あさお慶一郎(前衆議院議員 神奈川4区)

2003年06月30日 (月)

あるべき日本の姿について

以前にも報告しましたが、現在私は数人の仲間の議員と共に、あるべき日本の姿、目指すべき我が国の社会像を実現する為のワーキングチームを結成して、検討作業を致しております。今後、この日本の目指すべき社会像をベースにその実現の為の手段として、政策集を発表していこうと考えております。当然、その政策集はマニフェストと呼べるものにしていこうと思っております。

ところで、マニフェストという言葉は良くマスコミに登場する様になりましたが、小泉さんはこれを「要するに公約でしょ」と言っておりますが、それこそこれをいわゆる公約にしてしまってはマニフェストを広める運動を展開する意味はないと思います。これは、実現の為の財源及び実現に向けての期限をも明確にした公約としなくてはいけません。つまり、「きれいな環境を守る」という表現は公約とはなりえても、守る為の財源やそのための法改正に向けての期限が明記されていないのでマニフェストとは呼べないものです。


私達はまず目指すべき社会像についてお互いの認識を共有する作業を行いました。その理由は、マニフェストにしろ公約にしろ、政策はすべて手段であって目的ではないという考えを持つからです。私達は今の日本に構造改革は必須であると思っております。しかし、構造改革そのものはあくまでも手段であり、目的は理想とする社会の実現でなくてはなりません。その目指すべき社会の議論はあまりなされていませんが、それが一番大切であろうということで、まず認識の共有化に時間をかけました。

我々が目指す社会は、一人一人が真の自己実現が出来る社会、夢の実現の為に誰にでも何度でもチャンスのある社会です。それは、与えられるのではなく自ら求める時代の中で、一人一人が自らの幸せを探してその実現が出来る社会であり、国民総生産(GDP)中心の社会から「国民総満足」、「国民総充足」、「国民総感動」といった尺度で測られる社会であるべきです。

国際的には、米国、そして中国という軍事的に大きな実力を持った国家に挟まれた日本としては、自らの存在を軍事的な力や市場の規模によって誇示するのではなく、産業の技術力や生産性の高さ、それを支える国民の生活の質や文化水準の高さで周囲の尊敬を集める国家、つまりは覇道国家ではなく王道国家を目指すべきであるとしました。

もちろんこうした議論の前提としては現在の社会状況の客観的な分析が必要なことは申すまでもありません。まず、認識しなければならないのは、引き続き進む我が国の高齢化という事実であります。現状の通り移民の受け入れをしない日本ということを前提にした計算では、2050年には、人口は1億500万人になり、現状15歳から64歳までの生産年齢人口の方4人に対して1人の65歳以上の方がいらっしゃるのに対して、その比率が50年後には1.71人に対して1人になるそうです。そうすると、現在の社会保障負担率を前提にすると77歳まで現役を続けて頂かないと計算があわなくなるそうです。こうしたことは一般的にはマイナス面から論じられることが多いのですが、この困難の克服に成功すれば、世界に模範となれるのでこの事実を積極的に受け入れていこうと思っております。つまり、急速に進む高齢化を受け入れ、それに適した社会構造を持ち、後に続く世界のモデルとなる社会を目指していこうと思います。

いずれ、雑誌及び書籍で正式に発表出来ると思いますので、その際にはまた、お知らせ致します。



参議院議員 浅尾慶一郎

2003年06月13日 (金)

公務員人件費問題と本会議質問の事前漏洩について


一部の新聞に質疑の前に質疑の内容について官僚から抗議のメールが来ているということが報道されているので、ご存知の方もいられるかもしれませんが、先般6月9日の参議院本会議において小泉総理大臣に労働基準法改正案に関連して現下の景気・雇用情勢について質問をする機会がありました。(報道についてはhttp://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20030612-00002056-mai-pol又はhttp://www.asahi.com/politics/update/0611/007.htmlをご覧下さい)

