あさお慶一郎(前衆議院議員 神奈川4区)

2005年05月12日 (木)

参議院 財政金融委員会 12号 平成17年05月12日

 

162-参-財政金融委員会-12号 平成17年05月12日
○委員長(浅尾慶一郎君) ただいまから財政金融委員会を開会いたします。
委員の異動について御報告いたします。
去る四月二十一日、荻原健司君及び野村哲郎君が委員を辞任され、その補欠として金田勝年君及び田村耕太郎君が選任されました。
また、去る四月二十二日、松村祥史君、山内俊夫君、藤末健三君及び谷合正明君が委員を辞任され、その補欠として片山虎之助君、溝手顕正君、広野ただし君及び山口那津男君が選任されました。
また、本日、峰崎直樹君が委員を辞任され、その補欠として櫻井充君が選任されました。
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○委員長(浅尾慶一郎君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
財政及び金融等に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、政府参考人として内閣官房内閣参事官伊藤元君外九名の出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(浅尾慶一郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
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○委員長(浅尾慶一郎君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
財政及び金融等に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、参考人として日本銀行理事白川方明君の出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(浅尾慶一郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
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○委員長(浅尾慶一郎君) 財政及び金融等に関する調査を議題といたします。
まず、金融機能の再生のための緊急措置に関する法律第五条の規定に基づく破綻金融機関の処理のために講じた措置の内容等に関する報告に関する件ついて、政府から説明を聴取いたします。伊藤内閣府特命担当大臣。
○国務大臣(伊藤達也君) 昨年十二月三日、金融機能の再生のための緊急措置に関する法律第五条に基づき、平成十六年四月一日以降九月三十日までを報告対象期間として、その間における破綻金融機関の処理のために講じた措置の内容等に関する報告書を国会に提出申し上げました。
本日、本報告に対する御審議をいただくに先立ちまして、簡単ではございますが、本報告の概要について御説明申し上げます。
初めに、特別危機管理銀行である足利銀行について申し上げます。
足利銀行については、平成十五年十一月二十九日、金融危機対応会議の議を経て、預金保険法第百二条第一項第三号に定める措置を講じる必要がある旨の認定及び特別危機管理開始決定がなされて以来、同法に基づき所要の措置が講じられてきたところでございますが、報告対象期間中には、昨年六月十一日、平成十六年三月期決算を踏まえた経営に関する計画が提出されております。
また、同年七月二十八日には、預金保険法第百二十九条第三項に基づき、預金保険機構により五十一億円の資産買取りを行う旨の決定が行われ、同年八月二十三日、預金保険機構の委託に基づき整理回収機構により当該資産の買取りが実行されております。
次に、破綻金融機関の処理のために講じた措置の内容について申し上げます。
金融整理管財人による業務及び財産の管理を命ずる処分は、報告対象期間中には行われておりません。
続いて、新生銀行及びあおぞら銀行からの預金保険機構による瑕疵担保条項に基づく債権買取りの状況について申し上げます。
報告対象期間中に、預金保険機構が引き取った案件は、新生銀行についてはなく、あおぞら銀行については二十一件で、債権額が四百三十七億円、支払額三百五十九億円となっております。
続いて、預金保険機構による主な資金援助等の実施状況及び公的資金の使用状況について申し上げます。
破綻金融機関の救済金融機関への営業譲渡等に際し、預金保険機構から救済金融機関に交付される金銭の贈与に係る資金援助は、報告対象期間中にはなく、これまでの累計で十八兆六千百六十億円となっております。
また、預金保険機構による破綻金融機関からの資産買取りは、報告対象期間中には足利銀行からの五十一億円、これまでの累計で六兆三千七百十四億円となっております。
これらの預金保険機構による資金援助等について、昨年九月三十日現在における公的資金の使用状況について申し上げます。
一般勘定、金融再生勘定、金融機能早期健全化勘定、危機対応勘定及び金融機関等経営基盤強化勘定における政府保証付借入れ等の残高は、各勘定合計で十八兆二千八百六十五億円となっております。
ただいま概要を御説明申し上げましたとおり、破綻金融機関の処理等に関しては、これまでも適時適切に所要の措置を講じることに努めてきたところであります。金融庁といたしましては、今後とも、我が国の金融システムの一層の安定の確保に向けて万全を期してまいる所存でございます。
御審議のほどよろしくお願い申し上げます。
○委員長(浅尾慶一郎君) 以上で説明の聴取は終わりました。
これより質疑に入ります。
質疑のある方は順次御発言願います。
○中島啓雄君 自由民主党の中島啓雄でございます。今日は、まず破綻金融機関の処理に関連して、金融再生プログラムの成果等についてお尋ねをしたいと思います。
金融再生プログラムは、御承知のとおり、平成十四年十月に策定をされまして、平成十六年度には主要行の不良債権比率を現状の半分程度に低下させ、問題の正常化を図るということで、これは十六年度末と考えれば三月末に期限が来たわけであります。十四年三月期の主要行の不良債権比率というのは八・四%であったのが、十六年九月には四・七%まで下がってきたということで、おおむね達成されるんだろうと思います。
そういうことで、不良債権問題というのも一つの山を越えたということで、これは結構なことでございますけれども、それに支払った代価といいますか犠牲もかなり大きいものがあると。平成四年度から預金保険機構が資金援助等を行った数字を拾ってみますと、金銭譲与が今お話しあったように十八・六兆円、それから資産買取りが九・六兆円、これは健全金融機関等も含めての話でございますが、それから資本増強が十二・四兆円、その他が六・二兆円ということで、合計して四十六・八兆円。言わば公的資金と言えるものが四十六・八兆円つぎ込んでいると。
それから、金融機関側は、不良債権の処分損が平成四年から九十五・一兆円に達しておりますし、直接償却も四十三・四兆円に上っていると。膨大な金額が費やされているわけでありますが、預金保険機構の資金援助、これ全額が別に税金となって国民負担になるわけではございませんけれども、その辺の国民負担になる額の見通しはどういうふうに考えておられるのか、そしてその資金援助の効果というものを現時点でどのように評価をしておられるか、まず金融庁にお伺いしたいと思います。
○政府参考人(佐藤隆文君) まず、私の方から国民負担の見込額につきまして御説明をさせていただきたいと思います。
御指摘いただきましたように、公的資金の使用は金銭贈与、それから破綻金融機関、存続金融機関等からの資産の買取り、さらには資本増強といったことが行われておるわけでございますが、このうち破綻金融機関の処理に際しまして預金者保護のために実施をいたしました金銭の贈与十八兆六千百六十二億円という数字でございますけれども、十六年三月末まででございます、でございますが、このうちペイオフコスト超の金銭贈与に当たる部分に用いられました交付国債の使用額、これが十兆四千三百二十六億円となっておりまして、この部分につきましては現段階で既に国民負担として確定しているということでございます。それから、それ以外の部分につきましては、今後、破綻金融機関等から買い取った資産の処分、それから金融機関等から引き受けた株式の処分、こういったことがどうなるかによって動くということでございまして、現段階では最終的な国民負担の額は確定していないということでございます。
いずれにいたしましても、預金保険機構、整理回収機構におきましては、国民負担極小化の観点から、今後とも最大限の回収を行うよう努力していくということだろうと思います。
○国務大臣(伊藤達也君) 今、中島委員から二問御質問がございまして、後段の御質問についてお答えをさせていただきたいと思います。
預金保険機構の資金援助の効果についてお尋ねをいただいたわけでありますが、公的資金の投入を通じまして、預金者等を保護するとともに我が国金融システムの安定化を図り、そして我が国信用秩序に対する内外の信頼を確保していく、こうしたことに対して一定の役割を果たしてきたものと認識をいたしているところでございます。
金融庁といたしましては、公的資金の投入も含め、これまで金融機関の健全性を確保していくために、金融再生プログラムやあるいはリレーションシップバンキングの機能強化に関するアクションプログラムの諸施策を展開するなど、様々な取組を行ってきたところでございまして、このような取組を通じまして金融機関のリスク管理体制やあるいは資産査定の信頼は全体として大幅に改善をしてきている状況にあり、こうしたことが反映する形で我が国金融機関の全体としての不良債権比率というものが低下をし、そして自己資本比率の改善が見られているというふうに考えているところでございます。
○中島啓雄君 ありがとうございました。
いずれにしても、今交付国債が十・四兆円というお話ありましたが、恐らく二十兆を超えるぐらいの国民負担になるんじゃないかと思いますので、それを最小化に努めるとともに、金融再生に是非邁進をしていただきたいと思います。
次に、産業再生についてお伺いしたいと思いますが、同じく金融再生プログラムの目玉の一つとして企業と産業の再生のための新しい仕組みをつくると、こういうことで、預金保険機構あるいは整理回収機構とは違った機能を持つということで、平成十五年四月に産業再生機構が設立をされて、本年三月に買取りの申込み、債権買取りの申込みが期限が参りまして四十一件が支援決定していると、こう聞いておりますけれども、整理回収機構等との機能の相違点、どこにその産業再生機構の特色があるのかという点と、もう一つは、数字的な面で、資金援助の額とか債権買取りの額とか不良債権がどう処理されているかとか、その辺の数字をある程度概況的にお答えいただければと思います。
○政府参考人(藤岡文七君) お答え申し上げます。
産業再生機構は、表裏一体の関係にございます産業再生と金融再生を同時にかつスピード感を持って進めるということを基本目的といたしてございます。
このため、正に事業者と金融機関双方より要請を受けました案件につきまして、期限を限りまして公正中立的な立場から事業の再生を支援いたすわけでございますけれども、その事業再生を支援いたす場合におきましては、民間の最先端レベルの事業再生の専門家やノウハウを動員して行うとともに、対象事業者に係る債権の買取りに加えまして、対象事業者に対する融資や出資なども必要に応じ積極的に行ってきております。
一方、整理回収機構でございますが、私ども承知いたしております限りでございますけれども、金融機関から買い取られました多額の債権のうち再生可能性のある中小企業等の再生を行ってきたというふうに承知いたしておりまして、また買取りに加えまして、金融機関が保有する債権につきましても、信託機能等を活用されまして企業再生を行ってきたものと承知いたしてございます。
いずれにいたしましても、どっちの活動もそれぞれ事業再生を果たす上では非常に有効でございます。それぞれの業務内容等に応じて適切に役割を果たしてきたというふうに承知いたしておりまして、実際問題として必要に応じ両者密接に連携を図ってきたということもございます。
続きまして、その機構のこれまでの活動状況とその効果でございます。
正に委員御指摘がありましたように、機構は平成十五年五月の業務開始以来、民間の専門家を集め、市場原理を尊重しつつ、集中的に案件に取り組み、四十一件について支援決定を行いました。実は、扱いました案件、実は支援決定は四十一件なんでございますが、数倍の案件を扱ってございますが、支援決定に至ったのは四十一件ということでございます。
支援に当たりまして、機構は政府保証資金を調達いたしまして、対象事業者に係る債権の買取りや対象事業者に対する融資や出資を行っております。具体的な数字を申し上げますと、対象事業者に係る債権の元本総額、これは約三・三兆円でございます。うち機構が買い取りました債権は元本額ベースで約一兆円になってございます。また、対象事業者に対しまして総額約三千四百億円の出資を行ってございます。
これらに対する資金を機構は借入れによって調達いたしてございますが、一部は弁済等により回収をしておりますために、本年の五月十日現在の借入残高は約七千六百四十億円となってございます。
機構は、これまでの活動の中で新たな事業再生の事例を提示いたしますとともに、民間だけでは関係者の調整が難しい案件等にもよく取り組んできたと承知いたしております。また、機構の活動が一つの呼び水となりまして、現在、事業再生市場の活性化の兆しが出てきておるというふうに承知いたしてございます。こうしたことによりまして不良債権の処理と事業の再構築が進むなど、構造改革の成果が現れ始めていると承知いたしております。
以上でございます。
○中島啓雄君 ありがとうございました。
今、産業再生機構の最大の懸案の一つがカネボウということで、これの経緯について個別の問題に立ち入るつもりはないんですが、たまたま十日、十一日と新聞報道が大きく出まして、東証上場廃止ではないかと。真偽は問いませんけれども、こうしたことがリークされるというのも、情報統制は厳密にやっていただきたいと思います。
それで、過去五年分、二千百五十六億円の粉飾があったと。それは一応四月二十八日の総会で承認はされたわけですが、当然東証が上場廃止基準に該当するかどうかということで検討中と、こういうふうに聞いておりますけれども、産業再生機構としては四月の十三日に、「カネボウの株式については、取引所有価証券市場において引き続き上場いただくことが相当と考えており、」と、こういう発表文を出しておられます。当然東証の上場廃止基準に該当する可能性があるということを御承知の上で上場継続を要請したと、こう考えられますが、その辺について、政府側としてどういうふうに考えておられるのか。
念のために申し上げますと、私は別に上場を継続しろとかするなとか何か予断を持って申し上げているのではないので、念のために申し上げます。
それから、仮に上場廃止になった場合に、機構は更に支援を続けるというような報道がありますが、その辺のスタンスについてもお伺いをしたいと思います。
○政府参考人(藤岡文七君) お答え申し上げます。
正に産業再生機構が上場継続を要請したことに対する政府の見解というお尋ねでございますが、まず機構は、産業再生機構法に基づきまして、政府保証が付きました資金を使いまして支援対象事業者に対して債権の買取りや出資、融資を行うことなどによりまして対象事業者の再生を支援し、三年以内に株式や債権の売却等に努めることとされてございます。
機構がこうした任務を達成するためには、やはり市場におけます株主や債権者の一人といたしまして、機構自身の考え方を東証に対して伝えているものと理解をいたしてございます。
次に、産業再生機構、要するに仮にカネボウが上場廃止となった場合、支援はどうするのかというお尋ねでございます。東証におきまして、現在審査されております個別の問題でございますので、私どもの方から仮定の質問についてはお答えは差し控えさせていただきたいと思います。
ただ、一般論として申し上げますと、再生可能性のある事業者につきましては、その上場のいかんを問わず事業の再生が果たされるよう、機構は法律に従い粛々と支援を行うものと承知いたしてございます。
○中島啓雄君 ありがとうございました。
産業再生機構の機能については、残念ながら、預金保険機構の場合は半期ごとにいろいろな財務諸表等が公開されておりますが、今のところ公開されているのは十六年三月期までというようなことでありますから、個々の問題については当然マル秘のところがあると思いますが、もう少し開示をされて再生機構が産業再生に本当に役立っているのだということをPRされたらいいのではないかと、感想だけ申し上げます。
もう一回金融の問題に戻りまして、地域金融の問題について少しお伺いをいたしたいと思いますが、地域金融については、十五年の三月にリレーションシップバンキングの機能強化に関するアクションプログラムというのを作成をされて、中小企業金融の再生に向けた取組を強化をして、実に様々なことをやっておられるということは承知をしておりますが、貸出し残高というようなものを地銀あるいは地域金融機関ベースで見ますと、やはり都銀と同様に対前年では下がりつつあるんですね。これは、資金需要がないのか貸し渋りなのかと判断は難しいところだと思いますが、とにかく数字としては減少をしておると。
それから、不良債権残高につきましても、地域金融機関、十四年三月期には十四・八兆円と言われていたのが十六年九月期には十一・六兆円ということで、やはり都市銀行に比べると非常に減り方が少ない。都銀の現時点の不良債権残高にほぼ同じぐらいのベースになってきたということで、不良債権比率も都長銀信託は四・六%であるのに対して、地域金融機関は六・三%というようなことでありまして、その辺の貸し渋り、貸しはがしといった実態、現時点においてどういうふうに評価をしておられるのか。
それから、不良債権の削減についても、もう少し加速化すべきではないかというような気もいたしますが、金融庁としてどういうお考えか聞かせていただきたい。
○副大臣(七条明君) 私の方からお答えをさせていただこうと思いますけれども。
今先生から二問ありましたが、まず最初の貸し渋り・貸しはがしのホットラインというのを、これ先生も御承知のとおり十四年の十月の二十五日からセットをいたしまして、そのホットラインの方には、四分の一四半期ごとに調査をしてまいりますと、設立された十四年の第四・四半期には三百五十七件余りのホットラインがありました、ホットラインに寄せられた貸し渋り、貸しはがしの苦情がありました。
今はといいますと、この十七年の第一・四半期では、これが四十七件まで下りてまいりまして、近年これは減少する方向にあることだけは間違いがないと思っておりますし、当然、受付件数が減少している要因は必ずしも明確ではございませんが、金融機関の貸出し態度に係る、あるいは日銀の短観の最近の指標も見てみましても改善傾向がうかがえることも事実でありまして、政府の政策が一定の効果を上げているものではないかと、こういうふうにも考えているところでございます。
中小企業に対しては、これからも金融の円滑化に向けて一層努力をしてまいりたいと考えておるところでございます。
また、もう一方で、先ほど先生のお話がありました不良債権の今後のお話につきましては、これは地域金融機関の不良債権比率、さっき先生がおっしゃっておられたように、主要行に比べてまだ、やはり地域金融機関はまだ低下率が低いということでございます。
確かにそうでございますが、全体としては低下のトレンドに入っていることはもう間違いがないと思っておりますが、今後とも、地域に密着をしているかどうか、あるいは企業や、間に立つ地域あるいは企業との間で間柄を重視しているかどうかというような正にリレーションシップの気持ちの中から、地域密着型金融の一層の推進を図り、地域の中小企業への金融ニーズに一層的確に対応していくこととともに、これはリスク管理ということがございますけれども、信用リスクも含めたリスク管理体制を強化することなどを通じて、経営の健全化を確保していくことをやらなければならないと、こういうふうに考えているところでございます。
