あさお慶一郎(前衆議院議員 神奈川4区)

国会活動

衆議院 予算委員会 18号 平成23年2月28日

2011年02月28日 (月)

177-衆-予算委員会-18号 平成23年02月28日

○浅尾委員 本日は、菅内閣の基本姿勢ということでありますので、冒頭、この間、菅総理大臣がおっしゃってきたことについて、ちょっと通告はしておりませんけれども、わかりやすい話でありますので、質問をさせていただきたいと思います。
民主党は、マニフェストで国家公務員人件費二割カットということを言っております。
その中で、まず本来であればトップから、隗より始めよということでありますので、本来であれば、総理大臣は、公務員全体が二割ならトップはもっと給与削減をされるのが筋ではないかと思いますが、この間の人事院勧告を受けて、菅総理のお給料は、二百六万円が、私の理解が正確であれば、五千円減った。二百六万に対して五千円というのは、〇・二五%に満たないということでありまして、そのことを同僚の柿澤議員が総理に質疑をいたしましたところ、二割カットしますというふうに総理は答弁されたわけでありますが、直後に枝野官房長官の記者会見で、それは決意を示しただけだということで、五千円のままになっている。
国民は、やはりトップリーダーの決意、言葉というのを一番期待するわけですから、この際、これは御自身が決断すれば他の人のことについてはできるわけですけれども、相変わらず二百六万に対して五千円の引き下げだけでいいというふうに思われるかどうか、お答えいただきたいと思います。
○菅内閣総理大臣 これは柿澤議員のときにも申し上げましたが、閣僚の給与はかなり前の内閣の時代から一割はカットしております。しかし、私も、例えば現在我が党でも、国会議員の歳費、御党もいろいろ議論というか提案がありますけれども、これについても、一割を削減するという方向で今党の方で集約が進んでおります。そういう意味で、時期をそんなに延ばす気はありませんけれども、閣僚については、現在の一割カットではなくて、さらに踏み込んだ形はとるということは先日お約束いたしました。
時期については、他の法案との関係で考えておりますが、そんなに、一年先とか半年先ということを考えているわけではありません。もっと早い時期に、そういった関連するものとあわせて提案をしたい、あるいは実行したい、こう思っております。
○浅尾委員 自主的に返納するということですから、すぐにでもできると思いますので、それはさっさとおやりいただきたいということを申し上げたいと思います。
それでは、通告をしております質問に移らせていただきたいと思います。
前回の税と社会保障についての集中審議の際にも申し上げさせていただきまして、その後、私自身もいろいろと勉強をいたしました。勉強いたしました結果、国税庁が持っているデータを厚生労働省あるいはその所管の団体が持っていないことによって、かなりの年金の保険料、そして健康保険の保険料が徴収できていないということが明らかになりました。
この予算委員会でも、第三号被保険者の記録不整合問題というのがいろいろと議論をされておりますが、基本的には、データが整備されてないということがかなり大きなところになるんだろうというふうに思います。そのためには、歳入庁を早くつくった方がいいと思いますし、それから共通番号制度を早く入れた方がいいと思いますが、まずは事実の確認をさせていただきたいと思います。
お手持ちの資料に基づいてお話をさせていただきたいと思います。[参考資料]
ここで、民間の給与所得者数というのは五千三百八十八万四千人。実は先般、これは法人ではありませんが、私の事務所も任意で社会保険に入っておりまして、それに対して国税庁から調査が参りました。源泉徴収がある人は何人かということを調査で答えろと。この調査に答えないと罰則があるということなので、かなりこの五千三百八十八万四千人というのは、源泉徴収を受けている者、あるいは、扶養控除等で税金を払ってないけれどもその金額に当たっている者というふうに考えていいと思いますが、一方で、厚生年金の被保険者というのは三千四百二十四万八千人ということで、二千万近い差がある。
この二千万というのを、仮に平均標準報酬月額を掛けて、なおかつ、一部の方は、既婚であって、いわゆる第三号被保険者になるんだという前提で五割の婚姻率を掛けたとしても、単年度で六兆円、厚生年金の保険料だけで徴収されてないものがあると。同じことが健康保険の保険料でも言われております。
まず事実の確認をいたしますが、これは細川厚生労働大臣に伺いますけれども、厚生年金の保険料が増収になったとしても、現在払っている年金は、もう既にいただいている方は、それによって、入ってくるお金がふえたからといって払う年金の額はふえませんよね。事実の確認だけです。
○細川国務大臣 お答えいたします。
年金につきましては、給与所得者が新たに厚生年金に加入した場合、その者が高齢者になるまでは年金給付が発生をいたしませんので、直ちにその給付費が増加するというわけではございません。
○浅尾委員 同じように、これは御答弁をいただかなくても結構でございますけれども、もし違えば御答弁いただきたいと思いますが、健康保険も、別に、国民健康保険から協会けんぽに移ったとしても、一定割合の人が病気になられるということを考えると、国全体としての医療費の支出は変わらないという理解でよろしいですか。ちょっと確認です。
○細川国務大臣 医療保険につきましては、給与所得者が国民健康保険から新たに健康保険に加入した場合であっても、それぞれ医療給付の内容というのは同じでございますから、医療の給付費が全体で増加をするということはございません。
○浅尾委員 つまり、今確認をさせていただいたのは、仮に、厚生年金に未加入の法人に勤めておられる方が、本来の法律に定めているところであれば、すべての法人は厚生年金に加入しなければいけない、これは法律で決まっています。決まっていますが、五千三百八十八万四千人という給与所得者に対して、三千四百二十四万八千人しか厚生年金に入っていない。入っていない結果、これはいろいろな前提を置かなければいけないけれども、約六兆円の年金の保険料が徴収できていない。あるいは、健康保険でいえば、五兆六千四百五十六億円の健康保険料が徴収できていないということになるわけであります。
それで、これは歳入庁ができた暁、あるいは共通番号ができた暁には正確な数字が出てくるということでありますが、それがすぐにできないというのは、本来であれば、この予算の中に歳入庁設置のための調査費などを入れていただければよかったんだと思いますが、それは入っていない前提でありますが、今すぐにでもできることがありまして、それは何かというと、国税庁は全国のすべての法人、申告法人が二百七十五万法人ありますけれども、その全国の二百七十五万法人の名前、住所というデータを持っております。実は、今の年金機構にはその名前データのデータがありません。ですから、これは、国税庁が持っている何々会社という名前と住所を今の年金機構に、政府の中ですから、情報を共有すれば、十二兆まですぐに単年度で徴収できないにしても、数兆徴収できればその分の国庫支出金が減るということになりますから、財政が厳しい折においては当然やるべきだと思いますが、その情報の共有をされるおつもりがあるかどうか。
これを、今聞いておられますけれども、できれば、菅総理が決断をすれば、財務省や厚生労働省が反対したとしてもこれはできる話でありますので、情報共有についての考え方を伺いたいと思います。
○野田国務大臣 今の御質問にストレートにお答えをする前に、必ずお答えはいたしますけれども、前提の、今出されている資料、歳入庁を創設したときの増加年金保険料収入額試算、それから歳入庁を創設したときの健康保険料の試算、これは相当いろいろな前提があるはずなんですが、これは簡単に六兆、五兆と出る話ではないと私は思うんです。
というのは、委員の前提というのは、例えば、この二千万人の差というのは、すべての給与所得者に厚生年金への加入義務があるかのように思えますが、そうじゃなくて、今の制度では、短時間勤務、パート労働者などは厚生年金の対象とはなっていないとか、そういうものがありますので、五千三百八十八万人と三千四百二十四万人が、この差がすぐこういう形で出る数字ではないと。同じように、健康保険もそうであって、直ちにそれが、給与所得者と被用者保険がイコールのような議論で進んでいますが、これは違うということであります。
ということを申し上げた上で、データの話でありますが、原則として、他の行政機関に対して国税当局が保有するデータを提供することは、これは守秘義務の関係上問題であるというふうに考えております。
○浅尾委員 まず、今おっしゃったところでいうと、先ほど申し上げましたように、この間、私の事務所も国税庁からの調査をいただきました。その中で、源泉徴収をされている者ということでお答えをさせていただきました。短期間のアルバイト、これは御案内のとおり、要するに、所得がそこまで達しないということで源泉徴収しておりませんので、その五千三百八十八万四千人のうちで、厚生年金の支払い義務があるのは百三十万円ですか、源泉徴収はされているけれどもそこに満たない人というのはそんなに多くないだろうということを申し上げておきたいと思います。それは、何人になるかはわかりません。
加えて、守秘義務があるということを金科玉条のようにおっしゃいますが、同時に、国家公務員は、国家公務員法で、法律に反することが行われている場合には告発の義務を負っているんですよ。ですから、法人というところがあって、そこがもしかして厚生年金に加入していないとなれば、それは法律違反なんですから、その国家公務員法の告発義務違反と守秘義務と、どう整合性をとるのかということを伺いたいと思います。
それから、守秘義務、守秘義務とおっしゃいますが、何々法人の名前と住所を出すことが果たして本当に守秘義務違反に当たるのかということも加えて質問をさせていただきたいと思います。
○野田国務大臣 ちょっと、大事なことを忘れていました。
歳入庁自体は、我々は反対じゃないです。引き続き、税制改正大綱の中で、番号制度などとともに検討するという姿勢であることは御理解ください。
その上で、歳入庁をつくったらこの二つのいわゆる差が縮まるんじゃないかという万能論ではないんですよということを言いたかったんですね。さっき言ったように、歳入庁で照合するだけじゃなくて、いわゆる厚生年金の適用の拡大をしていかなければこの差は埋まっていかないとか、そういう問題があるということを申し上げたかったということでございます。
その上で、守秘義務というのは、法人名を上げるだけで、それで済まないんじゃないかと言いますが、法人名にたどり着くためには、足を運んでいろいろな調査をやっています。そこで、特に法令上決まっていて閲覧をできるというものがあるならば、それは提供しているんですね。そうじゃなくて、特に法律上ないものについては、基本的には守秘義務にかかるという判断をさせていただいています。
○浅尾委員 今のお話ですと、政治の決断ということになってくるのではないかと。私が申し上げているのは、歳入庁はみんなの党としてもつくるべきだという立場でありますが、なかなかこれは、民主党は二年前の衆議院選挙で、歳入庁をつくるということを公約で掲げておりますが、まだ進んでいない。進んでいない中で、法人のデータ、要するに、幾らその法人が利益を上げているとかなんとかということを年金機構に渡せと言っているわけではなくて、どこに法人がありますよと。法律は、法人はすべて厚生年金に加入しなきゃいかぬと書いてあるわけですから、どこどこに法人がある、法人の名前と住所ぐらいは渡せるんじゃないですかと。それも守秘義務に反するという立場で、財務大臣としては渡せないということですか。
○野田国務大臣 いわゆる税務当局の立場から、こういうことができますよ、守秘義務も、こういうのがあるけれどもどうですかという立場じゃありません、これは。逆に言うと、厚労省から、厚生年金未加入事業所の加入促進のために例えばどんな情報が欲しいんだということがある中で、何ができるかということはあるかもしれませんが、こちらからどんどん提供するという性質のものではありません。
○浅尾委員 そうだとすると、細川厚生労働大臣から、本当はこれは菅総理が両省庁の上にいらっしゃるから菅総理の決断で、全国の法人の住所と名前だけ厚労省に渡して、厚労省から年金機構に、そのデータを使って未加入法人のところには足を運んで加入してくださいと言えば済む話ですから、それぐらいやられたらいかがですか。
○細川国務大臣 厚生労働の関係からいえば、それは、的確に厚生年金の方にしっかり入っていただける方を把握できるようにしていただけるのが一番いいだろうというふうに思っております。
今は、雇用保険の適用事業所とかあるいは帝国データバンクとか、そういうようなところの資料をもとに、いろいろ調査をしながら加入を勧めている、こういうところでございます。
○浅尾委員 帝国データバンクは民間ですよね。国税庁の持っているデータの方がちゃんとしたデータだと思います。しかも、私が申し上げているのは住所と法人名だけ。では、細川大臣、野田財務大臣にぜひ下さいとこの場でおっしゃればいいじゃないですか。
○細川国務大臣 私の方は、先ほども申し上げたように、的確に厚生年金に入っていただくという情報はいただきたいというふうに思っておりますので、そのことを申し上げたいというふうに思っています。
○浅尾委員 申し上げたいということは、先ほどの野田財務大臣の御答弁ですと、厚労省からそういう要求があった段階でそれを出せるか出せないか検討をするということでしたから、繰り返しになりますけれども、全国の法人の住所と名前をぜひ下さいという要求をされるのかどうか、その確認だけしたいと思います。
○細川国務大臣 それでは、私の方から、財務大臣の方に検討をしていただくようにお願いをしたいと思います。
○浅尾委員 では、今の議論を踏まえて、菅総理、ぜひ総理大臣としても、財務省にそのデータを厚労省に渡すように指導していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○菅内閣総理大臣 私も歳入庁については浅尾議員と、同じ党におられたときから一緒といいましょうか、前向きに取り組んできた一人であったと自覚をいたしております。それは国税と社会保険だけではなくて、私は、地方税についても場合によっては同じような問題もあり得るのではないかと思っております。
そういう中で、今の両大臣の議論、浅尾議員の提案もあって、実態的な面での一つの前進を図れるかどうかの提案であったと思っております。いろいろな経緯とかがあることは私も承知しておりますが、国民の皆さんにとって透明性の高い形で、合理的な形でそういうことが進むように、私の方からもフォローしてまいりたい、こう思っております。
○浅尾委員 時間が参りましたので終えますけれども、歳入庁ができるまでの間、共有できる情報は、当然のことでありますけれども、政府の各省の中で共有していただきますようにお願いをいたしまして、質問を終わります。
○中井委員長 これにて浅尾君の質疑は終了いたしました。

