているというふうに思われますが、投資家保護を図って、行政の機動性を更に高めるためにも、こうした制度の導入も必要ではないかと提案をいたしまして、次の質問に移りたいと思います。
次に、青山学院高等部の入試問題についてお伺いしたいと思います。
今年は戦後六十年という節目の年になっておりまして、沖縄では唯一住民を巻き込んだ凄惨な地上戦が展開されたところであります。二十万人余の尊い命が奪われた沖縄戦ですが、この沖縄戦の実相を語り継いで不戦の誓いと平和の尊さを世界に発信する慰霊の日が間もなくやってまいります。六月二十三日の慰霊の日には小泉総理も参列されるというふうに聞いております。沖縄県民にとってこの慰霊の日というのはやはり慰霊とともに平和を発信する月間とも言えるわけですが、こういうふうな時期に青山学院高等部での英語の入試問題の内容が報道されて、沖縄県内では大変大きな問題になっております。
これは元ひめゆり学徒の沖縄戦に対する証言を英文の設問形式にしたテストになっておりますが、この設問の内容は、正直に言うと彼女の話は退屈で私は飽きた、彼女が話せば話すほど洞窟で受けた印象が薄れたと、こういうふうな英文を記述し、それをテストとして出題をしているわけです。
この入試問題で、ひめゆり平和祈念資料館の館長でいらっしゃいます本村つる館長は、出題者はこの戦争の悲惨さを分かっていないというふうに嘆いていらっしゃいます。
ひめゆり平和祈念資料館は、よわい八十に届くようなそういう多くの語り部たちが、先生や級友たちの戦争のときの亡くなる状況、それを心を痛めて話しています。それはやはり戦争の実相を体験者として正しく伝えて、戦争を風化させてはいけないというその思いと、そして平和を守り、やはり現実に目の前に繰り広げられていくその戦争が実際には文字や言葉や映像では到底言い表すことのできないという、そういう戦争の実態を何としても子供たちに伝えていきたいという思いから、語り部として話をしています。
その語りがうまいとかうまくないとかという問題ではないと思います。貴重なこの証言を退屈というその表現でテストに出したということは、本当に悲しいことであり、余りにも戦争の体験をおろそかにしているというふうに考えますが、この入試問題に対する文部科学省の認識をお伺いいたします。
○政府参考人(山中伸一君) 青山学院高等部の入試試験問題の件でございますけれども、私もニュースで聞きましたときに言葉で言い表し難い悲しい思いをしたのを思い起こしたところでございます。
青山学院の高等部でございますけれども、高校としても、元ひめゆり学徒の方々はもとより沖縄県民の方々のお気持ちあるいはお心を傷付けたこと、これを心からおわび申し上げますということで謝罪を行ったというふうに聞いているところでございます。
中山文部科学大臣も、本件に関しまして、歴史を学び、その現場に立ったときに、その当時がどういう状況であったのかということを想像できるような、そういう力を子供たちに身に付けてもらいたいということを述べているところでございます。
文部科学省といたしましても、今回はこれは高校の入試の問題、出題ということでの問題でございますけれども、学校教育におきまして先人がどのような思いで、あるいはどのような努力の中で現在の日本を築き上げてきたのかということ、それに思いがいくような教育というものが実施されるように努めてまいりたいというふうに考えております。
○糸数慶子君 この問題を担当した四人の教師のうちの一人が高等学校の修学旅行で実際に沖縄に来て、実際にその戦場を追体験した方のお一人だというふうに聞いております。こういう表現に対して、学校側では本当に問題だと指摘する人もいたと言われておりますが、全体的な文章の中では削るまでには至らなかったということで、同学院の高等部の部長はおっしゃっていらっしゃいます。つまり、これから考えていきますと、入試問題は学校の総意として決定されることになったわけで、生徒を指導する立場にある教師自体が元ひめゆり学徒の証言そのものをそのような感覚でしか受け止めていなかったかと思うと、本当に残念でなりません。
元ひめゆり学徒の方々は、本当に今でさえこういうふうな状況は思い出したくない、身を切るほどのつらい体験をしている方々ですが、やはり彼女たちの思いの中には、二度と再び戦争を起こしてはならない、未来を担っていく子供たちに私たちと同じ体験をさせたくないというその思いで語り継いでいるわけです。
ですから、悲惨な戦争体験に基づく平和教育の一環として語り継いでいるわけですから、その受けた人の感想は百人百様であると思います。しかし、そういう中にあっても、やはり教職の身にある者が元ひめゆり学徒のその思いを退屈だと言って切り捨て、そしてそれを入試問題に取り上げるということ自体が問題ではないでしょうか。やはり教育の根本というのは他者への思いやりではないでしょうか。それに今回のこの入試は欠けているのではないかと思います。語り部の皆さんのその心中を察する心さえあれば、このような問題は出題されなかったはずです。
このことが今大きな問題になりまして、沖縄、地元では新聞でも報道されましたが、それを受けて、去る十三日に同校の部長や職員が元ひめゆり学徒やあるいは県や関係者にお会いして、私たちは沖縄のことを頭でしか分からず、心では分かっていなかったというふうに謝罪されたというふうに聞いております。この問題をきっかけにいたしまして、今後とも平和教育の充実に力を入れていくと反省されたと聞いておりますけれども。
私は、やはり戦場の体験のない若い人たちがこれからこういう平和について学ぶ手だてを、教育現場だけではなくて、私たち大人たちがどう手助けていくのか、そして、ともに学ぶ環境をどう築いていくか、そのことを教えた大変大きな問題だと思っておりますが、今後とも、文部科学省におきましては、こういう沖縄戦を風化させることがないように、そしてやはり二度と戦争を起こさないという、そういう観点に立って平和教育を実効性のあるものとしてやっていただくことを強く要望いたしまして、終わりたいと思います。
ありがとうございました。
○委員長(浅尾慶一郎君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
これより討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。
証券取引法の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。
〔賛成者挙手〕
○委員長(浅尾慶一郎君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(浅尾慶一郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
本日はこれにて散会いたします。
午後零時三分散会

 

2005年06月09日 (木)

参議院 財政金融委員会 14号 平成17年06月09日

 