○中島啓雄君 ありがとうございました。
地域金融機関については、地域の産業再生と金融機関の再生と両方、二兎を追っていかなきゃならぬという難しい立場にあると思いますが、是非日本の再生といいますか、地域の活性化のためにも引き続き御努力をいただきたいということを申し上げて、質問を終わります。
ありがとうございました。
○大塚耕平君 民主党の大塚でございます。
内閣府の藤岡室長、今ちょっと御答弁をお伺いしていて、機構のことについてお伺いしたいことがあるんですが、もうちょっと残っていただければ大変助かるんですが。そう大したことではないんですが、ちょっと御答弁をお伺いしていて気になったもんですから。
今日お願いをしております、御答弁をお願いをしております質問、ちょっと多少順番が入れ替わるかもしれませんが、基本的には通告した内容に従ってやらさしていただきたいと思いますが、まず最初に、今、中島委員の方からも不良債権問題一山越したというような御質問があって、御答弁もいただいたわけですが、改めまして、ペイオフ解禁後の金融情勢について大臣からお伺いをしたいと思います。
○国務大臣(伊藤達也君) お答えをさせていただきたいと思います。
御承知のとおり、ペイオフ解禁は、その市場規律やあるいは預金者の選択の下で、金融機関が緊張感を持って経営基盤の強化に取り組むことにより金融システム全体としての安定性が持続的に確保される、こうした観点から本年四月一日より実施をさせていただいたところであり、現在特段の混乱は生じていないものと承知をいたしております。
当局といたしましては、引き続きペイオフに関する広報活動を行い、金融市場における無用の混乱が生じないように万全を期すとともに、今後とも、個々の金融機関の健全性の問題が深刻化する前の段階で早めの認知、早めの対応を行っていくなど、日常の検査・監督を通じて金融機関の健全性確保に向けた働き掛けを行っていきたいというふうに考えております。
また、当局におけるチェックだけではなくて、利用者の目やあるいは市場規律の下で、金融機関が自己責任に基づき経営を行いながら自らの財務の健全性の確保を図ることが重要であると考えております。
ペイオフ解禁の実施は、こうしたプロセスを通じて、我が国金融システム全体の持続的な安定の確保を目指していくものであると考えているところでございます。
○大塚耕平君 昔、都市銀行と言われた業態も数が減って、メガバンクは御承知のような数になっているんですけれども、メガバンク等主要な金融機関、大手証券会社については、今のところ経営不安といったものはなくなったというふうに理解してよろしいでしょうか。
○国務大臣(伊藤達也君) 先ほども中島委員の御質問にお答えをさせていただきましたように、我が国の金融システムのその安定性というものを向上さしていくために、今日まで金融再生プログラムあるいはリレーションシップバンキングの機能強化に関するアクションプログラムの諸施策というものを展開するなど、様々な取組を行ってきたところであります。
そうしたことによって、我が国の金融機関の資産査定に対する信頼性でありますとか、あるいはリスク管理体制に対する信頼性というものは大幅に改善をしてきたというふうに考えておりますし、またそうしたことが反映した形で不良債権比率というものは低下をし、そして自己資本比率というものも改善してきている状況にあるというふうに認識をしているところでございます。
したがって、今後は、私どもとしてペイオフを解禁をさせていただいたところでございますので、日常の検査・監督を通じて、問題が深刻化する前の段階で早め早めに認知をし、そして適切な対応というものを促しながら健全性確保のために努力をしていきたいというふうに思っております。
○大塚耕平君 金融情勢がそういうふうになっているということについては、私たちも大変好ましいことだと思っておりますので、関係各位の御努力に敬意を表したいところでございますが、まあ先ほど中島委員の方からも、例えば産業再生機構の現状についてはもう少し情報公開があってもいいんではないかという御指摘もあったわけなんですが、もし金融情勢が安定化したとすると、やはり九七、八年以降、本当にその日本の歴史に残るような様々な混乱や破綻があったわけですので、徐々に差し障りのなくなったところから、一体本当に何が起きていたのかということについては情報公開をするなり、あるいはもう一度よくその経緯を振り返って、今後の参考にするべき点を整理するべきだというふうに私は思っております。
そういう意味で、例えば私がこの委員会に入れていただいて以降も、例えば、りそなと足利の対応にあのような違いがあったというのは本当に合理的だったのかどうかとか、あるいは産業再生機構に絡めて申し上げますと、ダイエーやカネボウは現在のような状況になっているわけなんですが、一体ダイエーやカネボウと、その他違う形で処理された企業との間で、どこに違いがあってそういうことになったのかとか、検証しなければならない点がたくさんあると思うんです。
もちろん、りそな、足利はやや近過ぎる話題ですし、それからダイエー、カネボウについては債務者側として今現在まだ対応が続いている先ですので、もちろん私も個別の問題について意見を申し述べるつもりはありませんが、少なくとも今日のFRC報告なんかにあります新生銀行とかあおぞら銀行とか、大分目鼻が付いてきたものですね、とりわけ新生銀行についてはそういう面があると思うんですが、こういうものについては、過去の情報は開示すべきものは開示していくべきだと思うんですが、その辺は大臣の御認識はいかがでしょうか。
○国務大臣(伊藤達也君) 今委員からは、今までのやはり不良債権問題に対する対応というものをもう一度検証して、そして今後の金融行政に生かしていくと、そうした観点から御指摘をいただいたところでございます。
私どもとしても、今日までできる限りの情報開示をさせていただいたところでございますけれども、今後、更に関係者の方々の御理解を得ながら、情報開示できる部分があればそれを情報開示しながら、今日までの政策というものを改めて評価をし、そしてそれを今後の金融行政の中に生かしながら、多くの方々から信頼をいただけるような金融行政というものを確立をしていかなければいけない、基本的にそうした認識を持っているところでございます。
○大塚耕平君 大臣と認識がほぼ一致しているということで大変有り難いことなんですが、そうであれば、差し当たり、今日の報告にもありましたその新生銀行について、当委員会でも新生銀行、当時の旧長銀の処理をめぐってファイナンシャルアドバイザリー契約がどのような内容であったのかということは公開するべきではないかということが何度かやり取りをされております。私が委員会に所属さしていただいて以降でも何度かありました。
今回、改めて過去の議事録を見ましたところ、これは一九九九年の四月十三日の当委員会でありますが、たまたま今委員長席におられる浅尾委員長と当時の柳澤大臣との対応、やり取りの中で、大臣はこういうふうに答えておられます。
ゴールドマン・サックスとの旧長銀のファイナンシャルアドバイザリー契約の問題については、これは別に隠し立てをするということは全く考えておらないわけでありますと、我々は次にすぐ日債銀のFA契約を控えておりますので、もうしばらく待ってほしいと、そういう御答弁をしておられるんですね。
その後、何回か、検索をしましたところ、同じようなやり取りがされておられるんですが、もうこれは大分長銀の問題は片付いたわけですので、このFA契約の内容については開示をしていただくのが、この答弁の流れからすると当然の御対応だと思いますので、当委員会に御提出を願いたいと思います。
これについては委員長に──じゃ、まず大臣に御答弁をいただきたいと思います。
○国務大臣(伊藤達也君) この点の情報開示についても、今委員から御紹介がございましたように、委員長も含めて国会から要請をいただいたことは承知をいたしておりますし、私どももそれを受けてFAの当事者の方に情報開示について打診をさせていただいたところでございますが、関係者の方々、関係者の方からは、その公開については待っていただきたいと、非公開にしていただきたいと、こうした回答でございます。
こうした状況でございますので、私どもとして情報開示ができない現状でございますけれども、委員から御要請をいただき、また当委員会からも御要請があるようでありましたら、もう一度FAの関係者の方には情報開示について打診をさせていただきたいというふうに思いますが、この情報開示は、御承知のように、やはり関係者の同意があって初めて情報開示ができる部分もありますので、私どもとして関係者の御理解がいただけるような努力はしていきたいというふうに思っております。
○委員長(浅尾慶一郎君) 伊藤内閣府特命担当大臣に申し上げます。
かつての答弁においては、その関係者の同意はなく、期間が来れば公開するという答弁をいただいておりますので、その点を申し付けておきます。
○大塚耕平君 まあ、大臣のおっしゃるそのロジックは理解できます。ただし、この長銀に関してはこの瑕疵担保条項が大変大きな問題になったわけでありまして、当事者の同意もさることながら、公益という観点でですね、今後同じような事態が来ないことを祈りますけれども、そういう事態に備えて今後の政策の誤りなき対応を図るためにも、十分公益的見地から開示をしなければならないものではないかと個人的にも思いますので、委員長にお願いをしたいんですが、これは委員会として報告書を、報告書といいますか、FA契約の内容についての開示を求めたいと思います。
○委員長(浅尾慶一郎君) そのように取り計らさせていただきたいと思います。
○大塚耕平君 それでは、このように金融情勢が安定をしてきたとしますと、今後はまさしく市場原理を重んじた言わば金融機関や証券会社の自主的な経営というものが重んじられる局面に入ってくると思うんですね。
そういう意味では、東証とか、あるいは会計基準に関していいますと、基準設定機構の役割というのは非常に大きくなってくるんですが、実は東証については、ちょうどこの産業再生機構が今対応しているカネボウに関しても今まさしく問題になっているわけでありますが、たまたま連休中の新聞を見ておりましたら、五月の二日ですか、金融庁が東証の自主規制部門を分社化するように指導するというような報道があったわけでありますが、東証のその自主規制部門ですね。これは新聞ですと、規制、検査、監視、審査の四部門という書かれ方をしておりましたけれども、これらの対応についての金融庁の考え方をお伺いしたいと思います。
○大臣政務官(西銘順志郎君) お答えをさせていただきます。
一部新聞報道において、金融庁が上場予定の東証に対して規制・監視部門を分社化することを要請する方針と報じられていることは十分承知をいたしております。が、現段階で東証に対し規制・監視部門を分社化する要請をするとの方針を固めた事実はございません。
株式会社組織の証券取引所における自主規制機能の在り方は国際的にも議論のあるところでございまして、例えば、ロンドン証券取引所は上場審査機能等を金融サービス機構に移管しておりますし、米国においてもニューヨーク証券取引所の上場に関して、自主規制部門を独立性の高い非営利法人として切り離すとの報道発表が行われたものと承知をいたしております。
我が国においても、東証が年度内の上場を目指している旨表明している中で、証券取引所の自主規制の在り方についてはこれまで以上に議論を深める必要があるというふうに考えておるところでございます。
いずれにいたしましても、金融庁といたしましては、現段階で報道されたような方針をまとめたわけではございませんが、証券取引所の自主規制機能の今後の在り方について、証券取引所をめぐる内外の環境変化や金融審議会における議論などを踏まえながら検討を進めてまいりたいというふうに考えております。
○大塚耕平君 これから議論を深めるということで、大変結構なことだと思いますので進めていただきたいんですが、この新聞報道に先立つ四月の二十日に、ニューヨーク証券取引所が電子証券取引所のアーキペラゴと合併、合弁をして共同持ち株会社をつくり、これを公開すると。つまり、東証の上場と一緒でありますけれども、これを機に規制部門を、自主規制部門を非営利法人として切り離すという案も発表し、合理的な対応だなと思って私は報道を拝見していたんですけれども、片や、金融庁の御方針はまだ決まっていない、これから議論をするということなんですが、東証自身は、自主規制部門も言わば上場企業の品質管理のために内製化していることが必要なので、現時点では切り離す考えはないというような考えを再三にわたって表明をしているわけであります。
そこで、監督官庁としての金融庁にお伺いをしたいんですけれども、東証とニューヨーク証券取引所が自主規制部門についての考え方、対応がこのように異なるのは、東証とニューヨーク証券取引所がその組織の性質上どのような違いがあるから彼らはそういう考え方の違いを持っているんだというふうに金融庁は認識しているかということをお伺いしたいと思います。
○国務大臣(伊藤達也君) 今、大塚委員から指摘がございましたように、現在、会員組織であるニューヨーク証券取引所、NYSEにおきましては、株式会社化し、上場する際に自主規制部門を独立性の高い非営利法人として切り離すと発表を行っていることに対しまして、東証では自主規制部門は取引所内に組織されているところでありまして、この点については、東証からは、自主規制機能は市場についての品質管理機能であり、市場運営と密接不可分のものであると考えていると、このように承知をしているところであります。
なお、東証におきましては、昨年の六月に自主規制業務の遂行体制について独立性というものを強化をしていくための措置を実施をしておりまして、具体的には、定款における会社の目的の明確化、あるいは自主規制委員会の機能の強化、最高規制責任者の新設、自主規制部門の情報管理の徹底、こうした措置を実施しておるものと承知をいたしております。また、引き続き、自主規制機能に対する投資者やあるいは上場会社等の信認の確保に努めていきたいと、そのように考えているというふうに承知をいたしているところでございます。
それぞれの対応の違いにつきましては、これはそれぞれの取引所の中において公共性というものを追求していく、そして一方で経営の効率性を追求をしていく、その二つの大変重要な視点というものをどのように追求をしていくかと、その中で、それぞれの中で取組が行われているものというふうに承知をいたしております。
現在、国際的にも証券取引所の株式組織化あるいは上場といった、こうした国際的な潮流がある中で、自主規制機関の今後の在り方について更に議論を深めていく必要があると私どもとしても認識をしておりますので、証券取引所をめぐる内外の環境の変化、あるいは金融審議会の審議、そして国会での御議論というものを注視をしながら、私どもとしても検討を進めていきたいと考えております。
○大塚耕平君 例えば、今カネボウで話題になっている上場廃止基準にしてもそうですし、それから自主規制機能全般に関してもそうなんですけれども、これはここで例えば議論をさせていただくと、往々にして、それは東証の自主的な判断ですからとか、今内部で検討している話なのでコメントは差し控えたいという御答弁があるわけなんですけれども、しかし、これ、最後までそのスタンスを貫徹されると監督官庁としてほとんど体を成さないわけでありますので、どこまでが監督責任があって、どこから先が自主的な対応として許容されるものなのかということは、やはりきちんと整理しておく必要があるなと思うんですね。
そこで、東証に対する検査・監督の権能といいますか、体制も含めてですね、基本的な金融庁の考え方をお伺いしたいと思います。
○政府参考人(増井喜一郎君) お答え申し上げます。
現在、証券取引所に対する検査のうち、取引の公正の確保に係る検査につきましては証券取引等監視委員会が行っております。また、財務の健全性等に関する検査につきましては金融庁が行っている、そういった形になっております。また、証券取引所の業務及び財務の健全性を維持する観点からの監督につきましては、証券取引法の規定に基づきまして、金融庁が行っているところでございます。
なお、証券取引所の検査体制につきましては、平成十六年度の証券取引法の改正によりまして、本年の七月以降、金融庁長官から証券取引等監視委員会に委任されている検査権限の範囲が拡大をされまして、監視委員会の方が一元的に検査を実施するということになっておるところでございます。
○大塚耕平君 ここに、これ、東証自身が昨年行いました証券取引所の自主規制に関する研究会の報告書があるんですね。報告書そのものはこんな分厚いもので、昨日、金融庁からいただいたんですけれども、これはサマリーなんですけれども、その中にこういうくだりがあるんですね。これは証券取引所の、東証の認識ですよ。
証券取引所の自主規制は、公的規制とは異なる多くの長所を有している。証券取引所の自主規制の長所について改めて整理すると、①現場主義による機動的かつ実効性の高い規制、②法令による規制の明確化・具現化、③法令よりも高い水準での規制、④未然防止、⑤適正なコスト配分とコスト軽減効果、の五点である。
これ、この①、②、③、④、⑤がきちっと体現されれば本当にすばらしいことだと思うんですが、私がちょっと着目したのはこの③なんですね、「法令よりも高い水準での規制」。つまり、法律ではここまでいいですよと言っている範囲であっても、上場企業として適切ではないと思えば、法令よりもより厳しいディシプリンを要求するということを東証自身が言っているわけですね。これ、大変結構な心構えだと思うんですが。
そうすると、例えばカネボウのケース、これも一般論として申し上げます。粉飾とか虚偽記載とか、これは法令違反になりそうな事案でありますので、法令で求めているよりもより厳しい対応をするというようなケースに当たるとすると、当たるとすると、実はそこで産業再生機構、室長にちょっと残っていただいたんですけれども、お伺いしたいんですけれども、そのようなケースに当てはまるような事案が起きているときに、公的組織である産業再生機構がいち早く上場に関して意見を申し述べると、紙出しましたね、産業再生機構として。
その内容の適否はここでは申し上げません。私も中島委員と同様に個別の事案について特に持論はありませんし、ここで適否を申し上げるつもりはないんですが、その産業再生機構の行動ですよ。つまり、東証は法令よりもより厳しい対応をするのが自主規制機関として自分たちのあるべき姿だと述べている。
今回は、法令違反に該当しそうな事案が起きている最中に産業再生機構としていち早くそれについて意見を申し述べるという行動について、これは監督する室長としてどのようなお考えをお持ちですか。
○政府参考人(藤岡文七君) 正に委員お尋ねの件は現在東証において審議されておりますので、私どもの方から具体的に申し上げることは差し控えさしていただきたいと思います。
ただ、一般論といたしまして、基本的に産業再生機構が個別の案件につきまして様々なそれに関する活動を行うと申しますのは、産業再生機構法の業務の中におかれましても、やはりその業務に関連して必要な交渉及び調査ということで、十分法律上活動としては読めるということでございます。そういうことでございます、私どもは理解でございます。
○大塚耕平君 いや、私は、例えば今回の産業再生機構の意見の内容が上場を廃止しろというような意見だったとしても、それも余計なお世話だと思います。産業再生機構が言うことではない。維持しろということも言うべきではない。つまり、あの段階でああいう見解を申し述べるという産業再生機構の行動についてどのように考えるのかということをお伺いしているわけですから、今検討している内容について聞いているわけじゃないんですよ。
もう一回答弁してください。
