あさお慶一郎(衆議院議員 神奈川4区)

国会活動

予算委員会 平成26年10月6日

2014年10月20日 (月)

 


187-衆-予算委員会-3号 平成26年10月06日

○浅尾委員 みんなの党代表の浅尾慶一郎です。
今回の台風で被害に遭われた皆様方、また、さまざまな形でその災害からの復旧に御尽力いただいている皆様方に、被害に遭われた方にはお見舞いを申し上げ、復旧に御尽力いただいている方には心から敬意を払わせていただきまして、質問に入らせていただきたいと思います。
みんなの党は、徹底した行政改革、そして市場重視の経済政策ということを我が党の立党の原点という形で掲げておりますけれども、そうした我が党でありますから、実は、今国会の中の隠れた争点の一つであります消費税の増税の問題については、ことしの五%から八%への引き上げについても時期尚早だということをずっと申し上げてきたわけであります。
総理、きょうは十月六日ということでありますが、去年の十月一日、安倍総理は、ことしの四月に五%から八%へと消費税を引き上げるという最終的な決断をして、そのことを発表されました。そのとき、同時に五兆円の景気対策ということを発表されましたが、今度、八%から一〇%に上げる前に、私どもは五の段階で反対でありますが、八%から一〇%に上げる前に、今回の五%から八%に引き上げるに至った中での五兆円がどういう効果があったのかなかったのかということについて、しっかりと、その決断をする前にいわゆるレビューをされたらいいんじゃないかと思いますが、その点について、総理のお考えを伺いたいと思います。
○安倍内閣総理大臣 今回の四月からの消費税の引き上げ、五%から八%への引き上げに対しまして、当然、反動減があるであろうということを見込んでいたわけでありますが、この反動減対策プラス、七月から景気回復軌道にまた戻れるようにするために、そうした観点から五兆円の対策を打ったところでございますが、この対策について、どういう効果、成果、あるいはそれほど効果がなかったかということも含めて、当然、検証をしていきたい、このように思っております。
○浅尾委員 ぜひ、その検証の結果を最終的な消費税増税の引き上げの前に予算委員会にも示していただきたいと思いますが、改めてそのことを伺わせていただけますか。
○安倍内閣総理大臣 こうした計数が今国会が開催中にそろうかどうかということ、また、分析がそれまでにできるかどうかということもありますが、いずれにせよ、消費税引き上げの判断をする上においては、そうした経済対策がどういう成果、効果を上げたかということについては分析をしたい、このように思います。
〔委員長退席、金田委員長代理着席〕
○浅尾委員 私は、この今の全国の景気については、先般の代表質問の際にも申し上げさせていただきましたけれども、かなり厳しいという認識を持っております。株価は、最近ちょっと落ちぎみでありますけれども比較的堅調でありましたけれども、一般的な家計の消費支出であったり実質賃金が消費税が上がったほど伸びていないといったようなことを含めて、かなり厳しいと思いますが、特に、これは代表質問の際に、あるいは所信演説の際にも総理も言っておられましたけれども、燃料価格の高騰ということが影響する地域というのが結構あるのではないか。
つまりは、首都圏は比較的公共交通機関が発達しておりますので、電車による移動というのが多いわけでありますけれども、電車よりも車がいわゆる公共の足である地域においては、この燃料価格、特にガソリン価格の上昇というのは非常に影響を与えているんじゃないかと思いますが、まず、全国の景気の状況は一律というふうに判断されているのか、あるいは、よいところ、悪いところというところの認識を持っておられるのか、お伺いをいたしたいと思います。
○安倍内閣総理大臣 当然、景気については全国一律にはならないわけでありますが、しかし、例えば有効求人倍率について言えば、都市部はいいわけでありますが、求職者の数を仕事が上回るということについて言えば、我々が政権をとる前は都道府県は七であったものが、三十五にふえてきているわけでもあります。
つまり、そういう意味においては、間違いなく地方においても改善はしているのでありますが、しかし一方、ガソリンも含め燃料代については、個人の家計及び中小企業に対してこれはマイナスに作用するわけでありますから、そうした対応も十分に行うことを今既に決めておりますが、そうした対応あるいは状況を注視していく、しっかりとやっていきたいと思っております。
○浅尾委員 有効求人倍率の改善というのはそのとおりだと思いますけれども、これは、私、景気がよくなったというよりかは、一定程度あるいはある部分は人口構成の変化による部分が大きいのではないか。つまりは、団塊の世代の方が労働市場に余り本格的に参加をされなくなるというような状況の中で人手不足になっているということだと思いますけれども、そういう時期だからこそ、逆に言うと、生産性を高めるために企業の統合も進めていくことができる、そういう機会もあるんじゃないかなというふうに思っております。
その観点からお伺いさせていただきますが、いわゆるアベノミクスの三本の矢のうちで、金融政策ということについては、私どもも、日銀は金融政策を変えるべきだということでありますので、これは効果を発揮しているというふうに考えておりますけれども、二本目あるいは三本目の矢については、特に三本目の矢についてはこれからだというふうに思っておりますけれども、その点の、三本の矢ごとの認識を総理に伺いたいと思います。
○甘利国務大臣 一本目の矢は、デフレの環境を弱インフレに持っていくために金融緩和をして、それは御評価をいただいているんだと思います。
二本目の、これは財政出動ですね。デフレギャップというか、それを解消するためには、需要をつくらなければならない。まず公需で需要をつくっていくという、その意味もあると思います。
それで、消費税引き上げ前にはほぼ需給ギャップがなくなってきています。需給ギャップがなくなったときにサプライサイドの改革をするというのはとても大事で、つまり、なぜデフレが起きるかというと、一つには、供給力があって需要がないから、この差がダンピング要因になるわけですね。これがなくなったところでこちらの売り上げに対して付加価値をもっととれるようにする、そうすると、それが還元材料になっていきます、賃金の還元材料とかあるいは下請代金の還元材料になるわけですから。
この需給ギャップがバランスしたときにこそサプライサイド改革をやっていく、これを中心に今の成長戦略があるわけでありまして、好循環を回していく手順どおりに今進んでいるんだというふうに思っております。
〔金田委員長代理退席、委員長着席〕
○浅尾委員 二本目の矢の公共事業については、後ほど、実態の部分について議論をさせていただきたいと思います。
まず、一本目の矢のところの円安ということも少し触れていただいたと思いますが、一部、閣僚の皆さんの中でも、過度の円安は余りよくないといった発言も出ているわけでありますけれども、これは、アメリカの連銀が金融引き締めに転じる中で、日銀の方は金融緩和を続けていくから円安になるというのは、金融の理論でいえば当然のことだろうと思います。
過度の円安というのはやはり景気に影響を与えるというふうに私どもも考えておりますが、それは、今の日本の生産構造が、既に大企業が生産拠点を海外に移転してしまって、円安が例えば百十円でずっと未来永劫続けばもしかしたら日本に生産拠点を戻すかもしれないけれども、しばらくしたらまた円高になるということであれば、変動があるという前提でいうとなかなか、生産拠点をあえて戻さないということなんだろうというふうに思いますけれども、この過度の円安についての認識はどのように考えておられるか、伺いたいと思います。
○安倍内閣総理大臣 為替の水準については言及を差し控えたいと思いますが、一般論として申し上げれば、円安の影響は、輸入価格の高騰によりマイナスの影響を受ける企業もある一方、輸出企業や海外展開をしている事業者等にとってはプラスになるわけでありまして、両面あると言ってもいいんだろう、このように思います。
しかし、円高が行き過ぎれば、今、浅尾委員が指摘をされたように、物づくりの企業は海外への移転を決断するわけでありますし、また、国内への設備投資を行わずに海外への設備投資を行うということになるわけでありまして、まさに、そういう意味におきましては、工場あるいは物づくりの会社に物を納めている会社も含めて根っこからいわば仕事がなくなるという問題もあるわけであります。
もちろん、他方で、円安方向への動きに伴う輸入価格の高騰は、エネルギー価格の上昇等を通じて、中小企業や地方経済、そしてまた消費者に影響があるのも事実でありますから、そうした対策を打っていくと同時に、よく影響を注視していきたい、こう思うわけであります。
リーマン・ショック後から我々が政権を取り戻すまでの間、円安が固定化されたわけですね。円安が固定化されている中において、多くの企業が相当海外へ出ていくということになりました。同時に、輸出も相当減少したんですね。輸出は割と強い勢いで減少したのでありますが、我々が政権をとった以降に、確かに、そうした中で既に生産拠点が移っておりますから、当初の予測ほど伸びてはいませんが、しかし、輸出減はとまった、顕著にとまったのも事実であります。
この中において、いわばビジネス環境の変化において、投資を考える際、今度は海外ではなくて国内に投資をするという企業が出てくることを我々は期待しているところでございます。
○浅尾委員 円安の場合、海外で生産して海外で売っていたものの利益は、円安ですから、かさ上げされるという効果はあるんだろうということだと思います。
この円安については、後ほど外為特会の中で、これを使って財源をつくる話もちょっとお話をさせていただきたいと思います。
財政出動ということについて言いますと、実は、本会議で触れさせていただきました。公共事業の施行状況を見ますと、契約率は余り変わっていないんですが、実は、財務省に資料を出してくれと言ったら、財務省はまだ国分についてはその資料がないということでありましたけれども、実際にお金が渡っている割合というのは、例えばことしの六月の段階では、地方分、これは全国四十七都道府県と千七百市町村の中で、契約をされて公共事業を実施して、お金が渡っているのは六・九%しかない。多分、国も同じようなものだと思います。契約は三割から四割ぐらい入っているんだと思いますけれども、お金が回っているのは六月末の段階で六・九%。
これを調べてみたら、なぜそういうことなのかというと、一番大きな理由の一つは、金融環境が日銀の金融緩和の効果もあってかなりよくなっているので、いわゆる前受け金的な形で事業会社がもらうと、東日本信用保証とか、いわゆる国交省の関連の信用保証会社に保証料を払わなきゃいけない。その保証料を払うぐらいだったら、工事が完工してからの方がいいんじゃないかということでなかなかお金が回らないということが実態として私どもが調べたらわかったわけであります。
申し上げたいのは、今度、消費税を再度引き上げたとして、公共事業を積み上げても実際にはお金が回らないんじゃないか、だんだん回っていくかもしれませんが、すぐには回らない、効果がないんじゃないかというふうに思いますが、その点についての御意見を伺いたいと思います。
○麻生国務大臣 今の御指摘というのは、間違いなく、これまでのあれを見ましても、平成二十一年度からここまで見ましても、六月の公共工事の支出率というのは大体四%、三%でありますので、大体毎年この時期ぐらいですとそういうことになろうと存じますので、別にことしだけが特殊に低いじゃないかというわけではございません。毎年そういうことになります。
これは、進捗状況を見るときはやはり契約率で見た方がよろしいんだと思いますけれども、契約率を見ると、前年度比を見ますと、平成二十六年度の予算とともに、やはりこれは一〇%以上上回っておりますので、取り組んだ成果はそれなりにあらわれているんだと思っております。
それで、二十四年度や二十五年度の補正というところになるんだと思いますけれども、これはもう浅尾先生御記憶のとおりに、このときは、とにかくデフレ不況からの脱却、これが優先順位の一番でもありましたので、それに集中しましたし、それから、二十四年度の補正のときは、あれはたしか経済の底割れということが一番の大きな理由だったので、それにばっと集中してということで、反動減対策とかいろいろな形で需要の下支えを行ったものだと思います。
今おっしゃるように、足元のところを見れば人手不足じゃないか、資材が高騰しているじゃないか、地域によって差があるではないかという御指摘は私ども全く否定するものではありませんので、今後ともこういったところはきちんと詰めていかねばいかぬところだと思っております。
いずれにしても、早期実施の状況というのを見ますと、平成二十六年度の予算でも、この九月末では六割以上ということになってきておりますので、そういったものでは、確実に仕事を完工させているということになりつつあるんだと思っております。
○浅尾委員 今申し上げたのは、契約率ではなくて、実際にお金が回っている部分については保証料が実際の金融環境と比べて割高になっているので、そこまで早目にお金をもらうような形にしていないということを指摘させていただいたわけであります。
私は、財政出動ということであれば、むしろ民間の財政を出動、先ほど総理が言われたように、円安になってもし日本に投資をする環境がよくなってくるんだったら、それを喚起させるようないわゆる投資減税的なものの方がいいんじゃないか。これは指摘だけさせていただきたいと思います。
もう一つ、先ほど甘利大臣から御指摘がありましたけれども、需給ギャップが縮まってきた段階ではサプライサイドを整えていかなければいけない。サプライサイドを整えるに当たっては、私は、これは企業の、特にそんなに大きな企業でなくても、地域の企業、ないしは、企業ではないけれども、例えば地域において雇用を多くしている医療法人とか、そういったようなものの統合を進めていくということが結果として生産性を高めることになるんじゃないかなと思いますが、その観点から二つ伺いたいと思います。
一つは、この間の本会議で質問をさせていただいて、公的金融機関も、仮に、統合するに当たって私的な整理をした上で事業譲渡をするということもあり得ると思いますが、その私的整理をする当事者が日本政策投資銀行等の公的金融機関からお金を借りている場合に、民間の金融機関と同じように、例えば経営者に個人保証を入れていても何百万円かその財産を残す、そういうガイドラインを適用するというような発言があったと思いますが、そういう理解でいいのかどうか、確認のために一点伺いたいと思います。
○安倍内閣総理大臣 質問にお答えする前に、先ほど私、答弁の中で、二〇〇九年から、リーマン・ショック以降、我々が政権奪還をするまでの円高と言うべきところを円安と言ったようなので、あれは円高ということでございましたので、訂正をさせていただきます。
日本経済の活性化に向けて産業の新陳代謝を促進することは重要な課題であると思います。この観点から、本年一月に施行された産業競争力強化法に合併や事業譲渡などによる事業再編を促進するための方策を盛り込んだところでありまして、既にこれを活用した企業結合が動き始めています。
御指摘の、経営者保証に関するガイドラインについては、個人保証偏重の慣行を断ち切り、再チャレンジしやすい環境を整えるため、本年二月から運用を開始しています。民間金融機関のみならず、公的金融機関においても、このガイドラインに基づいて早期に事業再生や廃業を決断し、私的整理を行う経営者には一定の資産を残すことを可能とするように運用をしているところであります。
こうしたガイドラインの実効性を確保することで、円滑な事業の清算や、一度事業に失敗した人の再チャレンジを応援していきたい、このように考えております。
○浅尾委員 そういった方向性で生産性を引き上げていくことは、私は大変重要だと思いますので、ぜひそのことをお願いしたいと思います。
景気、消費税あるいは地方再生について、最後に一点だけ、ちょっと法人税について伺う時間がなくなってしまいましたけれども、地方再生について、石破担当大臣もいらっしゃるので、思い切って、この地方再生においては、全国一律というよりかは、そういう方向性だと思いますが、地方の中核都市に政策資源の集中をするべきだというふうに思いますが、それを行うに当たって、どのような形でやっていかれるか、伺いたいと思います。
○石破国務大臣 どこに歯どめをかけるかということですが、日本全国一律に同じことをやるつもりはございません。中核都市というような概念があって、そこで人口の流出をとめるという防衛的な考え方もあろうかと思います。
一方におきまして、仕事がないから地方から出ていくということではなくて、仕事をつくりに地方に行くのだという観点が必要でありますし、同時に、中核都市に集中をする、そこに防波堤を設けるということでありとせば、いわゆる中山間地、限界集落的なものをどのようにしてやっていくかという観点は必要であろうと思っております。そこにおいて、どのようなことが一番政策効果を発現しやすいかということは考えていかなければなりません。
投資に対してどれだけの影響があるか、効果があるかということは、厳密に検証しながらやってまいりたいと思います。