162-参-財政金融委員会-14号 平成17年06月09日
○委員長(浅尾慶一郎君) ただいまから財政金融委員会を開会いたします。
委員の異動について御報告いたします。
去る七日、江田五月君が委員を辞任され、その補欠として広田一君が選任されました。
─────────────
○委員長(浅尾慶一郎君) 証券取引法の一部を改正する法律案を議題といたします。
政府から趣旨説明を聴取いたします。伊藤内閣府特命担当大臣。
○国務大臣(伊藤達也君) ただいま議題となりました証券取引法の一部を改正する法律案につきまして、提案の理由及びその内容を御説明申し上げます。
政府は、最近の証券市場をめぐる状況等の変化に対応して、公開買い付け制度や企業情報開示制度の信頼性を確保すると同時に、我が国証券市場の国際競争力の向上を図るため、本法律案を提出した次第であります。
以下、この法律案の内容につきまして御説明申し上げます。
第一に、公開買い付け制度の信頼性を確保する観点から、公開買い付け制度の適用対象となっていない証券取引所の立会い外取引のうち、相対取引に類似した取引については、買い付け後の株券等保有割合が三分の一を超える場合に公開買い付け制度を適用することとしております。
第二に、企業情報開示制度の信頼性を確保する観点から、子会社が上場会社であって、親会社が上場していないこと等により親会社の企業情報が開示されていない場合について、その親会社に対して情報の開示を義務付けることとしております。
第三に、我が国証券市場の国際競争力の向上を図る観点から、外国会社等が、本国等において適切な開示基準に基づいて英語による開示を行っている場合等には、日本語による要約等の添付を前提として、外国会社等に英語による有価証券報告書の提出を認めることとしております。
以上がこの法律案の提案理由及びその内容でありますが、この法律案につきましては衆議院において修正が行われているところであります。
何とぞ、御審議の上、速やかに御賛同くださいますようお願い申し上げます。
○委員長(浅尾慶一郎君) この際、本案の衆議院における修正部分について、修正案提出者衆議院議員江崎洋一郎君から説明を聴取いたします。江崎洋一郎君。
○衆議院議員(江崎洋一郎君) ただいま議題となりました証券取引法の一部を改正する法律案に対する衆議院における修正部分について、その趣旨説明をいたします。
ディスクロージャーは証券市場を支える最も基本的な制度であり、発行会社が継続開示義務に違反して一般投資家を欺く行為は証券市場に対する挑戦であるとさえ言えるものであります。悪質重大な継続開示義務違反については刑事罰が発動されますが、更に広範に継続開示義務違反を抑止し、規制の実効性を確保するためには、刑事罰に加えて、発行開示義務違反等におけると同様、行政上の措置として課徴金制度を導入することが急務となっております。
衆議院における修正部分は、このような状況にかんがみ、証券市場に対する信頼を確保し、一般投資家を保護するため、継続開示義務違反について次のような課徴金制度を導入することとするものであります。
以下、衆議院における修正部分の概要を申し上げます。
第一に、衆議院における修正部分は、継続開示義務違反に対する課徴金制度を導入するものでありますが、その課徴金の額は、有価証券報告書等については三百万円を原則とし、虚偽記載時の株式等の時価総額の〇・〇〇三%に相当する額が三百万円を超える場合にはその額とすることとしております。また、半期報告書及び臨時報告書等に係る課徴金の額については、有価証券報告書等に係る課徴金の二分の一に相当する額としております。
第二に、罰金と併せて課徴金が課される場合には、その課徴金の額から罰金の額の全額を控除することとしております。
第三に、この法律の施行の日から一年を経過する日までの間に継続開示書類を提出した者については、初回の違反であること、当局による調査開始前に自主的な訂正を実施したこと、再発防止策を講じたことという三要件を満たす場合に課徴金の額を減額することとしております。
第四に、検討規定を置き、「政府は、おおむね二年を目途として、この法律による改正後の課徴金に係る制度の実施状況、社会経済情勢の変化等を勘案し、課徴金の額の算定方法、その水準及び違反行為の監視のための方策を含め、課徴金に係る制度の在り方等について検討を加え、その結果に基づいて所要の措置を講ずるものとする」こととしております。
以上が証券取引法の一部を改正する法律案に対する衆議院における修正部分の趣旨であります。
何とぞ、慎重に御審議の上、速やかに御賛同くださいますようお願い申し上げます。
○委員長(浅尾慶一郎君) 以上で趣旨説明及び衆議院における修正部分の説明の聴取は終わりました。
本案に対する質疑は後日に譲ることとし、午後一時まで休憩いたします。
午後零時二十分休憩
─────・─────
午後一時開会
○委員長(浅尾慶一郎君) ただいまから財政金融委員会を再開いたします。
委員の異動について御報告いたします。
本日、峰崎直樹君が委員を辞任され、その補欠として松岡徹君が選任されました。
─────────────
○委員長(浅尾慶一郎君) 財政及び金融等に関する調査のうち、証券市場をめぐる諸問題に関する件を議題といたします。
本日は、本件の調査のため、参考人として株式会社産業再生機構代表取締役社長斉藤惇君、株式会社東京証券取引所代表取締役社長鶴島琢夫君及び日本公認会計士協会会長藤沼亜起君、以上三名の方々に御出席いただいております。
この際、参考人の方々に一言ごあいさつ申し上げます。
参考人の皆様におかれましては、御多忙のところ本委員会に御出席をいただき、誠にありがとうございます。
本委員会におきましては財政及び金融等に関する調査を進めておりますが、本日は特に参考人の皆様から証券市場をめぐる諸問題に関する件について御意見を伺いまして、今後の調査の参考にしたいと存じますので、どうぞよろしくお願いいたします。
これより参考人に対する質疑に入ります。
質疑時間が限られておりますので、簡潔に御答弁いただくようお願い申し上げます。
また、御発言の際は、その都度、委員長の許可を得ることとなっておりますので、御承知おき願いたいと存じます。
なお、参考人及び質疑者ともに御発言は着席のままで結構でございます。
それでは、質疑のある方は順次御発言願います。
○山下英利君 自由民主党の山下英利でございます。座ったままで失礼をいたします。
本日は、三名の参考人の皆さん、この財政金融委員会、お越しをいただきましてありがとうございました。そしてまた、事前の予定と変わって午後になったということに対しまして、御協力に対して改めて感謝を申し上げたいと思います。本当にありがとうございます。
本日の参考人の皆様方からは意見陳述なしで御質問という形になっておりますので、三人の皆様からそれぞれの立場からの御発言をいただきたいなと思っていることが私はございます。
なお、本日は午前中に会社法の合同審査というのを我々やりました。今、会社法の改正というのが議案としてかかっております。そして、さらに、この当委員会でもこれから証券取引法の一部改正という形で、正に資本市場をめぐる法制度、これの改正ということがどんどんと進んでいくと。そういう中にあって、それぞれのお立場でどのように市場に対して対応されていくのかということについて私はお聞きしたいと思います。
まず、よく言われることであります、特に今年、ライブドア、フジテレビの買収劇のときに盛んに言われていた言葉の中に、会社というのはだれのものなんだという言葉がよく出てまいりました。もちろん、法制度上はそういった規定はございます。しかしながら、本当に、現場にいて、会社とはだれのものか、それを考えながらどこに軸足を置いていくのかということは、それぞれの役割分担を果たす上で大変重要なことではないかなと、私はそのように考えております。
例えば、株主のものである、あるいは従業員のものだ、あるいは債権者のものだというようなことで、いろいろ言われている中で、三人の参考人の皆様方それぞれが、会社というのはだれのものだというふうなところ、お考えとともに、そしてそれぞれの仕事の中で、その考えに基づいて仕事というものをどのように位置付けられているか、それについてお話を伺いたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
○委員長(浅尾慶一郎君) じゃ、それぞれお答え願いたいと思いますが、斉藤参考人からお願いいたします。
○参考人(斉藤惇君) それでは、私なりの機構の仕事を通した立場から意見として述べさせていただきたいと思います。
先生まさしく御指摘のとおり、ステークホルダー四グループ、経営者、従業員、そして債権者、そして株主というふうな構成で会社というのはできていると思います。機構の場合、当然旧株主に対しましては大幅減資あるいは一〇〇%の減資というふうな形で責任を問う。つまり、会社は株主のものであるということをある程度認知した上でのオペレーションをやっております。法的にもそれは否めないことだとは思います。
ただ、では株主だけのものであるかというふうな問題になると、株主も二種類あると思います。一つは、非常に増資、あるいは企業のスタート時点から株を持たれる長期的な本当の投資家といいますか、オーナー的な投資家、アメリカでいえばバフェットさんとか、そういうのが一応話題になっているかと思います。ただ、一方では、非常に短期的に持ってマネープレーをする投資家、これも投資家であります。市場で株を買って一か月後には売るというのも投資家である。
これが全く同じ位置付けであるかというと、私は経験的には非常に疑問を持っておりますし、先生御案内のとおり、一九九〇年代、アメリカが経済回復いたしました一番の大きなポイントは、公的年金、カリフォルニアや、あるいは大学の先生あるいは普通の先生方の年金がリスク資本を投入したと。彼らがいわゆる企業のオーナーシップを発揮して、モニターを厳しくして、結果的には自分たちの年金運用のリターンを上げたということで、会社もきれいになったし、厳しい試練を受けたし、それから年金の方もそれを通してハイリターンを得たというような、これがアメリカの二〇〇〇年に至る発展の大原動力になっているわけでありまして、そういう意味では、短期売買者については私は必ずしもこの方々の会社はものであるというのはいかがなものかというふうにも思います。
ただ、一つだけ最後に申しますと、じゃ、といって、持ち合いに戻るということ、これはやはり異常な事態であって、甘えの構造に戻るだけでありますので、株式の同業者間の持ち合いですとか、それだけはやはり避けなきゃいけないと、こういうふうに思っております。
○参考人(鶴島琢夫君) 初めに先生から御指摘のありましたように、法律の建前、商法の今の枠組みからいえば、確かに株式会社は株主のものであると言わざるを得ないかと思います。しかしながら、現実の会社というのは株主だけで成り立っているわけではございません。言われますように、従業員、顧客その他、多くのステークホルダーとのかかわりを持ちながら、かつ社会的な役割、責任というものを果たしながら行動しているのが会社だというふうに思います。したがいまして、そういう意味で、単に法律的に株主のものであるという視点からだけで見るのはやや狭過ぎるのではないかと思います。
私ども証券取引所として、会社、特に上場会社とのかかわりで申しますと、従来、今も御指摘のありました持ち合い構造というものを前提として、ややもすれば株主に対して重点が置かれない経営が行われていた。この株主というのは広く一般株主というふうにとらえていただいて結構ですけれども、そういう意味から、私どもは上場会社に対して常に株主に顔を向けた経営政策なり収益還元政策を取ってほしいということを言い続けてまいりました。これは、軽視をされているがゆえにもう少し目を向けてほしいという意味でいろいろなメッセージを発してきたということでございます。
○参考人(藤沼亜起君) 私どもは、公認会計士として、正確な財務情報、企業情報が市場に出て、それによって信頼をして投資行動、あるいはいろんな重要な意思決定をするということでありますので、そういう財務情報の信頼性を担保するという立場で、当然ながら株主にはきちっとした情報を提供しなくてはいけない、それが第一だと思います。
確かに、法律的には、先ほどの参考人の方のお話のように株主第一ということになるとは思いますけれども、私どもの職責はパブリックインタレストの保護というふうに言われておりますので、我々は単に株主だけではなしに、債権者、企業の顧客、あるいは購入業者、あるいは従業員、ひいては国、これは税金という関係から、地方自治体等、広範な利害集団がいるわけですから、そこに対しても企業は責任を負っていると。
最近、御承知のように、CSR、企業の社会的責任というものが非常に多く言われておりますし、そこでは企業のステークホルダーに対して企業がそれぞれ答えを出していかなくちゃいけない、回答を出さなくてはいけないということでありますので、そういう面では、株主も当然ながら第一の利害関係者ですけれども、その他のステークホルダーについても配慮すべきであるというふうに思っております。
○山下英利君 ありがとうございます。
今お聞きしておりますと、やはり単に株主だけというところから、実態面においては会社というのはだれのものでもないという部分が浮かび上がってくるのではないかなと、そういうふうに思っています。ということは、一番大事なことは、その会社というものがやはりそれぞれの利害関係者から客観的にきちんと理解される、いわゆる透明性が担保されるということが大変大事なことではないかなというふうに私は思っております。