○政府参考人(藤岡文七君) 私どもといたしましては、産業再生機構の行動というのは、十分、その機構が担保されている行動の中の一つだというふうに考えてございます。
○大塚耕平君 ということは、今後、産業再生機構が今抱えている案件で東証に対して意見を言う場面が今後出てきても黙認するということですね。
○政府参考人(藤岡文七君) 産業再生機構としての意見を言う可能性はございます。
○大塚耕平君 いや、それは問題だと思います。問題だと思いませんか。
○政府参考人(藤岡文七君) お答え申し上げます。
正に、委員御指摘の件ですが、正に機構は自ら行っております任務を達成するために、市場における株主や債権者の一人といたしまして機構自身の考え方を伝えるということはあり得るというふうに考えてございます。
○大塚耕平君 まあ、ここであり得ないと言うまでずっと聞き続けても同じ答弁が続くと思いますので、ここで白黒を付けるようなやり取りはするつもりありませんが、私は適切ではないと思います。
産業再生機構は、一債権者とはいっても、公的信用をバックにした、しかも私的整理なのか、いわゆる破綻法制の一部なのか、全くどちらとも付かない中途半端な存在、言わば超法規的な存在としてこの緊急的な経済情勢の中でたまたま認められた組織ですから、余り、余り、東証がせっかく自主規制機能を発揮しようとしているわけですからね、現時点では、予断を抱かせるような声明なり見解を表明するべきではないということを意見として申し述べたいと思います。
それで、もう室長には、ちょっと急に残っていただいて恐縮だったんですが、ここまでで結構ですから、もしお時間があれば、お引き取りください。委員長、よろしければお引き取りいただいて結構です。
○委員長(浅尾慶一郎君) どうぞ。
○大塚耕平君 今の問題に関連して、増井局長にちょっと、お手元に証取法持っていらっしゃったら証取法の百十三条を読んでいただきたいんですけれども。──前半、前半だけで結構ですから。
○政府参考人(増井喜一郎君) お読みいたします。百十三条でございますね。
内閣総理大臣は、証券取引所が業務規程に違反して有価証券の上場又は上場の廃止を行おうとする場合又は行つた場合には、当該証券取引所に対し、当該上場を行つた有価証券の上場の廃止又は当該上場の廃止を行つた有価証券の再上場その他当該違反を是正するために必要な措置をとることを命ずることができる。
あと、若干ございますが、一応そこまでで。
○大塚耕平君 この内容は、実は東証の自主規制は最後まで自主規制ではあり得ないということを言っているわけですよ。東証が自主規制で判断をしたことであっても、それが業務規程に違反して判断されたものであった場合には監督官庁として是正をするということを証券取引法百十三条は言っているわけですよ。
そうすると、今回のケースで言うと、まあカネボウさんがどういう対応になるか分かりませんけども、その判断が東証の上場規則、上場廃止基準なんかに照らして適切な判断であったかどうかということは、証取法に基づいて金融庁は判断をする立場にあるんですよ。
そういう事案が起きているときに、もう帰ってもらっちゃいましたけども、産業再生機構が先に一債権者とかたって書面にて見解を申し述べるというのは、これは金融庁は怒らないと駄目ですよ、本当は。内閣府、内閣府の系列なんで怒るというのも難しいかもしれませんけども、これは、金融庁、越権行為を産業再生機構にされたと思わないと駄目ですよ、これは。どう思いますか、これは、大臣。
○国務大臣(伊藤達也君) それぞれのその所管においてはそれぞれの法律に基づいて、産業再生機構であればやはり事業再生という観点の中で様々な御判断があり、またそこで発言があろうかというふうに思いますし、また私どもとして、証券取引所が適切な業務運営がなされているのかどうか、健全な業務運営がなされているのかどうか、そうしたことを監督者としてしっかり監督をしていくということも非常に重要なことでありますので、そうした観点から証取法の中でも規定をされているわけでありますから、上場廃止基準あるいは自主規制規則に基づいて適正な判断がなされていないという場合には、証取法に基づいて私どもとして対応していくということが求められているというふうに思います。
○大塚耕平君 私、大臣に是非お願いをしたいんです。
今の御対応で、非常に合理的な御答弁ですし、その御対応で結構だと思いますので、今後も、東証は自主規制だと言っていますが、だからといって東証の判断には一切口を挟まないという法構造にはなっていないということを御認識いただきたいのと、先ほど内閣府の産業再生機構担当室長はあのようにおっしゃって帰られましたので、今後も同じようなことは論理的に起こり得るということを言って去っていったわけですから、そのときにはやはり証取法所管の大臣として事前に適切な御対応をしていただきたいということをお願いをしておきたいと思います。
その上で、増井局長、恐縮ですが、二十六条もちょっと読んでいただけますか。
○政府参考人(増井喜一郎君) 恐縮です。二十六条をお読みいたします。
内閣総理大臣は、公益又は投資者保護のため必要かつ適当であると認めるときは、有価証券届出書の届出者、発行登録書の提出者、有価証券報告書の提出者、自己株券買付状況報告書の提出者若しくは有価証券の引受人その他の関係者に対し参考となるべき報告若しくは資料の提出を命じ、又は当該職員をしてその者の帳簿書類その他の物件を検査させることができる。
○大塚耕平君 局長、御担当として、この二十六条の意味はこれどういうふうに解釈したらいいですか。
○政府参考人(増井喜一郎君) 今突然の御質問ですので、私が理解している限りで申し上げますと、証券取引法は、こういった有価証券の届出書その他いろんな書類について、提出者がまず自己の責任でいろんな形で書類を提出するということになっているわけでございますが、その場合に、仮に何か問題があるなりなんなりの状況が起こった場合には、いろんな参考となるべき資料の提出あるいは検査、こういったことが内閣総理大臣ができると、そういう規定ではないかというふうに考えます。
○大塚耕平君 これは実は、通告してあります七番の東証に対する検査・監督体制に対する質問に絡んで、昨日条文をちょっと夜読んでいたものですから、気になったものですから急にお伺いして申し訳ないんですけれども。
これは私が読む限りでは、もちろん今の局長の解釈でも間違いではないんですが、要は、上場企業に対しても金融庁は検査に入れると書いてあるんですよ、これ。いや、そういうふうに読めます、これは。
だから、もちろん東証に対する検査・監督体制は、例えば東証の基準の解釈なんかについては先ほどの百十三条でも対応できますし、もし東証が、この秋に上場すると言っていますけれども、上場した後は、まあ上場しなくても可能ですね、この条文は。二十六条で、とにかく株式会社である以上、有価証券報告書の内容等に関連して場合によっては検査をできると書いてあるんですね。
そうすると、東証に対する検査・監督のみならず、例えば今回のようにカネボウが問題になっているときに、カネボウに二十六条に基づいて金融庁自身が検査をすることもできるというふうに私は読めるんですけれども、この解釈は間違っていますでしょうか。
○委員長(浅尾慶一郎君) 金融庁、よろしいですか。
○政府参考人(増井喜一郎君) 恐縮でございます。突然の御質問でございまして、今ここで具体的な個別のケースについてこうということではございませんが、正に条文に書いてあるとおりだと思いますが。恐縮です。
ただ、一つだけ申し上げておきますと、今の条文には内閣総理大臣はいろいろなことができるというふうに書いてございますが、ここの部分につきましては財務局長に委任されておりまして、その権限は財務局長が行使をするということになっておるところでございます。
○大塚耕平君 確かに有価証券報告書の関係は関東財務局長に全部委嘱をされているというふうに私も理解しています。いや、本当に昨日の夜読んでいて気が付いちゃったものですから、恐縮なんですが、しからば後日で、後刻で結構ですので、この二十六条に基づいて実際に企業に対して検査に入った実績があるのかどうかということと、この二十六条を執行する体制として、どのような陣容でどこの課がこれを所管しているのかということについて後で教えていただきたいと思います。よろしいでしょうか。
それでは、続きまして、事ほどさように、東証がこれから自主規制機関として非常に重要な役割を果たす局面に入っているからこそ、これから秋に東証は上場するというふうに言っているわけでありますが、ここは慎重に私は考えるべきではないかというふうに思っております。
去年のこの委員会でも鶴島社長に来ていただいてその点お伺いをしたことがあるんですが、上場するという方向でお考えに変わりはない、そして現時点も報道を見る限り変わりはないわけでありますが、そういう情勢を前提にお伺いをしますが、株式会社化された後の東証の役員、それから社員持ち株会の株式の保有状況について御説明をいただきたいと思います。
○政府参考人(増井喜一郎君) お答え申し上げます。
東証の株式会社化後の株式の保有状況でございますけれども、平成十三年十一月の当初にはすべて証券会社の保有でございました。その後、平成十五年の三月に役員等の保有方針というのが示されまして、十六年三月末に、それに基づいて、役員保有株式数が千株弱、役員の保有の株式数が千株弱。それから、社員持ち株会社会というのがございますが、これが一万株弱保有をしていたという状況でございました。
しかしながら、本年の三月に、役員が未公開株によりまして短期的に利益を得ることを避けるというために、保有株式のすべてを社員持ち株会に売却をしたということから、現在では役員の保有はなくなっておりまして、社員持ち株会の保有が一万株強というふうになっていると承知しております。
○大塚耕平君 今年の三月末には役員は手放したということですけれども、この役員の皆さんは取得するときにお金払っているんですか。
○政府参考人(増井喜一郎君) 払っているということでございます。
○大塚耕平君 ということは、未公開株の問題はリクルート事件以来非常に取引所としてもセンシティブな問題であるということが分かっていながら、東証の役員の皆さんは上場を目前に控えてどういうつもりで保有をして、そしてどういうつもりで今年の三月にそれを放棄したんですか。
○政府参考人(増井喜一郎君) お答え申し上げます。
先ほど私御説明いたしましたように、十五年三月に役員等の株式の保有方針というのが定められたわけでございますが、これは、株式上場に向けた資本政策につきまして上場準備アドバイザーの助言を受けまして、やはり、経営責任の明確化及び経営者としての株主利益あるいは企業価値拡大を意識した経営を行うなどの観点から、一定の自社株保有方針というのが示されたというような経緯があったというふうに聞いております。
ただ、先ほど申し上げましたように、この三月に、やはり未公開株による短期的な利益を得ることを避けるといった観点から、今回の役員につきましては保有株式をすべて売却をしたというふうに聞いております。
○大塚耕平君 経緯についてはちょっと首をかしげるところがありますが、少なくとも三月末にきれいにしているということはそれで結構だと思うんですが、そうしますと、社員持ち株会の、役員から引き取った千株を含めた一万数千株以外の東証の現在の株主構成について、業態単位で結構ですので、ちょっと教えていただきたいんですが。
○政府参考人(増井喜一郎君) お答え申し上げます。
東証からは、十七年三月末現在の株主構成でございますが、まず証券会社が約八七%、それから金融機関が約一一%、それから先ほど申し上げました社員持ち株会が約〇・五%、その他が約一・六%というふうに聞いております。
○大塚耕平君 証券会社が八七ですね。これはどういう対応で結局この証券会社が八七%持つことになったのか、今分かる範囲でちょっと教えていただきたいんですが。
○政府参考人(増井喜一郎君) お答え申し上げます。
先ほどちょっと申し上げましたが、そもそも東証というのは会員の組織でございました。それで発足時は、したがって株式会社となったときには証券会社がみんな持っていた、株を持っていたということでございまして、その後、先ほど申し上げましたいろいろな経緯がございまして、役員などが、役員とかあるいは役員会等々が株を持つというようなことになっております。
要するに、東証からは、当初は株式を保有していた複数の証券会社から東証に対して自己株取得の要請があったということでございます。そこで、東証は、いったんその株を取得をした後、そういったいろいろな取引、総合取引参加者以外の金融機関を含めた長期安定的に保有可能なものに保有依頼をしたと、そういう形で今の金融機関等が保有をしていると、そういう状況でございます。
○大塚耕平君 証券会社は、もちろん証券会社の中にはそれ自身上場企業であるところもありますが、東京証券取引所のつまり仲介業者である。これが八七%株主を占めている。そして、先ほど来幾つかの企業の名前が出ていますが、企業はその会員であって、上場されている会員であって、この企業の自主規制も東証は行っていると。
証券会社のインサイダー取引等を規制する立場にある証券取引所、そしてしかし、その証券会社は大半が東証の株主であると。そして、上場企業の有価証券報告書の中身等が財務内容が上場基準に適しているかどうか等を判断する立場にある証券取引所、しかし、その多くは東京証券取引所の会員企業である、上場している会員企業である。こういう状態で、東京証券取引所が自主機能規制を持ったまま、しかも、今でこそ役員は持っていませんが、持ち株会社が自社株を持った状態で上場をされるという事態。自分で説明しているだけでも何か頭の中が混乱してきますけれども。
その上、この間、鶴島社長の記者会見の記録を見ていてびっくりしたんですけれども、ある記者さんから、上場後は東証自身が例えば法令違反をしたり上場基準に抵触したら上場廃止になることはあり得るのかという質問をされて、当然のことですが、鶴島社長は、そういう事態はあり得るといって回答しているわけですね。
そうすると、場合によっては、上場廃止になって監理ポストに入った東京証券取引所が運営している取引所で株主である証券会社が会員である企業の株のトレーディングを行わせるという、非常に難しい状況が生み出される蓋然性が大いにあるというふうに私は思いますので、是非大臣にお願いをしたいんですが、私は、まず第一に、上場自身、別に何でもアメリカやヨーロッパのまねすればいいわけじゃないですから、本当に日本の企業文化、そして証券市場の風土に取引所の上場ということが合っているのかどうかということをよく御判断いただきたいというのが一点。そして、これは東証自身の自主的な判断ではないんですよ。監督官庁として、金融庁として政府の意思をしっかり表明していい点だと私は思っています。これが一点目です。
そして、二点目に、いや、それでも東証がもし上場するというのであるならば、そして金融庁がそれをお認めになるということであるならば、少なくとも、一般の上場企業と同じように役員は株を持っていいんじゃないかとか、社員持ち株会は株を持っていいんじゃないかとかという、そういう常識は当てはまらないんではないかと思いますので、もし上場を認めるんであるならば、少なくとも株主構成についてある一定のディシプリンを働かせるべきだと私は思います。
この二点について、大臣の御見解をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(伊藤達也君) 今委員からは二点の御指摘があったわけでありますけれども、今正に金融審議会においては、証券取引所の在り方、自主規制機関の在り方、国際的にも証券取引所の株式組織化でありますとかあるいは上場と、これは国際的な潮流になっておりますし、そうしたことも踏まえながら正に議論が行われているところであります。私どもとしても、その在り方について議論を深めていかなければいけないという認識を強く持っておりますので、金融審議会の議論、あるいは国会での議論というものを十分注視しながら検討をしていきたいと。
そして、先ほどお話をさせていただいたように、証券取引所においてはやはり公共性というものをしっかり追求をしていくと。そのための対応をどう取っていくのかということは非常に重要な論点でありますし、また一方で、取引所としての経営の効率化、あるいは国際的な取引所同士の市場の競争の中でどのように競争力を強化していくのか、そうした観点からの経営の効率化、これも大変重要なことでありますので、こうした二つの重要な課題というものに対してどのように取り組んでいくのかということは極めて重要な議論でありますから、金融審議会の議論も含めて私どもとして検討は進めていきたいというふうに思っております。
○大塚耕平君 是非よろしくお願いしたいと思います。
そして、新聞報道によれば、鶴島社長は次に交代されると東芝の西室さんが東証の社長になるというふうに報道されておりますけれども、社長はともかくとして、専務、常務、常勤の役員の中に外部の人が一人も入ってないんですね。全部プロパーの、東証の方々ですので、これは今、先ほど来るる申し上げましたような、非常にコンプライアンス上複雑な状況が生み出されるかもしれない東京証券取引所をガバナンスする常勤ボードとして社長以外に一人も外部の人がいないというのは私は大変なリスクを感じますので、この点について適切な御指導をいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(伊藤達也君) これも、先ほども答弁をさせていただいたように、やはり自主規制機関としての投資家やあるいは上場会社等のやはり信頼というものを確保していくためにどのようなガバナンスというものを確立をしていくのか、その充実を図っていくのか、これは極めて重要なことでありますし、だからこそ、今、自主規制機関の在り方について議論を深めていかなければいけないというふうに私どもとしても強く認識をいたしておりますので、国会の議論やあるいは金融審議会で正にこのことについて議論がなされておりますから、そうした議論というものを踏まえて検討を進めていきたいというふうに思っております。
○大塚耕平君 あと幾つか積み残した質問がありますが、この東証の在り方については本当に平時に戻る日本経済にとって非常に大きなポイントだと思いますので、今後も機会をとらえて議論をさせていただきたいと思います。
ありがとうございました。
○櫻井充君 民主党・新緑風会の櫻井でございます。久しぶりに財政金融委員会で質問をさせていただきます。
先ほど中島委員の方から、不良債権処理に伴ってというお話がございました。そのときに大臣の方から、不良債権の処理をしたから自己資本比率が上がったのだという説明がございましたが、分母がどのぐらい小さくなって分子がどのぐらい大きくなって、結果的に不良債権処理に伴った自己資本比率の改善というのはどのぐらいなんでしょうか。後からでもいいですよ。
○国務大臣(伊藤達也君) 済みません。今、突然の御質問なものですからちょっと数字を持っておりませんので、後ほど数字をお届けさせていただきたいと思います。
○櫻井充君 普通は、大体根拠になる数字があるからこそああいう答弁になるんだろうと思うんですね。
私の認識は若干違っていて、要するに、貸出しをやめてしまって、不良債権処理ではなくて、貸出しをやめることによって分母のリスクアセットは小さくなります。これはもうどの企業に貸し出してもリスクウエートは一〇〇ですから、リスクアセットは貸出しをやめるだけで小さくなります。これをそして更に国債に置き換えるとどうなるかというと、結果的にはリスクウエートはゼロですから、ですからその分だけ、国債を買った分だけ利益が少し出てまいります。ですから、私の認識でいうと、むしろ、不良債権の処理をしたからということよりも、まだ、いまだにまだ貸しはがしが続いていて、そしてそれを国債に置き換えているからこそ自己資本比率が良くなっているんじゃないだろうか。
