あさお慶一郎(前衆議院議員 神奈川4区)

湘南の風

「大学の定員管理厳格化の視点から見た獣医学部の新設」活動レポート2017年8月号

2017年08月01日 (火)



高まらない入学定員超過問題への関心

加計学園の獣医学部新設を巡る混乱が続いています。国会では閉会中審査も行われました。
メディアを中心に議論が沸騰する反面、文科省が昨年度から手掛けてきた入学定員超過問題にはなかなか関心が高まりません。
定員超過する私立大学への対抗措置として、経費補助率を段階的に厳しくしているという対策です。
従来、収容定員8000人以上の大規模大学であれば、学生数が定員の1.2倍を越えなければ私学助成金が全額不交付になることはありませんでした。8000人以下の場合は1.3倍です。
つまり、大規模大学であれば定員の1.2倍まで、そうでなければ定員の1.3倍まで、それぞれギリギリまで学生を確保することが大学の利益に直結したのです。
そのため多くの大学で定員を超えて学生を入学させるというモラルハザードが横行していたのです。


中規模以上の大学では、新規入学者を減らす必要性

これが、2016年度から段階的に変更になり、8000人以上の大規模大学で最終的には2018年度から1.1倍以上、4000人から8000人未満の中規模大学で1.2倍以上、4000人未満の小規模大学は1.3倍以上というように変更が加えられました。
これにより、中規模以上の大学で定員を超えて学生がいるケースでは、新規の入学者を減らしていく必要に迫られたのです。


獣医学部の定員超過の現状

さて、これを前提に日本の獣医学部の定員の現状を見てみましょう。
まず日本大学生物資源学部獣医学科は1.14倍(本年5月1日現在)、麻布大学獣医学部は2014年から2016年の入学者数の平均で1.21倍、北里大学獣医学部獣医学科も2016年度までの5年間の平均が1.15倍といずれも大きく定員オーバーしていることが分かります。


定員超過のまま獣医を養成するか学部を新設するか

もちろん大学それぞれに規模のばらつきなどの要素があり、すべての獣医学部が直ちに超過定員分を減らす必要があるとは限りません。
また大学には、必ずしも学科単位で基準を満たすことが求められているわけではありません。
但し、現状、多くの大学の獣医学部が定員以上の学生を入学させていることは間違いありません。
もし、この現状を文科省の新たな基準に当てはめてゆくのであれば、大学と学生の需給は変わってくるでしょう。
そして、加計学園が獣医学部を新設することにも一定の蓋然性が認められるのではないでしょうか。
定員オーバーの環境で獣医を育て続けるのか、それとも新設した大学で育てるのか。
そうした視点もこの問題にはあることを考えてみるべきかもしれません。


衆議院議員 浅尾慶一郎

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