その中で、やはり最近法改正が進む中では、やはり資本市場を活性化させるためにディスクロージャー、これを進めていく。そして同時に、監視体制も強化していく。ディスクロージャーを進めていく中においてはルールの厳格な運用と同時にコーポレートガバナンス、いわゆる企業統治、これの在り方についても大いに議論をされているわけであります。
そこで、鶴島社長にお聞きをしたいんですけれども、株式会社である東京証券取引所、これの上場というふうなこともいろいろ新聞等で言われているわけですけれども、そういったときに、株式会社である証券所がルールを作って、しかも今度は監視の方へ力を入れていくと。もちろん、取引所としては広く会員をやはり集めていかなければいけない。ここにおいて利益の相反があるんではないかというようなことを言われておりますけれども、この辺についてのお考え、どうですか。
○参考人(鶴島琢夫君) 東京証券取引所というか、証券取引所は、先生方御承知のように、証取法上に、内閣総理大臣の免許を受けて、そして成立をする会社でございます。その免許の条件として、いろいろな公共的な役割というものが法律上も埋め込まれております。証取法上は定款あるいは業務規程、こういうものを定めて、そして基本的な目的として証券市場の公正な運営、公益及び投資者保護に資する、こうした運営をしなければならないという目的が定められております。その上に立って、もろもろの制度の制定、そしてそれの運用、そしてそれのチェック、あるいは違反をすればそれに対する処分等々がきちんと行うことが義務付けられております。
したがって、株式会社組織ではありますけれども、公共財としての証券市場を運営する上で必要な枠組みというのは法的にも整えられておりますし、それから発行会社との関係でいいますと、上場契約ということで取引所と上場会社が契約関係に立って上場をするということになっておりまして、その契約書の中で法令を遵守する、取引所の規則を遵守すると。そこで定められている違反行為に対しては罰則を受けることもその契約書の中できちんとうたっております。それから、取引参加者も同じように、昔は会員組織でしたから会員との関係は契約関係ではございませんでしたけれども、今は取引参加者ということで、参加者との関係もそうした契約の中できちんと縛りが入っております。
したがって、逆に言えば、私どもは、そうした法律に基づく与えられた権限を、いわゆる自主規制機能ですね、これをしっかりと果たしていくことによって公正な市場の運営ができる、またそれをやらなければならないと。したがって、今の御質問ですが、株式会社ではあっても十分そうした機能を果たしていけると私どもは認識をしております。
○山下英利君 もう時間が来てしまったんで、本当に私の質問これで終わらなきゃいけないんですけれども、最後になりますけれども、株式会社といっても、そこで上場という形になるとまたこれ責任も変わってくると。それから、手数料をもらう場合におけるその手数料というのはだれからもらっているのかというところでの線引きが非常に大事になってくると思いますので、その話についてはまた機会があったときにお伺いをさせていただきたいと思いますんで、今日はどうもありがとうございました。
これで私は終わります。
○大塚耕平君 民主党・新緑風会の大塚でございます。
今日は本当にお忙しいところ、お三方、おいでいただきましてありがとうございます。
また、御承知のとおり、国会は今総理大臣の号令一下、クールビズでございまして、ちょっとノーネクタイで大変恐縮でございますが、よろしくお願いいたします。
まず斉藤社長にお伺いをしたいんですが、当委員会では先般カネボウの件でも議論が行われたわけでございますが、カネボウの経営実態が明らかになったこと自体は、これは、産業再生機構がカネボウを言わば引き受けられて、新しい経営陣が真摯に対応した結果であるということで大変私どもも評価を申し上げているところなんですが、ただ、先般その事実が明らかになった直後に、言わば上場維持について産業再生機構としてペーパーをお出しになって見解を述べられておるわけですが、その後の展開は御承知のとおりですので、改めてそのときのことを振り返ってみて、ああいうステートメントをお出しになったことが適切であったかどうかについて御見解をお伺いしたいと思います。
○参考人(斉藤惇君) お答えいたします。
今ちょうど山下先生の方から会社は株主のものかという御質問がありました。法的には株主のものであるということになっております。
で、カネボウの粉飾はどの時点で行われたかと申しますと、相当前に行われて、その株主に対しましては、機構の支援決定時におきまして、資本金三百三十一億円をわずか一億円に減資するという、ある意味の株主に対する罰を既に与えておりました。そして、機構が新しい株主として五一%を持って現れた、そして大きな債権者として現れた。つまり、カネボウという会社のいわゆる所有者が全く替わってしまっていたわけであります。で、我々は、支援のオペレーション自体は非常に順調に着実に進んでおりまして、なおかつそれでも過去をきれいにディスクローズすべきであるという考えで東証さんへ事実をお伝えに行ったと。
我々の感覚では、過去の株主の下で起きた粉飾である。そのことは、過去の株主に対しては既に一回の処罰行為が行われ、全く違う株主、債権者が持った。しかも、コンプライアンスですとか、経理担当者等々は全部外から連れてくるとか、内部告発制度を導入するとか、全く違う会社に変えてしまっているわけでありまして、それが新しい株主の下で市場で取引されていた。そういう状況で、上場廃止というルールそのものが、そうでない場合と同様に、形式的に同様に適用されるのかどうかというのは、当然我々は、国民の、政府保証のお金を使って、最大の株主、最大の債権者という立場で、できるだけ毀損のないようにしながら支援をしている立場からいいますと、機構自身の考え方を東証さんにお伝えするということは必要な対応であったと私どもは今でも思っております。
ただ、強調しておきたいことは、むしろ粉飾など絶対許さない、そんなことがあっていいはずがないという、何でこんなものが堂々と東証に上場されていたんだというむしろ問題点を出したということなんです、はっきり言いますと。
それで、機構を何か特別に扱ってほしいとか、そういう立場で物を申し上げたわけではなくて、後の問題にあるのかもしれませんけれども、機構、いずれにしても二、三年でなくなっていくわけでありまして、この再生業務というのは恐らく民間ベースでどんどん行われなきゃいけない。そういうときに、ルールがはっきりしないままに再生プランを作るということは不可能であります。結果論、後で解釈されてジャッジされる、ディリストされる、上場廃止されるというようなことが繰り返されたんでは再生ということはできません。したがって、その辺をどういうお考えをお持ちかということをただ我々としては問題提起をしたということと、我々の意見をお伝えしたというだけであります。
○大塚耕平君 お手元にもし数字があれば教えていただきたいんですが、たしか四十一社、機構として引き受けられて、上場企業はその中に何社ございますか。
○参考人(斉藤惇君) 九社でございます。先生御存じのとおり、その中で大阪に上場しておりましたマツヤデンキは上場廃止にいたしました。
○大塚耕平君 ありがとうございます。
私が申し上げたいのは、斉藤社長を始め機構で御尽力いただいている、ないしはいただいた皆さんは当事者であられますので、いろんな使命感を持ってやっておられると思うんですが、さりながら、世間一般では、企業再生を担う破綻法制も、民事再生法、改正会社更生法も含めて整備されていますし、それから商法に基づく清算等も、その過程でMアンドAが行われたり、様々な言わば制度整備が行われ、かつ私的整理に関するガイドラインなどもあって、いろいろ体制が整備されている中で、さらに、言わば法的強制力はないんだけれども完全な私的な再生メカニズムでもない産業再生機構という非常に分かりにくい組織ができて、例えば、機構が引き受けられた四十一社と同業者の皆さんの中には、なぜあの会社だけがそういう処理を許され、なぜ自分たちは駄目なのかということについていろいろ疑問を持っておられる方もいらっしゃるわけですね。
加えて、この上場の問題も、今社長は再生プランにかける企業が繰り返し上場に関して不安定な立場に置かれると再生計画は作れないという趣旨のことをおっしゃられたと思うんですが、九社しかないわけですよね。極めてレアケースなわけでありますから、これが例えば何百社も機構が引き受けておられて、確かに上場企業がその中に五十社、百社とあれば今の御主張も理解できるところではありますが、元々、先ほど申し上げました機構が携わっておられる企業以外の企業の皆さんの思いや、あるいは機構が引き受けられた中で上場企業は極めて少ないということを考えると、一〇〇%国が株主である、国民から見るとほぼ政府の下部組織である産業再生機構が上場の件について先般のような見解表明をされるということは、私は個人的には適切ではないと思っております。
そういう意味で、今後更にあと数社の上場企業の再生を手掛けられるわけですが、同じような、ないしは似たような環境に置かれるような事態になったときに、再び同様に上場に関して速やかに意見を出すという行動を取られるかどうかについてお考えをお伺いしたいと思います。
○参考人(斉藤惇君) 御案内のとおり、資本主義社会で事業を起こす人、経営をやる人というのは、ある意味では非常に英雄視されるぐらい、そういうことによって資本主義社会がプロモートされていくという中で、当然御案内のように事業の失敗というのは伴います。アメリカで恐らく二十年単位でトップ百社を並べればがらりと変わっていくような状況で、日本の方がむしろ珍しくてですね。したがって、事業の失敗、再生というのは資本主義社会にとっては伴うものでありまして、このシステム、スキームというものは一つの思想の下で整理されていなければならないというふうに思います。
我々は一つ、先生がポイントアウトされました、なぜ同業者の中でも一社とか二社が救済されるんだとか支援の対象になるんだということですが、これはほかの委員会などでも私何度も申し上げておりますが、我々は企業を絶対に支援対象にしようとはしておりません。産業再生機構でありまして、事業をどうして守るか、したがって会社が犠牲になっても事業を生かすとか、結果として従業員が生きるというようなことをやっております。
例えばカネボウという単独会社を何とかして支援しようとか救済しようとしたことよりも、ここに働く万人以上の人間、関係事業者、そして日本にある特殊な技術、染色の技術ですとかあるいは化粧品の技術とかいうものをどうやったら整理して強い産業として再生できる、たまたまそれがカネボウという器を使っていたということでありまして、マツヤデンキの例をごらんになりましたとおり、マツヤデンキ、会社そのものは消えてしまっております。恐らく、今名前も変えたというふうに聞いておりますけれども、そのくらいの哲学を持って我々やっておりまして、御案内のように、アメリカでは法的整理のシステムの中にかなり日本で言われるところの私的整理的な、例えばDIPファイナンスですとか、そういうものが法的整理の中に入っている。したがって、株主はまず最初にシニアデットが、いろいろ債権放棄させる前に、一番最初に当然パニッシュを受けるということでゼロになるというふうに法律的になっています。
日本でも法律的にはそうです。しかし、日本の場合は法律的にやると非常に一般商事債権が傷むとか時間が掛かるとかありまして、産業再生機構というのが一時的に臨時的につくられたんだと思いますけれども、法律が十分に、日本の商法では、上場会社の株主の価値をゼロにするということは全株主の賛成が必要ですからほとんど不可能であります。したがって、我々は、カネボウの場合は九九・七%の減資というような形を取ったわけでありまして、そういうことでいいますと、我々が常に考えておきたいのは、ルールを、再生に関するルールは明確にしておいてもらいたい、そうでないと社会が動かないということであります。
○大塚耕平君 分かりました。
ルールを明確にするということについては、私どもも金融市場にかかわる分野をお預かりする委員会として今の御意見に沿うような努力をしますので、最後に端的にもう一度お伺いしたいんですけど、ルール整備は我々も努力します。しかし、今後、東証の上場に関して、産業再生機構があのような形で意見を出すということを繰り返しお考えになっているかどうかだけ端的にお答えいただきたいんですが。
○参考人(斉藤惇君) 仮定の話なんでよく分かりませんし、どういうケースが今ちょっと残っているか。上場会社、ほとんどもうスポンサーが付いている、カネボウ以外は付いているのではないかと思いますので、そういうケースは非常に少ないと思いますが、ただ、先生、我々は国民にも毀損を与えてはいけないと。一事業のために結果的に納税者のお金を傷めるということもできないわけでありまして、株主として、あるいは債権者としての立場というのもある。そういう意味で株式会社産業再生機構になっているということでありますので、その場になってどういう態度を取るのか、今ちょっと明言はできませんけど。
○大塚耕平君 国民を代表しておられるというロジックで語っておられますけれども、一〇〇%国が株主が産業再生機構であり、ここは国民の代表の議会ですから、そこは、あと残りマツヤ除いて七社ですから冷静に対応していただきたいと思いますけれども。もちろん今は私の個人の意見を申し上げておりますが、しかし国権の最高機関たる国会でそういう意見を受けているということに関しては真摯に受け止めていただかないと。産業再生機構は治外法権だということでは困りますし、いろいろ政治銘柄を引き受けておられるのは巷間よく言われている話ですから、出なくてもいい話が出ることのないように、そこは冷静に御対応をいただきたいなというふうに思います。それだけお願いをしておきます。