さて、今回の本会議で私の主張は、

景気の回復並びに雇用情勢の好転が遅れているが、こうした状況下政府の最大の責務は雇用を創ること。今期上場会社の企業収益好転が報道されているが、収益好転の大部分は利益=売上-費用の算式から考えると費用の削減、つまりはリストラによりもたらされていると理解をすると雇用創出は急務。実際、現在の失業者は385万人、フリーター・無業者等が別途約400万人存在する。
一方、直ぐに雇用を創出出来ないとすると、需給ギャップを埋める為、失業者への生活支援と併せて職業能力開発に取り組むことが政府の責務となる。
こうした,指摘には財源をどうするのだと良く小泉総理は反論するから、財源の一案を提示する。
今、国・地方の公務員の人件費は一人当りで約1,000万、総額で約40兆円。一人当り人件費の金額は,日本の中で最も国際競争力のある自動車産業を含む輸送用機械産業で約630万であり、公務員のそれは他産業との比較で一番高くなっているという事実がある。
とは言え、人件費に手を付けることは最後の手段であるべきでかつ一概に高いからいけないというつもりもない。しかし、他に財源がないとするならば、例えば期間を区切って緊急避難的に公務員の方々にも協力をお願いすることを考えては如何?仮に,時限的に例えば2~3年でも2割の削減に協力を頂ければ、その間385万人の失業者全員に月額15万円の手当てを支給した上で,一人当り28万円の予算で職業能力開発事業を行うことが出来る。
国の最高経営者として、そうした協力を公務員にお願いする気はないか。
ということを小泉総理に尋ねたものです。尚、その際には労働三権を公務員に付与した上で交渉すべきと主張しました。

尚、国・地方の人件費総額は38兆6,062億円(国家公務員分、11兆7,679億円、地方公務員分26兆8,383億円)で該当する公務員は380万9,701人(国家公務員111万人、地方公務員269万9,701人)です。ちなみに人件費には職員給、公務員共済負担金、退職金等が含まれるので、必ずしも公務員の年収のみで1,000万円あるという訳ではない。国家公務員の給与は人事院が民間の調査をし、決定しているが、退職金は人事院勧告の対象外。退職金はかなり、民間よりも条件が良くなっているというのが実情。

内閣府経済社会総合研究所の国民経済計算年報平成13年度版によると、一人当り雇用者所得(含む社会保障、退職金)は
公務員 1,018万円
電気・ガス・水道 795万円
金融・保険 678万円
輸送機械 629万円
電気機械 584万円
小売・卸売り 403万円

である。



参議院議員 浅尾慶一郎

2003年06月02日 (月)

試される日本の資本主義

5月29日に、参議院の予算委員会で「りそな」問題に対する政府の対応について質問をする機会があった。りそなについては債務超過かどうかが報道されているが、報道の視点にも政府の対応にも欠けているのはりそなの資本の性格に対する考察とそれを踏まえた対応である。りそなには現在大きく分けて、株主総会で議決権を持ち経営に責任のある普通株と議決権がなく経営責任はその分軽い優先株の二種類の株主が存在する。そして申すまでもなく、優先株の大部分は公的資金により取得されている。

りそなには総額で1兆1,680億円の公的資金が投入されており、内8,680億円は議決権のない優先株、残りは劣後ローンである。一方、現在のりそなの正味の資本は話題の繰延税金資産を5,221億円資産計上しても3,108億4,200万円であるので、会計上既に公的資金が5,571億円強毀損していることになる。これを図で表すと以下の様になる。


先述の通り公的資金で取得した優先株は議決権のない株式であり、株主責任という観点からすれば当然普通株主より責任は軽い。従って、普通株式の株主から株主責任を取っていくという当然の発想に立てば、まず普通株から100%の減資を行って累損の一掃を目指し、それで足りない部分は優先株式により投入された8,680億円の一部を取り崩して行くことがあるべき姿であると考える。このことを小泉総理及び竹中大臣に質問した所、総理は普通株と優先株の違いに理解並びに興味を示さず、竹中大臣は経営への距離についてはその違いを認めながらも、優先株と普通株との間で株主責任に差を設けるべきであるという私の主張には賛同しなかった。

私は今回のりそなへの追加的な公的資金投入の決定自体については、結果として仕方がないという立場にあるが、前提として経営者、株主、従業員、そして行政の責任は明確にしない限り国民の理解は得られないし、公的資金の追加投入もすべきではないと考えている。これらの責任を明確にしない限りモラルハザードにつながる。この信念に基づき、引続き普通株の100%減資は求めていくつもりである。

逆に、今回普通株の減資を行わないとすると、投入された累計で3兆円を超える公的資金の回収に疑義が生じることになる。配当という形であれ、自己株式の償却という形であれ3兆円の資金は基本的には税引き後のキャッシュフローからしか回収できない。従って、減資をしない場合には、税引後のキャッシュフローを出来るだけ多くすることを考えると公的資金の回収が終わるまでは普通株への配当を認めるべきではない。このことは、仮に、りそなの再建がうまくいき年間の利益が3,000億円出る様になったとしても、税率を考えると15年程度無配を続けていかざるを得ないことにつながる。15年間無配が予見出来る株の理論価格は限りなくゼロに近いと言えるので、100%減資をしても経済的損失はないことになる。

権限のあるものが責任を取るという当然のことを政治の場で示していくことが日本再生の必要条件ではないだろうか?



参議院議員 浅尾慶一郎

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