○浅尾委員 それでは、次の質問に移らせていただきたいと思います。
我々は、野方図に、要するに、財源の当てもなくいろいろなことをやれと言っているわけではありません。財源は、今活用されていないものもかなりあるということで、きょうは日本郵政の西室社長にも来ていただいておりますが、後ほど日本郵政についても御質問させていただきたいと思いますが、まず最初に、外為特会について伺いたいと思います。
ことしの三月末あるいは八月末においては、一ドルは百四円ということでありましたけれども、その百四円段階での外為特会の、まず米国ドル換算した資産の残高と、そして、その為替のいわゆる評価損について伺いたいと思いますが、私の理解では、これは百二十兆円ぐらいあって、為替の評価損では九兆八千六百億円だということだと思いますが、その数字で、百四円の段階で九兆八千六百億円だということでよろしいかどうか、伺いたいと思います。
○麻生国務大臣 為替評価損で九兆八千六百億、資産の超過額で、おっしゃるとおり、十二兆一千三百億円。
○浅尾委員 大体、総資産額百二十兆円ぐらいという理解でよろしいですか。
○麻生国務大臣 一・二兆ドル。
○浅尾委員 今、一・二兆ドルというお答えをいただきました。
百十円になると、六円動くわけですね、百四円から。そうすると、単純計算すると、これはドルだけじゃありませんので単純計算ではいかないんですが、ユーロとかも入っていますけれども、しかし、簡単にするために単純計算をさせていただきますと、一・二掛ける六円ですから七・二兆円評価損が減ります。私どもの計算ですと、大体百十二円の後半ぐらいになると含み損がなくなるということなんだと思います。
今まで外為特会が解消できないと言われていた最大の理由は、含み損があるからということなんですが、これは全国の皆さんにわかりやすく説明しろという多分委員長の御指摘もあろうかと思いますが、簡単に申し上げますと、日本国政府が国民からお金をお借りして、そのお金でもってドルを買って、買ったドルを米国債にしている。円高になると含み損になるけれども、円安になると含み益になる可能性がある。含み益になる可能性というのは百十二円の半ばぐらいだろうということなんだと思いますけれども、先ほど来、余り過度な円安になるとよくないというような話がありました。
私は、為替というものは基本的には中央銀行の金融政策でもって決定されるべきものであって、大きな外為特会みたいなものを持っている国というのは、実は、日本より大きいのは中国ですけれども、日本が世界で二番目、日本に次いで三番目が多分、国と言うと語弊があるかもしれない、台湾、四番目がサウジアラビアということで、いわゆるOECD加入の、先進国と言われている国の中で日本は突出して多いわけです。
介入というのを今後やっていかないということであれば、せめて為替差損がなくなるようなレベル、百十二円後半になったら満期になったものからもとの円に戻していくということによって、両サイド、借金も減らせるし、そして損もしない。借金も減らすと、大体百二十兆円ぐらいの借金がなくなるわけですから、一千兆円の借金のうちの一割強がそれでなくなるということだと思います。
こうした、満期になったものから、円安になっているんだったら、そういう方向性をとることが、そういう方向性を示すということだけでかなり円安の流れをとめていくこともできますし、そこで仮に含み益が出たら、いろいろな形でその含み益を使って、先ほど来出ておりますガソリン価格が急騰しているための対策にも使えるというふうに思いますが、その点について、財務大臣、ぜひ、官僚の言葉ではなくて、元企業経営者であった麻生大臣に、その観点から今私の指摘したことについてお答えいただきたいと思います。
○麻生国務大臣 今みたいな言葉にひっかからないようにしていたんですが。
先ほどの話ですけれども、浅尾先生、これはすごく大事なところで、二十三年を見ますと、一ドル七十七円で、そのときは二十兆八千億円の債務超過だったんですな、あのときは。二十四年になりますと、一ドル八十九円になっていますが、そのときは六・三兆円の債務超過。それが、二十五年度末になって百四円になって、先ほど言われましたように十二兆一千億円で、約十二兆円の黒、債務じゃなくて資産になったということなんだと思います。
いずれにしても、この外為特会で保有しておりますドルというのを売る、満期になったものから売れという話なんですけれども、これは基本的には円買い・ドル売りの介入ということになりますので、金融とか為替の市場には、これは何が起きるかわからぬ、極めて不測の事態が起きることになりますので、これはちょっと、うかつなことは申し上げられないので、特に私みたいな立場では全くうかつなことは一言も言えない立場にあります。慎重な検討が必要だと存じます。
○浅尾委員 私が申し上げているのは、そもそも外為特会というのはおかしな制度なんです。国民から借金をしてドルを買う、それはそろそろやめたらいいんじゃないですか。
すぐやめるというのはいろいろな影響があるでしょう。しかし、円安が進むという流れの中で、そこで利益が出ているんだったら、満期になったものから少しずつ減らしていく。そして、そこで出た要するに損じゃなくて利益というのを国庫に納付すればかなりの財源にもなりますし、過度な円安というものをその方向性を示すだけでとめていくということができるわけでありまして、考えると言うだけで口先介入になる可能性はあると思います。しかし、口先介入はそんなに効果は示さないだろうと思います。
大きな面でいうと、アメリカの米連銀が金融引き締めに転じて、日本はまだ金融緩和ということでいえば、それは円安になります。なりますけれども、日本が持っているその可能性を使うということを示すだけでかなりインパクトもあるでしょうし、そしてまた、そこで差益が出るのであれば、それを今の円安で困っているところの緊急対策の財源にするというのは、まさに、無責任なことではなくて、ちゃんと財源の当てもある対策になるのではないかというふうに思いますので、そのことも含めて総合的に財務大臣はどのように考えられるか。
このことを申し上げるのは、実は、かつて、これは自民党が与党のときだったかもしれませんが、今厚生労働大臣をやっておられます塩崎さんが、これはあえて言う必要のある話かどうかわかりませんが、外為特会で財務官僚が留学しているとか、百何兆ものお金を十数名で管理していればそれぐらいのことはできるということを、私が指摘したんじゃなくて、塩崎大臣が指摘したんですから。
そういったこともある話なので、ですから、そういう、不明朗とまでは言いませんが、他の先進国がやっていないことは日本もそろそろやめていく方向性ぐらいは示したらいいんじゃないかと思いますが、その点についてのお考えを伺いたいと思います。
○麻生国務大臣 かつて、橋本龍太郎、時の内閣総理大臣が何と言われたか。そのころ議員をやっておられたかどうか存じませんけれども。時々大量に持っているアメリカ国債を売りたいなという気持ちになることもあると言って、この程度のことだけで株に一体どのような影響が出たかというのは、もうあの当時の新聞、一面これで全部ですので。
私もあしたの一面トップに載る気もありませんので、済みませんけれども、今御指摘のあった考え方というのは、前々からよく指摘されているところでありますので、先ほどの答えと同じで恐縮ですけれども、慎重に検討をさせていただきたいと存じます。
○浅尾委員 ぜひ慎重に、そして合理的に検討していただけるようにお願いしたいと思います。
それでは、次の質問に移らせていただきたいと思います。
きょうは、私も大変尊敬しております日本郵政の西室社長にもお出ましをいただいております。
来年度、日本郵政が上場を予定しておりまして、今、日本郵政、これは間接的に子会社であるゆうちょ銀行を一〇〇%持っておりますが、ゆうちょ銀行が持っている資本が十一兆円、そして日本郵政がその他の部分で持っているのが一兆数千億なので、十二兆円の資本を持っているわけでありますが、来年、日本郵政が上場を予定されております。
西室社長は、元東京証券取引所の社長であられたわけでありますけれども、十二兆円の資本を持っている会社ですけれども、利益は日本郵政の計画で二千二百億円ぐらいしか出ない。二千二百億を十二兆で割ると、物すごくROEの低い会社になるということでありますし、そういうものを上場した場合に、つく株価も低くなるだろう。低くなるというのは、その資本に対して低くなるということが予想されます。
一般に、東京証券取引所に上場しているいわゆる大手の大銀行が大体利益の十倍ぐらいが時価総額だというふうに理解しておりますので、郵便事業そしてかんぽ生命事業はそんなに利益が上がっていないという前提で言うと、ゆうちょの利益が大宗だ、そうすると、二千二百億の利益に対して十倍というと、二兆二千億しか値段がつかない。
かたがた、資本が非常に厚いということを考えると、先に、上場前に四兆円ぐらい減資をする、減資をして国庫に配当したらいいんじゃないか、そうすることによって国が財政難の中で非常にお金も回していくことができるんじゃないかということを、わざわざ新聞広告まで、みんなの党の党費を使って訴えさせていただいたので、それをパネルにさせていただいているわけでありますけれども。
先般、代表質問の際に、総理の答弁では、これはゆうちょ銀行が考えるべきだという発言がありました。
私は、今の安倍政権が企業にガバナンスを求めるということであれば、現在のゆうちょ銀行の株主は日本郵政でありますが、日本郵政を一〇〇%持っているのは日本国政府なので、不適切な資本の状況であるとすれば、日本政府としてもそれは株主として指摘をする、監督官庁ではなくて株主として指摘をするというのは当たり前のことなんじゃないかと思います。
まずそのことについて、ゆうちょ銀行が一義的に考えるべきだというふうに総理は御答弁いただきましたけれども、株主として日本国政府が発言をするべきではないかということについてはどのように考えられますか。
○高市国務大臣 郵政民営化法に基づきまして民営化された日本郵政グループにおけます「経営の自主性、創造性及び効率性を高める」、これが基本理念として掲げられております。
ゆうちょ銀行につきましては、みんなの党で御提案されている減資につきましては、ゆうちょ銀行と、そしてその株主であります日本郵政の御判断によるものであると考えます。
○浅尾委員 私は監督官庁である総務大臣に伺ったんじゃなくて、株主は多分財務大臣だと思いますので、株主としてどういうふうに考えるかということです。
○大島委員長 それでは、財務大臣、株主として。
○麻生国務大臣 一人株主だということ、一人株主というか財務相が株主、一人で、一者で持っているということなんだと思いますが、今言われましたように、コーポレートガバナンスだ、スチュワードシップ・コードだと言っている話と今の話とちょっと合わないではないかという御指摘なんだと思います。
これは私どもも、今言われるようなことは私どもの話としては考えないわけではありませんけれども、これは浅尾先生、ほかの役所ならともかく、財務省がこれを言った途端に不当介入じゃないかと言われることはまず間違いないだろうと思いますね。財務省というのはちょっとしただけでも必ず言われる役所だということを百も二百もわかってからちゃんと財務大臣を引き受けろと言われましたので、私もそう思いつつ、かれこれ二年たちますけれども。
ちょっとしたことでも、やはりこの話は世界じゅう大きく関心のあるところでもありますし、ファンドなんかもえらくここに興味のあるところでもありますので、ここのところに関しましての発言は控えさせていただきたいと存じます。
○浅尾委員 私は、今は日本国民全員の財産が日本郵政だ、これは一旦上場すると一〇〇%日本国民の財産じゃなくなっちゃうので、今のうちにやるべきことをやっていったらいいんじゃないかというふうに思います。
私どもがゆうちょ銀行は過剰資本じゃないかと指摘をしていたら、ずっとゆうちょ銀行は過剰じゃないと言っておったんですが、最近、七千億円を年金債務に使う、そして六千億円を運輸事業に使うということで、一兆三千億円過剰だったというふうに認められましたが、その間の経緯について、西室社長に伺いたいと思います。
○西室参考人 御質問いただきまして、どうもありがとうございます。
基本的に、過剰であるかどうかという判断も含めて、私どもは経営について全面的に国からお預かりしているという意識は明らかにございます。しかしながら、今御指摘のような、その中でどういうふうに運営をしていくかということについては経営判断のうちであるということで、まず、私どもは、資本構成について約一年間いろいろ考えました。
それで、これは歴史のことを申し上げるわけではございませんけれども、そもそも日本郵便という会社が、非常に大きな人員と、そしてその中の、これから先のユニバーサルサービスの義務を負っている、その先端になって仕事をする会社であるにもかかわらず、極めて資本が少ない、これを何とかしなきゃいけないというのが一つ。
それから、もう一つの問題点は、今御指摘の整理資源と称する、これは昔の公務員さんの、昭和三十四年に公務員の恩給を、仕組みを変えられたときに、郵政の方に、その当時で約一兆二、三千億、それは私ども郵政が責任を持って返してくれ、こういうお話があったものの残りが今七千億ぐらいあります。この七千億というのは、私どもとしては、どういう形にこれから持っていくのがいいか、上場を含めて考えれば、これは信託資産にした方がいいだろうということで、オフバランスにすることを七千億については考えました。
それから、もう一つの六千億の分でございますけれども、これはあくまでも、日本郵便という会社を本当の意味で国民のためにお役に立つ、日本の地域社会の役に立つような、そういう仕組みをつくっていくのには余りに資本が小さ過ぎる。そして、資本が小さいばかりに、この会社は、私がまだ社長になって日は浅いんですけれども、本当に、設備投資もほとんど使えないという状況にございました。これは変えておかなきゃいけないだろうということで、そこで六千億を計算した、そういうことでございます。
あわせてその二つは、経営の判断として絶対にやらなきゃいけないことでございます。
それから、先ほど御指摘の、今の株の相場からいえばという発想でおっしゃられましたけれども、私ども、現状では、約四兆円を国家のために上場によってお返しするというお約束もしております。
そして、これは当然のことながら、上場の仕方をしっかり考えてやっていくことでございますから、来年、一番最初の上場をやらせていただくときには、多分、約一〇%あるいは一五%程度の上場にする。それは、マーケットが本当の意味で、私どものお役に立つための改革あるいはその先、それを御理解いただくことが非常に難しい。そうすると、それの評価というのは、先ほど御指摘のとおり、非常に低くなる可能性がございます。
しかし、これを受けとめながらでも上場をしろというのは、これは郵政民営化法によって決められたことでございますから、必ず上場はいたします。しかし、ほぼ一〇%か一五%の上場から始めて、その後徐々に株を放出していくということで、最初の場合の値段というものについての影響は約一〇%程度の話で、これで初値が決まる、そしてマーケットバリューが決まる。その先について、私どもとしては、大きな希望を持っておりますし、国民の皆様方にも期待をしていただけると思いますので、必ず四兆円の分は国にお戻しすることができるような上場をしっかりとやらせていただくということでございます。
○浅尾委員 西室社長に伺うよりは、今の御答弁を政府に伺った方がいいと思うんですが、上場によって、一回目ではなくて、将来的に、全部売らないけれども、四兆円を約束していると。約束は結構なんですが、約束を実現する責任の主体は誰なのか、それを実現できなかった場合にどういうふうに責任をとるのかを伺いたいと思います。
○西室参考人 多分、最終的な責任は現在の一〇〇%株主にある、こういうお考えでおっしゃっていると思います。
しかし、私どもは、一〇〇%株主からの信任を得て、そして会社の経営をやらせていただいております。この責任は、私ども経営陣、そしてまた従業員全員が負うものだというふうに思っております。
したがって、これから先の、政府の責任になるような、そういう空約束をしているつもりは全くございません。
以上でございます。
○浅尾委員 実は、四兆円というのは、東日本大震災からの復興で、日本郵政の株を売却して財源とするのが四兆円というふうになっている。したがって、これは本当は政府が四兆円で売る責任を持っているわけですね、その何%かは別として。経営を担っておられるのが西室社長。ですから、私は別に西室社長にその点において責任をとれということを言うつもりは全くないんです。
しかし、日本郵政自身が、今の利益の計画でいうと二千二百億しか出ない。それを、大きな投資をしてよっぽどその二千二百億が四千億、五千億になるということであれば、四兆円、それもトータルです、全部売って初めて四兆円ぐらいの値段につくということなので、そういったことも含めて、できることは、過剰に持っている資本があれば、それを先に国庫が吸い上げるということを、ぜひ政府においても、ひそやかにで結構でございますから、新聞の一面にならないように、検討していただくようにお願いをさせていただいて、私の質問を終えたいと思います。