もう一点申し上げておきますが、銀行はこの自己資本比率の維持のためにきゅうきゅうとしていると思っています。それは、ペイオフの一時解禁のために平成十三年度に、金融庁のこれは検査の結果ではありますが、五十六の金融機関が破綻に追い込まれています。しかし、じゃ、平成十四年、十五年はどうかというと、わずか一行でしかないと。その前の年の数と比較しても異様にこの平成十三年度が多くて、しかも時期は秋以降にあったということは、明らかにそのペイオフを意識してのことなんだろうと思うんですね。
ですから、とにかく大事なことは、本当にこういうやり方をしていって地域の経済が活性化していくのかどうか。それからもう一つは、本当にこれで銀行が立ち直っていけるのかどうかというところに懸かってきているので、その点の分析を、分析した数字をいただければ有り難いなと、そう思います。
もう一点、私の地元の銀行も随分前になりますけれども破綻に追い込まれて、私も、その銀行から住宅ローンの融資を受けていて、結果的にほかの銀行に替わらざるを得なくて、ただ、私の仲間の医者や歯医者の方々の三割が金利を変えて融資を受けなければいけないような状況にも追い込まれました。
その前後、そこを境にだと私は記憶しているんですが、宮城県の高校生の就職の内定率も下がったような気がしておりまして、以前にもこの点についてお伺いしましたが、要するに、銀行が破綻したことによって地域経済がどれだけその影響を受けているのか。その点について本当にきちんと調査されているのかどうか。これがプラスに働いているのかどうか。もし調査しているんであれば、その数字をいただきたいと思います。
○国務大臣(伊藤達也君) 今委員の質問に直接答えられるような調査を金融庁としてしているわけではございません。
ただ、私どもとしては、やはり金融機関が破綻した場合のその地域経済に対する影響というものを最小限に抑えていかなければなりません。そのことは極めて重要なことでありますので、金融庁としても、あるいは財務局と連携をして、地方自治体やあるいは民間、政府系金融機関に対して、善意かつ健全な借り手への信用供与の円滑を確保するための迅速かつきめ細やかな対応を要請をしてきたところであります。
それと、前段に委員から御指摘がありました点でありますけれども、不良債権問題を解決をして金融機関の健全性を確保することが金融改革の目的ではありませんので、委員もこの場で何度も指摘をされているように、やはり金融機能というものを向上して、そして利用者の様々なニーズにこたえていけるような機能というものを発揮していくことが極めて重要でありますし、また地域の観点からすれば、地域に密着した金融機能というものを充実をさしていくと。リレーションシップバンキングの機能というものを強化をしていくということがとても大切なことでありますので、委員も含めてこの委員会ではそうした指摘が何度ともなされ、そうしたことを踏まえて、私どもとして、この問題に対するアクションプログラムというものを策定をさせていただき、そしてそこに盛り込まれた諸施策というものを展開をさせていただきながら、中小企業の再生と地域経済の活性化というものを図りながら同時に不良債権問題を解決をしていくと、こうした取組を進めてまいりました。
そして、今度の新しい金融改革プログラムにおいても、こうした取組というものを引き継いで、そして将来の望ましい金融システムの在り方としても地域経済に貢献できる金融機能というものを強化をしていくということを明確化しているところでありますので、私どもとして、こうした取組というものを更に進めていかなければいけないというふうに思っているところでございます。
○櫻井充君 おっしゃるとおりだと思います。
そこの中で大事なことは、データの蓄積なんだろうと思うんですね。医学と経済学と何が違うかというと、医学は動物実験がきちんとできている。きちんとと言ったら怒られるかもしれませんが、動物実験であらかじめ数字が出てきて、この薬なりこの治療法がどれだけ有効なのかということをちゃんと科学的に立証してから、安全性を確認して我々は治療法などを確立していくわけです。そうすると、経済の場合には、過去の歴史をひもといて、過去にこういう政策を作ったからこのときにどうなったということをちゃんと把握しておかないと、社会実験というのはできませんよね。社会実験をやったら多くの方々に影響を及ぼすわけであって。
ですから、そういう意味で、こういう処理をしたその後に一体どうなったかということを、これは金融庁の範疇でないとおっしゃいますが、これは金融庁の政策としてやられているわけであって、そうすると、その後社会がどうなっていくのかというのは、じゃ、金融庁がやらないんであったとすれば、だったら金融庁がどこかに依頼をしてきちんとした形でやっておかないと、やっておかないと同じことの過ちを繰り返すんじゃないのかなと、そう思います。
特に、これは金融庁ではありませんが、財政再建を平成九年に失敗したと。このときに、この委員会で塩川財務大臣になぜ失敗したんですかねとお伺いしたら、運が悪かったと一言で総括されたわけですよ。これは本当の話ですからね。つまり、だから、同じように平成十三年に財政再建をやろうと思ってまた失敗しているわけですよ。そういう同じ失敗を繰り返さないためには何かというと、きちんとしたデータの蓄積が必要なんだろうと、そういうふうに思っています。
あと、ちょっと時間があればまた後で議論さしていただきたいと思いますが、今日は、まず一つ収入印紙税について谷垣大臣に質問さしていただきたいと思います。
その印紙税、お手元に資料をお配りいたしましたが、本来は、本来は、税というのは公正、中立、公平でしたか、公平、中立、簡素でなければいけないというふうに言われています。
そこの中で、まず二枚目を見ていただいた方がいいかと思いますが、例えば五万円の飲食をした場合に、五人で仮に、そこのお店に行きましたと、だれか一人が代表してお金を払って、領収書は要らないからという話をすると、そこのお店は印紙税を払わないということになります。しかし、だれかがやはり領収書を下さいと、五万円ですからといってその本人が受け取るとどうなるかというと、印紙税がそこで発生してきます。
ところが、この五枚を、五人で一枚ずつ領収書が欲しいといって一万円の領収書を切ってくれという話になると、このお店は印紙税の負担がなくなるんですね。
これは極めて私はおかしな話だと思うんです。これが本当に公平なのかどうか、それからこれは簡素と呼べるのかどうかということなんですが、この点についてまず大臣はどうお考えですか。
○国務大臣(谷垣禎一君) 櫻井委員が大変印紙税について御研究になりまして、質問主意書もいただきまして、私、読ませていただいて大変勉強になりました。
大変古い歴史のある税制でありますので、なぜこういうところに担税力を認めてこういう税を設けているかというのも、時代の変遷に伴いましてウエートの置きどころも変わってきている点があるのかなと、率直にそのように思っております。
そこで、現時点でこの印紙税というものをどういう性格のものかとやや教科書的に申しますと、経済取引に伴って文書が作成される場合、その背後にはやはり一定の経済的利益が推定できるだろうと。それから、その文書を策定することによって取引事実が明確化して、あるいは法律関係が安定化するということにやはり一種の利益というものが見込まれるだろうと。そこで、そこに税を掛けていると。これが、極めて教科書的でありますが説明でございます。
したがって、取引自体に着目して税を掛けているわけではないと、こういう考え方で今印紙税については整理をしているわけですね。
そこで、御指摘の事例ですが、お互いの了解で領収書を発行しないという場合には、確かに領収書ない、印紙税不要ということでありますけれども、ここは、取引そのものはもちろんあるわけですが、取引そのものに着目したわけではないと、文書が出ていないと、こういう点でここでは印紙税が不要ということになるわけであります。
それから、分割した場合に、一枚で書けば印紙税が要るのに、分割した場合には、五人に分けて一人一万円だったら要らないのはおかしいではないかという御指摘でございますけれども、これは三万円以上の場合に印紙税をいただくということになっておりますので、一万円では印紙税はいただかない。その理由は、やはり小額の文書、要するにその取引を証する文書にまで全部印紙税をいただくというのは極めて煩雑と申しますか、この簡素という点からは物すごく離れてしまいますので、三万円というところで一応線を引いております。
したがいまして、割り勘にした場合は一人一万円の飲食でありますから、その場合には掛けないと、こういうことになってくるわけでございます。
公平であるかどうかというのは、そういうところに着目すれば私は公平でないということにはならないんだろうと思います。
○櫻井充君 一万円の領収書を受け取るのは払った本人です。税金を払わなきゃいけないのは飲食店なんですよ。飲食店は一万円じゃありません。飲食店はそこで五万円という額、金をちゃんと受け取っているわけですよ。それを五人に分けているんですよ。分けて出したときには印紙税を払わなくていいんですよ。だから、大臣の答弁違っていますよ。
大臣は今、一万円のと、だからそれはって、それは受取側の話であって、五万円を一枚で書くと払わなきゃいけない、五万円を五枚で分けたら払わなくていい、払わなくていいっておかしな話じゃないですか。
○国務大臣(谷垣禎一君) ここのところは、今議論して何か押し問答みたいなことを櫻井さんとするつもりはないんですけれども、やはりそれは、分けてくれというのは、やっぱり一人一人で割り勘にしたわけですから、それは結局一万円の飲み食いが五つあると、こういうことになるんじゃないでしょうか。だから、そういう、何というんでしょうか、免税点と申しますか、そういう制度を設けて、当事者がそういう取引を選んだ以上は仕組みの上でそういうことになってくるということではないかと思います。
○櫻井充君 元々この税金って何から始まったのかというと、明治六年に、地租が主体だったものですから、農民の方に課税負担が重いということで、商工業者に何かないかといって文書の話になっていくわけですよね。文書課税だったわけですよ。文書課税だったのが、いつの間にか、この答弁なんかを見てみると、経済的取引に伴い作成される文書の背後には経済的利益があると推定されると、こう書いてあるわけです。
つまりは、今大臣は文書だけというお話をされますが、私が出した質問主意書によれば、ここに必ず出てくる言葉は、「経済的利益があると推定される」とあるわけです。つまり、同じ経済的利益なんですよ、これは、企業にとってみれば。同じ経済的利益でありながら、五枚もですよ、五枚も紙を出したって税金は払わなくていい、一枚だったら払わなきゃいけないと、これはおかしい。答弁と違っているじゃないですか。
○国務大臣(谷垣禎一君) 文書課税というのは確かに委員のおっしゃるとおりです。ただ、文書だから何でもかんでも課税するというわけではなくて、その背景に一定の経済的利益が推定されるから、そこに担税力を認めて課税をしているという関係になるわけですから、確かにおっしゃるように明治の初めごろ設けた趣旨と現在とはかなり違ってきているというふうに私は思います。
したがいまして、経済情勢の変化に伴ってこういう税金の根拠いかんということは常に問い掛けていかなければならないと思いますが、現在の段階、現在のこの制度の私どもの根拠としているのは先ほど申し上げたようなことになるわけでございます。
○櫻井充君 それではもう一つ、IT化に伴ってじゃ一体どうなってきているのかということです。
つまり、これはお手元の資料の一枚目に書いてありますが、書面を交わせば、契約書、契約の場合、書面を交わせば、これは印紙税が発生します。ところが、電子契約の場合にはこれ印紙税発生しないんですね。同じ契約をしても、同じ契約をしても、印紙税が必要な場合と必要でない場合がございます。
これに対して答弁は、なぜ電磁記録は駄目なのかというと、ここに書いて、これ答弁ですよ、これは答弁、「電磁的記録については、一般にその改ざん及びその改ざんの痕跡の消去が文書に比べ容易なことが多いという特性を有しており、現時点においては、電磁的記録が一律に文書と同等程度に法律関係の安定化に寄与し得る状況にあるとは考えていない。」と。つまりは、ITは駄目なんだということをこれおっしゃっているわけですね。
ところが、それでは関係省庁の方にお伺いしたいんですが、例えばこの電子署名及び認証業務に関する法律案の概要のここの中には、目的は何かというと、電子署名法はインターネットを活用した電子商取引等ネットワークを通じた社会経済活動の円滑化を図ることを目的として成立したんだと。
それからもう一つは、これはIT書面一括法と呼ばれているものですが、その趣旨は何て書いてあるかというと、経済のIT化が進展する中で書面の交付あるいは書面による手続を義務付けしている規制が電子商取引等の阻害要因になっていると。だからこれを変えなきゃいけないということを、これは経済産業省からですね。
そこで、各省庁にお伺いしたいんですが、この財務省からいただいた答弁に対して、内閣府とそれから総務省と経済産業省、いかがお考えでございましょう。
○政府参考人(伊藤元君) お答え申し上げます。
個々の法律につきましては後ほど担当の省庁の方からお答えがあるかと存じますので、内閣官房の方からはIT政策との関連について申し上げたいと存じます。
先生御指摘のとおり、政府におきましてはIT基本法あるいはe―Japan戦略等に基づきましてIT政策を推進しております。この一環といたしまして、電子政府や電子商取引の促進の観点から、行政手続のオンライン化や民間取引における書面交付の電子化、更には文書保存の電子化等を推進してきております。
その上ででございますけれども、電子化一般についてでございますが、各制度ごとにどのように電子化を進めるかということにつきましては、電子化による効率化や利便性の向上等のメリットを十分に踏まえるとともに、例えばセキュリティーの確保ですとか消費者保護とか、そうした点も留意をしつつ、様々なファクターを勘案して判断していくものだというふうに考えております。そして、そうした判断につきましては、個々の制度の目的ですとか内容等についても異なってくるわけでございまして、一律に判断することは難しいと考えております。したがいまして、電子化に伴う技術的要件等につきましては、基本的には法律や制度を所管する各省の判断というのを尊重するということではないかと思います。
いずれにつきましても、暗号化技術等を含めまして、IT関連技術の進展というのは正に日進月歩でございまして、今後、こうした技術の進展に対応して、各府省が各法律の制度等を勘案しつつ一層の文書の電子化に取り組むことによりましてIT化が更に拡大をしていくというふうに考えております。
○櫻井充君 要するに、私が聞いているのは、今の答弁は、私は担当省庁じゃないから、法律の所管省庁じゃないから答えられないということですか。そうならそう答えてくださいよ。
○政府参考人(伊藤元君) 内閣官房といたしましては、IT政策全般についての総合調整の機能をしております。その上では当然関連をしておりますが、詳細な説明等については担当の省庁から説明していただいた方が適切であるということでございます。
○櫻井充君 じゃ、調整しているところにお伺いしますが、調整しているところにお伺いしたいのは、財務省からの答弁書は信頼できないと言っているんですよ。ほかのところでは法律こうやって作って、さあやりましょうと言っているんです。調整付いてないじゃないですか。
○政府参考人(伊藤元君) 先ほども御答弁申し上げましたとおり、電子化をどう進めるかにつきましては、その電子化のメリットと同時に、更にいろいろな点について考慮を加える必要があると思います。したがいまして、それぞれの項目ごとには、ある部分対立していることがあるかもしれませんが、その中で最も妥当なバランスを判断をしていくということでございまして、この点につきましては財務省の判断を内閣官房としても尊重したいというふうに考えております。
○櫻井充君 調整されてないじゃないですか。言っていることが違うんですよ、これ閣内で。片側は、阻害しているものがあるからどんどんやろうといって、そういうふうに言っているわけでしょう、ペーパーレス化にした方がいいと。片側は、なぜ、なぜじゃ電子商取引なんかの場合に駄目なのか、電磁的記録は駄目なのかといったら、こういう駄目な理由を挙げているわけじゃないですか。調整というのはお互いの考え方をちゃんと一致させることなんですよ。お互いの考え方一致させもしないで調整なんて言えないじゃないですか。
○政府参考人(伊藤元君) 例えば、一例でございますけれども、改ざん防止技術というものについては一定の信頼性があるということで、一般的な制度をつくるということはあると思います。ただ、それによって守るべきデータの重要度あるいはセンシティビティー等に基づいて、ある部分には一般の制度としては認めながらも、この具体的な制度の場合には更なる例えば要件が必要であるということを判断されるということは十分あると認識しておりまして、私どもの方は調整がなされていないというふうには認識をしておりません。
○櫻井充君 ここで押し問答してもしようがないので今度は文書で質問させていただきますから、そのときにきちんとした答えをいただきたいと思います。
担当省庁にお伺いしますが、この財務省の答弁に対してどうお考えでしょうか。端的にお願いします。
○政府参考人(松井英生君) はい、お答え申し上げます。
電磁的記録につきましては、一般論として、その改ざん及びその改ざんの痕跡の消去が文書に比べ容易なことが多いという特性を有していることは事実だと考えております。
電子署名法は、電磁的記録の改ざん等の問題に対処するため、電子署名の定義や電磁的記録の真正な成立の推定などについて規定することにより、電子署名の円滑な利用を確保し、情報の電磁的流通及び情報処理の促進を図ることを目的として制定されたものでございます。
電子署名法におきましては、電子署名とは、電磁的記録の作成者は電子署名を行った者であること、また電磁的記録が改ざんされてないことの二点を確認することができるものとされており、様々な電磁的記録の中でも電子署名が付された電磁的記録につきましては相当程度の信頼性が担保されるものと思料されております。
総務省といたしましては、他の電子署名法所管二省と連携いたしまして、電磁的記録の信頼性を確保する観点から、国民に対する電子署名の普及啓発に引き続き努めてまいりたいと思っております。
○櫻井充君 質問変えます。
これに対してイエスかノーかで答えてください。要するに、現時点においては電磁的記録が一律に文書と同程度に法律関係の安定化には寄与し得る状態にはないと、そうお考えですか。イエスかノーか、二つの省庁、これお答えいただけますか。
○政府参考人(松井英生君) 電子署名が……
○櫻井充君 イエスかノーか。
○政府参考人(松井英生君) 電子署名がなされておればイエスです。
○櫻井充君 あと経済産業省、来ていますよね。
○政府参考人(桜井俊君) 一般論としては、電子文書は、紙の文書に比べて改ざんあるいはその改ざんの痕跡を消去するということは容易であるということは言えると思います。
○櫻井充君 私はそんなこと聞いていません。答弁になっていませんよ。答弁になっていないじゃないか。答弁になっていないよ。
○委員長(浅尾慶一郎君) 経済産業大臣官房桜井審議官、質問の趣旨をよく踏まえて御答弁ください。
○政府参考人(桜井俊君) 文書の電子化に当たっては、そういった改ざん等の問題ありますので、電子署名法等々に基づきます措置を講ずること等によりましてその客観性というのは高めることができるというふうに考えております。
○櫻井充君 答えになっていないよ。じゃ、もう一回だけ聞く。
いいですか。私が聞いたのは、電磁的記録が一律に文書と同程度に法律関係の安定化に寄与し得る状況にあるとは考えていないという、この答弁に対してどう考えるかと聞いているんですよ。イエスかノーかで答えてくれって言っているんですよ、しかも。
○政府参考人(桜井俊君) イエスでございます。
○櫻井充君 要するに、そうするとこれは安定化に寄与しないということですね。つまり、そういうものを政府として推し進めていこうということなんですね、こういう状況の中で。