(中略)

○中井委員長 これにて阿部君の質疑は終了いたしました。
次に、浅尾慶一郎君。
○浅尾委員 最後の質疑者でありますので、ぜひ端的にお答えいただきたいと思います。
まず最初に、先ほど、中井委員長の解任決議、本会議で採決をされました。私どもは賛成をさせていただきましたが否決をされましたけれども、民主党の中で会派離脱を表明された十六名のうち十五名がその決議を欠席されたということが報じられております。
菅総理に、民主党の代表として、これから予算の採決もありますが、そうした重要な決議、委員長の解任動議は重要な決議だと思いますが、そういう決議を欠席される人に対して、どういう対応をされるか伺いたいと思います。
○菅内閣総理大臣 やはり、党の代表という立場で、そうした行動を党所属の議員がとったことは大変遺憾なことだ、こう思っております。
対応については、今初めて具体的なことを、私は、何人が何人というところまでは正確には知りませんでしたので、事実関係をきっちりと把握した中で、やはり幹事長が中心となると思いますが、対応はその上でしっかりと考えたいと思っております。
○浅尾委員 それでは、会計法の少額随意契約、これは集中のところで質疑通告をさせていただいておりますので、その件で少し伺わせていただきたいと思います。
百六十万円以下の契約は随意契約ができるということが法律で決まっています。これは各省ごとに百六十万円ということなんですが、例えば、クラフトテープとかセロテープとかダブルクリップとか、こういうものはまとめ買いをすればかなり安く買えるんじゃないか。
これは、実は民主党の中にもそういうことを主張されておられる方がいて、例えばクラフトテープなんというのは、五十個買うと、民間価格が三百三十円、お役所の価格は四百三十円ということで、二三%の割高というようなことも調べて出てきておりますが、こういうものをまとめ買いして、少し歳出を削減して財源をつくる、そういうことは今度の予算では見られておりませんけれども、今後検討される予定があるかどうか伺いたいと思います。
○野田国務大臣 浅尾委員のお尋ねにお答えをしたいと思いますけれども、少額随契については、委員御指摘のとおり、これは法律上許容されています。
その中で今、まとめ買いの話を含めての検討するかどうかということでございますが、随契のあり方については、随時これは各省で見直し計画を策定して、その実現に鋭意取り組んでまいりました。また現在は、行政刷新会議のもとで調達改革について議論がなされております。
こうした議論を踏まえながら、私ども財務省としても、予算の適正かつ効率的な執行のため、関係府省と連携をして、随契全般、今御指摘のことも含めて見直しをさせていただきたいというふうに思います。
○浅尾委員 ちなみに、金曜日の段階で、各省ごとの少額随意契約の契約額をお出しくださいという通告をさせていただいておりますが、その数字はございますか。
○野田国務大臣 少額随契も公共調達の適正化の対象ではございますけれども、契約金額が少額であるという客観的な基準によりその対象が決まりますため、随契の見直しによる件数、金額の縮減の対象とする必要がないこと、そもそも事務の簡素化の観点から設けられたものであること等から、財務大臣への報告の対象から除外をされています。
したがいまして、財務省として、政府全体の少額随契、各省別の規模ということを把握はしていません。
○浅尾委員 少額といっても、月百六十万円というのは、一般でいうと余り少額じゃないと思うんですね。しかも、これは各省を足していくと結構な金額になる。
先ほども申し上げましたように、例えばクラフトテープなんというのは二三%割高とか、いろいろなものが民間のまとめ買いと比べてかなり割高になっているということですから、別に法律上の報告義務がないということは承知しておりますが、各省にはその数字があるので、それを財務省でまとめられたらいかがかと思いますが、いかがですか。
○野田国務大臣 今までは把握しておりませんが、可能ならばそういうことも、実行できるならば実行すべく善処していきたいというふうに思います。
○浅尾委員 もう一点。総理がよく、企業の内部留保が二百兆円ぐらいあって、それを使えばいいという発言を景気対策の中でされております。
私は企業の内部留保をどう企業が使うかは民間が判断すればいいと思いますが、しかしながら、今お手元に資料を配付させていただいておりますが、政府が株を持っている会社が四社ございます。有名なところはNTTとJTということでありますけれども。
例えばNTTは、平成二十一年度でいいますと、投資をした後、利益と減価償却を戻して、それから投資をした金額を除いた金額で五千八十九億円の現金を持っている。しかしながら、配当は千五百八十八億円しかしていません。国はNTTの株の三分の一を持っている最大の大株主でありますから、配当をふやせということは、他の民間企業には言えないわけですけれども、NTTに対しては十分言えるわけです。
それから、JTに対しても同じことでありまして、JTに至っては、二千五百七億円の現金を、これは投資をした後のお金を持っているわけですけれども、配当は五百五十五億円しかしていない。
つまり、使っていないお金が相当あるわけですから、総理がおっしゃる内部留保を動かすというのは、まさに国が株主として権限を使っていくという形でしか、法改正をして民間の経済活動に介入すべきじゃないと思いますから、もしそういうふうに言われるのであれば、株主権を行使されたらいいかと思いますが、その点について、行使をされればこのお金が配当として国庫に入ってくる。ですから、財政が厳しい中で、そういう意味でも、使っていないお金ですから、国に寄与するんじゃないかと思いますが、内部留保を動かすということを主張されておられる総理ですから、総理の御所見を伺いたいと思います。
○中井委員長 菅直人内閣総理大臣。最後ですから、どうぞ。
○菅内閣総理大臣 ちょっと私は、浅尾さんの議論、何か二つのことがやや一緒になっているような感じがいたします。
一般的に、よく法人税についていろいろな党の方が言われましたが、私は、海外に工場が出てしまうことを考えますと、国内で工場をつくっていただく、そのことは雇用にとっても、あるいは国内投資という形での景気対策としても有効だと思いますし、経済界の方も、十年後には約百兆円の設備投資を目指すということを言っていただいております。
今御指摘のNTT、JTの株を、逆に配当をふやすことで、株を持っている立場だからその配当を国庫に入れることができるので、配当をふやしたらどうかと言われるのは、そのこと自体は国庫収入をふやすという意味では一つの考え方かもしれませんが、企業のあり方として、何が適切で、どこまで株主という立場で言えるのかという観点がもう一つあるのではないかと思います。
二十一年度の配当性向では、NTTが三二・三%、JTが四〇・一%で、上場企業上位三十社の平均が三五・一%であることと比較すると、配当性向そのものは遜色のない水準となっていると理解しております。
いずれにしても、今後とも、企業の一般の配当の動向を考慮しつつ、NTT、JTの設備投資等の必要性や財務状況を勘案して、適切な配当を求めてまいりたい、こう考えております。
○浅尾委員 一つだけ申し上げておきますと、企業が内部留保をふやしているというのは、設備投資もしないし配当もしないということなので、お金を持っているんだったら、設備投資をしないんだったら配当をふやしたらどうかと。それは、配当性向が他の企業と一緒だからいいというのは理屈にならないということだけ申し上げて、質問を終えたいと思います。
○中井委員長 これにて浅尾君の質疑は終了いたしました。
これをもちまして締めくくり質疑は終了いたしました。
以上をもちまして平成二十三年度予算三案に対する質疑はすべて終局いたしました。

(中略)

○中井委員長 次に、浅尾慶一郎君。
―――――――――――――
平成二十三年度一般会計予算、平成二十三年度特別会計予算及び平成二十三年度政府関係機関予算につき撤回のうえ編成替えを求めるの動議
〔本号末尾に掲載〕
―――――――――――――
○浅尾委員 私は、みんなの党を代表して、ただいま議題となりました政府提案の平成二十三年度予算三案につき撤回のうえ編成替えを求めるの動議に関して、その趣旨を説明いたします。
平成二十三年度予算は、民主党政権となって二度目の予算であり、民主党が最初から編成を手がけた初めての予算であります。しかし、その中身を見ると、二〇〇九年のマニフェストで約束した国の総予算二百七兆円の組み替えによる財源捻出も果たせず、税金の無駄遣いの解消も、事業仕分けのパフォーマンスを演じた以外は、具体的な道筋すら見出せておりません。そのような状況で、子ども手当、高速道路無料化、農家の戸別所得補償、高校無償化といった理念なき全国一律金太郎あめ的なばらまき政策だけが進められ、その上、社会保障と税の一体改革と称して、消費税増税路線に突き進もうとさえしております。
増税の前に、まず、やるべきことがあります。
世界一の少子高齢化社会の日本で、我々みんなの党も、将来的な増税を一切認めないという立場をとっているわけではありません。しかし、その前に、首相を初めとした政治家が先頭に立って、議員や公務員の削減・給与カット、天下りの禁止や徴収漏れの税・保険料の徴収、予算のゼロベースでの見直しや議員特権の廃止に取り組むべきであります。スリムで公平な政府の実現こそが、真に国民が求める声にこたえる道であります。
平成二十三年度予算からは、日本経済を再び力強い成長に導く道筋も見えてまいりません。民主党政権の成長戦略は、マクロ環境改善のための仕掛けも示さないまま需要創造の数値を掲げた空疎なもので、成長にはつながりません。日本経済を成長軌道に乗せる第一歩は、まず良好なマクロ経済環境の確保であり、そのためには、いち早いデフレからの脱却が不可欠であります。それなのに、民主党が行ったのは、ばらまきという一過性のカンフル剤にすぎません。
経済の成長は、企業人や地域の現場の人々のチャレンジ精神と活力によってこそもたらされるものであります。官僚統制経済と中央集権体制からの脱却、すなわち脱官僚と地域主権こそが経済成長の根幹であり、そのためには、権限、財源、人間という三ゲンを徹底的に地方に移譲することが必要不可欠であります。
以上の見地から、みんなの党は、平成二十三年度予算を撤回し、スリムで経済を成長軌道に導くことが可能な予算に組み替えることを求めるものであります。
次に、組み替えの概要について申し上げます。
まず、ばらまきや無駄な経費の削減であります。
子ども手当、高速道路の無料化、高校無償化の廃止等により二兆九千億円を削減します。さらに、人件費、補助費、委託費、庁費等の見直しにより六兆円を削減します。経済危機対応・地域活性化予備費も削減いたします。
次に、埋蔵金の発掘であります。
国債の定率繰り入れの停止により九兆八千億円、労働保険特別会計の積立金取り崩しにより五兆円、政府保有株の売却により三兆五千億円を捻出いたします。
また、国税庁の持つデータを歳入庁が創設されるまでの間、厚生労働省に渡すことで、社会保険料収入を三兆円ふやします。
次に、地域主権であります。
国の消費税収十兆二千億円の全額を地方に移譲し、地方の基幹・安定財源といたします。その分の地方交付税は、子ども手当、高校無償化に相当する額を除き減額し、また、地方交付税や義務教育国庫負担に反映される地方公務員の人件費なども二割削減します。
さらに、我が国の経済成長につながる施策を盛り込みます。
法人税の実効税率を半分引き下げます。また、経済成長につながる科学技術予算を三割増といたします。さらに、平成の農地改革を推進することとし、農家の戸別所得補償制度を廃止する一方で、開国予算として当座一兆円を計上いたします。
以上が、みんなの党の組み替え案の概要であります。
何とぞ我々の動議に委員各位の御賛同を賜りますようお願い申し上げ、趣旨弁明といたします。
○中井委員長 これにて各動議の趣旨弁明は終了いたしました。

(中略)