○参考人(斉藤惇君) よく分かりました。
○大塚耕平君 次に、鶴島社長にお伺いいたします。
今、上場の話がいろいろ出ましたけれども、東京証券取引所の自主規制機能ですね、上場を認めるあるいは上場を廃止するということに関して巷間いろいろにぎわしておりますけれども、そもそも自主規制機能は何かということについてかいつまんで御説明をいただければと思います。
○参考人(鶴島琢夫君) 一言で申しますと、前回、私ここに参考人として呼ばれたときに、大塚先生からも同様の御意見をちょうだいいたしまして、そのときにもたしかお答えしたと思うんですが、一言で言うと市場運営者が市場を運営するに当たって、品質管理機能、これをきちんと果たしていく、これが一口で言えば自主規制機能であると、こういうふうに考えております。
実際の業務というのは、自主規制機能に基づく自主規制業務というのは一体どういうものがあるんだと、こういうことにつきましては、先ほどちょっと触れましたけれども、証券取引所というのは免許を受けてその目的を果たすために設立をされております。そこで、定款ではこういうことを定めなさい、業務規程ではこういうことを定めなさい、例えば業務規程でいいますと、売買のやり方、あるいは上場及び上場廃止に関すること、あるいは決済のやり方、こういうものを業務規程できちんと定めて、そしてこれは当然のことながら行政官庁の認可を得る規則でございます。
で、この規則を制定し、先ほど言いましたように、それを施行をし、ウオッチングをし、そして不適正があればそれに対する処置、処分を行っていく、これが一連の具体的な自主規制業務の中身であると、こういうふうに私どもは考えております。
したがいまして、市場運営を行う上で、公正かつ、先ほどもちょっと申しましたけれども、公益又は投資者保護に資する市場運営をするためには市場運営上不可欠の機能であるというふうに基本的な認識を持っております。
○大塚耕平君 私も時々これいただきましたんで見ているんですけれども、上場審査ないしは上場廃止に関する審査というのは、これはちょっと抽象的な言葉ですが、実質審査ですか、それとも形式審査ですか。
つまり、例えば三年間連続して赤字だったら上場廃止とかですね、そういう形式的な事象を審査するのか。それとも、その企業が上場に足るかどうかという財務内容を含めた実質的な評価をするのか。これはどちらでしょうか。
○参考人(鶴島琢夫君) これは、今先生がおっしゃられたように、廃止基準というものは、その廃止による影響というのは投資家を始め大変大きな影響を持つということから、こういう場合には上場廃止になりますと、できるだけ具体的に列挙主義を取っております。今、一号から十六号までが具体的な基準になっております。そして最後に、そうはいってもいろんなケースが出てまいりますので、バスケット条項的に、投資者保護の観点から、公益又は投資者保護の観点から上場を継続することが適当でないというものに対しては、そういうものもバスケット条項としてつかまえられるような、そういう体系になっております。
したがって、今おっしゃられるように、具体的な数値でもうはっきりしているもの、例えば債務超過が二年続いたら廃止になりますとか、それから分布状況がこうこうこういう状況になったら、例えば少数特定者持ち株比率が九〇%になったらこれは廃止をしますとか、はっきりともう定量的に議論の余地がない決め方をしてあるものはそこですぱっとそれで廃止が決まります。
ただ、若干、その重大性について審議をする、つまり実質的な部分、これが残っているものがあります。これは例えば虚偽記載あるいは不実記載、不適正な開示、これはいろんなパターンがございます。例えば粉飾でも、物すごく大きなものからほんの小さい、それも意図的なのかあるいは事務ミス的なものなのか、いろんなケースがございます。したがって、虚偽記載等についてはその重大性を判定をして上場廃止か否かを決めると。そこではやっぱり実質的な審議が入るということであります。
できるだけ我々も、そうした重大性とかあるいは審査をする余地のあるものについてできるだけ透明性を持ってガイドライン的なものを作ろうと努力はしております。ただ、なかなか、いろいろなケースがあって、全部ぴたっとするようなガイドラインがなかなかできにくいと。したがって、いろいろなケースの積み重ねの上で、判例的なものとしてできるだけそういうものが透明性を持ち、納得性が持たれるようなものにしていく努力をしていかなければならないというふうに考えております。
それから、上場審査の方ですけれども、これも定量的な審査基準というのは幾つかあそこにずらっと並んでおります。これは全部クリアをしなければ上場にはなりません。ただ、その上で、やはり我々はその企業の実態をある程度調べさせてもらいます。その実態も、例えば財務内容については公認会計士という専門的な職業の方がある程度の時間と労力を掛けて中身を見て、そして監査意見として適正であると、こういう判断を監査意見で出してまいります。それを前提に、財務内容についてはそれが正しいということを前提に我々は財務の内容については審査に入ると。ただし、そのときでも、その公認会計士の方々には、この財務の監査をするに当たってどういう点に留意されましたかとか、あるいは何か問題がありましたかとか、問題があったとすれば、それはどう解決されましたかとかいう、その一つ一つの伝票の突き合わせは我々能力的にも時間的にもそれはできませんので、そうした公認会計士が監査をしたその内容について公認会計士とは面談をして確認をさせていただくと。
それから、会社については、その会社の中できちんとした経理処理体制ができているか、あるいはディスクロージャー体制ができているのか、それからある特定の人に権力が集中をしてしまってガバナンスとして適当でないというようなことがないかどうかとか、そういうことについては実質的な審査をするという形で、できる限り投資物件の適格性、多くの投資家の対象となる適格性ということを可能な限り見ていくという姿勢で当たっております。
○大塚耕平君 大分たっぷり御見解をお伺いしましたので、この後、是非手短に掛け合いをさせていただきたいと思うんですが。
今のお話承ると、要は形式審査の部分もあれば実質審査の部分もあるというふうに言っておられるようなんですが、まずその財務内容については、入口の部分ではしかし公認会計士や監査法人の皆さんの適正意見を踏まえてやるとおっしゃっておられますので、ということは、入口においては監査法人と同様の能力があるという前提で実質審査機能もあると言っておられるのか、入口は、いや、そうではなくて、単に監査法人の適正意見があれば、それを踏まえて形式的に審査すると言っておられるのかというのが質問の一点。
もう一点は、最後の方で、例えばガバナンスの体制とかについても、権力が集中してちゃんとガバナンスが行われない体制になっていないかとかというふうにおっしゃいましたが、それを東証がチェックするというのは、例えば西武グループの堤前会長がああいう状態になっていたかどうかということをチェックするということと同じことを言っておられるわけですから、果たしてそれが可能かどうかということなんですが、これが二点目です。端的にお答えいただきたいと思います。
○参考人(鶴島琢夫君) 財務内容の監査については、やはり入口のところでは、あるいは継続開示の場合もそうですけれども、専門的な職業として公認会計士という方がそこを当たっているわけですから、それを一義的にはベースにして審査をするということであります。
それから、ガバナンスの問題については、例えば社内の経理規則、稟議規則というようなものがきちんと、例えば経理処理をする場合にどんぶり勘定になるようなおそれがないかとか、それから一人だけに権力が集中しちゃって社内の稟議規定等々が全く整っていないといったようなことは、上場をして多くの投資者の対象になる会社としてはできる限りそういう状況は取り除いていくべきだということであります。
○大塚耕平君 特に二番目の点について更にお伺いしますが、もしそのようにいい意味で高邁な上場企業に対する、会員企業に対する御指導をされるということは、東証自身も相当高潔でなければならないと、こう思うわけですが、例えば今上場問題が、東証さん御自身の上場問題が話題になっておりますけれども、先般、三月末には役員の皆さんが持っておられた東証株を手放されて、社員持ち株会に売り渡したというふうに報道されておりますが、そうすると、例えば欧米の他の証券取引所で上場している先で、その取引所の社員が社員持ち株会なるものを持って自社株を持っているケースというのはほかにございますか。これは実は金融庁に聞いたら分からないと言っていたものですから、もし御存じであれば。
○参考人(鶴島琢夫君) 私どももその点について調べてみました。全部が全部分かったわけではありませんが、一般的に欧米の取引所もいわゆる従業員持ち株という制度、社員の福祉のためにそういう制度を一般的に取っているという報告を事務局から受けております。
○大塚耕平君 分かりました。じゃ、それは是非、一度勉強させていただきたいので、情報をいただきたいと思いますが、私の個人的な意見としては、やはり東証が、先ほど社長がおっしゃられたような実質審査機能、しかも企業倫理を問うような、そういうところまで踏み込まれた実質審査機能を維持されるのであるならば、相当御自身の、東京証券取引所自身の企業倫理についてしっかりと立て直していただく必要があるなと思っております。したがって、欧米の市場が同様の制度があるからといって東京証券取引所もそれでいいのかということには必ずしもならないような気がしておりますので、是非そこはしっかり御検討いただきたいと思います。
その点についてはいかがですか。今後御検討の余地はありますか。まあ、最終的にどうなるかは別にして。
○参考人(鶴島琢夫君) 基本的に東証自身が居ずまいを正す、そしてきっちり投資家や関係者あるいは広く社会一般から信頼をされる組織になる、これは全くおっしゃられるとおりで、私どももそこは十分にあらゆる点で気を付けてまいりたい、十分注意をしてまいりたいというふうに思います。
○大塚耕平君 東証自身が上場されること自体がいいか悪いかという問題もあるんですけれども、仮に予定どおり上場されることになった場合に、例えば現在取締役や監査役に名前を連ねておられる方が所属しておられるような証券会社が幹事社になるというようなことはないですよね。
○参考人(鶴島琢夫君) 東証の幹事社ということですか。──はい、これは昨年の暮れに幹事証券の選定を行いました。これはコンペ方式でやりましたけれども、そのときに、日本の大手、野村、大和、日興グループ、この大手三社を幹事証券として、共同幹事ということで選任をいたしました。
おっしゃるように、私どもの今社外取締役の中には野村ホールディングスの氏家氏が社外取締役としております。したがって、そういう意味では社外取締役の属するといいますか、関係する野村証券が幹事証券に入っているという事実はございます。ただ、この決定に当たっては取締役会で決議をいたしましたが、この決議の際には氏家取締役には退席をしていただいて、その妥当性について決定をしたという経緯はございます。
○大塚耕平君 いや、つまり私が是非期待をしたい、東証さんに頑張っていただきたいと思うのは、例えば今の問題もこういうふうにお伺いすると、それだけ社長が言葉を尽くさないと公正に幹事社を決めたということが分からないようなガバナンス体制にすることなく、何しろ日本の上場企業の企業倫理、コンプライアンスまで問おうとしているわけですから、もう一々説明しなくてもいいぐらいに高潔なガバナンス体制にされるべき組織ではないかということを申し上げているわけです。例えば、ほかの社外取締役でも会員企業の役員の方々いますね、トヨタの奥田さんも入っておられるわけですよ。もちろん皆さん立派な方ですから変なことはしないと思いますけれども、説明が必要になるようなガバナンス体制を東証自身が維持をしていて、それでかつ会員企業に先ほどおっしゃったようなガバナンスのありようを問えるかというと、私が問われる立場になれば、それはちょっと本末転倒ではないですかと言いたくなるのが正直なところであります。
そういう意味では、実は今日も午前中会社法制の現代化ということで三委員会の合同審議があって、私、その場で、日本の会社法制は商法、証取法、税法のトライアングル体制で云々ということを取り上げさせていただいたんですが、アメリカでもファイブローズといって州法とかそれから会計基準とか含めて、制度という意味での会社法制も含めたこれを規定するものは、日本で言うところのトライアングルに加えて、取引所の規則とそれから会計基準というこの二つが加わって、向こうがファイブローズと言うぐらいですから、日本でもペンタゴン体制に私はなってきているんじゃないかと思うんですね。そういうふうに考えると、本当に大事なんです、東京証券取引所は。
例えば、あの大証は、今、村上さんの問題で新聞をにぎわしておりますけれども、結局、村上さんとの話を建設的な方向に進めるという意味で違約損失準備金を取り崩したというふうに聞いておりますけれども、これなどは、違約損失準備金を取り崩してMアンドAに対抗するというのは、証券取引所の本来の使命と株式会社たる証券取引所の本能とを混同した対応ではないかというふうに私は思っていて、大変危惧をしているんですが、そういう意味で東証御自身は違約損失準備金というのは今どのぐらいお持ちになっておられますか。