 

 

予算委員会(外交・安全保障政策についての集中審議)平成26年07月14日

2014年07月14日 (月)

186-衆-予算委員会-18号 平成26年07月14日

2014年7月14日、衆議院予算委員会で外交・安全保障政策についての集中審議

 

○浅尾委員 みんなの党の浅尾慶一郎です。
私どもも、我が国の周辺の安全保障環境が変化しているということについてはよく認識をしているところであります。そしてまた、本日の議論の中で、集団的自衛権の行使が抑止力の向上につながるということについての議論が幾つか行われているわけでありますけれども、そのことについて、幾つか総理並びに関係の閣僚に伺ってまいりたいというふうに考えております。
つまりは、抑止力の向上につながることが、結果として戦争につながらないということの説明をしっかりと政府にはしていただきたいというふうに考えているわけでありますけれども、その一つのポイントとして、今回の新三要件の中に、我が国と密接な関係にある国ということがあります。これは、現時点で密接な関係がある国として想定できるのは米国ということになるわけでありますけれども、米国以外のものも含まれるという解釈でよろしいでしょうか。
○安倍内閣総理大臣 新三要件の第一要件に言う我が国と密接な関係にある他国については、一般に、外部からの武力攻撃に対し、共通の危険として対処しようという共通の関心を持ち、そして我が国と共同して対処しようとする意思を表明する国を指すものと考えています。
具体的にどのような国がこれに当たるかについては、あらかじめ特定されているものではなく、武力攻撃が発生した段階において、個別具体的な状況に即して判断されるべきものでありますが、もちろん、我が国の平和と安全を維持する上で、日米同盟の存在及びこれに基づく米軍の活動は死活的に重要であり、同盟国である米国は基本的にこれに当たるであろうと考えております。実際、これまで政府が示してきたいずれの事例でも、米国をその具体例として示してきたところでございます。
もちろん、これは第一要件でありますから、直ちにこの第一要件になれば武力行使ということではなくて、三要件全部に当てはまらなければならないわけでございますが、他方、米国以外の外国がこれに該当する可能性は、現実には相当限定されると考えていますが、いずれにせよ、個別具体的な状況に即して判断されることになります。
いずれにせよ、憲法上、武力の行使が許容されるか否かは、これは繰り返しになりますが、我が国と密接な関係にある他国に対する武力攻撃が発生したことによってのみ判断されるものではなくて、新三要件を満たすか否かによるものであるということでございます。
○浅尾委員 少し過去の歴史も振り返って考えてみたいと思いますけれども、これまで我が国は、第二次世界大戦のみならず、累次の戦争に従事をしたことがあるわけでありますが、国策として、例えば日露戦争の場合はイギリスという同盟国がありました。第二次世界大戦の場合は日独伊三国枢軸ということでありますけれども、その過去の例を考えますと、明確に価値観を共有できるところと同盟関係のあるときは国策を誤らなかったと言ってもいいのではないかなというふうに思うわけであります。
そんな観点で、米国ということを今聞かせていただいたわけでありますけれども、仮に、米国以外の国も密接なということで判断をする場合に、現時点でということで結構でありますけれども、その場合は米国も集団的自衛権を行使している状況だというふうに考えていいのかどうか、伺いたいと思います。
○安倍内閣総理大臣 第三国については、先ほど答弁をさせていただきましたように、これは相当限られるわけでございまして、そして、そのときの状況で判断をしなければならないわけであります。
今委員が御指摘になったような、その国が米国と同盟関係にあって、いわば共同対処しているという状況かどうかということも、もちろん、そうしたことも全体がさまざまな検討要因の一つになるかもしれませんが、それがもちろん、それによって直ちに密接な関係にあるということではない、このように思います。
○浅尾委員 午前中ないしは午後の議論でありました、例えば機雷を除去するといったようなときに、実際に攻撃されている、ホルムズ海峡が例に出されていましたけれども、攻撃を受けている国は基本的には米国ではなくて、どこか違う国が攻撃を受けた結果、機雷がまかれているということで、そこに対して米国が集団的自衛権を行使している、その攻撃されている国の自衛のためにあるいは防衛のために行使をする、そして、そのときに、我が国にとっても石油というようなものが大変重要な経済資源でありますから集団的自衛権を行使する可能性もあるというのが、多分、午前中の答弁だったと思いますが、その場合のケースでいうと、攻撃されているのは米国以外の国という理解でよろしいでしょうか。
○安倍内閣総理大臣 どういう経緯をたどってホルムズ海峡に機雷を敷設するかどうかということでありますが、これはさまざまなケースに属するだろうと思います。また、この機雷自体がどの国を目がけて敷設されたかどうかということもあると思いますし、また、単に、国際社会に対する挑戦としてここに機雷を敷設していわば国際的な混乱を引き起こすという目的かもしれないわけでございまして、その状況状況で判断をしなければならないわけでございます。
例えば、日本に入ってくるタンカーが触雷する場合は、そのタンカーが運んでいるものは日本向けであったとしても、そのタンカーが所属する国は別の国であり、いわば触雷することによって、その国が事実上攻撃を受けた、こう考える場合もあるかもしれません。
この機雷の掃海については、そうしたさまざまなケースの中において、遺棄機雷であればこれは危険物除去でできるわけでございますが、国際法的にこれはもう停戦がなされている、武力の行使として機雷を敷設したという行為が事実上継続をしているという中においてどう判断するかということについては、米国との関係でそれが発生するかもしれません、それはほかの国との関係で発生するかもしれない、または、輸送しているタンカーとの関係かもしれない。そのところは、今明確には申し上げることはできません。
○浅尾委員 次の質問に移らせていただきたいと思いますが、新三要件の、これにより我が国の存立が脅かされるということについて、その具体的な事例に当たるかどうかということで伺ってまいりたいと思います。
割と最近の事例で申し上げますと、九・一一の事例がございます。このときには、我が国の国民も、世界貿易センタービルの中に閉じ込められて亡くなっております。こういったような事例というのは、九・一一の場合は新三要件に当たるのかどうか。
このことをなぜ伺うかというと、結果として、アメリカは個別的自衛権を発動して、テロリストの巣窟であると言われておりましたアフガニスタンを攻撃したわけでありまして、そしてまた、NATOあるいはオーストラリアといったようなところは、そのアメリカの個別的自衛権の発動に対応して、集団的自衛権を発動してアフガニスタンに行った。その際に、我が国は、インド洋での給油ということで、いわゆる非戦闘地域での活動をしたわけでありますが、少なくとも、考え方としては、国際社会が対応する、テロリストに対する、いわゆるテロとの闘いに参加をした。
このインド洋の海上自衛隊の派遣承認については、多くの政党が賛成をして国会を通過したわけでありますけれども、今回の解釈の変更によって、九・一一のようなものは、我が国の存立が脅かされる事例になるのかどうか。つまりは、テロリスト活動が累次にわたって行われるということは、我が国にも影響を与えるのかどうか。そこはどういうふうに考えておられるか、伺いたいと思います。
○安倍内閣総理大臣 いわば九・一一でワールド・トレード・センターが破壊されたわけでございますが、こういった行為に対して我が国が集団的自衛権を行使して武力を行使するか否かということについては、これは新三要件には当てはまらないと考えます。
他方、かつて行った給油活動については、これは武力の行使ではない。いわば、一体化しない中においての給油活動を行っていたということでありますから、これは三要件とはかかわりがない行為になるわけであります。
○浅尾委員 このことを伺ったのは、私は、九・一一の後のインド洋での給油というのも、ある種、日米同盟を強化するという側面があったのではないか、すなわち、抑止力の向上という側面が結果としてあったのではないかというふうに思いますが、今回、いわゆる憲法解釈を一部変更するに当たって、対応の仕方が、しかし、変更したけれども変わらない、我が国の対応の型が変わらないということであるとすると、抑止力の向上にそれ以上の効果は持たないという理解でいいのかどうかを伺いたいと思います。
○安倍内閣総理大臣 今回、まさに我が国と密接な関係にある、これは米国が当たる可能性が高いということについては先ほど申し上げました。
ただ、直ちにそれが、集団的自衛権の武力行使を行う三要件に合致するかどうかというのは別の話でありますが、しかし、新三要件になれば集団的自衛権を行使できることになるわけでありまして、例えば、近隣諸国の有事における、邦人のみならず難民の、邦人も含め難民の避難において、そのオペレーションにおいて、日本が三要件に合致をして協力をできるようになるということは、当然これは日米で共同して、日本人、米国人も含め、地域の人々の安全を守る行為を我々も一緒にやる。
そして、もちろん、それをほっておけば、我が国行為に発展する中において三要件に合致をするということでございますが、当然、そうしたことを一緒にやっていくということは、まさにそういう姿を見せていく、またあるいは、そのために、平時から日本と米国が、米軍と自衛隊が共同訓練あるいは共同演習等々を進めていくことになりますから、当然これは同盟関係のきずなが強くなり、抑止力は向上する、このように考えております。
○浅尾委員 今回の閣議決定の中には、先ほども議論がありました、武力行使との一体化ということについて、現に戦闘が行われていない現場ということが議論の中で出てまいりましたけれども、九・一一の後の我が国の活動に加えて、私の理解では、米国側から、CH47、日本が持っているヘリを現地に派遣して、負傷した兵隊の輸送をしてほしいという依頼があったというふうに聞いております。
現に戦闘行為が行われていないところで負傷した他国の兵士を運ぶというのは、これは新三要件とは直接は関係ありませんが、そういったことを、新しい法制をつくった場合には対応ができるという理解でいいのかどうか、伺いたいと思います。
○安倍内閣総理大臣 今の御指摘の件は、まさにこれは、個別法をつくっていく中において、これは憲法との関係もありますが、実際にそうしたオペレーションを自衛隊がするかどうか、できるかどうかということも含めて、個別法をつくっていく段階で検討していきたい、このように考えております。
○浅尾委員 そうすると、確認ですが、現段階のこの閣議決定における憲法解釈においては、明示的に、今申し上げたことについては、どちらとも言えないということでしょうか、それとも言えるということですか。
○安倍内閣総理大臣 後方支援につきましては、水とか弾薬とかあるいは医療の提供、供給とか医療の提供ですね、医薬品の提供ということはできるわけでございますが、その場所を、今まで非戦闘地域だったわけでありますが、戦闘現場ではない場所ということでありまして、そういう整理としたところでございます。
その中で、具体的にどういうことを、どういうところにあるということは、まず法律ができて、そしてその中においてまた判断がなされるということではないかと思います。
また、自衛隊員の安全の確保ができるかどうかという観点も重要な観点ではないかと思います。
○浅尾委員 先ほど申し上げましたけれども、私は、インド洋での給油ということについては、基本的にはこれは日米同盟の強化につながったというふうに思っておりますが、現に、人道的な理由で負傷した兵士を運ぶということも、これは医療という観点から、特に、現に戦闘が行われていないというところであればそれはできるというふうに、今まではできなかったわけでありますが、できるというふうに解釈をすることが結果として日米同盟の強化になり、抑止力の向上になるということだと思いますので、その点について、もう一度総理のお考えを伺えればと思います。
○安倍内閣総理大臣 現に戦闘行為が行われていない、現場となっていない場所、現に戦闘行為が行われている現場ではない場所であれば一体化はしない、よって憲法上これは許される後方支援であるという、今回整理したところでございますが、個別にどういうオペレーションを行っていくかということについては、先ほど申し上げましたように、まさに能力とニーズ等々も含めて、個別法の議論においてしっかりと検討していきたいと思います。
○浅尾委員 次の質問に移らせていただきますが、「国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険」というふうに新三要件の中に書いてあります。午前中及び午後の議論の中でもありましたが、ホルムズ海峡が封鎖される事例というのが幸福追求の権利が根底から覆される事例というふうに多分御説明をされたのではないかなというふうに思いますが、そういう理解でよろしいでしょうか。
○安倍内閣総理大臣 いかなる事態が、「我が国の存立が脅かされ、国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険がある場合」に当たるかは、個別具体的状況に即して判断すべきものであって、一概には言えないわけでありますが、ホルムズ海峡において、もし機雷で封鎖されれば、日本向けの原油八割、そして天然ガスの二割強が同海峡を通過してまいりますから、これは入ってこないのみならず、世界経済にまず大きなインパクトを与える、そしてエネルギーの供給体制が大きくこれは脅かされるわけでございます。ひいては、日本は全てのエネルギーを輸入しているわけでありますから、日本経済は甚大な打撃をこうむるということであります。
これはまさに、国の存立の基盤は経済でありまして、この基盤自体が脅かされるかどうかという判断をする対象にはなるだろうと。直ちに三要件にはまるかどうかというのは、その事態の状況あるいは国際的な状況等も勘案して決めていくことになるんだろう、このように思います。
○浅尾委員 今御答弁いただきましたけれども、石油の八割ですかということでありますけれども、この石油依存度が中東地域から多様化して下がっていった場合には当てはまらなくなるというふうに考えていいのかどうか、伺いたいと思います。
○安倍内閣総理大臣 まさに、今浅尾委員が指摘された観点から多角化を図ろうとしているわけであります。シェール革命もあります。米国から、米国でもさまざまな地域から、あるいはロシアから、そういうルート、また、今回私はパプアニューギニアに行ってまいりましたが、パプアニューギニアから先月初めてLNGが日本に入ってくることとなりました。
これを確固たるものにしていくために、パプアニューギニアに参りまして、首脳としっかりとした関係を構築してきたところでございますが、今言ったように、死活的な利益となるかどうか、打撃を与えるかどうかということについては、そこに負っている、これは当然、エネルギーのそこを通る比率は大きな要素になってくるんだろう、こう考えるところであります。
○浅尾委員 では、次の質問に移らせていただきますけれども、必要最小限度の実力行使というのも、非常に、何をもって必要最小限度かというふうに、解釈するのが難しいところだと思いますが、これは具体的に言うとどういうことになるのか、お答えいただければと思います。
○安倍内閣総理大臣 新三要件に言う必要最小限度とは、我が国の存立が脅かされ、国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆される原因をつくり出している、我が国と密接な関係にある他国に対する武力攻撃を排除し、我が国の存立を全うし、国民を守るための必要最小限度を意味するわけであります。
なお、国際法の用語で言えば、武力の行使の態様が相手の武力攻撃の態様と均衡がとれたものでなければならないという、均衡性を意味するものであります。
その具体的な限度は、武力攻撃の規模、態様等に応じて判断すべきものであると思います。
○浅尾委員 したがって、相手の武力攻撃の度合いが大きければ必要最小限度の度合いも大きくなるという理解でよろしいでしょうか。
○安倍内閣総理大臣 これはもちろん、我が国の防衛力の限界というものもあるわけでありますが、この均衡性ということの中において必要最小限度を判断していくということになるんだろう、このように思います。
○浅尾委員 では、次の質問に移らせていただきたいと思いますが、冒頭申し上げました、我が国をめぐる安全保障環境は変化しているということは、私どもも認識いたしております。
その中において、今回、限定的な集団的自衛権の行使が容認されるということが抑止力の向上に寄与するということでありますけれども、これは具体的に言うとどういう形で抑止力の向上に寄与するのか。冒頭私が申し上げましたように、日米同盟の機能が強化されることによってそうした事態にならないということをもって強化されるというふうに理解すればいいのかどうかを伺いたいと思います。
○小野寺国務大臣 今回、このような安全保障法制の、今後検討する中で、例えば、今、日米同盟の言及がございましたが、日米の防衛協力のガイドラインということにつきましては、ことしじゅうに一応策定するということになっております。その中で今回の新しい考え方を織り込んでいくということは、より日米同盟の強化になるということ、これは、例えば、先日訪問しました米国におきましてもヘーゲル国防長官から明確にそのようなお話がありました。
私どもとしては、日米同盟を含めたさまざまな強化をすることによって、それが抑止力につながり、結果として、この東アジアを含めた地域の安定が重要だと思っております。
○浅尾委員 我が党も日米同盟が外交の基軸だという立場に立っておりますけれども、同時に、日本の外交は、国連というものを大変重要視しております。
そういう観点でいいますと、国連の安保理の決議のあります集団安全保障は、これは当然、集団的自衛権とは別の活動になるわけでありますけれども、午前中もお答えいただいたのでそこは大丈夫だと思いますけれども、集団的自衛権である活動をした後に、その活動が安保理の決議があって集団安全保障に移行するというような場合もあり得るだろうと思います。
私自身は、安保理決議があるということは、これは常任理事国が拒否権を発動していないということが前提でありますから、より国際社会全体における共感が得られる活動だというふうに思いますので、そういう意味では、集団的自衛権の行使をした後、集団安全保障にその同じ内容の活動が移行した場合には、全てその活動に参加をするという理解でいいのかどうかを伺いたいと思います。
○安倍内閣総理大臣 この新三要件は、我が国の憲法との関係において武力行使が可能かどうかを判断するものであります。
その中で、集団的自衛権の行使、三要件に適した行使を行っている中において、国連決議がなされて、そして集団安全保障という行為に移っていく中において、それはそこでやめるのかといえば、行使を続けるかどうかは、これはあくまでも新三要件との関係で判断するということでございまして、そこで、この新三要件に状況としてそぐわなくなればこれはやめるわけでありますが、新三要件に合う状況であれば、これは当然、集団的自衛権が集団安全保障の措置に変わったとしてもそれは続いていくということになるわけであります。
これは、我が国が攻撃をされて個別的自衛権を発動している中において、国際連合がこれはひどいじゃないかということで安保理決議をして、これが集団安全保障措置に変わったら、自衛隊はもうやめなければいけないのかというのは極めてばかげた議論になるのは当然のことでありまして、それと同じということでございます。
○浅尾委員 私が今この集団安全保障の話をしておりますのは、私の理解では、現在の米国の政権は、国連を、その前の政権との比較でいうと、安保理ということについて比較的重要視しているのではないかというふうに思います。
そういう意味で、もし日米同盟の抑止力を強化するということからすると、集団安全保障のもとでの活動について、従来と多少違うことをするというふうにおっしゃった方が日米同盟の強化につながるのではないかというふうに私自身は理解しておりますが、その点についてどのようにお考えになりますか。
○安倍内閣総理大臣 集団安全保障におきましては、いわゆる後方支援については、先ほど申し上げましたように、今までの範囲を変えるわけでございます。そしてまた、これは武力行使ではありませんが、武力行使を伴わないものでございますが、いわば国際協力としてのPKO活動において、今回の閣議決定におきまして、今までは、これは武力の行使ではなく武器の使用でありますが、警察権の行使として、いわばPKOに出ている部隊が一緒に活動している部隊あるいはそこにいて活動しているNGOの人々を警護することが可能になるということでありますから、これは国連が行っているPKO活動において、より我々は貢献することが可能になってくるのではないかというふうに思います。
○浅尾委員 今回の閣議決定によって、従来では実現できなかったことで我が国の抑止力向上になるような事例というのが一つでもあれば、挙げていただければと思います。
○安倍内閣総理大臣 全体として、一つの事例というよりも、すきのない備えをつくっていくわけであります。米国との関係においては、特にガイドラインの見直しとこれは相まって、日米安保体制の実効性を一層高めることができる、このように考えているわけでありまして、日米でともに力を出し合い、協力し合っている姿を見せることについて、いわば一体となっている日米関係、同盟としてのきずなを強めているこの日米関係に対しては、チャレンジする国はより少なくなっていくだろう、このように思います。
○浅尾委員 終わります。
○上杉委員長代理 これにて浅尾君の質疑は終了いたしました。

 

予算委員会 平成26年05月28日

2014年05月28日 (水)