○中井委員長 次に、浅尾慶一郎君。
○浅尾委員 私は、みんなの党を代表して、みんなの党提出の編成替え動議に賛成し、政府提出の平成二十三年度予算三案に対し、反対の討論を行います。
平成二十三年度予算の中身を見ると、二〇〇九年の民主党マニフェストで約束した二百兆円を超える国の総予算の組み替えによる財源捻出も果たせず、税金の無駄遣いの解消も、事業仕分けのパフォーマンスを演じた以外は、具体的な道筋すら見出せておりません。そのような状況で、子ども手当、高速道路無料化、農家の戸別所得補償、高校無償化といった理念なきばらまき政策だけが進められ、その上、社会保障と税の一体改革と称して、消費税増税路線に突き進もうとさえしております。
増税の前に、まず、やるべきことがあります。
世界一の少子高齢化社会の日本で、我々みんなの党も、将来的な増税を一切認めないという立場をとっているわけではありません。しかし、その前に、首相を初めとした政治家が先頭に立って、議員や公務員の削減・給与カット、天下りの禁止や徴収漏れの税・保険料の徴収、予算のゼロベースでの見直しや議員特権の廃止に取り組むべきだと考えております。スリムで公平な政府の実現こそが、真に国民が求める声にこたえる道であります。
平成二十三年度予算からは、また日本経済を再び力強い成長に導く道筋も見えてまいりません。民主党政権の成長戦略は、マクロ経済環境の改善のための仕掛けも示さないまま需要創造の数値を掲げた空疎なもので、成長にはつながりません。日本経済を成長軌道に乗せる第一歩は、まず良好なマクロ経済環境の確保であり、そのためには、いち早いデフレからの脱却が不可欠であります。それなのに、民主党が行ったのは、ばらまきという一過性のカンフル剤にすぎません。
経済の成長は、企業人や地域の現場の人々のチャレンジ精神と活力によってこそもたらされるものであります。官僚統制経済と中央集権体制からの脱却、すなわち脱官僚と地域主権こそが経済成長の根幹であり、そのためには、権限、財源、人間という三ゲンを徹底的に地方に移譲することが必要不可欠であります。
以上の見地から、みんなの党は、平成二十三年度予算を撤回し、スリムで経済を成長軌道に導くことが可能な予算組み替え動議を提出させていただきました。
このことを申し上げて、私の政府提出予算案に対する反対討論を終わります。(拍手)
○中井委員長 これにて討論は終局いたしました。
―――――――――――――
○中井委員長 これより採決に入ります。
まず、武部勤君外二名提出の平成二十三年度予算三案につき撤回のうえ編成替えを求めるの動議について採決をいたします。
本動議に賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕
○中井委員長 起立少数。よって、武部勤君外二名提出の動議は否決されました。
次に、笠井亮君提出の平成二十三年度予算三案につき撤回のうえ編成替えを求めるの動議について採決いたします。
本動議に賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕
○中井委員長 起立少数。よって、笠井亮君提出の動議は否決されました。
次に、浅尾慶一郎君提出の平成二十三年度予算三案につき撤回のうえ編成替えを求めるの動議について採決いたします。
本動議に賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕
○中井委員長 起立少数。よって、浅尾慶一郎君提出の動議は否決されました。
次に、平成二十三年度一般会計予算、平成二十三年度特別会計予算、平成二十三年度政府関係機関予算、以上三案を一括して採決をいたします。
三案に賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕
○中井委員長 起立多数。よって、平成二十三年度予算三案は、いずれも原案のとおり可決すべきものと決しました。
お諮りいたします。
ただいま議決いたしました平成二十三年度予算三案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○中井委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
―――――――――――――
〔報告書は附録に掲載〕
―――――――――――――
○中井委員長 この際、一言申し上げます。
去る一月二十八日の審査開始以来、委員各位には、終始真剣な議論を重ねていただき、本日ここに審査を終了いたしました。
これもひとえに各党の理事並びに委員各位の委員会運営や質疑に対する並々ならぬ御理解と御協力のおかげと、ここに深く感謝の意を表し、心から御礼申し上げます。(拍手)
本日は、これにて散会いたします。
午後十一時七分散会

 

 

衆議院 予算委員会 8号 平成23年2月8日

2011年02月08日 (火)

177-衆-予算委員会-8号 平成23年02月08日


○浅尾委員 みんなの党の浅尾慶一郎です。
質問に入る前に、総理、一言ちょっと伺いたいんですが、あす、この熟議の国会の中で初めての党首討論ということでありまして、この党首討論は、衆議院あるいは参議院いずれかの院で十名以上の国会議員を擁する会派の代表が党首討論に臨むというふうになっております。
当然、熟議ということでありますから、総理としては、その要件を満たす会派については、ぜひ討論に臨みたいというふうに思っておられると思いますが、みんなの党、衆議院ではまだ五人と少ないんですが、参議院は十一人おります。残念ながら、あすの党首討論、NHKが入りますけれども、何かそれに参加するようになっていないようでありますが、総理としては論戦に臨みたいという理解でよろしいですか。
○菅内閣総理大臣 クエスチョンタイム、いわゆる党首討論は、私の方からもぜひやるべきだということで申し上げてきました。
国会の一定のルールは必要かと思いますが、一般的に言えば、私は、ぜひ、どちらからも質問ができるクエスチョンタイムを行うことは、基本的には必要だし、望ましいと思っています。
○浅尾委員 ありがとうございます。
それでは、きょうの税、社会保障、マニフェストについて、質問に移らせていただきたいと思います。
実は私も、この三つのマニフェスト、四年前の参議院選挙のマニフェスト、おととしの衆議院選挙のマニフェスト、そして去年の参議院選挙のマニフェスト、四年前のマニフェストは、よくそれを使って選挙運動をさせていただきました。おととし、去年、マニフェストを読ませていただきましたけれども、非常にいいことも書いてあるんですね。例えば、この抜粋は中身的には変わっていません、四年前、おととし、去年と。
年金の一元化。これは、恐らく国民からすると、公平な年金をつくるという意味でいいことが書いてある。特に、すべての人が所得が同じなら同じ保険料を負担し、納めた保険料をもとに受給額を計算する所得比例年金、こういうのはいいな、特に同じ保険料を負担するというのはいいと思っていると思いますが、どうもこの間の予算委員会の答弁を聞いていますと、総理は年金の一元化は難しいと言われたようですけれども、少なくとも三回選挙でそのことを国民に訴えたということについてどういうふうに思っておられるか、まず総理に伺いたいと思うんです。
○菅内閣総理大臣 これは他の議員の人にもお答えしましたが、一元化を実現するには越えなければいけない難しい問題があるという趣旨のことは申し上げました。
ただ、御承知のように、一元化案にも、被用者保険内における一元化と、それから自営業者あるいは無業者の皆さんも含めた全部の一元化とありまして、そういう点で、特に自営業者を含むところについて、その負担のあり方などについて、そういった議論が必要になるということは私も理解をいたしております。
○浅尾委員 実は、一元化そのものはそんなに難しくないんです。二つのことをやれば一元化はできます。
一つは、いわゆる共通番号制度をつくる、所得を把握する。そしてもう一つは、後ほど議論させていただきますけれども、内国歳入庁というようなことで、旧社会保険庁と国税庁の機能を一緒にすればできるわけでありますが、そのことについて順次質問をさせていただきたいと思います。
まず、所得が同じなら同じ保険料をと言っておられます。現在そうなっているかどうか、もう一つのパネルを、今同じように被用者保険というところで見ると、配付させていただいている資料に書いてあると思いますが、これは、現在の厚生年金の保険料率一六・〇五八%。国家公務員共済あるいは地方公務員共済の保険料率一五・五〇八%。〇・五%公務員の皆さんの方が保険料率が違う。同じ三十万円の月給であっても、引かれる金額は、当然のことながら公務員の皆さんの方が少ない。それだけなら、まあそんなものかなというふうに思われますけれども、これも同じ保険料率にするというのが、多分、年金一元化のメリットの一つでしょう。
そして、もう一つ注目していただきたいのは、では、もらえる額はどうなのかなと思って、単純に払われている額を割ってみました。厚生年金は総額で十九兆九千三百三十五億円と大きなお金ですけれども、受給者が多いから月平均にすると七万六千二百九十七円、国家公務員共済は月平均にすると十四万一千四百三十四円、地方公務員共済は何と十六万五千百二十七円。これは基礎年金を除いた額ですよ。
払っている保険料率が低くて、もらえる金額がこんなに違う。こういうのを是正するというのが年金一元化の趣旨だったんじゃないですか。どうですか、総理。
○菅内閣総理大臣 これは両方とも被用者年金の中で、先ほど申し上げたように、この中での一元化と、さらに自営業者を含めた一元化がありますけれども、少なくとも、この被用者保険の中でもいわゆる官民格差というものが従来から指摘されておりまして、被用者保険の中でも一元化によってそれを公平にしていく。自営業者は、先ほども申し上げたように、若干また別の要素がありますけれども、基本的には、公平で透明性の高いものにしていくことが望ましい、こう思っています。
○浅尾委員 選挙で、政権をとるまで三回少なくとも一元化を掲げた。国民年金については後ほど議論させていただきますが、被用者年金だけとってもこれだけ不公平がある。その不公平を是正するために、政権をとって一年半の間に、具体的にどういうことをされたんですか。
○菅内閣総理大臣 この間、先ほど少し議論がありましたが、鳩山政権のもとでも、一つの勉強会といいましょうか、そういうことをやろうということがありましたし、今日においては、現在、社会保障制度のあり方を、四月までにその姿を示すということで、与謝野担当大臣のもとで精力的に、多くのいろいろな団体の提案も受けとめながら検討していきたい、こういう状況にあります。
○浅尾委員 少なくとも、ここの一元化については意思さえあればできるんです。その意思を示していない。いろいろなことを話したといっても、マニフェストで、少なくとも三回の国政選挙で一元化すると言っている。国民年金については後ほど議論しますが、被用者年金については意思さえ示せばそれができるということをまず指摘させていただきたいと思います。
もう一度マニフェストの方に戻させていただきたいと思いますが、この年金についてもう一つ私が伺いたいのは、歳入庁を創設する、これは民主党のマニフェストに書いてあります、歳入庁を創設するとどういうメリットがあるか。
私は、これは歳入庁をつくった方がいいという立場で申し上げますが、まず、細川厚生労働大臣に今の制度を伺わせていただきますが、私の理解では、法人は、法人と名のつくものは、すべて厚生年金の保険料を納める義務がある、こういう理解でよろしいですね。
○細川国務大臣 はい、そのとおりです。
○浅尾委員 法人は保険料を納める義務があります。ところが、実は、厚生労働省が所管している昔の社会保険庁は、全国の法人数のデータを持っていません。国税庁は持っていますね。全国に三百万法人があって、申告しているのが大体約二百七十五万という数字ですけれども、そういう数字で間違いありませんか。
○野田国務大臣 税務署に提出された設立届等に基づいて国税庁が把握している法人数は、人格のない社団等を除いた法人数として、平成二十年度において二百九十九万社、そして、それに係る申告法人数は二百七十二万社でございます。
○浅尾委員 実は、厚生労働省に数字を聞いたら、法人数は持っていないと。持っているのは、法人というのは、本支店、支店がありますけれども、そういうのも合算した事業所の数はある、この事業所の数で厚生労働省が把握している数字は百七十五万と。つまり、大きな会社だといろいろな事業所があるけれども、そういうのも全部足して百七十五万という数字で間違いありませんか。
○細川国務大臣 法人につきましても、厚生年金については各事業所単位で適用する、こういうことになっておりまして、今言われました事業所数は百七十五万事業所でございます。
○浅尾委員 テレビをごらんになっておられる方は言葉だけですとちょっとわかりづらいかもしれませんが、大きな会社を想像していただきますと、少なくとも、工場とかがあって、十ぐらい事業所がある、そういうものも平均して百七十五万ということは、厚生労働省が把握している法人の数は、恐らく、国税庁が申告法人として把握している二百七十三万に対して半分ぐらいなんじゃないかというふうに思うわけであります。
先ほど厚生労働大臣お答えいただいたように、すべての法人は年金を払う義務があるわけですね、厚生年金を。しかし、そもそもその数を持っていないということが大きな問題で、だとしたら、数を持っている国税庁、税務署と昔の社会保険庁を一緒にしたらいいんじゃないか、それは歳入庁をつくる大きなメリットなんじゃないかというふうに思いますが、菅総理、そのメリットはそういうふうに理解されますか。
○菅内閣総理大臣 現在は、民主党の基本的考え方の一つが歳入庁創設にあることは、浅尾議員もよく御承知だと思っております。私はかなり古くからこの問題に関心を持っておりまして、やはり税の徴収も社会保険の徴収も、基本はほとんど、所得をベースにして、いろいろな条件を含めて算出するわけです。コンピューターでいえば、若干の数式が違うけれども、インプットすべきデータは所得とか家族構成とかですから、わざわざ分けていることは、逆に言えば、行政改革という観点からも私は決して効率的ではないし、また、現実の問題はもっと難しい問題があるかもしれません。
つまりは、かつての社会保険庁という役所の効率性というか、いろいろな問題がこの間明らかになっておりますので、逆に言えば、それをより規律ある組織にできるかどうかということがありますけれども、国税庁は相当頑張ってこの間やってきているという認識がありますので、そういうことをトータルして、そういう一つの改革はとるべき方向だ、こう認識しております。
○浅尾委員 改革はとるべき方向だと認識されていますという御答弁でした。
一方で、先ほど来申し上げていますように、政権をとられたのは一年半前です。では、この間で、歳入庁をつくるために何がネックになって、選挙で約束したわけですから、選挙の約束を守る、別にマニフェスト違反をするわけじゃないので、むしろマニフェストを守るということですから、何が障害になって全く歳入庁が進んでいないんですか。
○野田国務大臣 何が障害というよりも、一つの観点は、年金制度改革をどうするかという観点、それともう一つ、委員も御指摘がありましたけれども、番号制度です。この二つの観点とあわせながら今歳入庁の検討をするという段取りになっていまして、平成二十二年度の税制改正大綱にも平成二十三年度の税制改正大綱にもその趣旨の明文がございます。
○浅尾委員 今の答弁ですと、番号制が導入されないと旧社会保険庁と国税庁の統合はできないということなんですが、私は、番号制と今の例えば事業所の数を把握するというのはまた別の話であって、これは全部被用者の中での話ですから、答弁になっていないんじゃないか。
その被用者の中での話で何か問題があるのかどうか、再度、もしあるのならお答えください。
○野田国務大臣 御質問が最初は何がネックになっているかという御趣旨だったので、特に何かがネックではなくて、どういうものを一緒に検討しながらやっているかということの御説明をさせていただいたということでございます。
○浅尾委員 それでは、番号制について伺わせていただきたいと思いますが、これは、政権をとられてから具体的にどれぐらいの頻度で進めておられて、そして、どういうことになっているのか。
この共通番号制というのもマニフェストの中にしっかりとうたっておられるわけですね、それを導入するということを。うたっておられるわけですから、では、税と社会保障共通の番号制度を導入する、何か菅総理になられて急に出てきたような話ですけれども、そもそも一年半前から言っておられることについて、一年半前からどういう頻度で議論をされていて、議論をするまでもなく、それはマニフェストで言っておられるんだから実現すればいいんですけれども、なぜ実現していないんですか。
○野田国務大臣 頻度、ちょっと回数までは把握していないんですけれども、検討は、菅総理になってからというよりも、昨年の二月以降、府省横断的な検討が進められておりまして、ことしに入って、去る一月三十一日に、番号制度についての基本方針を策定いたしました。
これからの工程でありますけれども、この基本方針に基づきまして、本年六月に、社会保障・税番号大綱、これは仮称ですが、大綱を公表した上で、秋以降に、可能な限り早期に関連法案を国会に提出したいという思いのもとで準備を進めているということでございます。
○浅尾委員 マニフェストで言われたわけですから、検討する要素というのは、だって、書いてあるのは、導入すると書いてあるわけですよね。その何を検討されるんですかね。
○野田国務大臣 中身は、例えば社会保障と税と、最終的にはこれは固まってきましたけれども、その過程においては、どういう位置づけにするかとか、あるいは、そのやり方を含めて、パブリックコメントとかを含めて、いろいろと段取りを追ってきたということが実態でございます。
番号制度でございますから、広く国民の御理解をいただかなければなりません。特に、いつも問題になるのがプライバシーへの配慮、個人情報をどう保護するか、そういう観点なども含めて、急がなければなりませんけれども、慎重な検討もあわせて必要だということでございます。
○浅尾委員 今の大臣の答弁ですけれども、税と社会保障というふうにおっしゃいましたが、マニフェストには「税と社会保障制度共通の番号制度を導入する。」というふうに書かれているわけですから、少なくともそのことについて検討するというのは論理矛盾になると思いますが、いかがですか。
○野田国務大臣 マニフェストではそうでありますが、プラスアルファでほかのサービスもつけ加えるかとか含めて、いろいろと選択肢があったという中での整理をしたということです。
○浅尾委員 問題は、私はスピード感だと思うんですよ。
政権をとられて、年金の一元化ということは、少なくとも三回それを訴えられた。しかし、全然進んでいない。ましてや、この間の菅総理の答弁では、一元化が難しいという話でした。
ただし、この番号制度を導入し、先ほど話が出ましたように、かなりの法人の事業所でも実質は厚生年金に加入しないで国民年金という方がいられるわけでありまして、そういう方々に入っていただければ、一元化はそんなに、特に最低保障年金の部分に税を投入するのであれば難しくないというふうに思いますが、そういう前提を置いてもまだ難しいというふうに菅総理は思われるかどうか、伺いたいと思います。
○菅内閣総理大臣 ほかの議員の方にもお答えしましたけれども、何か私が難しいというのをできないという趣旨で言ったというふうにもし受けとめられているとしたら、それは私の真意ではありません。つまりは、一元化するときに、特に自営業者まで含めたときの負担をどうするかといった大変難しい問題がそこに存在しているという趣旨で申し上げました。
それから、その上で、この番号の問題は、党としての方向性と同時に、どの範囲まで、どういう形で進めるかというのは、先ほど財務大臣からもありましたように、プライバシーの問題とかいろいろな観点があります。そういった点で、これもできるだけ、超党派の議論といいましょうか、幅広い議論が必要だと思っておりまして、たしか、せんだって前の三重県知事の北川さんが代表になった会に私も出ましたけれども、かなり幅広い合意ができつつあるのではないか、そのように考えておりまして、それを具体化していきたい、こう考えております。
○中井委員長 これにて浅尾君の質疑は終了いたしました。
次回は、明九日午前十時から委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
午後三時二分散会