○参考人(鶴島琢夫君) 違約損失補償準備金、これは額だけ申しますと百七十億前後だったと思います。これは、今、大証でそれを取り崩したという委員の御指摘がございましたが、それを取り崩したかどうかは私はちょっと確認が取れておりません。
この違約損失準備金というのは歴史がありまして、各取引所が決済を自分でやっていたときに、その決済を確保するために、そのときのメンバーが出来高に応じて準備金を積んだんですね。そして、万が一の場合にはそれを補てんしようということで積んだわけです。
ところが、現在は日本クリアリング機構という統一的な清算機構ができまして、ここでこの決済の安全性を確保しようと、こういう仕組みになっております。ところが、このクリアリング機構というのはまだできたばっかりですから、それの、自分自身でその補てんをするだけの準備金の積立てはまだありません。これを例えば保険で手当てをするとか、いろんな方法もあるんですけれども、まだその手当てが付いていない状況の中で、過渡的な知恵として、各取引所が決済のために積んだこの準備金を、万が一そのクリアリング機構でデフォルトが起きた場合にはそれを補てんしましょうという契約で今結んでいるわけです。だから、過渡的な措置だというふうに御理解をいただければと思います。
○大塚耕平君 いや、それはよく分かります。私が申し上げたいのは、上場すると、また東証さんのそういうキャッシュもMアンドAを仕掛ける側からすると非常に魅力的ですし、そのときに上場企業としての本能、そして証券取引所として会員企業に、例えばこういう準備金も含めて、どのようにこれを使っていくべきかということについて、どうしても矛盾した側面が出てきますので、慎重の上にも慎重に御対応いただきたいという趣旨であります。
最後に私の希望を申し上げますけれども、私はやはり上場はされるべきではないと思っています。もしされるならば、自主規制機能は切り離されるべきではないかなと。それは、やはりそれを維持したまま上場企業としてガバナンスをしていくということはなかなか難しい側面があるからだと思っているわけであります。
更に申し上げれば、本当は、上場もせず、かつ、それでも自主規制機能を切り離して、いわばインフラをつかさどる証券取引所と自主規制機能を運営する新たな組織というものをつくっていきませんと、何やら昨今の情勢を見ておりますと、また金融庁からかき回される可能性もありますので、まあ冷静な御対応をしていただきたいなということを希望として申し上げておきます。
ありがとうございます。
最後に、藤沼公認会計士協会会長にお伺いをしたいんですが、今の証券取引所の実質審査機能ともかかわりがあるんですが、企業のゴーイングコンサーンを、あるいはその財務内容をきっちり見極めるというのは本当に難しいことだと思っていて、監査法人の皆さんでも難しくてなかなかできないことを果たして証券取引所ができるんだろうかという問題意識を若干持っていまして、先ほど入口のところでは実質審査機能は監査法人の監査結果を踏まえてというふうにおっしゃいましたけれども、監査法人や公認会計士協会の皆さんがゴーイングコンサーンを見極めるということがいかに難しいかということについて御見解をお伺いして、私の質問を終わらせていただきます。
○参考人(藤沼亜起君) ゴーイングコンサーンの監査基準と言いますのは、会社として企業が継続するかどうか、そういうことで、もし継続するということが分かっておれば、会社は別に清算価値で財務諸表を評価するということではなしに、継続企業の簿価ベースで基本的に会社の帳簿書類を維持することができて、財務諸表もそれを表示するということになるわけですけれども。
実は、これは、この監査基準は平成十四年にできまして、そこで大きな監査基準の改正がありまして、これは国際化を意識して改善したわけですけれども、そこで二重責任という原則を導入したわけです。それは、これは言わずもがななことなんですけれども、財務諸表の作成は企業の経営者の責任である、監査人の責任はその企業の経営者が作成した財務諸表が正しいかどうかを監査意見として証明するのが監査人の責任であると、こういうふうに書かれたわけですけれども。
そこで、ゴーイングコンサーンなんですけれども、ゴーイングコンサーンも全く同じことでございまして、よく会社を監査人がつぶしたというふうに言われますけれども、ゴーイングコンサーンについても、やはり経営者が、例えば売上高が急に減ってきたとか、あるいはいわゆる資本欠損の状態になった、あるいは借入れの返済ができそうもないとか多額な訴訟を受けたとか、そういうようないわゆるそのゴーイングコンサーンについて前提がかなり怪しくなった、懐疑が出てきたものについては、まず経営者自身が継続企業ベースで財務諸表を作れるかどうか記述してほしいと、こういうことを言っているわけですね。監査人はその記述が正しいかどうかを判断しますよという、こういう二重責任の原則でやっておるわけです。
それで、じゃ監査人がそれができるかどうかということなんですけれども、それについては我々もかなり海外からのいろんなデータとかあるいは会計士協会でもいろんなガイドライン、実務指針等を出しておりまして、企業継続に疑いのある状態の場合にはこういうケースを言うんだよとか、そういう形でやっておりますので、会計士は企業の存続可能性が経営者のその自らの評価が正しいのかどうかということについてはそれなりに判断できるのではないかというふうに思っております。
○大塚耕平君 ありがとうございました。
○西田実仁君 公明党の西田実仁でございます。今日は、お三方、大変にありがとうございます。
まず、最近の様々な企業不祥事に関しまして、今日御出席いただきました皆様方の機関並びに組織の役割がいろいろと変わってきている、その過程なんだろうなというようなことを思っておりまして、しかしながら一般論とかしても仕方ありませんので、具体的にカネボウの例を引きながら、それぞれの役割がどういう変貌の過程にあり、またどういう役割を今後担っていくのかということに関しまして確認をさせていただければと思います。
まず初め、産業再生機構さん、機構さんに関しましては、六月六日の日に第三者割当て増資、カネボウ化粧品を引受先とする第三者割当て増資、総額二百億円がなされたわけでございますけれども、このカネボウの経営再建スキームそのものについてまずお聞きしたいと思います。
時間に限りがありますので端的に申し上げますと、今回の第三者割当て増資によりまして、機構はカネボウに対して議決権保有比率が三一・九%、そしてカネボウ化粧品が第一位の株主になって三七・九%、機構はカネボウ化粧品に八六%と、こういうことでございます。
ちょうど一年前になりますけれども、二〇〇四年の五月に、機構の再建スキームはそもそもカネボウ化粧品とカネボウ、それは繊維及びその他というふうに分けているわけですけれども、カネボウとカネボウ化粧品を分離して再建をするというスキームでたしか始まったわけなんですよね。ところが、今回、第三者割当て増資によりまして、実は分離してそれぞれを再建していくというスキームが私から見るともう既に破綻してしまったんではないかというふうに思えてならないわけなんです。というのは、正にカネボウ化粧品に収益の貢献を大いに期待するというこの再建スキームに今回の第三者割当て増資によりまして変質してきているのではないかというふうに思っております。
元々証券市場では、このカネボウグループにつきましては化粧品が稼ぎ頭であるということは随分言われていましたし、それによって厳しい財務体質を糊塗してきたんじゃないかといううわさはもう絶えず言われてきたわけでございまして、そもそもこの経営再建スキームの当初の段階から化粧品事業と繊維とその他事業、こう分離して再建を図っていくというスキームに無理があったんではないかというふうに感想として思うわけですけれども、社長、いかがでございましょうか。
○参考人(斉藤惇君) 簡単にだけ申し上げますけれども、まず、先生御案内のように、我々は常に受け身でございますので、まず持ち込まれ方が、メーンバンクとそれから事業会社さんが化粧品だけをまず最初に持ち込んできたということであります。我々は、もうあのとき御案内のとおり非常にうわさが出ていまして、いろいろまずいことが起こったとかいうことで、非常なスピードでお客さんがどんどん離れていくとか代理店が離れていくとか、もう毀損が非常に激しくて、このままほっておいたんでは確かに化粧品は非常に窮境になるなというような状態で持ち込まれたということでありますので、まずは化粧品のバリューをちゃんと見ましょうということからスタートしたということは事実でございます。
同時に、我々見ましたときに、化粧品という事業と、カップヌードルですとかプラスチックですとか、いろんなものを作っておられました。相乗効果がほとんど考えられないということで、これは分離してサポート体制に入ると。化粧品だけのバリューでカネボウ全体を再生するという理論的な根拠はぴちっと出ておりました。仮にほかの、化粧品以外のものが価値がほとんどないとしても、支援計画の基準には十分合うという、これは数字的な基準があるわけでございますが、そこにマッチしておりましたので、まずは手順といたしまして化粧品からスタートをいたしたということがあります。
当然、持ち込んだ側は、最初は本体の方のデューデリジェンスを余りやらないで何とか済まないかというような話もあったんですが、我々はそれは絶対受けられないと。ここは、先生御案内だと思いますけれども、大変なやり取りを銀行や事業会社とやりまして、我々は三か月掛けて本体の方を調査して、結果的には九百八十億の債権放棄を金融機関に要請したということであります。
化粧品の方はどんどん再生が進んでいっておりまして、いつでもエグジットできるようになっておりますが、だんだん合繊とか、めん類ですね、天然繊維とかいうものを、事業を少しずつ譲渡しております。相乗効果が出ないために、今シャンプーみたいな、ホームプロダクトと申しておりますが、そういうものと、それから特殊な食品、アイスクリームですとか、そういうものでございますが、それから漢方、この三つの事業に集約していこうという戦略を取っておるわけであります。最初は化粧品とかファッションにもう少しバリューが出るであろうかというような見方ありましたけれども、もう限界利益が赤字になるというような状況でございましたので、これはもう譲渡しないと全体が駄目になってしまうということで譲渡を今進めてきたと。ちょうど終わり掛かったところでございます。
そうして残ってまいりますと、実は化粧品と非常にダブる、特に商標でございますね、ここはルールをつくっていたわけでございますが、現実にはこのごろ新しい薬のような化粧品のようなものを本体が開発したと。しかし、カネボウという名前が付けられないというためにマーケティングがうまくいかないとか、こういう問題が出てきたり、もういよいよエグジットが目前に迫っておりますが、これをばらばらにエグジットしまして、ばらばらに買手が出て、商標問題がぶつかってしまって、同じようにカネボウという名前を使った場合は、結局、毀損するということで買手が価値を付けてこないおそれがあると。そうすると、先ほどのお話じゃありませんが、我々が最初に入れました政府保証のお金が毀損するおそれが出てまいりますものですから、資本提携みたいな状況で全体的なバリューを上げようという戦略に変えたということであります。
○西田実仁君 今大体理解できましたけれども、カネボウに関する株主責任、先ほどもちょっとお話ありましたけれども、この六月六日、片山執行役員はこのように言っておりまして、今言われたとおりなんですけれども、正に一体で再生を図っていくんだと。
その際に、私が大変に気になるのは、四月十三日に発表されたこのペーパーでも、先ほどの上場廃止をやめてくれというペーパーでもそうなんですけれども、非常に、普通、経営破綻した会社の株主に対する以上に大変に温かい思いやりというのがちりばめられておりまして、先ほど言った片山執行役員も、例えば一体で支援するというときに、複数の方法を挙げているんですね。スポンサー企業にカネボウ株のTOBをしてもらう可能性、あるいは売却後のスポンサー主導での株式再上場、あるいは支援企業の株式とカネボウ株式と交換する、そういう複数の方法を挙げて、大変な配慮を株主に対してしていると思います。
例えば西武鉄道の株主に比較して果たしてこれはどうなんだろうかと。あるいは、カネボウの再建が大変に難しいという状況の中で、機構の保有株式売却先であるスポンサー企業にこうした今のカネボウの株主への配慮というのを、配慮が逆に言うと非常に重い条件になってしまうというようなことになりはしないのかということを懸念するんですけれども、その点、端的にちょっとお答えいただければと思います。
○参考人(斉藤惇君) 先ほどもちょっと申しましたけれども、窮境に陥ったときの株主に対しては九九・七%の減資をしておりますので、今の問題は、その後とかですね、新しい株主が入ってきているわけでありまして、その方々は、例えば変な話ですけれども、千円とか、そういうことで取引をなさっていたわけであります。いろんな理由でデリストだということになりますと、そういう方々の流動性が消えてしまうということは、やはりある程度上場会社としては責任があるなと思っておりまして、一つの方法は、エグジットいたしますときに、相当数株数を持っておりますので、多分TOBみたいな形になるんではないかと。これは限定はできませんけれども、一応想像しております。