○政府参考人(桜井俊君) そういった基本的な問題がございますので、その技術的な手段あるいは電子署名法といったような制度によりまして、より信頼性を高めるという方策を講じてきているということでございます。
○櫻井充君 それでは、なぜこんなことをしつこくやっているのかというと、時代が変わってきてまで明治六年の法律を本当にずっと維持していかなきゃいけないのかどうかということの問題なんです。
もう一点申し上げると、資料の中の新聞記事がございますが、ここの銀行が何と言っているのかというと、融資契約を電子化しましょうと、電子化すると印紙税が不要ですからどんどんやっていきましょうということをこれは言っているわけですよ。これはまあ節税ですね。節税対策と言われればそこまでです。しかし、これは融資契約を電子化できていく、そういうことを知っている企業にとってはそうでしょうし、こういう大きな銀行と取引のできる企業は確かにこういうことになっていくわけです。
ところが、私が調べてみると、いわゆる都市銀行というところは五百万円以下は融資がないわけです、ほとんど。そうすると、そういったほかの銀行がやっていなければ、実を言うと中小企業の方が結果的には印紙税を払わなきゃいけないとか、そういうことも起こってくるわけですよね。ですから、これは文書がないからもうこういうのは仕方がないんだというお話なのか、それともここの答弁にあるとおり、その後ろに経済的利益があるだろうと、背後にですね、そのために課税しているのかということをはっきりさせていただかないと、あいまいなままだったらやはり不公平感が出てくるんじゃないのかなと、私はそう思っているんですよ。いかがですか。
○国務大臣(谷垣禎一君) 確かに、明治の初めごろからある税制ですから、当時は重要な権利関係を証するというようなことは文書で行われていた。したがってそこに着目したということでありますけれども、じゃ現在電子取引みたいのができたときに、全部そこを視野に入れた税制が全部きちっと整理できているかどうかと、まだまだ考えなきゃならないことは私はあると思っているんです。
それで、もう一回申し上げますが、そういう文書を作る、領収書等々の文書を作る背後には一定の経済的利益が推定できるので、そこに担税力を求めたというのが印紙税ですね。そういう理解からいきますと、電子商取引が行われた場合には、電子取引が行われた場合には、その背後に一定の経済的利益があって、そこに担税力が認められると、こういう形での税制を考えていく必要が今後生ずるかもしれませんし、あるいはむしろ、そういうことは考えない方がいいんだということになるのかもしれません。そこらはまだ我々としては過渡期であるというふうに実は見ております。
それが先ほどの、何というんでしょうか、法律関係を安定させる力が、力といいますか、その意味合いが文書に比べて劣るというようなことは、申し上げているのは、そういう過渡期の認識に立っているわけでありまして、もちろん、私もかつて電子認証等の法律を作る議論にも参加したことがありますから、そういう電子取引等々の、何というんでしょうか、インフラを整備してその信頼性を高めていこうという努力のあることはよく承知をしております。そしてまた、そういうことは進めなければならないと思います。
一方で、ただ、そうではありますが、必ずしもまだ、委員のおっしゃったように大手の銀行等で電子取引を積極的に進めていこうという動きもございますけれども、必ずしも電子取引というようなものが取引全体の中で占める位置も高くないのが現状だろうと思います。こういう電子取引が社会の中に占める位置も考えながら、我々、今後、税制をどうしていくかと、いろいろ議論をさせていただかなきゃならないと思っております。
○櫻井充君 元々の起こりが地租に対しての、商工業者に対しての何か課税がないのかというところから起こった。これは要するに、職種によっての不公平感があるからこういうことが生まれてきているわけです。今やそういう時代ではないはずですよね。商工業者の方が租税負担は重くなってきているんではないのかなと私は思います。ですから、そういう観点からいっても本当に公平なんだろうかということがまず一つです。
それから、もう一点申し上げると、例えば土地取引の場合には両者が印紙税を払わなければいけないというルールになっているんです、これは。売る方は確かに何らかの経済的利益があるかもしれないけれども、買う方からしてみたときに、例えば自分で住宅を建てるからといって買ったときに、じゃ経済的利益が発生するかというと、経済的利益は発生しないんですよ、ここのところはですね。
昔みたいに土地が上がり続けて、それはどうだと言われればそうかもしれないけれども、ただ自分が住むために買った場合にも、これ印紙税払うんです。これ土地の登記のためにだって税金は払っていますし、不動産取得税として払っているわけですよ。様々な税金を払った上にまた印紙税まで払わなきゃいけないというのは、これ何重課税になるかという話なんだと私は思うんですね。
それからもう一つ申し上げると、例えば私が、うちのおふくろならうちのおふくろの口座に振り込みましたと。これ、例えば三万円以上で振り込むと、三万円以上で振り込むと印紙税が発生します。これの負担は銀行が払うことにはなっています。
しかし、大体見てくると、振り込み手数料は三万円を超えると二百円上がるんです。つまりは、銀行が二百円を払っているようになっているけれども、その二百円を負担しているのは振り込んでいる人たちなんです。これは、銀行が二百円支払うのは利益が上がるからだとあるかもしれないけれども、それはただ単純に、私がおふくろに金を送った、転送の仲介をしただけです。そうすると、銀行が得られるのは手数料のわずか数百円。それに対してなぜ二百円の印紙税を掛けなきゃいけないのかと。これだって物すごい不公平なんですよ。
私は相当調べました、一つ一つ。ですから、これが公平なのか。しかも簡素なのか。例えば、これはその各々の国税によって、この場合に払った方がいいのかどうかというのを聞くと、必ずしも一致していないんです。
そこで、大臣、もしこういう形でやっていくんだったら、わずか、わずかですよ、法人税を若干上げるだけで、この五千億をやめちゃえばいいんですよ。なぜならば、その印紙税を徴収している人たちのまず人件費も削減できるし、それから、要するに簡素化されていくわけでしょう。だから、何もこんな経済的取引がどうのこうのと、推定されると。これは契約取り交わしたってあるかどうかも分かりゃしないんですから、そのことを考えてきたら、何も、法人税を若干引き上げるだけで、若干ですよ、本当に、五千億ですから。今十兆円ぐらいですか、法人税。ですから、そこのところにしてしまえば、何も、置き換えられるし、事業者はそういう形で、別の形で負担しているものを法人税に変わるだけだということになったら、こんなにいいことはないんじゃないですか。
○国務大臣(谷垣禎一君) 今の、印紙税なんかやめて法人税でやった方がいいじゃないかという御議論は、まあその御議論は、やはり法人税の、その競争力やいろんな問題がありますから、今にわかに私としてはそれでいこうとお答えをするわけにはまいりませんが。
確かに、今おっしゃるように五千億いただいているわけですね。それで、それは大変今の財政状況からしますと貴重な税であることは間違いありません。それで、委員はそこに経済的利益なんかないとおっしゃいますけれども、若干、その委員の経済的利益のとらえ方と国税の利益のとらえ方は違います。
例えば、不動産を買ったときに、売る方は利益があるかもしれないけれども、買う方が利益がないんじゃないかと、土地が上がるわけでもないんだからというとらえ方は必ずしもしてないんで、やはりそういう経済取引に伴うその経済的利益があるだろうと、それを推定させるものが文書であると、こういう立て方をしているわけでありますので、もちろん、委員のお話の中で我々が酌み取るべきものは、時代の変遷に伴って税というものはよく見直していかなきゃいかぬと。印紙税にとっても、電子的取引というものは何なのかという辺りは、今後も我々もよく議論を重ねながら、時代に取り残されないような税制をつくっていきたいと思っております。
○櫻井充君 それじゃ、まあいいです。じゃ、今日はやめておきましょうか。
ただし、そこのところで、法人税を上げると経済的な問題がというお話をされましたが、企業はこういう形で負担しているんですよ。負担しているのを形変えるだけですから。もっと簡素になると、役人の数減らせるんですね。よっぽどその方が私はメリットが大きいと思いますよ、皆さんが納得できるんですから。あそこの人は払っているし、あそこの人は払ってないって言ってみんな怒っているんですから。
ちょっと今日はもう議論をする時間がないので、もう一つだけ別な税制のことを話をしておきますが、消費税のことについてです。
これは、企業を立ち上げたときには消費税二年間支払わなくてよかったというルールだったと思いますね。ところが、資本金一千万以上の企業だったら担税力があるだろうから払っていただきましょうということになりました。ところが、それをやっぱり悪用する人がいまして、私の地元に一千二百万の資本金でつくっていたある企業があって、一年後には廃止しまして、社長も同じ、企業も同じ、設備もそのまま使って九百万の資本金で会社を立ち上げた、で、二年間の消費税を免れると、そういうこともやっているわけですよ。
これは時間がないのでやめておきますが、しかしそういう形で出てくると、税の公平性なりなんなりというのが担保されないと、みんながやっぱり税金払いたくなくなると思うのは、これは当然のことです。とにかく私が中小企業の方々と話をしていると一番不満が多いのはこの印紙税なので、改めて検討していただければ有り難いと、そういうふうに思います。
もう一点、もう一点というか、次の話題に移らせていただきますが、そうすると、今度はじゃ、税金の使い方、一体どうなのかということです。お手元の資料の四枚目にありますが、せっかくパネルがあるので、大臣にパネルを見ていただきたいと思います。(資料提示)
これは厚生労働省の所管の労働研究機構ですね、昔の、労働研究機構ですが、ここで、私も三月になると予算を全部使わなきゃいけないからという話はよくお伺いしていましたが、ここまで露骨だったとは、これは皆さん見ていただきたいと思いますが、ここまで露骨だったとは思いません。
ここは大体年間の予算が四千五百万ぐらいのところです。これは、四月、五月、六月、七月は全然使っていませんで、三月以外の月で一番使ったのは十一月の六十九万二千六百八十五円、あとは三月にまとめて四千三百四十四万円使っています。これは、予算を使い切れっていういろんな話が出てくるからこういうことになっちゃって、実はここの特殊法人では、何年も続けて、何年も続けてお金を返還、予算を獲得しておきながら返還するというのは駄目だから、とにかく何とか使えということを言っているわけですよ。しかも、ここの労働組合の人たちのアンケートによると、とにかく上司の方からいろんなことを言われて、振り回されて大変だと、これがまず一つの典型なんだと。
こういう税金の使い方をしているところを改めていかないと、今度は皆さんに御負担いただきたいということは納得していかないんじゃないのかなと、私はそう思いますが、まず所管省庁の厚生労働省、いかがでございましょう。
○政府参考人(太田俊明君) お答え申し上げます。
委員から御指摘のありました法人の予算につきましては、他の予算と同様、国の厳しい財政事情の下、効率的かつ適正な執行が図られるべきであることは当然であると考えているところでございます。したがいまして、今後同様の御指摘をいただくことのないように、従来にも増して適正かつ計画的な執行が図られるように対処してまいりたいと考えております。
○櫻井充君 それはだれでも答えるような答弁です、そんなものは。
じゃ、ここが廃止になってたしか独立行政法人になったかと思いますが、ここの備品費なりなんなり、全部年間の予算の使い方を改めて出していただけますか、なってからの。要するに、今のお話ですと、ちゃんとやっているような言い方ですから、ここの法人が統合して、その後きちんとした形で予算が使われているのかどうか。それについて後で資料請求しますから、部屋の方に来ていただいてその資料を出していただきたいと、そう思います。
会計検査院にお伺いしたいんですが、こういうお金の使い方をしていて、会計検査院としておかしいとは思わないんでしょうか。
○説明員(真島審一君) お答えいたします。
会計検査院は、会計検査院法第二十条第三項に規定されているとおり、正確性、合規性、経済性、効率性及び有効性の観点その他会計検査上必要な観点から多角的に検査を行っているところであります。そして、検査の結果、特定の支出が不急不要であると認められれば、その支出について指摘を行ってきたところであります。
年度末に支出が多くなっていることにつきましては、年度末には増額された補正予算の執行が行われたり、契約の履行等に期間を要するため、履行期限が年度末になるものが相当数あったりすることにもよるとも思料されますが、予算の消化のため不要不急の支出が行われることはあってはならないことでありますので、今後とも、その点を考慮に入れて検査を行ってまいりたいと、かように考えております。
○櫻井充君 今まで、今までそういう視点でチェックしたことあるんですか。しかも、そこのところで、三月に何だか急に分かんないように一杯使われているものに対して、明細までちゃんとチェックしたことあるんですか。
○説明員(真島審一君) 昨年時の検査におきまして、国の一般会計の歳出予算を対象といたしまして、様々な経費の支出時期や本省支出官における契約の時期等についても分析いたしまして、その状況を平成十五年度決算検査報告において報告しているところであります。
今後とも、様々な角度から検査を行っていくこととしているところであります。
○櫻井充君 後でその資料もう一度検討させていただきたいと思います。
例えば、これ国土交通省の一般会計を見ても、これは公共事業だから仕方がないと言われればそこまでですが、年間予算が約八兆円、三月が、ほかの月は何千億円の単位なんですけれども、一番多い月で十一月が八千億円ぐらいです。ところが、三月になると二兆五千億円使っているんですね。
ですから、こういう格好で今、済みませんが、各省庁から全部資料請求して出していただいていますが、これが本当に必要なお金なのかどうかということなんだと思うんですね、谷垣大臣。ここのこういう出費から改めていかなければ、国民の皆さんは納得しないんじゃないでしょうか。
先ほどの税の中でも不公平さが一杯ある中でこんな使い方をしていて、そして、予算を使い切らないと駄目だから何とかしろとそこの理事長が号令を掛けて、特殊法人で必死こいてみんなで金使っていくわけですよ。ここを財務省としてもう少しきちんと厳しく見て予算措置をしていただかなかったら、財政再建も何もないんじゃないですか。
○国務大臣(谷垣禎一君) おっしゃるように、年度末に不要不急なものをとにかく来年度予算のこともあるから全部使い切ろうなんていう発想は、私はもうやめていただきたいと思っております。各執行官庁において責任を持って履行していただくということが必要だと思います。
ただ、若干年度末に寄ってくることも、今の公共事業なんかの例ではそういうこともあろうかと思いますし、それ以外でも、履行期限が年度末となっていたり、あるいは、年度途中に突発的なことが起きてくるために、年度末に執行することにしてまあためておこうとか、いろんなことがあるんだろうと思います。
ただ、それにしましても、よくそういう委員がおっしゃるような話は私も耳にしたことがございますので、今後、予算執行調査というようなものをやっておりますけれども、この辺りにも着目しながら予算執行調査をやって、来年度の予算編成に生かしておくということを努めていきたいと思っております。
○櫻井充君 よろしくお願いします。
私も話には聞いていましたが、ここまでひどいところがあったのかと。
それから、私も国立病院に勤務しておりましたからよく分かりますが、予算が余ったから、何か欲しかった機械なかったっけって、そういうことも、本当ですよ、これ、ちゃんと聞かれているわけですよ。それから、研究費が少し余ったから、わずかです、ほんと十万円ぐらいとか、そういうものがあるから、じゃどうすればいいんですかと言ったら、とにかく本か何かそういうものを買ってくださいと言われて慌てて必要な本を買ったりする、したこともあります、これは。
ですから、そういうお金を積み重ねていったらかなり莫大な額になるはずなんですよ。そういうことをやった上で、五千億円の、じゃこれどうするんですか、税収はと言うけど、五千億円の支出ぐらいこうやったら削減できますよ、はっきり言えば。そして、それ削減したら、この税金なくしたっていいじゃないですか。皆さんに感謝されますよ、これは。ですから、もう一度その支出のところを見直していただければ有り難いなと、そう思います。
その上で、最後に財政再建のことについてお伺いしたいんですが、今後その財政再建をやっていく上において一番大きな問題は、金利のリスクをどうやってヘッジしていくのかということに、もう一点なんだろうと思います。これが全体で、国と地方と合わせて一千兆円になって、今の金利がこれ四%ぐらいになり得るなんというのは、これは当たり前のことですから、そうすると、四十兆円毎年利払い、利払いでそのぐらい発生するとなってくると、とても財政再建などできる状況になくなるんだろうと思います。
ですから、財務省としてその金利のリスクをどうやってヘッジしようとしているのか、まずその点について教えていただけますか。
○副大臣(上田勇君) お答えいたします。
今、櫻井委員から御指摘があったとおり、金利の動向というのは今後の財政に対して非常に大きな影響があるというのはもうそのとおりでありまして、特に今、多額の公債残高を抱えている現状では、やはり国債金利の上昇に伴いましてやっぱり利払い費が増加するということは、これは財務省として提出しております後年度歳出・歳入への影響というようなことでもそういったことについては申し上げているところでありまして、正に委員の御指摘のとおりでございます。
であるからこそ、やはり今、財政の健全化ということが最優先課題だというふうに考えておりまして、今これは財務省というよりも、政府挙げて、まずは二〇一〇年代の初頭に、国、地方合わせたプライマリーバランスの黒字化を目指してその財政の健全化を目指しているというところでございます。
具体的には、改革の展望にそれの、その手順というんでしょうか、が付いてまとめているところでありますけれども、まず一つは、二〇〇六年度までの間は政府の大きさは二〇〇二年度の水準を上回らない程度にすることを目指すと。で、……
○櫻井充君 時間がないんですよ、時間。済みません、時間がないんで、金利のリスクをどうやってヘッジするのか、そこだけ教えていただけないですか。具体的な、そんな一般論要らないですよ。金利のリスクが私は一番大きな問題だと思っていて、これをどういうふうにしようと政府しているのか、その点だけお答えいただけないですか。ないんだったらないと言ってくださいよ。
○副大臣(上田勇君) これは二点あると思うんですが、まず根本的な問題としては、それは国の財政を改善してからということであるというふうに思っております。そのために、先ほど申し上げました「改革と展望」に基づいて財政再建に向けての取組をしていると。
もう一点は、今、国債の金利ということであろうかというふうに思いますが、それは国債管理について、それは市場との対話あるいは国債の所有の多様化、そうしたことを通じてその安定消化のための様々な努力もしていかなければいけないというふうに考えております。
○櫻井充君 市場との対話ということは、政府は何もしないということですからね、これは、言っておきますけれども。市場原理ということは大体そういうことじゃないですか、市場にお任せします。