 

 

衆議院 予算委員会 9号 平成22年11月15日

2010年11月15日 (月)

176-衆-予算委員会-9号 平成22年11月15日

○浅尾委員 補正予算の審議も最後の方になってまいりましたので、お疲れでしょうけれども、ぜひおつき合いいただきたいと思います。
まず、財政について考えますと、日本の財政は大変厳しい状況になっているということは、だれが考えても明らかだと思います。同時に、日本の景気を回復していかなければいけないということで、大変、ブレーキとアクセルを同時に踏まなければいけないということ、そういう状況なんだろうなというふうに思います。
ブレーキといった場合には歳出削減ということがまずは浮かぶわけでありますけれども、私は、歳出削減で多少あるいは大きく抵抗があったとしても、いずれメスを入れなければいけないのはやはり人件費だろうというふうに思っておりまして、お手元に、内閣府が作成をいたしました統計、過去十年間の統計を配付させていただきました。(資料はこちら
これを見て、私自身びっくりをいたしましたが、全体の平均は、平成十一年から平成二十年で約三十万円ほど、二十数万円ですか、減額をしているという中で、確かにでこぼこはありますけれども、明らかにふえているのは公務。公務員の皆さんが、平均九百二十万から一千一万になっている。全体平均の常に倍でありますけれども、その中でもふえている。
こういうところにやはり今の人事院勧告制度の限界もあるんじゃないかというふうに思うわけでありますが、率直に、総理大臣、この数字をごらんになって、感想を伺いたいと思います。
○海江田国務大臣 SNA統計は内閣府のマクロの統計でございますので、この統計の見方、実は委員には内閣委員会でもお答えをしたところでございますが、改めて、ごく簡単にお話を申し上げます。
この計算は、雇用者における属性の相違と申しますが、それこそ、職種でありますとか、役職でありますとか、学歴でありますとか、あるいは勤続年数でありますとか、そういうものが考慮されておりません。ですから、やはり公務員の場合はどうしても勤続年数が長くなる、あるいは学歴も高くなるなどの影響が大変大きく出ているデータだろうということだけはお断り申し上げておきます。
○浅尾委員 私は、今の御説明よりも、総理の率直な感想を伺いたかったわけであります。
きょう流れていたニュースで、我が国と同じようにと言うと語弊があるかもしれません、既に財政状況は一緒だと言われているJALが、希望退職では追いつかず、整理解雇に踏み切らざるを得なくなった。
将来、例えば消費税の増税という議論が出るときに、公務員、我々も含めて、平均の倍もらっている中で増税をお願いすることができるのか、そのことも含めて総理大臣の感想を伺いたいと思います。
○菅内閣総理大臣 私は、ギリシャの財政危機のころ、ちょうど財務大臣をやっておりまして、その中で、ギリシャでも、これは公務員の比率も非常に高い、あるいは待遇も他に比べて非常にいい、そういうことも指摘がされておりました。
今、海江田大臣の方から、属性というものが、学歴等がこの中では区別がわかりませんので、単純にどこまでいわゆる格差があるという言い方ができるのかわかりませんけれども、しかし、いずれにしても、公務員の全体の人件費というものを今二割削減ということを掲げているわけでありますけれども、それは、効率のいい人事配置と、一人一人の民間と比べての公平性というものはしっかりと実現していかないと、まさに民間の方が中心に税金を払っておられるわけですから、納税者の理解は得られにくいということはおっしゃるとおりだと思います。
○浅尾委員 いろいろおっしゃいますけれども、これは、一千万という数字の後ろには、百九十万人の人数に対して一千万ということですから、これで全体で十九兆というお金になります。いろいろな属性とかなんとか言われても、十九兆というのは非常に大きなお金だということを申し上げたいと思います。
もう一つ大事なことは、この十年間で、平均は下がっている中で、ふえていることについてどう思われますか。属性は関係ないと思います。その点についてどう思われますか。
○菅内閣総理大臣 御指摘のとおり、その傾向を見ると、本来は他の部分も上がってもらいたいわけでありますが、特に、これを見ていますと、サービス業が非常に低い水準であるというのは、これはこれでいろいろ考えなきゃいけないところもありますけれども、そういう中で、公務というところが上がっているというのは、国民的には、納税者という立場からするとなかなか理解されにくい状況にあるということはそのとおりだと思います。
○浅尾委員 菅総理は、たしか民主党代表選挙のときに、今回、一・五%の削減を超えて深掘りをするということを公約になさいました。残念ながら、今回できていないわけでありますけれども、そのことについての思いを伺いたいと思います。
○片山国務大臣 内閣委員会でもお答えを申し上げたと思いますけれども、今回は人勧の処理ということで給与法の改正を出しておりますけれども、十一月一日に閣議決定をいたしまして、今回の人勧の処理と、そして次の通常国会に必要な人件費削減のための成案を得て、順次法律を出していくということをあえて決めておりますので、そのことをセットで、少し次の通常国会までも含んだ目で見ていただければと思います。
○浅尾委員 私が質問したのは、公約で出された、それが実現できなかったことについての御本人の言葉に対する責任を伺っているのであって、片山大臣のお言葉じゃなくて、菅総理の言葉に対する責任をどう思われるかという質問であります。
○菅内閣総理大臣 私、代表選挙で、人事院勧告を超える削減を目指すとたしか申し上げたと記憶をいたしております。
確かに、今回そのままそういうことができなかったという御指摘は、理由はともかく、そのとおりでありますけれども、しかし、その方向性をあきらめたわけではなくて、今、片山大臣からも御説明いただきましたように、即、この人事院制度という非常に歴史もある、ある意味では重要な政策の変更を一遍にできない、できにくい中で、来年度からは個別に給料の削減を可能とする給与法改正案などを提出するということで、その公約に掲げた方向性はぜひ進めていきたい、こう考えております。
○浅尾委員 次の質問に移りたいと思いますが、景気をよくするためには国内で動くお金の量をふやしていくのが一番いいというのは、だれが考えても明らかなわけであります。そのときに、国がお金を配ると、配ったお金の分しか基本的には動かない。一方で、減税をした場合には、減税額全体が動くというよりかは、当然、何か使ったことに対して減税になるわけですから、動くお金の量はそちらの方が大きい。
一つの例として、エコカーと補助金なんかは、エコカーに対する補助金の方が、当然のことですけれども、買われた車の金額よりも少ないわけでありまして、売り買いされた車の金額の方が補助金よりもはるかに大きかったから効果があったということだと思います。
そういうふうに考えると、今回の補正予算も、本来は、その財源があるのであれば、償却期間というものを税法上設定されておりますけれども、これを自由に設定するようにして、例えば、元気のいいうどん屋さんか何かが今期三千万円ぐらい利益が出ている、三千万円今期で償却できるとなればその分投資をするけれども、しかし、十五年かけて償却しなきゃならないと、十五年先に、はやっている店のスタイルなんかわからないということになると思いますので、そういう意味で、我々は、償却期間を自由に設定できる投資減税、自由償却つきの投資減税というものを提唱させていただいておりますけれども、このことについて、できれば菅総理にお答えいただきたいんですが、野田財務大臣がうなずいていただいておりますので、ぜひお答えいただきたいと思います。
○野田国務大臣 うなずいたのは、了解してうなずいたんじゃありません。そこは誤解のないようお願いしたいと思います。
法人税というのは、やはり公正な企業会計の処理のルールに基づいてはじかれた所得に課せられる税金であります。減価償却もやはり一定のルールに基づいて対応すべきであり、現実、例えば建物だったら定額法であるとか、設備だったら定額法、定率法、いろいろやり方があると思いますけれども、そういうルールに基づいて行うということがやはり筋であって、委員の御提言の自由償却となると、企業が恣意的に利益の調整ができるということになると、公正な課税ということを担保することができないというふうに思います。
一定の政策目的のために減税をしようとするならば、中小企業の投資の促進税制であるとか、あるいは環境のために投資を促進するとか技術開発するとか、そういうときには特別償却というやり方があると思います。自由償却というやり方は、私は主要国でもとっていないと思いますし、我が国で導入することも困難だというふうに考えています。
○中井委員長 質疑の途中ですが、しばらくお待ちください。
速記をとめてください。
〔速記中止〕
○中井委員長 速記を起こしてください。
ただいま内閣官房長官と国土交通大臣に対する不信任決議案がそれぞれ提出されました。
したがいまして、委員会は、途中でありますが、ここで打ち切り、次回は、明十六日午前零時十分理事会、午前零時二十分から委員会を開会することとし、暫時休憩いたします。
午後七時一分休憩
――――◇―――――
午後十一時七分開議
○中井委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
質疑を続行いたします。
浅尾君の残余の質疑を行います。浅尾慶一郎君。
○浅尾委員 大変遅くなりまして、お疲れのところで恐縮でございます。
最後、ほぼ一問だと思いますが、先ほど野田財務大臣、各国とも償却を自由に設定しないというふうに言っておられましたけれども、私の趣旨は、これだけ大変厳しい日本の中において投資を喚起するためには、償却期間を税法上自由に設定する、財務会計上は従来どおりでやっていけばいいということでありまして、役所の人に知恵を求めれば、他国はやっていないということになるんだろうと思いますけれども、ぜひそこは引き続き、ちなみにオバマ大統領は、償却期間を自由に設定するような、そんなことを考えておられるということでありますので、そのことをぜひ御検討いただければと思います。
そして、最後の質問になろうかと思いますが、この委員会で海上保安庁の職員のビデオの投稿がさんざんと話題になりました。たまたま思い起こしてみましたら、ただいま配付をさせていただいております資料がございますが、二〇〇三年ですから七年前になりますが、私が質問通告をいたしました。きょうの公務員の人件費のようなことを質問通告を金曜日の夕方にいたしましたら、その日の十一時ぐらいに、職員組合の組合員だということを名乗る人物から、そのようなことを質問すると対応しなければいけないと。
これは質問する前ですから、既知、公知の事実ではなくて、その質問に基づいていわば圧力をかける行為があったということでありまして、最後の質問としては、この委員会、大変時間がとられましたので、菅総理大臣に対して、公務員が職務上知り得たことについて圧力をかけるという行為と職務上知っていることを世間一般に流すのと、どちらが悪質だというふうに思われるかということについての感想を菅総理に伺わせていただきたいと思います。
ちなみにこの人物、御自由に御答弁いただきたいと思いますが、このときは小泉政権でありますので菅政権は関係ありませんので、告発もされておりませんが、今回は告発されたということも含めて、どちらがより悪質かということについて菅総理の感想を伺って、多分時間になると思いますので、私の質問を終えたいと思います。
○菅内閣総理大臣 今のお話で、どちらがということを感想として言えと言われるわけですが、一般的に言えば、どちらも許しがたいことだと思います。どちらがと言われれば、やはり、流出の方でいえば、流出したものの経緯がある程度はっきりしないとわかりませんし、しかし、質問に対してそういう情報をもとに圧力をかけるということは大変けしからぬ話だということは、私自身、強く感じております。
○中井委員長 これにて浅尾慶一郎君の質疑は終了いたしました。
やりにくい時間帯を御配慮いただきましたこと、感謝申し上げます。
これをもちまして締めくくり質疑は終了いたしました。
以上をもちまして平成二十二年度補正予算三案に対する質疑は終局いたしました。
―――――――――――――
○中井委員長 ただいままでに、自由民主党・無所属の会武部勤君外二名から、並びにみんなの党浅尾慶一郎君から、それぞれ、平成二十二年度補正予算三案につき撤回のうえ編成替えを求めるの動議が提出されております。
この際、両動議について提出者より順次趣旨の弁明を求めます。馳浩君。
―――――――――――――
平成二十二年度一般会計補正予算(第1号、特第1号及び機第1号)等につき撤回のうえ編成替えを求めるの動議
〔本号末尾に掲載〕