186-衆-予算委員会-16号 平成26年05月28日

○浅尾委員 みんなの党は、公務員制度改革を中心とした行政改革、あるいは市場重視の経済政策、そして地方分権の推進といったようなことを、本来、今進めていくべきテーマだというふうに思っております。
そういう意味では、この国会において、特に経済政策をしっかりと進めていくべきだというふうに考えておりますけれども、安倍総理が安保法制懇に依頼された集団的自衛権の問題についても、安全保障環境の変化ということを含めて、しっかりと、逃げずに考えをまとめようということで、先般、我々の考え方の素案をまとめさせていただきました。また、私自身の考え方につきましては、ただいまお配りをさせていただいております新聞の記事のインタビュー等にもまとめさせていただいております。
基本的に、集団的自衛権というもの、あるいは個別的自衛権も、きょうは麻生財務大臣もお越しですけれども、吉田総理の最初の衆議院本会議の答弁の際には、個別的自衛権も読めないという衆議院本会議の答弁があるわけでありまして、個別的自衛権自体も、いわば解釈から、朝鮮戦争を含めた解釈から生まれてきたということから考えますと、私自身は、本来、法律からすれば、自衛権というものを憲法に書き込むべきだというふうに思いますが、個別的自衛権が読み取りで生まれたということからすると、今回、集団的自衛権を読み取りで生んではいけないということは必ずしも言えないのかなという立場であります。
その上で、幾つか質問させていただきたいと思います。
まず、集団的自衛権の行使を容認することによって、変化をした安全保障環境において我が国の抑止力がどう向上するのかという観点から総理にお伺いをさせていただきたいと思います。
具体的に出す安全保障環境の変化の事例は、安保法制懇の中で取り上げられている、変化した安全保障環境というもので取り上げさせていただきたいと思います。
まず第一に、大量破壊兵器及びその運搬手段の拡散、高度化、小型化というものが挙げられております。これは、核保有国が、ふえてはいけないんですが、北朝鮮等々が核実験をしている、あるいは、我が国をカバーするノドンそしてテポドン2というようなものを持っているということは御案内のとおりでありますが、この集団的自衛権の行使を容認することによって、こうした大量破壊兵器及びその運搬手段に対する対応策として、どう我が国の抑止力が向上するんでしょうか。

○小野寺国務大臣 我が国を取り巻く安全保障環境、今委員が御指摘のありましたように、大変厳しさを増しております。例えば、大量破壊兵器、弾道ミサイル等の軍事技術の高度化、拡散があります。テロやサイバー攻撃等の脅威は瞬時に国境を越えてまいります。
これらの事象と集団的自衛権との関係を一概に申し上げることは困難でありますが、今や、これらのことは厳然たる事実でありまして、どの国も一国のみで平和を守ることはできないということであります。
こうした現実の中、いかなる事態に対しても、国民の命と暮らしを守り抜くためには、切れ目のない対応を可能とするような法整備を含め、今委員が御指摘ありました、テロ、サイバー、宇宙を含むあらゆる分野で、例えば日米同盟、関係各国との協力を強化することにより、すきのない備えが必要であります。それによってこそ、抑止力が高まり、紛争は回避され、我が国が戦争に巻き込まれることがなくなると思っております。

○浅尾委員 大臣、せっかく御答弁いただきましたけれども、一般的な世論調査を見ると、集団的自衛権行使容認に対しては反対の方が多いんです。今のような、申しわけないですけれども、書かれた答弁を読まれても、どういう部分でどう抑止力の向上になるかということにつながらないと思いますので、あえて個別のことで申し上げました。
まず最初に、大量破壊兵器について伺いたいと思います。

○安倍内閣総理大臣 いわば大量破壊兵器とその運搬手段を、例えば、北朝鮮は既に保有していて、日本を射程に入れているということであります。我が方は、それに対して、ミサイル防衛によって、海上発射型SM3とPAC3において迎撃体制をつくっているわけでございますが、この迎撃体制においても日米で連携をしているわけであります。
しかし、これがだんだんだんだん、さらに進歩していく段階で、いろいろな段階での迎撃が可能になっていくわけでありますが、ここにおいて日本のイージス艦と米国のイージス艦が緊密な連携を最初からとれるようにしていくということは、まさに共同で完全に対処していくということになるわけでありまして、抑止力としては、日本への攻撃に対して日米で共同対処をするということが最初から明確になっていくということにもつながっていくということも検討していく必要があるんだろう、それは当然、抑止力は高まっていくということになるのではないか、このように思います。

○浅尾委員 北朝鮮の事例で申し上げますと、多分、集団的自衛権という観点からと、もう一つ、これは防衛省、政府としても検討ということになっております、鳩山一郎内閣のときの見解で、いわゆる策源地攻撃というものが憲法上、これは個別的自衛権で許されるということになっておりますが、そのことを検討し、その体制をとった方が、撃ち出されたミサイルを撃ち落とすよりも、確率論として言えば、単純な確率論として、立法論、政策論とは別に、高いのではないかと思いますが、その検討状況はどういうふうになっていますでしょうか。

○小野寺国務大臣 委員の御指摘がありましたように、累次にわたって例えば日本を攻撃するような、ミサイル攻撃をするような、そういう基地に関して、そこに打撃力をもって反撃をするということに関しては、これは憲法上許されるという解釈は既にございます。
今回、防衛大綱をつくるに当たりまして、総合的な対応をするということで私どもは検討することになりますし、また、実は、この役割は、現在日米の間で、例えば、日本は攻撃してくるミサイルを防ぐ役割、そして、策源地、反撃をする役割は一義的には米国がしっかりそれを担う、そのような役割分担を協議していくのが日米のガイドラインということになります。
こういう関係をしっかりすることが大切だと思っております。

○浅尾委員 安保法制懇の答申に従いますと、次の安全保障環境の変化の事例として挙げられているのは、国境を越える、国に準ずる主体によるテロということになります。我々が一番最近経験しているものとしては、これ自体は国に準ずる主体かどうかは別として、ナイジェリアにおける少女の誘拐というのも場合によってはそれに当たるかもしれません。
実際に集団的自衛権ないしは個別的自衛権が行使された事例としては、九・一一の後のアフガニスタン戦争。これは、今までの総理の御答弁でも、湾岸戦争やイラク、これは集団安全保障の世界になりますが、九・一一の後のアフガニスタン戦争は、最初、アメリカが個別的自衛権を行使し、NATO及びオーストラリア等々がそれに呼応して集団的自衛権を行使したわけであります。
我が国は、このときは、御案内のとおり、集団的自衛権ということはもちろん議論もされていないときでしたので、インド洋で給油をするということで対応したわけでありますが、今後、集団的自衛権の行使が認められるようになった場合に、アフガニスタンのような事例があったときに対応が変わるのか変わらないのか、変わるとしたらどういう部分で変わるのかというのを伺いたいと思います。

○安倍内閣総理大臣 アフガニスタンのような事例としては、あの際、我々は、テロ特措法をつくって給油活動を行ったところでございます。
もし、あのときに、今この安保法制懇で報告がなされた形で検討が行われ、そして解釈の変更が行われた場合ということでございますが、この委員会でも答弁をいたしましたように、集団安全保障において、我々は、武力行使を目的として戦闘に参加をすることはないということを申し上げているわけでありまして、それは検討対象にはしないということにしております。
そして、集団的自衛権という中においての検討でございますが、集団的自衛権の中で、アフガンのようなケースでございますが、そのケースにおいてどう考えるかということでございますが、現在の政府において、憲法解釈においては、武力行使の目的を持って武装した部隊を他国の領土、領海、領空へ派遣するいわゆる海外派兵は、一般に自衛のための必要最小限度を超えるものであって、憲法上許されないというのが政府の見解、これは個別自衛権の見解でございますが、この個別自衛権においてもこれがかかっているわけであります。
先ほど言われた策源地攻撃は、この一般の、今の範囲の中には入らないわけでございますが、仮に集団的自衛権の行使が認められるとしても、同様の制約がかかるのは当然のことと考えているわけでございます。
このため、シーレーンにおける機雷の掃海や船舶の護衛といった事例については検討していく必要があると考えられますが、海外派兵は一般には許されるものではないと考えているところでございます。

○浅尾委員 もちろん、戦後一貫して、我が国はそうした戦闘行為に参加をしておりません。しかし、同時に、アフガニスタンのときは、今申し上げましたように、インド洋で給油をした。それは、日本人二十四名が九・一一で亡くなったことも含めて、我が国の同盟国であるアメリカとある種共同歩調をとった。そして、その後のサマワにも、これは復興活動ということになるかもしれませんが、現に行っているわけであります。
同時に、このアフガニスタンについて言えば、アメリカからは、我が国が持っておりますCH47をアフガニスタン本土に派遣して、負傷をした兵隊の輸送をしてほしいといったような要請もあったわけであります。
この負傷した兵隊を輸送するということ自体は、必ずしも、武力行使と一体化という、いわゆる憲法が今の解釈の中で禁じているものではない可能性があるようなものがありますけれども、そういうものも含めて一切しないという前提でこの議論を始めておられるのか、それとも、そういうものはやるのかということは、大変私は重要なことだろうと思っています。
それはなぜかというと、我が国がほかの国と同等の活動を戦闘地域で行わないというのは、平和主義をとっております憲法の考え方から当然の帰結として理解できますが、しかし、同時に、そうはいっても、湾岸のときにはお金を出しました、戦争が終わった後、機雷の除去をいたしました、そして、アフガンのときはインド洋で給油をしました、イラクは航空自衛隊と陸上自衛隊が行っています。それは、何らかの活動をした方が国際社会における日本のいろいろな外交上のメリットもあるからということでしょうし、国際社会から恩恵を受けておりますし、今申し上げましたように、九・一一のときは我が国の国民自体も亡くなっているわけであります。
その前提で、制限があるけれども、アフガニスタンのようなときに、負傷した、これは現にアメリカからの要請がありましたけれども、そうした兵隊を輸送する、そのために今の解釈を変えるんだと正面切って説明した方が、冒頭申し上げました世論調査の結果なんかにも好意的な、まあ、好意的という評価を下してはいけませんが、解釈見直しに対して好意的な影響を与えるのではないか、むしろ正面からどこに課題があるのかということを捉えたことになるんじゃないかと私は思いますが、総理としてどう考えられますか。

○安倍内閣総理大臣 それは、まさに今、浅尾委員がおっしゃった問題意識で、同じ問題意識を持って検討しなければならないと考えています。
国際の平和及び安全が脅かされ、国際社会が一致団結して対応するときに、自衛隊が幅広い後方支援活動等で十分に貢献できるような法整備をしていくことが必要であると考えています。
後方支援活動等を今まで以上に支障なくできるようにすることは、我が国の安全の確保の観点からも重要でありますし、また、このような法整備は、自衛隊と例えば米軍の連携強化、ひいては日米同盟の強化にも資するものであると考えておりますが、これまで、我が国による後方支援に際しては、我が国による後方支援が他国の軍隊の武力の行使と一体化することがないことを制度的に担保するための一つの仕組みとして、個別の法律において非戦闘地域や後方地域といった仕組みを採用してきたところでございます。
武力の行使との一体化の考え方をもはやとらないとする安保法制懇の報告書の提言をそのまま採用することは、従来の政府の立場に照らして難しい。いわば武力の行使との一体化論は今後も維持をしていくわけでございますが、従来から政府が示してきた判断基準をより精緻なものとして、具体的に何が武力の行使と一体化する行為なのかを明確にすることは今後の検討課題の一つであろう、このように思うわけであります。
かつては、医療行為自体が武力行使と一体化する、こう言われていたわけでありますが、それは変化してきたわけでございます。これは当然の変化であろう、こう思うわけでありますが、また、従来から、非戦闘地域、後方地域という概念についてはさまざまな議論がございました。この国会の場においても、果たしてそういう概念が存在し得るかどうかという議論もございました。
いずれにせよ、そうしたことについても検討していく必要があるのではないかというふうに私は考えているわけでありまして、現在、与党協議が進められているわけでございまして、この検討結果を待ちながら、政府としても、法制局を中心に検討を進めていきたいと思います。

○浅尾委員 政策論として、武力行使をしない、しかし、例えば、負傷した兵隊を戦闘地域といえども輸送する、他国の兵隊さんでも輸送するというのは、これは政策論なのであって、憲法からここまでは読めるけれどもここまでは読めないというのは、そのときの読み方を変えてしまえばそうなってしまうだろうということだと私は思いますので、政策論の部分でどこまでをやるのかやらないのかという議論の方がわかりやすいのではないかなと。
つまりは、憲法九条から日本は平和主義だということでありますから、戦闘地域において実際に我が国が急迫不正の侵害を受けていない場合、あるいは、我が国と密接な国が急迫不正の侵害を受けて、そのまま放置した場合には我が国がそうした危険にさらされるといった場合を除けば、戦闘地域においてそうした活動に参加しないというのは、そういう政策をとっているんですと政策論としては言えると思いますけれども、しかし、それを、憲法からそこまで読めるんだというのは、冒頭申し上げたように、そのとき、その時代環境が変われば読み方がまた変わってくるので、そういう考え方というのは、なかなか、私自身としては、余りすっきりと、すとんと落ちない考え方なのではないかなということを申し上げておきたいと思います。
もう一つ、安保法制懇が出した安全保障環境の変化に、中国の影響力の増大というものがあります。国防費は、名目上で、十年間で約四倍、過去二十六年で四十倍にふえているということでありますし、また、中国が領有権の主張等々をして、いろいろな独自の主張をしております。
例えば、今用意をさせていただきましたけれども、今回、与党の中の事例では、海上の船同士の争いのようなことが言われておりますけれども、私は、船以上に危ないのは、実は空だろうと。それは、こういう表現が適切かどうかわかりませんが、空の場合は、万が一ミサイルが一発でも当たればその飛行機は落ちるわけでありますので、そういう意味で危険だというふうに思っております。
私の理解では、軍用機も艦船も、その国の旗がついている限りにおいては、まさに主権の象徴ということでありまして、外国の軍用艦に対する攻撃は、例えば、例としていいかどうかわかりませんが、某国ということにしておきましょう、お答えになるときに困るでしょうから。某国の軍用艦が米軍の軍用艦に攻撃したら、これは、某国が米国に対してまさに武力行使をしたということになるんだというふうに思います。同じように、戦闘機も同じなので、某国の飛行機が米軍機にそうした攻撃を加えたら、これも武力行使になるというふうに思います。
その上で申し上げたいのは、中国がつくりました防空識別区と我が国の防空識別圏は重なっております。そして、先般も、中国軍機が異常接近をしたということがありました。
先日、この中国の防空識別区、そして我が国の防空識別圏の重なるところを米軍のB52が飛びましたが、その際には、中国側のスクランブルに至らずに、大きなことになりませんでしたけれども、仮に、先日異常接近したような事態で、米軍機に対して中国空軍機が異常接近をして、そして、日本の航空自衛隊が、我が国の領空に入ってくる可能性があるということでスクランブルをかけた場合でも、先に中国軍機が米軍機に攻撃をした場合、我が国が攻撃を受けているわけではありませんから、そこに直接的に対応すると、これは多分、集団的自衛権の発動ということになって、現行憲法解釈上はそうしたことはできないということになるんだと思います。
こういったようなところに対応するための議論というのが結果として抑止力の向上になるということで今回の議論を始めておられるという理解でよろしいですか。

○小野寺国務大臣 委員が今御指摘されたように、これは一般論としてお話をさせていただくと、公海上空を飛行する外国軍機に対し自衛隊法第八十四条に基づく対領空侵犯措置を実施することは、当該機が我が国領空を侵犯するおそれがない限り困難であるということでありますので、現時点ではできないということになります。
今さまざまな議論をしていただいているところでありますが、私どもとしては、やはりその目的が、どのような意図でこのような攻撃がなされたか、そういうことが全て勘案される中での判断が重要だと思っております。

○浅尾委員 ちょっと最後の部分の御答弁、結構重要なことをおっしゃっていましたけれども、その目的が、どのような意図でこのような攻撃がなされたのかの判断ということですが、複数の質問があるんです。
まず一つは、判断をされる主体は、飛んでいる航空自衛隊のパイロットがその瞬間に相手の意図を判断するというのは、これはなかなか難しいというか、事実上不可能だと思います。だからこそ、そういうことになる前に、こういう議論を喚起して、議論をされているという理解でよろしいでしょうか。

○小野寺国務大臣 その某国の戦闘機が、例えば我が国の領空に侵入をする意図を持って航行していた場合、あるいは、例えば我が国の領空の中で今言った米軍機等にもし攻撃があった場合には、この米軍機がもし墜落をする場合には、我が国の領土に大きな影響がある。こういうさまざまなことを検討する必要がある。いつも、そういうことについては、私どもは不断の検証をすることが重要だと思っております。

○浅尾委員 航空機の例を出しておりますのは、実態的に言うと、その空域に日本の航空自衛隊と米軍機と某国の飛行機があって、日本の航空自衛隊が、米軍機が某国から攻撃されているのを見ているということ自体が日米同盟に大きな影響を与える。したがって、憲法上の制約があるとするならば、可能性としてそうならないようにするために今回の議論を提起しているということなのではないかと思いますが、その点についての総理の見解を伺いたいと思います。