そうしますと、買手が全部一〇〇%買いましょうという形で出てきましたときに、今の株主の方もそこへ応じて出る方法がございますよというお話をしただけでありまして、何か特別に今の株主に何か優遇するとか、そういうことではございません。
○西田実仁君 せっかく来ていただいていますので、東証の鶴島社長にもお聞きしたいと思います。
先ほどもちょっとお話ありましたけれども、私、その上場基準もさることながら、監理ポスト入りする銘柄が大変に多くなっているということを危惧しておりまして、この五年間見ただけでも、今年はまだ六月一日現在でしか分かりませんけれども、監理ポスト入りした銘柄が三十八銘柄ございまして、そのうち八割近い二十六銘柄は上場廃止という形になっているわけなんですね。投資家からすると、ある日突然このように上場廃止になっていくという大変に予測し得ない不利益を投資家が被らないようにするためには、どういう基準で監理ポスト入りするのかということが明確になっていなければならないというふうに強く思うわけなんです。
これにつきましては、六月一日に日本テレビと小田急の例を引かれまして、名義株につきましては監理ポスト入りする基準というのを三つほど挙げられておりました。しかしながら、決算の訂正とか、いわゆる従来型の不祥事についてどういう基準で監理ポスト入りするのかということがいま一つ明確ではないというふうに思います。思いますし、傍ら、先ほどの機構さんの四月十三日のペーパーにもあるように、カネボウの直近決算ではちゃんと自発的に正常決算化の努力をしているんだから上場廃止しないでくれと、こういうふうに要請をしておりまして、具体的にお聞きしたいことは、カネボウの例でいいますと、機構さんからそういう要請があったと。それに対して、東証としては上場廃止決定に際してどういうふうにして機構からの要請を扱い、どういう機関がどういう権限でどういう議論をしてどういう基準で監理ポスト入りを決めていくのか、あるいは決めてきたのか。カネボウにおいても最終的に上場廃止にしたのかということをやはり明確にすることが投資家の予測可能性を増すんではないかと、このように思っているわけですけれども、その点、いかがでございましょう。
○参考人(鶴島琢夫君) カネボウについて申しますと、昨年の十月でしたか、調査委員会というのができまして、そこで虚偽記載、内部調査の結果、虚偽記載が行われたという事実が公表をされました。
我々の廃止基準では、虚偽記載があった場合に、それが重大であれば、重大な影響があれば廃止をするという上場廃止基準がございます。これに該当するおそれがある、あれだけの虚偽の数字が出たわけですからこの廃止基準に該当するおそれがあるということで監理ポストに割り当てたわけです。その監理ポストに割り当てている間にその重大性を審査を我々はするわけですけれども、これは、調査委員会はああいう形で公表をされましたけれども、実際に本当の数字が固まりませんと我々はその判定ができないということで、カネボウの方に対しては早く公認会計士がちゃんと見た正確な数字を出してください、そして公表してくださいということをずっと要請をしてまいりました。それが先般出てきたということで、正確な数字を基に我々は判定をさせていただいて、そして上場廃止という措置をとったということであります。
○西田実仁君 最後に藤沼会長にお聞きしますけれども、先ほど大塚委員からもお話ありましたが、今金融庁の企業会計審議会ではいわゆる企業統治監査というものをこれから適用していこうということが審議、議論されておると承知しております。この従来の財務諸表のチェックも、外部監査の限界というものが随分この一連の企業不祥事の中で言われてきていることに加えて、さらに、単なる数字ではなくて、いわゆるガバナンスの監査までをしていくんだという方向性で今議論されているわけですけれども、従来の財務諸表の外部監査も大変難しい、限界があるとか言われる一方で、更にもっと大きな役割というものが今非常にこの監査法人に期待をされている時代だと思います。
そういう意味で、どう監査体制を強化していくのか、どう人材を育成していくのかという御決意を最後お聞きして、私の質問を終わりたいと思います。
○参考人(藤沼亜起君) 藤沼でございます。
財務諸表が正しく作られるかどうか、先ほど言いましたように、まず第一は経営者の責任だと思います。監査人はその財務諸表が正しいかどうかについて監査をして監査意見を表掲すると、こういう立て付けになっていると思います。経営者は今、アメリカで御承知のようにエンロン事件等がありまして、企業改革法、そこではやはり財務諸表の適正性について経営者がやっぱり宣誓を求めるべきだと。その前提として、経営者が内部統制というものを自らチェックして自己評価をする、それを監査人に検証してもらうと、こういう構成になっておりまして、日本でもやっと企業の経営者が、財務諸表が適正かどうか、自分がそれを宣誓しなくちゃいけない。これは当初自主ルールで始めておりますけれども、これがその経営者が適正性があるかどうかということを言うには、経営者自身、自分の会社の内部統制がきちっと機能しているかどうかということを確認しなくてはいけない。
そういう面で、監査人も、財務諸表だけの監査証明ということ以外に、内部統制にも踏み込んで、経営者の内部統制の構築、それに基づく評価、それを監査人が検証するという、こういう内部統制の報告書の監査制度というものはどうしても必要だというふうに私は思っておりまして、そういうことが制度化されれば、会員の教育等を含めてきちっと仕事をしていきたいというふうに思っております。
○西田実仁君 ありがとうございました。
○大門実紀史君 日本共産党の大門実紀史と申します。
今日はお忙しい中、ありがとうございます。私、ノーネクタイどころか、かなり軽装でございますので、皆さんもよかったら脱がれたら、自由にしていただければと思います。
まず、産業再生機構の斉藤参考人にお伺いしたいんですが、カネボウの話、既にありましたんでカネボウを除いてお伺いします。
ダイエーの再生の問題でございまして、私、この間、ダイエーの店舗が撤退するんじゃないかと言われるところに調査、北海道を含めて回っているところなんですけれども、その町によっていろいろですが、ちょうど地元商店街の中心にあって、ダイエーさんがあるおかげで地元の商店街も成り立っているという部分がかなりあります。そういうところでは店舗として存続してほしいという声がかなり出て、そちらにも届いているかと思いますし、斉藤参考人は毎日新聞で大変いいことをおっしゃっておりましたのは、スポンサー選びのときに、価格だけではない、事業計画の中身、従業員の処遇、地域に与える影響も配慮すべきだということをおっしゃっていただいております。
そういう点で、この前ですか、二十店舗ほど撤退有力視というような新聞記事も出ておりますけれども、産業再生機構として、そういう地域の経済といいますか、地域のいろんな関係に配慮した判断をしていかれる、そういうことを基本的にお持ちかどうか、まず伺いたいと思います。
○参考人(斉藤惇君) お答えいたします。
もちろん、ベースとしてはもう当然できるだけネガティブな影響が出ないような、しかし一方では、一民間の小売業者さんですから、そこがだらだらと赤字を出しながら、結果的にはまた国民のお金を投入しなきゃいけないというようなことを繰り返してもまたいけないと。この二つの問題を同時に解かなきゃいけないということで、地域的な閉鎖、撤退、あるいは個別の店の収益性の問題で撤退、二つのアプローチでやっております。
今のところ、実際ちゃんと新しい経営者が入ったわけですが、我々余りその出入りのあれには、ウオッチする程度にしておりますけれども、今のところ新聞発表になったその五か店の閉鎖を、これは相当検討したりしたんですが、家主さんがおられて家賃も下げないというような問題もあり、じゃどなたか代わっていただけないかということも随分やったんですが、駄目だということで、大変やむなく五店だけの閉鎖を決めたという話は聞いております。
それ以外についてはまだ何も実は決まっていなくて、新聞報道が何かやたらに数字を使いまくって非常にちょっと困っておるんですけれども、先生の御指摘の点は、我々常に、ほかのケースも常に慎重に考えております。
○大門実紀史君 是非、非常に努力していただいているということですので、引き続きお願いしたいと思います。
もう一つ、産業再生機構でいきますと、私は、足利銀行問題にずっと最初から、破綻のときからかかわってきたんですが、ただ、これだけ、これはちょっと産業再生機構の取組、かかわり方に私大変疑問を持っておりますので、この機会に伺いたいと思うんですけれども、産業再生機構全体で四十一件の再生を手掛けて、うち十一件が足利銀行関係ということでございますね。大変大きな、占めるわけですけれども。
私、中小企業を回ったんですが、特に温泉街問題をずっと現地の人たちと一緒に取り組んできたんですけれども。例えば鬼怒川温泉でいきますと、四軒の旅館、ホテルだけが再生対象になって、もう名前、前回出しませんでしたけれども、今回出しますけれども、あさやホテルというところがかなり大きいんですけれども、この四軒で債権放棄が三百二十二億円でございますけれども、このあさやホテルだけで二百二十七億円という債権放棄が足銀からされています。これは巡り巡って国民の税金、公的資金でございますけれどもね。
これがどういう効果をもたらしているかというと、一度この委員会でも指摘させてもらったんですけれども、要するに、そのあさやホテルというのは過剰な設備投資をどんどんやって団体客をどんどんどんどん集めて、周りの旅館、ホテルが大変迷惑をしてきたと。借金をどっと増やしたわけですね。これが足銀の破綻によって不良債権化したと。そういうところが今度救われて、地道に一生懸命、過剰な投資しないで様子を見ながらきちっとやっていたところが債権放棄も何もなしに借金を返し続けなきゃいけないと。これは大変地元には悪影響を及ぼしております。
足銀問題というのはもうさんざん議論がありましたけれども、要するに地域一体で再生しなきゃ駄目なんだと、ああいう銀行は。特に温泉街なんというのは一軒、二軒助けただけでは駄目ですから、全体としてどう助けるかというのが、これは私だけじゃなくて、自民党の先生も含めてかなり委員会で議論やったところです。
ところが、結果、今申し上げたように、たった何百軒ある中の四軒だけが産業再生機構の支援対象になると。その四軒も私、見てきましたけれども、非常に設備が比較的新しいところ、つまり投資をどんどんやってきたところですね、借金を増やしてきたところですね。設備が新しいと、再生機構として、あるいはスポンサーとしても、それを引き受けて身ぎれいにしたら後で売却しやすいと。変な話になってきて、変な循環といいますか、借金しまくった方が救われると。それで周りの温泉街全体には非常に不満と怒りを生じていると、こんな事例が実際生じていると思うんですね。
まず、その辺のところを何かお聞きになっておりますか。
○参考人(斉藤惇君) そういう声が一部あるということは聞いておりますけれども、幾つか問題がございまして、まず、もう先生御存じのとおりですけれども、産業再生機構の方からこれを支援するとかしないとか決めるということはできない。銀行がその事業体と話して、その事業体が何か銀行のあれに賛成したらその案を持ってくるという形で、我々は持ってきたところを、一つは再生の可能性があるかどうか、支援基準というのが先生方によって決められておりまして、まずそれに合致するかどうか。
実は、余り細かく言うといろいろ問題があるんですが、かなりもっとたくさん実は査定をしているんですけれども、実は我々の基準で再生基準にはちょっと達していないというのが現状でございました。そういうことで、持ってこられた中では再生可能性のあるものをやらざるを得なかったということでございます。
それで、確かにいろいろな、この問題はほかの問題にもあるんだと思います。支援されるところとされないところの差というのは十分我々も認識しておりますので、先ほども申しましたように、我々は、考え方としては、企業とか経営者を支援するとか、そういう気持ちは毛頭ありません。やはりあの地域の再生のために、再生ができる、ひょっとしたらいいスポンサーがちゃんと付くようなものを二つ三つやらざるを得ない。
これは町全体を、我々百人ちょっとのスタッフで、ダイエーさんもあればカネボウさんもある、温泉さんもあるというところを全部もう徹夜に次ぐ徹夜でやっているわけでございまして、町全体を何とかせいといっても、ちょっと現実はなかなか難しいということでございまして、できるだけ、我々の考えは、再生のモデルをつくって、それを皆さんがいろいろ参考になさって自分でやっていただく、我々はできるだけ早く撤退すると。こういう、まさしく御指摘のとおり、半官的な組織がいつまでもあってはいけないと我々自分で思っておりますので、そういう考えでやっておりますために、少しそういう現場でお声があるということも分かってはおりますけれども、ちょっと今のところ、我々としてはいかんともし難いということでございます。
○大門実紀史君 一部ではなくて、温泉街の全体をまとめておられる方々の声ですので、何軒か以外の全体の声だということを是非今日は気が付いていただいて帰っていただきたいと思いますが。