―――――――――――――
○馳委員 私は、自由民主党・無所属の会を代表して、平成二十二年度一般会計補正予算、平成二十二年度特別会計補正予算及び平成二十二年度政府関係機関補正予算につき撤回のうえ編成替えを求めるの動議に関して、提案理由を申し述べます。
そもそも、今般の景気回復の息切れと株価の下落、急激な円高は、民主党政権の経済財政運営によって生じた政策不況という以外の何物でもありません。参議院選挙後も党内の権力争いに明け暮れ、いたずらに三カ月もの月日を空費したのであります。そして、内政のみならず、沖縄普天間基地問題の迷走に始まり、尖閣諸島における中国漁船衝突問題と動画流出事件、北方領土問題など、外交における危機管理の欠如した対応の数々、国益を損ない、国民を顧みない民主党政権には、世論調査の数字にもあらわれておりますように、もはや政権を担当する能力はありません。
さらには、政治と金をめぐり、野党が一致して小沢一郎元幹事長の国会招致を求めているにもかかわらず、民主党代表である菅総理は決断をせず、いまだ実現させようとしておりません。国民意識との乖離は著しく、そんな政権に補正予算を提出する資格などない、そのことをまずもって申し上げなければなりません。
我々の提案は、以下五点を基本にしております。
第一は、民主党の雇用の空洞化を進めるアンチビジネス政策を転換すべきであることです。
CO2の二五%削減や、製造業への派遣禁止などの政策を推し進めて、これでどうやって国内で事業を継続し、雇用を維持せよというのか。雇用は企業がつくるものであり、国内での事業環境を整えることこそ政府の役割であります。現政権が推し進める雇用空洞化政策の転換なくして、いかなる経済対策も大きな効果を望むべくもありません。あらゆる対策を講じる前に、アンチビジネス政策の撤回を求めます。
第二は、財源問題であります。
民主党は、子ども手当、高速無料化、戸別所得補償、高校無償化など、政策理念が明確でなく効果も薄いばらまき四K施策を続行する前提に立っており、到底容認できません。また、政府案は、国債費返済の財源と位置づけられている利率低減による国債費返済の差額や未確定の税収増分額などを先食いする形で財源としており、政府は、ばらまき四K施策を即時撤回することによって財源を捻出するべきと考えます。
第三は、予算の規模です。
政府案では、対策総額四兆八千億円としていますが、その中には地方交付税の増額分一兆三千億円が含まれています。この増額分は経済対策の有無にかかわらず計上されるものであり、それを差し引けば本来の規模は三兆五千億円程度であります。交付税分を加算して対策の規模を大きく見せるのはまさに見せかけ補正であり、政策不況から国民生活を守るため、交付税分を除き五兆円規模への上積みを提案いたします。
第四は、地方への配慮です。
政府案では、地域が自由に使える地域活性化交付金の規模はたったの三千五百億円であり、これでは、厳しさを増す地域の現状に対応するには全く不十分な規模と言わざるを得ません。
我々は、地域経済、雇用対策として地方が自由に活用できる交付金を一兆五千億円規模に上積みすることを提案します。
また、米価下落への対策としての過剰米対策、備蓄米対策など、また、頑張る人を支援する総合的な雇用・就学支援等、政府案では見過ごされた分野についても必要な措置を講じることといたします。
第五は、財政規律の確保であります。
財政健全化責任法案の早期成立を強く求めます。確かな社会保障制度と財政規律の裏づけがあってこそ、経済対策がその効果を遺憾なく発揮することができます。一刻も早く、信頼できる持続可能な財政構造を確立することが急務であり、この認識を超党派で共有し、来年度予算編成から適用するためにも、今国会での成立を強く求めます。
次代を見据え、ぜひ真摯に議論をすべきであります。それが将来世代への我々の責任です。各党各会派の皆様に、この場をおかりして、改めてお願い申し上げます。
以上申し上げ、政府補正予算案について速やかな撤回を求め、編成替え動議を提出するものであります。
議員各位におかれましては、我が党の案に御賛同賜らんことを切にお願い申し上げまして、提案理由の説明を終わります。
ありがとうございました。(拍手)
○中井委員長 次に、浅尾慶一郎君。
―――――――――――――
「平成二十二年度一般会計補正予算(第1号)」、「平成二十二年度特別会計補正予算(特第1号)」及び「平成二十二年度政府関係機関補正予算(機第1号)」につき撤回のうえ編成替えを求めるの動議
〔本号末尾に掲載〕
―――――――――――――
○浅尾委員 私は、みんなの党を代表いたしまして、平成二十二年度一般会計補正予算(第1号)、平成二十二年度特別会計補正予算(特第1号)及び平成二十二年度政府関係機関補正予算(機第1号)につき撤回のうえ編成替えを求めるの動議を提出させていただきます。
編成替えを求める理由は、以下のとおりでございます。
みんなの党は、有効な円高、デフレ対策を大至急講ずべきという立場でございます。
政府提出の補正予算は、文面上、円高・デフレ対応のための緊急総合経済対策と称しておりますけれども、内容的には円高、デフレに全く対応できておりません。
財政措置とあわせて本格的な金融措置を講ずべきことは別といたしましても、補正予算の内容そのものを見ても、かつての麻生政権での補正予算の内容を復活したり、旧来型の団体を介した助成に重きを置くなど、新規性を欠く政策ばかりが並び、効果は何ら期待できない内容であると思います。
本来、経済活動を活性化する上での主役は、国ではなく民間であるべきであります。どのような分野に投資することでより多くの富を生み出すことができるのか、政府の官僚が全知全能でわかっているわけではありません。政府提出の補正予算では、この基本認識が全く欠落しております。
投資すべき分野を政府が定め、予算を投入していく政策ばかりでは、経済活動の活性化は期待できません。むしろ、投資先の選定は民間にゆだね、政府は、企業による新たなチャレンジを後押しすることにこそ重きを置くべきである。
以上の見地から、みんなの党は、政府提出の補正予算をこのまま成立させることには反対であり、政府案で並べられている緊急経済対策にかえ、民間投資を促進するための減税措置、特に具体的には自由償却制度を盛り込むべきだと考えております。この措置により、約四兆円の減税措置に対し十三兆円程度の設備投資増加が見込まれ、波及効果を考えれば、現在のGDPギャップ三十兆円弱をかなりの程度埋めることができると考えております。
次に掲げる内容を施すべく、平成二十二年度補正予算三案を抜本的に組み替えることを要求いたします。
編成組み替えの内容は、以下のとおりであります。
円高・デフレ対応のための緊急総合経済対策(四兆八千五百十三億円のうち、地方交付税交付金五千七百五十八億円及び子宮頸がん等疾病対策費一千二百億円を除く)及び国債整理基金特別会計への繰り入れ八千百二十三億円を削除し、これを財源として、法人税において投資促進のための自由償却を実施することを求める。
投資促進のための自由償却の具体的内容は、次のとおりとする。
(1)対象事業者
大企業、中小企業、個人事業者
(2)対象設備
1建物及びその附属設備 2構築物 3機械及び装置 4船舶 5航空機 6車両及び運搬具 7工具、器具及び備品 8鉱業権、特許権等の無形固定資産 9牛、馬、果樹等
※取得のほかリースも含む。但し、国内資産に限る。
(3)償却方法
普通償却、すでに導入されている特別償却・割増償却のほか、以下のいずれを選択することもできる。
1設備投資の年度に一括償却
2普通償却の場合の通常ルール(建物であれば定額法など)に従いつつ、法定年数と異なる耐用年数を自由に設定
以上でございます。
何とぞ、各会派、慎重御審議の上、賛同願いますことをお願いいたします。
○中井委員長 これにて両動議の趣旨弁明は終了いたしました。
―――――――――――――
○中井委員長 これより討論に入ります。
平成二十二年度補正予算三案及びこれに対する撤回のうえ編成替えを求めるの動議二件を一括して討論に付します。
討論の申し出がありますので、順次これを許します。金森正君。
○金森委員 私は、民主党・無所属クラブを代表して、ただいま議題となりました平成二十二年度補正予算案に賛成、自民党・無所属の会提出の動議、みんなの党提出の動議に反対の立場から討論を行います。
円高等による景気下振れリスクが強まっていることに対して、政府・与党は、スピード感を重視しながら、さきに緊急的に九千二百億円の予備費活用を決定いたしました。そして、その後の景気、雇用の動向を踏まえ、このたびの補正予算を機動的に編成し、今国会に提出をされたわけでございます。
具体的に申し上げれば、本補正予算案は、円高・デフレ対応のための緊急総合経済対策を実施するため、第一に、新卒者並びに若年者支援の強化、雇用下支えと生活支援など、雇用、人材育成に資するため三千百九十九億円、第二に、グリーンイノベーション推進、ライフイノベーション推進、アジア経済戦略推進など、我が党が掲げております新成長戦略の推進を加速させるため三千三百六十九億円、第三に、子育て、医療、介護、福祉の強化による安心の確保に一兆一千二百三十九億円、第四に、地域活性化、社会資本整備、中小企業対策等に約三兆七百六億円、計四兆八千五百十三億円を税収増などで得られた財源をもとに追加するものであります。
以上申し上げましたとおり、本補正予算案は、景気対策を求める国民の皆様にこたえるため必要不可欠であることは明らかでございます。政府・与党は、さらに現在編成中の平成二十三年度予算において新成長戦略の本格実施を行い、三段構えの政策展開でデフレ脱却と景気の自律的回復に向けた道筋をより確かなものとしていく考えを明らかにされておられます。
委員の皆様におかれましては、真に国民の負託にこたえるため、延べ四日間、二十時間余を費やした質疑の経過を踏まえ、今回の補正予算に御賛同いただくことを心よりお願い申し上げ、私の賛成討論とさせていただきます。
ありがとうございました。(拍手)
○中井委員長 次に、小里泰弘君。
○小里委員 私は、自由民主党・無所属の会を代表して、ただいま議題となりました平成二十二年度補正予算三案について反対、自由民主党・無所属の会提出の編成替えを求めるの動議に賛成の立場から討論をいたします。
政権交代から一年余り、政治と金、普天間問題、相次ぐ公約違反、尖閣諸島問題等々、この間の政治の混乱、迷走ぶりには目を覆うものがあります。
政治と金の問題では、野党が一致して小沢一郎元幹事長の国会招致を求めているにもかかわらず、菅総理は指導力を発揮しようとせず、いまだに実現をしておりません。
尖閣諸島沖での中国漁船衝突事件における政治の不手際とビデオ流出問題についての責任の所在も不明確なままであり、いまだに内部調査の公表もビデオの全面公開もなされておりません。
菅総理は熟議の国会と言われましたが、熟議の土俵すら整えようとせず、答弁においても逃げの姿勢に終始されたのであります。総理の指導力の欠如と無責任な姿勢を強く指摘しておきたいと思います。
政府提出の補正予算案は、効果不十分、財源でたらめの予算案と言わざるを得ません。そもそも、温室効果ガス二五%削減や製造業への派遣禁止等の雇用空洞化政策の転換なくして、どんな経済対策も大きな効果は望めないのであります。
我々は、子ども手当、高速道路無料化、戸別所得補償、高校授業料無償化といった、政策効果が期待できないばらまき政策の即時撤回により財源を捻出すべきと考えております。
同時に、将来への確かな社会保障制度と健全財政の裏づけがあってこそ、経済対策の効果が最大限に発揮をされます。財政健全化法案の今国会での成立を強く求めるものであります。
真の景気回復には地方の活性化が不可欠でありますが、政府提出の補正予算案には地方への配慮が感じられません。地域活性化交付金自体は評価するものの、一兆五千億円規模に上積みをすべきと考えます。
自由民主党・無所属の会は、菅政権の政策不況から国民生活を守るために編成替えを求めるの動議を提出しております。委員各位の御理解と賛意のほど、よろしくお願いをいたします。
なお、みんなの党提出の編成替えを求めるの動議に関しては、菅内閣の財政運営に対する考え方等に関しては認識を共有する部分があるものの、総合的に勘案し、反対をいたします。
最後に、有言不実行、相次ぐ政治の失態に逃げの一手の政権に、国家の安全や経済財政のかじ取り、そして日本の将来を任せるわけにはいかないということを申し上げ、私の討論といたします。(拍手)
○中井委員長 次に、遠山清彦君。
○遠山委員 私は、公明党を代表し、ただいま議題となりました平成二十二年度補正予算三案について、反対の立場から討論を行います。
以下、反対する主な理由を述べます。
第一の反対理由は、菅内閣の日本経済の厳しい現状に対する認識が甘く、対策がすべて後手に回っている点であります。