○安倍内閣総理大臣 もちろん、我が国の領空あるいは防空識別圏については、自衛隊が主体的に警備あるいは防衛をしているわけでございますが、在日米軍も日本に空軍として存在するわけでありまして、極東の平和と安全を守っているということでございます。
そこで、今、小野寺大臣が答弁させていただいた、つまり、米軍機が撃ち落とされて墜落すれば、我が国の例えば住宅地に墜落するかもしれないということをもってして、果たしてそういう事態を防ぐことができるかどうかというような検討、研究をさまざまにしているわけでありますが、これは、まさに相当知的に、何とかしなければいけないという中において、法的な根拠を探す、その相当の格闘をしているのは事実であります。
そこで、これは政策論とはやや別になってきて、法律論になっているわけでありますが、政策論的には、日本の安全、国民の命、平和な暮らしを守るためには、日本の領空をしっかりと守っていく。これは、それを守っていく上において、そもそも日米で共同して守ることも可能であるわけであります。共同でこれを守っていく上において、今までの解釈のままでいいのかということも含めて検討していく必要はあるんだろう、このように思うわけでありまして、まさに今委員がおっしゃった、抑止力向上には極めてこれは直結する課題ではないか、このように思います。

○浅尾委員 時間になりましたので、坂元参考人にお越しいただいておりますけれども、私の質問を終えたいと思います。

 

 

予算委員会 平成26年2月12日

2014年02月12日 (水)

186-衆-予算委員会-6号 平成26年02月12日

○浅尾委員 みんなの党の浅尾慶一郎です。
みんなの党に対して国民の皆さんが期待されている部分というのは、やはりデフレ脱却を中心とした経済政策とか、あるいは公務員制度改革を中心とした行政改革、そして道州制の実現といったようなことを中心とする地方分権というところになるのではないかと思いますが、きょうは特に経済政策、そして行政改革について伺ってまいりたいと思います。そして、喫緊の課題であります外交、安全保障についても残りの時間で伺いたいということなので、ぜひ御答弁をお願いしたいと思います。
日本銀行の総裁にお越しいただいております。
この間、日銀は資産を毎月一定の割合でふやしてこられました。結果として日銀の資産は大きくふえたわけでありますが、今後、この資産をふやす割合を実額でふやしていくと、分母である資産はふえた中で、ふえる実額は小さくなる、つまり変化率というのは小さくなるということになりますので、この変化率を一定にしていくという議論も一部エコノミストの中ではあるわけでありますけれども、そのことについて日銀の黒田総裁はどのように考えられるか、最初に伺いたいというふうに思います。
○黒田参考人 委員御指摘のとおり、昨年の四月四日に政策委員会で決定いたしました量的・質的金融緩和のもとでは、二年程度を念頭に置いて、できるだけ早期に二%の物価安定目標を実現するという強いコミットメントのもとで、マネタリーベース及び長期国債の保有残高を二年間で二倍にするというテンポで増加していくということを決めて、それを実行しております。
これまでのところ、十分効果を発揮して、例えば金利につきましても、グローバルに金利が上昇している中で、日本の金利は低位で安定しているということでございます。
御指摘の長期国債の買い入れの効果につきましては、基本的には、中央銀行が買い入れて保有する国債の残高による効果というふうに考えられておりますけれども、市場には確かにフローの買い入れ額あるいは買い入れ率といったものを見ている参加者もおられるわけでございますが、理論的には恐らく保有残高というものが最も重要であろうと思っております。
いずれにいたしましても、委員の御指摘の点も含めまして、量的・質的金融緩和は今後きちっと実行し、長期国債の保有残高が年間五十兆円ずつふえるというテンポでこの緩和を進めてまいりたい。その中で、もとより上下双方向のリスクというのはあり得ますので、その点につきましては、リスクが顕在化する懸念があるということになれば、ちゅうちょなくその政策を調整してまいりたいというふうに思っております。
○浅尾委員 ぜひ、変化率も含めて、必要であれば、必要でなければそういうことをやる必要はありませんが、適宜適切に対処していただきますように総裁にお願いいたしまして、私の総裁への質問は以上でございます。
次に、税制。三本の矢ということになりますと、財政出動が二番目ということになりますけれども、公共事業での出動よりも、税を使って民間のお金がより動くようにする方が効果が大きいというふうに私どもとしては考えています。
その理由は簡単でありまして、実は、税率分が国に入る、しかし、税率の影響で動くお金というのは、〇・何とかで割ったことになりますから、例えば四十兆円減税するとすれば、税率が五〇%だとすると、動くお金は八十兆円ということになりますので、動くお金の量は、税制を動かした方が民間で動くお金は大きくなるというふうに考えているからであります。
そういう観点から、今年度の税制改正で私は一定の前進だと思っているのは、設備を取得した場合に即時償却ができるということは一定の前進だというふうに思いますが、かねてより麻生財務大臣には、ぜひ、設備を取得したら即時償却を認めるのであれば、例えば事前に三年間で計画して償却するということであれば、それも含めて自由償却というのを認めてもいいんじゃないかということを申し上げてまいりました。
そのことについて御検討いただく用意があるのかないのか、まず伺いたいと思います。
○麻生国務大臣 平成二十六年度の改正におきましては、前々からお話がよくあっておりましたように、企業のため込んだ内部留保が昨年九月末で約三百六兆円ぐらいになっておりますので、そういったものを、基本的には、配当するか、設備投資するか、賃金上げるか、どれか三つのうちに使っていただければいいんですけれども、じっと金利もつかないままため込んでおるのはいかがなものかというお話をよくさせていただいておりました。
そういった意味では、企業が今国内で設備投資をしていただければ、それは雇用にもつながりますし、GDPにもつながりますし、いろいろな意味で民間の企業の活性化につながりますので、ぜひこれをということで、今般創設する即時償却制度におきまして、生産性の向上というようなことを考えて、経済効果の高い投資を促進する、促すという考え方のもとで、設備の取得をいたしました年度におきましては取得価額まで自由に償却できます。
また、取得年度に全額償却をしなくても、翌年度に残存価額の残り、全額までやはり自由に償却することができるというようなことにさせていただいて、この二年間の償却によって、損失が仮に発生する、これは十分にあり得ますので、発生した場合は、それは繰越欠損金として、その後九年間、今は九年間ということになっておりますので、九年間は所得と相殺できることなどを考えておりますので、今言われるような、自由償却制度を導入せないかぬという必然性は、ちょっと今はないのではないかと思っておりますので、課税の公平性等、いろいろ考えないかぬところだとは思っております。
○浅尾委員 恣意的な利益調整が可能になるというふうに財務省はよく言うんですが、私はちょっとおかしいのかなと。
つまり、設備投資をした金額の税率分しか安くならないので、残りの分は回収しようというふうに思いますから、残りの分を回収するためには、いずれかのタイミングで利益が発生する。そうなれば、いずれかのタイミングで税が発生するということになりますので、二年間で償却して残りは損に出して九年とかいう、ちょっとみみっちいことではなくて、九年間きっちり均等に償却ができるような設計を事前につくれるようにしたらいいのではないかということを御要請して、ぜひ中で検討をいただければというふうに思います。
次に、今、麻生財務大臣から御指摘がありましたけれども、三百六兆円の内部留保、これは、内部留保のうちで、実際に設備投資に回っているけれども、資産計上されているものは現金で持っているわけではありません、まだ償却していないわけですから。資産計上されて、要するに償却された残りの部分は現金ではないということになりますけれども、どうも、いろいろな一般的な話を聞くと、三百六兆円のかなりの部分は現金、預金に近い形であるということなんです。
そこで、民間の有識者の方にもそういう意見が一部あるんですけれども、税金をかけるものについて、まさにお金を動かすということで、従業員の方に人件費で払っていただくか、あるいは新しい設備を買っていただくか、そうでなければ株主に還元するという配当、この配当を促すという意味で、配当を思い切って法人税がかかる前に持ってくる。そのかわり、個人は配当金に対して二〇%、来年度から本則の税率で課税がされますが、法人は二重課税防止という観点から税金はかかりませんが、法人、個人、区別なしに配当金に同じ税金をかけるというようなことをすると、企業としては、ため込んでいるお金を動かすインセンティブが働くというふうに思いますが、そういったことについての考えはどのように思われますでしょうか。
○麻生国務大臣 一つの考え方だと存じます。
今、三百六兆と申し上げましたけれども、そのうち、これは正確には、表向きに出ている金なので、たんす預金やら何やらというのはどれぐらいあるかちょっとなかなか捕捉がしがたいところでもありますので、表向きに出るお金、約八百五、六十兆、現預金であるであろうと言われております。
いわゆるためたお金は飾り物じゃないので、これは動かさぬと意味がありませんので、こういったものを動かすためには、私どもとして、投資優遇税制とか、給与をふやした企業への税額控除とか、いろいろやらせていただいて、先ほど中山先生が言われた交際費課税の件も含めまして、いろいろやらせていただいておるんです。
平均給与というのは、確かに、十年前に比べて、四百四十五、六万から約四百六万に、一割ぐらいこの十年間で下がっておるということになっていると思いますが、逆に、配当は十年前と比較して約二倍以上ふえておりますので、そういった意味では、六・五兆が十四兆円までにふえております。
そういった意味では、事業の経費ではありません、利益処分である配当の損金算入みたいな形を認めるかどうかというのは意見の分かれるところだと思いますので、これはちょっと少々、今すぐここでそうさせていただきますとお答えできるほど簡単な話ではありませんので、検討させていただきます。
○浅尾委員 ぜひ御検討いただければと思います。
今、平均の人件費が下がっているという中で、直近の有効求人倍率に基づくこととも関係するかもしれませんが、日銀の雇用人員のDIという表を用意させていただきました。
この表を見ますと、雇用が過剰であるということと足りないというものの差でマイナスになっているということは、雇用が逼迫しているというところのあらわれなんですが、これを見ていただくとわかりますけれども、非製造業の中企業ないしは小企業で一番雇用が逼迫しているというような状況であります。
一般的なイメージで言うと、非製造業の中小企業というのは、どちらかというと、今、平均の給料というか報酬の話を財務大臣はされましたけれども、産業別でいっても低いところが実は、低いと思われている、まあ実際もそうだと思いますけれども、低いところが需給が逼迫しているというのがこの数字から読み取れます。需給が逼迫しているということは、逆に言うと、少しずつお給料を高くしないと採用ができないということになります。
政府は、経団連や組合、まあ組合にというのはないでしょうけれども、経団連等々、企業に賃上げの要請をされておりますけれども、むしろ、政府としてできることとしては、細かく都道府県別そして産業別に見た上で、特に雇用の需給が逼迫しているところについては最低賃金を引き上げていくということが、結果としてトータルの底上げにつながるんじゃないかというふうに思いますが、そのことについてまずどういうふうに考えておられるか、伺いたいと思います。
○田村国務大臣 最低賃金という考え方からしますと、先生も御案内のとおり、労働者の方々の生計費でありますとか賃金水準、そして企業の賃金支払い能力というところにかかってくるわけであります。
そう考えますと、もちろん、労働需給が逼迫しておりますから賃金は上がりやすいわけでありますけれども、やはり支払い能力というものがしっかりないことには、これは支払えないということでございますから、そのような点からいたしましても、経済の好循環をしっかりと我々はつくっていかなければなりません。
あわせて、そのような努力をされている企業に対してはしっかりと支援をしていく、こういうメニューも厚生労働省としても考えておるわけでございまして、最低賃金、昨年も十五円ほど上がるように我々も要請をさせていただいたわけでありますが、やはり賃金が上がる、そのような好循環に向かって努力をしてまいりたい、このように思っております。
○浅尾委員 実際に最低賃金を監督する立場の労働基準監督官なんかとも話をいたしますと、まず、この監督官の数が少ないのでこれはぜひ増員をしていただければと思いますが、最低賃金割れで摘発するケースも結構あるそうであります。
それはまさに今大臣がおっしゃいましたように、払えないからということなんですが、三本の矢の三本目、成長戦略、構造改革ということを考えた場合には、生産性がそこまで上がらないところ、現在の最低賃金でも払えないので最低賃金法で摘発されるというようなところは、ぜひ積極的に業種の構造転換を促す。特に今雇用の需給が逼迫しているということであれば、そういったような考え方も成長戦略としてあるのではないかというふうに思いますが、そのことについて、総理、もしお考えがあれば伺いたいと思います。
○安倍内閣総理大臣 浅尾委員の御指摘は、最低賃金を上げていくことによって、いわば、それに追いついていけないところは淘汰をされて構造改革が進んでいくというお考えなんだろうと思います。
先ほど田村大臣からも答弁をさせていただきましたように、まさにこれは企業側の支払い能力、特に中小・小規模事業者の支払い能力という点にも着目する必要もあるんだろう、このように思うわけであります。
我々の考え方としては、企業が賃金の引き上げを行うことのできるような経済環境を整えていくということと、そして、我が国の経済の生産性を上げていくことによって、そしてまた、第一次政権でも行っていたんですが、そういう中小・小規模事業者の生産性を底上げするような施策をしっかりと実行していく。そして、あるいはまた産業の新陳代謝の促進、これも重要であるというふうに認識をしておりますが、事業再編を促進するための税制を講じるなどの措置によって、我々、今委員がおっしゃったような趣旨については、中身については、そういう方向で進めていきたい。
しかし、それを最低賃金を引き上げるという形において行うということについては、いわば、それは中小あるいは小規模事業者に対しての影響が相当大きくなって、結果として、ついていけないところについては倒産あるいは事業をやっていけないということになりますと、そこで働いている人たちも職を失っていくということにつながっていくのではないかということも懸念をいたしております。
○浅尾委員 当然、生産性を引き上げなきゃいけないということが大前提であるわけですけれども、必ずしも市場が完璧なわけではないので、雇用が逼迫しているからといって、安いところにいる方が高いところに移るというようなものでもありませんので、そこは、うまい形で全体の底上げができるということの一つの道具としてこの最低賃金があるということは、ぜひ御認識いただきたいと思います。
あわせて、先ほどちょっと申し上げましたが、監督する人数が結構少ないというふうに聞いております。これは、大企業と中小企業とでは、いわゆる査察に入る件数がかなり大企業寄りになっているということも聞いておりますので、そこも、ルールはルールとして守っていただけるような体制をつくっていただきたいというふうに思いますが、もし何かあれば伺いたいと思います。
○田村国務大臣 昨年の九月に過重労働重点監督月間というものをやりまして、これは、三六協定で非常に時間が長いような協定を結んでおられるところであります。あと、九月一日に電話相談を全国で一斉にやりました。特にブラック企業問題等々がございましたが、ブラック企業というのは定義が難しゅうございまして、中小が入るかというと、もともとブラック企業というようなことがネット上で言われたのは、新興産業の結構大手等々で、要は、正規で入ってこれで安心だなと思ったら、どうもそうじゃなかったというようなところから出てきた言葉のようでございます。
それも含めて、過重労働に対していろいろと調査に入りました。結果、やはり七割ぐらいが中小で三割が大手、これは労働者の数と大体比例する部分でございます。
そういう意味では、中小、大手ともにやっておるわけでございますが、確かに、監督官の数、いろいろと御指摘もいただいております。決められた範囲の中でやっておるわけでありますけれども、大変重要な分野でございますので、我々もしっかりと、そのような違反等々を疑われるような企業に対しては指導監督に入るように、これからも努力をしてまいりたいというふうに考えております。
○浅尾委員 それでは、ちょっと幾つか経済政策の分野でも御質問を用意していたんですが、時間の関係で行革の方の分野に移らせていただきたいと思います。
まず、歳入庁にかかわることでありますけれども、厚生労働省に、法務省から、法人登記簿情報というもので、法人数が移管したはずであります。それによりますと、四百四十九万法人が存在する。
テレビを見ておられる方、ラジオを聞いておられる方はちょっとわかりにくいかもしれませんが、法律の定義では、全ての法人は、雇用人数のいかんにかかわらず、厚生年金に加入しなければいけないということであります。