この仕組みが産業再生機構だけの問題ではないのは当たり前ですね、いろいろ地域再生の問題は。ただこの仕組みが、ここでいきますと、大和SMBCが入っているんですけれども、つまり投資会社が入っていると。投資会社というのはリターンを求めます。比較的短期間で高いリターンを求めます。そういうところのお金を使うとどうしても手っ取り早く身ぎれいにして、売り抜けるといったらなんですけれども、そういうところが再生案件になりやすいというところから、事実、そんな感じの再生案件四件だけとなったというふうに、客観的に見ればそういうことだと思うので、もう終わっちゃったわけですけれども、何といいますか、産業再生機構の総括をされるときにこういう面も含めて総括してほしいし、今現在、いろいろまた進みますので、そういう点では中小といいますか、ほかのところの配慮も是非進めていただきたいというふうに思います。
東証の鶴島参考人にお伺いいたしますけれども、先ほどから議論がありました東証の上場の問題と自主規制、審査機能、これを分離する、金融庁と今いろいろやり合っておられるということですけれども、私は、大塚委員言われたように、はっきりと上場すべきではないとか分離すべきだというふうにまだ判断するだけの研究もしておりませんし材料もないので、お聞かせいただきたいんですけれども、仮に東証さんが言われるように、自主規制と市場運営というのは不可分の関係というふうなことだといたしますと、その理由はいろいろ読ませていただきました。
そうしますと、ニューヨークで四月に今度分離して、向こうは第三者機関といいますか、を考えているようでございますけれども、ロンドンは公営でやっていると。そうすると、国によっていろいろ違うのは当たり前なんですが、じゃ、ニューヨークは、自主規制と市場運営不可分と日本で鶴島さんおっしゃることは、どう考えてやっているのか、やろうとしているのか。ロンドンではそれはどうなっているのかと。国によって違うといっても、基本的な機能ですからそれほど違わないと思うんですが、その辺はどういうふうになっているんでしょうか。
○参考人(鶴島琢夫君) 実はニューヨークの場合に、新聞報道、マスコミ報道で私どももこういう形になるんではないかというふうに承知をしておりますけれども、中身についてまだはっきりしたことが分かっておりません。私どもも今ニューヨークにいろいろ問い合わせをしながらその詳細を調べている最中であります。
今伝えられているところでは、持ち株会社みたいなものがあって、そこに市場運営と規制部門がぶら下がるような、その傘下に収まるような形というふうに伝えられているというふうに理解をしております。したがって、完全に取引所から分かれて全然別のところに規制機能が行ってしまうのかどうかということではないのではないかと。
ただし、この問題は、私どももそうですけれども、この自主規制機能がきちんと担保されるような、独立性がきちんと保たれるようなガバナンス上の手当てというのは必要だろうと思います。そのガバナンスの手当ての仕方に、考え方にやや差があるんだろうなと、こういう理解をしております。
それから、同じ自主規制機能といいましても、例えば市場の管理、それから我々でいうと事後の売買審査機能、それから不公正な取引の発見、摘発、こういうような市場周りのものを全く取引所から自主規制機能の部分を離しちゃっている取引所は、恐らく私の知る限り世界でないんではないかなというふうに思っております。
いずれにしても、今御指摘のように、ロンドンは確かに上場審査についてはFSAがその権限を持っているということはあります。ただ、したがって、いずれにしましても、その自主規制機能が侵されるような形は市場運営上好ましくないことは事実ですので、そうした、何といいましょうか、防衛策といいましょうか防御策といいましょうか、そういうものはガバナンス上もきちんとしていく必要があるという点では私どもも同じ認識であります。
○大門実紀史君 終わります。
○糸数慶子君 無所属の糸数慶子です。よろしくお願いいたします。
本日は、お忙しい中、参考人として、三名の皆様には本当にありがとうございます。これから、まず名義株の問題、監査人の関与の在り方と株券ペーパーレス化の関係につきまして、藤沼参考人に最初にお伺いいたします。
東証と公認会計士協会とは、昨年秋の西武鉄道をめぐる問題を契機に、市場の信頼性確保に向けた共同プロジェクトを立ち上げて、今年の三月にその中間報告をまとめられました。
その中で、名義株への対応が一つの柱とされていますが、しかし、その後も小田急の名義株が発覚するなど、企業の自浄作用が十分機能し切れていないというその実態があらわになっているというふうに思われます。中間報告においても、企業の自主的訂正報告の分析結果を踏まえても、取りまとめられているものの、その内容は将来的な検討課題が大変多く、具体性や即効性に乏しいと思わざるを得ません。
そこで、公認会計士の業務内容の限界もあろうかとは思いますが、企業自身の自主的努力に限界があるのであれば、第三者である監査人がその点を厳しくチェックしていくしかないように思われますが、その点、今後、その名義株問題に対する監査人の関与の在り方についてどう考えていらっしゃるのか、まずお伺いいたします。
そして、あわせて、中間報告の中でも触れていらっしゃいますが、株券のペーパーレス化が実現した場合の名義株への影響というのはどのように考えたらよろしいのか。電子化、システム化によって株式の実質的な保有関係は現状より明確に示されることになるように思われますが、これまでのところでのその検討、そして問題点が浮かび上がっているのであれば是非お伺いしたいと思います。
○参考人(藤沼亜起君) 名義株は日本のビジネス慣行の中で非常に長く行われておりまして、日本の法の体系の中でも、名義株を存在があるものと前提として法が作られていると。あと、税の立場においても、税の課税は実質的な所有者に課税すると。そういうことで、名義株自身が社会的な存在として認められているというようなことでございます。
それで、監査との関係なんですけれども、我々、基本的に財務諸表の監査ということをやっておりますので、株の所有が実質だれであるのかということについては、基本的には、会計士の立場としては、監査でそれが実質所有者がだれかどうかというところまでは分からない。ただ、大きな株主については、その人、その株主に対して例えば配当を幾ら払ったとか、そういうようなことで、もし実質的ではない名義株があった場合に、その部分も含めて払っている場合には、そこで何か糸口が出てくるかも分からない。その程度でございまして、名義株そのものと財務諸表監査を結び付けることは非常に今の段階では難しいというふうに思っております。
それで、私どもは、先ほど企業統治、内部統制の話ということがありましたけれども、やはり株主がだれであるか、真正な株主はだれであるかということをまず第一にチェックするのは、企業内の内部統制のシステムでやはりやるのがまず本筋ではないかというふうに思っております。ですので、そのような統制システムがあるのかどうか、そういうことを会計士として管理責任者に質問する、あるいは経営者等のディスカッションで、討議の中でそういう名義株の所有者が存在するのかどうかと、そういうような形で、間接的な手法になりますけれども、確認するというのが会計士の役割ではないかというふうに思っております。
○糸数慶子君 ありがとうございました。
続きまして、名義株の問題という点で、小田急と日本テレビの株の取扱いの差異について鶴島参考人にお伺いをいたします。
小田急のこの名義株をめぐっては、東証は小田急株を監理ポストに入れておらずに、昨年秋の日本テレビなどと比較してもその取扱いは均衡を欠くように見えました。東証自身の上場との関係で規制監査部門の在り方が問題になっていますが、少なくともこれらの取扱いについて明確に説明を行うことがやはり規制機関としての東証の最低限の責務ではないでしょうか。
今回の小田急株の取扱いについて、鶴島参考人に改めてその経緯と、なぜ日本テレビの取扱いと異なることになったのか、お伺いをいたします。
○参考人(鶴島琢夫君) 今御指摘のありましたように、私ども、可能な限り私どものとった措置について分かりやすく明確に説明をしていくということに心掛けなければならないという御指摘については真摯に受け止めたいと思っております。また、そう努力をしてまいります。
それから、具体的に小田急と西武鉄道、これの差異がどうだったかということでございますが、先ほどもちょっと御説明をいたしましたように、監理ポストというのは上場廃止のおそれが生じていることを投資者に周知をするための表示区分であります。が、名義株が存在したからといって直ちに上場廃止のおそれがあるものとして監理ポストに割り当てるというわけではございません。
昨年の西武鉄道を契機といたしまして、今、藤沼参考人からもちょっと話がありましたけれども、この名義株という問題、名義株の名義偽装といいますか、そうしたものが多く出てまいっております。
私どもは、これらを踏まえて、この重要な訂正がなされる場合に割り当てることとしている監理ポストの運用が偏ることのないよう、一応の尺度となる指針を検討をいたしまして、それに照らして、以後、個々の事案を審査をしてまいりました。これは、先般、マスコミを通じてこの尺度、指針というものを公表させていただきましたが、三つございます。正確性を期するためにちょっと文書を見ながら御説明をさせていただきます。
一つは、親会社又は関係会社という属性を偽装する水準に及んでいたかどうか。つまり、この親会社とか関係会社とかというものが、本来は個人の名義株が個々の所有であれば、親会社になったり、それから関連会社という位置付けになったりするものを、名義株という形で外したために、親会社や関連会社という位置付けを免れていると、こういうような状況であったかどうかということが一点です。
二点目は、株式の分布状況に関する上場廃止基準への適合をおおむね最近十年のところで偽装する水準に及んでいたかどうか。つまり、ここ十年間ぐらいの間に上場基準に触れるような、そういう水準であったかどうかということですね。
それから、三つ目に、個人の所有割合などの株式の流通性、これを投資者が著しく誤認するような水準に及んでいたかどうか。これはやや抽象的ではありますが、非常に流動性があるというふうに見られていたのに実は余りなかったと、廃止基準に該当するほどではないけれども、なかったというようなもの、これら三つを尺度となる指針として運用をしてまいっております。いずれかに該当する場合には、名義株が投資者の投資判断に多大な誤りを与えてきたものとして、監理ポストに入れて投資家の注意を促すということにしてきたわけです。
この小田急グループ各社の名義株につきましては、当初、その存在が明らかになってから過去の推移などの全容が明らかとなるまで十日余り実は時間を要しました。発行会社に催促をしましたけれども、十日ばかりの時間を要しました。その途中で、一部の報道で株式の分布状況に関する上場廃止基準への該当を回避する目的があったというような報道が、不確実な報道が発生をいたしました。
私どもでは、そうした重要性が疑われる情報が明らかにされていない状況にあったことから、開示注意銘柄という、開示が十分でないという開示注意銘柄に指定をして、過年度のこの名義株の推移が明らかになったときには、その状況いかんによっては先ほど申しました二番目の上場廃止基準に該当するおそれがあると、そういうような水準にまでこの名義株が偽装されていたということもあり得るわけですので、そうしたことも視野に入れて事実関係を調査をいたしました。しかしながら、最終的には過年度においてもそうした状況には至っていなかったということが判明をいたしましたので、先ほどの指針に抵触するものではないということで監理ポストへの割当ては至らなかったということであります。
それから、一方、日本テレビの場合はどうだったかといいますと、昨年の日本テレビ放送網の場合の名義株の問題は、実際には読売新聞本社グループは法令上の関係会社に相当をしておりました。個人名義が本当は読売新聞社グループの持ち株だったということですので、それを足しますと法令上の関係会社に相当をするというものでございました。にもかかわらず、その関係にあることが隠されて情報開示がなされていたというわけであります。すなわち、日本テレビは読売新聞社から重要な影響を受ける関係にある、つまり関係会社ですから、あるにもかかわらず、名義株によってそのことが当事者に開示をされていなかったという重要性を伴う訂正でありましたし、更に言えば、関係会社の属性が変わるということになりますと、財務諸表上に当該関係会社と取引額の注記が必要となる、そういうことを開示しなければいけないというような大変密度の濃い情報開示が法令上要求をされております。
こうしたことから、私どもでは、日本テレビ放送網の事案については先ほどの指針の趣旨の一番目に抵触するものとして監理ポストに割り当てて、隠されていた事実、情報がどの程度に及ぶものかどうかということについて、証券市場の信頼を著しく毀損したと言えるかどうかについて事実関係を確認をし、審査を行ったと。その結果、そこまでには至らないということで元に戻したと、こういう経緯でございます。
○糸数慶子君 今とても丁寧に経過を御説明いただきましたので、私の持ち時間がもうなくなってまいりまして、斉藤参考人には大変申し訳ございませんけれども、二問ほど質問は準備しておりましたけれども、また次の機会に質問させていただきたいと思います。
以上で終わります。ありがとうございました。
○委員長(浅尾慶一郎君) 以上で参考人に対する質疑は終了いたしました。
一言お礼のごあいさつを申し上げます。
参考人の皆様におかれましては、大変お忙しい中、貴重な御意見をお述べいただきまして、誠にありがとうございました。委員会を代表して厚く御礼を申し上げます。(拍手)
本日はこれにて散会いたします。
午後二時四十五分散会