私たち公明党が、厳しい経済の現状と見通しを踏まえ、補正予算を含む追加的経済対策の必要性を本委員会で指摘したのは八月三日でありました。さらに、九月二日には円高、デフレ脱却へ向けての緊急経済対策を発表し、一日も早い補正予算編成を求めてまいりました。
しかし、菅内閣はまことに鈍感そのものでありました。民主党代表選挙による約二週間の政治空白を経て、本補正予算案が国会提出されたのは十月二十九日であり、公明党の指摘から何と三カ月、十月一日の臨時国会召集から一カ月もたってからであります。危機感、スピード感の欠如は目に余るものがあると言わざるを得ません。
第二の反対理由は、本補正予算案の中身が、中小企業に冷たい、地方に冷たい、農業に冷たい予算である点であります。
子宮頸がん等ワクチン接種の公費助成、学校の耐震化など、これまで公明党が国会等で強く主張してきた政策も一定程度反映されており、部分的には評価できます。しかし、中小企業の緊急保証制度が来年三月に打ち切られ、再び貸し渋りや貸しはがしの問題を惹起する可能性が高いという点や、地域活性化交付金がわずか三千五百億円程度であり、地域経済の活性化と地域雇用の安定化には全く不十分である問題がございます。さらに、農業に関しても、米価の激しい下落の中で、政府はなぜ責任ある緊急の米価対策をとらないのか、菅内閣には農家への思いやりが全く感じられません。
第三の反対理由は、本補正予算案がデフレ脱却と景気回復を実現するためには極めて不十分な予算である点であります。
景気の悪い現状では、補正予算においてこそ使える財源をフルに活用しての景気刺激策を講じることが重要であります。しかし、本案では、例えば昨年度の決算剰余金は、特例措置を講ずればなお八千億円の活用が可能であるにもかかわらず、そうなってはおりません。今回の補正予算規模は、実質は四兆円にも満たないのであります。これでは、本格的な雇用創出や民間需要の喚起を期待することはできません。
以上、反対する主な理由を申し上げました。
最後に、次々とみずからのマニフェストに違反、逆行する菅内閣の姿は、有言実行内閣ではなく有言逆行内閣であるということを厳しく指摘し、政府提出の平成二十二年度補正予算案に対する私の反対討論といたします。
なお、自民党提出及びみんなの党提出の組み替え動議につきましては、認識を共有する部分はあるものの、見解を異にする部分もあり、総合的に勘案して、反対いたします。
以上です。(拍手)
○中井委員長 次に、笠井亮君。
○笠井委員 私は、日本共産党を代表して、二〇一〇年度補正予算三案に反対の討論を行います。
第一は、円高、デフレなど今日の景気悪化に苦しむ国民の要求にこたえていないことです。
国民生活に関する対策では、ワクチン接種への財政支援、中小企業への資金繰り支援における借りかえ保証の追加などは国民の要求を反映したものです。しかし、失業者への就職支援策や安心こども基金の積み増し、高齢者医療制度の負担軽減策など、ほとんどが自公政権時代からとられてきた政策の延長にすぎません。二〇〇九年度第二次補正でとってきた景気対応緊急保証は今年度末で打ち切るのではなく、継続すべきであります。
この一年間で見ても、雇用情勢はよくならず、民間企業の賃金の減少は過去最大となるなど、国民生活は悪化の一途です。従来の対策の延長では国民生活は何ら改善しません。
第二は、国民の要求はないがしろにする一方で、新成長戦略の推進、加速として新たな大企業支援策が盛り込まれていることです。
大企業の設備投資への補助金や海外大型買収への支援の拡大などは大企業の要求にこたえたものです。公共事業関係は事業規模約九千六百億円もの予算を組むなど、コンクリートから人へと言いながら、大型開発事業に依存したものになっています。大企業を応援すれば経済がよくなり、いずれ暮らしもよくなるという政策は既に破綻しています。大企業が上げた利益は、内部留保や配当などに回るだけで、国民に流れることはなかったのです。こうした大企業支援策は改めるべきです。
今とるべき対策は、家計を直接支援し、内需を拡大する抜本的な対策です。具体的には、大企業の内部留保を国民に還流させ、労働法制の抜本改正による雇用の安定と賃金の底上げを図ること、後期高齢者医療制度はすぐに廃止し社会保障を充実させること、雇用の七割を担い、地域経済を支える中小企業への対策を強めることです。
最後に、情報収集衛星の体制整備として、いわゆるスパイ衛星の研究開発費が計上されていますが、宇宙の軍事利用は認められません。また、アフガニスタン国軍への拠出金が計上されていますが、外国軍への財政支援は、憲法九条を持つ日本として許されません。
なお、自由民主党提出及びみんなの党提出の編成替え動議については、財源などに問題があり、賛成できません。
以上、反対討論を終わります。
○中井委員長 次に、服部良一君。
○服部委員 私は、社会民主党・市民連合を代表して、政府提出の二〇一〇年度補正予算案に対し賛成、自由民主党及びみんなの党提出の組み替え案に反対の立場で討論を行います。
さて、日本経済は、急激な円高、二番底への不安、構造的なデフレ、五%の失業率など、深刻な状況にあります。社民党は、国民生活の再建を進めるため、低炭素・グリーン経済社会への転換、若年・非正規を中心とした雇用対策、地方の活性化、広がる貧困の解消、中小企業支援の強化を柱とした緊急的な経済対策及び補正予算の編成を求めてきました。
今回の政府提出補正予算案には、待機児童の解消対策、新卒者・若年者支援の雇用対策、地域医療再生臨時特例交付金の拡充、児童虐待対策、安心こども基金の拡充、電線の地中化など身近な公共事業、公立学校や病院の耐震化、太陽光発電化、脱アスベスト化の促進に向けた地域活性化交付金の創設、地方交付税の増額、生活困窮者の生活支援対策、林業再生プランの推進、海上保安庁の体制整備の支援、中小企業支援の強化、口蹄疫対策基金などなど、社民党も提案し、かつ要求してきたものが多数盛り込まれているものになり、評価をいたします。
一方、国際熱核融合炉推進事業や市町村合併推進費などなど、疑問のあるものが含まれており、また、提出が遅い、規模も不十分な点もありますが、現下の深刻な経済や国民生活の状況にかんがみ、一日も早い成立が望まれるものであり、賛成するものであります。
なお、自民党及びみんなの党提出の組み替え案については、財源の捻出方法や歳出追加項目について疑問があり、賛同できません。
最後に、菅総理、弱肉強食の小泉・竹中構造改革路線から決別し、格差社会を是正して、生活再建、国民の生活が第一という、政権交代に期待した多くの国民の思いを裏切らないでほしいのです。国民にしっかり寄り添い、命を大切にする政治を情熱を持ってやっていただきたいことを申し上げ、討論といたします。(拍手)
○中井委員長 次に、浅尾慶一郎君。
○浅尾委員 私は、みんなの党を代表して、政府提出、平成二十二年度補正予算三案に対し、反対の討論を行います。
菅内閣は、残念ながら、もはや政権の体をなしておりません。尖閣漁船問題、その後のビデオ流出、ロシアとの北方領土事案、TPP交渉への対応、どれをとっても何の定見も戦略もなく、その場しのぎの対応をしては大失態を犯すことの繰り返しです。今回の政府提出の補正予算も、定見と戦略なき政権運営の一端を示しております。
菅政権はこれまで、増税で景気回復、雇用を起点に景気回復といった、どう考えても実現不可能なキャッチフレーズを次から次へと唱えてまいりました。しかも、補正予算の内容を見れば、それらの実現のための具体策は何一つ示されないばかりか、かわりに、かつての麻生政権での補正予算の内容を復活し、旧来型の団体を介した助成に重きを置くなど、自公政権の延長上の施策ばかりが並んでおります。何の考えもなく、いいかげんなキャッチフレーズを口にして、最後は官僚依存で政策をつくっているからこういうことになるのではないでしょうか。
みんなの党は、有効な円高、デフレ対策を大至急講ずべきと考えております。そのため、まず財政措置とあわせて本格的な金融措置を講ずる必要があります。みんなの党は、今臨時国会に提出すべく、日銀法の改正案を準備しております。
また、経済活動の主役は民間です。どのような分野に投資すればより多くの富が得られるのか、政府の官僚が知っているわけではありません。投資先の選定は民間にゆだね、新たなチャレンジを後押しすることにこそ政府は注力すべきです。
このため、みんなの党は、政府案の緊急経済対策にかえて、民間投資を促進するための減税措置、具体的には、自由償却制度を盛り込んだ編成替え動議を提出させていただきました。この措置を講ずれば、約四兆円の減税措置に対して少なくとも十三兆円程度の設備投資の増加が見込まれ、さらに、波及効果により現在のGDPギャップ三十兆円弱をかなりの程度埋めることが可能であります。
こうした真に有効な対策から目を背け、定見と戦略なき政権運営を続ける菅内閣に対し、強く抗議の意を表して、私の反対討論を終わります。(拍手)
○中井委員長 次に、下地幹郎君。
○下地委員 私は、国民新党・新党日本を代表して、ただいま議題となっております平成二十二年度補正予算三案に対して賛成、両動議に反対する討論を行うものであります。
我が国経済は、依然としてデフレの状況にある中で、急速な円高の進行によって深刻な打撃を受けております。また、雇用も厳しい状況にあり、経済の先行きは不透明なものとなっております。
これに対し、政府は、三段構えの経済対策を用意し、その第二段階の円高・デフレ対応のための緊急総合経済対策を実施するために平成二十二年度補正予算を編成し、今国会に提出しました。
以下、本補正予算に賛成する主な理由を申し述べます。
賛成の理由の第一は、景気対策として即効性のある社会資本整備の追加や中小企業の資金繰り支援など、景気の下支えをするための施策が盛り込まれていることであります。
賛成の理由の第二は、重点分野雇用創造事業の拡充など、高まる雇用不安への対策がなされていることであります。
賛成の第三の理由は、保育サービスの充実や子宮頸がんのワクチンの接種の促進など、子育て、医療の分野を充実させるための措置を講じていることであります。
以上が、補正予算三案に賛成する主な理由であります。
我が国の経済の将来に対する不安が高まる中、補正予算の早急な成立と迅速な執行の必要があることは言うまでもありません。年末を控え、年内に少しでも多くの予算が執行できるように、補正予算の一日も早い成立が求められております。
また、現下のデフレ、雇用不安は、当然のことながら、この補正予算だけで解消できるものではありません。補正予算の成立、執行と同時に、来年度予算のステップスリーを待つことなく、さらなる経済対策を実施し、景気の下支えを強化し、来年度予算につなげていく必要があります。その意味で、補正予算の迅速な成立、執行に続く新たな経済対策を実施することを改めて政府に求めて、私の賛成討論といたします。
なお、自由民主党・無所属の会の提出の動議及びみんなの党の提出の動議については、見解を異にするものであり、反対いたします。(拍手)
○中井委員長 これにて討論は終局いたしました。
―――――――――――――
○中井委員長 これより採決に入ります。
まず、武部勤君外二名提出の平成二十二年度補正予算三案につき撤回のうえ編成替えを求めるの動議について採決をいたします。
本動議に賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕
○中井委員長 起立少数。よって、武部勤君外二名提出の動議は否決されました。
次に、浅尾慶一郎君提出の平成二十二年度補正予算三案につき撤回のうえ編成替えを求めるの動議について採決いたします。
本動議に賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕
○中井委員長 起立少数。よって、浅尾慶一郎君提出の動議は否決されました。
次に、平成二十二年度一般会計補正予算(第1号)、平成二十二年度特別会計補正予算(特第1号)、平成二十二年度政府関係機関補正予算(機第1号)、以上三案を一括して採決いたします。
三案に賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕
○中井委員長 起立多数。よって、平成二十二年度補正予算三案は、いずれも原案のとおり可決すべきものと決しました。
お諮りいたします。
ただいま議決いたしました平成二十二年度補正予算三案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○中井委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
―――――――――――――
〔報告書は附録に掲載〕
―――――――――――――
○中井委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。
午後十一時四十五分散会