そういう中で、四百四十九万法人が法務局で把握している法人数であるということでありますが、実際には百七十八万事業所、これは法人数ではなくて事業所ということでしか厚生年金が適用されていない。では、法務省が把握している法人と合致した数は幾つかというと、百三十九万だ。だから、その残りというのは、実は日本年金機構では把握していなかったというふうに思いますが、まず、今私が申し上げたこと、細かい数字は別として、大きな数字では合っているかどうか、伺いたいと思います。
○田村国務大臣 今委員おっしゃられました法人登記簿情報、これを法務省の方からいただきました。
四百四十九万法人、これは、動いている法人もあるけれども、動いていない法人も入っているかもわかりません。その中において、百七十八万事業所が厚生年金の適用事業所数でございまして、これをヒットさせてみますと、百三十九万件が一致をしたということであります。
この違いというのを、もし後でお聞きをいただけるのならば後でお答えをしますけれども、お聞きになられないのならば、今お答えさせていただきたいんですが、後でよろしゅうございますか。(浅尾委員「後で聞きます」と呼ぶ)はい。
○浅尾委員 実は、法務省が持っている数字というのは、今までは日本年金機構には行っていなかったんですね。これが行くようになりました。
財務省、国税庁には、毎年毎年、法務省が持っている数字が行っているんです。ですから、四百四十九万というのは、もともと財務省は持っているはずなんですが、財務省の方が毎年丁寧に法人を申告しているかどうか調べる。休眠してしまった法人については、これは休眠したんだということなので、財務省が把握している数字は、二百九十八万五千ということが平成二十五年六月三十日現在で、なおかつ、その中でも一部休眠しちゃったようなものがあるので、申告しているのは二百七十六万一千ということでよろしいでしょうか。
○古川副大臣 お答え申し上げます。
御指摘のとおり、平成二十五年六月三十日現在、国税庁が管理する法人数は二百九十八万五千法人でございます。
それから、申告件数もあわせてお尋ねいただきましたけれども、平成二十四年四月一日から平成二十五年三月三十一日までの間に終了した事業年度に係る申告につきましては、平成二十五年七月末までに提出のあった申告件数は二百七十六万一千件であります。
○浅尾委員 そうすると、登記をされて廃業届を出していない法人が四百四十九万ある中で、実際に申告しているのが二百七十六万ということなんですが、だから、大分そこで休眠しているようなものは圧縮されるんですが、毎年毎年圧縮していく、あるいは新規で起業されるということがあると思います。
まず、財務省あるいは国税庁としては、どういう手順で、休眠したものはもうこれは休眠ですという判断をされるのか、その手順を教えていただきたいと思います。
○古川副大臣 お答え申し上げます。
先ほど申しましたとおり、約二百七十六万の法人を管理対象としておりますけれども、一度把握した管理対象法人のうち、商業登記簿を閉鎖した法人、あるいは収益事業を廃止した公益法人等、あるいは商業登記簿は閉鎖していないけれども事実上廃業したと国税庁が判断をいたします、これは実態調査等をしまして判断するわけですけれども、こういうものは管理の対象から外すということでございます。
○浅尾委員 実は、この予算委員会で、かつて今の話を質問させていただきました。本当は、国税庁が持っているデータを日本年金機構に渡していただくと、休眠したものは全部省かれているので、生きているものだけになるんですが、なかなかそのデータはもらえなかったみたいで、法務省から休眠のものも含めて日本年金機構に渡ってしまったので、数がちょっと多くなっているんです。
いずれにしても、国税庁では二百七十六万一千件は少なくとも生きているというふうに判断をしているわけですから、それとこの百三十九万。百三十九万と百七十八万の差は、私はかなりの部分は、大手企業の支店が別登記されている事業所、あるいは工場が別登記されている事業所なのではないかなというふうに思いますので、法人の数として今厚生年金に加入しているのは百三十九万だろうというふうに思います。あるいは、それに近い、ちょっと超えるぐらいの数。
そうすると、いずれにしても、二百七十六万と百三十九万ですから、あらあらいっても百三十万社ぐらいは厚生年金に未加入のところがあるんだろうというふうに思います。
これを別組織で潰していくというのが大変効率が悪いものですから、税務署と日本年金機構の徴収部門を一緒にしたらいいのではないかというのが、かねてから私が申し上げております歳入庁のメリットなんですけれども、今そのことを指摘させていただいた上で、後で答弁されたいということだったので、田村大臣、何かありましたら、どうぞ。
○田村国務大臣 今委員おっしゃられました、百七十八万件と百三十九万件の差でありますが、一つは、言われたとおり、それぞれの法人が、支店もございますし、それから工場等々もございます。どうしても、法人情報の方は、本店等々が基本的には登録されている。一方で、この厚生年金の適用事業所の場合は、その場所でございますので、その差があります。
それからもう一つは、地方公共団体等々で、公務員じゃない方々、しかし厚生年金の適用になられる方々がおられます。こういう方々も実はその差に入ってくるということでございますから、これはどれぐらいあるのか、ちょっと我々も把握はしておりませんが、その差もあるんだと思います。
しかし、いずれにいたしましても、今この二つの情報で五年間かけて集中的にやろうと思っておりますが、さらに、今おっしゃられました、財務省から実際動いている法人の情報も何とかいただけないかということで、今これは検討をさせていただいておりまして、何とかその方向でこれができれば、さらに具体的にスピードが上がっていくのではないか、このように期待をいたしております。
○浅尾委員 では、そういう要請がありましたので、以前は断られたんですが、麻生財務大臣、ぜひ、動いている情報を提供いただきますようにお願いしたいと思います。
○麻生国務大臣 昨年八月に取りまとめられております年金保険料の徴収体制強化に関する政府検討チームの論点整理というのがあるんですが、これは御存じのように、歳入庁というものの創設をやりますと、年金機構、これは特殊法人ですけれども、この年金機構に約一万六千人ぐらいの方がいらっしゃるはずですが、この一万六千人の非公務員を公務員にもう一回するという話ですので、行政改革との関係で、一万六千人公務員がふえるということを意味するので、これはいかがかなと思っておりますのが一点。
それから、保険料徴収の基本的な考え方を整理して必要な対策を講ずるということが重要なのであって、これは組織を統合して歳入庁を創設すれば解決するという問題ではないのではないかと思ったりいたしております。
いずれにしても、これは、厚生年金の適用事業所の把握というのを促進するために、国税庁の保有しております必要ないわゆる法人情報を提供するなど、現在の体制のもとで関係省庁との連携を強化することで、法人の把握、また突合させるペースを向上するようにさせていかねばいかぬ、そのように考えております。
○浅尾委員 今ちょっと、財務大臣の指摘の中で、私が考えていることと一点だけ違うので、実際の人数を教えていただきたいんです。
日本年金機構の職員は確かに一万六千人ですが、徴収部門に従事している方、つまり、支払いは大体、一万六千人のうちの一万二千人ぐらいじゃないかと思うんです。徴収業務は多分二千人ぐらいじゃないかと思いますので、二千人がくっつくだけなんじゃないかと思いますが、実際に徴収部門に従事している人数は何人ぐらいですか。
○田村国務大臣 二十五年四月時点で、厚生年金と協会管掌健康保険、この分野が千五百人、それから国民年金の徴収分野が九百人ということで、合わせて二千四百人でございます。
○浅尾委員 この千五百人の方も、実は、端的に言えば、一般の方は、私も含めて、そう言われればそうだなと思い直したんですが、税金は税務署が集め、年金保険料というのは年金機構が集めというふうに思っていますが、それはうそで、実は集めているのは会社なんですね。皆さんのお給料から天引きをして会社が納めているだけなので、納める先を一カ所にするというのは行革にまさになるわけでありますし、その千五百人の方、要するに企業にかかわる千五百人の方の部分は、実はその人数も要らなくても多分集めることはできるだろうというふうに思いますので、そういう意味で行革になるんだということを指摘させていただきたいと思います。
そのことを踏まえて、総理に、もう一歩踏み込んだ、行革も含めて、発言をいただければと思います。
○安倍内閣総理大臣 浅尾委員は、何か非常に整理されていて、何となくいいと思われる方もおられるかもしれませんが、政府の立場としては、先ほど麻生大臣から答弁させていただいたとおりでありまして、厚生年金の適用促進については、年金機構において、本来、厚生年金に入るべきにもかかわらず入っていない事業所に対する集中的な加入指導等に取り組む、そしてまた、今後、国税庁から必要な法人情報の提供を受けることを検討するということは、今も述べたとおりでありますが、まずは、現在の体制のもとで、関係機関との連携強化を行いつつ、しっかりと取り組んでまいりたいと思います。
そして、歳入庁については、これも繰り返しになるんですが、内閣官房副長官及び関係省庁政務官による検討チームが取りまとめた論点整理において、さまざまな問題点が指摘をされているわけでありまして、年金保険料の納付率向上等のためには、保険料徴収の基本的な考え方を整理して、そして必要な対策を講ずることが重要であり、組織を統合して歳入庁を創設すれば問題が解決するものではないと指摘がございました。
また、税の適切な徴収については、社会保障・税番号制度の活用や的確な税務調査の実施などにより、適正かつ公平な課税、徴収に努めていきたいと考えております。
○浅尾委員 特に、この歳入庁については、厚生年金等々の保険に入っていない業者と入っている業者で、例えば派遣の入札をすると、入っていない業者の方がかなり低い値段でとれるといったような、そういう問題点もありますので、ぜひそういうことを解決するためにも前に進めていただきたいということを申し上げて、次の質問、外交、安全保障にかかわる質問に移らせていただきたいと思います。
中国が防空識別圏を設定いたしました。もとより、この質問をするに当たって、昨日、建国記念日でありまして、たまたま、戦艦大和と一緒に沖縄戦に行かれた矢矧という船に乗っておられた池田さんという方のお話を伺って、相当、戦争というものは、実際この方は卒寿ですから九十歳でありましたけれども、大変だということを私自身も認識をしておりますので、当然のことでありますけれども、抑止という観点から質問させていただいているということは申し上げておきたいと思います。
この中国が設定したとされる防空識別圏、何が問題かというと、防空識別圏を設定すること自体はいろいろな国がやっていますので、そのこと自体をもって何か問題があるということではありません。しかし、防空識別圏は公海上に設定されているので、基本的には通行が自由でなければいけないというふうに思うわけでありますが、ここで問題になり得るとすると、我が国の防空識別圏と中国の防空識別圏が重なっている。
そこで、先日、米軍がB52爆撃機、これはあえて公表した話でありますが、もう少し低い高度で、もう少し速い速度で飛んだ飛行機もあるというふうな未確認の情報もありますが、それは別として、B52爆撃機というのは速度は遅いです。戦闘機と比べて遅く、なおかつ高い高度を飛ぶわけでありますが、いずれにしても、その中国の防空識別圏の沖縄尖閣周辺を飛んだということであります。
仮に、このB52爆撃機か何かは別として、米軍機がこの重なるエリアを飛んでいるときに、中国がいわゆるスクランブル、中国軍機がスクランブルをかけた場合に、我が国の領空に迫ってくるということであれば、当然、航空自衛隊はスクランブルをかけるという理解でよろしいかどうか、まず伺いたいと思います。
○小野寺国務大臣 まず、委員が御指摘の防空識別区ですが、これは通常各国が行っている防空識別圏とはかなり異なりまして、一つは、我が国の領土、尖閣にかかっているということ。それから、ここを普通は、日本もそうですが、防空識別圏の場合には領土に向かってくることに関してスクランブルをかけますが、今回中国が発表しているのは、全てそこを通るものについては公表せよ、これは民間航空機も同じだということであります。
委員御指摘がありますように、今回、ここにもし、この防空識別区の中においても、ここを航行する例えば他国の航空機が我が国の領土に向かってくる場合には、私どもとしては、対領空侵犯、スクランブルをかけるということになると思います。
○浅尾委員 先日は、先ほど申し上げましたB52がこの重なる部分を飛びました。そのときに中国側はスクランブルをかけなかったわけでありますが、仮にかけてくれば、航空自衛隊もスクランブルをかけるということになるんだろうと思います。航空自衛隊の場合は、各方面の司令官に、スクランブルをした場合の、どういう対応をするかの権限が平時においても移行しているというふうに理解しております。
中国側はどういうROEになっているかというのはわからないわけですけれども、仮に、第三国、先般の例でいうと、米軍機が飛んでいた、そこに中国側がスクランブルをかける、それが尖閣上空に迫るということになれば、航空自衛隊もスクランブルをかけるということになると思いますが、その中国軍機が、我が国自衛隊機ではなくて、米軍機に先に中国側のROEに基づいて何らかの攻撃をした場合に、現行の航空自衛隊のROEに基づいた対応というのはどういうものになるんでしょうか。
○小野寺国務大臣 まず、スクランブルのことについては、あくまでも、これは防空識別区あるいは中国の勝手に言っています防空識別区の中ですが、我が国のADIZもそうですが、基本的には、我が国の領土に向かってくる場合についてはスクランブルをかけるということになります。
今回の個別事案については、ですから、あくまでも我が国に近づいてきた場合ということでの対応ということになります。
そして、一般論でお話をすれば、公海上を通る外国軍機に関して、当然、自衛隊法八十四条に基づく対領空侵犯措置を実施するということは、我が国の領土の侵犯を行うということが前提ということになりますので、公海上で我が国の領土を侵犯しない形で、例えば、どこかの航空機とどこかの航空機がある面では交戦状態に入るということになった場合には、これは、我が国を防衛する必要があると認められない場合には、私どもとしてこの対応は困難だと思っております。
ただし、今回、この東シナ海の防空識別区の中には尖閣の上空も当然入ります。尖閣は我が国の領土であります。ですから、この領空において、例えば、これは米軍機に限らず、航空機に対して外国機による攻撃が行われた場合には、当該攻撃が我が国に対する武力攻撃に該当すると認められる場合には、自衛隊法七十六条に基づく防衛出動によって対処することも可能であると考えられます。
○浅尾委員 実は、私がこのことを取り上げましたのは、海の上だと空の上よりは大分スピードが遅いんですね。空の上は、残念ながら、一発当たれば航空ができなくなるということであります。
先ほど申し上げましたように、現行の、多分、私の理解で、この場合でいえば南西方面の航空司令官というんですかに移行されているのは、信号弾を撃つところまでの判断だというふうに理解をしております。
したがって、空の上で、今申し上げましたように、特に、尖閣の領空というのは尖閣諸島の上プラスそこから十二マイル、十二海里のところまでですから、その外側は領空ではないということになると、その外側のようなところで不測の事態になったときに、先ほど防衛大臣が言われたように、対処し切れない状況になる可能性があるんだろうと思います。
対処し切れるか、し切れないかを法律が整備されていない中で、防衛出動というのは、戻ってきてと、そんなことをしている時間はないわけでしょうから、そうだとすると、対応策を事前に、平時に、冷静な環境のもとで考えておくということが必要なんだろうというふうに私は思いますが、その点について、今までの議論も含めて、防衛大臣、もしあれば。その後、総理に考えを伺いたいと思います。
○小野寺国務大臣 尖閣上空に限らず、我が国の領土、領海、領空を断固として守るという姿勢の中で、私どもとしては、あらゆる事態を想定して、その際にどのような対応をとるかということは内部でしっかりと検討させていただいております。
○浅尾委員 私がこのことを取り上げているのは、この間はスクランブルがなかったから逆によかったのかもしれませんが、万が一スクランブルがあって、それに対応して自衛隊機がスクランブルしているけれども、米軍機に対応した中国軍機と交戦的なことになった場合に、その場で自衛隊機は飛んでいるけれども何もしないということは、そのこと自体が日米同盟に大きな亀裂を与えることにもなり得るだろうというふうに思いますので、そういうことも含めたさまざまな可能性について、国会の場においても議論をしていくことも必要なんだろうというふうに思いますが、総理のお考えを伺いたいと思います。
○安倍内閣総理大臣 発生し得るさまざまな可能性と我が国の対処については、常に、いわばこうした平時においてこそしっかりと議論していく、冷静な議論をしていく、そして万全を期していくことが大切だろうと思います。
同時に、中国との間においては、中国がこうした形で防空識別区を設定いたしました。その中において、海よりも空の方が、偶発的な事故、衝突が起こる危険性は高まるわけでありますから、だからこそ、いわば防衛当局同士の話し合いをしていく必要はあるんだろう、このように思うわけであります。
海については、既に第一次政権のときに申し入れをして合意に達したんですが、具体的にそれをつくっていくということについて、まだ中国側が応じていないわけでありますが、今後とも、海と空において、そうしたコミュニケーションがとれるようにしていくために働きかけを続けていきたい、このように思っております。
○浅尾委員 終わります。