 

 

2005年06月07日 (火)

参議院 財政金融委員会 13号 平成17年06月07日

 

162-参-財政金融委員会-13号 平成17年06月07日
○委員長(浅尾慶一郎君) ただいまから財政金融委員会を開会いたします。
委員の異動について御報告いたします。
去る五月十三日、櫻井充君が委員を辞任され、その補欠として峰崎直樹君が選任されました。
また、昨六日、広田一君が委員を辞任され、その補欠として江田五月君が選任されました。
─────────────
○委員長(浅尾慶一郎君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
財政及び金融等に関する調査のため、来る六月九日に参考人の出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(浅尾慶一郎君) 御異議ないと認めます。
なお、その人選等につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(浅尾慶一郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
─────────────
○委員長(浅尾慶一郎君) 連合審査会に関する件についてお諮りいたします。
会社法案及び会社法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案について、法務委員会に対し連合審査会の開会を申し入れることに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(浅尾慶一郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
なお、連合審査会の開会の日時につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(浅尾慶一郎君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。
本日はこれにて散会いたします。
午後一時一分散会

 

 

2005年06月05日 (日)

「郵政民営化論議で残る課題」

郵政民営化に関して特別委員会での本格的な審議が始まりました。この議論で残る大きな課題は年金の問題です。何故、年金が大きな課題かをご理解頂くには、まず公務員の年金と民間企業の従業員の年金の制度の違いを説明しなくてはなりません。

公務員の年金は共済年金と呼ばれます。民間企業の厚生年金との比較では、保険料率はほぼ同じですが、支給額に大きな違いがあります。20年以上勤務した経験のある方の平均で比較すると、国家公務員共済、地方公務員共済は厚生年金より毎月それぞれ、46,396円、60,822円多く支給されています。支給額が多くなるのは、厚生年金の場合毎月の給与からの天引き額と同額を会社側が負担する労使折半方式なのに対して、共済年金は、国や地方自治体が天引き額と同額負担する使用者負担分とは別にその他の追加費用という名目で費用を負担しているからです。その両方を足すと事実上本人負担額の倍を負担していることになります。この追加で負担する年金保険料の国・地方の総額は年間1兆8,000億円、郵政公社職員分で年間1,350億円に上ります。

追加で費用負担をする根拠として、共済年金には職域加算がありこれは民間の企業年金に相当するという説明がなされます。しかし、公務員の退職金には、民間の企業年金を一時金で支給した額相当のものも含まれておりますので、民間の企業年金との比較では完全に二重支給になっているのが実情です。

郵政公社が民営化された際には誰が、この1,350億円を負担するのかという問題が残ります。論理的には解決策は三通りあります。民間企業となった郵政会社が負担するか、年金の支給額を減額するか、税金で負担をするかです。国鉄民営化の際には、その他の国鉄の債務と併せて、タバコ税を一本1円増税することで税金による負担という形が取られました。

私は、そもそもの共済制度の設計がおかしいので、この際共済年金と厚生年金の一元化による解決を目指すべきだと考えております。



参議院議員 浅尾慶一郎
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