それからもう一つ、財政を健全化していくという話になれば、税収が増えるんでしょう。税収が増えるということは、景気が良くなっていくということですよ。景気が良くなっていったら、これは当然のことながら金利は上がっていくじゃないですか。だからこそ、金利をどうやって、金利リスクをどうやってヘッジするのかということをお伺いしているんです。そこをどうするのかです。
もう時間がないので、あとこれ日銀にお伺いしたいことがありますが、私は、今の金利の安い時期に中長期の国債を発行するしかないんだろうと思っています。
例えば、イギリスなどは今、五十年物の国債を発行しようかということを検討していますが、そういう中長期の国債で極めて金利を安い商品にしてしまって、これはある種、公的セクターに買っていただかないと何ともならないんじゃないだろうか。例えば二%の金利にして、二%の金利にして、一千兆円とは言いません、八百兆円か七百兆円か分からないけれども、そのぐらいのものを公的セクターで全部引き受けていただけば、そうすると金利のリスクは何十年間かはずっと安定した形になっていくわけですよ。年金なり、それから郵貯なり。だから郵貯は民営化しちゃいけないんです、これは。郵貯なり簡保なり、そういったところにまず買って、いや、これはイギリスなんかは公的年金のところでちゃんと長期のやつをポートフォリオの中に組み込まれていますよ。
そこでです。あとは買手がどこにあるかといったら、もう日銀しかないんですよ、これは。大塚さんに怒られることはよく分かって、これはもう今買っていただいていますが、それじゃ足りないわけです、これから。
つまり、何回も言いますが、もう一つ、民間の金融機関が今の自己資本比率規制の中で、何とかもう自己資本比率を維持しようとして国債をじゃんじゃかじゃんじゃか買っていますよ。ここのところが一番危ないですよ。何かがあったらすぐ放出してきますから。そのときに本当に金利リスクに耐えられるのかどうかですよ、この国は。皆さん笑われるけれども、これはまじめな議論ですよ。
それで、本当に日銀に、もしこの政策を実現したいと思ったら、何が問題があるのか。これは実現不可能なのか、それとも制度上の問題なのか、それとも制度上じゃなくて、これをやった場合にインフレなりなんなり起こってくることはよく分かっていますが、その辺のところも含めて、日銀として、私の暴論かもしれないけれども、それについてどうお考えなのか、お伺いしたいと思います。
○参考人(白川方明君) お答えいたします。
過去の内外の経験が示しますように、中央銀行が国債を引き受け、財政ファイナンスを行うというようなことをいったん始めますと、通貨の増発に歯止めが掛からなくなりますため、悪性のインフレーションを招き、ひいては経済の安定的な発展を著しく損なう可能性が高いというふうに考えております。
このような経験を踏まえまして、先進国では、いずれも基本的な通貨制度の在り方として、中央銀行による国債の引受けを禁止しておるということでございます。また、エマージング諸国におきましても、そうした経験を踏まえまして、IMFでは中央銀行が国債を引き受けるということを禁止するように指導をしておるということでございます。
このように、中央銀行による国債の引受けの禁止は今やグローバルなスタンダードになっておりますけれども、こうした下で仮に日本銀行が国債の引受けを行うようになりますと、我が国の経済政策運営に対する国際的な信認の低下を招きますし、その結果、長期金利などにも悪影響を及ぼすという可能性もございます。その結果として、かえって国債金利の負担を増加させ、財政状況を悪化させるということにもなりかねないというふうに考えております。
長期金利は、結局、基本的には将来の経済や物価に対する市場の見方を反映して決まるものでありまして、特に、やや長い目で見ますと物価動向と密接に関係しております。その意味で、日本銀行としましては、最も中央銀行として大事な貢献は、適切な金融政策運営を行うことによりまして、物価安定を旨とする金融政策に対する信認を高めていくということにあるというふうに考えております。そうした観点から見て、国債の引受けというのは適切ではないというふうに考えております。
○櫻井充君 済みません、時間になりましたので。
私は、なぜ公的セクターに持ってほしいとお願いしているのかというと、それは市場に出ていかないからです。ですから、金利が高騰してというお話がありますが、僕はそこは違うと。ですから、みんなが長期間のやつを持ってくれさえすれば、持てるところがきちんと持ちさえすればリスクはヘッジできるし、そういう、金利が上がらないがために、上げないためにそういうことをやっていくべきではないのかと思っています。
ただ、いずれにしてもこの問題は避けて通れないことであって、そこのところをどうするのかということを立てておかないと、税収を増やすなんというのは後でやりゃ簡単なことなんです、これ税率を上げりゃいいだけの話ですから。ところが、この金利の問題に関して言ったときには、相当大変なので今からきちんとした政策を作って準備すべきです、具体的に。それのことを政府がきちんと取り組めないんだったら、政権は変わった方がいいんじゃないかなと私は思いますが。
○国務大臣(谷垣禎一君) 日銀の引受けに関しては今、白川理事からの御答弁があったところですし、それ以外、さっき公的セクターとして挙げられました郵貯とかあるいは年金というものがすぐ頭に浮かぶわけでありますけれども、郵貯にせよ年金にせよ、年金はやはり年金運用の一番良い点を求めてやらなきゃなりませんし、郵貯もやはり同じことだろうと思います。したがって、それを特に市場よりも低い条件で引き受けさせろというのは、なかなかこれは言うべくしてできることではないというふうに私は考えております。
それじゃ何にもないのかというと、結局、やはり国債というものを長期に安定的に消化していく国債管理政策が大事なんです。
さっき市場政策と、市場との対話というのは何もやらないことだとおっしゃったけど、そうではありません。やはり、市場がどういうところにニーズを持って、どういうもので、どういう国債であるならば一番コストを低くして引き受けてもらえるかというようなことは、我々としてよく研究しなければなりませんし、現にやっているところでございます。例えば、今個人国債というものはかなり好評でございますけれども、そういうようなものも一つの努力でございます。
ですから、決してそういう何もやらないということじゃなくて、そういう国債管理政策をしっかりやっていくこと、そしてその背景にあるのはやはり財政規律をゆるがせにしないという姿勢を早く示していくことだと思います。その上さらに、今プライマリーバランスの回復ということばかり言っておりますけれども、その先に、じゃ、国債をどう管理していくのかという新たなやはり考え方も整理していかなければならないと思っております。
なかなか膨大な額でありますから簡単に物を言うことはできませんけれども、少しでも財政にゆとりが生じたときは思い切ってやはり国債を償還をしていくということを、何というんでしょうか、ゆとりが生じたたびに思い切ってやっていくということが必要ではないかと私は思っております。
○西田実仁君 公明党の西田実仁でございます。
本日は、日本の為替政策につきましてお聞きしたいと思います。
この連休中に開かれましたトルコのイスタンブールでのアジア開発銀行年次総会におきまして、谷垣大臣御出席され、また演説もされたわけでございますけれども、このイスタンブールでの年次総会におきまして、アメリカを筆頭といたしまして、欧州政府もかなり中国の通貨政策に対しまして激しい批判ないしは要求が展開をされておったというふうに報じられております。すなわち、人民元の早期切上げあるいは変動幅の拡大といったことに具体的にはなろうかと思います。
こうした中でも、しかしながら谷垣大臣は、昨日も記者会見も報じられておりましたけれども、基本的には中国の決定にゆだねていくべきではないかという非常に紳士的な態度を取られたわけでございますけれども、その真意についてまずお聞きしたいと思います。
○国務大臣(谷垣禎一君) 私は、中国の為替制度についてはもう少し柔軟性というものがあるべきであると、私自身そう思っております。また、そのことが、日本からしていいというだけじゃなしに、長期的に見て中国の安定的発展ということを考えますと、やはりそういう柔軟性というものをもう少し持たせていくことが必要であると、私自身の、おまえはどう考えているかといえば、そういうふうにお答えをいたします。
他方、実はこの問題に関しましては、今までG7の場であるとか、今度はASEANプラス3あるいは日中韓の財務大臣会合をイスタンブールではやりましたけれども、もう度々こういう、この議論は中国のカウンターパートともやらせていただいているわけであります。
中国経済はもう非常に大きくなりまして、日本の景気回復も中国の躍進に引っ張られてきたという面もかなりございますし、中国がやはり安定的に発展していってくれなければ、日本だけじゃなしに世界経済も困ると。
ですから、そこは、そこから考えると、我々のような、もう少しの柔軟性が欲しいということになりますが、しかし中国の内部にもやはりいろいろ問題があって、彼ら自身も相当問題点を煮詰めつつ悩んでいることも事実だろうと思います。それは、彼らの金融セクターの問題であるとか、あるいは地域地域による、あそこでの、あそこの国の格差の問題というようなことをどう解決していくかということは彼ら自身も非常に悩んでいるのではないかと私は思っております。
そういうことを前提として、中国が、国際社会の影響力、そういうことも、自国の影響力も考えに入れながら、責任あるそして的確な判断をしていただくべきことだと考えているわけでございます。
○西田実仁君 この人民元の切上げ論争につきましては、もうよく知られているとおり、最初に火を付けたのは現在のアジア銀行総裁である黒田東彦氏でございまして、また当時の塩川財務大臣も同様な、黒田さん、当時の財務官に次いで話をされています。すなわち、その端緒は二〇〇二年の十二月二日付けのイギリスのフィナンシャル・タイムズ紙におきまして黒田氏が、中国はデフレを輸出している、元は切り上げるべきであると、こういう発言をされました。そして、当時の塩川大臣も、中国は貿易を開放するなら為替も国際的に符合するべきだと、このような発言をされたわけでございます。
これによりまして、こうした財務省の要人の方々によります相次ぐ発言によって、その後円高を招来したと。結果として、膨大なドル買い・円売り介入、二〇〇三年には二十兆円、日本円に換算させまして二〇〇四年前半三か月で十五兆円と、こういうふうに結果としてなったわけでございますけれども。
今、谷垣大臣から御答弁いただきましたけれども、日本の財務省といたしましては、この黒田前財務官ですね、当時の財務官、そして塩川大臣、そして今の谷垣大臣の人民元に対する御発言、日本の財務省は、円に対する人民元に絡んだ政策を変更したんでしょうか。それとも、変更したとすれば、それはいつから、どういう根拠で変更をされたんでしょうか。
○国務大臣(谷垣禎一君) 人民元に対して財務省のスタンスを変更したということはないと思っております。
それで、そのときそのときで、その場にいる者がどういう表現をするかということは、若干その人の持ち味によりましてニュアンスの違いがあるいはあるかもしれません。ただ、ずっと言えますことは、私も、より一段のフレキシビリティーが必要だということは、現在やや固くなり過ぎていて、何というんでしょうか、ファンダメンタルズを十分に反映する形になっていないんではないかという感じを持っていることは事実でございます。それで、それは今までの、何というんですか、歴代のその場にいた者が言っておりますこととそんなに意味が違ったことを申し上げているわけではないわけであります。
じゃ、それをどうやるかということになると、これは結局は、我々ももちろん我々の意見を申し上げますし、我々も過去、為替の変動でいろいろ苦労した経験がございますので、我々の経験で彼らの役立つことがあれば、それはお伝えするのにやぶさかではありませんけれども、結局のところ、当該国の当局者が決断をするしかなかなかいかない。今までもそれを超えた発言というのは、我が役所としてはしてこなかったんではないかというふうに考えております。
○西田実仁君 結局として、結果としては、人民元切り上げるべきだというのは、じゃ変わらないということですね、基本的には。まあ、切り上げるべきだというよりも柔軟性を持たせるべきだというのは、一貫して財務省としてはそういう立場を取ってきているということでよろしいんですよね。
その上で、実は人民元が切り上げられるかどうかという報道で、一時、昨日も高騰したという、まあ誤訳だったわけでありますけれども、因果関係としては、人民元が切り上げられるかもしれないと。そうすると、アジアの中で真っ先に高騰するのは円であると。実際そうなってきているわけでありまして、そういうことによって円がどんどん上がっては困ると、様々な景気対策等も含めまして。それで、介入をして、積もり積もって今約九十兆円近い膨大な外貨準備高の蓄積というものが今、国民資産としてもたらされているわけであります。
しかしながら、そうしますと、人民元がより柔軟な為替制度を取っていく、レートがより柔軟になってくるということによって円高を招来する、招く、そして九十兆円近い国民の資産である外貨準備高が非常に為替リスクにさらされる。こういうことが繰り返されてきているわけでございますけれども、そして平成十七年度末、二〇〇六年春までの為替差損の含み損、繰越し評価損は、予算参照書によりますと約十一兆円以上になると、こういうことになっているわけであります。
そして一方、アジア諸国の外貨準備高の運用方針等を見てみますと、例えば韓国、二千億ドル近く外貨準備高がございます。また、ロシア、インド等が余りドルを持ち過ぎていると、そういう非常にリスクが大きくなると。為替差損やあるいは国内経済の、国内の金融政策に対して様々な縛りというか、ことになってくるということで、その悪影響を遮断するために、外貨準備に占めるドルの割合を低める動きに出てきている。顕在的に出て、明示的にそうしているところもあれば、そう報じられて、実際、否定されている韓国の例もございます。
これにつきましては中国政府も同様でありまして、人民元の切上げ若しくは変動幅の拡大を仮に実行するとなると、ドル資産の売却に動く可能性は否定できないし、また昨年末、既に外貨準備高に占めますドルの資産比率を低めている、ユーロの比率を高めていると、こういう実際にそういうことも中国政府として取られているわけであります。
こうしたアジア諸国、特にドルの外貨準備高を持っているアジア諸国の外貨準備高の運用方針の変更等によりまして、それはすなわちドル安を加速させるという方向、ドルの比率を下げるという意味でドルを売っていくということですので、ドル安を加速させるわけでありますけれども、そうなった場合には真っ先に円が高騰し、この九十兆円近い日本の国民の資産が為替リスクにさらされると、こういう因果関係になろうかと思うんですけれども、このアジア諸国の外貨準備高の運用方針の変更と、一方で、そうなった場合にドル安が加速して円が真っ先にアジアの中で高騰し、そのことがこの九十兆円近い外貨準備高を為替リスクにさらすと、こういうことについて大臣はどう認識されているでしょうか。
○国務大臣(谷垣禎一君) 人民元が変動していくと円高になる、まあそういう議論が、あるいはコンセプトが市場にはあるのかもしれません。私、市場がどういうふうに動くかということは私はコメントする立場ではございませんし、それは差し控えたいと思いますが、そういう御議論がよくありますけれども、人民元がどういう水準に行くかということと円がどうなるかということはやや短絡的に結び付けられ過ぎた議論があるのじゃないかなというふうに思います。
人民元の変動が世界経済、世界の貿易や通貨の取引にどういう影響を与えて、じゃ、それが円に跳ね返ってくるかという影響は、それはなしとはしないかもしれませんが、私は一応別個のものと考えるのがまず基本線じゃないかなというふうに思っておりますので、人民元の変動がすぐに円の円高に結び付くというふうにアプリオリに考える立場ではございません。
しかし、一方、これだけの外貨準備をどうしていくのかと、アジア諸国はそのリスクをヘッジするために運用を変えているではないかという御議論、しばしばございます。これは、中国なんかの外貨準備も非常に多うございますから一概に言うことはできませんが、やはり日本は世界一の外貨準備を持っておりますので、やはりその運用がどうかというのは世界のマーケットに極めて大きな影響を与えますので、何というか、我々はなかなかそういう意味では小回りの利く議論をしにくい立場にいるわけでございまして、私の発言も勢い口が重くなるところがございます。
ただ、我が国の外為、外為といいますか、外貨準備というのは結局この介入の原資でございますから、どういう介入をこれからするのかしないのかということを考えたら、おのずからその介入原資の適切な、何というんでしょうか、安全性それから流動性を持ちながら、その介入の原資に適切なものを持っていなきゃいかぬわけでございまして、その範囲でやはり収益性というものを考えるという基本線は私は動かせないのではないかなと思っております。
したがいまして、それは今まで我々が取ってきた立場でございますから、現時点で我々はその外貨準備の運用の仕方を変えていくという考え方は持っていないわけでございます。
○西田実仁君 今大臣から御答弁いただきまして、適切な介入原資としての外貨準備、ドル中心に運用していくという四月四日の財務省の方針が示されましたし、それは通貨安定のために市場介入を行うということを第一義にして、その九十兆円近い外貨準備資産、これのドル投資、対ドル投資の収益率を介入によって保っていくということが多分今政策目標としてなっているんだろうなというふうに思われるわけであります。
しかしながら、一方で、基軸通貨国であるアメリカにおきましては、外貨準備高は、二〇〇三年、IMFの統計ですと八百八十四億ドルでございますけれども、市場介入そのものはまず国民に負担を強いるということで議会などが安易な市場介入を許さないということが言われているわけでありますし、同時に日本政府に対しましても口先介入をやめるべきだという議論が一部の議会人、また産業界からも出てきているわけでございます。
特にGMやフォードといったアメリカを代表する自動車メーカーが一部の格付機関におきましていわゆるジャンク債に引き下げられた、格付が引き下げられたということに象徴されて、かなりその産業界からの力というものは今表に出てきて、それが、アメリカ政府が取るとは私自身も余り思っておりませんけれども、でも少なくとも日本政府による口先介入はそうしたアメリカのいわゆる保護主義者と言われる人たちに絶好の口実を与えているということは、これは事実だというふうに思うわけでございますけれども、現下のこのアメリカから様々来ております口先介入に対する批判につきましては、どう……。
○国務大臣(谷垣禎一君) アメリカの議会なりアメリカの中での動きというのは私もコメントするほど十分承知しているわけではありませんが、やっぱり基軸通貨を持っている国というのは強いなと思うことがございます。やっぱり強いドルが必要な場合には強いドルを主張し、そういう貿易等々でいろんな問題が生じているときは安めの誘導というようなことも御議論が元気に起きてくるというのは、やっぱり基軸通貨を持った強みだなとうらやましく思うこともしばしばでございます。
ただ、我々としては、口先介入と言ってしかられますけれども、G7のコミュニケにもありますように、為替というのはやっぱりファンダメンタルズを安定的に反映すべきもので、それは急激な、何というんでしょうか、思惑的な動きが出てくるということは、これは好ましくないことでございますから、それに対して、そういう思惑的な動きに対して牽制をするということが、さあ、それほど、格好の批判というふうに委員はおっしゃいましたけれども、さあ、そうなのかなというふうに思ったりもするわけでございまして、私としてはG7等と、累次のコミュニケで各国の立場というものが、共通項ができておりますので、それにのっとって対応していきたいということであります。