 

 

予算委員会 平成25年10月22日

2013年10月22日 (火)

185-衆-予算委員会-3号 平成25年10月22日


○浅尾委員 みんなの党の浅尾慶一郎です。
きょうは、具体的な提案をさせていただきたいと思いますので、ぜひ前向きな答弁をいただきたいと思います。
私どもは、消費税の増税については、その増税の前にさまざまやるべきことがあるということを申し上げてまいりましたが、特に今回の消費税の増税は、社会保障との関連で増税されるということになっております。
御案内のとおり、社会保障の財源というのは、税金に加えて保険料ということでありまして、多くの保険料は、実は企業が、法人がというふうに言った方がいいかもしれませんが、そこに勤めておられる方のお給料から天引きをして、所得税は税務署に、そして保険料は社会保険事務所に払っているということなので、実態的には、日本の場合は企業が、法人が集めているというのが実態であります。
そのことで、だからこそ、社会保険料を集めております今の日本年金機構の徴収部門と、そして国税庁を統合して、歳入庁をつくったらいいというのが私どもの考えでありまして、残念ながら、先般の本会議での総理の答弁の中では、いろいろな問題点があると。ただ、この問題点というのは、実は認識が違うんじゃないかなというふうに思っておりますので、その観点から、幾つかまず質問をさせていただきたいと思います。
時間の関係で、私の方で、事前にいただいた数字を提示させていただいておりますので、読み上げさせていただきたいと思います。
法律上は、これは総理もよく御存じだと思いますが、従業員の数にかかわらず、全ての法人は、これは株式会社であれ、有限会社であれ、合資会社であれ、NPO法人であれ、全ての法人は、厚生年金に加入の義務を負っております。
しかし、実際に法人で、赤字の法人であっても毎年申告しているのは、これは直近の平成二十四年度ですけれども、二百七十六万一千法人あります。それに対して、厚生年金の加入事業所数、これは事業所数であって、法人ではありません。要するに、工場とか支店とか、同じ法人であっても別カウントできる、これが百七十五万八千ということで、事業所と法人だけでいっても百万違う。
まず、この数字、間違いありませんねということを伺いたいと思いますが、両方に聞いてもしようがありません、少ない方の、田村厚生労働大臣。
○田村国務大臣 今、委員の資料、法人税申告件数が二百七十六万件、それから厚生年金加入の方が百七十五万ということで、確かにこの数字を見ると差があるわけでありますが、しからば漏れておるかということになりますと、私ども、正確な数字をしっかりとつかんでおるわけではありませんけれども、未適用事業所が三十八万件ぐらいだというふうに推測しておりまして、百万件ほどはないのではないか。
それはどういうことかといいますと、例えば、名前だけつくって、実際問題、動いていない法人もかなりあるというふうに思います。それから、清算中の法人でありますとか、そもそも、法人としてはあるんですけれども、本来適用対象の従業員の方々が他の法人の方で実は適用されていて、そこに入っておられる方々は非正規の方々で対象にならないというような法人もあるということでございまして、この差があるんであろうなというふうに推測しております。
○浅尾委員 大分苦しい答弁をされておられましたけれども。
ちなみに、法人税を申告しているわけですね。法人税を申告している法人以外に、実は、申告していない法人もあります。存在する法人としては、全国で大体三百万ぐらいです。その中で、動いている法人が二百七十六万一千法人。休眠法人は申告をそもそもしていません。休眠法人については、申告しなくても、税務署は、それは休眠しているからということで追っかけていないのです。ですから、この百万の差、百万以上の差というのは、まずそこは認めていただかないと、厚生労働省の立場というのはあるかもしれませんが、そこは認めていただきたいと思います。
そのことを申し上げるに当たって、では、実際にどれぐらいあるかというのがすぐにでもわかるような情報を、厚生労働省に渡すようにいたしました。
まず伺いますが、今まで、なぜ税務署が、全国どこに法人があって、日本年金機構が、法人がないか、それには理由があったんです。
ちょうど谷垣法務大臣と目が合いましたので申し上げますと、皆さん、法務局に登記をされます、法人を設立すると。登記された情報はすぐ税務署に行きます。そうすると、決算月になると、決算年度になると、ちゃんと税務申告してくださいよということなので、間違いなく活動している法人は申告をする。しかし、日本年金機構、昔の社会保険庁は、そういう情報を今までもらっていませんでした。
これが日本年金機構に渡されるようになりましたけれども、いつその情報が渡されたか、その日付を伺いたいと思います。
○田村国務大臣 大変恐縮なんですけれども、まず前段なんですけれども、休業、清算中の法人や常時雇用者を有していない法人についても、厚生年金適用事業所とはならないですけれども、法人税の申告義務があるということでございますので、やはりカウントには入っておるというふうに我々は認識をいたしております。
それから、今、いつであったかという話でございますが、これは、もともとは、我々が政権を取り戻す前、浅尾委員の方から当時の与党の方に、与党というか政府の方にいろいろと御議論がありまして、もともとは、税務署にあるのではないか、国税にあるのではないかという話でありましたけれども、国税のデータも、もともとは法務省の法人登記簿情報ということでございましたので、これを我が方といたしまして、平成二十四年十二月から入手を開始いたしております。
○浅尾委員 平成二十四年十二月から、その情報が行きました。当然、日本年金機構には、既存の百七十五万八千百九十二事業所の情報はコンピューターの中に入っていますよね。法務局からも、コンピューター上の情報で行っています。
今、データベースというのは非常に発達していまして、二百七十六万一千法人と百七十五万八千百九十二事業所の突合というのは、データベースの組み方によりますけれども、一カ月もあれば簡単にできるんですね。
二十四年十二月に情報が来ましたけれども、その突合はいつごろできるんですか。
○田村国務大臣 この突合システムでありますけれども、来月、十一月からスタートする、そういう予定であります。
○浅尾委員 今申し上げましたように、そんなに難しい話じゃないんですね。法人の名前と住所が来ます。その法人がどういうことかは別として、法人の名前と住所が来ます。日本年金機構が持っている事業所は、もう既に持っておられるので、それを突合するのに、今のデータベースの仕組みだとそんなに、一年はかからないと思いますが、これは通告をしていないので想像でも結構ですけれども、なぜそれぐらいかかったか、お答えいただきたいと思います。
○田村国務大臣 詳しくはまたお調べして、委員にお伝えさせていただきたいというふうに思いますけれども、突き合わせするリストを作成したりするのに、平成二十五年の五月までかかっております。それから、二十五年の六月から、年金事務所において適用調査対象とすべきか確認作業を実施して、そして、いよいよこの十一月からスタートをするということでございます。
もし、詳しくまた理由等々をお聞きになりたいのであるならば、こちらの方で調べて、また委員の方に御報告をさせていただきます。
○浅尾委員 これは通告してある話ですが、ちなみに、この百七十五万八千事業所のうち、法人数はどれぐらいですか。先ほど申し上げましたように、工場とか支店とかというのは別カウントできますから。
○田村国務大臣 厚生年金の場合、制度上、人事労務管理の情報、こういうものがわかればいいわけでありまして、そういう意味では、事業所数という形でしか我々は把握をいたしておりませんので、大変申しわけないんですけれども、法人としてはつかんでいないということであります。
○浅尾委員 ですから、私が申し上げたいのは、休眠法人であっても事業所税を払わなきゃいけない、これは実際上はそうですよ。実際上はそうですけれども、全国の税理士さん、私がよくつき合っている税理士さんに聞いても、基本的にはそういう調査は来ません。それがいいかどうかは別問題として、来ません。ですから、わざわざ申告をするというのは、何らかの活動をしているか、百歩譲ってあったとしても、将来また活動しようと思っている法人以外は、申告しなくても、実態上、そういう調査は来ません。
それから、別途、税理士さんなんかに聞くと大体わかるのは、浅尾さん、いいかげんに、歳入庁をつくるのをやめてよ、我々の顧問先でそんなことをやられたら払えないというふうに言われちゃうのも事実です。
ですから、それは、厚生労働省としては少なく言いたいと思いますけれども、早く突合をして、実態がどうなのかというのを調べないといけない。法人数というのも、突合するに当たっては必ずわかりますから、それも、まずは、百七十五万八千のうちの実際の法人がどれくらいかというのも調べることを、突合すればわかるはずなので、お約束いただきたいと思います。
○田村国務大臣 いいも悪いも、突合すれば結果的にわかってくるデータだというふうに思いますので、また、わかればお知らせをさせていただきたいと思います。
○浅尾委員 そもそも、日本年金機構が把握している法人数と、国税庁が把握している法人数に膨大な違いがある。事務方としては、今、厚生労働省になるわけですけれども、加藤官房副長官が座長をしている歳入庁検討の部会にはそういう情報を上げていなかったと思いますが、そういう情報を上げてきたか上げていなかったのか、これは質問通告してありますけれども、伺いたいと思います。
○加藤内閣官房副長官 浅尾委員にお答えいたします。
今御指摘ありました私並びに関係する政務官でのチーム、これは、「年金保険料の徴収体制強化等について、歳入庁その他の方策の有効性、課題等を幅広い観点から検討し、実施すること。」という規定に基づいて検討させていただきまして、八月に一つ論点整理をさせていただいて、歳入庁に関するさまざまな問題点を指摘するとともに、年金保険料の納付率向上等のためには、保険料徴収の基本的な考え方を整理し、必要な対策を講ずることが重要である旨を論点整理等で述べさせていただきました。
その過程においては、今御指摘がありましたように、法人、いわゆる国税庁が把握した法人というのは、その申告件数よりも少しふえますけれども、連結決算等ありますが、その法人と事業所数には差があるということは認識をしておりましたし、そういう意味では、適用の対象をしっかり効率的に調査し、適用をしっかりやっていくということも、論点整理の中で述べさせていただいたところでございます。
○浅尾委員 私が衆議院の調査室に依頼して調べていただいた数字でいいますと、約一千万人ぐらいですね、本来厚生年金に加入しなければいけないけれども、加入していない。つまり、適用事業所になっていない結果、加入していない人がいるというのが、私が依頼して衆議院の調査室が出していただいた数字でありますけれども、政府の方としては、どれぐらいの人が、本来厚生年金に加入していなければいけないけれども、そういう数字になっているかという数字を持っておられますか。
○田村国務大臣 まず、誤解のないように、我々も、徴収漏れがあれば、これは何とかして徴収をして、これで税収がふえるというわけではございません、あくまでも保険料でございますから、医療保険財政というものが安定したりでありますとか、年金なら年金で、将来、もらえない方々が、本来もらえるということで厚生年金等々がもらえるようになるという中において、しっかり徴収を促していかなきゃならぬ、こう思っておりますが、今、一千万人、多分、一千百万人ぐらいだというふうにみんなの党の方は試算をされておられるんだと思いますが、これはちょっと我々が握っている数字とは違います。
具体的にどこが違うかといいますと、五千五百万人、これは国税庁の統計上の民間給与所得者のサンプル調査、これも、数字じゃありません、要するにサンプルで、これは予想値ですね。(浅尾委員「いやいや、だから、政府の数字」と呼ぶ)ええ、申し上げます。
我々が、約三千五百万人、年金の被保険者がおると。あわせて、大体この二千万人の中で適用除外になる方々が八百六十九万人というふうに、みんなの党さんは試算をされておられます。ですから、差を引きますと、一千百四十六万人となるんですが、この八百六十九万人の試算が我々と違っております。
例えば、週労働時間三十時間未満の短時間労働者で省かれる人数が、みんなの党の試算では六百八十一万人というふうに試算されておられますが、我々も、これは絶対正確な数字だとは思いません、もちろん推計なんですけれども、労働力調査、これは総務省の調査でありますけれども、これから九百三十万人というふうに試算しております。
それから、従業員五人未満の個人事業主に雇用される労働者、これも厚生年金の適用とならない者でありますけれども、みんなの党が百二十万人、我々は百三十万人、若干これは我々の方が多いということでございます。
それから、七十歳以上の労働者、これは、みんなの党は六十八万人でありますけれども、我々は百二十万人と試算しておりまして、我々の方が倍ぐらい多い。
さらに、農林業でありますとか宿泊業、飲食業、サービス、理容等々の生活関連の事業者、ここに雇用される労働者、これはみんなの党は試算の中に入れておられませんけれども、約百六十万人いるであろうと我々は予想しております。
それから、共済組合等の対象の私立学校の教職員や郵政会社の職員、これがやはりみんなの党は試算されておられませんけれども、我々は七十万人と。
もろもろ、いろいろ計算しますと、我々は大体三百五十万から四百万人ぐらいが漏れている人数ではないのかなと、あらあらの試算でございますけれども、試算をさせていただいております。
○浅尾委員 まず、一生懸命徴収されているということなんですが、たまたまきのう社会保険労務士の皆さんと話をする機会がありました。委託されていますよね、日本年金機構は。日本年金機構は株式会社にも委託するんですが、入ってくださいよと言っても、まず、公印が押されているものを見ても、委託先が未適用事業所に行っても、そんな公印、本物かどうかわからないじゃないかといって帰ってくるケースが多いということなんです。ですから、一生懸命やっているのは日本年金機構の職員だけじゃないということは、まず、これは事実ですから、認めた方がいいですよ。
要は、歳入庁をつくるということは、税務署と日本年金機構の徴収部門が一緒になりますから、これは圧倒的に適用率は上がるということをまず申し上げておきたいと思います。
それからもう一点だけ。
ちょっと総理は今退席をされましたけれども、国民年金の未加入ということについて、先般の本会議の総理の答弁にもありましたけれども、国民年金の未加入には歳入庁は役に立たないというような話がありました。国民年金については基本的にそうかもしれません。しかし、繰り返しになりますが、基本的に、法人に勤めている人について所得税を天引きしているかどうか、そして保険料を天引きしているかどうかのチェックは一カ所でした方が、はるかに漏れがなくなるということは指摘をさせていただきたいと思います。
その上で、国民年金未納、未加入は、これは個人事業主が、要は法人以外は厚生年金に入る必要はないわけですから、正確に言うと五人以上雇っていれば入る必要はありますけれども、個人事業主で例えば申告漏れしている人が多ければ、国民年金の未加入というのもあるかもしれない。しかし、今、個人事業主については、申告の際に年金の保険料を添付するような形になっていますから、チェックしようと思えばすぐできるんですね。
まず、麻生財務大臣に伺いますが、個人事業主で申告漏れというのはそんなに多いんですか。
○麻生国務大臣 これは浅尾先生御存じのように、個人事業主については、基本的には、所得税を納めるという必要がなければ申告義務は全くありません。したがって、国税庁におきましては、個人事業主のうち申告を行っていない人の数がどれくらいかと言われても、ちょっとその数を把握しているわけではありません。
〔林(幹)委員長代理退席、上杉委員長代理着席〕
○浅尾委員 所得税を脱税している人がどれぐらいいるかというような質問ですから、それはわかっていればやめろという話だと思いますので、そうだと思いますけれども。
基本的には、申し上げたいのは、実は、歳入庁をつくるということは徴収コストを下げるということなんです。
つまり、法人が間に入って天引きをしているもののチェックをするのを一カ所にすればコストが下がるんじゃないかということだと思いますので、最後に、この質問を終わるに当たって、総理に、先般の本会議では大分、それぞれ財務省と厚生労働省の組織を守る議論の答弁になったと思いますが、そうでない答弁が期待できれば伺いたいと思います。
○安倍内閣総理大臣 先ほど答弁をいたしましたが、加藤内閣官房副長官及び関係省庁の政務官による検討チームが取りまとめた論点整理においては、歳入庁に関するさまざまな問題点が指摘されるとともに、年金保険料の納付率向上等のためには、保険料徴収の基本的な考え方を整理して、そして必要な対策を講ずることが重要であり、組織を統合して歳入庁を創設すれば問題が解決するものではないと指摘されたと承知をしております。これは先般、本会議でお答えしたことでございますが。
現在、論点整理に示された方向性に沿って、厚生労働省において年金保険料の徴収体制強化等に関する専門委員会を立ち上げ、議論を行うなど、さらに検討が進められておりまして、可能なものから速やかに実施をしてまいりたいと考えています。
なお、厚生年金の適用促進等については、政府としてもしっかりと取り組むべき重要な課題であると考えておりまして、論点整理においても、社会保障・税番号制度の活用も含めた関係機関との情報連携の強化など、厚生年金の適用促進策が示されたところでございます。
○浅尾委員 では次に、いわゆる三本の矢、アベノミクスにかかわる質問に入らせていただきたいと思いますが、財政出動のところは、今ちょっと麻生財務大臣が離席をされておりますので質問の順番を変えさせていただいて、規制改革について伺いたいと思います。
まず規制改革そのものについて総理に伺いたいと思います。
そもそも順番としては、全国一律で規制をなくす、それができない場合に、特定の国家戦略特区というものをつくって、そこで実験をするということなんだと思います。それに加えて、今回、企業実証特例制度というのを提案しようというふうにされておりますけれども、まず、今の哲学はそれでいいかどうか。全国一律が本来理想だけれども、それがだめなら特定のところで実験する、そういうことでよろしいですか。
○安倍内閣総理大臣 この特区制度は小泉政権時代からスタートしたものでありますが、基本的には、全国一律で過剰規制は変えていくという姿勢であります。
そして、それがなかなか難しいということであれば、まず特区を決めて、以前の小泉政権のときには下から上げてくる提案型でやっていったわけでございますが、今回は、国家戦略等も用いながら、国家の成長戦略の中においてこういう特区をつくっていきたいということで、地域においてやってみて、それを見ながら全国に展開をしていくということでございます。
○浅尾委員 そういたしますと、今回、それに加えて企業実証特例制度というものが提案されようとしているようでありますが、全国で監督官庁からだめだと言われ、どこかの市町村ないしは都道府県が上げない、だから、二回落ちたものが企業実証で上がってくる、そういう理解でいいですか。
○茂木国務大臣 この企業実証特例制度でありますけれども、特定の地域といいますよりも、高い技術力などを備えた意欲ある民間企業の提案を受けて、安全性等の確保の措置が講じられていることを条件として、企業単位で、国民の安心、安全や利用者の利便性にも十分配慮しながら新たな規制の緩和措置を講ずるものであります。
具体的なイメージで申し上げますと、これから恐らく自動走行の車というものが出てまいります。これは、我が国の関連産業の育成にも役立ちますが、同時に、高齢者の運転であったりとか、誤操作といったことを防止することによりまして、交通の安全にもつながっていく。