 

 

衆議院 予算委員会 4号 平成22年11月01日

2010年11月01日 (月)

176-衆-予算委員会-4号 平成22年11月01日

○浅尾委員 みんなの党の浅尾慶一郎です。
質問の冒頭に、防衛大臣がいらっしゃいますので、きょう海上保安庁のビデオが公開されましたけれども、同時に防衛省の方でもP3Cから船を撮っていた、ビデオを撮っていたというふうに私は聞いております。そして、防衛省は捜査当局ではありませんので、そのビデオについてぜひとも公開をしていただきたい。
そのビデオがあるかどうかという事実と、そして公開する意思があるかどうかの事実について伺いたいと思います。
○北澤国務大臣 お答え申し上げます。
従来、防衛省がどういう態勢で監視をしているかということについては、我々の態勢を外部に知らしめるという意味で、お答えしないことにしておりますが、たまたまこのときは、P3Cはこの時点では飛行しておりませんでした。
○浅尾委員 それでは次に、官房長官に伺いたいと思います。防衛大臣は結構でございます。
私は、この中国との問題について、やはり日本側としてもとれることはやっていかなければいかぬというふうに思います。その中で、日本側に仮にミスがあったとすれば、それはどういうものだったかということも調べなければいかぬだろうなというふうに思っておりますが、深夜十二時に丹羽大使が呼び出しを受けました。当日、午後八時に来てくれという知らせがあって、政治主導だということで、官邸に、行っていいものかどうかとお伺いを立てたというような話を聞いておりますが、官邸に対して何時に中国大使から連絡があって、何時に行っていいという連絡をしたのか、その時間的な経緯を教えていただきたいと思います。
○仙谷国務大臣 官邸にお伺いを立てたという話があるがと、こうおっしゃいましたが、事前に中国大使館の方から官邸に、直接もしくは間接にそのような伺いは来ておりませんでした。我々は、丹羽大使が深夜呼び出されたということは、その後に知ったわけであります。
○浅尾委員 今の御発言、もう一度確認いたしますが、間違いないということでよろしいですか。
○仙谷国務大臣 少なくとも私との関係ではそのとおりでございます。
○浅尾委員 確認ですが、私との関係、私の質問は、官邸にそういう連絡があったかなかったかということであります。
○仙谷国務大臣 私が一応、総理を除いては、そういう意味での責任者でございますので、私が知らないということは官邸も知らないということだ、そういうふうに思います。
○浅尾委員 私が質問するのは、丹羽大使がそういうことを伝えた人から聞いた話でありますので、いずれわかるだろうと思います。
次に、人事院勧告の深掘りについて総理に伺いたいと思いますが、菅総理は、民主党の代表選挙の最中に、人事院勧告をいわゆる深掘りをするということを公約として掲げておりましたが、この点について間違いはございませんか。
○菅内閣総理大臣 深掘りという言葉を使ったかどうかは別として、人事院勧告を超えて行うことを目指す、そういう表現だったと思います。
○浅尾委員 国会図書館に御協力いただいて、菅さんの公約集も取り寄せて、確かに御指摘のとおり、人事院勧告を超えて深掘りを、深掘りというのは通称でございますから、「国家公務員人件費の二割削減に向け、人事院勧告を超えた削減を目指す」というふうに書かれております。人事院勧告を超えた削減というのは、当然ことしの人事院勧告ということになりますが、もう一度、仙谷官房長官に伺わせていただきたいんです。
実は、代表選挙の投票日の前に、正確な日付もちょっと確認がとれておりませんが、九月の三日とか九月の六日とか、それぐらいの日付だったのではないかと思いますが、連合の古賀会長と会われたときに、仙谷官房長官は深掘りはしないというふうにおっしゃったということを、そのときの会談の模様から私は聞いておりますけれども、そういう発言をされた事実があるかどうか、あるいはどういう発言をされたのか、伺いたいと思います。
○仙谷国務大臣 九月六日に連合の古賀会長が私の部屋に午前九時にいらっしゃっておりますが、人事院勧告あるいは深掘りの話をしたかどうか、私は今記憶しておりません。
もしその種の議論になったとすれば、従来から私が展開をしております議論、すなわち、組合員資格のある一般の職員、つまり管理職以外の者については、当然のことながら、代償措置である人事院あるいは人事院勧告、ここを無視して、労働組合と、あるいは職員組合との協議なくしてそのような労働条件の変更ができるという理論は、私は持ち合わせていない。つまり、労働基本権を付与して協議をしない限り、その種の、つまり、憲法上の権利を制約するための代償措置を吹っ飛ばすようなことができないということは、かねがね私は申し上げているわけでありますから、そのような議論になった可能性はありますけれども、ただ、そのときに古賀さんが来られたのが、今、浅尾さんが言われたような、人事院勧告問題が中心、あるいは人事院勧告問題で来られたかどうか、全く記憶がありません。
○浅尾委員 私がこのことを取り上げるのは、確かに菅さんの民主党代表選挙での公約は「削減を目指す」と書いておりますが、人事院勧告というのは当然ことしの人事院勧告でありまして、それを将来の人事院勧告で削減を目指すというのでは、公約にも何にもならない。
その菅総理の公約を受けて、民主党の中でも勧告を超えた削減に反対の人たちもおられるということは承っておりますが、そういう中で、一方で仙谷官房長官が、代表選の前に、それはなかなか難しい、あるいはそういうことはしないという発言をしているということが、表で言っていることと裏で言っていることと違うのではないかという意味で申し上げたわけです。
○仙谷国務大臣 記憶が間違っていたので、訂正いたします。
九月六日は、これは官邸で行われた連合との定期協議でございます。それから、私が先ほど申し上げた古賀連合会長との官邸における朝九時からの私との二人の会談は、これは九月二十七日月曜日の九時から約三十分弱、こういう時間であったことを改めて申し添えます。
つまり、今、代表選挙云々かんぬんというのがありましたけれども、代表選挙が終わって二週間ぐらいたったときに、古賀連合会長と私の長官室で会った、こういう時間系列になるということを改めてここでお話ししておきます。
○浅尾委員 きょうはテレビも入っていますから申し上げておきますと、私は、代表選の前にそういう話を聞いたという人から直接聞いていますから、その点は申し上げておきたいと思います。
なぜ公務員人件費のことについて申し上げるかというと、具体的な数字で申し上げた方がいいと思いますが、資料はお手元に配付されておりますでしょうか。年金の官民比較あるいは一人当たりの人件費というのを、政府が出した数字に基づいて私どもの事務所でつくらせていただきましたが、今年度の当初予算に基づく、これは人事院勧告前ですね、国家公務員一人当たりの平均の人件費は一千二十二万円、地方公務員は九百十三万円。
これは何でこんなに高くなるのかなと思っていろいろ調べたら、いろいろな理由があるんですが、一つは年金が、これは報酬比例部分だけの比較ですけれども、月額で厚生年金が七万六千二百九十七円。報酬比例ですね、基礎年金を除きます。国家公務員共済は十四万一千四百三十四円。月にこれだけ差がある。地方公務員共済は十六万五千百二十七円。
だから、こういうところにメスを入れていかないと、全体の人件費にメスが入らないんじゃないか。既に確定した年金についてはなかなかメスが入れづらいと思いますから。
きょうは、片山総務大臣、退職手当債は出さないということを言われた。総務大臣になられたのであれば、いわゆる退職金の調査対象から企業年金を一時金でもらったものを外す。これは法律改正は要りませんから、総務大臣が決めれば、それを人事院が調査に入る。退職手当債を鳥取県知事のときは出さないとおっしゃった。それは二重支給だから企業年金分の一時金を外すべきだと私は思っていますが、総務大臣、どういうふうに思われますか。
○片山国務大臣 私が鳥取県知事時代に退職金の資金手当てのために起債を発行しなかったという問題と、今浅尾議員がおっしゃっていることとは、直接は関係ありません。
議員がおっしゃっているのは、民間で、退職時に払うものと、それから、あと分けて何年間かで払うもの、このことをおっしゃっているんだろうと思いますけれども、これはやはり、国家公務員と民間の企業の皆さんと制度が違いますので、同じ条件で調査をするということになりますと、民間の場合に、退職時に払うものと、それから、あと数年かけて払うものを合算して、国家公務員の場合は退職金は一回しか払いませんから、それと比較してどうかという調査をするのが公平ではないかと私は思います。
○浅尾委員 いかにもわかったような御説明をされておりますが、今の説明を簡単に言いますと、民間の場合は、退職金の一部を月々の年金でもらいますというのが企業年金なんです。これを一時金でもらってもいいんだと。
確かに、そういうふうにもらっておられる方は、先ほどお配りした厚生年金に加えて三階建て部分の企業年金というのが乗るから、国家公務員と数字が余り変わらないかもしれない。しかしながら、国家公務員、地方公務員というのは、そもそも民間と比べて八万円とか九万円とか月平均が多いんだから、企業年金分を一時金でもらったものを調査対象から外せばいいんじゃないかということを申し上げておりまして、これに対する答えを求めると時間がなくなっちゃいますので、そのことだけ指摘をさせていただいて、総務大臣、ぜひ検討をしていただければと思います。
減らそうばかり言っていると夢がありませんので、少し夢が出るような話もさせていただきたいと思いますが、日本の株、大変落ちてきておりまして、そういう中で、企業が投資もしない、配当もしないというようなことで、キャッシュフローを抱えているのが一つの問題だというふうに私は思っております。
先般、海江田経済財政担当大臣に、実は日本国はNTT株の三分の一、JT株の半分を株主として持っているわけでありまして、それぞれで配当金を今の倍とか、JTはもうちょっと配当をふやせるだろうと思いますから、もう少しふやせば、総額で国に入るお金は一千億円ぐらいふえるんじゃないか、NTTとJTが配当をふやせばほかの企業も追随するのではないかということを申し上げさせていただきました。
先般お邪魔させていただいたときは、ぜひ検討したいということでありましたので、その考えについて海江田大臣に伺った上で、株を持っているのは野田財務大臣でありますので、財務大臣か総理に、その考えを聞いた上で感想を聞きたいと思います。
○海江田国務大臣 先日は、御多忙のところわざわざお越しいただきまして、ありがとうございます。
その席上、今お話のありましたように、政府がNTTの株それからJTの株を持っているから、この株の配当性向を高めれば国に対する収入がふえるのではないだろうか、こういうお話がございました。私もその場で検討するということをお伝え申し上げましたので、私なりに検討をさせていただきました。
結論を申し上げますと、これはもう委員つとに御案内でございますが、まず、上場しております他の企業がどのくらい配当性向を実際にやっているかということをやはり調べなきゃなりませんので、平成二十一年度で調べますと、大体大手の三十社を調べた数字でございますけれども、三五・一%ということでございます。NTTの同じく二十一年度の配当性向を調べますと、三二・三%。ですから、大手の三十社の平均よりは少し低いということでございます。JTの方は、これより少し高くなりまして、四〇・一%ということでございます。
ですから、その意味でいうと、やはり、まず国の持っている株に対して株主としての権利を行使してということだろうと思いますが、私の考え方では、当面、NTTなどはもう少し配当ができるのかなと思ったりしております。
ただ、先ほど委員御指摘のありましたように、これは、株主権を行使できますのは財務大臣でございますので、財務大臣からしっかりとお話をお聞きいただきたいと思っております。
ただ、先生がそうやっていろいろなアイデアを御提供いただきますことは、本当に……
○中井委員長 海江田さん、短くして。
○海江田国務大臣 はい、わかりました。感謝を申し上げております。
以上です。
○野田国務大臣 浅尾委員にお答えをいたします。
NTT、JTの株式については、法律に基づき政府が保有義務がございます。その配当金を政策的に必要な産業投資の財源に充てる、こういう位置づけになっております。
これに加えて、海江田大臣に何かつけ加えることがあるかというと、余りつけ加えることはないんですが、少なくとも、さっきお話があったとおり、他社の配当性向に比べると特に遜色があるというわけではございません。仮に、ほかのところに比べて遜色があるならば御指摘のような考えもあると思いますが、今のところ遜色はございません。
いずれにしても、NTT、JTの設備投資等の必要性とか財務状況を勘案して、適切な配当を求めていきたいと思います。
○浅尾委員 他社と比べれば遜色がないのは当たり前なんです。日本の会社自体が、今、投資もしない、そしてリーマン・ショック以降、銀行から大企業でもお金が借りられないかもしれないということで現金を持っているということなので、他社も配当していないし、投資もしていない。
だから、そういう中で、国が元気を出せるのは、唯一、株主権を行使したらどうかということで提案をさせていただいたので、他社と比較してやっていませんということではちょっと残念だなということを申し上げさせていただいて、時間の関係で、多分、残念ながら最後の質問になってしまうと思いますが……
○中井委員長 済みませんが、ちょっと、呼ばれた大臣で当たらない人に一言お断りしていただけますか。
○浅尾委員 最後の質問で当たるようになると思いますので、御安心いただければと思います。
最後の質問の中で、政府のTPPについて伺わせていただきたいと思いますが、内閣としての方針が固まっているのであればそのとおりですということだと思いますし、そうでないということであれば違う答えになるんだろうと思いますが、外務大臣はTPPをぜひやりたいということであります。
私は、まず最初に伺いたいのは、農水大臣に対して、これは所得補償というものが入っていれば、市場価格が落ちたとしても何ら農家そのものに対しては、市場価格が落ちてもその同額が補償されている限りにおいては、生産された部分は全額補償されるということになりますので、要するに、TPPに参加した結果、市場価格が落ちても、農家そのものは影響がないのではないかというふうに思いますけれども、この考えは正しくないのか。正しくないとしたら、なぜ所得補償ではそれができないのかということを伺った上で、仮に市場価格が落ちた場合には補償されるということであれば、TPPに関連される大臣は、それについて異論があるかどうかだけ伺いたいと思います。
○鹿野国務大臣 現在、モデルケースで米に対して戸別所得補償をいたしておりまして、来年度からは畑作物に対象を拡大していくという、これはあくまでも現在の国境措置を前提としておりますから、その前提の中で、農業者の人に再生産をしていただくというようなことで、そしてそのことによって、農村、農業の振興も図っていくし、自給率の向上にも資してもらいたいということなんです。ただTPPに参加というふうな問題とは全く違う一つの形でありますということだけは、御理解をいただきたいと思います。
○玄葉国務大臣 TPP全体の取りまとめを私の方でさせていただいております。十一月の上旬を目途に包括的経済連携に対する基本方針を取りまとめたい、そう考えております。
一つは、アジア三十五億人、アジア太平洋で四十億人、このアジア太平洋のボリュームというのを我々はどう考えるのかということだというふうに思います。日本人の特質、日本の地政学的な位置づけ、そういったことを考えたときには、私たちは、このアジア太平洋のボリュームに打って出るということが改めて通商国家として宿命づけられている、そう考えておりますが、問題は、TPPは事実上三月にアメリカが参加をしてそこからの議論だという、この国民的な議論の時間的な問題というのが一つあります。
それともう一つは、まさに今、浅尾委員がおっしゃったように、何としても、農業、農村の持続可能性というのは日本の懐の深さだというふうに私は思っています。ですから、これらを、二十年後、三十年後、あるいは五十年後を長期展望しながら、どうやったら持続可能な農業、農村をつくれるのか、そういうことをきちっと勘案しながら総合調整をし、総合的な判断を国益、国民益に基づいてしていかなければならない、そう考えております。
○中井委員長 これにて浅尾君の質疑は終了いたしました。
以上をもちまして本日の集中審議は終了いたします。

