あさお慶一郎(前衆議院議員 神奈川4区)

2003年08月06日 (水)

我が国の最重点課題/第156通常国会の自己採点を通じての考察

第156通常国会が終了して一週間少し経過した。 今国会の意義をここで振り返ることで、我が国が現在抱える重要課題を考察してみたい。通常国会での大きな争点は有事法制とイラク支援新法であったことは報道の通りである。私は、我が国においてこれまでタブー視されてきた安全保障の課題が議論される様になったことを率直に評価をしている一人である。

しかし、今国政上の最重要課題は安全保障の問題であろうか?答えはもちろん、否である。一番大事なのは、経済の再活性化である。政治の最大の責務は、雇用の生まれる産業を育てることであり、直ぐにそれが出来ないのであればそうした産業が育つまでのつなぎの政策を打出すことだと思う。

参議院厚生労働委員会に神奈川県高等学校進路指導協議会会長である現役の県立高校の先生を参考人としてお招きして伺った話は衝撃的であった。彼の勤務する高校で今年の三月に卒業した高校生のうちで、当初就職を希望する生徒が100人いたが、実際に就職が出来たのは35人であったそうだ。残り65人の内、30人は就職が出来ないので進学希望に切り替え、35人は高校卒業後フリ-タ-になったとのことだ。進学に切り替えることが出来た高校生はまだ家庭が財政的余裕がある家が多いとのことであった。フリ-タ-になった高校生の中には、家庭が財政的に厳しいので高校生であってもアルバイトを三つ位掛け持ちをしている関係で、学校には欠席がちになる子が結構いたそうである。遅刻・欠席がちの子とまじめに学校に出席している子を比較するとどうしても出席率の良い方に推薦状を出さざるを得ないというのが、参考人でお招きした先生の証言であった。つまり、これまで比較的貧富の差がないとされてきた我国社会にある意味で重大な変化が起きているのである。

私の政治家としての最大の責務は、誰にでも何度でもチャンスのある社会を築くことである。その観点からも、あるいは急速に進む高齢化社会を睨んでも、社会全体の生産性を引き上げることが政治の最大の課題である。もちろん、直ぐに結果の出る話ではないが、少なくともその取り組みの経過を適時公表していくことが国民の理解を得、見通しのきかない現代社会に少しでも安心感を与えることにつながるはずだ。そして、直ぐに結果がでないのであれば、その間のつなぎの政策として大切な人的資本形成、職業能力開発の為に大胆な政策を打出すべきである。その際、財源も含めて提示するのが責任ある政治家の取るべき姿勢だと思い、財源も含めて小泉総理に参議院の本会議で6月9日に提案したが、明確に答えてもらえなかった。

私の主張は、現在380万人の国及び地方の公務員に関わる人件費が38兆円あること、国家が危機的な状況にあること、公務員の一人平均の人件費1,000万円は他の産業との比較で一番高くなっていること等を考慮し、今こそ日本型の公的ワークシェアリングを時限的に導入することであった。38兆円の2割のお金を職業能力開発に回すことが出来れば8兆円近いお金になるので、385万人の失業者全員に充分な職業能力開発の機会を与えることが出来る。(議事録詳細はホームページをご参照下さい)少なくとも、政策を総動員してこの難局にあたることを今国会で、議論すべき最重要課題に置く必要があったと思う。

参議院議員 浅尾慶一郎

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