さらには、既に実証実験段階にありますけれども、燃料電池のフォークリフト、これが実用化されますと、作業現場におけますCO2の削減、低炭素社会、こういった実現にもつながってくると考えておりまして、もちろん最終的には全国に広げていくということになりますけれども、こういった企業の先端的な取り組みを加速化する上から、新たな制度として、企業実証特例制度、こういったことを盛り込んでおります。
○浅尾委員 伺いたいのは、別に、特定の企業だけに認めるんじゃなくて、同じ技術を持っている人には、要は型式認定を変えるなりして全部認めればいいんじゃないですか。何でそういうふうになっていないんですか。
○茂木国務大臣 浅尾議員もよく御案内のとおり、特定の技術について、進んでいる企業もあったり、また、そこまで進んでいない企業もあります。そこが実証するために必要な制度を整えようということでありまして、若干具体的なイメージを申し上げましたけれども、恐らく、二十年前に、インターネットで世界がつながるとは誰も考えていなかったと思います、ほとんどの人が。また、メールでみんながやりとりをする、こういう社会にもなると思っていなかったと思います。先端的な企業、具体名は挙げませんが、そういったことが出てくることによって全体のサービスが広がる、こういう制度があっていいということから、導入を決定した次第であります。
○浅尾委員 よくわからないんですけれども、規制をかけるのは別に経済のためじゃなくて、社会的な何か害があるから規制をかけるわけであって、ある企業だけその規制の外側でいいというんだったら、最初からその規制を全国で外せばいいわけなんですよ。インターネットだって、別に規制がかかっていたわけじゃないわけですから。
そうじゃなくて、副作用もあるのであれば、どこかの地域で実験すればいいんですが、今の御説明だとどっちでもないから、全国でやればいいんじゃないですか。
○茂木国務大臣 例えば自動走行の車をつくるとします。これは当然、最終的には公道において走行の実験をしなきゃならない。道路交通法上そういったものがまだできませんから、そういったことで、企業がその実証をする、こういう制度は必要だと思っております。
○浅尾委員 それは別に、自動走行の車を特定の企業だけに認めるのではなくて、特定の地域でやればいい話だと思うんですよ。何か説明がよくわかりません。
○安倍内閣総理大臣 例えば、今、自動走行という話がありましたが、これがなぜ認められないかというのはその理由があるわけでありまして、その理由に対してその企業は代替措置をとれる、つまり、これを認めますが、懸念されることについてはこういうことで対応していきますよということを、その企業の独自の取り組みとしてやっていきますよということを証明できる企業については認めていきましょうということでございますので、当然、企業の力によって大きな差が出てきて、それができる企業とできない企業が出てくる、こういうことでございます。
○浅尾委員 実際に法案が出てきたときに、もう少し詳しく議論をしたいと思います。
財務大臣が戻られたので、財政の方に話を戻したいと思います。
三本の矢のうちの金融政策は私ども賛成であります。二本目の矢の財政出動というのは、民間で動くお金の量をふやせばいい、要は、民間で動くお金をふやすことによって経済効果を高めるということだと思いますけれども、そういう観点から、恐らく、財務大臣は、大企業の接待費も認めたらいい、損金算入を認めたらいいと。幾らとは言いません、どこかに飲みに行って使ったお金、安くなるのは税率分ですから、一万円飲んだって、戻ってくるのは、税率五〇パーとして五千円分しか戻ってこない、でも動く金は一万円だということで多分認められるんだと思いますが、そういう理解でよろしいですか。
○麻生国務大臣 いろいろこれは、昨年、中小企業、資本金一億円以下だけをやらせていただいたんですが、国税庁というか主税局の中ではえらい騒ぎでした、正直なところ。しかし、結果としてその効果は上がったと思っておりますし、特に地方の業界、事業、場所を見ればもうはっきりしていると思っております。
ただ、これで歳入減が三百五十億ぐらいだったと思いますので、大企業の分も同じようなことになりますと、数が全然違います。そういった意味では波及効果はもっと大きく、いろいろな意味で、私は、こういったことはやった方がいいのではないかとおなかの中自身ではまだ思っておりますが、今からちょっと役所の中でいろいろ忙しいことになりますので、それが終わりましたら御報告します。
○浅尾委員 私は、申し上げたいのは、今、三百二十億円歳入減だという話がありましたが、公共事業に三百二十億使っても、歳入減三百二十億になっても、国のトータルの入りと出では同じなんですね。ところが、歳入減三百二十億ということは、さっき申し上げたように、税率が五〇%ということは、使われているお金は六百四十億なので、民間で動くお金はもっとなんですね。もしかしたら、その後、気持ちよくなって個人で二次会に行けば、もっとお金が動くということもあるかもしれませんが、そういう意味では、別にこれに反対しているわけじゃないんです。ですから、動くお金の量をふやすという意味ではいいのではないか。
それで、動くお金の量をふやすという意味では、設備投資の減税というのが一番効果があるだろうということで、私どもはかねがね、実は自由償却というものを主張させていただいております。
これはなかなかわかりづらいかもしれませんが、例えば、ちょっとはやったうどん屋さんか何かがあって、内装が大体一千五百万ぐらいかかるとしますと、内装の償却期間というのは十五年なんですね。ですから、毎年損金に入れられるのは、単純に言うと百万円ずつ。しかし、十五年先まではやるような内装を今つくっても、多分、今の世の中ですと、三年とか四年ではやらなくなっちゃう。だったら、何年で回収するかは経営者に任せたらいい。
別に、その分の税金が安くなったって、全額回収できないんですから、経営者は全額回収するまでそれは商売しますよ。ということは、後で税金が入ってくるということなので、決して恣意的な利益調整になりませんし、税収も減らないです。だから、接待費を大企業にも認めるんだったら、償却期間も別に自由にしたって、考え方は一緒だと思いますが、その点についてどうですか。
○麻生国務大臣 これは、会社におられたので、定率、定額の違いがおわかりだと思いますが、見ておられる方はわからない方もおられますので。
償却には定率償却と定額償却とあるんですが、企業によっては、定率にするか定額にするかというのは、恣意的にいろいろやろうと思えばやれないことはないというので、こういった意味では、節税のためにいきなりどっと落としてみたりなんかされると非常に、税収増を図る側としてはなかなか難しいというのが第一点。
二つ目は、今言われましたように、僕も、設備投資をしていただくという意味においては、いわゆる設備投資をしてもらえれば即時償却を認めます、ただし、今不景気だから、デフレ脱却のために向こう三年以内とかそういった期間限定でやらせていただくというやり方の方がよほど効果は大きいと思って、そちらの方向で事を進めようとは思っております。
○浅尾委員 即時償却を認めるというのは、それは一歩前進だと思います。
ただ、例えば、大きなビルを建てると何十億とかかる。それは大企業だって、何十億を一年でというのはきついかもしれない。だったら、例えば三年ぐらいでということを認めても、結果として入る税収は減らないんですよ。当期入らなかった分だけ、入る時期がおくれますから、理論的に言うとその金利分だけ国が損するということなんですけれども、金利も安いですから、そこは踏み込んだ方がいいんじゃないですか。
要は、先ほど申し上げました、市場、要するに、マーケット、民間で動くお金は、税金が安くなって、国に入るお金の倍動きますから、そっちの方がいいのではないかということで、省内説得は大変だと思いますが、いかがでしょうか。
○麻生国務大臣 今申し上げたとおりに、税制の改革の一つなんだと思っております。
特別償却ができるというような形で、いわゆる対象設備とかその事業の年度とか、また償却限度額というのはある程度、一定のルールが決められているんですが、どの程度の減価償却を行われるというのを一方的に都合だけで決められると、これは御存じのように、計画上の設備投資として、やり方とすればいろいろあるというのは、この辺、企業経営をしたりいろいろやった人たちがそこの後ろにいますので、この人たちがやった手口がなかなか大したものだったんだとは思っていますけれども。これはなかなか、税務署とあれとのやりとりというのは、私も経営者としてやってきましたので、これはきちっとしたルールをある程度決めておかないかぬ。
ただ、それは、今までのように全部一律六十年とか何十年とか決められる、長さについては、ちょっとこれは検討をしなきゃいかぬ時期に来ているのかなとは思っております。
○浅尾委員 ぜひ、今前向きなお話をいただいたので、検討した上で実現をしていただきたいと思います。
それでは、次の規制改革の話に戻らせていただきたいと思います。
規制改革の分野として、総理は、岩盤規制として、電力、医療、農業という個別分野について国会の本会議で答弁されておりましたが、私は、それに加えて、実は一番大きいのは労働法制なんじゃないかなというふうに思っております。
なぜかというと、経済というのは労働力掛ける生産性なので、この労働力をふやすということの観点での労働法制というのがつくれれば一番いいだろうというふうに思います。
一方で、我が国の労働法制というのは長い歴史がありますが、長い歴史がある分だけ、一般的な見方でいうと、大企業の製造業で働いている人を対象につくられている側面が多いんじゃないかなというふうに思います。
つまりは、製造業というのは、例えば九時から五時まで製造ラインが動けば、その間に手待ち時間がない。しかし、今多くの人が働いているサービス業というのは、手待ち時間がどうしても出てくる。
この例を出すといいかどうかわかりませんが、おすし屋さんなんかは、もし、築地に朝仕入れに行って、昼間働いて、夜も働くとなると、今の労働基準法でいくと、個人事業主ですから対象になりませんが、多分、基本的にだめなんですね。おすし屋さんをサラリーマンでやろうとしたら大変なことになっちゃう可能性があるんです、例えで申し上げていますけれども。
労働法制というのが、世の中の多くの人がサービス業で働くようになったときに、さらに雇用をふやす中でどういう形で考えていったらいいか、それも今後の大きな改革の中身になるんじゃないかと思いますが、その点について、総理のお考えを伺いたいと思います。
○安倍内閣総理大臣 安倍内閣の基本方針は、成熟産業の失業なき労働移動と、そして多様で柔軟な働き方を実現することであります。
今、浅尾委員が指摘をされたように、大体、雇用というか労働時間というと、確かに一般の製造業をイメージするわけでありますが、さまざまな業態もあります。例えば、研究職の方は、研究していく上においてひらめいて、このままずっと夜までやって、そこで完成する場合もあるわけでありますが、これが九時―五時ということにはならないわけでありまして、そういう意味においては、人それぞれ、さまざまな働き方に対するニーズも当然あるんだろうな、このように思うわけであります。
今般、国家戦略特区における雇用ルールの明確化や、そして有期雇用の特例などの検討方針を決定したほか、規制改革会議を初めとした関係会議においても、雇用改革について有識者にさまざまな観点から議論をいただいているわけでありまして、今後とも、若者や女性も含めて、頑張る人たちの雇用の拡大を目指して取り組みを進めていきたいと考えております。
○浅尾委員 先般の本会議の御答弁で、岩盤と言われる電力、医療、農業といった個別分野についても改革を断行しますというふうに総理から答弁をいただいておりますけれども、具体的にはどういうところをやられますか。
○稲田国務大臣 規制改革担当大臣としてお答えをいたします。
岩盤規制と言われている雇用そして医療、農業について、ワーキンググループをつくって、有識者からのヒアリングなどを聞きながら、今、改革に取り組んでいるところでございます。
今どのような改革に取り組んでいるのかという御質問ですけれども、健康・医療分野の規制改革については、六月に閣議決定した規制改革実施計画において改革の重点分野の一つとして位置づけられ、本計画に定められた二十三項目について検討を行っております。
今期は、例えば健康・医療については、保険診療と保険外診療の併用療養制度、介護事業における経営主体のあり方の見直し、レセプト帳票の見直しなど分析可能なデータの整備、保険者による直接審査の推進や支払基金と国保連の役割分担の見直しなどについて、順次抜本的な規制改革に取り組んでいるところでございます。
電力につきましては、六月に閣議決定をいたしました規制改革実施計画における改革の重点分野の一つとして、フォローアップに努めているところでございます。
○浅尾委員 今、電力のお話をいただきました。
電力については、先般出された法律では法的分離ということなんですけれども、私どもは所有権分離による発送電分離が不可欠だというふうに考えております。特に所有権分離は、全国で一律でというのがなかなか難しいとなれば、事実上破綻をしている東京電力から先行した方がいいだろうと。
まず、事実上ということを今申し上げましたけれども、福島第一原発における一号機から四号機というのは廃炉が決まっております。したがって、東京電力の財務諸表から除却損という形で落とされておりますが、五号機、六号機、それから福島第二原発の一号機から四号機というのは資産計上がまだされておりますが、この資産計上の額はお幾らでしょうか。
○茂木国務大臣 まず、電力システム改革を行っていく、このことについては御党とも意識を一緒にしているところだと思います。
ただ、方法におきまして、所有権分離という形になりますと、本当に必要な資金を、経過的な措置が必要な場合に確保できるか、こういう問題、それから、憲法二十九条におけます、保障されております財産権の侵害の問題等々が出てくるかと思っております。
その上で、東京電力の資産の関係でありますが、平成二十四年度末におけます福島第一原発五号機及び六号機の簿価は合わせて一千五百六十四億円、福島第二原発の一号機から四号機の簿価は合わせて一千二百二十七億円、このように承知をいたしております。
○浅尾委員 東京電力の今年度第一・四半期決算の純資産は、一兆二千六百二十五億円で間違いないですね。
○茂木国務大臣 間違いございません。
○浅尾委員 実はこの一兆二千六百二十五億円と、今申し上げた福島第一原発、第二原発の二千七百億円強、これは大変重要な数字でありまして、一兆二千六百二十五億円のうちの一兆円というのは、後から入れられた、要するに国民の皆さんからお預かりしている優先株なんです。
ですから、もし、福島第一原発の五号機、六号機、そして福島第二原発の、これは四十年廃炉という前提でいうともう動かすことができないわけだというふうに考えるのが正しいんだと思いますが、これを東電の資産、バランスシートから落とすと、少なくとも普通株においては債務超過になるということになるわけなんですね、優先株が一兆円ということだと。
そうすると、プレパッケージの、優先株が入っていますから、ゴーイングコンサーンでキャッシュも入ってきますから別に破綻にはなりませんが、事実上国有化して分割していくということも可能なんですが、そういうことをやるに当たって、五号機、六号機、それから福島第二原発の一号機から四号機をバランスシートから落とさない理由というのはどういうことになるんですか。
○茂木国務大臣 各原発、炉をどう扱うか、これにつきましては、炉規制法上、事業者において判断をするということであります。
福島第一の五、六号機につきましては、既に九月の十九日、第一においては汚染水や廃炉、この事故収束の体制に集中する、こういった体制をつくることが必要である、最優先である、こういう総理の御判断で、東電の方に要請をしてございます。早期の判断を促したいと思っております。
いずれにしても、現時点におきまして、福島第一の五号機、六号機、第二については、そういった廃炉の決定を、東電として、しているわけではありませんから、当然、落とさない形になります。
○浅尾委員 金融担当大臣として麻生大臣に御通告しておりますけれども、時間も短いので私の方から申し上げさせていただきますが、一般的な金融慣行でいうと、収益ないしは売り上げを生む資産は連結をして資産計上ができる。しかし、売り上げを生まなくなった資産については、これは除却損として資産から落とすというのが一般的な慣行なんです。
ところが、東京電力については、そうしなくてもいいような形、あるいは、急に除却損によってバランスシートに影響を与えないようにし、なおかつ公認会計士さんが安心して判こが押せるような、そういう変更を十月一日付でやっております。
これは、国会も知らない間に電気事業会計規則というものを経産大臣の認可のもとで変えておりますけれども、これは、要は、福島第一原発にある五号機、六号機、そして第二原発の一から四号機を急に廃炉にすると、そもそも除却損も発生するし廃炉費用も発生するので、そうならないようにするための変更なんじゃないですか。
○茂木国務大臣 三・一一の東日本大震災、原発事故を受けまして、原発については、いかなる事情よりも安全性を最優先する。そして、その安全性につきましては、原子力規制委員会が独立した立場から判断をする。そして、その基準として、今年の七月に新しい規制基準、これが導入をされたわけであります。
この七月に新しい規制基準が導入をされる、これを見通しながら、本年の六月に、現行の料金・会計制度が円滑な安全な廃炉を行う上で適切なものになっているかどうか、会計の専門家等から構成されます廃炉に係る会計制度検証ワーキンググループにおいて審議をいただいてきたところであります。
その結果、原子力においては発電と廃炉は一体の事業であるとの考え方に立ちまして、料金・会計ルールを見直すことが適当と整理をされ、十月の一日に関係省令を改正したところであります。
もし、詳しく内容につきましてお尋ねのことがありましたら、改めてお答えをさせていただきます。
○浅尾委員 いや、そういう理屈を伺っているわけではなくて、今申し上げておりますように、本来、普通の企業であれば、売り上げを生むものを資産として計上し、壊れてしまったものは資産から落とすというのが安全な会計基準なんです。
福島第一原発の五号機、六号機そのものは壊れておりませんし、第二原発も壊れておりませんけれども、残念ながら、そこから収入が生まれるような発電が、四十年廃炉という基準の中で、想定ができないわけなんです。にもかかわらず、それを残すために、結果としてどういうことになっているかというと、福島第一原発の五号機、六号機、そして第二原発の一から四号機の中に入っている使用済み核燃料は、それを保管するという名目で資産として計上している形の会計変更なんです。
時間がないのでこの点だけ伺って終わりますけれども、そういう形で、少なくとも十年間はそこに使用済み核燃料を置いておきます、その分を東京電力の管内の人に負担してもらうとともに、福島の人にも、置いておきますよという説明はされたんですか。そのことだけ伺って、質問を終わります。
○茂木国務大臣 必ずしもそういうことではないんですが、これまで七六%で四十年間運転したとして満額が積み立てられるような制度でやってきた、生産高比例法という形をとってきたわけでありますけれども、これからなかなか、平均的な設備の利用率、稼働率を見通すことが現段階では困難な部分もあります。その観点から、定額法に変更する、こういう形をとらせていただきまして、解体が本格化するまでに大体十年かかりますから、四十プラス十という形で五十ということになります。
○上杉委員長代理 この際、佐藤正夫君から関連質疑の申し出があります。浅尾君の持ち時間の範囲内でこれを許します。佐藤正夫君。

 

 

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