○西田実仁君 ありがとうございました。
いみじくも今大臣おっしゃったように、この基軸通貨国に対してうらやましいという言葉を言われましたけれども、財務省といたしましてはこれまでもアジアの例えば通貨基金をつくりたいとか、あるいはIMFにおきましてアジア諸国がもっと発言力を強めるべきではないかと、こういうようなことも御指摘されておりました。正しいかどうか分かりませんけれども、中長期的にはややドル離れを加速、加速というか、ドル離れの方向に行かせるかのような動きだというふうに私自身は見ております。まあ間違っているかもしれません。
特に、このアジア通貨につきましては、この間のイスタンブールにおきましても、柔軟な、先ほど、冒頭申し上げましたけれども、必ずしも中国だけではないと思いますけれども、柔軟な為替・通貨政策を採用するべく求めておられますね、この演説におきまして。
こうした中長期の財務省としての方向性、円に対する考え方と当面の為替政策、それは、すなわち四月四日に発表されたものに端的に表れているように、ドルの安定、ドル安は回避していく、これが必ずしもベクトルとして同じではないんじゃないかというふうに思われるわけでありますけれども、最後にそのことを大臣からコメントいただきたいと思います。
○国務大臣(谷垣禎一君) 正式なコメントということになりますと、G7のコミュニケに書いてあるとおり、ファンダメンタルズを反映すべきものだというような棒をのんだような御答弁を申し上げることになるわけですけれども、我々としては、やはり一番基本にございますのは、今おっしゃったような通貨の安定、ファンダメンタルズを反映した安定ということがやはり基本的に大事だと思います。
それと、もう一つ、この間のイスタンブールで盛んに議論が行われましたことは、やっぱりアジア諸国の中で、あのアジア通貨危機というのはもう二度と起こしちゃいけないと、そのためにはアジアの各国がお互いに意思を要するに統一、意思を統一といいますか、共同の意思を持って、やっぱりマーケットに対してもう起こさせないということをはっきりと表明していこうじゃないかという考えが問わず語りに各国にあったと思います。
そのための手段として、第一は、いわゆるチェンマイ・イニシアチブという、ASEANプラス3の間で、流動性がおかしくなったときに、本来これは一国の中であれば中央銀行の役割でしょうけれども、アジアの中でそういうものをつくってお互いに融通し合っていく、それをもっと強化しようじゃないかということで議論が、見直しをしようということで議論が進んでまいりましたし、もう一つ、アジア地域の中にある豊富な貯蓄をそのアジアの中でやはり投資していく方向に振り向けようじゃないかということで、アジア債券市場育成イニシアチブというようなものをやっているわけでございまして、この間の中で新たにまた大きな進展がございましたものは、その現地通貨建てでボンド、債券を出していこうということを今まで工夫してきたわけですが、それに加えて更にこのバスケットの中に入れたような形で債券を出していくということはどうなんだろうと、それを研究していこうということになってまいりますと、アジアの金融的な協力というのは更に進んでいくというふうに考えております。そういう工夫を通じて全体の安定を図っていきたいと考えているわけでございます。
○西田実仁君 終わります。
○大門実紀史君 大門でございます。
先月の四月一日に開業いたしました東京都の新銀行東京について質問をいたします。
今、この新銀行東京の事業計画が二つあるとかあるいは裏と表があるとかいうことがマスコミも含めて、我が党も都議会で取り上げましたけれども、問題になっております。
まず、この新銀行東京の開業の経過と金融庁のそれに当たっての審査とかかかわり、この辺の流れを簡潔に説明をしていただけますか。
○政府参考人(佐藤隆文君) 新銀行東京開業までの経緯でございます。
まず、平成十五年の三月に石原東京都知事が、東京都が主体となった新銀行を設立する旨を表明されました。新銀行東京、これを受けまして平成十六年の四月一日、東京都がBNPパリバ信託銀行を買収して発足したということでございます。
なお、これに先立ちまして、平成十五年の十一月、金融庁がBNPパリバ信託銀行より徴求いたしました銀行法二十四条に基づく報告あるいは東京都からのヒアリング、これらを行ったわけでございますけれども、これによりますと、同行は平成十七年四月に開業を予定しており、平成十六年度はその準備期間であるというふうな位置付けをしておりました。
こうした状況にかんがみまして、金融庁といたしましては、同行の開業準備期間である平成十六年度の一年間について、預金者等の保護ないし開業準備に向けた円滑かつ適切な準備体制の確保等を図るという趣旨で、同行が発足いたしました、形の上で発足いたしました平成十六年の四月一日に、銀行法二十六条に基づく業務の一部停止命令を発出いたしました。
その内容は、平成十六年四月一日から十七年三月三十一日までの間、既存顧客との既存取引に係る管理業務と資本の預け金への運用、この二つを除いて業務を停止すると、こういう命令を出したわけでございます。
その後を含めまして十七年四月開業までの間における金融庁の対応でございますけれども、同行は東京都が既存の銀行を買収して発足したものでありますけれども、実質的には銀行の新規設立と同様のケースであるというふうに考えられましたので、金融庁といたしましては、同行の開業準備中においては銀行法に基づく銀行免許付与に準じた審査を行うといった観点で監督上の対応を講じてきたということでございます。
具体的には、銀行法が定める免許審査基準に準じて、新銀行東京に対しまして、以下のような点に関して銀行法二十四条に基づく報告等により確認作業を行ったということでございます。
一つは、同行が銀行の業務を健全かつ適切に遂行するに足り得る財産的基礎を有し、かつ申請者の当該業務に係る収支の見込みが良好であるかどうか。二つ目に、同行がその人的構成等に照らして銀行の業務を的確、公正かつ効率的に遂行することができる知識及び経験を有し、かつ十分な社会的信用を有するものであるかどうか、こういった観点でございます。
新銀行東京は、このような手順を踏んで、先般、本年の四月一日に本格的な開業に至ったというものでございます。
○大門実紀史君 ありがとうございます。
つまり、新規の免許取得と同様の審査をされて開業に至ったということだと思いますが、その際、新銀行東京から当然免許取得、新しく取得と同様ということですと収支見込みを記載したような事業計画が出されたと思いますけれども、そういうものは金融庁に出されましたか。
○政府参考人(佐藤隆文君) 先ほど申し上げましたように、審査の過程で収支の見込みが良好であるかどうかといった観点が含まれておりますので、こういった議論の中で新銀行東京から事業計画についても報告を受け、説明を受けているということでございます。
○大門実紀史君 新銀行東京は今、企業に出資を募って回っております。このことももちろん金融庁に報告をされて新銀行東京やっているということでよろしいですか。
○政府参考人(佐藤隆文君) その点につきましても説明、報告を受けております。
○大門実紀史君 その際に、企業に新銀行東京の事業計画はこういうものですと、だから出資をお願いしたいということで、事業計画を見せながら出資を募っております。当然これは先ほど言われました金融庁に提出している事業計画と同じもので出資を募っていると思いますが、その点いかがですか。
○政府参考人(佐藤隆文君) 新銀行東京が出資を募っている民間企業に対して行っている説明でございますけれども、その説明に対しましては、金融庁が銀行法二十四条に基づいて報告徴求いたしました事業計画、これと同じもので説明を行っているというふうに承知をいたしております。
○大門実紀史君 ありがとうございます。これもレクのときは個別のことで答えられないと言われたのを、佐藤局長がきちっと答えていただきました。ありがとうございます。
これは大事なことなんです。これが実は今、何といいますかね、マスコミも含めて東京都の主張との違いになっているところでございます。つまり、企業に出資を募るときに出している事業計画が裏の事業計画とかいろんな言い方されていますが、私は正式な金融庁に出した事業計画だと思っておりますので、そのことを確認していただいたわけです。
それを私、手元に入手をいたしました、ある企業を通じて入手をいたしましたけれども、事業計画書というやつです。ただし、不思議なことに対外秘と、表には出さないでくれと、非公表の事業計画書になっております。
これが問題なのは、まあ都議会でいろんなことあるわけですが、それは金融庁の監督下ではないと思いますので、あくまで株式会社新銀行東京の話に絞りたいというふうに思いますけれども、これが、この内容と新銀行東京が公表している内容とに大きな食い違いがございます。
四月一日、開業のときに、これは日銀の記者クラブですかね、記者会見をいたしまして、こういうニュースリリースを出しました。このニュースリリースと、この金融庁に出して合理的判断、金融庁がいろいろ審査されて固めた事業計画書との数字が違います。
例えば、ニュースリリース発表いたしましたけど、ここでは経常利益が例えば三年後に五十四億円出しますと。四月一日の開店のときです、開業のときですね、五十四億円出しますとなっています。ところが、この事業計画書では三年後にわずか四億円の黒字ですということを出しておりますし、融資保証残高も、このニュースリリース、記者会見のときは九千三百六億円と言っていますけれども、事業計画では七千四百二十八億円と、数字もいろいろ違います。
また、具体的な事業内容も違うんですね。これはちょっと非常に驚くわけですけれども、この事業計画では、この銀行というのは、石原都知事が選挙公約で貸し渋り、貸しはがしがひどいと、今の大銀行は駄目だと、中小企業に貸す銀行をつくるんだとおっしゃったわけですけれども、この事業計画ではそういうことが書かれておりませんで、大企業向けシンジケートローンだとか不動産関連プロジェクト融資だとか、そういうことが書かれておりますが、この公に発表したリリースの方には一言も書いてありません。
私は、この新銀行東京、ちょっとおかしいなと思っていろいろ見たんですけれども、ホームページも、実は三月三十一日までのホームページにはいろいろQアンドAということでいろんなことが書いてあったんですが、四月一日以降一切そういうものを書かなくって、非常に何といいますか、ディスクロージャーといいますか、何をやろうとしているか数字的なことが一切ホームページにも載っけなくなったという不思議な対応をしているところです。
ついでに申し上げますと、この新銀行東京というのは、東京都の中では、新銀行マスタープランというのが、これは東京都名で、東京都の名前ですけれども出しておりまして、これが計画なんだということを都民には説明をしております。それで、さっきのニュースリリースは、それに基づいたもので新銀行東京が今度は発表しているという関係になります。金融庁の監督下にある新銀行東京として二つのものを、二つのものといいますか、金融庁に出した事業計画と違うものをリリースしているというところであります。
ついでに触れておきますと、このマスタープランといいますか、新銀行東京のリリースの方の基になっているやつですけれども、これでは中小企業へ貸出しもまだいいことが書いてあるわけです。既存金融機関が十分対応できていないリスクの高い分野へ資金供給しますと。あくまで中小企業の資金需要にこたえるということをこちらには公にしているわけですが、この事業計画ではそういうものがないんですね。抜け落ちているわけでございます。当初都民に対して説明した銀行とは違うものになっているわけですけれども、この都議会のことはとにかく置いておいて、金融庁の監督下にある新銀行東京が、このニュースリリースと金融庁に出した事業計画書と違う、公に公表しているのは違うことを公表していると。
これは金融庁、監督下ですから、好ましいことではないといいますか、どういうふうにとらえておられますか。
○政府参考人(佐藤隆文君) 委員御指摘いただきましたように、いわゆる新銀行マスタープラン、これは東京都が新銀行の設立に対して、同行の業務内容、収益計画等をまとめ、これを公表したものでございます。他方、先ほど来話題になっております事業計画というのは、新銀行東京が自ら作成し、私ども銀行監督上の必要があって報告を受けているというものでございます。
民間企業から出資を募る際の説明との関係でお尋ねがございましたので、私ども監督当局の立場からいたしますと、銀行が出資を募る際に出資要請先に対してどのような説明を行うか、これは第一義的には銀行の判断であろうかと思います。
その際に、これが、新銀行マスタープランというのがいわゆる公表されているということとの関係で、その公表されていない事業計画を用いて出資要請をするということについてでございますけれども、このことについて、それが直ちに法令上の問題につながるというわけではないと思っています。
ただ、私ども、この際に非常に重要なことは、出資の要請先に対しまして、その要請をしている銀行の財務内容等に関して、その要請先の方が誤認をするような可能性のある資料によって説明すると、こういうことは避けなければいけないということで、信頼性の高い正確な説明をするということが大事であろうというふうに思っております。
そういうことは私どもの監督上の事務ガイドラインにも書いてあるということでございまして、私どもの観点からいたしますと、私どもの監督下にある新銀行東京が正確なデータに基づいて出資要請先に対して正確な説明をするということが第一であろうかと思っております。
○大門実紀史君 問題の所在はこういうことなんですね。文字どおり公的な銀行です。それで、出資者に対する説明責任が今言われたようにちゃんと果たしているのかどうかとありますけれどもね、預金者と出資者とこう分けて考えます。預金者には、このニュースリリース、四月一日時点でこういう銀行ですという説明をしているわけですね。だから預金をこれで募るわけですが、それが事業計画書と違うものであると。これまず預金者に対するディスクロージャーといいますかね、一つの銀行として問題点があります。これはもう銀行法の趣旨そのものにかかわる問題だと。銀行がそんな、本来持っている事業計画と違うことを記者会見で発表して、開業しましたから預金をお願いしますと、これは銀行法の何条に反するとかいうよりも、その趣旨そのものに反するという点が一つあると思います。
出資者でいえば、出資を募る企業には金融庁に確認を得たこの事業計画で募っているわけですからね、これはまあうそがないと。金融庁の出したものが本物ですからね、これはうそがないと思います。
これは都議会の問題になりますけれども、都のレベルでいきますと、これは金融庁が物をコメントされるということではないと思いますが、都民に対しては、この事業計画と違う、かつてのちょっとバラ色のもので、これで都議会に説明をして一千億円の出資、都民の税金を一千億使って出資を議会で決めたわけですね。これはある意味では一つの銀行と仮定すると、出資者は都民でございます。都民に対して違う説明で出資を決定さしたと、こういうことになります。
ただ、この時期がずれておりますから、この事業計画は都議会で一千億の出資が決定された後に作られていますから、その時点というよりも、後になってこういう事業計画を作ったら、ちゃんと都民に、当初の計画、皆さんに示したマスタープランは甘かったと、金融庁にも指摘されたと、だから現実的にこういうものにしましたというのを途中で、出資者である都民に都議会を通じて説明すべきものであると、問題点を整理すると私はそういうことになるというふうに思うわけです。
いずれにせよ、この金融庁の監督下にある新銀行東京が、新銀行東京が記者会見で言うことと、金融庁に出して承認を得ているといいますか、この事業計画が違うと、こんなこと平気でやっていることは、やはり私は、そもそもの問題として、そもそもの銀行の在り方として指導されるべきではないかと、一言金融庁から物を言われるべきではないかと思いますが、その点いかがですか。
○政府参考人(佐藤隆文君) 一般論といたしまして、銀行が銀行業務をやっていく際に、正確なディスクロージャー、情報開示というのは非常に大事だと思います。これは市場規律が的確に機能する上でも大前提になることだろうというふうに思います。
それで、この新銀行、実質的に発足したと申しましょうか、あるいは本格的な営業を開始したというのがこの四月でございますので、まだ発足したばかりということではございますけれども、むしろその四月に本格開業したということを踏まえて、今後その銀行としての情報開示にも傾注をしていく必要があるというふうに思います。
聞いておりますところによりますと、六月末の株主総会以降に、この中長期の経営計画について公表する方向で検討しているというふうに承知をいたしております。
○大門実紀史君 それは当然のことでして、株主総会で事業計画を出してその後公表するのは当然のことですけれども、今の段階で二つのちゃんとした事業計画と違うことを公表していると。しかもこれは半年にわたって、この事業計画、去年の十一月ですからね、できているのは。もう半年にわたって違うことを公の場で言っていると。このことはやっぱり、次の株主総会を待たないで、すぐにも金融庁が、どうなんだと、どうするんだということを言われるべきだと思いますが、そこはいかがですか。
○政府参考人(佐藤隆文君) 先ほど申し上げましたように、実質的には立ち上がったばかりの銀行でございまして、業務の実績等をよく踏まえた上で、銀行において適切な時期にルールにのっとって公表をするというのが基本であろうかと思います。
○大門実紀史君 すると、金融庁としてはあれですか、その違うことを今公表していてもそれは構わないということなんですか。
○政府参考人(佐藤隆文君) 先ほども申し上げましたように、新銀行マスタープランというのは、東京都が新銀行の設立に際して同行の業務内容、収益計画等をまとめてこれを公表したものでございます。それに対しまして、私どもが議論をさせていただいたもの、これは新銀行東京自身が作成したものでございます。これを、当局の方から直ちにこれを公表しろということは、この銀行免許の審査の過程における様々なやり取りの過程で出てきたドキュメントを外に出すということでございますので、それは競争上の権利等を侵害する可能性がございますので、必ずしもできることではないというふうに思います。
○大門実紀史君 そうじゃないんですよ。これ、最後に混乱されているんですよ。
私は、新銀行東京がニュースリリースで違うことを言っていると、マスタープランのことは言っていません。新銀行東京が、金融庁に隠した事業計画と違うことを言っていると。だから、新銀行東京の公表していることが違うことについて、マスタープランじゃないんです、その点についてちゃんと指導されるべきだというふうに申し上げたんで、そこを正確にちょっと答えてください。ほっておいていいんですか、金融庁は。
○政府参考人(佐藤隆文君) 先ほど申し上げましたように、発足して間もない銀行でございますので、しかるべき準備をして、銀行として責任を持ってしかるべき時期に情報開示をするということであろうかと思います。
○大門実紀史君 とにかくこの問題、そのままでは済みませんのでまた取り上げていきたいと思いますが、私の言った意味をよく理解してもらって、しかるべき措置をとってもらいたいと思います。
終わります。
○糸数慶子君 糸数です。よろしくお願いいたします。
まず、銀行、証券、保険の一体化についてお伺いいたします。
ペイオフ全面解禁の背景には、バブル崩壊後の我が国の経済に重くのし掛かっていた不良債権の処理が進んできたことがあります。数年前に八%を超えていた不良債権比率は半減し、不良債権処理に一応の片が付き、ペイオフが解禁になり、金融機関にとっては消費者に対しての質のいいサービスをいかにして提供できるか、これからが本当の競争であり正念場であると思います。