――――◇―――――

 

衆議院 予算委員会 4号 平成22年09月30日

2010年09月30日 (木)

175-衆-予算委員会-4号 平成22年09月30日

○浅尾委員 みんなの党の浅尾慶一郎です。

参議院の委員会で小川法務副大臣が、過去に外国を理由にこうした処分保留とか検察が配慮したことはないという答弁をされております。

そのことを踏まえて、菅総理大臣に伺いたいと思いますが、かなり古い話になりますけれども、明治二十四年、大津事件というものがございました。これは、総理、質問通告しておりますから、概要は御案内のとおりでありますけれども、当時、日本とかなり国力の違うロシアの皇太子に巡査が切りつけた。日本の皇族に対して傷害を行った場合には当時は死罪であったけれども、しっかりと司法の独立を示すという形でそういう形にはならなかったということは歴史の教科書に書いてありますので御案内のとおりだと思いますが、私は、今回の検察の判断というのは、まあこれは司法とは、準司法的組織ということでいえばかなり似通っている部分もあると思いますが、総理が明治の大津事件と今回の事案を比較してどういう感想を持たれるか、まず最初に伺いたいと思います。

○菅内閣総理大臣 大津事件、私も一般的な歴史的な事実としては承知をしております。これには、裁判官が司法の独立という観点で、まさに司法権に沿っての判断をしたというふうに理解しております。

今回の案件は、裁判ではありませんが、検察当局が法律に沿って、いろいろな総合的な判断も含めて最終的な判断を検察としてされた、そういうふうに理解しておりまして、共通であるとか違っているということまでは申し上げませんが、裁判と検察という違いはありますけれども、それぞれの法律的あるいは立場からしっかりした判断をされたもの、こういうふうに理解しております。

○浅尾委員 私が申し上げたい趣旨は、大津事件のときは外国であろうとなかろうと配慮をしなかった。今回ははっきりと配慮をしている。その背景には、恐らく政治的な判断、もっと言えば官邸も含めた判断があったのではないかというふうに思いますが、そのことについて伺ってもなかなかお答えをいただけないと思いますので、委員長にちょっと予算委員会に資料提出を三点要求させていただきたいと思います。

午前中の小野寺委員からの質問にありましたけれども、九月二十四日に会議があったということでありますが、二十二日にその会議が決定されたということでありますが、通常、会議が持たれる場合は、まずはその現場の那覇地検の検事正が説明をされるということだと思いますが、どういう説明があったのかということを資料提出をしていただきたい。

二番目。外務省から二十三日の段階で那覇地検の検事正に対して説明がされたということでありますが、この一回しか説明がされていないというふうに私も聞いておりますが、どういう説明を外務省がしたのかということ。

三番目。この取り調べは石垣島で行われておりましたけれども、石垣島でいる検事さんが、果たして全知全能をもって世界情勢までわかるのかどうか。そうだとすると、石垣島の検事さんはどういう新聞を読んでおられたのか。

その三点の資料要求をさせていただきたいと思います。

○松原委員長代理 後刻、理事会で協議をいたします。

○浅尾委員 続いては、この先の日中関係を考えたことについて伺ってまいりたいと思いますが、私は、硬軟両様の対応が必要だろうというふうに思います。

来年度の予算について各省とも予算シーリングがかかっておりますけれども、この際、あるメッセージを送る。特に、防衛予算というのは半分近くが人件糧食費ということでありまして、一〇%マイナスをするということは、あるいは多年度化されている歳出化経費というものを考えると、非常に、物件費のところで二〇%以上減らさなければいけないということなのでこれは大変厳しいというふうに思いますので、まずは防衛省の予算について一〇%シーリングを外す、これだけは外すということを今決めれば、これはかなりメッセージになるかと思いますが、総理はどういうふうにお考えになりますか。

○菅内閣総理大臣 いろいろな対応が考えられるわけですが、今、浅尾議員から御指摘の概算要求組み替え基準についての問題ですが、既に概算要求は出されております。この概算要求に対して、これから、あるものはさらに切り込み、あるものは大きく増額することもあるわけでありまして、今もう終わったことの基準を変えるということは余り手続的にもとれる形ではありませんので、今後のあり方として、御指摘のような御意見はしっかり受けとめさせていただきたいと思っています。

○浅尾委員 もう二点ほど防衛関係でお話をさせていただきたいと思います。

与那国島に自衛隊を駐屯させていくということは、かつて政府が決めていたことだと思います。これを進めていくということも一つの抑止につながるのではないかというふうに思いますし、あわせて、今十八隻あります潜水艦の耐用年齢が十六年であるというのを、耐用年齢をふやすことによって、多少、南の方は島が多いわけですから、抑止的効果が出るんじゃないかということについて簡潔に、これも、自衛隊の最高指揮官でありますから、総理大臣にお答えいただきたいと思います。

○北澤国務大臣 お答えいたします。

防衛省の予算についても御見識を披瀝していただいて、大変ありがたいと思っております。私どもも、この予算のあり方についてはいろいろお話を申し上げたわけでありますが、一つの考え方として傾聴させていただきます。

それから、潜水艦については、一六大綱で十六隻ということは既に決まっておるわけでありまして、今後、見直しに当たって、今おっしゃられたような、耐用年数を延長することによって体制を新たにするということは、一つの考え方としてお聞きさせていただいて、検討させていただきます。

それから、与那国への配備でありますが、先島への配備については今検討しておりまして、予算要求も調査費という形でさせていただいておりますので、今後検討させていただきたいと思います。

○浅尾委員 時間の関係で次の質問に移りますが、日本が国際社会にアピールする上で、外務省のホームページを見ますと、尖閣諸島が日本のものであるというのは、日本語と英語では書いてありますが、中国語では書いてありません。まず、これを中国語で書くべきだと思いますが、いかがでしょうか。

○前原国務大臣 委員の御指摘も踏まえて、中国語バージョンもつくりたいというふうに考えております。

○浅尾委員 もう一点。

中国の内政についてとやかく言うつもりはありませんが、貧富の格差がいろいろな課題になっているということで言うと、かつて日本は、高度成長期のときに、最高で累進税率九三%という時代がございました。今、中国の累進税率は多分三〇%ぐらいではないかと思いますが、日本よりはるかに貧富の格差が大きい国においては、累進税率を高めるということが一つの社会安定要因になるのではないかと思います。

そうしたことについて、日本はこうしてきたという経験を伝えていくというようなことは考えておられるかどうか、伺いたいと思います。

○菅内閣総理大臣 私、財務大臣のときに、日中の財務大臣会議というものを開いたことがあります。この中では、税制のあり方やいろいろなことを相互に話題として議論をいたしたことがあります。

そういった意味で、今、浅尾議員の言われたこと、今回の案件云々ということでは必ずしも当たるかどうかわかりませんが、そうした、日中がそれぞれの経験を相互に交換して、よりよい社会づくりにお互いが助け合うということは望ましいことだ、こう思っています。

○浅尾委員 最後の質問になると思います。

新華社が、フジタの社員、四名勾留されておりますけれども、三人が釈放されたと伝えております。まず、その事実関係を把握されておられるかどうかということと、残り一人の方の早急な釈放を強く求めていくべきだと思いますが、その点についてお答えいただきたいと思います。

○前原国務大臣 四人のうち三人が釈放されたということは事実でございますけれども、まだ一人釈放されておりません。

そもそも、今回、どういう要件で、向こうの言い方だといわゆる住居監視になっていたのかも明確でありませんし、もう一人まだ残されているということでございますので、早期解決をしっかり求めていきたいと考えております。

○浅尾委員 終わります。

○松原委員長代理 これにて浅尾君の質疑は終了いたしました。

以上をもちまして本日の集中審議は終了いたします。

本日は、これにて散会いたします。

午後零時四分散会

国会活動

バックナンバー


国会会議録検索システム

衆議院TV

youtube

あさお慶一郎 公式SNSサイト

このページのトップへ