今後の金融行政の在り方については、昨年十二月に金融改革プログラムが策定され、三月には工程表も示されました。この中では、利用者の利便性の向上、利用者の保護ルールの整備、IT化の推進、さらに金融の国際化などがうたわれていますが、このプログラムの中で冒頭に、将来の望ましい金融システムの在り方としては、金融商品・サービスの利用者が、いつでも、どこでも、だれでも適正な価格で、良質な多様な金融商品・サービスの選択肢にアクセスができるということが考えられるとも述べられています。
そこで、お尋ねいたしますが、いま一つよく分からないのは、銀行、証券、保険という三つの金融形態を中長期的にどこまで一体化させていこうとしているのかなんですね。利用者の利便性の観点に立てば、究極のワンストップサービスは一つの窓口で銀行、証券、保険のすべてのサービスが受けられることであります。金融庁はどのような将来展望を持っていらっしゃるのでしょうか、お尋ねいたします。
○国務大臣(伊藤達也君) お答えをさせていただきます。
近年、金融をめぐる環境というのは、製販の分離あるいは販売チャネルというものが多様化していく、こうしたことが進行していく中で、業態の枠を超えた組織形態やあるいは取引というものが急速に拡大をしております。我が国においても、業態別子会社の設置やあるいは金融持ち株会社、こうしたことを解禁するなどの規制緩和を進めてきておりまして、いわゆる金融コングロマリット化の進展も見られるところでございます。
金融コングロマリットにつきましては、シナジー効果が生じる可能性がある一方で、利益相反の発生や、あるいは内部取引におけるリスクが拡大するおそれがあると、こうした指摘もあるところでございます。
こうした問題提起を受けて、現在、各業態別に設立されている国際機関を母体として設立されたジョイント・フォーラムにおいて、金融コングロマリットの監督上の諸問題について正に議論が行われているところでございます。
金融庁といたしましては、金融改革プログラムやあるいはその工程表に沿って、金融機関の企業・グループ形態の複雑化に対応した法的な枠組みの在り方について、国際的な議論も踏まえまして、リスクの遮断やあるいは健全性の確保も含め、幅広い観点から検討を行う必要があると考えているところでございます。
○糸数慶子君 次に、銀行、証券、保険といった金融商品を一つの窓口でできるようになると、当然心配されますのが抱き合わせ販売ですが、自由競争ゆえに起こる可能性のある不当あるいは不正な業務や販売などの防止についてはどのように考えていらっしゃるのでしょうか。
○国務大臣(伊藤達也君) 銀行等の窓口における販売を可能とする証券・保険商品の範囲につきましては、これまでも段階的に拡大をさせていただいてきたところでありますが、いわゆる抱き合わせ販売につきましては、そもそも独占禁止法において禁止されているものでございますし、また証取法や保険業法においても抱き合わせ販売等の不当、不正な業務の禁止を含む各種の弊害防止措置を講じてきたところでございます。
今後とも、金融サービスの利用者が不測の損害を被ることがないように、金融実態に対応した必要な利用者保護ルールの整備を図ってまいりたい、そしてそのことを徹底させていきたいというふうに考えております。
○糸数慶子君 次に、中小企業地域金融の円滑化に向けた取組についてお伺いいたします。
中小企業それから地域金融の円滑化に向けたその取組については、リレーションシップバンキングの機能強化のためのアクションプログラムを踏まえ、都道府県ごとに地域金融円滑化会議を行い、さらに該当する県では産業クラスターサポート金融会議が開催されてまいりました。
沖縄におけるその開催状況を見ますと、十五年以降、地域金融円滑化会議が八回、産業クラスターサポート金融会議が三回開催されておりますが、金融庁では、全国的に見て、これらの開催状況及び成果についてどのように評価されていらっしゃるのでしょうか。
○政府参考人(佐藤隆文君) まず、地域金融円滑化会議でございますけれども、これは御指摘のとおり、リレーションシップバンキングのアクションプログラムに基づきまして、金融機関における顧客への説明体制の整備、あるいは相談、苦情処理機能の強化というのを図るという目的で、平成十五年の六月末までに各都道府県ごとに立ち上げられまして、四半期ごとに開催ということで、この十五年度、十六年度の二年間で計八回開催されているということでございます。こうした中で、貸し渋り・貸しはがしホットラインの受付件数が減少傾向にあるといったことにも表れておりますように、一定の成果もあったのではないかというふうに考えております。
それから、産業クラスターサポート会議の方でございますけれども、創業、新事業支援機能の強化という目的で、これも平成十五年の六月までに各地域、これは財務局単位でございますけれども、において立ち上げられまして、以降、各地においてこれまでにおおむね二回ないし四回ほど開催されているというふうに承知いたしております。
こうした中で、十六年度上半期までの進捗状況でございますけれども、産業クラスター計画を支援するためのつなぎ融資、産業クラスターサポートローンというふうに呼んでおりますが、これが着実に伸びてきているという実績がございます。産官学とのネットワークの構築、活用が図られてきているというふうに考えております。
○糸数慶子君 今、いろいろ御説明ございましたけれども、沖縄におきましても、この沖縄、OKINAWA型産業振興プロジェクト、この推進ネットワークが平成十四年の四月に発足をしております。現在、百五十社そして二大学が参加しておりまして、情報、健康、環境、そして加工交易の分野で沖縄経済を牽引する世界に通用する企業群の育成が今図られております。
県内の五つの金融機関などもその中に入っておりますが、この新たな地域密着型金融機能強化への取組の中において、それこそ地域ごとのきめ細かな行政と金融機関との連携、それから意見交換の取組が重要だと思いますが、ただアクションプログラムにおいては、金融の安定化や貸し渋り、貸しはがしの低下によって地域金融円滑化会議の開催をこれまでの四半期ごとから半期ごとに引き下げるというふうにおっしゃっていらっしゃいますが、金融庁は、金融行政の地域への密着という観点からこのことを考えますと、どういう状態で臨むべきであると考えていらっしゃるのでしょうか。
○国務大臣(伊藤達也君) 地域金融円滑化会議につきましては、今監督局長からも御説明をさせていただきましたし、また、その重要性、効果については委員にも御評価をいただけるものがあるんではないかというふうに思っております。
同会議におきましては、今までの集中調整期間二年間において四半期ごとに開催をさせていただいて、計八回開催をさせていただいて、そしてこうした中で、貸し渋り・貸しはがしホットラインの受付件数が近時減少傾向にあると。
こうした状況にかんがみまして、新しいアクションプログラムにおきましては、同会議の開催については四半期ごとから半期ごととしたものでありますが、中小企業金融の円滑化は引き続き重要な施策と認識をいたしております。
例えば、各都道府県ごとに、財務局そして財務事務所職員が商工会議所等を往訪している中小企業金融モニタリングの機能の更なる活用を図るなど、取組の強化、新たな施策の導入により、中小企業金融の円滑化に向けた取組というものは総じて強化されているものと考えているところでございます。
○糸数慶子君 産業クラスターサポート会議は年一回のペースで、その実態を見ますとクラスター関係予算の説明に終わっているような感がいたしますが、もう少しその効果的な活用を考える必要があるのではないかというふうに感じます。
次に、あしぎんFGの更生手続についてお伺いいたします。
あしぎんフィナンシャルグループの更生計画案が今年の三月二十八日に認可されましたが、優先株式に対する配当率について、国よりも他の優先株主の配当率が高くなっています。この配当率に差が設けられたことにより国の損失はおよそ十七億円程度拡大したと言われておりますが、これは、会社更生法上同順位であるはずの優先株主間での配当率の差が生じた理由は何でしょうか。
○政府参考人(佐藤隆文君) ただいま御指摘いただきましたように、あしぎんフィナンシャルグループの更生計画につきましては、三月二十八日に関係人集会で可決され、東京地裁により認可決定されたところでございます。優先株主たる預金保険機構、RCCにおいては、公的資金の適切な管理といった点も含めましてこれを精査し、これに同意する旨の議決権の行使を行ったと承知をいたしております。
それで、配当率の差が生じた経緯でございますけれども、更生計画、この認可されました更生計画の骨格でございますが、これはあしぎんフィナンシャルグループ、あしぎんFGは子会社株式をすべて換価した後に解散する。それから第二点として、解散前においては今期の配当可能利益の範囲内で利益配当を行い、解散時の財産については残余財産として分配する。そして第三点として、利益配当につきましては、約款に定められた一株当たり配当利回りの利率、これが実は差がございまして、国が〇・九四%、民間が三%というふうに決まっております。この利率の割合で分配するということでございます。それから、残余財産の分配につきましては、株数に応じた割合で分配するということでございます。
こういうことになったということでございまして、配当率が異なりますのは、利益配当、優先株の利益配当における一株当たりの配当利回りの利率の差によるというものでございます。
○糸数慶子君 管財人は、これ元々その更生会社で株主に配当するという例はない、資産超過の更生事業という点で特殊、このような例はこれが最初で最後だろうと、こう述べていらっしゃいますが、今回がこの特殊なケースであることは理解できます。しかしながら、金融庁は今、優先株の配当利回りによって配当率に差が出たと言われましたが、会社更生法の下に置かれた会社の株に配当を出すこと自体がおかしいのではないでしょうか。
これ新聞報道によりますと、一部の優先株主による国への損害賠償請求の取下げと引換えに更生計画案を認可したのではないかという疑念も持たれています。国の配当率を低くしたことについては、地元優先株主の損失を軽減させた一方で、国民負担の拡大をもたらす結果となっています。
この点について、これまで政府からの説明はほとんどなく、金融庁は多額の公的資金を扱う立場として、国民負担が拡大した理由について説明責任を果たすべきではないかというふうに思いますが、このことは要望いたしまして、次の質問に移らせていただきたいと思います。
次は、辺野古沖のボーリング調査についてお伺いいたします。
沖縄県の辺野古沖でのボーリング調査について質問いたしますが、まず、これ財務省にお伺いいたします。ボーリング調査の予算二十七億円の内訳はどういうふうになっているのか、お伺いいたします。
○政府参考人(杉本和行君) お答えさせていただきます。
平成十七年度予算におきましては、普天間飛行場代替施設関連経費といたしまして、歳出ベースで二十七億三千八百万の予算を計上しております。経費の内訳といたしましては、現地技術調査三千百万円、環境影響評価二十五億三千百万円、基本検討一億七千六百万円となっております。
ボーリング調査に関する経費でございますが、十七年度予算にはボーリング調査に係る経費は計上しておりませんで、この経費につきましては十四年度と十五年度の二年間の国庫債務負担行為で措置いたしております。それにつきましては、十六年度、十七年度に繰り越しているところでございます。
○糸数慶子君 今御説明いただきましたけれども、実はこのボーリング調査に関してなんですが、那覇防衛施設局は四月二十六日から夜間作業に入っております。この夜間作業は安全面において重要な問題があり、さらに沖縄県が三月の三十一日に提出いたしました調査期間更新同意によりますと、これは環境配慮事項出しておりますが、全く無視されている状態です。
そこで、防衛施設庁にお伺いいたしますが、夜間作業の実施はどなたの決定でなされたのでしょうか。それと、夜間作業における安全の確保についてどのような方策をお立てになっているのか、お伺いいたします。
○政府参考人(河野孝義君) お答えいたします。
まず、ボーリング調査の現状でございますけれども、当庁としましては、足場を設置した箇所でできる限り早期にボーリング機材による掘削作業を着手したいと考えているところでございます。しかしながら、昨年末に設置しました各足場では連日、反対派により早朝から夕方までの間占拠され、安全にボーリング作業が実施できない状況が長期にわたって続いております。この間、作業が開始できるよう、足場を占拠する反対派の説得に鋭意努めておりますけれども、残念ながらまだ協力は得られない状況でございます。
ただいま夜間作業の決定はだれがということでございますけれども、日々の作業につきましては那覇防衛施設局におきまして作業内容や実施の可否の判断をしているところでありまして、四月二十六日の日の出前の作業につきましても、気象状況や作業が安全にできるか等、現地の具体的な状況を見極めた上で同局にて実施を判断したものでございます。
当庁本庁におきましても、反対派による占拠や妨害行為などによりボーリング作業が安全に実施できない状況を踏まえ、安全に十分配慮しつつ円滑かつ早期にボーリング調査を実施するために、那覇防衛施設局に対しまして現地作業を種々工夫して行うよう指示をしておるところでございまして、具体的なことにつきましては局の判断で進めているところでございます。
○糸数慶子君 今、那覇防衛施設局の判断ということなんですが、実は、この那覇防衛施設局のその夜間作業に関しましては、作業船の中に無灯火の船もあることを施設局は認めております。これは無灯火というのは明らかに法令違反でありまして、この違法な作業を犯してまで夜間作業を進めるのか。今の環境への配慮ということから考えましたら、それこそ違反ではないかというふうに思います。
さらに、この調査期間の変更に同意するに当たって、沖縄県におきましては、那覇防衛施設局に示しております環境への配慮事項が全く遵守されていないわけです。この環境への配慮事項はジュゴンの生息に影響を与えてはならないというものでありますが、これ専門家は夜間作業がジュゴンに与える影響を憂慮しておりまして、県の環境配慮事項を遵守しなくてもいいという状況で今作業が行われております。
これに対しまして、今沖縄県の方では、五月の十一日に那覇防衛施設局の局長に対しまして申入れを行っております。これは沖縄県の文化環境部の伊佐部長の方からの申入れになっておりますが、この点につきましては御承知していらっしゃいますでしょうか。
○政府参考人(河野孝義君) お答えいたします。
まず、夜間作業について無灯火の船があったということでございますけれども、これは四月二十六日及び二十七日の夜間等で実施しました作業につきましては、作業船が作業を行っている間は灯火を表示したものの、作業の安全に支障がない範囲において、作業を行ってない間は灯火を表示してない作業船があったということを報告を受けているところでございます。
なお、作業現場では、灯火を表示してない作業船の周囲には警戒船を配置するなど安全対策は取っていたところでございます。
本件は、作業船の船長等に船舶の灯火に関する知識が不足していたことが原因ではないかと考えておりまして、当庁としましては、再発防止のため、夜間等に使用する作業船の船長等が必要な灯火を表示するよう指導を徹底してまいる所存でございます。
また、昨日でございますけれども、沖縄県文化環境部長から那覇防衛施設局、局長ではございませんで建設部長でございますけれども、に対して、夜間の作業についての配慮が記された文書が発出されたとの報告を受けております。
ボーリング調査につきましては、従来より、ジュゴンの行動も踏まえた配慮方策を盛り込んだ作業計画や沖縄県から示された環境配慮事項に基づき、ジュゴンを含む自然環境に十分配慮して実施してきているところではございます。
○糸数慶子君 今伺いましたら、先ほど、この予算が二十七億付いていて、その中で環境に関するその予算が二十五億、それから、先ほど伺いましたら、ボーリング調査に関しましては今年度の予算を使っているわけではないということでありましたけれども、実際、このボーリング調査を進めていること自体がある意味税金の無駄遣いではないでしょうか。
なぜかといいますと、現在、国の財政からしても、本当にこの普天間飛行場の辺野古への移設というのは、米国政府も、それから日本政府も、ちょうど私、この委員会におきまして小泉総理大臣にも伺いましたけれども、まだ決定されてないという状況の中で、全くその無駄なボーリング調査に私たちの税金を費やしているということになっております。直ちにこれは中止をすべきでありまして、今伺いましたら正に無灯火船での調査、それからジュゴンへの配慮事項も全く無視した状況でボーリング調査を進めるということは即刻やめていただきたい。先ほど財務大臣もいらっしゃいましたけれども、こういう二十七億円という今のこの辺野古にかかわる調査費に関しましても、本当に国の財政から考えましたら税金の無駄遣いではないかと思います。是非とも防衛施設庁に対しましてはこのボーリング調査、即刻中止することをお願いいたしまして、終わりたいと思います。
以上です。
○委員長(浅尾慶一郎君) 本日の調査はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。
午後四時十二分散会

 

 

2005年05月07日 (土)

「メディカルテクノロジーリーダーシップフォーラムに参加して」

日米の医療関係者と政策責任者が一同に会するメディカルテクノロジーリーダーシップフォーラム(MTLF)に招待を受けて、ワシントンに行って参りました。今回のフォーラムに参加して、日米の制度の違いを再認識し、多くの新しいことを学ぶことが出来ました。

まず日米の医療の現状を比較すると、2002年の購買力平価ベースで一人当たりの医療費は日本が$2,077であるのに対して、米国が$5,267であり、GDPに占める医療費の割合は、前者が7.8%、後者が14.6%です。また、2000年における、65歳以上の人口の全人口に対する割合は、日本が17.4%、米国が12.3%です。尚、平均余命も日本の方が米国よりもはるかに長いです。これら数字の比較からは、コスト面ではるかに、我が国の医療制度が勝っていることが分かります。

どういう所に日本の低コストの余波があるかと言えば、100床当たりの医師数及び看護士数の日米の比較で見ると明らかです。それぞれ、日本が12.5人と43.5人であるのに対して、米国は71.6人と221人です。我が国の病院では当たり前の4人部屋、6人部屋は米国では殆ど見られず、2人部屋か1人部屋が基本です。更に、参加していた米国の医療経済の第一人者は、我が国の医療費を低くし、米国の医療費を高くしている理由に、健康保険制度の違いを上げておりました。我が国にも、様々な健康保険制度は存在しますが、価格は全国一律で初診料いくら、検査料いくらと設定されております。つまり、医療において購買側の独占が我が国においては存在するのに対して、米国は多くの民間の保険者も存在し、価格は医療サービスの提供者と保険者との相対で決まります。技術の高いお医者さん程、高い報酬を米国では受けられます。

これからの我が国の医療への課題は、急速に進展する高齢化の下、20年間で倍増する医療費をどう賄うかということがあります。特に、より良い医療サービスを求める国民の要望と増大する医療費とのマッチングは大切なこととなります。技術力のあるお医者さんには、それに見合う診療報酬を支払う制度を導入する必要があります。病院での滞在をもう少し快適なものにする必要もあるでしょう。但し、こうした改善をしつつも、購買側の価格独占が医療費抑制に一定の成果を上げているのは間違いない所なので、この制度は維持しなくてはなりません。他国の制度を学びながら、今後共、我が国制度をより良くすることに力をいれたいと思います。



参議院議員 浅尾慶一郎
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